以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素等の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
[背景]
まず、本実施形態の背景について説明する。一般的に、撮像装置によって撮像される画像を分析する技術が知られている。例えば、道路を走行する車両の前方あるいは後方から少なくともナンバープレートが写るように所定のフレーム周期で撮像し、撮像された複数の画像を2つに分割し、分割された複数の画像間に差分がある場合に、当該分割された複数の画像を出力する技術が開示されている。かかる技術によれば、車両の写る画像を自動的に出力することが可能となる。
しかしながら、動画像における所定領域(例えば、ナンバープレート)の位置を推定するためには、解像度画像が必要ない代わりに、高フレームレートの動画が必要となる。一方、所定領域を分析するためには(例えば、ナンバープレートからナンバーを認識するためには)、高フレームレートの動画が必要ない代わりに、高解像度画像が必要となる。そこで、本明細書においては、動画像における所定領域の画像分析を、処理データ量を低減しつつ、より高精度に行うことが可能な技術について主に説明する。
また、処理データ量を低減するために、撮像装置によって撮像された高解像度画像の一部を切り出すことによって切り出し画像を生成し、切り出し画像から所定領域動物体の位置を推定する技術が存在する。しかし、高解像度画像には写っている動物体が切り出し画像には写っていないことがあるため、切り出し画像から所定領域の位置を高精度に推定することは困難である。本明細書においては、動画像における所定領域をより高精度に推定する技術についても説明する。
なお、車両およびナンバープレートが本実施形態に好適であるため、以下の説明においては、動物体として車両を例に挙げるとともに、分析対象としてナンバープレートを例に挙げる。車両およびナンバープレートが本実施形態に好適である理由としては、画像に写るナンバープレートは小さくなりがちであるために、車両のナンバーを高精度に認識する技術が求められることが挙げられる。
その他、車両およびナンバープレートが本実施形態に好適である理由としては、ナンバープレートは車種によらずに概ね同一の材質、色彩および形状を有しているために、ナンバープレートの分析手法としては、車種によらずに一定の分析手法を採用できることなどが挙げられる。しかし、車両およびナンバープレートは、本実施形態に適用され得る動物体および分析対象の例に過ぎないため、動物体は車両に限定されず、分析対象はナンバープレートに限定されない。
[システムの概要]
続いて、本実施形態に係る画像処理システムの概要について説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理システムの概要を説明するための図である。図1に示すように、画像処理システム1は、撮像装置10と分析装置20とを備える。また、図1に示すように、撮像装置10と分析装置20とは、ネットワーク50を介して通信を行うことが可能である。
撮像装置10は、道路を斜め上方から見下ろすように道路上方に設置されている。ただし、撮像装置10の設置位置は限定されない。例えば、撮像装置10は道路脇に設置されていてもよい。また、図1に示した例では、道路を手前側から奥側に向かって進行する車両30が撮像されるように撮像装置10が設置されているが、車両30の進行方向に対する撮像装置10の向きも限定されない。例えば、道路を奥側から手前側に向かって進行する車両30が撮像されるように撮像装置10が設置されていてもよい。
撮像装置10は連続的に撮像を行うことにより動画像を得る。撮像装置10によって撮像される動画像には、車両30に付されたナンバープレート31が写され得る。撮像装置10によって撮像される動画像は、ネットワーク50を介して分析装置20に提供される。このとき、撮像装置10は、撮像した動画像に基づいて車両30の動き情報を検出する。また、撮像装置10は、検出した動き情報も、ネットワーク50を介して分析装置20に提供する。なお、本明細書においては、撮像装置10が動き情報の検出を行う例を主に説明するが、動き情報の検出は分析装置20によって行われてもよい。
分析装置20は、撮像装置10から提供される動画像に対して分析を行う。より具体的には、分析装置20は、車両30の動き情報に基づいて動画像に写るナンバープレート31の位置を推定し、ナンバープレート31からナンバーを認識する。分析装置20は、認識したナンバーを表示することが可能である。そのとき、分析装置20のユーザは、表示されたナンバーを閲覧することが可能である。分析装置20は、ユーザから各種の操作を受け付け、当該操作に応じた動作を行うことも可能である。
なお、図1には、撮像装置10および分析装置20が別体として存在する例が示されているが、撮像装置10および分析装置20は同一の筐体に収まっていてもよい。また、図1には、撮像装置10および分析装置20が有線により接続されている例が示されているが、撮像装置10および分析装置20は、無線により接続されていてもよい。
[撮像装置の機能構成例]
続いて、本実施形態の詳細について説明する。まず、本実施形態に係る撮像装置10の機能構成例について説明する。図2は、本実施形態に係る撮像装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る撮像装置10は、制御部110、操作部120、画像センサ部130、通信部140および記憶部150を備える。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)などを含み、記憶部150により記憶されているプログラムがCPUによりRAM(Random Access Memory)に展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部110は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
操作部120は、ユーザから入力される操作を受け付ける。また、操作部120は、受け付けた操作を制御部110に提供することができる。本明細書においては、操作部120がボタンである場合を主に想定するが、操作部120はボタン以外の入力装置(例えば、タッチパネルなど)であってもよい。
画像センサ部130は、実空間を連続的に所定のフレームレートで撮像することにより動画像を取得する。また、画像センサ部130は、撮像した動画像を制御部110に提供することができる。特に、画像センサ部130は、1または複数枚の第1の解像度画像(以下、「低解像度画像」とも言う。)と第1の解像度画像よりも高解像度の第2の解像度画像(以下、「高解像度画像」とも言う。)を、所定周期を単位として繰り返し撮像する。
通信部140は、分析装置20との間で通信を行うための通信インタフェースである。上記したように、本明細書においては、通信部140が有線による通信を行う場合を主に想定するが、通信部140は、無線による通信を行ってもよい。
記憶部150は、制御部110を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部150は、制御部110の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
なお、図2に示した例では、操作部120、画像センサ部130、通信部140および記憶部150が、撮像装置10の内部に設けられているが、操作部120、画像センサ部130、通信部140および記憶部150は、撮像装置10の外部に備えられていてもよい。制御部110は、パラメータ制御部111、解像度制御部112および動き検出部113を備える。制御部110が備えるこれらの各機能部の詳細については、後に詳細に説明する。
[分析装置の機能構成例]
続いて、本実施形態に係る分析装置20の機能構成例について説明する。図3は、本実施形態に係る分析装置20の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る分析装置20は、制御部210、入力部220、通信部230、記憶部240および表示部250を備える。
制御部210は、CPUなどを含み、記憶部240により記憶されているプログラムがCPUによりRAMに展開されて実行されることにより、その機能が実現され得る。このとき、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記録媒体も提供され得る。あるいは、制御部210は、専用のハードウェアにより構成されていてもよいし、複数のハードウェアの組み合わせにより構成されてもよい。
入力部220は、ユーザから入力される操作を受け付ける。また、入力部220は、受け付けた操作を制御部210に提供することができる。本明細書においては、入力部220がキーボードである場合を主に想定するが、入力部220はキーボード以外の入力装置(例えば、ボタン、タッチパネル、マウスなど)であってもよい。
通信部230は、撮像装置10との間で通信を行うための通信インタフェースである。上記したように、本明細書においては、通信部230が有線による通信を行う場合を主に想定するが、通信部230は、無線による通信を行ってもよい。
記憶部240は、制御部210を動作させるためのプログラムおよびデータを記憶することが可能な記憶装置である。また、記憶部240は、制御部210の動作の過程で必要となる各種データを一時的に記憶することもできる。例えば、記憶装置は、不揮発性の記憶装置であってよい。
表示部250は、制御部210による制御に従って表示を行う機能を有する。表示部250の形態は特に限定されない。例えば、表示部250は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプなどの表示装置であってよい。
なお、図5に示した例では、入力部220、通信部230、記憶部240および表示部250が、分析装置20の内部に設けられているが、入力部220、通信部230、記憶部240および表示部250は、分析装置20の外部に備えられていてもよい。制御部210は、画像取得部211、画像分析部212および表示制御部213を備える。制御部210が備えるこれらの各機能部の詳細については、後に詳細に説明する。
[機能詳細]
続いて、画像処理システム1の機能詳細について説明する。
本実施形態において、解像度制御部112は、画像センサ部130から出力される動画像から1または複数枚の低解像度画像と高解像度画像とのキャプチャを行う。そして、動き検出部113は、少なくとも低解像度画像に基づいて車両の動きを示す動き情報を検出する。画像分析部212は、動き情報に基づいて、高解像度画像に写る車両におけるナンバープレートの位置を推定し、ナンバープレートの位置に基づいてナンバーを認識する。
かかる構成によれば、高フレームレートの低解像度画像に基づいてナンバープレートの位置が推定され、ナンバープレートの位置に基づいて低フレームレートの高解像度画像からナンバーが認識される。したがって、動画像に基づくナンバー認識を、処理データ量を低減しつつ、より高精度に行うことが可能となる。さらに、かかる構成によれば、動画像からの切り出しを行わずに画像の連続性を保つことができるため、動き情報の検出精度を高めることが可能となり、高精度なナンバー認識がなされ得る。
1または複数枚の低解像度画像と高解像度画像との撮像順序は特に限定されない。すなわち、1または複数枚の低解像度画像の少なくとも一部は、高解像度画像よりも前に撮像され、または、高解像度画像よりも後に撮像されてよい。あるいは、動き検出部113は、1または複数枚の低解像度画像のうちの少なくとも一部を、高解像度画像の低解像度化によって得てもよい。以下、これらのバリエーションについて詳細に説明する。
まず、本実施形態に係るナンバー認識の第1の例について説明する。図4は、本実施形態に係るナンバー認識の第1の例について説明するための図である。図4を参照すると、解像度制御部112は、先の周期T1において、低解像度画像41−1、低解像度画像41−2および高解像度画像42−1の順に動画像からキャプチャを行っている。また、解像度制御部112は、次の周期T1において、低解像度画像41−4、低解像度画像41−5および高解像度画像42−2の順に動画像からキャプチャを行っている。
このように、図4に示した例では、高解像度画像42の前に2枚の低解像度画像41が撮像される場合を想定する。しかし、低解像度画像41の前に撮像される低解像度画像41の枚数は2枚に限定されず、複数枚であればよい。車両30の動き情報の検出に利用される低解像度画像41の枚数が多いほど、車両30の動き情報の検出の周期は長くなってしまうことが予想されるが、ナンバープレート31の位置の推定精度は向上することが期待される。
まず、先の周期T1について説明する。動き検出部113は、低解像度画像41−1と低解像度画像41−2とに基づいて車両30の動き情報を検出する。ここで、車両30の動き情報はどのように検出されてもよい。例えば、動き検出部113は、追跡処理により車両30の動き情報を検出する。より具体的には、動き検出部113は、低解像度画像41−1と低解像度画像41−2とにおいて同一であると予測される車両同士を対応付ける処理によって車両の追跡処理を行ってよい。ここで、低解像度画像41から車両を検出する手法は特に限定されない。
例えば、低解像度画像41のうち変化が生じた領域が車両として検出されてもよい。あるいは、車両は、背景差分技術を用いて検出されてもよいし、フレーム間差分技術を用いて検出されてもよいし、オプティカルフローに基づいて検出されてもよい。あるいは、車両の画像特徴量をあらかじめ学習しておき、低解像度画像41から車両の画像特徴量が検出された場合に、当該画像特徴量が検出された領域を車両として検出してもよい。
低解像度画像41−1と低解像度画像41−2とにおいて同一の車両であると予測することが可能な条件は限定されないが、例えば、上記のようにして検出された車両同士の距離が所定の範囲に収まるときには、同一の車両であると予測されてよい。例えば、所定の範囲は、あらかじめ設定されていてよい。動き情報は、動き検出部113によって低解像度画像41−1および低解像度画像41−2それぞれにおける車両30の位置として得られてよい。
動き情報と低解像度画像41−1と低解像度画像41−2と高解像度画像42−1とは、通信部140によって送信され、分析装置20において通信部230によって受信され、画像取得部211によって取得される。画像分析部212は、動き情報に基づいて、高解像度画像42−1に写る車両30におけるナンバープレート31の位置(以下、「ナンバープレートの位置62−1」とも言う。)を推定し、ナンバープレートの位置62−1に基づいてナンバー63−1を認識する。ここで、ナンバープレートの位置62−1はどのように推定されてもよい。
例えば、車両30が所定の方向(図4に示した例では、上下方向)に等速直線運動をするとみなすことができる場合、画像分析部212は、低解像度画像41−1および低解像度画像41−2それぞれにおける車両30の位置を等速直線運動に近似し、この等速直線運動に基づいて高解像度画像42−1に写る車両30の位置を推定してよい。あるいは、車両30が加速するとみなすことができる場合には(例えば、曲がっている道路、加速または減速する車両が多い道路など)、追加的に加速度が考慮されてもよい。
そして、画像分析部212は、高解像度画像42−1に写る車両30の位置に基づいて、高解像度画像42−1に写る車両30におけるナンバープレートの位置62−1を推定してよい。高解像度画像42−1に写る車両30の位置からナンバープレートの位置62−1はどのように推定されてもよい。例えば、高解像度画像42−1に写る車両30とナンバープレート31との位置関係があらかじめ登録されていれば、画像分析部212は、当該位置関係に基づいて、高解像度画像42−1に写る車両30の位置から、高解像度画像42−1に写る車両30におけるナンバープレートの位置62−1を推定することが可能である。
画像分析部212は、ナンバープレートの位置62−1を推定すると、高解像度画像42−1におけるナンバープレートの位置62−1からナンバー63−1を認識する。ナンバー63−1は、ナンバープレート31に記述されている複数の文字である。ここで、ナンバーの認識はどのようになされてもよい。例えば、ナンバーを認識する技術としては、下記の各種文献に記載された技術を利用することが可能である。
(文献1)2012年7月・SEIテクニカルレビュー,自動ナンバープレート読取装置の開発,加藤武彦・田中佳代・浅田昌利・安原宏行・立木佳那栄・児玉迪弘・安原佑輔・浅井俊弘・荻内康雄
(文献2)2014年1月・SEIテクニカルレビュー,タイのナンバープレート自動検出・認識,荻内康雄,東久保政勝,Sakda,Panwai
(文献3)「高速走行車両ナンバープレート認識の開発」,青木泰浩,斉藤俊雄(東芝),ITS研究会2014/9
(文献4)三菱重工技報,VOL45,NO.3:2008,低解像度カメラ対応車両番号認識システムの開発
画像分析部212による分析結果(画像分析部212によって認識されたナンバー63−1)は、表示制御部213によって表示制御され、表示部250によって表示される。表示部250によって表示されるナンバー63−1は、ユーザによって確認され得る。次の周期T1においても同様に、動き情報61−2の検出、ナンバープレートの位置62−2の推定およびナンバー63−2の認識がなされ、以降の周期においても同様に、これらの動作が繰り返される。
ここで、各種パラメータ(例えば、低解像度画像41の解像度、高解像度画像42の解像度および高解像度画像42の挿入間隔の少なくともいずれか一つを含むパラメータ)は、常に一定であってもよいが、手動または自動によって制御可能であってもよい。すなわち、パラメータ制御部111は、手動または自動によってパラメータを制御可能であってもよい。例えば、低解像度画像41の解像度が高くなるほど、データ処理量は大きくなってしまうが、動き情報の検出精度は高くなることが予想される。
また、高解像度画像42の解像度が高くなるほど、データ処理量は大きくなってしまうが、ナンバー認識の精度は高くなることが予想される。さらに、高解像度画像42の挿入間隔が短くなるほど、データ処理量は大きくなってしまうが、ナンバー認識がなされる頻度が増加するため、ナンバー認識の精度は高くなることが予想される。
例えば、パラメータ制御部111は、手動によってパラメータを制御することが可能であってよい。より具体的には、パラメータ制御部111は、分析装置20の入力部220によってユーザから入力された操作が受け付けられると、当該操作に基づいてパラメータを制御することが可能であってよい。例えば、パラメータ制御部111は、ユーザからパラメータ変更指示が入力されると、当該パラメータ変更指示に基づいてパラメータを制御することが可能であってよい。
一方、パラメータ制御部111は、自動的にパラメータを制御することが可能であってもよい。例えば、車両30の速度が高いほど、動き情報の検出精度およびナンバー認識の精度が低くなる可能性が高まってしまう。そこで、パラメータ制御部111は、車両30の動き情報に基づいて車両30の速度を算出し(例えば、低解像度画像41−1および低解像度画像41−2それぞれにおける車両30の位置の差分から車両30の速度を算出し)、車両30の速度に基づいて、パラメータを制御してもよい。
より具体的には、パラメータ制御部111は、車両30の速度が閾値を超える場合には、ナンバー認識の精度を高めるために、高解像度画像42の挿入間隔を短くしてもよいし、高解像度画像42の解像度を高くしてもよいし、動き情報の検出精度を高めるために、低解像度画像41の解像度を高くしてもよい。一方、パラメータ制御部111は、車両30の速度が閾値を超えない場合には、高解像度画像42の挿入間隔と高解像度画像42の解像度と低解像度画像41の解像度とを維持してもよい。
あるいは、画像分析部212によるナンバー認識の精度が取得できる場合、パラメータ制御部111は、ナンバー認識の精度に基づいて、パラメータを制御してもよい。なお、ナンバー認識の精度は、高解像度画像42に写るナンバープレート31に基づくナンバーの読み取り精度であってもよいし、あらかじめ登録されている正規のナンバーに対する読み取られたナンバーの一致度合いがさらに考慮された値であってもよい。
具体的に、パラメータ制御部111は、ナンバー認識の精度が閾値未満である場合には、ナンバー認識の精度を高めるために、高解像度画像42の挿入間隔を短くしてもよいし、高解像度画像42の解像度を高くしてもよいし、動き情報の検出精度を高めるために、低解像度画像41の解像度を高くしてもよい。一方、パラメータ制御部111は、ナンバー認識の精度が閾値以上である場合には、高解像度画像42の挿入間隔と高解像度画像42の解像度と低解像度画像41の解像度とを維持してもよい。
続いて、本実施形態に係るナンバー認識の第1の例における画像処理システム1の動作例について説明する。なお、以下に説明する画像処理システム1の動作例は、画像処理システム1の動作の一例に過ぎない。したがって、画像処理システム1の動作は、以下に説明する画像処理システム1の動作例に限定されない。
図5は、ナンバー認識の第1の例における画像処理システム1の動作例を示すフローチャートである。図5に示すように、撮像装置10において、パラメータ制御部111は、パラメータ制御を行う(S10)。ここで、パラメータ制御の動作例について詳細に説明する。
図6は、パラメータ制御の動作例を示すフローチャートである。パラメータ制御部111は、通信部140によって分析装置20からパラメータ変更指示が受信された場合(S110において「Yes」)、パラメータを変更する(S140)。また、パラメータ制御部111は、車両速度が閾値を超える場合にも(S120において「Yes」)、パラメータを変更する(S140)。さらに、ナンバーの認識精度が閾値未満である場合にも(S130において「Yes」)、パラメータを変更する(S140)。
一方、パラメータ制御部111は、通信部140によって分析装置20からパラメータ変更指示が受信されない場合、かつ、車両速度が閾値を超えない場合、かつ、ナンバーの認識精度が閾値以上である場合(S110〜S130それぞれにおいて「No」)、パラメータを維持してよい。
図5に戻って説明を続ける。画像センサ部130は、撮像によって動画像を取得して出力する。続いて、解像度制御部112は、画像センサ部130から出力された動画像から2枚の低解像度画像をキャプチャし(S11)、1枚の高解像度画像をキャプチャする(S12)。続いて、動き検出部113は、2枚の低解像度画像に基づいて動き情報を検出する(S13)。通信部140は、動き検出部113によって検出された動き情報を分析装置20に送信する(S14)。
分析装置20においては、通信部230が動き情報を受信し、画像分析部212が動き情報に基づいてナンバープレートの位置を推定する(S22)。一方、撮像装置10において、通信部140が1枚の高解像度画像を送信すると(S15)、分析装置20において、通信部230が1枚の高解像度画像を受信する(S23)。さらに、撮像装置10において、通信部140が2枚の低解像度画像を送信すると(S16)、分析装置20において、通信部230が2枚の低解像度画像を受信する(S24)。
制御部110は、動作終了の場合には(S18において「Yes」)、動作を終了するが、動作終了ではない場合には(S18において「No」)、S10に戻る。一方、分析装置20において、画像取得部211は、2枚の低解像度画像と1枚の高解像度画像とを取得する。画像分析部212は、動き情報に基づいてナンバープレートの位置を推定し、ナンバープレートの位置と2枚の低解像度画像と1枚の高解像度画像とに基づいて、ナンバーを認識する(S25)。
続いて、表示制御部213は、ナンバーの認識結果の表示を制御する。表示部250は、表示制御部213による制御に従ってナンバーの認識結果を表示する(S26)。表示部250によって表示されるナンバーは、ユーザによって確認され得る。制御部210は、動作終了の場合には(S27において「Yes」)、動作を終了するが、動作終了ではない場合には(S27において「No」)、S21に戻る。
以上、ナンバー認識の第1の例における画像処理システム1の動作例を説明した。ナンバー認識の第1の例においては、高解像度画像が動き情報の検出に利用されないため、動き情報の検出を高速化することが可能である。ここで、上記では、複数枚の低解像度画像それぞれが別々に送信される場合を想定したが、低解像度画像が複数枚から構成される場合、解像度制御部112は、複数枚の低解像度画像を高解像度画像と同一解像度に集約して画像分析部212に出力してもよい。
例えば、低解像度画像の縦の長さが高解像度画像の縦の長さの(1/m)であり、低解像度画像の横の長さが高解像度画像の横の長さの(1/n)である場合、解像度制御部112は、低解像度画像を縦方向および横方向にそれぞれ、m枚およびn枚集約して画像分析部212に出力してもよい。このような集約が行われれば、複数枚の低解像度画像と高解像度画像とを伝送するハードウェアを共通化することが可能であるため、ハードウェア構成を簡易化することが可能となる。
図7は、複数枚の低解像度画像を高解像度画像と同一解像度に集約する例を説明するための図である。図7に示すように、低解像度画像41−1,41−2,41−4,41−5の縦横の長さが高解像度画像42−1の縦横の長さの(1/2)である場合を想定する。かかる場合、解像度制御部112は、縦方向および横方向にそれぞれ2枚ずつ低解像度画像41を集約することによって(低解像度画像41−1,41−2,41−4,41−5の4枚を集約することによって)、集約画像43Aを生成し、集約画像43Aを画像分析部212に出力してもよい。
続いて、本実施形態に係るナンバー認識の第2の例について説明する。図8は、本実施形態に係るナンバー認識の第2の例について説明するための図である。図8を参照すると、解像度制御部112は、ある周期T1において、低解像度画像41−2、高解像度画像42−1および低解像度画像41−4の順に動画像からキャプチャを行っている。また、解像度制御部112は、その前後のそれぞれの周期T1においても、同様な順序で動画像からキャプチャを行う。
このように、図8に示した例では、高解像度画像42の前後に1枚ずつの低解像度画像41が撮像される場合を想定する。しかし、低解像度画像41の前後に撮像される低解像度画像41の枚数は1枚に限定されず、少なくともいずれかが複数枚であってもよい。車両30の動き情報の検出に利用される低解像度画像41の枚数が多いほど、車両30の動き情報の検出の周期は長くなってしまうことが予想されるが、ナンバープレート31の位置の推定精度は向上することが期待される。
動き検出部113は、低解像度画像41−2と低解像度画像41−4とに基づいて車両30の動き情報を検出する。動き情報は、動き検出部113によって低解像度画像41−2および低解像度画像41−4それぞれにおける車両30の位置として得られてよい。
動き情報と低解像度画像41−2と低解像度画像41−4と高解像度画像42−1とは、通信部140によって送信され、分析装置20において通信部230によって受信され、画像取得部211によって取得される。画像分析部212は、動き情報に基づいて、高解像度画像42−1に写る車両30におけるナンバープレートの位置62−1を推定し、ナンバープレートの位置62−1に基づいてナンバー63−1を認識する。
画像分析部212は、ナンバープレートの位置62−1を推定すると、高解像度画像42−1におけるナンバープレートの位置62−1からナンバー63−1を認識する。画像分析部212によって認識されたナンバー63−1は、表示制御部213によって表示制御され、表示部250によって表示される。表示部250によって表示されるナンバー63−1は、ユーザによって確認され得る。
次の周期T1においても同様に、動き情報61−1の検出、ナンバープレートの位置62−2の推定およびナンバー63−2の認識がなされ、以降の周期においても同様に、これらの動作が繰り返される。なお、パラメータ制御部111によるパラメータの制御、複数枚の低解像度画像41の集約などは、上記した第1の例と同様になされ得るため、第2の例におけるパラメータの制御、複数枚の低解像度画像41の集約などについての詳細な説明は省略する。
続いて、本実施形態に係るナンバー認識の第2の例における画像処理システム1の動作例について説明する。なお、以下に説明する画像処理システム1の動作例は、画像処理システム1の動作の一例に過ぎない。したがって、画像処理システム1の動作は、以下に説明する画像処理システム1の動作例に限定されない。
図9は、ナンバー認識の第2の例における画像処理システム1の動作例を示すフローチャートである。図9に示すように、撮像装置10において、パラメータ制御部111は、パラメータ制御を行う(S10)。パラメータ制御の動作例については、既に述べたため、詳細な説明は省略する。
画像センサ部130は、撮像によって動画像を取得して出力する。続いて、解像度制御部112は、画像センサ部130から出力された動画像から1枚の低解像度画像をキャプチャし(S11−1)、1枚の高解像度画像をキャプチャし(S12)、1枚の低解像度画像をキャプチャする(S11−2)。続いて、動き検出部113は、当該2枚の低解像度画像に基づいて動き情報を検出する(S13)。以降の動作については、第1の例と同様になされ得るため、以降の動作の説明は省略する。
以上、ナンバー認識の第2の例における画像処理システム1の動作例を説明した。ナンバー認識の第2の例においても、ナンバー認識の第1の例と同様に、高解像度画像が動き情報の検出に利用されないため、動き情報の検出を高速化することが可能である。
続いて、本実施形態に係るナンバー認識の第3の例について説明する。図10は、本実施形態に係るナンバー認識の第3の例について説明するための図である。図10を参照すると、解像度制御部112は、第1の例と同様に、先の周期T1において、低解像度画像41−1、低解像度画像41−2および高解像度画像42−1の順に動画像からキャプチャを行っている。また、解像度制御部112は、次の周期T1において、低解像度画像41−4、低解像度画像41−5および高解像度画像42−2の順に動画像からキャプチャを行っている。
このように、図10に示した例では、高解像度画像42の前に2枚の低解像度画像41が撮像される場合を想定する。しかし、低解像度画像41の前に撮像される低解像度画像41の枚数は2枚に限定されず、複数枚であってもよいし、1枚であってもよい。また、1または複数枚の低解像度画像41が高解像度画像42の後に撮像されてもよいし、複数枚の低解像度画像41が高解像度画像42の前後に分散して撮像されてもよい。
まず、先の周期T1について説明する。動き検出部113は、高解像度画像42−1の解像度を低解像度画像41−1,41−2の解像度に合わせるように高解像度画像42−1の解像度を低下させることによって(高解像度画像42−1を低解像度化することによって)、低解像度画像41−3を生成する。動き検出部113は、低解像度画像41−1と低解像度画像41−2と低解像度画像41−3とに基づいて車両30の動き情報を検出する。以降は、第1の例と同様にしてナンバー認識が行われ得る。
次の周期T1においても同様に、高解像度画像42−2から低解像度画像41−6が生成され、低解像度画像41−4と低解像度画像41−5と低解像度画像41−6とに基づいて車両30の動き情報が検出される。そして、次の周期T1においても同様に、動き情報61−2の検出、ナンバープレートの位置62−2の推定およびナンバー63−2の認識がなされ、以降の周期においても同様に、これらの動作が繰り返される。なお、パラメータ制御部111によるパラメータの制御は、上記した第1の例と同様になされ得る。
続いて、本実施形態に係るナンバー認識の第3の例における画像処理システム1の動作例について説明する。なお、以下に説明する画像処理システム1の動作例は、画像処理システム1の動作の一例に過ぎない。したがって、画像処理システム1の動作は、以下に説明する画像処理システム1の動作例に限定されない。
図11は、ナンバー認識の第3の例における画像処理システム1の動作例を示すフローチャートである。図11に示すように、撮像装置10において、パラメータ制御部111は、パラメータ制御を行う(S10)。パラメータ制御の動作例については、既に述べたため、詳細な説明は省略する。
画像センサ部130は、撮像によって動画像を取得して出力する。続いて、第1の例と同様に、解像度制御部112は、画像センサ部130から出力された動画像から2枚の低解像度画像をキャプチャし(S11)、1枚の高解像度画像をキャプチャする(S12)。ここで、動き検出部113は、高解像度画像を低解像度化することによって低解像度画像を生成する(S31)。そして、動き検出部113は、当該3枚の低解像度画像に基づいて動き情報を検出する(S32)。通信部140は、動き検出部113によって検出された動き情報を分析装置20に送信する(S14)。
分析装置20においては、通信部230が動き情報を受信し、画像分析部212が動き情報に基づいてナンバープレートの位置を推定する(S22)。一方、撮像装置10において、通信部140が1枚の高解像度画像を送信すると(S15)、分析装置20において、通信部230が1枚の高解像度画像を受信する(S23)。さらに、撮像装置10において、通信部140が3枚の低解像度画像を送信すると(S33)、分析装置20において、通信部230が3枚の低解像度画像を受信する(S34)。
このように、高解像度画像から生成された低解像度画像も分析装置20に送信されることによって、分析装置20において高解像度画像から低解像度画像を生成する処理を省略させることが可能となる。しかし、高解像度画像から生成された低解像度画像は、分析装置20に送信されず、分析装置20において、受信した高解像度画像から低解像度画像を生成するようにしてもよい。
制御部110は、動作終了の場合には(S18において「Yes」)、動作を終了するが、動作終了ではない場合には(S18において「No」)、S10に戻る。一方、分析装置20において、画像取得部211は、3枚の低解像度画像と1枚の高解像度画像とを取得する。画像分析部212は、動き情報に基づいてナンバープレートの位置を推定し、ナンバープレートの位置と3枚の低解像度画像と1枚の高解像度画像とに基づいて、ナンバーを認識する(S25)。
続いて、表示制御部213は、ナンバーの認識結果の表示を制御する。表示部250は、表示制御部213による制御に従ってナンバーの認識結果を表示する(S26)。表示部250によって表示されるナンバーは、ユーザによって確認され得る。制御部210は、動作終了の場合には(S27において「Yes」)、動作を終了するが、動作終了ではない場合には(S27において「No」)、S21に戻る。
以上、ナンバー認識の第3の例における画像処理システム1の動作例を説明した。ナンバー認識の第3の例においては、高解像度画像から生成された低解像度画像も動き情報の検出に利用されるため、動き情報の検出精度を高めることが可能である。ここで、上記と同様に、ハードウェア構成を簡易化するため、解像度制御部112は、複数枚の低解像度画像を高解像度画像と同一解像度に集約して画像分析部212に出力してもよい。
図12は、複数枚の低解像度画像を高解像度画像と同一解像度に集約する例を説明するための図である。図12に示すように、低解像度画像41−1,41−2,41−3,41−4の縦横の長さが高解像度画像42−1の縦横の長さの(1/2)である場合を想定する。かかる場合、解像度制御部112は、縦方向および横方向にそれぞれ2枚ずつ低解像度画像41を集約することによって(低解像度画像41−1,41−2,41−3,41−4の4枚を集約することによって)、集約画像43Bを生成し、集約画像43Bを画像分析部212に出力してもよい。
[本実施形態の効果]
以上に説明したように、本実施形態によれば、所定のフレームレートで撮像される動画像から1または複数枚の低解像度画像と高解像度画像とのキャプチャを行う解像度制御部112と、少なくとも1または複数枚の解像度画像に基づいて車両の動き情報を検出する動き検出部113と、動き情報に基づいて、高解像度画像に写る車両におけるナンバープレートの位置を推定し、ナンバープレートの位置に基づいて画像分析を行う画像分析部212と、を有する、画像処理システム1が提供される。
かかる構成によれば、高フレームレートの低解像度画像に基づいてナンバープレートの位置が推定され、ナンバープレートの位置に基づいて低フレームレートの高解像度画像からナンバーが認識される。したがって、動画像に基づくナンバー認識を、処理データ量を低減しつつ、より高精度に行うことが可能となる。さらに、かかる構成によれば、動画像からの切り出しを行わずに画像の連続性を保つことができるため、動き情報の検出精度を高めることが可能となり、高精度なナンバー認識がなされ得る。
[変形例の説明]
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。