JP6682892B2 - 電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法 Download PDF

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本発明は、電気機器の鉄芯材料として使用される電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法に関するものである。
モータやトランスを製造する際には、フープ状の電磁鋼板を所定形状に打抜き加工した上で積層し、固着して鉄芯とした後に、銅線をティース等に巻きつけ、ワニスに含浸したり、粉体塗料を吹き付けた後焼き付け乾燥させたりした後、銅線接続用のターミナルやフランジや軸受け等を取り付けて、ケースに固定する。
電気機器の高効率化・小型化は、地球環境保全の観点から、また、世界的な電力・エネルギー節約の観点から、近年強く要望されている。電気機器を高効率化・小型化するには、様々な方策が必要であるが、モータ鉄芯あるいは小型トランス等の鉄芯として使用されている電磁鋼板においても、磁気特性の向上や加工性の向上などが求められている。
電磁鋼板の磁気特性を向上させるためには、いわゆる鉄損を低減することが必要であるが、鉄損は、渦電流損とヒステリシス損とから構成されており、渦電流損を低減するために、電磁鋼板の表面には絶縁被膜が施されている。
電磁鋼板の表面に施された絶縁被膜には、絶縁性の他に耐蝕性や溶接性、密着性、耐熱性などの被膜特性が必要とされており、打抜き後に鉄芯形状に加工された後に、ワニス塗布や電着塗装を行った後、巻き線等の次工程に送付される。
このような電磁鋼板の絶縁被膜としては、一般にクロム酸塩やリン酸塩などの無機酸塩と有機樹脂とを主成分とする混合物が塗布されている。
電磁鋼板の絶縁被膜に関する技術としては、古くは以下の特許文献1に、重クロム酸塩と、酢酸ビニル、ブタジエン−スチレン共重合物、アクリル樹脂等の有機樹脂エマルジョンと、を主成分とする処理液を用いて、絶縁被膜を形成する方法が開示されている。
近年では、環境問題に対する意識の高まりから、6価クロムを含有するクロム酸水溶液を用いない絶縁被膜の開発が進められている。そのような技術として、以下の特許文献2には、特定組成のリン酸塩とホウ酸及び/又はコロイダルシリカと特定粒径の有機樹脂エマルジョンとを特定割合配合し、鋼板に焼き付けることにより、クロム化合物を含まない処理液で従来のクロム化合物を含有する絶縁被膜と同等の被膜特性を有し、かつ優れた歪み取り焼鈍後のすべり性を保持する処理方法が記載されている。
このようなクロム酸を含有しない絶縁被膜の加工性に関しては、以下の特許文献3に、リン酸金属塩と有機樹脂とを主成分とし、光電子分光分析法による測定で炭素1sピークとリン2sピークの強度を規定し、更には、リン酸金属塩と有機樹脂とを主成分とする処理液に、沸点あるいは昇華点が100℃以上である水溶性有機化合物を特定量含有する処理液を電磁鋼板に塗布焼き付けることを特徴とする、優れた打抜き性に関する技術が開示されている。
また、以下の特許文献4では、リン酸塩とクロム酸塩を含有する絶縁被膜溶液に所定のH.L.B.値の非イオン性あるいは陰イオン性界面活性剤を所定量配合する、濡れ性に優れた絶縁被膜剤に関する技術が開示されている。
また、以下の特許文献5では、特定金属イオンの第一リン酸塩とホスホン酸化合物とが特定割合で含有される電磁鋼板の絶縁被膜用処理液と電磁鋼板処理方法に関する技術が開示されている。
以下の特許文献6では、亜鉛系メッキ鋼板の表面処理方法として、反応性乳化剤の存在下で乳化重合して得られるアクリル系供重合体微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、オレフィン系供重合体微粒子、コロイダルシリカ微粒子を含有する処理液を用いる亜鉛系メッキ鋼板に関する技術が開示されている。
特公昭50−15013号公報 特開平06−330338号公報 特開平11−80971号公報 特開2002−317276号公報 特開2002−47576号公報 特開2000−218230号公報
近年、自動車に使用される電機部品が増加し、特に小型化、高効率化が必要とされており、電磁鋼板でもいわゆる占積率を向上させる必要が生じている。絶縁被膜は、渦電流損低減のために必要であるが、絶縁被膜そのものには磁束が流れないため、厚みが大きいとその分積層鉄心の磁束密度が低下し、モータのトルクが低下するという問題があった。
一方、絶縁被膜の厚みを薄くすると、従来の電磁鋼板の絶縁被膜では、均一性が低下して、表面欠陥の原因となったり、酷い場合には、絶縁被膜が形成されない部分が発生して絶縁性が低下したりするという問題点があった。
更に、最近では、自動車などの電装品に使用する際に、耐候性の面から鉄芯を電着塗装や樹脂モールドする場合が増加しており、従来の電磁鋼板用絶縁被膜では、電着塗装性が悪かったり、モールド時の樹脂密着性が低くなったりするという問題点があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、薄く塗布して占積率を向上させたとしても、均一性が良好であり、絶縁性に問題が無く、かつ、電着塗装やモールド時の樹脂に対する密着性が良好な絶縁被膜を保持した電磁鋼板を提供することにある。
上記課題を達成する本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)電磁鋼板の表面に、リン酸金属塩100質量部と、平均粒径が0.05〜0.50μmであって、反応性乳化剤を利用したアクリル樹脂1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、から構成された絶縁被膜を有し、前記リン酸金属塩の金属元素は、少なくとも2価の金属元素と3価の金属元素とが混在しており、前記2価の金属元素の混合比は、前記リン酸金属塩の金属元素の全体質量に対して、30〜80質量%である、電磁鋼板。
(2)前記絶縁被膜は、前記リン酸金属塩、前記アクリル樹脂及び前記多価アルコールに加えて、更に、前記リン酸金属塩、前記アクリル樹脂及び前記多価アルコールの合計の固形分100質量部に対して3〜50質量部のホスホン酸化合物から構成される、(1)に記載の電磁鋼板。
3)リン酸金属塩100質量部に対し、平均粒径が0.05〜0.50μmである、反応性乳化剤を用いて共重合させたアクリル樹脂のエマルジョンを樹脂固形分で1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、を混合した処理液を、電磁鋼板の表面に塗布し、焼付け乾燥する、電磁鋼板の製造方法であって、前記リン酸金属塩の金属元素は、少なくとも2価の金属元素と3価の金属元素とが混在しており、前記2価の金属元素の混合比は、前記リン酸金属塩の金属元素の全体質量に対して、30〜80質量%である、電磁鋼板の製造方法
)前記処理液の固形分100質量部に対して、固形分で3〜50質量部のホスホン酸化合物を更に混合する、()に記載の電磁鋼板の製造方法。
以上説明したように本発明によれば、リン酸金属塩、特定の有機樹脂及び多価アルコールから特定割合で構成される絶縁被膜、又は、コロイダルシリカ、特定の有機樹脂、多価アルコール及びホスホン酸化合物から特定割合で構成される絶縁被膜を表面に形成することで、電磁鋼板の均一性を向上することにより、電磁鋼板として必要な絶縁被膜特性を保持し、かつ、電着塗装やモールド時の樹脂に対する密着性に優れた電磁鋼板を得ることが可能となる。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
以下で詳述する本発明の実施形態は、電気機器の鉄芯材料として使用される電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法に関するものであり、特に、電着塗装性が良好で、かつ、クロム酸を含有しない絶縁被膜を有する電磁鋼板と、かかる電磁鋼板の製造方法に関するものである。
<母材となる電磁鋼板について>
まず、本実施形態で母材として用いられる電磁鋼板について説明する。
本実施形態で使用する電磁鋼板は、公知である各種の電磁鋼板であれば特に限定されるものではないが、例えば、質量%で、Si:0.1mass%以上、Al:0.05mass%以上を含有し、残部がFe及び不純物である無方向性電磁鋼板が好適である。Siは、含有量が増加するに従って電気抵抗を増大させ、磁気特性を向上させる元素であるが、含有量の増加に伴い脆性が増大する。従って、Siの含有量は、4.0mass%未満とすることが好ましい。同様に、Alは、添加することで磁気特性を向上させる元素であるが、含有量の増加に伴い圧延性が低下するため、Alの含有量は、3.0mass%未満とすることが好ましい。なお、本実施形態で使用する電磁鋼板は、上記のSi、Al以外に、Mnも0.01mass%から1.0mass%の範囲で含有可能であり、その他のSやN、Cといった典型元素の含有量は、各々100ppm未満とすることが好ましく、20ppm未満とすることがより好ましい。
本実施形態では、上記鋼成分を有するスラブを、例えば1150〜1250℃に加熱し、熱延してコイル状に巻き取り、必要に応じて熱延板の状態で例えば800℃から1050℃の範囲に焼鈍した後、0.15mmから0.5mm程度に冷延し、更に例えば750〜1100℃で焼鈍したものを、電磁鋼板として使用することが好ましい。
また、後述する絶縁被膜が形成される電磁鋼板の表面は、後述する処理液を塗布する前に、アルカリなどによる脱脂処理や、塩酸、硫酸、リン酸などによる酸洗処理など、任意の前処理を施してもよいし、これら前処理を施さずに仕上げ焼鈍後のままの表面であってもよい。
更に、本実施形態で使用する電磁鋼板では、表面粗度(Ra)が1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。表面粗度Raが0.1μm未満である場合には、冷延工程においてコスト高になる傾向がある。一方、表面粗度Raが1.0μm超である場合には、占積率が劣化することがある。
<絶縁被膜について>
次に、上記電磁鋼板の表面に形成される絶縁被膜について、詳細に説明する。
上記電磁鋼板の表面には、(1)主成分であるリン酸金属塩100質量部と、平均粒径が0.05〜0.50μmであり、反応性乳化剤を利用したアクリル樹脂1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、から構成された絶縁被膜、又は、(2)主成分であるコロイダルシリカ100質量部、及び、平均粒径が0.05〜0.50μmであり、反応性乳化剤を利用したアクリル樹脂40〜400質量部から構成されるバインダーと、コロイダルシリカ100質量部に対して0.5〜10質量部の多価アルコールと、バインダーの固形分100質量%に対して3〜50質量部のホスホン酸化合物と、から構成される絶縁被膜、の何れか一方が形成される。
また、上記(1)の絶縁被膜は、リン酸金属塩、アクリル樹脂及び多価アルコールに加えて、更に、リン酸金属塩、アクリル樹脂及び多価アルコールの合計の固形分100質量部に対して3〜50質量部のホスホン酸化合物から構成されることが好ましい。
[リン酸金属塩]
本実施形態で用いられるリン酸金属塩とは、リン酸と金属イオンとを主成分とする、水溶液を乾燥させたときに固形分となるものであり、バインダーとして機能するものである。リン酸の種類としては、特に限定するものではないが、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ポリリン酸等を使用することが好ましい。
また、金属イオンの種類としては、例えば、Li、Al、Mg、Ca、Sr、Ti、Znなどが好ましく、特に、Al、Mg、Znが良好である。リン酸金属塩溶液を調製する際には、例えば、上記のようなリン酸(例えば、オルトリン酸)に対して、上記のような金属イオンの酸化物、炭酸塩、水酸化物を混合して調製するのが良い。
リン酸金属塩は、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いても良い。また、リン酸金属塩のみであっても良いし、リン酸やホウ酸などを更に添加しても良い。
ここで、本実施形態では、リン酸金属塩の金属元素(上記の金属イオンとして機能する金属元素)として、価数が2価の金属元素と3価の金属元素とを、混合して使用する。混合比率としては、リン酸金属塩の金属元素の全体質量に対して、2価の金属元素が30質量%〜80質量%となる範囲とする。2価の金属元素の混合比が30質量%未満である場合には、耐食性が低下するため、好ましくない。一方、2価の金属元素の混合比が80質量%超となる場合には、リンの溶出性が増大するため、好ましくない。2価の金属元素の混合比は、好ましくは、50質量%〜75質量%である。
[コロイダルシリカ]
本実施形態で用いられるコロイダルシリカは、平均粒径が5nm〜40nmであり、かつ、Na含有量が0.5質量%以下のものであることが好ましい。
コロイダルシリカの平均粒径が5nm未満である場合には、溶液が増粘することがある。一方、コロイダルシリカの平均粒径が40nm超である場合には、コスト高となることがある。コロイダルシリカの平均粒径は、更に好ましくは、8nm〜20nmである。
コロイダルシリカのNa含有量が0.5質量%超である場合には、発粉性が劣化することがある。また、コロイダルシリカのNa含有量の下限値は、特に規定するものではないが、例えば、0.01質量%以上とすることが好ましい。コロイダルシリカのNa含有量は、更に好ましくは、0.01〜0.3質量%である。
[アクリル樹脂]
本実施形態で用いられるアクリル樹脂は、分子内にラジカル重合性不飽和基を有する反応性乳化剤の存在下で、アクリル樹脂のモノマーやオリゴマー等を共重合(より詳細には、乳化重合)して得られるものであり、本実施形態では、例えば、得られたアクリル系共重合体を水等の分散媒に分散させた分散液(エマルジョン)が用いられる。
上記反応性乳化剤としては、一般に市販されている反応性乳化剤を用いても良い。本実施形態で用いられる反応性乳化剤としては、アニオン性及びノニオン性の何れの乳化剤でも特に限定されず、例えば、(メタ)アリル基、(メタ)アクリル基、スチリル基などのラジカル重合性不飽和基を有する乳化剤を、単独で又は2種以上組み合わせて使用することが可能である。
上記アニオン性反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)で示される反応性乳化剤を挙げることができる。
Figure 0006682892
また、上記ノニオン性反応性乳化剤としては、例えば、下記一般式(5)、(6)、(7)で示される反応性乳化剤を挙げることができる。
Figure 0006682892
ここで、上記一般式(1)〜(7)において、R,Rは、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表し、R,Rは、水素又はメチル基を表し、Rは、水素又はメチル基を表し、EOは、−CHCHO−を表し、Xは、単結合又はメチレン基を表し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、m及びnは、それぞれ独立に1〜50の自然数であり、pは、10〜50の整数であり、qは、0又は1である。
これらの反応性乳化剤のうち、アクリル系共重合体水性分散液として好適な、粒子径の小さいものが得られやすいなどの理由から、アニオン性の反応性乳化剤を用いることがより好ましい。特に、得られる水性被覆用組成物塗膜(すなわち、絶縁被膜)の耐腐食性等の性能を阻害することが少ないなどの理由から、上記一般式(1)で示されるグリセロール−1−アリル−3−アルキルフェニル−2−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩系アニオン性反応性乳化剤、又は、上記一般式(2)で示されるポリオキシエチレンアルキルアルケニルフェニルエーテル硫酸エステル塩系アニオン性反応性乳化剤を用いることが、更に好ましい。
これらの反応性乳化剤の使用量は、アクリル系共重合体の単量体100質量部あたり、一般に0.5〜30質量部の範囲とすることが好ましく、3〜25質量部の範囲とすることがより好ましく、5〜15質量部の範囲とすることが更に好ましい。
本実施形態で用いられるアクリル樹脂共重合体用のモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、i−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート等を使用することが可能である。その他にも、官能基を持つモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等を使用することが可能であり、水酸基を持つモノマーとして、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒロドキシルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチル(メタ)アリルエーテル等を使用することが可能である。
本実施形態で用いられるアクリル系共重合体の乳化重合に際しては、得られる共重合体水性分散液及び水性被覆用組成物の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、以上述べた反応性乳化剤とともに、必要に応じて、通常のアニオン性及び/又はノニオン性乳化剤を併用することができる。
更に、乳化重合に際しては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類や、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類や、過酸化水素等といった、各種の重合開始剤を使用することが可能である。これらの重合開始剤は、一種もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合開始剤は、単量体100質量部に対して、0.1質量部〜1質量部程度の量を用いることが好ましい。
本実施形態で用いられるアクリル系共重合体(アクリル樹脂)の水性媒体中に分散する共重合体微粒子の平均粒径は、0.05μm〜0.50μmである。アクリル樹脂の平均粒径が0.05μm未満である場合には、液安定性が劣るため、好ましくない。一方、アクリル樹脂の平均粒径が0.50μm超である場合には、被膜欠陥が発生しやすくなるため、好ましくない。アクリル樹脂の平均粒径は、400nm以下であることが好ましく、100nm〜230nmであることがより好ましい。
以上のようにして得られる、本実施形態で用いられるアクリル系共重合体水性分散液は、必要に応じて、アンモニア水、アミン等によって、pH調節されてもよい。
ここで、以上説明したような、コロイダルシリカ、及び、有機樹脂エマルジョン(すなわち、アクリル樹脂)の平均粒径とは、個数平均粒径であり、コロイダルシリカの場合には、窒素吸着法により測定したものであり、有機樹脂エマルジョン(アクリル樹脂)の場合には、レーザー回折法により測定したものである。
以上説明したような、リン酸金属塩、コロイダルシリカ、及び、後述するアクリル樹脂は、絶縁被膜のバインダーとして用いられる。
また、本実施形態では、リン酸金属塩又はコロイダルシリカと、アクリル樹脂と、の混合物以外のバインダー成分を更に添加することも可能である。このようなバインダー成分として、例えば、炭酸塩、水酸化物、酸化物、チタン酸塩やタングステン酸塩等の無機化合物、又は、ポリオール、セロソルブ、カルボン酸類、エーテル類、エステル類等の有機低分子化合物を、添加することが可能である。
[バインダーの混合比率]
以上説明したような、リン酸金属塩とアクリル樹脂との混合比率は、リン酸金属塩100質量部に対し、アクリル樹脂を1質量部〜50質量部の範囲とする。アクリル樹脂の混合比率が1質量部未満である場合には、樹脂濃度が薄過ぎるために凝集が発生し易く、液安定性に劣るため、好ましくない。一方、アクリル樹脂の混合比率が50質量部超である場合には、耐熱性に劣る可能性があるため、好ましくない。リン酸金属塩とアクリル樹脂との混合比率は、リン酸金属塩100質量部に対して、好ましくは、アクリル樹脂を10質量部〜35質量部の範囲である。
また、コロイダルシリカとアクリル樹脂との混合比率は、コロイダルシリカ100質量部に対して、アクリル樹脂を40質量部〜400質量部の範囲とする。アクリル樹脂の混合比率が40質量部未満である場合には、造膜性が悪く、絶縁被膜が発粉する恐れがあるため、好ましくない。一方、アクリル樹脂の混合比率が400質量部超である場合には、耐熱性に劣る可能性があるため、好ましくない。コロイダルシリカとアクリル樹脂との混合比率は、コロイダルシリカ100質量部に対して、好ましくは、アクリル樹脂を50質量部〜200質量部の範囲である。
[多価アルコール]
本実施形態に係る絶縁塗膜には、上記のようなバインダーに加えて、多価アルコールが含有される。本実施形態で用いられる多価アルコールとは、1分子内に2基以上の水酸基を有するものをいう。また、かかる多価アルコールは、本実施形態に係るバインダーの水性分散液(水溶液)に対して、十分溶解するものであることが好ましい。このような多価アルコールは、本実施形態に係るバインダーの水性分散液に対して十分に溶解するものであれば、公知の各種多価アルコールを利用することが可能であるが、かかる多価アルコールの具体例として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1、4ブチレングリコール、2、3−ブチレングリコール、2−メチル2、4ペンタンジオール、2−エチル−2、4ヘキサンジオール、グリセリン等を挙げることができる。
多価アルコールの含有量は、リン酸金属塩とアクリル樹脂との混合物100質量部に対し、0.5質量部〜10質量部とする。多価アルコールの含有量が0.5質量部未満である場合には、外観が劣化するため、好ましくない。一方、多価アルコールの含有量が10質量部超である場合には、ベトツキを生じるため、好ましくない。多価アルコールの含有量は、好ましくは、リン酸金属塩とアクリル樹脂との混合物100質量部に対し、1質量部〜8質量部である。
[ホスホン酸化合物]
本実施形態で用いられるホスホン酸化合物としては、例えば、ホスホン酸、ホスホン酸塩、アミノトリメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸塩、ヒドロキシエタンホスホン酸、ヒドロキシエタンホスホン酸塩及びその誘導体等を挙げることができる。本実施形態で用いられるホスホン酸化合物は、特に好適には、1−1ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。
ホスホン酸化合物の混合比率は、リン酸金属塩とアクリル樹脂との混合物100質量部に対し、合計で3質量部〜50質量部とする。ホスホン酸化合物の混合比率が3質量部未満である場合には、耐蝕性向上効果が期待できず、ホスホン酸化合物の混合比率が50質量部超である場合には、被膜の耐キズ付き性が劣るからである。ホスホン酸化合物の混合比率は、更に好適には、5質量部〜20質量部である。
本実施形態に係る電磁鋼板の絶縁被膜は、後述するように、上記のような各成分を含有する処理液を、母材となる電磁鋼板の表面に塗布し、焼付け乾燥することで形成される。
[その他の成分]
なお、本実施形態に係る絶縁被膜を形成するための処理液は、耐食性や耐疵付き性を更に向上させる目的で、シリケートやアルミナゾル等の水溶性無機物を更に含有してもよいし、フッ素系界面活性剤等の表面張力低下剤を含有してもよい。また、本実施形態に係る絶縁被膜を形成するための処理液は、酸化チタン、炭酸カルシウム等の着色顔料や体質顔料、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等の防錆剤、増粘剤、分散剤、成膜助剤、消泡剤、有機溶媒、防腐剤等を更に含有してもよい。
また、本実施形態では、液安定性を更に向上させるために、各種界面活性剤を追加で含有させることが可能である。かかる界面活性剤としては、具体的には、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等を挙げることができ、カチオン系界面活性剤として、ステアリルアミン、N−アミノプロピルベヘニルアミン、N−ミリスチルトリプロピレンテトラミン、トリエタノールアミン等を挙げることができる。
[絶縁被膜の膜厚]
以上説明したような、バインダー、多価アルコール、ホスホン酸化合物等から構成される絶縁被膜の膜厚は、例えば、0.3μm〜5.0μm程度が良好であり、更に好適には、0.5μm〜2.0μmである。絶縁被膜の膜厚を上記のような範囲とすることで、優れた均一性を保持することが可能となる。
以上、本実施形態に係る電磁鋼板について、詳細に説明した。
<電磁鋼板の製造方法について>
本実施形態に係る電磁鋼板の製造方法では、上記のような成分から構成される絶縁被膜を形成するための絶縁被膜形成用処理液を準備し、かかる絶縁被膜形成用処理液を、母材として用いられる電磁鋼板の表面に塗布し、絶縁被膜形成用処理液の塗布された電磁鋼板を、焼付け乾燥することが実施される。
より詳細には、例えば、リン酸金属塩、アクリル樹脂及び多価アルコールから構成される絶縁被膜を形成する場合、まず、主成分であるリン酸金属塩100質量部に対し、平均粒径が0.05〜0.50μmである、反応性乳化剤を用いて共重合させたアクリル樹脂のエマルジョンを樹脂固形分で1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、を混合した処理液(絶縁被膜形成用処理液)を準備する。この際、かかる処理液に対して、得られた混合物の固形分100質量部に対して、固形分で3〜50質量部のホスホン酸化合物を更に混合してもよい。その後、得られた処理液を母材となる電磁鋼板の表面に塗布し、焼付け乾燥する。
また、例えば、コロイダルシリカ、アクリル樹脂、多価アルコール及びホスホン酸化合物から構成される絶縁被膜を形成する場合、まず、主成分であるコロイダルシリカ100質量部に対し、平均粒径が0.05〜0.50μmである、反応性乳化剤を用いて共重合させたアクリル樹脂のエマルジョンを樹脂固形分で40〜400質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、を混合した後、当該混合物の固形分100質量部に対し、ホスホン酸化合物を固形分として3〜50質量部混合した処理液(絶縁被膜形成用処理液)を準備する。その後、得られた処理液を母材となる電磁鋼板の表面に塗布し、焼付け乾燥する。
ここで、本実施形態では、処理液を電磁鋼板表面に塗布する場合に、塗布方式を特に限定するものではなく、ロールコーター方式を用いても良いし、スプレー方式、ディップ方式などの塗布方式でも良い。
また、処理液を乾燥焼き付けるための加熱方式も、特に限定されるものではなく、通常の輻射炉や熱風炉が使用可能であり、誘導加熱方式などの電気を用いた加熱でも良い。
ここで、乾燥条件としては、例えば、処理液を塗布された電磁鋼板の板温が150℃〜400℃となる範囲で、焼付け時間を5秒間から30秒間とすることが適当である。かかる板温は、更に好適には、リン酸金属塩を用いた絶縁被膜を形成する場合には260℃〜380℃となる範囲であり、コロイダルシリカを用いた絶縁被膜を形成する場合には、170℃〜250℃の範囲である。
以上、本実施形態に係る電磁鋼板の製造方法について説明した。
以下では、実施例を示しながら、本発明に係る電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係る電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法のあくまでも一例にすぎず、本発明に係る電磁鋼板及び電磁鋼板の製造方法が以下の例に限定されるものではない。
以下に示す実施例では、質量%で、Si:3.1%、Al:0.6%、Mn:0.2%を含有し、残部がFe及び不純物である化学成分を有し、板厚0.30mmであり、かつ、表面粗度Ra(中心線平均粗さ)が0.32μmである無方向性電磁鋼板を用いた。かかる無方向性電磁鋼板の表面に、以下の表1に示す処理液を塗布した上で、表中に示す乾燥温度で焼付けた。
リン酸金属塩は、オルトリン酸と、Al(OH)、Mg(OH)等の各金属水酸化物、酸化物、炭酸塩と、を混合撹拌して各リン金属酸塩処理液を調製し、40mass%水溶液とした。
コロイダルシリカは、平均粒径15nmであり、かつ、表面をアルミニウムで改質した、市販されている濃度30mass%のものを使用した。
アクリル樹脂については、以下に示した3種類について、それぞれ30%エマルジョン溶液とした。更に、粘度調整剤、酸化防止剤を適量加えて、表1の組成の処理液を調整した。なお、かかるエマルジョン溶液に対して、適宜、水以外にエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルセロソルブの中から5%以下の範囲で添加して、30%水溶液とした。
(1)アクリル樹脂としてメチルメタクリレート30mass%、スチレンモノマー45mass%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを10mass%、エチレングリコールメタクリレート5mass%をアニオン性反応性乳化剤5mass%,ノニオン性反応性乳化剤5mass%と共重合させた、アクリル樹脂1
(2)メチルアクリレート20mass%、スチレンモノマー30mass%、イソブチルアクリレート25mass%、4−ヒドロキシブチルアクリレート20mass%、ジメタクリル酸エチレングリコール5mass%をアニオン性反応性乳化剤3mass%と共重合させたアクリル樹脂2
(3)メチルアクリレート35mass%,2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート10mass%、n−ノニルアクリレート25mass%、無水マレイン酸30mass%を一般的なアクリル樹脂共重合用界面活性剤で共重合させたアクリル樹脂3
なお、アクリル樹脂1に使用したアニオン反応性乳化剤は、上記一般式1のアニオン反応性乳化剤に対応しており、上記一般式1における各置換基は、R1:炭素数10〜13のアルケニル基、R2:メチル基、X1:単結合となっている。また、アクリル樹脂2に使用したアニオン性反応性乳化剤は、上記一般式2のアニオン反応性乳化剤に対応しており、上記一般式2における各置換基は、m:20〜25、R3:炭素数8〜10のアルキル基となっている。
Figure 0006682892
なお、先だって説明した方法で測定したアクリル樹脂1、2、3の平均粒径は、それぞれ0.13μm、0.21μm、0.26μmであった。なお、表1中の樹脂質量部は、固形分換算の値である。
これらのバインダー処理液に、表2に示すホスホン酸化合物や多価アルコール等の各種化合物を、所定量添加した。
処理液の塗布には、ロールコーター方式を用い、塗布膜厚が約0.5μmになるようにロール圧下量等を調整した。乾燥は、熱風炉を用いて行った。得られたサンプルの評価測定結果を、以下の表3に示す。
以下に、製造したサンプルの評価方法について、詳細に説明する。
[モールド樹脂密着性]
モールド樹脂密着性は、モールド樹脂0.05gを鋼板間に挟んだ上で、10kgf/cmの加圧力により150℃×1分間加熱した後、引張強度を測定することで行い、得られた引張強度を密着強度とした。評価は、以下の基準で行い、評点が○又は◎であるものを合格とした。なお、1kgfは、約9.8Nである。
[評価基準]
◎:密着強度10kgf/cm以上
○:密着強度5kgf/cm以上10kgf/cm未満
△:密着強度1kgf/cm以上5kgf/cm未満
×:密着強度1kgf/cm未満
[絶縁性]
絶縁性は、JIS法(JIS C2550)に準じて測定した層間抵抗を基に、以下の基準により評価した。なお、評点が○又は◎であるものを合格とした。
[評価基準]
◎:30Ω・cm/枚以上
○:10Ω・cm/枚以上30Ω・cm/枚未満
△:3Ω・cm/枚以上10Ω・cm/枚未満
×:3Ω・cm/枚未満
[耐キズ付き性]
耐キズ付き性は、直径10mmφの鋼球を荷重100gf(100gfは、約0.98Nである。)で鋼板面に直接押さえ付け、10往復摺動させた後、表面圧痕の程度によって判断した。評価は、以下の基準で行い、評点が○又は◎であるものを合格とした。
[評価基準]
◎:全く痕跡が残らなかったもの
○:極微かに痕跡が残ったもの
△:ハッキリと痕跡が残るもの
×:痕跡の凹凸が目立つもの
[電着塗装性]
電着塗装性は、アルカリ脱脂及び表面調整剤処理後、電着塗装を行い、JIS法の碁盤目密着試験(JIS K5600)にて密着性を評価することで行った。評価は、電着塗装膜の剥離の有無で行った。
[耐食性]
耐食性は、JIS法の塩水噴霧試験(JIS Z2371)に準じて行い、4時間経時後のサンプルを用いて10点評価で行った。評価基準は、以下の通りであり、評点5以上のものを合格とした。
[評価基準]
10:錆発生が無かった
9:錆発生が極少量(面積率0.1%以下)
8:錆の発生した面積率=0.1%超過0.25%以下
7:錆の発生した面積率=0.25%超過0.50%以下
6:錆の発生した面積率=0.50%超過1%以下
5:錆の発生した面積率=1%超過2.5%以下
4:錆の発生した面積率=2.5%超過5%以下
3:錆の発生した面積率=5%超過10%以下
2:錆の発生した面積率=10%超過25%以下
1:錆の発生した面積率=25%超過50%以下
[外観]
絶縁被膜の膜厚の均一性は、外観で判断した。評価は、以下の基準で行い、評点が3以上であるものを合格とした。
[評価基準]
5:光沢があり、平滑で均一であるもの
4:光沢はあるが均一性に若干劣るもの
3:やや光沢があり平滑ではあるが均一性に劣るもの
2:光沢が少なく、平滑性にやや劣り均一性に劣るもの
1:光沢、均一性、平滑性の劣るもの
[占積率]
占積率は、JIS法(JIS C2550)に準じて、測定した。得られた占積率が99.2%以上であるものを合格とした。
Figure 0006682892
Figure 0006682892
上記の表3より、本発明の効果が明らかとなった。
表3によれば、本発明の実施例に該当するサンプルは、絶縁被膜の膜厚が良好であり、バラツキが少なく、かつ、優れた均一性を有していることがわかった。また、本発明の実施例に該当するサンプルは、均一性に加えて、更に、電着塗装性、絶縁性、モールド樹脂密着性、耐食性及び占積率に優れることがわかった。また、本発明の比較例に該当するサンプルは、均一性が劣るものであり、また、電着塗装性、絶縁性、モールド樹脂密着性、耐食性及び占積率の全てに優れたものは存在しなかった。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る電磁鋼板では、絶縁被膜薄の均一性に優れることで、積層鉄芯のモールド樹脂密着性、電着塗装性、絶縁性、耐食性、及び、占積率を向上させることが可能であり、モータやトランスの小型化や効率向上が可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (4)

  1. 電磁鋼板の表面に
    ン酸金属塩100質量部と、平均粒径が0.05〜0.50μmであって、反応性乳化剤を利用したアクリル樹脂1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、から構成された絶縁被膜を有し、
    前記リン酸金属塩の金属元素は、少なくとも2価の金属元素と3価の金属元素とが混在しており、前記2価の金属元素の混合比は、前記リン酸金属塩の金属元素の全体質量に対して、30〜80質量%である、電磁鋼板。
  2. 前記絶縁被膜は、前記リン酸金属塩、前記アクリル樹脂及び前記多価アルコールに加えて、更に、前記リン酸金属塩、前記アクリル樹脂及び前記多価アルコールの合計の固形分100質量部に対して3〜50質量部のホスホン酸化合物から構成される、請求項1に記載の電磁鋼板。
  3. ン酸金属塩100質量部に対し、平均粒径が0.05〜0.50μmである、反応性乳化剤を用いて共重合させたアクリル樹脂のエマルジョンを樹脂固形分で1〜50質量部と、多価アルコール0.5〜10質量部と、を混合した処理液を、電磁鋼板の表面に塗布し、焼付け乾燥する、電磁鋼板の製造方法であって、
    前記リン酸金属塩の金属元素は、少なくとも2価の金属元素と3価の金属元素とが混在しており、前記2価の金属元素の混合比は、前記リン酸金属塩の金属元素の全体質量に対して、30〜80質量%である、電磁鋼板の製造方法
  4. 前記処理液の固形分100質量部に対して、固形分で3〜50質量部のホスホン酸化合物を更に混合する、請求項に記載の電磁鋼板の製造方法。
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