JP6682390B2 - 工具吊り具 - Google Patents
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Description
胴ベルト型安全帯は、胴ベルトと、胴ベルトが挿通されたD環と、胴ベルトの一端にバックルを具備している。作業員は腰部に胴ベルト型安全帯を装着し、D環に命綱を連結することで墜転落を防止している。
法面作業においては、胴ベルトに多数の工具や資材を装備するため、胴ベルトの工具類を取り付けるスペースはできるだけ広くすることが望まれている。
墜落を阻止するときに、肩、腰、腿などの装着者の身体の主要部分を複数箇所において保持するハーネス型安全帯は、墜落阻止時に人体に加わる大きな荷重が人体の各部に分散されるため、胴ベルト型安全帯と比べて人体にかかる負担が小さい。また墜落阻止後に救助されるまでの間においても、人体が立位に近い状態となり、人体への負担を軽減できる。墜落阻止時および墜落阻止後において人体への負担が少ないため、近年、法面作業以外の高所作業現場ではハーネス型安全帯が急速に増加してきている。法面工事においても、より安全性の高いハーネス型安全帯の普及が望まれている。
ハーネス型安全帯の一例が、特開2015−223292公報に開示されている。
また、腰部へのあたりを柔らかくし装着感を良くするために、胴ベルト型安全帯にサポータベルトを装着する場合が良くある。この場合、工具吊り具において工具や資材を装備するスペースは、命綱を連結するためのD環取付け部と、バックサイドベルトに具備された3つの吊り具と、サポータベルトと胴ベルトを連結するためにサポータベルトに具備された3〜4個のベルト通しと、が占有する7〜8箇所のスペースを除いたスペースとなる。
このことは、作業者によって、作業性を損なうこととなり煩わしいことである。
両端にリングを縫着した胴当てベルトに、一端にバックルを備えた外締めベルトを重合挿通した柱上安全帯において、胴当てベルトに基端部を縫着した長舌片とバックル片を対向して設け、両者を所定部で係止可能とした吊りベルト部を単数または複数設けた構成を特徴とする工具吊りベルト付き柱上安全帯
が、開示されている。
工具を取り付ける長舌片とバックル片があらかじめ柱上安全帯の胴当てベルトに縫着したものであり、工事において工具を装着する必要がない場合でも、本考案に係る工具吊りベルトは取り外すことができない。
ベルト押さえは、外締めベルトを挿通するための間隔を50mm程度とって両端を胴当てベルトに縫着されている。前記間隔50mm程度の中央位置にベルト押さえと直交して長舌片とバックル片の一端が縫着されている。
この時、ベルト押さえが直交方向に荷重を受けて変形したり捻じれを生じることによって、連結された長舌片とバックル片の固定された両端間の距離が狭まるため、連結された長舌片とバックル片に重力方向にたわみが生じ、装着した工具袋等が下方に下がる。このことは、作業者によって作業性を損なうこととなり煩わしいことである。
工具吊り具の両端または、両端および中央部に連結具を具備し、
前記連結具が、平行に配置された2つの挿通口を具え、
前記挿通口が胴ベルトを挿通する幅を持ち、
前記挿通口に前記胴ベルトが挿通されて、
前記工具吊り具が胴ベルト上に重ねて配置される。
好ましくは、本発明に係る工具吊り具の全長は、40cm以上である。
さらに、作業員が安全性の高いハーネス型安全帯を装着する場合においても、従来使用されている胴ベルト型安全帯の場合と同様に、装備する工具や資材を取付けるスペースを広く確保することにより、必要な工具等を好ましい位置に装備できるため、作業性を改善しうる。
図1は、標準的な胴ベルト型安全帯の胴ベルト1が示された正面図であり、胴ベルト1は、胴ベルト用ベルト11の一端に胴ベルト用バックル14が縫着され、胴ベルト1の中央部近傍には胴ベルト用D環止め13と胴ベルト用D環12が胴ベルト11に連結固定されている。
ハーネス用連結環(左)32、ハーネス用連結環(右)33は、胴ベルト1を挿通され胴ベルト1と連結されるための環部が形成されている。
サポータベルト用ベルト押さえ(左)52、サポータベルト用ベルト押さえ(右)53、サポータベルト用ベルト押さえ(中央)54は、胴ベルト1が挿通され胴ベルト1と連結されるための挿通口が形成されている。
サポータベルト5は、サポータベルト用ベルト51にサポータベルト用ベルト押さえ(左)52とサポータベルト用ベルト押さえ(右)53とサポータベルト用ベルト押さえ(中央)54を具備しており、サポータベルト用ベルト押さえ(左)52とサポータベルト用ベルト押さえ(右)53とサポータベルト用ベルト押さえ(中央)54に胴ベルト11が挿通されることによって、胴ベルト11にセットされる。
工具吊り具用連結具(左)42と工具吊り具用連結具(右)43はそれぞれ平行に配置された2つの挿通口を具え、前記挿通口はそれぞれ胴ベルト用ベルト11を挿通する幅を持つ。前記2つの挿通口に連続して胴ベルト用ベルト11が挿通されることによって、工具吊り具用連結具(左)42と工具吊り具用連結具(右)43が胴ベルト用ベルト11に連結される。この時、胴ベルト1が作業員の腰部に装着された状態で、工具吊り具用ベルト41に弛みが生じないように工具吊り具用連結具(左)42と工具吊り具用連結具(右)43の胴ベルト1への取付位置を調整することにより、工具吊り具4が胴ベルト1に重ねて取り付けられる。
工具吊り具用連結具(中央)44は、4つの平行に配置された長溝形状の挿通口を具え、両外の挿通口に工具吊り具用ベルト41が挿通され、内側の2つの挿通口に胴ベルト用ベルト11が挿通されている。バックサイドベルト用吊り具(中央)24は帯体を折り返して形成された挿通口を具備し、前記挿通口に工具吊り具用連結具(中央)44と胴ベルト用ベルト11が挿通され、なおかつ、バックサイドベルト用吊り具(中央)24の帯体が、バックサイドベルト用吊り具(中央)24と工具吊り具用ベルト41の間を通過した状態とされることによって、胴ベルト1と工具吊り具4とバックサイドベルト2が容易にずれないように連結される。
また、従来技術において、図11および段落[0035]、[0036]に示す場合は、工具袋等の取付スペースの総和は約440mmであり、取付スペースは5箇所に分断される。
また、従来技術において、図12および段落[0037]、[0038]に示す場合は、工具袋等の取付スペースの総和は約504mmであり、取付スペースは4箇所に分断される。
図13と図14および段落[0040]、[0041]、[0042]に示す場合、図15および段落[0043]に示す場合、図16および段落[0044]に示す場合のいずれの場合においても、工具袋等の取付スペースの総和は約680mmであり、従来技術に対して大幅に広くなる。また、従来技術では、取付スペースが3箇所から5箇所に分断されるのに対して、本発明に係る工具吊り具4を装着した場合は2箇所に分断され、1箇所あたりの取付スペースが広くなる。
胴ベルト1の左側には工具袋(大)6を取り付けることができない。また、図示しないが、胴ベルト1の右側に工具袋(大)6を1つ取り付けると、ペンチ差し8を取り付けるスペースが残らない。
胴ベルト1には工具袋(大)6を取り付けることができない。また、胴ベルト1の左側には工具袋(小)7を取り付けることができない。図示しないが、胴ベルト1の右端に1つのペンチ差し8を1つ取り付けると、工具袋(小)7を取り付けるスペースが残らない。
胴ベルト1には工具袋(大)6を取り付けることができない。図示しないが、右側および左側にペンチ差し8を1つずつ取り付けると、工具袋(小)7を取り付けるスペースが残らない。
命綱を連結するためのD環は、工具吊り具用連結具(左)42の2つの挿通口の間に配置し、前記2つの挿通口に挿通された胴ベルト用ベルト11が挿通されることによって、胴ベルト1と連結固定される。これにより、胴ベルト用D環12および胴ベルト用D環止め13が占有していた取付スペースが開放され、その分、工具袋等の取付スペースが増えることになる。
図17に示す従来技術の場合と比べると、従来技術においては、胴ベルト1の工具袋等の取付スペースの一部が、バックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23および胴ベルト用D環12と胴ベルト用D環止め13の取付スペースとして占有されていたが、本発明においては、工具吊り具4には胴ベルト1バックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23および胴ベルト用D環12と胴ベルト用D環止め13を取り付けないため、工具袋等の取付スペースが大幅に増える。
図20に一例を示すように、ペンチ差し8の取付スペースが1つ増え、2つの工具袋(小)7から2つの工具袋(大)6に替えることができ、工具袋等の取付スペースが大幅に増えた。
図18に示す従来技術の場合と比べると、従来技術においては、胴ベルト1の工具袋等の取付スペースの一部が、バックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23および胴ベルト用D環12と胴ベルト用D環止め13およびサポータベルト用ベルト押さえ(左)52とサポータベルト用ベルト押さえ(右)53と2つのサポータベルト用ベルト押さえ(中央)54の取付スペースとして占有されていたが、工具吊り具4にはバックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23および胴ベルト用D環12と胴ベルト用D環止め13およびサポータベルト用ベルト押さえ(左)52とサポータベルト用ベルト押さえ(右)53と2つのサポータベルト用ベルト押さえ(中央)54を取り付けないため、工具袋等の取付スペースが大幅に増える。
図21に一例を示すように、1つの工具袋(小)7から2つの工具袋(大)6に替えることができ、工具袋等の取付スペースが大幅に増えた。
図19に示す従来技術の場合と比べると、従来技術においては、胴ベルト1の工具袋等の取付スペースの一部が、バックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23およびハーネス用連結環(左)32とハーネス用連結環(右)33の取付スペースとして占有されていたが、工具吊り具4にはバックサイドベルト用吊り具(左)22とバックサイドベルト用吊り具(右)23およびハーネス用連結環(左)32とハーネス用連結環(右)33を取り付けないため、工具袋等の取付スペースが大幅に増える。
図22に一例を示すように、1つの工具袋(小)7から2つの工具袋(大)6に替えることができ、工具袋等の取付スペースが大幅に増えた。
工具吊り具4aの両端には、工具吊り具用連結具(左)42aと工具吊り具用連結具(右)43aが具備される。
工具吊り具用連結具(左)42aおよび工具吊り具用連結具(右)43aは、それぞれ平行に配置された2つの挿通口を具え、前記2つの挿通口はそれぞれ胴ベルト用ベルト11を挿通する幅を持つ。さらに前記2つの挿通口の間の部材が中央で分断されており、前記2つの挿通口を合わせた形状が略H字状をなしている。
この場合、工具袋等は工具吊り具4aに装着される。工具袋等を装着できる工具吊り具4aのスペースは、間隔g1と間隔g2である。標準的な取付状態の場合、間隔g1と間隔g2は約340mmで、工具袋等の取付スペースの総和は約680mmである。
従って、作業内容によって容易に工具袋等の種類や数量を変えることができる。このことは、作業者にとって、必要な工具等を好ましい位置に装備できるため、作業性を改善し得る。
また、作業内容によって工具袋等が不要な場合は、工具袋等が取り付けられた状態の工具吊り具4aを胴ベルト1から容易に取り外して作業ができる。このことは、作業者にとって、身体に装着する装備が減ることおよび軽くなることにより、作業時の煩わしさを解消し作業性を改善し得る。
工具吊り具4bの両端には、工具吊り具用連結具(左)42bと工具吊り具用連結具(右)43bが具備される。
工具吊り具用連結具(左)42bおよび工具吊り具用連結具(右)43bは、それぞれ平行に配置された2つの挿通口を具え、前記2つの挿通口はそれぞれ胴ベルト用ベルト11を挿通する幅を持つ。さらに前記2つの挿通口の対向する外側の部材が中央で分断されており、前記2つの挿通口は反対向きにそれぞれ略T字状をなし、それぞれ対向する外側の部分に開口部を持つ。
この場合、工具袋等は工具吊り具4bに装着される。工具袋等を装着できる工具吊り具4bのスペースは、間隔h1と間隔h2である。標準的な取付状態の場合、間隔h1と間隔h2は約340mmで、工具袋等の取付スペースの総和は約680mmである。
段落[0062]示す工具吊り具の有効性と同様に、作業時の煩わしさを解消し作業性を改善し得る。
また、本発明の工具吊り具用連結具の材料は、鉄鋼やアルミニウム合金等の金属およびプラスチックで製作され得る。
また、電柱や鉄塔における高所作業や、ビル建設工事、窓拭きの高所作業など、安全帯等の胴ベルトを装着し、工具袋等装備するあらゆる作業において適用され得る。
11・・・胴ベルト用ベルト
12・・・胴ベルト用D環
13・・・胴ベルト用D環止め
14・・・胴ベルト用バックル
2・・・バックサイドベルト
21・・・バックサイドベルト用ベルト
22・・・バックサイドベルト用吊り具(左)
23・・・バックサイドベルト用吊り具(右)
24・・・バックサイドベルト用吊り具(中央)
25・・・バックサイドベルト用D環(左)
26・・・バックサイドベルト用D環(右)
3・・・ハーネス
31・・・ハーネス用主ベルト
32・・・ハーネス用連結環(左)
33・・・ハーネス用連結環(右)
34a・・・ハーネス用バックル本体(左)
34b・・・ハーネス用バックル差し込み具(左)
35a・・・ハーネス用バックル本体(右)
35b・・・ハーネス用バックル差し込み具(右)
36a・・・ハーネス用胸バックル本体
36b・・・ハーネス用胸バックル差し込み具
37・・・ハーネス用胸部D環
4,4a,4b・・・工具吊り具
41,41a,41b・・・工具吊り具用ベルト
42,42a,42b・・・工具吊り具用連結具(左)
43,43a,43b・・・工具吊り具用連結具(右)
44,44a,44b・・・工具吊り具用連結具(中央)
45,45a,45b・・・工具吊り具用縫着部
5・・・サポータベルト
51・・・サポータベルト用ベルト
52・・・サポータベルト用ベルト押さえ(左)
53・・・サポータベルト用ベルト押さえ(右)
54・・・サポータベルト用ベルト押さえ(中央)
6・・・工具袋(大)
61・・・工具袋(大)用袋部
62・・・工具袋(大)用連結具
7・・・工具袋(小)
71・・・工具袋(小)用袋部
72・・・工具袋(小)用連結具
8・・・ペンチ差し
81・・・ペンチ差し用差し込み部
82・・・ペンチ差し用連結具
Claims (2)
- 胴ベルトに人体に装着し墜転落を防止するためのハーネス型安全帯が連結され、かつ、前記胴ベルトに体重を預けて作業するために臀部に配置されるバックサイドベルトが連結されることにより、前記ハーネス型安全帯と前記バックサイドベルトとが前記胴ベルトを介して接続された、法面工事作業に好適に用いられる用具の、前記胴ベルトに取り付けられる工具吊り具であって、
前記工具吊り具の両端または、両端および中央部に連結具を具備し、
前記連結具が、平行に配置された2つの挿通口を具え、前記挿通口が前記胴ベルトを挿通する幅を持ち、
前記挿通口に前記胴ベルトが挿通されて、
前記工具吊り具が前記胴ベルト上に重ねて配置されること
を特徴とする、工具吊り具。
- 連結具に具備された2つの挿通口の間の部材または対向する外側の部材が中央で分断されたことを特徴とする請求項1に記載の工具吊り具。
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