JP6681480B2 - 温度検知素子及びこれを備える温度検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、温度検知素子及びこれを備える温度検知装置に関する。
従来、温度管理環境が所定温度に達したか否かを検知する温度管理材(温度検知素子)としては、導電性粉末を含有する導電層と、この導電層上に積層され、前記所定温度に対応する融点を有する非導電性の熱溶融物質を含む感温層と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この温度管理材では、温度管理環境が前記所定温度に達した際に、感温層の熱溶融物質が溶融して導電層の導電性粉末間に浸潤する。これにより温度管理材では、浸潤した熱溶融物質によって導電層の電気抵抗が不可逆的に増大する。このような温度管理材によれば、導電層の電気抵抗をモニタすることによって前記所定温度に達したことを検知することができる。また、この温度管理材は、感温層に色素を含んでいる。感温層の色素は、温度管理環境が前記所定温度に達した際に、溶融した熱溶融物質に伴って導電層中に分散する。これにより温度管理材の色調が変化する。この温度管理材によれば、色調が不可逆的に変化することによって前記所定温度に達したことを検知することもできる。
特許第5395288号公報
ところで、従来の温度検知素子(例えば、特許文献1参照)は、例えば、冷凍食品、バイオ医薬品、電子部品などの製品の低温流通(cold chain)が適正に実行されたか否かを検証する手段として使用されている。つまり、所定温度以下に温度管理される必要がある製品の流通過程において、当該製品が所定温度以下に維持されていたことを検証するために温度検知素子が当該製品に取り付けられて使用されている。
しかしながら、従来の温度検知素子は、前記のような不可逆的変化によって前記所定温度に達したことを検知するために、その使用前にあっては、前記所定温度を十分に下回る温度管理下で保存される必要がある。そのため、従来の温度検知素子は、使用前の温度検知素子の保存管理が煩雑になる問題がある。
また、従来の温度検知素子は、前記所定温度を下回る温度管理下で保存した場合であっても、例えば互いに異なるロットに属する温度検知素子同士のように与えられた温度履歴に相違があると、使用時における温度検知素子の初期状態にバラツキを生じる。そのため、従来の温度検知素子は、温度管理環境の温度変化を精度よく検知できない場合がある。
そこで、本発明の課題は、使用前の保存管理が容易で、温度管理環境の温度変化を精度よく検知することができる温度検知素子及びこれを備える温度検知装置を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の温度検知素子は、基板と、この基板上に配設された電極とを有する基材と、前記基板上で前記電極と電気的に接触するように配置される温度検知体と、を備え、前記温度検知体の温度変化に対する電磁波吸収特性の変化と電気的特性の変化とが可逆的であることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の温度検知装置は、前記温度検知素子と、前記温度検知素子の前記温度検知体の温度履歴を検出する温度履歴検出機構と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、使用前の保存管理が容易で、温度管理環境の温度変化を精度よく検知することができる温度検知素子及びこれを備える温度検知装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る温度検知素子の構成説明図である。 (a)は、顕色状態の温度検知体において、非顕色性材料がロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物を保持している様子を示す模式図である。(b)は、消色状態の温度検知体において、非顕色性材料がロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物を保持している様子を示す模式図である。(c)及び(d)は、顕色状態の温度検知体において、非顕色性材料、並びにロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物のいずれもが連続体を形成している様子を示しており、(c)は顕色状態、(d)は消色状態であることを説明する模式図である。 温度検知素子における温度検知体の温度と、温度検知体の色濃度変化及び抵抗値変化との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る温度検知素子を備える温度検知装置の構成説明図である。 第1変形例に係る温度検知素子の構成説明図である。 第2変形例に係る温度検知素子の構成説明図である。 (a)は第3変形例に係る温度検知素子の部分分解斜視図、(b)は(a)のVIIb−VIIb断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。本実施形態に係る温度検知素子は、例えば温度管理環境が所定温度に達した際に、光吸収特性などの電磁波吸収特性、及び導電性、誘電特性などの電気的特性の両方が可逆的に変化する温度検知体を備えている。
本実施形態では、まず温度検知素子及びこの温度検知素子を備える温度検知装置について説明した後に、他の形態に係る温度検知素子について説明する。
(温度検知素子)
図1は、本実施形態に係る温度検知素子1Aの構成説明図である。
図1に示すように、温度検知素子1Aは、第1の基材2と、第2の基材3と、隔壁9と、温度検知体8と、を備えて構成されている。
第1の基材2は、第1の基板4に第1の電極5が配置されて構成され、第2の基材3は、第2の基板6に第2の電極7が配置されて構成されている。第1の電極5及び第2の電極7は、第1の基板4及び第2の基板6のそれぞれの片面に配置されている。
第1の基材2及び第2の基材3は、それぞれの第1の電極5側及び第2の電極7側で対向するように配置されている。そして、第1の基材2及び第2の基材3は、第1の電極5側及び第2の電極7側で温度検知体8を挟み込んでいる。これにより第1の電極5と第2の電極7とは、温度検知体8と電気的に接触する電極対を構成している。
第1の基板4及び第2の基板6は、絶縁材料で形成されている。
本実施形態に係る温度検知素子1Aにおいては、前記のように温度検知体8の光吸収特性の変化を、第1の基板4及び第2の基板6のいずれか一方を介しての温度検知体8の透過光又は反射光に基づいて検出する。つまり、本実施形態での第1の基板4及び第2の基板6の少なくとも一方は、光透過性の絶縁材料で形成されている。
具体的には、後記する温度検知体8に対する光検出方式が透過光に基づく場合には、第1の基板4及び第2の基板6の両方が光透過性の絶縁材料で形成されている。また、温度検知体8に対する光検出方式が反射光に基づく場合には、第1の基板4及び第2の基板6のいずれか一方が光透過性の絶縁材料で形成されている。なお、光検知方式が反射光に基づく場合であっても第1の基板4及び第2の基板6の両方が光透過性の絶縁材料で形成されていても構わない。
第1の基板4及び第2の基板6に使用される光透過性の絶縁材料としては、例えば、ガラス;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PEs)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンポリマ(COP)などの樹脂フィルム;上質紙、クラフト紙、和紙など紙素材;セルロースナノファイバなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、光透過性の第1の基板4及び第2の基板6は、後記する色調変化における色調補正などのために、光透過性を維持できる範囲で着色しても構わない。また、第1の基板4及び/又は第2の基板6の外側面には、この温度検知素子1Aが付される製品などの個体情報、管理条件などの所条件を表す文字情報、バーコード、QRコードなどを付すこともできる。
本実施形態での第1の電極5及び第2の電極7は、前記した温度検知体8の導電性の変化を外部に出力する。具体的には、後記するように温度検知体8の抵抗値の変化が第1の電極5及び第2の電極7を介して検出される。
本実施形態での第1の電極5及び第2の電極7は、前記のように、第1の基板4及び第2の基板6の片面であって、その片面の全面にわたって形成されているものを想定している。しかし、第1の電極5及び第2の電極7は、第1の基板4及び第2の基板6の片面の一部に形成することもできる。この際、第1の電極5及び第2の電極7の平面形状としては、例えば円、楕円、多角形、不定形などが挙げられる。また、第1の電極5及び第2の電極7の平面形状は、所定の文字、記号などの図形に形成することもできる。
第1の電極5及び第2の電極7は、低抵抗、低損失であることが好ましい。
また、前記のように、光を透過させる側の第1の基板4及び/又は第2の基板6に設けられる第1の電極5及び/又は第2の電極7は、光透過性電極であることが好ましい。
このような光透明性電極としては、例えばアルミニウム、クロム、タンタル、チタン、ネオジム、モリブデン、銅、銀などの金属膜、これら金属の合金膜、酸化インジウム亜鉛(IZO)膜、酸化インジウムすず(ITO)膜、酸化すず膜、酸化亜鉛膜、カーボンナノチューブ膜、グラフェン膜などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの膜は、単層膜及び積層膜のいずれであっても構わない。
また、光透過性電極は、前記の膜からなるものに代えて極細線からなるもの、メッシュで形成されるものであっても構わない。さらに、電極5,7の表面には、温度検知体8の電気的特性の検知性、安定性、基板4,6や温度検知体8に対する密着性、温度検知体8に対するぬれ性などを制御するために、例えばシリコン、ガリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む酸化物や後記する非顕色性材料の官能基などを含む樹脂膜を形成することもできる。このような酸化物などによって密着性を高めた電極5,7は、フレキシブル基板を使用した場合に特に好ましい。また、電極5,7に適用する珪酸物塩の粘土鉱物などの酸化物層は、酸素や水分の透過性を抑制するといった温度検知体8に対するバリア層として機能させることもできる。
本実施形態での第1の基材2及び第2の基材3においては、第1の基板4及び第2の基板6のそれぞれの外側から温度検知体8に向かう熱流束の大きさが、互いに略等しくなるものを想定している。
しかし、第1の基材2及び第2の基材3同士は、前記の熱流束の大きさ(例えば、熱伝導率[W/(m・K)])に差を設けることができる。具体的には、温度検知素子1Aは、温度を検知したい側に面する第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方の熱伝導率[W/(m・K)]を、他方よりも大きくすることができる。これにより温度を検知したい側から温度検知体8への熱移動が円滑に行われて、温度を検知したい側と温度検知体8との熱的平衡が迅速に行われる。
ちなみに、前記の「温度を検知したい側」は、例えば、低温流通(cold chain)に供される製品に温度検知素子1Aが付される場合を例にとると、検知目的に応じて、低温維持されるべき温度管理環境側であっても、低温維持されるべき製品側であっても構わない。
このような第1の基材2及び第2の基材3同士の熱伝導率[W/(m・K)]に差を設ける方法としては、例えば、第1の基板4及び第2の基板6のそれぞれの形成材料として互いに異なる熱伝導率[W/(m・K)]を有するものを選択する方法、第1の電極5及び第2の電極7のそれぞれの形成材料として互いに異なる熱伝導率[W/(m・K)]を有するものを選択する方法、第1の基板4及び第2の基板6同士の厚さを互いに変える方法、第1の電極5及び第2の電極7同士の厚さを互いに変える方法、これらの方法を適宜組み合わせる方法などが挙げられる。
本実施形態での隔壁9は、第1の電極5と第2の電極7との間に配置される枠体で形成され、内側に温度検知体8を配置している。
この隔壁9は、第1の電極5と第2の電極7とで挟み込まれる温度検知体8の周囲を囲むことによって温度検知体8を外気から隔てている。
隔壁9の材料としては、電気的絶縁性を有するものが挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PEs)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エポキシ樹脂(EP)などの樹脂製のものが好ましい。これらの樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び光硬化性樹脂のいずれであっても構わない。隔壁9の材料としては、熱伝導率の低いものが好ましい。また、隔壁9は、基板4,6に対して垂直方向から見た平面視で、幾何学模様や所定の文字、記号、コード(例えばQRコード)などのパターンを形成するように配置することもできる。そして、このような隔壁9は、顕色状態の温度検知体8と同じ色調となるように着色することもできる。このような隔壁9で形成されるパターンは、温度検知体8の非顕色時に現れ、顕色時に消失する。
(温度検知体)
次に、温度検知体8について説明する。
本実施形態での温度検知体8は、第1の基材2及び第2の基材3の面方向の略中央部で第1の電極5と第2の電極7との間に挟み込まれるチップで構成されている。
本実施形態での温度検知体8は、次に説明するロイコ染料と、顕色剤と、消色剤と、を含む高抵抗の誘電体組成物で形成されている。
温度検知体8は、ロイコ染料の所定温度における顕色及び消色に基づいて色濃度が変化し、この色濃度の変化とともに温度検知体8内での電荷移動、配向分極に基づく導電性、誘電率(誘電特性)といった電気的特性が変化する。
ロイコ染料は、電子供与性化合物からなるものであって、例えば感圧複写紙用の染料、感熱記録紙用染料として使用されているものなどが挙げられる。
ロイコ染料としては、例えばトリフェニルメタンフタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系、スピロピラン系、ローダミンラクタム系、トリフェニルメタン系、トリアゼン系、スピロフタランキサンテン系、ナフトラクタム系、アゾメチン系のものなどが挙げられる。
ロイコ染料の具体例としては、例えば9−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)スピロ[ベンゾ[a]キサンテン−12,3´−フタリド]、2−メチル−6−(Np−トリル−N−エチルアミノ)フルオラン−6−(ジエチルアミノ)−2−[(3−トリフルオロメチル)アニリノ]キサンテン−9−スピロ−3´−フタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、2´−アニリノ−6´−(ジブチルアミノ)−3´−メチルスピロ[フタリド−3,9´−キサンテン]、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、1−エチル−8−[N−エチル−N−(4−メチルフェニル)アミノ]−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロスピロ[11H−クロメノ[2,3−g]キノリン−11,3´−フタリドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これらのロイコ染料は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、後記する顕色時の温度検知体8の色調は、2種以上のロイコ染料を組み合わせることによって調節することができる。
顕色剤は、電子受容体からなるものであって、電子供与性のロイコ染料と結合することによってロイコ染料の顕色を行う化合物である。
顕色剤としては、例えば感圧複写紙用の顕色剤、感熱記録紙用の顕色剤として使用されているものなどが挙げられる。
顕色剤の具体例としては、例えば4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,2´−ビフェノール、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、パラオキシ安息香酸エステル、没食子酸エステルなどのフェノール類;カルボン酸誘導体の金属塩類;サリチル酸及びサリチル酸金属塩類;スルホン酸類;スルホン酸金属塩類;リン酸類;リン酸金属塩類;酸性リン酸エステル類;酸性リン酸エステル金属塩類;亜リン酸類;亜リン酸金属塩類などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
顕色剤は、ロイコ染料や次に説明する消色剤に対して相溶性に富むものが好ましく、2,2´−ビフェノール、ビスフェノールA、没食子酸エステルなどの有機系顕色剤はより好ましい。
これらの顕色剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、顕色時の温度検知体8の色濃度は、2種以上の顕色剤を組み合わせることによって調節することができる。
顕色剤のロイコ染料に対する使用量は、前記の色濃度に応じて適宜に設定できるが、例えばロイコ染料1質量部に対して、顕色剤0.1質量部以上、100質量部以下の範囲内に設定することができる。
消色剤は、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させる化合物であって、ロイコ染料の顕色開始温度と消色開始温度とを制御する。
消色剤としては、例えば感圧複写紙用の消色剤、感熱記録紙用の消色剤として使用されているものなどが挙げられる。
消色剤は、ロイコ染料の顕色状態が維持されている温度範囲においては固化しており、ロイコ染料及び顕色剤に対して相分離する。言い換えれば、ロイコ染料と顕色剤との結合が維持されることによって、後記するように温度検知体8は顕色状態を維持する。
また、消色剤は、ロイコ染料の消色状態が維持されている温度範囲においては溶融しており、ロイコ染料と顕色剤との結合を解離させる。言い換えれば、ロイコ染料と顕色剤との解離状態が維持されることによって、後記するように温度検知体8は消色状態を維持する。
つまり、温度検知体8は、消色剤が凝固点以下となる際に顕色を開始し、消色剤が融点以下となる際に消色を開始する。
なお、本実施形態での温度検知体8の「顕色状態」とは、温度検知体8の色濃度が、最も濃くなった状態をいう。また、温度検知体8の「消色状態」とは、温度検知体8の色濃度が、最も淡くなった状態をいう。また、色濃度とは、色を構成する色相、明度及び彩度のうち明度で表すことができる。したがって、色調(トーン)を基準に色濃度を判定する場合には、色調を構成する明度及び彩度のうちの明度で色濃度が規定される。
本実施形態での消色剤としては、凝固点と融点とに温度差があるものが選択される。
本実施形態での消色剤の具体例としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリカプリリン、トリカプリン、トリラウリン、トリミリスチンなどの脂肪酸エステル化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、他のエステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アマイド類、アゾメチン類、脂肪酸類、炭化水素類などを使用することもできる。
消色剤は、1種単独で使用することもできるが、2種以上を組み合わせて使用することによって凝固点及び融点の調節が可能となる。
消色剤のロイコ染料に対する使用量は、ロイコ染料の色濃度に応じて適宜に設定できるが、例えばロイコ染料1質量部に対して、消色剤1質量部以上、800質量部以下の範囲内に設定することができる。
(温度検知体の他の第1態様)
温度検知体8は、前記したロイコ染料、顕色剤、及び消色剤に加えて、さらに導電剤を含む組成物で構成することができる。この導電剤は、ロイコ染料、顕色剤、及び消色剤に溶解するものが好ましい。また、導電剤は、隔壁9、電極5,7、基材4,6などの温度検知素子1Aの他の構成材料に対して不活性であることが好ましい。
導電剤は、所定の溶剤に溶解するものが好ましい。また、導電剤は、温度検知体8の色濃度に影響を与えないことも重要である。また、導電剤としては、塩構造を有するものやイオン液体などが好適に用いられる。導電剤としては、錯体を用いることが好ましい。
導電剤の塩構造を構成する陽イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの第1族、第2族の金属イオンやテトラアルキルアンモニウムイオンが好ましい。テトラアルキルアンモニウムイオンのアルキル鎖は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよく、炭素数が大きいほど溶媒に対する溶解性は向上する。しかし炭素数が小さいほど、僅かの添加率で抵抗を下げることが可能となるためより好ましい。
テトラアルキルアンモニウムイオンのアルキル鎖の炭素数は2〜8程度が好ましい。
導電剤の塩構造を構成する陰イオンとしては、硝酸イオン、リン酸イオンといった無機酸のイオンやヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びテトラフルオロボレートイオンなどの有機酸のイオンが溶剤に対する溶解性が高い点で好ましい。
導電剤の具体例としては、例えばテトラエチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラペンチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラヘキシルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラオクチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラプロピルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラオクチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。
また、導電剤としては、例えば、カーボン、銀などの導電性固体微粒子を使用することもできる。導電性固体微粒子の粒子径は、温度検知体8の色濃度を判定する際の視認性から100μm以下が好ましく、導電性固体微粒子の分散安定性から1μm以下がより好ましい。
導電剤の温度検知体8における含有量は、0.01質量%以上、20質量%以下が好ましい。
このような含有量で導電剤を含む温度検知体8の抵抗率(常温)は、10000Ωcm以下、好ましくは2000Ωcm以下になるように設定することができる。
これにより温度検知素子1Aは、後記するように第1の電極5と第2の電極7との間に所定の電圧を印加した際に、温度検知体8を流れる電流が増加することで、温度検知体8の抵抗値の検出性能が向上する。
(温度検知体の他の第2態様)
温度検知体8は、前記したロイコ染料、顕色剤、及び消色剤に加えて、非顕色性材料をさらに含む組成物で構成することができる。なお、この組成物には、前記の導電剤を加えることもできる。
図2(a)は、顕色状態の温度検知体8において、非顕色性材料24がロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物25を保持している様子を示す模式図である。図2(b)は、消色状態の温度検知体8において、非顕色性材料24がロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物25を保持している様子を示す模式図である。
図2(a)及び図2(b)に示すように、非顕色性材料24は、ロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物25を分散させた状態で保持する。つまり、非顕色性材料24は固体であり、ロイコ染料、顕色剤及び消色剤を含む組成物25からなる相は、前記の所定温度で非顕色性材料24からなる相に対して分散した相分離構造を形成する。ちなみに、図2(a)及び図2(b)は、例えばマイクロカプセルやエマルジョンのように、非顕色性材料24中に等方的な球状の組成物25が分散した状態を模式的に表したものである。また、このような等方的な球状の組成物25を含む温度検知体8においては、組成物25からなる相と、非顕色性材料24からなる相との2相間に、製造時における組成物25同士の合一防止、分散状態の保持、耐環境性などのために界面層を有する構成とすることもできる。なお、非顕色性材料24を高粘度液体として、例えば界面活性剤による界面層を形成し、温度検知体8を保持する構造などもその他に挙げられるが、これに限定されるものではない。
図2(c)及び図2(d)は、温度検知体8において、非顕色性材料24と組成物25が連続的に分離した構造であり、図2(c)は温度検知体8の顕色状態、(d)は温度検知体8の消色状態について示す模式図である。温度検知体8はロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物25と非顕色性材料24からなる異方性の(不定形の)連続相を形成している。そして、ロイコ染料、顕色剤、及び消色剤からなる組成物25からなる相は、非顕色性材料24からなる連続相中で異方的に(不定形に)分散している。ちなみに、図2(c)及び図2(d)に示す分散状態は、非顕色性材料24と組成物25との濃度比が1:1に近いときに生じ易い傾向にある。
非顕色性材料24(以下、符号24を省略する)は、顕色剤と異なって電子受容体ではなく、ロイコ染料、顕色剤、及び消色剤と混合した際に、ロイコ染料に対する顕色性を示さない。また、非顕色性材料は、消色剤によるロイコ染料の消色性を損なわない。
また、非顕色性材料の融点は、ロイコ染料、顕色剤及び消色剤からなる組成物25(混合物)の融点よりも高い。また、固体状態又は凝固状態における非顕色性材料は、ロイコ染料、顕色剤及び消色剤のそれぞれに対する相溶性に乏しい。
このような条件を満たす非顕色性材料としては、炭化水素のみで構成される非極性材料が挙げられる。
非顕色性材料の具体例としては、例えばパラフィン系、マイクロクリスタリン系、オレフィン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系などのワックス;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィン、ポリシロキサンやこれらの共重合体などが挙げられる。
非顕色性材料の温度検知体8における含有量は、30質量%以上、99質量%以下の範囲内に設定される。また、温度検知体8の後記する色濃度の変化、及び抵抗値の変化を検出する際の検出性能を考慮すると、非顕色性材料の温度検知体8における含有量は、40質量%以上、70質量%以下が好ましい。
このような非極性材料を含む温度検知体8によれば、図2(b)に示すように、消色剤が溶融して温度検知体8が消色状態になった場合においても、温度検知体8の形状はより確実に保持される。これにより隔壁9(図1参照)を省略した構成も可能となって、次に説明する温度検知素子1Aの製造工程をさらに簡略化することができる。
(温度検知素子の製造方法)
次に、温度検知素子1Aの製造方法について主に図1を参照しながら説明する。
本実施形態での製造方法では、まず第1の基材2と第2の基材3とが用意される。
第1の基材2は、第1の基板4の片面に第1の電極5が形成されて製造される。第2の基材3は、第2の基板6の片面に第2の電極7が形成されて製造される。
第1の電極5及び第2の電極7の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、フォトリソグラフィ法などの公知の形成方法が挙げられる。
次に、この製造方法では、第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方に隔壁9が配置される。隔壁9は、第1の基材2の第1の電極5側、又は第2の基材3の第2の電極7側に形成される。
隔壁9は、隔壁9の材料として樹脂フィルムを使用する場合には、樹脂フィルムから前記の枠体の形状を打ち抜いたものを第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方に接着することで形成することができる。
また、隔壁9は、隔壁9の材料として樹脂のモノマを含む樹脂組成物を使用する場合には、この樹脂組成物を前記の枠体の形状となるように第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方に塗布した後、モノマを重合させることで形成することができる。ちなみに、樹脂組成物の塗布方法としては、例えばスクリーン印刷法、ディスペンサ印刷法などを使用することができる。
また、隔壁9は、隔壁9の材料として光硬化性樹脂を使用する場合には、フォトリソグラフィ法を使用することもできる。ちなみに、枠体の形状は、特に制限はなく、内側に温度検知体8の配置スペースを有していれば、文字や、所定の図形などを模った形状とすることもできる。
次に、この製造方法では、枠体をなす隔壁9の内側に温度検知体形成用組成物が充填されることにより温度検知体8が形成される。
温度検知体形成用組成物は、ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤とを混合することで調製される。また、前記の第1態様に係る温度検知体8では、ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤と、導電剤とを混合することで温度検知体形成用組成物が調製される。また、前記の第2態様に係る温度検知体8では、ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤と、非顕色性材料とを混合することで温度検知体形成用組成物が調製される。
そして、温度検知体8は、この温度検知体形成用組成物の加熱溶融物を、枠体をなす隔壁9の内側に充填した後、これを冷却凝固させることで形成される。
また、温度検知体形成用組成物は、有機溶剤を含むこともできる。
有機溶剤としては、例えばエタノール、メタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、2−ブタノン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。
そして、温度検知体8は、有機溶剤を含む温度検知体形成用組成物を、枠体をなす隔壁9の内側に充填した後、有機溶剤を揮発させ、乾燥することで形成される。
なお、隔壁9の内側への温度検知体形成用組成物の充填は、ODF(One Drop Filling)などのディスペンサ印刷法、インクジェットプリンタ法、スクリーン印刷法などの印刷方法を使用して行うこともできる。
次に、この製造方法では、第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方と、第1の基材2及び第2の基材3のいずれか他方との間で、隔壁9及び温度検知体8が挟持される。この際、第1の基材2及び第2の基材3のいずれか他方は、第1の電極5側、又は第2の電極7側が温度検知体8と接触するように配置される。そして、第1の基材2及び第2の基材3の外側から所定圧で加圧され、必要に応じて加熱されることで温度検知素子1Aが完成する。
この製造方法においては、隔壁9の厚さによって、温度検知体8の厚さが決定される。
しかし、温度検知体8の厚さは、温度検知体形成用組成物に所定の粒径のスペーサビーズを含ませることによって設定することもできる。このスペーサビーズとしては、温度検知体形成用組成物に対して化学的に安定な材料であって絶縁性を有する、例えば、ガラスビーズ、樹脂ビーズなどが挙げられる。なお、光透過性の温度検知体8に使用するスペーサビーズは、温度検知体8の屈折率に近い屈折率を有する透明又は半透明のものが好ましい。このようなスペーサビーズを使用すると、散乱によるヘイズ上昇及び彩度低下が抑えられ温度検知体8の光吸収特性の検出性能が良好となる。
本実施形態での温度検知体8の厚さは、1μm以上、3000μm以下、好ましくは4μm以上、1000μm以下を想定している。このような厚さに設定された温度検知体8は、光吸収特性などの電磁波吸収特性、及び導電性、誘電率(誘電特性)などの電気的特性の検出性能が良好となる。
(温度検知素子の動作)
次に、本実施形態での温度検知素子1Aの動作について説明する。ここでは低温流通(cold chain)に供される製品(例えば冷凍食品、バイオ医薬品、電子部品など)に温度検知素子1Aが付される場合を例にとって、温度検知素子1Aの動作について説明する。
温度検知素子1Aの温度検知体8は、低温流通(cold chain)における温度管理環境下において、第1の基材2及び/又は第2の基材3の外側(外部)から熱的影響を受ける。
温度検知体8は、前記のように、ロイコ染料の所定温度における顕色及び消色に基づいて光吸収特性が変化する。ロイコ染料の顕色開始温度は、消色剤の凝固点に依存し、ロイコ染料の消色開始温度は消色剤の融点に依存する。
また、温度検知体8は、前記のように、光吸収特性の変化とともに温度検知体8内での電荷移動、配向分極に基づいて導電性、誘電率といった電気物性が変化する。具体的には、本実施形態での温度検知体8は、色濃度の変化に対応するように抵抗値が変化する。
図3は、温度検知体8の温度と、温度検知体8の色濃度及び抵抗値の変化との関係を示すグラフである。図3は、横軸に温度検知体8の温度を示し、左縦軸に温度検知体8の色濃度を示し、右縦軸に温度検知体8の抵抗値を示している。図3中、Taは、消色剤の融点であり、温度検知体8の消色開始温度である。Tdは、消色剤の凝固点であり、温度検知体8の顕色開始温度である。図3中、符号Aは、低温流通(cold chain)における温度管理領域である。温度管理領域Aのうち符号Bは、所定の冷凍サイクル装置によって予め設定された温度に制御される温度制御領域である。温度管理領域Aのうち符号Cは、低温流通(cold chain)の過程において、冷凍サイクル装置を使用せずに断熱的に保冷する際に許容される保冷温度領域である。
図3に示すように、本実施形態での温度検知体8は、温度変化に応じて色濃度ヒステリシスと、抵抗値ヒステリシスとを示す。
まず、色濃度ヒステリシスについて説明する。
温度検知体8は、消色剤が溶融してロイコ染料と顕色剤とが解離しているP1の状態から温度が低下していくと、消色剤の凝固点Td(顕色開始温度)までは、消色状態を維持している。つまり、温度検知体8の色濃度は、最も淡い色を維持している。
図3中、消色状態のまま消色剤の凝固点Tdに至った温度検知体8の状態を、P2と記す。
次いで、P2の状態の温度検知体8の温度が消色剤の凝固点Td以下になると、消色剤が固化し始めてロイコ染料及び顕色剤から分離していく。つまり、ロイコ染料と顕色剤とが結合し始めることによって温度検知体8が顕色し始める。
温度検知体8の温度がさらに低下すると、消色剤の固化及び結晶化による分離、及びロイコ染料と顕色剤との結合がさらに進行することで温度検知体8の色濃度が増していく。
その後、温度検知体8の温度がさらに低下すると、色濃度の増加率が緩慢になって、所定の温度Ts1を超えて低下する。その結果、色濃度は増加せずに飽和状態となる。つまり、消色剤が完全に固化して分離することでロイコ染料と顕色剤との結合が完結する。これにより温度検知体8の色濃度は、最も濃い色となる。
以下、Ts1を第1飽和温度と称する。そして、図3中、第1飽和温度Ts1に至った温度検知体8の状態を、P3と記す。ちなみに、温度検知体8は、第1飽和温度Ts1に達してP3の状態になると、第1飽和温度Ts1よりも低い温度のP4の状態に至っても、最も濃い色を呈したまま顕色状態が維持される。
一方、温度検知体8は、消色剤が固化してロイコ染料と顕色剤とが結合しているP4の状態から温度が上昇していくと、消色剤の融点Ta(消色開始温度)までは、顕色状態を維持している。つまり、P4の状態の温度検知体8は、P3からP2の状態に戻らずに(消色せずに)、温度検知体8の色濃度は、最も濃い色を維持する。
図3中、顕色状態のまま消色剤の融点Taに至った温度検知体8の状態を、P5と記す。
次いで、P5の状態の温度検知体8の温度が消色剤の融点Ta以上になると、消色剤が溶融し始めてロイコ染料と顕色剤とを解離させる。つまり、ロイコ染料と顕色剤との結合が解かれて、温度検知体8が消色し始める。
温度検知体8の温度がさらに上昇すると、ロイコ染料と顕色剤との解離がさらに進行することで温度検知体8の色濃度は減じていく。
その後、温度検知体8の温度がさらに上昇すると、色濃度の減少率が緩慢になって、所定の温度Ts2を超えると色濃度は減少せずに飽和状態となる。つまり、消色剤が完全に溶融することでロイコ染料と顕色剤との解離が完結する。これにより温度検知体8の色濃度は、最も淡い色となる。
以下、Ts2を第2飽和温度と称する。そして、図3中、第2飽和温度Ts2に至った温度検知体8の状態を、P6と記す。
ちなみに、温度検知体8は、第2飽和温度Ts2に達してP6の状態になると、第2飽和温度Ts2よりも高い温度のP1の状態に至っても、最も淡い色を呈したまま消色状態が維持される。
また、P1の状態の温度検知体8は、温度が低下した際に、P6からP5の状態に戻らずに(顕色せずに)、温度検知体8の色濃度は、前記のように、消色剤の凝固点Tdに至るまでは最も淡い色を維持する。
つまり、温度検知体8の温度と色濃度との関係は、は、P2、P3、P5及びP6の状態を経由するヒステリシスループを形成する。
次に、抵抗値ヒステリシスについて説明する。
温度検知体8は、前記のように、色濃度の変化に対応して消色剤が溶融し、又は固化する。また、消色剤の溶融及び固化に対応してロイコ染料と顕色剤とは解離し、又は結合する。このような消色剤の溶融及び固化、並びにロイコ染料と顕色剤との解離、又は結合は、温度検知体8の抵抗値の変化をもたらす。
具体的には、温度検知体8は、図3に示すように、消色剤が溶融してロイコ染料と顕色剤とが解離しているP1状態から温度が低下していくと、消色剤の凝固点Tdまでは最も低い第1抵抗値を維持する。
そして、温度検知体8の温度が、凝固点Td以下になると、温度検知体8は、徐々に抵抗値を増していく。
温度検知体8の温度が第1飽和温度Ts1に達すると、第1飽和温度Ts1よりも低い温度のP4の状態になっても、温度検知体8は第2抵抗値を維持する。
また、温度検知体8は、消色剤が完全に固化してロイコ染料と顕色剤との結合が完結しているP4状態から温度が上昇していくと、消色剤の融点Ta(P5の状態)までは、第2抵抗値を維持する。
そして、P5の状態の温度検知体8の温度が、融点Ta以上になると、温度検知体8は徐々に抵抗を減じていく。
温度検知体8の温度が第2飽和温度Ts2(P6の状態)に達して温度検知体8が最も低い第1抵抗値になると、第2飽和温度Ts2よりも高い温度のP1の状態になっても、温度検知体8は第1抵抗値を維持する。
また、P1の状態の温度検知体8は、温度が低下した際に、P6からP5の状態に戻らずに(抵抗を増加せずに)、温度検知体8は、前記のように、消色剤の凝固点Tdに至るまでは第1抵抗値を維持する。
つまり、温度検知体8の温度と抵抗値との関係は、P2、P3、P5及びP6の状態を経由するヒステリシスループを形成する。特に、温度検知体8に前記のイオン性の導電剤を添加した場合、温度検知体8が固体状態と液体状態とではイオン伝導性が著しく異なるために状態変化による抵抗値変化が大きくなり検知性が向上する。
次に、温度検知素子1Aの初期化について説明する。
ヒステリシスループを形成する温度検知体8は、温度検知素子1Aが所定の製品に付される前に初期化される。
この初期化では、温度検知体8が顕色状態になるように設定される。顕色状態の温度検知体8としては、例えば、第1飽和温度Ts1未満の温度に設定されているもの、P3の状態からP5の状態に至るまでの間の状態にあるものが挙げられる。
温度検知体8の初期化方法としては、少なくとも温度検知体8を第1飽和温度Ts1未満の所定温度となるように冷却する工程を有するものが挙げられる。これにより温度検知体8は、例えばP4の状態のように顕色状態になって初期化される。また、P3の状態からP5の状態に至るまでの間で顕色状態になるようにする初期化方法としては、温度検知体8を第1飽和温度Ts1未満の所定温度に冷却する工程と、この工程後、温度検知体8を、第1飽和温度Ts1を超える所定温度となるように加熱する工程と、を有するものが挙げられる。
具体的には、例えば図3のRで示される消色状態にある温度検知体8を第1飽和温度Ts1未満の所定温度に冷却すると、温度検知体8は、前記のように、P4で示される顕色状態になる。次いでこの温度検知体8を、第1飽和温度Ts1を超える所定温度となるように加熱すると、温度検知体8は、初期化されたSの状態となる。
なお、この初期化の工程を行う前に、既に顕色状態になっている温度検知体8については、初期化の工程を省略することもできる。
また、温度検知素子1Aの初期化は、前記の冷却によるものとは逆に、温度検知体8を消色状態になるように加熱することによっても行うことができる。加熱により初期化された温度検知体8としては、例えば第2飽和温度Ts2よりも高い温度に設定されているもの、P6の状態からP2の状態に至るまでの間の状態にあるものが挙げられる。このように初期化された温度検知体8は第1抵抗値を維持している。
この温度検知素子1Aは、後記するように、室温よりも高い温度管理領域で使用するもの(製品の温蔵)に適用することができる。この温度検知素子1Aによれば、温度検知体8が消色状態から顕色状態に変化したか否かを判定することによって、製品が所定の管理温度を下回ったか否かの温度履歴を検出することができる。
(温度検知素子の温度履歴)
温度検知素子1Aは、前記のように、低温流通(cold chain)に供される製品に付されることによって、この製品と略同じ温度履歴を共有する。つまり、温度検知素子1Aが温度管理領域A(図3参照)の温度範囲内で適正に温度管理されていたか否かを検知することによって、間接的に製品が温度管理領域Aの温度範囲内で温度管理されていたか否かを検知することができる。
温度管理領域Aの上限温度は、製品の温度が超えてはならない温度であり、本実施形態では第2飽和温度Ts2に等しい。ちなみに、第2飽和温度Ts2は、温度検知体8の消色剤の種類、又は2種以上の配合割合によって調節することができ、温度検知体8の消色剤は、製品の温度が超えてはならない温度に応じて調製される。
また、所定の冷凍サイクル装置によって予め設定された温度に制御される温度制御領域Bの下限温度Tc1及び上限温度Tc2は、Td<Tc1<Tc2<Ta(但し、Td及びTaは、前記した消色剤の凝固点及び融点である)の関係式を満たすように設定することができる。しかし、温度制御領域Bの下限温度Tc1及び上限温度Tc2は、第2飽和温度Ts2未満の温度であれば特に制限はない。
温度検知素子1Aが付された製品が低温流通(cold chain)に供されると、所定の冷凍サイクル装置によってTc1以上、上限温度Tc2以下の温度に制御される(温度制御領域B参照)。また、製品は、冷凍サイクル装置から離されて、例えばクーラーボックスを使用した保冷による低温流通(cold chain)に供されることがある。この際、製品は、Tc2を超える温度で保冷される場合がある(保冷温度領域C参照)。また、製品は、冷凍サイクル装置の一時的な故障によっても保冷状態となる場合がある。
そして、製品は、保冷状態から再び冷凍サイクル装置による温度管理が行われると、Tc1以上、上限温度Tc2以下の温度に制御される。
ここで、保冷状態の製品の温度が、温度管理領域Aの上限温度の第2飽和温度Ts2を超えずに再び冷凍サイクル装置によってTc1以上、上限温度Tc2以下に制御される場合を想定する。この場合には、この製品と同じ温度履歴を共有する温度検知素子1Aの温度検知体8は、前記のP5の状態に戻るヒステリシスによって顕色状態を維持したままとなる。
これに対して、保冷状態の製品の温度が、温度管理領域Aの上限温度の第2飽和温度Ts2を超えてから、再び冷凍サイクル装置によってTc1以上、上限温度Tc2以下に制御される場合を想定する。この場合には、この製品と同じ温度履歴を共有する温度検知素子1Aの温度検知体8は、前記のP5の状態に戻らずにP2の状態に進むヒステリシスによって消色状態を維持したままとなる。
したがって、温度検知体8が顕色状態及び消色状態のいずれの状態あるかが判定されることによって、製品が温度管理領域Aの上限温度を超えたか否かの温度履歴が検知される。
具体的には、温度検知体8が消色状態であると判定された場合には、温度検知体8の温度が、保冷温度領域Cの温度の上限値を超えたと判定される。また、温度検知体8が顕色状態であると判定された場合には、温度検知体8の温度が、保冷温度領域Cの温度の上限値を超えなかった判定される。
また、温度検知体8の抵抗値が第1抵抗値及び第2抵抗値のいずれの状態あるかが判定されることによっても製品の温度履歴が検知される。
具体的には、温度検知体8の抵抗値が第1抵抗値であると判定された場合には、温度検知体8の温度が、保冷温度領域Cの温度の上限値を超えたと判定される。また、温度検知体8の抵抗値が第2抵抗値であると判定された場合には、温度検知体8の温度が、保冷温度領域Cの温度の上限値を超えなかった判定される。
(温度検知装置)
次に、本実施形態の温度検知素子1Aを備える温度検知装置10について説明する。
図4は、温度検知装置10の構成説明図である。
図4に示すように、温度検知装置10は、温度検知素子1Aにおける温度検知体8の温度履歴を検出する温度履歴検出機構11を備えている。
温度履歴検出機構11は、電気的特性評価部12と、光学特性評価部13と、信号処理回路14と、出力部23と、を備えて構成されている。
電気的特性評価部12は、温度検知素子1Aから出力される電気信号(電流値)に基づいて、温度検知素子1Aの温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超える温度になったか否か判定評価する。
電気的特性評価部12は、電源回路18を備えている。電源回路18は、電源15から入力される電力から必要とされる出力電力を生成する。本実施形態での電源回路18は、温度検知素子1Aの第1の電極5と第2の電極7との間に所定の電圧を印加する。具体的には、電源回路18は、第1の電極5と第2の電極7との間に0.01V以上、1000V以下の範囲で設定される所定の電圧を印加する。
そして、温度検知体8を流れる電流値に基づいて温度検知体8の抵抗値が求められる。
なお、本実施形態での電圧波形は直流からなるものを想定しているが、電圧波形は交流からなるものであってもよい。電圧波形を交流にした場合には、特定の周波数帯とすることによって、インピーダンスと位相角から前記した温度検知体8の極性基などの配向動作や電荷移動による配向分極、イオンなどの電荷によるイオン分極といった誘電分極に関する容量及び誘電率変化についても精度良く検出することができる。
本実施形態での温度検知装置10は、温度検知素子1Aの端部において、温度検知素子1Aの各電極5,7と電気的特性評価部12とが相互接続素子19を介して所定の配線によって接続されているものを想定している。温度検知体8の電流値は、この相互接続素子19を介して出力される。
相互接続素子19としては、例えば、導電性ゴム(ラバーコネクタ)、フレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)、テープキャリアパッケージ(TCP:Tape Carrier Package)、導電性テープなどが挙げられる。
本実施形態での相互接続素子19と各電極5,7との接続、及び相互接続素子19と電気的特性評価部12との接続は、例えば金属ペースト、異方性導電ペースト、異方性導電フィルム(ACF)などの導電性接着剤で接着するものを想定している。
しかし、温度検知素子1Aと温度履歴検出機構11とは、相互に着脱自在に接続される構成とすることもできる。このような構成にすることで、例えば、複数の製品にそれぞれ付されている複数の温度検知素子1Aに対して1つの温度履歴検出機構11にてアクセスする場合に、温度検知素子1Aと温度履歴検出機構11との脱着操作を簡単に行うことができる。
温度検知素子1Aと温度履歴検出機構11とを着脱自在に接続する構成としては、例えばクリップなどの固定具による接続、モジュラージャック及びコネクタによる接続などが挙げられる。
また、温度検知素子1Aと電気的特性評価部12との接続は、図示しないが無線による接続とすることもできる。例えば、無線による接続としては、ID情報を埋め込んだRF(Radio Frequency)タグから、電磁誘導方式や電波方式などを用いた無線通信によって情報をやりとりするRFID(Radio Frequency IDentifier)が挙げられる。なお、使用される周波数帯としては、特に制限はないが、周囲の電子機器から発生する電磁波や仕様環境における水分などの影響を考慮して高い伝送効果が得られる周波数帯を用いることが好ましい。ちなみに、温度検知素子1A側に取り付けられることになるタグアンテナは、光透過性、熱伝導性の良好な薄膜状コイルが好ましい。
このような無線による温度検知素子1Aと電気的特性評価部12との接続によれば、温度検知素子1Aを非接触で管理できるため、温度検知素子1Aが付される製品の移動性に優れるとともに、温度検知素子1Aに対するアクセス、温度検知の作業性などが向上する。
光学特性評価部13は、温度検知体8の色濃度の変化を温度検知体8の光吸収特性(電磁波吸収特性)の変化として出力する。つまり、光学特性評価部13は、温度検知体8が顕色状態及び消色状態のいずれであるかを、温度検知体8の透過光又は反射光の強度に基づいて判定する。これにより光学特性評価部13は、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超える温度になったか否かを判定評価する。
光学特性評価部13は、温度検知体8に光を照射する光源20と、光検出器21と、を備えている。
光源20としては、例えば、可視光、紫外線、赤外線などを照射可能であれば特に制限はない。具体的には無機LED、有機LED(OLED)などの発光ダイオード、ハロゲンランプ、重水素ランプ、レーザなどが挙げられる。光源20から照射される光としては、白色光が好ましい。また、温度検知体8の顕色状態と消色状態とにおける吸収スペクトル変化が大きい波長域のみの光(例えば単色光)を使用することもできる。
光検出器21は、光源20から温度検知体8に向けて照射された光の温度検知体8の透過光又は反射光の強度を検出して出力する。つまり、光検出器21は、光の透過濃度計(ISO5/2規格)又は反射濃度計(ISO5/4規格)の光学系を構成する。
光検出器21としては、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、光電子増倍管(PMT:PhotoMultiplier Tube)、フォトダイオードなどが挙げられる。
信号処理回路14は、CPU(Central Processing Unit)、各種メモリなどを備えて構成されている。信号処理回路14は、温度検知素子1Aから相互接続素子19を介して出力される信号に基づいて温度検知体8の抵抗値を取得し、これをメモリに格納する。また、信号処理回路14は、光検出器21から出力される温度検知体8の透過光又は反射光の強度を取得し、これをメモリに格納する。
また、信号処理回路14は、メモリに予め格納された所定の抵抗閾値と、取得した温度検知体8の抵抗値とを比較することによって、取得した温度検知体8の抵抗値が、前記した第1抵抗値及び第2抵抗値のいずれであるかを判定する。
そして、信号処理回路14は、温度検知体8の抵抗値が第1抵抗値であると判定した場合には、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超えたと判定評価する。信号処理回路14は、この判定評価に基づいて、出力部23を構成する例えば警報ランプを「オン」にする指令を出力部23に出力する。
また、信号処理回路14は、温度検知体8の抵抗値が第2抵抗値であると判定した場合には、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超えなかったと判定評価する。信号処理回路14は、この判定評価に基づいて、出力部23を構成する例えば警報ランプを「オフ」に維持する指令を出力部23に出力する。
また、信号処理回路14は、メモリに予め格納された所定の光の強度と、取得した温度検知体8の透過光又は反射光の強度とを比較することによって、温度検知体8が顕色状態及び消色状態のいずれであるかを判定する。
また、信号処理回路14は、温度検知体8が消色状態であると判定した場合には、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超えたと判定評価する。信号処理回路14は、この判定評価に基づいて、出力部23を構成する例えば警報ランプを「オン」にする指令を出力部23に出力する。
また、信号処理回路14は、温度検知体8が顕色状態であると判定した場合には、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超えなかったと判定評価する。信号処理回路14は、この判定評価に基づいて、出力部23を構成する例えば警報ランプを「オフ」に維持する指令を出力部23に出力する。
そして、出力部23は、信号処理回路14からの指令に応じて、温度検知体8が温度管理領域Aの上限温度(第2飽和温度Ts2)を超えたか否かの評価結果を表示する。ちなみに、本実施形態での出力部23は、前記した判定評価をオンオフで表示する警報ランプを備えるものを想定しているが、文字、図形、記号などを表示可能な液晶モニタなどで構成することもできる。また、この液晶モニタには、図示しない外部入力装置を介して信号処理回路14に入力された、湿度、時間、位置などの温度検知装置10の外部環境情報や、温度検知素子1Aが付される製品の個体情報、管理条件などの所条件を表す文字情報、バーコード、QRコードなどを表示することもできる。
また、出力部23は、図示しないコンピュータなどの外部装置と有線又は無線で連携することによって、遠隔で温度検知装置10から出力される情報を統括管理することもできる。
また、本実施形態での温度検知装置10は、電気的特性評価部12及び光学特性評価部13の両方を備えるものを想定しているが、電気的特性評価部12及び光学特性評価部13のいずれか一方を備える構成とすることもできる。
また、本実施形態での温度検知装置10は、光源20からの光を温度検知体8に照射した際の透過光又は反射光に基づいて温度検知体8の判定評価を行っているが、光源20を用いずに太陽光や室内照明などの環境光により判定評価する構成とすることもできる。
また、本実施形態での温度検知装置10は、光検出器21の出力する光の強度に基づいて温度検知体8の判定評価を行っているが、光検出器21を用いずに目視にて判定評価する構成とすることもできる。この際、温度検知体8の周辺の照度は、視認性を考慮すると10Lx以上が好ましく、30Lx以上がより好ましい。
また、本実施形態での温度検知装置10は、相互接続素子19と温度履歴検出機構11とが別体で構成されているが、相互接続素子19がフレキシブル配線基板である場合には、温度履歴検出機構11に搭載される各電気回路をフレキシブル配線基板に搭載することもできる。
また、本実施形態での温度検知装置10は、図示しないが突発的な故障などに関する故障情報信号を信号処理回路14へ入力する故障自己診断装置を備えていても構わない。
また、本実施形態での温度検知装置10の光検出器21は、温度検知体8に照射した際の透過光又は反射光の強度のみを検出するものを想定しているが、温度検知装置10の外部環境の照度などを検出する構成とすることもできる。光検出器21で検出した温度検知装置10の外部環境の照度などは、温度検知体8からの透過光又は反射光の強度を検出する際のキャリブレーションに使用することができる。
(温度検知素子及び温度検知装置の作用効果)
次に、本実施形態に係る温度検知素子1A及び温度検知装置10の奏する作用効果について説明する。
前記のように、従来の温度検知素子(例えば、特許文献1参照)においては、製品が低温流通(cold chain)に供されて管理温度の上限を超えたか否かが判定される際に、温度検知素子の不可逆的変化に基づいて判定される。したがって、従来の温度検知素子は、その使用前にあっては管理温度の上限を十分に下回る保存される必要がある。
そのため、従来の温度検知素子は、使用前の温度検知素子の保存管理が煩雑になる問題がある。
これに対して本実施形態に係る温度検知素子1Aは、たとえ管理温度の上限を上回る温度で保存されていたとしても、温度検知体8の示す前記のヒステリシスループによって、初期化が可能になっている。したがって、温度検知素子1Aによれば、使用前の保存管理が容易となる。
また、従来の温度検知素子(例えば、特許文献1参照)は、前記所定温度を下回る温度管理下で保存した場合であっても、例えば互いに異なるロットに属する温度検知素子同士のように与えられた温度履歴に相違があると、使用時における温度検知素子の初期状態にバラツキを生じる。そのため、従来の温度検知素子は、温度管理環境の温度変化を精度よく検知できない場合がある。
これに対して本実施形態に係る温度検知素子1Aは、温度検知体8の示す前記のヒステリシスループによって、初期化が可能になっている。したがって、複数の温度検知素子1A同士の初期状態のバラツキを低減することができる。そのため温度検知素子1Aは、従来の温度検知素子(例えば、特許文献1参照)と比べて温度管理環境の温度変化を精度よく検知することができる。
また、温度管理環境の温度変化に対応して可逆的に変化する温度検知素子を想定すると、管理温度の上限を超える温度に製品が曝された場合であっても、その後に再び管理温度の範囲内に戻ると温度履歴がキャンセルされる。つまり、製品が曝された温度環境の変化を検知することができない。
これに対して本実施形態に係る温度検知素子1Aは、温度検知体8の示す前記のヒステリシスループによって、製品の温度履歴がキャンセルされることがなく、正確に製品が曝された温度環境の変化を検知することができる。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aは、電磁波吸収特性(光吸収特性)及び電気的特性(導電性、誘電率(誘電特性)など)の両方が可逆的に変化する温度検知体8を備えているので、製品の温度履歴の検証の信頼性が向上する。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aは、ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤とを含む温度検知体8を備える簡単な構成となっているので、製造工程が簡素化できるとともに製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aは、温度検知体8が第1の基材2と第2の基材3との間に配置されて保護されているので、温度検知体8が他の部材と接触して破損することを防止することができる。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aの温度検知体8は、温度検知体8に含まれる消色剤の融点Ta以上の温度で温度検知体8の消色が開始し、消色剤の凝固点Td以下の温度で顕色が開始する。したがって、温度検知素子1Aによれば、温度検知体8の温度変化が温度検知体8の色調変化(色濃度変化)として明確に現れる。これにより温度検知素子1Aは、温度検知性能に優れる。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aは、第1の前記基材2と第2の前記基材3のいずれか一方の熱伝導率が、他方よりも大きい構成とすることもできる。具体的には、温度検知素子1Aは、温度を検知したい側に面する第1の基材2及び第2の基材3のいずれか一方の熱伝導率[W/(m・K)]を、他方よりも大きくすることができる。
このような温度検知素子1Aによれば、温度を検知したい側から温度検知体8への熱移動が円滑に行われて、温度を検知したい側と温度検知体8との熱的平衡を迅速に行うことができる。
また、本実施形態に係る温度検知素子1Aは、温度検知体8を構成する消色剤の融点Taを調節することによって、製品の温度管理領域A(図3参照)の上限温度を細やかに調整することができる。
また、本実施形態に係る温度検知装置10は、前記の温度検知素子1Aの作用効果と同様の作用効果を奏するほか、次のような作用効果を奏する。
本実施形態に係る温度検知装置10は、温度検知素子1Aの温度検知体8の温度が製品の温度管理領域A(図3参照)の上限温度を超えたか否かを、温度履歴検出機構11が温度検知体8の出力する光の強度及び/又は抵抗値に基づいて定量的に判定する。したがって、温度検知装置10によれば、製品の温度が温度管理領域A(図3参照)の上限温度を超えたか否かを正確に判定することができる。
また、温度検知体8の温度履歴を無線で温度履歴検出機構11が検出する温度検知装置10は、温度検知素子1Aを非接触で管理できるため、温度検知素子1Aが付される製品の移動性に優れるとともに、温度検知素子1Aに対するアクセス、温度検知の作業性などが向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。なお、ここでの他の実施形態(変形例)において、前記実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5は、第1変形例に係る温度検知素子1Bの構成説明図である。
図5に示すように、温度検知素子1Bは、前記実施形態の温度検知素子1A(図1参照)と異なって、第1の基板4に第1の電極5が形成されずに、第2の基板6に第1の電極5と、第2の電極7とが並んで形成されている。つまり、第2の基材3A側に第1の電極5と、第2の電極7とが形成されている。
また、第2の基板6上で第1の電極5と第2の電極7とに電気的に接触するように配置される温度検知体8は、枠体からなる隔壁9の内側に配置されている。
また、温度検知体8は、第1の基板4と第2の基板6との間に配置されることとなる。そして、温度検知体8と第1の基板4との間には、空隙26が形成されている。
この温度検知素子1Bは、第2の基板6側が所定の製品27と熱的に接続され、第1の基板4側が製品27の温度管理空間28に露出するように使用される。
この温度検知素子1Bによれば、空隙26の断熱効果によって温度管理空間28側から第1の基板4を介しての温度検知体8への熱移動が抑制されて、製品27側から第2の基板6を介しての温度検知体8への熱移動が優先的に行われる。したがって、この温度検知素子1Bは、急激な温度管理空間28の温度変化に温度検知体8が影響されずに、安定して製品27の温度検知を行うことができる。
図6は、第2変形例に係る温度検知素子1Cの構成説明図である。
図6に示すように、温度検知素子1Cは、第2の基板6上に隔壁9が桝目状に形成され、隔壁9の内側に形成される各枡目に充填されるように、複数の温度検知体8が配置されている。そして、温度検知体8のそれぞれに対応するように第2の基板6上に第1の電極5と第2の電極7とが形成されている。つまり、温度検知体8ごとに第1の電極5と、第2の電極7とが並ぶように形成されている。
この温度検知素子1Cは、温度検知素子1Bと同様に、空隙26を有する第2の基板6側が所定の製品27と熱的に接続され、第1の基板4側が製品27の温度管理空間28に露出するように使用される。
また、温度検知素子1Cにおいては、複数の温度検知体8のそれぞれが互いに異なる第2飽和温度Ts2(図3参照)を示すように構成されている。そして、各温度検知体8の第2飽和温度Ts2は、製品27の温度管理領域A(図3参照)の上限温度を挟んで上限温度の上下のそれぞれに所定の温度間隔で分布するように設定されている。
このような温度検知素子1Cによれば、製品27の温度が温度管理領域Aの上限温度を超えた際に、消色状態となっている温度検知体8のうち、最も高い第2飽和温度Ts2を有する温度検知体8を特定することによって、製品27が何度まで昇温したかを検出することができる。
また、温度検知素子1B及び1Cにおいては、図示しないが、第1の基板4を省略することもできる。温度検知素子1B及び1Cは、第1の基板4を省略することにより製造工程を簡略化することができるとともに製造コストを低減することができる。
図7(a)は、第3変形例に係る温度検知素子1Dの部分分解斜視図である。図7(a)は、第1の基板4及び第1の電極5を温度検知体8から分離して表している。図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb部分断面図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、温度検知素子1Dは、複数の温度検知体8のそれぞれが第2の基板6上に配設された第1の電極5及び第2の電極7を介して並列に接続されている。この温度検知素子1Dにおける温度検知体8の数は、m個(mは5以上の整数)を想定しているが、図7(a)及び図7(b)では、作図の便宜上、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)のうち4個(8a,8b,8c,8d)のみを表している。
第1の電極5は、図7(a)及び図7(b)の紙面の左右方向に延びて、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)の全てに対して電気的に接続されている。
第2の電極7は、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)に対応してm個の分岐部を有する櫛歯電極である。この櫛歯電極の各分岐部は、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)のそれぞれに電気的に接続されている。
なお、図7(a)及び図7(b)中、符号2は第1の基材であり、符号3は第2の基材であり、符号4は第1の基板であり、符号6は第2の基板であり、符号9は隔壁である。
このような温度検知素子1Dによれば、m個の温度検知体8における電極5,7間の合成抵抗値Rxは、1/(1/R1+1/R2+1/R3+1/R4+・・・・・1/Rm)となる。ただし、R1からRmのそれぞれは、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)における各抵抗値である。
また、各温度検知体8のうち顕色状態にある温度検知体8は、第2抵抗値(図3参照)を示し、消色状態にある温度検知体8は、第1抵抗値(図3参照)を示す。
ちなみに、初期化された温度検知素子1Dにおけるm個全ての温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)は、第2抵抗値(図3参照)を示している。
このような温度検知素子1Dが付された製品27(図5参照)の温度が、温度管理領域A(図3参照)の上限温度を超えた場合を想定すると、m個の温度検知体8(8a,8b,8c,8d・・・・)のうち、温度管理領域Aの上限温度よりも低い第2飽和温度Ts2(図3参照)を有する温度検知体8のみが消色状態になっている。つまり、消色状態になった温度検知体8の抵抗値は、顕色状態の第2抵抗値から消色状態の第1抵抗値に変化している。
したがって、このような温度検知素子1Dによれば、予め、温度変化と合成抵抗値Rxの変化とを対応付けたマップを作成しておくとともに、検出電流に基づいた実測の合成抵抗値Rxに対応する温度をマップから求めることによって、製品27(図5参照)が何℃まで昇温したかを検出することができる。
このような温度検知素子1Dによれば、電極数の削減、温度検知体8の高密度実装を図ることができる。また、温度検知素子1Dにおいては、各隔壁9内での第2の電極7の電極面積を広げることもできる。これにより各隔壁9内での温度検知体8と第2の電極7との接触面積が増大して温度検知体8の電気的特性の測定感度が一段と向上する。また、各隔壁9の内外での第2の電極7同士の電気的接続が容易になるとともに、各隔壁9外での第2の電極7同士の間隔が広がってクロストークをより確実に防止することもできる。
なお、前記のように温度検知素子1A,1B,1C,1Dは、室温よりも低い温度管理領域Aで使用されるもの(製品の冷蔵)を想定しているが、室温よりも高い温度管理領域で使用するもの(製品の温蔵)に適用することもできる。
1A 温度検知素子
1B 温度検知素子
1C 温度検知素子
1D 温度検知素子
2 第1の基材(基材)
3 第2の基材(基材)
4 第1の基板(基板)
5 第1の電極(電極)
6 第2の基板(基板)
7 第2の電極(電極)
8 温度検知体
8a 温度検知体
8b 温度検知体
8c 温度検知体
8d 温度検知体
9 隔壁
10 温度検知装置
11 温度履歴検出機構
12 電気的特性評価部
13 光学特性評価部
14 信号処理回路
15 電源
18 電源回路
19 相互接続素子
20 光源
21 光検出器
23 出力部
24 非顕色性材料
25 組成物
0 顕色剤
A 温度管理領域
B 温度制御領域
C 保冷温度領域
Td 凝固点
Ta 融点

Claims (14)

  1. 基板と、この基板上に配設された電極とを有する基材と、
    前記基板上で前記電極と電気的に接触するように配置される温度検知体と、を備え、
    前記温度検知体の温度変化に対する電磁波吸収特性の変化と電気的特性の変化とが可逆的であることを特徴とする温度検知素子。
  2. 請求項1に記載の温度検知素子において、
    前記温度検知体は、ロイコ染料と、顕色剤と、消色剤と、を含むことを特徴とする温度検知素子。
  3. 請求項2に記載の温度検知素子において、
    前記温度検知体は、前記温度検知体に含まれる前記消色剤の融点以上の温度で温度検知体の消色が開始し、前記消色剤の凝固点以下の温度で顕色が開始することを特徴とする温度検知素子。
  4. 請求項2に記載の温度検知素子において、
    前記温度検知体は、導電剤をさらに含んで構成されていることを特徴とする温度検知素子。
  5. 請求項2に記載の温度検知素子において、
    前記温度検知体は、非顕色性材料をさらに含んで構成され、
    前記非顕色性材料は、所定温度で固体となり、前記ロイコ染料、前記顕色剤及び前記消色剤を含む相は、前記所定温度で前記非顕色性材料からなる相に対して分散した相分離構造を形成していることを特徴とする温度検知素子。
  6. 請求項5に記載の温度検知素子において、
    前記非顕色性材料の融点は、前記温度検知体に含まれる前記ロイコ染料、前記顕色剤及び前記消色剤からなる混合物の融点よりも高いことを特徴とする温度検知素子。
  7. 請求項1に記載の温度検知素子において、
    前記電気的特性は、導電性又は誘電特性であることを特徴とする温度検知素子。
  8. 請求項1に記載の温度検知素子において、
    前記基材と対向するように、前記基材とは異なる他の基材をさらに備え、
    前記温度検知体は、前記基材と前記他の基材との間に配置され、
    前記温度検知体と前記他の基材との間には、空隙が形成されていることを特徴とする温度検知素子。
  9. 請求項1に記載の温度検知素子において、
    前記温度検知体を挟むように配置される第1の前記基材と第2の前記基材とを備え、
    第1の前記基材と第2の前記基材のいずれか一方の熱伝導率が、他方よりも大きいことを特徴とする温度検知素子。
  10. 基板と、この基板上に配設された複数の電極とを有する基材と、
    前記複数の電極にそれぞれ対応して電気的に接触するように配置される複数の温度検知体と、を備え、
    前記温度検知体の温度変化に対する電磁波吸収特性の変化と電気的特性の変化とが可逆的であることを特徴とする温度検知素子。
  11. 請求項10に記載の温度検知素子において、
    前記複数の温度検知体のそれぞれは、前記基板上に配設された前記電極を介して並列に接続されていることを特徴とする温度検知素子。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の温度検知素子と、
    前記温度検知素子の前記温度検知体の温度履歴を検出する温度履歴検出機構と、を備えることを特徴する温度検知装置。
  13. 請求項12に記載の温度検知装置において、
    前記温度履歴検出機構は、検出した前記温度履歴を出力する出力部を有することを特徴とする温度検知装置。
  14. 請求項12に記載の温度検知装置において、
    前記温度履歴検出機構は、前記温度検知体の前記電磁波吸収特性及び前記電気的特性のうちの少なくともいずれか一つを計測することを特徴する温度検知装置。
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