JP6679232B2 - キサンタンガムを添加したアルコール含有酸性乳飲料 - Google Patents

キサンタンガムを添加したアルコール含有酸性乳飲料 Download PDF

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Description

本発明は、酸性領域において、アルコールの存在下であっても乳タンパク質が安定化されて沈殿や凝集が発生せず、かつ、クリーミーな乳感が強く感じられる、アルコール含有酸性乳飲料、及びその製造方法に関する。
清涼飲料水の分野では、ヨーグルトドリンクやフルーツ味の乳飲料などの酸性乳飲料は、乳成分由来のまろやかでコクのある香味と、爽やかな酸味とが、絶妙なバランスを有しており、従来から人気が高い商品のひとつである。一方、アルコール飲料の分野では、嗜好の多様化を受けて、様々な清涼飲料水とアルコールをブレンドした、比較的アルコール度数の低いチューハイやカクテルなどのカテゴリーの商品の人気が高まっており、そのひとつとして上記酸性乳飲料にアルコールを加えたアルコール含有酸性乳飲料の提案もなされている。
このような酸性乳飲料及びアルコール含有酸性乳飲料は、酸性域に乳タンパク質がおかれるため、該乳タンパク質が不安定化することで、沈殿や凝集が生じて飲料の外観を損ねるリスクがある。そこで、その対策に関して、安定化剤使用に関する多数の提案がなされている。
まず、古くから知られている一般の酸性飲料中における乳タンパク質の安定化剤としては、HLB13以上のショ糖脂肪酸エステル(特許文献1)、ペクチンとフィチン酸(特許文献2)、カルボキシメチルセルロースナトリウムとジェランガム(特許文献3)、デンプン(特許文献4)、ペクチンとアラビアガム(特許文献5)、ガディガム(特許文献6)、ポリグルタミン酸(特許文献7)、特定粘度のモノエステル型リン酸澱粉加水分解物(特許文献8)などの安定化成分を含有する安定化剤の開示が例示できる。また酸性乳性濃縮飲料に関しては、HMペクチンと塩化ナトリウムを用いた安定化剤についての開示がある(特許文献9)。
一方、アルコール含有酸性乳飲料については、アルコールが含まれていることから、一般的な酸性乳飲料の乳タンパク質の安定化剤をそのまま利用してもうまく安定化できないことがある。そこで、アルコール含有酸性乳飲料に特化した乳タンパク質の安定化技術に関して次の開示がある。特許文献10には、0.5 〜7.0 重量%の無脂乳固形分、0.2重量%以下の乳脂肪、1〜30容量%のエチルアルコール、及び有機酸を含有し、かつpHが2.5〜3.4 であって、吸光度を1.5以下にすることで、長期に保存しても乳蛋白質の凝集や沈殿がなく、清澄であって、清涼感に優れたアルコール含有酸性乳飲料が開示されている。
また、特許文献11には、発酵乳及び/又は酸性乳、飲料用アルコール及び水溶性ヘミセルロースを含有する、蛋白の安定分散が可能なアルコール乳飲料が開示されている。
更に、特許文献12には、乳タンパク質の沈殿を防止した炭酸ガス含有のアルコール乳飲料として、酸性乳、飲料用アルコール及び水溶性ヘミセルロースを含有し、水溶性ヘミセルロースの含有量が0.015〜0.050重量%である炭酸飲料が開示されている。
他方で、食品等において、食品等の粘度の付与や食感の改良等に用いられている増粘多糖類として、キサンタンガムが知られている。該キサンタンガムは、乳タンパク質の安定剤としての利用も知られており、以下の開示がなされている。例えば、特許文献13においては、酸性媒体中で安定な乳タンパク質を含有する粉末及び液体に関する発明が開示されており、該乳タンパク質を含有する粉末及び液体において、第1の安定化剤処方及び第2の安定化剤処方で使用する、多糖類ガム安定化剤の例として、微結晶セルロース、ジェランガム、アリギネート、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、セロルースガム、ガッチガム、寒天、及びトラガカントガムとともにキサンタンガムがその一例として列挙、開示されている。しかし、該発明の実施例で検討されているのは、いずれの安定化剤処方においてもカルボキシメチルセルロースナトリウムだけであり、キサンタンガムについては具体的に記載されていない。なお、キサンタンガムはそれ自体が有する荷電と乳タンパク質との相互作用から、逆に、乳タンパク質の凝集が生じるリスクがあり、通常の酸性乳飲料の安定化には不適である旨、当業者の間ではよく知られていた。
キサンタンガムは、キサントモナス属細菌による醗酵生産物であり、増粘安定剤として使用されている食品添加物のひとつである。酸性乳飲料以外の、酸性飲料における利用をみると、特許文献14では、コラーゲン、キサンタンガム及び陽イオンを含有することを特徴とする粘性を有する、スムージー様の飲料が開示されている。また特許文献15では、醗酵セルロースとカルボキシメチルセルロースのアルカリ塩を分散安定剤として含有することで香辛料抽出物等の不溶性固形物を安定に分散させた酸性飲料において、効果を更にあげるための分散安定化剤としてキサンタンガムが開示されている。
特許文献14及び特許文献15の例はいずれも、飲料の粘度をあげて不溶物を分散させることが主目的となっており、該引用文献には、飲料自体の粘度が低く、また不溶物が存在しないアルコール含有酸性乳飲料において、乳タンパク質の安定化のために、あえてキサンタンガムを使用しようとするような示唆は全くない。
特開昭58−20180号公報 特開平4−99442号公報 特開2002−300849号公報 特開2004−33208号公報 特開2005−185132号公報 特開2007−166931号公報 特開2007−259806号公報 特開2008−271897号公報 特開2014−79225号公報 特開平8−154652号公報 特開2000−157251号公報 特開2008−11719号公報 特表2011−500015号公報 特開2003−116503号公報 特開2010−57399号公報
アルコール含有酸性乳飲料を製造するには、その特性上、液性を酸性に保つ必要がある。該酸性の乳飲料において、乳飲料中の乳タンパク質の安定化は必須の課題である。従来、酸性乳飲料では、乳安定化技術として、例えばペクチン等の安定剤を使用する方法が用いられてきたが、該従来の乳安定化技術でも、アルコールを含有した酸性乳飲料においては、該酸性乳飲料中での乳タンパク質の安定化は難しく、また、もし乳タンパク質の安定化が達成できたとしても、酸性乳飲料の香味の特徴である、クリーミーな乳感が減少してしまい、商品価値を損なうという課題があった。そこで、本発明の課題は、アルコールを含有した酸性乳飲料において、該酸性乳飲料中の乳タンパク質が安定化され、沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強された、アルコール含有酸性乳飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、様々な検討を重ねた結果、意外にも通常の酸性乳飲料中の乳タンパク質の安定化には不適だとされ、従来は飲料中では増粘剤としての利用が主であったキサンタンガムを、アルコール含有酸性乳飲料中の乳タンパク質の安定剤として、特定量配合することで、乳飲料がアルコールを含有し、酸性であっても沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料が提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させたことを特徴とする、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料からなる。該アルコール含有酸性乳飲料は、乳タンパク質が安定化されることで沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強された、嗜好性に富んだアルコール含有酸性乳飲料である。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムは、飲料中の乳固形分の含量に応じて、0.01〜0.3w/v%の範囲で添加することができるが、好ましくは、該飲料中の乳固形分濃度をXw/v%としたとき、キサンタンガムの濃度Yw/v%を、関係式「0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦≦0.3。」で求め、該関係式を満たす範囲で添加、含有させることができる。
該キサンタンガムの好ましい添加範囲として、アルコール含有酸性飲料の乳固形分含量が、0.1〜1.25w/v%の場合においては、該飲料中の乳固形分濃度に対してキサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させることができる。また、本発明のアルコール含有酸性乳飲料は、酸性であればよいが、好ましくはpHを3.0〜3.9の範囲内で設定することができる。更に、本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、アルコール濃度は、0.1〜7.0v/v%の間で調整することができる。
本発明は、アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、pHを3.0〜3.9に調整し、かつキサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させることを特徴とする、アルコール含有酸性乳飲料のクリーミーな乳感を増強する方法の発明を包含する。更に、本発明は、アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料の製造において、該アルコール含有酸性乳飲料製造原料液に、キサンタンガムを添加、含有させることを特徴とするクリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料の製造方法の発明を包含する。
すなわち、本発明は、[1]アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させたことを特徴とする、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料や、[2]キサンタンガムを、飲料中の乳固形分濃度をXw/v%、キサンタンガムの濃度Yw/v%としたとき、関係式「0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦≦0.3。」を満たす範囲でキサンタンガムを添加、含有させることを特徴とする、前記[1]に記載のアルコール含有酸性飲料や、[3]飲料の乳固形分含量が、0.1〜1.25w/v%であり、該飲料中の乳固形分濃度に対してキサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させたことを特徴とする前記[2]に記載のアルコール含有酸性乳飲料や、[4]アルコール含有酸性乳飲料のpHが、3.0〜3.9であることを特徴とする、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアルコール含有酸性飲料、からなる。
更に、本発明は、[5]アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、pHを3.0〜3.9に調整し、かつキサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させることを特徴とする、アルコール含有酸性乳飲料のクリーミーな乳感を増強する方法や、[6]アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料の製造において、該アルコール含有酸性乳飲料製造原料液に、キサンタンガムを添加、含有させることを特徴とするクリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料の製造方法、をも包含する。
本発明は、アルコールを含有した酸性乳飲料において、該酸性乳飲料中の乳タンパク質が安定化されて、沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強された、嗜好性に富んだアルコール含有酸性飲料を提供する。
本発明は、アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムを0.01〜0.3w/v%添加、含有させることにより、乳タンパク質が安定化されることで沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料、及びその製造方法を提供することからなる。
本発明でいう「沈殿が生じない」とは、製品の賞味期間中、常温以下の温度で保管しても、飲料液中に目視で確認できるような明らかな沈殿や凝集が生じていないことをいう。また、「クリーミーな乳感」とは、飲用時に乳製品を想起させるような感覚のことをいい、乳成分由来のまろやかなコクのある香味を構成する複数の香味のうちのひとつを指す。
本発明で使用するキサンタンガムは、微生物が醗酵生産する高分子多糖類のひとつであり、グルコース2分子、マンノース2分子、及びグルクロン酸の繰り返し単位から構成されている。食品添加物として認可されており、増粘安定剤として使用できる。本発明においても食品添加物グレードのキサンタンガムを使用することが好ましい。
本発明においては、キサンタンガムは飲料中の乳固形分濃度に応じて、アルコール含有酸性乳飲料に対して、0.01〜0.3w/v%添加、含有させる。これより少ないと、乳タンパク質の安定性が悪化し、沈殿や凝集が生じるリスクが高まる。またこれ以上多いと、粘性が高まり、本来アルコール含有乳飲料が有するべき液性が失われてしまうので好ましくない。さらに、本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムは、該飲料中の乳固形分濃度をXw/v%とした時、キサンタンガムの濃度Yw/v%が関係式「0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦≦0.3。」を満たす範囲で添加、含有させることができる。該アルコール含有酸性乳飲料中の乳固形分濃度は、ケルダール法で求めた乳タンパク質濃度とレーゼゴットリーブ法で求めた乳脂肪分濃度を合わせた値を乳固形分濃度とすることができる。また、食品添加物中のキサンタンガムの濃度は、キサンタンガム100w/w%以外のものも存在するが、当該使用原料中のキサンタンガム濃度から添加量を算出できる。
キサンタンガムを添加、含有させる本発明のアルコール含有酸性乳飲料は、アルコールを含有し、酸性であって、乳成分を含む限り、特に制限されることはない。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料の乳成分の含量は、乳固形分換算で0.1〜1.25w/v%が好ましく、0.2〜0.8w/v%がより好ましい。この範囲より少ないと飲料を飲んだとき、乳感が十分感じられず、この範囲よりも多すぎると沈殿等の発生のリスクが高まる。ここで乳固形分とは、乳由来の脂肪分と無脂乳固形分を足したもののことをいう。乳原料として使用できる乳としては、牛乳、羊乳、又は馬乳などがいずれも使用でき、更に、それらの全乳、脱脂乳、又はホエー等、いずれの乳素材でも使用できる。更に、それらの乳由来の素材を、常法に従い、乳酸菌発酵して得る発酵乳も乳成分として使用できる。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、該飲料のpHは、好ましくは3.0〜3.9に調整される。この範囲外になると、本発明の作用効果であるクリーミーな乳感の増強が十分に達成できないので好ましくない。このpHに調整するために使用する酸味料としては、通常、飲食品のpHの調製に用いられている酸味料を用いることができ、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、リン酸、酢酸、アスコルビン酸、コハク酸、メチレンコハク酸、フマル酸、アジピン酸及びグルタル酸、並びにそれらの塩からなる群から選択される1種もしくは2種以上の酸味料を使用することができる。この中でも、クエン酸又はリンゴ酸を使用することがより好ましい。なお、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸の供給源として、レモン、オレンジ、アップル又はグレープフルーツ等の酸性果汁を用いることも可能である。前述の乳酸菌発酵した発酵乳を添加してもよい。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、該飲料のアルコール含量は、0.1〜7.0v/v%が好ましく、2.0〜5.0v/v%が特に好ましい。使用するアルコールとしては、95v/v%食品原料用アルコールをはじめ、焼酎、ウォッカ、ブランデーなどの蒸留酒や、ワイン、日本酒、ビールなどの醸造酒が使用できる。製品の香味設計の容易さの点からは、食品原料用アルコールや蒸留酒が好ましく、特に食品原料用アルコール、焼酎、及びウォッカがより好ましい。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料において、従来の酸性乳飲料などに使用する種々の原料を使用することができる。具体的には、果汁や野菜汁などの食品原料や、ショ糖、麦芽糖、果糖ブドウ糖液糖、若しくはマルトオリゴ糖などの甘味料、アセスルファムK、ステビア、若しくはスクラロースなどの高甘味度甘味料、各種香料、着色料又は消泡剤などのそのほかの食品添加物などがいずれも使用できる。更に、飲料に、炭酸ガスを添加することで炭酸飲料にすることも可能である。
本発明のアルコール含有酸性乳飲料においては、製造したアルコール含有酸性乳飲料の原料液を、必要に応じて加熱殺菌した後、容器詰めすることで、容器詰めのアルコール含有酸性乳飲料として製品化することができる。該容器詰めのアルコール含有酸性乳飲料の容器としては、缶容器、ビン容器、ペットボトル又は紙容器など、いずれも使用可能である。加熱殺菌工程及び容器詰め後の保存状態を経ても、乳タンパク質が安定化やクリーミーな乳感の増強といった本発明の効果は維持されるため、該加熱殺菌処理や容器詰め後の流通・保存に対しても安定した香味を有する容器詰めの飲料を提供することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[試験例1]
乳固形分とアルコールを一定にして、キサンタンガムの添加濃度を変えたときの効果を確認した。
<試験飲料の製造>
飲料の調製には、表1に示す処方を用いた。キサンタンガム(100%含有、三栄源エフ・エフ・アイ製)、脱脂乳(製品名 脱脂粉乳、明治乳業社製)、液糖(製品名 フジフラクトH-100、日本食品化工社製)、酸味料(クエン酸、扶桑化学社製)、原料アルコール(第一アルコール社製)を表1に示す割合で使用した。なお、表1のアルコールについては、飲料中のエタノール濃度を示した。なお、試験飲料のpHは全て3.5であった。
<官能評価>
乳感の評価は、訓練した3名の専門パネルの試飲により実施した。乳感の評価は、「とても好ましい」=◎、「好ましい」=○、「やや好ましい」=△、「好ましくない」=×とした。
<外観安定性評価>
安定性評価は専門パネルにより、乳成分の浮きあるいは沈殿について目視及び試飲にて評価した。「浮き、沈殿がなく、滑らか」=◎、「浮き、沈殿は無いが、やや滑らかさに欠ける」=○、「ごくわずかに浮き、沈殿がある」=△、「浮き、沈殿があり、滑らかでない」=×とした。
<評価結果>
アルコール試験飲料の、乳固形分とアルコールを一定にして、キサンタンガムの添加濃度を変えたときの、飲料の評価結果を表1に示した。キサンタンガムを配合しない比較例1では浮き、沈殿が発生し、滑らかさに欠けたが、キサンタンガムを0.01w/v%以上添加した実施例1〜4ではクリーミーな乳感に優れ、かつ外観についても浮き、沈殿が無く、滑らかな飲料であることが明らかになった。一方で乳固形分が0.32w/v%の飲料において、キサンタンガムを0.4w/v%を配合した比較例2では飲料の粘度が増すため飲用に適さないことが明らかになった。
[試験例2]
アルコール、液糖、及びクエン酸の濃度は試験例1(表1)と同様に固定して、乳固形分を、0.41、0.49、0.58、0.64、0.67、0.96、1.20、1.28w/w%に、及びキサンタンガムを0.1、0.2、0.3w/v%にそれぞれ変更した試験飲料計8×3=24種を調製した。これらの飲料のpHは全て3.6であった。
これらの試験飲料について、試験例1と同様に官能評価及び安定性評価をおこない、その結果を表2にまとめた。表の各欄には(官能評価結果)/(外観安定性評価結果)のように記載した。どちらか一方でも×と評価された試験区(表2の網掛け部分)は効果がないと判断し、それ以外は有効であると判断した。
試験例1及び試験例2の結果をもとに、飲料中の乳固形分濃度Xw/v%に対する、必要なキサンタンガムの濃度Yw/v%の範囲について、関係式を求めたところ、次のようになった。「0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦≦0.3。」
この関係式を満たす量のキサンタンガムを使用すれば、アルコールを含有し酸性であっても、乳タンパク質が安定化されることで沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料が製造可能となる。
本発明は、アルコールを含有した酸性乳飲料において、該酸性乳飲料中の乳タンパク質が安定化されて、沈殿や凝集が生じず、かつ、クリーミーな乳感が増強された、嗜好性に富んだアルコール含有酸性飲料を提供する。

Claims (4)

  1. アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、キサンタンガムを、飲料中の乳固形分濃度をXw/v%、キサンタンガムの濃度Yw/v%としたとき、関係式「0<X≦1.25であって、0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦Y≦0.3。」を満たす範囲で添加、含有させたことを特徴とする、クリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料。
  2. アルコール含有酸性乳飲料のpHが、3.0〜3.9であることを特徴とする、請求項1に記載のアルコール含有酸性飲料。
  3. アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料において、pHを3.0〜3.9に調整し、かつキサンタンガムを、飲料中の乳固形分濃度をXw/v%、キサンタンガムの濃度Yw/v%としたとき、関係式「0<X≦1.25であって、0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦Y≦0.3。」を満たす範囲で添加、含有させることを特徴とする、アルコール含有酸性乳飲料のクリーミーな乳感を増強する方法。
  4. アルコールを含有し、かつ酸性領域に調整されたアルコール含有酸性乳飲料の製造において、該アルコール含有酸性乳飲料製造原料液に、キサンタンガムを、飲料中の乳固形分濃度をXw/v%、キサンタンガムの濃度Yw/v%としたとき、関係式「0<X≦1.25であって、0<X<0.41の場合、0.01≦Y≦0.3。0.41≦X≦1.25の場合、0.344X−0.131≦Y≦0.3。」を満たす範囲で添加、含有させることを特徴とするクリーミーな乳感が増強されたアルコール含有酸性乳飲料の製造方法。
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