JP6678708B2 - ボルト軸力測定方法及びこの方法に使用するボルト - Google Patents

ボルト軸力測定方法及びこの方法に使用するボルト Download PDF

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Description

本発明は、ボルト軸力測定方法及びこの方法に使用するボルトに関する。
従来、ボルトの頭部からボルトの軸部の底面に向けて発振した超音波のBエコー(底面エコー)を利用してボルトの伸びを測定することでボルトの軸力を測定するボルト軸力測定方法が知られている。このようなボルト軸力測定方法では、超音波を発振する超音波センサとボルトの頭部との間に超音波の伝搬媒体が満たされる。しかしながら、超音波センサとボルトの頭部との間に介在する伝搬媒体の厚さが変動すると、ボルトの伸びを精度よく測定することができない。
そこで、超音波センサ側からボルトの頭部側に向けて突出する突起によって超音波センサとボルトの頭部との距離を一定に維持するボルト軸力測定方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなボルト軸力測定方法によれば、超音波センサとボルトの頭部との距離が一定に維持されることによってボルトの伸びを精度よく測定することができる。
実開昭61−34444号公報
ところが、従来のボルト軸力測定方法(例えば、特許文献1参照)では、超音波センサをボルトの頭部に向けて付勢可能にするためにセンサホルダとケーシングとの間にクリアランスが設けられている。そのため超音波センサがボルト側に付勢された際に、センサホルダがケーシング内で傾くことがある。これにより従来のボルト軸力測定方法では、ボルトの軸部の底面に向けての超音波の発振、及びBエコーの受振が正確に行われずに、ボルトの軸力を精度よく測定できない恐れがある。
そこで、本発明の課題は、従来と比べてより確実に精度よくボルトの軸力を測定することができるボルト軸力測定方法及びこの方法に使用するボルトを提供することにある。
前記課題を解決する本発明は、ボルトの頭部に形成された段付き凹部に対応するように段付き凸部を有するプローブの前記段付き凸部を前記頭部の前記段付き凹部に対して挿入するプローブ挿入工程と、前記段付き凹部と前記段付き凸部との段部同士を当接させることで、前記段付き凹部の底面で規定される前記ボルトの表面と、前記段付き凸部の頂面で規定される前記プローブの表面との間に、ギャップを形成するギャップ形成工程と、前記プローブから前記ボルトの軸部の底面に向けて発振した超音波パルスの底面エコーに基づいて、締結時の前記ボルトの伸びを演算する伸び演算工程と、前記ボルトの伸びに基づいて前記ボルトの軸力を演算する軸力演算工程と、を有し、前記ギャップには伝搬物質が介在しているボルト軸力測定方法である
また、前記課題を解決する本発明は、前記ボルト軸力測定方法に使用するボルトであって、前記段付き凸部に当接する前記段付き凹部を有することで、前記段付き凹部の底面で規定される前記ボルトの表面と、前記段付き凸部の頂面で規定される前記プローブの表面との間にギャップを形成する頭部を備えている
本発明によれば、従来と比べてより確実に精度よくボルトの軸力を測定することができるボルト軸力測定方法及びこの方法に使用するボルトを提供することができる。
本発明の実施形態に係る締付装置を有するボルト軸力測定装置のブロック図である。 図1のボルト軸力測定装置を構成する締付装置の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るボルト軸力測定方法で行われるボルトセット工程の説明図である。 本発明の実施形態に係るボルト軸力測定方法で行われるボルト軸力測定工程のフロー図である。 本発明の実施形態に係るボルト軸力測定方法で行われるボルト軸力測定工程のフロー図である。 本発明の実施形態に係るボルト軸力測定方法における頭部エコー及び底面エコーを示す波形模式図である。 本発明の実施形態に係るボルト軸力測定方法で行われる頭部エコーのゲートオートトラッキングの説明図である。 演算された軸力を時系列にプロットした例を示すグラフである。 頭部エコー及び底面エコーの振幅の補正係数(増幅度)の説明図である。 (a)及び(b)は、ボルト軸力測定装置を構成するボルトの締付装置の動作説明図である。
本発明を実施する形態(本実施形態)について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、本実施形態の締付装置を有するボルト軸力測定装置(及びボルト軸力測定プログラム)と、ボルト軸力測定方法と、ボルトとについて詳細に説明する。
≪ボルト軸力測定装置≫
本実施形態でのボルト軸力測定装置は、ボルトを締め付けながらボルトの軸力を測定するように構成されている。また、ボルト軸力測定装置は、ボルトの軸力が所定値になったときに締付動作を停止する。
図1は、本実施形態に係るボルト軸力測定装置10のブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るボルト軸力測定装置10は、ボルトの締付装置20と、制御部30と、入力部33と、表示部34と、を主に備えて構成されている。
<締付装置>
まず、締付装置20について説明する。
図2は、締付装置20の構成説明図である。図2中、この締付装置20によって締め付けられるボルト1は、仮想線(二点鎖線)で示している。
図2に示すように、締付装置20は、ナットランナ21と、プローブユニット23と、付勢手段としての弾発コイルばね28と、ソケット22と、を備えている。また、締付装置20は、ナットランナ制御部21b(図1参照)を備えている。
ナットランナ21は、後記するナットランナ制御部21b(図1参照)によって、所定のトルク、回転速度(回転角速度)にて回転する回転シャフト21aを備えている。この回転シャフト21aは、管状に形成されている。
また、ナットランナ21は、ナットランナ制御部21b(図1参照)が出力する指令によって、回転シャフト21aが回転駆動する。また、ナットランナ21は、後記するナットランナ停止指令部31a(図1参照)が出力する指令によって停止するように構成されている。
プローブユニット23は、プローブ24(超音波センサ)と、プローブ支持部材25と、回転シャフト21aに対する取付部材27と、抜止部材26と、を備えている。
プローブ24は、超音波パルスを発振し、発振した超音波パルスのエコーを受振する圧電素子など(図示省略)を備えている。プローブ24の受振したエコーの電気信号は、後記する制御部30(図1参照)に出力される。
プローブ24は、略円柱形状に形成されている。そして、プローブ24の下端面中央には、下方に突出する略円柱形状の突出部24aが形成されている。これによりプローブ24の下端部は、段部24bを有する段付き凸部29を形成している。
このようなプローブ24は、後記するように、ボルト1の頭部3に形成された凹部5に対して印籠嵌合する。
プローブ支持部材25は、ベース部25aと、このベース部25aの上面中央部から上方に延びる軸部25bとを有している。
ベース部25aの下部には、係止部25a1が形成されている。この係止部25a1には、プローブ24の上部が着脱自在に取り付けられる。
軸部25bは、回転シャフト21aの中空部に対して進退可能になっている。
取付部材27としては、略円筒状のものを想定している。
そして、取付部材27は、回転シャフト21aの下部外周に取り付けられている。回転シャフト21aに対する取付部材27の取付方法としては、嵌合などの公知の方法が挙げられるが、特に制限はない。取付部材27と回転シャフト21aとは一体に形成されていてもよい。
取付部材27の下端には、半径方向内側に延出するフランジ27aを有している。このフランジ27aの上面には、軸部25bの先端部に嵌められたワッシャで構成される抜止部材26が当接する。
弾発コイルばね28は、プローブ支持部材25の周囲を巻回するように配置されている。そして、弾発コイルばね28の上端は、取付部材27の下面に着座し、弾発コイルばね28の下端は、ベース部25aの外周段部に着座している。
このようなプローブ支持部材25においては、ベース部25aが弾発コイルばね28の付勢力に抗して上方に変位した際に、軸部25bが回転シャフト21aの中空部で揺動可能になっている。
また、抜止部材26は、フランジ27aの上面に当接することで、軸部25bが回転シャフト21aの中空部から脱離するのを防止している。
ソケット22は、略円筒形状を呈している。ソケット22の上部内周側には、回転シャフト21aの下部が着脱自在に嵌め込まれている。これによりソケット22は、回転シャフト21aに対する周方向への変位が規制されている。ちなみに、本実施形態では、回転シャフト21aとソケット22とがスプライン嵌合しているものを想定しているが、回転シャフト21aとソケット22との接合は、これに限定されるものではない。
以上のような締付装置20は、ソケット22にボルト1の頭部3を噛み合わせると、ボルト1の凹部5に印籠嵌合したプローブ24には、頭部3側に向かう付勢力が弾発コイルばね28によって付与される。
また、このような締付装置20においては、回転シャフト21aに対してソケット22とプローブユニット23とが互いに別個独立に接合されている。
また、プローブ24は、回転シャフト21aとの間に弾発コイルばね28が介在することで、回転シャフト21aに対してセミフローティング支持されている。
次に、制御部30について説明する。
図1に示すように、制御部30は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサからなる演算処理部31と、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)などで構成される記憶部32と、を主に備えている。
本実施形態での演算処理部31は、ナットランナ停止指令部31aと、軸力演算部31bと、伸び演算部31cと、エコー検出部31dと、ボルト情報処理部31eと、超音波送受信制御部31fと、を備えている。
ナットランナ停止指令部31aは、後記するように、ボルト1の軸力(F)が目標軸力値に達した場合にナットランナ21に対して軸力印加停止の指令を出力する。
軸力演算部31bは、後記する式1に基づいて軸力を演算する。伸び演算部31cは、ボルト1(図2参照)の締付けによるボルト1の伸びを演算する。エコー検出部31dは、超音波エコーのゼロクロス点などを演算する。ボルト情報処理部31eは、測定対象となるボルト1の情報を記憶部32に出力する。超音波送受信制御部31fは、プローブ24に超音波パルスを発振させ、受振した超音波エコーの増幅を行う。
これらの演算処理部31の構成要素については、後記するボルト軸力測定方法の説明と併せてさらに詳細に説明する。
入力部33としては、ボルト情報処理部31eに対してボルト情報を入力するキーボードなどを想定しているが、表示部34とを兼ねるタッチパネルであっても構わない。また、入力部33には、演算処理部31に対する要求タスクを入力することもできる。
本実施形態での表示部34は、演算処理部31から出力される情報を視覚的、音声的に表示するモニタ、スピーカなどを想定している。
≪ボルト軸力測定方法≫
次に、本実施形態のボルト軸力測定方法について説明する。
このボルト軸力測定方法は、ボルト軸力測定装置10に対するボルト情報の入力工程(ボルト情報入力工程)と、ボルト軸力測定装置10に対するボルト1(図2参照)のセット工程(ボルトセット工程)と、ボルト軸力測定工程と、を有している。
<ボルト情報入力工程>
このボルト情報入力工程では、入力部33を介して測定対象となるボルト1(図2参照)の情報が制御部30(図1参照)に入力される。
本実施形態でのボルト情報は、軸力Fを演算する下記式1におけるボルト1のヤング率(E)、有効径(A)、被締結長さ(L)である。
F=(EA/L)δ・・・・・式1
なお、式1中、ボルト1の伸び(δ)については、伸び演算部31cが後記のように演算する。
これらのボルト情報は、制御部30のボルト情報処理部31eを介して記憶部32に格納される。
<ボルトセット工程>
次に、ボルトセット工程について説明する。
図3は、ボルト軸力測定方法のボルトセット工程の説明図である。
図3に示すように、このボルトセット工程においては、ボルト1の凹部5にプローブ24を嵌合させるプローブ嵌合工程と、ボルト1とプローブ24との間にギャップ41を形成するギャップ形成工程とが並列に実行される。
プローブ嵌合工程では、ボルト1の凹部5(段付き凹部)に対してプローブ24が印籠嵌合する。
具体的には、プローブ嵌合工程では、プローブ24の先端胴部24cの外周面が、凹部5の大径部14aの内周面に当接する。
そして、プローブ24の突出部24aが、凹部5の小径部14bに収まる。
ギャップ形成工程では、凹部5の底面6で規定されるボルト1の表面と、突出部24aの頂面24dで規定されるプローブ24の表面との間に、ギャップ41が形成される。
具体的には、ボルト1側の段部14cと、プローブ24側の段部24bとが互いに当接し合うことで、ギャップ41が形成される。このギャップ41は、凹部5の底面6と突出部24aの頂面24dとが平行に向き合うことで形成される。
このようなギャップ41には、伝搬物質42が満たされる。
この伝搬物質42としては、特に制限はなく、例えば、機械油、水、含水ポリマー、流動パラフィン、ひまし油、ゲル状物質、エラストマなどの公知のものが挙げられるが、中でもゲル状物質、エラストマが望ましい。
なお、図3中、符号22は、ボルト1の頭部3に嵌合するソケットである。
<ボルト軸力測定工程>
次に、ボルト軸力測定工程について説明する。
図4及び図5は、ボルト軸力測定工程のフロー図である。
このボルト軸力測定工程においては、プローブ24(図3参照)がボルト1(図3参照)に対して超音波パルスを発振した際の頭部エコーのゲート(Sエコーゲート)と、底面エコーのゲート(Bエコーゲート)とが設定される。
これらの設定は、エコー検出部31d(図1参照)が記憶部32を参照して取得したギャップ41(図3参照)と、ボルト1の長さに基づいて予め設定される。これらの頭部エコーのゲート(Sエコーゲート)と底面エコーのゲート(Bエコーゲート)とを特定する伝搬時間範囲は、エコー検出部31dによって記憶部32に格納される。
ちなみに、このSエコーゲート及びBエコーゲートは、後記するオートトラッキングを行うSエコーゲート及びBエコーゲートよりは広い伝搬時間範囲に設定されている。ここでのSエコーゲート及びBエコーゲートとは、超音波パルスの2周期幅程度に設定することができるがこれに限定されるものではない。
次に、このボルト軸力測定工程では、プローブ24(図3参照)がボルト1(図3参照)に対して超音波パルスを発振する。この超音波パルスの発振は、制御部30(図1参照)の超音波送受信制御部31f(図1参照)の指令により行われる。この超音波パルスの発振時間は、超音波送受信制御部31fによって記憶部32(図1参照)に格納される。ちなみに、本実施形態での超音波パルスの発振(詳細には、軸力印加中の発振)は、送信繰り返し周波数ごとに発振されるものを想定しているがこれに限定されるものではない。
超音波パルスは、凹部5(図3参照)の底面6(図3参照)で規定されるボルト1(図3参照)の表面で反射するとともに、軸部2の先端面で反射する。
プローブ24は、ボルト1(図3参照)の表面で反射した第0回目頭部エコー(S0エコー)を受振するとともに、ボルト1の底面で反射した第0回目底面エコー(B0エコー)を受振する。ここで、第0回目とは、軸力印加前における測定であることを示す。
そして、超音波送受信制御部31f(図1参照)は、プローブ24が受振したS0エコー及びB0エコーを、例えばそれぞれ別個独立に増幅する。
また、エコー検出部31dは、増幅されたS0エコー及びB0エコーを超音波送受信制御部31fから取得するとともに、記憶部32を参照してSエコーゲートとBエコーゲートのそれぞれの伝搬時間範囲を取得する。
続いて、エコー検出部31dは、S0エコー及びB0エコーに基づいて、SエコーゲートGS0及びBエコーゲートBS0を設定する(ステップS101参照)
詳細には、エコー検出部31dは、前記した伝搬時間範囲内のS0エコーに基づいて、当該S0エコーの振幅が予め正又は負に設定されたレベルLSを超えた1波目のピーク位置PSの超音波パルス1/2波長手前の位置に、SエコーゲートGS0の起点GS0Sを設定する(図6参照)。また、エコー検出部31dは、起点GS0Sから超音波パルス1波長後ろの位置に、SエコーゲートGS0の終点GS0Eを設定する(図6参照)。
本実施形態において、レベルLSは正に設定されており、振幅がレベルLSを超えるとは、伝搬時間を横軸としたグラフ上において、振幅がレベルLSよりも小さい値(絶対値としても小さい値)からレベルLSよりも大きい値(絶対値として大きい値)に変化することをいう。この場合のピーク位置PSは、正のピークである。なお、レベルLSが負に設定されている場合には、振幅がレベルLSを超えるとは、伝搬時間を横軸としたグラフ上において、振幅がレベルLSよりも大きい値(絶対値としては小さい値)からレベルLSよりも小さい値(絶対値としては大きい値)に変化することをいう。この場合のピーク位置PSは、負のピークである。
同様に、エコー検出部31dは、前記した伝搬時間範囲内のB0エコーに基づいて、当該B0エコーの振幅が予め正又は負に設定されたレベルLBを超えた1波長目のピーク位置PBの1/2波長手前の位置に、BエコーゲートGB0の起点GB0Sを設定する(図6参照)。また、エコー検出部31dは、起点GB0Sから超音波パルスの1波長後ろの位置に、BエコーゲートGB0の終点GB0Eを設定する(図6参照)。
本実施形態において、レベルLBは正に設定されており、振幅がレベルLBを超えるとは、伝搬時間を横軸としたグラフ上において、振幅がレベルLBよりも小さい値からレベルLBよりも大きい値に変化することをいう。この場合のピーク位置PBは、正のピークである。なお、レベルLBが負に設定されている場合には、振幅がレベルLBを超えるとは、伝搬時間を横軸としたグラフ上において、振幅がレベルLBよりも大きい値(絶対値としては小さい値)からレベルLBよりも小さい値(絶対値としては大きい値)に変化することをいう。この場合のピーク位置PBは、負のピークである。
続いて、エコー検出部31dは、SエコーゲートGS0内におけるS0エコーの伝搬時間、及び、BエコーゲートGB0内におけるB0エコーの伝搬時間を取得する(ステップS102参照)。
詳細には、エコー検出部31dは、SエコーゲートGS0内における正又は負のピーク直前のゼロクロス点を検知し、当該ゼロクロス点の伝搬時間tS0をS0エコーの伝搬時間として取得する(図6参照)。本実施形態において、ゼロクロス点は、超音波パルスのエコーの振幅がゼロとなる点である。
同様に、エコー検出部31dは、BエコーゲートGS0内における正又は負のピーク直前のゼロクロス点を検知し、当該ゼロクロス点の伝搬時間tB0をB0エコーの伝搬時間として取得する(図6参照)。
エコー検出部31dは、S0エコーの伝搬時間及びB0エコーの伝搬時間を取得し終えるまで、ステップS102を繰り返す(ステップS103でNo)。
続いて、S0エコーの伝搬時間及びB0エコーの伝搬時間を取得し終えると(ステップS103でYes)、エコー検出部31dは、SエコーゲートGS0のトラッキング基準位置として、起点GS0Sを取得して保持する(ステップS104参照)(図6参照)。
同様に、エコー検出部31dは、BエコーゲートBS0のトラッキング基準位置として、起点GB0Sを取得して保持する(ステップS104参照)(図6参照)。
次に、このボルト軸力測定工程では、ナットランナ制御部31a(図1参照)がナットランナ21(図1参照)に対して駆動指令を出力する。
つまり、ボルト1の締付装置20(図1参照)によってボルト1(図4参照)に軸力が印加される(ステップS107参照)。
次(n回目;nは自然数)の送信PRF(Pulse Repetition Frequency)における超音波パルスのエコーが受振されると(ステップS108でYes)、エコー検出部31dは、SエコーゲートGSnー1内におけるSnエコーの伝搬時間、及び、BエコーゲートGBn-1内におけるBnエコーの伝搬時間を取得する(ステップS109参照)。
詳細には、エコー検出部31dは、SエコーゲートGSn-1内における正又は負のピーク直前のゼロクロス点を検知し、当該ゼロクロス点の伝搬時間tSnをSnエコーの伝搬時間として取得する(図7参照)。
図示は省略するが、同様に、エコー検出部31dは、BエコーゲートGBn-1内における正又は負のピーク直前のゼロクロス点を検知し、当該ゼロクロス点の伝搬時間tBnをBnエコーの伝搬時間として取得する。
エコー検出部31dは、Snエコーの伝搬時間及びBnエコーの伝搬時間を取得し終えるまで、ステップS109を繰り返す(ステップS110でNo)。
続いて、Snエコーの伝搬時間及びBnエコーの伝搬時間を取得し終えると(ステップS110でYes)、軸力演算部31bは、伝搬時間tSn,tBn及び初期伝搬時間Tに基づいて、ボルト1の軸力Fを演算する(ステップS111参照)。
なお、SnエコーとBnエコーとは、セミフローティング支持されるプローブ24(図2参照)によって波形の乱れが抑制される。
ちなみに、ボルト1の長さは、Snエコーのゼロクロス点の伝搬時間と、Bnエコーのゼロクロス点の伝搬時間の差(tBn−tSn)に基づいて得ることができる。
このボルト1の伸び(δ)は、エコー検出部31d(図1参照)が演算した伝搬時間の差に基づいて、伸び演算部31c(図1参照)が演算する。
また、軸力演算部31b(図1参照)は、伸び演算部31c(図1参照)が演算したボルト1の伸び変化量(δ)を取得するとともに、記憶部32(図1参照)を参照して前記式1のパラメータを取得する。そして、軸力演算部31b(図1参照)は、式1によりボルト1の軸力を演算するとともに、表示部34(図1参照)に出力する(ステップS108参照)。
続いて、エコー検出部31dは、SエコーゲートGSn及びBエコーゲートGSnのそれぞれに関して、トラッキング処理を実行する(ステップS112参照)。
詳細には、エコー検出部31dは、前回(n−1回目)のSエコーゲートGSn-1の起点GSn-1Sを時間(tSn−tSn-1)だけ移動させることによって、今回(n回目)のSエコーゲートSnの起点SnSを設定する(図7参照)。
また、エコー検出部31dは、起点SnSから超音波パルス1波長後ろにSエコーゲートSnの終点SnEを設定する(図7参照)。
軸力印加中において、ボルト1の頭部3は、印加された軸力によって歪みを生じることがある。このSエコーゲートGSnのトラッキング処理は、頭部3の歪みに対応してSnエコーを好適に検出するための処理である。
図示は省略するが、同様に、エコー検出部31dは、前回(n−1回目)のBエコーゲートGBn-1の起点GBn-1Sを時間(tBn−tBn-1)だけ移動させることによって、今回(n回目)のBエコーゲートBnの起点BnSを設定する。
また、エコー検出部31dは、起点BnSから超音波パルス1波長後ろにBエコーゲートBnの終点BnEを設定する。
軸力印加中において、ボルト1の軸部2は、印加された軸力によって伸びを生じる。このBエコーゲートGBnは、軸部2の伸びに対応してBnエコーを好適に検出するための処理である。
続いて、軸力演算部31bは、演算された軸力(F)に基づいて、軸力正常範囲を設定する(ステップS113参照)。
図8に示すように、詳細には、軸力演算部31bは、演算された軸力(F)を時系列にプロットしたものに基づいて、軸力(F)の経時変化を近似的に表す直線Lを求める。
また、軸力演算部31bは、直線Lに対して、予め設定された値(例えば、上下10%)を用いることによって、軸力正常範囲Rnを設定する。
続いて、軸力(F)が軸力正常範囲Rn外に予め設定された伸び変化量(δ)以上連続した場合(ステップS114でYes)には、軸力演算部31bは、測定に異常が発生していると判定する。
この場合には、ナットランナ停止指令部31a(図1参照)は、ナットランナ21(図1参照)に対して軸力印加の停止の指令を出力する。つまり、ボルト1に対する軸力の印加が停止する。また、図示しないが、ナットランナ21が停止し、オートトラッキングも停止することで、この一連のボルト軸力測定工程が終了する(異常終了)。
一方、軸力(F)が軸力正常範囲Rn内で連続するのが予め設定された伸び変化量(δ)内に収まる場合(ステップS114でNo)には、軸力演算部31bは、測定が正常に行われていると判定する。
また、ナットランナ停止指令部31a(図1参照)は、軸力演算部31b(図1参照)が演算したボルト1の軸力(F)を取得する。そして、ナットランナ停止指令部31aは、ボルト1の軸力(F)が目標軸力値に達したか否かを判定する(ステップS115参照)。
また、ナットランナ停止指令部31a(図1参照)は、軸力(F)が目標軸力値に達していない場合には(ステップS115でNo)、ナットランナ21(図1参照)に対して軸力印加の続行の指令を出力する。つまり、ステップS108に戻ってボルト1に対する軸力の印加が続行される。
また、軸力(F)が目標軸力値に達した場合には(ステップS115でYes)、ナットランナ停止指令部31a(図1参照)は、ナットランナ21(図1参照)に対して軸力印加の停止の指令を出力する。つまり、ボルト1に対する軸力の印加が停止する。また、図示しないが、ナットランナ21が停止し、オートトラッキングも停止することで、この一連のボルト軸力測定工程が終了する(正常終了)。
なお、本フローは、軸力(F)に代えて、ボルト1の伸び変化量(δ)及びその正常範囲に基づいて異常判定を行う構成であってもよく、ボルト1の伸び変化量(δ)が目標値に達した場合にボルト軸力測定工程を終了する構成であってもよい。
<エコーの増幅手法>
本実施形態において、超音波送受信制御部31fは、第一の振幅補正部31f1と、第二の振幅補正部31f2と、第三の振幅補正部31f3と、を備える。
第一の振幅補正部31f1は、振幅の増幅度が時間軸全体に対して設定されており、増幅度に基づいて頭部エコーゲート及び底面エコーゲートの両方の振幅を同一量補正する。
本実施形態において、振幅の増幅度である補正係数C1(図9参照)は、事前実験などによって予め設定されている。
第二の振幅補正部31f2は、頭部エコーゲート及び底面エコーゲートの一方を基準とし、頭部エコーゲート及び底面エコーゲートの他方の振幅を頭部エコーゲート及び底面エコーゲートの一方の振幅に近づけるように補正する。
本実施形態において、振幅の増幅度である補正係数C2(図9参照)は、Bnエコーの振幅をSnエコーの振幅に近づけるように補正するものであり、事前実験などによって予め設定されている。第二の振幅補正部31f2は、Bnエコーに対して、当該エコーが検出されるエコーゲートの伝搬時間における補正係数C2を乗算する。これにより、第二の振幅補正部31f2は、Snエコー及びBnエコーの各エコーゲートにおける振幅を略同一にして表示部34に表示させることができる。
第三の振幅補正部31f3は、頭部エコーゲート及び底面エコーゲートのいずれか一方の振幅を補正する。本実施形態において、振幅の増幅度である補正係数C3は(図9参照9は、Bnエコーの振幅をSnエコーの振幅に近づけるように補正するためのものであり、事前実験などによって予め設定されている。これにより、第三の振幅補正部31f3は、Snエコー及びBnエコーの各エコーゲートにおける振幅を略同一にして表示部34に表示させることができる。
なお、ボルト軸力測定装置10は、第一の振幅補正部31f1、第二の振幅補正部31f2及び第三の振幅補正部31f3のいずれか単独にて振幅を補正してもよく、第二の振幅補正部31f2及び第三の振幅補正部31f3の両方を用いて各エコーゲートにおける振幅を略同一補正してもよい。
第二の振幅補正部31f2及び第三の振幅補正部31f3の両方を用いる場合には、先に第二の振幅補正部31f2がSnエコー及びBnエコーの両方の振幅を補正し、続いて、第三の振幅補正部31f3がBnエコーの振幅を補正する構成であってもよい。かかる補正手法によると、Snエコー及びBnエコーの各エコーゲートにおける振幅をより正確に近づけることができる。
≪ボルト≫
以上のようなボルト軸力測定方法に使用するボルト1(図3参照)は、前記のように、軸部2(図3参照)と、頭部3(図3参照)とを有している。そして軸部2の先端部には、前記の底面2c(図3参照)が規定されている。
頭部3の外周部には、このボルト1の締付具(例えば、トルクレンチなど)が噛み合う噛合部(図示省略)が形成されている。
また、頭部3には、図3に示すように、凹部5が形成されている。この凹部5は、底面6と、この底面6の周囲に形成される周壁11とを有している。底面6は、ボルト軸線を法線とする平面を含んで形成されている。
このような凹部5は、凹部5の開口側に形成される大径部14aと、この大径部14aの内径よりも小さい内径で周壁11を形成する小径部14bと、で構成されている。そして、小径部14bは、内径差を吸収する段部14cを介して大径部14aと連結されている。
これらの大径部14aと、段部14cと、小径部14bとは、ボルト1の頭部3で、ボルト軸線と同軸の段付きの凹部5(段付き凹部)を形成している。
そして、この段付きの凹部5は、前記のように、プローブ24の段部24bを有する段付き凸部29と印籠嵌合するようになっている。
なお、このような小径部14bを構成する周壁11は、図3に示すボルト1の側面視で、底面6側から凹部5の開口側に向けて直線状に延びている。しかしながら、この周壁11は、プローブ24との印籠嵌合が可能であれば直線状に延びるものに限定されずに、頭部3の半径方向外側に向けて部分的に膨出するように形成することもできる。
≪作用効果≫
次に、本実施形態の奏する作用効果について説明する。
<締付装置の奏する作用効果>
従来の締付装置では、ソケットと超音波センサとが一体となっていたために、ボルト締付時のソケットの倒れやがたつき、振動がプローブに伝達する問題があった。これにより従来の締付装置では、ボルトを締め付けながら測定したボルト軸力の精度が不十分となる問題があった。
これに対して本実施形態の締付装置20は、ソケット22とプローブ24とが別個独立に設けられている。
図10(a)及び(b)は、ボルト軸力測定装置10を構成するボルト1の締付装置20の動作図である。
図10(a)に示すように、本実施形態の締付装置20は、ソケット22とプローブ24とが別個独立に配置されている。
このような締付装置20で、ボルト1を締め付ける場合には、前記のように、プローブ24がボルト1の凹部5に印籠嵌合し、ソケット22がボルト1に嵌合する。そして、ソケット22が回転することでボルト1が締め付けられ、プローブ24でボルト1の伸びが検出される。
そして、締付装置20は、図10(b)に示すように、ボルト1の締結時にソケット22ががたついた場合であっても、プローブ24がソケット22と独立に配置されているので、プローブ24のボルト1に対する押圧角度は、変わることがない。これにより締付装置20は、ソケット22のがたつきに影響されることなく、ボルト1の伸びの測定を精度よく行うことができる。
また、プローブ24は、前記のように、弾発コイルばね28によって回転シャフト21a(図2参照)の下端にセミフローティング支持されている。
これにより、図10(b)に示すように、例えソケット22がボルト1の軸線に対して傾いたとしても、プローブ24がボルト1の軸線に対して傾くことはない。
したがって、この締付装置20は、精度よく軸力を測定することができる。
本実施形態での締付装置20は、凹部5に対して、前記のようにプローブ24が印籠嵌合している。これにより締付装置20では、プローブ24が凹部5に対してしっかりと固定される。したがって、この締付装置20は、精度よく軸力を測定することができる。
本実施形態での締付装置20は、凹部5の底面6で規定されるボルト1の表面と、突出部24aの頂面24dで規定されるプローブ24の表面との間に、ギャップ41が形成されている。そして、このギャップ41は、超音波の伝搬物質42で満たされている。
このような締付装置20によれば、ギャップ41での波形の変化などによる測定エラーを防止することができる。したがって、この締付装置20は、精度よく軸力を測定することができる。
<ボルト軸力測定方法の奏する作用効果>
一般に、頭部に形成された凹部にプローブを配置する超音波測定用のボルトでは、ボルトの表面を規定する凹部の底面の平坦度などにバラツキを有している。そのため凹部の底面にプローブを密着させる構成では、超音波測定値の精度が不十分となる。
これに対して本実施形態のボルト軸力測定方法及びこれに使用するボルト1は、凹部5に段部14cを有している。
このようなボルト軸力測定方法及びこれに使用するボルト1によれば、段部14cにプローブ24を支持させることによって、プローブ24と凹部5の底面6との間にギャップ41を形成することができる。したがって、このボルト軸力測定方法によれば、超音波測定値の精度を飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態のボルト軸力測定方法によれば、ギャップ41に超音波の伝搬物質42が介在している。
このようなボルト軸力測定方法によれば、ギャップ41での超音波の減衰が抑制される。これにより本実施形態のボルト軸力測定方法によれば、より精度の高い軸力の測定が可能となる。
一般に、ボルト1の表面に(凹部5の底面6)に、プローブ24を接触させてBエコーを測定しようとすると、超音波を発振する際のプローブ24の自己振動によって超音波の発振原点(0位置)を測定することができない。そのため従来のボルト軸力測定方法では、B1エコー(第1回目底面エコー)を軸力測定に使用することができずに、プローブ24の自己振動が収まったB2エコー以後(第2回目底面エコー以後)のBエコーに基づいて軸力を測定していた。しかし、B2エコー以後のBエコーは、B1エコーよりも減衰しており、また、ノイズの影響が著しい課題があった。
これに対して、本実施形態のボルト軸力測定方法は、ギャップ41を設けることによって、ボルト1の表面のS1エコーと、B1エコーとの差分に基づいてボルト軸力を測定している。これにより本実施形態のボルト軸力測定方法では、B2エコーと比べて減衰量が小さく、ノイズが小さいB1エコーを使用することで、ボルト軸力測定の精度が一段と向上する。
<ボルト軸力測定装置の奏する作用効果>
また、本実施形態のボルト軸力測定装置10は、ボルト1の頭部側からボルト1の軸部の底面に向けて発振した超音波パルスの頭部エコー(Snエコー)及び底面エコー(Bnエコー)を検出するエコー検出部31dと、エコー検出部31dにおいて検出された頭部エコー及び底面エコーのそれぞれの所定位置の時間差に基づいて、ボルト1の軸力を演算する軸力演算部31bと、を備える。
また、エコー検出部31dは、頭部エコーに対して頭部エコーゲートGSnを設定するとともに底面エコーに対して底面エコーゲートGBnを設定し、ボルト1の締結中に複数回発振される超音波パルスに対して、頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートBSnが所定位置を当該頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートBSn内の同一位置に含むように、それぞれ独立して移動させるトラッキング処理を実行する。
これにより本実施形態のボルト軸力測定装置10では、基準ゲートを設けることなく頭部エコー及び底面エコーをそれぞれ独立してトラッキングすることによって、より確実に精度よくボルト1の軸力(F)を測定することができる。
また、本実施形態のボルト軸力測定装置10は、頭部エコーゲートGSn内の頭部エコー(Snエコー)の振幅と、底面エコーゲートGBn内の底面エコー(Bnエコー)の振幅と、を近づけるように補正する振幅補正部(超音波送受信制御部31f)を備える。
これにより本実施形態のボルト軸力測定装置10では、底面エコー(Bnエコー)の減衰に関わらず、頭部エコー(Snエコー)及び底面エコー(Bnエコー)を略同一の振幅高さで表示させることができる。
また、本実施形態のボルト軸力測定装置10は、振幅補正部が、振幅の増幅度が時間軸全体に対して設定されており、増幅度に基づいて頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートGBnの両方の振幅を補正する第一の振幅補正部31f1と、頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートGBnの一方を基準とし、頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートGBnの他方の振幅を頭部エコーゲートGSn及び底面エコーゲートGBnの一方の振幅に近づけるように補正する第二の振幅補正部31f2と、の少なくとも一方を備えることを特徴とする。
これにより本実施形態のボルト軸力測定装置10では、頭部エコー(Snエコー)及び底面エコー(Bnエコー)を略同一の振幅高さで表示させることができる。
また、本実施形態のボルト軸力測定装置10は、エコー検出部31dが、頭部エコーの振幅が第一の所定値LSを超えた直後の正又は負のピークを中心とした超音波パルスの1波長分を頭部エコーゲートとして設定するとともに、底面エコーの振幅が第二の所定値LBを超えた直後の正又は負のピークを中心とした超音波パルスの1波長分を底面エコーゲートとして設定する。
また、エコー検出部31dは、頭部エコーゲート及び底面エコーゲートのそれぞれに関して、正又は負のピークの直前において振幅がゼロとなる点を所定位置に設定する。
これにより本実施形態のボルト軸力測定装置10では、各エコーゲートの範囲を狭く、かつ、所定位置よりも後方に長く設定することによって、伸び等による各エコーの移動を好適にトラッキングすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、ソケット22でボルト1の頭部3を締め付ける締付装置20を例にとって説明したが、本発明の締付装置20は、ボルト1に噛み合うナット(図示省略)を締め付けるものであっても構わない。また、本発明は、コンピュータをボルト軸力測定装置10として機能させるボルト軸力測定プログラムとしても具現化可能である。
1 ボルト
2 軸部
2c ボルトの底面
3 頭部
10 ボルト軸力測定装置
20 締付装置
31a ナットランナ停止指令部
31b 軸力演算部
31c 伸び演算部
31d エコー検出部
31e ボルト情報処理部
31f 超音波送受信制御部(振幅補正部)
31f1 第一の振幅補正部
31f2 第二の振幅補正部
34 表示部

Claims (3)

  1. ボルトの頭部に形成された段付き凹部に対応するように段付き凸部を有するプローブの前記段付き凸部を前記頭部の前記段付き凹部に対して挿入するプローブ挿入工程と、
    前記段付き凹部と前記段付き凸部との段部同士を当接させることで、前記段付き凹部の底面で規定される前記ボルトの表面と、前記段付き凸部の頂面で規定される前記プローブの表面との間に、ギャップを形成するギャップ形成工程と、
    前記プローブから前記ボルトの軸部の底面に向けて発振した超音波パルスの底面エコーに基づいて、締結時の前記ボルトの伸びを演算する伸び演算工程と、
    前記ボルトの伸びに基づいて前記ボルトの軸力を演算する軸力演算工程と、
    を有し、前記ギャップには伝搬物質が介在しているボルト軸力測定方法。
  2. 前記伸び演算工程は、前記プローブから前記ボルトの軸部の底面に向けて超音波パルスを発振した際の、前記ボルトの表面で反射した第1回目表面エコーと、前記ボルトの軸部の底面で反射した第1回目底面エコーと、に基づいて締結時の前記ボルトの伸びを演算する請求項1に記載のボルト軸力測定方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のボルト軸力測定方法に使用するボルトであって、
    前記段付き凸部に当接する前記段付き凹部を有することで、前記段付き凹部の底面で規定される前記ボルトの表面と、前記段付き凸部の頂面で規定される前記プローブの表面との間にギャップを形成する頭部を備えるボルト。
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