JP3957305B2 - 超音波流量計、超音波流量計測方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
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すなわち、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って被測定流体中に入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、上記被測定流体の流速分布に基づいて、積分演算を行う流量演算手段とを備えたものである。そして、流量演算手段は測定領域における被測定流体の流速分布に基づいて流量を計測する。
図9に示すように、超音波トランスジューサから発信される超音波は、くさびと配管とを介して被測定流体へ発信される。被測定流体に含まれる気泡や異物などからの反射エコーが流速分布の計測に寄与するのであるが、気泡や異物に反射されなかった超音波は反対側の配管(底面)へ到達して底面エコーとなる。
図11は、反射エコーを用いて配管の直径方向にて流速の速度分布を算出したグラフと、発信される超音波との関係を示したものである。本来ならば配管の中心付近であるから高い速度として算出されるはずが、2回目の底面エコーによる影響で、本来の速度が算出されていないことが把握できる。
請求項4から請求項6に記載の発明の目的は、計測に必要なエコー信号に入り込む重畳ノイズによる測定誤差を排除する超音波による流量計測方法を提供することにある。
請求項7から請求項9に記載の発明の目的は、超音波による流量計測方法において計測に必要なエコー信号に入り込む重畳ノイズによる測定誤差を排除するコンピュータプログラムを提供することにある。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、所定の繰り返し周波数(f0)の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手段と、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えた超音波流量計に係る。
そして、測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手段と、 その流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手段と、 そのノイズ発見手段が重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数(f1)を再設定する繰り返し周波数再設定手段とを備え、 前記流速分布測定手段は、その繰り返し周波数再設定手段によって再設定された繰り返し周波数(f1)の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定することとしたことを特徴とする。
本願にいう「超音波流量計」は、超音波の反射を用いて流量を計測する流量計であり、ドップラ式超音波流量計、相関法を用いた超音波流量計のいずれをも含む。相関法を用いた超音波流量計とは、例えば、特開2003−344131号に開示されているような超音波流量計である。
「流量演算手段」は、たとえば、特開2000−97742号公報に開示されたものを用いる。
「ノイズ発見手段」とは、たとえば、仮算出した流速分布において、流速が測定範囲との関係において不連続となる場合や、スプライン処理をしても円滑さが失われたりしている場合などを、重畳ノイズを原因とするとして判断するものである。
「繰り返し周波数再設定手段」とは、初期の繰り返し周波数(f0)よりも周期を長くする場合と、周期を短くする場合とがある。周期を長くする場合、周期を短くする場合のいずれも、発見された重畳ノイズが測定範囲に入らないような繰り返し周波数(f1)となるように、発見された重畳ノイズと時間(超音波の発信タイミング)との関係から再設定することとなる。
まず、超音波送受信手段が、所定の繰り返し周波数(f0)の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる。続いて、被測定流体に入射された超音波パルスのうち、測定領域から反射対などに反射された超音波エコーを受信する。
そして、流速分布仮算出手段が測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させ、その流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて、重畳ノイズが存在するか否かノイズ発見手段が探索する。重畳ノイズが発見されない場合には、流速分布測定手段が測定した測定領域における被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算する。
ノイズ発見手段が重畳ノイズを発見した場合には、繰り返し周波数再設定手段が繰り返し周波数(f1)を再設定する。そして、その繰り返し周波数(f1)の超音波パルスによる測定領域における被測定流体の流速分布を測定し、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算する。
以上により、重畳ノイズを除去した被測定流体の流速分布の測定が可能となり、重畳ノイズを原因とする測定誤差のない流量演算が可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の超音波流量計を限定したものである。
すなわち、 繰り返し周波数再設定手段は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、 流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手段を備える。
そのエリアジング検知手段は、エリアジングのパターンデータを蓄積したエリアジングパターンデータベースと、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手段とを備え、 前記エリアジング検知手段によってエリアジングの発生が検知された場合には、繰り返し周波数再設定手段が更に繰り返し周波数を再設定するものである。
「エリアジング」とは、ナイキストの定理による限界周波数を超えた信号が、本来とは異なる周波数に変換されてしまい、本来の信号内に浸入する現象をいう。ここで「ナイキストの定理」とは、A/D変換においては、アナログ信号の持つ最高周波数成分の2倍以上のスピードでサンプリングしなければならない、というものである。
「エリアジング検知手段」とは、流速分布の結果からエリアジングが発生しているか否かを判断するものである。具体的には例えば、データベースなどにエリアジングのパターンおよびその条件などのデータを記録しておいて、そのデータに基づいて案出されたエリアジングの条件式に当てはまるか否かを検知する手段である。
ノイズ発見手段が重畳ノイズを発見した場合には、繰り返し周波数再設定手段が、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くする。そして、流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に対してエリアジングの発生を、エリアジング検知手段が検知する。そのエリアジング検知手段によってエリアジングの発生が検知された場合には、前記繰り返し周波数再設定手段が更に繰り返し周波数を再設定する。
エリアジング検知手段がエリアジングは発生していないと判断した場合には、流速分布に重畳ノイズが存在するか否かノイズ発見手段が探索する。重畳ノイズが発見されない場合には、流速分布測定手段が測定した測定領域における被測定流体の流速分布に基づいて、流量演算手段が前記測定領域における被測定流体の流量を演算する。
以上により、初期の繰り返し周波数よりも周期を長く再設定した場合に懸念されるエリアジングの発生という新たな測定誤差の発生を、未然に防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波流量計を限定したものである。
すなわち、流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて前記ノイズ発見手段が重畳ノイズの発生位置を確認し、 重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在する場合には、流量演算手段は、仮算出した流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとしたことを特徴とする。
「前半分」とは、測定領域において超音波送受信手段(超音波トランスジューサ)に近い方の半分をいう。「後ろ半分」とは、測定領域において超音波送受信手段から遠い方の半分をいう。
流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布において前記ノイズ発見手段が重畳ノイズの発生位置を確認する。
重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在する場合には、前記流量演算手段は第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出する。すると、重畳ノイズによって測定誤差が入り込んだデータ部分は流量の算出には用いられないので、重畳ノイズによる測定誤差を排除できる。
なお、重畳ノイズの位置が前半分に存在する場合には、重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在するようになるまで、前記繰り返し周波数再設定手段によって繰り返し周波数を再設定する。
本請求項に記載の発明において、「流量演算手段」が「後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍する」こととしているのは、ノイズがない場合でも誤差を拾いやすいのは前半分よりも後ろ半分であるということを経験的に把握しているからである。
ただし、配管径や平均流速などの条件によっては後ろ半分の方が誤差を生じにくい場合もあるので、「繰り返し周波数再設定手段は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くし、重畳ノイズの位置が前半分に存在する場合には、前記繰り返し周波数再設定手段によって繰り返し周波数を再設定し、 重畳ノイズの位置が前半分に存在する場合には、前記流量演算手段は第二の流速分布における前半分を切り捨てるとともに後ろ半分を二倍することによって流量を算出する」という発明を提供してもよい。
すなわち、測定領域における被測定流体の流速分布を算出して画面出力する流速分布出力手段と、繰り返し周波数をオペレータによって再設定入力された繰り返し周波数を受け付けて再設定する繰り返し周波数再設定手段とを備え、 前記流速分布測定手段は、その繰り返し周波数再設定手段によって再設定された繰り返し周波数に基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定することとしたことを特徴とする。
「繰り返し周波数再設定手段」は、オペレータによる繰り返し周波数の再設定入力を受け付ける手段の場合のほか、繰り返し周波数を自動的に演算して再設定するもののもある。
請求項1記載の超音波流量計の構成要件に加えて、画面出力にてオペレータが重畳ノイズの発見やその判断を行えるように流速分布出力手段を備えた超音波流量計を提供することもできる。そのような超音波流量計であれば、重畳ノイズ発見手段による自動発見でも、オペレータによる発見でも繰り返し周波数の再設定が行える。
請求項4記載の発明は、超音波流量計測方法に係る。
すなわち、所定の繰り返し周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、 受信した測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手順と、 その流速分布仮算出手順にて仮算出された流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手順とを備える。 また、そのノイズ発見手順にて重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再設定手順と、 その繰り返し周波数再設定手順にて再設定された繰り返し周波数の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手順と、 その流速分布測定手順にて測定された流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順とを備える。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の超音波流量計測方法を限定したものである。
すなわち、繰り返し周波数再設定手順は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、 流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手順と、 そのエリアジング検知手順にてエリアジングの発生が検知された場合には、更に繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再々設定手順とを備え、
前記エリアジング検知手順は、エリアジングのパターンデータをエリアジングパターンデータベースに予め蓄積するエリアジングパターンデータ蓄積手順と、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手順とを含むこととしたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4に記載の超音波流量計測方法を限定したものである。
すなわち、流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの発生位置を確認するノイズ位置確認手順を備えるとともに、 そのノイズ位置確認手順にて重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在することが確認された場合には、流量演算手順は、第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとしたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、所定の繰り返し周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手段と、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えた超音波流量計を用いた流量計測プログラムに係る。
そのプログラムは、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信して測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手順と、 その流速分布仮算出手順にて仮算出された流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手順と、 そのノイズ発見手順にて重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再設定手順と、 その繰り返し周波数再設定手順にて再設定された繰り返し周波数の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手順と、 その流速分布測定手順にて測定された流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順とを、超音波流量計の制御用コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載のコンピュータプログラムを限定したものである。
すなわち、繰り返し周波数再設定手順は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、 流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手順とを備える。
そのエリアジング検知手順は、エリアジングのパターンデータをエリアジングパターンデータベースに予め蓄積するエリアジングパターンデータ蓄積手順と、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手順とを含む。
更に、前記エリアジング検知手順にてエリアジングの発生が検知された場合には、更に繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再々設定手順とを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7に記載のコンピュータプログラムを限定したものである。
すなわち、流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの発生位置を確認するノイズ位置確認手順を備えるとともに、 そのノイズ位置確認手順にて重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在することが確認された場合には、流量演算手順は、第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとしたことを特徴とする。
また、これらの発明に係るプログラムを格納したコンピュータから、通信回線を通じて他のコンピュータへ伝送することも可能である。
請求項4から請求項6に記載の発明によれば、計測に必要なエコー信号に入り込む重畳ノイズによる測定誤差を排除する超音波による流量計測方法を提供することができた。
請求項7から請求項9に記載の発明によれば、超音波による流量計測方法において計測に必要なエコー信号に入り込む重畳ノイズによる測定誤差を排除するコンピュータプログラムを提供することができた。
図5および図6は第二の実施形態の原理を示す図である。図7は第三の実施形態を示すブロック図であり、図8は、第三の実施形態のバリエーションを示すブロック図である。
図2に示すように、第一の実施形態に係る超音波流量計は、所定の繰り返し周波数(f0)の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備える。
また、測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手段と、 その流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手段と、 そのノイズ発見手段が重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数(f1)を再設定する繰り返し周波数再設定手段とを備え、 前記流速分布測定手段は、その繰り返し周波数再設定手段によって再設定された繰り返し周波数(f1)の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定するものである。
図3に示すのは、超音波送受信手段が受信した超音波エコーから直接、重畳ノイズを発見できるノイズ発見手段を備えることにより、図2に示した実施形態において備えていた「流速分布仮算出手段」を省略したバリエーションである。
図5に示すのは、計測範囲にて重畳ノイズが発見された場合において、その重畳ノイズが計測範囲の前半分にある場合に、繰り返し周波数の周期を短く再設定することによって、重畳ノイズを計測範囲の後ろ半分へ移動させるものである。
図6(a)に示すように、そのままでは流速分布に重畳ノイズによる誤差が存在したままである。しかし、図6(b)に示すように、出力された流速分布を計測範囲における中央で区切り、重畳ノイズを含んだ後ろ半分を切り捨て、前半分を反転させる(前半分を二倍する)のである。
すなわち、流量演算手段は第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出する。すると、重畳ノイズによって測定誤差が入り込んだデータ部分は流量の算出には用いられないので、重畳ノイズによる測定誤差を排除できる。
図7に示す第三の実施形態は、第一の実施形態に加えてエリアジングの発生を検知することができるエリアジング検知手段を備えたものである。
繰り返し周波数の変更によって重畳ノイズによる測定誤差を排除できても、エリアジング発生による測定誤差があっては、正確な流量計測にならない。そこで、流速分布仮算出手段による仮算出結果を用いてエリアジングの発生を検知することにより、適切な繰り返し周波数の再設定に寄与する実施形態を提供したものである。
Claims (9)
- 所定の繰り返し周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手段と、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えた超音波流量計であって、
測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手段と、
その流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手段と、
そのノイズ発見手段が重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再設定手段とを備え、
前記流速分布測定手段は、その繰り返し周波数再設定手段によって再設定された繰り返し周波数の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定することとしたことを特徴とする超音波流量計。 - 繰り返し周波数再設定手段は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、
流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手段を備え、
そのエリアジング検知手段は、エリアジングのパターンデータを蓄積したエリアジングパターンデータベースと、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手段とを備え、
前記エリアジング検知手段によってエリアジングの発生が検知された場合には、繰り返し周波数再設定手段が更に繰り返し周波数を再設定することとした請求項1に記載の超音波流量計。 - 流速分布仮算出手段が仮算出した流速分布に基づいて前記ノイズ発見手段が重畳ノイズの発生位置を確認し、
重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在する場合には、流量演算手段は、仮算出した流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとした請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波流量計。 - 所定の繰り返し周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手順と、
受信した測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手順と、
その流速分布仮算出手順にて仮算出された流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手順と、
そのノイズ発見手順にて重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再設定手順と、
その繰り返し周波数再設定手順にて再設定された繰り返し周波数の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手順と、
その流速分布測定手順にて測定された流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順とを備えた超音波流量計測方法。 - 繰り返し周波数再設定手順は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、
流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手順と、
そのエリアジング検知手順にてエリアジングの発生が検知された場合には、更に繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再々設定手順とを備え、
前記エリアジング検知手順は、エリアジングのパターンデータをエリアジングパターンデータベースに予め蓄積するエリアジングパターンデータ蓄積手順と、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手順とを含むこととした請求項4に記載の超音波流量計測方法。 - 流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの発生位置を確認するノイズ位置確認手順を備えるとともに、
そのノイズ位置確認手順にて重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在することが確認された場合には、流量演算手順は、第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとした請求項4または請求項5のいずれか記載の超音波流量計測方法。 - 所定の繰り返し周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させるとともに、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信する超音波送受信手段と、受信した超音波エコーから測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えた超音波流量計を用いた流量計測プログラムであって、
そのプログラムは、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信して測定領域における被測定流体の流速分布を仮算出させる流速分布仮算出手順と、
その流速分布仮算出手順にて仮算出された流速分布に基づいて重畳ノイズの存在を発見するノイズ発見手順と、
そのノイズ発見手順にて重畳ノイズを発見した場合において、繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再設定手順と、
その繰り返し周波数再設定手順にて再設定された繰り返し周波数の超音波パルスに基づいて、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手順と、
その流速分布測定手順にて測定された流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手順とを、超音波流量計の制御用コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。 - 繰り返し周波数再設定手順は、初期の繰り返し周波数よりも周期を長くするとともに、
流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて、エリアジングを発生するか否か検知するエリアジング検知手順とを備えるとともに、
そのエリアジング検知手順は、エリアジングのパターンデータをエリアジングパターンデータベースに予め蓄積するエリアジングパターンデータ蓄積手順と、そのエリアジングパターンデータベースに蓄積されたエリアジングパターンデータを用いてエリアジングの発生条件を算出するエリアジング発生算出手順とを含み、
前記エリアジング検知手順にてエリアジングの発生が検知された場合には、更に繰り返し周波数を再設定する繰り返し周波数再々設定手順とを備えた請求項7に記載のコンピュータプログラム。 - 流速分布仮算出手順にて仮算出した流速分布に基づいて重畳ノイズの発生位置を確認するノイズ位置確認手順を備えるとともに、
そのノイズ位置確認手順にて重畳ノイズの位置が後ろ半分に存在することが確認された場合には、流量演算手順は、第二の流速分布における後ろ半分を切り捨てるとともに前半分を二倍することによって流量を算出することとした請求項7または請求項8のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
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