JP6677461B2 - ロボット装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態はロボット装置に関する。
近年ロボットが操作者と同一空間にいる環境が多くなってきている。介護用ロボットはもちろん産業用ロボットでも作業者の近傍で作業を行なう状況の可能性が検討されている。発明者が実用化を実現した直動伸縮アーム機構は従来の垂直多関節アーム機構のような肘関節がなく、特異点もないことから、柵を不要にできるので、ロボット装置が作業者と協働して作業できる可能性を示唆している。
目的は、作業者との協働作業の効率を向上させることのできるロボット装置を提供することにある。
本実施形態に係るロボット装置は、複数の部分タスクからなる全体タスクを作業者とで分担するロボット装置において、多関節アーム機構と、前記複数の部分タスクのうち前記ロボット装置が担当する部分タスクの数が異なる複数のタスクプログラムを作業者習熟度それぞれ関連付けて記憶する記憶部と、前記記憶部から読み出された前記複数のタスクプログラムの一に従って前記多関節アーム機構の動作を制御するタスクコントローラと、前記複数の部分タスクのうち、前記複数のタスクプログラムの一に従って動作する前記多関節アーム機構により担当される部分タスクを除く残りの部分タスクを前記作業者が作業するのに要する作業時間を計測する計測部と、前記計測された作業時間から導出される平均作業時間、最長作業時間及び最短作業時間を前記複数のタスクプログラムの一に関連付けられている作業者習熟度及び前記複数のタスクプログラムに関連付けられている複数の作業者習熟度とともに表示する表示部と、前記表示された複数の作業者習熟度のいずれかを選択する操作者指示に従って前記選択された作業者熟度に関連付けられている前記複数のタスクプログラムのいずれかを前記記憶部から前記タスクコントローラに読み出させる制御部とを具備することを特徴とする。
図1は、本実施形態に係るロボット装置と作業者との協働環境の一例を示す図である。 図2は、図1のロボット装置の外観斜視図である。 図3は、図1のロボットアーム機構の構成を図記号表現により示す図である。 図4は、本実施形態に係るロボット装置の構成を示すブロック図である。 図5は、図4のタスクプログラム記憶部に記憶される3種類のタスクプログラムの概要を示す図である。 図6は、本実施形態に係るロボット装置の手先軌道を示す平面図である。 図7は、図4の習熟指標処理部による習熟指標の計算処理手順を示すフローチャートである。 図8は、図4のシステム制御部によるタスクプログラムの変更処理手順を示すフローチャートである。 図9は、図8の工程S21において表示部に表示される表示画面例を示す図である。 図10は、図4の習熟指標処理部によるタスクプログラム上のタスクタイムの動的な変更処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るロボット装置を説明する。本実施形態に係るロボット装置は、作業者の作業効率を上げるために、作業者が行う作業(全体タスクという)を支援する。その作業(全体タスク)は事前に解析され、作業者の特性とロボット装置の特性とに基づいて複数のタスク(部分タスクという)に分割される。例えば、熟練した作業者であれば、予め決められたタスクタイム内に完了できる作業(全体タスク)であっても、不慣れな作業習熟度の低い作業者がその作業(全体タスク)を行うと、予め決められたタスクタイム内に完了できない場合がある。本実施形態に係るロボット装置は、複数の部分タスクのうち少なくとも1つの部分タスクを肩代わりすることで、不慣れな作業者であっても、予め決められたタスクタイム内にその作業が完了されることを支援する。
例えば、搬送ライン上を搬送されるワーク(内容物が詰められたチューブ容器)を直方体形の紙箱に詰め込み、それを搬送ラインに戻すまでの箱詰め作業(全体タスク)を複数、ここでは6つの部分タスクに分割する。6つの部分タスクのうち、第1部分タスクは、搬送ライン上を搬送されるチューブ容器を搬出シュータ上に搬送するタスクである。第2部分タスクは、組み立て前の紙箱をストックテーブルから作業者の手元に搬送するタスクである。第3部分タスクは、紙箱を組み立てるタスクである。第4部分タスクは、組み立てた紙箱にチューブを詰めるタスクである。第5部分タスクは、チューブが詰められた紙箱の蓋を閉じるタスクである。第6部分タスクは、完成品を搬入シュータから搬送ラインに戻すタスクである。
作業者は、上記6つの部分タスクのうち少なくとも3つの部分タスク(第3、第4、第5部分タスク)を担当する。作業者が少なくとも行う作業を単位作業という。ここでは、単位作業は、第3、第4、第5部分タスクに対応する作業を指す。単位作業は、組立式の紙箱を組み立て、組み立てた紙箱にチューブを詰め、チューブを詰めた紙箱の蓋を閉じるまでの作業を指す。ロボット装置は、作業者の単位作業の熟練度合いに従って、全体タスクが予め決められたタスクタイム内で完了されるために、単位作業(第3、第4、第5部分タスク)以外の第1、第2、第6部分タスクのうち少なくとも1つを担当し、作業者の作業を支援する。
(ロボットの配置環境)図1
図1は、本実施形態に係るロボット装置1の外観斜視図である。コンベア装置5は、直線に沿って複数の第1、第3ワーク300、500を連続的に搬送するための直線的な搬送ラインを備える。搬送ラインは、搬送ライン上に載置された第1、第3ワーク300、500を、予め操作者等により設定された搬送速度で搬送する。ストックテーブル6は、ロボット装置1の近傍に配置される。ストックテーブル6は、複数の第2ワーク400を収納する。
なお説明の便宜上、可撓性を有するチューブ容器を第1ワーク300、チューブ容器(第1ワーク300)を収容する組み立て式の空箱を第2ワーク400、チューブ容器(第1ワーク300)が組み立てられた空箱(第2ワーク400)に箱詰めされた完成品(第3ワーク500)として区別する。
コンベア装置5のフレームの側方には、搬出シュータ(搬出トレイ、チューブトレイ)60と搬入シュータ(搬入トレイ、箱トレイ)70とが取り付けられている。搬出シュータ60は、搬入シュータ70よりも搬送ラインの上流に取り付けられている。
搬出シュータ60は例えば断面L字の溝形に形成されている。搬出シュータ60は、搬送ラインから外側に向かって下傾するよう配置される。ロボット装置1でピッキングされた第1ワーク(チューブ容器)300は搬出シュータ60にリリースされる。第1ワーク300は搬出シュータ60を滑り落ちて、作業者の手元の搬出位置まで移動する。搬出シュータ60の搬出位置には孔が開けられている。第1ワーク300が搬出シュータ60の搬出位置に存在するとき、孔が第1ワーク300で塞がれる。この孔に光軸が整合するよう搬出シュータ60に光電センサ95が取り付けられている。光電センサ95は搬出シュータ60の搬出位置に第1ワーク300が存在するか否かを検知する。
搬入シュータ70は例えば断面L字の溝形に形成されている。搬入シュータ70は、搬送ラインに向かって下傾するよう配置される。作業者により箱詰めされ、搬入シュータ70の任意位置に置かれた第3ワーク500は、その傾きにより搬入シュータ70の搬入位置まで滑り落ちる。搬入シュータ70の搬入位置には孔が開けられている。第3ワーク500が搬入シュータ70の搬入位置に存在するとき、孔が第3ワーク500で塞がれる。この孔に光軸が整合するよう搬入シュータ70に光電センサ97が取り付けられている。光電センサ97は搬入シュータ70の搬入位置に第3ワーク500が存在するか否かを検知する。
搬送ラインの幅の中心線(以下、ライン中心線という。)は、第1ワーク300を載置する搬送ライン上の目標線であり、また、第1ワーク300を箱詰めした後の第3ワーク500を戻す位置の目標線である。
通過検知センサ91には、搬送ラインにより搬送される第1ワーク300の所定位置(通過検知位置)の通過を検知する。通過検知センサ91には、例えば、投光部と、投光部から投光されワークで反射された光を受光する受光部とが一体となった光電センサが適用される。通過検知センサ91は、搬出シュータ60よりも上流の搬送ラインの近傍に、その光軸が搬送ラインの搬送方向と直交する向きに設けられている。
速度センサ93は、搬送ラインの搬送速度を計測する。速度センサ93には、例えば、ロータリーエンコーダ等のセンサが適用される。ロータリーエンコーダは、ローラのドライブシャフトに接続されている。速度センサ93は、そのローラが搬送ライン上に接触するように設けられる。
(多関節アーム機構の説明)図2
ロボット装置1は、複数の関節部を有する多関節アーム機構200を備える。この多関節アーム機構200は、複数の関節部のうち一が直動伸縮関節で構成されている。以下、多関節アーム機構200について説明する。
図2は、図1のロボット装置1の外観斜視図である。ロボット装置1は、略円筒形状の基部10と基部10に接続されるアーム部2とを有する。アーム部2の先端には手首部4が取り付けられている。手首部4の第6関節部の回転軸(第6回転軸RA6)にはアダプタ(図示しない)が設けられている。手首部4のアダプタを介してロボットハンド3が取り付けられる。
ロボット装置1は、複数、ここでは6つの関節部J1,J2,J3,J4,J5,J6を有する。複数の関節部J1,J2,J3,J4,J5,J6は基部10から順番に配設される。一般的に、第1、第2、第3関節部J1,J2,J3は根元3軸と呼ばれ、第4、第5、第6関節部J4,J5,J6はロボットハンド3の姿勢を変化させる手首3軸と呼ばれる。手首部4は第4、第5、第6関節部J4,J5,J6を有する。根元3軸を構成する関節部J1,J2,J3の少なくとも一つは直動伸縮関節である。ここでは第3関節部J3が直動伸縮関節、特に伸縮距離の比較的長い関節部として構成される。アーム部2は第3関節部J3を構成する主要な構成要素である。
第1関節部J1は基台面に対して例えば垂直に支持される第1回転軸RA1を中心としたねじり関節である。第2関節部J2は第1回転軸RA1に対して垂直に配置される第2回転軸RA2を中心とした曲げ関節である。第3関節部J3は、第2回転軸RA2に対して垂直に配置される第3軸(移動軸)RA3を中心として直線的にアーム部2が伸縮する関節である。
第4関節部J4は、第3移動軸RA3に一致する第4回転軸RA4を中心としたねじり関節であり、第5関節部J5は第4回転軸RA4に対して直交する第5回転軸RA5を中心とした曲げ関節である。第6関節部J6は第4回転軸RA4に対して直交し、第5回転軸RA5に対して垂直に配置される第6回転軸RA6を中心とした曲げ関節である。
基部10を成すアーム支持体(第1支持部)11は、第1関節部J1の第1回転軸RA1を中心に形成される円筒形状の中空構造を有する。第1関節部J1は図示しない固定台に取り付けられる。第1関節部J1が回転するとき、第1支持部11はアーム部2の旋回とともに軸回転する。なお、第1支持部11が接地面に固定されていてもよい。その場合、第1支持部11とは独立してアーム部2が旋回する構造に設けられる。第1支持部11の上部には第2支持部12が接続される。
第2支持部12は第1支持部11に連続する中空構造を有する。第2支持部12の一端は第1関節部J1の回転部に取り付けられる。第2支持部12の他端は開放され、第3支持部13が第2関節部J2の第2回転軸RA2において回動自在に嵌め込まれる。第3支持部13は第1支持部11及び第2支持部に連通する鱗状の外装からなる中空構造を有する。第3支持部13は、第2関節部J2の曲げ回転に伴ってその後部が第2支持部12に収容され、また送出される。ロボット装置1の直動関節部J3(第3関節部J3)を構成するアーム部2の後部はその収縮により第1支持部11と第2支持部12の連続する中空構造の内部に収納される。
第3支持部13はその後端下部において第2支持部12の開放端下部に対して第2回転軸RA2を中心として回動自在に嵌め込まれる。それにより第2回転軸RA2を中心とした曲げ関節部としての第2関節部J2が構成される。第2関節部J2が回動すると、アーム部2は、手首部4及びロボットハンド3とともに第2関節部J2の第2回転軸RA2を中心に垂直方向に回動、つまり起伏動作をする。
第4関節部J4は、アーム部2の伸縮方向に沿ったアーム中心軸、つまり第3関節部J3の第3移動軸RA3に典型的には一致する第4回転軸RA4を有するねじり関節である。第4関節部J4が回転すると、第4関節部J4から先端にかけてロボットハンド3とともに第4回転軸RA4を中心に回転する。第5関節部J5は、第4関節部J4の第4回転軸RA4に対して直交する第5回転軸RA5を有する曲げ関節部である。第5関節部J5が回転すると、第5関節部J5から先端にかけてロボットハンド3とともに上下に回動する。第6関節部J6は、第4関節部J4の第4回転軸RA4に直交し、第5関節部J5の第5回転軸RA5に垂直な第6回転軸RA6を有する曲げ関節である。第6関節部J6が回転するとロボットハンド3が左右に旋回する。
上記の通り手首部4のアダプタに取り付けられたロボットハンド3は、第1、第2、第3関節部J1.J2.J3により任意位置に移動され、第4、第5、第6関節部J4、J5、J6により任意姿勢に配置される。特に第3関節部J3の直動伸縮距離の長さは、基部10の近接位置から遠隔位置までの広範囲の対象にロボットハンド3を到達させることを可能にする。第3関節部J3はそれを構成する直動伸縮機構により実現される直動伸縮距離の長さが特徴的である。
(直動伸縮機構の説明) 図2
以下、直動伸縮関節部J3の機構について説明する。
直動伸縮機構はアーム部2を有する。アーム部2は第1連結コマ列21と第2連結コマ列22とを有する。第1連結コマ列21は複数の第1連結コマ23からなる。第1連結コマ23は略平板に構成される。前後の第1連結コマ23は、互いの端部箇所においてピンにより屈曲自在に列状に連結される。これにより第1連結コマ列21は内側と外側とに屈曲可能な性質を備える。第2連結コマ列22は複数の第2連結コマ24からなる。第2連結コマ24は断面コ字形状の短溝状体に構成される。前後の第2連結コマ24は、互いの底面端部箇所においてピンにより屈曲自在に列状に連結される。第2連結コマ24の断面形状及びピンによる連結位置により第2連結コマ列22は内側に屈曲可能であるが、外側に屈曲不可な性質を備える。
第1連結コマ列21のうち先頭の第1連結コマ23と、第2連結コマ列22のうち先頭の第2連結コマ24とは結合コマ27により結合される。例えば、結合コマ27は第1連結コマ23と第2連結コマ24とを合成した形状を有している。
アーム部2が伸長するときには、結合コマ27が始端となって、第1、第2連結コマ列21,22が第3支持部13の開口から外に向かって送り出される。第1、第2連結コマ列21、22は、第3支持部13の開口付近で互いに接合される。第1、第2連結コマ列21、22の後部が第3支持部13の内部で堅持されることにより、第1、第2連結コマ列21,22の接合状態が保持される。第1、第2連結コマ列21、22の接合状態が保持されたとき、第1連結コマ列21と第2連結コマ列22の屈曲は拘束される。接合し、それぞれの屈曲が拘束された第1、第2連結コマ列21、22により一定の剛性を備えた柱状体が構成される。柱状体とは、第2連結コマ列22に第1連結コマ列21が接合されてなる柱状の棒体を言う。
アーム部2が収縮するときには、第3支持部13の開口に第1、第2連結コマ列21,22が引き戻される。柱状体を構成する第1、第2連結コマ列21,22は、第3支持部13の内部で互いに離反される。離反された第1、第2連結コマ列21,22はそれぞれ屈曲可能な状態に復帰し、それぞれ同方向の内側に屈曲され、第1支持部11の内部に略平行に格納される。
(ロボットハンドの説明) 図2
ロボットハンド3は、第1ワーク(チューブ容器)300を把持によりピッキングするための把持機構と第2ワーク(紙箱)400と第3ワーク(完成品)500を吸着によりピッキングするための吸着機構とを備える。
ロボットハンド3は、ハンド本体31を有する。ハンド本体31は角柱形状を有し、その上方端面に取り付け部を備える。この取り付け部を介して、ロボットハンド3は手首部4のアダプタ(関節部J6)に装着される。ハンド本体31の下方には、エアチャックボックス32が取り付けられる。エアチャックボックス32は一対のスライダ34を有する。一対のスライダ34は接近/離反自在に支持される。エアチャックボックス32は、エアシリンダ(図示しない)を有する。エアシリンダには一対のエアチューブ(図示しない)が接続されている。一対のエアチューブ各々は圧縮式のエアポンプ(図示しない)に接続されている。一対のエアチューブには一対の電磁弁(図示しない)が介在されている。後述の電磁弁ドライバ301により、一方の電磁弁の開閉と他方の電磁弁の開閉とは逆相に制御される。一方の電磁弁が開放され、他方の電磁弁が閉じられているとき、一対のスライダ34は接近する方向に移動される。一方の電磁弁が閉じられ、他方の電磁弁が開放されているとき、一対のスライダ34は離反する方向に移動される。一対のスライダ34の接近/離反する方向をスライド方向という。
一対のスライダ34には一対の把持部35が取り付けられている。把持部35は外観略円柱形状を有する。把持部35の先端には、パッド(吸着パッド)40が取り付けられている。パッド40は、弾性材料として例えばシリコーン樹脂で円筒状体に成形されている。その胴体部分には、蛇腹形状、好適には1.5段の蛇腹形状が形成されている。一対の把持部35には一対のエアチューブが接続されている。一対のエアチューブ各々は既出のエアポンプに接続されている。把持部35には、エアチューブの接続口からその先端まで配管経路が形成されている。これにより、エアポンプから把持部35の先端までの配管経路が確保されている。エアポンプとしては圧縮式と真空式のいずれでも良いがここでは圧縮ポンプとして説明する。把持部35のパッド40とエアポンプとの間は負圧経路と正圧経路との2系統の配管経路で接続される。負圧経路には負圧弁とエジェクタとが介在される。正圧経路には正圧弁が介在される。負圧弁と正圧弁とは電磁弁である。電磁弁ドライバ301により負圧弁の開閉と正圧弁の開閉とは逆相に制御される。
負圧弁が開放され正圧弁が閉じられているとき、負圧経路が確保される。負圧経路が確保されているとき、エアポンプで発生された圧縮空気は負圧弁を介してエジェクタに供給される。エジェクタは吸気口とノズルと排気口とを有する。吸気口にはパッド40の後方部分が接続されている。エジェクタに供給された圧縮空気は、ノズルから噴射され高速な空気の束となって排気口から排気される。すると、エジェクタのチャンバの内圧が低下し、これにより吸気口から空気が吸い込まれ、吸気口から吸いこまれた空気は、圧縮空気とともに排気口から排気される。これにより、吸気口に接続されたパッド40に負圧が発生する。正圧弁が開放され負圧弁が閉じられているとき、正圧経路が確保される。正圧経路が確保されているとき、エアポンプで発生された圧縮空気は直接的にパッド40に供給される。これにより、パッド40に正圧が発生する。
ロボットハンド3の把持によるピッキング動作が開始されると、電磁弁ドライバ301により複数の電磁弁の開閉が制御され、一対のスライダ34が接近する方向に移動され、パッド40に負圧が発生される。ロボットハンド3は、一対のパッド40で第1ワーク300を狭持しながら、第1ワーク300を吸着する。把持部35の先端に吸着パッド40を装着させることにより把持部35によるワークの把持力に、パッド40による吸着力が加わり、第1ワーク300の表面とパッド40の接触面との間の摩擦力は把持単独のそれよりも増大する。従ってロボットハンド3による第1ワーク300の保持力は向上する。
ロボットハンド3の把持機構のリリース動作が開始されると、電磁弁ドライバ301により複数の電磁弁の開閉が制御され、一対のスライダ34が離反する方向に移動され、パッド40に正圧が発生される。これにより、ロボットハンド3は、把持によりピッキングした第1ワーク300をリリースすることができる。
一対のスライダ34には一対の吸着パッド38が取り付けられている。吸着パッド38は弾性材料として例えばシリコーン樹脂で円筒状体に成形される。吸着パッド38の先端面をワークを吸着する吸着面という。吸着パッド38の胴体部分は蛇腹形に成形される。吸着パッド38は円筒状体の軸方向の向きにワークを吸着する。この吸着方向がスライド方向に垂直になるように、吸着パッド38はスライダ34に取り付けられる。一対の吸着パッド38には、一対のエアチューブが接続されている。一対のエアチューブ各々は既出のエアポンプに接続されている。吸着パッドとエアポンプとの間は負圧経路と正圧経路との2系統の配管経路で接続される。負圧経路には負圧弁とエジェクタとが介在される。正圧経路には正圧弁が介在される。負圧弁と正圧弁とは電磁弁である。電磁弁ドライバ301により負圧弁の開閉と正圧弁の開閉とは逆相に制御される。負圧弁が開放され正圧弁が閉じられているとき、負圧経路が確保される。負圧経路が確保されているとき吸着パッド38に負圧が発生する。正圧弁が開放され負圧弁が閉じられているとき、正圧経路が確保される。正圧経路が確保されているとき吸着パッド38に正圧が発生する。
ロボットハンド3の吸着によるピッキング動作が開始されると、電磁弁ドライバ301により複数の電磁弁の開閉が制御され、吸着パッド38に負圧が発生される。吸着パッド38の吸着面が第2、第3ワーク400,500に密着すると、これらの表面と吸着パッド38の筒状部分とで規定される閉空間の空気がエジェクタにより吸引される。これにより、ロボットハンド3は第2、第3ワーク400,500を吸着によりピッキングすることができる。ロボットハンド3の吸着機構のリリース動作が開始されると、電磁弁ドライバ301により複数の電磁弁の開閉が制御され、吸着パッド38に正圧が発生される。これにより、ロボットハンド3は、吸着によりピッキングした第2、第3ワーク400,500をリリースすることができる。
(ロボット装置1の図記号表示) 図3
図3は、図1の多関節アーム機構200を図記号表現により示す図である。多関節アーム機構200において、根元3軸を構成する第1関節部J1と第2関節部J2と第3関節部J3とにより3つの位置自由度が実現される。また、手首3軸を構成する第4関節部J4と第5関節部J5と第6関節部J6とにより3つの姿勢自由度が実現される。
ロボット座標系Σbは第1関節部J1の第1回転軸RA1上の任意位置を原点とした座標系である。ロボット座標系Σbにおいて、直交3軸(Xb、Yb,Zb)が規定されている。Zb軸は第1回転軸RA1に平行な軸である。Xb軸とYb軸とは互いに直交し、且つZb軸に直交する軸である。手先座標系Σhは、手首部4に取り付けられたハンド装置3の任意位置(手先基準点)を原点とした座標系である。例えば、ハンド装置3が2指ハンドのとき、手先基準点(以下、単に手先という。)の位置は2指先間中央位置に規定される。手先座標系Σhにおいて、直交3軸(Xh、Yh,Zh)が規定されている。Xh軸は第6回転軸RA6に平行な軸である。Xh軸とYh軸とは互いに直交し、且つZh軸に直交する軸である。例えば、Xh軸は、ハンド装置3の前後方向に平行な軸である。手先姿勢とは、手先座標系Σhのロボット座標系Σbに対する直交3軸各々周りの回転角(Xh軸周りの回転角(ロール角)α、Yh軸周りの回転角(ピッチ角)β、Zh軸周りの回転角(ヨウ角)γとして与えられる。
第1関節部J1は、第1支持部11と第2支持部12との間に配設されており、回転軸RA1を中心としたねじり関節として構成されている。回転軸RA1は第1関節部J1の固定部が設置される基台の基準面BPに垂直に配置される。
第2関節部J2は回転軸RA2を中心とした曲げ関節として構成される。第2関節部J2の回転軸RA2はロボット座標系上のYb軸に平行に設けられる。第2関節部J2の回転軸RA2は第1関節部J1の回転軸RA1に対して垂直な向きに設けられる。さらに第2関節部J2は、第1関節部J1に対して、第1回転軸RA1の方向(Zb軸方向)と第1回転軸RA1に垂直なYb軸方向との2方向に関してオフセットされる。第2関節部J2が第1関節部J1に対して上記2方向にオフセットされるように、第2支持体12は第1支持体11に取り付けられる。第1関節部J1に第2関節部J2を接続する仮想的なアームロッド部分(リンク部分)は、先端が直角に曲がった2つの鈎形状体が組み合わされたクランク形状を有している。この仮想的なアームロッド部分は、中空構造を有する第1、第2支持体11、12により構成される。
第3関節部J3は移動軸RA3を中心とした直動伸縮関節として構成される。第3関節部J3の移動軸RA3は第2関節部J2の回転軸RA2に対して垂直な向きに設けられる。第2関節部J2の回転角がゼロ度、つまりアーム部2の起伏角がゼロ度であってアーム部2が水平な基準姿勢においては、第3関節部J3の移動軸RA3は、第2関節部J2の回転軸RA2とともに第1関節部J1の回転軸RA1にも垂直な方向に設けられる。ロボット座標系上では、第3関節部J3の移動軸RA3はXb軸及びZb軸に対して垂直なYb軸に平行に設けられる。さらに、第3関節部J3は、第2関節部J2に対して、その回転軸RA2の方向(Yb軸方向)と、移動軸RA3に直交するZb軸の方向との2方向に関してオフセットされる。第3関節部J3が第2関節部J2に対して上記2方向にオフセットされるように、第3支持体13は第2支持体12に取り付けられる。第2関節部J2に第3関節部J3を接続する仮想的なアームロッド部分(リンク部分)は、先端が垂直に曲がった鈎形状体を有している。この仮想的なアームロッド部分は、第2、第3支持体12、13により構成される。
第4関節部J4は回転軸RA4を中心としたねじり関節として構成される。第4関節部J4の回転軸RA4は第3関節部J3の移動軸RA3に略一致するよう配置される。
第5関節部J5は回転軸RA5を中心とした曲げ関節として構成される。第5関節部J5の回転軸RA5は第3関節部J3の移動軸RA3及び第4関節部J4の回転軸RA4に略直交するよう配置される。
第6関節部J6は回転軸RA6を中心としたねじり関節として構成される。第6関節部J6の回転軸RA6は第4関節部J4の回転軸RA4及び第5関節部J5の回転軸RA5に略直交するよう配置される。第6関節部J6は手先効果器としてのハンド装置3を左右に旋回するために設けられている。なお、第6関節部J6は、その回転軸RA6が第4関節部J4の回転軸RA4及び第5関節部J5の回転軸RA5に略直交する曲げ関節として構成されてもよい。
このように複数の関節部J1−J6の根元3軸のうちの一つの曲げ関節部を直動伸縮関節部に換装し、第1関節部J1に対して第2関節部J2を2方向にオフセットさせ、第2関節部J2に対して第3関節部J3を2方向にオフセットさせることにより、本実施形態に係るロボット装置1のロボットアーム機構は、特異点姿勢を構造上解消している。
(ロボット装置1の構成)図4
図4は、図1のロボット装置1の構成を示すブロック図である。ロボット装置1は、多関節アーム機構200を備える。多関節アーム機構200の関節部J1,J2,J3,J4,J5、J6には、アクチュエータとして、それぞれステッピングモータが設けられている。ステッピングモータはドライバユニット201に駆動される。ドライバユニット201は、動作制御装置100からの制御信号に従って、ステッピングモータを駆動する。動作制御装置100からの制御信号は、具体的には、ステッピングモータ各々の位置(関節変数)又は速度を指令する位置指令と、ステッピングモータ各々の発生トルクを指令するトルク指令とからなる。位置指令及びトルク指令は制御装置100から一定周期(制御周期△t)で繰り返し供給される。ステッピングモータ各々のドライブシャフトには、一定の回転角ごとにパルスを出力するロータリエンコーダ202が接続されている。ロータリエンコーダ202からの出力パルスは、カウンタで加減算される。カウンタにより計数された累積パルスにステップ角を乗算することにより関節変数が計算される。
ロボットハンド3には、一対のスライダ34の開閉、一対のパッド40、一対の吸着パッド38の真空吸着機能のON/OFFを制御するために複数の電磁弁の開閉を制御するための電磁弁ドライバ301が設けられている。
動作制御装置100は、システム制御部101を有する。システム制御部101はCPU(Central Processing Unit)と半導体メモリ等を有し、動作制御装置100を統括して制御する。システム制御部101には制御/データバス120を介して、表示制御部108、タスクプログラム記憶部110と、習熟指標処理部111、タスクコントローラ112が接続される。表示制御部108には液晶ディスプレイ等の表示部80が接続される。ドライバユニット201はドライバユニットインターフェース(I/F)109を経由して動作制御装置100に接続される。またマウス、キーボード等の入力デバイスからなる操作部82は操作部インターフェース(I/F)107を経由して動作制御装置100に接続される。詳細は後述するが、通過検知センサ91、速度センサ93、光電センサ95,97、圧力センサ99が、それぞれインターフェース(I/F)102−106を介して動作制御装置100に接続される。
(動作制御装置のセンサ類の説明) 図4
動作制御装置100には、通過検知センサI/F102を介して通過検知センサ91が接続されている。通過検知センサ91には、投光部と、投光部から投光されワークで反射された光を受光する受光部とが一体となった光電センサが適用される。通過検知センサ91は、投光部から投光した光が遮られたとき、つまり、第1ワーク300が通過したとき、通過検知を表す電気信号(通過検知信号)を動作制御装置100に対して送信する。
動作制御装置100には、速度センサI/F103を介して速度センサ93が接続されている。速度センサ93には、例えば、ロータリー/リニアエンコーダ等の任意のセンサが適用される。速度センサ93は、搬送ラインの搬送速度を計測し、計測した搬送速度を表す電気信号を所定の間隔で動作制御装置100に対して送信する。
動作制御装置100には、光電センサI/F104を介して光電センサ95が接続されている。光電センサ95には、投光部と、投光部から投光されワークで反射された光を受光する受光部とが一体となった光電センサが適用される。光電センサ95は、動作制御装置100に対して、所定の周期で電気信号を送信する。光電センサ95は、投光部から投光した光が遮られていない間、動作制御装置100に対してコード「0」に対応する電気信号を送信し、投光部から投光した光が第1ワーク300により遮られている間、動作制御装置100に対してコード「1」に対応する電気信号を送信する。
動作制御装置100には、光電センサI/F105を介して光電センサ97が接続されている。光電センサ97には、投光部と、投光部から投光されワークで反射された光を受光する受光部とが一体となった光電センサが適用される。光電センサ97は、動作制御装置100に対して、所定の周期で電気信号を送信する。光電センサ97は、投光部から投光した光が遮られていない間、動作制御装置100に対してコード「0」に対応する電気信号を送信し、投光部から投光した光が第3ワーク500により遮られている間、動作制御装置100に対してコード「1」に対応する電気信号を送信する。
動作制御装置100には、圧力センサI/F106を介して圧力センサ99が接続されている。圧力センサ99は、ロボットハンド3の吸着部38の内圧を計測し、計測した圧力値を表す電気信号を所定の間隔で動作制御装置100に対して送信する。
動作制御装置100には、操作部I/F107を介して操作部82が接続されている。操作部82は、ロボット装置1に対して操作者が指示を入力するための入力インターフェースとして機能する。操作部82は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスにより構成される。また、操作部82は、後述のタスクプログラムの切り替え処理において、中断したタスクの再開指示を入力するための再開スイッチを備える。
動作制御装置100には、表示部80が接続されている。表示部80としては、典型的に例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等が挙げられる。システム制御部101は、作業者の習熟指標の表示画面のデータを発生し、表示制御部108のフレームメモリに書き込む。表示制御部108は、フレームメモリに書き込まれたデータを読み出し、表示部80に表示する。
動作制御装置100には、ドライバユニットI/F109を介してドライバユニット201が接続されている。
(動作制御装置のタスクプログラム記憶部の説明) 図4
タスクプログラム記憶部110は、複数のタスクプログラムのデータファイルを記憶する。複数のタスクプログラム各々には、習熟度を表すコードが関連付けられている。タスクプログラムは、事前のティーチングにより提供される。タスクプログラムは、ロボット装置1にタスクを実行させるための手順が時間スケールとともに記述されているシーケンスプログラムである。タスクプログラムには、手先基準点又は手首基準点(以下、手先基準点とする)の移動軌道、移動軌道上の作業点、作業点での作業内容、作業時間、作業点の間の移動時間等が記述されている。作業点は、ロボットハンド3の手先基準点の位置とロボットハンド3の手先姿勢とで与えられる。これらは、ロボット座標系で与えられる。また、作業点は、関節変数ベクトルで与えられてもよい。関節変数ベクトルとは関節部J1−J6の6つの関節変数、つまり回転関節部J1、J2、J4−J6の回転角と直動伸縮関節部J3のアーム伸縮距離との6変数をいう。
習熟指標処理部111は、光電センサ95,97の出力に基づいて、作業者の作業習熟度を図る基礎情報としての習熟指標値を計算する。典型的には作業者がシュータ60からチューブ300を取り、箱詰めし、それをシュータ70に置くまでの作業に要する時間を光電センサ95,97の出力に基づいて測定し、その作業時間(単位作業時間という)が短いほど作業者の作業習熟度が高いといえる。習熟指標処理部111による習熟指標の計算処理の詳細については後述する。
タスクコントローラ112は、システム制御部101によりロードされたタスクプログラムに従って、制御周期Δt毎の指令値を発生し、発生した指令値をドライバユニット201と電磁弁ドライバ301とに送信する。
(タスクプログラム記憶部に記憶されている複数のタスクプログラムの説明) 図5
図5は、図4のタスクプログラム記憶部110に記憶される3種類のタスクプログラムの概要を示す図である。タスクプログラム記憶部110には、複数、ここでは3つのタスクプログラムのデータが記憶されている。複数のタスクプログラム各々には、1又は2以上の部分タスクを実行するための手順が記述され、複数のタスクプログラム各々に記述されている部分タスクは互いに相違する。作業者の作業習熟度が高いときほどロボット装置1が担当するタスクを減少させるようタスクプログラムが選択される。
具体的には、第1タスクプログラムは、第1部分タスクと第2部分タスクと第6部分タスクとを実行するための手順が記述され、習熟度「低位」に関連付けされている。第1タスクプログラムがロードされているとき、全体タスクのうち、ロボット装置1は、第1、第2、第6部分タスクを実行することで作業者の作業を支援する。作業者は、第3、第4、第5部分タスクに対応する作業を行うだけでよい。ロボット装置1と作業者との協働作業により全体タスクが完遂される。第2タスクプログラムは、第1部分タスクと第6部分タスクとを実行するための手順が記述され、習熟度「中位」に関連付けされている。第3タスクプログラムは、第6部分タスクを実行するための手順が記述され、習熟度「高位」に関連付けされている。
(タスクプログラムの習熟度「低位」全体タスクの説明) 図6
図6は、本実施形態に係るロボット装置1の手先軌道を示す平面図である。図6は、図5の第1タスクプログラムで記述されている軌道、軌道上の作業点を示す平面図である。第1タスクプログラムは習熟度「低位」に関連付けされ、作業者の単位作業の習熟度が低い場合にロードされるタスクプログラムである。第1タスクプログラムでは、タスクの開始点(終了点)をP0、作業点をP1、P2、P3、P4、P5、P6,P7と表記する。これらの点は例えばロボット装置1のロボット座標系で記述されている。作業点P1、P2は、ライン中心線の上方に設定されている。作業点P2は、作業点P1よりも搬送ラインの下流に設定されている。作業点P3は、搬出シュータ60上に設定されている。作業点P4は、ストックテーブル6上に設定されている。作業点P5は、作業者の手の届く範囲(作業範囲内)に設定されている。作業点P6は、搬入シュータ70上の搬入位置の上方に設定されている。作業点P7は、作業点P2よりも搬送ラインの下流に設定されている。
作業点P1、P3、P4、P6で、ロボット装置1による所定の作業が行われるようにタスクプログラムに作業内容が記述されている。具体的には、作業内容として、作業点P1には把持によるピッキング動作が記述されている。作業点P3には把持機構によるリリース動作が記述されている。作業点P4、P6には吸着によるピッキング動作が記述されている。作業点P7には吸着機構によるリリース動作が記述されている。
システム制御部101により、第1タスクプログラム(低位)がタスクコントローラ112にロードされると、タスクコントローラ112の制御に従って、ロボット装置1は、第1、第2、第6部分タスクを実行する。
タスクコントローラ112は、通過検知センサ91から通過検知信号が出力されたのを契機に、手先基準点を開始点P0から作業点P1、P2、P3、P4を経由してP5まで移動させる。作業点P1から作業点P2にかけて、ロボットハンド3の把持によるピッキング動作が行われ、作業点P3で把持機構のリリース動作が行われる。作業点P1から作業点P3にかけてのロボット装置1の動作により、第1部分タスクが完了し、搬送ライン上を搬送される第1ワーク(チューブ容器)300が搬出シュータ60上に搬送される。
作業点P4でロボットハンド3の吸着によるピッキング動作が行われ、作業点P5に移動される。タスクコントローラ112は、圧力センサ99により計測される圧力値が、所定幅下がったのを契機に、手先基準点を作業点P5から作業点P6、P7を経由して開始点P0に戻させる。作業点P4から作業点P5にかけてのロボット装置1の動作により、第2部分タスクが完了し、組み立て前の第2ワーク400がストックテーブル6から作業者の手元に搬送される。
作業点P6でロボットハンド3の吸着によるピッキング動作が行われ、作業点P7で吸着機構のリリース動作が行われる。作業点P6から作業点P7にかけてのロボット装置1の動作により、第6部分タスクが完了し、搬入シュータ70上に置かれた第3ワーク500が搬送ラインに戻される。
システム制御部101により、第2タスクプログラム(中位)がタスクコントローラ112にロードされると、タスクコントローラ112の制御に従って、ロボット装置1は、第1、第6部分タスクを実行する。タスクコントローラ112は、通過検知センサ91から通過検知信号が出力されたのを契機に、手先基準点を開始点P0から作業点P1、P2、P3、P6、P7を経由して開始点P0に戻させる。作業点P1から作業点P2にかけて、ロボットハンド3の把持によるピッキング動作が行われ、作業点P3で把持機構のリリース動作が行われる。作業点P1から作業点P3にかけてのロボット装置1の動作により、第1部分タスクが完了し、搬送ライン上を搬送される第1ワーク(チューブ容器)300が搬出シュータ60上に搬送される。作業点P6でロボットハンド3の吸着によるピッキング動作が行われ、作業点P7で吸着機構のリリース動作が行われる。作業点P6から作業点P7にかけてのロボット装置1の動作により、第6部分タスクが完了し、搬入シュータ70上に置かれた第3ワーク500が搬送ラインに戻される。
システム制御部101により、第3タスクプログラム(高位)がタスクコントローラ112にロードされると、タスクコントローラ112の制御に従って、ロボット装置1は、第6部分タスクを実行する。タスクコントローラ112は、光電センサ97から出力される電気信号に対応付けされているコードが「0」から「1」に変化したのを契機に、手先基準点を作業点P6の近傍の開始点から作業点P6、P7を経由して開始点に戻させる。作業点P6でロボットハンド3の吸着によるピッキング動作が行われ、作業点P7で吸着機構のリリース動作が行われる。作業点P6から作業点P7にかけてのロボット装置1の動作により、第6部分タスクが完了し、搬入シュータ70上に置かれた第3ワーク500が搬送ラインに戻される。
(習熟指標処理部の詳細説明) 図7
図7は、図4の習熟指標処理部111による習熟指標の計算処理手順を示すフローチャートである。作業者とロボット装置1とにより協働して全体タスク(搬送ラインからチューブ300をとり空箱に詰めて、その箱を搬送ラインに戻す全体作業)が繰り返し行われている。
(工程S11)
光電センサ95の出力に基づいて、開始時刻Tc1が計測される。具体的には、光電センサ95から出力される電圧信号に対応付けされているコードが「1」から「0」に変化した時刻Tc1が計測される。この時刻Tc1は、作業者がシュータ60の搬出位置に置かれていた第1ワーク300を手に取った時刻である。作業者は、第1ワーク300を手に取った後、単位作業を開始する。つまり、時刻Tc1は、作業者が単位作業を開始した開始時刻に略等価である。この単位作業としては、シュータ60からチューブ300を取り、空箱に詰めて、その箱をシュータ70に置くまでの一連の作業単位である。
(工程S12)
光電センサ97の出力に基づいて、終了時刻Tc2が計測される。具体的には、光電センサ97から出力される電圧信号に対応付けされているコードが「0」から「1」に変化した時刻Tc2が計測される。この時刻Tc2は、作業者により搬入シュータ70の任意の位置に置いた第3ワーク500が搬入位置に搬送された時刻である。作業者は、第1ワーク300を手に取った後、その第1ワーク300を第2ワーク400に箱詰めし、箱詰めが完了した第3ワーク500を搬入シュータ70の任意の位置に置き、単位作業を終了する。つまり、時刻Tc2は、作業者が単位作業を終了した終了時刻に略等価である。
(工程S13)
光電センサ95,97の出力に基づいて単位作業時間Ttaxが計算される。具体的には、工程S11で計測した開始時刻Tc1から工程S12で計測した終了時刻Tc2までの時間長を計算することにより、開始時刻Tc1から終了時刻Tc2までの経過時間Ttaxを計算する。この経過時間Ttaxは、単位作業が開始されてから終了されるまでの単位作業時間に略等価である。
(工程S14)
工程S13で計算された単位作業時間Ttaxのデータが習熟指標処理部111のRAM等の一時記憶部に記憶される。この単位作業時間Ttaxのデータは、計測日時、収集回数、ロボット識別番号、作業者識別番号を属性情報として付加されて、図示しない主記憶装置に保存される。
(工程S15)
収集条件を満たすまで、工程S11から工程S14までの処理が繰り返し行われる。収集条件を満たした段階で、次の工程S16に処理が進む。例えば、収集条件は、収集回数又は収集期間で規定される。収集回数は例えば10回、収集期間は例えば作業員の一日分の労働時間(8時間)に5日を乗算した作業累計時間に事前に設定される。ここでは、収集条件が、収集回数が10回に達したときに終了するものとして説明する。工程S11から工程S14までの処理が10回繰り返され、つまり、作業者により単位作業が10回行われ、10回分の単位作業時間(Ttax1,Ttax2,・・・、Ttax9、Ttax10)が収集される。1回目に収集された単位作業時間をTtax1と表記する。単位作業時間Ttax1は、作業者が作業開始して1回目に行った単位作業の作業時間を表す。
(工程S16)
工程S11から工程S15までの処理で収集された単位作業時間(Ttax1,Ttax2,・・・、Ttax9、Ttax10)に基づいて、習熟指標が計算される。習熟指標として、平均作業時間Tave、最長作業時間Tlong、最短作業時間Tshort、習熟指標の標準偏差Tσ等が挙げられる。習熟指標として、これらの中の1つが計算されてもよいし、これらの中のいくつかが計算されてもよい。ここでは、習熟指標として平均作業時間Tave、最長作業時間Tlong、最短作業時間Tshortが計算される。
図7で説明した習熟指標処理部111による習熟指標の計算処理がどのようなタイミングで実行されるかは、操作者により事前に設定されている。例えば、習熟指標の計算処理は、タスクが開始されてから、自動的に繰り返し実行されるように設定されている。習熟指標の計算処理は、所定の経過時間毎、例えば、30分に1回のペースで繰り返し実行される。また、習熟指標の計算処理は、収集条件を満たす毎に繰り返し実行される。なお、習熟指標の計算処理は、操作部82に習熟指標の計算処理の開始ボタンが備えられ、操作者によりその開始ボタンが押されたのを契機に開始されてもよい。
(習熟指標処理部の詳細説明) 図8、図9
図8は、図4のシステム制御部101によるタスクプログラムの変更処理手順を示すフローチャートである。ここでは、タスクコントローラ112に、第2タスクプログラム(中位)がロードされている。また、習熟指標処理部111により習熟指標として平均作業時間、最長作業時間、最短作業時間が計算されている。
(工程S21)
実際に作業期間中に、操作部82を介して操作者により入力された習熟確認処理指示に呼応して習熟指標確認画面が表示部80に表示される。図9は、図8の工程S21において表示部80に表示される表示画面例を示す図である。表示部80には、習熟指標として平均作業時間と最長作業時間と最短作業時間とが、現在稼動しているタスクプログラムを特定する情報、さらに操作者により選択可能な複数、ここでは3種類のタスクプログラムリストがそれぞれの属性情報とともに表示されている。属性情報とはそれぞれのタスクプログラムが対応している習熟度(高位、中位、低位)である。他の属性情報、例えばそれぞれのタスクプログラムが対応している部分タスクのリスト、さらにそれぞれのタスクプログラムに記述されている軌道、手順、作業内容等の具体的タスク内容を表示するようにしても良い。
(工程S22)
操作部82を介して、その作業員の習熟指標としての平均作業時間と最長作業時間と最短作業時間を参照した操作者により3段階の習熟度(高位、中位、低位)が選択される。
(工程S23)
選択された習熟度が、現在稼動中のタスクプログラムの習熟度に比較される。選択された習熟度が、現在稼動中のタスクプログラムの習熟度と相違しないとき、つまり作業員の習熟度が変更されず維持されるとき、システム制御部101によるタスクプログラムの変更処理が終了される。選択された習熟度が、現在稼動中のタスクプログラムの習熟度と相違するとき、つまり当該作業員の習熟度が変更されたとき、次の工程S24が実行される。
(工程S24)
システム制御部101は、タスクプログラムを変更するに際しては安全のために、作業(タスク)を中断させる。システム制御部101からタスクコントローラ112に対して、中断指示を表す制御信号が出力される。
(工程S25)
システム制御部101の制御のもと、工程S22で選択された習熟度に対応するタスクプログラムが、タスクプログラム記憶部110からタスクコントローラ112にロードされる。
(工程S26)
システム制御部101は作業員に対してタスクプログラムが変更されること、つまり、当該作業員が作業する作業範囲が変更することを事前に告知させるために、タスク変更案内を表示部80に表示させる。
(工程S27)
システム制御部101は、作業範囲が変更することを当該作業員が認識するために用意された告知期間を含めた所定時間がS24の作業(タスク)の中断時刻から経過するまで、又は操作部82を介して操作者による作業再開コマンドが入力指示されるまでロボット装置1を待機状態にさせる。
(工程S28)
作業(タスク)の中断から所定時間経過したのを契機に、又は操作部82を介して操作者による再開指示が入力されたのを契機に、システム制御部101からタスクコントローラ112に対して新たにロードされたタスクプログラムに従ってタスクを再開させるための制御信号が出力され、作業(タスク)が再開される。
(タスクタイムの動的な変更処理の説明) 図10
図10は、図4のシステム制御部101によるタスクプログラム上のタスクタイムを動的に変更する処理手順を示すフローチャートである。この処理も実際の作業期間中に実行される。
(工程S31)
まず、作業(タスク)が開始される。このタスクは習熟度(中位)のタスクプログラムでロボット装置1が動作していると仮定して説明する。
(工程S32)
習熟指標処理部111により、タスクタイム変更の基礎データとして事前に習熟指標の中から選択されている典型的には平均作業時間Taveが計算される。
(工程S33)
例えば習熟度が中位にあることを表す作業時間の下限と上限とが予め設定されており、この下限から上限までの範囲(標準範囲という)に対して、システム制御部101によりS32で計算された平均作業時間Taveが比較される。平均作業時間Taveが標準範囲内にあるとき、工程S36を介して工程S32に戻り次周期の平均作業時間Taveの計算完了を待機する。
作業者の作業が遅く、作業者の習熟度が低いとき、平均作業時間Taveが標準範囲を上回る、つまり平均作業時間Taveが標準範囲の上限よりも長くなる。そのとき工程S34に処理が進む。作業者の作業が速く、作業者の習熟度が高いとき、平均作業時間Taveが標準範囲を下回る、つまり平均作業時間Taveが標準範囲の下限よりも短くなる。そのとき工程S35に処理が進む。
(工程S34)
平均作業時間Taveが標準範囲の上限よりも長い場合、作業者が単位作業にかけている作業時間が、習熟度が中位の作業者に比べて平均的に長いことを意味する。したがって、ロードされている習熟度(中位)のタスクプログラムを修正し、ロボット装置1が支援する部分タスクのうち、第1部分タスクのタスクタイムTTstanを、それよりも短いタスクタイムTTshortに変更する。ロボットアーム機構2のハンド3の例えば手先基準点を開始点P0から作業点P1、P2を経由してP3までの移動に要する時間をTTstanからTTshortに短縮する。
TTshortは、予め決められた固定値であってもよいし、平均作業時間Taveに応じて変動する変動値であってもよい。TTshortが変動値に設定されている場合、例えば、タスクタイムTTshortは、平均作業時間TaveとタスクタイムTTshortとの合算した時間が、標準範囲の中間値、つまり習熟度が中位の作業者が行った場合の平均的な作業時間とタスクタイムTTstanとを合算した時間内に収まるように修正される。
ロボット装置1による第1部分タスクのタスクタイムを短く修正することにより、作業者が単位作業にかけられる時間を増加させることができ、それによって全体タスクのタスクタイムの延長を抑制することが可能となる。
(工程S35)
平均作業時間Taveが標準範囲の下限よりも短い場合、作業者が単位作業にかけている作業時間が、習熟度が中位の作業者に比べて平均的に短いことを意味する。したがって、ロードされている習熟度(中位)のタスクプログラムを修正し、ロボット装置1が支援する部分タスクのうち、第1部分タスクのタスクタイムTTstanを、それよりも長いタスクタイムTTlongに変更する。ロボットアーム機構2のハンド3の例えば手先基準点を開始点P0から作業点P1、P2を経由してP3までの移動に要する時間をTTstanからTTlongに延長する。
TTlongは、予め決められた固定値であってもよいし、平均作業時間Taveに応じて変動する変動値であってもよい。TTlongが変動値に設定されている場合、例えば、タスクタイムTTlongは、平均作業時間TaveとタスクタイムTTlongとの合算した時間が、標準範囲の中間値、つまり習熟度が中位の作業者が行った場合の平均的な作業時間とタスクタイムTTstanとを合算した時間程度になるように修正される。
第1部分タスクのタスクタイムが長く修正されることで、ロボット装置1においては、ロボットアーム機構2のハンド3で搬送ライン上の第1ワーク(チューブ)300を把持して作業点P3まで搬送する動作を低速で実行することができる。それにより搬送ライン上でピッキングした第1ワーク300を作業点P3まで搬送させるまでの間に第1ワーク300が脱落するという事態が発生する確率を移動速度が速い場合のそれよりも低減させることが可能となる。また、第1部分タスクのタスクタイムが修正されることで、第1ワーク300の把持によるピッキング動作の期間を長くすることができ、搬送ライン上の第1ワーク300のピッキングの成功確率を向上することができる。
(工程S36)
上記工程S32−S34,S35の処理は作業終了までの間繰り返される。作業期間中、ロボット装置のタスクタイムが作業者の作業速度の変動に応じて動的に変更される。作業者は作業期間中、一定の速度で定常的に作業を継続することはできないものであり、その場合であってもロボット装置のタスクタイムを動的に変更して作業者に与える作業時間を変動させることができ、それにより全体のタスクタイムの変動を抑制することができるようになる。それは搬送ラインに、習熟度等が異なる複数の作業者が並んで作業を繰り返すとき、複数の作業者全体の作業効率を習熟度等が比較的高い作業者に合わせて向上させることができることを意味する。
本実施形態に係るロボット装置1は、肘関節を直動伸縮関節に換装し、例えば、第1関節部J1に対して第2関節部J2を2方向にオフセットさせ、第2関節部J2に対して第3関節部J3を2方向にオフセットさせることにより、特異点姿勢を構造上解消している。これにより、作業者はアーム部2の旋回のみを意識でき、その移動予測性が高く安全性が高いといえる。また、直動伸縮関節部J3のアーム部2は手先から基部10までの直線的な範疇で動くことから、作業者が手先の動きからアーム部2の動きを容易に予測することができる。また、特異点を回避するための急な旋回動作等をする必要がない。以上のことから、本実施形態に係るロボット装置1は、安全柵を不要とし、作業者と協働して作業できる。
本実施形態に係るロボット装置1は、全体タスクを複数の部分タスクに分割し、複数の部分タスクのうち少なくとも1つの部分タスクを支援する。ロボット装置1に担当させる部分タスクは、作業者の作業効率に応じて変更することができる。具体的には、ロボット装置1は、複数の習熟度にそれぞれ対応する複数のタスクプログラムを記憶している。複数のタスクプログラムには、それぞれ相違する部分タスクが含まれる。ロボット装置1は、実際の作業中に、作業者の作業効率を表す習熟指標を計算し、その計算結果を表示部80に表示させる。操作者は、表示された習熟指標を参照した上で、複数の習熟度からその作業者の習熟度を選択する。ロボット装置1は、操作者により選択された習熟度に応じたタスクプログラムをタスクプログラム記憶部110から読み出しタスクコントローラ112にロードする。これにより、ロボット装置1は、実際の作業中の作業者の作業効率に応じて担当する部分タスクを変更することができる。なお、ここでは、操作者により選択された習熟度に従って、タスクプログラムが変更されるとしたが、計算した習熟指標に応じて自動的にタスクプログラムが変更されるようにしてもよい。
また、本実施形態に係るロボット装置1は、全体タスクを複数の部分タスクに分割し、複数の部分タスクのうち少なくとも1つの部分タスクを支援する。ロボット装置1が担当する部分タスクのタスクタイムを、作業者の作業効率(習熟度)に応じて、実際の動作中に動的に修正することができる。具体的には、ロボット装置1は、実際の作業中に、作業者の作業効率を表す習熟指標、例えば平均作業時間を計算し、その平均作業時間を、予め設定した標準範囲に対して比較する。平均作業時間が、標準範囲内か、標準範囲を下回るか、標準範囲を上回るかに応じて、ロボット装置1の担当する部分タスクのタスクタイムを変更するために、タスクプログラムを修正する。平均作業時間が標準範囲内、つまり作業者の習熟度が「中位」の場合には、ロボット装置1のタスクタイムが標準時間に修正される。平均作業時間が標準範囲を上回る、つまり作業者の習熟度が「低位」の場合には、ロボット装置1のタスクタイムが標準時間よりも短くなるように修正され、作業者が作業にあてられる時間を増やす。平均作業時間が標準範囲を下回る、つまり作業者の習熟度が「高位」の場合には、ロボット装置1のタスクタイムが標準時間よりも長くなるように修正され、ロボット装置1の作業精度を向上させる。
以上説明したように、本実施形態に係るロボット装置1は、協働する作業者の習熟度(作業効率)に応じて、担当する部分タスクを増減させることができる。また、本実施形態に係るロボット装置1は、協働する作業者の習熟度(作業効率)に応じて、担当する部分タスクのタスクタイムを増減させることができる。例えば、ライン作業において、習熟度の異なる複数の作業者が配置される場合や、作業者が変更される場合や、作業者が何らかの理由により作業効率を一時的に落としてしまう場合であっても、ロボット装置1に担当させる部分タスクを変更すること、又はロボット装置1の担当する部分タスクのタスクタイムを修正することで、ライン作業の全体の作業効率を維持することができる。
なお、上述では、作業員の習熟程度に応じてロボット装置が担当するタスクのタスクタイムを動的に変更することを説明したが、変更対象はタスクタイムに限定されない。例えば作業員の習熟程度に応じて、ハンドで一度にピッキングするワーク(チューブ)の数を変更するようにしてもよい。作業員の習熟程度が中位の場合にはハンドで一度に2個のワークをピッキングするものとして、作業員の習熟程度が高位の場合にはハンドで一度に3個のワークをピッキングし、作業員の習熟程度が低位の場合にはハンドで一度に1個のワークをピッキングする。
また作業員の習熟程度が中位又は高位の場合には、ハンドでピッキングしたワーク(チューブ)をシュータ等にリリースするに際して、ワークのリリースの向きを揃えることはせず、一方作業員の習熟程度が低位の場合には、ワークの表面側を常に一方向に揃えるようロボット装置側の処理を追加するようにしてもよい。
もちろん作業員の習熟程度に応じてロボット装置が担当するタスクのタスクタイムを動的に変動することに加えて、ハンドで一度にピッキングするワークの数を変動させ、及び/又はワークのリリースの向きを揃えるものであってもよい。
また上述では、作業員の習熟度を測る指標として作業員の作業時間又はその平均時間等を求めていると説明したがそれに限定されない。例えば作業員の習熟度を測る指標としては、ワークの滞留数、作業ワーク数に対する良品ワーク数の割合(歩留まり)、空箱組み立て機械等の作業者の作業を補助する補助機械の使用率であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
80…表示部、82…操作部、91…通過検知センサ、93…速度センサ、95,97…光電センサ、99…圧力センサ、100…動作制御装置、101…システム制御部、102…通過検知センサI/F、103…速度センサI/F、104,105…光電センサI/F、106…圧力センサI/F、107…操作部I/F、108…表示制御部、109…ドライバユニットI/F、110…タスクプログラム記憶部、111…習熟指標処理部、112…タスクコントローラ、200…多関節アーム機構、201…ドライバユニット(関節部J1−J6)、202…ロータリーエンコーダ、301…電磁弁ドライバ。

Claims (2)

  1. 複数の部分タスクからなる全体タスクを作業者とで分担するロボット装置において、
    多関節アーム機構と、
    前記複数の部分タスクのうち前記ロボット装置が担当する部分タスクの数が異なる複数のタスクプログラムを作業者習熟度それぞれ関連付けて記憶する記憶部と、
    前記記憶部から読み出された前記複数のタスクプログラムの一に従って前記多関節アーム機構の動作を制御するタスクコントローラと、
    前記複数の部分タスクのうち、前記複数のタスクプログラムの一に従って動作する前記多関節アーム機構により担当される部分タスクを除く残りの部分タスクを前記作業者が作業するのに要する作業時間を計測する計測部と、
    前記計測された作業時間から導出される平均作業時間、最長作業時間及び最短作業時間を前記複数のタスクプログラムの一に関連付けられている作業者習熟度及び前記複数のタスクプログラムに関連付けられている複数の作業者習熟度とともに表示する表示部と、
    前記表示された複数の作業者習熟度のいずれかを選択する操作者指示に従って前記選択された作業者熟度に関連付けられている前記複数のタスクプログラムのいずれかを前記記憶部から前記タスクコントローラに読み出させる制御部とを具備することを特徴とするロボット装置。
  2. 前記多関節アーム機構は、基部と、前記基部の略中心線に係る第1軸回りのねじり回転のための関節部と前記第1軸に直交する第2軸回りの曲げ回転のための関節部と前記第2軸に直交する第3軸に沿った直動伸縮のための関節部とを有することを特徴とする請求項1記載のロボット装置。
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