以下、本発明を図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるエレベータ装置の概要を示すブロック図である。図2(a)は、当該エレベータ装置が備えるかご1内の模様をかご1の後壁側から見た透視図であり、図2(b)は、かご1内の模様をかご1のかご戸11側から見た透視図である。
図1に示すように、本実施形態のエレベータ装置は、当該エレベータ装置が設置されている施設に(例えば、施設の機械室に)据え付けられた運行制御部3と、エレベータ装置のかご1(図2等参照)に設けられたかご制御部4とを備えている。運行制御部3とかご制御部4は通信可能に接続されている。
エレベータ装置が設置されている施設の各階のエレベータ乗場には、かご1に搭乗しようとする乗客がかご1を呼ぶために操作する乗り場操作盤31が設けられている。運行制御部3は、エレベータ装置の運行を統括的に制御するものであり、乗り場操作盤31が操作されることで送られる乗り場呼び信号や、かご1内に設けられた(又は、後述する操作盤画像6)が操作されることでかご制御部4を介して送られるかご呼び信号等に基づいて、かご1が向かうべき行先階を特定し、当該行先階へのかご1の走行を制御する。かご内操作盤41は、図2(a)に示すように、かご1の後壁12から見てかご戸11の右側に設けられている。
かご1には、かご戸11の開閉状態を検出する戸開閉検知センサ42が設けられている。かご制御部4は、戸開閉検知センサ42から受け取る検知信号に基づいてかご戸11の開閉状態を判定する。戸開閉検知センサ42は、光学式センサやリミットスイッチ等を用いて構成されてよい。
エレベータ装置は、本発明における乗客検知手段を構成するカメラ43を備えている。図2(b)(及び図7a等)に示すように、カメラ43は、レンズをかご戸11側に向けて、かご1の天井におけるかご1の後壁12に近接した場所に配置されている。通常時、カメラ43は、かご戸11を含むかご1内の領域を連続的に広角撮影しており、カメラ43が撮影した画像の画像データは、かご制御部4に送られて、かご制御部4の画像認識処理部51で画像認識処理される。画像認識処理部51は、画像データを画像認識処理することで、かご1に搭乗しようとする乗客を検知すると共に、搭乗後における当該乗客のかご1内における位置を特定する。更に、画像認識処理部51は、画像データを画像認識処理することで、かご1に既に搭乗している乗客の(かご1内における)位置も特定する。
かご1の後壁12の両側には、右側壁13及び左側壁14が設けられており、かご1の天井には、かご1の右側壁13、左側壁14及び後壁12に近接した場所に、第1プロジェクタ44、第2プロジェクタ45及び第3プロジェクタ46が夫々配置されている。第1プロジェクタ44、第2プロジェクタ45及び第3プロジェクタ46は、本発明における表示手段を構成しており、第1プロジェクタ44はかご1の右側壁13に、第2プロジェクタ45は左側壁14に、第3プロジェクタ46は後壁12に、操作盤画像6を投写することができる。かご制御部4の画像表示処理部52は、第1プロジェクタ44、第2プロジェクタ45及び第3プロジェクタ4による操作盤画像6の投写を制御する。図2(a)及び(b)では、説明のため、右側壁13、左側壁14及び後壁12の夫々の中央付近に投写された操作盤画像6が破線で示されている。
本実施形態では、第1プロジェクタ44、第2プロジェクタ45及び第3プロジェクタ46として短焦点プロジェクタが使用されている。従って、右側壁13、左側壁14又は後壁12の近くに乗客が存在している場合であっても、これらプロジェクタから放射された光は、乗客に遮られることなくこれらの壁に到達して、操作盤画像6が表示される。各壁に表示される操作盤画像6の大きさ、意匠及び表示位置は動的に変更可能である。
図3(a)は、操作盤画像6の一例を示す説明図である。操作盤画像6は、かご内操作盤41のような実際に存在しているかご内操作盤を模したものになっており、戸開ボタン画像61、戸閉ボタン画像62、複数の行先階指定ボタン63a−f(本実施形態では、かご1は、1乃至6階の各々に停止可能としている)、かご1の停止階や行先階等の情報を表示する表示部64とを含んでいる。本実施形態では、図3(b)に示すように、操作盤画像6は、縦方向に縮小された形態でも表示されるが、その詳細については後述する。
かご1の天井には、右側壁13の上側の両隅の近傍に、第1タッチ検出部47aと第2タッチ検出部47bが設けられている。更に、かご1の天井には、左側壁14の上側の両隅の近傍に、第3タッチ検出部48aと第4タッチ検出部48bが設けられており、後壁12の上側の両隅の近傍に、第5タッチ検出部49aと第6タッチ検出部49bが設けられている。
かご1の前壁15、床16及び後壁12には、右側壁13の縁に沿って第1再帰反射テープ21が貼られており、左側壁14の縁に沿って第2再帰反射テープ22が貼られている。また、かご1の床16、右側壁13及び左側壁14には、後壁12の縁に沿って第3再帰反射テープ23が貼られている。
本実施形態では、所謂赤外線光学イメージング方式を用いることで、かご1の右側壁13、左側壁14及び後壁12をタッチパネルのように機能させており、第1乃至第6タッチ検出部47a−b,48a−b,49a−bと、第1乃至第3再帰反射テープ21−23とは、本発明のタッチ検出手段を構成している。図4は、右側壁13におけるタッチ検出手段の検出動作を説明する説明図であり、図5は、第1タッチ検出部47aの構成を示す説明図である。
第1タッチ検出部47aは、赤外線を放射する2つの赤外線LED71と、広角の結像レンズ72と、乗客の指の像を検出する赤外線イメージセンサ73とを備えている。第2タッチ検出部47bは、第1タッチ検出部47aと同様な構成を有しているが、構成要素の向きが、第1タッチ検出部47aとは異なっている。乗客が右側壁13に表示された操作盤画像6を指でタッチすると、第1タッチ検出部47a及び第2タッチ検出部47bの各々の赤外線イメージセンサ73では、結像レンズ72を介して、乗客の指の暗い像が、第1再帰反射テープ21の明るい像を遮るように検出される。
かご制御部4のタッチ入力処理部53は、第1タッチ検出部47a及び第2タッチ検出部47bの赤外線イメージセンサ73が夫々撮像した画像における指の像の位置から、第1タッチ検出部47aに対するタッチ位置Pの角度θ1と、第2タッチ検出部47bに対するタッチ位置Pの角度θ2とを求めて、三角測量の原理に基づいて、右側壁13上にて指が位置するタッチ位置Pの座標(X、Y)を算出する。
かご1の右側壁13に第1プロジェクタ44によって操作盤画像6が投写されている場合に、乗客によりタッチ操作が右側壁13になされると、かご制御部4のタッチ入力処理部53は、算出されたタッチ位置Pの座標(X、Y)が、右側壁13に投写されている操作盤画像6に含まれるどのボタンの画像に対応しているかを、即ち、操作盤画像6に含まれる乗客がタッチしたボタン画像を特定する。そして、かご制御部4は、乗客がタッチしたボタンに対応した処理を実行する。何れかの行先階指定ボタン63a−fがタッチされた場合には、かご制御部4は、その行先階指定ボタン63a−fに対応した行先階の情報を運行制御部3に送る。運行制御部3は、指定された行先階の情報をかご制御部4から受け取ると、行先階を登録して、当該行先階に着床するようにかご1を運行する。操作盤画像6に含まれる戸開ボタン画像61又は戸閉ボタン画像62がタッチされた場合には、かご制御部4は、かご戸11を開ける又は閉じるようにかご戸11を駆動するモータ(図示せず)を制御する。
第3タッチ検出部48a及び第4タッチ検出部48bは、第1タッチ検出部47a及び第2タッチ検出部47bと夫々同様に構成されており、かご1の左側壁14になされたタッチ操作のタッチ位置も、右側壁13と同様に算出される。かご1の左側壁14に第2プロジェクタ45によって操作盤画像6が投写されている場合に、乗客によりタッチ操作が左側壁14になされると、かご制御部4のタッチ入力処理部53は、上記のように乗客がタッチしたボタン画像を特定する。そして、かご制御部4は、乗客がタッチしたボタンに対応した処理を実行する。
また、第5タッチ検出部49a及び第6タッチ検出部49bは、第1タッチ検出部47a及び第2タッチ検出部47bと夫々同様に構成されており、かご1の後壁12になされたタッチ操作のタッチ位置も、右側壁13と同様に算出される。かご1の後壁12に第3プロジェクタ46によって操作盤画像6が投写されている場合に、乗客によりタッチ操作が左側壁14になされると、かご制御部4のタッチ入力処理部53は、上記のように乗客がタッチしたボタン画像を特定する。そして、かご制御部4は、乗客がタッチしたボタンに対応した処理を実行する。
かご制御部4は、CPUと、不揮発性メモリと、揮発性メモリとを用いて実現される(図1では何れも図示せず)。不揮発性メモリは、例えばEEPROMやフラッシュROMであって、かご制御部4の記憶部54を構成してよい。不揮発性メモリには、画像認識処理部51、画像表示処理部52及びタッチ入力処理部53における処理を記述したプログラムや、後述するフローチャートに示す処理を記述した制御プログラム等が予め格納されている。揮発性メモリは例えばRAMであって、不揮発性メモリに格納された各種制御プログラムを実行する際のワークエリアとしてCPUによって利用され、不揮発性メモリと共に、かご制御部4の記憶部54を構成してよい。
本実施形態のエレベータ装置は、ある階に着床したかご1にその階のエレベータ乗場から搭乗する乗客がいる場合に、かご1内に操作盤画像6を表示すると共に、かご戸11又はかご1の前壁15から、或いは、かご戸11が開いたことで生じるかご1の乗降口17から遠ざかるように操作盤画像6を移動させることで、新たな乗客をかご1内の適切な場所に誘導することを特徴としている。
図6(a)及び図6(b)は、本実施形態のエレベータ装置における乗客配置領域の設定例を示す説明図である。図6(a)は、かご1の適正な最大乗客数が9人である場合の乗客配置領域を示しており、図6(b)は、かご1の適正な最大乗客数が16人である場合の乗客配置領域を示している。これらの図において、番号を付された矩形の各領域は、1人の乗客が配置されるかご1の床16の部分に対応しており、付された番号は、乗客誘導における又はかご1内の乗客配置における優先順位を示している。なお、番号が小さいほど優先順位は高く、番号が付された各領域の面積は同じである。
図6(a)において、番号が付されていない領域には、1人の乗客が配置され、図6(b)において、番号が付されていない領域には、2人の乗客が配置されることを想定しているが、これらの領域は、乗降口17の前にあるため、本実施形態のエレベータ装置では、これらの領域に乗客を積極的に誘導することは行われない。なお、全ての乗客配置領域に乗客が配置された状態で、新たな乗客がかご1に搭乗する場合には、当該乗客は、番号が付されていない領域に必然的に誘導されることになるであろう。
以下、本発明のエレベータ装置で行われる乗客誘導処理について、具体例を提示して説明するが、特に断らない限り、図6(a)に示す乗客配置領域が設定されているものとする。
図7a乃至cは、本実施形態のエレベータ装置にて行われる乗客誘導処理の一例を説明する説明図であって、空かご状態であるかご1に第1乗客91が搭乗する際に行われる乗客誘導処理の模様を示している。図8(a)は、かご戸11が開いた後における、かご1内の模様をかご1の後壁側から見た透視図であり、図8(b)は、かご1内の模様をかご1のかご戸11側から見た透視図である。図8(a)及び(b)は、図7aに示す状態に対応している。
空かご状態であるかご1に第1乗客91が搭乗する場合には、図6(a)に示す領域1(つまり、右側壁13に隣接している最も奥にある領域)に乗客が誘導されるように、乗客誘導処理が行われる。かご戸11が開いて乗降口17が開放されることで、エレベータ乗場でかご1を待っていた第1乗客91は、カメラ43によって撮影される。カメラ43で撮影されることで第1乗客91が検知されると、図7a、図8(a)及び(b)に示すように、幅方向について中央付近にある右側壁13上の第1位置に、図3(b)に示すような縮小した形態の操作盤画像6が第1プロジェクタ44によって投写される。図3(b)に示す操作盤画像6では、行先階指定ボタン63a−fを含む領域のみが縦に縮小されている。本発明において、操作盤画像6の縮小形態は図3(b)に示した例に限定されないが、縮小された形態でも操作盤の画像であることが乗客に容易に理解できることが好ましい。
かご1内に入った第1乗客91は、操作盤画像6を見ることで、それを操作しようとして、操作盤画像6に近づく。第1乗客91が操作盤画像6の付近に達したことが、カメラ43で撮影される画像に基づいて検知されると、図7bに示すように、第1プロジェクタ44は、かご1の乗降口17から遠ざかるように、右側壁13に表示している操作盤画像6を移動させる。これにつられて、第1乗客91は、操作盤画像6を追っかけて、図6(a)に示す領域1へと移動する。本実施形態では、操作盤画像6は、移動に伴って高さ方向に徐々に大きくなる。
図7cに示すように、操作盤画像6は、領域1に対応した右側壁13上の第2位置にて停止する。例えば、第2位置にて、操作盤画像6の鉛直方向に沿った中心線は、かご1の後壁12から右側壁13の幅の略1/6の距離だけ離れている。移動に伴って大きくされていた操作盤画像6は、第2位置にて、図3(a)に示すような通常形態に至る。第1乗客91は、第2位置に表示されている通常形態の操作盤画像6に対してタッチ操作を行うことで、所望の行先階を指定し、又はかご戸11の開閉を行うことができる。
図9a乃至cは、本実施形態のエレベータ装置にて行われる乗客誘導処理の一例を説明する説明図であって、図6(a)に示す領域1に第1乗客91が存在している場合に、図6(a)に示す領域2(つまり、右側壁13側にて中央にある領域)に第2乗客92が新たに搭乗する際に行われる乗客誘導処理の模様を示している。
カメラ43で撮影されることで、エレベータ乗場でかご1を待っている第2乗客92が検知されると、図9aに示すように、幅方向について乗降口17から右側壁13の幅の1/4程度離れている右側壁13上の第1位置に、図3(b)に示すような縮小した形態の操作盤画像6が第1プロジェクタ44によって投写される。
かご1内に入った第2乗客92は、操作盤画像6を見ることで、それを操作しようとして、操作盤画像6に近づく。第2乗客92が操作盤画像6の付近に達したことが、カメラ43で撮影される画像に基づいて検知されると、図9bに示すように、第1プロジェクタ44は、かご1の乗降口17から遠ざかるように、右側壁13に表示している操作盤画像6を移動させる。これにつられて、第1乗客91も、図6(a)に示す領域2へと移動する。操作盤画像6は、移動に伴って高さ方向に徐々に大きくなる。
図9cに示すように、操作盤画像6は、幅方向について右側壁13の中央付近にあって、領域2に対応している右側壁13上の第2位置にて停止する。また、移動に伴って大きくなっていた操作盤画像6は、第2位置にて、図3(a)に示すような通常形態に至る。第2乗客92は、第2位置に表示されている通常形態の操作盤画像6に対してタッチ操作を行うことで、所望の行先階を指定し、又はかご戸11の開閉を行うことができる。
図10a乃至bは、本実施形態のエレベータ装置にて行われる乗客誘導処理の一例を説明する説明図であって、図6(a)に示す領域1及び2に夫々乗客93が存在している場合に、図6(a)に示す領域6(つまり、右側壁13側にて乗降口17の近くにある領域)に新たな乗客94が搭乗する際に行われる乗客誘導処理の模様を示している。領域1及び2に加えて領域3乃至5にも乗客が存在しているが、図10a乃至bでは、これらの乗客については図示されていない。
カメラ43で撮影されることで、エレベータ乗場でかご1を待っている乗客94が検知されると、図10aに示すように、幅方向について乗降口17から右側壁13の幅の1/4程度離れている右側壁13上の位置に、図3(b)に示すような縮小した形態の操作盤画像6が第1プロジェクタ44によって投写される。
かご1内に入った乗客94は、操作盤画像6を見ることで、それを操作しようとして、操作盤画像6に近づく。乗客94が操作盤画像6の付近に達したことが、カメラ43で撮影される画像に基づいて検知されると、図10bに示すように、第1プロジェクタ44は、操作盤画像6を拡大して、図3(a)に示す通常表示にする。乗客94は、右側壁13に表示されている通常形態の操作盤画像6に対してタッチ操作を行うことで、所望の行先階を指定し、又はかご戸11の開閉を行うことができる。
図11a乃至bは、本実施形態のエレベータ装置にて行われる乗客誘導処理の一例を説明する説明図であって、図6(a)に示す領域1、3乃至6の各々に乗客93が存在している場合に、図6(a)に示す領域2に新たな乗客94が搭乗する際に行われる乗客誘導処理の模様を示している。このような状況は、領域1乃至6の各々に乗客が存在していた状況から、領域2に存在していた乗客がかご1から降りた場合に生じる。
カメラ43で撮影されることで、エレベータ乗場でかご1を待っている乗客94が検知されると、図11aに示すように、幅方向について乗降口17から右側壁13の幅の1/4程度離れている右側壁13上の第1位置に、図3(b)に示すような縮小した形態の操作盤画像6が第1プロジェクタ44によって投写される。しかしながら、このケースでは、図9aに示したケースと比較して、第1位置はより高い位置とされる。これにより、領域6に乗客が存在していても、領域6に存在している乗客93に邪魔されずに乗客94が操作盤画像6を容易に視認することができる。
乗客94が操作盤画像6の近くに来たことが、カメラ43で撮影される画像に基づいて検知されると、右側壁13に表示している操作盤画像6を移動させる。これにつられて、乗客94も、図6(a)に示す領域2付近へと移動する。操作盤画像6は、移動に伴って高さ方向に徐々に大きくなる。
その後、図11bに示すように、操作盤画像6は、幅方向について右側壁13の中央付近で図3(a)に示すような通常形態に至った後、下降して、図9cに示した第2位置にて停止する。乗客94は、第2位置に表示されている操作盤画像6を操作するために、領域2へと移動する。
図6(a)に示す領域5に乗客を誘導する場合(領域1乃至4には乗客が存在している)には、例えば、領域1及び領域2の乗客で遮られる可能性が低い十分な高さで縮小形態の操作盤画像6を右側壁13上の第1位置に表示する。その後、乗客が操作盤画像6に近づくと、操作盤画像6は、拡大しつつ、乗降口17から離れるように移動を開始し、最終的に、幅方向中央付近にある後壁12上の領域5に対応した位置まで移動し、通常形態の大きさになって、下降して第2位置で停止する(図2(b)参照)。操作盤画像6の表示は、最初は第1プロジェクタ44によって行われ、次に第3プロジェクタ46によって行われる。
或いは、領域5に乗客を誘導する場合には、縮小形態の操作盤画像6を左側壁14上の第1位置に表示して、後壁12上第2位置まで先と同様に移動させてよい。操作盤画像6の表示は、最初は第2プロジェクタ45によって行われ、次に第3プロジェクタ46によって行われる。また、乗客が検知されると、縮小された形態の操作盤画像6が幅方向中央付近にて後壁12に第3プロジェクタ64によって表示されて、乗客が近づくにつれて通常の大きさへと拡大することで、乗客が領域5に誘導されてよい。
領域3への乗客誘導処理は、操作盤画像6が表示される壁が右側壁13ではなく、左側壁14であることを除いて、領域1への乗客誘導処理と同様に行われる。領域4への乗客誘導処理は、操作盤画像6が表示される壁が右側壁13ではなく、左側壁14であることを除いて、領域2への乗客誘導処理と同様に行われる。領域7への乗客誘導処理は、操作盤画像6が表示される壁が右側壁13ではなく、左側壁14であることを除いて、領域6への乗客誘導処理と同様に行われる。
図12a及び図12bは、本実施形態のエレベータ装置にて行われる乗客誘導処理の一例を説明する説明図であって、図6(a)に示す領域1乃至7の各々に乗客93が存在している場合に、図6(a)に示す領域8に新たな乗客94が搭乗する際に行われる乗客誘導処理の模様を示している(領域3、4、5及び7の乗客93の図示は省略)。
カメラ43で撮影されることで、エレベータ乗場でかご1を待っている乗客94が検知されると、図12aに示すように、幅方向について乗降口17から右側壁13の幅の1/4程度離れている右側壁13上の第1位置に、縮小した形態の操作盤画像6が第1プロジェクタ44によって投写される。第1位置は、図11aに示した操作盤画像6の第1位置と同様にされる。
乗客94が操作盤画像6の近くに来たことが、カメラ43で撮影される画像に基づいて検知されると、右側壁13に表示している操作盤画像6を移動させる。これにつられて、乗客94も、領域2と領域6の境目付近へと移動する。操作盤画像6は、移動に伴って高さ方向に徐々に大きくなる。
その後、図12bに示すように、操作盤画像6は、領域1と領域2の境目付近で通常形態に至った後、下降して第2位置にて停止する。乗客94は、領域1と領域2の境目付近で表示されている操作盤画像6を操作するために、領域8へと移動する。なお、操作盤画像6が最終的に配置される第2位置は、領域1と領域5の境目付近、領域3と領域5の境目付近であってもよい。また、操作盤画像6は、最初から後壁12に表示されて、乗客の接近に伴って通常形態へと拡大されてよい。
本実施形態では、かご1内に表示された通常形態の操作盤画像6は、停止していたかご1が目的階に向かって起動すると、図13に示すように、拡大ボタン画像65を含んだ縮小形態にされる。拡大ボタン画像65がタッチ操作されることで、操作盤画像6は、図3(a)に示す通常形態に戻される。通常形態に戻された操作盤画像6にタッチ操作がなされた後、又はタッチ操作がなされずに所定の時間が経過すると、操作盤画像6は、図13に示す、拡大ボタン画像65を含む縮小形態にされる。
図14は、本実施形態のエレベータ装置で行われる乗客誘導制御の概要を示すフローチャートである。かご1がある階に着床して、戸開検知センサ42からの信号に基づいてかご戸11が開状態になると、かご制御部4は、図14に示す乗客誘導制御を実行する。まず、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像に基づいて、かご1内の乗客が降車することで新たな空きの乗客配置領域が生じたか否かを判定する(ステップS1)。本実施形態では、かご1内の乗客の各々に対して操作盤画像6がかご1内に表示される。ステップS1で、新たな空きの乗客配置領域が生じたと判定されると、かご制御部4の画像表示処理部52は、その空きの乗客配置領域に対応した不要な操作盤画像6を消去する(ステップS2)。
ステップS1にて、空きの乗客配置領域が新たに生じていないと判定されると、又は、ステップS2の後、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像に基づいて、かご1に搭乗しようとする乗客がいるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3にて、かご1に搭乗しようとする乗客がいると判定された場合、かご制御部4は、カメラ43の画像に基づいて認識される個々の乗客について、上述したような誘導処理を実行する(ステップS4)。ステップS4の詳細については後述する。
ステップS4の後、又は、ステップS3にて、かご1に搭乗しようとする乗客がいないと判定されると、かご制御部4は、かご戸11が閉じられて、更にかご1が目的階に向かって移動を開始したか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5で、かご1が移動を開始していないと判定されると、ステップS3以後の処理が再度行われる。
ステップS5にて、かご1が目的階に向かって移動を開始したと判定されると、かご制御部4の画像表示処理部52は、かご1内に通常形態の操作盤画像6が表示中であるか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6にて、かご1内に通常状態の操作盤画像6が表示中であると判定された場合、かご制御部4の画像表示処理部52は、通常形態で表示中の操作盤画像6の各々を図13に示す縮小形態にする(ステップS7)。ステップS7の後、又は、ステップS6にて、かご1内に操作盤画像6が表示されていないと判定されると、処理は終了する。
図15は、図14のステップS4の詳細を示すフローチャートである。ステップS4では、図15に示す処理が、(かご1に搭乗する)検知された乗客ごとに乗車順に並列的に実行される。まず、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像とかご制御部4の記憶部54の乗客配置領域利用情報とに基づいて、かご1内に空である乗客配置領域があるか否を判定する(ステップS21)。ステップS21にて、空である乗客配置領域がないと判定された場合には、処理は終了する。
ステップS21にて、空である乗客配置領域があると判定された場合、かご制御部4は、優先順位が最も高い空である乗客配置領域を特定する(ステップS22)。ステップS22では、特定された乗客配置領域が使用済みである旨が、乗客配置領域利用情報としてかご制御部4の記憶部54に記憶される。図15に示す処理が複数の乗客に対して順次行われる場合、最初の乗客以外の乗客に対してなされる処理では、ステップS21において、カメラ43の画像からは空きと認識されても、乗客配置領域利用情報に基づいて使用済みとされている乗客配置領域は空ではないと判定される。これによって、図15のフローチャートに示す処理が複数の乗客に対して乗車順に並列的に実行される場合に、同じ乗客配置領域に複数の乗客を誘導する事態が避けられる。なお、この乗客配置領域利用情報は、図14に示すステップS4が終了した後(例えば、図14に示すステップS5にてかご1が目的階に向けて移動を開始したと判定されると)リセットされる。
かご制御部4は、ステップS22の後、ステップS22で特定された乗客配置領域が、操作盤画像6を移動させることで乗客を誘導するものであるか否かを判定する(ステップS23)。図6(a)に示した例では、ステップS23において、ステップS22で特定された乗客配置領域が、領域1乃至5及び領域8の何れかに該当するか否かが判定される(領域5及び8への乗客誘導の際に操作盤画像6を移動させない場合には、領域5及び8は除外される)。
ステップS23において、ステップS22で特定された乗客配置領域が、操作盤画像6を移動させることで乗客を誘導するものではないと判定された場合、かご制御部4の画像表示処理部52は、第1又は第2プロジェクタ45を制御して、適切なかご1内の所定の位置に縮小形態の操作盤画像6を表示する(ステップS24)。図6(a)に示した例では、領域6に対応した右側壁13上の所定の位置、又は領域7に対応した左側壁14上の所定の位置に、縮小形態の操作盤画像6が表示される(領域5及び8への乗客誘導の際に操作盤画像6を移動させない場合、第3プロジェクタ46が使用されて、領域5又は8に夫々対応した後壁12上の所定の位置でも操作盤画像6が表示される)。
ステップS24の後、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像に基づいて、誘導すべき乗客が操作盤画像6に所定の距離又は範囲まで近づいたか否かを判定し(ステップS25)、誘導すべき乗客が近づいたと判定すると、通常形態になるまで操作盤画像6を拡大する(ステップS26)。
ステップS23にて、ステップS22で特定された乗客配置領域が、操作盤画像6を移動させることで乗客を誘導するものであると判定された場合、かご制御部4の画像認識処理部51は、操作盤画像6の移動に関して障害となる乗客がかご1内に存在しているか否かを判定する(ステップS27)。
ステップS27にて、障害となる乗客がかご1内に存在していないと判定された場合、かご制御部4の画像表示処理部52は、第1プロジェクタ44又は第2プロジェクタ45を制御して、乗客を誘導する乗客配置領域に対応したかご1内の所定の初期位置に、縮小形態の操作盤画像6を表示する(ステップS28)。図6(a)に示した例では、領域1、2、5又は8に対応した右側壁13上の初期位置に、或いは、領域3又は4に対応した右側壁13上の初期位置に、縮小形態の操作盤画像6が表示される。
ステップS28の後、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像に基づいて、誘導すべき乗客が操作盤画像6に所定の距離又は範囲まで近づいたか否かを判定し(ステップS29)、誘導すべき乗客が近づいたと判定すると、かご制御部4の画像表示処理部52は、第1プロジェクタ44又は第2プロジェクタ45を制御して、或いは更に第3プロジェクタ46をも制御して、操作盤画像6を拡大させつつ最終位置まで操作盤画像6を移動させることを開始する(ステップS30)。先に説明したように、操作盤画像6は、かご1の乗降口17から遠ざかるように移動する。
ステップS30の後、かご制御部4の画像表示処理部52は、最終位置まで操作盤画像6を移動させると共に、最終位置にて通常形態の操作盤画像6を表示する(ステップS31)。
ステップS27にて、障害となる乗客がかご1内に存在していると判定された場合、かご制御部4の画像表示処理部52は、ステップS28と同様にして、乗客を誘導する乗客配置領域に対応したかご1内の所定の初期位置に、縮小形態の操作盤画像6を表示する(ステップS32)。しかしながら、ステップS32では、ある乗客配置領域への誘導のために表示される操作盤画像6の初期位置は、同じ乗客配置領域への誘導のためにステップS28にて表示される操作盤画像6の初期位置よりも高くなっている。
ステップS32の後、かご制御部4の画像認識処理部51は、カメラ43の画像に基づいて、誘導すべき乗客が操作盤画像6に所定の距離又は範囲まで近づいたか否かを判定し(ステップS33)、誘導すべき乗客が近づいたと判定すると、かご制御部4の画像表示処理部52は、第1プロジェクタ44又は第2プロジェクタ45を制御して、或いは更に第3プロジェクタ46をも制御して、操作盤画像6を拡大させつつ目的位置まで操作盤画像6を移動させることを開始する(ステップS34)。
ステップS34の後、かご制御部4の画像表示処理部52は、目的位置まで操作盤画像6を移動させた後、目的位置から最終位置へと操作盤画像6を降下させる(ステップS35)。目的位置にて、操作盤画像6は通常表示にされる。ステップS26、S31又はS35が完了すると一人の乗客に対する誘導処理は終了する。
かご1内に表示される操作盤画像6の形態又は意匠は、図3(a)に例示したような実存のかご内操作盤41に忠実に対応したものではなく、かご1の運行状態に応じて、適宜変更されてよい。具体的には、乗客がかご1に搭乗する階と、及び/又は、乗客が搭乗した後にかご1が向かう目的階とに応じて、操作盤画像6に含まれる少なくとも1つのボタン画像の意匠、及び/又は、操作盤画像6に含まれるボタン画像の組合せが変更されてよい。
図16(a)は、かご1が1階に停止しており、かご戸11が開状態にある場合に表示される操作盤画像6の一例であって、1階を指定する行先階指定ボタン画像63aは、この状況において操作される必要がないことから表示されていない。また、この状況では、開状態を維持するために戸開ボタン画像61が押されるケースが多いことから、戸開ボタン画像61は、戸閉ボタン画像62よりも大きく表示されている。図16(b)に示すように、かご戸11が閉状態にある場合、又はかご戸の開閉中においては、戸閉ボタン画像62は省略されてもよい。当然のことながら、かご制御部4は、ボタン画像が省略されている領域がタッチされてもそのボタン画像に対応した処理を実行しない。
1階から目的階に向かってかご1が動き出した後においては、戸開ボタン画像61と戸閉ボタン画像62は、図16(c)に示すように、操作盤画像6に含められなくてもよい。なお、上記の実施形態では、かご1が動き出した後に、操作盤画像6は、図13に示す縮小形態にされており(図14のステップS7)、図16(c)に示すような、戸開ボタン画像61と戸閉ボタン画像62を含まない操作盤画像6は、図13の拡大ボタン画像65が押された後に表示される。
例えば、かご1の目的階が3階である場合、かご1が2階を通過した後、拡大ボタン画像65がタッチされることで表示される通常形態の操作盤画像6では、図17(a)に示すように、1階及び2階用の行先階指定ボタン画像63a−bと、戸開ボタン画像61と戸閉ボタン画像62とが省略されてよい。かご1が3階に停止しており、かご1が向かう目的階が4乃至6階の何れかである場合、かご戸11が開状態にあると、図17(b)に示すように、図16(a)に示す形態から1乃至3階用の行先階指定ボタン画像63a−cが省略された形態の操作盤画像6が表示されてよい。かご1の目的階が4乃至6階の何れかであることから、1乃至3階用の行先階指定ボタン画像63a−cが省略されることで、所謂逆呼びによる行先階指定がなされないようにされる。図17(c)は、かご1が6階に停止しており、かご戸11が開状態にある場合に表示される操作盤画像6の例を示す。
かご1の走行中に表示される拡大ボタン画像65付きの縮小形態の操作盤画像6は、拡大ボタン画像65がタッチ操作された後に表示される通常形態の操作盤画像6の構成に拘わらず、同じであってよい。或いは、拡大ボタン画像65付きの縮小形態の操作盤画像6でも、かご1の運行状態に応じて一部のボタン画像が非表示にされてよい。当該縮小形態の操作盤画像6は、かご1の運行状態に応じて、例えば、図16(a)−(c)及び図17(a)−(c)に例示した操作盤画像6を縮小して拡大ボタン画像65を付したものとされる。
上記の例では、かご1の運行状態や動作状態等に基づいて、不要であるボタン画像又は操作されることが好ましくないボタン画像が操作盤画像6から省略されている。しかしながら、このようなボタン画像がボタン画像は、省略されるのではなく、他のボタン画像と意匠的に区別された状態で、例えば「すかし」表示された状態で操作盤画像6に含められてよい。図18は、図17(b)に示した操作盤画像6の変形例を示している。1乃至3階用の行先階指定ボタン画像63a−cは、無効であるとして「すかし」表示されている(図では、破線で表示)。かご制御部4は、「すかし」表示されているボタン画像がタッチ操作されてもそのボタン画像に対応した処理を行わない。
上記の実施形態では、例えば、操作盤画像6に対して所定のタッチ操作を行うことで、操作盤画像6の設定用画面(図示せず)がかご1内に表示されてよい。設定用画面を呼び出すタッチ操作は、例えば、複数のボタン画像の同時押しであって、乗客が容易に実行できないものとされる。設定用画面では、設定用画面の背景色、ボタン画像の色や形状、上述したボタン画像の省略の有無などが設定される。
上記の実施形態では、操作盤画像6は、第1プロジェクタ44、第2プロジェクタ45、又は第3プロジェクタ46から、かご1の右側壁13、左側壁14又は後壁12に投写されている。しかしながら、本発明のエレベータ装置では、の右側壁13、左側壁14及び後壁12の各々に沿って表示パネル部を設けて、これら表示パネル部に操作盤画像6が表示されてよい。各表示パネル部は、例えば、1又は複数の平面ディスプレイで構成されてよく、平面ディスプレイとしては、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイが使用されてよい。また、表示パネル部が液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの平面ディスプレイで構成される場合、表示パネル部をタッチパネルとすることで、上述したような第1乃至第6タッチ検出部47a−b,48a−b,49a−b及び第1乃至第3再帰反射テープ23を、かご1内に設ける必要はなくなる。しかしながら、このような実施形態は、乗客から衝撃を受けることで表示パネル部が故障する虞がある点で好ましくない。
表示パネル部として、平面ディスプレイではなく、背面透過型パネルが使用されてもよく、先の実施形態に似たような構成となる。図19(a)は、背面透過型パネルである表示パネル部を用いた実施形態について、かご1内の模様をかごの後壁側から見た透視図であり、図19(b)は、かご内の模様をかごのかご戸側から見た透視図である。かご1内には、右側壁13に沿って、第1表示パネル部81が設けられている。第1表示パネル部81は、右側壁13から離間して配置されている。更に、かご1内には、左側壁14に沿って第2表示パネル部82が、左側壁14から離間して配置されており、後壁12に沿って第3表示パネル部83が、後壁12から離間して配置されている。
背面透過型パネルである第1乃至第3表示パネル部81−83は、例えば、アクリル等の透明樹脂やガラスで形成された透明な基板と、当該基板の背面側に形成された機能層とを備えている(何れも図示せず)。当該機能層は、光拡散体等を含んでおり、背面側から投写された画像を基板又は背面透過型パネルの前面側から視認できるように表示する機能をもたらす。
図19(a)及び(b)に示した実施形態では、短焦点プロジェクタである第1プロジェクタ44は、操作盤画像6を、右側壁13ではなく、第1表示パネル部81の背面に投写するように構成されている、第2プロジェクタ45は、操作盤画像6を、左側壁14ではなく、第2表示パネル部82の背面に投写するように構成されており、第3プロジェクタ46は、操作盤画像6を、後壁12ではなく、第3表示パネル部83の背面に投写するように構成されている。第1表示パネル部81、第2表示パネル部82及び第3表示パネル部83では、投写された操作盤画像6が、これらパネルの前面側から視認可能なように表示される。図19(a)及び(b)では、説明のため、右側壁13、左側壁14及び後壁12の夫々の中央付近に投写された操作盤画像6が破線で示されている。
図19(a)及び(b)に示した実施形態では、第1再帰反射テープ21は、第1表示パネル部81の縁に沿うように、かご1の前壁15、床16及び第3表示パネル部83に貼られ、第2再帰反射テープ22は、第2表示パネル部82の縁に沿うように、かご1の前壁15、床16及び第3表示パネル部83に貼られる。また、第3再帰反射テープ23は、第3表示パネル部83の縁に沿うように、床16、第1表示パネル部81及び第3表示パネル部83に貼られる。第1タッチ検出部47a及び第2タッチ検出部47bは、第1表示パネル部81へのタッチ操作を検出可能な位置に配置され、第3タッチ検出部48a及び第4タッチ検出部48bは、第2表示パネル部82へのタッチ操作を検出可能な位置に配置され、第5タッチ検出部49a及び第6タッチ検出部49bは、第3表示パネル部83へのタッチ操作を検出可能な位置に配置される。
図19(a)及び(b)に示した実施形態では、かご1の壁ではなく、背面透過型パネルに操作盤画像6を投写又は表示することで、かご1の壁の表面がタッチ操作によって汚れる又は剥げる事態が避けられる。また、利用者によって操作盤画像6の投写が遮られることがない。
上記実施形態では、かご1に搭乗する新たな乗客の各々に対して、図6(a)又は図6(b)に例示した乗客配置領域の1つが割り当てられるが、新たな乗客が車椅子利用者である場合や、台車を伴っている場合など、その乗客の態様に応じて、複数の乗客配置領域が割り当てられてよい。また、乗客を誘導するために移動する操作盤画像6の初期位置及び/又は最終位置も、乗客の態様に応じて変化してよく、例えば、新たな乗客が車椅子利用者である場合には、操作盤画像6の最終位置は、車椅子利用者が操作できるような低い高さにされてよい。更に、表示される操作盤画像6は、実際に使用されている車椅子利用者用操作盤を模した画像にされてよい。
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を減縮する様に解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
上記実施形態では、かご1内に表示される操作盤画像6が、実際に存在するかご内操作盤を模した画像にされているが、本発明において、操作盤画像6は、このような画像に限定されず、かご1内の乗客に対して所定の操作を提示又は案内できるものであればよい。本発明に係るタッチ検出手段は、マルチタッチに対応しており、2カ所以上の同時タッチを検出可能であってよく、例えば、右側壁13、左側壁14及び後壁12の各々に対して複数対のタッチ検出部が設けられてよい。また、本発明に係るタッチ検出手段において、カメラ等の撮像装置が使用されてよく、操作盤画像6を操作する乗客の手のひらの位置と形状を撮像装置を用いて画像認識することで、乗客の手のひらの位置と形状に基づいて操作盤画像6に対する操作が特定されてもよい