JP6676939B2 - 多機能ポンプユニット - Google Patents

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Description

本発明は、車両のパワートレインにおいて流体を供給して循環させるポンプユニットに関する。
自動車や自動二輪などの車両のパワートレインを構成するエンジンや自動変速機には、冷却、潤滑、作動などに使用するために、水や油などの液体を循環させるポンプが使用されている。
このような、エンジンや自動変速機に液体を供給して循環させるポンプとして、特許文献1に示されるものが知られている。特許文献1には、エンジン冷却用の機械式ウォーターポンプを電動化し、冷却水温を制御することで、エンジンの暖機の促進を図り、ヒーターを早期に有効化させることが記載されている。
特許文献2には、自動変速機の作動油の経路を、特許文献2における図4に示すように、クラッチやブレーキを潤滑対象とする潤滑油路58bとギヤ機構を潤滑対象とする潤滑油路79との二つに分けることが記載されている。潤滑油路58bについては、機械式オイルポンプ42が作動油を供給し、潤滑油路79については、電磁ポンプ100が作動油を供給する。これによって、機械式オイルポンプ42の負担を軽減し、機械式オイルポンプ42の小型化と装置全体の小型化とを図ることが記載されている。
特開2015−94264号公報 特開2010−164177号公報
上述した特許文献1に記載されているエンジンの冷却装置は、既存の機械式ウォーターポンプを電動化したため、新たに電動モータおよび制御回路の追加が必要となって製造コストを増加させるという問題があった。
特許文献2に記載されているギヤ機構を潤滑対象とする潤滑油路に使用される電動ポンプは、機械式ポンプに追加されるものであり、電動モータおよび制御回路の追加も必要となって製造コストを増加させるという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、パワートレインを構成する複数の装置に液体を供給し循環させるポンプの製造コストを低減する多機能ポンプユニットを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る多機能ポンプユニットの発明は、パワートレインを構成する複数の装置に設けられた複数の流通路に夫々設けられ、同種のまたは異なった種類の液体を供給する少なくとも二以上のポンプを備え、前記二以上のポンプは、前記二以上のポンプを駆動させる駆動部分を夫々有し、前記二以上のポンプの各前記駆動部分に夫々連結して、前記二以上のポンプを駆動させる一つの出力軸を有する単一の電動モータを備えている
前記二以上のポンプは、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に供給する前記液体を吸い込む吸入口と、前記装置内に流通する前記液体を流入させる前記流通路の始端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に向かって前記液体を吐出する吐出口と、を夫々有している。
前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記液体を充満した状態で流通させる液体充満流通路である場合に、前記液体充満流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吐出口と前記液体充満流通路の始端との間に設けられ、前記液体充満流通路の始端に接続して前記液体充満流通路に前記液体を供給させる液体流通路供給部と、前記液体充満流通路への前記液体の供給を止めるとともに、前記液体を独立して循環させる独立循環流通路に連絡する液体循環部と、を有する吐出口側切替弁を備えている。
(請求項2)前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端部に前記装置内を流通した前記液体を集めて貯留する液体貯留部を有する液体貯留部付流通路である場合に、前記液体貯留部付流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吸入口と前記装置内を流通した前記液体が流出する前記液体貯留部付流通路の前記液体貯留部との間に設けられ、前記液体貯留部に接続して前記吸入口に前記液体を供給させる液体吸入口供給部と、前記吸入口への前記液体の供給を止めるとともに、空気が吸入可能な吸気部と、を有する吸入口側切替弁を備えている。
(請求項3)前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記液体を充満した状態で流通させる液体充満流通路である場合に、前記液体充満流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吐出口と前記液体充満流通路の始端との間に設けられ、前記液体充満流通路に接続して前記液体充満流通路に前記液体を供給させる液体流通路供給部と、前記液体充満流通路への前記液体の供給を止めるとともに、前記液体を独立して循環させる独立循環流通路に連絡する液体循環部と、を有する吐出口側切替弁を備えている。
さらに、前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端部に液体貯留部を有する液体貯留部付流通路である場合に、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記液体貯留部と前記液体貯留部付流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吸入口との間に設けられ、前記液体貯留部に接続して前記吸入口に前記液体を供給させる液体吸入口供給部と、前記吸入口への前記液体の供給を止めるとともに、空気が吸入可能な吸気部と、を有する吸入口側切替弁を備えている。
そして、前記吐出口側切替弁と前記吸入口側切替弁とは、一つの切替弁が兼用している。
これによれば、二以上のポンプを駆動させる二以上の駆動部分は、単一の電動モータの出力軸により伝達される駆動力によって駆動される。このように、二以上のポンプに対応した数の電動モータを設けることなく、単一の電動モータで二以上のポンプの各駆動部分を駆動させるので、ポンプユニットの製造コストを低減することができる。
本発明による多機能ポンプユニットを適用した第一実施形態を示す全体概要図である。 電動ウォーターポンプと油圧操作用電動ポンプとを構成した多機能ポンプユニットの概要を示す図である。 機械式オイルポンプと油圧操作用電動ポンプとの関係を示す概要図である。 機械式オイルポンプのオイルの吐出量と、機械式オイルポンプを補填する油圧操作用電動ポンプの吐出量の関係を示す図である。 電動ウォーターポンプの駆動軸と、油圧操作用電動ポンプの駆動軸とを、電動モータの出力軸に対して並列させて構成した多機能ポンプユニットの概要図である。 電動ポンプ、および機械式ポンプの例を示す図である。 第一実施形態における多機能ポンプユニットの作動を示すフローチャートである。 本発明による多機能ポンプユニットを適用した第二実施形態における多機能ポンプユニットを示す概要図である。 第二実施形態における多機能ポンプユニットの作動を示すフローチャートである。 第二実施形態における多機能ポンプユニットの別例を示す概要図である。 本発明による多機能ポンプユニットを適用した第三実施形態における多機能ポンプユニットを示す概要図である。 本発明による多機能ポンプユニットを適用した第四実施形態における多機能ポンプユニットを示す概要図である。 第四実施形態における多機能ポンプユニットの要部を示す概要図である。 本発明による多機能ポンプユニットを適用した第五実施形態における多機能ポンプユニットの要部を示す概要図である。 本発明による多機能ポンプユニットを適用した第六実施形態における多機能ポンプユニットの要部を示す概要図である。 第六実施形態における電動モータの出力軸と電動ウォーターポンプとが接続された状態を示す図である。 第六実施形態における電動モータの出力軸と電動ウォーターポンプとの接続が遮断された状態を示す図である。 多機能ポンプユニットの別例を示す概要図である。 多機能ポンプユニットの別例を示す概要図である。
(第一実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第一実施形態について説明する。
第一実施形態におけるパワートレインを構成する複数の装置1は、図1に示すように、エンジン2、自動変速機4などがある。エンジン2には、エンジン2を冷却するラジエータ3が設けられている。エンジン2には、多機能ポンプユニット5が併設されている。自動変速機4は、トルクコンバータ41、機械式オイルポンプ43および変速機構42を有している。トルクコンバータ41、機械式オイルポンプ43および変速機構42は、ケース6に収容されている。
なお、本実施形態の説明において、エンジン2に接続される側(図1における左側)を「前」、エンジン2に接続される反対側(図1における右側)を「後」とする。また、軸方向とは、エンジン2の出力軸21の軸線方向CLに沿った方向であり、径方向とは、エンジン2の出力軸21の軸線方向CLに直交する方向を意味する。
(エンジン・電動ウォーターポンプ)
エンジン2は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。エンジン2は、出力軸21、スロットルバルブ(図略)、及びエンジン回転センサ22を有し、エンジン制御装置(図略)によって制御される。出力軸21はピストンにより回転駆動されるクランク軸と一体的に回転して回転駆動力を出力する(いずれも図略)。また、エンジン2には、エンジン2の燃焼室の冷却に使われるラジエータ3と、エンジン2の駆動機構の潤滑に使われるエンジンオイルを循環させる循環装置23とが設けられている。エンジン2のハウジング24の下部には、後述する多機能ポンプユニット5が内包された多機能ポンプユニットケース5aが付設されている。
エンジン2のハウジング24には、冷却水をエンジン2に流通させる電動ウォータ−ポンプ33が設けられている。
電動ウォーターポンプ33は、図5に示すように、インペラ33aとインペラ33aを覆うポンプカバー33bとを備えている。インペラ33aは、駆動軸33d(駆動部分)の一端に駆動軸33dと一体回転可能に固定されている。駆動軸33dの他端には後述する第一ドリブンギヤ33d1(接続部)が設けられている。インペラ33aは、エンジン2のハウジング24の端面より突出して配置されており、ポンプカバー33bは、突出したインペラ33aの周囲および前面側(図5において上側)を覆うようにエンジン2のハウジング24に固定されている。ポンプカバー33bは、インペラ33aの中心部分に対向する位置に設けられた吸入口33fが設けられている。吸入口33fより吸い込まれた冷却水は、吐出口33eより吐出され、エンジン2の各部の冷却に使われて後述するラジエータ3に送られる。
電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dは、電動モータ48の出力軸48aの回転によって回転駆動される。電動モータ48は、例えば、同期電動サーボモータ、誘導電動サーボモータなどの出力軸の回転速度を制御可能なモータを使用することができる。電動ウォーターポンプ33は、冷却水流通路25のロアホース25b(後述)の途中に設けられている。この場合、電動ウォーターポンプ33の吸入口33fが接続されるロアホース25bの上流側が終端側に対応する。また、電動ウォーターポンプ33の吐出口33eが接続される下流側のロアホース25bが始端側に対応する。電動ウォーターポンプ33は、後述する多機能ポンプユニット5を構成する。
(ラジエータ・冷却水流通路・独立循環流通路)
ラジエータ3は、ラジエータコア31とタンク32とを有している。ラジエータコア31は、冷却水の通過する複数本のチューブ31a、およびチューブ31aの熱を空気中に放散するフィン31bを備えている。冷却水をエンジン2に流通させる冷却水流通路25(液体充満流通路・流通路)、冷却水を循環させる独立循環流通路27については、後述する。タンク32は、高温の冷却水を一時的に貯え、これをラジエータコア31に導くアッパタンク32aと、通過して低温になった冷却水を集めてエンジン2側に流出させるロアタンク32bとを有する。ラジエータ3には、前述の電動ウォーターポンプ33より冷却水が供給される。
ラジエータコア31の後方(図1において右方向)には、冷却ファン34が設けられ、フィン31bの設けられた複数本のチューブ31aの間に空気を通過させる。これにより、チューブ31aを通過する冷却水の冷却を促進する。
ラジエータ3で冷却された冷却水は、エンジン2のいずれも図略のシリンダブロックおよびシリンダヘッド(燃焼室に対応)に設けられたウォータジャケットと呼ばれる空間に冷却水を循環させることでエンジン2を冷却する。
冷却水流通路25は、図1に示すように、アッパホース25a、チューブ31a、ロアホース25b、シリンダブロック内通路(図略)、などで主に構成される。アッパホース25aは、シリンダブロック内通路とアッパタンク32aとを連通させるホースであり、シリンダブロックによって加熱された冷却水をアッパタンク32aまで供給する。アッパホース25aの途中には、温度センサ35が設けられ、シリンダブロック内通路から出た冷却水の温度を検出して検出データを制御装置7(ECU)に送信する。
チューブ31aは、ラジエータコア31内を流通する複数の細管であり、シリンダブロックからの高温の冷却水を一時的に貯えるアッパタンク32aに接続する。各チューブ31aの間には、夫々薄板材が連続して屈曲され放熱面積が拡大された複数のフィン31bが夫々設けられている。フィン31bは、空気がフィン31bの間を通過することでチューブ31aの中を流通する冷却水の熱を放熱する。チューブ31aを通過する間に冷却された冷却水は、ロアタンク32bに一時的に貯留される。ロアタンク32bとシリンダブロック内通路とは、ロアホース25bにより連通されている。ロアホース25bの途中には、電動ウォーターポンプ33が設けられている。電動ウォーターポンプ33により圧力が加えられ、冷却水は、シリンダブロック内通路に設けられたウォータジャケットに供給され、シリンダブロックの熱を冷却するよう構成されている。ロアホース25bにおける電動ウォーターポンプ33とシリンダブロック内通路との間には、図2に示すように、第一電磁切替弁8(吐出口側切替弁)が設けられている。この場合、第一電磁切替弁8のラジエータ入口ポート8aの下流側にあるシリンダブロック内通路へ向かうロアホース25bが、冷却水流通路25の始端に対応する。
第一電磁切替弁8は、図2に示すように、3ポート2位置の電磁切替弁であり、電動ウォーターポンプ33の吐出口側のロアホース25bに設けられている。第一電磁切替弁8は、ラジエータ3の入口に連通するラジエータ3の入口ポート8a、独立循環流通路の入口に連通する独立循環流通路の入口ポート8b、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート8cを有している。独立循環流通路27は、冷却水を閉じた状態で循環させる通路であり、例えば経路を短くすることおよび流通径を大きくすることで、循環させる冷却水の流通抵抗を小さく抑えている。第一電磁切替弁8は、切り替えることで、吐出口ポート8cとラジエータ3の入口ポート8aとを連通する8A部(液体流通路供給部)、吐出口ポート8cと独立循環流通路の入口ポート8bとを連通する8B(液体循環部)を有する。第一電磁切替弁8の作動は、制御装置7によって制御される。
(自動変速機)
自動変速機4は、図1に示すように、トルクコンバータ41、変速機構42および油圧制御装置45を有しており、ケース6に収容されている。また、変速機構42を油圧操作するオイルを供給する機械式オイルポンプ43および油圧操作用電動ポンプ44を備えている。
ケース6は、ケース本体部61と接続ケース部62とを備えている。接続ケース部62には、トルクコンバータ41が収容されている。ケース本体部61には、油圧操作される変速機構42が収容されている。ケース本体部61は、略円筒状の周壁61aと、変速機構42を収容している後方を覆う後端壁61bとを有している。周壁61aの壁体内部には、油圧制御装置45の油圧回路(図略)にオイルを供給する作動オイル流通路46(液体貯留部付流通路)が形成されている。
接続ケース部62は、主にトルクコンバータ41を収容する内部空間を作り出している。接続ケース部62は、ケース本体部61の内部空間と境界づける径方向に延びた隔壁62aを備えている。隔壁62aは、変速機構42の前方を覆う壁となっている。隔壁62aの径方向中央部には、軸方向に貫通した開口部(図示せず)が設けられ、開口部には中間軸47が貫通している。中間軸47は、隔壁62aの開口部に回転可能に支承されている。中間軸47は、トルクコンバータ41の出力軸41bであり、変速機構42の入力軸42aである。
(トルクコンバータ)
トルクコンバータ41は、前側である入力軸41a側のポンプインペラ(図略)と、後側である出力軸41b側のタービンライナ(図略)と、トルク増幅機能を発現するステータ(図略)と、ワンウェイクラッチ(図略)とを備えている。ポンプインペラは、エンジン2の出力軸21と一体回転するように連結されている。トルクコンバータ41は、ポンプインペラとタービンライナとの間で、オイルを介して動力伝達を行なう。トルクコンバータ41には、トルクコンバータ41の入力軸41a側と出力軸41b側とを直結するロックアップクラッチが設けられている。ロックアップクラッチを完全係合すると、ポンプインペラとタービンライナとが一体回転する。ロックアップクラッチを解放状態とすると、ポンプインペラとタービンライナとの間で、回転差が生じた状態で動力の伝達が行なわれる。
(変速機構)
変速機構42は、図1に示すように、トルクコンバータ41とデファレンシャル(図略)との間に設けられている。変速機構42は、液体貯留部としての第二オイルパン46a(図2参照)、入力軸42a、出力軸42b、複数の遊星歯車機構(図略)、入力軸回転速度センサ42e、出力軸回転速度センサ42f、複数又は単一のATクラッチ(図略)、複数又は単一のATブレーキ(図略)を備えている。第二オイルパン46aに貯留されたオイルは、いずれも後述する機械式オイルポンプ43および油圧操作用電動ポンプ44によって、作動オイル流通路46を介してATクラッチおよびATブレーキへの油圧を制御する油圧制御装置45(係合要素)に供給される。
入力軸42aは、トルクコンバータ41を介してエンジン2からのエンジントルクが入力される。出力軸42bは、デファレンシャルを介して駆動輪(図略)に回転連結されている。複数の遊星歯車機構は、入力軸42a及び出力軸42bに回転連結されている。ATクラッチは、複数の遊星歯車機構の各要素(サンギヤ、キャリア、リングギヤ)同士を係脱可能に接続するものである。ATブレーキは、複数の遊星歯車機構の要素を自動変速機4のケース6の周壁61aに係脱可能に連結するものである。
複数又は単一のATクラッチ及び複数又は単一のATブレーキからなる係合要素(摩擦係合要素)のそれぞれが、係合状態又は解放状態に選択的に切り替えられることにより、複数の遊星歯車機構の動力伝達経路が切り換えられる。複数の遊星歯車機構の動力伝達経路の切換によって、入力軸42aの回転速度を出力軸42bの回転速度で除した変速比がそれぞれ異なる複数の変速段が形成される。ATクラッチ及びATブレーキからなる係合要素は、油圧が供給されると係合状態となり、オイルの供給が停止されると(供給されているオイルの油圧が0になると)解放状態となる。
第二オイルパン46aは、自動変速機4を構成する各要素やトルクコンバータ41に供給されるオイルが貯留されている。
(回転速度センサ)
入力軸回転速度センサ42eは、入力軸42aに隣接する位置に設けられ、入力軸回転速度を検出し、その検出結果を制御装置7に出力する。
出力軸回転速度センサ42fは、出力軸42bに隣接する位置に設けられ、出力軸回転速度を検出し、その検出結果を制御装置7に出力する。
(制御装置)
制御装置7は、CPU,RAM,ROMおよび記憶部(いずれも図示せず)を有している。制御装置7は、第二電磁切替弁9を切替えることで、油圧操作用電動ポンプ44が供給するオイルの作動オイル流通路46への流通を制御する。さらに、油圧制御装置45に内蔵されるクラッチ・ブレーキ制御用電磁弁(図示せず)、ATブレーキバルブ(図示せず)に駆動電流を供給して、これらを制御することにより、変速機構42を構成するATクラッチおよびATブレーキに供給される油圧を制御する。
また、電動モータ48に図略のバッテリからの駆動電流を供給して出力軸48aの回転を制御する。また、制御装置7は、第一電磁切替弁8の切り替えを制御する。第一電磁切替弁8を切替えることで、電動ウォーターポンプ33が供給する冷却水の冷却水流通路25への流通を制御する。
(多機能ポンプユニット)
多機能ポンプユニット5は、第一実施形態においては、機械式オイルポンプ43と、油圧操作用電動ポンプ44と、電動ウォーターポンプ33(前述)と、単一の電動モータ48と、を備えている。電動ウォーターポンプ33と油圧操作用電動ポンプ44とは、単一の電動モータ48で駆動される。以下、多機能ポンプユニット5の構成要素について、逐次説明する。
(機械式オイルポンプ)
接続ケース部62の隔壁62aには、機械式オイルポンプ43(機械式ポンプ)を構成するポンプケース43aが取り付けられている。機械式オイルポンプ43は、図6に示すように、例えば、内接歯車ポンプであり、内歯歯車を構成するアウタロータ43bと外歯歯車を構成するインナーロータ43cが、ポンプケース43a内に収容され、インナーロータ43cがポンプインペラにより回転駆動される(ポンプインペラには、エンジン2の出力軸21と一体回転するように連結されている。)。
なお、機械式オイルポンプ43は、内接歯車ポンプに限定されず、例えば、外接歯車ポンプ、ベーンポンプなどを使用することができる。機械式オイルポンプ43には、図3に示すように、第二オイルパン46aに連通し、機械式オイルポンプ43の吸入口43fに接続する第一吸入油路46dと、機械式オイルポンプ43の吐出口43eに接続する第一吐出油路46cが形成されている。第二オイルパン46aと吸入口43fとの間には、ストレーナ46bが設けられている。第一吐出油路46cは、ケース本体部61(図1参照)に形成された作動オイル流通路46を介して変速機構42や油圧制御装置45等に連通接続されている。これにより。機械式オイルポンプ43から吐出されたオイルは、自動変速機4の係合要素へ供給される。
(油圧操作用電動ポンプ)
油圧操作用電動ポンプ44は、図6に示すように、例えば、内接歯車ポンプであり、内歯歯車を構成するアウタロータ44bと外歯歯車を構成するインナーロータ44cが、ポンプケース44a内に収容され、インナーロータ44cには駆動軸44dが一体に形成されている。油圧操作用電動ポンプ44は、オイルを吸入する吸入口44fとオイルを吐出する吐出口44eを備えている。駆動軸44dが電動モータ48の出力軸48aの回転によって回転駆動される(図5参照)。
電動モータ48は、例えば、同期電動サーボモータ、誘導電動サーボモータなどの出力軸の回転速度を制御可能なモータを使用することができる。油圧操作用電動ポンプ44には、図3に示すように、第二オイルパン46aに連通し、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fに接続する第二吸入油路46fと、油圧操作用電動ポンプ44の吐出口44eに接続する第二吐出油路46eとが形成されている。この場合、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fに接続する第二吸入油路46fが終端側に対応する。また、油圧操作用電動ポンプ44の吐出口44eに接続する第二吐出油路46eが、始端側に対応する。
第二吐出油路46eは、ケース本体部61に形成された作動オイル流通路46に接続されている。作動オイル流通路46における電動ポンプ44の吐出口44eの近くには、吐出口44e側へ逆流するオイルの流れを遮断するバネ付逆止弁15が設けられている。このバネ付逆止弁15は、一次側である吐出口44e側から、二次側である油圧機器側へオイルが流通される場合には、オイルを通過させる。しかし、一次側から二次側への流れであっても、空気が流通される場合には、その通過を遮断するようにクラッキング圧力が設定されている。このバネ付逆止弁15は、空気循環防止機構に相当する。
また、作動オイル流通路46は、油圧制御装置45に連通接続されている。これにより。油圧操作用電動ポンプ44から吐出されたオイルは、自動変速機4の係合要素へ油圧制御装置45を介して供給される。また、機械式オイルポンプ43の吐出口43e側には、図3に示すように、オイルが逆流することを防ぐ逆止弁10が設けられている。
また、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44f側の第二吸入油路46fには、図2に示すように、第二電磁切替弁9(吸入口側切替弁)が設けられている。この場合、第二オイルパン46aに自動変速機4の内部を流通したオイルが貯留されるので、第二オイルパン46aが作動オイル流通路46の終端に対応する。
第二電磁切替弁9は、3ポート2位置の電磁切替弁である。油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fに連通する吸入口入口ポート9a、第二オイルパン46aに連通する第二オイルパン側ポート9b、および外気側に連通する外気側ポート9cを有している。第二電磁切替弁9は、切り替えることで、第二オイルパン46aと油圧操作用電動ポンプ44の吸入口を連通させる9A部(液体吸入口供給部)と、外気に開口し外気と油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fを連通させる9B部(吸気部)とを有している。第二電磁切替弁9は、作動が制御装置7により制御される。
(機械式オイルポンプと油圧操作用電動ポンプとの並列関係)
本実施形態では、図3に示すように、機械式オイルポンプ43の第一吸入油路46dと、油圧操作用電動ポンプ44の第二吸入油路46fは、同じ第二オイルパン46aよりオイルを吸入している。また、機械式オイルポンプ43の第一吐出油路46cと、油圧操作用電動ポンプ44の第二吐出油路46eは、共に作動オイル流通路46に接続されている。すなわち、機械式オイルポンプ43と油圧操作用電動ポンプ44とは、変速機構42にオイルを供給する作動オイル流通路46において、並列に接続されている。機械式オイルポンプ43および油圧操作用電動ポンプ44のどちらか一方或いは両方のポンプから変速機構42にオイルを供給することができる。
このように両方のポンプ43,44からオイルを供給できるようにすることで、機械式オイルポンプ43の負担を少なくすることができる。これによって、機械式オイルポンプ43の小型化を図ることができ、エンジン2への負担を軽減し燃費を向上することができる。
(電動ウォーターポンプ、油圧操作用電動ポンプおよび電動モータの配置)
ラジエータ3に冷却水を供給する電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの回転軸心WCLと油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dの回転軸心ACLは、図5に示すように、電動モータ48の出力軸48aの回転軸心OCLに対して並列に配置されている。電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの先端部には、平歯車の第一ドリブンギヤ33d1(接続部)が設けられている。油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dの先端部には、平歯車の第二ドリブンギヤ44d1(接続部)が設けられている。電動モータ48の出力軸48aの先端部には、平歯車のドライブギヤ48a1が設けられている。電動モータ48の出力軸48aのドライブギヤ48a1は、第一ドリブンギヤ33d1および第二ドリブンギヤ44d1の両方に噛合している。電動モータ48の出力軸48aが回転すると、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dおよび油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dが回転する。
このように、第一実施形態においては、図2に示すように、多機能ポンプユニット5において、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dと油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dと、を単一の電動モータ48で駆動させる。また、図3に示すように、作動オイル流通路46において、機械式オイルポンプ43が設けられた第一吸入油路46dおよび第一吐出油路46cと、油圧操作用電動ポンプ44が設けられた第二吸入油路46fおよび第二吐出油路46eと、が並列に設けられている。
次に、上記のように構成された電動ポンプユニットを、車両のパワートレインを構成するエンジン2および自動変速機4に実施した作動について、図7のフローチャートに基づいて以下に説明する。
第一実施形態においては、エンジン2の出力軸21により駆動軸43dが回転するとともに、自動変速機4の変速機構42へ主に作動のためのオイルを供給する機械式オイルポンプ43が設けられ、この機械式オイルポンプ43と並列して油圧操作用電動ポンプ44、が設けられている。そのため、油圧操作用電動ポンプ44は、機械式オイルポンプ43を、補填するように働く。
従来、機械式オイルポンプは、図4に示すように、最低限のエンジン回転数Neとして、アイドリング状態でのエンジン回転数Neを最低限の回転数として設定していた。そして、この最低限の回転数Neのときに、必要な作動オイルが変速機構42の油圧機器の作動に必要な量のオイルが供給されるように設定していた。そのため、エンジン回転数Neがアイドリング状態よりも高回転状態となると、オイルの供給が過剰となるとともに、エンジン2への負荷によって燃費に影響を及ぼした。
第一実施形態においては。油圧操作用電動ポンプ44を機械式オイルポンプ43に並設することで、機械式オイルポンプ43が必要流量を吐出できるエンジン回転数Neを所定値Aと設定し、オイルの供給過剰を防止するとともに、エンジン2への負荷を低減している。
ステップ101(以下、ステップを「S」と略記する。)において、制御装置7は、エンジン回転センサ22よりエンジン2の出力軸21の回転数Neを検出する。制御装置7は、検出されたエンジン2の回転数Neが所定値A以下か否かを判定する。エンジン2の回転数Neが所定値A以下であると判定した場合には、制御装置7は、プログラムをS102へ移行する。
制御装置7は、第二電磁切替弁9を9A部に切替え、第二オイルパン46aと油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fとを連通させる(S102)。これによって、第二オイルパン46aに貯留されていたオイルを油圧操作用電動ポンプ44が吸引して、作動オイル流通路46に供給する。
必要なオイルの時間当たりの供給量より、機械式オイルポンプ43の供給可能な量を減算することで、油圧操作用電動ポンプ44で供給すべきオイルの時間当たりの供給量が求められる。そして、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dの必要な回転数R_ne2=Xを設定する(S103)。これには、例えば、油圧操作用電動ポンプ44の性能に基づいて予め作成したマップ、ロジックなどにより算出して設定することができる。この設定手段は、このようなマップやロジックに限定されるものではなく、その他の公知の方法で求めることができる。
制御装置7は、S101において、エンジン2の回転数Neが所定値Aを越えていると判定した場合には、プログラムをS104へ移行する。
S104において、制御装置7は、第二電磁切替弁9を9B部に切替え、外気EXの吸入口と油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fとを連通させる(S104)。第二オイルパン46aからのオイルの供給が停止し、油圧操作用電動ポンプ44は空回り状態となる。これにより油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dへの負担は軽減される。
制御装置7は、プログラムをS105へ移行し、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dの必要回転数をR_ne2=0と設定する(S105)。
制御装置7は、プログラムをS106へ移行し、温度センサ35によりエンジンブロックより吐出された冷却水の水温を検出し、所定値B以下であるか否かを判定する(S106)。
制御装置7は、検出された冷却水の水温が、所定値B以下と判定した場合には、プログラムをS107へ移行する。
制御装置7は、第一電磁切替弁8を8B部に切替え、電動ウォーターポンプ33の吐出口33eを独立循環流通路27に連通させる(S107)。
制御装置7は、続いてプログラムをS108へ移行し、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの必要回転数をR_ne1=0と設定する。
制御装置7は、S106において、検出された冷却水の水温が、所定値Bよりも高いと判定した場合には、プログラムをS109へ移行する。
制御装置7は、第一電磁切替弁8を8A部に切替え、電動ウォーターポンプ33の吐出口33eと冷却水流通路25とを連通させる(S109)。これにより、エンジン2によって温められた冷却水がラジエータ3に流れ、ラジエータ3で冷却された冷却水を冷却水流通路25に流通させる。
制御装置7は、プログラムをS110へ移行し、必要な電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの回転数を設定する。必要な冷却水の時間当たりの供給量より、電動ウォーターポンプ33の必要な回転数R_ne1=Yを設定する。これには、同様に、例えば、電動ウォーターポンプ33の性能に基づいて、予め作成したマップ、ロジックなどにより算出して設定することができる。この設定手段は、マップやロジックに限定されるものではなく、その他の公知の方法で求めることができる。
次に、制御装置7は、プログラムをS111へ移行し、「R_ne1」、「R_ne2」のうちの大きい回転数で、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33d、および油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dを回転させるよう電動モータ48の出力軸48aを回転させる。このように「R_ne1」、「R_ne2」のうちの大きい回転数で、回転させることで、供給すべき冷却水やオイルの一方が不足することを防止することができる。
以下同様に繰り返す。
上記の説明で明らかなように、第一実施形態の多機能ポンプユニットは、パワートレインを構成するエンジン2に設けられた冷却水流通路25に、冷却水を供給する電動ウォーターポンプ33を備えている。また、自動変速機4に設けられた作動オイル流通路46に、オイルを供給する油圧操作用電動ポンプ44を備えている。このように、冷却水とオイルという異なった種類の液体を供給する二つのポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)を備えている。電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44は、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44を駆動させる駆動軸33d、44d(駆動部分)を夫々有している。そして、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44の各駆動軸33d、44dに夫々連結して、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44を駆動させる一つの出力軸48aを有する単一の電動モータ48を備えている。
これによれば、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44を駆動させる駆動軸33d、44dは、単一の電動モータ48の出力軸48aにより伝達される駆動力によって駆動される。このように、二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)に対応した数の電動モータ48を設けることなく、単一の電動モータ48で二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)の二以上の駆動軸33d、44dを駆動させるので、製造コストを低減することができる。
また、第一実施形態に記載の多機能ポンプユニット5において、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44の各駆動軸33d、44d(駆動部分)の回転軸心ACLは、電動モータ48の出力軸48aの回転軸心OCLに対して夫々並列に、かつ接続可能に設けられている。
これによると、二以上の駆動軸33d,44dの回転軸心ACLは、出力軸48aの回転軸心OCLに対して夫々並列に配列されるので、電動モータ48、および電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44をコンパクトに配置させて、ユニット全体の小型化を図ることができる。また、各駆動軸33d,44dには出力軸48aに接続して出力軸48aからの動力を各ポンプ33,44に伝達可能とする第一ドリブンギヤ33d1、第二ドリブンギヤ44d1(接続部)が夫々設けられている。
また、電動ウォーターポンプ33は、エンジン2内を流通した冷却水が流出する冷却水流通路25の終端側に設けられ、駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25(液体充満流通路)に供給する冷却水を吸い込む吸入口33fと、エンジン2内に流通する冷却水を流入させる冷却水流通路25の始端側に設けられ、駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25に向かって冷却水を吐出する吐出口33eと、を有している。
油圧操作用電動ポンプ44は、自動変速機4内を流通したオイルが流出する作動オイル流通路46(液体貯留部付流通路)の終端側に設けられ駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に供給するオイルを吸い込む吸入口44fと、自動変速機4内に流通するオイルを流入させる作動オイル流通路46の始端側に設けられ駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に向かってオイルを吐出する吐出口44eと、を有している。エンジン2および自動変速機4の冷却水流通路25および作動オイル流通路46の少なくとも一つが、冷却水またはオイルを充満した状態で流通させる液体充満流通路(本実施形態では冷却水流通路25が該当)である場合に、冷却水流通路25に、エンジン2と電動ウォーターポンプ33の吐出口33eとの間に設けられ、冷却水流通路25に接続して冷却水流通路25に冷却水を供給させる8A部(液体流通路供給部)と、冷却水流通路25への冷却水の供給を止めるとともに、冷却水を独立して循環させる独立循環流通路27に連絡する8B部(液体循環部)と、を有する第一電磁切替弁8を備えた。
これによると、冷却水流通路25に液体を循環させる必要がないときには、第一電磁切替弁8を8B部に切替えることで、冷却水流通路25に接続されていた電動ウォーターポンプ33による冷却水流通路25への冷却水の供給を停止することができる。独立循環流通路27に連絡されたことで、冷却水流通路25に連絡された場合に比較して電動ウォーターポンプ33への負荷を低減することができる。また、電動ウォーターポンプ33の吐出口33eが冷却水流通路25との接続を解かれたときに、独立循環流通路27に接続されるため、空気などの電動ウォーターポンプ33への混入および再接続された場合の冷却水流通路25への空気の混入を防止することができる。
また、電動ウォーターポンプ33は、エンジン2内を流通した冷却水の冷却水流通路25の終端側(吸入口33fに接続される上流側のロアホース25b)に設けられ駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25に供給する冷却水を吸い込む吸入口33fと、エンジン2内に流通する冷却水を流入させる冷却水流通路25の始端側(吐出口33eに接続される下流側のロアホース25b)に設けられ駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25に向かって冷却水を吐出する吐出口33eとを有している。
油圧操作用電動ポンプ44は、自動変速機4内を流通したオイルが流出する作動オイル流通路46の終端側(第二吸入油路46f)に設けられ,駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に供給するオイルを吸い込む吸入口44fと、自動変速機4内に流通するオイルを流入させる作動オイル流通路46の始端側(第二吐出油路46e)に設けられ駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に向かってオイルを吐出する吐出口44eと、を有している。
エンジン2の冷却水流通路25および自動変速機4の作動オイル流通路46の少なくとも一つが、冷却水またはオイルとともに空気を含ませて流通することが可能な液体貯留部付流通路(本実施形態では、作動オイル流通路46が該当)である場合に、作動オイル流通路46にオイルを供給する油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fと自動変速機4内を流通したオイルが流出する作動オイル流通路46の終端(第二オイルパン46a)との間に設けられ、作動オイル流通路46の第二オイルパン46aに接続して吸入口44fにオイルを供給させる9A部(液体吸入口供給部)と、吸入口44fへのオイルの供給を止めるとともに、外気EXが吸入可能な9B部(吸気部)と、を有する第二電磁切替弁9を備えている。
これによると、作動オイル流通路46にオイルを循環させる必要がないときには、第二電磁切替弁9を9B部に切替えることで、作動オイル流通路46に接続されていた油圧操作用電動ポンプ44による作動オイル流通路46へのオイルの供給を停止することができる。9B部に切替えてオイルを吸入しないことで、油圧操作用電動ポンプ44の吸入負荷を極めて低減することができる。
また、第一実施形態では、エンジン2の出力軸21の回転で駆動する機械式オイルポンプ43をさらに設け、機械式オイルポンプ43が供給するオイルと同種のオイルを供給する油圧操作用電動ポンプ44と、機械式オイルポンプ43とが、作動オイル流通路46に並列させて設けられている。
これによると、機械式オイルポンプ43の負担を油圧操作用電動ポンプ44で軽減させることで、小型の機械式オイルポンプ43とすることができるとともに、エンジン2の出力軸21の回転で駆動する機械式オイルポンプ43の作動負担を軽減することで燃費の向上を図ることができる。
(第二実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第二実施形態について、図8に基づいて説明する。
第二実施形態の多機能ポンプユニット105は、第一電磁切替弁により切り替えられる電動ウォーターポンプ33と、第二電磁切替弁により切り替えられる油圧操作用電動ポンプ44とが、一つの第三電磁切替弁11によって兼用されて切替操作がなされる点において第一実施形態と相違する。その他の構成については、同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
第三電磁切替弁11は、6ポート2位置の電磁切替弁である。第三電磁切替弁11は、電動ウォーターポンプ33の吐出口33e側のロアホース25bに設けられている。同時に、第三電磁切替弁11は、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44f側の第二吸入油路46fに設けられている。
第三電磁切替弁11は、エンジン2の冷却される部分に連通するエンジン2の入口ポート11a、独立循環流通路27の入口に連通する独立循環流通路27の入口ポート11b、外気(EX)側に連通する外気側ポート11c、第二オイルパン46aに連通する第二オイルパン側ポート11d、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fに連通する吸入口入口ポート11e、および電動ウォーターポンプ33の吐出口33eに連通する電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート11fを有している。
第三電磁切替弁11は、切替えることで、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート11fをエンジン2の入口ポート11aに連通して、冷却水流通路25に冷却水を流通させるとともに、外気側ポート11cを油圧操作用電動ポンプ44の吸入口入口ポート11eに連通して、オイルが作動オイル流通路46に流通するのを遮断する11A部(液体流通路供給部・吸気部)を有している。また、第三電磁切替弁11は、切替えることで、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート11fを独立循環流通路27の入口ポート11bに連通して、冷却水流通路25の冷却水の流通を遮断するとともに、第二オイルパン側ポート11dを油圧操作用電動ポンプ44の吸入口入口ポート11eに連通して、オイルを作動オイル流通路46に流通させる11B部(液体循環部・液体吸入口供給部)を有している。第二実施形態の多機能ポンプユニットでは、冷却水の供給が必要なときにオイルの供給が不要であり、冷却水の供給が不要なときにオイルの供給が必要となるなどのように、冷却水とオイルとが相反する状態で供給される場合に有効に実施される。
次に、第二の実施形態の作動を、図9に基づいて以下に説明する。
まず、制御装置7は、ステップ201(以下、ステップを「S」と略記する。)において、制御装置7は、アイドルストップを実施するか否かを判定する。判定は、例えば、運転者がブレーキペダルを踏み続けた時間が所定時間以上であるか否かによって、アイドルストップを実施するか否かを判定する。
アイドルストップを実施すると判定した場合は、制御装置7は、S202へ移行し、第三電磁切替弁11を11B部に切替える。これによって、第二オイルパン側ポート11dを油圧操作用電動ポンプ44の吸入口入口ポート11eに連通して、オイルを作動オイル流通路46に流通させる。また、同時に、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート11fを独立循環流通路27の入口ポート11bに連通して、冷却水流通路25の冷却水の流通を遮断する。
エンジン2がストップするので、機械式オイルポンプ43による自動変速機4の変速機構42への作動オイルの供給がなくなるが、油圧操作用電動ポンプ44によって、作動オイルの供給を継続することで、エンジンの始動時に変速機構にオイルが抜けた状態となるいわゆるオイル抜けを防止することができる。
制御装置7は、第二オイルパン46aに貯留されていたオイルを油圧操作用電動ポンプ44に吸引させて、オイルを作動オイル流通路46に供給する。
次に制御装置7は、S203へ移行し、油圧操作用電動ポンプ44で供給すべきオイルの時間当たりの供給量を求め、油圧操作用電動ポンプ44の必要な回転数R_ne2=X(電動ウォーターポンプ33の回転数は、R_ne1=0となる。)を設定する(S203)。これには、例えば、油圧操作用電動ポンプ44の性能にもとづいて、予め作成したマップ、ロジックなどにより算出して設定することができる。この設定手段は、マップやロジックに限定されるものではなく、その他の公知の方法で求めることができる。
S201において、アイドルストップを実施しないと判定した場合、制御装置7は、S204へ移行し、第三電磁切替弁11を11A部に切替える。これにより、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート11fをエンジン2の入口ポート11aに連通して、冷却水流通路25に冷却水を流通させるとともに、外気側ポート11cを油圧操作用電動ポンプ44の吸入口入口ポート11eに連通して、オイルが作動オイル流通路46に流通するのを遮断する。この場合、外気側ポート11cが吸入口入口ポート11eに連通することで、油圧操作用電動ポンプ44は、空回りするが、油圧操作用電動ポンプ44の駆動負荷は小さくなる。そのため、油圧操作用電動ポンプ44が消費するバッテリ(図略)の電力消費は、大きく低減される。また、油圧操作用電動ポンプ44の空回りに伴う空気の作動オイル流通路46への混入は、バネ付逆止弁15によって、防止される。
制御装置7は、S205へ移行し、必要な電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの回転数を設定する。必要な冷却水の時間当たりの供給量より、電動ウォーターポンプ33の必要な回転数R_ne1=Yを設定する(油圧操作用電動ポンプ44の必要な回転数は、R_ne2=0である。)。これには、例えば、電動ウォーターポンプ33の性能に基づいて、予め作成したマップ、ロジックなどにより算出して設定することができる。この設定手段は、マップやロジックに限定されるものではなく、その他の公知の方法で求めることができる。
次に、制御装置7は、S206へ移行し、「R_ne1」、「R_ne2」のうちの大きい回転数で、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33d、および油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dを回転させるよう電動モータ48の出力軸48aを回転させる。このように「R_ne1」、「R_ne2」のうちの大きい回転数で、回転させることで、供給すべき冷却水やオイルの一方が不足することを防止することができる。
以下同様に繰り返す。
上記の記載で明らかなように、第二実施形態の多機能ポンプ105において、電動ウォーターポンプ33は、エンジン2内を流通した冷却水の冷却水流通路25(液体充満流通路)の終端側(吸入口33fの上流側のロアホース25b)に設けられ駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25に供給する冷却水を吸い込む吸入口33fと、エンジン2内に流通する冷却水を流入させる冷却水流通路25の始端側(吐出口33eの下流側のロアホース25b)に設けられ駆動軸33dの駆動により冷却水流通路25に向かって冷却水を吐出する吐出口33eとを有している。油圧操作用電動ポンプ44は、自動変速機4内を流通したオイルが流出する作動オイル流通路46(液体貯留部付流通路)の終端側(第二吸入油路46f)に設けられ,駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に供給するオイルを吸い込む吸入口44fと、自動変速機4内に流通するオイルを流入させる作動オイル流通路46の始端側(第二吐出油路46e)に設けられ駆動軸44dの駆動により作動オイル流通路46に向かってオイルを吐出する吐出口44eと、を有している。
エンジン2および自動変速機4の冷却水流通路25および作動オイル流通路46の少なくとも一つが、冷却水またはオイルを充満した状態で流通させる液体充満流通路(本実施形態では冷却水流通路25が該当)である場合に、冷却水流通路25に、エンジン2と電動ウォーターポンプ33の吐出口33eとの間に設けられ、冷却水流通路25に接続して冷却水流通路25に冷却水を供給させる11A部と、冷却水流通路25への冷却水の供給を止めるとともに、冷却水を独立して循環させる独立循環流通路27に連絡する11B部と、を有する吐出口側切替弁としての第三電磁切替弁11を備えた。
エンジン2の冷却水流通路25および自動変速機4の作動オイル流通路46の少なくとも一つが、液体貯留部(第二オイルパン46a)を備えた液体貯留部付流通路(本実施形態では、作動オイル流通路46が該当)である場合に、作動オイル流通路46にオイルを供給する油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44fと自動変速機4内を流通したオイルが流出する作動オイル流通路46の終端(第二オイルパン46a)との間に設けられ、作動オイル流通路46の第二オイルパン46aに接続して吸入口44fにオイルを供給させる11A部と、吸入口44fへのオイルの供給を止めるとともに、外気EXが吸入可能な11B部と、を有する吸入口側切替弁としての第三電磁切替弁11を備えた。前記吐出口側切替弁と前記吸入口側切替弁とは、一つの第三電磁切替弁11が兼用している。
これによると、吐出口側切替弁と吸入口側切替弁とを一つの第三電磁切替弁11で兼用するので、部品点数を減らして製造コストを低減することができる。また、一つの第三電磁切替弁11の切替操作を行なえばよいので、操作を簡単かつ確実に実施することができる。
なお、第二実施形態では、電動ウォーターポンプ33と油圧操作用電動ポンプ44とにおける流通路の切替えを一つの第三電磁切替弁11で行ったが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、電動エンジンオイルポンプ26の吸入口側切替弁と、油圧操作用電動ポンプ44の第二電磁切替弁9(吸入口側切替弁)とを、一つの第五電磁切替弁19で兼用してもよい。第五電磁切替弁19は、電動エンジンオイルポンプ26の吸入口26f側に連通する吸入口側ポート19a、油圧操作用電動ポンプ44の吸入口44f側に連通する吸入口側ポート19b、外気EXに連通する吸気側ポート19c、第二オイルパン46aに連通する第二オイルパン側ポート19d、外気EXに連通する吸気側ポート19e、および第一オイルパン23aに連通する第一オイルパン側ポート19fを有している。オイルの供給が可能な19A部(液体吸入口供給部)と、オイルの供給を遮断する19B部(吸気部)とを備えている。
これによると、複数の吸入口側切替弁を一つの第五電磁切替弁19で兼用するので、部品点数を減らして製造コストを低減することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第三実施形態について図1および図11に基づいて以下に説明する。
第三実施形態の多機能ポンプユニット205では、自動変速機4の変速機構42に作動オイルを供給するのでなく、エンジン2の作動機構に潤滑オイルを電動エンジンオイルポンプ26によって、供給している。また、電磁切替弁は、電動ウォーターポンプ33および電動エンジンオイルポンプ26という二つのポンプを切替操作する一つの第四電磁切替弁12である。以上の点において第一実施形態と相違する。その他の点については、第一実施形態と同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
エンジン2の作動機構には、循環装置23によって潤滑オイルが供給される。
循環装置23は、第一オイルパン(液体貯留部・オイルタンク)23a、ストレーナ23b、電動エンジンオイルポンプ26、エンジン2のハウジング24に設けられた循環オイル流通路23c、を備えている(図1および図11参照)。第一オイルパン23aは、液体貯留部に対応し、エンジン2のハウジング24下部に設けられ、オイルを貯留する皿状の容器である。ストレーナ23bは、第一オイルパン23aと電動エンジンオイルポンプ26との間に設けられた濾過器であり、電動エンジンオイルポンプ26が第一オイルパン23aより吸引するオイルの不純物を濾過する。循環オイル流通路23cは、第一オイルパン23aに吸入口が開口し、電動エンジンオイルポンプ26により付加される圧力でハウジング24の壁体内を通過して、いずれも図略のクランクシャフトのベアリング部およびカムシャフトなどの駆動機構に供給する吐出口を有し、駆動機構の潤滑および冷却に使用されたオイルを第一オイルパン23aに収容する流通路である。電動エンジンオイルポンプ26は、図6に示すように、例えば、内接歯車ポンプであり、内歯歯車を構成するアウタロータ26bと外歯歯車を構成するインナーロータ26cが、ポンプケース26a内に収容され、インナーロータ26cには駆動軸26dが一体に形成されている。電動エンジンオイルポンプ26は、オイルを吸入する吸入口26fとオイルを吐出する吐出口26eを備えている。駆動軸26dが電動モータ48の出力軸48aの回転によって回転駆動される。
第四電磁切替弁12は、6ポート2位置の電磁切替弁である。第四電磁切替弁12は、電動ウォーターポンプ33の吐出口33e側のロアホース25bに設けられている。この場合、吐出口33eに接続するロアホース25bが冷却水流通路25の始端に対応する。同時に、第四電磁切替弁12は、電動エンジンオイルポンプ26の吸入口26fと第一オイルパン23aとの間に設けられている。この場合、第一オイルパン23aが、循環オイル流通路23cの終端に対応する。
第四電磁切替弁12は、エンジン2の冷却される部分に連通するエンジン2の入口ポート12a、独立循環流通路27の入口に連通する独立循環流通路27の入口ポート12b、第一オイルパン23aに連通する第一オイルパン側ポート12c、外気(EX)側に連通する外気側ポート12d、電動エンジンオイルポンプ26の吸入口26fに連通する吸入口入口ポート12e、および電動ウォーターポンプ33の吐出口33eに連通する電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート12fを有している。
第四電磁切替弁12は、切替えることで、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート12fをエンジン2の入口ポート12aに連通して、冷却水流通路25に冷却水を流通させるとともに、電動エンジンオイルポンプ26のる吸入口入口ポート12eを第一オイルパン側ポート12cに連通して、循環オイル流通路23cに潤滑オイルを流通させる12A部(液体流通路供給部・液体吸入口供給部)を有している。また、第四電磁切替弁12は、切替えることで、電動ウォーターポンプ33の吐出口ポート12fを独立循環流通路27の入口ポート12bに連通して、冷却水流通路25の冷却水の流通を遮断するとともに、電動エンジンオイルポンプ26の吸入口入口ポート12eを外気側ポート12dに連通して、潤滑オイルが循環オイル流通路23cを流通するのを遮断する12B部(液体循環部・吸気部)を有している。
第三実施形態の多機能ポンプユニットでは、エンジン2の冷却水の供給が必要なときにエンジン2の潤滑オイルの供給が必要であり、エンジン2の冷却水の供給が不要なときにエンジン2の潤滑オイルの供給が不要である場合のように、冷却水の供給とオイルの供給とが同時に必要となる場合に有効に実施される。
(第四実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第四実施形態について図12および図13に基づいて説明する。
第四実施形態の多機能ポンプユニット305は、電動ウォーターポンプ33、油圧操作用電動ポンプ44に夫々電動モータ48の出力軸48aからの動力の伝達を遮断可能とする動力伝達遮断装置が設けられている。また、電磁切替弁8,9が設けられておらず、独立循環流通路27、外気EXの吸入路が設けられていない点において、第一実施形態と相違する。
動力伝達遮断装置は、例えば、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dに設けられた第一クラッチ機構13と、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dに設けられた第二クラッチ機構14である。電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dの回転軸心WCL、油圧操作用電動ポンプ44の回転軸心ACLは、電動モータ48の出力軸48aの回転軸心OCLに対して夫々並列に設けられている。
電動ウォーターポンプ33の第一クラッチ機構13として、例えば、第一ドリブンギヤ33d1側の駆動軸33dに一体回転するよう設けられたフライホイール13a、電動ウォーターポンプ33側の駆動軸33dに一体回転するよう設けられたクラッチディスク13b、およびフライホイール13aにクラッチディスクを覆うように取付けられたクラッチカバー(図略)を備えている。クラッチカバー内のプレッシャプレートレート(図略)がフライホイール13aにクラッチディスク13bを圧接することで、出力軸48aから駆動軸33d(電動ウォータポンプ33側)への動力の伝達を可能にする。フライホイール13aからクラッチディスク13bを離間させることで、出力軸48aから駆動軸33d(電動ウォータポンプ33側)への動力の伝達を遮断する。フライホイール13aとクラッチディスク13bとの圧接動作は、例えば、既知の油圧機構、電磁アクチュエータなどによって行なうことができる。
油圧操作用電動ポンプ44の第二クラッチ機構14は、第一クラッチ機構13と同様の構成のクラッチ機構となっている。フライホイール14aおよびクラッチディスク14b、クラッチカバーなどを備える。
第四実施形態における多機能ポンプユニットにおいては、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44の作動および切替は、電動モータ48、第一クラッチ機構13、および第二クラッチ機構14の駆動を制御装置7が制御する。
制御装置7は、第一クラッチ機構13および第二クラッチ機構14によって、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dおよび油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dのうち作動するいずれかのポンプ33,44の駆動軸33d,44d(ポンプ33,44側)と電動モータ48の出力軸48aとを接続する。これによって、作動するポンプ33,44の駆動軸33d,44d(駆動部分)に出力軸48aからの動力の伝達を可能とする。また、制御装置7は、作動していないポンプ33,44の駆動軸33d,44d(ポンプ33,44側)と電動モータ48の出力軸48aとの接続を遮断する。これによって、作動しないポンプ33,44の駆動軸33d,44d(駆動部分)に出力軸48aからの動力伝達を遮断する。
図12および図13に示すように、第一クラッチ機構13または第二クラッチ機構14で、電動モータ48と、電動ウォーターポンプ33の駆動軸33dおよび油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸44dとの接続状態を遮断するので、電磁切替弁8,9は、必要がない。電動ウォーターポンプ33のインペラ33a、油圧操作用電動ポンプ44のインナーロータ44cを空転させることもない。
上記の記載で明らかなように、第四実施形態における多機能ポンプユニット305においては、二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)各駆動軸33d,44dのうち使用していない駆動軸33d,44dと電動モータ48の出力軸48aとの接続を遮断することで、出力軸48aからの動力を駆動軸33d,44dへの動力伝達を遮断可能な第一クラッチ機構13および第二クラッチ機構14を備えた。
これによると、二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)のうち使用していないポンプ(電動ウォーターポンプ33または油圧操作用電動ポンプ44)の駆動軸33d,44dへの電動モータ48の出力軸48aによる動力伝達を遮断する。そのため、使用していないポンプ(電動ウォーターポンプ33または油圧操作用電動ポンプ44)の駆動軸33d,44dを空転させる無駄をなくし、電動モータ48の電力の省力化を図ることができる。
(第五実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第五実施形態について説明する。
第五実施形態の多機能ポンプユニット405は、図14に示すように、電動ウォーターポンプ33の駆動軸133d(駆動部分)の回転軸心WCL、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸144d(駆動部分)の回転軸心ACLは、夫々電動モータ48の出力軸148aの回転軸心OCLに対して同軸に設けられている点において、第一実施形態と相違する。その他の構成については同様なので、同じ符号を付与して説明を省略する。
電動ウォーターポンプ33の駆動軸133dと油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸144dと電動モータ48の出力軸148aとは、一本の棒部材によって連続して一体に形成されている。本実施形態において、電動ウォーターポンプ33の駆動軸133dは、インペラ33aが嵌合している部分から所定の長さ油圧操作用電動ポンプ44側に移動した部分である。また、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸144dは、インナーロータ44cが嵌合している部分を中心に、電動ウォーターポンプ33側および電動モータ48側へ所定の長さ移動した部分である。また、電動モータ48の出力軸148aは、電動モータ48より所定の長さ油圧操作用電動ポンプ44側へ移動した部分である。そして、本実施形態において、これらの駆動軸133d,144dおよび出力軸148aが一体に連結されているものとする。
電動ウォーターポンプ33の駆動軸133dには、例えば、先端部の外周に設けられたキー溝65およびキー66により、電動ウォーターポンプ33のインペラ33aが相対移動不能に固定されている。また、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸144dには、油圧操作用電動ポンプ44のインナーロータ44cが、例えば、駆動軸144dの外周に設けられたキー溝67およびキー68により相対移動不能に固定されている。
そのため、電動ウォーターポンプ33の駆動軸133dと油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸144dと電動モータ48の出力軸148aとは、常に一体回転する。これらのキー溝65,67およびキー66,68は、動力伝達部を構成する。なお、動力伝達部は、キー溝およびキーによる構成に限定されず、例えば、スプライン、セレーションなどによる嵌合構造でもよい。
上記の記載で明らかなように、第五実施形態の多機能ポンプユニット405は、二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33,油圧操作用電動ポンプ44)の各駆動軸133d,144dの回転軸心WCL,ACLは、電動モータ48の出力軸144aの回転軸心OCLに対して夫々同軸に、かつ接続可能に設けられている。
これによると、電動モータ48の出力軸148aは、二以上のポンプ33,44の駆動軸133dおよび144dと同軸に設けられているので、簡素な駆動力の伝達構造のものとすることができる。そのため、ポンプユニット全体の製造コストを低減することができる。
(第六実施形態)
以下、本発明に係る多機能ポンプユニットを車両のパワートレインを構成する複数の装置に実施した第六実施形態について図15〜図17に基づいて以下に説明する。
第六実施形態の多機能ポンプユニット505は、電動ウォーターポンプ33の駆動軸233dの回転軸心WCL、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸244dの回転軸心ACLは、夫々電動モータ48の出力軸248aの回転軸心OCLに対して同軸に設けられている。
本実施形態において、電動ウォーターポンプ33の駆動軸233dは、インペラ33aが嵌合している部分から所定の長さ油圧操作用電動ポンプ44側に移動した部分である。また、油圧操作用電動ポンプ44の駆動軸244dは、インナーロータ44cが嵌合している部分を中心に、電動ウォーターポンプ33側および電動モータ48側へ所定の長さ移動した部分である。また、電動モータ48の出力軸248aは、電動モータ48より所定の長さ油圧操作用電動ポンプ44側へ移動した部分である。そして、本実施形態において、これらの駆動軸233d,244dおよび出力軸248aが一体に連結されているものとする。
また、電動ウォーターポンプ33、油圧操作用電動ポンプ44に夫々電動モータ48の出力軸248aとの接続を遮断する動力伝達遮断装置が設けられている。そして、電磁切替弁が設けられておらず、独立循環流通路、外気の吸入路が設けられていない(図12参考)。これらの点において、第一実施形態と相違する。その他の構成は、同様なので説明を省略する。
第六実施形態の多機能ポンプユニット505は、動力伝達遮断装置として、第一ドグクラッチ機構16、第二ドグクラッチ機構17を有している。
第一ドグクラッチ機構16は、第一ハブ16a、第一スリーブ16bおよび第一スプライン16cを備えている。第一ハブ16aは、出力軸148aの中間位置に、外周に一定の幅のスプライン歯の外歯を形成して設けられている。第一ハブ16aは、一体回転するように出力軸248aに固定されている。第一ハブ16aのスプライン歯には、スプライン歯の内歯が形成された円環状の第一スリーブ16bが、駆動軸233dの回転軸心WCLに沿って移動可能にかつ相対回転不能に嵌合されている。第一スリーブ16bは、図略の軸動機構によって、駆動軸233dの回転軸心WCLに沿って移動する。第一ハブ16aは、電動ウォーターポンプ33のインペラ33aのボス部に一体に形成された第一スプライン16cに隣接して設けられている。この場合のインペラ33aは、出力軸248aに対して図略の軸受により遊転状態で、かつ図略の抜け止め機構により抜脱不能に嵌合している。
第一スプライン16cは、インナーロータ33cから第一ハブ16aに向かって、駆動軸233dの回転軸心WCLに沿って突出するように設けられている。第一スプライン16cの外周には、スプライン歯の外歯が形成され、第一スリーブが回転軸心WCLに沿ってインペラ33aに向かって移動すると、第一スプライン16cのスプライン歯と第一スリーブ16bのスプライン歯が嵌合するようになっている。そして、第一スリーブ16bが、第一ハブ16aと第一スプライン16cとに跨って嵌合したときに、図16に示すように、出力軸248aとインペラ33aとが接続され、出力軸248aの動力がインペラ33aに伝達される。第一スリーブ16bが、図17に示すように、第一スプライン16cから嵌合が外れたときに、出力軸248aとインペラ33aとの接続が遮断され、出力軸248aからインペラ33aに伝達される動力が遮断される。
第二ドグクラッチ機構17は、インペラ33aをインナーロータ44cと読み替えるだけで第一ドグクラッチ機構16と同様の構成であり、第二ハブ17a、第二スリーブ17bおよび第二スプライン17cを備えている。第二ドグクラッチ機構17は、作用効果も第一ドグクラッチ機構16と同様であるので、説明を省略する。
第六実施形態における多機能ポンプユニット505においては、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44の作動および切替は、電動モータ48、第一ドグクラッチ機構16、および第二ドグクラッチ機構17の駆動を制御装置7が制御する。
第六実施形態における多機能ポンプユニット505においては、第一ドグクラッチ機構16または第二ドグクラッチ機構17で、電動モータ48と、電動ウォーターポンプ33のインペラ33aおよび油圧操作用電動ポンプ44のインナーロータ44cとの接続状態を遮断するので、電磁切替弁8,9は、必要がない。電動ウォーターポンプ33のインペラ33a、油圧操作用電動ポンプ44のインナーロータ44cを空転させることもない。そのため、電磁切替弁8,9を作動させ、電動モータ48を駆動させるバッテリの電力消費の低減を図ることができる。
上記の記載で明らかなように、第六実施形態における多機能ポンプユニット505は、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44のポンプのうち作動するポンプの駆動軸(233dまたは244d)に、出力軸148aからの動力を伝達し、電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44のポンプのうち作動していないポンプの駆動軸(233dまたは244d)に出力軸248aからの動力の伝達を遮断する第一ドグクラッチ機構16および第二ドグクラッチ機構17を備えている。
これによると、二以上のポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)のうち使用していないポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)の駆動軸233d、244dと電動モータ48の出力軸248aとの接続を遮断するので、使用していないポンプ(電動ウォーターポンプ33および油圧操作用電動ポンプ44)の駆動軸233d、244dを空転させる無駄をなくし、電動モータ48の電力の省力化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、電磁切替弁(第一電磁切替弁8、第二電磁切替弁9等)を2位置でオン・オフに切り替わる電磁弁としたが、これに限定されず、例えば、リニア電磁弁、サーボ弁など流体の流量を制御可能な弁でもよい。
また、上記実施形態では、液体が流通する流通路として、冷却水流通路25、作動オイル流通路46、および循環オイル流通路23cとしたが、これに限定されず、例えば、トルクコンバータの動力伝達オイルを流通させるトルコンオイル流通路、自動変速機の軸受およびギヤ部分の潤滑を図る潤滑オイル流通路、自動変速機のギヤ部分を冷却させるオイルクーラ流通路などに使用される複数の電動ポンプに利用することができる。
また、機械式ポンプは、機械式オイルポンプ43に限定されず、例えば、エンジン2の出力軸21によって駆動してエンジン2に冷却水を供給する機械式ウォーターポンプでもよい。
また、空気循環防止機構として、バネ付逆止弁15としたが、これに限定されず、例えば液体中に入った空気を抜く空気弁でもよい。
また、一つの電動モータが駆動するポンプを二つとしたが、これに限定されず、例えば、図18に示すように、電動エンジンオイルポンプ26、電動ウォーターポンプ33、油圧操作用電動ポンプ44の3つのポンプを単一の電動モータ48で駆動させてもよい。
また、例えば、図19に示すように、エンジン2およびラジエータ3を循環する冷却水流通路25(液体充満流通路)と、パワートレインを構成する装置A92を循環するオイル流通路29(液体充満流通路)とに、夫々設けられる吐出口側切替弁を、一つの第六電磁切替弁91で兼用してもよい。第六電磁切替弁91は、6ポート2位置の電磁切替弁である。第六電磁切替弁91は、エンジン2側に連通するエンジン側出口ポート91a、独立循環流通路27に連通する循環流路側出口ポート91b、独立循環流通路28に連通する循環流路側出口ポート91c、装置A92に連通する装置A92側出口ポート91d、油圧操作用電動ポンプ44に連通する電動ポンプ側入口ポート91e、電動ウォーターポンプ33に連通するウォーターポンプ側入口ポート91fを有している。
第六電磁切替弁91は、切り替えることで、エンジン側出口ポート91aをエンジン2側に連通するとともに、装置A92側出口ポート91dを装置A92に連通する91A部(液体流通路供給部)を有している。また、切り替えることで、循環流路側出口ポート91bを独立循環流通路27に連通するとともに、循環流路側出口ポート91cを独立循環流通路28に連通する91B部(液体循環部)を備えている。
これによると、複数の吐出口側切替弁を一つの第六電磁切替弁91で兼用するので、部品点数を減らして製造コストを低減することができる。
本発明は、上記しかつ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
2…エンジン(装置)、23a…第一オイルパン(液体貯留部)、23c…循環オイル流通路、25…冷却水流通路(流通路)、26…電動エンジンオイルポンプ、26d…駆動軸(駆動部分)、26e…吐出口、26f…吸入口、27…独立循環流通路、33…電動ウォーターポンプ、33d…駆動軸(駆動部分)、33d1…第一ドリブンギヤ(接続部)、33e…吐出口、33f…吸入口、4…自動変速機(装置)、42…変速機構、43…機械式オイルポンプ(機械式ポンプ)、44…油圧操作用電動ポンプ、44d…駆動軸(駆動部分)、44d1…第二ドリブンギヤ(接続部)、44e…吐出口、44f…吸入口、46…作動オイル流通路(流体貯留部付流通路)、46a…第二オイルパン(液体貯留部)、48…電動モータ、48a…出力軸、5…多機能ポンプユニット、65…キー溝(動力伝達部)、66…キー(動力伝達部)、67…キー溝(動力伝達部)、68…キー(動力伝達部)、8…第一電磁切替弁(吐出口側切替弁)、8A…8A部(液体流通路供給部)、8B…8B部(液体循環部)、9…第二電磁切替弁(吸入口側切替弁)、9A…液体吸入口供給部、9B…吸気部、11…第三電磁切替弁、11A…11A部(液体流通路供給部・吸気部)、11B…11B部(液体循環部・液体吸入口供給部)、12…第四電磁切替弁、12A…12A部(液体流通路供給部・液体吸入口供給部)、12B…12B部(液体循環部・吸気部)、13…第一クラッチ機構(動力伝達遮断装置)、14…第二クラッチ機構(動力伝達遮断装置)、16…第一ドグクラッチ機構(動力伝達遮断装置)、17…第二ドグクラッチ機構(動力伝達遮断装置)、105…多機能ポンプユニット、205…多機能ポンプユニット、305…多機能ポンプユニット、405…多機能ポンプユニット、505…多機能ポンプユニット。

Claims (10)

  1. パワートレインを構成する複数の装置に設けられた複数の流通路に夫々設けられ、同種のまたは異なった種類の液体を供給する少なくとも二以上のポンプを備え、
    前記二以上のポンプは、前記二以上のポンプを駆動させる駆動部分を夫々有し、
    前記二以上のポンプの各前記駆動部分に夫々連結して、前記二以上のポンプを駆動させる一つの出力軸を有する単一の電動モータを備え、
    前記二以上のポンプは、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に供給する前記液体を吸い込む吸入口と、前記装置内に流通する前記液体を流入させる前記流通路の始端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に向かって前記液体を吐出する吐出口と、を夫々有し、
    前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記液体を充満した状態で流通させる液体充満流通路である場合に、
    前記液体充満流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吐出口と前記液体充満流通路の始端との間に設けられ、前記液体充満流通路の始端に接続して前記液体充満流通路に前記液体を供給させる液体流通路供給部と、前記液体充満流通路への前記液体の供給を止めるとともに、前記液体を独立して循環させる独立循環流通路に連絡する液体循環部と、を有する吐出口側切替弁を備えた多機能ポンプユニット。
  2. パワートレインを構成する複数の装置に設けられた複数の流通路に夫々設けられ、同種のまたは異なった種類の液体を供給する少なくとも二以上のポンプを備え、
    前記二以上のポンプは、前記二以上のポンプを駆動させる駆動部分を夫々有し、
    前記二以上のポンプの各前記駆動部分に夫々連結して、前記二以上のポンプを駆動させる一つの出力軸を有する単一の電動モータを備え、
    前記二以上のポンプは、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に供給する前記液体を吸い込む吸入口と、前記装置内に流通する前記液体を流入させる前記流通路の始端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に向かって前記液体を吐出する吐出口と、を夫々有し、
    前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端部に前記装置内を流通した前記液体を集めて貯留する液体貯留部を有する液体貯留部付流通路である場合に、
    前記液体貯留部付流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吸入口と前記装置内を流通した前記液体が流出する前記液体貯留部付流通路の前記液体貯留部との間に設けられ、前記液体貯留部に接続して前記吸入口に前記液体を供給させる液体吸入口供給部と、前記吸入口への前記液体の供給を止めるとともに、空気が吸入可能な吸気部と、を有する吸入口側切替弁を備えた多機能ポンプユニット。
  3. パワートレインを構成する複数の装置に設けられた複数の流通路に夫々設けられ、同種のまたは異なった種類の液体を供給する少なくとも二以上のポンプを備え、
    前記二以上のポンプは、前記二以上のポンプを駆動させる駆動部分を夫々有し、
    前記二以上のポンプの各前記駆動部分に夫々連結して、前記二以上のポンプを駆動させる一つの出力軸を有する単一の電動モータを備え、
    前記二以上のポンプは、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に供給する前記液体を吸い込む吸入口と、前記装置内に流通する前記液体を流入させる前記流通路の始端側に設けられ前記駆動部分の駆動により前記流通路に向かって前記液体を吐出する吐出口と、を夫々有し、
    前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記液体を充満した状態で流通させる液体充満流通路である場合に、
    前記液体充満流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吐出口と前記液体充満流通路の始端との間に設けられ、前記液体充満流通路に接続して前記液体充満流通路に前記液体を供給させる液体流通路供給部と、前記液体充満流通路への前記液体の供給を止めるとともに、前記液体を独立して循環させる独立循環流通路に連絡する液体循環部と、を有する吐出口側切替弁と、
    前記装置の前記流通路の少なくとも一つが、前記装置内を流通した前記液体が流出する前記流通路の終端部に液体貯留部を有する液体貯留部付流通路である場合に、
    前記装置内を流通した前記液体が流出する前記液体貯留部と前記液体貯留部付流通路に前記液体を供給する前記二以上のポンプのうちのいずれかのポンプの前記吸入口との間に設けられ、前記液体貯留部に接続して前記吸入口に前記液体を供給させる液体吸入口供給部と、前記吸入口への前記液体の供給を止めるとともに、空気が吸入可能な吸気部と、を有する吸入口側切替弁と、を備え、
    前記吐出口側切替弁と前記吸入口側切替弁とは、一つの切替弁が兼用している多機能ポンプユニット。
  4. 前記二以上のポンプは、各前記駆動部分の回転軸心が前記電動モータの前記出力軸の回転軸心に対して夫々並列に設けられ、
    各前記駆動部分には、前記出力軸に接続して前記出力軸からの動力を各前記ポンプに伝達可能とする接続部が夫々設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多機能ポンプユニット。
  5. 前記二以上のポンプは、各前記駆動部分の回転軸心が前記電動モータの前記出力軸の回転軸心に対して同軸に設けられ、
    各前記駆動部分には、前記出力軸からの動力を各前記ポンプに伝達可能とする動力伝達部が設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多機能ポンプユニット。
  6. 前記二以上のポンプのうち作動する前記ポンプの前記駆動部分に前記出力軸からの動力を伝達可能とするとともに、前記二以上のポンプのうち作動しない前記ポンプの前記駆動部分への前記出力軸からの動力の伝達を遮断可能とする動力伝達遮断装置を備えた請求項4または5に記載の多機能ポンプユニット。
  7. 前記液体充満流通路は、複数設けられており、
    前記複数の液体充満流通路に設けられる前記吐出口側切替弁は、一つの切替弁が兼用している請求項1に記載の多機能ポンプユニット。
  8. 前記液体貯留部付流通路は、複数設けられており、
    前記複数の液体貯留部付流通路に設けられる前記吸入口側切替弁は、一つの切替弁が兼用している請求項2に記載の多機能ポンプユニット。
  9. エンジンの出力軸の回転で駆動する機械式ポンプをさらに設け、
    前記機械式ポンプが供給する液体と同種の液体を供給する前記二以上のポンプのいずれかと、前記機械式ポンプとが、前記流通路のうちの一つに並列させて設けられている請求項1ないしのいずれか1項に記載の多機能ポンプユニット。
  10. 前記液体貯留部付流通路には、前記液体貯留部付流通路に入った空気の循環を防止する空気循環防止機構が設けられている請求項2、請求項3および請求項8のいずれか1項に記載の多機能ポンプユニット。
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