JP6676368B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
本発明では、保護部材がストロークセンサよりもブレーキ操作子側に突出しているため、ストロークセンサが他の部材に接触するのを防ぐことができる。したがって、ブレーキ制御装置を車体に組み付けるときに、ストロークセンサがダッシュボード等の車体に接触するのを防ぐことができる。
この構成では、センサ取付部に保護部材を取り付けるときに、対向面を基準として位置決めすることができる。また、ブレーキ制御装置を車体に組み付けるときに、保護部材が基体の他方側に押し込まれるのを防ぐことができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
第一実施形態のブレーキ制御装置1は、図1に示すように、車両のマスタシリンダ(ブレーキシステム)への出力を制御する制動倍力装置(ブレーキブースター)である。
なお、第一実施形態において、前後方向、左右方向および上下方向とは、ブレーキ制御装置1を車両に搭載したときの方向である。
マスタシリンダ8のシリンダ本体8bの上面には、図3に示すように、リザーバ9が取り付けられている。リザーバ9は、ブレーキ液を貯溜する容器であり、リザーバ9内のブレーキ液はマスタシリンダ8内の圧力室に補給される。
取付部13は、前後方向よりも上下方向が大きく形成されている(図1参照)。取付部13は、基体10の上端部よりも上方に突出するとともに、基体10の下端部よりも下方に突出している。
図8に示すように、基体10をダッシュボードDの前面に取り付けるときには、センサ取付部140をダッシュボードDの開口部D1に挿入するとともに、各スタッドボルトB2をダッシュボードの取付穴(図示せず)に挿入する。各スタッドボルトB2は車体フレームに固着する。
基体10の前面10aの中央部には、図6に示すように、収容室15に通じる開口部10gが形成されている。この開口部10gは、マスタシリンダ8のシリンダ穴(図示せず)の後端部に連通している。マスタシリンダ8のピストン8aは、基体10の開口部10gを通じて収容室15内に突出している。
入力ロッド22の後端部はセンサ取付部140の連通穴142に挿入されている。入力ロッド22の後端面の凹部には、プッシュロッドP1の前端部が内嵌されている。
磁石ホルダ25は、センサ取付部140の連通穴142に挿通されており、連通穴142に対して前後方向に摺動自在である。
磁石ホルダ25の外周面の右側の領域には、図5(b)に示すように、磁石25aが取り付けられている。
伝達部材21は、円筒状の部材であり、中心部に挿通穴21aが貫通している。伝達部材21は、入力ロッド22の前部に外嵌されている。
伝達部材21の後端面の中央部には、後側凹部21cが形成されている。挿通穴21aの後端部は、後側凹部21cの底面の中央部に開口している。
伝達部材21の後側凹部21c内には、入力ロッド22のフランジ部22aが収容されている。
後側凹部21cの底面と、入力ロッド22のフランジ部22aの前面との間には、第二コイルばね24bが介設されている。第二コイルばね24bは、伝達部材21に対して前方に移動した入力ロッド22を後方に押し戻すものである。
出力部材7は、伝達部材21の前側凹部21bに保持されており、伝達部材21の前面から前方に向けて突出している。そして、出力部材7の前端部は、マスタシリンダ8のピストン8aに当接している。
出力部材7の後端面と前側凹部21bの底面との間には、ゴム製の弾性部材23が介設されている。
ストロークセンサ6は、半円周形状に湾曲しており、センサ取付部140の後端面141の右半分に取り付けられている。ストロークセンサ6は、センサ取付部140の連通穴142の右半分に沿って配置されている。
図5(b)に示すように、ストロークセンサ6の前面には、前方に向けて突出した突出部6aが形成されている。この突出部6aは、センサ取付部140の後端面141に形成された凹部141aに嵌め込まれている。
ストロークセンサ6の外側面は、センサ取付部140の後端面141の外周縁部よりも内側に配置されている。
ストロークセンサ6は、磁石ホルダ25が前後方向に移動したときの磁石25aによる磁力線の変化を検出することで、入力部材2の移動量を検出する。ストロークセンサ6で検出された移動量は、電子制御装置5(図1参照)に出力される。
電動モータ3は、取付部13の左側面13aの上部領域に取り付けられている。また、電動モータ3から突出した出力軸3aは、取付部13の開口部16aを通じてギヤ収容部16に挿入されている。
出力軸3aの軸方向L2は左右方向に延びており、出力部材7および入力部材2の軸方向L1(前後方向)に対して直交している(図2参照)。
円筒部材42は、前側基体11の内面にベアリング42aを介して取り付けられており、ウォームホイール41は前後方向の軸線回りに回転自在である。ウォームホイール41は、出力部材7の外周を囲んでいる。
ウォームギヤ43の左右の端部は、それぞれ軸受部材49,49を介してギヤ収容部16の内周面に取り付けられている。ウォームギヤ43は、ギヤ収容部16内で左右方向の軸線回りに回転自在である。
ウォームギヤ43の左端部は、連結部材48を介して、電動モータ3の出力軸3aの先端部に接続されている。これにより、ウォームギヤ43は、出力軸3aの回転に連動して左右方向の軸線回り(出力軸3aの中心軸回り)に回転する。
ウォームホイール41の歯部41aの最上部は、ギヤ収容部16内に入り込んでおり、ウォームギヤ43のねじ部に噛み合っている。
ウォームギヤ機構47では、ウォームギヤ43の左右方向の軸線回りの回転がウォームホイール41の前後方向の軸線回りの回転に変換される。
回転筒体44の中心軸とウォームホイール41の中心軸とは同一軸線上に配置されている。回転筒体44は、伝達部材21の外周を囲んでいる。伝達部材21のフランジ部21eは、回転筒体44よりも前側に配置されている。
直動筒体45は、基体10(後側基体12)に対して回転不可かつ前後方向に移動自在に取り付けられている。
ボールねじ機構46aは、回転筒体44の内周面に形成された保持溝と、直動筒体45の外周面に形成されたねじ溝と、保持溝およびねじ溝の間に挿入された複数のボールと、を備えている。
回路基板51は、ストロークセンサから得られた情報や予め記憶させておいたプログラムなどに基づいて電動モータ3の駆動を制御する。
ハウジング52内の上部空間には、回路基板51が収容され、ハウジング52内の下部空間には電動モータ3が収容されている。
このように、第一実施形態のハウジング52は、回路基板51を収容するケースであるとともに、電動モータ3を収容するケースも兼ねている。
ハウジング52において、回路基板51の収容空間の右側面には開口部が形成されており、この開口部は平板状のカバー52bによって塞がれている。
入力ロッド22が前方に移動すると、入力ロッド22によって伝達部材21が前方に向けて押し出される。
電子制御装置5は、図4に示すように、ストロークセンサ6の検出結果に応じて、電動モータ3を駆動させ、出力軸3aを正回転させる。
変換機構46では、図6に示すように、回転筒体44が前後方向の軸線回りに正回転すると、ボールねじ機構46aによって直動筒体45が前方に押し出されて、直動筒体45が前方に移動する。
これにより、直動筒体45が伝達部材21のフランジ部21eを前方に向けて押圧し、伝達部材21とともに出力部材7が前方に向けて押し出される。
そして、出力部材7によってマスタシリンダ8のピストン8aが前方に向けて押し出され、マスタシリンダ8内にブレーキ液圧が発生する。
そして、入力ロッド22の後方への移動をストロークセンサ6が検出し、その検出結果が電子制御装置5(図4参照)に入力されると、図4に示すように、電子制御装置5は、電動モータ3の出力軸3aを逆回転させる。
これにより、図6に示すように、直動筒体45が後方に移動するとともに、伝達部材21は、第一コイルばね24aの付勢力によって後方に押し戻され、入力部材2が初期状態の位置に復帰する。
そして、電動モータ3の駆動力のみによって伝達部材21および出力部材7が前方に向けて押し出され、マスタシリンダ8内にブレーキ液圧が発生する。
したがって、ブレーキ制御装置1では、マスタシリンダ8に対して基体10の取り付け向きを前後方向の軸線回りに半周移動させた状態でも、基体10とマスタシリンダ8とは、二つのボルトB3,B3によって連結することができる。
第一実施形態におけるマスタシリンダ8と基体10との連結状態から、マスタシリンダ8に対して基体10の取り付け向きを前後方向の軸線回りに半周移動させると、基体10の右側(マスタシリンダ8の右側の領域)に電動モータ3および電子制御装置5を配置することができる。
基体10のセンサ取付部140の外周面には、図5(a)に示すように、前後方向の略中央を境にして先端側(後側)の第一側面143と、基部側(前側)の第二側面144と、が形成されている。
第一側面143および第二側面144は、後側(先端側)から前側(基部側)に向かうに従って漸次拡径されたテーパ面に形成されている。これにより、基体10を鋳造したときに、センサ取付部140が金型からスムーズに抜くことができる。
保護部材150は、磁性体であり、第一実施形態では鋼材を用いている。保護部材150の内径は、第一側面143の最大外径よりも僅かに小さく形成されている。したがって、保護部材150内にセンサ取付部140の第一側面143が圧入されており、保護部材150の内周面と第一側面143とが圧接している。
保護部材150の各係合片156がセンサ取付部140の各係合溝146に係合されることで、センサ取付部140に対して保護部材150が固定されている。
保護部材150の後側の開口縁部152は、ブーツ部材160の前側の開口縁部161にインサート成形されている。このように、保護部材150の後端部とブーツ部材160の前端部とは連続しており、保護部材150とブーツ部材160とが一体に形成されている。
ブーツ部材160の底部162の中央部には、挿通穴162aが形成されている。この挿通穴162aにはプッシュロッドP1が挿通されている。
また、ブレーキ制御装置1では、保護部材150をセンサ取付部140に外嵌するときに、センサ取付部140の対向面145を基準にして位置決めすることができる。
さらに、対向面145によって保護部材150の前方への移動が規制されるため、図8に示すように、ブレーキ制御装置1をダッシュボードDに組み付けるときに、保護部材150が基体10の前側に押し込まれるのを防ぐことができる。
例えば、保護部材150を樹脂製の非磁性体によって形成してもよい。この場合には、保護部材150によってストロークセンサ6の周囲の磁界が変化しないため、ストロークセンサ6の検出精度を安定させることができる。
次に、本発明の第二実施形態のブレーキ制御装置について説明する。
第二実施形態のブレーキ制御装置は、第一実施形態のブレーキ制御装置1(図1参照)と略同様の構成であり、図9(a)に示すように、保護部材150の係合片156の形状が異なっている。
第一実施形態では、図7(b)に示すように、係合片156に屈曲部156aが形成されているが、係合片156の形状は限定されるものではない。
第二実施形態では、図9(a)に示すように、係合片156の後端部が内側に向けて折り曲げられている。
第二実施形態では、係合片156の後端部を係合溝146に入り込ませることで、センサ取付部140に対する保護部材150の抜け止めを強固にすることができる。
次に、本発明の第三実施形態のブレーキ制御装置について説明する。
第三実施形態のブレーキ制御装置は、第一実施形態のブレーキ制御装置1(図1参照)と略同様の構成であり、図9(b)に示すように、保護部材150とブーツ部材160との接続部の構成が異なっている。
第三実施形態では、図9(b)に示すように、保護部材150の後端部の外周面に凹溝157を形成するとともに、ブーツ部材160の前端部の内周面に凸部163が形成されている。そして、保護部材150の凹溝157にブーツ部材160の凸部163を嵌め込むことで、保護部材150とブーツ部材160とを接続している。
第三実施形態では、保護部材150とブーツ部材160とを別々に低コストで製造することができる。
次に、本発明の第四実施形態のブレーキ制御装置について説明する。
第四実施形態のブレーキ制御装置は、第一実施形態のブレーキ制御装置1(図1参照)と略同様の構成であり、図9(c)に示すように、保護部材150とブーツ部材160との接続部の構成が異なっている。
第四実施形態では、保護部材150が簡単な形状になるため、保護部材150を低コストで製造することができる。また、ブーツ部材160の凸部163の外側に保護部材150が重ねられるため、センタ取付部140に対するブーツ部材160の抜け止めを保護部材150によって構成することができる。
2 入力部材
3 電動モータ(電動アクチュエータ)
3a 出力軸
4 駆動伝達機構
5 電子制御装置
6 ストロークセンサ
7 出力部材
8 マスタシリンダ
9 リザーバ
10 基体
11 前側基体
12 後側基体
13 取付部
15 収容室
16 ギヤ収容部
21 伝達部材
22 入力ロッド
25 磁石ホルダ
25a 磁石
41 ウォームホイール
42 円筒部材
43 ウォームギヤ
44 回転筒体
45 直動筒体
46 変換機構
46a ボールねじ機構
47 ウォームギヤ機構
51 回路基板
52 ハウジング
140 センサ取付部
141 後端面
142 連通穴
143 第一側面
144 第二側面
145 対向面
146 係合溝
150 保護部材
153 スリット
155 開口部
156 係合片
156a 屈曲部
160 ブーツ部材
D ダッシュボード
D1 開口部
P ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
P1 プッシュロッド
Claims (9)
- マスタシリンダへの出力を制御するブレーキ制御装置であって、
基体と、
ブレーキ操作子に接続された入力部材と、
前記マスタシリンダに接続された出力部材と、
前記出力部材に駆動力を付与する電動アクチュエータと、
前記入力部材の移動量に応じて前記電動アクチュエータを制御する電子制御装置と、
前記入力部材の移動量を検出するストロークセンサと、を備え、
前記ストロークセンサは、前記基体の外面に取り付けられており、
前記基体には、前記ストロークセンサよりも前記ブレーキ操作子側に突出した保護部材が設けられ、
前記入力部材は、前記基体の前記ブレーキ操作子側の端部に設けられたセンサ取付部内に配置され、
前記ストロークセンサは、前記センサ取付部の外面に取り付けられ、
前記センサ取付部の外側面には、先端側の第一側面と、基部側の第二側面とが形成され、前記第一側面は、前記第二側面よりも内側に形成されており、
前記保護部材は、前記第一側面に取り付けられていることを特徴とするブレーキ制御装置。 - マスタシリンダへの出力を制御するブレーキ制御装置であって、
基体と、
ブレーキ操作子に接続された入力部材と、
前記マスタシリンダに接続された出力部材と、
前記出力部材に駆動力を付与する電動アクチュエータと、
前記入力部材の移動量に応じて前記電動アクチュエータを制御する電子制御装置と、
前記入力部材の移動量を検出するストロークセンサと、を備え、
前記ストロークセンサは、前記基体の外面に取り付けられており、
前記基体には、前記ストロークセンサよりも前記ブレーキ操作子側に突出した保護部材が設けられ、
前記入力部材は、前記基体の前記ブレーキ操作子側の端部に設けられたセンサ取付部内に配置され、
前記ストロークセンサは、前記センサ取付部の外面に取り付けられ、
前記センサ取付部には、前記保護部材の前記マスタシリンダ側の縁部に対向する対向面が形成されていることを特徴とするブレーキ制御装置。 - マスタシリンダへの出力を制御するブレーキ制御装置であって、
基体と、
ブレーキ操作子に接続された入力部材と、
前記マスタシリンダに接続された出力部材と、
前記出力部材に駆動力を付与する電動アクチュエータと、
前記入力部材の移動量に応じて前記電動アクチュエータを制御する電子制御装置と、
前記入力部材の移動量を検出するストロークセンサと、を備え、
前記ストロークセンサは、前記基体の外面に取り付けられており、
前記基体には、前記ストロークセンサよりも前記ブレーキ操作子側に突出した保護部材が設けられ、
前記保護部材に形成された係合片が前記基体に形成された係合溝に係合していることを特徴とするブレーキ制御装置。 - マスタシリンダへの出力を制御するブレーキ制御装置であって、
基体と、
ブレーキ操作子に接続された入力部材と、
前記マスタシリンダに接続された出力部材と、
前記出力部材に駆動力を付与する電動アクチュエータと、
前記入力部材の移動量に応じて前記電動アクチュエータを制御する電子制御装置と、
前記入力部材の移動量を検出するストロークセンサと、を備え、
前記ストロークセンサは、前記基体の外面に取り付けられており、
前記基体には、前記ストロークセンサよりも前記ブレーキ操作子側に突出した保護部材が設けられ、
前記入力部材は、前記基体の前記ブレーキ操作子側の端部に設けられたセンサ取付部内に配置され、
前記ストロークセンサは、前記センサ取付部の外面に取り付けられ、
前記保護部材は、筒状に形成されており、前記センサ取付部に外嵌されていることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項4に記載のブレーキ制御装置であって、
前記保護部材の前記ブレーキ操作子側の開口部は、有底筒状のブーツ部材に覆われていることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項4または請求項5に記載のブレーキ制御装置であって、
前記保護部材には、前記マスタシリンダ側の開口縁部から前記ブレーキ操作子側に向けて延びているスリットが形成されていることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置であって、
前記保護部材が非磁性体であることを特徴とするブレーキ制御装置。 - マスタシリンダへの出力を制御するブレーキ制御装置であって、
基体と、
ブレーキ操作子に接続された入力部材と、
前記マスタシリンダに接続された出力部材と、
前記出力部材に駆動力を付与する電動アクチュエータと、
前記入力部材の移動量に応じて前記電動アクチュエータを制御する電子制御装置と、
前記入力部材の移動量を検出するストロークセンサと、を備え、
前記ストロークセンサは、前記基体の外面に取り付けられており、
前記基体には、前記ストロークセンサよりも前記ブレーキ操作子側に突出した保護部材が設けられ、
前記保護部材が磁性体であることを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のブレーキ制御装置であって、
前記保護部材によって、前記ストロークセンサの外側面が覆われていることを特徴とするブレーキ制御装置。
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