JP6676350B2 - マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システム - Google Patents

マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システム Download PDF

Info

Publication number
JP6676350B2
JP6676350B2 JP2015228905A JP2015228905A JP6676350B2 JP 6676350 B2 JP6676350 B2 JP 6676350B2 JP 2015228905 A JP2015228905 A JP 2015228905A JP 2015228905 A JP2015228905 A JP 2015228905A JP 6676350 B2 JP6676350 B2 JP 6676350B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
micro
fluid
nano fiber
array
cantilever structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015228905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016099357A (ja
Inventor
志平 徐
志平 徐
大西 大
大 大西
宇 万
宇 万
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsinghua University
Original Assignee
Tsinghua University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from CN201410681379.7A external-priority patent/CN104792355B/zh
Priority claimed from CN201420710693.9U external-priority patent/CN204255405U/zh
Priority claimed from CN201410679341.6A external-priority patent/CN104729579B/zh
Application filed by Tsinghua University filed Critical Tsinghua University
Publication of JP2016099357A publication Critical patent/JP2016099357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6676350B2 publication Critical patent/JP6676350B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は流体センサに関し、とりわけマイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システムに関する。
流動場状態(速度の高低及び方向、流体粘性、密度などの特性など)の測定は、数々の分野で極めて重要な価値を有しており、これら測定されたデータはより高レベルで、価値のある分析のために基礎を提供している。
従来、熱式の流量計測装置が開発されている(特許文献1)。かかる熱式の流量測定装置では、サーモパイルおよび他のサーモパイルによって検出された温度の差分に基づいて、流路内を流れる測定対象流体を算出することで、精度の高い流量測定を可能としている。
特開2012−233776
従来技術において、流体センサの測定精度は1mm/秒程度のものしかなく、精密な測定には、より高い精度が望まれている。
上記の課題に鑑み、本開示は、流動場特性についてより高精度測定が可能で、サイズが小さい流体センサ、その測定方法及び流体測定システムを提供する。
本開示の流体センサは、平板構造を有する単一の基体と、マイクロ・ナノファイバアレイと、測定装置とを具備する流体センサであって、前記マイクロ・ナノファイバアレイは、複数本のマイクロ・ナノファイバがマイクロ・ナノファイバの延伸方向と前記単一の基体の前記平板構造の表面とがそれぞれ夾角になるように、一端が前記単一の基体の前記表面それぞれ固定され、他端が自由端となって前記単一の基体の前記表面それぞれ設けられている。
前記基体はカンチレバー構造を有し、前記測定装置は、前記カンチレバー構造の表面に入射する光を出射する光源と、前記カンチレバー構造の表面にて反射した光を受光する光検出器とを具備してもよい。
前記基体はカンチレバー構造を有し、前記測定装置は、前記カンチレバー構造の湾曲変形の度合いを検出するための検出装置であってもよい。
前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置は、前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の湾曲変形の度合いを検出するための検出装置であってもよい。
前記基体は両端が固定され、前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置は、前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向に配置されているイメージセンサを具備する検出器であってもよい。
前記基体は両端が固定され、前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置は、前記基体の一側に配置され、前記基体に設けられた前記マイクロ・ナノファイバアレイの延伸方向から入射する光を出射する光源と、前記基体の対向側に配置され、前記基体に設けられた前記マイクロ・ナノファイバアレイを透過するレーザ光を受光する光検出器とを具備してもよい。
本開示に係る流体測定システムであって、上記の各種の流体センサと信号処理装置を具備し、前記各種の流体センサは、前記基体と、前記光源と、前記光検出部とを具備し、前記マイクロ・ナノファイバアレイは、複数本のマイクロ・ナノファイバがマイクロ・ナノファイバの延伸方向と前記基体の表面とが夾角になるように、一端が前記基体の表面に固定され、他端が自由端となって前記基体の表面に設けられ、前記信号処理装置は、前記光検出器からの信号が入力される入力部と、入力された前記信号を処理する信号処理部と、処理された信号を制御する制御部と、前記制御部から受信した信号を外部に出力する出力部とを具備する。
従来技術に比較して、本開示の流体センサは、より高精度な流体測定を実現し、より微細な環境での流動場測定が求められる場合に用いることができる。
本開示の第1の実施形態に係る流体センサの概略図。 本開示の第1の実施形態に係る流体センサの概略図。 本開示に係る流体測定システムのブロック図。 本開示に係るマイクロ・ナノファイバアレイの配列の態様を例示した図。 本開示に係る流体センサによる流体の測定の原理図。 本開示の第2の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第2の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第3の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第4の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第4の実施形態に係るマイクロ・ナノファイバアレイに欠陥が導入された構造概略図。 本開示の第4の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第4の実施形態に係る流体センサによる流体の測定の原理図。 本開示の第5の実施形態に係る流体センサの構造概略図。 本開示の第5の実施形態に係る流体センサが流体を測定する原理図。
本開示に係る前記カンチレバー構造は、一端が固定される固定端と、他端が自由端とを備えており、前記マイクロ・ナノファイバアレイは前記固定端から離れた表面に設けられてもよい。
前記カンチレバー構造は平行で且つ対向している一対の表面、つまり第1の表面及び第2の表面を少なくとも含み、該マイクロ・ナノファイバアレイは前記カンチレバー構造の第1の表面及び/又は第2の表面に設けられてもよい。
前記マイクロ・ナノファイバアレイ中の複数本のマイクロ・ナノファイバは互いに間隔を置いて設けられており、各々の前記マイクロ・ナノファイバの直径dは20μmないし100μmであってもよく、各々の前記マイクロ・ナノファイバの長径比は10〜1000であってもよい。
各々の前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向と前記カンチレバー構造の第1の表面、第2の表面との夾角はほぼ90度であってもよい。
前記マイクロ・ナノファイバアレイは、四方晶格の配列になる長方形アレイ、六方晶格の配列になる三角形アレイ、「蜂の巣」状の配列になる六角形アレイ、円形アレイであってもよく、流体の方向に向かって反時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Aアレイ、流体の方向に向かって時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Bアレイ、流体の方向に対して先が流体の方向に向かって矢羽状に配列する矢羽状アレイ、または前記放射状Aアレイ、前記放射状Bアレイもしくは前記矢羽状アレイは、それぞれ複数列が並列に並ぶようにしたアレイであってもよい。上記の各種の配列のアレイは、それぞれ同一の配列形状を繰り返し配列してなるアレイであってもよく、上記各配列形状が任意に組み合わせて配列してなるアレイであってもよい。
前記マイクロ・ナノファイバアレイの高さは500μmないし10mmであってもよい。
前記マイクロ・ナノファイバアレイ中の隣接する任意の二本のマイクロ・ナノファイバの距離Lと一本のマイクロ・ナノファイバの直径dとの比率、つまりマイクロ・ナノファイバアレイの配列密度d/Lは、0.001<d/L<1でもよく、好ましくは0.05<d/L<1で、より好ましくは0.1<d/L<1を満たすようにする。
各々の前記マイクロ・ナノファイバはカーボンナノチューブ束であり、該カーボンナノチューブ束は平行に配列されたカーボンナノチューブを複数本含み、該平行に配列された複数本のカーボンナノチューブはファンデルワールス力により密集させ束状構造になってもよい。
前記マイクロ・ナノファイバの材料は、カーボンナノチューブ、炭素繊維、フォトレジスト又はポリジメチルシロキサン、酸化亜鉛及びケイ素系複合材料であってもよい。
前記検出装置は前記カンチレバー構造の同じ側に位置しているレーザ出射器と光検出器とを更に備え、前記レーザ出射器が出射したレーザは前記カンチレバー構造の表面に入射し、前記光検出器は前記カンチレバー構造の表面にて反射したレーザ光を受光するようにしてもよい。
前記カンチレバー構造の同じ側に位置しているレーザ出射器と光検出器とを備える流体センサを用いて流体特性を測定する方法は、平板構造で、一端は固定端で他端は自由端である前記カンチレバー構造を有する前記流体センサを静態環境中に置くステップと、前記光検出器によって受光された前記カンチレバー構造の表面から反射されたレーザ光について、レーザのカンチレバー構造の表面における入射位置、入射夾角α、及び1回目の反射光点の位置を記録するステップと、前記流体センサに設けられたマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、レーザ出射器がレーザを出射する入射方向及びレーザ出射器とカンチレバー構造との相対的な位置が不変の下で、光検出器を移動させ、2回目の反射光点の位置を記録し、1回目と2回目との反射光点の位置ずれ量Δを得るステップと、前記反射光点の位置ずれ量Δ、レーザ入射位置から固定端までの距離l、マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離l、光検出器からカンチレバー構造の表面までの垂直投影点D、レーザ入射位置から投影点Dまでの距離としてのl、及びレーザ入射夾角αに基づいて流動場速度νを算出するステップとを含んでもよい。
前記カンチレバー構造の同じ側に位置しているレーザ出射器と光検出器とを備える流体センサを用いて流体特性を測定する方法は、該流体センサ中のカンチレバー構造は平板構造であって、前記カンチレバー構造の一端は固定端であり、他端は自由端である前記流体センサを静態環境中に置くステップと、レーザ出射器を用いてレーザを前記カンチレバー構造の表面に入射させて、更に前記レーザ出射器が前記カンチレバー構造の表面に入射するとともに反射された光を該光検出器で受光して、レーザのカンチレバー構造の表面での入射位置、入射夾角α、及び1回目の反射光点の位置を記録するステップと、上記流体センサ中のマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、レーザ出射器がレーザを出射する入射方向及びレーザ出射器とカンチレバー構造との相対的な位置が変わらないように維持し、光検出器を移動させ、2回目の反射光点の位置を記録し、1回目と2回目との反射光点の位置ずれ量Δを得るステップと、該反射光点の位置ずれ量Δ、レーザ入射位置から固定端までの距離l、マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離l、光検出器からカンチレバー構造の表面までの垂直投影点D、レーザ入射位置から投影点Dまでの距離としてのl、及びレーザ入射夾角αに基づいて流動場速度
Figure 0006676350
を算出するステップとを含み、式中、EIはカンチレバー構造の曲げ剛性、Cは抵抗係数、ρは流体密度、nはマイクロ・ナノファイバの本数、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、dはマイクロ・ナノファイバの直径である。
前記カンチレバー構造は導電板であって、前記流体センサは他方の導電板と前記カンチレバー構造からなる平板コンデンサを更に備えており、前記マイクロ・ナノファイバアレイは前記カンチレバー構造における前記他方の導電板から離れた表面に設けられ、前記カンチレバー構造の湾曲変形による前記平板コンデンサの静電容量値の変化により流体特性を測定するようにしてもよい。
本開示の上記流体センサを用いて流体特性を測定する方法は、前記流体センサを静態環境中に置くステップと、流体センサを静態環境中に置いた平板コンデンサの静電容量値Cを記録するステップであって、前記Cは、
Figure 0006676350
を有し、式中、εは誘電率、aは前記カンチレバー構造の幅、lは前記カンチレバー構造の長さ、dは前記カンチレバー構造と他方の導電板との間隔である、ステップと、
上記流体センサ中の前記マイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、前記平板コンデンサの静電容量値Cを記録するステップとを含み、前記Cは、
Figure 0006676350
を有し、式中、モーメント
Figure 0006676350
で、EIはカンチレバー構造の曲げ剛性で、Cは抵抗係数で、ρは流体密度で、nはマイクロ・ナノファイバの本数で、hはマイクロ・ナノファイバの高さで、dはマイクロ・ナノファイバの直径で、lは前記マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離である。平板コンデンサを静態環境中に置いたときに記録した静電容量値C及び流動場環境中での静電容量値Cに基づいて、流動場速度
Figure 0006676350
を算出する。
前記検出装置はイメージセンサであって、前記イメージセンサは前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向に配置してもよい。
前記基体は透明基体であってもよく、前記検出装置は前記基体の対向する両側にそれぞれ位置しているレーザ出射器と光検出器とを更に備えており、前記レーザ出射器が出射したレーザはマイクロ・ナノファイバの延伸方向で前記基体及びマイクロ・ナノファイバアレイを透過するものであり、前記光検出器は前記レーザ光を受光するようにしてもよい。
前記マイクロ・ナノファイバにおいて欠陥が導入されてもよい。
前記マイクロ・ナノファイバの構造的欠陥から基体表面までの距離は、前記マイクロ・ナノファイバの高さの1/2未満であり、好ましくは前記欠陥が基体表面からの距離が短いところに位置する。
前記マイクロ・ナノファイバアレイは、基体の一の表面に複数のアレイとして間隔を置いて設けてもよく、または基体の第1の表面と、第2の表面にそれぞれ設けてもよい。
従来技術と比べて、本開示の流体センサは以下の長所を備えている。
一、マイクロ・ナノファイバは極めて大きい長径比を有することで、μm/秒の測定精度を実現することができ、より微細な環境での流動場の測定が求められる場合に用いることができる。
二、マイクロ・ナノファイバは極めて良好な力学的性質及び極めて優れた弾性回復能力を備えることができ、素早い変形応答を提供することができ、検出信号を増大させるよう保証すると同時に、大きな変形での材料性質の喪失や装置の損傷を回避することができる。
三、マイクロ・ナノファイバ中に構造的欠陥を取入れることで、マイクロ・ナノファイバの動作流速範囲を広げることができると同時に、構造の安定性を更に増大させることができ、センサの感度を高めることができる。よって、該流体センサは測定精度が高く、サイズが小さいという長所を備える。同時に、該流体センサの測定方法は簡単で操作しやすく、感度が高い。
流体センサの構造を理解しやすくするために、次に、マイクロ・ナノファイバアレイを用いて流体性質を測定する動作原理を説明する。
一端が固定され、他端が規制されることなく自由端となっているマイクロ・ナノファイバアレイ全体を流体中に浸し、流体は例えば、気体(ガス)、または液体にすることができ、流体とマイクロ・ナノファイバアレイは直接接触しつつ互いに作用することから、該マイクロ・ナノファイバアレイは流動場作用によって湾曲変形するものであるが、この過程はカンチレバー構造が等分布荷重作用により湾曲することに簡素化することができる。流体力学理論により、等分布荷重は以下の通りである。
Figure 0006676350
式中、Cは抵抗係数であって、レイノルズ数Re
Figure 0006676350
の関数であり、ρは流体密度、νは流速、dはマイクロ・ナノファイバの直径、μは動粘性係数である。
該負荷ρの作用の下、マイクロ・ナノファイバの自由端撓みw
Figure 0006676350
であり、式中、hはマイクロ・ナノファイバアレイの高さであり、EIはマイクロ・ナノファイバアレイの曲げ剛性である。流速に1μm/秒の変化が発生したとき、マイクロ・ナノファイバの自由端の撓みの変化は以下の通りである。
Figure 0006676350
常温・常圧の空気中にて、ρ=1.204kg/m、μ=1.983×10−5kg/m・s、直径d=30μmのカーボンナノチューブ束に対して、Cを流速ν=5m/s時の値3.14とし、マイクロ・ナノファイバの曲げ剛性EIは約10−13レベルとする。マイクロ・ナノファイバの高さhがcmレベルに達する場合に、Δwはμmレベルとなり、正確な測定を実現することができる。よって、マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサではμm/秒の測定精度を実現することができ、より微細な環境での流動場測定が求められる場合に用いることができる。
以下にて図面を参照しながら、本開示に係る流体センサを例示的に説明する。
<実施形態1>
図1には本開示に係る流体センサ100が示されている。該流体センサは、主にカンチレバー構造を有する基体(以下単に「カンチレバー構造」という場合がある)101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、光源108と、光検出器104とを備えている。
図2は、本開示に係る流体センサ100及びマイクロ・ナノファイバアレイ102に関する種々の変形例も含めて示している。
図2において、光源108は、軸X、Y、Zの三次元におけるいずれの方向においても基体101に対して、相対的位置を変更することが可能であり、また光源108から基体101への光の入射角度も自由に調整することが可能になっている。光検出器104は、光源108からの光が基体101によって反射された光が検出可能な位置に設けられている。
光源として、ある程度のエネルギを出す光であれば足り、例えば、通常の照明に使われている白熱灯であってもよく、レーザ光源を備えるレーザ出射器を使ってもよく、LEDライトなどであってもよい。なお、本実施形態においては、レーザ出射器を光源とする。
マイクロ・ナノファイバアレイ102は、カンチレバー構造101の表面に設けられ、マイクロ・ナノファイバアレイ102は延伸方向が略一致しつつカンチレバー構造101の表面とで夾角δを形成している複数本のマイクロ・ナノファイバを含む。
図3には、流体センサ100と信号処理装置107とによって構成される流体測定システム1001が示されている。信号処理装置107は、光検出器104からの検出信号が入力される入力部1071と、入力された前記信号を処理する信号処理部1072と、処理された信号を制御する制御部1073と、制御部1073から受信した信号を外部に出力する出力部1074とを具備する。
入力部1071は、アナログ・フロント・エント(Analog Front End)と、A/D変換器と、メモリとを備えてもよく、信号処理部1072または制御部1073には、CPU及びメモリを備えてもよい。制御部1073は、光源108に信号を出力して光源を制御することができるように出力部を介して接続されている。光源108は、制御部1073からの信号により、光源の位置、光源の出射角度、光の強度等について調整ができるように制御されてもよい。
レーザ出射器が出射したレーザはカンチレバー構造101の表面に入射する。光検出器104はカンチレバー構造101の表面にて反射したレーザ光を受光する。
具体的には、カンチレバー構造101の一端が固定される固定端1013であり、他端は規制されていない自由端1014となっている。マイクロ・ナノファイバアレイ102がカンチレバー構造101の固定端1013から離れた位置の表面に設けられる。カンチレバー構造101は平行で且つ対向している一対の表面、つまり第1の表面1011及び第2の表面1012を含むことも可能である。本実施形態では、マイクロ・ナノファイバアレイ102は、それぞれカンチレバー構造101の第1の表面1011又は第2の表面1012に設けられている。
マイクロ・ナノファイバアレイ102は図2(a)〜(f)に示され配列の態様で配置されてもよい。具体的には、図2(a)〜(f)に示されたように、マイクロ・ナノファイバアレイ102は、基体101の固定端1013から離れたところに基体101の表面と所定の角度δ(図1)をなすように設けられ、または基体101の第1の表面1011に設けられてもよく(図2(a))、基体101の第2の表面1012に設けられてもよく(図2(b))、基体101の第1の表面1011及び第2の表面1012に同時に設けられてもよく(図2(c)、(d)、(f))、または、マイクロ・ナノファイバアレイ102が基体101の表面1011に複数箇所(2以上の箇所)に設けられてもよい(図2(e))。
カンチレバー構造101の材料は、一定負荷条件下で、マイクロ・ナノファイバアレイ102を支持できるように湾曲変形可能であって適度な剛性を備えることが望ましい。好ましくは、カンチレバー構造101の材料はヤング率Eが10GPa≦E≦1000GPaであってもよく、好ましくは100GPa≦E≦1000GPaである。カンチレバー構造101の形状、サイズ、導電性は測定環境によって定めることができる。
本実施形態において、カンチレバー構造101は一端が固定され他端は規制されていない自由端となるシリコーンシートとし、前記シリコーンシートの長さは20mm、幅は5mm、高さ(厚さ)は0.6mmとする。なお、前記シリコーンシートの長さ、幅及び厚さはこれに限られることはなく、例えば、前記高さ(厚さ)は、測定精度の観点から、0.1mm〜2mmでもよく、好ましくは、0.1mm〜1mmであり、より好ましくは0.1mm〜0.5mmである。
マイクロ・ナノファイバアレイ102はマイクロ・ナノファイバを複数本含み、マイクロ・ナノファイバアレイ102中の複数本のマイクロ・ナノファイバが互いに間隔を置いて設けられている。図4に示されたように、マイクロ・ナノファイバアレイ102は、次に述べる種々の配列によって構成されるアレイにすることができる。
例えば、四方晶格の配列になる長方形アレイ(図4(a))、六方晶格の配列になる三角形アレイ(図4(b))、「蜂の巣」状の配列になる六角形アレイ(図4(c))、流体の方向に向かって反時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Aアレイ(図4(d))、流体の方向に向かって時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Bアレイ(図4(e))、流体の方向に対して先が流体の方向に向かって矢羽状に配列する矢羽状アレイ(図4(f))、または円形アレイなどの配置である。マイクロ・ナノファイバアレイ102は、前記の配列方法に限らず、その他の幾何形状になるように配置してもよい。また、前記図4(d)〜(f)の配列は、同じ傾斜角度を以て複数列が並行して配列してもよい(図4(g)、(h)、(i))。
該マイクロ・ナノファイバアレイ102における隣接する二本のマイクロ・ナノファイバの距離をLとし、一本のマイクロ・ナノファイバの直径をdと定義すると、アレイの配列密度d/Lは、センサの測定性能が最適化され、センサが高精度を維持する観点から、0.001<d/L<1でもよく、好ましくは0.05<d/L<1で、より好ましくは0.1<d/L<1を満たす。
本実施形態において、マイクロ・ナノファイバアレイ102は六角形アレイとし、マイクロ・ナノファイバアレイ102はカンチレバー構造を具備する基体101の第1の表面1011上に設けられていることにする。
前記マイクロ・ナノファイバの材料は、カーボンナノチューブ、炭素繊維、フォトレジスト、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、酸化亜鉛及びケイ素系複合材料などとしてもよい。前記カーボンナノチューブは、単層壁カーボンナノチューブ及び多層壁カーボンナノチューブからなる群から選択される少なくとも一つとしてもよい。前記単層壁カーボンナノチューブの直径は0.5nmないし5nmであってもよく、好ましくは、0.5nm〜2nmで、より好ましくは0.5〜1.5nmであり、前記多層壁カーボンナノチューブの直径は1.5nm〜100nmであってもよく、好ましくは、2nm〜50nmで、より好ましくは1.5nmないし5nmである。前記マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は略一致しつつ、前記カンチレバー構造101の第1の表面とで夾角δを形成している。
なお、マイクロ・ナノファイバアレイの製造工程又はその他外部要因の影響により、マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は必ずしも一致するとは限らず、一定の誤差が存在し得るが、この誤差はマイクロ・ナノファイバアレイの全体構造には影響しない程度の誤差であることは了解される。
夾角δは、0°<δ<180°であってもよく、好ましくは0°<δ≦90°である。より好ましくは、夾角δはほぼ90°であり、つまり前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向はカンチレバー構造101の第1の表面または第2の表面とほぼ垂直となる。これはマイクロ・ナノファイバが第1の表面とほぼ垂直となっているときに、流体センサの信号強度がより優れているからである。なお、本開示において、夾角δが「ほぼ90°」または「ほぼ垂直」は、夾角が90°に限らず、90°±10°の範囲内の場合も含まれることを意味する。
本実施形態において、前記各々のマイクロ・ナノファイバはカーボンナノチューブ束であり、前記カーボンナノチューブ束はカーボンナノチューブを複数本含み、前記カーボンナノチューブ束は、該平行して配列された複数本のカーボンナノチューブがファンデルワールス力により密集させられ束状構造となり、かつ各々のカーボンナノチューブの長さは前記カーボンナノチューブ束の高さに近い。前記平行して配列された複数本のカーボンナノチューブの延伸方向はほぼ同じでありつつ、カンチレバー構造101の第1の表面または第2の表面とほぼ垂直となってもよい。
マイクロ・ナノファイバアレイ102において、各々のマイクロ・ナノファイバの直径dは20μmないし100μmであってもよく、マイクロ・ナノファイバアレイ102の高さは500μmないし10mmであってもよく、各々のマイクロ・ナノファイバの長径比は10〜1000であってもよい。好ましくは、前記各々のマイクロ・ナノファイバの直径dが30μmないし60μmであり、前記各々のマイクロ・ナノファイバの長径比は20〜100である。これはマイクロ・ナノファイバの長径比が大きくなるほど、同じ流速作用にて、微小な流れに対して生じる変形がより顕著となり、測定精度がより高くなるからである。ただし、長径比が大きすぎると、マイクロ・ナノファイバアレイの構造安定性が低下する。
光源108は本実施形態の場合レーザ出射器とし、光検出器104はカンチレバー構造101と間隔を置いて設けられ、カンチレバー構造101から反射された光を検出できるように設けられている。前記レーザ出射器はレーザを該カンチレバー構造101の表面に入射させるのに用いられ、前記レーザ入射位置は、入射光及び反射光がマイクロ・ナノファイバアレイ102に遮られないように確保する位置であればよい。光検出器104は入射レーザが反射した後の反射光の受光に用いられる。表面にマイクロ・ナノファイバアレイ102が設けられているカンチレバー構造101を流動場環境中に置くと、マイクロ・ナノファイバは流体作用の下で変形し、カンチレバー構造が湾曲し変形する。
光検出器104は、カンチレバー構造101の湾曲変形に起因する反射光の偏向の変化の監視に用いられ、さらに反射光の偏向による変化値を測定することで、流動場特性を測定する目的を実現する。本実施形態において、前記レーザ出射器はレーザをカンチレバー構造101の第1の表面1011上に入射させる。
次に、図1及び図5を合わせて参照しながら、本実施形態について具体的に説明する。本開示に係る上記流体センサ100(図1)は、流動場特性の測定に用いることができ、具体的には以下のステップを含む。
ステップS10、流体センサ100を静態環境中に置き、レーザ出射器、光検出器104を起動するとともに、レーザがカンチレバー構造101の第1の表面1011に入射した位置、入射角α、及び1回目の反射光点の位置を記録する。
前記レーザ出射器が出射したレーザのカンチレバー構造上での入射位置点Oから固定端1013までの距離をlとし、レーザ入射光とカンチレバー構造との夾角をαとする。マイクロ・ナノファイバアレイ102(重心位置を取る)の水平方向から固定端1013までの距離をlとする。
光検出器104のカンチレバー構造101の第1の表面上での垂直投影点をDとし、前記レーザ入射位置から投影点Dまでの距離をlとすると、光検出器104は光点からカンチレバー構造101までの垂直距離がltanαになることが測定により得られる。
ステップS11、マイクロ・ナノファイバアレイ102全体を被測定流動場環境中に置き、レーザ出射器がレーザを出射する入射方向及びレーザ出射器、光検出器104とカンチレバー構造101との相対的な位置が変わらないように維持し、光検出器104を通じて、2回目の反射光点の位置を直接読み取るとともに、1回目と2回目との反射光点の位置ずれ量Δを得る。
ステップS12、光点の位置ずれ量Δ、レーザ入射位置から固定端までの距離l、マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離l、光検出器からカンチレバー構造の表面までの垂直投影点D、レーザ入射位置から投影点Dまでの距離としてのl、及びレーザ入射夾角α(図1及び図5)に基づいて、流動場速度νを算出する。
マイクロ・ナノファイバアレイ102は流体中にて流体との相互作用によって変形するが、マイクロ・ナノファイバアレイ102の流動場中での力が等分布荷重qとすると、マイクロ・ナノファイバアレイ102が、カンチレバー構造101に接触する基部接続箇所にカンチレバー構造101に対してモーメントMを印加し、M=nqh/2であり、式中hはマイクロ・ナノファイバの高さであり、nはマイクロ・ナノファイバの本数である。
材料力学理論によれば、モーメントMの作用にて、レーザ入射位置x=l箇所にて、カンチレバー構造101の撓みw(l)及び偏角θ(l)は以下を満たす。
Figure 0006676350
出力信号を増大させて、測定精度を向上するために、一般的にはl>lとする。式中、EIはカンチレバー構造101の曲げ剛性である。
カンチレバー構造101に生じる撓み及び偏角はともにレーザの反射光の偏向を発生させるため、光検出器104上の光点にずれが生じる。しかし、ずれ量が生じる影響については、カンチレバー構造101の偏角の影響に比較して、カンチレバー構造101の撓みによる光点ずれは無視しても良いほど小さい。光点のずれ量Δは以下を満たす。
Figure 0006676350
よって、
Figure 0006676350
が得られる。
よって、光検出器104上の光点のずれ量に基づいて、所在の流動場特性の測定を実現することができる。
<実施形態2>
図6に本実施形態における流体センサ200を示す。該流体センサ200は主にカンチレバー構造を有する基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、検出装置105とを備えている。マイクロ・ナノファイバアレイ102は、カンチレバー構造101の表面に設けられ、マイクロ・ナノファイバアレイ102は、延伸方向が略一致しつつカンチレバー構造101の表面とで夾角δを形成している複数本のマイクロ・ナノファイバを含む。検出装置105は、カンチレバー構造の湾曲変形の度合いの検出に用いられる。
なお、カンチレバー構造101の材料、マイクロ・ナノファイバの材料及びマイクロ・ナノファイバアレイ102の設置及び配列等については、実施形態1の場合と共通しているので、ここでは省略する。
検出装置105はカンチレバー構造101の湾曲変形の度合いの検出に用いられる。カンチレバー構造101の湾曲変形は、カンチレバー構造101表面に位置しているマイクロ・ナノファイバアレイ102が被検出流体に直接接触し、被検出流体がマイクロ・ナノファイバアレイ102の自由端を湾曲させるために、カンチレバー構造101の湾曲変形をもたらすわけである。
本実施形態において、検出装置105はカンチレバー構造の湾曲変形による光位置変化をモニタリングするのに用いることができ、例えば検出装置105はレーザ出射器と光検出器104とからなるとし、該レーザ出射器が出射したレーザは前記カンチレバー構造の表面に入射し、該光検出器104は該カンチレバー構造の表面にて反射したレーザ光を受光する。
検出装置105は、カンチレバー構造の湾曲変形による電気的パラメータの変化のモニタリング用とすることも可能であり、例えばカンチレバー構造101は他方の導電板とで平板コンデンサを構成するとともに回路内に接続され、カンチレバー構造101の湾曲変形による平板コンデンサの静電容量変化を測定することでモニタリングを行う。
図7に本開示の第2の実施形態における流体センサ300を示す。該流体センサ300は主にカンチレバー構造を有する基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、レーザ出射器と、光検出器104とを備えている。カンチレバー構造101は平板構造であって、最大表面積を有して対向する二つの表面をそれぞれ第1の表面1011及び第2の表面1012として定義する。
カンチレバー構造101の一端は固定されており、固定端1013に対向する他端は自由端1014である。マイクロ・ナノファイバアレイ102はカンチレバー構造101の第1の表面1011又は第2の表面1012上に設けられるとともに、マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は略一致しつつ第1の表面とで夾角δを形成している。
レーザ出射器はカンチレバー構造101と間隔を置いて設けられるとともに、前記レーザ出射器が出射したレーザはカンチレバー構造101の第1の表面1011又は第2の表面1012に入射する。光検出器104は該レーザ出射器、カンチレバー構造101と間隔を置いて設けられ、かつ前記レーザ出射器のカンチレバー構造101の第1の表面1011又は第2の表面1012に入射した光が反射して光検出器104に受光される。
具体的には、本実施形態において、カンチレバー構造101は一端が固定され、他端は自由端1014となるシリコーンシートとなっており、前記シリコーンシートの長さは、本実施形態では20mm、幅は5mm、高さ(厚さ)は0.6mmとする。なお、前記シリコーンシートの長さ、幅及び厚さは、これに限らず、実施形態1の場合と同様、種々のサイズであり得る。特に、前記高さ(厚さ)は、測定精度の観点から、0.1mm〜2mmでもよく、好ましくは、0.1mm〜1mmであり、より好ましくは0.1mm〜0.5mmである。マイクロ・ナノファイバアレイ102は、カンチレバー構造101の第1の表面1011に設けられ、かつマイクロ・ナノファイバアレイ中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は第1の表面1011とほぼ垂直となっている。
前記レーザ出射器がカンチレバー構造101におけるマイクロ・ナノファイバアレイ102が設けられている表面に入射したときでも、マイクロ・ナノファイバアレイ102がカンチレバー構造101の表面全てを覆うことのないようにして、反射光がマイクロ・ナノファイバアレイにより遮られ、測定精度に影響を及ぼすのを回避する。また、前記レーザ出射器がカンチレバー構造101におけるマイクロ・ナノファイバアレイ102が設けられていない表面に入射したときは、マイクロ・ナノファイバアレイ102はカンチレバー構造101の他の表面を完全に覆うようにしてもよい。
前記レーザ出射器、光検出器104はカンチレバー構造101と間隔を置いて設けられている。前記レーザ出射器はレーザを該カンチレバー構造101の第1の表面1011又は第2の表面1012に入射させるために用いられ、前記レーザ入射位置は、入射光及び反射光がマイクロ・ナノファイバアレイ102に遮られないように確保すればよい。
光検出器104は入射レーザが反射した後の反射光を受光するのに用いられる。表面にマイクロ・ナノファイバアレイ102が設けられているカンチレバー構造101を流動場環境中に置くと、マイクロ・ナノファイバは流体作用の下で変形し、カンチレバー構造を湾曲させる。光検出器104は、カンチレバー構造101の湾曲変形による反射光の偏向の変化をモニタリングし、さらに反射光の偏向による変化値を測定することで、流体特性を測定する目的を実現する。本実施形態において、前記レーザ出射器は、レーザをカンチレバー構造101の第1の表面1011上に入射させる。
次に、図7及び図5を参照しながら、本実施形態に係る流体特性の測定方法を説明する。本開示に係る上記流体センサ300は、流体特性を測定するのに用いることができ、具体的な方法は例示として以下のステップを含む。
ステップS20、流体センサ300を静態環境中に置き、レーザ出射器、光検出器104を起動するとともに、レーザがカンチレバー構造101の第1の表面1011に入射した位置、レーザ入射角α、及び1回目の反射光点の位置を記録する。
前記レーザ出射器が出射したレーザのカンチレバー構造上での入射位置点Oから固定端までの距離をlとし、レーザ入射光とカンチレバー構造との夾角をαとする。マイクロ・ナノファイバアレイ102(重心位置を取る)の水平方向から固定端までの距離をlとする。光検出器104のカンチレバー構造101の第1の表面上での垂直投影点をDとし、前記レーザ入射位置から投影点Dまでの距離をlとし、光検出器104は光点からカンチレバー構造101までの垂直距離がltanαになることが測定により得られる。
ステップS21、流体センサ300中のマイクロ・ナノファイバアレイ102全体を被測定流動場環境中に置き、レーザ出射器がレーザを出射する入射方向及びレーザ出射器、光検出器104とカンチレバー構造101との相対的な位置が変わらないように維持し、光検出器104を通じて、2回目の反射光点の位置を記録して、1回目と2回目との反射光点の位置ずれ量Δを得る。
ステップS22、光点位置ずれ量Δ、レーザ入射位置から固定端までの距離l、マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離l、光検出器からカンチレバー構造の表面までの垂直投影点D、レーザ入射位置から投影点Dまでの距離としてのl、及びレーザ入射夾角αに基づいて、流動場速度νを算出する。なお、流動場速度νの算出方法は実施形態1の場合と同様であり、ここでは省略する。
<実施形態3>
図8には、本開示に係る第3の実施形態の流体センサ400が示されている。該流体センサ400は主に、カンチレバー構造有する基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、導電板106とを備えている。
該カンチレバー構造101は導電板構造であって、該カンチレバー構造101は導電板106とで平板コンデンサ301を構成する。マイクロ・ナノファイバアレイ102はカンチレバー構造101における該他方の導電板106から離れた表面に設けられるとともに、マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は該カンチレバー構造の表面とで夾角δを形成している。使用に際しては、流体センサ400を閉回路(図示せず)中に置くことで、平板コンデンサ301の静電容量の変化を測定することができる。
本開示の第3の実施形態に係るマイクロ・ナノファイバアレイ102は、第2の実施形態に係るマイクロ・ナノファイバアレイ102とほぼ同じであるが、以下の点が異なる。本第3の実施形態において、マイクロ・ナノファイバアレイは、平板コンデンサ301中のカンチレバー構造101の表面上に設けられ、該平板コンデンサ301はカンチレバー構造の湾曲変形による静電容量値の変化をモニタリングする。
該流体センサ400を流動場環境中に置くと、マイクロ・ナノファイバアレイ102は流体作用の下で、カンチレバー構造101が湾曲変形し、それにより、カンチレバー構造101と導電板106との間の距離が変化し、さらに平板コンデンサ301の静電容量値が変化し、静電容量の変化量を通じて、あわせて流動場とマイクロ・ナノファイバアレイ102の相互作用及びマイクロ・ナノファイバのカンチレバー構造101に対する荷重伝達により、流体特性を測定する目的を実現する。
次に、本実施形態に係る流体センサ400を用いて流体特性を測定する方法について例示的に説明する。前記測定方法は主に以下のステップを含む。
ステップS30、流体センサ400を静態環境中に置き、平板コンデンサ301の静電容量値Cを記録する。
流体センサ400は静態環境中に置かれて、カンチレバー構造101が湾曲していないことから、該平板コンデンサ301の静電容量は以下の通りである。
Figure 0006676350
式中、εは誘電率、aはカンチレバー構造101の幅、lはカンチレバー構造101の長さ、dはカンチレバー構造101と他方の導電板106との間隔である。
ステップS31、流体センサ400中のマイクロ・ナノファイバアレイ102全体を被測定流動場中に置き、平板コンデンサ301の静電容量値Cを記録する。
マイクロ・ナノファイバの流動場中で受ける力が等分布荷重qとすると、マイクロ・ナノファイバのカンチレバー構造101に接触する基部接続箇所には上平板に対してモーメントMが印加されて、M=nqh/2であり、式中hはマイクロ・ナノファイバの高さであり、nはマイクロ・ナノファイバの本数である。そして、
Figure 0006676350
であるから、
Figure 0006676350
材料力学理論によれば、モーメントMの作用にて、該カンチレバー構造101の撓み曲線方程式は以下の通りである。
Figure 0006676350
式中、EIはカンチレバー構造101の曲げ剛性で、lはマイクロ・ナノファイバアレイ102(重心位置を取る)の水平方向から固定端までの距離である。
該カンチレバー構造101がモーメントMの作用下で湾曲したとき、コンデンサの静電容量値はCに変化し、つまり、
Figure 0006676350
ステップ32、平板コンデンサ301の記録した静電容量値C、C及び数式(1)〜(3)に基づいて、流動場速度νを算出する。
モーメントMは流速νの関数であって、つまり静電容量の変化量は以下の通りであり、
Figure 0006676350
式中、Fは流速νの関数であって、ΔCはνの単調関数であるので、Fの逆関数F−1が存在し、つまり、
Figure 0006676350
つまり、
Figure 0006676350
よって、コンデンサの静電容量変化値に基づいて、流体特性への測定を実現することができる。
<実施形態4>
次に、図9を参照しながら実施形態4を説明する。本実施形態に係る流体センサ500は主に基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、検出装置105とを備えている。基体101の両端はいずれも固定端となっている。
マイクロ・ナノファイバアレイ102は基体101の表面に設けられ、マイクロ・ナノファイバアレイ102は、延伸方向が略一致しつつ基体101の表面とほぼ垂直となる複数本のマイクロ・ナノファイバを含む。マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの一端は基体101の表面に固定され、他端は自由端となっている。検出装置105はマイクロ・ナノファイバアレイ102の自由端の湾曲変形の度合いを検出するのに用いられる。
基体101は主にマイクロ・ナノファイバアレイ102に対して支持を提供するのに用いられ、支持部材として機能する。基体101の形状、サイズ、材料は測定環境によって定まる。基体101の両端が固定端であることは、いずれも基体101の両端が後続の測定過程において変位による変化が発生しないことを意味し、とりわけ基体101の表面にほぼ垂直となる方向での位置が不変を維持することを意味する。
上述のとおり、前記マイクロ・ナノファイバアレイは前記図4(a)〜(i)に示された態様などで配置することが可能であるが、本実施形態において、前記マイクロ・ナノファイバアレイは六角形アレイ(図4(c))とする。
マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は略一致しつつ、基体101の表面とほぼ垂直となる。
なお、前記マイクロ・ナノファイバの材料、前記マイクロ・ナノファイバの配列、サイズ、マイクロ・ナノファイバアレイにおける前記マイクロ・ナノファイバの配置等については、前記実施形態1で例示された態様も同様に適用できるので、ここで省略する。
さらに、マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバ材料中に構造的欠陥を導入することができる。以下に、図10を参照しながら本実施形態について説明する。
前記構造的欠陥は、前記マイクロ・ナノファイバアレイ中の各々のマイクロ・ナノファイバにて基体表面一端寄りの位置上に位置しており、前記各マイクロ・ナノファイバ上の構造的欠陥から基体表面までの距離は略一致しつつ、前記マイクロ・ナノファイバの高さの1/2未満である。前記各マイクロ・ナノファイバ上の構造的欠陥の位置は、基体の表面に近いほどよく、つまり基体の表面までの距離が短いほど好ましい。
前記各マイクロ・ナノファイバ上の構造的欠陥は、マイクロ・ナノファイバ材料の製造過程で形成された欠陥でもよく、意図的に導入した欠陥でもよい。また、前記各マイクロ・ナノファイバ上の構造的欠陥は、特に形状についての制限はなく、如何なる形状でもよい。前記各マイクロ・ナノファイバ上の構造的欠陥は、複数の異なる形状を有するもので集まって形成されたものであってもよい。また、同じ形状であってもよく、異なる形状でもよい。
マイクロ・ナノファイバ材料中に導入された構造的欠陥は、マイクロ・ナノファイバの臨界屈曲応力及び曲げ剛性を引き下げることができ、マイクロ・ナノファイバは流速が遅いときに屈曲が発生するようにすることで、構造の安定性を増強することができ、マイクロ・ナノファイバの動作流速範囲を広げることができる。同時に、構造的欠陥の導入後のマイクロ・ナノファイバは曲げ剛性が低下するので、ファイバの変形を更に増大させ、センサの感度を高めることができる。
検出装置105はマイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの湾曲変形の度合いの検出に用いられる。検出装置105はマイクロ・ナノファイバの湾曲変形によるマイクロ・ナノファイバの自由端の変位による変化をモニタリングするのに用いられ、例えば検出装置105はイメージセンサ1031であって、マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置ずれの変化値をモニタリングすることでモニタリングを行う。
検出装置105は、マイクロ・ナノファイバの湾曲変形による光強度の変化の監視に用いることができ、例えば、検出装置105はレーザ出射器と光検出器109とからなるものであってもよく、前記レーザ出射器が出射したレーザはマイクロ・ナノファイバの延伸方向で基体及びマイクロ・ナノファイバアレイを透過して、更に光検出器109により該レーザ光を受光してモニタリングする。
以下、図11及び図12を参照しながら、本開示に係る第4の実施形態の流体センサ600について説明する。該流体センサ600は主に基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、イメージセンサ1031とを備えている。基体101の両端はいずれも固定端となっている。マイクロ・ナノファイバアレイ102は基体101の表面上に設けられるとともに、マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は該基体101表面とほぼ垂直となる。
マイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの一端は基体101の表面に固定されて、他端は自由端である。イメージセンサ1031はマイクロ・ナノファイバの延伸方向上に設けられることで、流動場環境におけるマイクロ・ナノファイバの自由端の位置変化を記録する。
該流体センサ600を流動場環境中に置くと、マイクロ・ナノファイバアレイ102は流体作用の下で湾曲変形するので、マイクロ・ナノファイバの自由端に変位による変化が生じる。マイクロ・ナノファイバの自由端の位置ずれ変化値は、マイクロ・ナノファイバの自由端の撓み値となり、マイクロ・ナノファイバの自由端の流体中での撓み値に基づいて、流体特性を測定する目的を実現することができる。
上記流体センサ600を用いて流体特性を測定する方法の例示として、主に以下のステップを含む。
ステップS40、流体センサ600を静態環境中に置き、イメージセンサ1031がマイクロ・ナノファイバアレイ102の自由端の位置を記録する。
ステップS41、流体センサ600中のマイクロ・ナノファイバアレイ102全体を被測定流動場環境中に置き、イメージセンサ1031がマイクロ・ナノファイバアレイ102の自由端が移動した位置を記録して、マイクロ・ナノファイバアレイの自由端における2回の位置の変化値ΔLを得る。
マイクロ・ナノファイバの流動場環境中における自由端の位置ずれ変化値ΔLは、つまりマイクロ・ナノファイバの自由端の撓みwとなることは了解される。
ステップS42、自由端の変位変化値ΔLに基づいて、流動場速度νを算出する。
前記マイクロ・ナノファイバは流動場の作用下で湾曲変形するが、前記マイクロ・ナノファイバへの負荷をqとする。流体力学理論によれば、
Figure 0006676350
となる。式中、Cは抵抗係数であって、レイノルズ数Re=ρνd/μの関数であり、ρは流体密度、νは流速、dはマイクロ・ナノファイバの直径、μは動粘性係数である。材料力学理論によれば、該負荷qの作用の下、前記マイクロ・ナノファイバの自由端の撓み
Figure 0006676350
であって、
Figure 0006676350
式中、hはマイクロ・ナノファイバの高さであり、Eはマイクロ・ナノファイバの曲げ剛性である。
また、ΔL=wがあり、つまり、
Figure 0006676350
がある。
よって、イメージセンサ1031の監視により前記マイクロ・ナノファイバの自由端の位置変化値を得ることで、流体特性の測定を実現することができる。
<実施形態5>
図13及び図14を参照しながら、本開示に係る第5の実施形態における流体センサ700を説明する。該流体センサは、主に基体101と、マイクロ・ナノファイバアレイ102と、レーザ出射器と、光検出器109とを備えている。基体101の両端はいずれも固定端であり、該基体は透明基体である。
マイクロ・ナノファイバアレイ102は基体101の表面上に設けられ、かつマイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向は基体101表面とほぼ垂直となる。前記レーザ出射器及び光検出器109はそれぞれ基体101の両側に位置している。前記レーザ出射器が出射したレーザはマイクロ・ナノファイバアレイ102中のマイクロ・ナノファイバの延伸方向で基体101及びマイクロ・ナノファイバアレイ102を透過して、光検出器109は、該レーザ光の受光し、マイクロ・ナノファイバの湾曲によるレーザ入射強度の変化を得るのに用いられる。
次に、本実施形態における流体センサ700を用いて流体特性を測定する方法を説明する。該測定方法は、主に以下のステップを含む。
ステップS50、流体センサ700を静態環境中に置き、レーザ出射器、光検出器109を起動して、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイ102を透過した後の光照射面積Aを記録する。
ステップS51、流体センサ700中のマイクロ・ナノファイバアレイ102全体を被測定流動場環境中に置き、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイ102を透過した後の光照射面積Aを記録する。
ステップS52、マイクロ・ナノファイバアレイ102の変形前後におけるレーザ透過面積の比率に基づいて、流動場速度νを算出する。
前記マイクロ・ナノファイバは流動場の作用下で湾曲変形し、前記レーザ出射器が出射したレーザは下から上向きにマイクロ・ナノファイバアレイ102を透過したとき、アレイの湾曲変形に伴ってレーザの透過面積も変化し、変化後のレーザ透過面積と初期状態レーザ透過面積との比率kは以下の関係を満たす。
Figure 0006676350
式中、Atotalはレーザ総照射面積、nはマイクロ・ナノファイバの本数、dはマイクロ・ナノファイバの直径、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、Eはマイクロ・ナノファイバアレイの曲げ剛性、ρは流体密度、Cは抵抗係数である。
Figure 0006676350
である。
よって、光検出器の監視に基づき前記マイクロ・ナノファイバの湾曲によるレーザ透過面積の変化比率値を得ることで、流体特性の測定を実現することができる。
本開示に係る流体センサは以下の長所を備えている。
マイクロ・ナノファイバは極めて大きい長径比を有することで、μm/秒の測定精度を実現することができ、より微細な環境での流動場測定が求められるに用いることができる。マイクロ・ナノファイバは極めて良好な力学的性質及び極めて優れた弾性回復能力を備えることができ、素早い変形応答を提供することができ、検出信号の増大を確保すると同時に、大きな変形での材料性質の喪失や装置の損傷を回避することができる。
マイクロ・ナノファイバ中に構造的欠陥を導入することで、マイクロ・ナノファイバの動作流速範囲を広げることができると同時に、構造の安定性をより一層増大させることができ、センサの感度を高めるので、該流体センサの測定精度を更に高めるとともに、該流体センサのサイズも相対的により小さな範囲内に抑えることができる。同時に、該流体センサの測定方法は簡単で操作しやすく、感度が高い。
本開示に係る流体センサは、前記カンチレバー構造の表面に設けられており、延伸方向が略一致しつつ前記カンチレバー構造の表面とで夾角を形成している複数本のマイクロ・ナノファイバを含むマイクロ・ナノファイバアレイと、前記カンチレバー構造の表面に入射するレーザを出射するレーザ出射器と、前記カンチレバー構造の表面にて反射したレーザ光を受光する光検出器と、を備えている。
本開示に係る他の流体センサは、基体と、前記基体の表面に設けられており、延伸方向が略一致しつつ該基体の表面とほぼ垂直となる複数本のマイクロ・ナノファイバを含み、一端が前記基体の表面に固定され、他端が自由端となっているマイクロ・ナノファイバアレイと、前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の湾曲変形の度合いを検出するための検出装置と、を備えている。
上記の流体センサを用いて流体特性を測定する方法は、該流体センサを静態環境中に置くステップと、イメージセンサで前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置を記録するステップと、前記流体センサ中のマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、該イメージセンサが前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置を記録し、マイクロ・ナノファイバアレイの自由端における2回の位置の変化値ΔLを得るステップと、自由端の位置ずれ変化値ΔLに基づいて、流動場速度
Figure 0006676350
を算出するステップとを含み、式中、Eはマイクロ・ナノファイバの曲げ剛性、dはマイクロ・ナノファイバの直径、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、Cは抵抗係数、ρは流体密度である。
上記の流体センサを用いて流体特性を測定する他の方法は、該流体センサを静態環境中に置くステップと、レーザ出射器がレーザを出射して前記マイクロ・ナノファイバアレイに入射させて、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイを透過した後の光照射面積Aを記録するステップと、前記流体センサ中のマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイを透過した後の光照射面積Aを記録するステップと、マイクロ・ナノファイバアレイの変形前後におけるレーザ透過面積の比率に基づいて、流動場速度
Figure 0006676350
を算出するステップとを含み、式中、κ=A/A、Cは抵抗係数、ρは流体密度、Atotalはレーザ総照射面積、nはマイクロ・ナノファイバの本数、dはマイクロ・ナノファイバの直径、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、Eはマイクロ・ナノファイバの曲げ剛性である。
以上、本開示に係るマイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システムについて例示的に説明したが、上記例示的な実施形態に限られることなく、当業者であれば本発明の技術的思想内でその他の変形ができ、当然のことながら、これら本発明の技術的思想に基づいて行われる変形は、本発明が保護を求める範囲内に含むものとする。
100、200、300、400、500、600、700 流体センサ
1001 流体測定システム
101 基体またはカンチレバー構造
102 マイクロ・ナノファイバアレイ
1031 イメージセンサ
104 光検出器
105 検出装置
106 導電板
107 信号処理装置
1071 入力部
1072 信号処理部
1073 制御部
1074 出力部
108 光源
109 光検出器
1011 第1の表面
1012 第2の表面
1013 固定端
1014 自由端
301 平板コンデンサ

Claims (31)

  1. 平板構造を有する単一の基体と、マイクロ・ナノファイバアレイと、測定装置とを具備する流体センサであって、
    前記マイクロ・ナノファイバアレイは、複数本のマイクロ・ナノファイバがマイクロ・ナノファイバの延伸方向と前記単一の基体の前記平板構造の表面とがそれぞれ夾角になるように、一端が前記単一の基体の前記表面それぞれ固定され、他端が自由端となって前記単一の基体の前記表面それぞれ設けられている流体センサ。
  2. 前記基体はカンチレバー構造を有し、
    前記測定装置は、前記カンチレバー構造の表面に入射するレーザを出射するレーザ出射器と、前記カンチレバー構造の表面にて反射したレーザ光を受光する光検出器とを具備する請求項1に記載の流体センサ。
  3. 前記基体はカンチレバー構造を有し、
    前記測定装置は、前記カンチレバー構造の湾曲変形の度合いを検出するための検出装置である請求項1に記載の流体センサ。
  4. 前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置は、前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の湾曲変形の度合いを検出するための検出装置である請求項1に記載の流体センサ。
  5. 前記カンチレバー構造は、一端が固定される固定端と、他端が自由端とを備えており、前記マイクロ・ナノファイバアレイは前記固定端から離れた表面に設けられている請求項2または3に記載の流体センサ。
  6. 前記カンチレバー構造は平行で且つ対向している一対の表面である第1の表面及び第2の表面を少なくとも含み、前記マイクロ・ナノファイバアレイはそれぞれ前記カンチレバー構造の第1の表面及び/又は第2の表面上に設けられている請求項2または3に記載の流体センサ。
  7. 前記マイクロ・ナノファイバアレイにおける複数本のマイクロ・ナノファイバは互いに間隔を置いて設けられており、各々の前記マイクロ・ナノファイバの直径dは20μmないし100μmであって、各々の前記マイクロ・ナノファイバの高さと前記直径との比は10〜1000である請求項1乃至4のいずれかに記載の流体センサ。
  8. 各々の前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向と前記カンチレバー構造の第1の表面、第2の表面との夾角はほぼ90度である請求項6に記載の流体センサ。
  9. 前記マイクロ・ナノファイバアレイは、四方晶格の配列になる長方形アレイ、六方晶格の配列になる三角形アレイ、「蜂の巣」状の配列になる六角形アレイ、流体の方向に向かって反時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Aアレイ、流体の方向に向かって時計回りで流体の方向と所定の角度をなすように傾斜して配列する放射状Bアレイ、流体の方向に対して先が流体の方向に向かって矢羽状に配列する矢羽状アレイ、及び円形アレイからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上を含む請求項1乃至8のいずれかに記載の流体センサ。
  10. 前記放射状Aアレイ、前記放射状Bアレイまたは前記矢羽状アレイは、それぞれ複数列が並列に並んでいる請求項9に記載の流体センサ。
  11. 前記マイクロ・ナノファイバアレイの高さは500μmないし10mmである請求項1乃至10のいずれかに記載の流体センサ。
  12. 前記マイクロ・ナノファイバアレイ中の隣接する任意の二本のマイクロ・ナノファイバの距離Lと一本のマイクロ・ナノファイバの直径dとの比率、つまりマイクロ・ナノファイバアレイの配列密度d/Lは0.1<d/L<1を満たす請求項1乃至11のいずれかに記載の流体センサ。
  13. 各々の前記マイクロ・ナノファイバはカーボンナノチューブ束であり、前記カーボンナノチューブ束は平行して配置されたカーボンナノチューブを複数本含み、前記平行して配置された複数本のカーボンナノチューブはファンデルワールス力により密集させ束状構造になる請求項1乃至12のいずれかに記載の流体センサ。
  14. 前記マイクロ・ナノファイバの材料は、カーボンナノチューブ、炭素繊維、フォトレジスト又はポリジメチルシロキサン、酸化亜鉛及びケイ素複合材料のいずれである請求項1乃至13のいずれかに記載の流体センサ。
  15. 前記検出装置は前記カンチレバー構造の同じ側に位置しているレーザ出射器と光検出器とを更に備え、前記レーザ出射器が出射したレーザは前記カンチレバー構造の表面に入射し、前記光検出器は前記カンチレバー構造の表面にて反射したレーザ光を受光する請求項3に記載の流体センサ。
  16. 前記カンチレバー構造は導電板であって、前記流体センサは他方の導電板と前記カンチレバー構造からなる平板コンデンサを更に備えており、前記マイクロ・ナノファイバアレイは前記カンチレバー構造における前記他方の導電板から離れた表面に設けられ、前記カンチレバー構造の湾曲変形による前記平板コンデンサの静電容量値の変化により流体特性を測定する請求項3に記載の流体センサ。
  17. 前記検出装置はイメージセンサであって、前記イメージセンサは前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向に位置している請求項4に記載の流体センサ。
  18. 前記基体は透明基体であり、前記検出装置は前記基体の対向する両側にそれぞれ位置しているレーザ出射器と光検出器とを更に備えており、前記レーザ出射器が出射したレーザはマイクロ・ナノファイバの延伸方向で前記基体及びマイクロ・ナノファイバアレイを透過するものであり、前記光検出器は前記レーザ光を受光する請求項4に記載の流体センサ。
  19. 前記基体は両端が固定され、前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置はイメージセンサを具備する検出器であり、前記イメージセンサは前記マイクロ・ナノファイバの延伸方向に配置されている請求項1に記載の流体センサ。
  20. 前記検出器によって検出された前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置の変化値に基づいて流動場速度νを算出することにより流体特性を測定することが可能である請求項19に記載の流体センサ。
  21. 前記基体は両端が固定され、前記夾角がほぼ90度であり、前記測定装置は、前記基体の一側に配置され、前記基体に設けられた前記マイクロ・ナノファイバアレイの延伸方向から入射するレーザを出射するレーザ出射器と、前記基体の対向側に配置され、前記基体に設けられた前記マイクロ・ナノファイバアレイを透過するレーザ光を受光する光検出器とを具備する請求項1に記載の流体センサ。
  22. 前記光検出器によって検出され静態環境に置かれた際のマイクロ・ナノファイバアレイの透過後の光照射面積Aと、前記光検出器によって検出され前記流体センサのマイクロ・ナノファイバアレイ全体が被測定流動場環境に置かれた際のマイクロ・ナノファイバアレイの透過後の光照射面積A2とに基づき、流動場速度νを算出することにより流体特性を測定することが可能である請求項21に記載の流体センサ。
  23. 前記マイクロ・ナノファイバにおいて欠陥が導入されている請求項1乃至22のいずれかに記載の流体センサ。
  24. 請求項1乃至請求項23に記載の流体センサを用いて、流体特性を測定する測定方法。
  25. 請求項15に記載の流体センサを用いて流体特性を測定する測定方法であって、
    平板構造で、一端は固定端で他端は自由端である前記カンチレバー構造を有する前記流体センサを静態環境中に置くステップと、
    前記光検出器によって受光された前記カンチレバー構造の表面から反射されたレーザ光について、レーザのカンチレバー構造の表面における入射位置、入射夾角α、及び1回目の反射光点の位置を記録するステップと、
    前記流体センサに設けられたマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、レーザ出射器がレーザを出射する入射方向及びレーザ出射器とカンチレバー構造との相対的な位置が不変の下で、光検出器を移動させ、2回目の反射光点の位置を記録し、1回目と2回目との反射光点の位置ずれ量Δを得るステップと、
    前記反射光点の位置ずれ量Δ、レーザ入射位置から固定端までの距離l、マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離l、光検出器からカンチレバー構造の表面までの垂直投影点D、レーザ入射位置から投影点Dまでの距離としてのl、及びレーザ入射夾角αに基づいて流動場速度νを算出するステップとを含む測定方法。
  26. 前記流動場速度νは、下式により算出され、
    Figure 0006676350
    式中、EIはカンチレバー構造の曲げ剛性、Cは抵抗係数、ρは流体密度、nはマイクロ・ナノファイバの本数、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、dはマイクロ・ナノファイバの直径である請求項25に記載の測定方法。
  27. 請求項16に記載の流体センサを用いて流体特性を測定する方法であって、
    前記流体センサを静態環境中に置くステップと、
    流体センサを静態環境中に置いた平板コンデンサの静電容量値Cを記録するステップと、
    上記流体センサ中の前記マイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場中に置き、前記平板コンデンサの静電容量値Cを記録するステップと、を含み、
    Figure 0006676350
    を有しており、
    式中、εは誘電率、aは前記カンチレバー構造の幅、lは前記カンチレバー構造の長さ、dは前記カンチレバー構造と他方の導電板との間隔、EIはカンチレバー構造の曲げ剛性、Cは抵抗係数、ρは流体密度、nはマイクロ・ナノファイバの本数、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、dはマイクロ・ナノファイバの直径、lは前記マイクロ・ナノファイバアレイの重心位置から固定端までの距離であり、
    平板コンデンサの記録した静電容量値C、C及び数式(1)〜(3)に基づいて、流動場速度
    Figure 0006676350
    を算出する測定方法。
  28. 請求項17に記載の流体センサを用いて流体特性を測定する測定方法であって、
    該流体センサを静態環境中に置くステップと、
    該イメージセンサで前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置を記録するステップと、
    前記流体センサ中のマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、該イメージセンサが前記マイクロ・ナノファイバアレイの自由端の位置を記録して、マイクロ・ナノファイバアレイの自由端における2回の位置の変化値ΔLを得るステップと、
    自由端の位置ずれ変化値ΔLに基づいて、流動場速度
    Figure 0006676350
    を算出するステップとを含み、式中、Eはマイクロ・ナノファイバの曲げ剛性、dはマイクロ・ナノファイバの直径、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、Cは抵抗係数、ρは流体密度である測定方法。
  29. 請求項18に記載の流体センサを用いて流体特性を測定する方法であって、
    前記流体センサを静態環境中に置くステップと、
    レーザ出射器がレーザを出射して前記マイクロ・ナノファイバアレイに入射させて、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイを透過した後の光照射面積Aを記録するステップと、
    前記流体センサ中のマイクロ・ナノファイバアレイ全体を被測定流動場環境中に置き、レーザがマイクロ・ナノファイバアレイを透過した後の光照射面積Aを記録するステップと、
    マイクロ・ナノファイバアレイの変形前後におけるレーザ透過面積の比率に基づいて、流動場速度νを算出するステップとを含む測定方法。
  30. 前記流動場速度は、下式によって算出され、
    Figure 0006676350
    式中、κ=A/A、Cは抵抗係数、Atotalはレーザ総照射面積、nはマイクロ・ナノファイバの本数、dはマイクロ・ナノファイバの直径、hはマイクロ・ナノファイバの高さ、Eはマイクロ・ナノファイバの曲げ剛性である請求項29に記載の測定方法。
  31. 流体測定システムであって、前記流体測定システムは前記請求項2、15、18、21のいずれか1項に記載の流体センサと信号処理装置と具備し、
    前記信号処理装置は、前記光検出器からの検出信号が入力される入力部と、入力された前記信号を処理する信号処理部と、処理された信号を制御する制御部と、前記制御部から受信した信号を外部に出力する出力部とを具備する流体測定システム。
JP2015228905A 2014-11-24 2015-11-24 マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システム Active JP6676350B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201410681379.7A CN104792355B (zh) 2014-11-24 2014-11-24 基于微纳米纤维阵列的流体传感器及其测量方法
CN201410681379.7 2014-11-24
CN201420710693.9U CN204255405U (zh) 2014-11-24 2014-11-24 流体传感器
CN201410679341.6A CN104729579B (zh) 2014-11-24 2014-11-24 基于微纳米纤维阵列的流体传感器及其测量方法
CN201410679341.6 2014-11-24
CN201420710693.9 2014-11-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016099357A JP2016099357A (ja) 2016-05-30
JP6676350B2 true JP6676350B2 (ja) 2020-04-08

Family

ID=56077794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015228905A Active JP6676350B2 (ja) 2014-11-24 2015-11-24 マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6676350B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113189365B (zh) * 2021-03-05 2023-03-21 南方科技大学 一种流场传感装置和水下机器人

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3433227B2 (ja) * 2001-02-05 2003-08-04 東京大学長 流速センサ素子、流速センサ、流速センサ素子の製造方法、流速センサの製造方法、及び流速計測方法
JP2005114412A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Canon Inc 流体の流れに関する情報の取得方法
US7661319B2 (en) * 2006-06-02 2010-02-16 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Micromachined artificial haircell
US20120042715A1 (en) * 2010-01-14 2012-02-23 Northwestern University Advanced micro flow sensor
JP5717247B2 (ja) * 2011-03-08 2015-05-13 セイコーインスツル株式会社 センサ
CN104062632B (zh) * 2014-05-28 2017-01-04 苏州中盛纳米科技有限公司 一种四纤毛仿生mems矢量水声传感器微结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016099357A (ja) 2016-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8276463B2 (en) Shear stress measurement apparatus
JP6256380B2 (ja) 歪センサー及び歪量測定方法
US7770463B2 (en) Shear stress measurement apparatus
US8276462B2 (en) Fiber strain sensor and measurement system for repeated large deformation
US8887584B2 (en) Load measuring apparatus
JP2010266437A (ja) ファイバブラッグ格子検出システム
JP6740855B2 (ja) 歪センサー及び歪量測定方法
CN203908504U (zh) 一种带测温功能的光纤光栅位移装置
JP2018105665A (ja) 歪センサー及び歪量測定方法
JP6676350B2 (ja) マイクロ・ナノファイバアレイに基づく流体センサ、その測定方法及び流体測定システム
EP2958341A1 (en) Optical microphone and method using the same
US8879052B2 (en) Floating-element shear-stress sensor
Battista et al. Preliminary evaluation of a fiber-optic sensor for flow measurements in pulmonary ventilators
Fujiwara et al. Optical fiber anemometer based on a multi-FBG curvature sensor
US7499606B2 (en) Method for measuring micro displacements
JP2016156763A (ja) 歪センサー及び歪量測定方法
US20130088710A1 (en) Optical Guide-Based Displacement/Force Sensor
US6636320B1 (en) Fiber optic tufts for flow separation detection
CN104729579B (zh) 基于微纳米纤维阵列的流体传感器及其测量方法
US7596288B2 (en) Micro displacement sensor
CN104792355B (zh) 基于微纳米纤维阵列的流体传感器及其测量方法
JP6540347B2 (ja) 外力測定装置及び外力測定方法
KR20160013931A (ko) 기판을 평가하기 위한 평가 시스템 및 방법
CN204255405U (zh) 流体传感器
Kazama et al. Airflow shear stress sensor using side-wall doped piezoresistive plate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181005

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190702

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6676350

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250