JP6540347B2 - 外力測定装置及び外力測定方法 - Google Patents
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Description
従来の荷重測定技術として、励起光を照射すると荷重に応じた歪み/応力により発光強度が変化する応力発光素子を用いて、発光位置から荷重位置を特定可能としたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、格子パターンを有するマーカーを被測定対象物に貼り付け又は印刷・刻印して、荷重による格子パターンの変位をカメラ等で撮影し、荷重の負荷前後の画像データを比較することで歪量及び歪み方向の測定を可能とするモアレ法を用いた測定方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2記載の技術では、カメラを用いて歪みを測定するため、歪みの測定精度がカメラの解像度や光学系の結像性能に依存する。現存のカメラの解像度や光学系の結像性能を考慮すると、ノイズに埋もれることなく歪みを測定するには、マイクロメータースケールの変位による歪みを測定するのが限界であり、より微小なナノメータースケールの変位による歪みを測定することは困難である。
外力測定装置において、
光を射出する光源と、
上面に載置された被測定対象物により発生する外力に応じて変形する測定領域部と、
前記測定領域部と隣接して配置され、前記測定領域部の変形に伴い応力及び歪みを生じるとともに、前記光源から射出された光を反射又は透過する複数のマーカーと、
前記マーカーの受光面と平行な面において前記マーカー及び前記測定領域部を外方から覆うように配置され、当該マーカー及び当該測定領域部の外方への移動を規制する保持部と、
前記マーカーにより反射又は透過された光の光強度を検出する検出部と、
前記検出部により検出された光強度に基づいて、前記測定領域部で前記被測定対象物により発生した外力の発生位置及び外力量を算出する信号処理部と、
を備え、
前記マーカーは、屈折率の異なる第1の媒質及び第2の媒質を有する平板薄膜状に形成され、
前記第2の媒質の前記マーカーの受光面と平行な方向の最大長さは、前記光源から射出される光の波長よりも短くなるように形成され、
前記第1の媒質及び前記第2の媒質は、前記マーカーの受光面と平行な方向の外力に対して変形することを特徴とする。
前記マーカーは、当該マーカーの受光面と直交する方向において、前記測定領域部と重なりを有するように配置されていることを特徴とする。
前記測定領域部は、多角形状の部材で形成され、
前記測定領域部の2つの辺に沿ってそれぞれ複数の前記マーカーが整列して配置された2つのマーカー領域が形成され、
前記2つのマーカー領域は、前記測定領域部を挟んで互いに対向しない位置に形成され、
前記信号処理部は、前記マーカー領域内のマーカー毎に、当該マーカーが配列されている辺と直交する方向の歪量を算出し、当該算出された各方向の歪量のうちそれぞれ最大の歪量が算出されたマーカーを特定し、当該特定された各マーカーの位置に基づいて、前記外力の発生位置及び前記外力量を算出することを特徴とする。
前記第2の媒質が収容される領域は、平面視で前記マーカーの受光面と直交する方向を中心軸とする真円形状に形成されることを特徴とする。
前記第1の媒質は、金属又は誘電体であり、
前記第2の媒質は、前記第1の媒質よりも弾性係数が小さい材料であることを特徴とする。
前記第2の媒質は、前記マーカーの受光面と直交する方向において前記第1の媒質と重なりを有するように配置されているとともに、前記第1の媒質内に周期的に配列され、
前記測定領域部は、当該測定領域部で発生した前記マーカーの受光面と平行な方向の外力に応じて変形することを特徴とする。
前記測定領域部は、樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
前記測定領域部の断面積をA1、弾性係数をE1とし、前記マーカーの断面積をA2、弾性係数をE2としたとき、
式(1):A2・E2>A1・E1
前記式(1)を満たすことを特徴とする。
前記被測定対象物及び前記測定領域部を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記撮像部により生成された画像データに基づいて、前記被測定対象物により発生した外力の発生位置を特定する特定部と、
前記信号処理部により算出された前記外力の重心位置及び外力量と、前記特定部により特定された前記外力の発生位置と、に基づいて、前記外力の発生位置毎の外力量を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする。
請求項1〜9のいずれか一項に記載の外力測定装置を用いた外力測定方法であって、
前記検出部により検出された光強度に基づいて、前記測定領域部で前記被測定対象物により発生した外力の発生位置及び外力量を算出する工程を有することを特徴とする。
第1の媒質31は、アルミ、金、銀、チタン、酸化チタン等の金属、樹脂又は誘電体等により形成された略正方形状の板状部材である。第1の媒質31には、第2の媒質32が収容される領域が、平面視でZ方向を中心軸とする真円形状に形成されている。
第2の媒質32は、アクリル樹脂等、第1の媒質31よりも弾性係数が小さい材料により形成され、平面視でZ方向を中心軸とする真円形状に形成されている。第2の媒質32は、第1の媒質31と同一の厚さを有するとともに、第1の媒質31内に周期的に配列されている。また、第2の媒質32の径X0が、光源2のピーク波長よりも短くなるように形成されている。
例えば、図4(A)及び図4(B)に示すように、マーカー3にX方向の水平張力(X張力711)が生じた場合、マーカー3はX方向に変位する。図4(C)に示すように、X張力711が負荷される前の第2の媒質を320、X張力711が負荷された後の第2の媒質を321とし、張力負荷前の第2の媒質320の径をX0、張力負荷後の第2の媒質321の径をX1とすると、X張力711によりマーカー3に発生した歪量εxは、数式1で算出することができる。
εx=(X1−X0)/X0 …(1)
また、図5(A)〜図5(C)は、マーカー3にY方向の水平張力(Y張力712)が生じた場合に、マーカー3がY方向に変位することを示す図である。図5(C)に示すように、Y張力712が負荷される前の第2の媒質を320、Y張力712が負荷された後の第2の媒質を321とし、張力負荷前の第2の媒質320の径をY0、張力負荷後の第2の媒質321の径をY1とすると、Y張力712によりマーカー3に発生した歪量εyは、数式2で算出することができる。
εy=(Y1−Y0)/Y0 …(2)
ここで、測定領域部4の断面積をA1、弾性係数をE1とし、マーカー3の断面積をA2、弾性係数をE2としたとき、測定領域部4及びマーカー3は、数式3を満たすように形成されている。
A2・E2>A1・E1 …(3)
具体的には、信号処理部7は、透過光22が無偏光の場合、光強度と歪量との対応関係を示すテーブルデータ(図8参照)に基づいて歪量を算出する。
また、信号処理部7は、透過光22が直線偏光の場合、まず、検出部6から出力された透過光22の光強度及び偏光方向に基づいて、最大の光強度を有する偏光方向を被測定対象物Wの歪み方向として算出する。次いで、信号処理部7は、算出された歪み方向における光強度と歪量との対応関係を示すテーブルデータ(図11参照)に基づいて歪量を算出する。
そして、信号処理部7は、算出した歪量に基づいて、測定領域部4で被測定対象物Wにより発生した外力の発生位置(外力位置)及び外力量を算出する。
実施例1では、マーカー3として、第1の媒質31の厚さZ0が200nm、第2の媒質32の直径X0が200nm、第2の媒質32の周期C0が300nmのものを使用した。また、第1の媒質31としてアルミ(Al)を、第2の媒質32として二酸化ケイ素(SiO2)を使用した。また、光源2には、無偏光であり且つピーク波長が約700nmのものを使用した。
図8は、歪量εと透過光強度との対応関係を示すテーブルデータである。透過光強度は、「透過光22の光量÷入射光21の光量」で算出される。実施例1では、図8に示すように、張力負荷(歪量εの増大)に伴い、透過光強度が単調に減少している。これは、マーカー3に張力が発生すると、マーカー3に含まれる第2の媒質32の形状が張力により歪み、マーカー3の表面に発生する表面プラズモンの特性が変化するためである。
信号処理部7で、図8に示すテーブルデータを予め用意しておくことで、検出部6により検出された透過光強度に基づいて、マーカー3に発生している歪量εを算出することができる。例えば、検出部6が検出した透過光強度が0.60であった場合、図8に示すテーブルデータを参照することで、透過光強度0.60に対応する歪量ε(≒0.10)を算出することができる。
実施例2では、マーカー3として、第1の媒質31の厚さZ0が200nm、第2の媒質32の直径X0が200nm、第2の媒質32の周期C0が300nmのものを使用した。また、第1の媒質31としてアルミ(Al)を、第2の媒質32として二酸化ケイ素(SiO2)を使用した。また、光源2には、直線偏光であり且つピーク波長が約700nmのものを使用した。なお、実施例2では、光源2から時間毎に偏光方向が異なる光を射出するようにして、各偏光方向における光強度を測定した。
図9は、偏光方向θ毎の透過光強度をグラフ化した図である。偏光方向θとは、図10に示すように、XY平面上でX方向から偏光した角度のことである。図9に示すように、XY平面上のいずれかの方向に一軸の張力が生じると、その偏光方向によってマーカー3の透過光強度に差異が生じる。これは、張力により第2の媒質32が真円形状から楕円形状に変位し、偏光方向によって第2の媒質32の径の大きさに違いが生じ、マーカー3の表面に発生する表面プラズモンの特性が変化するためである。実施例2の条件では、第2の媒質32の径の大きさが増大すると、透過光強度が増大する。即ち、被測定対象物Wの歪み方向は、第2の媒質32の径が最大となる方向であり、第2の媒質32の径が最大となる方向とは、最大の透過光強度を有する偏光方向のことである。例えば、図9に示すように、「張力あり」のような透過光強度の特性が得られた場合、最大の透過光強度となる偏光方向θは45°であり、歪み方向は45°と算出される。
図11は、歪量εと透過光強度との対応関係を示すテーブルデータである。信号処理部7で、図11に示すテーブルデータを偏光方向(歪み方向)毎に予め用意しておくことで、検出部6により検出された透過光強度及び偏光方向に基づいて、マーカー3に発生している歪量εを算出することができる。例えば、偏光方向θの偏光がマーカー3に照射された際に、検出部6が検出した透過光強度が0.70であった場合、図11に示す偏光方向θのテーブルデータを参照することで、透過光強度0.70に対応する歪量ε(≒0.10)を算出することができる。
測定領域部4の上面には、図12(A)に示すように、被測定対象物Wが載置されている。図12(A)の状態では、測定領域部4に被測定対象物Wによる外力が掛かり、測定領域部4が変形する。そして、図12(B)に示すように、測定領域部4の外周部に水平張力Hが発生し、外周部に設置された歪み測定用の2つのマーカー3(3A、3B)にそれぞれ歪みが生じる。このとき、各マーカー3の最大歪み方向は、図12(C)に示すように、各マーカー3と被測定対象物Wの外力位置とを結ぶ方向となる。
ここで、マーカー3の内部に歪みが生じた場合、マーカー3を透過する光の偏光方向によって、光強度に差異が生じる。このとき、透過する光の強度が最大となる偏光方向が、最大歪み方向となる。この最大歪み方向と各マーカー3の座標位置(x,y)とを用いることで、外力位置を特定することができる。具体的には、図中左上のマーカー3A及び図中右下のマーカー3Bの座標をそれぞれ(x1,y1)及び(x2,y2)、マーカー3A及びマーカー3Bの最大歪み方向をそれぞれθ1及びθ2としたとき、被測定対象物Wの外力位置(x0,y0)は数式4で算出することができる。なお、数式4において、A=tanθ1、B=tanθ2とする。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、測定領域部4に被測定対象物Wによる外力が掛かると測定領域部4が変形し、測定領域部4の外周部に複数配置されたマーカー3に水平張力が生じる。この水平張力により各マーカー3の内部に歪みが生じる。その時に得られる各マーカー3の最大歪み方向を用いることで、被測定対象物Wの外力位置を算出することができる。外力位置の測定分解能は、光源2の波長、構造の周期性、マーカー3のサイズに依存するため、これらのパラメータをマイクロメーター以下に規定することで、マイクロメーターオーダーの外力位置の変化を測定することができる。また、マーカー3毎に得られる最大歪み方向の歪量と外力位置から、外力位置での外力量を算出することができる。よって、被測定対象物により発生した外力の発生位置及び外力量の微小な変位を測定することができる。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、2つのマーカー3の最大歪み方向を検出してその交点を算出することで、容易に外力の発生位置を特定することができる。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、歪みに対する感度を平面上のあらゆる方向に一定に持たせることができ、歪量の検出を容易に行うことができる。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、マーカー3が弾性変形し易くなり、マーカー3内に生じる歪みを容易に検出することができる。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、温度変化に対する線膨張係数を高くすることができるので、温度変化による変形を読み取り易くなり、温度変化の測定を容易に行うことが可能となる。
従って、本実施形態に係る外力測定装置1によれば、測定領域部4の歪量ε1とマーカー3の歪量ε2との関係は「ε1<ε2」となり、測定領域部4よりもマーカー3の方が変形し易くなるので、より正確に歪みを測定することができる。
例えば、図13及び図14には、実施形態のマーカー3配置例(図6参照)と比べ、マーカー3の数及び配置箇所が異なる配置例が示されている。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
2つのマーカー領域30は、測定領域部4を挟んで互いに対向しない位置に形成される。そして、このマーカー3(マーカー領域30)及び測定領域部4を外方から覆うように、保持部5が配置されている。
測定領域部4の上面には、図15(A)に示すように、被測定対象物Wが載置されている。図15(A)の状態では、測定領域部4に被測定対象物Wによる外力が掛かり、測定領域部4が変形する。そして、図15(B)に示すように、測定領域部4の外周部に水平張力Hが発生し、外周部に設置された歪み測定用の8つのマーカー3にそれぞれ歪みが生じる。このとき、図15(C)に示すように、マーカー3毎に、当該マーカー3が配列されている辺と直交する方向の歪量を算出する。具体的には、測定領域部4の図中左辺に沿って配置された4つのマーカー3のX方向の歪量を算出する。また、測定領域部4の図中上辺に沿って配置された4つのマーカー3のY方向の歪量を算出する。そして、各方向の歪量のうちそれぞれ最大の歪量が算出されたマーカー3を特定する。図15(C)に示す例では、測定領域部4の図中左辺に沿って配置された4つのマーカー3のうち最下に配置されたマーカー3(3D)が特定される。また、測定領域部4の図中上辺に沿って配置された4つのマーカー3のうち左から3番目に配置されたマーカー3(3E)が特定される。そして、特定された各マーカー3(3D、3E)の位置に基づいて、外力位置を算出する。具体的には、各マーカー3(3D、3E)の中心位置からそれぞれ歪量の算出方向に延長した直線の交点を外力位置として算出し、この外力位置における外力量を算出する。
従って、変形例1に係る外力測定装置1によれば、予め決められた方向の歪量を算出することで外力の発生位置及び外力量を算出できるので、最大歪み方向を算出する必要がなくなり、測定に掛かる時間を短縮することができる。
また、変形例1に係る外力測定装置1において、通常、同じマーカー領域30内の各マーカー3の歪量は、外力の発生位置に最も近いマーカー3が最大となり、このマーカー3から距離が離れるほど小さくなる。しかしながら、例えば、歪量が最大のマーカー3に隣接するマーカー3よりもその隣のマーカー3の方が歪量が大きい場合など、各マーカー3の歪量が非周期的に変化する場合には、外力の発生位置が複数存在することが予想される。このような場合であっても、変形例1に係る外力測定装置1によれば、外力のそれぞれの発生位置及び当該発生位置毎の外力量を算出することができる。
また、図16には、実施形態の外力測定装置1の構成(図1参照)と比べ、新たに撮像部8及び撮像制御部9を備えた構成例が示されている。この変形例2の構成は、特に、測定領域部4内に被測定対象物Wが複数存在する場合に有効に用いられる。なお、説明の簡略化のため、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
撮像制御部9は、撮像部8から出力された画像データに基づいて、被測定対象物Wの位置(被測定対象物Wにより発生した外力の発生位置)を特定する。即ち、撮像制御部9は、本発明の特定部として機能する。
ここで、信号処理部7により算出された「測定領域部4で被測定対象物Wにより発生した外力の重心位置」は、被測定対象物Wが1つの場合、外力の発生位置と一致する。一方、被測定対象物Wが複数の場合、各被測定対象物Wにより発生したそれぞれの外力の重心位置となる。従って、被測定対象物Wが複数の場合、この外力の重心位置及び外力量と、画像データに基づいて特定した「各被測定対象物Wにより発生したそれぞれの外力の発生位置」と、に基づいて、外力の発生位置毎の外力量を算出する。
従って、変形例2に係る外力測定装置1によれば、画像観察と外力量算出を併用することで複数の外力位置での外力量を算出することができるので、より精度の高い外力測定を行うことができる。
また、上記実施形態では、マーカー3を、当該マーカー3の受光面と直交する方向において、測定領域部4と重なりを有するように配置するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、測定領域部4の上面にマーカー3を載置する構成としてもよい。
この場合、光強度に基づいて応力を算出する際に、光強度と応力との対応関係を示すテーブルデータを参照する構成としてもよい。なお、応力に基づいて外力の発生位置及び外力量を算出する場合であっても、図12に示す算出方法又は図15に示す算出方法のいずれの方法も採用することができる。
よい。
第2の媒質32が収容される領域に気体を収容することで、マーカー3が変位した際に第1の媒質31と第2の媒質32の間に隙間が発生せず、また、マーカー3の温度が上昇した場合でも、第1の媒質31と第2の媒質32の熱膨張の差により発生する応力を小さくすることができるので、歪量の検出精度を更に向上させることができる。
これにより、算出されたヤング率に基づいて測定値を補正することができるので、歪量の測定精度をより向上させることができる。また、歪量のみならず、外力により発生する応力も算出することができる。
2 光源
21 入射光
22 透過光
3 マーカー
31 第1の媒質
32 第2の媒質
4 測定領域部
5 保持部
6 検出部
7 信号処理部
8 撮像部
9 撮像制御部
W 被測定対象物
Claims (10)
- 光を射出する光源と、
上面に載置された被測定対象物により発生する外力に応じて変形する測定領域部と、
前記測定領域部と隣接して配置され、前記測定領域部の変形に伴い応力及び歪みを生じるとともに、前記光源から射出された光を反射又は透過する複数のマーカーと、
前記マーカーの受光面と平行な面において前記マーカー及び前記測定領域部を外方から覆うように配置され、当該マーカー及び当該測定領域部の外方への移動を規制する保持部と、
前記マーカーにより反射又は透過された光の光強度を検出する検出部と、
前記検出部により検出された光強度に基づいて、前記測定領域部で前記被測定対象物により発生した外力の発生位置及び外力量を算出する信号処理部と、
を備え、
前記マーカーは、屈折率の異なる第1の媒質及び第2の媒質を有する平板薄膜状に形成され、
前記第2の媒質の前記マーカーの受光面と平行な方向の最大長さは、前記光源から射出される光の波長よりも短くなるように形成され、
前記第1の媒質及び前記第2の媒質は、前記マーカーの受光面と平行な方向の外力に対して変形することを特徴とする外力測定装置。 - 前記マーカーは、当該マーカーの受光面と直交する方向において、前記測定領域部と重なりを有するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の外力測定装置。
- 前記測定領域部は、多角形状の部材で形成され、
前記測定領域部の2つの辺に沿ってそれぞれ複数の前記マーカーが整列して配置された2つのマーカー領域が形成され、
前記2つのマーカー領域は、前記測定領域部を挟んで互いに対向しない位置に形成され、
前記信号処理部は、前記マーカー領域内のマーカー毎に、当該マーカーが配列されている辺と直交する方向の歪量を算出し、当該算出された各方向の歪量のうちそれぞれ最大の歪量が算出されたマーカーを特定し、当該特定された各マーカーの位置に基づいて、前記外力の発生位置及び前記外力量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の外力測定装置。 - 前記第2の媒質が収容される領域は、平面視で前記マーカーの受光面と直交する方向を中心軸とする真円形状に形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の外力測定装置。
- 前記第1の媒質は、金属又は誘電体であり、
前記第2の媒質は、前記第1の媒質よりも弾性係数が小さい材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の外力測定装置。 - 前記第2の媒質は、前記マーカーの受光面と直交する方向において前記第1の媒質と重なりを有するように配置されているとともに、前記第1の媒質内に周期的に配列され、
前記測定領域部は、当該測定領域部で発生した前記マーカーの受光面と平行な方向の外力に応じて変形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の外力測定装置。 - 前記測定領域部は、樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の外力測定装置。
- 前記測定領域部の断面積をA1、弾性係数をE1とし、前記マーカーの断面積をA2、弾性係数をE2としたとき、
式(1):A2・E2>A1・E1
前記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の外力測定装置。 - 前記被測定対象物及び前記測定領域部を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記撮像部により生成された画像データに基づいて、前記被測定対象物により発生した外力の発生位置を特定する特定部と、
前記信号処理部により算出された前記外力の重心位置及び外力量と、前記特定部により特定された前記外力の発生位置と、に基づいて、前記外力の発生位置毎の外力量を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の外力測定装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の外力測定装置を用いた外力測定方法であって、
前記検出部により検出された光強度に基づいて、前記測定領域部で前記被測定対象物により発生した外力の発生位置及び外力量を算出する工程を有することを特徴とする外力測定方法。
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