JP6675588B2 - ガラス物品の製造装置及びその製造方法 - Google Patents

ガラス物品の製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス原料を電気溶融する電気溶融炉を用いたガラス物品の製造装置および製造方法に関する。
従来、ガラス原料を溶融するガラス溶融炉には、ガス燃焼を利用するガス燃焼炉が広く利用されているが、溶融炉内の燃焼エネルギーが炉外へ発散されやすく、熱効率が低いという問題があった。
このような問題を解決するため、ガラス溶融炉として、ガラス原料を電気溶融する、いわゆるコールドトップタイプあるいはセミホットトップタイプの電気溶融炉が用いられる場合がある(特許文献1を参照)。これらの溶融方法であれば、炉内でガス燃焼を行う場合に比べて熱効率を大幅に向上させることができる。
特開2003−183031号公報
従来のガス燃焼を利用するガラス溶融炉は、炉内で常時ガス燃焼を行っているため、炉内の気体の水分量は、燃焼廃ガスの水分量に実質的に支配されており比較的高い水準で安定している。一方、溶融ガラス中の水分濃度が高いと、溶融ガラスから製造されるガラス物品(板ガラスなど)の高歪点化を図ることが難しく、結果としてガラス物品の熱的寸法安定性を示すコンパクションの値を小さくできない問題がある。
これに対し、電気溶融炉を用いた場合、炉内におけるガス燃焼等に起因する水分濃度の上昇が無いため、ガス燃焼炉に比べて溶融ガラス中の水分濃度を低減しやすい。一方、電気溶融炉の場合、炉内の気体の水分量は元々少ないため、炉内に進入する外気の水分量の影響を受けやすい。そのため、外気の湿度が変動すると、溶融ガラスの水分量が変動し、製造されるガラス物品のコンパクション値が変動する原因となる。外気の湿度は、夏季・冬季などの長期的な時間変化のみならず、一日のうちでも朝・昼・晩などの短期的な時間変化も生じやすく不安定である。すなわち、電気溶融炉を用いた場合、ガラス物品のコンパクション値の低下を図ることができるものの、ガラス物品のコンパクション値が変動しやすいという問題があった。
ここで、ガラス物品のコンパクション値が変動すると、ガラス物品を用いてディスプレイなどの最終製品を安定的に製造することが難しくなるという問題がある。
本発明は、ガラス原料を電気溶融する電気溶融炉を用いて、ガラス物品のコンパクション値の低下を図りつつ、コンパクション値の変動を抑制することを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラス原料を電気溶融して溶融ガラスを形成する電気溶融炉と、溶融ガラスからガラス物品を成形する成形装置とを備えるガラス物品の製造装置において、電気溶融炉の周囲を覆うケーシングと、ケーシングと電気溶融炉との間に形成される包囲空間に気体を供給する気体供給手段とを備え、包囲空間の気体に含まれる水分量を調整するように構成されていることを特徴とする。このような構成によれば、ケーシングと電気溶融炉との間に形成される包囲空間が、水分量が調整された気体で満たされる。そのため、電気溶融炉は、水分量が調整された気体によって覆われた状態となる。したがって、ケーシングの外部空間で気体の湿度変動が生じても、電気溶融炉内の気体には直接影響しにくくなる。その結果、電気溶融炉内の気体の水分量の変動が生じにくくなり、電気溶融炉内の溶融ガラスの水分量の変動も抑制される。これにより、電気溶融炉の溶融ガラスから製造されるガラス物品のコンパクション値の低下を図りつつ、コンパクション値の変動を抑制することができる。
上記の構成において、気体供給手段は、予め水分量が調整された気体を包囲空間に供給するように構成されていてもよい。このようにすれば、包囲空間の気体の水分量を簡単に調整することができる。また、包囲空間内に気体の水分量を調整するための装置を別途設けることが必須ではなくなるので、包囲空間内の構成を簡素化することも可能となる。
上記の構成において、水分量が調整された気体雰囲気下でガラス物品の製造関連処理が行われるクリーンルームを備え、気体供給手段が、クリーンルーム内から排出される気体の一部又は全部を包囲空間に供給するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、クリーンルームのために予め水分量が調整された気体を包囲空間に間接的に供給することができ、非常に効率的である。換言すれば、包囲空間に供給する予め水分量が調整された気体を製造する専用の装置を設ける必要がなくなるため、ガラス物品の製造装置の全体構成を簡素化することができる。
上記の構成において、水分量が調整された気体雰囲気下で前記ガラス物品の製造関連処理が行われるクリーンルームを備え、気体供給手段は、クリーンルームの空調機であり、クリーンルームおよび包囲空間の各々と接続され、予め水分量が調整された気体をクリーンルームおよび包囲空間の各々に供給するように構成されていることが好ましい。このようにすれば、クリーンルームのために予め水分量が調整された気体を包囲空間に直接的に供給することができ、非常に効率的である。換言すれば、包囲空間に供給する予め水分量が調整された気体を製造する専用の装置を設ける必要がなくなるため、ガラス物品の製造装置の全体構成を簡素化することができる。
上記の構成において、電気溶融炉が、電気溶融炉内の気体を排出するための気体排出路を備え、電気溶融炉の気体排出路を通じて包囲空間の気体を排出するように構成されていてもよい。
上記の構成において、ケーシングが、包囲空間の気体を排出するための気体排出路を備えていてもよい。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、電気溶融炉でガラス原料を電気溶融して溶融ガラスを形成する工程と、成形装置で溶融ガラスからガラス物品を成形する工程とを備えるガラス物品の製造方法において、電気溶融炉の周囲の気体に含まれる水分量を調整することを特徴とする。このような構成によれば、既に述べた対応する構成と同様の作用効果を奏し得る。
上記の構成において、電気溶融炉の周囲をケーシングで覆った状態で、ケーシングと電気溶融炉との間に形成される包囲空間に気体を供給するとともに、包囲空間の気体に含まれる水分量を調整することが好ましい。
上記の構成において、予め水分量が調整された気体を包囲空間に供給してもよい。
上記の構成において、包囲空間に供給する気体の水分量が、1〜40g/Nmであることが好ましい。
上記の構成において、包囲空間に供給する気体の供給量が、5〜200Nm/hであることが好ましい。
上記の構成において、ガラス物品を成形する工程の後に、クリーンルーム内の水分量が調整された気体雰囲気下でガラス物品に製造関連処理を行う工程を備え、クリーンルーム内から排出される気体の一部又は全部を包囲空間に供給することが好ましい。
上記の構成において、ガラス物品を成形する工程の後に、クリーンルーム内の水分量が調整された気体雰囲気下でガラス物品に製造関連処理を行う工程を備え、クリーンルームの空調機をクリーンルームおよび包囲空間の各々に接続し、空調機によって予め水分量が調整された気体をクリーンルームおよび包囲空間の各々に供給することが好ましい。
上記の構成において、包囲空間の気体の圧力をP1、ケーシングの外部空間の気体の圧力をP2、電気溶融炉の内部空間の気体の圧力をP3とした場合に、P2<P1かつP3<P1となる関係が成立することが好ましい。このようにすれば、ケーシングの外部空間の気体が包囲空間に進入しにくくなるため、ケーシングの外部空間における気体の湿度変動の影響を受けにくくなる。また、包囲空間の水分量が調整された気体が電気溶融炉の内部空間に進入しやすくなるため、電気溶融炉の内部空間における気体の水分量の変動を抑えやすくなる。
上記の構成において、電気溶融炉で、溶融ガラスの液面の少なくとも一部が、ガラス原料に覆われることなく露出していることが好ましい。このようにすれば、溶融ガラスの液面の露出部で電気溶融炉内の気体の水分を吸収しやすい。そのため、このような構成であれば、電気溶融炉内の気体の水分量の変動を抑制し得る本発明の効果が有用となる。
以上のような本発明によれば、ガラス原料を電気溶融する電気溶融炉を用いて、ガラス物品のコンパクション値の低下を図りつつ、コンパクション値の変動を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るガラス物品の製造装置を示す部分断面図である。 図1のガラス物品の製造装置の変形例を示す部分断面図である。 図1のガラス物品の製造装置の別の変形例を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明に係るガラス物品の製造装置及びその製造方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るガラス物品の製造装置1は、ガラス原料grを溶融して形成される溶融ガラスgmからガラス物品としての板ガラスgを製造するものである。
製造装置1は、ガラス原料grを電気溶融して溶融ガラスgmを形成する電気溶融炉2と、溶融ガラスgmから板ガラスgを成形する成形装置3と、電気溶融炉2を覆うケーシング4と、板ガラスgの製造関連処理が行われるクリーンルーム5と、ケーシング4と電気溶融炉2との間に形成される包囲空間S1に気体を供給する気体供給手段としての気体供給管6とを備えている。
電気溶融炉2は、例えば耐熱煉瓦で構成される。電気溶融炉2の底壁部及び/又は側壁部には、溶融ガラスgmに浸漬された状態で複数の電極7が設けられている。この実施形態では、電気溶融炉2内には、電極7以外の他の加熱手段が設けられておらず、電極7の通電加熱(電気エネルギー)のみでガラス原料grを溶融するようになっている。ここで、電気溶融炉2内に他の電気加熱手段を設けてもよい。例えば、溶融ガラスgmの液面gm1の上方に電気ヒータを設けてもよい。
電気溶融炉2には、原料供給手段としてのスクリューフィーダ8からガラス原料grが供給される。スクリューフィーダ8は、電気溶融炉2内で溶融ガラスgmの液面gm1の一部が露出するようにガラス原料grを供給する。すなわち、電気溶融炉2は、いわゆるセミホットトップタイプである。なお、電気溶融炉2は、溶融ガラスgmの液面gm1の全部がガラス原料grに覆われた、いわゆるコールドトップタイプでもよい。
電気溶融炉2には、矢印Aのように、電気溶融炉2内の気体を外部に排出するための気体排出路としての気体排出管(例えば煙道)9が設けられている。気体排出管9内には、気体を外部に送るためのファン10が設けられている。ファン10は省略してもよい。なお、この実施形態では、電気溶融炉2内の気体は空気であるが、これに限定されない。
成形装置3は、白金又は白金合金からなる移送管11を介して電気溶融炉2と接続されている。移送管11には、溶融ガラスgmに含まれる泡を除去するための清澄室や、溶融ガラスgmの均質化を図るための撹拌槽などが設けられていてもよい。
成形装置3には、矢印Bのように、移送管11を通じて電気溶融炉2から溶融ガラスgmが連続的に供給される。成形装置3は、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法などの公知の手法によって、溶融ガラスgmから板ガラスgを成形する。この実施形態では、成形装置3によって成形された板ガラスgは、歪を除去するために、徐冷炉(図示省略)内を下方(矢印C方向)に搬送されながら徐冷される。
ケーシング4は、包囲空間S1を区画形成できるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。ケーシング4は、外部空間S2の気体の進入を完全に遮断する構成であってもよいし、外部空間S2の気体の進入を一部許容する構成であってもよい。ケーシング4は、例えば、耐火煉瓦、耐熱布、金属板などで構成される。
クリーンルーム5の気体供給口5iには、空調機12から延びる気体供給管13が接続されている。これにより、クリーンルーム5には、矢印Dのように、気体供給管13を通じて空調機12から予め水分量が調整された気体が供給される。クリーンルーム5内に供給される気体は空気である。クリーンルーム5内では、予め水分量が調整された気体雰囲気下で板ガラスgに製造関連処理が施される。この実施形態では、製造関連処理は、板ガラスgを所定サイズに切断する処理と、板ガラスgを検査する処理の中から選択された一又は複数の処理である。なお、製造関連処理は、板ガラスgの洗浄などの他の処理を含んでいてもよい。
クリーンルーム5内の気体は、例えば、温度:20℃±2℃、湿度(相対湿度):50%±5%に管理される。クリーンルーム5内の気体の温度および湿度は、これに限定されず適宜調整できる。
気体供給管6は、予め水分量が調整された気体を包囲空間S1に供給するようになっている。気体供給管6から供給される気体は空気(酸素を多く含む)であるが、これに限定されない。この実施形態では、気体供給管6の一端がクリーンルーム5の気体排出口5eに接続され、気体供給管6の他端がケーシング4の気体供給口4iに接続されている。これにより、クリーンルーム5内から排出される気体の一部または全部が、矢印Eのように、気体供給管6を通じて包囲空間S1に供給される。ここで、クリーンルーム5に供給される気体と同様に、クリーンルーム5から排出される気体も水分量が調整された状態が概ね維持される。
気体供給管6内あるいは開口部には、気体を包囲空間S1側に送るためのファン14と、包囲空間S1に供給される気体の供給量を調整するためのダンパ15とが設けられている。ファン14とダンパ15は省略してもよい。
気体供給管6を通じて包囲空間S1に気体が供給されると、包囲空間S1内は水分量が調整された気体で満たされる。この実施形態では、包囲空間S1に供給された気体は、矢印Fのように、電気溶融炉2の内部空間S3に進入し、気体排出管9を通じて外部に排出されるようになっている。なお、包囲空間S1に供給された気体を、ケーシング4の隙間などからケーシング4の外部空間S2に直接排出するようにしてもよい。
次に、以上のように構成された製造装置1によるガラス物品の製造方法を説明する。
図1に示すように、ガラス物品の製造方法は、電気溶融炉2でガラス原料grを電気溶融して溶融ガラスgmを形成する工程と、成形装置3で溶融ガラスgmから板ガラスgを成形する工程と、クリーンルーム5内の水分量が調整された気体雰囲気下で板ガラスgに製造関連処理を行う工程とを備えている。
溶融ガラスgmを形成する工程では、ケーシング4と電気溶融炉2の間の包囲空間S1に、気体供給管6を通じて予め水分量が調整された気体を供給する。この実施形態では、予め水分量が調整された気体として、クリーンルーム5から排出される気体を利用する。
このように気体供給管6から気体を供給すると、包囲空間S1が水分量の調整された気体で満たされるため、電気溶融炉2は水分量の調整された気体で覆われた状態となる。そのため、ケーシング4の外部空間S2の湿度変動が生じても、包囲空間S1の気体で湿度変動の影響が緩和され、電気溶融炉2の内部空間S3の気体に直接影響しにくくなる。その結果、電気溶融炉2の内部空間S3の気体の水分量の変動が生じにくくなり、溶融ガラスgmの水分量の変動も抑制される。したがって、板ガラスgを成形する工程で、このような水分量の変動が小さい溶融ガラスgmから板ガラスgを成形すれば、コンパクション値の変動が小さい板ガラスgを安定的に得ることができる。もちろん、電気溶融炉2を用いることで、溶融ガラスgmの水分量自体も少なくなっているので、板ガラスgのコンパクション値自体も小さくできる。なお、このように製造された板ガラスgは、例えばLTPSディスプレイ基板として用いられる。
ここで、気体供給管6によって包囲空間S1に供給される気体の水分量は、1〜40g/Nmであることが好ましく、5〜40g/Nmであることがより好ましく、5〜10g/Nmであることが更に好ましい。また、気体供給管6によって包囲空間S1に供給される気体の供給量は、5〜200Nm/hであることが好ましく、10〜200Nm/hであることがより好ましく、20〜100Nm/hであることが更に好ましい。この実施形態では、気体の水分量は空調機12によって調整され、気体の供給量はダンパ15によって調整される。
また、この実施形態では、包囲空間S1の気体の圧力をP1、ケーシング4の外部空間S2の気体の圧力をP2、電気溶融炉2の内部空間S3の気体の圧力をP3とした場合に、P2<P1かつP3<P1となる関係が成立する。包囲空間S1の気体の圧力P1は、包囲空間S1への気体供給量によって調整することができる。このような圧力関係により、ケーシング4の外部空間S2の気体が、ケーシング4の隙間などから包囲空間S1に進入しにくくなる。そのため、ケーシング4の外部空間S2の気体の湿度変動の影響を受けにくくなる。また、包囲空間S1の水分量が調整された気体が、矢印Fのように、電気溶融炉2の隙間などから電気溶融炉2の内部空間S3に進入しやすくなる。そのため、電気溶融炉2の内部空間S3の気体(空気)の水分量の変動を抑えやすくなる。
下記の実施例は日本電気硝子(株)の無アルカリガラス材質OA−11を用いておこなった。実施例1〜4は、図1の構成を備えた板ガラスの製造装置であり、比較例1は、ケーシングを有さない電気溶融炉を備えた板ガラスの製造装置であり、比較例2は、ケーシングと電気溶融炉とを備えているが、その間に形成される包囲空間に気体を供給しない板ガラスの製造装置であり、比較例3は、ケーシングを有さないガス溶融炉を備えた板ガラスの製造装置である。実施例1〜4、比較例1〜3の製造装置の詳細な条件と、板ガラスを製造したときの溶融ガラスの水分量の結果を表1に示す。
表1によれば、比較例3のように、ガラス原料の溶融方法としてガス燃焼を用いた場合、溶融ガラスの平均水分量が非常に高くなる。その結果、当該溶融ガラスから成形された板ガラスのコンパクション値は500ppm程度と非常に大きくなってしまう。
また、比較例1は、ガラス原料の溶融方法として電気を用いているため、溶融ガラスの平均水分量は低くなるものの、ケーシングを用いておらず気体の水分量も管理していないので、溶融ガラスの水分量の変動範囲が大きくなってしまう。また、比較例2は、ケーシングを用いているものの、気体の水分量等を適切に制御していないため、比較例1と同様に、溶融ガラスの水分量の変動範囲が大きくなってしまう。
これに対し、実施例1〜4では、電気溶融炉とケーシングの間に形成される包囲空間に供給される気体の供給量と水分量が適切に管理されているので、溶融ガラスの平均水分量は低く、かつ、その水分量の変動範囲も小さくなっている。そして、実施例1を例にとると、溶融ガラスの水分量は100±10ppmとなり、板ガラスのコンパクション値も20±0.5ppmとなる良好な結果を得た。±0.5ppmのコンパクション値の変動範囲は、ディスプレイ用途として許容可能なレベルである。実施例2〜4においては、供給空気量の減少に伴い、実施例1に比べ水分量の変動範囲が大きくはなるが、コンパクションの値の変動範囲は±1.0ppm内であり、ディスプレイ用途として許容可能なレベルである。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、気体供給管6の一端がクリーンルーム5の気体排出口5eに接続され、気体供給管6の他端がケーシング4の気体供給口4iに接続されている場合を説明したが、これに限定されない。例えば、図2に示すように、気体供給管6の一端がクリーンルーム5に気体を供給する空調機12に接続され、気体供給管6の他端がケーシング4の気体供給口4iに接続されていてもよい。すなわち、気体供給管6が、矢印Hのように、クリーンルーム5内に供給される気体の一部を包囲空間S1に供給する構成であってもよい。なお、図2において、図1と共通する構成には同一符号を付している。
上記の実施形態では、クリーンルーム5の空調機12を利用して、包囲空間S1に水分量が調整された気体を供給する場合を説明したが、包囲空間S1に水分量が調整された気体を供給するための専用の空調機を別途設けてもよい。
上記の実施形態では、予め水分量が調整された気体を包囲空間S1に供給する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、図3に示すように、包囲空間S1に電気ヒータ16及び/又は加湿器17を配置し、包囲空間S1内で気体の水分量を調整するようにしてもよい。なお、図3において、図1と共通する構成には同一符号を付している。
上記の実施形態では、電気溶融炉2の気体排出管9を通じて包囲空間S1の気体を外部に排出する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、図3に示すように、ケーシング4に、矢印Iのように包囲空間S1の気体を外部に排出するための気体排出管18を設けてもよい。この場合、気体排出管18内に、気体を外部に送るためのファン19を設けることが好ましい。
上記の実施形態では、成形装置3で成形されるガラス物品が板ガラスgである場合を説明したが、これに限定されない。例えば、成形装置3で成形されるガラス物品は、例えば、光学ガラス部品、ガラス管、ガラスブロック、ガラス繊維などであってもよいし、任意の形状であってよい。
1 ガラス物品の製造装置
2 電気溶融炉
3 成形装置
4 ケーシング
5 クリーンルーム
6 気体供給管
7 電極
8 スクリューフィーダ
9 気体排出管
11 移送管
12 空調機
g 板ガラス
gm 溶融ガラス
gr ガラス原料
S1 包囲空間
S2 外部空間
S3 内部空間

Claims (15)

  1. ガラス原料を電気溶融して溶融ガラスを形成する電気溶融炉と、前記溶融ガラスからガラス物品を成形する成形装置とを備えるガラス物品の製造装置において、
    前記電気溶融炉の周囲を覆うケーシングと、
    前記ケーシングと前記電気溶融炉との間に形成される包囲空間に気体を供給する気体供給手段とを備え、
    前記包囲空間の気体に含まれる水分量を調整するように構成されていることを特徴とするガラス物品の製造装置。
  2. 前記気体供給手段は、予め水分量が調整された気体を前記包囲空間に供給するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造装置。
  3. 水分量が調整された気体雰囲気下で前記ガラス物品の製造関連処理が行われるクリーンルームを備え、
    前記気体供給手段が、前記クリーンルーム内から排出される気体の一部又は全部を前記包囲空間に供給するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス物品の製造装置。
  4. 水分量が調整された気体雰囲気下で前記ガラス物品の製造関連処理が行われるクリーンルームを備え、
    前記気体供給手段は、前記クリーンルームの空調機であり、前記クリーンルームおよび前記包囲空間の各々と接続され、前記予め水分量が調整された気体を前記クリーンルームおよび前記包囲空間の各々に供給するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス物品の製造装置。
  5. 前記電気溶融炉が、前記電気溶融炉内の気体を排出するための気体排出路を備え、
    前記電気溶融炉の前記気体排出路を通じて前記包囲空間の気体を排出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス物品の製造装置。
  6. 前記ケーシングが、前記包囲空間の気体を排出するための気体排出路を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス物品の製造装置。
  7. 電気溶融炉でガラス原料を電気溶融して溶融ガラスを形成する工程と、成形装置で前記溶融ガラスからガラス物品を成形する工程とを備えるガラス物品の製造方法において、
    前記電気溶融炉の周囲の気体に含まれる水分量を調整することを特徴とするガラス物品の製造方法。
  8. 前記電気溶融炉の周囲をケーシングで覆った状態で、前記ケーシングと前記電気溶融炉との間に形成される包囲空間に気体を供給するとともに、前記包囲空間の気体に含まれる水分量を調整することを特徴とする請求項7に記載のガラス物品の製造方法。
  9. 予め水分量が調整された気体を前記包囲空間に供給することを特徴とする請求項8に記載のガラス物品の製造方法。
  10. 前記包囲空間に供給する気体の水分量が、1〜40g/Nmであることを特徴とする請求項9に記載のガラス物品の製造方法。
  11. 前記包囲空間に供給する気体の供給量が、5〜200Nm/hであることを特徴とする請求項9又は10に記載のガラス物品の製造方法。
  12. 前記ガラス物品を成形する工程の後に、クリーンルーム内の水分量が調整された気体雰囲気下で前記ガラス物品に製造関連処理を行う工程を備え、
    前記クリーンルーム内から排出される気体の一部又は全部を前記包囲空間に供給することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  13. 前記ガラス物品を成形する工程の後に、クリーンルーム内の水分量が調整された気体雰囲気下で前記ガラス物品に製造関連処理を行う工程を備え、
    前記クリーンルームの空調機を前記クリーンルームおよび前記包囲空間の各々に接続し、前記空調機によって前記予め水分量が調整された気体を前記クリーンルームおよび前記包囲空間の各々に供給することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  14. 前記包囲空間の気体の圧力をP1、前記ケーシングの外部空間の気体の圧力をP2、前記電気溶融炉の内部空間の気体の圧力をP3とした場合に、P2<P1かつP3<P1となる関係が成立することを特徴とする請求項8〜13のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  15. 前記電気溶融炉で、前記溶融ガラスの液面の少なくとも一部が、前記ガラス原料に覆われることなく露出していることを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
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