JP6675477B2 - 圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機及び冷凍サイクル装置に関し、特に、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒を用いる圧縮機及び冷凍サイクル装置に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点より、温室効果ガスの削減が求められている。空気調和機等の冷凍サイクル装置に用いられている冷媒についても、地球温暖化係数(GWP)のより低いものが検討されている。現在、空気調和機用として広く用いられているR410AのGWPは2088と非常に大きい値である。近年導入され始めているジフルオロメタン(R32)のGWPも675とかなり大きい値になっている。
GWPの低い冷媒としては、二酸化炭素(R744:GWP=1)、アンモニア(R717:GWP=0)、プロパン(R290:GWP=6)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf:GWP=4)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze:GWP=6)等がある。
これらの低GWP冷媒は、下記の課題があるため、一般的な空気調和機に適用することは困難である。
・R744:動作圧力が非常に高いため、耐圧確保の課題がある。また、臨界温度が31℃と低いため、空気調和機用途での性能の確保が課題となる。
・R717:高毒性であるため、安全確保の課題がある。
・R290:強燃性であるため、安全確保の課題がある。
・R1234yf及びR1234ze:低動作圧で体積流量が大きくなるため、圧力損失増大による性能低下の課題がある。
上記の課題を解決する冷媒として、1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO−1123)がある(例えば、特許文献1参照)。この冷媒には、特に、以下の利点がある。
・動作圧力が高く、冷媒の体積流量が小さいため、圧力損失が小さく、性能を確保しやすい。
・GWPが1未満であり、地球温暖化対策として優位性が高い。
国際公開第2012/157764号
Andrew E. Feiring, Jon D. Hulburt, "Trifluoroethylene deflagration", Chemical & Engineering News (22 Dec 1997) Vol. 75, No. 51, pp. 6
HFO−1123には、下記の課題がある。
(1)高温高圧の状態において、着火エネルギーが加わると、爆発が発生する(例えば、非特許文献1参照)。
このため、HFO−1123を冷凍サイクル装置に適用するには、上記の課題を解決する必要がある。
上記の課題については、不均化反応の連鎖によって爆発が発生することが明らかになった。この現象が発生する条件は、下記の2点である。
(1a)冷凍サイクル装置(特に、圧縮機)の内部に着火エネルギー(高温部)が発生し、不均化反応が起こる。
(1b)高温高圧の状態において、不均化反応が連鎖して拡散する。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、HFO−1123を使用しても安全性を確保することができる圧縮機、及び該圧縮機を備えた冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
本発明に係る圧縮機は、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒が封入される冷媒回路に用いられる圧縮機であって、容積を変化させることにより前記混合冷媒を圧縮する圧縮室が形成された圧縮機構を備え、前記圧縮機構は、前記圧縮室の内部と外部とを連通する貫通孔で形成された吐出口を有し、前記貫通孔は直径2.5mm以下であるものである。
また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、本発明に係る圧縮機を有する冷媒回路と、該冷媒回路に封入された、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒と、を備えたものである。
冷凍サイクル装置は、何らかの原因により、冷媒回路内を循環する冷媒の圧力及び温度が異常に上昇してしまうことがある。このような場合、圧縮機の圧縮機構は、部品同士が摺動する摺動部を有するため、摺動部にかかる荷重が増大する。また、圧縮機構を構成する部品が想定以上に熱膨張するため、前記摺動部において部品同士の干渉が発生する場合がある。そして、摺動部にかかる荷重の増大、及び、摺動部における部品同士の干渉により、摺動部にかじりが発生する場合がある。この際、かじりが発生する箇所では温度が非常に上昇する。このため、冷凍サイクル装置に1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒を用いた場合、かじりが発生する箇所が着火源となって圧縮室の内部で発生した不均化反応が圧縮室の外部へ連鎖して拡散することが懸念される。
しかしながら、発明者は、鋭意検討の結果、直径2.5mm以下の貫通孔で圧縮機構の吐出口を形成することにより、圧縮室の内部で不均化反応が発生しても、圧縮室の外部へ連鎖して拡散することを防止できることを見いだした。このため、冷凍サイクル装置に本発明に係る圧縮機を採用することにより、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒を用いても安全性を確保することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の回路図である。 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るHFO−1123の不均化反応の伝播を確認するための実験装置を示す図である。 図3に示した実験装置での実験結果を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の吐出口近傍を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係るロータリー圧縮機を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るロータリー圧縮機における圧縮機構の主軸受近傍を示す平面図である。 図7のA−A断面図である。 本発明の実施の形態3に係るHFO−1123の不均化反応の伝播を確認するための実験装置を示す図である。 図9に示した実験装置での実験結果を示す図である。 本発明の実施の形態4に係るロータリー圧縮機のシリンダの吐出口近傍を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4に係るロータリー圧縮機のシリンダの吐出口近傍を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係るロータリー圧縮機の吐出口近傍を示す縦断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の回路図である。
本実施の形態1において、冷凍サイクル装置110は、空気調和機である。なお、冷凍サイクル装置110が空気調和機以外の機器(例えば、ヒートポンプサイクル装置)であっても、本実施の形態1を適用することができる。
冷凍サイクル装置110は、冷媒が循環する冷媒回路110aを備える。この冷媒回路110aは、スクロール圧縮機100と、四方弁101と、室外熱交換器102と、膨張弁103と、室内熱交換器104とを備える。スクロール圧縮機100は、冷媒を圧縮する。四方弁101は、冷房時と暖房時とで冷媒の流れる方向を切り換える。室外熱交換器102は、冷房時には凝縮器として動作し、スクロール圧縮機100により圧縮された冷媒を放熱させる。室外熱交換器102は、暖房時には蒸発器として動作し、室外空気と膨張弁103で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。膨張弁103は、膨張機構の例である。膨張弁103は、凝縮器で放熱した冷媒を膨張させる。室内熱交換器104は、暖房時には凝縮器として動作し、スクロール圧縮機100により圧縮された冷媒を放熱させる。室内熱交換器104は、冷房時には蒸発器として動作し、室内空気と膨張弁103で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。なお、冷凍サイクル装置110が冷房又は暖房のうちの一方のみを行うものの場合、四方弁101は必要ない。
本実施の形態1において、冷媒回路110aを循環する冷媒(換言すると、冷媒回路110aに封入される冷媒)としては、1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO−1123)と、該HFO−1123とは異なる他の冷媒とを混合した混合冷媒が使用される。
好適な冷媒として、HFO−1123とジフルオロメタン(R32)との混合冷媒を使用することができる。なお、前記他の冷媒として、R32以外に、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze(E))、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze(Z))、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)を用いてもよい。
図2は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機を示す縦断面図である。
スクロール圧縮機100は、固定スクロール11と該固定スクロール11に対して公転(揺動)する揺動スクロール12とを組み合わせたスクロール式の圧縮機構10を備えている。また、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、密閉型圧縮機となっており、圧縮機構10は密閉容器1内に収納されている。この密閉容器1内には、揺動スクロール12を軸6と接続して駆動する電動機5も収納されている。縦置き型のスクロール圧縮機100の場合、密閉容器1内において、例えば圧縮機構10は上側に、電動機5は下側に、それぞれ配置されている。
ここで、密閉容器1が、本発明の容器に相当する。
固定スクロール11は、台板部11aと、台板部11aの一方の面(図2において下側)に立設された渦巻状突起である板状渦巻歯11bとを備えている。また、揺動スクロール12は、台板部12aと、台板部12aにおける固定スクロール11と対向する側の面(図2において上側)に立設された渦巻状突起である板状渦巻歯12bとを備えている。板状渦巻歯12bは、板状渦巻歯11bと実質的に同一形状となっている。この固定スクロール11の板状渦巻歯11bと揺動スクロール12の板状渦巻歯12bとを互いに噛み合わせることで、相対的に容積が変化する圧縮室13が形成される。
固定スクロール11は、ガイドフレーム2を介して、密閉容器1に固定されている。固定スクロール11の台板部11aの外周部には、ガス状混合冷媒を吸入口14より圧縮室13に導入するための吸入管7が設けられている。固定スクロール11の台板部11aの中央部には、圧縮されて高圧となったガス状混合冷媒を吐出する吐出口15が形成されている。そして、圧縮されて高圧となったガス状混合冷媒は、密閉容器1内の上部に吐出されるようになっている。すなわち、スクロール圧縮機100は、圧縮機構10で圧縮された混合冷媒が密閉容器1の内部に吐出される高圧シェル型の圧縮機となっている。この密閉容器1内の上部に吐出されたガス状混合冷媒は、圧縮機構10の外周部に設けられた冷媒流路等を通って吐出管8より吐出されるようになっている。ここで、本実施の形態1では、吐出口15は直径2.5mm以下の貫通孔で形成されている。
揺動スクロール12は、ガイドフレーム2内に収納されたコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aに摺動自在に支持されている。また、揺動スクロール12の台板部12aには、板状渦巻歯12bの形成面と反対側(図2において下側)の面の中心部に、中空円筒形状の揺動軸受12cが形成されている。この揺動軸受12cには、軸6の上端部に設けられた揺動軸部6aが回転自在に挿入されている。揺動軸部6aの中心軸は、軸6の主軸部6bの回転中心に対して偏心している。揺動スクロール12は、オルダム機構9により自転運動が規制されているため、軸6が回転することにより、固定スクロール11に対して自転運動することなく公転運動(揺動運動)を行うよう。なお、本実施の形態1では、コンプライアントフレーム3とガイドフレーム2とは別体に構成されているが、これに限らず、両フレームを一体の一つのフレームで構成してもよい。
密閉容器1にはガス状混合冷媒を外部へ排出する吐出管8が設けられている。また、密閉容器1の底部は、冷凍機油が貯留される油溜め部1aとなっている。油溜め部1aに貯留された冷凍機油は、圧縮機構10の摺動部等に供給され、該摺動部を潤滑する。圧縮機構10の摺動部とは、例えば、固定スクロール11の台板部11aと揺動スクロール12の板状渦巻歯12bとの間、固定スクロール11の板状渦巻歯11bと揺動スクロール12の台板部12aとの間、固定スクロール11の板状渦巻歯11bと揺動スクロール12の板状渦巻歯12bとの間である。
電動機5は、軸6を回転駆動するものであり、軸6の主軸部6bに固定された回転子5a及び、密閉容器1に固定された固定子5b等で構成されている。
次に、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100の動作について説明する。
このスクロール圧縮機100の起動時および運転時には、ガス状混合冷媒が吸入管7及び吸入口14より吸入され、固定スクロール11の板状渦巻歯11bと揺動スクロール12の板状渦巻歯12bとの間に形成される空間に入る。電動機5により駆動される揺動スクロール12が偏心旋回運動(揺動運動)すると、固定スクロール11の板状渦巻歯11bと揺動スクロール12の板状渦巻歯12bとの間に形成される空間は、吸入口14と連通しなくなり、圧縮室13となる。そして、圧縮室13は、揺動スクロール12の偏心旋回運動に伴って容積を減少させる。この圧縮行程により圧縮室13内のガス状混合冷媒は高圧となる。
上記圧縮行程を経て高圧となったガス状混合冷媒は、圧縮室13が固定スクロール11の吐出口15に連通することにより、つまり吐出口15が圧縮室13の内部と外部とを連通することにより、該吐出口15から密閉容器1内に吐出される。このガス状混合冷媒は、圧縮機構10の外周部に設けられた冷媒流路等を通って吐出管8より吐出される。
ここで、従来、冷凍サイクル装置は、何らかの原因により、冷媒回路内を循環する冷媒の圧力及び温度が、異常に上昇してしまうことがある。このような場合、圧縮機の圧縮機構は、部品同士が摺動する摺動部を有するため、摺動部にかかる荷重が増大する。また、圧縮機構を構成する部品が想定以上に熱膨張するため、前記摺動部において部品同士の干渉が発生する場合がある。そして、摺動部にかかる荷重の増大、及び、摺動部における部品同士の干渉により、摺動部にかじりが発生する場合がある。この際、かじりが発生する箇所では温度が非常に上昇する。このため、冷媒回路110aにHFO−1123を含む混合冷媒を封入した本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置110においては、スクロール圧縮機100の圧縮機構10におけるかじりが発生する箇所が着火源となり、圧縮室13の内部で発生した不均化反応が圧縮室13の外部へ伝播し、該伝播した不均化反応が連鎖して拡散することが懸念される。
しかしながら、発明者は、以下のように鋭意検討した結果、直径2.5mm以下の貫通孔で圧縮機構10の吐出口15を形成することにより、圧縮室13の内部で発生した不均化反応が圧縮室13の外部へ伝播することを防止でき、圧縮室13の外部において不均化反応が連鎖して拡散することを防止できることを見いだした。
発明者は、火炎の伝播構造とHFO−1123の不均化反応の伝播構造とが類似するのではないかという新たな着想のもと、圧縮室13の内部で発生した不均化反応が圧縮室13の外部へ伝播することを防止できる構造を検討した。詳しくは、火炎は、一定の大きさよりも小さな隙間を通ることができない。また、当該隙間を火炎が通過しようとした際、当該隙間が形成された部材に火炎が冷却され、消炎される。発明者は、圧縮室13の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室13の外部に伝播することも、火炎の伝播と同じように防止できるのではないかという新たな着想のもと、以下のような実験を行った。
図3は、本発明の実施の形態1に係るHFO−1123の不均化反応の伝播を確認するための実験装置を示す図である。また、図4は、図3に示した実験装置での実験結果を示す図である。
図3に示すように、実験装置200は、箱形の容器210を備えている。この容器210には、貫通孔211が形成されている。また、容器210には、該容器210内にHFO−1123を含むガス状の混合冷媒を供給するための配管212が接続されている。また、容器210の内部には、着火源となる白金線213が設けられている。すなわち、容器210は圧縮機構10の圧縮室13に相当するものであり、貫通孔211は圧縮機構10の吐出口15に相当するものである。
容器210は、箱形の容器220の内部に収納されている。この容器220には、該容器220内にHFO−1123を含むガス状の混合冷媒を供給するための配管221が接続されている。すなわち、容器220は、圧縮機構10を収納し、圧縮機構10で圧縮されたガス状混合冷媒が吐出される密閉容器1に相当するものである。
上述のように構成された実験装置200を用いれば、圧縮室13の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室13の外部に伝播するか否かは、容器210の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が容器220内にまで伝播するか否かで確認することができる。
詳しくは、まず、容器210の内部及び容器220の内部にHFO−1123を含む混合冷媒を供給し、容器210の内部及び容器220の内部を同一圧力とする。本実施の形態1では、容器210の内部及び容器220の内部を、冷凍サイクル装置110が通常運転する際における冷媒回路110aの高圧側圧力の最高値よりも高い圧力にしている。より詳しくは、容器210の内部及び容器220の内部を、冷媒回路110aの耐圧と同圧力にしている。換言すると、容器210の内部及び容器220の内部を、冷媒回路110a内を混合冷媒が循環し得る条件下において最も不均化反応が連鎖して拡散しやすい圧力にしている。
その後、白金線213に通電して溶断させ、容器210内の混合冷媒に着火して、容器210内において不均化反応を発生させる。そして、この不均化反応が容器220の内部まで、つまり容器210の外部まで伝播するか否かを確認した。
図4に示すように、貫通孔211の直径を変更しながら実験を行った結果、貫通孔211の直径を2.5mm以下にすることにより、容器210の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が容器220内にまで伝播しないことがわかった。すなわち、この結果より、吐出口15を直径2.5mm以下の貫通孔で形成することにより、圧縮室13の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室13の外部に伝播しないことがわかる。
以上、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100は、吐出口15を直径2.5mm以下の貫通孔で形成している。このため、本実施の形態1に係るスクロール圧縮機100、及び当該スクロール圧縮機100を備えた冷凍サイクル装置110は、圧縮室13の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室13の外部に伝播することを防止でき、安全性を確保することができる。
ここで、HFO−1123の不均化反応の連鎖は、高温高圧の状況下において起きやすい。このため、通常、当業者は、吐出口15を直径2.5mm以下の貫通孔で形成しようとは考えない。なぜならば、吐出口15の直径を小さくすることにより、HFO−1123を含む混合冷媒が吐出口15を通過する際に圧力が上昇し、不均化反応の連鎖が発生してしまうと考えるためである。当業者は、HFO−1123の不均化反応の連鎖を防止しようとした際、圧力上昇を抑制するために、むしろ、吐出口15の直径を大きくしようと考える。つまり、吐出口15を直径2.5mm以下の貫通孔で形成する本発明は、当業者が想到することができないものであることを、ここに付言する。
なお、本実施の形態1では、スクロール圧縮機100を例に、本発明を説明した。しかしながら、スクロール圧縮機100は、圧縮機構の吐出口を開閉する弁を有していない圧縮機の一例として示したものである。例えばロータリー圧縮機等、他の形式の圧縮機構を有する圧縮機においても、吐出口を直径2.5mm以下の貫通孔で形成することにより、圧縮室の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室の外部に伝播することを防止でき、安全性を確保することができる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の吐出口近傍を示す平面図である。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
実施の形態1では、吐出口15を直径2.5mm以下の1つ貫通孔で形成した。しかしながら、スクロール圧縮機100の容量を大きくしようとした場合、吐出口15を直径2.5mm以下の1つ貫通孔で形成すると、吐出口15の圧力損失が大きく、スクロール圧縮機100の性能を確保することが難しくなる場合がある。このような場合には、図5に示すように、直径2.5mm以下の複数の貫通孔で吐出口15を形成するとよい。このように構成することにより、吐出口15の圧力損失を低減でき、スクロール圧縮機100の性能を確保することができる。
実施の形態3.
圧縮機の中には、圧縮機構の吐出口を開閉する弁を有するものも存在する。このような圧縮機の場合、吐出口近傍を以下のように構成することにより、圧縮室の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室の外部に伝播することを防止でき、安全性を確保することができる。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図6は、本発明の実施の形態3に係るロータリー圧縮機を示す縦断面図である。図7は、このロータリー圧縮機における圧縮機構の主軸受近傍を示す平面図である。また、図8は、図7のA−A断面図である。なお、図6では、断面を表すハッチングを省略している。
高圧シェル型の圧縮機であるロータリー圧縮機300は、例えば1気筒のロータリー圧縮機である。ロータリー圧縮機300は、本発明の容器に相当する密閉容器320と、圧縮機構330と、電動機340と、軸350とを備える。このロータリー圧縮機300は、図1で示した冷媒回路110aにおいて、スクロール圧縮機100と置き換えて用いられるものである。
密閉容器320には、混合冷媒を吸入するための吸入管321と、混合冷媒を吐出するための吐出管322とが取り付けられている。圧縮機構330は、密閉容器320の中に収納される。具体的には、圧縮機構330は、密閉容器320の内側下部に設置される。圧縮機構330は、吸入管321に吸入された冷媒を圧縮するものである。電動機340も、密閉容器320の中に収納される。電動機340は、軸350を介して、圧縮機構330を駆動するものである。
圧縮機構330は、シリンダ331と、ローリングピストン332と、ベーン(図示していない)と、主軸受333と、副軸受334とを備える。
シリンダ331の外周は、平面視略円形である。シリンダ331の内部には、平面視略円形の空間であるシリンダ室が形成される。シリンダ室は、軸方向両端が開口している。また、シリンダ331には、シリンダ室に連通し、半径方向に延びるベーン溝(図示していない)が設けられる。ベーン溝の外側には、ベーン溝に連通する平面視略円形の空間である背圧室が形成される。また、シリンダ331には、吸入管321と接続された吸入口336が設けられる。吸入口336は、シリンダ331の外周面からシリンダ室に貫通している。
ローリングピストン332は、リング状である。ローリングピストン332は、シリンダ室内で偏心運動する。ローリングピストン332は、軸350の偏心軸部351に摺動自在に嵌合する。
ベーンの形状は、平坦な略直方体である。ベーンは、シリンダ331のベーン溝内に設置される。ベーンは、背圧室に設けられるベーンスプリングによって常にローリングピストン332に押し付けられている。密閉容器320内が高圧であるため、ロータリー圧縮機300の運転が開始すると、ベーンの背面(即ち、背圧室側の面)に密閉容器320内の圧力とシリンダ室内の圧力との差による力が作用する。このため、ベーンスプリングは、主にロータリー圧縮機300の起動時(密閉容器320内とシリンダ室内の圧力に差がないとき)に、ベーンをローリングピストン332に押し付ける目的で使用される。ベーンがローリングピストン332に押し付けられることにより、シリンダ331のシリンダ室は、吸入口336と連通する吸入空間と、後述の吐出口337と連通する圧縮室331aとに区画される。
主軸受333は、側面視略逆T字状である。主軸受333は、軸350の偏心軸部351よりも上の部分である主軸部352に摺動自在に嵌合する。主軸受333は、シリンダ331のシリンダ室及びベーン溝の上側を閉塞する。
副軸受334は、側面視略T字状である。副軸受334は、軸350の偏心軸部351よりも下の部分である副軸部353に摺動自在に嵌合する。副軸受334は、シリンダ331のシリンダ室及びベーン溝の下側を閉塞する。
主軸受333には、圧縮室331aと連通する位置に、吐出口337が形成されている。吐出口337は、断面が例えば円形状である貫通孔である。また、主軸受333には、吐出口337を開閉する吐出弁338が設けられている。吐出弁338は、板形状の弾性部材で形成されている。吐出弁338は、圧縮室331a内の混合冷媒の圧力が規定圧力に達するまでは、該吐出口337の吐出側端部を覆う。そして、吐出弁338は、圧縮室331a内の混合冷媒が圧縮されて規定圧力に達すると、圧縮された混合冷媒の圧力によって吐出口337から離れ、吐出口337を開く。
ここで、吐出弁338が、本発明の弁に相当する。
吐出弁338の上方には、ストップ弁339が設けられている。上述のように吐出弁338が吐出口337から離れた際、図8に二点鎖線で示すように、吐出弁338は、ストップ弁339に接触して、移動を停止する。すなわち、このストップ弁339は、吐出弁338のリフト量hを規定するもの、換言すると、吐出口337と吐出弁338との間の距離を規定するものである。本実施の形態3では、吐出弁338のリフト量hを、つまり吐出口337と吐出弁338との間の距離を2.5mm以下としている。なお、吐出口337と吐出弁338との間の距離は、図8に示すように、吐出口337の吐出側端部の中心位置と吐出弁338との間の距離である。
主軸受333の外側には、吐出マフラ335が取り付けられる。吐出口337から吐出される高温で高圧のガス状混合冷媒は、一旦吐出マフラ335に入り、その後吐出マフラ335から密閉容器320の内部空間に放出される。
密閉容器320の横には、吸入マフラ323が設けられる。吸入マフラ323は、冷媒回路110aから低圧のガス状混合冷媒を吸入する。吸入マフラ323は、液状混合冷媒が戻る場合に液状混合冷媒が直接シリンダ331のシリンダ室に入り込むことを抑制する。吸入マフラ323は、シリンダ331の吸入口336に吸入管321を介して接続される。
電動機340は、固定子341と、回転子342とを備える。固定子341は、密閉容器320の内周面に当接して固定される。回転子342は、固定子341の内側に0.3〜1mm程度の空隙を介して設置される。この回転子342は、軸350の主軸部352に固定されている。
また、密閉容器320の底部は、冷凍機油が貯留される油溜め部360となっている。油溜め部360に貯留された冷凍機油は、圧縮機構330の摺動部等に供給され、該摺動部を潤滑する。圧縮機構330の摺動部とは、例えば、ローリングピストン332とシリンダ331との間、ローリングピストン332と主軸受333との間、ローリングピストン332と副軸受334との間、ローリングピストン332と軸350の偏心軸部351との間、ローリングピストン332とベーンとの間、シリンダ331とベーンとの間である。
次に、本実施の形態3に係るロータリー圧縮機300の動作について説明する。
電動機340の回転子342が回転すると、回転子342に固定された軸350が回転する。軸350の回転に伴い、圧縮機構330のローリングピストン332が圧縮機構330のシリンダ331のシリンダ室内で偏心回転する。シリンダ331とローリングピストン332との間の空間は、圧縮機構330のベーンによって圧縮室331a及び吸入空間に区画されている。軸350の回転に伴い、それらの2つの空間の容積が変化する。吸入空間では、徐々に容積が拡大することにより、吸入マフラ323からガス状混合冷媒が吸入される。圧縮室331aでは、徐々に容積が縮小することにより、中のガス状混合冷媒が圧縮される。圧縮室331a内のガス状混合冷媒の圧力が規定圧力以上になると、吐出口337が開かれて、該吐出口337から吐出マフラ335に圧縮されたガス状混合冷媒が吐出される。このガス状混合冷媒は、吐出マフラ335から密閉容器320内の空間に一度吐出され、吐出管322から密閉容器320の外へ吐出される。
ここで、実施の形態1では、火炎の伝播構造とHFO−1123の不均化反応の伝播構造とが類似するのではないかという新たな着想のもと、圧縮室13の内部で発生した不均化反応が圧縮室13の外部へ伝播することを防止できる吐出口15の大きさを検討した。その結果、直径2.5mm以下の貫通孔で圧縮機構10の吐出口15を形成することにより、圧縮室13の内部で発生した不均化反応が圧縮室13の外部へ伝播することの防止に成功した。
発明者は、吐出口337を開閉する吐出弁338を有する本実施の形態3に係るロータリー圧縮機300においても、実施の形態1と同様の着想に基づいて、圧縮室331aの内部で発生した不均化反応が圧縮室331aの外部へ伝播することを防止できるのではないかと考えた。詳しくは、吐出弁338が吐出口337を開いた際、吐出弁338と吐出口337との間は、吐出口337から吐出された混合冷媒の流路となる。このため、吐出弁338と吐出口337との間の距離、つまり吐出弁338のリフト量hを2.5mm以下にすることにより、圧縮室331aの内部で発生した不均化反応が圧縮室331aの外部へ伝播することを防止できるのではないかと考えた。そこで、以下のような実験を行った。
図9は、本発明の実施の形態3に係るHFO−1123の不均化反応の伝播を確認するための実験装置を示す図である。また、図10は、図9に示した実験装置での実験結果を示す図である。なお、図9には、貫通孔411を開いた状態における吐出弁414を二点鎖線で示している。
図9に示すように、実験装置400は、箱形の容器410を備えている。この容器410には、貫通孔411が形成されている。また、容器410には、該容器410内にHFO−1123を含むガス状の混合冷媒を供給するための配管412が接続されている。また、容器410の内部には、着火源となる白金線413が設けられている。すなわち、容器410は圧縮機構330の圧縮室331aに相当するものであり、貫通孔411は圧縮機構330の吐出口337に相当するものである。
さらに、容器410には、貫通孔411を開閉する吐出弁414が設けられている。吐出弁414は、板形状の弾性部材で形成されている。また、吐出弁414の上方には、ストップ弁415が設けられている。吐出弁414及びストップ弁415は、吐出弁414のリフト量hが2.5mmとなるように設定されている。すなわち、吐出弁414は圧縮機構330の吐出弁338に相当するものであり、ストップ弁415は圧縮機構330のストップ弁339に相当するものである。
容器410は、箱形の容器420の内部に収納されている。この容器420には、該容器420内にHFO−1123を含むガス状の混合冷媒を供給するための配管421が接続されている。すなわち、容器420は、圧縮機構330を収納し、圧縮機構330で圧縮されたガス状混合冷媒が吐出される密閉容器320に相当するものである。
上述のように構成された実験装置400を用いれば、圧縮室331aの内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室331aの外部に伝播するか否かは、容器410の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が容器420内にまで伝播するか否かで確認することができる。
詳しくは、まず、容器410の内部及び容器420の内部にHFO−1123を含む混合冷媒を供給し、容器410の内部及び容器420の内部を同一圧力とする。本実施の形態3では、容器410の内部及び容器420の内部を、冷凍サイクル装置110が通常運転する際における冷媒回路110aの高圧側圧力の最高値よりも高い圧力にしている。より詳しくは、容器410の内部及び容器420の内部を、冷媒回路110aの耐圧と同圧力にしている。換言すると、容器410の内部及び容器420の内部を、冷媒回路110a内を混合冷媒が循環し得る条件下において最も不均化反応が連鎖して拡散しやすい圧力にしている。この状態では、容器410の内部及び容器420の内部が同一圧力となっているので、吐出弁414は貫通孔411を閉じた状態となっている。
その後、白金線413に通電して溶断させ、容器410内の混合冷媒に着火して、容器410内において不均化反応を発生させる。これにより、容器410内の圧力が上昇するため、吐出弁414は貫通孔411を開き、容器410内の混合冷媒が容器410内に流入することとなる。この際、貫通孔411の直径を変更しながら、容器410内の不均化反応が容器420の内部まで、つまり容器410の外部まで伝播するか否かを確認した。
図10に示すように、貫通孔411の直径を変更しながら実験を行った結果、貫通孔411の直径にかかわらず、容器410の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が容器420内にまで伝播しないことがわかった。すなわち、この結果より、吐出弁338のリフト量hを、つまり吐出口337と吐出弁338との間の距離を2.5mm以下とすることにより、圧縮室331aの内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室331aの外部に伝播しないことがわかる。
以上、本実施の形態3に係るロータリー圧縮機300は、吐出口337と吐出弁338との間の距離を2.5mm以下にしている。このため、本実施の形態3に係るロータリー圧縮機300、及び当該ロータリー圧縮機300を備えた冷凍サイクル装置110は、圧縮室331aの内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室331aの外部に伝播することを防止でき、安全性を確保することができる。
なお、本実施の形態3では、ロータリー圧縮機300を例に、本発明を説明した。しかしながら、ロータリー圧縮機300は、圧縮機構の吐出口を開閉する弁を有する圧縮機の一例として示したものである。例えばスクロール圧縮機等、他の形式の圧縮機構を有する圧縮機においても、吐出口と吐出弁との間の距離を直径2.5mm以下とすることにより、圧縮室の内部で発生したHFO−1123の不均化反応が圧縮室の外部に伝播することを防止でき、安全性を確保することができる。
実施の形態4.
実施の形態3に示したロータリー圧縮機300においては、上述のように、吐出弁338が吐出口337を開いた際、吐出弁338と吐出口337との間が、吐出口337から吐出された混合冷媒の流路となる。このため、ロータリー圧縮機300の容量を大きくしようとした場合、1つの吐出口337のみを有する構成にすると、吐出弁338と吐出口337との間の圧力損失が大きくなり、ロータリー圧縮機300の性能を確保することが難しくなる場合がある。このような場合には、吐出口337及び該吐出口337を開閉する吐出弁338を、複数設けることが好ましい。これにより、吐出弁338と吐出口337との間の圧力損失を低減でき、ロータリー圧縮機300の性能を確保することができる。ここで、この場合、実施の形態3で示した構成の吐出口337及び吐出弁338を複数設けてもよいが、以下のように、ロータリー圧縮機300を構成してもよい。なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図11は、本発明の実施の形態4に係るロータリー圧縮機のシリンダの吐出口近傍を示す斜視図である。また、図12は、このロータリー圧縮機のシリンダの吐出口近傍を示す平面図である。なお、図12には、吐出口337を開いた状態の吐出弁338を二点鎖線で示している。
本実施の形態4に係るロータリー圧縮機300は、複数の吐出口337を備えている。これらの吐出口337は、圧縮室331aと連通するように、シリンダ331に形成されている。このシリンダ331には、各吐出口337と連通する合流流路337aが形成されている。そして、合流流路337aの上端は、密閉容器320の内部と連通している。つまり、各吐出口337から吐出された混合冷媒は、合流流路337aで合流した後、密閉容器320内に吐出される構成となっている。
また、本実施の形態4に係るロータリー圧縮機300は、合流流路337aに固定される弁保持部材338aを備えている。この弁保持部材338aには、各吐出口337の吐出側端部と対向する位置に、吐出弁338が取り付けられている。詳しくは、各吐出弁338は、弾性体である板状部材が円弧状に曲げ形成されたものである。これら吐出弁338の一方の端部が、弁保持部材338aに取り付けられている。また、これら吐出弁338の他方の端部は、開閉自在に吐出口337の吐出側端部を覆っている。各吐出弁338のリフト量hは、2.5mm以下になっている。
このように吐出口337及び吐出弁338を複数設けても、吐出弁338と吐出口337との間の圧力損失を低減でき、ロータリー圧縮機300の性能を確保することができる。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5に係るロータリー圧縮機の吐出口近傍を示す縦断面図である。なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態4と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
ロータリー圧縮機300に複数の吐出口337を備える構成とした場合、本実施の形態5のように、少なくとも2つの吐出口337を1つの吐出弁338で開閉する構成としてもよい。吐出弁338の枚数を削減できるため、ロータリー圧縮機300を安価に製造することができる。
1 密閉容器、1a 油溜め部、2 ガイドフレーム、3 コンプライアントフレーム、3a スラスト軸受、5 電動機、5a 回転子、5b 固定子、6 軸、6a 揺動軸部、6b 主軸部、7 吸入管、8 吐出管、9 オルダム機構、10 圧縮機構、11 固定スクロール、11a 台板部、11b 板状渦巻歯、12 揺動スクロール、12a 台板部、12b 板状渦巻歯、12c 揺動軸受、13 圧縮室、14 吸入口、15 吐出口、100 スクロール圧縮機、101 四方弁、102 室外熱交換器、103 膨張弁、104 室内熱交換器、110 冷凍サイクル装置、110a 冷媒回路、200 実験装置、210 容器、211 貫通孔、212 配管、213 白金線、220 容器、221 配管、300 ロータリー圧縮機、320 密閉容器、321 吸入管、322 吐出管、323 吸入マフラ、330 圧縮機構、331 シリンダ、331a 圧縮室、332 ローリングピストン、333 主軸受、334 副軸受、335 吐出マフラ、336 吸入口、337 吐出口、337a 合流流路、338 吐出弁、338a 弁保持部材、339 ストップ弁、340 電動機、341 固定子、342 回転子、350 軸、351 偏心軸部、352 主軸部、353 副軸部、360 油溜め部、400 実験装置、410 容器、411 貫通孔、412 配管、413 白金線、414 吐出弁、415 ストップ弁、420 容器、421 配管。

Claims (8)

  1. 1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒が封入される冷媒回路に用いられる圧縮機であって、
    容積を変化させることにより前記混合冷媒を圧縮する圧縮室が形成された圧縮機構を備え、
    前記圧縮機構は、前記圧縮室の内部と外部とを連通する貫通孔で形成された吐出口を有し、
    前記貫通孔は直径2.5mm以下である圧縮機。
  2. 前記吐出口は、直径2.5mm以下の複数の貫通孔で形成されている請求項1に記載の圧縮機。
  3. 1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒が封入される冷媒回路に用いられる圧縮機であって、
    容積を変化させることにより前記混合冷媒を圧縮する圧縮室が形成された圧縮機構を備え、
    前記圧縮機構は、
    前記圧縮室の内部と外部とを連通する直径2.5mmよりも大きい貫通孔で形成され、前記圧縮室で圧縮された前記混合冷媒を吐出する吐出口と、
    該吐出口の吐出側端部を覆い、圧縮された前記混合冷媒の圧力によって該吐出口から離れて該吐出口を開く弁と、
    を有し、
    前記弁が前記吐出口を開いている状態において、前記吐出口と前記弁との間の距離が2.5mm以下となる圧縮機。
  4. 前記圧縮機構は、前記吐出口及び前記弁を複数有する請求項3に記載の圧縮機。
  5. 1つの前記弁で複数の前記吐出口を開閉する請求項3又は請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記吐出口と前記弁との間の距離は、前記吐出口の吐出側端部の中心位置と前記弁との間の距離である請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の圧縮機。
  7. 前記圧縮機構を収納する容器を備え、
    前記圧縮機構で圧縮された前記混合冷媒が前記容器の内部に吐出される構成である請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の圧縮機。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の圧縮機を有する冷媒回路と、
    該冷媒回路に封入された、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む混合冷媒と、
    を備えた冷凍サイクル装置。
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