以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線診断システムを説明する。
図1は、本実施形態に係るX線診断システム1の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線診断システム1は、互いに有線又は無線により接続されたX線管保持器10、高電圧発生装置30、寝台50及びコンソール70を有する。例えば、X線管保持器10、高電圧発生装置30及び寝台50は撮影室に設置され、コンソール70は撮影室に隣接する制御室に設置される。
図2は、本実施形態に係るX線管保持器10と寝台50との外観図である。図2に示すように、X線管保持器10は、X線管11を保持する保持器である。X線管保持器10は、図示しないガイドレール等により天井を移動自在に支持されている。X線管保持器10の下方において寝台50が床面に設置されている。寝台50は、患者P等の被検体が載置される天板51と、天板51を移動させる基台53とを有する。ここで、天板51の長軸方向をZ軸方向、鉛直方向をY軸方向、Z軸方向とY軸方向とに水平に直交する方向をX軸方向と呼ぶことにする。寝台50は、コンソール70に設けられた入力回路81又は撮影室に設置された図示しない操作卓からの指示に従い天板51を移動する。
図1に示すように、X線管11には高電圧発生装置30が接続されている。高電圧発生装置30は、X線管11に印加する高電圧を発生する。高電圧発生装置30は、X線制御回路31と高電圧発生器33とを有する。X線制御回路31は、コンソール70からX線曝射を許可する旨の許可信号が供給された場合、高電圧発生器33を作動させる。X線制御回路31は、コンソール70からX線曝射を許可しない旨の非許可信号が供給された場合、高電圧発生器33を停止する。X線制御回路31は、許可信号が供給された場合においてコンソール70から撮影信号が供給されたことを契機として高電圧発生器33に駆動信号を供給してX線管11からX線を曝射させる。具体的には、高電圧発生器33は、X線制御回路31から駆動信号の供給を受けてX線管11に高電圧を印加しフィラメント加熱電流を供給する。高電圧の印加とフィラメント加熱電流の供給とを受けてX線管11はX線を曝射する。X線制御回路31は、許可信号が供給された場合においてコンソール70から撮影信号が供給されたことを契機としてX線曝射同期信号を発生する。X線曝射同期信号は、通信回路75を介してワイヤレスFPD100に供給される。
図1に示すように、X線管保持器10には管球センサ13が設けられている。管球センサ13は、X線管11の位置及び向きの少なくとも一方を検出し、当該位置及び向きを示す電気信号(以下、管球位置信号と呼ぶ)を出力する位置センサである。管球センサ13は、コンソール70に有線又は無線を介して接続されている。管球位置信号は、後述のコンソール70に含まれる判定回路77に供給される。管球センサ13は、X線管11の位置及び向きの少なくとも一方を検出できるのであれば如何なる型式のものであっても良いが、例えば、光センサや磁気センサ等が用いられると良い。また、X線管保持器10には通信指示器15が設けられている。通信指示器15は、医療従事者等のユーザの操作を受け、ワイヤレスFPD100とX線診断システム1との間の通信確立(ペアリング)を要求するための電気信号(以下、管球ペアリング信号と呼ぶ)を出力する。また、通信指示器15は、ユーザの操作を受け、ペアリングの解除を要求するための電気信号(以下、管球解除信号と呼ぶ)を出力する。通信指示器15は、コンソール70に有線又は無線を介して接続されている。管球ペアリング信号と管球解除信号とは、後述のコンソール70に搭載される通信確立回路73に供給される。
X線管11に対向する位置にワイヤレスFPD(Flat Panel Detector)100が配置される。ワイヤレスFPD100は、無線通信可能な可搬型のX線検出器である。ワイヤレスFPD100は、撮影部位等に応じて様々なサイズのものが用意されている。ワイヤレスFPD100は、X線管11から発生され患者Pを透過したX線を検出し、患者Pに関するX線画像データを生成する。具体的には、ワイヤレスFPD100は、2次元平面上に配列された複数の検出器画素(図示せず)を有している。各検出器画素は、シンチレータと光電変換素子とを有する。シンチレータは、X線を蛍光に変換する物質である。シンチレータは、入射X線を、当該入射X線の強度に応じた個数の蛍光光子に変換する。光電変換素子は、蛍光を増幅して電気信号に変換する回路素子である。光電変換素子としては、例えば、フォトダイオードが用いられる。複数の検出器画素に蓄電された電気信号は、コンソール70からのX線曝射同期信号に同期したタイミングで薄膜トランジスタスイッチ等を介して読み出され、A/D変換素子により患者PによるX線減弱を示すデジタルデータ(X線画像データ)に変換される。
図1に示すように、ワイヤレスFPD100には検出器センサ103が設けられている。検出器センサ103は、ワイヤレスFPD100の位置及び向きの少なくとも一方を検出し、ワイヤレスFPD100の位置及び向きの少なくとも一方を示す電気信号(以下、検出器位置信号と呼ぶ)を出力する位置センサである。検出器センサ103は、コンソール70に有線又は無線を介して接続されている。検出器位置信号は、後述のコンソール70に含まれる判定回路77に供給される。検出器センサ103は、ワイヤレスFPD100の位置及び向きの少なくとも一方を検出できるのであれば如何なる型式のものであっても良いが、例えば、光センサや磁気センサ等が用いられると良い。また、ワイヤレスFPD100には通信指示器105が設けられている。通信指示器105は、医療従事者等のユーザの操作を受け、X線診断システム1との間のペアリングを要求するための電気信号(以下、検出器ペアリング信号と呼ぶ)を出力する。また、通信指示器105は、ユーザの操作を受け、ペアリングの解除を要求するための電気信号(以下、検出器解除信号と呼ぶ)を出力する。通信指示器105は、コンソール70に有線又は無線を介して接続されている。検出器ペアリング信号と検出器解除信号とは、後述のコンソール70に搭載される通信確立回路73に供給される。
コンソール70は、X線診断システム1を統括するコンピュータ装置である。コンソール70は、システム制御回路71を中枢として、通信確立回路73、通信回路75、判定回路77、画像処理回路79、入力回路81、表示回路83及び主記憶回路85を有する。システム制御回路71、通信確立回路73、通信回路75、判定回路77、画像処理回路79、入力回路81、表示回路83及び主記憶回路85は互いにバス(bus)を介して通信可能に接続されている。
通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100と通信回路75との間の通信を確立(ペアリング)する。具体的には、通信確立回路73は、通信指示器15からの管球ペアリング信号と通信指示器105からの検出器ペアリング信号との供給を受けて通信回路75を制御し、ワイヤレスFPD100と通信回路75との間の通信を確立する。また、通信確立回路73は、通信指示器15からの管球解除信号と通信指示器105からの検出器解除信号との少なくとも一方の供給を受けて通信回路75を制御し、ワイヤレスFPD100と通信回路75との間のペアリングを解除する。
通信回路75は、ワイヤレスFPD100との間で無線を介してデータ通信を行うインタフェース回路である。例えば、通信回路75は、ワイヤレスFPD100からX線画像データを収集する。また、通信回路75は、ワイヤレスFPD100にX線曝射同期信号等を供給する。
判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する。具体的には、判定回路77は、管球センサ13からの管球位置信号と検出器センサ103からの検出器位置信号とに基づいて、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する。判定回路77は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)とROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置(メモリ)とを有し、上記判定処理を実行する。判定回路77は、上記判定処理を実現する特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Logic Device:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されても良い。
画像処理回路79は、ハードウェア資源として、CPU、GPU、MPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。画像処理回路79は、通信回路75によりワイヤレスFPD100から収集されたX線画像データに散乱線補正等の種々の画像処理を施す。なお画像処理回路79は、上記画像処理を実現するASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。
入力回路81は、具体的には、入力機器と入力インタフェース回路とを有する。入力機器は、ユーザからの各種指令を受け付ける。入力機器としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力インタフェース回路は、入力機器からの出力信号をバスを介してシステム制御回路71に供給する。
表示回路83は、種々の情報を表示する。例えば、表示回路83は、通信回路75によりワイヤレスFPD100から収集されたX線画像データや画像処理回路79により画像処理が施されたX線画像データに対応するX線画像を表示する。具体的には、表示回路83は、表示インタフェース回路と表示機器とを有する。表示インタフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
主記憶回路85は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)やSSD(solid state drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路85は、CD−ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。例えば、主記憶回路85は、X線診断システム1の制御プログラム等を記憶する。
システム制御回路71は、X線診断システム1の中枢として機能し、X線診断システム1内の各部を制御する。例えば、システム制御回路71は、通信確立回路73によるペアリングの有無と判定回路77による判定結果とに従いX線制御回路31を制御する。通信回路75とワイヤレスFPD100とがペアリングされ且つX線管11とワイヤレスFPD100とが正対している場合、システム制御回路71は、X線曝射を許可する旨の許可信号をX線制御回路31に供給する。通信回路75とワイヤレスFPD100とがペアリングがされていない場合、又はペアリングされているがX線管11とワイヤレスFPD100とが正対していない場合、X線曝射を許可しない旨の非許可信号をX線制御回路31に供給する。システム制御回路71は、ハードウェア資源として、CPUあるいはMPUのプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。具体的には、システム制御回路71は、主記憶回路85に記憶されている制御プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線診断システム1の各部を制御する。
以下、上記構成を備えるX線診断システム1の詳細について説明する。まず、X線管保持器10、ワイヤレスFPD100及び寝台50の位置関係について説明する。
図3は、X線管保持器10、ワイヤレスFPD100及び寝台50の側面図である。図3に示すように、X線管保持器10の先端部にはX線管11が取り付けられている。X線管保持器10は、図示しないガイドレール等により天井をX軸方向及びZ軸方向に関して移動自在に支持されている。X線管保持器10又はX線管11には管球センサ13として、X線管11のX軸方向及びZ軸方向に関する位置を検出するための位置センサが設けられている。当該位置センサから出力されるX線管11のX軸方向及びZ軸方向に関する位置を示す管球位置信号は、システム制御回路71を介して判定回路77に入力される。医療従事者等のユーザは、X線管保持器10をX軸方向及びZ軸方向に押したり引いたりすることにより、X線管11のX軸方向及びZ軸方向に関する位置決めを行う。
図3に示すように、X線管保持器10は、X線管11をY軸方向に関して伸縮自在に支持している。例えば、X線管保持器10は、Y軸方向に関して伸縮自在な多段式のスライドレール(図示せず)を有する。ユーザは、X線管保持器10をY軸方向に伸ばしたり縮めたりすることにより、X線管11のY軸方向に関する位置決めを行う。
図3に示すように、X線管保持器10は、X線管11をX軸に平行に設けられた回転軸R1回りに回転可能に支持している。回転軸R1回りに回転角度は、X線管11の向きを規定する。X線管11の向きは、例えば、X線管11に設けられたX線の出射口17が下を向く角度を0度とする、回転軸R1回りの回転角度に規定される。X線管保持器10又はX線管11には管球センサ13として、X線管11の回転軸R1回りの回転角度を検出するための角度センサが設けられている。当該角度センサから出力される回転角度を示す管球位置信号は、システム制御回路71を介して判定回路77に入力される。ユーザは、X線管11を回転軸R1回りに回転することにより、X線管11の向きを調節する。
なお、X線管保持器10は天井に設けられるとしたが本実施形態はこれに限定されない。例えば、X線管保持器10は、X軸方向及びZ軸方向に関して移動自在に床面に設けられても良い。
図3に示すように、基台53は、天板51をZ軸方向に関してスライド可能に支持している。また、基台53は、天板51をY軸方向に関して昇降可能に支持している。医療従事者等のユーザにより、寝台50の周囲に設けられた操作卓(図示せず)を介した指示に従い基台53は、天板51をY軸方向に昇降又はZ軸方向にスライドする。これによりユーザは、天板51の位置を調節する。天板51の位置は、例えば、基台53に内蔵されたモータに取り付けられたロータリーエンコーダにより検出される。ロータリーエンコーダからのパルス信号は、システム制御回路71を介して判定回路77に入力される。
ワイヤレスFPD100は、患者の撮影部位の位置に合わせて、天板51の任意の位置に載置可能である。ワイヤレスFPD100には、検出器センサ103として、ワイヤレスFPD100のX軸方向及びZ軸方向に関する位置を検出するための位置センサが設けられている。当該位置センサから出力されるワイヤレスFPD100のX軸方向及びZ軸方向に関する位置を示す検出器位置信号は、システム制御回路71を介して判定回路77に入力される。また、ワイヤレスFPD100には、検出器センサ103として、ワイヤレスFPD100の向きを検出するための加速度センサ等が設けられている。なお、ワイヤレスFPD100の向きは、例えば、ワイヤレスFPD100の検出面101に対する検出面101の法線の角度に規定される。当該加速度センサから出力されるワイヤレスFPD100の向きを示す検出器位置信号は、システム制御回路71を介して判定回路77に入力される。
次に、図4を参照しながら、通信確立回路73によるペアリング処理について説明する。図4に示すように、X線撮影を行うため、医療従事者等のユーザによりワイヤレスFPD100が撮影室に持ち込まれる。ワイヤレスFPD100には通信指示器105(図4に図示せず)が設けられ、通信指示器105はボタン(以下、検出器ボタンと呼ぶ)B1を有している。X線管保持器10又はX線管11には通信指示器15(図4に図示せず)が設けられ、通信指示器15はボタン(以下、管球ボタンと呼ぶ)B2を有している。医療従事者等のユーザは、ペアリングのため、検出器ボタンB1と管球ボタンB2とを押下する。管球ボタンB2の押下により管球ペアリング信号が通信確立回路73に供給され、検出器ボタンB1の押下により検出器ペアリング信号が通信確立回路73に供給される。管球ペアリング信号と検出器ペアリング信号との供給を受けて通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100と通信回路75とをペアリングする。具体的には、通信確立回路73は、管球ペアリング信号と検出器ペアリング信号との一方を受信してから所定の受付期間、他方のペアリング信号の受信を待機する。そして通信確立回路73は、当該受付期間内に当該他方のペアリング信号を受信した場合、ワイヤレスFPD100と通信回路75とをペアリングする。すなわち、ユーザは、管球ボタンB2と検出器ボタンB1とを同時に押下する必要はなく、当該受付期間内であれば異なる時に管球ボタンB2と検出器ボタンB1とを押下しても良い。
ペアリングが行われると通信確立回路73は、完了信号を通信指示器15と通信指示器105とに供給する。完了信号を受けると通信指示器15と通信指示器105との各々は、ペアリングが完了した旨を報知する。例えば、通信指示器15は、図4に示すように、X線管保持器10又はX線管11に設けられたLED(light emission diode)等の光源を点灯する。当該光源は、管球ボタンB2に設けられると良い。同様に、通信指示器105は、図4に示すように、ワイヤレスFPD100の検出器ボタンB1に設けられたLED等の光源を点灯する。このように光源を点灯することにより、ユーザがペアリングの完了を知ることができる。管球ボタンB2の光源と検出器ボタンB1の光源とは、予め定められた緑等の同じ色で点灯させると良い。これによりユーザは、ペアリング状態を一目瞭然に視認することができる。
次に、図5を参照しながら、通信確立回路73によるペアリングの解除処理について説明する。図5に示すように、医療従事者等のユーザは、ペアリング解除のため、管球ボタンB2と検出器ボタンB1との少なくとも一方を押下する。ペアリング時における管球ボタンB2の押下により管球解除信号が通信確立回路73に供給され、検出器ボタンB1の押下により検出器解除信号が通信確立回路73に供給される。管球解除信号と検出器解除信号との少なくとも一方の供給を受けて通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100と通信回路75との間のペアリングを解除する。なお、通信確立回路73は、管球解除信号と検出器解除信号と両方を受信した場合に限定してペアリングを解除しても良い。
ペアリングの解除が行われると通信確立回路73は、完了信号を通信指示器15と通信指示器105とに供給する。完了信号を受けると通信指示器15と通信指示器105との各々は、ペアリング解除が完了した旨を報知する。管球ボタンB2の光源と検出器ボタンB1の光源とは、ペアリング時とは異なる予め定められた赤等の同じ色で点灯させると良い。これによりユーザは、ペアリングの解除を一目瞭然に視認することができる。なお、ペアリングの解除の他の報知態様として通信指示器15と通信指示器105とは、点灯中の管球ボタンB2の光源と検出器ボタンB1の光源とをそれぞれ消灯しても良い。
なお、管球ボタンB2と検出器ボタンB1との誤操作を防止するため、管球ボタンB2と検出器ボタンB1との各々は一回の押下で動作するのではなく、2回の押下又は長押しで動作するようにしても良い。通信指示器15と通信指示器105との各々に指紋センサが設けられても良い。この場合、通信指示器15と通信指示器105との各々は、予め複数の医療従事者に関する複数の指紋パターンを記録し、指紋センサにより検出された指紋パターンを予め記録された複数の指紋パターンに照合する。そして、検出された指紋パターンが予め記録された複数の指紋パターンの何れかに一致する場合、通信指示器15と通信指示器105との各々は、当該指紋を有する医療従事者の操作を受け付ける。これにより、通信指示器15と通信指示器105との各々の操作を特定の医療従事者に限定することが可能となる。
また、ペアリング操作とペアリング解除操作とは、検出器ボタンB1と管球ボタンB2との押下によりなされるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、X線管保持器10(又はX線管11)やワイヤレスFPD100にキーボードや入力パネルが設けられ、当該キーボードや入力パネルの操作によりX線診断システム1やワイヤレスFPD100の識別番号等を入力することにより行っても良い。
上記の通り、ペアリング及びペアリング解除のための通信指示器15と通信指示器105との各々がX線管保持器10(又はX線管11)とワイヤレスFPD100とに設けられることにより、ユーザは、撮影室に居ながらにしてペアリング操作及び解除操作を行うことができる。これにより、ペアリング及びペアリング解除のために制御室に移動する必要がなくなるため、従来に比して簡便にペアリング及びペアリング解除をすることが可能となる。
次に、図6を参照しながら本実施形態に係るX線診断システム1の動作例について説明する。図6は、本実施形態に係るX線診断システム1のシステム制御回路71の制御に従い行われるX線検査の典型的な流れを示す図である。
図6に示すように、まずシステム制御回路71は、X線検査の開始を待機する(ステップS1)。ステップS1においてシステム制御回路71は、例えば、ユーザによる入力回路81を介したX線検査の開始指示を待機する。X線検査の開始指示は、例えば、コンソール70等に設けられた機械的な検査開始ボタン又は表示回路83に表示されたソフトウェア的な検査開始ボタンの押下により行われる。
X線検査の開始指示が入力された場合(ステップS1:YES)、システム制御回路71は、通信確立回路73にペアリング処理を行わせる(ステップS2)。ステップS2において通信確立回路73は、ペアリングの指示がなされることを待機する。上記の通り、ユーザは、撮影室において管球ボタンB2と検出器ボタンB1とを押下することにより通信確立の指示を行う。管球ボタンB2の押下を受けて通信指示器15は管球ペアリング信号を、検出器ボタンB1の押下を受けて通信指示器105は検出器ペアリング信号を通信確立回路73に供給する。
なお、システム制御回路71は、X線検査の開始指示が入力された場合(ステップS1:YES)、X線曝射を停止する旨の停止信号をX線制御回路31に供給する。停止信号の供給を受けたX線制御回路31は、停止モードに移行する。停止モードにおいてX線制御回路31は、入力回路81等を介してX線撮影を指示する旨の撮影信号が供給された場合であっても高電圧発生器33を作動せずX線曝射を行わない。
ペアリングの指示がなされた場合(ステップS2:YES)、通信確立回路73は、ペアリング処理を行う(ステップS3)。ステップS3において通信確立回路73は、上記の通り、通信指示器15からの管球ペアリング信号と通信指示器105からの検出器ペアリング信号との供給を受けて通信回路75とワイヤレスFPD100との間の通信を確立(ペアリング)する。ペアリング処理については上記の通りであるので、ここでの説明は省略する。
ペアリングが行われるとユーザは、X線撮影を行うため、ワイヤレスFPD100とX線管11とが正対するようにワイヤレスFPD100とX線管11とを配置することとなる。
ステップS3が行われるとシステム制御回路71は、判定回路77に収集処理を行わせる(ステップS4)。ステップS4において判定回路77は、管球センサ13からの管球位置信号と検出器センサ103からの検出器位置信号とをリアルタイムで収集する。なお、管球位置信号と検出器位置信号とはステップS1の開始直後から判定回路77により収集されても良い。
ステップS4が行われると判定回路77は、判定処理を行う(ステップS5)。ステップS5において判定回路77は、管球位置信号と検出器位置信号とに基づいてX線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する。
ここで、図7、図8、図9及び図10を参照しながらステップS5における判定処理について説明する。図7は、X線管11がワイヤレスFPD100に対して正対していない配置の例を示す図である。図8は、図7に対応し、X線管11がワイヤレスFPD100に対して正対している配置の例を示す図である。図7に示すように、ワイヤレスFPD100が検出面101をX線管11側に向けて配置されているが、X線管11の出射口17が検出面101に向いていない場合、X線管11は、ワイヤレスFPD100に対して正対していないといえる。この場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11から発生されたX線を検出することができない。よって、X線管11がワイヤレスFPD100に対して正対していないと判定された場合、X線曝射は許可しないと良い。図8に示すように、ワイヤレスFPD100が検出面101をX線管11側に向けて配置され、X線管11の出射口17が検出面101に向いている場合、X線管11は、ワイヤレスFPD100に対して正対しているといえる。この場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11から発生されたX線を検出することができる。よって、X線管11がワイヤレスFPD100に対して正対していると判定された場合、X線曝射は許可されると良い。
図9は、ワイヤレスFPD100がX線管11に対して正対していない配置の例を示す図である。図10は、図9に対応し、ワイヤレスFPD100がX線管11に対して正対している配置の例を示す図である。図9に示すように、X線管11の出射口17が患者Pを向いているが、ワイヤレスFPD100の検出面101が出射口17を向いていない場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11に対して正対していないといえる。この場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11から発生されたX線を検出することができない。よって、ワイヤレスFPD100がX線管11に対して正対していないと判定された場合、X線曝射は許可しないと良い。図10に示すように、X線管11の出射口17が患者Pを向き、ワイヤレスFPD100の検出面101が出射口17を向いている場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11に対して正対しているといえる。この場合、ワイヤレスFPD100は、X線管11から発生されたX線を検出することができる。よって、ワイヤレスFPD100がX線管11に対して正対していると判定された場合、X線曝射は許可されると良い。
具体的には、ステップS5において判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100との水平方向(Z軸方向及びX軸方向)に関する空間的位置と向きとの一致を判定する。水平方向に関する空間的位置の一致の判定において判定回路77は、例えば、X線管11のZ軸に関する位置とワイヤレスFPD100のZ軸に関する位置とを比較し、X線管11のZ軸に関する位置とワイヤレスFPD100のZ軸に関する位置とが略一致しているか否かを判定する。同様に、水平方向に関する空間的位置の一致の判定において判定回路77は、X線管11のX軸に関する位置とワイヤレスFPD100のX軸に関する位置とを比較し、X線管11のX軸に関する位置とワイヤレスFPD100のX軸に関する位置とが略一致しているか否かを判定しても良い。向きの一致の判定において判定回路77は、X線管11の向きとワイヤレスFPD100の向きとを比較し、X線管11とワイヤレスFPD100とが互いに向き合っているか否かを判定する。例えば、X線管11の回転軸R1回りの回転角度が予め設定された撮影角度に対応する回転角度に略一致するか否かを判定し、ワイヤレスFPD100の傾き角度が当該撮影角度に対応する傾き角度に略一致するか否かを判定する。X線管11の回転軸R1回りの回転角度が当該撮影角度に対応する回転角度に略一致しない場合又はワイヤレスFPD100の傾き角度が当該撮影角度に対応する傾き角度に略一致しない場合、判定回路77は、X線管11の出射口17とワイヤレスFPD100の検出面101とが向き合っていないと判定する。X線管11の回転軸R1回りの回転角度が当該撮影角度に対応する回転角度に略一致し且つワイヤレスFPD100の傾き角度が当該撮影角度に対応する傾き角度に略一致する場合、判定回路77は、X線管11の出射口17とワイヤレスFPD100の検出面101とが向き合っていると判定する。
水平方向に関する空間的位置の判定結果と向きの判定結果とに基づいて判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する。具体的には、判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100との水平方向に関する空間的位置が略一致し、且つX線管11とワイヤレスFPD100とが向き合っていると判定した場合、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対していると判定する。この場合、後述の通りシステム制御回路71によりX線制御回路31に許可信号が供給され、X線曝射が許可される。他の場合、すなわち、X線管11とワイヤレスFPD100との水平方向に関する空間的位置が略一致しないと判定した場合又はX線管11とワイヤレスFPD100とが向き合っていないと判定した場合、判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対していないと判定する。この場合、後述の通りシステム制御回路71によりX線制御回路31に停止信号が供給され、X線曝射が制限される。
ステップS5においてX線管11とワイヤレスFPD100とが正対していないと判定した場合(ステップS5:NO)、判定回路77は、ステップS4に戻りX線管11の位置信号とワイヤレスFPD100の位置信号とを収集し(ステップS4)、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する(ステップS5)。
ステップS5においてX線管11とワイヤレスFPD100とが正対していると判定した場合(ステップS5:YES)、システム制御回路71は、X線曝射を許可する(ステップS6)。ステップS6においてシステム制御回路71は、X線制御回路31にX線曝射を許可する旨の許可信号を供給する。そしてシステム制御回路71は、ユーザによる入力回路81を介したX線撮影指示を待機する。
ユーザにより入力回路81を介したて線撮影指示がなされるとシステム制御回路71は、撮影信号をX線制御回路31に供給する。撮影信号が供給されるとX線制御回路31は、X線撮影を行う(ステップS7)。ステップS7においてX線制御回路31は、予め設定されたX線条件に従い高電圧発生器33を制御してX線管11からX線を曝射する。X線管11から曝射されたX線は、患者を透過しワイヤレスFPD100により検出される。ワイヤレスFPD100は、検出されたX線に応じたX線画像データを生成する。
ステップS7が行われるとシステム制御回路71は、X線検査の終了指示がなされることを待機する(ステップS8)。ステップS8においてシステム制御回路71は、例えば、ユーザによる入力回路81を介したX線検査の終了指示を待機する。X線検査の終了指示は、例えば、コンソール70等に設けられた機械的な検査終了ボタン又は表示回路83に表示されたソフトウェア的な検査終了ボタンの押下により行われる。検査終了指示がなされない場合(ステップS8:NO)、ステップS4、S5、S6、S7及びS8が繰り返される。
そしてX線検査の終了指示がなされることを待機する(ステップS8:YES)、システム制御回路71は、X線検査を終了する。
以上により本実施形態に係る本実施形態に係るX線診断システム1の動作例についての説明を終了する。
なお、上記のX線検査の流れは典型例であって本実施形態はこれに限定されない。例えば、ペアリング(ステップS2及びS3)と正対判定(ステップS4及びS5)との順番が入れ替えられても良い。
また、上記の実施形態においてワイヤレスFPD100は天板51に載置されるものとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、寝台50の天板51と基台53との間にブッキー機構が設けられている場合、当該ブッキー機構にワイヤレスFPD100が配置されても良い。当該ブッキー機構は、収容器をZ軸方向にスライド可能に支持する機械装置であり、当該収容器にワイヤレスFPD100が配置される。この場合、当該ブッキー機構の任意箇所に検出器センサ103が設けられると良い。
本実施形態において撮影範囲が異なる複数の撮影部位をX線撮影する場合、検出範囲が異なる複数のワイヤレスFPD100が用いられることとなる。以下、図11を参照しながら、ワイヤレスFPD100の切替えについて説明する。
図11は、本実施形態に係るワイヤレスFPD100の切替え処理を時系列で示す図である。図11において描写されている実線のタイムラインはペアリングされている状態を示し、破線のタイムラインはペアリングされていない状態を示している。図11に示すように、第1のワイヤレスFPD(以下、第1FPDと呼ぶ)を使用してX線撮影が行われていたものとする。他の第2のワイヤレスFPD(以下、第2FPDと呼ぶ)に切り替える場合、ユーザは、管球ボタン又は第1FPDの検出器ボタンを操作して第1FPDとX線診断システム1とのペアリングを解除する。この場合、X線診断システム1と第1FPDとのペアリングが解除されるので、上記の通り、X線曝射は許可されず、第1FPDへの誤射を回避することができる。ユーザは、次に使用する第2FPDの検出器ボタンと管球ボタンとを操作して第2FPDとX線診断システム1とをペアリングし、第2FPDをX線管11に正対するように配置する。これにより、上記の通り、X線曝射が許可され、第2FPDを用いたX線撮影が可能となる。
しかしながら、ユーザが第1FPDのボタンの解除操作を忘れたり、解除操作に煩わしさを感じる虞がある。
図12は、本実施形態に係るワイヤレスFPD100の切替え処理の応用を時系列で示す図である。図12に示すように、第1FPDを使用してX線撮影が行われていたものとする。第2FPDを使用してX線撮影を行う場合、第1FPDの解除操作をせずに、第2FPDのペアリング操作を行う。この場合、通信確立回路73は、第2FPDの通信指示器105からのペアリング信号が供給されたことを契機として、第1FPDとX線診断システム1との通信確立を自動的に解除し、第2FPDとX線診断システム1とをペアリングする。このように第2FPDでのペアリング操作が第1FPDのペアリング解除操作を兼ねることにより、第1FPDのペアリング解除操作という工程を削減することができる。よってワイヤレスFPD100の切替え作業の効率が向上するとともに確実性も向上する。
上記の実施例においては単一のX線診断システム1について言及していたが、本実施形態はこれに限定されない。すなわち、単一のワイヤレスFPD100を複数のX線診断システム1で切り替えて使用することが可能である。
図13は、X線診断システム1の切替え処理を時系列で示す図である。図13において描写されている実線のタイムラインはペアリングされている状態を示し、破線のタイムラインはペアリングされていない状態を示している。図13に示すように、まず第1のX線診断システム(以下、システムAと呼ぶ)においてワイヤレスFPD100との通信が確立される。ペアリング操作は、上記の通り、ユーザによるシステムAの管球ボタンと検出器ボタンとを用いた手動操作により行われる。そしてシステムAでのX線撮影が終了すると、システムAとワイヤレスFPD100とのペアリングが解除される。ペアリング解除操作は、上記の通り、ユーザによるシステムAの管球ボタン又は検出器ボタンに対する手動操作により行われる。そしてユーザは、第2のX線診断システム(以下、システムBと呼ぶ)が設置された撮影室に移動し、システムBとワイヤレスFPD100とがペアリングされる。ペアリング操作は、上記の通り、ユーザによるシステムBの管球ボタンと検出器ボタンとに対する手動操作により行われる。
しかしながら、ユーザがペアリング解除操作を忘れたり、ペアリング解除操作に煩わしさを感じる虞がある。
図14は、本実施形態に係るX線診断システム1の切替え処理の応用を時系列で示す図である。図14に示すように、システムAにおいてワイヤレスFPD100を使用してX線撮影が行われていたものとする。システムBにおいてX線撮影を行う場合、ワイヤレスFPD100のペアリング解除操作をせずに、システムBに移動しワイヤレスFPD100のペアリング操作を行う。この場合、通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100の通信指示器105からの検出器ペアリング信号とシステムBの通信指示器15からの管球ペアリング信号とが供給されたことを契機として、ワイヤレスFPD100とシステムAとのペアリングを自動的に解除し、ワイヤレスFPD100とシステムBとをペアリングする。このようにワイヤレスFPD100でのペアリング操作がシステムAのペアリング解除操作を兼ねることにより、ワイヤレスFPD100のペアリング解除操作という工程を削減することができる。
なお、上記の実施例においてペアリング解除処理のタイミングについては特に言及しなかった。しかしながら、X線診断システムの状態によってはペアリング解除処理が制限された方が良い状況がある。例えば、患者が天板51に載置されているにも関わらず、ワイヤレスFPD100のペアリングが解除されると、患者への不要被曝のリスクが高まってしまう。不要被曝のリスクを低減するため、本実施形態に係る通信確立回路73は、ペアリング解除操作をX線検査期間外に限定して受け付けると良い。X線検査期間は、図10のステップS1においてX線検査の開始指示が行われてからステップS8においてX線検査の終了指示がなされるまでの期間に設定される。
図15と図16とは、ペアリング解除の制限処理の概要を示す図である。図15は、X線検査期間内にペアリング解除操作がなされた場面を示す図であり、図16は、X線検査期間外にペアリング解除操作がなされた場面を示す図である。図15に示すように、X線検査期間内において通信指示器15又は通信指示器105を介してペアリング解除操作が行われた場合、すなわち、管球解除信号又は検出器解除信号が供給された場合、通信確立回路73は、ペアリング解除処理を実行しない。この場合、通信指示器15と通信指示器105とは、スピーカを介して音楽や警告音を発したり光源を点滅等させたりすることにより、ペアリングを解除できない旨をユーザに報知する。これによりユーザにペアリング解除できない旨を知らせることができる。図16に示すように、X線検査期間外において通信指示器15又は通信指示器105を介してペアリング解除操作が行われた場合、すなわち、管球解除信号又は検出器解除信号が供給された場合、通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100と通信回路75とのペアリングを解除する。これにより当該ワイヤレスFPD100を他のワイヤレスFPD100に交換したりすることができる。このようにX線検査期間外に限定してペアリング解除を可能にすることで、誤ってX線撮影が行われることを防止することができる。
なお、上記の実施形態においてX線診断システム1は、寝台50に載置された患者をX線撮影するための臥位撮影型であるとした。しかしながら、本実施形態はこれに限定されない。例えば、X線診断システム1は、立位の患者をX線撮影するための立位撮影型にも適用可能である。また、上記の実施形態においてX線診断システムは、X線管保持器10と寝台50とが撮影室に設置される室内設置型であるとしたが、車両に設置される車載型であったり、持ち運び可能な携帯型であっても良い。
上記の通り、本実施形態に係るX線診断システム1は、少なくともX線管11、通信回路75、通信確立回路73、判定回路77及びシステム制御回路71を有する。X線管11は、X線を発生する。通信回路75は、可搬型の無線通信可能なワイヤレスFPD100との間で通信する。通信確立回路73は、ワイヤレスFPD100と通信回路75との間の通信を確立する。判定回路77は、X線管11とワイヤレスFPD100とが正対しているか否かを判定する。システム制御回路71は、ワイヤレスFPD100と通信回路75とがペアリングされ且つX線管11とワイヤレスFPD100とが正対していると判定された場合、X線管11からのX線の曝射を許可する。
上記の構成により、X線撮影の準備が整っていない状態での不要なX線曝射を回避することができる。すなわち、ワイヤレスFPD100とX線診断システム1とのペアリングがされていない状態でのX線曝射や、ワイヤレスFPD100とX線管11とが正対していない状態でのX線曝射を回避することができる。上記の構成により、複数のワイヤレスFPD100を共有可能なX線診断システム1においてワイヤレスFPD100とX線診断システム1とのペアリングミスを回避することができる。これによりX線検査の高効率化が達成される。
かくして本実施形態によれば、不要なX線曝射の防止とX線検査の効率向上とを可能とするX線診断システムを提供することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。