JP6675122B2 - 螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの耐摩耗性向上方法、フレキシブルホース、及びフレキシブルホースの製造方法 - Google Patents
螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの耐摩耗性向上方法、フレキシブルホース、及びフレキシブルホースの製造方法 Download PDFInfo
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Description
また、その工業用フレキシブルホースの内管の摩耗は、適宜目視で点検し必要に応じて交換しているというのが現状である。
ここで、特許文献1では、身体挿入部の先端側に、帯板状材を螺旋状に巻いた内層を成すライナーチューブと、これに被覆したウレタンチューブとから成る首振部を備えたカテーテルを提案している。
また、特許文献2では、ゴム管の内側に導電材を螺旋状に接合して、ガス用器具の使用中にゴム管が腐食したり亀裂が生じたりした場合に、同時にゴム管内の導電材も切れるようにしたゴム管を提案している。
また、特許文献3では、可撓性の耐摩耗性材料よりなる内面層および外面層とそれらの間に配設した耐圧補強層を有するホースにおいて、内面層と耐圧補強層の間にホース長手方向に渡って一対の検知線をスパイラル状に巻き付けて配設し、検知線はホースの一端で結線し、もう一端ではホースの外部に引き出し導通状態を確認できるようにすることを提案している。
また、特許文献4では、冷却用パイプの内周面を、帯状体を螺旋状に巻回して製造される螺旋管によってコーティングし、海棲生物等が付着したら、螺旋管を帯状体に解体して冷却用パイプから除去する方法を提案している。
また、特許文献5では、縦長帯状で両側部に接合用リブ片を有する管構成部材を、管内で螺旋状に巻回して管状体を組立てる管の内面ライニング工法において、内部加圧によって膨脹させることのできるチューブを管構成部材の外面側に長さ方向に沿って予め固定しておき、チューブ付管構成部材から管状体を管内で、管の内径よりも小径となるように組立て、しかる後に、チューブを内部からの流体加圧で膨脹させ管内面に当接させることを提案している。
また、工業用フレキシブルホースの内管の摩耗に関し、海底等での目視検査は極めて困難であり、海上の母船など外部から簡便に常時モニタリングできるような方法が必要とされている。
ここで、特許文献1のカテーテルは、患者の検査や治療等に使用するものであり、鉱石スラリーなど固形物を含むスラリー(固形物と液体の混合物)の輸送に用いられるものではない。また、耐摩耗性の向上を目的としたものでもない。
また、特許文献2のゴム管は、ガス用器具とガスの元栓との接続に用いるガス用のものであり、鉱石スラリーなど固形物を含むスラリーの輸送に用いられるものではない。また、ゴム管の内側に螺旋状に接合する導電材は、例えばスズ箔や導電性ゴムが帯状に形成されたものであり、ゴム管に腐食又は亀裂が生じた場合に同時に切れるものであるから、ゴム管の保護を目的としたライニングではない。
また、特許文献3のホース内面の摩耗検知方法は、検知線によって導通状態を確認するものであり、ホース内面にライニングを設け、そのライニングを利用して摩耗を検知するものではない。
また、特許文献4の既設管内周面の保護方法は、原子力発電所の冷却用パイプ等の直管に適用するものであり、フレキシブルホースに適用するものではない。また、海棲生物等の付着対策用のものであり、スラリーの輸送に対する耐摩耗性の向上を目的としたものでもない。
また、特許文献5の管の内面ライニング工法は、下水管等の鋼管に適用するものであり、フレキシブルホースに適用するものではない。
また、耐摩耗性を向上させるためのライナーの摩耗の度合いや破断箇所の有無を外部から簡便にモニタリングする方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明によれば、ライナー材を所定の間隔を設けて螺旋巻きして螺旋状ライナーとすることにより、ホース内管の内側全体をライニングした場合や間隔を設けずに螺旋状にライニングした場合に比べて、フレキシブルホースの曲げ剛性を大幅に小さくすることができる。また、ライナー材を螺旋巻きする際に固形物の粒径を考慮して定めた所定の間隔を設けることにより、固形物がホース内管に直接衝突するのを螺旋状ライナーによって防ぐことができる。また、ホース内管の曲率を考慮して所定の間隔を定めることで、曲げることによりライナー材とライナー材との間隔が変化しスラリーによる摩耗が直線部分よりも相対的に大きくなる曲がりの部分の耐摩耗性を向上させることができる。したがって、フレキシブルホースについて、可撓性を確保しつつ耐摩耗性を向上させることができる。
請求項2に記載の本発明によれば、より一層スラリー中の固形物がホース内管に直接衝突しにくくなるので、フレキシブルホースの耐摩耗性をさらに向上させることができる。
現実的には固形物に凹凸のあるところ、球体に仮定した場合にホース内管に直接衝突しない場合であっても凸部が当ることがあるが、直接衝突しない確率を大幅に増すことができる。直接衝突しにくくなるとはこのことをいう。
式(1):
x=(d−√(d2−(1+ν・ID/2)2・GAP2))/2<t
ここで、
x:螺旋状ライナー内表面と球体に仮定した固形物外周端との距離
d:球体に仮定した固形物の粒径
ν:ホース内管の曲率
ID:ホース内管の内径
GAP:所定の間隔
t:螺旋状ライナーの板厚
請求項3に記載の本発明によれば、ホース内管の曲率を考慮した計算式を適用することによって、ライナー材とライナー材との所定の間隔をより適正なものとすることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、所定の間隔を設けてライナー材を螺旋状とすることにより、ホース内管の内側全体をライニングした場合や間隔を設けずに螺旋状にライニングした場合に比べて、フレキシブルホースの曲げ剛性を大幅に小さくすることができる。また、ライナー材を螺旋巻きする際に固形物の粒径を考慮して定めた所定の間隔を設けることにより、固形物がホース内管に直接衝突するのを螺旋状ライナーによって防ぐことができる。また、ホース内管の曲率を考慮して所定の間隔を定めることで、曲げることによりライナー材とライナー材との間隔が変化しスラリーによる摩耗が直線部分よりも相対的に大きくなる曲がりの部分の耐摩耗性を向上させることができる。したがって、フレキシブルホースについて、可撓性を確保しつつ耐摩耗性を向上させることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、より一層スラリー中の固形物がホース内管に直接衝突しにくくなるので、フレキシブルホースの耐摩耗性をさらに向上させることができる。
請求項6に記載の本発明によれば、螺旋状ライナーが連続体であり螺旋周方向にはホース内管の内側が露出する部分がないため、固形物がホース内管に直接衝突して摩耗損傷を与えることを効果的に抑制できる。
請求項7に記載の本発明によれば、螺旋状ライナーが連続体であり導電材料で構成されるため、螺旋状ライナーの摩耗の度合いや破断個所の有無を外部から簡便にモニタリングすることができる。
請求項8に記載の本発明によれば、螺旋状ライナーの摩耗の度合いや破断個所の有無をフレキシブルホースの一方の側だけでモニタリングすることができるため、両側でモニタリングする場合と比べて測定機器の設置が容易となり、例えば海上の母船などから海中に施設したフレキシブルホースの状態をより容易にモニタリングできる。また、特にフレキシブルホースが長い場合などでも別途長い導線を設ける必要がない。
請求項9に記載の本発明によれば、フレキシブルホースの一方の側だけでモニタリングすることができるため、両側でモニタリングする場合と比べて測定機器の設置が容易となり、特にフレキシブルホースが長い場合などでも別途長い導線を設ける必要がない。また、螺旋が1条で済むため螺旋ピッチを小さく設定でき、螺旋ピッチ増大による曲げ剛性の増大を防ぐことができる。
請求項10に記載の本発明によれば、断面形状を中空とした螺旋状ライナーの内部に、スラリー媒質と同じ流体もしくは異なる流体をスラリーよりも高圧にして流すことにより、ホース内管の内表面近傍には、螺旋状ライナーからホース内管の中心軸方向に向かうような局所流れが生じ、これによってスラリー中の固形物がライナー材やホース内管に衝突する速度が緩和され、ライナー材やホース内管の摩耗を抑制することができる。
請求項11に記載の本発明によれば、ライナー材を複数のライナー片で構成し、螺旋周方向にライナー片とライナー片との間隔を設けることによって、例えば高弾性のライナー材を曲げ、捻り加工することなく連続的に螺旋巻きして螺旋状ライナーとすることができる。また、フレキシブルホースの可撓性を向上させることができる。
請求項12に記載の本発明によれば、より一層スラリー中の固形物がホース内管に直接衝突しにくくなるので、フレキシブルホースの耐摩耗性をさらに向上させることができる。
請求項13に記載の本発明によれば、不連続の螺旋状ライナーの内表面の凹凸が減少し、流体抵抗を低減させることができる。また、柔軟性を有した材料は、固形物衝突により摩耗はするが、ホース内管の内表面部まで摩耗するまでには時間がかかるため、耐摩耗性もさらに向上できる。
請求項14に記載の本発明によれば、螺旋状ライナーの内表面の凹凸が減少し、流体抵抗を低減させることができる。また、柔軟性を有した材料は、固形物衝突により摩耗はするが、ホース内管の内表面部まで摩耗するまでには時間がかかるため、耐摩耗性もさらに向上できる。
請求項15に記載の本発明によれば、ホース内管が補強されることにより、フレキシブルホース全体の強度や耐久性を向上させることができる。
請求項16に記載の本発明によれば、螺旋状ライナーの非対称断面形状により、ホース内管の内表面近傍には、内表面からホース内管の中心軸方向に向かうような局所流れが生じ、これによってスラリー中の固形物がライナー材やホース内管に衝突する速度が緩和され、ライナー材やホース内管の摩耗を抑制することができる。
請求項17に記載の本発明によれば、表示手段を備えることにより、使用者は、表示手段に基づいて、スラリーの流れ方向に対して、螺旋状ライナーの下流側の板厚が上流側の板厚よりも厚くなる向きにフレキシブルホースを設置することができる。
請求項18記載の本発明によれば、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、螺旋状ライナーを芯棒の代わりに用いるか、あるいは芯棒の周りに螺旋状ライナーを巻き付ける工程を付加するだけで、螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
請求項19に記載の本発明によれば、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管材料上にライナー材を連続成形する工程を付加するだけで、螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
請求項20に記載の本発明によれば、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管材料上にライナー片を等間隔に不連続成形する工程を付加するだけで、不連続の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
請求項21に記載の本発明によれば、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管の材料表面を連続又は不連続に改質して螺旋状ライナー部分を形成する工程を付加するだけで、螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
現実的には固形物に凹凸のあるところ、球体に仮定した場合にホース内管に直接衝突しない場合であっても凸部が当ることがあるが、直接衝突しない確率を大幅に増すことができる。直接衝突しにくくなるとはこのことをいう。
図1は本発明の第1の実施形態による螺旋状ライナー付フレキシブルホースを示す構成図であり、図2は同螺旋状ライナーの板厚及び所定の間隔と固形物の粒径との関係を示す図、図3〜5は同フレキシブルホースの摩耗モニタリング方法を示す図、図6は同フレキシブルホースの製造方法を示す図である。
図1に示すように、本実施形態によるフレキシブルホースは、鉱石スラリーなど固形物を含むスラリー(固形物と液体の混合物)の輸送に用いられるものであって、ゴムなどの軟質材料で構成されたホース内管10と、固形物に対する耐摩耗性を有したライナー材20を所定の間隔GAPを設けて螺旋巻きした螺旋状ライナー30とを備え、螺旋状ライナー30はホース内管10の内側に配置される。ライナー材20の素材には、金属、樹脂又はセラミックスなどの耐摩耗性材料を用いることができるが、本実施形態においては導電性材料である金属を用いる。また、螺旋状ライナー30は、後述する第1変形例又は第2変形例のように、2条並行に設けたり、複層構造としたりすることもできるが、本実施形態においては1条の単層構造としている。
このようにライナー材20を所定の間隔GAPを設けて螺旋巻きして螺旋状ライナー30とすることにより、ホース内管10の内側全体をライニングした場合や間隔を設けずに螺旋状にライニングした場合に比べて、フレキシブルホースの曲げ剛性を大幅に小さくすることができる。したがって、フレキシブルホースの可撓性を確保しつつ、ライニングにより耐摩耗性を向上させることができる。
このように螺旋状ライナー30を連続体とすることによって、螺旋周方向にはホース内管10の内側が露出する部分がないため、固形物がホース内管10に直接衝突して摩耗損傷を与えることを効果的に抑制できる。
螺旋巻きの管軸方向の隙間である所定の間隔GAPは、固形物Sの粒径dを考慮して定める。ライナー材20を螺旋巻きする際に固形物Sの粒径dを考慮して定めた所定の間隔GAPを設けることにより、固形物Sがホース内管10に直接衝突するのを螺旋状ライナー30によって防ぐことができる。なお、固形物Sは、鉱石スラリーなどに含まれる、ある程度の大きさ(粒径20mm以上など)をもつ粒子等である。
図2に示すように、所定の間隔GAPは、固形物Sを球体に仮定した場合、固形物Sが隣り合うライナー材20aとライナー材20bに接触したときに、ホース内管10に固形物Sの外周端が接触しない間隔とすると、より一層スラリー中の固形物Sがホース内管10に直接衝突しにくくなるので、フレキシブルホースの耐摩耗性をさらに向上させることができる。
なお、現実的には固形物Sに凹凸のあるところ、球体に仮定した場合にホース内管10に直接衝突しない場合であっても凸部が当ることがあるが、直接衝突しない確率を大幅に増すことができる。
また、所定の間隔GAPを定めるにあたっては、螺旋状ライナー30の板厚とホース内管の曲率νも考慮することが好ましい。
式(1):
x=(d−√(d2−GAP2))/2<t
このように螺旋状ライナー30の板厚tを考慮した計算式を適用することによって、ライナー材20aとライナー材20bとの所定の間隔GAPをより適正なものとすることができる。
なお、式(1)から明らかなように、螺旋状ライナー30の板厚tが変わると所定の間隔GAPの取り得る値も変わることから、所定の間隔GAPを定めるに当たっては、螺旋状ライナー30の板厚tを考慮する必要がある。
式(2):
GAP’ =(1+ε)GAP=(1+ν・ID/2)GAP
従って、この場合に固形物Sがホース内管10に直接接触しないための条件は、式(1)のGAPを式(2)のGAP’で置き換えて、次式(3)となる。
式(3):
x=(d−√(d2−(1+ν・ID/2)2・GAP2))/2<t
このように、ホース内管10の曲率νを考慮して所定の間隔GAPを定めることで、曲げることによりライナー材20とライナー材20との間隔が変化しスラリーによる摩耗が直線部分よりも相対的に大きくなる曲がりの部分の耐摩耗性を向上させることができる。
また、ホース内管10の曲率νを考慮した計算式を適用することによって、ライナー材20とライナー材20との所定の間隔GAPをより適正なものとすることができる。
<設定1>
最も単純にd=dmとおく方法であり、固形物Sの粒径がd以上となる確率はおよそ50%である。
<設定2>
設定1のdから標準偏差σを減じてd=dm−σとおく方法であり、固形物Sの粒径がd以上となる確率はおよそ84%であり、設定1よりも好ましい。
<設定3>
設定1のdから標準偏差σの2倍を減じてd=dm−2σとおく方法であり、固形物Sの粒径がd以上となる確率はおよそ98%であり、設定2よりも更に好ましい。
<設定4>
設定3のdに対して、固形物Sの凹凸やアスペクト比など形状に起因する差分を補正するための係数0.5を乗じる方法であり、設定1から設定4の方法のなかで最も好ましい。
ここで、「柔軟性を有した材料で埋めた」とは、螺旋状ライナー30をホース内管10の内側に配置した後にライナー材20とライナー材20との間を別材料で埋める場合のほか、螺旋状ライナー30をホース内管10の内側に埋め込んで配置する場合等を含む。
図3に示すように、ホース内管10(図3では図示無し)の内側に1条の螺旋状ライナー30を設け、螺旋状ライナー30の両端における電気抵抗Rを測定する。電気抵抗Rの値は螺旋状ライナー30の断面積が減じると増大するので、電気抵抗Rが初期状態よりも増大すれば螺旋状ライナー30が摩耗により減肉したことがわかり、電気抵抗Rが無限大となれば螺旋状ライナー30が途中で破断したことがわかる。
図4に示すように、並行2条導体螺旋状ライナー31の一端を短絡しておき、他端における電気抵抗Rを測定する。電気抵抗Rの値は並行2条導体螺旋状ライナー31の断面積が減じると増大するので、電気抵抗Rが初期状態よりも増大すれば並行2条導体螺旋状ライナー31が摩耗により減肉したことがわかり、電気抵抗Rが無限大となれば並行2条導体螺旋状ライナー31が途中で破断したことがわかる。
このように、螺旋状ライナー30を2条並行に設け、一端を短絡して他端側のみでモニタリングを可能とすることで、フレキシブルホースの一方の側だけでモニタリングすることができるため、両側でモニタリングする場合と比べて測定機器の設置が容易となり、特にフレキシブルホースが長い場合などでも別途長い導線を設ける必要がない。
図5に示すように、3層構造導体螺旋状ライナー32の一端で導体32A、32C同士を短絡しておき、他端における導体32A、32C間の電気抵抗Rを測定する。使用開始後、電気抵抗Rの値は螺旋内側の導体32Cの断面積が減じると増大するので、電気抵抗Rが初期状態よりも増大すれば螺旋内側の導体32Cが摩耗により減肉したことがわかり、電気抵抗Rが無限大となれば螺旋内側の導体32Cが途中で破断したことがわかる。螺旋内側の導体32Cが破断した後、更に螺旋外側の導体32Aの両端の電気抵抗R’を測定すれば、図3を用いて説明した第1の実施形態によるフレキシブルホースの摩耗モニタリング方法と同様の原理により、螺旋外側の導体32Aの摩耗減肉および破断をモニタリングすることができる。
このように、螺旋状ライナー30を、絶縁体32Bを2枚の導電性の導体32A、32Cで両側から挟持する3層構造に構成し、2枚の導体32A、32Cの一端を短絡して他端側のみでモニタリングを可能とすることで、フレキシブルホースの一方の側だけでモニタリングすることができるため、両側でモニタリングする場合と比べて測定機器の設置が容易となり、特にフレキシブルホースが長い場合などでも別途長い導線を設ける必要がない。また、螺旋が1条で済むため螺旋ピッチを小さく設定でき螺旋ピッチ増大による曲げ剛性の増大を防ぐことができる。また、螺旋内側の導体32Cが破断して3層構造導体螺旋状ライナー32全体の板厚が半減した時点で、断線によりそのことを確実に把握することができ、更に、図3を用いて説明した第1の実施形態によるフレキシブルホースの摩耗モニタリング方法と同様に螺旋外側の導体32Aの両端で電気抵抗R’を測定すれば、螺旋外側の導体32Aの摩耗減肉および破断を引き続きモニタリングすることができる。
なお、第2変形例では螺旋状ライナー30を導体・絶縁体・導体の3層としたが、導体・絶縁体・導体・絶縁体・導体の5層とするなど、層数を増すことも可能であり、層数を2n+1層にした場合(n=1、2、3、・・・)には、螺旋状ライナー30が1層分だけ破断して板厚が元厚の1/(n+1)だけ減じるごとに、そのことを確実に把握することができる。
なお、図22は、ホース内管にライナーを設けない場合の、従来の製造方法を説明する図である。板状又は棒状に押出し又は引抜き成形したホース内管210の材料を円柱又は円筒形の芯棒の周りに螺旋状に巻き付けて、接着・溶着等の方法により側面を接合しながら管状に連続成形した後、芯棒をはずすと図22の状態となる。
この製造方法は、ライナー材20が金属製でなく高弾性樹脂製の場合も、適切な成形方法(温度・硬化条件など)を選ぶことにより同様に行うことができる。なお、ここでの「高弾性」とは、外部から曲げ・捩りなどの力を加えた場合に容易に変形しにくい、又は十分変形する前に折れてしまう性質のことをいう。
このように、金属製又は高弾性樹脂製のライナー材20を螺旋状ライナー30に成形する工程と、板状又は棒状を成したホース内管材10を成形した螺旋状ライナー30の外表面に螺旋状に巻き付けホース内管材10を接合してフレキシブルホースに成形する工程とを備えることで、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、螺旋状ライナー30を芯棒の代わりに用いるか、あるいは芯棒の周りに螺旋状ライナー30を巻き付ける工程を付加するだけで、螺旋状ライナー30を用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
第3変形例のフレキシブルホースは、板状又は棒状に押出し又は引抜き成形したホース内管10の材料の上に低弾性樹脂ライナー材21を接着・溶着等の方法により直線状に連続成形した後、そのまま円柱又は円筒形の芯棒の周りに螺旋形に巻き付けて、接着・溶着等の方法により側面を接合しながら管状に連続成形した後、芯棒をはずすと図6の状態となる。
このように、低弾性樹脂製のライナー材21を板状又は棒状を成したホース内管材の表面に連続成形する工程と、ライナー材21を内側にしてホース内管材を芯棒の周りに螺旋状に巻き付けホース内管材を接合してフレキシブルホースに連続成形する工程と、芯棒を外す工程とを備えることで、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管10の材料の上にライナー材21を連続成形する工程を付加するだけで、螺旋状ライナー30を用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態による螺旋状ライナー付フレキシブルホースを示す構成図であり、図8は同フレキシブルホースの製造方法を示す図である。なお、上記した第1の実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
螺旋状ライナー30が連続体である第1の実施形態とは異なり、本実施形態によるフレキシブルホースは、図7に示すように、ライナー材120は、複数のライナー片121を不連続に成形している。これにより、不連続螺旋状ライナー130が構成される。
このように、ライナー材120を複数のライナー片121で構成し、螺旋周方向にライナー片121とライナー片121との間隔INTを設けることによって、例えば高弾性のライナー材120を曲げ、捻り加工することなく連続的に螺旋巻きして不連続螺旋状ライナー130とすることができる。また、フレキシブルホースの可撓性を向上させることができる。
また、表1では、螺旋状ライナー30(130)の間隔として螺旋巻き間隔(所定の間隔)GAPを対象としたが、本実施形態の不連続螺旋状ライナー130の場合には、所定の間隔GAPと同時に螺旋周方向のライナー間隔INTによっても不連続螺旋状ライナー130の板厚tが規定される。規定の仕方は、間隔INTの値はホース内管10の曲率によらないので、式(1)の所定の間隔GAPを間隔INTに置き換えるだけであり、次式(4)のようになる。
式(4):
X=(d−√(d2−INT2))/2<t
表1と同様に、ホース内管10の内径IDを77mm、固形物Sの粒径dを20mm及び40mmとして、異なる螺旋周方向のライナー間隔INTに対する不連続螺旋状ライナー130の板厚tの規定値(最小値)を式(4)から求めると、表3のようになる。但し、いずれの場合もd>INTが前提である。また、本実施形態の不連続螺旋状ライナー130の場合は、式(3)及び式(4)によって求められた板厚tのうち、大きい方の値が規定値として優先される。
ここで、「柔軟性を有した材料で埋めた」とは、ライナー片121をホース内管10の内側に配置した後にライナー片121とライナー片121との間を別材料で埋める場合のほか、ライナー片121をホース内管10の内側に埋め込んで配置する場合等を含む。
第2の実施形態によるフレキシブルホースは、板状又は棒状に押出し又は引抜き成形したホース内管10の材料の上に金属製のライナー片121を接着・溶着等の方法により等間隔(不連続)に成形した後、そのまま円柱又は円筒形の芯棒の周りに螺旋形に巻き付けて、接着・溶着等の方法により側面を接合しながら管状に連続成形した後、芯棒をはずすと図8の状態となる。
なお、1本の板状又は棒状のホース内管10の材料上に成形する不連続螺旋状ライナー130は、図8(a)のように1列でも、図8(b)のように複数列(図8(b)では2列)でもよい。
この製造方法は、ライナー材120が金属製でなく、高弾性樹脂やセラミックスなどの高弾性材料製の場合も同様に行うことができる。
このように、板状又は棒状のホース内管材の表面に複数の高弾性材料のライナー片121を不連続に成形する工程と、ライナー片121を内側にしてホース内管材を芯棒の周りに螺旋状に巻き付けホース内管材を接合してフレキシブルホースに連続成形する工程と、芯棒を外す工程とを備えることで、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管10の材料上にライナー片121を等間隔に不連続成形する工程を付加するだけで、不連続螺旋状ライナー130を用いたフレキシブルホースを製造することができるので、生産性を維持することができる。
第1又は第2の実施形態によるフレキシブルホースは、板状又は棒状に押出し又は引抜き成形したホース内管10の材料の表面を、化学的な方法(成分添加、加硫、薬剤塗布等)あるいは物理的な方法(加熱、加工等)により板又は棒の両側又は片側に間隙を設けながら連続又は不連続にライナー材に相当するライナー材相当部を形成する工程と、ライナー材相当部の耐摩耗性を高めるように改質する工程と、改質したライナー材相当部を内側にしてホース内管材を円柱又は円筒形の芯棒の周りに螺旋形に巻き付けて、接着・溶着等の方法によりホース内管材の側面を接合しながら管状に連続成形する工程と、芯棒を外す工程とによって製造することもできる。
なお、連続又は不連続にライナー材に相当するライナー材相当部を形成する工程と、ライナー材相当部の耐摩耗性を高めるように改質する工程とを同一工程で兼ねて行い、ライナー材相当部を形成しつつ耐摩耗性を高めるように改質してもよい。
この製法を用いることにより、従来のフレキシブルホース製造ラインにおいて、ホース内管10の材料表面を連続又は不連続に改質して螺旋状ライナー30部分を形成する工程を付加するだけで、螺旋状ライナー30(130)付きのホース内管10を連続成形する製造ラインを構築することができるので、生産性を維持することができる。
図9は、本発明の第3の実施形態による螺旋状ライナー付フレキシブルホースのホース内管の内部を示す模式図である。図9において矢印Hは、スラリーの流れ方向(スラリー流向)を示す。なお、上記した第1、第2の実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、上記した第1の実施形態における連続螺旋状ライナー30を構成するライナー材20が中空部22を有する形状に形成されており、ライナー材20の表面と中空部22とを連通する開孔23を有し、中空部22に供給される流体が開孔23を介してフレキシブルホ―スの内部に噴出するように構成されている。すなわち、図9に示すように連続螺旋状ライナー30の断面形状を中空の矩形形状とし、螺旋周方向に適当な間隔をおいて穴を設けている。
このような断面形状を中空とした連続螺旋状ライナー30の内部に、スラリー媒質と同じ流体もしくは異なる流体をスラリーよりも高圧にして流すことにより、ホース内管10の内表面近傍には、図9に小矢印で示すように螺旋状ライナー30からホース内管10の中心軸10a方向に向かうような局所流れIが生じ、これによってスラリー中の鉱石等の固形物Sがライナー材30やホース内管10に衝突する速度が緩和され、ライナー材30やホース内管10の摩耗を抑制することができる。
なお、断面形状を中空とした連続螺旋状ライナー30の内部に流す流体は、液体に限らず気体でもよく、気体の場合はホース内管10の中心軸10a方向に向かうような局所流れIは気泡流(バブルジェット)となる。
また、中空とした連続螺旋状ライナー30の断面形状は、楕円形、半楕円形、円形、半円形等であってもよい。
また、開孔23は図9において連続螺旋状ライナー30の内表面に設けているが、横表面に設けてもよく、さらに内表面と横表面の双方に設けてもよい。
図10は、本発明の第4の実施形態による螺旋状ライナー付フレキシブルホースのホース内管の内部を示す模式図である。なお、上記した第1、第2の実施形態と同一機能部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、上記した第1、第2の実施形態における螺旋状ライナー30(130)を構成するライナー材20(120)を、スラリーの流れ方向(スラリー流向)Hに対して、上流側の板厚t1よりも下流側の板厚t2が厚い断面が非対称形状を成す形状に形成したものである。すなわち、図10に示すように、螺旋状ライナー30(130)を構成するライナー材20(120)の断面形状を非対称形状とし、スラリー流向Hの上流側の板厚t1と下流側の板厚t2との関係をt1<t2としている。
このような螺旋状ライナー30(130)の非対称断面形状により、ホース内管10の内表面近傍には、図10に曲線矢印で示すように内表面からホース内管10の中心軸10a方向に向かうような局所流れJが生じ、これによってスラリー中の鉱石等の固形物Sがライナー材20(120)やホース内管10に衝突する速度が緩和され、ライナー材20(120)やホース内管10の摩耗を抑制することができる。
次に、上記した本発明の第1と第2の実施形態によるフレキシブルホースを用いた実施例と、比較例を解析的手法により検討した結果を示す。
図11は実施例1の有限要素解析モデルを示す図であり、図12は実施例1の曲げ解析結果を示す図、図13はホース内管にライナーを設けない従来のフレキシブルホースの図、図14はホース内管に全面ライナーを設けた従来のフレキシブルホースの図、図15はホース内管に網目ライナーを設けたフレキシブルホースの図、図16は連続螺旋状ライナー30に局所面荷重を載荷するモデルの図、図17は不連続螺旋状ライナー130に局所面荷重を載荷するモデルの図、図18〜図21は沈み込みの解析結果を示す図である。
なお、図15に示す網目ライナーを設けたフレキシブルホースは、比較のために今回、発明者が創出したものである。
なお、曲げ剛性EIは汎用構造解析コードMarc Mentat(ver.2011.1.0)による3次元有限要素解析で求めた。その様子を図11及び図12に示す。なお、図11の有限要素解析モデルは、内側の螺旋状ライナー30を見せるため、フレキシブルホースの要素を一部切り取っている。また、図12の曲げ解析結果は、フレキシブルホースの左端を固定し、右端に下向きの集中荷重を載荷したものである。
なお、曲げ剛性EIは実施例1と同様の3次元有限要素解析により求めた。
また、実施例4は、ライナー材120をフッ素樹脂製とした以外は、実施例2と同様である。
また、比較例5は、ライナーをフッ素樹脂製とした以外は、比較例2と同様である。
また、比較例6は、ライナーをフッ素樹脂製とした以外は、比較例3と同様である。
また、比較例7は、ライナーをフッ素樹脂製とした以外は、比較例4と同様である。
また、曲げ剛性比でみると、実施例1が1.61、実施例3が1.42であり、フレキシブルホースとして十分な可撓性を保っている。なお、曲げ剛性比は2未満を許容範囲としているが、曲げ剛性比1.6程度以下に抑えることが好ましい。
実施例1〜4について、解析で求められた螺旋状ライナー30(130)の沈み込み量及び衝撃吸収性能の比較を表5にまとめて示す。
表5並びに図18及び図19より、まず実施例1の連続した螺旋状ライナー30の場合は、局所的に載荷された面荷重を周囲の鋼製のライナー材20が分担して受け持っており、比較的広い範囲でライナー材20の沈み込みが生じているが、沈み込み量は小さく、最大でも0.16mmに留まっていることが分かる。
一方、実施例2の不連続螺旋状ライナー130の場合は、局所的に載荷された面荷重を、載荷されたライナー片121のみが独立して受け持っており、周囲のライナー片121への荷重影響は殆ど無い。面荷重を載荷されたライナー材120の沈み込み量は大きく、最大で0.91mmに達している。従って、鋼製の不連続螺旋状ライナー130は、鋼製の連続螺旋状ライナー30と比較して固形物Sの衝突による衝撃を吸収する効果が大きいことが分かる。
表5並びに図20及び図21より、上述した実施例1及び実施例2の鋼製ライナーの場合とは異なり、実施例3の連続螺旋状ライナー30及び実施例4の不連続螺旋状ライナー130の両者に共通して、局所的に載荷された面荷重は、載荷されたライナー材20(120)の近傍のみで受け持っており、周囲のライナー材20(120)への荷重影響は殆ど無い。面荷重を載荷されたライナー材20(120)部分の沈み込み量は大きく、実施例3で1.03mm、実施例4で1.13mmに達していることが分かる。これは、フッ素樹脂のヤング率が1GPaと鋼に比べて著しく小さいため、連続螺旋状ライナー30の場合でも荷重が広範囲に伝達されず、局所的に大きな変形が生ずることによるが、ホース内管10全体として固形物Sの衝突による衝撃を吸収する効果は大きく、特に不連続螺旋状ライナー130の方が若干上回っている。
次に、上記した本発明の第1の実施形態によるフレキシブルホースを用いた実施例と、比較例を実験的手法により検討した結果を示す。
図23は実施例5の連続螺旋状ライナーの概観写真、図24は実施例5の連続螺旋状ライナーの近接写真、図25は実施例7の連続螺旋状ライナーの概観写真、図26は実施例7の連続螺旋状ライナーの近接写真である。
また、曲げ剛性比でみると、実施例5は、比較例8に対する曲げ剛性比は1.16で、連続螺旋状ライナー30を付加することによる増加分は20%未満であり、フレキシブルホースとして十分な可撓性を保っている。なお、曲げ剛性比は2未満を許容範囲としているが、曲げ剛性比1.6程度以下に抑えることが好ましい。
図27は摩耗試験に用いたスラリー循環式摩耗試験装置の概観写真、図28は同装置のホース摩耗試験部の拡大写真、図29は摩耗試験に用いた模擬鉱石の概観写真、図30は比較例8の摩耗試験におけるタンク水面の様子を示す写真、図31は実施例7の摩耗試験におけるタンク水面の様子を示す写真、図32は摩耗試験におけるホース内管切削粉の拡大写真、図33は比較例8の摩耗試験におけるタンク水面上の浮遊摩耗粉を示す写真、図34は実施例7の摩耗試験におけるタンク水面上の浮遊摩耗粉を示す写真である。
スラリーによる移送管等の摩耗特性を明らかにするためには、実際に採掘した状態の鉱石を常時投入したスラリーを移送管等に流して摩耗試験することが望ましいが、現実には実際の条件で試験を行うことは極めて難しいため、近似的に模擬鉱石を用いたスラリーを一定時間、配管内を循環させて摩耗試験を行い評価することにした。
スラリー循環式摩耗試験装置の概観写真を図27に示す。本装置は、水を満たしたタンク410の上部から模擬鉱石を一定量投入してスラリーとし、これをスラリー循環用ポンプ411で配管内を循環させることにより、途中に接続したホース内管10、210の摩耗試験を行うものである。ホース摩耗試験部420の拡大写真(図28)に示す通り、実際の使用状況を考慮してホース摩耗試験部420には曲率を持たせており、ホースの曲率半径は図28に示すホース摩耗試験部420の(A)の区間で1.9m、ホース摩耗試験部420の(B)の区間で2.0mとした。
なお、図27及び図28において、矢印はスラリーの循環方向を示す。また、ホース摩耗試験部420の下流側に流量計412を設けている。
比較例8のホース内管210及び実施例7のホース内管10の双方について、上記のスラリー循環式摩耗試験を各合計5時間行った時点におけるタンク内水面の観察写真を、図30及び図31にそれぞれ示す。いずれの場合も、タンク410内の水面上には、ホース内管10、210の耐摩耗性ゴムがスラリー中の模擬鉱石によって削り取られて生じた摩耗粉(図32参照)が浮いているが、螺旋状ライナー30のない比較例8(図30)に比べて、板厚2mmの螺旋状ライナー30を設けた実施例7(図31)では明らかに摩耗粉の量が減少しており、鉱石スラリーに対する耐摩耗性が向上していることがわかる。なお、図30及び図31では、水面上の摩耗粉をより鮮明に表示するため、元写真画像に対して同一の画像処理(輝度ヒストグラムの均等化処理)を行っている。
また、連続の螺旋状ライナーに金属等の導電性材料を用いる場合について、螺旋状ライナー端部で電気抵抗を測定することにより、螺旋状ライナーの摩耗の度合いや破断箇所の有無を外部から簡便にモニタリングする方法を提供することができる。
20 ライナー材
22 中空部
23 開孔
30 (連続した)螺旋状ライナー
120 ライナー材
121 ライナー片
130 不連続螺旋状ライナー
210 ホース内管
GAP 所定の間隔
INT 間隔(ライナー片同士の螺旋周方向の間隔)
S 固形物
d 粒径
t1 上流側の板厚
t2 下流側の板厚
Claims (21)
- 固形物を含むスラリーの輸送に用いられるフレキシブルホ―スの耐摩耗性向上方法であって、前記固形物に対する耐摩耗性を有したライナー材を所定の間隔を設けて螺旋巻きして螺旋状ライナーを構成し、前記螺旋状ライナーを軟質材料で構成されたホース内管の内側に配置するとともに、前記所定の間隔を、前記固形物の粒径と、前記螺旋状ライナーの板厚と、前記フレキシブルホースを曲げて使用する場合の前記ホース内管の曲率とを考慮して定めることを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの耐摩耗性向上方法。
- 前記所定の間隔は、前記固形物を球体に仮定した場合、前記球体に仮定した前記固形物が隣り合う前記ライナー材と前記ライナー材に接触したときに、前記ホース内管に前記球体に仮定した前記固形物の外周端が接触しない間隔であることを特徴とする請求項1に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの耐摩耗性向上方法。
- 前記曲率を考慮した前記所定の間隔は、次式(1)に基づいて定めることを特徴とする請求項2に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの耐摩耗性向上方法。
式(1):
x=(d−√(d2−(1+ν・ID/2)2・GAP2))/2<t
ここで、
x:螺旋状ライナー内表面と球体に仮定した固形物外周端との距離
d:球体に仮定した固形物の粒径
ν:ホース内管の曲率
ID:ホース内管の内径
GAP:所定の間隔
t:螺旋状ライナーの板厚 - 固形物を含むスラリーの輸送に用いられるフレキシブルホ―スであって、軟質材料で構成されたホース内管と、前記固形物に対する耐摩耗性を有したライナー材を所定の間隔を設けて螺旋巻きした螺旋状ライナーとを備え、前記螺旋状ライナーは前記ホース内管の内側に配置され、前記所定の間隔は、前記固形物の粒径と、前記螺旋状ライナーの板厚と、前記フレキシブルホースを曲げて使用する場合の前記ホース内管の曲率とを考慮して定めた所定の間隔であることを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記所定の間隔は、前記固形物を球体に仮定した場合、前記球体に仮定した前記固形物が隣り合う前記ライナー材と前記ライナー材に接触したときに、前記ホース内管に前記球体に仮定した前記固形物の外周端が接触しない間隔であることを特徴とする請求項4に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記螺旋状ライナーが、連続体であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記螺旋状ライナーを導電材料で構成し前記螺旋状ライナーの電気抵抗を計測することにより、前記螺旋状ライナーの摩耗度及び/又は破断の有無をモニタリング可能としたことを特徴とする請求項6に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記螺旋状ライナーを2条並行に設け、一端を短絡して他端側のみで前記モニタリングを可能としたことを特徴とする請求項7に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 固形物を含むスラリーの輸送に用いられるフレキシブルホ―スであって、軟質材料で構成されたホース内管と、前記固形物に対する耐摩耗性を有したライナー材を所定の間隔を設けて螺旋巻きした螺旋状ライナーとを備え、前記螺旋状ライナーは前記ホース内管の内側に配置され、前記所定の間隔は、前記固形物の粒径を考慮して定めた所定の間隔であり、前記螺旋状ライナーが、連続体であり、前記螺旋状ライナーを導電材料で構成し前記螺旋状ライナーの電気抵抗を計測することにより、前記螺旋状ライナーの摩耗度及び/又は破断の有無をモニタリング可能とし、前記螺旋状ライナーを、絶縁体を2枚の導電性の導体で両側から挟持する3層構造に構成し、2枚の前記導体の一端を短絡して他端側のみで前記モニタリングを可能としたことを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 固形物を含むスラリーの輸送に用いられるフレキシブルホ―スであって、軟質材料で構成されたホース内管と、前記固形物に対する耐摩耗性を有したライナー材を所定の間隔を設けて螺旋巻きした螺旋状ライナーとを備え、前記螺旋状ライナーは前記ホース内管の内側に配置され、前記所定の間隔は、前記固形物の粒径を考慮して定めた所定の間隔であり、前記螺旋状ライナーが、連続体であり、前記ライナー材の断面が中空部を有する形状に形成されており、前記ライナー材の表面と前記中空部とを連通する開孔を有し、前記中空部に供給される流体が前記開孔を介して前記フレキシブルホ―スの内部に噴出するように構成されていることを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記ライナー材は、複数のライナー片を不連続に成形したものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 螺旋周方向の前記ライナー片と前記ライナー片との間隔が、前記固形物を球体に仮定した場合、前記球体に仮定した前記固形物が隣り合う前記ライナー片と前記ライナー片に接触したときに、前記ホース内管に前記球体に仮定した前記固形物の外周端が接触しない間隔に定められていることを特徴とする請求項11に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 複数の前記ライナー片と前記ライナー片との間を、柔軟性を有した材料で埋めたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 隣り合う前記ライナー材と前記ライナー材との間を、柔軟性を有した材料で埋めたことを特徴とする請求項4から請求項13のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記ホース内管の外周に他の部材を積層し補強を行ったことを特徴とする請求項4から請求項14のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記螺旋状ライナーを構成する前記ライナー材を、前記スラリーの流れ方向に対して、上流側の板厚よりも下流側の板厚が厚い断面が非対称形状を成す形状に形成したことを特徴とする請求項4から請求項15のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 前記フレキシブルホースの外表面に、前記スラリーを流す方向を示す表示手段を備えたことを特徴とする請求項16に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホース。
- 請求項6から請求項10のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法であって、金属製又は高弾性樹脂製のライナー材を螺旋状ライナーに成形する工程と、板状又は棒状を成したホース内管材を前記成形した前記螺旋状ライナーの外表面に螺旋状に巻き付け前記ホース内管材を接合してフレキシブルホースに成形する工程とを備えたことを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法。
- 請求項6から請求項10のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法であって、低弾性樹脂製のライナー材を板状又は棒状を成したホース内管材の表面に連続成形する工程と、前記ライナー材を内側にして前記ホース内管材を芯棒の周りに螺旋状に巻き付け前記ホース内管材を接合してフレキシブルホースに連続成形する工程と、前記芯棒を外す工程とを備えたことを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法。
- 請求項11から請求項13のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法であって、板状又は棒状のホース内管材の表面に複数の高弾性材料のライナー片を不連続に成形する工程と、前記ライナー片を内側にして前記ホース内管材を芯棒の周りに螺旋状に巻き付け前記ホース内管材を接合してフレキシブルホースに連続成形する工程と、前記芯棒を外す工程とを備えたことを特徴とする螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法。
- 請求項4から請求項6、又は請求項11から請求項13のうちの1項に記載の螺旋状ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法であって、板状又は棒状のホース内管材の表面に、化学的な方法、又は物理的な方法により板又は棒の両側又は片側に間隙を設けながら、連続又は不連続に前記ライナー材に相当するライナー材相当部を形成する工程と、前記ライナー材相当部の耐摩耗性を高めるように改質する工程と、前記ライナー材相当部を内側にして前記ホース内管材を芯棒の周りに螺旋状に巻き付け前記ホース内管材を接合してフレキシブルホースに連続成形する工程と、前記芯棒を外す工程とを備えたことを特徴とする螺旋ライナーを用いたフレキシブルホースの製造方法。
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