JP6674813B2 - 保持具 - Google Patents

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Description

本発明は被研磨物の研磨加工時に、被研磨物を保持するための保持具に関する。
一般に、半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板等の材料(被研磨物)では、高精度な平坦性が要求されるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行なわれている。特に近年では回路の微細化や精細化が進み、高度な平坦性の要求が高くなってきている。通常、これらの被研磨物の研磨加工には、被研磨物を片面ずつ研磨加工する片面研磨機が使用されている。この片面研磨機では、保持用定盤(上定盤)に保持された被研磨物が、研磨用定盤(下定盤)に装着された研磨パッドで研磨加工される。研磨加工時には、研磨粒子を含む研磨液が研磨パッドの研磨領域に供給される。
片面研磨機を使用した研磨加工では、被研磨物に汚染や欠陥を引き起こすことなく被研磨物全体を確実に保持し、かつ高い面内均一性を確保するために、保持用定盤に軟質クロス等の保持シートが装着される。この保持シートによる被研磨物の保持性が不十分なときは、研磨加工中に被研磨物の横ずれや脱落を生じ、被研磨物を平坦に研磨加工することが難しくなる。
この横ずれや脱落を抑制するため、被研磨物を挿入可能な貫通穴が形成された枠材が保持シート上に貼付けられた保持具が用いられている。被研磨物は、保持用定盤に装着した保持具に保持されて研磨加工され、研磨加工後に保持具から取外される。
デバイス作製に用いられる半導体ウエハ等の被研磨物は、非常に高精度な平坦性が要求されている。被研磨物は保持具における保持シートの保持面に保持された状態で、研磨パッドによって加圧されるものであり、該保持面にうねり等の凹凸が存在すると、それらが被研磨物に転写されて該被研磨物の平坦性を損なう。
被研磨物の平坦性を向上させることを目的に、特許文献1に記載の保持具では、成膜後の保持シートの表面をバフ加工したり、枠材をラッピング及び/又は研磨し厚み精度の向上を図っている。
特開2009-208199号公報
特許文献1に記載の保持具によれば、保持シートと枠材の各部材の加工厚みのばらつきを改善することはできる。しかしながら、このような保持シートに枠材を貼り付けた製品状態の保持具では、保持シートと枠材を貼り付ける工程で、枠材を貼り付けた保持シートの該枠材に形成された貫通穴の内部に位置する保持面にうねりを生じ易く、当該保持具における保持シートの保持面に保持される被研磨物が研磨パッドによって研磨されるときに、被研磨物と研磨パッドとの接触状態が不良になり、当該被研磨物の表面形状を高度に向上させることが困難であった。
本発明の課題は、保持シートに枠材を貼り付けた製品状態の保持具において、当該保持具における保持シートの保持面に保持される被研磨物が研磨パッドによって研磨されるときの当該被研磨物の平坦性等の表面形状を向上することにある。
請求項1に係る発明は、被研磨物を保持するための保持面を有する保持シートと、前記保持シートの前記保持面に対する裏側面に接着される基材シートと、前記保持シートの前記保持面に熱融着され、前記被研磨物を挿入可能な少なくとも1つの貫通穴が形成された枠材と、前記基材シートの他面側に接着される剥離紙付き両面テープと、を有してなる保持具において、前記基材シートが熱抵抗値を5.4×10 −3 2 ×K/W以上、8.0×10 −3 2 ×K/W以下とする耐熱性の基材シートからなり、前記両面テープを有してなる保持シートの保持面が前記枠材に形成された貫通穴の直径に対するたわみ量の比で表されるたわみ率(式1)が、0以上、0.60%以下の範囲内にあるようにしたものである。
(式1) たわみ率(%)=たわみ量(mm)÷貫通穴直径(mm)×100
請求項に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記耐熱性の基材シートがポリエチレンテレフタレートからなり、その厚みが150μm以上、500μm以下の範囲内にあるようにしたものである。
本発明の保持具によれば、保持シートの保持面に対する裏側面に接着される基材シートを耐熱性の基材シートからなるものにしたから、枠材と保持シートとが熱プレスされて接着されるとき、基材シートが熱塑性変形することを低減し、枠材が貼り付けられた保持シートの保持面におけるたわみに起因したうねりの発生を抑制できる。また、保持シートの保持面が枠材に形成された貫通穴の直径に対するたわみ量の比で表されるたわみ率が、0以上、0.60%以下の範囲内にあるものにしたから、保持シートの保持面におけるうねりの発生を確実に抑制できる。従って、保持シートに枠材を貼り付けた製品状態の保持具において、当該保持具における保持シートの保持面に保持される被研磨物が研磨パッドによって研磨されるときの当該被研磨物の平坦性等の表面形状を向上することができる。
図1は本発明の保持具を示す模式断面図である。 図2は保持具における保持シートの保持面に生ずるたわみ量の測定手段を示す模式分解図である。 図3は保持具における保持シートの保持面に生ずるたわみ量の測定状態を示し、(A)は模式平面図、(B)は模式断面図である。 図4は保持具における保持シートの保持面に生ずるたわみ量の測定方向を示す模式平面図である。 図5は本発明例に係る保持具のたわみ量測定結果を示す線図である。 図6は比較例に係る保持具のたわみ量測定結果を示す線図である。 図7の(A)は本発明例の保持具における保持シートの保持面に生ずるうねりの有無の示す模式図、(B)は比較例の保持具における保持シートの保持面に生ずるうねりの有無の示す模式図である。
(保持具100の構成)
本発明の一実施形態である保持具100は、図1に示す如く、保持シート10と、基材シート20と、両面テープ30と、枠材40を有して構成され、被研磨物Wが研磨パッドによって研磨加工されるときに該被研磨物Wを保持する。
保持シート10は、被研磨物Wを保持するための保持面11を有する。保持シート10は、湿式成膜法により作製された例えば発泡ポリウレタンシートによって形成される。保持シート10は、厚みを均一化するために、湿式成膜時に形成されたスキン層側の表面にバフ処理が施され、このバフ処理によってスキン層が除去され、このバフ処理された面が被研磨物Wを保持するための保持面11を構成する。
保持シート10の保持面11に対する裏側面には、保持具100を研磨装置の上定盤(保持用定盤)に貼り付けるために、基材シート20を介して両面テープ30が接着されている。基材シート20はポリエチレンテレフタレート(PET)等のシートからなり、ポリエステル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤やスチレン樹脂系接着剤等の接着剤で保持シート10に接着される。
両面テープ30は、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムからなる支持材を有しており、支持材の両面にアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤等の粘着剤を備えており、一面側の粘着剤で基材シート20に接着され、他面側の粘着剤を剥離紙で覆っている。
枠材40は、保持シート10の保持面11に熱融着性接着剤としての熱融着シートで熱融着され、被研磨物Wを挿入可能な少なくとも1つ(本実施形態では1つ)の貫通穴41が形成されている。枠材40は、ポリカーボネイト、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、高分子ポリエチレン、結晶化ポリエステル、カーボンファイバーエポキシ、テトロンエポキシ積層板、ガラスエポキシ積層板等の被加工性と強度を兼ね備えた材料から形成される。本実施形態では、ガラス繊維強化エポキシ樹脂によって形成され、外径が保持シート10と同一で、内径が被研磨物Wを挿入可能とする大きさの円環状となるように形成されている。即ち、枠材40の中央部には、被研磨物Wを挿入可能とする貫通穴41が形成されている。
枠材40と保持シート10の保持面11は、熱融着性接着剤を用い、70乃至100℃で熱プレスされて接着される。熱融着性接着剤としては、アクリル系、ニトリル系、ニトリルゴム系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の各種の接着剤を挙げることができる。保持シート10が発泡性ポリウレタンシートからなるときには、ポリウレタン系の熱融着性接着剤を用いることが好ましい。
従って、保持具100は以下の如くに製造される。
バフ処理された保持シート10の裏面側に基材シート20を介して両面テープ30の一面側の粘着剤を貼り合わせる。両面テープ30の他面側には剥離紙が残されている。次いで、保持シート10の保持面11に枠材40を熱融着性接着剤によって接着する。このとき、枠材40と保持シート10を、表面が平坦な治具を用いて押圧する。また、熱融着性接着剤が軟化する程度に枠材40及び保持シート10を加熱して熱プレスすることで接着力を高めることができる。そして、表面にキズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行ない、保持具100を完成させる。
しかるに、本実施形態の保持具100にあっては、基材シート20が耐熱性の基材シートからなるものとされる。そして、保持具100の製品完成状態で、基材シート20が接着された保持シート10の保持面11において、枠材40に形成された貫通穴41の直径に対するたわみ量の比で表されるたわみ率が、0以上、0.60%以下(より好適には0.56%以下)の範囲内にある。
ここで、本発明において規定される耐熱性の基材シート20とは、当該基材シート20の熱抵抗値が5.0×10−32×K/W以上、1.0×10−22×K/W以下の範囲内にあるものとすることができ、より好ましくは、熱抵抗値が5.4×10−32×K/W以上、8.0×10−32×K/W以下の範囲内にあるものとすることができる。
また、耐熱性の基材シート20としては、PEEK、ポリイミド、エポキシ、PET樹脂等があげられるが、本発明の実施例において規定される耐熱性の基材シート20としては、ポリエチレンテレフタレートからなり、その厚みが150μm以上、500μm以下の範囲内にあるものとすることもでき、より好ましくは、厚みが200μm以上、400μm以下の範囲内にあるものとすることもできる。ポリエチレンテレフタレート基材の厚みが150μm未満であると枠材と保持シートを熱融着する際の熱の伝導性が良好で基材の変形を起こしやすく、接着面のずれ等により、たわみ率が大きくなり好ましくない。またポリエチレンテレフタレート基材の厚みが500μmを超える厚さのものであると、変形は抑制できるが、生産性や保持定盤へ貼り付け作業性が難しくなり好ましくない。
尚、被研磨物Wの研磨加工を行なうときは、片面研磨機の上定盤に装着した保持具100で該上定盤に被研磨物Wを保持させる。上定盤と対向するように配置された下定盤には被研磨物Wを研磨加工するための研磨パッドを装着する。上定盤に保持具100を装着するときは、両面テープ30の剥離紙を取り除き、これによって露出した両面テープ30の粘着剤を上定盤に接触させて押圧する。保持シート10の保持面11に適量の水を含ませ、枠材40の貫通穴41に被研磨物Wを挿入する。被研磨物Wを保持シート10の保持面11に押し付けることで、保持面11の微多孔や開孔に浸入した水の表面張力及び保持シート10の弾性により被研磨物Wが保持具100を介して上定盤に保持される。研磨加工時には、被研磨物Wと研磨パッドとの間に研磨粒子を含む研磨液(スラリ)を供給するとともに、被研磨物Wに圧力をかけながら上定盤及び下定盤を回転させることで、被研磨物Wを研磨加工する。
従って、本実施形態の保持具100によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)枠材40と保持シート10は異素材のために相互接着性が悪く、感圧型の両面テープ30では接着力が弱い。感圧型の両面テープは水系のスラリの接触・浸透により接着力が経時で低下し剥離が生じるため好ましくない。従って、枠材40と保持シート10は、熱融着性接着剤を用い、70乃至100℃に熱プレスされて接着される。本発明者の知見によれば、従来の保持具100では、この熱プレスによって、保持シート10の保持面11に対する裏側面に接着されているポリエチレンテレフタレート等の基材シート20が熱塑性変形してたわみ(伸び)及び/又はそれに伴う接着面のずれ等により、枠材40が貼り付けられた保持シート10の保持面11にうねりを生ずることを認めた。
そこで、本発明の保持具100では、保持シート10の保持面11に対する裏側面に接着されている基材シート20を耐熱性の基材シート20からなるものにし、枠材40と保持シート10が熱融着性接着剤を用い、熱プレスされて接着されるとき、上記基材シート20が熱塑性変形等してたわむことを低減し、枠材40が貼り付けられた保持シート10の保持面11にたわみに起因したうねりが生じにくいようにした。そして、この保持具100において、保持シート10の保持面11が枠材40に形成された貫通穴の直径に対するたわみ量の比で表されるたわみ率が、0以上、0.60%以下の範囲内にあるものにし、上記保持シート10の保持面11に生ずるうねりの発生を確実に抑制するものとした。
また、この保持具100では、保持具100が上定盤(保持用定盤)に貼り付けられるとき、保持具100において上定盤との間にエア噛みを生じにくく、保持シート10の保持面11におけるうねりがエア噛みによって顕在化することも回避できる。図7(A)は本実施形態の保持具100において、うねりの少ない保持シート10及び基材シート20並びに両面テープ30の裏面側にエア噛みを生じていない状態を示している。図7(B)は従来例の保持具100において、うねりの大きな保持シート10及び基材シート20並びに両面テープ30の裏面側にエア噛みを生じ易く、保持シート10の保持面11におけるうねりがそのエア噛みによって顕在化した状態を示している。エア噛みを生じなかった場合においても、枠材の熱変形が小さいことを考慮すると保持シートのたわみが大きな保持具は貼り付け時にひずみが生じ、保持面内で部分的に凹凸が残り平坦性を悪化させる。
従って、保持シート10に枠材40を貼り付けた製品状態の保持具100において、枠材40を貼り付けられた保持シート10の該枠材40に形成された貫通穴の内部に位置する保持面11のうねりを低減させ、保持面の平坦性を改善し、当該保持具100における保持シート10の保持面11に保持される被研磨物が研磨パッドによって研磨されるときの当該被研磨物の平坦性、表面粗さ等の表面形状を向上できる。
これにより、保持具100における保持シート10の凹凸の少ない保持面11に保持される被研磨物が、研磨パッドによって研磨加工されるときの該研磨パッドとの接触状態を良好化し、当該被研磨物の表面形状を向上することができる。
(b)前記基材シート20の熱抵抗値が5.0×10−32×K/W以上、1.0×10−22×K/W以下の範囲内にあるものとした。これにより、基材シート20の上述(a)の耐熱性と、保持シート10の保持面11において上述(a)で規定されるたわみ率とを安定的に確保できるものとした。
(c)前記耐熱性の基材シート20がポリエチレンテレフタレートからなり、その厚みが150μm以上、500μm以下の範囲内にあるものとした。これにより、基材シート20の上述(a)の耐熱性と、保持シート10の保持面11において上述(a)で規定されるたわみ率とを安定的に確保できるものとした。
以下、本実施形態に従い製造した保持具10の実施例について説明する。尚、比較のために製造した比較例の保持具についても併記する。
(実施例1)
保持シート10として、湿式成膜法にて厚み0.60mmに成膜し、厚み0.40mmになるまでスキン層側(保持面11の側)をバフ処理した多数の気泡を有する発泡性ポリウレタンシートを準備した。この発泡性ポリウレタンシートの裏面(保持面11とは反対側の面)側に基材シート20として熱抵抗値0.614×10−32×K/WのPET(ポリエチレンテレフタレート)製シート(厚み350μm)を、接着剤を介して貼り合わせた。PET製シートの裏面(発泡性ポリウレタンシートを貼り合わせた面とは反対側の面)側に両面テープ30を貼り合わせた後、外径355mmの円形に裁断し保持パッドを得た。次いで、保持パッドにおける発泡性ポリウレタンシートのバフ処理を施した面に、該発泡性ポリウレタンシートと同一外径を有する円環状の枠材40(材質:ガラスエポキシ積層板、厚さ:0.70mm、内径:302mm)を、熱融着性接着剤を介して保持パッドにおける発泡性ポリウレタンシートの保持面11側に固定し、保持具100を製造した。
(実施例2)
基材シート20の熱抵抗値を5.56×10−32×K/W(厚み250μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして保持具100を得た。
参考例1
基材シート20の熱抵抗値を5.37×10−32×K/W(厚み188μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして保持具100を得た。
(比較例1)
基材シート20の熱抵抗値を4.35×10−32×K/W(厚み100μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして保持具100を得た。
実施例1乃至2、参考例1、比較例1の各基材シート20のPET厚み、各基材シート20の熱抵抗値を表1に示す。尚、基材シート20の熱抵抗値は以下の測定方法により測定した。
(基材シート20の熱抵抗値の測定)
熱抵抗は使用する材料の厚さにおいて、熱の伝わりにくさを表わす。
熱抵抗は、厚さを熱伝導率で除することにより求めた。
熱伝導率の測定方法は以下の通りであり、B型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック株式会社製:サーモラボII・KES−F7)を用いて測定した。温度20℃×相対湿度65%の条件下(アンチルーム付恒温恒湿の部屋の中)で、水冷で20℃に維持されている定温台に、基材シート20を構成するPET基材の5(cm)×5(cm)に切り出した試料を載せ、ヒーターで30℃に保持した熱源台をその上に載せた(荷重6gf/cm2)。この状態で、熱源台の温度を30℃に保持するのに要する消費電力P(W)を測定し、測定しておいたPET基材の厚みD(mm)、接触面積A=5×5(cm2)、試料面の温度差ΔT=10(K)から、熱伝導率を以下の式により算出した。
熱伝導率(W/(m・K))=P・(D×10−3)/((A××10−4)・ΔT)
このようにして得られた熱伝導率を用いて、以下の式により熱抵抗値を算出した。
熱抵抗値(m2×K/W)=D/熱伝導率
(保持具100のたわみ率の測定)
実施例1乃至2、参考例1、比較例1の各保持具100において、保持シート10の保持面11が枠材40に形成された貫通穴41の中心に位置する中心部で生ずるたわみ量を測定し、たわみ量を貫通穴の直径で除することによりたわみ率、たわみ率(%)=たわみ量(mm)÷貫通穴の直径(mm)により、表1の結果を得た。尚、本測定において、貫通穴の直径は302mmである。また、たわみ量の測定は製品状態の保持具100において、両面テープ30の最下面が離型紙となる状態で行なった。
図2、図3に示す如く、定盤1上に保持具100の枠材40と同一形状を有する円環状台座2(厚み4mm)を設置し、その上に保持具100を載せ、円柱の錘3(質量500g、材質SUS304、直径40mm高さ45mm)を枠材40の上面の4か所に載せて該保持具100を固定した。これにより保持具100における枠材40の貫通穴41内にある保持シート10及び基材シート20並びに両面テープ30が定盤1に接触せず、たわみ量を測定することができる。
図4に示す如く、非接触式平坦度測定機(スピードファム株式会社製フラットチェイサー)により、保持具100のA方向とB方向(それぞれ直交する方向)に沿う各位置で保持シート10における保持面11の高さを測定し、2方向の平均を表1に示した。保持シート10の保持面11において最もたわみが大きい中央部の高さと、該保持面11の最外周部の高さとの差により、当該保持シート10における保持面11の中心部で生ずるたわみ量を求めた。非接触式平坦度測定機は保持具100のA方向とB方向に沿ってレーザー光L(図3参照)を照射し、保持シート10における保持面11の高さ情報を取得可能にする。
実施例1における非接触式平坦度測定機の測定データを図5に示し、比較例1における非接触式平坦度測定機の測定データを図6に示した。図5、図6において、実線データはA方向の測定データを示し、一点鎖線データはB方向の測定データを示す。実施例、参考例及び比較例のガラスエポキシの位置には差がみられなかったことより、たわみ率の差は基材シート等の変形(伸び)等によるものと考えられる。
(研磨性能評価)
実施例1乃至2、参考例1、比較例1の保持具100を用いたシリコンウェハの研磨加工を、下記の研磨条件で行ない、研磨レートにより保持具の性能を評価した。研磨レートは、研磨パッドによって被研磨物を研磨加工する際の研磨効率を示す数値の一つであり、1分間当たりの研磨量を厚さの単位で表したものである。研磨加工前後の被研磨物の重量減少を測定し、被研磨物の研磨面積及び比重から計算により研磨レートを算出した。研磨レートの測定結果は、比較例1の研磨レートを1.0としてその比で示している。測定結果を表1に示した。
(研磨条件)
使用研磨機:不二越株式会社製、MCP−150X
研磨パッド:フジボウ愛媛株式会社製、#27
回転数:(研磨定盤)60r/m、(保持定盤)50r/m
研磨圧力:100g/cm2
揺動幅:10mm(揺動中心値より200mm)
揺動移動:1mm/min
研磨剤:フジミ社製 研磨液:Granzox3900RS /希釈濃度:1(研磨液):19(水)
被研磨物:8インチφシリコンウェハ(厚み750μm)
研磨時間:20分間
Figure 0006674813
[評価結果]
比較例1では、保持シート10における保持面11のたわみ率が大きく、両面テープ30を定盤に貼り付けたときに、両面テープ30の裏面と定盤との間にエアを噛み込んでしまい、両面テープ30及び基材シート20に支持される保持シート10における保持面11の平坦性が悪化した。これに伴い、シリコンウェハと研磨パッドの接触状態が不均一なものとなり、研磨レートが低下した。
実施例1乃至2、参考例1では、保持シート10における保持面11のたわみ率が減少し、シリコンウェハと研磨パッドの接触状態が均一で平坦に研磨が進行し、結果として比較例1よりも研磨レートが向上した。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、保持シートに枠材を貼り付けた製品状態の保持具において、当該保持具における保持シートの保持面に保持される被研磨物が研磨パッドによって研磨されるときの当該被研磨物の平坦性等の表面形状を向上することができる。
10 保持シート
11 保持面
20 基材シート
30 両面テープ
40 枠材
41 貫通穴
100 保持具

Claims (2)

  1. 被研磨物を保持するための保持面を有する保持シートと、
    前記保持シートの前記保持面に対する裏側面に接着される基材シートと、
    前記保持シートの前記保持面に熱融着され、前記被研磨物を挿入可能な少なくとも1つの貫通穴が形成された枠材と、
    前記基材シートの他面側に接着される剥離紙付き両面テープと、を有してなる保持具において、
    前記基材シートが熱抵抗値を5.4×10 −3 2 ×K/W以上、8.0×10 −3 2 ×K/W以下とする耐熱性の基材シートからなり、前記両面テープを有してなる保持シートの保持面が前記枠材に形成された貫通穴の直径に対するたわみ量の比で表されるたわみ率が、0以上、0.60%以下の範囲内にあることを特徴とする保持具。
  2. 前記耐熱性の基材シートがポリエチレンテレフタレートからなり、その厚みが150μm以上、500μm以下の範囲内にある請求項に記載の保持具。
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