以下、第1の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図2において、10は電気掃除装置を示し、この電気掃除装置10は、自律走行型の電気掃除機11と、この電気掃除機11の基地部となる集塵装置としてのダストステーション12とを備えている。
図1に示す電気掃除機11は、設置面(被掃除面)である床面F上を自律走行(自走)しつつ床面Fを掃除する、いわゆるロボットクリーナ(掃除ロボット)である。すなわち、この電気掃除機11は、床面F全体を自動掃除するものである。この電気掃除機11は、中空状の本体ケース20と、この本体ケース20を床面F上で走行させる走行部21と、床面Fなどの塵埃を掃除する掃除部22と、ダストステーション12を含む外部装置と通信する通信部23と、センサ部24と、走行部21、掃除部22および通信部23を制御する電気掃除機制御手段(電気掃除機制御部)としての本体制御部26と、これら走行部21、掃除部22、通信部23および本体制御部26などに給電する二次電池27とを備えている。そして、この電気掃除機11は、少なくとも掃除終了時にはダストステーション12の位置に移動してこのダストステーション12と接続されるように走行制御される。本実施形態では、この電気掃除機11は、例えばダストステーション12を起点として掃除を開始し、掃除が終了するとダストステーション12に帰還して接続されるように走行制御される。
本体ケース20は、例えば合成樹脂などにより扁平な円柱状(円盤状)などに形成されており、床面Fに対向する下面に集塵口である吸込口31が開口されている。また、この本体ケース20には、吸込口31から吸い込んだ塵埃を溜める集塵部32が設けられている。さらに、この本体ケース20には、集塵部32内の塵埃を排出するための塵埃排出口33が設けられていてもよい。塵埃排出口33は、吸込口31と別個でもよいし、吸込口31を塵埃排出口33として用いてもよい。
走行部21は、複数(一対)の駆動部としての駆動輪34、これら駆動輪34を駆動させる動作部としての駆動手段であるモータ35、図示しない旋回用の旋回輪などを備えている。
掃除部22は、例えば本体ケース20内に位置して塵埃を吸い込む電動送風機38を備えている。この掃除部22は、例えば吸込口31に回転可能に取り付けられて塵埃を掻き上げる回転清掃体としての回転ブラシや、本体ケース20の前側などの両側に回転可能に取り付けられて塵埃を掻き集める旋回清掃部としての補助掃除手段であるサイドブラシなどをさらに備えていてもよいし、電動送風機38に代えて、回転ブラシ、あるいはサイドブラシを備えていてもよい。
通信部23は、ダストステーション12などの外部装置との間で、無線信号を送受信する送受信部を備えている。
センサ部24は、例えば本体ケース20の前方や周囲などの所定距離以内の壁や家具などの物理的な物体(障害物)の存否を検出する非接触物体検出手段あるいは接触検出手段、および、本体ケース20の下部の床面Fの段差などを検出する例えば赤外線センサなどの段差検出手段(段差検出部)などを備えている。
本体制御部26は、例えば電気掃除機制御手段本体(電気掃除機制御部本体)であるCPU、このCPUによって読み出されるプログラムなどの固定的なデータを格納した格納部であるROM、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの各種メモリエリアを動的に形成するエリア格納部であるRAMなど(それぞれ図示せず)を備えるマイコンである。また、この本体制御部26は、走行部21の各モータ35、掃除部22の電動送風機38、通信部23、および、センサ部24などと電気的に接続されている。そして、この本体制御部26は、センサ部24による検出結果に基づいて自律走行する走行モードと、二次電池27を充電する充電モードと、動作待機中の待機モードとを有している。
また、二次電池27は、例えば本体ケース20の外面などに露出する接続部としての充電端子39と電気的に接続されていてもよい。
一方、ダストステーション12は、概略として、電気掃除機11に対して、電気掃除機11の集塵部32に捕集した塵埃を回収する機能を有している。また、このダストステーション12は、電気掃除機11とは別個の、図示しないモップや箒、あるいはフロア用掃除具などの、床面Fの一部を局所的に掃除するのに適したダストコントロール製品に対して、これらにより集められる塵埃、あるいはこれらに付着する塵埃を吸い込む機能を有している。そして、このダストステーション12は、床面Fの任意の場所に配置されている。なお、このダストステーション12の二次電池27を充電する機能を備えていてもよい。
具体的に、ダストステーション12は、ケース体41と、このケース体41に設けられた第1の吸込口42および第2の吸込口43と、塵埃回収部としての集塵容器44と、ケース体41内に収容された吸込手段45と、ケース体41の内部に位置する吸込風路46と、切換手段47と、電気掃除機11の接続を検出する検出部48と、制御手段としての集塵制御部49と、吸込手段45、検出部48、および集塵制御部49などの電源となる電源部50とを備えている。また、このダストステーション12には、電気掃除機11の二次電池27を充電する機能を備える場合、充電用端子51を設けてもよい。
ケース体41は、例えば合成樹脂などにより箱状に形成されている。このケース体41は、例えば直方体状となっている。
第1の吸込口42は、自動用吸込口とも呼び得るもので、ダストステーション12に接続される電気掃除機11が接続されるものである。この第1の吸込口42は、例えばケース体41の正面側に位置している。この第1の吸込口42は、例えば電気掃除機11の塵埃排出口33と接続されるように構成してもよいし、吸込口31と接続されるように構成してもよい。すなわち、この第1の吸込口42は、電気掃除機11の集塵部32と連通されるように接続される。したがって、以下、電気掃除機11がダストステーション12に接続されるとは、第1の吸込口42と電気掃除機11の集塵部32とが連通する状態となることをいうものとする。なお、ダストステーション12に電気掃除機11の二次電池27を充電する機能を備える場合、電気掃除機11がダストステーション12に接続されたときには、電気掃除機11の充電端子39とダストステーション12の充電用端子51とが接続されるものとする。
第2の吸込口43は、手動用吸込口とも呼び得るもので、電気掃除機11とは別個のダストコントロール製品により掻き集めた塵埃およびこのダストコントロール製品に付着した塵埃を吸い込むものである。この第2の吸込口43は、例えばケース体41の側面側の下部、すなわち床面Fに隣接して開口されている。換言すれば、この第2の吸込口43は、ケース体41の下部を切り欠いて形成されている。
そして、これら第1の吸込口42と第2の吸込口43とは、それぞれ吸込風路46と連通されており、集塵容器44を介して吸込手段45の吸込側(上流側)にいずれか一方が選択的に接続されるように構成されている。
集塵容器44は、吸込手段45の動作により第1の吸込口42または第2の吸込口43から吸込風路46を介して吸い込んだ塵埃を捕集する部分である。この集塵容器44としては、紙パックやフィルタ、あるいは遠心分離装置など適宜のものを用いることができる。この集塵容器44には、電気掃除機11がダストステーション12に接続されたときに開かれることでこの集塵容器44を吸込風路46と連通させるための蓋を設けることが好ましい。
吸込手段45は、例えば電動送風機であり、電源部50からの給電により動作することで発生させた負圧を、集塵容器44および吸込風路46を介して第1の吸込口42または第2の吸込口43に作用させるように構成されている。
吸込風路46は、第1の吸込口42と第2の吸込口43とにそれぞれ連通するように分岐されたダクト部である。
切換手段47は、吸込風路46に対する第1の吸込口42と第2の吸込口43との連通を選択的に切り換えることで第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれかを選択的に吸込手段45と接続させるものである、この切換手段47は、切換手段本体としての切換弁53と、被操作部であるボタン54とを備えている。また、この切換手段47には、切り換えを検出するマイクロスイッチなどの接続検出手段(接続検出部)55が設けられていてもよい。さらに、この切換手段47は、吸込手段45を使用者が手動でオンオフさせるオンオフスイッチの機能を兼ねている。
切換弁53は、吸込風路46の分岐部に配置されており、ボタン54の操作に連動して吸込風路46の分岐部のいずれか一方を閉塞し他方を開くように動作することで、第1の吸込口42を吸込手段45の吸込側に接続させる第1の位置と、第2の吸込口43を吸込手段45の吸込側に接続させる第2の位置とが交互に切り換わるように構成されている。
ボタン54は、例えばケース体41の上部など、使用者が操作しやすい箇所に露出して設けられている。このボタン54を押し操作することで、切換弁53が第1の位置と第2の位置とに切り換え動作を行うように構成されている。このボタン54の操作と切換弁53とは、機械的に連動させてもよいし、電気的に連動させてもよい。
接続検出手段55は、切換弁53によって第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれが吸込手段45に接続されているかを検出するものである。換言すれば、この接続検出手段55は、切換弁53が第1の位置にあるか、第2の位置にあるかを検出するものである。
検出部48は、電気掃除機11がダストステーション12に接続されたか否かを定期的に検出するものである。具体的に、この検出部48は、例えば電気掃除機11の通信部23から、電気掃除機11がダストステーション12に接続されたときに出力される無線信号を受信することで電気掃除機11がダストステーション12に接続されたことを検出する。
集塵制御部49は、吸込手段45の動作を制御するもので、例えば制御手段本体(制御部本体)であるCPU、このCPUによって読み出されるプログラムなどの固定的なデータを格納した格納部であるROM、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの各種メモリエリアを動的に形成するエリア格納部であるRAMなど(それぞれ図示せず)を備えるマイコンである。この集塵制御部49は、接続検出手段55および検出部48とそれぞれ電気的に接続されており、接続検出手段55による切換弁53の切り換え位置の検出、換言すれば第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれが吸込手段45と接続されているかの検出、および、検出部48による電気掃除機11のダストステーション12に対する接続の検出の有無を監視している。また、この集塵制御部49は、第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれが現在吸込手段45と接続されているかを識別するための現状態識別子Sと、ダストステーション12に対して電気掃除機11が接続されているか否かを識別するための接続識別子Dと、吸込手段45の駆動が制限されているか否かを示す吸込識別子Rと、吸い込みの開始からの時間をカウントするための複数の第1のタイマT1(n)(n=0、1、2、…、N−1、Nは吸込手段45の連続的な動作を許可する上限回数)と、第1のタイマT1(n)のインデックスを示すためのタイマポインタTPと、吸込手段45の駆動が制限されてからの時間をカウントするための第2のタイマT2とを備えている。本実施形態では、現状態識別子Sは、第1の吸込口42が吸込手段45と接続されている状態で1、第2の吸込口43が吸込手段45と接続されている状態で2、初期状態で0となる。接続識別子Dは、ダストステーション12に対して電気掃除機11が接続されていないときに0、ダストステーション12に対して電気掃除機11が接続されているときに1となる。吸込識別子Rは、吸込手段45の駆動が制限されていないときに0、制限されているときに1となる。また、この集塵制御部49は、第1の吸込口42を吸込手段45に接続して吸い込んだ時間をカウントする第1のカウンタC1と、第2の吸込口43を吸込手段45に接続して吸い込んだ時間をカウントする第2のカウンタC2とを備えている。なお、切換弁53を電気的に動作させる場合には、この集塵制御部49によって切換弁53の動作を制御してもよい。また、この集塵制御部49には、ダストステーション12の電気掃除機11の二次電池27の充電の機能を備える場合には、充電用端子51と電気的に接続される定電流回路などの充電回路を備えることもできる。この充電回路は、集塵制御部49に一体的に設けられていてもよいし、集塵制御部49と別個に設けられていてもよい。
電源部50は、本実施形態では、商用交流電源などの図示しない外部電源から給電するための電源コードを備えたコードリール装置が用いられるが、例えば電池などを用いることもできる。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
ダストステーション12は、概略として、第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態での起動から自動停止までの第1の処理、第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態から第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態に切り換わったときの第2の処理、第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態での第3の処理、および、第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態での吸込手段45の自動停止の第4の処理をそれぞれ行う。
より具体的に、電源部50を外部電源に接続した状態、すなわち通常の起動状態で、ダストステーション12は、切換手段47の切換弁53が第1の位置、すなわち第1の吸込口42が吸込手段45と接続された状態となっている。この状態で、例えば掃除を終了した電気掃除機11がダストステーション12に帰還してこのダストステーション12に接続されると、集塵制御部49が吸込手段45を起動させて電気掃除機11の集塵部32に捕集した塵埃を、第1の吸込口42から吸込風路46を介して集塵容器44へと吸い込んで回収する。集塵制御部49は、吸込手段45が第1の所定時間(例えば10秒)動作すると、この吸込手段45を自動停止させる。
また、ダストステーション12に電気掃除機11が接続された状態で、本体制御部26が充電モード、あるいは待機モード時であるとき、すなわち、電気掃除機11の集塵部32からダストステーション12の集塵容器44への塵埃の移送が行われていないとき、または、電気掃除機11がダストステーション12から離脱して掃除をしているとき(検出部48により電気掃除機11がダストステーション12に接続されていることを検出しないとき)などに、使用者がボタン54を操作すると、切換弁53が動作して第1の吸込口42が吸込手段45に接続される状態から第2の吸込口43が吸込手段45に接続される状態へと切り換わり、集塵制御部49が吸込手段45を起動させてダストコントロール製品などの塵埃を、第2の吸込口43から吸込風路46を介して集塵容器44へと吸い込ませて回収させる。この後、使用者が再度ボタン54を操作すれば、集塵制御部49が吸込手段45を停止させるとともに、切換弁53が動作して第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態から第1の吸込口42が吸込手段45と接続される状態に切り換わるが、例えば使用者が仮に第2の所定時間(例えば第1の所定時間と異なりこの第1の所定時間より長い30秒)以上ボタン54を操作しなかった場合には、省エネルギーなどのために集塵制御部49が吸込手段45を自動停止させる。
また、第1の吸込口42により電気掃除機11の集塵部32からの塵埃を吸い込んでいるときにボタン54の操作により第2の吸込口43が吸込手段45と接続されるように切り換わったときには、第1の吸込口42からの吸い込みを中断して、第2の吸込口43からの吸い込みを開始する。
これら動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら、より詳細に説明する。この図3に示すフローチャートでは、後述するステップ1ないしステップ15の処理が、上記第1の処理に対応し、ステップ1ないし4およびステップ16ないしステップ18の処理が、上記第2の処理に対応し、ステップ1ないし3およびステップ19ないしステップ24の処理が、上記第3の処理に対応し、ステップ1ないし3、ステップ15、ステップ19、ステップ25およびステップ26の処理が、上記第4の処理に対応している。
すなわち、ダストステーション12は、電源が投入されると集塵制御部49の各カウンタC1,C2、接続識別子D、現状態識別子S、吸込識別子R、およびタイマポインタTPをそれぞれ初期化する(ステップ1)。
次いで、集塵制御部49は、接続検出手段55の検出をチェックすることにより、第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれが吸込手段45と接続されているかを検出し(ステップ2)、この検出に基づき、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されているか否かを判断する(ステップ3)。
このステップ3において、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されていると判断した場合には、集塵制御部49は、続いてこれまで吸込手段45に接続されていたのが第1の吸込口42であったか、すなわち現状態識別子Sが1であるか否かを判断する(ステップ4)。したがって、このステップ3およびステップ4のブロックにより、集塵制御部49は、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されている状態が継続しているかを判断している。
そして、ステップ4において、現状態識別子Sが1であると判断した場合には、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されている状態が継続しているものと判断し、集塵制御部49は、ダストステーション12に電気掃除機11が接続されていないか、すなわち接続識別子Dが0であるかを判断する(ステップ5)。
このステップ5において、接続識別子Dが0である、すなわちダストステーション12に電気掃除機11が接続されていないと判断すると、集塵制御部49は、検出部48の検出をチェックし(ステップ6)、ダストステーション12に電気掃除機11が接続されたか否かを判断する(ステップ7)。
このステップ7において、ダストステーション12に電気掃除機11が接続されていないと判断した場合には、所定の単位時間待機した(ステップ8)後、ステップ2に戻る。この単位時間待機するステップ8は、ステップ2の入力から、ステップ8の出力までの時間が所定時間となるように調整することで、カウンタC1,C2およびタイマT1(n),T2でカウントする時間単位が所定時間となる。一方、ステップ7において、ダストステーション12に電気掃除機11が接続されていると判断した場合には、集塵制御部49は、接続識別子Dを1に設定し(ステップ9)、後述する吸込要求処理を行い(ステップ10)、第1のカウンタC1をインクリメント(第1のカウンタC1に1を加算)して(ステップ11)、ステップ8に進む。
また、ステップ5において、接続識別子Dが0でない、すなわちダストステーション12の電気掃除機11が接続されていると判断すると、集塵制御部49は、第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態で第1の所定時間より長く連続的に動作したか否か、すなわち第1のカウンタC1が第1の所定時間に対応する予め記憶された第1の時間閾値ST1より大きいか否か(C1>ST1)を判断する(ステップ12)。
このステップ12において、第1のカウンタC1が第1の時間閾値ST1より大きくない(第1の時間閾値ST1以下である)と判断した場合には、吸込手段45をまだ継続して動作させてよいものと判断し、ステップ11に進む。
一方、ステップ12において、第1のカウンタC1が第1の時間閾値ST1より大きいと判断した場合には、第1の吸込口42から電気掃除機11の集塵部32の塵埃を充分にダストステーション12の集塵容器44に移送できたものと判断し、集塵制御部49は、接続識別子Dを0に初期化し(ステップ13)、吸込手段45を停止させ(ステップ14)、第1のカウンタC1を0に初期化し(ステップ15)、ステップ8に進む。なお、以下、吸込手段45を停止させるステップは、吸込手段45が既に停止している場合、吸込手段45の停止をそのまま継続するステップとする。
なお、以下、ステップ5ないしステップ7およびステップ9ないしステップ15の処理を、第1の吸込処理として定義する。
一方、ステップ4において、現状態識別子Sが1でない(0である)と判断した場合には、第2の吸込口43が吸込手段45に接続されていた状態からボタン54の操作によって第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態に切り換わるように切換弁53が動作されたものと判断し、使用者が第2の吸込口43の利用中である、すなわち第2の吸込口43から吸込手段45の駆動によりダストコントロール製品などの塵埃を集塵容器44へと吸い込んでいることが想定されることから、集塵制御部49は、現状態識別子Sを1に設定し(ステップ16)、吸込手段45を停止させ(ステップ17)、第2のカウンタC2を0に初期化した(ステップ18)後、ステップ8に進む。すなわち、使用者が第2の吸込口43から塵埃を吸い込んでいるときにボタン54を操作すると、集塵制御部49が吸込手段45を停止させるとともに第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態に切り換わる。換言すれば、第2の吸込口43の使用が終了したときには、使用者がボタン54を操作することで吸込手段45が停止して第2の吸込口43からの塵埃の吸い込みを終了し、第1の吸込口42が吸込手段45に接続される待機状態となる。
また、ステップ3において、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されていない(第2の吸込口43が吸込手段45と接続されている)と判断した場合には、集塵制御部49は、これまで吸込手段45に接続されていたのが第2の吸込口43であったか、すなわち現状態識別子Sが2であるか否かを判断する(ステップ19)。したがって、このステップ3およびステップ19のブロックにより、集塵制御部49は、第2の吸込口43が吸込手段45に接続されている状態が継続しているかを判断している。
そして、ステップ19において、現状態識別子Sが2でないと判断した場合には、ボタン54の操作によって第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態から第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態に切り換わるように切換弁53が動作されたものと判断し、集塵制御部49は、現状態識別子Sを2に設定し(ステップ20)、接続識別子Dを0に初期化し(ステップ21)、第1のカウンタC1を0に初期化した(ステップ22)後、後述する吸込要求処理を行い(ステップ23)、第2のカウンタC2をインクリメント(第2のカウンタC2に1を加算)し(ステップ24)、ステップ8に進む。このとき、第1の吸込口42が使用中である、すなわち、第1の吸込口42から電気掃除機11の集塵部32の塵埃を吸い込んでいることが想定されることから、接続識別子Dおよび第1のカウンタC1を0に初期化することで、次回第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態に切り換わったときに第1の時間閾値ST1と第1のカウンタC1との差分(ST1−C1)の時間分、第1の吸込口42から吸い込むことを防止する。
一方、ステップ19において、現状態識別子Sが2であると判断した場合には、第2の吸込口43が吸込手段45に接続されている状態が継続しており、使用者が第2の吸込口43の利用中であることが想定されることから、集塵制御部49は、第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態で第2の所定時間より長く連続的に動作したか否か、換言すれば第2のカウンタC2が第2の所定時間に対応する予め記憶された第2の時間閾値ST2より大きいか否か(C2>ST2)を判断する(ステップ25)。
このステップ25において、第2のカウンタC2が第2の時間閾値ST2より大きくない(第2の時間閾値ST2以下である)と判断した場合には、吸込手段45をまだ継続して動作させてよいものと判断し、ステップ24に進む。
一方、ステップ25において、第2のカウンタC2が第2の時間閾値ST2より大きいと判断した場合には、吸込手段45の長時間の連続動作による過熱を考慮して、集塵制御部49は吸込手段45を停止させ(ステップ26)、ステップ8に進む。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、上記の吸込要求処理を説明する。
集塵制御部49は、吸込識別子Rが0であるか否か、換言すれば吸込手段45の駆動が制限されていないか否かを判断する(ステップ31)。
このステップ31において、吸込識別子Rが0であると判断した場合には、吸込手段45の駆動が制限されていないものとし、集塵制御部49は、タイマポインタTPをインクリメント(タイマポンタTPに1を加算)し(ステップ32)、吸込手段45を駆動させる(ステップ33)。一方、ステップ31において、吸込識別子Rが0でないと判断した場合には、吸込手段45の駆動が制限されているものとし、吸込手段45を駆動させることなくリターンする。なお、以下、吸込手段45を駆動させるステップは、吸込手段45が既に駆動している場合、吸込手段45の駆動を継続するステップとする。
このように、第1の吸込口42が吸込手段45に接続された状態では吸込手段45を駆動させるとともに第1の所定時間後に自動的に停止させ、第2の吸込口43が吸込手段45に接続された状態では、所定の操作、例えばボタン54の操作により吸込手段45を駆動および停止可能であるとともに、吸込手段45が駆動している状態で第1の所定時間と異なる第2の所定時間以上停止されないときには吸込手段45を自動的に停止させるので、第1の吸込口42を用いるときと第2の吸込口43を用いるときとで、それぞれに適した吸込手段45の動作時間を設定できる。
例えば自律走行型の電気掃除機11の集塵部32から塵埃を吸い込んで集塵容器44に移送する第1の吸込口42の場合には、電気掃除機11がダストステーション12に接続(帰還)したときに吸い込めばよく、また、使用者が不在のときに電気掃除機11が掃除をする場合もあるので、吸込手段45を使用者が手動操作などによって起動させるのではなく、電気掃除機11がダストステーション12に接続されたタイミングで自動的に吸込手段45を起動させることで第1の吸込口42からの吸い込みを開始して、使用者の負担を低減し、使い勝手を向上できる。また、電気掃除機11はダストステーション12(第1の吸込口42)に対して、毎回略同じ状態で接続されるだけでなく、集塵部32から集塵容器44への塵埃の移送は比較的短時間で完了するため、第1の吸込口42から塵埃を吸い込む場合には吸込手段45を長時間動作させる必要はなく、決まった吸込時間で自動停止させることにより、吸込手段45を使用者が手動操作などによって停止させるなどの負担がなく、使い勝手を向上できる。
一方、モップなどのダストコントロール製品に付着した、あるいはダストコントロール製品により掻き集めた塵埃を集塵容器44へと吸い込む第2の吸込口43の場合には、使用者がダストコントロール製品を使用した後の任意のタイミングでの吸込手段45の起動が必要になるとともに、塵埃の量や付着具合によって必要な吸込時間が毎回異なることが想定されるため、吸込手段45の起動および停止のタイミングを使用者が所定の操作、本実施形態ではボタン54の操作によって自主的に決定することで、吸込時間の不足や過剰が生じにくく、使い勝手を向上できる。また、長時間連続して動作した場合、すなわち吸込手段45が第1の所定時間よりも長い第2の所定時間連続して動作した場合には吸込手段45を自動停止させることで、吸込手段45が動作したままの状態を長時間に亘って継続することがなく、エネルギーの無駄な消費を抑制できる。
さらに、本実施形態では、第1の吸込口42と第2の吸込口43とのいずれに接続されているかに拘らず、吸込手段45が所定の制限時間(例えば一時間)内に所定回数(例えば20回)以上駆動されたときに、吸込手段45の駆動に制限をかける。また、吸込手段45の駆動が制限された状態から所定の復帰時間後に吸込手段45を駆動可能に復帰させる。
より詳細に、図5に示すフローチャートを参照して説明すると、集塵制御部49は、吸込識別子Rが0であるか否か、すなわち吸込手段45の駆動が制限されていないか否かを判断する(ステップ41)。
このステップ41において、吸込識別子Rが0である(吸込手段45の駆動が制限されていない)と判断した場合には、集塵制御部49は、タイマポインタTPが上限回数N未満であるか否か(TP<N)を判断する(ステップ42)。
このステップ42において、タイマポインタTPが上限回数N以上であると判断した場合には、集塵制御部49は、吸込識別子Rを1に設定し(ステップ43)、ステップ44に進む。
一方、ステップ42において、タイマポインタTPが上限回数N以上でないと判断した場合には、集塵制御部49は、第1のタイマT1(0)が所定の制限時間に対応する第1の時間閾値TH1未満であるか否か(T1(0)<TH1)を判断する(ステップ44)。
このステップ44において、第1のタイマT1(0)が第1の時間閾値TH1未満であると判断した場合には、集塵制御部49は、全ての第1のタイマT1(0),T1(1)、T1(2)、…、T1(TP−1)をインクリメント(全ての第1のタイマT1(0),T1(1)、T1(2)、…、T1(TP−1)に1を加算)し(ステップ45)、制御を終了する。
一方、ステップ44において、第1のタイマT1(0)が第1の時間閾値TH1未満でない(第1の時間閾値TH1以上である)と判断した場合には、集塵制御部49は、第1のタイマT1(m)(m=0、1、2、…、TP−2)に第1のタイマ(m+1)を代入するとともに第1のタイマT1(TP−1)を0に初期化し(ステップ46)、タイマポインタTPをデクリメント(タイマポインタTPから1を減算)し(ステップ47)、ステップ45に進む。
また、ステップ41において、吸込識別子Rが0でない(吸込手段45の駆動が制限されている)と判断した場合には、集塵制御部49は、第2のタイマT2をインクリメント(第2のタイマT2に1を加算)し(ステップ48)、第2のタイマT2が所定の復帰時間に対応する第2の時間閾値TH2未満であるか否か(T2<TH2)を判断する(ステップ49)。
このステップ49において、第2のタイマT2が第2の時間閾値TH2未満であると判断した場合には、そのままステップ42に進む。
一方、ステップ49において、第2のタイマT2が第2の時間閾値TH2未満でない(第2の時間閾値TH2以上である)と判断した場合には、集塵制御部49は、吸込識別子Rを0に設定し(ステップ50)、第2のタイマT2を0に初期化した(ステップ51)後、ステップ42に進む。
このように、吸込手段45を所定の制限時間内に所定回数以上駆動させたときには、吸込手段45の駆動を制限するので、吸込手段45の過熱を、例えばサーミスタなどの高価な素子を用いることなく安価に、かつ、確実に抑制でき、ダストステーション12のケース体41の内部が高温になることを抑制できるとともに、必要なときに吸込手段45(ダストステーション12)を確実に稼動させることができる。
特に、第1の吸込口42および第2の吸込口43は、それぞれ吸込風量が少ない用途なので、吸込手段45を充分に冷却することが容易でないため、上記のように吸込手段45の過熱を抑制できることで、吸込風量が少ない用途であっても、ダストステーション12の信頼性を向上できる。
また、吸込手段45の駆動を制限した後、所定の復帰時間後に吸込手段45の駆動の制限を解除するので、吸込手段45の動作を適切に復帰させることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、吸込手段45が第1の吸込口42に接続されている場合と、第2の吸込口43に接続されている場合とのいずれの場合でも、吸込手段45の所定の制限時間内の駆動回数に制限を設けたが、第1の吸込口42に接続されている場合、あるいは第2の吸込口43に接続されている場合にのみ、吸込手段45の所定の制限時間内の駆動回数に制限を設けるように構成してもよい。例えば図6に示す第2の実施形態のように、ステップ23に代えて、吸込手段45の駆動を開始するステップ55を備えることで、第1の吸込口42が吸込手段45に接続されているときにのみ吸込手段45の所定の制限時間内の駆動回数に制限を設けることができ、例えば図7に示す第3の実施形態のように、ステップ10に代えて、吸込手段45の駆動を開始するステップ56を備えることで、第2の吸込口43が吸込手段45に接続されているときにのみ吸込手段45の所定の制限時間内の駆動回数に制限を設けることができる。したがって、これらの実施形態により、吸込手段45の温度上昇の要因が第1の吸込口42からの吸い込みと第2の吸込口43からの吸い込みとのいずれに依存するかに応じて、吸込手段45の駆動の制限をかけるか否かを選択することができる。
次に、第4の実施形態を図8ないし図10を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第4の実施形態は、上記第1の実施形態に加えて、図8および図9に示すように、ダストステーション12が通知手段としての表示手段であるランプ57を備えるものである。
ランプ57は、ケース体41の例えば上部など、使用者によって目視し易い箇所に配置されている。このランプ57としては、例えばLEDが用いられる。また、このランプ57は、例えば集塵制御部49によって点灯状態が制御されるように構成されている。
そして、本実施形態では、図10に示すフローチャートのように、ステップ43の後に、集塵制御部49は、ランプ57を点灯状態として(ステップ61)ステップ44に進む制御と、ステップ50の後、集塵制御部49は、ランプ57を消灯状態として(ステップ62)ステップ51に進む制御とをさらに備える。すなわち、吸込手段45の駆動を制限したときに点灯状態となって表示し、吸込手段45の駆動の制限が解除されたとき(吸込手段45の駆動が制限されていないとき)に消灯状態となるランプ57を備えることにより、吸込手段45の駆動が制限されていること、および、駆動が制限されていない(制限が解除された)ことを使用者に容易に報知できる。
次に、第5の実施形態を図11および図12を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施形態は、上記第4の実施形態において、ランプ57が電源ランプを兼ねるものである。
すなわち、ランプ57は、ダストステーション12の電源投入状態(電源コードを壁面などのコンセントに接続して外部電源から電源が供給されるようになった状態)で点灯するように構成されている。本実施形態では、ランプ57は、電源非投入時には消灯し、吸込手段45の駆動が制限されている状態では点滅し、その他の場合には点灯するように点灯制御される。したがって、このランプ57は、電源の投入状態と、電源の非投入状態と、吸込手段45の駆動が制限されている状態とで、互いに異なる表示状態で表示する。
具体的に、図11に示すように、制御の開始(電源の投入)後に、ステップ1の前に集塵制御部49がランプ57を点灯状態とするランプ57が点灯するステップ65と、図12に示すように、ステップ61に代えて、集塵制御部49がランプ57を点滅状態とするステップ66と、ステップ62に代えて、集塵制御部49がランプ57を点灯状態とするステップ67とを備える。なお、電源非投入状態では、電源部50からランプ57に電源が供給されないので、自動的にランプ57は消灯状態となる。
このように、ランプ57の点灯、消灯および点滅によって、使用者は電源状態や吸込手段45の駆動が制限されているか否かを容易に認識できる。
また、ランプ57が電源ランプを兼ねるので、電源ランプを別個に設ける必要がなく、部品コストを低減できる。
なお、上記第4および第5の実施形態において、ランプ57の点灯状態の変化は、点灯、点滅、消灯の他に、例えば点灯色が異なるなどの変化とすることもできる。
また、通知手段としては、ランプ57に限らず、例えば音声などを用いた通知とすることもできる。
さらに、上記第4および第5の実施形態は、上記第2の実施形態あるいは第3の実施形態と組み合わせることもできる。
そして、上記各実施形態において、吸込手段45の駆動は、所定の制限時間内の所定回数以上の駆動で制限したが、例えば所定の制限時間内の所定時間以上の駆動で制限することもでき、上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、吸込手段45の駆動を制限した状態から復帰する際に、第2のタイマT2を用いたが、例えばサーミスタなどの温度検出素子を用いて、吸込手段45の温度が所定の温度以下となったときに駆動の制限を解除するようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、第1の吸込口42に接続される電気掃除機11は、自律走行型でなくてもよく、例えば使用者がダストステーション12に電気掃除機11を設置したことを検出したり、充電式の電気掃除機11の充電端子の接続を検出したりすることで電気掃除機11が第1の吸込口42に接続されたことを検出してもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、吸込手段45の過熱を安価に、かつ確実に抑制でき、さらに必要なときに吸込手段45(ダストステーション12)を確実に稼動できるとともに、吸込手段45の動作が制限された状態から復帰するタイミングを容易に予測でき、容易に再稼動させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。