以下に、本発明に係る集塵装置の実施形態を添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る集塵装置の構成を示す。
本実施形態に係る集塵装置は、集塵機1と、払拭体としてのモップ7を備えたモップ掃除具2と、モップ清掃によりモップ7に付いた毛髪、体毛や糸くずなどの付着物を取り除くためのモップ再生マット3とを有する。本実施形態は、畳の敷かれた掃除領域9に集塵機1を設置してモップ掃除具2によって畳上のダストを清掃する清掃例を示す。
図2は集塵機1の内部構成を示す。
集塵機1は電気掃除機と同様の吸引ホース10によるホース集塵機能と、モップ掃除具2で収集した塵埃(ダスト)を吸気口4から吸引する払拭体ダスト集塵機能とを具備した両用型集塵機である。図2は集塵機1を払拭体ダスト集塵機能を動作させるときの状態を示す。
集塵機1は縦長形状の本体ケース40を有し、本体ケース40の上部には手47で把持可能な取っ手11が取り付けられている。本体ケース40下端には、モップ掃除具2による収集ダストを吸引するための吸気口4が開口されている。集塵機1においては、モップ7に付いた毛髪、体毛や糸くずなどの付着物を吸気口4を通じて取り除いて集塵、回収可能になっている。
本体ケース40内には、吸引モータ部42、吸引ホース10から吸引した空気から塵埃を除去するフィルタ部44、吸引モータ部42から排出される浄化空気を排気する排気フィルタ部43が設けられている。本体ケース40の下部には、電源コード13を収納するコード収納部46が設けられている。
吸気口4は本体ケース40の略横幅に亘って開口された横長形状を有している。該開口部分の上辺側には、ゴム又は弾性樹脂等により形成された掻落板48が垂下されている。吸気口4は略L字形の吸上管45に連通している。吸上管45の排出口は本体ケース40の背部に位置し、吸引ホース10の吸引口部41が挿着可能になっている。
図2における破線矢印は集塵動作時の吸引空気の流通方向を示している。集塵機1の電源スイッチ12をオンして、吸引モータ部42を回転駆動させると、吸気口4から空気が吸引される。モップ掃除具2で収集したダストを吸気口4の近傍に運ぶと、吸気口4より集塵機内部に吸引される。このとき、モップ7を吸気口4の近傍に近づけて掻落板48に擦りつけると、モップ7先端側に付着していた塵埃が落下させることができる。集塵機内部に吸引されたダストは空気中に混合されてダスト混合空気になる。ダスト混合空気は吸気口4から破線矢印方向のケース内側に吸い込まれ、吸上管45により上方に吸い上げられていく。
更に、ダスト混合空気は吸引ホース10の中を通過して、フィルタ部44内のフィルタでダストが分離集塵され、浄化された空気がフィルタ部44の出口から流出し、吸引モータ部42に吸い込まれていく。吸引モータ部42により浄化された空気は排気フィルタ部43を介して更に浄化されて、浄化空気が本体ケース40の背部より大気中へと放出される。
集塵機1をホース集塵機能として使用するときは、吸引ホース10の吸引口部41を吸上管45の排出口から取り外して、吸引口部41に例えば、T字形等のノズル体(図示せず)を挿着する。該ノズル体の挿着状態において、電源コード13を引き出して手47で取っ手11を掴んで装置全体を移動させるなどして、該ノズル体から外気を吸引してノズル清掃するノズル式集塵装置として使用することができる。集塵機1の下部にキャスタ車
輪を取着して、ノズル清掃時に移動しやすくしてもよい。
集塵機1は、電源スイッチ12の手動操作で吸引オン・オフを行う手動集塵機であるが、これに限らず、例えば、モップ7又はモップ掃除具2の接近検知により自動的に吸引オン・オフする自動集塵機を使用することができる。接近検知には例えば、集塵機1とモップ7に,一組のIDタグと検知センサを設けて該接近検知を行う通信検知システムを使用することができる。
モップ掃除具2は、長手状柄6の下端に取着した軸体8に脱着自在に取り付けれたパイル製モップ7を有する。モップ7は使用後に回収して再生されるダストコントロール製品である。本実施形態では、集塵機1、モップ掃除具2及びモップ再生マット3がセットとしてレンタル可能な製品となっている。
モップ掃除具2に代えて、スポンジ体、ブラシ体、払拭布又は払拭紙で払拭体を構成した掃除具あるいは払拭体単体を使用することができる。長手状柄6の使い捨てにならないように、パイルモップと同様に、汚れたときに取替え可能な形体の払拭体を使用するのが好ましい。
図3の(3A)はモップ再生マット3の縦断面図である。同図3(3C)はモップ再生マット3の部分拡大断面縦断面図である。図4の(4A)はモップ再生マット3の平面図である。
モップ再生マット3は、(3A)に示すように、平板状基材の矩形状ゴム板5の下辺側に傾斜織布3aを固着した敷きマット形体を有する。ゴム板5には、傾斜織布3a以外に、幅L1の集塵機1設置領域が設けられている。傾斜織布3aは略凸状の6角形状を有する。傾斜織布3a先端側の上辺部の幅L3は吸気口4の横長さと略同程度である。集塵機1設置領域において、傾斜織布3aの該上辺部に対し吸気口4を対向させ、モップ7を摺動し得る幅L2分離間して集塵機1を設置するのが好ましい。この離間領域を設けることにより、モップ7を摺動させて傾斜織布3aでモップ7から擦り落とした毛髪等の付着物を吸気口4に押入れやすくすることができる。ゴム板5の裏面には、表側でモップ7を移動させてもゴム板5自体がずれたりしないように滑り止めの多数の凹凸部(図示せず)が形成されている。
平板状基材には、ゴム材の他に、例えば、ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のプラスチックシート材、合板材、クラフト紙、絨毯やカーペット布材などを使用することができる。
傾斜織布3aは、(4A)に示すように、野球のホームベース様の変形6角形状を有した基布上に多数の傾斜パイル3bを植設した傾斜パイル材で構成されている。本実施形態においては、平板状基材にゴム板を用いて、傾斜織布3aを該平板状基材に加熱圧着する加熱圧着手段によって傾斜織布3aをゴム板5に固着している。即ち、ゴム板5の原料である加硫ゴム基板上に傾斜織布3aを載せた状態で、加圧・加熱することによって、傾斜織布3aはゴム板5と一体的に固着されている。傾斜織布3aはゴム板5の縁部を除いてほぼゴム板全面に固着、形設されている。
傾斜布帛を平板状基材に固着する固着手段としては、モップ7を傾斜織布3aに擦りつけてモップ7に付着した付着物の掻き落としを確実且つ円滑に行えるように、付着物の掻き落とし作業時に傾斜織布3aが動かないように保持できれば、加熱圧着手段以外の固着手段を使用することができる。
例えば、傾斜織布3aを布材等の平板状基材に縫着する縫着手段、傾斜織布3aを平板状基材に接着する接着手段を使用することができる。また、一組の鉤片とファスナーからなる係止ファスナーを用い、鉤片とファスナーを夫々、傾斜織布3a、平板状基材に縫着ないし接着して、係止ファスナーにより傾斜織布3aを平板状基材に係着する係着手段を使用することができる。
傾斜織布3aはナイロン糸で編成したナイロン製基布B上に多数のナイロン製傾斜パイル3bを植設した傾斜パイル材で構成されている。
図3の(3B)は傾斜織布3a用傾斜パイル材の製造方法の一例を説明するための図である。この傾斜パイル材の製造例において、ナイロン製基布Bを2層にして、その2層間をナイロン糸により傾斜状に且つジグザグ状に縫製した後、破線Cに示すように、2層間の傾斜ナイロン糸Dを分断して傾斜状触子の傾斜パイル3bが形成される。このように製造された傾斜パイルは、例えば、衣類に付いた塵芥の除去用ハンディ清掃具にも適用可能である。
傾斜パイル3bを基布の2層間においてナイロン糸を傾斜状に縫製して形成しているが、この傾斜パイルの形成に限定されず、例えば、基布の2層間においてナイロン糸を垂直状に縫製して2層間の垂直ナイロン糸を分断して垂直状の触子を形成した後、アイロン掛けにより該垂直状の触子を傾斜状に熱変形させることにより傾斜パイルを形成することができる。
本実施形態においては、本発明に係る傾斜布帛として傾斜パイル材で構成した傾斜織布3aを使用している。該傾斜布帛として、例えば、ブラシ状、刷毛状あるいはパイル状の傾斜状触子を網面上に突出させて織成したネット材、あるいは該傾斜状触子を表側に露出形成した不織布などにより構成することができる。
傾斜織布3a(傾斜布帛)の素材には、ナイロン等の合成繊維の他に、例えば、木綿等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維を使用することができる。
傾斜パイル3bの場合、図3の(3C)に示すように、湾曲して撓んだ形状の傾斜状触子になっているが、これに限らず、撓みのない直線状に傾斜した傾斜状触子を備えた傾斜布帛を使用することができる。
傾斜パイル3bにおいてはナイロン糸の分断によりストレートな先端形状の傾斜状触子になっているが、これに限らず、例えば、フック状ないし鉤状の傾斜状触子を備えた傾斜布帛、あるいは、糸径より大きい玉状の先端部を形成した傾斜状触子を備えた傾斜布帛を使用することができる。
傾斜織布3aの全体において、毛髪等の掻き落とし効果を高めるべく、傾斜パイル3bの傾斜方向が所定方向に揃うように、つまり各傾斜状触子の向きが実質的に合致するように形成されている。(4A)の矢印Aで示すように、傾斜パイル3bの傾斜の向きは全体として傾斜織布3aの上辺側から下辺側に向く方向に揃っている。集塵機1をモップ再生マット3上に載置する態様としては、傾斜織布3aの各傾斜パイル3bが吸気口4に対する向き((3C)の矢印E)と逆方向に傾斜する向きに設置するのが好ましい。
傾斜織布3aには矩形や楕円状の平面形状のものを使用できるが、本実施形態では、吸気口4に向けて凸状に配置される変形6角形の平面形状を有するので、モップ7に付着した付着物を傾斜パイル3bにより掻き落として吸気口4に押し入れる際に、吸気口4に近づくにつれてモップ7が傾斜パイル3bから受ける摩擦抵抗を漸減させて付着物の集塵作業を円滑に行うことができる。
特に、傾斜織布3aの上辺部の幅L3は吸気口4の横幅と同程度に設定されているため、該上辺部付近からモップ7を直進的にスライド移動させるだけで、傾斜パイル3bにより掻き落としたモップ7の付着物を、該上辺部に対向した位置にセットされた吸気口4より効率的に集塵させることができる。
該凸状に配置される傾斜布帛の平面形状として、図4の(4B)に示すように、3角形の平面形状を備える傾斜織布3cを使用することができる。この形状例でも、傾斜織布3cの各傾斜パイル3dの向きは(4B)の矢印Fで示すように、全体として傾斜織布3cの頂点側から下辺側に向く方向に揃っている。傾斜織布3cの頂点を集塵機1設置領域側に向けてゴム板5上に傾斜織布3cを固着することによって、本実施形態と同様、吸気口4に近づくにつれてモップ7が傾斜パイル3dから受ける摩擦抵抗を漸減させて付着物の集塵作業を円滑に行うことができる。
上記構成の集塵装置において、モップ掃除具2により掃除領域9内のダストを収集して吸気口4に運んで集塵機1により吸引させてダスト集塵作業を行うことができる。更に、ダスト集塵作業を終えた場合などにおいて、毛髪等の付着したモップ7を集塵機1の吸気口4前方に配置された傾斜織布3a上を擦りつけるようにして前後移動させることにより、モップ7に付着した付着物を傾斜パイル3bにより掻き落としながら、該掻き落とした付着物を吸気口4に移動させて集塵機1により集塵することができる。
本実施形態によれば、一般清掃に供するダスト集塵機能に加え、モップ7を傾斜パイル3b上を移動させることにより、モップ7に絡みついた毛髪等の付着物を掻き落として集塵し得る付着物集塵機能を有するので、清掃作業によって生ずる毛髪等の付着物をモップ7から取り除く、面倒な手作業を行うことなく、ダスト集塵と同様に該付着物の集塵とモップ7の再生作業を円滑に行える集塵装置を実現することができる。
図5は本発明の別の実施形態に係るロボット式集塵装置を示す。
図5において、図1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を付している。この別の実施形態に係る集塵装置は、集塵機1及びモップ再生マット3の他に、掃除具として、掃除領域を自動走行する自動走行機能と、集塵機1による集塵位置を検知する検知機能とを有し、該掃除領域を自動走行しながら払拭体(モップ清掃部材33)によりダストを収集して該集塵位置に移動して集塵可能にした掃除ロボット31を有する。
掃除ロボット31は本体部32とモップ清掃部材33を有する。掃除ロボット31はモップ清掃部材33による清掃機能に加え、充電位置移動機能と、モップ清掃部材33の再生(清掃)位置移動機能とを備える。清掃機能の実行時には、掃除ロボット31は本体部32を先頭にしてモップ清掃部材33を床面に接触させながら前進可能になっている。この本実施形態は、掃除ロボット31と、モップ清掃部材33の再生処理が可能な集塵機1と、掃除ロボット31に充電可能な充電装置50により構成された掃除ロボットシステムの一構成例である。
図6は掃除ロボット31の外観を示す。図7は掃除ロボット31の縦断面構造図を示す。図8は掃除ロボット31を含む掃除ロボット式集塵装置の制御ブロック図を示す。
掃除ロボット31の本体部32は各種部材を実装した前方底板64及び後方底板65と、これらの底板を覆う長手状略卵型カバー部材66を有する。カバー部材66は内部を空間にした舟形形状を有する。カバー部材66は強化プラスチック材により成形加工された
部材又は薄肉板金加工により形成されている。本体部32の外観形状には略卵形に限らず、円盤形状や矩形等を使用することができる。
前方底板64は全体として略円形形状を有し、中央部より丸型前方部分側に略半円状の切り欠き部67が形成されている。切り欠き部67には底板全体より下方に位置する段差部分68が形設されている。
後方底板65は略長方形形状を有し、その前端部は前方底板64の後方部分と連結板69を介してビス止めされ、後方底板65は前方底板64に連結、固定され、該固定状態全体として平面視柄杓形を形成している。前方底板64及び後方底板65を分離して連結せずに、これら底板を一体成形し1枚の底板を使用することができる。前方底板64及び後方底板65は強化プラスチック材により成形加工された部材又は薄肉板金加工により形成されている。
前方底板64及び後方底板65の各外周部分にはカバー部材66を装着可能にする係合突起61が突設されている。前方底板64において、最前端に1個の係合突起61と、両側部に計4個の係合突起61が形設されている。カバー部材66の裏側端面には前方底板64の各係合突起61に嵌合可能な係合穴が5個穿設されている。カバー部材66の係合穴を夫々対応する前方底板64の係合突起61を嵌合させることにより、カバー部材66が前方底板64の実装部材を覆うように係着される。
後方底板65において、最後端に1個の係合突起61と、両側部に計4個の係合突起61が形設されている。カバー部材66の裏側端面には後方底板65の各係合突起61に嵌合可能な係合穴が5個穿設されている。カバー部材66の係合穴を夫々対応する後方底板65の係合突起61を嵌合させることにより、カバー部材66が後方底板65の実装部材を覆うように係着される。カバー部材66の装着には、係合突起と穴による係着手段以外にビス止め等の係着手段を使用することができる。
掃除ロボット31は走行の妨げになる障害物を検知する3種の障害物検知機能を有する。一つは前進走行自体の妨げになる直進方向又は斜め前方方向の障害を検知する前方障害検知機能である。二つ目は清掃エリアにある器物間、器物と壁との隙間が小さいときに、モップ清掃部材33が器物や壁に干渉(接触、引っ掛け等)して走行不能になるおそれがある障害を検知するモップ障害検知機能である。三つ目は段差部又はカーペット、絨毯、マット等の敷物により、走行不能に陥ったり転倒したりするおそれがある障害を検知する下方障害検知機能である。
カバー部材66の円弧状先頭部分の中心部には前方障害検知センサD1用の貫通穴部H1が穿設されている。貫通穴部H1の下方で左右両側近傍には、充電用入力端子の電極部T1、T2が露出して配設されている。該先頭部分の斜め前方の側部には、側方障害検知センサD2、D3用の貫通穴部H2が一対、穿設されている。該先頭部分の横側部には、側方障害検知センサD4、D5用の貫通穴部H3が一対、穿設されている。前方障害検知センサD1及び側方障害検知センサD2〜D5は赤外線センサにより構成されている。赤外線センサによる受光により壁面、柱材等の前方障害を検知することができる。前方障害検知センサD1及び側方障害検知センサD2、D3は前方障害検知機能に使用され、側方障害検知センサD4、D5はモップ障害検知機能に使用される。
前方障害検知センサD1及び側方障害検知センサD2〜D5は、夫々の貫通穴部に対応するカバー部材66の内側に、赤外線の投受光が可能に固着して取り付けられている。該固着はビス止めにより行われている。該固着は半田付けや接着等によっても可能である。各貫通穴部は穿設により空洞になっている。各貫通穴部に保護用の透明部材を埋設するよ
うにしてもよい。
前方底板64の前端部には、3個の下方障害検知センサ70〜72が固着して取り付けられている。該固着はビス止めにより行われている。該固着は半田付けや接着等によっても可能である。下方障害検知センサ70は前端中心位置に取り付けられている。下方障害検知センサ70、71は夫々、切り欠き部67より外側で、下方障害検知センサ70より内側に取り付けられている。各下方障害検知センサの取付位置には貫通穴部73が穿設されている。下方障害検知センサ70〜72は赤外線センサにより構成されており、各下方障害検知センサは夫々の取付位置の貫通穴部73を通じて赤外線の投受光が可能になっている。掃除ロボット31が掃除領域内の段差に近づいたときには、下方障害検知センサ70〜72が受光する反射光量が減退して、該段差の存在を検知することができる。掃除ロボット31は、該段差部分と床平面Fとの境界を識別し、該境界に近づいたときには該段差部分に進入しないように床平面F側に回避動作させる段差障害回避機能を具備している。
また、掃除ロボット31が掃除領域内に敷かれた絨毯類、マット類、カーペット類等の敷物に近づいたときには、下方障害検知センサ70〜72が受光する反射光量が減退して、該敷物の存在を検知することができる。掃除ロボット31は、該敷物と床平面Fとの境界を識別し、該境界に近づいたときには該敷物に進入しないように床平面F側に回避動作させる敷物障害回避機能も具備している。
前方底板64の前端部の前端中心位置には、充電位置移動機能及び再生位置移動機能のためのカラーセンサD6が固着して取り付けられている。該固着はビス止めにより行われている。該固着は半田付けや接着等によっても可能である。カラーセンサD6の取付位置には貫通穴部74が穿設されている。カラーセンサD6は貫通穴部74を通じて反射光の受光が可能になっている。
カラーセンサD6は走行床面領域と、それ以外の領域を色識別するためのRGBカラーセンサにより構成されている。該RGBカラーセンサは波長範囲(380〜780nm)の可視光領域を赤(R)、緑(G)、青(B)の夫々の色信号に分けて検出して色識別信号を出力することができる。
段差部分68には、1対の車輪(駆動輪)W1、W2と、各車輪を夫々、独立駆動する小型DCモータの駆動モータM1、M2が配設されている。駆動モータM1、M2は、ロボット本体部の長手方向の中心線を対称軸にして段差部分68上に固着されている。該固着はビス止めにより行われている。各モータ軸の各外端部に取着された車輪W1、W2は切り欠き部67より露出して配置されている。駆動モータM1、M2には夫々、各モータ軸の回転数から走行距離を計測して走行距離信号を出力する走行距離計m1、m2が内蔵されている。走行距離計m1、m2をモータ内蔵せずに各モータ軸に近接して配設することができる。掃除ロボット31は駆動モータM1、M2を夫々、独立駆動して、各モータの同時駆動、回転速度差の付加、駆動停止により、直進、方向変更、旋回の各駆動動作を行うことができる。各車輪はモータ軸の外端部に固着した円板(図示せず)にドーナツ状のタイヤゴム材(図示せず)を外嵌して構成されている。
後方底板65には、制御回路基板を含む制御ケース体75、充電池62、63を収容した電池ケース体76及びモップ清掃部材33の向きを変更させるモップ回動機構が実装されている。制御ケース体75と電池ケース体76は夫々、ビス止めにより固着されている。後方底板65の中央部には、スライドスイッチからなる電源スイッチ111が実装されている。電源スイッチ111のスライド操作部分は、該実装位置に穿設された開口部111aに内設されており、使用者の指操作による電源のON/OFFの切換が可能になって
いる。
モップ回動機構は、後方底板65の後部側に配設され、回動モータ77及び回動軸受部材78を有している。回動モータ77は小型DCモータにより構成され、後方底板65にビス止めして固着されている。回動モータ77の回転軸79には駆動歯車80が取着されている。
回動軸受部材78には、後方底板65に穿設した貫通穴84を挿通した回動軸81が挿着されている。回動軸81の頭部には、螺子部(図示せず)が形成されていて、該螺子部を介して回動歯車82がビス止めにより固着されている。回動歯車82は駆動歯車80と噛み合う状態で配置されており、回動モータ77の駆動により駆動歯車80と噛合した回動歯車82が回転して、回動軸受部材78の中心軸回りに回動軸81を回動させることができる。回動軸81の中間部には浅い嵌合溝(図示せず)が形成されており、回動軸受部材81の内側の突起が該嵌合溝に嵌められることにより、駆動歯車80と回動歯車82の噛合状態を保持するように脱落防止機能として作用する。回動歯車18の下側で、回動軸受部材78の上部には回動軸81の回転角を検出するためのポジショニングセンサ107が取着されている。ポジショニングセンサ107は回動軸81の回動量に応じて抵抗値が変化して、回転角信号を出力する抵抗型ポジショニングセンサである。ポジショニングセンサ107の回転角信号により回動軸81の回動量が検出可能になっており、該回転角信号の検出に基づいて回動モータ77の駆動制御が行われる。ポジショニングセンサ107の回転角検出を行わずに、回動モータ77のパルス駆動により回動軸81の回動量を制御するようにしてもよい。
モップ清掃部材33は、図6に示すように、モップ35と、モップ35を被着するための長手状軸片34を有する。モップ35は、基布35aの外周全域を覆うように植設されたパイル外糸を有し、その内部には長手状軸片34に挿着される袋部35bが形成されている。
長手状軸片34の中央には、回動軸81下端に連結するための台座部と、台座部の上部に立設された突状片35cが一体成型されている。突状片35cの根元側にはビス止め用の貫通穴が穿設され、該貫通穴の貫通方向は長手状軸片34の長手方向と直交している。
回動軸81下端には、突状片35cが挿入可能な溝部が下方に向け開放状に形成されている。回動軸81下端には突状片35cの貫通穴に対応して、ビス止め用の貫通穴が穿設されている。突状片35cを該溝部に挿入して、回動軸81及び突状片35cの各貫通穴に螺子83を挿入してビス止めすることにより、長手状軸片34は回動軸81下端に固着されている。長手状軸片34を回動軸81下端に固着した固着状態において、長手状軸片34にモップ35を被せて装着することにより、モップ清掃部材33のロボット本体部への装着が可能になる。
回動モータ77の駆動により駆動歯車80と噛合した回動歯車82が回転して、回動軸受部材78の中心軸回りに回動軸81を回動させたとき、後方底板65の下部と、段差部分68と、床面Fの間に、モップ35の回動動作を妨げない空所が形成されている。
充電装置50は図5に示すように、前面側に掃除ロボット31の前頭部が挿入可能な凹部52を備えた装置ケース体51を有する。凹部52の正面奥には、掃除ロボット31の電極部T1、T2の夫々に接触して、充電電流の供給を可能にする電極部T3、T4が露出形成されている。
本実施形態においては、集塵機1にはノズル式集塵モードとして使用するときと、掃除
ロボット31のロボットモード使用時の夫々に対応する電源系統が設けられている。電源コード13と、商用電源に接続するコンセント用電源コード14の間には、電源系統の切換装置110が接続されている。切換装置110にはノズル式集塵装置モードと再生モードのいずれかを設定する設定スイッチ110aが設けられている。切換装置110は設定スイッチ110aをオフにしたときにはノズル式集塵装置モードとなり、オンにすると再生モードになる。切換装置110は、ノズル式集塵装置モードで商用電源と電源コード14を常時導通可能にする切換回路手段(図示せず)と、ロボットモードで掃除ロボット31からの無線指示信号Rdを受信して商用電源と電源コード14間の導通状態をオン・オフする電源ON/OFF切換装置134とを有する。ノズル式集塵モードのときには、本体ケース40の電源スイッチ12をオンすることにより集塵機1をマニュアルで作動させることができる。ロボットモードのときには、電源スイッチ12をオンした状態にして、掃除ロボット31からの無線指示信号Rd(導通オン信号又は導通オフ信号)の受信に応じて集塵機1を作動又は作動停止が自動的に行われる。
本実施形態では、掃除ロボット31の自動走行機能を利用して、モップ清掃部材33の自動清掃及び自動再生を行うために、無線通信を介して集塵機1の電源系統を切り換える切換装置110を外付けで使用して電源のON/OFFを行っているが、該切換機能を集塵機1内に内蔵させてもよい。無線通信による切換機能の他に、掃除ロボット31と集塵機1間で、該切換信号としての超音波信号や光信号を送受信して該切換を行うことができる。
集塵機1及び充電装置50は、掃除ロボット31が夫々の設置位置を自己判別して迅速に移動しやすいように、掃除領域内での所定位置に設置される。集塵機1は前記実施形態と同様に、モップ再生マット3の集塵機載置エリアに載置されている。集塵機1の設置位置は、図5に示すように、ゴム板5上に貼着された位置識別用カラーテープ37によって特定可能になっている。カラーテープ37は集塵機1の吸気口4の横幅と同程度の長さを有し、吸気口4の近傍で、且つ、吸気口4に並行して配設されている。
充電装置50の設置位置は、図5に示すように、位置識別用カラーテープ53によって特定可能になっている。カラーテープ53は充電装置50の凹部52の横幅と同程度の長さを有し、凹部52の近傍で、且つ、凹部52の幅方向に並行して床面に貼着されている。集塵機1及び充電装置50は、他の内装設備の有効配置を妨げないように掃除領域の壁際等に設定されるのが好ましい。充電装置50も走行が滑らかになるゴム板5上に設置するようにしてもよく、その場合にはカラーテープ53をゴム板5上の所定箇所に貼着することができる。
傾斜織布3aは前記実施形態と同様にゴム板5上に固着されている。傾斜織布3aはカラーテープ37の後方、つまり吸気口4より離れた位置に配設されている。傾斜織布3aの位置を特定するために、位置識別用カラーテープ36がゴム板5上において吸気口4と反対側の傾斜織布3a端部近傍の位置に貼着されている。色識別材としてはカラーテープに限らず、着色樹脂薄板を清掃床面に固定ないし貼着したり、集塵機1、充電装置50及びモップ再生マット3の構成部材の一部とすることができる。カラーテープ36、37、53は互いに固有のテープ色を有し、該テープ色は例えば、床面の色と異なる色、赤、青、緑等に設定される。カラーテープを貼りかえることにより掃除領域内で任意の位置に集塵機1、充電装置50及び傾斜織布3aの設置位置を変更することができる。
掃除ロボット31がモップ清掃部材33の再生のための再生位置移動機能を実行する実行モード(以下、再生モード)においては、掃除ロボット31を自動走行させて、カラーテープ36、37をカラーセンサD6により迅速に検出して、傾斜織布3a及び集塵機1の設置位置まで迅速に移動して再生処理を行うことができる。
掃除ロボット31が充電のための充電位置移動機能を実行する実行モード(以下、充電モード)においては、清掃エリアの区画域を規定する区画規定材に沿って、例えば、居室の壁に沿って掃除ロボット31を並行移動させる自動走行が行われる。係る充電モードにおける自動走行によって、壁際に貼付されたカラーテープ53をカラーセンサD6により迅速に検出して、充電装置50の設置位置まで迅速に移動して充電処理を行うことができる。カラーテープ36、37は、モップ再生マット3の再生処理の説明において、夫々、第2再生位置マーク、第1再生位置マークという。
カラーテープとカラーセンサD6によって床面色とテープ色とを識別して集塵機1等の各設置位置の検出を行うが、該検出態様の他に、集塵機1、充電装置50、モップ再生マット3又は傾斜織布3aに、設置位置を示す位置信号、例えば、光信号、超音波信号、赤外線信号あるいは電波信号を出力する出力機能を付加し、掃除ロボット31に該位置信号を受信する電源位置情報受信手段又は集塵(装置)位置情報受信手段を設けて該検出を行うことができる。集塵機1、充電装置50、モップ再生マット3又は傾斜織布3aから誘導信号を掃除ロボット31に与えて、集塵機1、充電装置50、モップ再生マット3又は傾斜織布3aからの誘引制御により各設置位置に掃除ロボット31を導くようにしてもよい。
掃除ロボット31を含む掃除ロボットシステムの制御構成を図8を参照して以下に説明する。
掃除ロボット1の制御部100は、CPU101を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、ROM102とRAM103を搭載したマイクロコンピュータにより構成されている。制御部100には、前方障害検知センサD1、側方障害検知センサD2〜D5、下方障害検知センサ70〜72、ポジショニングセンサ107及びカラーセンサD6の各センサ出力信号が入力可能になっている。
制御部100からは、左車輪モータM1駆動用電流の供給制御を行う左車輪モータ制御装置104及び右車輪モータM2駆動用電流の供給制御を行う右車輪モータ制御装置105の夫々に各車輪モータ駆動用制御信号が出力可能になっている。左車輪モータM1及び右車輪モータM2の夫々の走行距離計m1、m2の走行距離信号が制御部100に入力可能になっている。制御部100からは、回動モータ15駆動用電流の供給制御を行う回動モータ制御装置106に回動モータ駆動用制御信号が出力可能になっている。制御部100の出力側には無線信号発生装置112が接続されている。無線信号発生装置112は、集塵機1のON/OFFを切換える集塵ON/OFF切換装置134に、制御部100からの集塵機1のON/OFF指示信号に応じてON/OFF切換信号Rdを出力し、また、制御部100からの充電指示信号に応じて、充電装置5に充電開始信号Rvを出力する。無線信号発生装置112による通信制御は、IEEEの短距離無線通信規格に基づいて行われる。
集塵機1の制御部130は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロプロセッサ(図示せず)により構成された集塵制御部131を有する。集塵制御部131の出力側には集塵モータ駆動制御部132を介して集塵モータ133が接続されている。集塵モータ駆動制御部132は集塵制御部131からの集塵モータON/OFF指示信号に応じて、集塵モータ133用駆動電流の供給を制御する。集塵制御部131には、集塵ON/OFF切換装置134からのON/OFF信号が入力可能になっている。
充電装置50の制御部120は、充電制御部121、AC/DCコンバータ123及び充電回路122を有する。AC/DCコンバータ123は、商用電源124からのAC入
力電圧をDC電圧に変換して充電回路122に供給する。充電回路122は、AC/DCコンバータ123からDC出力電圧を受けて充電池(2次電池)62、63、への充電電流を供給する。充電制御部121は、掃除ロボット31の制御部100からの充電開始信号Rvを受信する受信回路を含み、充電開始信号Rvを受信して、充電回路122に含まれる2次電池向け充電電圧の供給経路をオンする充電指示信号が充電回路122に出力される。充電制御部121は充電開始信号Rvを受信してオンするタイマ装置(図示せず)を有する。該タイマ装置により充電回路122による充電電圧の供給時間が計時され、タイムアップすることにより充電制御部121から充電回路12に充電停止信号が充電回路122に出力されて、2次電池向け充電電圧の供給経路はオフになる。充電池62、63には、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池等を使用することができる。本実施形態においては、リチウムイオン2次電池を使用した場合、数分間の急速充電により、掃除ロボット1の稼働時間(約1.5時間)分の充電が可能になっている。
制御ボックス内には電源回路108が収納されている。電源回路108は、2次電池62、63から供給されたDC電圧を元にして、制御部100、各種センサ、各種制御装置及び各種モータ類の各部材に使用される各種電圧を生成して、各部材に供給する。なお、図8においては、各部材間の信号コード線や電源回路108からの電源コード線を省略している。電源回路108の電圧出力系統には電源スイッチ111が接続されている。電源スイッチ111のON/OFFに応じて該電圧出力系統は開成又は閉成される。
掃除ロボット31の各種動作モードを以下に説明する。
図9は掃除ロボット31の制御部100による主要な制御処理を示す。
電源スイッチ111のオンによりRAM103のデータを初期化する初期化処理(ステップS1)が実行される。制御部100による主要な制御処理の一つとして、充電時に充電装置5の設置位置(以下、充電位置という。)に移動して2次電池61、62の充電を行う充電処理(ステップS2)が実行される。また、モップ清掃部材33の再生時に再生位置に移動してモップ清掃部材33のモップ35の清掃再生を行う再生処理(ステップS3)が実行される。充電も再生も行わない通常時には清掃エリア内を自動走行してモップ清掃部材33による床掃除を行う清掃処理(ステップS4)が実行される。
図10は制御部100による清掃処理の概略を示す。
まず、清掃動作が可能か否かが判断される(ステップS10)。充電実行時や再生実行時でなく、清掃処理要の条件が満たされるときにステップS11以下の清掃処理が実行可能になる。制御部100には図示しない外部接続端子が設けられていて、制御部100は例えば、該外部接続端子を介してUSBケーブルを使用してデータ設定用端末に接続可能になっている。パソコン等の該端末により、制御部100に対して清掃処理要の条件(清掃条件)を任意に設定することができる。清掃条件は例えば、清掃実行時刻、1日当たりの清掃実行回数等である。
掃除ロボット31等の構成部材は未作動時には初期位置として壁際に配置されるようになっている。清掃条件を満たしている場合には、掃除ロボット31は壁際の所定スタート位置(待機位置)から近傍の壁に沿って移動する、初期軌道による前進走行を開始する(ステップS11)。係る前進走行により壁を検出したときには走行停止して(ステップS12、S13)、走行軌道が変更される。走行軌道変更は掃除ロボット31が180度旋回し、斜め30度程度に走行方向を変更することにより実行され、軌道変更後に前進走行が再開される(ステップS14、S15)。軌道変更及び前進走行は清掃エリア全域を走行するまで繰り返される(ステップS16、S17)。
掃除ロボット31の走行中に前方障害物を検出したときは前方障害回避処理が実行される。即ち、前進走行中に前方障害検知センサD1により、走行方向前方に壁や器物の障害物を検出したとき前進駆動を停止し、掃除ロボット31自身が反転旋回して走行方向を変えた後、前進走行が続行される。側方障害検知センサD2、D3により、斜め前方の障害を検出したときには、前進駆動を停止し、一旦後退駆動した後、掃除ロボット31自身が所定角度(45度)変更して走行方向を変えた後、前進走行が続行される。
掃除ロボット31の走行中にモップ障害物を検出したときはモップ障害回避処理が実行される。即ち、前進走行中に側方障害検知センサD4、D5により、モップ清掃部材33の通過が困難となる、走行方向横側に壁や器物の障害物を検出したときには前進駆動を停止し、回動モータ77を駆動してモップ清掃部材33を90度回動させた後、前進走行が再開される。前進走行の再開後、側方障害検知センサD4、D5による障害物の検出が無くなったときから、所定距離(10cm)を走行したとき前進駆動が停止され、ついで、回動モータ77を駆動してモップ清掃部材33の回動が行われるか否かが判断される。モップ清掃部材33の回動に支障がない場合には、回動モータ77を駆動してモップ清掃部材33を90度回動させて、モップ35は本体部32に対して清掃状態の略T字形に戻される。なお、本発明においては、掃除ロボット31の他に、例えば、本体部32の横幅より短い払拭体(モップ)を本体部32に脱着自在に取着してモップ清掃部材33の回動機構を有しない掃除ロボット等を使用することができる。
ROM101には、清掃エリアの広さに応じた走行距離と総走行時間が予め10%増しの値で設定されている。清掃エリア全域を走行したか否かは、該設定に係る走行距離又は総走行時間に到達したか否かにより判断される。走行距離計m1又はm2からの走行距離データは夫々、RAM103に記憶され、いずれかの走行距離データの値が先に該設定に係る走行距離値に達した場合に全域清掃済みと判断される。あるいは、清掃処理のための自動走行が開始されると、CPU101内蔵のタイマ機能により走行距離計m1又はm2からの走行距離データは夫々、RAM103に記憶され、清掃処理の所要時間が計時され、該所要時間が該設定に係る総走行時間値に達した場合に全域清掃済みと判断される。走行距離計は車輪W1、W2のいずれか一方側にのみ設けてもよく、実質的な走行距離を反映させるために、例えば、反転等の回転中心としない側の車輪W2側にのみ設けてもよい。
清掃エリア全域を走行した場合には、清掃開始時と同様に、壁に沿って走行してスタート位置に帰還する(ステップS18、S19)。スタート位置の確認は帰還走行時に集塵機1又は充電装置50の設置位置を検出したことを基準にして行われる。即ち、いずれかの該設置位置を検出した後に、集塵機1又は充電装置50から離れる向きに移動して近傍の壁を検出し、壁検出により壁沿いに走行可能な姿勢に変更して前進走行を停止し、次の清掃条件が発生するまで待機する(ステップS20)。
図11及び図12は制御部100によるモップ再生処理を示す。
まず、モップ再生要の条件を満たすか否かが判断される(ステップS100)。例えば、制御部100において予め設定された再生時刻に達した場合には該再生要の条件を満たすことになり、ステップS101以下の再生処理が実行される。例えば、モップ37の汚れを検出して、該汚れ状況を判別して清掃要否を決定して、清掃中であっても随時、再生処理を可能にすることができる。
モップ再生要の条件を満たすとき、再生位置への移動を開始して、再生移動時間を計時する、CPU101内蔵の再生移動タイマがオンされる(ステップS101)。ついで、
掃除ロボット31は壁を検出して壁沿いに移動する前進走行を行う(ステップS102)。再生移動タイマがタイムアップするまでに、カラーセンサD6により第1再生位置マーク36を検出したとき、制御部100から再生指示信号Rdが集塵ON/OFF切換装置134に送信される。更に、第1再生位置マーク36の検出により、再生動作が行われる(ステップS103、S104)。再生移動タイマがタイムアップするまでに、カラーセンサD6により第1再生位置マーク36を検出しなかったときは制御部100の動作を停止してエラー処理が実行される(ステップS110、S111)。
集塵制御部131は制御部100からの再生指示信号Rdを受信して、集塵モータ駆動状態になる。この場合の第1再生動作は、傾斜織布3aの手前で反転旋回して、傾斜織布3aに向かって前進及び後退を第1再生処理タイマがタイムアップするまで所定時間毎に繰り返し行って実行される(ステップS104、S106)。即ち、掃除ロボット31はモップ清掃部材33のモップ35を傾斜パイル部上に進入し、前方移動・後退移動を繰り返しすことによって、傾斜パイル3bの除去作用によってモップ35に絡んで付着した付着物(毛髪、体毛、ペットの抜け毛等)を掻き落とすことができる。
第1再生処理タイマがタイムアップ(第1再生時間:2分)によりオフされ、掃除ロボット31は吸気口4側に進行駆動される(ステップS107、S108)。ついで、カラーセンサD6により吸気口4手前の第2再生位置マーク37を検出したとき、CPU101内蔵の第2再生タイマがオンになって、次の再生時間の監視が行われる(ステップS109、S110)。
第2再生動作は、吸気口4に向かって掃除ロボット31徐行前進させて実行される(ステップS111)。即ち、掃除ロボット31はモップ清掃部材33のモップ35を吸気口4に進入させて、所定時間停止後、斜めに後退し、吸気口4の幅方向に少しずつ向きを変えてシフト移動する。この移動動作によって、モップ35を吸気口4の掻落板43に擦りつけながら進入・後退を繰り返して、掻落板43との摩擦によりモップ35の付着物をも落下させて、第1再生動作で掻き落とした付着物を集塵機1により集塵させることができる。ついで、第2再生時間(3分)の経過により、CPU101内蔵の第2再生タイマがオフになり、掃除ロボット31はスタート位置に帰還する移動処理が実行される(ステップS112〜S114)。
図5の実施形態によれば、掃除ロボット31を掃除領域を自動走行させながらダストを収集して集塵位置に移動して集塵する自動ダスト集塵機能に加え、掃除ロボット31のモップ35を傾斜織布3a上を再生移動させることにより、モップ35に付着した付着物を傾斜パイルにより掻き落として集塵し得る付着物集塵機能を有するので、自動ダスト集塵作業によって生ずる毛髪等の付着物をモップから取り除く、面倒な手作業を行うことなく、自動ダスト集塵と同様に付着物の集塵作業とモップ再生処理を自動化して円滑に行えるロボット式集塵装置を実現することができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。