JP6674733B2 - 化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、溶解度に優れた化合物および着色硬化性樹脂組成物に関する。
スクアリリウム染料としては、式(II−0)で表される化合物が知られている。
(特許文献1)。
Figure 0006674733
特開昭60−169453号公報(実施例1)
上記式(II−0)で表される化合物は、有機溶媒への溶解性が必ずしも十分に満足できるものではなかった。
本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1]式(II)で表される化合物。
Figure 0006674733

[式(II)中、R〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。該1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子またはメチル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜8のアルキルアミノ基に置き換わっていてもよく、該1価の飽和炭化水素基を構成する炭素原子間に、酸素原子または硫黄原子が挿入されていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子またはヒドロキシ基を表す。
およびRは、それぞれ独立に、炭素数8〜20の1価の飽和炭化水素基または下式(i)で表される基を表す。
Figure 0006674733
式(i)中、R14は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基または炭素数2〜20の1価の不飽和の炭化水素基を表し、mは1〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。*は、炭素原子との結合の手を表す。
〜R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基または式(i)で表される基を表す。該1価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子またはメチル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は1つ若しくは2つの炭素数1〜8のアルキル基で置換されたアミノ基に置き換わっていてもよく、該1価の飽和炭素基を構成する炭素原子間に、酸素原子または硫黄原子が挿入されていてもよい。]
[2] [1]に記載の化合物を含む着色剤。
[3] [2]に記載の着色剤、樹脂、重合性化合物、重合開始剤および溶剤を含む着色硬化性樹脂組成物。
[4] [3]記載の着色硬化性樹脂組成物を用いて形成される塗膜。
[5] [3]記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成されるカラーフィルタ。
[6] [5]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明の化合物は、有機溶媒への溶解性に優れる。
本発明の化合物は、式(II)で表される化合物(以下「化合物(II)」と記載することもある。)である。本発明の化合物には、その互変異性体も含まれる。
式(II)中、R〜R4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
1〜R4、R〜R12およびR14における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の炭素数1〜20の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2−エチルヘキシル基等の炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びトリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
これらの飽和炭化水素基に含まれる水素原子またはメチル基が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は1つ若しくは2つの炭素数1〜8のアルキル基で置換されたアミノ基に置き換わった基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。ここで、1つ若しくは2つの炭素数1〜8のアルキル基で置換されたアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等が挙げられる。また、下記式において、*は結合手を表す。
Figure 0006674733
これらの飽和炭素基を構成する炭素原子間に、酸素原子または硫黄原子が挿入された基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。また、下記式において、*は結合手を表す。
Figure 0006674733
およびRにおける炭素数8〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の炭素数8〜20の直鎖アルキル基;2−エチルヘキシル基、2−メチルヘプチル基、2−メチルオクチル基、2−メチルノニル基、2−メチルデシル基、2−メチルドデシル基、2−メチルヘキサデシル基、2−メチルノナデシル基、2−エチルヘプチル基、2−エチルオクチル基、2−エチルノニル基、2−エチルデシル基、2−エチルドデシル基、2−エチルペンタデシル基、2−エチルオクタデシル基、2−プロピルヘキシル基、2−プロピルヘプチル基、2−プロピルオクチル基、2−プロピルノニル基、2−プロピルデシル基、2−プロピルドデシル基、2−プロピルヘプタデシル基、2−ブチルヘキシル基、2−ペンチルヘプチル基、2−ヘキシルオクチル基、2−ヘプチルノニル基、2−オクチルデシル基、2−ノニルドデシル基、3−メチルヘプチル基、3−メチルオクチル基、3−メチルノニル基、3−メチルデシル基、3−メチルドデシル基、3−メチルヘキサデシル基、3−メチルノナデシル基、3−エチルヘキシル基、3−エチルヘプチル基、3−エチルオクチル基、3−エチルノニル基、3−エチルデシル基、3−エチルドデシル基、3−エチルペンタデシル基、3−エチルオクタデシル基、3−プロピルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、3−プロピルオクチル基、3−プロピルノニル基、3−プロピルデシル基、3−プロピルドデシル基、3−プロピルヘプタデシル基、3−ブチルヘプチル基、3−ペンチルオクチル基、3−ヘキシルノニル基、3−ヘプチルデシル基、3−オクチルドデシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,2−メチルエチルヘプチル基、2,3―ジメチルヘキシル基、2,4―ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基等の炭素数8〜20の分岐アルキル基;シクロオクチル基、3−メチルシクロオクチル基、4−エチルシクロヘキシル基、3−プロピルシクロペンチル基、2−ブチルシクロブチル基、2−ペンチルシクロプロピル基、アダマンチル基等の炭素数8〜20のシクロアルキル基が挙げられる。
14における炭素数2〜20の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基が挙げられる。
式(i)で表される基としては、例えば、次のような基が挙げられる。*は、炭素原子との結合の手を表す。
Figure 0006674733
〜Rとしては、水素原子、ヒドロキシ基及びメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
及びRとしては、炭素数8〜12の直鎖アルキル基、炭素数8〜16の分岐アルキル基及び式(i)で表される基が好ましく、炭素数8〜16の分岐アルキル基及び式(i)で表される基がより好ましく、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基及び式(i)で表される基がさらに好ましく、2−エチルヘキシル基及び式(i)表される基が特に好ましい。
〜R12としては、炭素数2〜20のアルキル基及び式(i)で表される基が好ましく、炭素数2〜8のアルキル基および式(i)で表される基がより好ましい。
14としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。
式(II)中、
Figure 0006674733
で表される基をX
Figure 0006674733
で表される基をXとしたとき、X及びXで表される基としては、例えば、式(A2−1)〜(A2−7)で表される基が挙げられる。*は、炭素原子との結合の手を表す。
Figure 0006674733
式(II)中、
Figure 0006674733
で表される基をY
Figure 0006674733
で表される基をYとしたとき、Y及びYで表される基としては、例えば、式(A3−1)〜(A3−6)で表される基が挙げられる。*は、炭素原子との結合の手を表す。
Figure 0006674733
式(II)で表される化合物として、例えば、表1に示す化合物(AII−1)〜化合物(AII−21)が挙げられる。
Figure 0006674733
原料入手性の観点から、化合物(AII−1)〜化合物(AII−7)が好ましく、化合物(AII−5)及び化合物(AII−6)がより好ましい。
本発明の化合物(II)は、例えば、特開2002−363434号公報記載の方法、式(IV−1)で表される化合物とスクエア酸(3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2ジオン)とを反応させる方法により製造することができる。
Figure 0006674733
[式(II-1)及び式(IV-1)中、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
スクエア酸の使用量は、式(IV−I)で表される化合物1モルに対して、好ましくは0.5モル以上0.8モル以下であり、より好ましくは0.55モル以上0.6モル以下である。
反応温度は、30℃〜180℃が好ましく、80℃〜140℃がより好ましい。反応時間は、1時間〜12時間が好ましく、3時間〜8時間がより好ましい。
反応は、収率の点から、有機溶媒中でおこなうことが好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられ、これらを混合して使用してもよい。中でもブタノールおよびトルエンの混合溶媒が好ましい。有機溶媒の使用量は、式(IV−I)で表される化合物1質量部に対して、好ましくは30質量部以上200質量部以下であり、より好ましくは50質量部以上150質量部以下である。
反応混合物から目的化合物である化合物(II−1)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。例えば冷却後、析出した結晶を濾取する方法を挙げることができる。濾取した結晶は、水などで洗浄し、次いで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶などの公知の手法によってさらに精製してもよい。
式(IV−I)で表される化合物は、式(IV−2)で表される化合物と式(IV−3)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
Figure 0006674733
[式(II-2)及び式(IV-3)中、R、R、R、R、RおよびR10は、それぞれ上記と同じ意味を表す。]
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、本発明の化合物を含む着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)及び溶剤(E)を含む。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、本発明の化合物のほかに、調色のため、即ち分光特性を調整するために、さらに他の染料(A−1)、顔料(P)、又はこれらの混合物を含んでいてもよい。
染料(A−1)としては、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、クマリン染料、含金アゾ染料、ピリドンアゾ染料、バルビツールアゾ染料、キノフタロン染料、メチン染料、シアニン染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、及びフタロシアニン染料等が挙げられる。これらの染料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;等のC.I.ダイレクト染料、 C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;等のC.I.モーダント染料等が挙げられる。
染料(A−1)としては、クマリン染料、含金アゾ染料、ピリドンアゾ染料、バルビツールアゾ染料、キノフタロン染料、メチン染料、シアニン染料等の黄色染料が好ましい。
化合物(II)の含有量は、着色剤の総量に対して、通常3〜100質量%であり、好ましくは4〜50質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。化合物(II)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタとしたときの明度が高く、好ましい。
顔料(P)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料が挙げられる。
ただし、顔料(P)にC.I.ピグメントイエロー138は含まない。
顔料(P)としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー150、185及びC.I.ピグメントグリーン58がより好ましい。前記の顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易である。
着色剤(A)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。着色剤(A)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタとしたときの色濃度が十分であり、かつ組成物中に樹脂(B)や重合性化合物(C)を必要量含有させることができるので、機械的強度が十分なパターンを形成することができる。ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、着色硬化性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(Ba)(以下「(Ba)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(Bb)(以下「(Bb)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K2];(Ba)と(Bb)と、(Ba)と共重合可能な単量体(Bc)(ただし、(Ba)及び(Bb)とは異なる。)(以下「(Bc)」という場合がある)との共重合体;
樹脂[K3];(Ba)と(Bc)との共重合体;
樹脂[K4];(Ba)と(Bc)との共重合体に(Bb)を反応させた樹脂;
樹脂[K5];(Bb)と(Bc)との共重合体に(Ba)を反応させた樹脂;
樹脂[K6];(Bb)と(Bc)との共重合体に(Ba)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂。
(Ba)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
(Bb)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(Bb)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(Bb)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体等が挙げられる。
(Bb)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体であることが好ましい。
(Bc)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましい。
例えば、樹脂[K1]は、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、残膜率が高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
樹脂(B)の酸価は、好ましくは50〜170mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜150、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(B)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250〜1,500以下である。
重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物及びビイミダゾール化合物が挙げられる。
前記O−アシルオキシム化合物としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O−アシルオキシム化合物は、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。これらのO−アシルオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
前記アルキルフェノン化合物としては、例えば、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
前記ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
酸を発生する重合開始剤としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等が挙げられる。
重合開始剤(D)としては、O−アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がより好ましい。
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソールなどが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロンなどが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンなどが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドンなどが挙げられる。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上210℃以下である有機溶剤が好ましい。溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン及びN,N−ジメチルホルムアミドが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及び3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
溶剤(E)の含有量は、本発明の着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、重合開始助剤、レベリング剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、溶剤(E)、並びに必要に応じて用いられるレベリング剤、重合開始助剤及びその他の成分を混合することにより調製できる。
顔料(P)は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
染料は、予め溶剤(E)の一部又は全部にそれぞれ溶解させて溶液を調製してもよい。
該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.1〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。
現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
本発明の化合物を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物によれば、特に明度に優れたカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特に断らないかぎり質量基準である。
以下の合成例において、化合物は、NMR(JNM−EX−270;(日本電子(株)製)で同定した。
実施例1:前記式(AII−5)で表される化合物の合成
3’−(ジエチルアミノ)アセトアニリド(和光純薬工業(株)製)5.0部、10%硫酸50部を混合した。得られた混合物を、90℃で5時間攪拌した。反応終了後、20部の水を加えた後、15%苛性ソーダ水で中和させ、クロロホルム100部を加えて水層を廃棄した。水で洗う操作を2回繰り返した後、溶媒を溜去した。得られたオイルを60℃で24時間減圧乾燥し、下式(d−1)で表される化合物4.8部を得た。
Figure 0006674733
式(d−1)で表される化合物のH−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl
δ 1.16(t,6H)、3.32(q,8H)、3.56(br,2H)、6.04(m,2H)、6.16(m,1H)、7.01(t,1H)
上記で得られた式(d−1)で表される化合物 3.0部、ピリジン7.6部を混合し、4℃で冷却した。得られた混合物に、2−エチルヘキシルクロライド(東京化成工業(株))3.2部、ピリジン2.5部の混合溶液を1時間かけて滴下し、4℃のまま7時間攪拌した。水30部、3%塩酸100部を加え、クロロホルム100部を加えて水層を廃棄した。水で洗う操作を2回繰り返した後、溶媒を溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/トルエン=1/1)で精製し、得られたオイルを60℃で24時間減圧乾燥し、式(d−2)で表される化合物3.3部を得た。
Figure 0006674733
式(d−2)で表される化合物のH−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl
δ 0.91(m,6H)、1.11(t,6H)、1.27(m,4H)、1.60(m,4H)、2.66(m,1H)、3.28(q,4H)、3.99(br,1H)、6.16(q,1H)、6.70(m,1H)、7.21(m,1H)、7.31(m,1H)
式(d−2)で表される化合物 2.1部、3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオン(東京化成工業(株)製)0.6部、1−ブタノール87.9部およびトルエン62.3部を混合した。得られた混合物を、Dean−Stark管を用いて生成した水を除きながら125℃で5時間攪拌した。反応終了後、溶媒を溜去し、少量のトルエンを加えた後、水100部を加えて水層を廃棄した。水で洗う操作を2回繰り返した後、ヘキサンを50部加え、析出した固体を濾取した。濾取した固体を5部のテトラヒドロフランに分散させ、濾過した後、固体を、10部のテトラヒドロフラン、次いで25部のヘキサンで洗浄した。得られた固体を60℃で24時間減圧乾燥し、式(AII−5)で示される化合物0.2部を得た。
Figure 0006674733
式(AII−5)で示される化合物のH−NMR(270MHz、δ値(ppm、TMS基準)、CDCl
δ 0.87(t,6H)、0.97(t,6H)、1.29(t,12H)、1.33(m,8H)、1.55(m,4H)、1.73(m,4H)、2.65(m,2H)、3.53(q,8H)、6.46(m,2H)、8.36(d,2H)、8.50(m,2H)、12.00(d,2H)
〈溶解度の測定〉
合成例1で得られた化合物(AII-5)と前記式(II−0)で表される化合物のプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと略す)、エチルラクテート(以下、ELと略す)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)への溶解度を、以下のようにして求めた。
50mLサンプル管中、下記の割合で化合物と上記溶媒とを混合し、その後、サンプル管を密栓し、30℃で3分間超音波振動機にて振動させた。ついで室温で30分間放置後、吸引濾過し、その残渣を目視で観察した。不溶物が確認できなかった場合、溶解性は良好であると判断して○とし、不溶物が確認できた場合は、溶解性は不良であると判断して×とした。結果を表2に示す。
5% 化合物0.05g、溶媒1g
3% 化合物0.03g、溶媒1g
1% 化合物0.01g、溶媒1g
Figure 0006674733
〔樹脂の合成〕
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、メタクリル酸19部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−9−イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で50:50)(商品名「E−DCPA」、株式会社ダイセル製)171部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)26部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了した後、約3時間同温度に保持し、その後室温まで冷却して、固形分43.5%の共重合体(樹脂(B−1)の溶液を得た。得られた樹脂(B−1の重量平均分子量は8000、分子量分布は1.98、固形分換算の酸価は53mg−KOH/gであった。
Figure 0006674733
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
〔着色硬化性樹脂組成物の調製〕
実施例2及び比較例1
表3に示す組成となるように各成分を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 0006674733


表3における各成分を下記に示した。 染料:AII−5:式(AII−5)で表される染料
顔料:A−2−3:C.I.ピグメントイエロー150
A−2−2:C.I.ピグメントグリーン58(FASTOGEN(登録商標) Green A110;DIC(株)製)
樹脂(B):樹脂B1(固形分換算)
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D):N−1919(ADEKA社製;O−アシルオキシム化合物)
溶剤(E):E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E−2:N−メチルピロリドン
レベリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
〔塗膜の形成〕
5cm角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、ポストベーク後の膜厚が2.2μmになるように、スピンコート法で、実施例2で調整した着色硬化性樹脂組成物を塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。放冷後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、オーブン中、160℃で20分間ポストベークを行うことにより、着色塗膜を得た。
実施例3
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)上に、実施例2で調整した着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして組成物層を得た。冷却後、組成物層が形成されたガラス基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射する。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用する。光照射後、上記塗膜を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に23℃で80秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行いパターンを得る。
<膜厚測定>
得られた着色塗膜について、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて膜厚を測定した。結果を表4に示す。
<色度評価>
得られた着色塗膜について、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yとを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。
結果を表4に示す。
<コントラスト測定>
得られた着色塗膜について、コントラスト測色機(CT−1;壺坂電機社製、検出器;BM−5A、光源;F−10)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。前記塗膜が形成されたガラス基板を、偏光フィルム(POLAX−38S;ルケオ社製)ではさんだものを測定サンプルとした。結果を表4に示す。
Figure 0006674733
本発明の化合物は、有機溶媒への溶解性に優れる。そのため、本発明の化合物を含む着色剤を含む着色硬化性樹脂組成物を用いれば、異物の発生が少なく高品質なカラーフィルタを作成することが可能である。

Claims (2)

  1. 式(II)で表される化合物。
    Figure 0006674733
    [式(II)中、R〜Rは、水素原子を表す。
    およびRは、1−エチルペンチル基を表す。
    〜R12は、エチル基を表す。]
  2. 請求項1に記載の化合物を含む着色剤。
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