JP6674311B2 - 送風装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された送風装置は、概略、箱状ケーシングと、箱状ケーシング内に収められたクロスフローファンと、クロスフローファンを挟んで対応する位置に、外凸の弧状に形成され根本端を軸として回動可能に配置された第1及び第2の可動ケーシングとを備えている。
そして、第1及び第2の可動ケーシングの先端側を、クロスフローファンに対して一方が接近し他方が離隔するよう連動回動させることで、送風方向を反転できるようになっている。
そのため、送風特性が、一の風向の送風と逆風向の送風とで異なるという点で改善の余地があった。
そのため、送風装置を、例えば直状に配置されたダクトの途中に配置しようとすると、ダクトよりも大きな断面面積の配置スペースが必要となる、或いはダクトの位置をずらす必要が生じる。従って、施工が容易とはいえず、改善が望まれるものであった。
1) クロスフローファンと、
前記クロスフローファンを収容し、前記クロスフローファンを一の径方向に挟んで対向配置された第1及び第2の側壁を有する筐体と、
前記クロスフローファンの回転軸線を含み前記一の径方向に延在する仮想平面を基準平面としたときに、
前記第1の側壁において、前記基準平面で区分けされる一方の空間領域に形成された第1の開口部と、
前記第2の側壁において、前記基準平面で区分けされる他方の空間領域に形成された第2の開口部と、
前記クロスフローファンと前記第1の側壁との間に設定された回動軸線まわりに回動するよう支持され、その回動によって前記クロスフローファンに対し、前記他方の空間領域で離接する外凸で湾曲した第1の湾曲部及び前記一方の空間領域において前記第1の湾曲部とは逆に接離する第1の舌部を有する第1の可動ケーシングと、
前記クロスフローファンと前記第2の側壁との間に設定された回動軸線まわりに回動するよう支持され、その回動によって、前記クロスフローファンに対し、前記一方の空間領域で離接する外凸で湾曲した第2の湾曲部及び前記他方の空間領域において前記第2の湾曲部とは逆に接離する第2の舌部を有する第2の可動ケーシングと、
を備え、
前記第1の可動ケーシングと前記第2の可動ケーシングとを、前記第1及び第2の湾曲部の内の一方が前記クロスフローファンに接近したときに他方が離隔するよう連動回動すると共に、その連動回動によって前記第1及び第2の開口部を通過する気体の流れ方向を反転させ、
前記筐体は、前記第1の開口部及び第2の開口部の少なくとも一方において、その近傍の内部空間を前記基準平面に沿う方向で仕切る固定ケーシングを有し、
前記第1及び第2の湾曲部の内の前記固定ケーシングと同じ前記空間領域にある湾曲部が、前記連動回動によって前記クロスフローファンに接近した状態で、前記固定ケーシングと共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成しており、
前記固定ケーシングとして、前記近傍の内部空間を前記基準平面に沿う方向で三つ以上に仕切る複数の固定ケーシングを有し、
前記湾曲部は、前記複数の固定ケーシングの内の前記クロスフローファンに最も近い固定ケーシングと共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成することを特徴とする送風装置である。
2) 前記筐体は、前記基準平面を挟んで対向する第3及び第4の側壁を有し、
前記第1及び第2の湾曲部は、前記クロスフローファンから最も離隔した回動位置で、それぞれ前記第3及び第4の側壁と共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成することを特徴とする1)に記載の送風装置である。
また、前後左右上下の各方向を、図1に示された矢印の方向で規定する。これらの方向は、送風装置51の姿勢を限定するものではなく、説明のために便宜的に規定した方向である。
図2及び図3は、図1におけるS2−S2位置での断面図である。
筐体1の内部には、回転軸線CL2を前後方向とする姿勢でクロスフローファン2が収容されている。回転軸線CL2は、底板1aと平行に前後方向に延びる仮想軸線として、筐体1の上下左右方向のほぼ中央に設定されている。
クロスフローファン2は、以下、単にファン2と称する。
右側板1fは、上部に、ほぼ前後方向の全領域にわたり開口した開口部1f1を有する。
例えば、開口部1e1は、左側板1eの下半分とされ、開口部1f1は右側板1fの上半分とされる。上下は、クロスフローファン2の回転軸線CL2を含む仮想水平面の基準面Skで二分される。
すなわち、基準面Skは、筐体1を、上半分の空間領域と下半分の空間領域とに二分する。
例えば、底板1aは、一方(下半分)の空間領域に在り、天板1bは、他方(上半分)の空間領域に在る。
仕切り板11,12は、以下、固定ケーシングとも称する。
仕切り板11の左側の端部11aは、開口部1e1の開口端位置とほぼ一致し、右側の端部11bは、ファン2の回転軸線CL2よりも左側に位置している。
仕切り板11の姿勢は、例えば底板1aにほぼ平行とされる。
仕切り板12の右側の端部12aは、開口部1f1の開口端位置とほぼ一致し、左側の端部12bは、ファン2の回転軸線CL2よりも右側に位置している。
仕切り板12の姿勢は、例えば天板1bにほぼ平行とされる。
羽根部2aは、横断面形状において、内径側から外径側に向かうに従い、周方向位置が、図2における時計回り方向にずれて外凸となる湾曲形状に形成されている。
モータM1の動作は、例えば外部に配置された制御装置(図示せず)によって制御される。
可動ケーシング4,5は、横断面形状を一定として前後方向に延びるフラップ状部材であり、金属や樹脂で形成されている。
また、基準面Skは、既述のように、回転軸線CL2を含み底板1a及び天板1bと平行な面(左右前後に延在する面)として仮想設定しておく。
可動ケーシング4の形状は次の通りであり、可動ケーシング5も同じ形状である。
軸部4bは、湾曲部4aの一方の端部側から外方に延出した首部4b1により連結し、湾曲部4aに対し、回転軸線CL2から離れる方向にずれた位置で前後方向に延びる軸として設けられている。
舌部4cは、湾曲部4aの一方の端部に接続し前後方向に延びる平板状に形成されている。
フランジ部4dは、舌部4cの先端から外方にほぼ直角に折れ曲がった平板状の部分として形成されている。
可動ケーシング4,5は、図2に示される第1の回動位置と、図3に示される第2の回動位置と、の間を回動する。
また、可動ケーシング5は、回動軸線CL5を中心とした図2における反時計回り方向(DR3)の回動端となる位置にある。
また、可動ケーシング5は、回動軸線CL5を中心とした図3における時計回り方向(DR5)の回動端となる位置にある。
湾曲部4aは、根本端部4a2がファン2に最も接近しており、先端部4a1に向かうに従って、ファン2から徐々に離隔している。
舌部4cは、根本端部4a2から、左下方に傾斜して平板状に延びている。
フランジ部4dは、舌部4cの先端から左上方に傾斜して平板状に延びている。
これらの傾斜角度は、基準面Skに対し約45°である。
舌部5cは、上下方向に起立した姿勢で基準面Skを跨ぐ位置にある。
フランジ部5dは、舌部5cの先端から右方に基準面Skと平行に延びている。
舌部4cは、上下方向に起立した姿勢で基準面Skを跨ぐ位置にある。
フランジ部4dは、舌部4cの先端から左方に基準面Skと平行に延びている。
湾曲部5aは、根本端部5a2がファン2に最も接近しており、先端部5a1に向かうに従って、ファン2から徐々に離隔している。
舌部5cは、根本端部5a2から、右上方に傾斜して平板状に延びている。
フランジ部5dは、舌部5cの先端から右上方に傾斜して平板状に延びている。
これらの傾斜角度は、基準面Skに対し約45°である。
軸プレート35は、可動ケーシング5の軸部5bに固定され上下の他方向(上方)に向かって部材であって、可動ケーシング5と一体に回動する。
連結プレート31は、軸プレート34の先端部と軸プレート35の先端部とをそれぞれ回動可能に連結している。
モータM2は、軸部4b及び軸部5bの一方(この例では軸部5b)を、所定の角度範囲で回動させる。モータM2の動作は制御装置によって制御される。
また、送風装置51は、可動ケーシング4,5を第2の回動位置にしたときに、下向きの貫流が生じて、図3に白ヌキ矢印で示された、第1の回動位置の場合とは逆方向の流れ方向で送風を行うようになっている。
これにより、舌部4c側の空間の気体としての空気がファン2に向かうよう誘導されて、ファン2に対し下方側の空気がファン2に吸い込まれ上方側へ抜ける貫流が生じる。
空間Ve1を通った空気は、主としてファン2の左側から進入して上方へ送り出される。
一方、空間Ve2を通った空気は、壁W15に案内されながらも、舌部5cによりファン2の内部右側に形成される偏心渦のため左側からの空気と合流しながらファン2に進入して上方へ送り出される。
これにより、舌部5c側の空間の空気がファン2に向かうように誘導されて、ファン2に対し上方側の空気がファン2に吸い込まれ下方側へ抜ける貫流が生じる。
空間Vf1を通った空気は、主としてファン2の右側から進入して下方へ送り出される。
一方、空間Vf2を通った空気は、壁W24に案内されながらも、舌部4cによりファン2の内部左側に形成される偏心渦のため右側からの空気と合流しながらファン2に進入して下方へ送り出される。
また、固定ケーシングである仕切り板11,12の形状と位置も、回転軸線CL2まわりの180°線対称(2回対称)となっている。
また、送風装置51が、仕切り板11,12を両方備えてファン2に対する空気の入口側(上流側)と出口側(下流側)のいずれの側にも固定ケーシングが配置される場合の特性が実線で示されている。
また、送風装置51が、ファン2に対する入口側(上流側)のみ、及び出口側(下流側)のみに固定ケーシングを備える場合の特性が、それぞれ一点鎖線及び二点鎖線で示されている。
また、固定ケーシングを一方に配置する場合は、入口側よりも出口側に備えることで、広い風量範囲で高い静圧が得られ送風特性が向上することがわかる。
そのため、筐体1に出入りする空気の流れ方向が一方向(左右方向など)に揃い、送風装置51の設置に必要な空間がコンパクトになる。
また、新たに送風装置51とダクト91A,91Bとを設置する場合も、直線性を維持し、横断面積が小さい省スペースで設置できる。
そのため、送風装置51の施工は容易である。
これにより、筐体1とダクトとの間の空気の流れがより低抵抗になる。
そのため、送風装置51は、筐体1にダクトを接続した場合も、風向によらず、損失の少ない良好な送風特性が得られる。
このように、ファン2に流入する空気の量が、ファン2の周方向で偏りにくく平均化される。
特に、開口部1e1,1f1の図2における上下方向の幅(開口高さ)が大きい場合、空気を筐体1の奥側にも良好に誘導でき、乱流の発生を抑制して送風特性が向上する。
仕切り板を複数枚備えた変形例として、仕切り板を二枚ずつ備えた送風装置52を、図4及び図5を参照して説明する。送風装置51は、送風装置51に対し、仕切り板のみ異なるので、仕切り板以外の部材の符号は共通とする。
仕切り板11A,11Bにより、開口部1e1近傍の内部空間は、上下方向に空間Ve1A〜Ve1Cの三つの空間に分割される。
仕切り板12A,12Bにより、開口部1f1近傍の内部空間は、上下方向に空間Vf1A〜Vf1Cの三つの空間に分割される。
一方、図5に示される、可動ケーシング5の第2の回動位置において、可動ケーシング5は、仕切り板11A,11Bの内の、ファン2に近い方の仕切り板11Aの右端部11Abに近接対向して実質的に連続した壁W45を形成する。
送風装置52は、開口部1e1,1f1の開口高さが大きくても、仕切り板11A,11B及び仕切り板12A,12Bによる流路分割によって、開口部1e1,1f1から出入りする空気の流れが安定しスムースになるので、送風特性が向上した状態で維持される。
1a 底板、 1b 天板、 1c 前板、 1d 後板
1e 左側板、 1e1 開口部、 1f 右側板、 1f1 開口部
2 クロスフローファン(ファン)、 2a 羽根部
3 軸受け
4,5 可動ケーシング
4a,5a 湾曲部、 4a1,5a1 先端部
4a2,5a2 根本端部、 4b,5b 軸部
4b1,5b1 首部、 4c,5c 舌部、 4d,5d フランジ部
6,7 支持板部
11,12,11A,11B,12A,12B 仕切り板
11a,11b,12a,12b 端部
31 連結プレート、 34,35 軸プレート
51,52 送風装置
91,91A,91B ダクト
CL2 回転軸線、 CL4,CL5 回動軸線
LK リンク機構
M1,M2 モータSk 基準面
Ve,Vf,Ve1,Ve2,Vf1,Vf2,Ve1A〜Ve1C,Vf1A〜Vf1C 空間
W14,W15,W24,W25,W34,W45 壁
Claims (2)
- クロスフローファンと、
前記クロスフローファンを収容し、前記クロスフローファンを一の径方向に挟んで対向配置された第1及び第2の側壁を有する筐体と、
前記クロスフローファンの回転軸線を含み前記一の径方向に延在する仮想平面を基準平面としたときに、
前記第1の側壁において、前記基準平面で区分けされる一方の空間領域に形成された第1の開口部と、
前記第2の側壁において、前記基準平面で区分けされる他方の空間領域に形成された第2の開口部と、
前記クロスフローファンと前記第1の側壁との間に設定された回動軸線まわりに回動するよう支持され、その回動によって前記クロスフローファンに対し、前記他方の空間領域で離接する外凸で湾曲した第1の湾曲部及び前記一方の空間領域において前記第1の湾曲部とは逆に接離する第1の舌部を有する第1の可動ケーシングと、
前記クロスフローファンと前記第2の側壁との間に設定された回動軸線まわりに回動するよう支持され、その回動によって、前記クロスフローファンに対し、前記一方の空間領域で離接する外凸で湾曲した第2の湾曲部及び前記他方の空間領域において前記第2の湾曲部とは逆に接離する第2の舌部を有する第2の可動ケーシングと、
を備え、
前記第1の可動ケーシングと前記第2の可動ケーシングとを、前記第1及び第2の湾曲部の内の一方が前記クロスフローファンに接近したときに他方が離隔するよう連動回動すると共に、その連動回動によって前記第1及び第2の開口部を通過する気体の流れ方向を反転させ、
前記筐体は、前記第1の開口部及び第2の開口部の少なくとも一方において、その近傍の内部空間を前記基準平面に沿う方向で仕切る固定ケーシングを有し、
前記第1及び第2の湾曲部の内の前記固定ケーシングと同じ前記空間領域にある湾曲部が、前記連動回動によって前記クロスフローファンに接近した状態で、前記固定ケーシングと共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成しており、
前記固定ケーシングとして、前記近傍の内部空間を前記基準平面に沿う方向で三つ以上に仕切る複数の固定ケーシングを有し、
前記湾曲部は、前記複数の固定ケーシングの内の前記クロスフローファンに最も近い固定ケーシングと共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成することを特徴とする送風装置。 - 前記筐体は、前記基準平面を挟んで対向する第3及び第4の側壁を有し、
前記第1及び第2の湾曲部は、前記クロスフローファンから最も離隔した回動位置で、それぞれ前記第3及び第4の側壁と共に前記気体の流れを案内する案内壁を形成することを特徴とする請求項1記載の送風装置。
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