JP6674213B2 - 微粒子凝集制御装置および微粒子凝集体生成方法 - Google Patents

微粒子凝集制御装置および微粒子凝集体生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、微粒子の生成技術に関し、特に、既存の微粒子を凝集させて微粒子凝集体を得る微粒子凝集制御装置、微粒子凝集体生成方法、および微粒子凝集体に適用して有効な技術に関するものである。
金属等の材料からなる微粒子を初期状態として作製・形成する技術は既に多数存在するが、さらに、これら微粒子や市販のものを含む既存の微粒子を凝集させて大きさが異なる二次的な微粒子(以下では「微粒子凝集体」と記載する場合がある)を生成する技術もある。
微粒子の凝集等に関連する技術として、例えば、特開2007−209856号公報(特許文献1)には、被処理液中の半導体からなる光触媒に励起光を照射して光触媒の表面に親水性基を形成させることにより、光触媒表面付近の被処理液の誘電率を低下させ、被処理液中の微粒子を凝集させる技術が記載されている。また、特開2005−13839号公報(特許文献2)には、被処理液に対して波長500nm以下の光を照射し、被処理液中のイオンまたは低分子物質微粒子を振動あるいは共振させることにより凝集させた後に濾過層で捕捉する技術が記載されている。
また、非特許文献1には、金属微粒子の分散する液体に対して光を照射して表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance、以下では「SPR」と記載する場合がある)を生じさせることにより微粒子の凝集が促進される現象が生じることが記載されている。また、既に製品化されている技術として、例えば、レーザ光を集光することで生じる光トラップ力の利用例の一つとして、個々の微粒子に対して光トラップ力による移動を制御する光ピンセットキットが記載されている(非特許文献2参照)。また、微粒子の分散する液体に対して塩化物等を混ぜることで凝集を促進して沈殿させ、回収する技術についても各社の製品が利用可能である。
特開2007−209856号公報 特開2005−13839号公報
Keisaku Kimura, "Photoinduced Coagulation of Au Nanocolloids", The Journal of Physical Chemistry,1994,98(8), pp 2143-2147, February 1994 "光ピンセット(光トラップ)キット"、[online]、ソーラボジャパン株式会社、[平成27年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.thorlabs.co.jp/newgrouppage9.cfm?objectgroup_id=3959>
例えば、特許文献1、2などに記載されたような微粒子の凝集技術では、大掛かりな装置や特殊な凝集システムを要し、また、触媒や微粒子などに対する化学的な修飾等の前処理が必要である。
また、例えば、特許文献2に記載された技術や、上述の塩化物等を混ぜることで凝集を促進して沈殿させるような製品等では、凝集の最終過程が沈殿もしくは化学反応の終了であり、凝集反応の過程を制御するという発想はなく、この点は非特許文献1に記載された手法においても同様である。したがって、これらの従来技術では凝集反応の過程を制御することはできず、その結果、最終的な凝集度をユーザが決定・制御することもできない。
また、特許文献1に記載された凝集技術や、上述の塩化物等を混ぜることで凝集を促進して沈殿させるような製品等では、化学的な修飾や化学反応によって凝集を促進することから、微粒子(微粒子凝集体)もしくは溶媒・媒質の少なくとも一方が化学的に変化してしまう。
また、例えば、非特許文献1に記載された手法では、白色光を照射しているため、凝集に要する時間が数十時間というオーダーであり非常に長時間となってしまう。また、非特許文献2に記載された光ピンセットの技術においても、粒子の配置位置を任意に制御することが可能という点で制御性を有するものの、微粒子の移動速度は1.5〜100μm/s程度であり、多数の微粒子を配置するには長時間を要する。
そこで本発明の目的は、上記のような課題に鑑み、微粒子および溶媒・媒質に対して化学的な修飾をすることなく、凝集度を制御しつつ短時間に微粒子凝集体を生成する仕組みを安価かつ簡便に実現する微粒子凝集制御装置、微粒子凝集体生成方法、および微粒子凝集体を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による微粒子凝集制御装置は、微粒子を凝集させる微粒子凝集制御装置であって、前記微粒子が分散する誘電体に対して、前記微粒子に双極子モーメントを誘起させる電磁波を照射する照射部を有し、前記照射部により前記誘電体に前記電磁波を照射することで前記微粒子を凝集させるものである。
また、本発明の代表的な実施の形態による微粒子凝集体生成方法は、微粒子を凝集させて微粒子凝集体を生成する微粒子凝集体生成方法であって、前記微粒子が分散する誘電体に対して、前記微粒子に双極子モーメントを誘起させる電磁波を照射することで前記微粒子を凝集させて前記微粒子凝集体を得る第1工程を有するものである。
また、本発明は、上記のような微粒子凝集制御装置もしくは微粒子凝集体生成方法によって生成された微粒子凝集体も含むものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、微粒子および溶媒・媒質に対して化学的な修飾をすることなく、市販の金属微粒子等を用いることを可能とし、凝集度を制御しつつ短時間に微粒子凝集体を生成する仕組みを安価かつ簡便に実現することが可能となる。
本発明の一実施の形態である微粒子凝集制御装置の構成例について概要を示した図である。 本発明の一実施の形態における微粒子凝集体生成方法の原理について概要を説明した図である。 (a)、(b)は、本発明の一実施の形態における金属微粒子の凝集状態と分光透過率について具体例を示した図である。 本発明の一実施の形態における光の照射時間とSPR波長における吸収係数との関係について具体例を示した図である。 (a)、(b)は、本発明の一実施の形態における分散液の濃度による分光透過率の変化について具体例を示した図である。 (a)、(b)は、本発明の一実施の形態における分散液の濃度による光学特性の変化について具体例を示した図である。 本発明の一実施の形態における分散液の温度による分光透過率の変化について具体例を示した図である。 本発明の一実施の形態における微粒子凝集体生成方法の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。 (a)、(b)は、本発明の一実施の形態における照射光のピーク波長による分光透過率の変化について具体例を示した図である。 本発明の一実施の形態における微粒子凝集体生成方法の処理の流れの他の例について概要を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
<概要>
本発明の一実施の形態である微粒子凝集体生成方法は、金属微粒子(例えば、銀微粒子)が分散する分散液に表面プラズモン共鳴(SPR)波長を含む光を照射することで、SPRによる金属微粒子の分極によって生じる強い双極子モーメントを利用して金属微粒子を凝集させるものである。
図2は、本実施の形態の微粒子凝集体生成方法の原理について概要を説明した図である。図の左側のグラフは、微粒子における粒子間距離とその相互作用ポテンシャル(引力と斥力の和)の例を示している。斥力は例えば静電気反発力や立体障壁などであり、引力は例えばファンデルワールス力などである。一般的な微粒子の分散・凝集では、相互作用ポテンシャルの障壁が極大となる位置より粒子間距離が近い場合には引力の方が優位となって凝集し、遠い場合には斥力の方が優位となって分散する。
図の右側上段には、開始材料となる微粒子の状態を模式的に示している。開始材料として例えば市販の金属微粒子等を用いる場合、分散処理が施されており、図示するように表面に同一の電荷を有して反発し合う状態となるため、各粒子は分散して安定した状態となっている。この状態の分散液に対してSPR波長を含む光を照射すると、表面プラズモン共鳴吸収により図の右側下段に示すように金属微粒子が分極し、その電気的引力より凝集が生じる。
この場合、金属微粒子の材料や形状、サイズ、光照射による粒子表面の分極状態等は、相互作用ポテンシャルの障壁(すなわち微粒子の慣性運動)に寄与するものと考えられる。一方、金属微粒子の分散液の濃度や温度等は、微粒子間の距離や微粒子同士の衝突の頻度(すなわち微粒子のランダムな運動)に寄与するものと考えられる。
上記のような本実施の形態の微粒子凝集体生成方法では、開始材料の金属微粒子や分散液に対して化学的な修飾を施す必要がないことから、微粒子凝集体や分散液の化学的特性を保持できるのに加えて、例えば、上記のように開始材料として市販の金属微粒子を用いることができ、また、従来技術に比べて安価、簡易に微粒子凝集制御装置として実装することが可能である。
また、微粒子凝集制御装置として実装することで凝集反応の過程を制御することが可能となり、例えば、金属微粒子の凝集度をモニタリングしながら目標の凝集度となるように光照射のON/OFFを制御することができる。また、光の照射時間を制御することで微粒子の凝集度を制御することが可能となる。また、濃度や温度、光の照射強度などを制御することで凝集速度を制御することも可能となる。
また、照射光として、白色光ではなく対象の金属微粒子(および溶媒)に固有のSPR波長を含む最適な照射波長の光源を用いることができるため、従来技術での白色光照射による凝集に比べて凝集に要する時間を数十分というオーダーに短縮することが可能となる。また、分散液中に金属微粒子が単体で分散する場合に限らず、複数種類の金属微粒子が混在して分散する分散液に対しても、照射光の波長を切り替えることで特定種類の金属微粒子のみを選択的に凝集させるよう制御することが可能となる。
なお、以下に示す本実施の形態では、上記のように凝集対象の微粒子を金属微粒子とし、分散液に所定の波長の光を照射してSPRにより金属微粒子に分極を生じさせ、誘起された双極子モーメントにより凝集させる構成を例として説明するが、同様の原理を用いるものであればこのような構成に限られない。
例えば、微粒子に対して光を含む電磁波を照射することで分極により双極子モーメントを生じさせる現象は、金属微粒子の分散液に対して共鳴波長の光を照射することで生じるSPRだけに限られず、他の材料の微粒子に対しても生じ得ることが知られている。したがって、本実施の形態の微粒子凝集体生成方法(および微粒子凝集制御装置)による凝集対象の微粒子は、金属微粒子に限られず、他の材料の微粒子にも適用することができる。これをその原理に基づいて一般化すれば、本実施の形態の微粒子凝集体生成方法は、複素誘電率の実数部が正である誘電体中に分散する、複素誘電率の実数部が負である材料からなる微粒子に対して、共鳴の生じる波長の電磁波を照射することで微粒子を凝集させる手法に同様に適用することができる。
また、照射する電磁波についても、共鳴波長のみからなる電磁波に限られず、共鳴波長を含む波長域を有する電磁波であっても適用することができる。さらには、共鳴波長そのものを含んでいなくても、その付近(例えば、前後30nm程度)の波長を含む波長域を有する電磁波であれば、効果は弱くなるものの双極子モーメントを生じさせることができるため、時間さえ長くかければ同じ凝集度の微粒子を生成することが可能である。以下では、これらの波長もしくは波長域の電磁波を総称して「共鳴波長付近の」電磁波(もしくは光)と記載する。
なお、共鳴波長については、微粒子が分散する分散液に固有となるが、例えば、共鳴現象により微粒子に吸収される電磁波(もしくは光)のエネルギーが極大となる波長を予め測定し、これを共鳴波長として取り扱うようにしてもよい。
<装置構成>
図1は、本発明の一実施の形態である微粒子凝集制御装置の構成例について概要を示した図である。微粒子凝集制御装置1は、例えば、遮光環境10内に備えられた照射部20、モニタリング部30、および加熱器40の各部と、これら各部を制御する制御部50を含む構成を有し、遮光環境10内の所定の位置にセットされた分散液2bに対して、分散液2bに係るSPR波長付近の光を照射器21により照射することで金属微粒子を凝集させ、目標の凝集度の微粒子凝集体を含む分散液2cを得るものである。
遮光環境10は、所定の共鳴波長付近の照明光以外の光が分散液2bに可能な限り当たらないよう遮光する設備であり、特に構造等は限定されない。例えば、各部を収納するような箱状の構造物であってもよいし、暗室環境等であってもよい。
分散液2bは、凝集対象の金属微粒子(本実施の形態では、例えば銀微粒子)が単体(もしくは複数種類)で分散する溶媒であり、少なくとも照射光の入射面および透過面となる面については照射光を透過する材料(例えば、透明のガラス等)からなる平面状となっている容器(例えば、図示するような四角柱状の容器)に入れられているものとする。
具体的には、例えば、光路長10mmのガラスセルや透明ディスポセルに銀微粒子の分散液2bが入れられる。なお、分散液2bは、詳細は後述するが、元の分散液2a(原液)を予め所定の濃度に調整することで得る。この濃度調整は、ユーザが手動で行ってもよいし、微粒子凝集制御装置1が公知の手法を用いて溶媒の量を調整する等により自動的に行ってもよい。さらに、凝集反応の過程中の分散液2bの濃度についても所定の濃度となるように(もしくは所定の濃度を維持するように)自動的に調整できるようにしてもよい。
照射部20は、光源である照射器21により分散液2bに対して所定の光を照射する。照射器21により照射される光は、白色光でもよいが、共鳴波長もしくはその付近にピーク波長を有する単色光もしくは準単色光(すなわち「共鳴波長付近の光」)の方が照射光のエネルギーを効率よく作用させることができるため好適である。照射器21からの光は平行光に近い方が望ましく、分散液2bの溶媒部分全体を照射できる面積を有するのが望ましい。
具体的には、例えば、純水を溶媒とする銀微粒子の分散液2bでは、410nm付近に共鳴波長を持つため、照射器21は、エネルギー中心波長が405nmのLED照明とする。本実施の形態では、照射面における中心波長の分光放射照度は500μW/(cm・nm)×共鳴吸収の半値幅内に照射光エネルギーの99%が含まれているものとする。
なお、凝集対象の微粒子や溶媒の材料等によって固有の共鳴波長は異なり得る。したがって、照射部20は、照射器21から照射される光のピーク波長等を手動もしくは自動で変更できるように構成してもよい。もしくは、利用する共鳴波長毎に図示しない複数の照射器21を備えて、いずれを用いて分散液2bを照射するかを照射部20が切り替えるように制御する構成を有していてもよい。
モニタリング部30は、例えば、発光器31および光検出器32を有し、所定の間隔で定期的に、もしくはユーザからの指示に基づいて、発光器31によって分散液2bに対して白色光を照射し、分散液2bからの透過光(もしくは散乱光)を光検出器32によって検出する。光検出器32は、図示しない分光器を一体的にもしくは別に備えており、透過光(もしくは散乱光)のスペクトルを測定できるものとする。光検出器32による検出結果を制御部50等により集計等することにより、分散液2bの分光透過率や吸収係数などの光学特性を計測し、その変化をモニタリングする。後述するように、分散液2bの光学特性は金属微粒子の凝集度に応じて変化するため、その対応関係を予め把握しておくことで、分散液2bの光学特性をモニタリングすることにより、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)等により微粒子凝集体の状態を直接観察することを要さずに間接的に微粒子凝集体の凝集度を把握することができる。
加熱器40は、分散液2bを所定の温度に達するまで加熱するとともに、凝集反応の過程中も所定の温度を維持する。例えば、分散液2bの容器を載せるステージ等の近傍に設置されたホットプレート等からなる。上述したように、分散液2bの温度に応じて金属微粒子間の距離や衝突頻度が変化し、温度が高い方が衝突頻度が高くなる等により反応が速くなる。したがって、凝集速度を速くするには温度を高くするのが望ましいが、溶媒との関係であまり高くし過ぎると溶媒の蒸発により分散液2bの濃度が変化してしまい、制御性に影響が生じ得る。また、分散液2bの加熱により遮光環境10に蒸気が多量に発生するとモニタリング部30による光学特性の計測にも影響し得る。そこで、本実施の形態では、分散液2bの温度を室温より高く溶媒の沸点より低い所定の温度(例えば、約40℃〜60℃)となるように加熱するものとする。
制御部50は、照射部20、モニタリング部30、加熱器40などの装置各部の動作を制御する機構であり、例えば、集積回路等により構成された専用のハードウェアにより実装されていてもよいし、PC(Personal Computer)等の汎用の情報処理装置とその上で稼働するソフトウェアにより実装されていてもよい。
この制御部50は、例えば、照射部20を介して照射器21のON/OFFを制御して凝集反応の過程の開始・終了(すなわち照射部20による照射時間)を制御する。後述するように、例えば、モニタリング部30による分散液2bの光学特性の計測結果に基づいて微粒子凝集体の凝集度を把握し、目標の凝集度に達したと判断した場合に照射器21をOFFにする。もしくは、光の照射時間と凝集度との対応関係に基づいて、目標の凝集度となるよう照射時間を制御する。さらに、照射部20が照射する光の照射強度などの特性を切り替えたり、分散液2bの濃度や温度が所定の値となるように制御したりしてもよい。
また、制御部50は、ユーザに対するデータの入出力に係るユーザインタフェースを有していてもよい。なお、制御の判断に用いる条件や設定内容、各パラメータの対応関係などの各種情報は、予め、データベースやファイルテーブルなどにより実装される条件テーブル51にユーザが記録もしくは設定・登録しておくものとする。
このように、本実施の形態の微粒子凝集制御装置1は、分散液2bに対する化学的な修飾を必要とせず、照射器21のON/OFFや照射時間、分散液2bの温度等の制御、分散液2bの光学特性の計測などの簡易な計測や制御、装置構成から構成され、特別な装置構成や処理を要さずに低コストで金属微粒子を効率的に凝集させることができる。
<微粒子凝集体生成方法>
上述したように、本実施の形態では、金属微粒子にSPR波長付近の光を照射することで目標の凝集度になるまで金属微粒子を凝集させて微粒子凝集体を得る。ここで、凝集度については、微粒子凝集体の分散液の分光透過率もしくは吸収係数などの光学特性から概略の値を推測することができる。したがって、本実施の形態では、光学特性と凝集度との対応関係を予め測定して把握しておき、制御部50の条件テーブル51などに保持しておくものとする。このとき、凝集度を正確に把握して光学特性と対応付けるため、各凝集度における微粒子凝集体の実際の状態をSEM等により直接観察しておくのが望ましい。
図3は、金属微粒子の凝集状態と分光透過率について具体例を示した図である。図3(a)は、純水を溶媒とする銀微粒子の分散液に対して固有のSPR波長(410nm付近)付近の光を照射した時間毎の凝集状態について、分散液をSiウェハ上で自然乾燥してSEMにより観察した結果の例を示している。左側の図は、光を照射する前(照射時間ゼロ)の状態、すなわち金属微粒子が単体の状態であり、1つの粒子は10〜30nm程度の大きさである。中央の図は、光を15分照射した状態であり、金属微粒子が2、3個程度の単位で凝集した状態となっている。右側の図は、光を30分照射した状態であり、金属微粒子が10〜20個程度の単位で凝集しており、長辺が100nm程度に成長している状態を示している。
図3(b)は、図3(a)の各凝集状態(各照射時間)における波長毎の分光透過率を測定した結果の例を示している。ここでは、照射時間の経過に伴って凝集度が高くなるに従い、分光透過率に変化が生じることが示されている。すなわち、凝集度が高くなるに従い、照射前の単体の金属微粒子におけるSPR波長(銀微粒子の場合は410nm付近)での光の透過率は増加する(光の吸収は減少する)。したがって、分散液のSPR波長における透過率(もしくは吸収係数)を測定することで対応する凝集度を推測することができる。
また、分光透過率等の測定により、SPR波長における透過率(もしくは吸収係数)について初期状態からの照射時間による変化を予め把握しておくことで、照射時間により凝集度を制御することも可能である。なお、透過率と吸収係数との関係は、透過率をT、吸収係数をOD[1/cm]、透過光強度をI、入射光強度をI、分散液の光路長をd[cm]とすると、
OD=Log10(T)/d T=I/I
の式で表される。特に、吸収係数ODについては、照射開始直後と反応収束後は、時間に対する変化がゼロに近付くが、中間ではほぼ線形となる。
図4は、光の照射時間とSPR波長における吸収係数との関係について具体例を示した図である。図中では、照射開始前(照射時間ゼロ)の初期濃度が吸収係数OD=0.7、1、2、3である4種類の分散液についてそれぞれ光を40分を照射した場合の吸収係数の変化を示しており、光照射時間が15分〜30分付近の間の領域では、初期濃度がOD=0.7のものを除いていずれも吸収係数の変化が略線形となることを示している。したがって、この領域では照射時間によって凝集度を容易に制御することが可能であることが分かる。
また、上述したように、本実施の形態の微粒子凝集体生成方法では、金属微粒子間の距離や衝突頻度によって凝集速度が変化し、分散液の温度や濃度が高い方が凝集速度が大きくなる。図5は、分散液の濃度による分光透過率の変化について具体例を示した図である。図5(a)は濃度が低い銀微粒子の分散液、図5(b)は濃度が高い銀微粒子の分散液について、それぞれ、光を0分、5分、10分、15分の照射した場合の分光透過率の状態を示している。図5(a)に示した濃度が低い分散液の場合には、照射時間が経過しても分光透過率がほとんど変化せず、凝集が促進されないことを示している。一方、図5(b)に示した濃度が高い分散液の場合には、照射時間の経過に伴ってSPR波長付近の透過率が高くなっており(照射光が吸収されており)、凝集が促進されていることを示している。
図6は、分散液の濃度による光学特性の変化について具体例を示した図である。図6(a)は分散液の分光透過率について、図6(b)は分散液の拡散透過率について、それぞれ、初期濃度がOD=1、2、3の3種類の分散液における色度座標上の位置の変化を示している。色度座標の外側ほどシャープな吸収・散乱特性を有する、すなわち均一な分散状態であることを示しており、いずれについてもOD=3が最も外側に位置することから、濃度が高いほど凝集状態での均一性が高くなることが分かる。
以上より、分散液の濃度は高いほどよいことになる。本実施の形態では図4に示したようにOD=1以上であれば、照射時間による凝集度の制御を可能としつつ、より濃度を高くすることで凝集速度や凝集状態の均一性を向上させることができる。一方で、濃度が高過ぎると光を照射した場合の透過光が少なくなるため、分光透過率を計測することができなくなる場合が生じる。したがって、モニタリング部30が、分散液2bからの散乱光ではなく透過光を計測して、その分光透過率に基づいて凝集度を推測する構成をとる場合には、SPR波長における透過光が光検出器32の検出限界以上となるような濃度を上限とするのが望ましい。
図7は、分散液の温度による分光透過率の変化について具体例を示した図である。図中では、照射開始前(照射時間ゼロ)の初期状態と、室温(RT)、30℃、40℃、50℃、60℃でそれぞれ光を15分照射した場合の分光透過率の状態を示している。室温の場合には、光を照射しても分光透過率がほとんど変化せず、30℃の場合でも凝集の促進の程度は低いことを示している。一方、40℃〜60℃の場合には、分光透過率がほぼ同じ程度に高くなっていることから、この程度まで温度を高くすることで凝集が促進されることが分かる。なお、上述したように、温度を高くし過ぎると溶媒の蒸発による濃度の変化と蒸気による光学特性の計測への影響が想定されるため、純水を溶媒とする本実施の形態の場合には40℃〜60℃に温度を制御するものとする。
図8は、本実施の形態における微粒子凝集体生成方法の処理の流れの例について概要を示したフローチャートである。ここでは、上述したように、予め、金属微粒子の凝集度と分光透過率や吸収係数等の光学特性、およびSPR波長付近の光の照射時間との対応関係について、温度や濃度、および光の照射強度のパラメータの組み合わせ毎にそれぞれ計測して把握したものを条件テーブル51に登録してあるものとする。
まず、目標設定として、ユーザが目標とする凝集度を設定する(S01)。例えば、凝集する微粒子数や、微粒子凝集体のサイズにより設定することができる。設定は、例えば、制御部50が有するユーザインタフェースを介してユーザが入力する。照射部20が照射器21により照射する光の波長を切り替えられる構成を有する場合には、凝集対象の微粒子の材料等を指定できるようにしてもよい。
次に、凝集反応の条件決定として、制御部50が、濃度・温度・光の照射強度のパラメータ値を決定する(S11)。上述したように、分散液の濃度や温度、光の照射強度によって凝集反応の速度を制御することができるため、例えば、所定の所要時間内に凝集反応が完了するよう、これらのパラメータ値を決定する。照射部20が照射器21により照射する光の波長を切り替えられる構成を有する場合には、照射光の波長を対象のものに切り替えるようにしてもよい。パラメータ値の決定に際しては、例えば、条件テーブル51に登録されている内容に基づいて任意のアルゴリズムによって決定することができる。一部もしくは全部のパラメータについてユーザからの入力を受け付けて手動で設定するようにしてもよい。また、例えば、光の照射強度のように、照射器21の構成によっては固定値となる場合には、当該固定値を用いるものとして決定を省略してもよい。
次に、分散液の準備として、まず、分散液の原液(図1の例における分散液2a)を作成する(S21)。例えば、市販の金属スラリーおよび分散液を溶媒と同じ液体で希釈し、撹拌する。撹拌方法は特に限定されず、ガラス棒を用いても容器ごと振るなどしてもよい。金属微粒子は水系合成方法によって作製されたものとし、溶媒は化学的に中性のものとする。本実施の形態では、純水を溶媒とする粒径10〜30nm程度の金属インク用銀ナノ粒子スラリーを純水で希釈し、上述したような四角柱状の容器に入れることで金属微粒子の分散液2aを得る。
次に、分散液2aの濃度を調整して所定の濃度の分散液2bを得る(S22)。上述したように、本実施の形態では、純水を溶媒とする銀微粒子の分散液のSPR波長である410nm付近における吸収係数ODが1〜3の値となるように調整する。その後、ユーザにより遮光環境10内の所定の位置にセットされた分散液2bを加熱器40により所定の温度に加熱する(S23)。上述したように、本実施の形態では40℃〜60℃に加熱する。例えば、分散液2bの容器が10mm×10mm×40mmのセルであり、加熱器40がホットプレートである場合には3分程度の短時間で所定の温度に達する。
その後、実際の凝集処理の開始として、照射部20が照射器21による光の照射をONにする(S31)。上述したように、照射光は白色光でもよいが、照射光のエネルギーを効率よく作用させるために、分散液2bの共鳴波長付近の単色光もしくは準単色光であるのが望ましい。本実施の形態では、純水を溶媒とする銀微粒子の分散液2bが410nm付近に共鳴波長を持つため、照射器21は、エネルギー中心波長が405nmのLED照明とする。
図9は、照射光のピーク波長による分光透過率の変化について具体例を示した図である。図9(a)は、異なる照射光の例として、中心波長(CWL)が405nm、470nm、530nm、625nmの4種類の各照射光についての波長毎の分光放射照度を示している。なお、図9の例では、CWLが530nmのみ照射強度は150μW/(cm・nm)、他は500μW/(cm・nm)となっている。図9(b)は、図9(a)の各波長の光を銀微粒子の分散液2bに対してそれぞれ60分照射した場合の時間経過に伴う分光透過率の変化を示している。図示するように、CWLが405nmのSPR波長付近の光の場合には銀微粒子の凝集により分光透過率が変化しているが、他の波長の光の場合には分光透過率がほぼ変化しておらず、凝集の促進にほとんど寄与していないことが分かる。
図8に戻り、光の照射をONにした後は、モニタリングとして、所定の時間間隔毎にもしくはユーザからの指示に基づいてモニタリング部30により分散液2bの分光透過率もしくは吸収係数などの光学特性を計測する(S32_1)。ここでは、発光器31により白色光等を分散液2bに対して照射し、透過光(もしくは散乱光)を光検出器32によって検出して、制御部50によりSPR波長における光学特性を計測して記録する。そして、条件テーブル51を参照して、光学特性(透過率もしくは吸収係数等)がステップS01で設定された目標の凝集度に対応する値に達しているかどうかを判定する(S32_2)。達していない場合は、ステップS32_1に戻って、光学特性の値が目標の凝集度に対応する値に達するまで光学特性の計測を繰り返す。
なお、モニタリング処理では、光学特性のモニタリングに加えて、分散液2bの濃度や温度が当初の値(もしくは所定の値)に維持されるよう監視・制御する処理を行ってもよい。また、凝集度が目標の値になっているか否かについて、必要に応じて別途SEM等により実際の凝集状態をユーザが観測するようにしてもよい。
ステップS32_2で光学特性の値が目標の凝集度に対応する値に達した場合には、照射部20が照射器21による光の照射をOFFにして凝集処理を終了する(S33)。また、これに併せて加熱器40による加熱やモニタリング部30によるモニタリングも終了して、処理全体を終了する。上記のような一連の処理により、目標の凝集度の微粒子凝集体の分散液2cを容易に得ることができる。
図8に示した処理フローでは、モニタリング処理により計測した光学特性が目標の凝集度に対応する値になったか否かを判定することで、凝集度が目標の値になるよう制御する処理となっている。これに対し、上述したように、分散液2bの温度や濃度、光の照射強度などのパラメータが一定の値をとる場合に、光の照射時間によって凝集度が目標の値となるよう制御することも可能である。
図10は、微粒子凝集体生成方法の処理の流れの他の例について概要を示したフローチャートである。基本的な内容は図8に示した処理フローと同様であるが、光の照射時間によって凝集度を制御する点が相違するため、その相違点を中心に説明する。
まず、目標設定として、ユーザが目標とする凝集度を設定する(S101)。この処理は図8のステップS01と同様であるため再度の説明は省略する。次に、凝集反応の条件決定として、まず、制御部50が、濃度・温度・光の照射強度のパラメータ値を決定する(S111)。この処理も図8のステップS11と同様であるため再度の説明は省略する。図10の例では、さらに、ステップS111で決定された濃度・温度、光の照射強度のパラメータ値に基づいて、ステップS101で設定された目標の凝集度となるような光の照射時間を決定する(S112)。例えば、条件テーブル51に予め登録されている内容に基づいて、各パラメータ値の組み合わせおよび目標の凝集度に対応する照射時間の情報を取得して決定することができる。
次に、分散液の準備として、ステップS121〜S123の各処理を行うが、これらの処理も図8のステップS21〜S23と同様であるため再度の説明は省略する。その後、実際の凝集処理の開始として、照射部20が照射器21による光の照射をONにする(S131)。この処理も図8のステップS31と同様であるため再度の説明は省略する。図10の例では、上述したように、微粒子凝集体が目標の凝集度になったか否かを光の照射時間によって制御する。そこで、ステップS131で光の照射をONにした後、その状態でステップS112で決定した照射時間を経過したか否かを判定する(S132)。照射時間が経過していない場合には経過するまで所定の時間間隔でステップS132の判定処理を繰り返す。
ステップS132で光の照射をONにしてから所定の照射時間を経過した場合には、照射部20が照射器21による照射をOFFにして凝集処理を終了する(S133)。この処理も図8のステップS33と同様であるため再度の説明は省略する。上記のような一連の処理により、目標の凝集度の微粒子凝集体の分散液2cを照射時間の制御により容易に得ることができる。さらに、事前の計測により条件テーブル51に温度・濃度・光の照射時間の各パラメータ値の組み合わせ毎の凝集度と照射時間の対応関係を登録してさえおけば、微粒子凝集制御装置1においてモニタリング部30が不要となり、装置構成をさらに簡略化することができる。
以上に説明したように、本発明の一実施の形態である微粒子凝集制御装置1もしくは微粒子凝集体生成方法によれば、金属微粒子が分散する分散液にSPR波長付近の光を照射することで、SPRによる金属微粒子の分極によって生じる強い双極子モーメントを利用して金属微粒子を凝集させる。これにより、金属微粒子や分散液に対して化学的な修飾を施す必要がないため、微粒子凝集体や分散液の化学的特性を保持できるのに加えて、開始材料として市販等の既存の金属微粒子を用いることができ、従来技術に比べて安価、簡易に微粒子凝集制御装置1として実装することが可能である。
また、微粒子凝集制御装置1として実装することで凝集反応の過程を制御することが容易に可能となり、例えば、金属微粒子の凝集度をモニタリングしながら目標の凝集度となるように光照射のON/OFFを制御することができる。また、光の照射時間を制御することで微粒子の凝集度を制御することが可能となる。また、濃度や温度、光の照射強度などを制御することで凝集速度を制御することも可能となる。
また、照射光として、白色光ではなく対象の金属微粒子の分散液に固有のSPR波長付近の最適な照射波長の光源を用いることで、従来技術での白色光照射による凝集に比べて凝集に要する時間を短縮することが可能となる。また、分散液中に金属微粒子が単体で分散する場合に限らず、複数種類の金属微粒子が混在して分散する分散液に対しても、照射光の波長を切り替えることで特定種類の金属微粒子のみを選択的に凝集させるよう制御することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の実施の形態は種々の領域に適用・応用することが可能である。
例えば、本発明の一実施の形態である微粒子凝集制御装置1もしくは微粒子凝集体生成方法を利用してナノ粒子を凝集して沈殿を促進させることで、ナノ粒子の材料を回収する装置や材料回収方法として活用することが可能である。この場合、化学反応によらずにナノ粒子を凝集させることができるため、溶媒やナノ粒子の分散体の材料を化学的に変化させることなく回収することが可能となる。
また、本発明の一実施の形態である微粒子凝集制御装置1もしくは微粒子凝集体生成方法を利用することで、同一材料の凝集のみによって種々の凝集度を持つ微粒子凝集体を容易かつ安価に製造することができる。そしてこれらの微粒子凝集体は凝集度に応じて多様な分光散乱特性を有する。すなわち、凝集度が異なる微粒子凝集体の分散液に対して白色光が照射された場合の反射散乱光もしくは透過光は、それぞれ凝集度に応じた発色となる。したがって、これらの微粒子凝集体を例えば塗料や化粧品、その他光学材料等に用いる散乱体や色材として活用することができる。
本発明は、既存の微粒子を凝集させて微粒子凝集体を得る微粒子凝集制御装置、微粒子凝集体生成方法、および微粒子凝集体に利用可能である。
1…微粒子凝集制御装置、2(2a〜2c)…分散液、
10…遮光環境、
20…照射部、21…照射器、
30…モニタリング部、31…発光器、32…光検出器、
40…加熱器、
50…制御部、51…条件テーブル






Claims (20)

  1. 複素誘電率の実数部が負である材料からなる微粒子を凝集させる微粒子凝集制御装置であって、
    溶媒に前記微粒子が分散する誘電体に対して、前記微粒子に双極子モーメントを誘起させる電磁波を照射する照射部と、
    前記誘電体中の前記微粒子を加熱する加熱器と、
    を有し、
    前記照射部により前記誘電体に前記電磁波を照射することで前記微粒子を凝集させ、
    前記加熱器は、前記誘電体中の前記微粒子を、室温より高く前記溶媒の沸点より低い所定の温度となるように加熱する、微粒子凝集制御装置。
  2. 請求項1に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記誘電体は、複素誘電率の実数部が正であり
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子において共鳴が生じる波長の電磁波である、微粒子凝集制御装置。
  3. 請求項1に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記誘電体は、複素誘電率の実数部が正であり
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子における共鳴波長を含む電磁波である、微粒子凝集制御装置。
  4. 請求項1に記載の微粒子凝集制御装置において
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子における共鳴によるエネルギーの吸収が極大となる波長を含む電磁波である、微粒子凝集制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記微粒子は、金属からなり、
    前記電磁波の照射により前記誘電体中の前記微粒子において生じる共鳴は表面プラズモン共鳴である、微粒子凝集制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    さらに、前記誘電体の光学特性を計測するモニタリング部と、
    前記照射部による前記電磁波の照射の開始/終了を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記照射部による前記電磁波の照射を開始した後、前記モニタリング部により計測された光学特性に基づいて前記微粒子の凝集状態を推測し、所望の凝集度に達したと判断した場合に、前記照射部による前記電磁波の照射を終了する、微粒子凝集制御装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    さらに、前記照射部による前記電磁波の照射の開始/終了を制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記照射部による前記電磁波の照射を開始した後、前記微粒子についての所望の凝集度に対応する照射時間の経過後、前記照射部による前記電磁波の照射を終了にする、微粒子凝集制御装置。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記誘電体中の前記微粒子の温度、濃度、および前記電磁波の照射強度のうち少なくともいずれか1つに対する値の設定によって前記微粒子の凝集の速度を制御する制御部を有する、微粒子凝集制御装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記誘電体には複数種類の前記微粒子が分散し、
    前記照射部は、前記誘電体中の第1の微粒子に対応する前記電磁波を照射することで、前記第1の微粒子を凝集させる、微粒子凝集制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の微粒子凝集制御装置において、
    前記溶媒が純水であるとき、前記加熱器は、前記誘電体中の前記微粒子を、40℃〜60℃に加熱する、微粒子凝集制御装置。
  11. 複素誘電率の実数部が負である材料からなる微粒子を凝集させて微粒子凝集体を生成する微粒子凝集体生成方法であって、
    照射部が、溶媒に前記微粒子が分散する誘電体に対して、前記微粒子に双極子モーメントを誘起させる電磁波を照射することで前記微粒子を凝集させて前記微粒子凝集体を得る第1工程と、
    加熱器が、前記誘電体中の前記微粒子を、室温より高く前記溶媒の沸点より低い所定の温度となるように加熱する第6工程と、
    を有する、微粒子凝集体生成方法。
  12. 請求項11に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記誘電体は、複素誘電率の実数部が正であり
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子において共鳴が生じる波長の電磁波である、微粒子凝集体生成方法。
  13. 請求項11に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記誘電体は、複素誘電率の実数部が正であり
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子における共鳴波長を含む電磁波である、微粒子凝集体生成方法。
  14. 請求項11に記載の微粒子凝集体生成方法において
    記電磁波は、前記誘電体中の前記微粒子における共鳴によるエネルギーの吸収が極大となる波長を含む電磁波である、微粒子凝集体生成方法。
  15. 請求項11に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記微粒子は、金属からなり、
    前記電磁波の照射により前記誘電体中の前記微粒子において生じる共鳴は表面プラズモン共鳴である、微粒子凝集体生成方法。
  16. 請求項11〜15のいずれか1項に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    さらに、前記誘電体の光学特性を計測する第2工程と、
    前記第2工程において計測された光学特性に基づいて前記微粒子の凝集状態を推測し、所望の凝集度に達したか否かを判定する第3工程と、
    前記第3工程において所望の凝集度に達したと判定された場合に、前記電磁波の照射を終了する第4工程と、を有する、微粒子凝集体生成方法。
  17. 請求項11〜15のいずれか1項に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    さらに、前記電磁波の照射を開始した後、前記微粒子についての所望の凝集度に対応する照射時間の経過後、前記電磁波の照射を終了する第5工程を有する、微粒子凝集体生成方法。
  18. 請求項11〜15のいずれか1項に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記第6工程では、前記微粒子の凝集の速度を制御するために、前記誘電体中の前記微粒子の温度、濃度、および前記電磁波の照射強度のうち少なくともいずれか1つに対する値を設定する、微粒子凝集体生成方法。
  19. 請求項11〜18のいずれか1項に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記誘電体には複数種類の前記微粒子が分散し、
    前記第1工程では、前記誘電体中の第1の微粒子に対応する前記電磁波を照射することで前記第1の微粒子を凝集させる、微粒子凝集体生成方法。
  20. 請求項11〜19のいずれか1項に記載の微粒子凝集体生成方法において、
    前記溶媒が純水であるとき、前記第6工程では、前記誘電体中の前記微粒子を、40℃〜60℃に加熱する、微粒子凝集体生成方法。
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