JP6673689B2 - レーザー加工装置、レーザー加工方法、および、接合体の製造方法 - Google Patents

レーザー加工装置、レーザー加工方法、および、接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2枚の基板を備える照射対象をレーザー光線によって加工するレーザー加工装置、レーザー加工方法、および、レーザー加工方法を用いた接合体の製造方法に関する。
有機ELデバイスなどのデバイスが備える2枚の基板を接合する接合方法には、2枚の基板の間にフリットペーストを配置する工程と、フリットペーストを加熱して溶解する工程とを含む第1の方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、接合方法には、2枚の基板の間に紫外線硬化性樹脂を配置する工程と、紫外線硬化性樹脂に対して、基板を通して紫外線を照射する工程とを含む第2の方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−126782号公報 特開2013−109836号公報
ところで、第1の方法では、フリットペーストが加熱されるとき、基板のうち、フリットペーストに触れている部分も加熱されるため、こうした加熱によって、基板の一部が損傷する場合がある。また、第2の方法では、基板に対して紫外線が照射されるため、紫外線に対する吸収性を有する基板、例えば樹脂製の基板は、紫外線の吸収によって損傷する場合がある。言い換えれば、第2の方法では、デバイスの備える基板として用いることが可能な基板の種類が制約される。そのため、基板に対する損傷がより抑えられた状態で、2枚の基板を接合することが可能な方法が求められている。
本発明は、基板の損傷を抑えることができるレーザー加工装置、レーザー加工方法、および、接合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのレーザー加工装置は、380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線を照射するレーザーと、照射対象は、2枚の基板であって、前記2枚の基板のうち、少なくとも一方が380nm以上780nm以下の波長を有した光に対して透過性を有する光透過性基板である前記2枚の基板と、前記2枚の基板の間に位置して前記各基板に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部とを含み、前記光透過性基板である一方の前記基板と前記レーザーとの距離が、他方の前記基板と前記レーザーとの距離よりも小さい状態で、前記照射対象を前記レーザー光線の光軸上の位置を含む載置領域に載置する載置部と、前記載置領域のうち、前記レーザー光線の前記光軸と重なる部位を走査する走査部と、を備える。
上記課題を解決するためのレーザー加工方法は、2枚の基板の間に位置して前記各基板に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部に、380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有する一方の前記基板を通して、380nm以上780nm以下の波長を有するレーザー光線を前記接合部に照射して、前記接合部を硬化させることを含む。
上記課題を解決するための接合体の製造方法は、2枚の基板であって、少なくとも一方が380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有する光透過性基板である前記2枚の基板の間に、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部を前記各基板に接した状態で配置して照射対象を形成することと、前記光透過性基板である一方の前記基板を通して、380nm以上780nm以下の波長を有するレーザー光線を前記接合部に照射して、前記接合部を硬化させることと、を含む。
上記構成によれば、接合部が硬化することによって、2枚の基板が接合されるため、2枚の基板を接合する上で、2枚の基板の間に介在する物質の溶解を必要としない分、2枚の基板が加熱されにくい。また、接合部に照射される光が、380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線、すなわち、可視光領域の波長を有したレーザー光線であるため、光透過性基板による光の吸収が生じにくい。そのため、基板の損傷を抑えることができる。
上記レーザー加工装置において、前記レーザーは、500nm以上600nm以下の波長を有した光を照射し、前記照射対象は、前記2枚の基板の間に、前記光透過性基板を通じて前記光透過性基板の外部に可視光を放出する発光部を有し、前記接合部は、500nm以上600nm以下の波長を有した光が照射されることによって硬化することが好ましい。
発光部を有する接合体に用いられる光透過性基板は、一般に、可視光領域の中でも、比視感度の高い光、すなわち、500nm以上600nm以下の波長の光に対して、より高い透過性を有している。そのため、上記構成によれば、レーザーの照射するレーザー光線の波長も、500nm以上600nm以下の波長であることから、レーザーの照射するレーザー光線が光透過性基板を透過するときに、レーザー光線の強度が低められにくい。結果として、レーザー光線のうち、接合部の硬化に寄与する割合が低められにくい。
上記レーザー加工装置において、前記レーザーは、第1光軸を有した第1レーザー光線を照射する第1レーザーであり、前記走査部は、第1走査部であり、第2光軸を有し、かつ、380nm以上780nm以下の波長を有した第2レーザー光線を、前記第1レーザーが前記第1レーザー光線を照射する位置とは異なる位置に照射する第2レーザーを備え、前記載置部は、前記照射対象を前記第1光軸上、かつ、前記第2光軸上に載置し、前記載置部のうち、前記第2光軸と重なる部位を、前記載置部の中で走査する第2走査部を備えてもよい。
上記レーザー加工装置において、第1光軸を有した第1レーザー光線と、前記第1光軸とは異なる第2光軸を有した第2レーザー光線とに前記レーザー光線を分岐する分岐部を備え、前記載置領域は、前記第1光軸上の位置と前記第2光軸上の位置とを含み、前記走査部は、前記載置領域のうち、前記第1光軸と重なる部位を走査する第1走査部であり、前記載置領域のうち、前記第2光軸と重なる部位を走査する第2走査部を備えてもよい。
上記レーザー加工方法において、前記レーザー光線は、第1光軸を有した第1レーザー光線であり、前記第1光軸とは異なる第2光軸を有したレーザー光線が第2レーザー光線であり、前記接合部を硬化させることでは、前記接合部のうち、第1位置に対する前記第1レーザー光線の照射と、前記第1位置とは異なる第2位置に対する前記第2レーザー光線の照射とを同時に行ってもよい。
上記構成によれば、照射対象に対して第1レーザー光線と第2レーザー光線とが照射されることによって、接合部が複数の部位から硬化する。そのため、照射対象に対して1つのレーザー光線が照射される構成と比べて、接合部における硬化時の収縮によって、接合部の形状が変わりにくくなる。
上記レーザー加工方法では、前記接合部において、硬化前の色が第1の色であり、硬化後の色が第1の色とは異なる第2の色であり、前記接合部を硬化させることでは、前記接合部の色が前記第1の色から前記第2の色に変わる光量の前記レーザー光線を前記接合部に対して照射してもよい。
上記構成によれば、接合部の硬化を接合部の色によって判断することができる。
上記レーザー加工方法において、前記接合部を硬化させることでは、前記レーザー光線を集光させる集光部を用い、前記集光部が、前記2枚の基板、および、前記接合部に対して焦点を有しない状態で、前記接合部に対して前記レーザー光線を照射してもよい。
上記構成によれば、集光部が、接合部および光透過性基板の各々に対して焦点を有しないため、接合部および光透過性基板に対してレーザー光線によって与えられるエネルギーが、可視光硬化樹脂および光透過性基板の各々を変性させる程度に大きくなることが抑えられる。
上記レーザー加工方法において、前記接合部は閉環状を有し、前記接合部を硬化させることでは、前記接合部によって区画される領域における中心を挟んで、前記第1位置と前記第2位置とが互い対向するように、前記第1位置と前記第2位置とを走査してもよい。
上記構成によれば、接合部における硬化時の収縮によって、接合部の形状における引きつりがより生じにくくなる。
本発明のレーザー加工装置の1つの実施形態において、レーザー加工装置の全体構成を示すブロック図。 レーザー加工装置が備えるレーザー光学系の構成を示すブロック図。 有機ELデバイスの製造方法において接合部を形成する工程を示す工程図。 第1基板の平面構造を示す平面図。 有機ELデバイスの製造方法において有機層を形成する工程を示す工程図。 有機ELデバイスの製造方法において第1基板と第2基板との位置合わせを行う工程を示す工程図。 デバイス中間体の断面構造を示す断面図。 有機ELデバイスの製造方法においてレーザー光線を照射する工程を示す工程図。 デバイス中間体に対する焦点の位置を説明するためのブロック図。 レーザー光線の照射後における有機ELデバイスの断面構造を示す断面図。 変形例におけるレーザー加工装置の全体構成を示すブロック図。 変形例におけるデバイス中間体へのレーザー光線の照射方法を説明するための図。 変形例におけるレーザー加工装置の全体構成を示すブロック図。
図1から図10を参照して、レーザー加工装置、レーザー加工方法、および、接合体の製造方法を具体化した1つの実施形態を説明する。本実施形態では、接合体の製造方法の一例として、有機ELデバイスの製造方法を説明する。以下では、レーザー加工装置の構成、レーザー加工方法を含む有機ELデバイスの製造方法を説明する。
[レーザー加工装置の構成]
図1および図2を参照してレーザー加工装置の構成を説明する。
図1が示すように、レーザー加工装置10は、レーザー光学系11、および、載置部12を備えている。レーザー光学系11は、レーザー21を備え、レーザー21は、380nm以上780nm以下の波長、すなわち、可視光領域の波長を有したレーザー光線Lを照射する。レーザー21は、500nm以上600nm以下の波長を有したレーザー光線Lを照射することが好ましい。
デバイス中間体30は、照射対象の一例であり、2枚の基板である第1基板31と第2基板32とを含む。第1基板31と第2基板32との両方が、380nm以上780nm以下の波長を有した光に対して透過性を有する光透過性基板の一例である。デバイス中間体30は、可視光硬化性樹脂製の接合部33をさらに含み、接合部33は、第1基板31と第2基板32との間に位置して各基板31,32に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する。
載置部12は、デバイス中間体30のうち、光透過性基板である一方の基板の一例である第1基板31とレーザー21との距離が、他方の基板の一例である第2基板32とレーザー21との距離よりも小さい状態で、デバイス中間体30をレーザー光線Lの光軸A上の位置を含む載置領域12Rに載置する。
レーザー光学系11は、走査部22をさらに備え、走査部22は、載置領域12Rのうち、レーザー光線Lの光軸Aと重なる部位を載置領域12Rの中で走査する。
レーザー加工装置10によれば、接合部33が硬化することによって、2枚の基板31,32が接合されるため、2枚の基板31,32を接合する上で、2枚の基板31,32の間に介在する物質の溶解を必要としない分、2枚の基板31,32が加熱されにくい。また、接合部33に照射される光が、380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線L、すなわち、可視光領域の波長を有したレーザー光線Lであるため、第1基板31による光の吸収が生じにくい。そのため、第1基板31の損傷を抑えることができる。
なお、デバイス中間体30のうち、第2基板32も光透過性基板の一例であるため、載置部12は、一方の基板の一例である第2基板32とレーザー21との距離が、他方の基板の一例である第1基板31とレーザー21との距離よりも小さい状態でデバイス中間体30を載置してもよい。
レーザー加工装置10は、載置部12を収容することが可能な空間を有した真空槽13を備え、載置部12は真空槽13の内部に位置する一方で、レーザー光学系11は、真空槽13の外部に位置している。真空槽13は、真空槽13を構成する壁部の一部にレーザー導入窓14を有している。レーザー導入窓14は、壁部に形成された貫通孔に対して埋め込まれた板部材であり、レーザー21の照射するレーザー光線Lに対する透過性を有している。レーザー光学系11は、真空槽13の内部であってデバイス中間体30が位置する載置領域12Rと、レーザー導入窓14を挟んで対向している。
真空槽13には排気部15が接続し、排気部15は、真空槽13の内部を排気して所定の圧力まで減圧する。
真空槽13の内部において、載置部12の位置、ひいては載置部12がデバイス中間体30を載置する載置領域12Rは固定されている。走査部22は、固定された載置領域12Rのうち、レーザー光線Lの光軸Aと重なる部位を載置領域12Rの中で走査する。これにより、走査部22は、載置領域12Rに載置されたデバイス中間体30のうち、レーザー光線Lの当たる位置を走査する。
レーザー加工装置10は、さらに制御部16を備え、制御部16は、レーザー光学系11の駆動、および、排気部15の駆動をそれぞれ制御する。
図2が示すように、レーザー光学系11は、レーザー21の照射したレーザー光線Lの光軸A上において、レーザー21と走査部22との間に、パワー調節部23およびトップハット光学系24を備えている。
レーザー21は、レーザー光線Lのパワーにおける分布がガウシアン分布であるレーザー光線Lを出力し、レーザー21は、連続波レーザーであってもよいし、パルスレーザーであってもよい。パワー調節部23は、レーザー21の出力したレーザー光線Lのパワーを調節する。トップハット光学系24は、レーザー光線Lのパワーにおける分布をガウシアン分布からトップハット型分布に変える。
走査部22は、ガルバノスキャナ25とfθレンズ26とを備えている。ガルバノスキャナ25は、載置領域12Rに設定される二次元平面の中で、レーザー光線Lの光軸Aが重なる位置を走査する。fθレンズ26は、集光部の一例であり、ガルバノスキャナ25によって走査されるレーザー光線Lを二次元平面上で集光させる。
なお、上述した制御部16は、レーザー光学系11のうち、ガルバノスキャナ25の駆動を制御して、ガルバノスキャナ25にレーザー光線Lを二次元平面上にて走査させる。
[有機ELデバイスの製造方法]
図3から図10を参照して有機ELデバイスの製造方法を説明する。以下では、有機ELデバイスの一例として、第1基板31と第2基板32との両方から有機ELデバイスの外部に光を放出する構成を説明する。なお、有機ELデバイスの製造は、デバイス中間体30が備える接合部33に対して、レーザー光L以外の可視光領域の光がほぼ照射されない環境にて行われる。
図3が示すように、有機ELデバイスの製造方法では、まず、第1基板31を準備し、第1基板31の1つの面に接合部33を可視光硬化性樹脂から形成する。接合部33において、硬化前の色が第1の色である。すなわち、レーザー光線Lが照射される前の接合部33は、第1の色を有している。第1の色は、例えば淡緑色である。
接合部33の形成材料である可視光硬化性樹脂は、合成樹脂と、光開始剤とを含んでいる。可視光硬化性樹脂は、380nm以上780nm以下の波長を有する光によって硬化する樹脂であり、500nm以上600nm以下の波長を有する光によって硬化する樹脂であることが好ましい。
第1基板31は、上述したように380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有した基板である。第1基板31は、可視光領域の中でも、比視感度の高い光である500nm以上600nm以下の波長の光に対して、より高い透過性を有している。なお、第1基板31は、500nm以上600nm以下の波長において、透過率の極大値を有することが好ましい。第1基板31は、例えばガラス基板や各種合成樹脂製の樹脂基板であればよい。
有機ELデバイスは、光を発する発光部の一例として有機層を有し、第1基板31を通じて、有機ELデバイスの外部に光を放出するデバイスである。第1基板31が500nm以上600nm以下の波長において、可視光領域の波長に対する透過率の中でも、相対的に高い透過率を有する基板であれば、可視光領域の波長を有した光のうち、比視感度の高い光の透過率が高まる。そのため、有機ELデバイスが放出する光のうち、有機ELデバイスを観察する観察者によって視認されやすい光の透過率が高まるため、有機ELデバイスの表示品質が高まる。
図4が示すように、第1基板31のうち、接合部33の位置する面と対向する平面視において、第1基板31は矩形状を有している。接合部33は、第1基板31の1つの面のうち、縁よりも内側に位置し、矩形枠状を有している。
図5が示すように、第2基板32を準備し、第2基板32は、素子基板32aとTFT基板32bとから構成されている。素子基板32aは、上述した第1基板31と同様、380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有した基板であり、可視光領域の中でも、比視感度の高い光である500nm以上600nm以下の波長の光に対して、より高い透過性を有している。なお、素子基板32aは、500nm以上600nm以下の波長において、透過率の極大値を有することが好ましい。素子基板32aは、例えばガラス基板や各種合成樹脂製の樹脂基板であればよい。
TFT基板32bは、複数の薄膜トランジスタ(TFT)を含むTFT層と、TFT層を支持する支持層とを含み、支持層は、素子基板32aと同様、380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有した基板である。支持層は、可視光領域の中でも、比視感度の高い光である500nm以上600nm以下の波長の光に対して、より高い透過性を有している。なお、支持層は、500nm以上600nm以下の波長において、透過率の極大値を有することが好ましい。支持層は、例えばガラス基板や各種合成樹脂製の樹脂基板であればよい。
すなわち、第2基板32は、全体として、380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有している。
TFT基板32bのうち、素子基板32aに接する面とは反対側の面に、アノード34、有機層35、および、カソード36をこの順番に形成する。アノード34およびカソード36の各々は、光透過性を有する透明電極であり、例えば、ITOおよびIZOなどの透明金属酸化物を用いてアノード34およびカソード36の各々は形成される。
有機層35は、第1基板31と第2基板32との各々を通じて、光透過性基板の外部に可視光を放出する。有機層35は、発光層および正孔輸送層などを含み、例えばトリスアルミニウムを用いて発光層は形成され、例えばN,N’‐ジ‐ナフチル‐N,N’‐ジフェニルベンジジン(NPB)を用いて正孔輸送層は形成される。
次いで、アノード34、有機層35、および、カソード36から構成される積層体37を覆い、可視光に対する透過性を有する被覆層38を形成する。被覆層38は、積層体37の周りを取り囲むことによって、積層体37を封止する機能と、被覆層38の周りの水分を吸湿することによって、被覆層38の外部から積層体37に向けて水分が透過することを抑える機能とを有している。被覆層38は、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および、シリカなどの吸水性を有する材料を含む乾燥剤を用いて形成される。
図6が示すように、接合部33が形成された第1基板31と、上述した積層体37、および、被覆層38が形成された第2基板32との位置合わせを行う。このとき、接合部33が、被覆層38の周りを取り囲むように、第1基板31と第2基板32との位置合わせを行う。
これにより、図7が示すように、接合部33が第1基板31と第2基板32との両方に接した状態で、第1基板31と第2基板32との間に接合部33を配置し、デバイス中間体30を形成する。
図8が示すように、第1基板31を通して、380nm以上780nm以下の波長を有するレーザー光線Lを接合部33に照射して、接合部33を硬化させる。2枚の基板31,32を接合する上で、2枚の基板31,32の間に介在する物質の溶解を必要としない分、2枚の基板31,32が加熱されにくい。また、接合部33に照射される光が、380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線Lであるため、第1基板31による光の吸収が生じにくい。そのため、第1基板31の損傷を抑えることができる。
さらに、2枚の基板31、32が加熱されにくいことから、各基板31,32を介して、接合部33によって囲まれる領域に熱が伝播することが抑えられる。そのため、接合部33によって囲まれる領域内に位置する被覆層38や、有機層35を含む積層体37が、熱によって損傷することを抑えることが可能となる。
接合部33を硬化させるときには、接合部33に対して、500nm以上600nm以下の波長を有したレーザー光線Lを照射することが好ましい。上述したように、第1基板31は、比視感度の高い光に対してより高い透過性を有している。そのため、レーザー光線Lの有する波長が、500nm以上600nm以下であれば、レーザー光線Lが第1基板31を透過するときに、レーザー光線Lの強度が低められにくい。結果として、レーザー光線Lのうち、接合部33の硬化に寄与する割合が低められにくい。
第1基板31に照射するレーザー光線Lの波長が500nm以上600nm以下であれば、可視光領域における他の波長を有する光と比べて、人の目によって視認されやすい。そのため、レーザー光線Lの照射位置を人の目で視認しながらアライメントする際に、アライメントが行いやすい。
また、レーザー光線Lの有する波長が500nm以上600nm以下であれば、第1基板31に照射するレーザー光線Lの波長が、可視光領域に含まれる波長の中でもより短波長である場合と比べて、レーザー光線Lの有するエネルギーが低いため、第1基板31に対してより損傷が生じにくくなる。
接合部33を硬化させるときには、デバイス中間体30の載置領域12Rの中で、レーザー光線Lの光軸Aと重なる位置を走査することによって、接合部33の全体にレーザー光線Lを照射する。例えば、上述した制御部16が、接合部33に沿って矩形枠状にレーザー光線Lの光軸Aが接合部33を走査するように、走査部22にレーザー光線Lを走査させる。
図9が示すように、接合部33を硬化させるとき、レーザー光線Lを集光させるfθレンズ26が、2枚の基板31,32、および、接合部33に焦点Fを有しない状態で、接合部33に対してレーザー光線Lを照射する。具体的には、第1基板31に対して接合部33とは反対側に焦点Fを有する状態で、接合部33に対してレーザー光線Lを照射する。
fθレンズ26が接合部33に対して焦点Fを有する状態で、接合部33に対してレーザー光線Lを照射したときには、接合部33のうちの一点であって、fθレンズ26の焦点Fと重なる部分に対して与えられる光量が、他の部分に与えられる光量よりも大きくなる。
これにより、接合部33の中で、与えられた光量の分布が形成され、接合部33の全体を硬化させるためには、接合部33のうちで、過剰な光量が与えられた部分が形成される場合があり、結果として、過剰な光が与えられた部分が変性する場合がある。
また、fθレンズ26が第1基板31に対して焦点Fを有する状態で、接合部33に対してレーザー光線Lを照射したときには、以下の可能性がある。すなわち、接合部33に対して接合部33が硬化するだけの光量を与えるまでに、第1基板31に与えられる光量が第1基板31を変性させる程度に大きくなる可能性がある。
なお、fθレンズ26が第1基板31に対して焦点Fを有する状態で、接合部33に対してレーザー光線Lを照射したとしても、レーザーが紫外線領域の波長を有したレーザー光線を照射する場合に比べて、第1基板31の変性を抑えることが可能ではある。
これに対して、fθレンズ26の焦点が第1基板31に対して接合部33とは反対側に位置していれば、接合部33および第1基板31に対してレーザー光線Lによって与えられるエネルギーが、接合部33および第1基板31の各々を変性させる程度に大きくなることが抑えられる。
また、fθレンズ26の焦点が第1基板31に対して接合部33とは反対側に位置していれば、接合部33には、焦点から拡散する光が照射されるため、接合部33の中で、与えられた光量に分布が形成されにくい。
図10が示すように、接合部33を硬化するときには、接合部33の色が、硬化前の色である第1の色から、硬化後の色である第2の色であって、第1の色とは異なる第2の色に変わる光量のレーザー光線Lを接合部33に対して照射する。第2の色は、例えば淡黄色である。これにより、接合体の一例である有機ELデバイス40を得ることができる。
接合部33において、硬化前の色が第1の色である一方で、硬化後の色が第1の色とは異なる第2の色であるため、接合部33の硬化を接合部33の色によって判断することができ、ひいては、接合部33に与える光量が過剰になることが抑えられる。
なお、接合部33が硬化したか否かの判断は、目視によって判断することも可能であるし、接合部33における色の情報、例えば、接合部33を撮像した画像が含む輝度の情報に基づいて、接合部33の色を判断することが可能な判断部によって判断することも可能である。
接合部33を硬化させるときには、接合部33の色が第1の色から第2の色に変わる光量を、連続する1つの期間にわたって与えてもよいし、互いに分断された複数の期間によって与えてもよい。
[実施例]
第1基板として矩形板状を有するガラス基板を準備し、第2基板として矩形板状を有するガラス基板を準備した。第1基板の1つの面に矩形枠状を有するように可視光硬化性樹脂を塗布することによって、接合部を形成した。第2基板が接合部に接する状態で、第2基板を第1基板に重ねることによって、第1基板と第2基板との間に接合部を有する照射対象を得た。
レーザーとして、532nmの波長を有するレーザー光線を照射するナノ秒パルスレーザーを用い、ナノ秒パルスレーザーにおいて、レーザー光線のパワーを0.9J/cmに設定した。走査部によるレーザー光線の走査速度を0.05m/secに設定して、接合部にレーザー光線を照射した。なお、レーザー光線のパワーとして、ガルバノスキャナに入射する前のパワーを測定した。
硬化前の接合部は、第1の色である淡緑色を有し、接合部の色を目視で確認しながら、接合部の色が、第2の色である淡黄色に変わるまで、接合部に対してレーザー光線を照射した。これにより、実施例の接合体を得た。
実施例の接合体では、接合部が硬化することによって、第1基板と第2基板とが、接合部によって接合されたことが認められた。
以上説明したように、レーザー加工装置、レーザー加工方法、および、接合体の製造方法の1つの実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)接合部33が硬化することによって、2枚の基板31,32が接合されるため、2枚の基板31,32を接合する上で、2枚の基板31,32の間に介在する物質の溶解を必要としない分、2枚の基板31,32が加熱されにくい。また、接合部33に照射される光が、380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線L、すなわち、可視光領域の波長を有したレーザー光線Lであるため、第1基板31による光の吸収が生じにくい。そのため、第1基板31の損傷を抑えることができる。
(2)レーザー21の照射するレーザー光線Lの波長が、500nm以上600nm以下の波長であれば、レーザー21の照射するレーザー光線Lが第1基板31を透過するときに、レーザー光線Lの強度が低められにくい。結果として、レーザー光線Lのうち、接合部33の硬化に寄与する割合が低められにくい。
(3)接合部33の硬化を接合部33の色によって判断することができる。
(4)fθレンズ26が、接合部33および第1基板31の各々に対して焦点を有しないため、接合部33および第1基板31に対してレーザー光線Lによって与えられるエネルギーが、接合部33および第1基板31の各々を変性させる程度に大きくなることが抑えられる。
(5)2枚の基板31、32が加熱されにくいため、各基板31,32を介して、接合部33によって囲まれる領域に熱が伝播することが抑えられる。それゆえに、接合部33によって囲まれる領域内に位置する被覆層38や、有機層35を含む積層体37が、熱によって損傷することを抑えることが可能となる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・図11が示すように、レーザー加工装置50は、第1レーザー光学系51と、第2レーザー光学系52とを備える構成であってもよい。第1レーザー光学系51は、上述したレーザー光学系11に相当し、レーザー21に相当する第1レーザー61と、走査部22に相当する第1走査部62とを備えている。第2レーザー光学系52は、第2レーザー63と第2走査部64とを備えている。第1レーザー61は、第1光軸A1を有し、かつ、380nm以上780nm以下の波長を有した第1レーザー光線L1を照射する。
第2レーザー63は、第2光軸A2を有し、かつ、380nm以上780nm以下の波長を有した第2レーザー光線L2を、第1レーザー61が第1レーザー光線L1を照射する位置とは異なる位置に照射する。なお、第2レーザー光学系52は、第2レーザー63および第2走査部64以外の構成として、上述したレーザー光学系11と同等の構成を備えている。
載置部12がデバイス中間体30を載置する載置領域12Rは、第1光軸A1上の位置に加えて、第2光軸A2上の位置をさらに含んでいる。第2レーザー光学系52の第2走査部64は、載置領域12Rのうち、第2光軸A2と重なる部位を走査する。
レーザー加工装置50は、制御部53をさらに備え、制御部53は、第1レーザー光学系51の駆動、および、第2レーザー光学系52の駆動をそれぞれ制御する。
レーザー加工装置50では、デバイス中間体30に対して第1レーザー61と第2レーザー63との各々からレーザー光線が同時に照射されることによって、接合部33が複数の部位から硬化する。そのため、1つのレーザーからデバイス中間体30に対してレーザー光線が照射される構成と比べて、接合部33における硬化時の収縮によって、接合部33の形状が変わりにくくなり、ひいては接合部33の形状に引きつりが生じにくくなる。
・第1レーザー光学系51および第2レーザー光学系52を備えるレーザー加工装置50では、第1レーザー光学系51および第2レーザー光学系52の各々は、以下のように接合部33に対してレーザー光線を照射してもよい。
すなわち、図12が示すように、接合部33に対するレーザー光線Lの照射を開始するとき、制御部53は、第1走査部62に、第1レーザー光線L1の第1光軸A1が、接合部33のうち、第1位置である1つの角部に重なるように、第1レーザー光線L1を走査させる。
これに対して、制御部53は、第2走査部64に、第2レーザー光線L2の第2光軸A2が、接合部33のうち、第1光軸A1が重なる位置とは異なる第2位置である角部に重なるように、第2レーザー光線L2を走査させる。接合部33において、第1光軸A1の重なる位置と、第2光軸A2の重なる位置とは、接合部33における1つの対角線上に位置している。
そして、制御部53は、第1走査部62に、第1光軸A1を接合部33に沿う第1経路R1に沿って第1レーザー光線L1を走査させる。これにより、制御部53は、接合部33の中で、第1光軸A1と重なる位置である第1位置を第1走査部62に走査させる。
一方で、制御部53は、第2走査部64に、第2光軸A2を接合部33に沿う第2経路R2であって、かつ、接合部33が構成する閉環の中において、第1光軸A1と第2光軸A2との距離が、一定に保たれる第2経路R2に沿って第2レーザー光線L2を走査させる。これにより、制御部53は、接合部33の中で、第2光軸A2と重なる位置である第2位置を第2走査部64に走査させる。
言い換えれば、第1経路R1と第2経路R2とは、接合部33が構成する閉環の中において、接合部33によって区画される領域の中心を通る中心軸に対する回転方向が同じである。
このように、制御部53は、閉環状の接合部33に対して、接合部33によって区画される領域における中心を挟んで、第1位置と第2位置とが互いに対向するように、第1位置を第1走査部62に走査させ、第2位置を第2走査部64に走査させる。
結果として、接合部33は、接合部33によって区画される領域における中心を挟んで、互いに対向する位置にて硬化されるため、接合部33における硬化時の収縮によって、接合部33の形状に引きつりが生じにくくなる。
なお、接合部33は円環状を有してもよく、接合部33が円環状を有する場合にも、接合部33によって区画される領域における中心を挟んで、互いに対向する位置にて接合部33を硬化させれば、接合部33における硬化時の収縮によって、接合部33の形状に引きつりが生じにくくなる。
・図13が示すように、レーザー加工装置70は、1つのレーザー光学系71を備え、レーザー光学系71は、レーザー81、分岐部82、第1走査部83、および、第2走査部84を備える構成であってもよい。分岐部82は、第1光軸A1を有した第1レーザー光線L1と、第1光軸A1とは異なる第2光軸A2を有した第2レーザー光線L2とにレーザー81の照射するレーザー光線を分岐する。分岐部82は、例えば、偏光ビームスプリッタ、および、ハーフミラーなどである。
レーザー加工装置70は、制御部72をさらに備え、制御部72は、第1走査部83の駆動、および、第2走査部84の駆動をそれぞれ制御する。
載置部12がデバイス中間体30を載置する載置領域12Rは、第1光軸A1上の位置と第2光軸A2上の位置とを含む。第1走査部83は、載置領域12Rのうち、第1光軸A1と重なる部位を走査し、第2走査部84は、載置領域12Rのうち、第2光軸A2と重なる部位を走査する。
こうした構成によっても、図11を参照して先に説明した構成と同様、第1走査部83の走査する第1レーザー光線L1と、第2走査部84の走査する第2レーザー光線L2とを、接合部33における互いに異なる位置に同時に照射することが可能である。そのため、接合部33における硬化時の収縮によって、接合部33の形状に引きつりが生じにくくなる。
・接合部33にレーザー光線Lを照射するとき、fθレンズ26は、他方の基板の一例である第2基板32に対して接合部33とは反対側に焦点を有してもよい。こうした構成であっても、fθレンズ26が、第1基板31、第2基板32、および、接合部33のいずれにも焦点Fを有しないため、上述した(4)と同等の効果を得ることはできる。
・接合部33にレーザー光線Lを照射するとき、fθレンズ26は、接合部33に焦点Fを有してもよいし、第1基板31に焦点Fを有してもよい。あるいは、fθレンズ26は、第2基板32に焦点Fを有してもよい。こうした構成であっても、接合部33に対して可視光領域の波長を有したレーザー光線Lを照射する以上は、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。ただし、上述したように、接合部33における変性、および、各基板31,32における変性を抑える上では、fθレンズ26は、第1基板31に対して接合部33とは反対側に焦点を有することが好ましい。
・接合部33を硬化させるときには、接合部33の色が、第1の色から第2の色に変わって以降も接合部33にレーザー光線Lを照射してもよい。こうした構成であっても、接合部33に対して可視光領域の波長を有したレーザー光線Lを照射する以上は、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・接合部33は、硬化前と硬化後とにおいて、同じ色であってもよい。こうした構成であっても、接合部33が硬化したか否かは、例えば接合部33における接合強度から判断することが可能である。そのため、レーザー光線Lのパワーが所定の値であるときに、接合部33の硬化に必要な照射時間を、接合部33における接合強度に基づき予め求め、接合部33に予め求めた照射時間だけレーザー光線Lを照射すればよい。これにより、接合部33に対して、接合部33を硬化させるだけの光量を与えることは可能である。
・接合部33の硬化に用いるレーザー光線Lの波長は、照射対象が発光部を備えていなくても、500nm以上600nm以下であってもよい。こうした構成であっても、接合部33に対して500nm以上600nm以下の波長を有したレーザー光線Lを照射すれば、上述した(2)と同等の効果を得ることはできる。
・レーザー光線Lの照射対象は、上述したデバイス中間体30に限らず、例えば発光部を有しないデバイスであってもよい。要は、照射対象は、2枚の基板と、2枚の基板の間に位置する可視光硬化性樹脂製の接合部であって、硬化によって2枚の基板を接合する接合部を少なくとも備えていればよい。
・走査部は、ガルバノスキャナに代えてポリゴンスキャナを備える構成であってもよい。要は、走査部は、2次元平面上でレーザー光線Lを走査することができ、かつ、走査したレーザー光線Lを集光する集光部を有する構成であればよい。
・レーザー光学系11から出力されたレーザー光線Lの照射位置は、レーザー加工装置10内にて固定である一方で、走査部は、照射位置に対する載置部12の位置を変える機構であってもよい。こうした構成であっても、接合部33の全体に対してレーザー光線Lを照射することは可能である。また、レーザー加工装置10は、上述したレーザー光学系11の備える走査部22である第1走査部と、レーザー加工装置10内における載置部12の位置を変える機構である第2走査部との両方を備える構成であってもよい。第1走査部と第2走査部とを備える構成であっても、接合部33の全体に対してレーザー光線Lを照射することは可能である。
・第1基板31を通して接合部33に対してレーザー光線Lを照射した後に、第2基板32を通して接合部33に対してレーザー光線Lを照射してもよい。あるいは、第2基板32に対して接合部33を通してレーザー光線Lを照射した後に、第1基板31を通して接合部33に対してレーザー光線を照射してもよい。
・デバイス中間体30では、第1基板31が光透過性基板の一例である一方で、第2基板32は可視光に対する透過性を有しない基板であってもよく、この場合には、第1基板31を通して、接合部33に対してレーザー光線Lを照射すればよい。あるいは、第2基板32が光透過性基板の一例である一方で、第1基板31は可視光に対する透過性を有しない基板であってもよく、この場合には、第2基板32を通して、接合部33に対してレーザー光線Lを照射すればよい。これらのいずれの構成であっても、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
・アノード34およびカソード36のいずれか一方は、金属から形成されてもよい。このうち、アノード34が金属から形成されるときには、有機ELデバイス40の有機層35は、カソード36、被覆層38、および、第1基板31を通じて、有機ELデバイス40の外部に光を放出することができる。これに対して、カソード36が金属から形成されるときには、有機層35は、アノード34、および、第2基板32を通じて、有機ELデバイス40の外部に光を放出することができる。
なお、アノード34が金属から形成されるときには、少なくとも第1基板31が光透過性基板であればよく、第2基板32は可視光領域の波長を有する光に対して透過性を有していなくてもよい。また、カソード36が金属から形成されるときには、少なくとも第2基板32が光透過性基板であればよく、第1基板31は可視光領域の波長を有する光に対して透過性を有していなくてもよい。
・第1基板31および第2基板32は、上述した矩形状に限らず、例えば円形状を有してもよいし、三角形状および五角形状などの四角形以外の多角形状を有してもよい。そして、第1基板31と第2基板32との間に位置する接合部33は、第1基板31と第2基板32とを接合することが可能であれば、上述した矩形枠状のような閉環形状に限らず、直線状、折線状、および、円形状などの他の形状を有していてもよい。
・レーザー加工装置10,50,70は、所定の圧力に減圧された雰囲気にてレーザー光線の照射を行う装置に限らず、例えば、大気圧雰囲気などにてレーザー光線の照射を行う装置であってもよい。
10,50,70…レーザー加工装置、11,71…レーザー光学系、12…載置部、12R…載置領域、13…真空槽、14…レーザー導入窓、15…排気部、16,53,72…制御部、21,81…レーザー、22…走査部、23…パワー調節部、24…トップハット光学系、25…ガルバノスキャナ、26…fθレンズ、30…デバイス中間体、31…第1基板、32…第2基板、32a…素子基板、32b…TFT基板、33…接合部、34…アノード、35…有機層、36…カソード、37…積層体、38…被覆層、40…有機ELデバイス、51…第1レーザー光学系、52…第2レーザー光学系、61…第1レーザー、62,83…第1走査部、63…第2レーザー、64,84…第2走査部、82…分岐部。

Claims (7)

  1. 第1光軸を有し、かつ、380nm以上780nm以下の波長を有した第1レーザー光線を照射する第1レーザーと、
    照射対象は、2枚の基板であって、前記2枚の基板のうち、少なくとも一方が380nm以上780nm以下の波長を有した光に対して透過性を有する光透過性基板である前記2枚の基板と、前記2枚の基板の間に位置して前記各基板に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部とを含み、
    前記光透過性基板である一方の前記基板と前記第1レーザーとの距離が、他方の前記基板と前記第1レーザーとの距離よりも小さい状態で、前記照射対象を前記第1レーザー光線の前記第1光軸上の位置を含む載置領域に載置する載置部と、
    前記載置領域のうち、前記第1レーザー光線の前記第1光軸と重なる第1位置を走査する第1走査部と、を備え
    前記載置領域は、第2光軸上の位置をさらに含み、
    前記第2光軸を有し、かつ、380nm以上780nm以下の波長を有した第2レーザー光線を、前記第1レーザーが前記第1レーザー光線を照射する位置とは異なる位置に照射する第2レーザーと、
    前記載置領域のうち、前記第2光軸と重なる第2位置であって、前記第1位置とは異なる前記第2位置を走査する第2走査部と、をさらに備え、
    前記接合部は閉環状を有し、
    前記第1レーザーおよび前記第2レーザーは、前記接合部のうち、前記第1位置に対する前記第1レーザー光線の照射と、前記第2位置に対する前記第2レーザー光線の照射とを同時に行い、
    前記第1走査部および前記第2走査部は、前記接合部に対して前記第1レーザー光線および前記第2レーザー光線を照射する期間中にわたって、前記接合部によって区画される領域における中心を挟んで、前記第1位置と前記第2位置とが互いに対向するように、前記第1位置と前記第2位置とを走査させる
    レーザー加工装置。
  2. 前記第1レーザーおよび前記第2レーザーは、500nm以上600nm以下の波長を
    有した光を照射し、
    前記照射対象は、前記2枚の基板の間に、前記光透過性基板を通じて前記光透過性基板の外部に可視光を放出する発光部を有し、
    前記接合部は、500nm以上600nm以下の波長を有した光が照射されることによって硬化する
    請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 380nm以上780nm以下の波長を有したレーザー光線を照射するレーザーと、
    照射対象は、2枚の基板であって、前記2枚の基板のうち、少なくとも一方が380nm以上780nm以下の波長を有した光に対して透過性を有する光透過性基板である前記2枚の基板と、前記2枚の基板の間に位置して前記各基板に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部とを含み、
    前記光透過性基板である一方の前記基板と前記レーザーとの距離が、他方の前記基板と前記レーザーとの距離よりも小さい状態で、前記照射対象を前記レーザー光線の光軸上の位置を含む載置領域に載置する載置部と、
    第1光軸を有した第1レーザー光線と、前記第1光軸とは異なる第2光軸を有した第2レーザー光線とに前記レーザー光線を分岐する分岐部と、
    前記載置領域のうち、前記第1光軸と重なる第1位置を走査する第1走査部と、
    前記載置領域のうち、前記第2光軸と重なる第2位置を走査する第2走査部と、を備え、
    前記載置領域は、前記第1光軸上の前記第1位置と前記第2光軸上の前記第2位置とを含み、
    前記接合部は閉環状を有し、
    前記レーザーは、前記接合部のうち、前記第1位置に対する前記第1レーザー光線の照射と、前記第2位置に対する前記第2レーザー光線の照射とを同時に行い、
    前記第1走査部および前記第2走査部は、前記接合部に対して前記第1レーザー光線および前記第2レーザー光線を照射する期間中にわたって、前記接合部によって区画される領域における中心を挟んで、前記第1位置と前記第2位置とが互いに対向するように、前記第1位置と前記第2位置とを走査させる
    ーザー加工装置。
  4. 2枚の基板の間に位置して前記各基板に接し、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する可視光硬化性樹脂製の接合部に、380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有する一方の前記基板を通して、380nm以上780nm以下の波長を有するレーザー光線を前記接合部に照射して、前記接合部を硬化させることを含み、
    前記レーザー光線は、第1光軸を有した第1レーザー光線であり、
    前記第1光軸とは異なる第2光軸を有したレーザー光線が第2レーザー光線であり、
    前記接合部は閉環状を有し、
    前記接合部を硬化させることでは、前記接合部のうち、第1位置に対する前記第1レーザー光線の照射と、前記第1位置とは異なる第2位置に対する前記第2レーザー光線の照射とを同時に行い、かつ、前記第1レーザー光線および前記第2レーザー光線を照射する期間中にわたって、前記接合部によって区画される領域における中心を挟んで、前記第1位置と前記第2位置とが互いに対向するように、前記第1位置と前記第2位置とを走査する
    レーザー加工方法。
  5. 前記接合部において、硬化前の色が第1の色であり、硬化後の色が第1の色とは異なる第2の色であり、
    前記接合部を硬化させることでは、前記接合部の色が前記第1の色から前記第2の色に変わる光量の前記レーザー光線を前記接合部に対して照射する
    請求項に記載のレーザー加工方法。
  6. 前記接合部を硬化させることでは、前記レーザー光線を集光させる集光部を用い、前記集光部が、前記2枚の基板、および、前記接合部に焦点を有しない状態で、前記接合部に対して前記レーザー光線を照射する
    請求項またはに記載のレーザー加工方法。
  7. 2枚の基板であって、少なくとも一方が380nm以上780nm以下の波長を有する光に対して透過性を有する光透過性基板である前記2枚の基板の間に、380nm以上780nm以下の波長を有する光が照射されることによって硬化する接合部を前記各基板に接した状態で配置して照射対象を形成することと、
    前記光透過性基板である一方の前記基板を通して、380nm以上780nm以下の波長を有するレーザー光線を前記接合部に照射して、前記接合部を硬化させることと、を含み、
    前記レーザー光線は、第1光軸を有した第1レーザー光線であり、
    前記第1光軸とは異なる第2光軸を有したレーザー光線が第2レーザー光線であり、
    前記接合部は閉環状を有し、
    前記接合部を硬化させることでは、前記接合部のうち、第1位置に対する前記第1レーザー光線の照射と、前記第1位置とは異なる第2位置に対する前記第2レーザー光線の照射とを同時に行い、かつ、前記第1レーザー光線および前記第2レーザー光線を照射する期間中にわたって、前記接合部によって区画される領域における中心を挟んで、前記第1位置と前記第2位置とが互いに対向するように、前記第1位置と前記第2位置とを走査する
    接合体の製造方法。
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