JP6673645B2 - 差動増幅器 - Google Patents

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Description

本発明は、差動増幅器に関する。
2つの入力電圧の差を増幅するために、差動増幅器が利用される。差動増幅器の性能を表す指標のひとつとして、同相信号除去比(CMRR:Common-Mode Rejection Ration)がある。
従来では、高いCMRRを得るために、差動増幅器を構成するトランジスタや抵抗の素子バラツキを低減する配慮を施した上で、トリミングなどの手法により抵抗値や電流値を細かく調整するなどの手法が採られていた。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、CMRRが改善され、および/または同相入力範囲の広い差動増幅器の提供にある。
本発明のある態様は、差動増幅器に関する。差動増幅器は、差動入力信号を差動増幅する差動入力段と、差動入力段の出力信号を増幅する増幅段と、を備える。差動入力段は、差動入力信号を受ける入力差動対と、バイポーラトランジスタで構成され、入力差動対に対して負荷として設けられたカレントミラー回路と、入力差動対にテイル電流を供給する第1電流源と、を含む。増幅段は、そのベースが差動入力段の出力と接続されるバイポーラトランジスタである増幅トランジスタと、増幅トランジスタにバイアス電流を供給する第2電流源と、増幅トランジスタと第2電流源の間に挿入され、差動入力信号に応じて、第2電流源との接続点の電位を変化させる。
同相入力電圧が変化すると、第1電流源が生成するテイル電流が変化する。バランス回路を設けたことにより、第2電流源が生成するバイアス電流も、同相入力電圧に追従して変化するようになる。これにより増幅トランジスタのベース電流の入力電圧特性を、カレントミラー回路のベース電流の合計の入力電圧特性に近づけることができる。その結果、差動入力段の電流バランスを改善することができ、同相信号除去比を改善し、あるいは、同相入力範囲を広げることができる。
バランス回路は、差動入力信号に応じて、第2電流源との接続点の電位を、第1電流源と入力差動対の接続点の電位に近づけてもよい。
これにより、第2電流源の両端間の電圧が第1電流源の両端間の電圧に近づくこととなり、同相信号除去比の改善の効果を高め、あるいは、同相入力範囲をより広げることができる。
バランス回路は、入力差動対と同型・同極性であるトランジスタのペアを含み、トランジスタのペアのエミッタ/ソース同士が共通に接続され、トランジスタのペアのコレクタ/ドレイン同士が共通に接続され、トランジスタのペアそれぞれのベース/ゲートには、差動入力信号に応じた信号が入力されてもよい。
この構成により、第1電流源の両端間電圧と、第2電流源の両端間電圧を、差動入力信号の同相入力電圧レベルに依存せずに、精度よく均一化することができる。
第1電流源と第2電流源は同一の構造を有してもよい。第1電流源と第2電流源はそれぞれ、同型・同極性であり、共通の信号によりバイアスされたトランジスタを含んでもよい。
入力差動対はPNP型バイポーラトランジスタで構成され、カレントミラー回路は、NPN型バイポーラトランジスタで構成され、増幅トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタで構成され、バランス回路を構成するトランジスタのペアはPNP型バイポーラトランジスタで構成されてもよい。
入力差動対はNPN型バイポーラトランジスタで構成され、カレントミラー回路は、PNP型バイポーラトランジスタで構成され、増幅トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタで構成され、バランス回路を構成するトランジスタのペアはNPN型バイポーラトランジスタで構成されてもよい。
本発明の別の態様もまた、差動増幅器である。この差動増幅器は、NPN型バイポーラトランジスタまたはNMOSトランジスタであり、そのベース/ゲートに差動入力信号の一方が入力される第1トランジスタと、NPN型バイポーラトランジスタまたはNMOSトランジスタであり、そのベース/ゲートに差動入力信号の他方が入力され、そのエミッタ/ソースが第1トランジスタのエミッタ/ソースと接続される第2トランジスタと、PNP型バイポーラトランジスタであり、そのコレクタが第1トランジスタのコレクタ/ドレインと接続され、そのベースコレクタ間が接続され、そのエミッタが電源ラインと接続される第3トランジスタと、PNP型バイポーラトランジスタであり、そのコレクタが第2トランジスタのコレクタ/ドレインと接続されており、そのベースが第3トランジスタのベースと接続され、そのエミッタが電源ラインと接続される第4トランジスタと、第1トランジスタおよび第2トランジスタのエミッタ/ソースと接続される第1電流源と、NPN型バイポーラトランジスタであり、そのベースが第4トランジスタのコレクタと接続され、そのエミッタが電源ラインと接続される第5トランジスタと、第1トランジスタと同型・同極性であり、そのベース/ゲートに第1トランジスタのベース/ゲートと同電位の信号が入力され、そのコレクタ/ドレインが第5トランジスタのコレクタと接続される第6トランジスタと、第2トランジスタと同型・同極性であり、そのベース/ゲートに第2トランジスタのベース/ゲートと同電位の信号が入力され、そのコレクタ/ドレインが第5トランジスタのコレクタと接続される第7トランジスタと、第6トランジスタのエミッタ/ソースおよび第7トランジスタのエミッタ/ソースと接続され、バイアス電流を供給する第2電流源と、を備える。
本発明のさらに別の態様もまた、差動増幅器である。この差動増幅器は、PNP型バイポーラトランジスタまたはPMOSトランジスタであり、そのベース/ゲートに差動入力信号の一方が入力される第1トランジスタと、PNP型バイポーラトランジスタまたはPMOSトランジスタであり、そのベース/ゲートに差動入力信号の他方が入力され、そのエミッタ/ソースが第1トランジスタのエミッタ/ソースと接続される第2トランジスタと、NPN型バイポーラトランジスタであり、そのコレクタが第1トランジスタのコレクタ/ドレインと接続され、そのベースコレクタ間が接続され、そのエミッタが接地ラインと接続される第3トランジスタと、NPN型バイポーラトランジスタであり、そのコレクタが第2トランジスタのコレクタ/ドレインと接続されており、そのベースが第3トランジスタのベースと接続され、そのエミッタが接地ラインと接続される第4トランジスタと、第1トランジスタおよび第2トランジスタのエミッタ/ソースと接続される第1電流源と、PNP型バイポーラトランジスタであり、そのベースが第4トランジスタのコレクタと接続され、そのエミッタが接地ラインと接続される第5トランジスタと、第1トランジスタと同型・同極性であり、そのベース/ゲートに第1トランジスタのベース/ゲートと同電位の信号が入力され、そのコレクタ/ドレインが第5トランジスタのコレクタと接続される第6トランジスタと、第2トランジスタと同型・同極性であり、そのベース/ゲートに第2トランジスタのベース/ゲートと同電位の信号が入力され、そのコレクタ/ドレインが第5トランジスタのコレクタと接続される第7トランジスタと、第6トランジスタのエミッタ/ソースおよび第7トランジスタのエミッタ/ソースと接続され、バイアス電流を供給する第2電流源と、を備える。
同相入力電圧が変化すると、第1電流源が生成するテイル電流が変化する。バランス回路を設けたことにより、第2電流源が生成するバイアス電流は、テイル電流に追従して変化する。これにより第3トランジスタおよび第4トランジスタのベース電流の合計と、第5トランジスタのベース電流の入力電圧特性を揃えることができ、同相信号除去比を改善し、あるいは、同相入力範囲を広げることができる。
差動増幅器は、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、差動増幅器のCMRRを改善し、および/または同相入力範囲を広げることができる。
実施の形態に係る差動増幅器の回路図である。 差動増幅器の具体的な構成例を示す回路図である。 第1電流源および第2電流源の回路図である。 比較技術に係る差動増幅器の回路図である。 図5(a)〜(c)は、図4の差動増幅器のシミュレーション結果を示す図である。 図6(a)、(b)は、図2、図3の差動増幅器のシミュレーション結果を示す図である。 第1変形例に係る差動増幅器の回路図である。 第4変形例に係る差動増幅器の回路図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図1は、実施の形態に係る差動増幅器100の回路図である。差動増幅器100は差動入力端子INP,INNに差動入力信号Vp,Vnを受け、差動増幅して出力端子OUTから出力する。差動増幅器100の電源ライン102には電源電圧VCCが供給され、接地ライン104には接地電位VGNDが供給される。
差動増幅器100は、差動入力段110、増幅段120、出力段130を備える。差動入力段110は、差動入力信号Vp,Vnを差動増幅する。増幅段120は、差動入力段110の出力信号Vsを増幅する。出力段130は、増幅段120の後段に設けられ、出力信号Vsに応じた出力信号VOUTを生成する。出力段130は省略されてもよい。
差動入力段110は、入力差動対112、カレントミラー回路114、第1電流源CS1を備える。入力差動対112は、差動入力信号Vp,Vnを受ける。
カレントミラー回路114は、バイポーラトランジスタで構成され、入力差動対112に対して負荷として設けられる。カレントミラー回路114は、カレントミラー負荷とも称される。第1電流源CS1は、入力差動対112にテイル電流Iを供給する。入力差動対112は、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2を含む。第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2はPNP型バイポーラトランジスタであり、それらのエミッタは共通に接続される。第1トランジスタQ1のベースには、第8トランジスタQ8を介して差動入力信号の一方Vpが入力され、第2トランジスタQ2のベースには、第9トランジスタQ9を介して差動入力信号の他方Vnが入力される。第8トランジスタQ8、第9トランジスタQ9は、第3電流源CS3、第4電流源CS4によってバイアスされている。
カレントミラー回路114は、NPN型バイポーラトランジスタである第3トランジスタQ3、第4トランジスタQ4を含む。第3トランジスタQ3のコレクタは、第1トランジスタQ1のコレクタと接続され、第4トランジスタQ4のコレクタは、第2トランジスタQ2のコレクタと接続される。第3トランジスタQ3、第4トランジスタQ4のエミッタは接地ラインと接続される。第1電流源CS1は、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2の共通のエミッタと接続され、入力差動対112にテイル電流Iを供給する。
増幅段120は、増幅トランジスタ(以下、第5トランジスタとも称する)Q5、第2電流源CS2、バランス回路122を含む。第5トランジスタQ5のベースは差動入力段110の出力116と接続される。第5トランジスタQ5は、第3トランジスタQ3および第4トランジスタQ4と同型かつ同極性(つまりNPN型バイポーラトランジスタ)であり、そのベースが第4トランジスタQ4のコレクタと接続され、そのエミッタは接地ライン104と接続される。第2電流源CS2は、第5トランジスタQ5にバイアス電流Iを供給する。
バランス回路122は、第5トランジスタQ5と第2電流源CS2の間に挿入される。バランス回路122は、差動入力信号Vp,Vnに応じて、第2電流源CS2との接続点の電位Vを変化させる。
より好ましくは、バランス回路122は、差動入力信号Vp,Vnに応じて、第2電流源CS2との接続点の電位Vを、第1電流源CS1と入力差動対112の接続点の電位Vに近づける。言い換えれば第2電流源CS2の両端間の電圧VCE2を第1電流源CS1の両端間の電圧VCE1に近づける。
出力段130は、バイアス電流Iと第5トランジスタQ5のコレクタ電流IC5の差分電流(I−IC5)を増幅し、もしくは第5トランジスタQ5のコレクタ電圧VC5を増幅する。
以上が差動増幅器100の全体構成である。本発明は、図1の回路図あるいは上記説明から把握されるさまざまな具体的な構成を包含する。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を容易、明確化するために、より具体的な回路構成を説明する。
図2は、差動増幅器100の具体的な構成例を示す回路図である。バランス回路122は、入力差動対112と同型・同極性であるトランジスタのペア(第6トランジスタ、第7トランジスタ)Q6、Q7を含む。本実施の形態において第6トランジスタQ6、第7トランジスタQ7はPNP型バイポーラトランジスタであり、エミッタ/ソース同士が共通に接続され、コレクタ/ドレイン同士が共通に接続される。トランジスタのペアQ6、Q7それぞれのベース/ゲートには、差動入力信号Vp,Vnに応じた信号が入力される。図2では、第6トランジスタQ6のベースには、第1トランジスタQ1のベースと同電位の信号が入力される。第7トランジスタQ7のベースには、第2トランジスタQ2のベースと同電位の信号が入力される。
第6トランジスタQ6と第7トランジスタQ7のエミッタは共通に接続される。また第6トランジスタQ6と第7トランジスタQ7のコレクタも共通に接続される。第6トランジスタQ6のベースは、第1トランジスタQ1のベースと共通に接続され、差動入力信号の一方Vpに応じた信号Vp+VBEが入力される。第7トランジスタQ7のベースは、第2トランジスタQ2のベースと共通に接続され、差動入力信号の他方Vnに応じた信号Vn+VBEが入力される。VBEは、バイポーラトランジスタのベースエミッタ間電圧である。
また第1電流源CS1と第2電流源CS2は同一構造を有する。図3は、第1電流源CS1および第2電流源CS2の回路図である。第1電流源CS1と第2電流源CS2は、同型、同極性の第12トランジスタQ12、第13トランジスタQ13を含む。第12トランジスタQ12および第13トランジスタQ13は、共通の第14トランジスタQ14を入力とするカレントミラー回路を構成しており、第12トランジスタQ12および第13トランジスタQ13は、共通の信号VBIASによりバイアスされる。第14トランジスタQ14には、基準電流源140からの基準電流IREFが供給され、第14トランジスタQ14のベース電位が、バイアス信号VBIASとして第12トランジスタQ12および第13トランジスタQ13それぞれのベースに与えられる。第1電流源CS1、第2電流源CS2はそれぞれ、基準電流IREFに比例したテイル電流I、バイアス電流Iを出力する。
図2に戻る。出力段130は、オープンコレクタ形式、電流シンク(吸い込み)形式であり、第10トランジスタQ10、第11トランジスタQ11、第5電流源CS5、抵抗R1を備える。
第10トランジスタQ10はNPN型バイポーラトランジスタであり、エミッタが接地され、ベースが第5トランジスタQ5のコレクタと接続される。第5電流源CS5は、第10トランジスタQ10のコレクタと接続され、定電流Iを生成する。抵抗R1は、第10トランジスタQ10のコレクタと接地ライン104の間に設けられる。
以上が差動増幅器100の構成である。続いてその動作を説明する。
差動増幅器100の利点は、バランス回路122を有しない比較技術に係る差動増幅器との対比によって明確となる。図4は、比較技術に係る差動増幅器100rの回路図である。図4を参照し、オフセット電圧が発生する原因を考察する。
図4の差動増幅器100rにおいて、以下の関係式が成り立つ。
=IC1+IC2 …(1)
C1=IC3+IB34 …(2)
C2=IC4+IB5 …(3)
C3=IC4 …(4)
図5(a)〜(c)は、図4の差動増幅器100rのシミュレーション結果を示す図である。CMRRや同相入力範囲を検討するために、Vp=Vn=VINとし、同相入力電圧VINを変化させたときの応答が示される。図5(a)は、第1トランジスタQ1のエミッタ電圧Vを、図5(b)は、第1電流源CS1が生成するテイル電流Iを、図5(c)は、ベース電流IB5およびIB3,4を示す。
図4において、式(5)が成り立つ。
=VIN+VBE+VBE …(5)
図5(a)にはこの関係が示される。第1電流源CS1の両端間電圧VCE1は、式(6)で与えられる。
CE1=VCC−V=VCC−(VIN+2×VBE) …(6)
第2電流源CS2は、図3に示すようにカレントミラー回路で構成されるため、同相入力電圧VINが増大すると、第12トランジスタQ12のコレクタエミッタ間電圧VCE1が小さくなり、アーリー効果によってテイル電流Iが減少する。図5(b)はこの関係を示す。
図5(c)を参照する。第5トランジスタQ5のコレクタ電圧をVと書く。第2電流源CS2の両端間電圧VCE2は、式(7)で与えられる。
CE2=VCC−V …(7)
ここでVは、第8トランジスタQ8のベースエミッタ間電圧と等しいため、第2電流源CS2の両端間電圧VCE2は、入力電圧VINに依存せずに実質的に一定となる。したがって第2電流源CS2におけるアーリー効果は実質的に無視することができ、I、すなわち第5トランジスタQ5のコレクタ電流IC5は一定であり、したがって第5トランジスタQ5のベース電流IB5も一定となる。
ベース電流IB5が一定であるのに対して、カレントミラー回路114のベース電流IB34は、同相入力電圧に応じて変動するから、IB5≠IB34となる。その結果、IC1≠IC2となり、オフセット電圧が発生する。このように比較技術では、ベース電流IB5とIB34のミスマッチがオフセット電圧の要因となる。このオフセット電圧は、電流増幅率hfeが小さいと、一層顕著となる。なおこの考察を当業者の一般的な認識と捉えてはならない。
続いて、実施の形態に係る差動増幅器100の動作を説明する。図6(a)、(b)は、図2、図3の差動増幅器100のシミュレーション結果を示す図である。図6(a)には、ベース電流IB5,IB34が示される。図6(b)には、実施の形態に係る差動増幅器100のオフセット電圧が実線(i)で、比較技術に係る差動増幅器100rのオフセット電圧が破線(ii)で示される。
同相入力電圧VINが変動すると第1電流源CS1の電圧VCE1が変動するが、バランス回路122によって、VCE2≒VCE1が成り立つように電圧Vが調節される。その結果、第2電流源CS2が生成するバイアス電流Iが、アーリー効果の影響により、テイル電流Iに追従して変動する。バイアス電流Iが変動することで、第5トランジスタQ5のベース電流IB5が、カレントミラー回路114のベース電流IB34に追従する。つまり、差動増幅器100においては式(8)が成り立つ。
B5≒IB34 …(8)
その結果、IC1≒IC2が成り立ち、ベース電流IB5とIB34のミスマッチに起因するオフセット電圧を大幅に低減することができる。
以上が差動増幅器100の動作である。実施の形態に係る差動増幅器100によれば、CMRRを改善し、および/または同相入力範囲を広げることができる。
従来行われていた電流リペア(あるいは抵抗リペア)によるオフセット電圧の改善方法では、図6(b)の特性(ii)を傾きを変えずに上下にシフトさせるものと言える。実施の形態に係る差動増幅器100は、特性(ii)の傾きを、(i)のようにフラットにすることができる点で有利である。
特に、バランス回路122を入力差動対112と同型、同極性のトランジスタで構成したことにより、差動入力段110、増幅段120はいずれも、電源ライン102と接地ライン104の間に、電流源、PNP型バイポーラトランジスタ、NPN型バイポーラトランジスタがスタックされる同一構成を有する。これにより、差動入力段110と増幅段120の対称性が高まり、テイル電流Iとバイアス電流Iの入力電圧依存性VINを整合させることができ、CMRRを改善し、および/または同相入力範囲を広げることができる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1変形例)
図7は、第1変形例に係る差動増幅器100aの回路図である。この差動増幅器100aは、PNP型バイポーラトランジスタとNPN型バイポーラトランジスタを置換し、天地を反転した構成である。
(第2変形例)
差動増幅器100は、バイCMOSプロセスで構成されてもよく、この場合、いくつかのトランジスタはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成することができ、ベースをゲート、コレクタをドレイン、エミッタをソースと読み替え、PNP型をPチャンネル、NPN型をNチャンネルと読み替えればよい。たとえば第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2および第6トランジスタQ6、第7トランジスタQ7をMOSFETで構成してもよいし、第1電流源CS1および第2電流源CS2のトランジスタをMOSFETで構成してもよい。
(第3変形例)
差動入力段110において、第8トランジスタQ8、第9トランジスタQ9、第3電流源CS3、第4電流源CS4を省略し、第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2のベース(あるいはゲート)に、差動入力信号Vp,Vnが直接入力されてもよい。
(第4変形例)
バランス回路122の構成は、実施の形態で説明したそれには限定されない。図8は、第4変形例に係る差動増幅器100bの回路図である。図8のバランス回路122bは、トランジスタQ15、Q16をさらに含む。トランジスタQ15のベースは、第8トランジスタQ8のベースと接続され、トランジスタQ16のベースは、第9トランジスタQ9のベースと接続される。この構成によれば、バランス回路122bと第2電流源CS2の接続点の電位Vは、第1電流源CS1と入力差動対112の接続点の電位Vと等しくVIN+VBE×2となる。
(第5変形例)
バランス回路122は別の構成であってもよい。たとえばバランス回路122は、差動入力信号Vp,Vnの同相成分を検出し、同相成分に応じて第2電流源CS2との接続点の電圧Vを変化させてもよい。あるいは差動入力信号Vp,Vnの一方にもとづいて、電位Vを変化させてもよい。
実施の形態では、バランス回路122が、第2電流源CS2とバランス回路122の接続点の電位Vが、第1電流源CS1と入力差動対112の接続点の電位Vと実質的に等しくなるように構成されたが、本発明はそれには限定されない。同相入力電圧がもう少し狭くてかまわない場合、あるいはもう少し大きなオフセット電圧が許容される場合には、バランス回路122は、接続点の電位Vを電位Vと入力電圧に対して同じ傾向で変化させる程度であっても、比較技術に比べてオフセット電圧の影響を改善できる。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100…差動増幅器、102…電源ライン、104…接地ライン、110…差動入力段、112…入力差動対、114…カレントミラー回路、120…増幅段、122…バランス回路、130…出力段、I…テイル電流、I…バイアス電流、Q1…第1トランジスタ、Q2…第2トランジスタ、Q3…第3トランジスタ、Q4…第4トランジスタ、Q5…第5トランジスタ、Q6…第6トランジスタ、Q7…第7トランジスタ、Q8…第8トランジスタ、Q9…第9トランジスタ、Q10…第10トランジスタ、Q11…第11トランジスタ、CS1…第1電流源、CS2…第2電流源、CS3…第3電流源、CS4…第4電流源、CS5…第5電流源、R1…抵抗。

Claims (7)

  1. 差動入力信号を受ける差動入力端子のペアと、前記差動入力信号を差動増幅する差動入力段と、前記差動入力段の出力信号を増幅する増幅段と、を備え、
    前記差動入力段は、
    それぞれのベースが、前記差動入力端子のペアと接続される入力バイポーラトランジスタのペアと、
    前記入力バイポーラトランジスタのペアのエミッタの信号を受けるバイポーラトランジスタの入力差動対と、
    バイポーラトランジスタで構成され、前記入力差動対に対して負荷として設けられたカレントミラー回路と、
    前記入力差動対にテイル電流を供給する第1電流源と、を含み、
    前記増幅段は、
    そのベースが前記差動入力段の出力と接続されるバイポーラトランジスタである増幅トランジスタと、
    前記増幅トランジスタにバイアス電流を供給する第2電流源と、
    前記増幅トランジスタと前記第2電流源の間に挿入され、前記入力バイポーラトランジスタのペアのエミッタの電圧に応じて、前記第2電流源との接続点の電位を変化させるバランス回路と、
    を含み、
    前記バランス回路は、
    前記入力差動対と同極性であるバイポーラトランジスタの第1ペアと、
    前記入力差動対と同極性であるバイポーラトランジスタの第2ペアと、
    を含み、
    前記第1ペアのエミッタ同士が前記第2電流源に接続され、前記第1ペアのコレクタ同士が前記増幅トランジスタに接続され、
    前記第2ペアそれぞれのベースに前記差動入力信号が入力され、前記第2ペアそれぞれのエミッタが、前記第1ペアそれぞれのベースと接続され、
    前記第2ペアは、それぞれのエミッタと接続される電流源のペアによってバイアスされることを特徴とする差動増幅器。
  2. 前記バランス回路は、前記入力バイポーラトランジスタのペアのエミッタの電圧に応じて、前記第2電流源との接続点の電位を、前記第1電流源と前記入力差動対の接続点の電位に近づけることを特徴とする請求項1に記載の差動増幅器。
  3. 前記第1電流源と前記第2電流源は同一の構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の差動増幅器。
  4. 前記第1電流源と前記第2電流源はそれぞれ、同型・同極性であり、共通の信号によりバイアスされるトランジスタを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の差動増幅器。
  5. 前記入力バイポーラトランジスタのペアおよび前記入力差動対はPNP型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記カレントミラー回路は、NPN型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記増幅トランジスタはNPN型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記バランス回路を構成する前記トランジスタのペアはPNP型バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする請求項に記載の差動増幅器。
  6. 前記入力バイポーラトランジスタのペアおよび前記入力差動対はNPN型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記カレントミラー回路は、PNP型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記増幅トランジスタはPNP型バイポーラトランジスタで構成され、
    前記バランス回路を構成する前記トランジスタのペアはNPN型バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする請求項に記載の差動増幅器。
  7. ひとつの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の差動増幅器。
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