JP6673490B2 - 火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置 - Google Patents

火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉における、火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置に関する。
燃焼室と炭化室とが複数交互に連接されて炉団を構成するコークス炉では、炭化室に装入した石炭を隣接する燃焼室からの熱で乾留することによってコークスを製造している。コークス炉において乾留熱量の無駄な消費を低減するためには、各炭化室の火落ち時間のばらつきを低減することが必要である。なぜならば未乾留のコークスを生成しないようにコークス炉を操業するために、火落ち時間の最も長い炭化室を基準にして操業ペースが決定されるため余剰熱量が消費されてしまうからである。
この種の問題点を解決するための手法としては、例えば、特許文献1及び2の技術が知られている。この特許文献1及び2に開示された技術は、炭化室毎に炉温と火落ち時間との回帰式を構築し、火落ち時間が目標値となるように燃焼室毎の温度目標値を算出し、さらにその温度目標値を達成するためのガスコック操作量を、オペレータにガイダンスするものである。
特開2012−153882号公報 特開2014−74163号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では、燃焼室毎の温度目標値を決定する際に、炭化室のダイナミクスに依存する火落ち時間の将来推移が考慮されていない。コークス炉は炉体の熱容量が大きいため、炉温操作などのアクションに対する応答の時定数が長い特徴がある。そのため、炭化室の炉温制御のためには、将来の火落ち時間予測に基づいた炉温操作などのアクションの適正化が望ましい。例えば、現在の火落ち時間が目標値から長めに外れていても、過去の炉温操作などのアクションの蓄積影響により、炭化室の炉温が上昇傾向にある場合には、将来の火落ち時間が目標値に漸近することが予想される。このような場合に、直近の火落ち時間だけを参考にして、炉温操作などのアクションを講じるとオーバーアクションが発生しがちとなる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、将来の火落ち時間推移を考慮した上で、適正な炭化室毎の温度操作量を決定することができる火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る火落ち時間制御方法は、燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉における各炭化室の火落ち時間を制御する火落ち時間制御方法であって、炭化室毎の火落ち時間を目的変数とし、前記炭化室毎の炉温に関する情報を説明変数とした関係式を求めるステップと、前記関係式と、直近の所定期間内における前記炉温の温度変化傾向とに基づいて、次回の火落ち時間を予測するステップと、予測した次回の火落ち時間が、予め設定された目標火落ち時間となるように、前記炭化室毎の温度操作量を求めるステップと、前記炭化室毎の温度操作量を燃焼室毎の温度操作量に変換するステップと、を含み、前記関係式を求めるステップでは、予測対象の前記説明変数と操業実績データの前記説明変数との類似度に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、前記予測対象のデータの日時と前記操業実績データの取得日時との時間差に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、前記類似度に応じた重みと前記時間差に応じた重みとから各操業実績データの重みを算出し、前記各操業実績データについて、前記説明変数及び前記目的変数に、前記各操業実績データの重みを乗算した後に重回帰分析を行うことにより、前記関係式である回帰式を構築することを特徴とするものである。
また、本発明に係る火落ち時間制御ガイダンス表示装置は、上記の発明の火落ち時間制御方法を用いて算出した、前記炭化室毎の次回の火落ち時間の予測値、及び、前記燃焼室毎の温度操作量を表示することを特徴とするものである。
また、本発明に係るコークス炉の操業方法は、燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉の操業方法であって、上記の発明の火落ち時間制御方法を用いて、各炭化室の火落ち時間を制御するステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明に係る火落ち時間制御装置は、燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉における各炭化室の火落ち時間を制御する火落ち時間制御装置であって、炭化室毎の火落ち時間を目的変数とし、前記炭化室毎の炉温に関する情報を説明変数とした関係式を求める関係式算出手段と、前記関係式と、直近の所定期間内における前記炉温の温度変化傾向とに基づいて、次回の火落ち時間を予測する次回火落ち時間予測手段と、予測した次回の火落ち時間が目標火落ち時間となるように、前記炭化室毎の温度操作量を求める温度操作量算出手段と、前記炭化室毎の温度操作量を燃焼室毎の温度操作量に変換する温度操作量変換手段と、を備えており、前記関係式算出手段は、予測対象の前記説明変数と操業実績データの前記説明変数との類似度に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、前記予測対象のデータの日時と前記操業実績データの取得日時との時間差に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、前記類似度に応じた重みと前記時間差に応じた重みとから各操業実績データの重みを算出し、前記各操業実績データについて、前記説明変数及び前記目的変数に、前記各操業実績データの重みを乗算した後に重回帰分析を行うことにより、前記関係式である回帰式を構築することを特徴とするものである。
本発明に係る火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置は、将来の火落ち時間推移を考慮した上で、適正な炭化室毎の温度操作量を決定することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係るコークス炉の全体構成を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る火落ち時間制御のフローチャートである。 図3は、局所回帰式の考え方を示した図である。 図4は、回帰式構築ステップで実施される各処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、前回の操業実績を基点とした火落ち時間予測方法を示す図である。 図6は、炭化室の両隣に位置する各燃焼室の直近の所定期間内における測温データの一例を示すグラフである。 図7は、前回の火落ち時間の実績値を基点とした次回の火落ち時間の予測の説明図である。 図8は、火落ち時間予測ステップで算出した次回の火落ち時間の予測値の精度を示したグラフである。 図9は、ガイダンス表示装置に表示されたガイダンス情報の一例を示したものである。 図10(a)は、比較例における炭化室毎の実績火落ち時間の偏差のヒストグラムである。図10(b)は、本発明例における炭化室毎の実績火落ち時間の偏差のヒストグラムである。 図11(a)は、比較例における炭化室毎の炉温のヒストグラムである。図11(b)は、本発明例における炭化室毎の炉温のヒストグラムである。
以下に、本発明に係る火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るコークス炉1の全体構成を示す模式図である。図1に示すコークス炉1は、N個の燃焼室2(2−1〜2−N)及びN−1個の炭化室3(3−1〜3−(N−1))を備え、これらが交互に連接配置されて炉団を構成している。このコークス炉1は、原料である石炭を各炭化室3に装入するとともに各燃焼室2に燃料ガスGを供給し、各炭化室3を両側の燃焼室2が発する熱によって加熱することにより、各炭化室3内の石炭を乾留してコークスを製造する。
このコークス炉1において、各燃焼室2には、一端が不図示のガス供給源と連結されたガス本管4のN個に分岐した他端側が配管されており、各燃焼室2に燃料ガスGを供給する。このガス本管4の一端側には、炉団全体に供給する燃料ガスGの流量(各燃焼室2に供給される燃料ガスGの総流量)を調整するためのガスコック5が設けられ、分岐した他端側のそれぞれには、この他端側の分岐によって分配されたガス流量を微調整して各燃焼室2に供給するためのガスコック6(6−1〜6−N)がそれぞれ設けられている。これらガスコック5,6は、制御部10によってその開度(ガスコック開度)が制御される。
制御部10は、各燃焼室2及び各炭化室3の状態を監視・制御し、コークス炉1の操業を管理するものであり、ガスコック5のガスコック開度を調整し、炉団全体の火落ち時間の平均値(炭化室3毎の実際の火落ち時間すなわち実績火落ち時間の平均値)が目標火落ち時間となるように炉団全体に供給する燃料ガスGの流量を制御するとともに、各ガスコック6のガスコック開度を微調整して各燃焼室2に供給する燃料ガスGの流量を制御することによって、各炭化室3内の石炭が全てコークスとなったときの石炭装入からの経過時間、すなわち実績火落ち時間が炭化室3間でほぼ同一時間となるようにコークス炉1の操業を管理する。
この制御部10は、各燃焼室2及び各炭化室3の状態を監視や制御するのに必要な各種プログラムやデータ等が記憶される記憶部20と接続されている。また、記憶部20には、例えば、過去の複数回の操業時における実績火落ち時間、各炭化室3の実績炭化室温度、各燃焼室2の実績燃焼室温度、各燃焼室2に燃料ガスGを供給する各ガスコック6の実績ガスコック開度といった操業実績データや、目標火落ち時間等が蓄積して記憶される。この記憶部20は、メモリーやハードディスクなどの各種記憶媒体によって実現される。なお、本実施形態においては、制御部10、記憶部20、及び、オペレータからの入力操作を受け付けて制御部10に入力された情報を送信する入力装置30などによって、火落ち時間制御装置が構成されている。また、図1に示すガイダンス表示装置40は、制御部10から出力されたガイダンス情報を表示するものである。
図2は、本実施形態に係る火落ち時間制御のフローチャートである。本実施形態に係る火落ち時間制御では、図2に示すように、回帰式構築ステップS1、火落ち時間予測ステップS2、炭化室温度操作量算出ステップS3、及び、燃焼室温度操作量変換ステップS4の各処理を実施することによって、各炭化室3の火落ち時間を制御する。
(回帰式構築ステップS1)
まず、炭化室3の火落ち時間を目的変数とし、炭化室3の炉温に関する情報を説明変数とする関係式である回帰式を構築する回帰式構築ステップS1について説明する。炭化室3の火落ち時間には、炭化室3に装入した石炭の水分量や装炭量、炭化室3の炉温などが影響するが、本実施形態における回帰式構築ステップS1では炭化室3毎に、目的変数を火落ち時間とし、説明変数を炭化室3の炉温とする回帰式を構築する。この際、特開2004−355189号公報に開示されているような、図3に示す局所回帰式の考え方を適用した。なお、図3中において、「○」は操業データを意味し、「斜線で示した面」は局所回帰式を意味し、「矢印」は装炭量や石炭の水分など他の説明変数を意味している。このような局所回帰式の考え方を適用することによって、目的変数と説明変数との関係とが非線形な場合や、プロセスが経時的に変化する場合であっても、良好な精度を保つことが可能である。なお、回帰式を構築する際の説明変数としては、炉温に限定されるものではなく、例えば、ガスコック開度や、燃焼室2に供給する燃料ガスGの供給量や、炉温を測定する熱電対などの温度検知センサから出力される起電力値など、炉温と関係性のある情報を説明変数として用いても良い。
図4は、回帰式構築ステップS1で実施される各処理の流れを示すフローチャートである。回帰式構築ステップS1は、オペレータが入力装置30を操作することによって、予測対象の説明変数を入力し、回帰式構築ステップS1の実行を指示したタイミングで開始となり、回帰式構築ステップS1はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、制御部10が、操業実績データに含まれる説明変数及び予測対象の説明変数(全ての説明変数のデータ)の標準化を行う。説明変数の値は、元の物理乗数のままだと単位によって異なる。そのため、説明変数の標準化を行うことにより、同じ指標で説明変数同士(操業条件同士)の類似度を定義することを可能にする。これにより、ステップS11の処理は完了し、回帰式構築ステップS1はステップS12の処理に進む。
ステップS12の処理では、制御部10が、予測対象の説明変数(データ)との類似度に応じた重みを操業実績データ毎(過去データ)に算出する。具体的には、標準化後の説明変数の値を並べたベクトルをx[i](i=1〜N、Nは操業実績データの数)とし、予測対象の説明変数のベクトルをxとすると、制御部10は、下記数式(1)を用いて、予測対象の説明変数xとの類似度に応じた重みA[i]を、操業実績データx[i]毎に算出する。なお、下記数式(1)中のパラメータaは、重みパラメータであり、場合によって調整が必要なパラメータである。本実施形態においては、パラメータaを10−4の固定値とした。
Figure 0006673490
これにより、ステップS12の処理は完了し、回帰式構築ステップS1はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、制御部10が、予測対象のデータの日時と操業実績データ(過去データ)の取得日時との時間差に応じた重みを操業実績データ毎に算出する。具体的には、i番目の操業実績データの取得日時をdate[i](i=1〜N、Nは操業実績データの数)、予測対象のデータの日時をdateとすると、制御部10は、下記数式(2)を用いて、予測対象のデータの日時dateと操業実績データの取得日時date[i]との時間差に応じた重みB[i]を、操業実績データx[i]毎に算出する。なお、下記数式(2)中のパラメータCは、忘却係数とよばれる調整パラメータである。本実施形態においては、パラメータCを100[日]の固定値とした。
Figure 0006673490
これにより、ステップS13の処理は完了し、回帰式構築ステップS1はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、制御部10が、ステップS12の処理とステップS13の処理とによって算出された重みA[i],B[i]を、下記数式(3)に代入することによって、各操業実績データx[i]の重みW[i]を算出する。
Figure 0006673490
そして、制御部10は、各操業実績データx[i]について、説明変数及び目的変数(火落ち時間)に重みW[i]を乗算した後に重回帰分析を行うことにより、説明変数と目的変数との関係を表す回帰式を構築する。この処理によって、説明変数(操業条件)の類似度が高い操業実績データ及び直近の操業実績データを重視した回帰式を構築することができる。なお、回帰式の算出方法としては、例えば、特開2004−355189号公報などに開示された公知の技術を用いることができ、詳細な説明は省略する。
これにより、ステップS14の処理は完了し、一連の回帰式構築ステップS1は終了する。
ここで、燃焼室単位のデータである炉温データを、炭化室単位のデータである火落ちデータと対応づけるため、温度情報を炭化室単位データに変換する必要がある。そのため、本実施形態においては、各操業毎に、炭化室3に石炭が装入されたタイミングから15時間経過するまでの当該炭化室3の両隣に位置する各燃焼室2の温度を平均化することによって、炭化室単位での炉温を定義した。
(火落ち時間予測ステップS2)
次に、次回の火落ち時間を予測する火落ち時間予測ステップS2について説明する。コークス炉1では、装入する石炭の種類や、隣接する炭化室3の状況などが時々刻々変化するなどの種々の外乱の影響を受ける。そのため、このような外乱の影響を反映した火落ち時間の予測が必要となる。そこで、火落ち時間予測ステップS2においては、図5に示すように、前回の火落ち時間及び炉温を基点として、局所回帰で求めた温度操作時の火落ち時間への影響係数coefと、将来温度変化量δTとを乗じることによって、火落ち時間の変化量を予測し、この予測した火落ち時間の変化量に対して、前回の火落ち時間の実績値を加算することにより、次回の火落ち時間を予測する。これを数式であらわすと、下記数式(4)のようになる。なお、下記数式(4)中における、「NCT(前回)」は前回の火落ち時間の実績値であり、「NCT(予測)」は次回の火落ち時間の予測値である。
Figure 0006673490
将来温度変化量δTを求める方法としては、図6に示すような、炭化室3の両隣に位置する各燃焼室2W,2Eの直近の所定期間内における測温データを元にして回帰式を構築し、その回帰式の傾き[℃/hr]×20[hr]により求めた。なお、この回帰式の傾きは、炉温の温度変化傾向を表しており、図6においては、炭化室3の炉温が上昇傾向にあることを示している。また、前記20[hr]は、本実施形態に係るコークス炉1における、前回の操業における炭化室3への装炭時から次の操業における炭化室3の装炭時までの時間(1回の操業時間)である。
このように、火落ち時間予測ステップS2においては、図7に示すように、次回の火落ち時間を予測する際に、前回の火落ち時間の実績値を基点とすることによって、外乱により次回の火落ち時間に変化が生じた場合も、その変化に追従した次回の火落ち時間の予測が可能となる。
図8は、火落ち時間予測ステップS2で算出した次回の火落ち時間の予測値の精度を示したグラフである。なお、図8の横軸は前回の火落ち時間の実績値であり、縦軸は次回の火落ち時間の予測値である。図8から、二乗平均平方根誤差(RMSE)が1.2[hr]であり、火落ち時間予測ステップS2によって次回の火落ち時間を精度良く予測できることがわかる。
(炭化室温度操作量算出ステップS3)
次に、次回の火落ち時間の予測値に基づいて、予め設定された次回の火落ち時間の目標値となるように、炭化室3毎の推奨温度操作量を求める炭化室温度操作量算出ステップS3について説明する。炭化室温度操作量算出ステップS3においては、次回の火落ち時間の目標値をNCT_refとして、下記数式(5)により推奨温度操作量ΔT(推奨)を求める。なお、下記数式(5)中の「A」は、オーバーアクションを低減するための緩和係数であり、0<A≦1を満たす任意の値である。
Figure 0006673490
(燃焼室温度操作量変換ステップS4)
次に、炭化室3毎の推奨温度操作量を燃焼室2毎の温度操作量に変換する燃焼室温度操作量変換ステップS4について説明する。上記数式(5)を用いて求めた推奨温度操作量は炭化室3の温度についてのものであるが、実際にオペレータが操作可能なのは燃焼室2の温度である。そのため、燃焼室温度操作量変換ステップS4においては、炭化室温度操作量算出ステップS3で求めた炭化室3毎の推奨温度操作量を、燃焼室2毎の温度操作量に変換する。ここでは、下記数式(6)に示すように、ある燃焼室の両隣に位置する炭化室X及び炭化室X+1の推奨温度操作量(ΔT(推奨)_(炭化室X)及びΔT(推奨)_(炭化室X+1))を平均化することによって、当該燃焼室の温度操作量ΔT(推奨)_(FlueX)を求めた。
Figure 0006673490
図9は、ガイダンス表示装置40に表示されたガイダンス情報の一例を示したものである。図9に示すように、火落ち時間予測ステップS2で求めた炭化室3毎の次回の火落ち時間の予測値や、燃焼室温度操作量変換ステップS4で求めた燃焼室2毎の温度操作量などを、ガイダンス情報としてガイダンス表示装置40に表示し、オペレータにガイダンスすることによって、例えば、各炭化室3の次回の火落ち時間が目標値となるように、各ガスコック6のガスコック開度をどれだけ調整すれば良いのかをオペレータが容易に判断することが可能となる。
(実施例)
本発明に係る火落ち時間制御方法を適用した本発明例として、上述した回帰式構築ステップS1〜燃焼室温度操作量変換ステップS4によって算出した、次回の火落ち時間の予測値や燃焼室2の温度操作量のガイダンス値を用いて、各ガスコック6のガスコック開度を調整しながらコークス炉1の操業を行った。また、比較例として、本発明に係る火落ち時間制御方法を適用せずに、例えば従来の手法を適用して各ガスコック6のガスコック開度を調整しながらコークス炉1の操業を行った。
図10(a)は、比較例における炭化室3毎の実績火落ち時間の偏差のヒストグラムである。図10(b)は、本発明例における炭化室3毎の実績火落ち時間の偏差のヒストグラムである。図10(a)に示すように、比較例における炭化室3毎の実績火落ち時間の平均時間は16.0[hr]であり、標準偏差(σ)は1.45[hr]であった。これに対して、図10(b)に示すように、本発明例における炭化室3毎の実績火落ち時間の平均時間は16.9[hr]であり、標準偏差(σ)は1.24[hr]であった。このように、本発明に係る火落ち時間制御方法を適用することによって、炭化室3毎の実績火落ち時間のばらつきが低減されることが確かめられた。
図11(a)は、比較例における炭化室3毎の炉温のヒストグラムである。図11(b)は、本発明例における炭化室3毎の炉温のヒストグラムである。なお、本発明例と比較例とで、コークス炉1の稼働率は一定である。
図11(a)に示すように、比較例における各炭化室3の平均炉温は1230[℃]であった。これに対して、図11(b)に示すように、本発明例における各炭化室3の平均炉温は1202[℃]であった。このように、本発明に係る火落ち時間制御方法を適用することによって、従来例に対して、上述したように炭化室3毎の実績火落ち時間のばらつきが低減され、その結果、コークス炉1の稼働率が一定の下で、各炭化室3の炉温が低減されることが確かめられた。
本発明によれば、将来の火落ち時間推移を考慮した上で、適正な炭化室毎の温度操作量を決定することができる火落ち時間制御方法、火落ち時間制御ガイダンス表示装置、コークス炉の操業方法、及び、火落ち時間制御装置を提供することができる。
1 コークス炉
2 燃焼室
3 炭化室
4 ガス本管
5 ガスコック
6 ガスコック
10 制御部
20 記憶部
30 入力装置
40 ガイダンス表示装置

Claims (4)

  1. 燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉における各炭化室の火落ち時間を制御する火落ち時間制御方法であって、
    炭化室毎の火落ち時間を目的変数とし、前記炭化室毎の炉温に関する情報を説明変数とした関係式を求めるステップと、
    前記関係式と、直近の所定期間内における前記炉温の温度変化傾向とに基づいて、次回の火落ち時間を予測するステップと、
    予測した次回の火落ち時間が、予め設定された目標火落ち時間となるように、前記炭化室毎の温度操作量を求めるステップと、
    前記炭化室毎の温度操作量を燃焼室毎の温度操作量に変換するステップと、
    含み、
    前記関係式を求めるステップでは、
    予測対象の前記説明変数と操業実績データの前記説明変数との類似度に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、
    前記予測対象のデータの日時と前記操業実績データの取得日時との時間差に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、
    前記類似度に応じた重みと前記時間差に応じた重みとから各操業実績データの重みを算出し、
    前記各操業実績データについて、前記説明変数及び前記目的変数に、前記各操業実績データの重みを乗算した後に重回帰分析を行うことにより、前記関係式である回帰式を構築することを特徴とする火落ち時間制御方法。
  2. 請求項1に記載の火落ち時間制御方法を用いて算出した、前記炭化室毎の次回の火落ち時間の予測値、及び、前記燃焼室毎の温度操作量を表示することを特徴とする火落ち時間制御ガイダンス表示装置。
  3. 燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉の操業方法であって、
    請求項1に記載の火落ち時間制御方法を用いて、各炭化室の火落ち時間を制御するステップを含むことを特徴とするコークス炉の操業方法。
  4. 燃焼室と炭化室とが交互に連接されて炉団を構成するコークス炉における各炭化室の火落ち時間を制御する火落ち時間制御装置であって、
    炭化室毎の火落ち時間を目的変数とし、前記炭化室毎の炉温に関する情報を説明変数とした関係式を求める関係式算出手段と、
    前記関係式と、直近の所定期間内における前記炉温の温度変化傾向とに基づいて、次回の火落ち時間を予測する次回火落ち時間予測手段と、
    予測した次回の火落ち時間が目標火落ち時間となるように、前記炭化室毎の温度操作量を求める温度操作量算出手段と、
    前記炭化室毎の温度操作量を燃焼室毎の温度操作量に変換する温度操作量変換手段と、
    を備えており、
    前記関係式算出手段は、
    予測対象の前記説明変数と操業実績データの前記説明変数との類似度に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、
    前記予測対象のデータの日時と前記操業実績データの取得日時との時間差に応じた重みを前記操業実績データ毎に算出し、
    前記類似度に応じた重みと前記時間差に応じた重みとから各操業実績データの重みを算出し、
    前記各操業実績データについて、前記説明変数及び前記目的変数に、前記各操業実績データの重みを乗算した後に重回帰分析を行うことにより、前記関係式である回帰式を構築することを特徴とする火落ち時間制御装置。
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