JP6673159B2 - 冷却回路 - Google Patents
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Description
以下、冷却回路の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。はじめに、本実施形態の冷却回路が適用される車両のエンジンの吸気系について説明する。
図3に示されるように、インタークーラ13は、略直方体状に形成されている。インタークーラ13は、支持部30と、熱交換部40とを備えている。
熱交換部40は、いわゆるドロンカップ型の熱交換器として構成されている。図4に示されるように、熱交換部40は、複数の流路管41と複数のアウターフィン42とが交互に積層された構造を有している。アウターフィン42は、隣り合う流路管41,41の間に接合されている。
具体的には、プレート410は、凹部410a,410bが形成された板状の部材からなる。プレート410の凹部410a,410bは、平板状のプレート411により閉塞されている。
図2に示されるように、冷却回路20では、エンジン11から出力される動力に基づきポンプ21が駆動すると、ポンプ21からインタークーラ13の流入口50に冷却水が圧送される。
従来の冷却回路では、冷却水の水圧が、図7に二点鎖線で示されるように変化する。すなわち、冷却水の水圧は、基本的には、位置P1から位置P8に向かうほど減少する。また、インタークーラ13では、位置P2から位置P4に向かうほど、冷却水の水圧が減少する。そして、インタークーラ13では、位置P4において冷却水の水圧が最も低くなる。すなわち、インタークーラ13の位置P4では、冷却水の沸点が最も低くなる。
この点、本実施形態の冷却回路20のように、インタークーラ13の排出口51の穴径が流入口50の穴径よりも小さければ、排出口51が、冷却水に流路抵抗を付与する抵抗部として機能する。これにより、冷却水の水圧が図7に実線で示されるように変化する。すなわち、排出口51の位置P5よりも上流側の位置P1〜P4における冷却水の水圧を上昇させることができる。よって、インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水の水圧を上昇させることができるため、その冷却水の沸点を上昇させることができる。これにより、インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水が沸騰し難くなる。
(1)インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水が沸騰し難くなるため、位置P4付近に配置されるインタークーラ13の部材の過昇温を抑制することができる。その結果、インタークーラ13の強度を確保することができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の冷却回路20の変形例について説明する。
一方、第1実施形態の冷却回路20のように、冷却水に流路抵抗を付与する抵抗部として排出口51を機能させた場合、冷却回路20のトータル圧損が値PL10から値PL11へと変化する。これにより、冷却回路20のトータル圧損PL11とポンプ21の吐出圧DP10とのバランス点が「A2」となる。したがって、冷却水の流量が「FR10」から「FR11」へと減少してしまう。
次に、冷却回路20の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態の冷却回路20との相違点を中心に説明する。
図10に示されるように、本実施形態のインタークーラ13では、冷却水の流れ方向における第2インナーフィン442の長さが、冷却水の流れ方向における第1インナーフィン441の長さよりも短くなっている。
(3)本実施形態の冷却回路20のように、第1インナーフィン441よりも第2インナーフィン442を短くすれば、第1熱交換流路431における冷却水の圧損よりも、第2熱交換流路432における冷却水の圧損の方が小さくなる。これにより、ポンプ21の吐出圧を、従来の冷却回路に用いられるポンプの吐出圧と同等の値に設定した場合でも、図11に示されるように、位置P4における冷却水の水圧を従来のインタークーラよりも上昇させることができる。よって、インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水が沸騰し難くなる。したがって、位置P4付近に配置されるインタークーラ13の部材の過昇温を抑制することができるため、インタークーラ13の強度を確保することができる。
次に、第2実施形態の冷却回路20の第1変形例について説明する。
図12に示されるように、本変形例のインタークーラ13では、第2インナーフィン442のフィンピッチPT2が、第1インナーフィン441のフィンピッチPT1よりも長くなっている。このような構成であっても、第1熱交換流路431における冷却水の圧損よりも、第2熱交換流路432における冷却水の圧損の方が小さくなるため、上記の(3)に示される作用及び効果に類似する作用及び効果を得ることができる。
次に、第2実施形態の冷却回路20の第2変形例について説明する。
図13に示されるように、本変形例のインタークーラでは、第2熱交換流路432にインナーフィン442が設けられていない。換言すれば、第1熱交換流路431にのみインナーフィン441が設けられている。このような構成によれば、第2熱交換流路432における冷却水の圧損を更に減少させることができるため、ポンプ21の吐出圧を、より低下させることができる。
次に、冷却回路20の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態の冷却回路20との相違点を中心に説明する。
図14及び図15に示されるように、本実施形態のインタークーラ13は、流入口50に接続される流入パイプ45と、排出口51に接続される排出パイプ46とを備えている。
排出パイプ46は、排出口51からL字状に延びる第1流路部461と、第1流路部461から直線状に延びる第2流路部462とを有している。第2流路部462の流路径は長さφ1に設定されている。第1流路部461の流路径は、長さφ1よりも短い長さφ2に設定されている。本実施形態では、第1流路部461が、流入パイプ45よりも細く形成された細管部に相当する。
(4)本実施形態の冷却回路20によれば、排出パイプ46の第1流路部461の流路径が長さφ1に設定されている場合と比較すると、排出口51から排出される冷却水の圧損を排出パイプ46の第1流路部461により増加させることができる。結果的に、インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水の水圧を更に上昇させることができる。すなわち、排出パイプ46の第1流路部461は、冷却水に流路抵抗を付与する抵抗部として機能する。これにより、インタークーラ13の位置P4付近を流れる冷却水の冷却水の沸点を更に上昇させることができるため、冷却水が更に沸騰し難くなる。よって、位置P4付近に配置されるインタークーラ13の部材の過昇温を更に抑制することができる。
次に、第3実施形態の冷却回路20の変形例について説明する。
図16に示されるように、本変形例のインタークーラ13では、排出パイプ46の第1流路部461が流入パイプ45よりも扁平状に形成されている。すなわち、本変形例では、第1流路部461が扁平部に相当する。このような構成であっても、上記(4)に示される作用及び効果に類似する作用及び効果を得ることができる。
次に、冷却回路20の第4実施形態について説明する。以下、第3実施形態の冷却回路20との相違点を中心に説明する。
図17に示されるように、本変形例のインタークーラ13では、流入パイプ45及び排出パイプ46が全長にわたって同一の流路径を有している。
以上説明した本実施形態の冷却回路20によれば、上記の(5)に示される作用及び効果に変わる作用及び効果として、以下の(6)に示される作用及び効果を得ることができる。
次に、第4実施形態の冷却回路20の第1変形例について説明する。
図18に示されるように、本変形例の冷却回路20は、絞りパイプ47に代えて、電磁弁48を備えている。電磁弁48の開閉動作はECU60により制御される。ECU60は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU60は、電磁弁48の開度を予め定められた開度に設定することにより、冷却水に流路抵抗を付与する。このような構成であっても、第4実施形態の(6)に示される作用及び効果に類似の作用及び効果を得ることができる。
次に、第4実施形態の冷却回路20の第2変形例について説明する。
図18に破線で示されるように、本変形例のECU60には、温度センサ61の出力信号が取り込まれている。温度センサ61は、インタークーラ13の位置P4の温度、すなわち第2熱交換流路432における排出口51側の端部を流れる冷却水の温度を検知するとともに、検知された冷却水の温度に応じた信号を出力する。本変形例では、温度センサ61が温度検出部に相当する。
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・インタークーラ13は、2段冷却式のインタークーラであってもよい。具体的には、図19に示されるように、インタークーラ13は、熱交換部40とは別に熱交換部70を有している。熱交換部70は、熱交換部40に対して過給吸気の流れ方向上流側に配置されている。熱交換部70は、熱交換部40と同様に、第1熱交換流路731と、第2熱交換流路732と、Uターン部733とを有している。また、インタークーラ13は、熱交換部70に対応する流入口52及び排出口53を有している。熱交換部70には、熱交換部40を流れる冷却水とは別の冷却水が流れる。熱交換部70を流れる冷却水としては、例えばポンプ、ラジエータ、ヒータコア、及びエンジン11に冷却水を循環させる冷却回路の冷却水を用いることができる。このような2段冷却式のインタークーラ13では、排出口51の穴径を流入口50の穴径よりも小さくするとともに、排出口53の穴径を流入口52の穴径よりも小さくすればよい。また、熱交換部70に対して第2〜第4実施形態のような構造を採用することも可能である。
・冷却回路20を循環する冷却媒体としては、冷却水に限らず、不凍液等の任意の流体を用いることができる。
12:過給機
13:インタークーラ
20:冷却回路
21:ポンプ
40,70:熱交換部
45:流入パイプ
46:排出パイプ
47:絞りパイプ(抵抗部)
48:電磁弁(抵抗部)
50,52:流入口
51,53:排出口(抵抗部)
61:温度センサ(温度検出部)
60:ECU(制御部)
431,471:第1熱交換流路
432,472:第2熱交換流路
433,733:Uターン流路
441:第1インナーフィン
442:第2インナーフィン
461:第1流路部(細管部、扁平部)
Claims (5)
- 過給機(12)によりエンジン(11)に過給される過給吸気と、内部を流れる冷却媒体との熱交換により前記過給吸気を冷却するインタークーラ(13)と、
前記インタークーラに冷却媒体を圧送するポンプ(21)と、
前記冷却媒体に流路抵抗を付与する抵抗部(47,48)と、を備え、
前記インタークーラは、
前記ポンプから圧送される前記冷却媒体が流入する流入口(50,52)と、
前記流入口から流入した冷却媒体が流れるとともに、前記冷却媒体と前記過給吸気との間で熱交換を行う熱交換部(40,70)と、
前記熱交換部を通過した前記冷却媒体を排出する排出口(51,53)と、
前記排出口に接続される排出パイプ(46)と、を有し、
前記抵抗部は、前記排出パイプから前記ポンプまでの冷却媒体流路に配置され、前記冷却媒体流路の流路径を変化させることで前記冷却媒体流路を流れる冷却媒体に流路抵抗を付与することが可能な電磁弁(48)からなり、
前記熱交換部における前記排出口側の端部を流れる前記冷却媒体の温度を検出する温度検出部(61)と、
前記温度検出部により検出される前記冷却媒体の温度に基づいて前記電磁弁を制御する制御部(60)と、を更に備える
冷却回路。 - 前記流入口及び前記排出口は、前記インタークーラの一端部に設けられ、
前記熱交換部は、
前記流入口から前記インタークーラの他端部に延びるように設けられ、前記流入口から流入する前記冷却媒体が流れる第1熱交換流路(431)と、
前記第1熱交換流路を通過した前記冷却媒体の流れ方向を前記排出口に向かう方向に変化させるUターン部(433)と、
前記Uターン部から前記インタークーラの一端部に延びるように設けられ、前記Uターン部を通過した前記冷却媒体を前記排出口に導く第2熱交換流路(432)と、を有し、
前記第1熱交換流路には、第1インナーフィン(441)が設けられ、
前記第2熱交換流路には、第2インナーフィン(442)が設けられ、
前記冷却媒体の流れ方向における前記第2インナーフィンの長さは、前記冷却媒体の流れ方向における前記第1インナーフィンの長さよりも短い
請求項1に記載の冷却回路。 - 前記流入口及び前記排出口は、前記インタークーラの一端部に設けられ、
前記熱交換部は、
前記流入口から前記インタークーラの他端部に延びるように設けられ、前記流入口から流入する前記冷却媒体が流れる第1熱交換流路(431)と、
前記第1熱交換流路を通過した前記冷却媒体の流れ方向を前記排出口に向かう方向に変化させるUターン部(433)と、
前記Uターン部から前記インタークーラの一端部に延びるように設けられ、前記Uターン部を通過した前記冷却媒体を前記排出口に導く第2熱交換流路(432)と、を有し、
前記第1熱交換流路にのみインナーフィンが設けられている
請求項1に記載の冷却回路。 - 前記流入口及び前記排出口は、前記インタークーラの一端部に設けられ、
前記熱交換部は、
前記流入口から前記インタークーラの他端部に延びるように設けられ、前記流入口から流入する前記冷却媒体が流れる第1熱交換流路(431)と、
前記第1熱交換流路を通過した前記冷却媒体の流れ方向を前記排出口に向かう方向に変化させるUターン部(433)と、
前記Uターン部から前記インタークーラの一端部に延びるように設けられ、前記Uターン部を通過した前記冷却媒体を前記排出口に導く第2熱交換流路(432)と、を有し、
前記第1熱交換流路には、第1インナーフィン(441)が設けられ、
前記第2熱交換流路には、第2インナーフィン(442)が設けられ、
前記第2インナーフィンのフィンピッチは、前記第1インナーフィンのフィンピッチよりも長い
請求項1に記載の冷却回路。 - 前記インタークーラは、2段冷却式のインタークーラからなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却回路。
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