JP6672731B2 - 振動デバイス、振動デバイスの製造方法、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動デバイス、振動デバイスの製造方法、電子機器、および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、振動デバイス、振動デバイスの製造方法、電子機器、および移動体に関する。
従来、振動デバイスの一例として、振動腕部(振動腕、検出腕)を有する慣性センサー素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1に開示されている慣性センサー素子では、該振動腕部の表裏面(主面)を繋ぐ側面の同一側面に、該振動腕部の延びている方向に沿って延在された二つの電極と、該振動腕部の表裏面を貫通して設けられた貫通孔のそれぞれの内側面に二つに分割されて設けられた電極と、を有している。該振動腕部において、貫通孔のそれぞれの内側面に二つずつ設けられている合計四つの電極は、対角の位置に配置されている電極同士が電気的に接続(導通)されている。そして、対角の位置に配置されている電極同士の電気的な接続(導通)は、それぞれの電極を表裏面に引き出した配線によって行われている。
特開2006−208261号公報
しかしながら、特許文計1に開示されている慣性センサー素子では貫通孔が設けられるなどにより狭くなった表裏面(主面)に、貫通孔の内側面の対角の位置に配置されている電極同士を導通させる配線を引き出す必要がある。このように表裏面の狭い領域に配線を設けるため、配線の幅が狭くなってしまい断線などの不具合を生じ易くなったり、表裏面に設けられた配線が周波数調整などの際に切断されてしまったりするなどの不具合を生じる虞を有していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動デバイスは、表面および裏面と、前記表面および前記裏面を貫通する貫通孔と、前記貫通孔を挟んで両側に位置する壁部と、を有する第1振動腕を有し、前記壁部は、前記貫通孔の前記壁部側に位置する二つの内側面のそれぞれに配設され、互いに異なる電位が印加され、前記表面および前記裏面に沿って並延されている二つの電極を備え、それぞれの前記電極のうち、一方の前記内側面の前記表面側に位置する第1の電極と、他方の前記内側面の前記裏面側に位置する第2の電極とは、二つの前記内側面を繋ぐ一方の端側面に配置されている第1の配線によって短絡されていることを特徴とする。
本適用例によれば、一方の内側面の表面側に位置する第1の電極と、他方の内側面の裏面側に位置する第2の電極とを短絡する第1の配線が、二つの内側面を繋ぐ一方の端側面に配置されている。このような第1の配線の配置により、表裏面の狭い領域に第1の配線に相当する配線を設けることが不要となり、二つの内側面を繋ぐ配線(第1の配線)の幅を広くすることができる。また、配線を貫通孔の内部にある端側面に設けるため、表裏面と比べ周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などの照射がされ難くなる。これらにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動デバイスにおいて、前記電極は、前記他方の前記内側面の前記表面側に位置する第3の電極と、前記一方の前記内側面の前記裏面側に位置する第4の電極とを短絡する第2の配線を備え、前記第2の配線は、二つの前記内側面を繋ぐ他方の端側面に配置されていることが好ましい。
本適用例によれば、他方の内側面の表面側に位置する第3の電極と、一方の内側面の裏
面側に位置する第4の電極とを短絡する第2の配線が、二つの内側面を繋ぐ他方の端側面
に配置されている。このような第2の配線の配置により、表裏面の狭い領域に第2の配線
に相当する配線を設けることが不要となり、二つの内側面を繋ぐ配線(第2の配線)の幅
を広くすることができる。また、配線を貫通孔の内部にある端側面に設けるため、表裏面
と比べ周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などの照射がされ難くなる。これ
らにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動デバイスにおいて、前記端側面の幅は、二つの前記内側面間の幅よりも狭い部分を有していることが好ましい。
本適用例によれば、二つの内側面間の幅を規定する方向である第1振動腕の幅方向から、端側面を容易に視認することができ、第1の配線、および第2の配線の形成状態の確認を容易に行うことができる。
なお、本明細書における端側面の幅とは、二つの内側面が並んでいる方向における端側面の寸法を言い、内側面間の幅とは、二つの内側面が並んでいる方向の二つの側面間の寸法を言う。
[適用例4]上記適用例に記載の振動デバイスにおいて、基部と、前記基部から延出されている第2振動腕と、を有し、前記第1振動腕は、前記第2振動腕の延出方向と反対方向に前記基部から延出されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1振動腕を検出系、第2振動腕を駆動系とすると、検出系である第1振動腕と、駆動系としての第2振動腕とが、基部の同一軸方向の両端部から反対方向にそれぞれ延伸されていることから、駆動系と検出系とを分離することができる。このように駆動系と検出系が分離されることにより、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度を安定させることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の振動デバイスにおいて、少なくとも前記第1振動腕を収納するパッケージを有していることが好ましい。
本適用例によれば、パッケージに第1振動腕などが収納されているため、振動特性の安定した振動デバイスとすることができる。
[適用例6]本適用例に係る振動デバイスの製造方法は、表面および裏面と、前記表面および前記裏面を貫通する貫通孔と、前記貫通孔を挟んで両側に位置する壁部と、を有する第1振動腕を有し、前記壁部は、前記貫通孔の前記壁部側に位置する二つの内側面のそれぞれに配設され、互いに異なる電位を有し、前記表面および前記裏面に沿って並延されている二つの電極を備え、それぞれの前記電極は、一方の前記内側面の前記表面側に位置する第1の電極と、他方の前記内側面の前記裏面側に位置する第2の電極とを短絡する第1の配線を備え、前記第1の配線は、二つの前記内側面を繋ぐ前記貫通孔の一方の端側面に配置されている振動デバイスの製造方法であって、前記貫通孔が形成された前記第1振動腕の露出面に金属膜を形成する工程と、前記端側面と前記内側面とにおいて、前記金属膜を分割して前記電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば貫通孔が形成された第1振動腕の露出面に金属膜を形成し、その金属膜を端側面と内側面とにおいて分割して電極を形成する。これにより、第1振動腕の表裏面の狭い領域に配線を設けずに、第1の電極と、第2の電極と、それらの電極を繋ぐ第1の配線とを、容易に形成することができる。換言すれば、幅の狭い配線において生じ易い配線の断線を抑制可能な幅の広い配線(第1の配線)を、容易に形成することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の振動デバイスの製造方法において、前記金属膜を分割して前記電極を形成する工程は、四回の露光工程を含んでいることが好ましい。
本適用例によれば、四回の露光工程により金属膜を分割して電極を形成することにより、分割をより確実に行うことができる。換言すれば、電極形成における分割の不具合の発生を抑制することができる。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、電極間を繋ぐ配線の切断などの不具合が抑制されることによる特性の安定した振動デバイスを備えているため、性能の安定した電子機器を提供することが可能となる。
[適用例9]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、電極間を繋ぐ配線の切断などの不具合が抑制されることによる特性の安定した振動デバイスを備えているため、性能の安定した移動体を提供することが可能となる。
本発明の振動デバイスの第1実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の概略を示す平面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のA−A断面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のB−B断面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のC−C断面図。 検出腕に形成されている電極の電気的接続状態を示す図。 第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法を示す工程フロー図。 第1実施形態係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法における露光方向を示し、一方の検出腕における図1のA−A断面図。 貫通孔の端部における露光状態を示す断面図。 本発明の振動デバイスの第2実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の概略を示す部分平面図。 第2実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法を示す工程フロー図。 第2実施形態係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法における露光方向を示し、一方の検出腕における図1のA−A断面図。 露光方向を示し、一方の検出腕における図8のD−D断面図。 貫通孔の端部における露光状態を示す断面図。 本発明に係る振動デバイスの第3実施形態に係るジャイロセンサーの概略構成を示す正断面図。 電子機器の一例としてのデジタルビデオカメラの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての情報携帯端末の構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明に係る振動デバイス、電子機器、および移動体の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しているものがある。また、本明細書においては、3つの軸を、各実施形態における振動片の切り出し角度を考慮して、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。また、以下の説明では、説明の便宜上、図中Z軸方向から見たときの平面視を単に「平面視」とも言う。さらに、説明の便宜上、図中Z軸方向から見たときの平面視において、+Z軸方向の面を表面、−Z軸方向の面を裏面として説明することがある。
(第1実施形態)
本発明の振動デバイスの第1実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)について説明する。先ず、図1、図2、図3、図4、および図5を参照して、振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の構成を説明する。図1は、振動デバイスの第1実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の概略を示す平面図である。図2は、ジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のA−A断面図である。図3は、ジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のB−B断面図である。図4は、ジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の電極構成を説明する図であり、図1のC−C断面図である。図5は、ジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の検出腕に形成されている電極の電気的接続状態を示す図であり、図1のA−A断面図に相当する図である。
1.ジャイロ素子の構成
図1および図2に示すように、第1実施形態に係るジャイロ素子300は、基部1と、第2振動腕としての振動腕2a,2bおよび第1振動腕としての検出腕3a,3bとを有している。なお、基部1、振動腕2a,2b、および検出腕3a,3bは、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成されている。
本実施形態のジャイロ素子300では、基材として圧電体材料である水晶を用いた例を示して説明する。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸および光学軸と呼ばれるZ軸を有している。本実施形態では、水晶結晶軸において直交するX軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚さを有した所謂水晶Z板を基材として用いている。また、ジャイロ素子300を形成する平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸およびZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸およびZ軸についても同様である。
ジャイロ素子300は、中心部分に位置する略矩形状の基部1と、基部1のY軸方向の一方の端部(図中−Y軸方向の端部)から、並行するようにY軸に沿って延伸された一対の振動腕2a,2b(第2振動腕)と、基部1の他方の端部(図中+Y軸方向の端部)からY軸に沿って並行するように延伸された一対の検出腕3a,3b(第1振動腕)と、を有している。換言すれば、振動腕2a,2bは、検出腕3a,3bの延出方向(Y軸方向)と反対方向(Y軸方向)に基部1から延出されている。このように、基部1の両端部から反対方向に向かって、一対の振動腕2a,2bと、一対の検出腕3a,3bとが、それぞれ同軸方向に延伸されている。このような形状から、本実施形態に係るジャイロ素子300は、H型ジャイロ素子と呼ばれることがある。H型のジャイロ素子300は、第2振動腕としての振動腕2a,2bと第1振動腕としての検出腕3a,3bとが、基部1の同一軸方向の両端部からそれぞれ延伸されているので、駆動系と検出系が分離される。ジャイロ素子300は、このように駆動系と検出系が分離されることにより、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度が安定するという特徴を有する。なお、本実施形態ではH型振動片を例に振動腕および検出腕を各々2本ずつ設けているが、振動腕の本数は1本であっても3本以上であっても良い。また、1本の振動腕に後述する駆動電極と検出電極を形成しても良い。
H型のジャイロ素子300は、一対の振動腕2a,2bを所定の共振周波数で面内方向(+X軸方向と−X軸方向)に振動させた状態で、Y軸回りに角速度ωが加わると、振動腕2a,2bにコリオリ力が発生し、振動腕2a,2bが面内方向と交差する面外方向(+Z軸方向と−Z軸方向)に、互いに逆方向に屈曲振動する。そして、検出腕3a,3bは、振動腕2a,2bの面外方向の屈曲振動に共振して、同じく面外方向に屈曲振動する。この時、圧電効果により検出腕3a,3bに設けられている検出電極に電荷が発生する。ジャイロ素子300は、この電荷を検出することによりジャイロ素子300に加わる角速度ωを検出することができる。
基部1から延伸された一対の振動腕2a,2b(第2振動腕)は、駆動系の振動腕であり、図4に示すように、表面と、表面と反対側に設けられた裏面と、表面と裏面とを接続する側面と、を備えている。加えて、振動腕2a,2bは、貫通孔59a,59bを備えている。貫通孔59a,59bは、振動腕2a,2bの延在方向(Y軸方向)に、それぞれ二つずつ並んで配置されている。また、振動腕2a,2bの基部1側の一端とは反対側に位置する他端側に位置する先端部には、振動腕2a,2bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部52a,52bが設けられている(図1参照)。このように、振動腕2a,2bに、錘部52a,52bが設けられていることにより、振動腕2a,2bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の駆動振動を得ることができるため、ジャイロ素子を小型化することが可能となる。なお、振動腕2a,2bには、振動腕2a,2bを駆動させるための電極が設けられているが、電極の構成については後述する。
基部1から延伸された一対の検出腕3a,3b(第1振動腕)は、検出系の振動腕であり、図2に示すように、表面と、表面と反対側に設けられた裏面と、表面と裏面とを接続する側面3h,3i,3j,3kと、を備えている。さらに、検出腕3a,3bには、基部1側の一端とは反対側の他端側に位置する先端部に検出腕3a,3bより幅が広い(X軸方向の寸法が大きい)略矩形状の幅広部としての錘部53a,53bが設けられている(図1参照)。このように、検出腕3a,3bにおいても、錘部53a,53bが設けられていることにより、検出腕3a,3bの長さ(Y軸方向の寸法)の増大を抑えながら所定の検出振動を得ることができるため、ジャイロ素子300を小型化することが可能となる。
また、一対の検出腕3a,3bには、貫通孔58a,58bが設けられている。具体的に、一方の検出腕3aには、貫通孔58aが設けられ、他方の検出腕3bには、貫通孔58bが設けられている。貫通孔58a,58bは、検出腕3a,3bの表面と裏面とを貫通し、検出腕3a,3bの延在方向(Y軸方向)に沿って、基部1との接続部近傍から錘部53a,53bとの接続部近傍まで配設されている。貫通孔58a,58bは、一対の検出腕3a,3bの平面視中央部において表裏面を貫通している。この貫通孔58a,58bにより、検出腕3a,3bは、貫通孔58a,58bを挟み幅方向(X軸方向)の両側に壁部3d,3e,3f,3gが設けられる。具体的に、検出腕3aは、貫通孔58aを挟む両側に壁部3d,3eを有し、検出腕3bは、貫通孔58bを挟む両側に壁部3f,3gを有している。また、貫通孔58a,58bは、基部1側に位置する第1端部と、第1端部と反対側(錘部53a,53b側)に位置する第2端部とを備えている。そして、第1端部には、他方の端側面としての端側面58d,58fを有し、第2端部には、一方の端側面としての端側面58c,58eを有している。なお、端側面58c,58d,58e,58fは、貫通孔58a,58bの内側面のうちで、貫通孔58a,58bの延在方向(Y軸方向)に沿って対向する二つの内側面を繋ぐ面であり、第1端部および第2端部の部分に位置する内側面の部分をいう。
本形態における貫通孔58a,58bは、平面視で、貫通孔58a,58bの延在方向(Y軸方向)に沿って対向する二つの内側面間の幅寸法である幅W2が、第1端部および第2端部に向かって狭くなるように設けられている。具体的には、第1端部および第2端部は、貫通孔58a,58bの延在方向(Y軸方向)に沿って対向する二つの内側面間の幅W2よりも狭い幅寸法である幅W1の部分を備えた端側面58c,58d,58e,58fを有している。なお、幅W1,W2における幅(幅寸法)とは、二つの内側面が並んでいる方向、すなわち貫通孔58a,58bの延在方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に沿った寸法をいう。
端側面58c,58d,58e,58fは、貫通孔58a,58bの延在方向(Y軸方向)に沿って延在し、対向する二つの内側面が、一方の端または他方の端で接続するように、徐々に間隔の小さくなる二面を含んでいる。換言すれば、第1端部および第2端部は、平面視すると、端側面58c,58d,58e,58fの設けられている部分が、三角形の二辺に相当する形状を有している。
このような端側面58c,58d,58e,58fを備えていることにより、二つの内側面間の幅を規定する方向である検出腕3a,3bの幅方向(X軸方向)から、端側面58c,58d,58e,58fを容易に視認することができる。これにより、後述する第1の配線25,35(図2参照)、および第2の配線27,37(図3参照)の形成されている状態(良否)を容易に確認することができる。
また、後述する製造方法において、第1の配線25,35、および第2の配線27,37を形成するためのレジストを露光する工程(図6参照)における露光光L1,L2(図7Aおよび図7B参照)の照射を容易に行うことができ、製造方法において、レジストを露光する工程を簡略化することができる。
なお、端側面58c,58d,58e,58fは、検出腕3a,3bの幅方向(X軸方向)から、視認できるように向いていればよく、多角形状、曲線形状、もしくは曲線と直線の組み合わせ形状などを適用することができる。
基部1の中央は、ジャイロ素子300の重心とすることができる。そして、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交し、重心を通るものとする。ジャイロ素子300の外形は、重心を通るY軸方向の仮想の中心線に対して線対称とすることができる。これにより、ジャイロ素子300の外形はバランスのよいものとなり、ジャイロ素子300の特性が安定して、検出感度が向上するので好ましい。このようなジャイロ素子300の外形形状は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)により形成することができる。なお、ジャイロ素子300は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
2.ジャイロ素子の電極配置
次に、ジャイロ素子300の電極配置の一実施形態について、図2、図3、図4、および図5を参照して説明する。
まず、検出腕3a,3bに形成され、検出腕3a,3bが振動することによって基材である水晶に発生する歪みを検出する検出電極について説明する。図2に示すように、検出腕3a,3bには、前述したように、表面と裏面をつなぐ側面3h,3i,3j,3k、および検出腕3a,3bの平面視中央部において表裏面を貫通する貫通孔58a,58bが設けられている。
検出腕3aには、壁部3d側の側面3hに、検出腕3aの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部29hによって分割された、表面側の第1検出電極21aと裏面側の第4検出電極22bとが設けられている。換言すれば、検出腕3aの側面3hには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第1検出電極21aおよび第4検出電極22b)が備えられている。このように、第1検出電極21aは、側面3hの表面側に位置し、第4検出電極22bは、検出腕3aの側面3hの裏面側に位置している電極である。
さらに、検出腕3aには、側面3hに設けられた第1検出電極21aおよび第4検出電極22bと対向する貫通孔58aの壁部3d側の内側面26hに、検出腕3aの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部26dによって分割された、表面側の第3検出電極22aと裏面側の第2検出電極21bとが設けられている。本形態では、壁部3d側の内側面26hに位置する、第3検出電極22aが請求項における第3の電極に相当し、第2検出電極21bが請求項における第2の電極に相当する。換言すれば、貫通孔58aの壁部3d側の内側面26hには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第3の電極としての第3検出電極22aと裏面側の第2の電極としての第2検出電極21b)が備えられている。このように、第3の電極としての第3検出電極22aは、貫通孔58aの内側面26hの表面側に位置し、第2の電極としての第2検出電極21bは、内側面26hの裏面側に位置している電極である。
また、検出腕3aには、側面3hとは反対側である壁部3e側の側面3iに、検出腕3aの厚み方向の略中央に有って検出腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部29iによって分割された、表面側の第3検出電極22aと裏面側の第2検出電極21bとが設けられている。換言すれば、検出腕3aの側面3iには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第3検出電極22aおよび第2検出電極21b)が備えられている。このように、第3検出電極22aは、検出腕3aの側面3iの表面側に位置し、第2検出電極21bは、側面3iの裏面側に位置している電極である。
さらに、検出腕3aには、側面3iに設けられた第3検出電極22aおよび第2検出電極21bと対向する貫通孔58aの壁部3e側の内側面26iに、検出腕3aの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3aの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部26fによって分割された、表面側の第1検出電極21aと裏面側の第4検出電極22bとが設けられている。本形態では、壁部3e側の内側面26iに位置する、第1検出電極21aが請求項における第1の電極に相当し、第4検出電極22bが請求項における第4の電極に相当する。換言すれば、貫通孔58aの壁部3e側の内側面26iには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第1の電極としての第1検出電極21aと裏面側の第4の電極としての第4検出電極22b)が備えられている。このように、第1の電極としての第1検出電極21aは、貫通孔58aの内側面26iの表面側に位置し、第4の電極としての第4検出電極22bは、内側面26iの裏面側に位置している電極である。
そして、貫通孔58aの内側面26iの表面側に位置する第1検出電極21aと、貫通孔58aの内側面26hの裏面側に位置する第2検出電極21bとは、内側面26hと内側面26iとを繋ぐ一方の端側面58cに設けられている第1の配線25によって電気的に接続(短絡)されている。第1の配線25は、内側面26iの表面側に位置する第1検出電極21aと、他方の内側面26hの裏面側に位置する第2検出電極21bとを繋ぎ、一方の端側面58c内を斜行するように配設されている。なお、一方の端側面58cには、第1の配線25に加えて、第1の配線25と電極分割部26a,26bにより分割された他の電極である端側面電極23a,23bなどを設けてもよい。また、電極分割部26a,26bは、端側面58cのX方向中央部で検出腕3aの表裏面に達するように配置されることが好ましい。このように電極分割部26a,26bを配置することで、後述する製造方法において、斜め上方、もしくは斜め下方からの1回の露光で電極分割部26a,26bの露光を行うことができ、レジストを露光する工程を簡略化することができる。
また、図3に示すように、貫通孔58aの内側面26hの表面側に位置する第3検出電極22aと、貫通孔58aの他方の内側面26iの裏面側に位置する第4検出電極22bとは、内側面26hと内側面26iとを繋ぐ他方の端側面58dに設けられている第2の配線27によって電気的に接続(短絡)されている。第2の配線27は、内側面26hの表面側に位置する第3検出電極22aと、他方の内側面26iの裏面側に位置する第4検出電極22bとを繋ぎ、他方の端側面58d内を斜行するように配設されている。なお、他方の端側面58dには、第2の配線27に加えて、第2の配線27と電極分割部28a,28bにより分割された他の電極である端側面電極24a,24bなどを設けてもよい。また、電極分割部28a,28bは、端側面58dのX方向中央部で検出腕3aの表裏面に達するように配置されることが好ましい。このように電極分割部28a,28bを配置することで、後述する製造方法において、斜め上方、もしくは斜め下方からの1回の露光で電極分割部28a,28bの露光を行うことができ、レジストを露光する工程を簡略化することができる。
そして、第1検出電極21aと第2検出電極21b、および第3検出電極22aと第4検出電極22bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
同様に、図2に示す検出腕3bには、壁部3f側の側面3jに、検出腕3bの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部29jによって分割された、表面側の第5検出電極31aと裏面側の第8検出電極32bとが設けられている。換言すれば、検出腕3bの側面3jには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第5検出電極31aおよび第8検出電極32b)が備えられている。このように、第5検出電極31aは、検出腕3bの側面3jの表面側に位置し、第8検出電極32bは、側面3jの裏面側に位置している電極である。
さらに、検出腕3bには、側面3jに設けられた第5検出電極31aおよび第8検出電極32bと対向する貫通孔58bの壁部3f側の内側面36jに、検出腕3bの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部36dによって分割された、表面側の第7検出電極32aと裏面側の第6検出電極31bとが設けられている。本形態では、壁部3f側の内側面36jに位置する、第7検出電極32aが請求項における第3の電極に相当し、第6検出電極31bが請求項における第2の電極に相当する。換言すれば、貫通孔58bの壁部3f側の内側面36jには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第3の電極としての第7検出電極32aと裏面側の第2の電極としての第6検出電極31b)が備えられている。このように、第3の電極としての第7検出電極32aは、貫通孔58bの内側面36jの表面側に位置し、第2の電極としての第6検出電極31bは、内側面36jの裏面側に位置している電極である。
また、検出腕3bには、側面3jとは反対側である壁部3g側の側面3kに、検出腕3bの厚み方向の略中央に有って検出腕3bの延伸方向に沿って設けられた電極分割部29kによって分割された、表面側の第7検出電極32aと裏面側の第6検出電極31bとが設けられている。換言すれば、検出腕3bの側面3kには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第7検出電極32aおよび第6検出電極31b)が備えられている。このように、第7検出電極32aは、検出腕3bの側面3kの表面側に位置し、第6検出電極31bは、側面3kの裏面側に位置している電極である。
さらに、検出腕3bには、側面3kに設けられた第7検出電極32aおよび第6検出電極31bと対向する貫通孔58bの壁部3g側の内側面36kに、検出腕3bの厚み方向(Z軸方向)の略中央に有って検出腕3bの延伸方向(Y軸方向)に沿って設けられた電極分割部36fによって分割された、表面側の第5検出電極31aと裏面側の第8検出電極32bとが設けられている。本形態では、壁部3g側の内側面36kに位置する、第5検出電極31aが請求項における第1の電極に相当し、第8検出電極32bが請求項における第4の電極に相当する。換言すれば、貫通孔58bの壁部3g側の内側面36kには、表面および裏面に沿って並延されている二つの電極(第1の電極としての第5検出電極31aと裏面側の第4の電極としての第8検出電極32b)が備えられている。このように、第1の電極としての第5検出電極31aは、貫通孔58bの内側面36kの表面側に位置し、第2の電極としての第8検出電極32bは、内側面36kの裏面側に位置している電極である。
そして、貫通孔58bの内側面36kの表面側に位置する第5検出電極31aと、貫通孔58bの内側面36jの裏面側に位置する第6検出電極31bとは、内側面36jと内側面36kとを繋ぐ一方の端側面58eに設けられている第1の配線35によって電気的に接続(短絡)されている。第1の配線35は、内側面36kの表面側に位置する第5検出電極31aと、他方の内側面36jの裏面側に位置する第6検出電極31bとを繋ぎ、一方の端側面58e内を斜行するように配設されている。なお、一方の端側面58eには、第1の配線35に加えて、第1の配線35と電極分割部36a,36bにより分割された他の電極である端側面電極33a,33bなどを設けてもよい。また、電極分割部36aは電極分割部36dと接続され、電極分割部36bは電極分割部36fと接続されている。また、電極分割部36a,36bは、端側面58eのX方向中央部で検出腕3bの表裏面に達するように配置されることが好ましい。このように電極分割部36a,36bを配置することで、後述する製造方法において、斜め上方、もしくは斜め下方からの1回の露光で電極分割部36a,36bの露光を行うことができ、レジストを露光する工程を簡略化することができる。
また、図3に示すように、貫通孔58bの内側面36jの表面側に位置する第7検出電極32aと、貫通孔58bの他方の内側面36kの裏面側に位置する第8検出電極32bとは、内側面36jと内側面36kとを繋ぐ他方の端側面58fに設けられている第2の配線37によって電気的に接続(短絡)されている。第2の配線37は、内側面36jの表面側に位置する第7検出電極32aと、内側面36kの裏面側に位置する第8検出電極32bとを繋ぎ、他方の端側面58f内を斜行するように配設されている。なお、他方の端側面58fには、第2の配線37に加えて、第2の配線27と電極分割部38a,38bにより分割された他の電極である端側面電極34a,34bなどを設けてもよい。また、電極分割部38aは電極分割部36fと接続され、電極分割部38bは電極分割部36dと接続されている。また、電極分割部38a,38bは、端側面58fのX方向中央部で検出腕3bの表裏面に達するように配置されることが好ましい。このように電極分割部38a,38bを配置することで、後述する製造方法において、斜め上方、もしくは斜め下方からの1回の露光で電極分割部38a,38bの露光を行うことができ、レジストを露光する工程を簡略化することができる。
そして、第5検出電極31aと第6検出電極31b、および第7検出電極32aと第8検出電極32bは、図示しない配線を介して図示しない外部接続パッドに、それぞれが電気的に接続されている。
ここで、図5を参照しながら、検出腕3a,3bに形成されている電極の電気的接続状態について説明する。図5に示すように、検出腕3aにおいては、第1検出電極21aと第2検出電極21bとは同電位となるように接続され、第3検出電極22aと第4検出電極22bとは同電位となるように接続されている。具体的に、第1検出電極21aおよび第2検出電極21bは、接続端子E1に接続され、第3検出電極22aおよび第4検出電極22bは、接続端子E2に接続されている。そして、検出腕3aの振動によって生じる歪みを、第1検出電極21aおよび第2検出電極21bと、第3検出電極22aおよび第4検出電極22bとの電極間の電位差を検出することにより検出することができる。
また、同様に、検出腕3bにおいては、第5検出電極31aと第6検出電極31bとは同電位となるように接続され、第7検出電極32aと第8検出電極32bとは同電位となるように接続されている。具体的に、第5検出電極31aおよび第6検出電極31bは、接続端子E2に接続され、第7検出電極32aおよび第8検出電極32bは、接続端子E1に接続されている。そして、検出腕3bの振動によって生じる歪みを、第5検出電極31aおよび第6検出電極31bと、第7検出電極32aおよび第8検出電極32bとの電極間の電位差を検出することにより検出することができる。
次に、図4を参照しながら、振動腕2a,2bに設けられた、振動腕2a,2bを駆動させるための駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cについて説明する。図4に示すように、振動腕2aの表面(一方の主面)には駆動電極11aが、および裏面(他方の主面)には駆動電極11bが、錘部52a(図1参照)までの間に形成されている。また、振動腕2aの一方の側面、および他方の側面には駆動電極12cが、振動腕2aの錘部52a(図1参照)までの間に形成されている。同様に、振動腕2bの表面(一方の主面)には駆動電極12aが、および裏面(他方の主面)には駆動電極12bが、錘部52b(図1参照)までの間に形成されている。また、振動腕2bの一方の側面、および他方の側面には駆動電極11cが、振動腕2bの錘部52b(図1参照)までの間に形成されている。
振動腕2a,2bに形成された駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12cは、駆動電極11a,11b,11cが同電位であり、これと異なる電位であって駆動電極12a,12b,12cが同電位となるように、振動腕2a,2bを介して対向配置される。また、図示しないが、駆動電極11a,11b,11cが、接続される第1固定部に形成された接続パッド、および駆動電極12a,12b,12cが接続される第2固定部に形成された接続パッドを通して駆動電極11a,11b,11cと駆動電極12a,12b,12cとの間に電位差を交互に与えることにより振動腕2a,2bは、いわゆる屈曲振動が励振される。
なお、上述した駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12c、第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第5検出電極31a、第6検出電極31b、第7検出電極32a、および第8検出電極32bや第1の配線25,35、および第2の配線27,37の構成は、特に限定されず、導電性を有し、薄膜形成が可能であればよい。具体的な構成としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料により形成することができる。
また、本形態においてジャイロ素子300は、水晶により形成された例を用いたが、水晶以外にも、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の様々な圧電単結晶材料を用いることができる。
このような第1実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子300によれば、振動腕3a,3bに設けられた貫通孔58a,58bの一方の内側面26i,36kの表面側に位置する第1の電極(第1検出電極21a,第5検出電極31a)と、他方の内側面26h,36jの裏面側に位置する第2の電極(第2検出電極21b,第6検出電極31b)とを短絡する第1の配線25,35が、二つの内側面26h,26iおよび二つの内側面36j,36kを繋ぐ一方の端側面58c,58eに配置されている。このように、貫通孔58a,58bの端側面58c,58eに第1の配線25,35が配置されていることにより、表裏面の狭い領域に第1の配線25,35に相当する配線を設けることが不要となり、二つの内側面26h,26iおよび二つの内側面36j,36kに設けられた電極を繋ぐ配線(第1の配線25,35)の幅を広くすることができる。また、配線(第1の配線25,35)を貫通孔58a,58bの内部にある端側面58c,58eに設けるため、表裏面と比べ周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などの照射がされ難くなる。これらにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、振動腕3a,3bに設けられた貫通孔58a,58bの他方の内側面26h、36jの表面側に位置する第3の電極(第3検出電極22a,第7検出電極32a)と、一方の内側面26i、36kの裏面側に位置する第4の電極(第4検出電極22b,第8検出電極32b)とを短絡する第2の配線27,37が、二つの内側面26h,26iおよび二つの内側面36j,36kを繋ぐ他方の端側面58d,58fに配置されている。このように、貫通孔58a,58bの端側面58d,58fに第2の配線27,37が配置されていることにより、表裏面の狭い領域に第2の配線27,37に相当する配線を設けることが不要となり、二つの内側面26h,26iおよび二つの内側面36j,36kに設けられた電極を繋ぐ配線(第2の配線27,37)の幅を広くすることができる。また、配線(第2の配線27,37)を貫通孔58a,58bの内部にある端側面58d,58fに設けるため、表裏面と比べ周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などの照射がされ難くなる。これらにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
また、二つの内側面26h,26i間および二つの内側面36j,36k間の幅を規定する方向である検出腕3a,3bの幅方向から、端側面58c,58dの面を容易に視認することができ、第1の配線25,35、および第2の配線27,37の形成状態の確認を容易に行うことができる。
また、第1振動腕を検出系、第2振動腕を駆動系とすると、検出系である第1振動腕(検出腕3a,3b)と、駆動系としての第2振動腕(振動腕2a,2b)とが、基部1の同一軸方向(Y軸方向)の両端部から反対方向にそれぞれ延伸されていることから、駆動系と検出系とを分離することができる。このように駆動系と検出系が分離されることにより、駆動系と検出系の電極間あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度を安定させることができる。
なお、本形態では、検出腕3a,3bにそれぞれ一つの貫通孔58a,58bが設けられている構成で説明したが、貫通孔58a,58bは、検出腕3a,3bのそれぞれに、複数が設けられる構成であってもよい。
3.ジャイロ素子の製造方法
次に、上述した振動素子の第1実施形態に係るジャイロ素子300の製造方法の一例を、図6、図7A、および図7Bを参照して説明する。図6は、第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法を示す工程フロー図である。図7Aは、第1実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法における露光方向を示し、一方の検出腕における図1のA−A断面図に相当する断面図である。図7Bは、貫通孔の端部における露光状態を示す断面図である。なお、図7Aおよび図7Bでは、検出腕3aを例示して説明するが、検出腕3bにおいても適用することができる。また、以下の説明では、ジャイロ素子300の構成部位については、図1から図5を参照し、同符号を用いて説明する。また、以下に説明する製造方法は、一例であって、他の製造方法を適用してジャイロ素子300を製造することもできる。
図6に示すように、ジャイロ素子300の製造方法は、以下の工程を含む。ジャイロ素子300の製造方法は、基材を準備する工程(ステップS101)と、基材に金属膜を形成する工程(ステップS102)と、基材にレジストを形成する工程(ステップS103)と、レジストを露光する工程(ステップS104からステップS107)と、レジストの現像・パターニング工程(ステップS108)と、金属膜を分割する工程(ステップS109)とを含んでいる。以下、図6に示す工程フローに沿って、各工程の詳細について順次説明する。
[基材を準備する工程(ステップS101)]
先ず、ジャイロ素子300の基材となる基板(水晶ウェハー)を用意する。基板(水晶ウェハー)は、水晶結晶軸であるX軸、Y軸およびZ軸からなる直交座標系において、X軸およびY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚さを有した所謂水晶Z板である。なお、基板(水晶ウェハー)は、切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨することによって形成する。そして、フォトリソグラフィー法やウェットエッチング法などを用いることによって、用意された基板(水晶ウェハー)を加工し、外形形状が画定されたジャイロ素子300の基材を準備する(ステップS101)。
[金属膜を形成する工程(ステップS102)]
次に、外形形状が画定されたジャイロ素子300の基材において露出している面(外表面)に、後に電極となる導電材料としての金属膜を、例えば、スパッタリング法や蒸着法などを用いて形成する。金属膜を構成する材料としては、例えば、金(Au)、金合金、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銀(Ag)、銀合金、クロム(Cr)、クロム合金、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)等の金属材料、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電材料を用いることができる。また、クロム(Cr)、クロム合金、ニッケル(Ni)などの下地層を設けてもよい。
[レジストを形成する工程(ステップS103)]
次に、金属膜が形成されたジャイロ素子300の基材の金属膜を覆うように、種々の電極を形成(分割)するためのマスクを画定するレジストを形成する(ステップS103)。レジストの形成は、金属膜を覆うようにレジスト樹脂を塗布する工程と、塗布したレジスト樹脂を乾燥・硬化する工程とを含んでいる。
[レジストを露光する工程(ステップS104)〜(ステップS107)]
次に、ジャイロ素子300の基材に形成されたレジストに、例えばガラスマスクなどを介して光を照射し、種々の電極が形成されるべき領域とそうでない領域とを分けるようにレジストを露光する工程に移る。このレジストを露光する工程(ステップS104)〜(ステップS107)では、貫通孔58aの内側の露光を十分且つ確実に行うため、光を照射する方向を変えて4回の露光を行う。具体的には、図7Aに示す矢印L1の方向から露光する第1露光工程(ステップS104)と、矢印L2の方向から露光する第2露光工程(ステップS105)と、矢印L3の方向から露光する第3露光工程(ステップS106)と、矢印L4の方向から露光する第4露光工程(ステップS107)とを含む4回の露光を行う。
図7Aに示す矢印L1の方向(+X軸方向から−X軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第1露光工程(ステップS104)では、検出腕3aの貫通孔58aの内側面26hおよび側面3iの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第1露光工程(ステップS104)では、検出腕3aの表面側から光を照射する。このとき、貫通孔58aの端側面58cにおいても、+X軸方向から視認できる面にも光が照射され、内側面26hと同時に露光が行われる。しかしながら、貫通孔58aは幅が狭く、光の侵入側に位置する壁部3eが遮光壁となってしまうため、内側面26hの上部(表面側)は十分に露光されるが、内側面26hの下部(裏面側)は十分な露光がされ難い。したがって、矢印L1の方向から露光する第1露光工程(ステップS104)では、図7Bに示すように、内側面26hの上部(表面側)および端側面58cの上部(表面側)を含む領域P1(二点鎖線で示す)の部分の露光が行われる。なお、図示はしていないが、他方の端側面58dにおいても同様な露光が行われる。
同様に、図7Aに示す矢印L2の方向(−X軸方向から+X軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第2露光工程(ステップS105)では、検出腕3aの貫通孔58aの内側面26iおよび側面3hの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第2露光工程(ステップS105)では、検出腕3aの表面側から光を照射する。このとき、貫通孔58aの端側面58cにおいても、−X軸方向から視認できる面にも光が照射され、内側面26iと同時に露光が行われる。しかしながら、貫通孔58aは幅が狭く、光の侵入側に位置する壁部3dが遮光壁となってしまうため、内側面26iの上部(表面側)は十分に露光されるが、内側面26iの下部(裏面側)は十分な露光がされ難い。したがって、矢印L2の方向から露光する第2露光工程(ステップS105)では、図7Bに示すように、内側面26iの上部(表面側)および端側面58cの上部(表面側)を含む領域P2(二点鎖線で示す)の部分の露光が行われる。なお、図示はしていないが、他方の端側面58dにおいても同様な露光が行われる。
同様に、図7Aに示す矢印L3の方向(+X軸方向から−X軸方向に向けて図中斜め下方から斜め上方に向かう方向)から露光する第3露光工程(ステップS106)では、検出腕3aの貫通孔58aの内側面26hおよび側面3iの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第3露光工程(ステップS106)では、検出腕3aの裏面側から光を照射する。このとき、前述の第1露光工程(ステップS104)と同様に、貫通孔58aの端側面58cにおいても、+X軸方向から視認できる面にも光が照射され、内側面26hと同時に露光が行われる。しかしながら、前述と同様に、光の侵入側に位置する壁部3eが遮光壁となってしまうため、内側面26hの下部(裏面側)は十分に露光されるが、内側面26hの上部(表面側)は十分な露光がされ難い。したがって、矢印L3の方向から露光する第3露光工程(ステップS106)では、図7Bに示すように、内側面26hの下部(裏面側)および端側面58cの下部(裏面側)を含む領域P3(一点鎖線で示す)の部分の露光が行われる。なお、図示はしていないが、他方の端側面58dにおいても同様な露光が行われる。
同様に、図7Aに示す矢印L4の方向(−X軸方向から+X軸方向に向けて図中斜め下方から斜め上方に向かう方向)から露光する第4露光工程(ステップS107)では、検出腕3aの貫通孔58aの内側面26iおよび側面3hの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第4露光工程(ステップS107)では、検出腕3aの裏面側から光を照射する。このとき、前述の第2露光工程(ステップS105)と同様に、貫通孔58aの端側面58cにおいても、−X軸方向から視認できる面にも光が照射され、内側面26iと同時に露光が行われる。しかしながら、前述と同様に、光の侵入側に位置する壁部3dが遮光壁となってしまうため、内側面26iの下部(裏面側)は十分に露光されるが、内側面26iの上部(表面側)は十分な露光がされ難い。したがって、矢印L4の方向から露光する第4露光工程(ステップS107)では、図7Bに示すように、内側面26iの下部(裏面側)および端側面58cの下部(裏面側)を含む領域P4(一点鎖線で示す)の部分の露光が行われる。なお、図示はしていないが、他方の端側面58dにおいても同様な露光が行われる。
[レジストの現像・パターニング工程(ステップS108)]
次に、レジストの現像・パターニング工程(ステップS108)では、前述した工程にて露光されたレジストの現像処理を行い、現像したレジストをエッチングマスクとしてパターニングする。このパターニングでは、ジャイロ素子300に形成される種々の電極に相当する部分のレジストを残し、電極の形成されない部分のレジストを除去する。これにより、電極として形成されない部分である、換言すれば、電極分割部26dに相当する部分の金属膜が露出する。
[金属膜を分割する工程(ステップS109)]
次に、パターニングされたレジストをエッチングマスクとして、露出している金属膜を例えば、ヨウ化カリウム等のエッチング液を用いて、ウェットエッチングにより除去する。これにより、取り除くべき金属膜がエッチングにより全て除去され、金属膜が分割される(ステップS109)。その後、不要となったレジストを全て剥離することにより、レジストが設けられていた部分の金属膜が露出し、種々の電極である第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線25、および第2の配線27などの電極が形成される。
上述したジャイロ素子300の製造方法によれば、貫通孔58aが形成された第1振動腕としての検出腕3aの露出面に金属膜を形成し、その金属膜を貫通孔の端側面58c(端側面58d)と内側面26h,26iとにおいて分割して電極(第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線25、および第2の配線27など)を形成する。このように、端側面58c(端側面58d)に第1の配線25、および第2の配線27を設けることができるため、検出腕3aの表裏面の狭い領域に配線を設けずに、例えば貫通孔58aの内で、第1の電極としての第1検出電極21aと、第2の電極としての第2検出電極21bと、それらの電極を繋ぐ第1の配線25とを、容易に形成することができる。さらに、第1の配線25の幅を容易に広くすることができ、幅の狭い配線において生じ易い配線の断線を抑制することが可能となる。
また、電極分割部26a,26b,28a,28bが、端側面58c(端側面58d)のX方向中央部で検出腕3aの表裏面に達するように配置されることにより、斜め上方、もしくは斜め下方からの1回の露光で電極分割部26a,26b,28a,28bの露光を行うことができ、露光工程の簡略化を図ることが可能となる。
なお、検出腕3bにおいても同様な製造方法を適用することができ、同様な効果を得ることができる。
また、四回の露光工程(ステップS104)〜(ステップS107)により、四方向から露光を行うため、狭い領域の貫通孔58a内におけるレジストの露光を十分に行うことができる。このレジストをエッチングマスクとして金属膜を分割し、電極(第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線25、および第2の配線27など)を形成するため、電極形成における分割の不具合の発生を抑制することができる。
また、配線(第1の配線25)を貫通孔58aの内部にある端側面58c内に設けるため、後の周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などが照射され難くなる。これらにより、レーザー光が誤って配線に照射されることにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の振動デバイスの第2実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)について説明する。先ず、図8を参照して、ジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の構成を説明する。図8は、振動デバイスの第2実施形態に係る振動素子としてのジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の概略を示す部分平面図である。なお、図8では、前述の第1実施形態と異なる構成の検出腕の部分を中心にジャイロ素子(H型ジャイロ素子)を描画している。また、以下では、前述の第1実施形態と同様な構成については、同符号を付してその説明を省略する。
1.ジャイロ素子の構成
図8に示すように、第2実施形態に係るジャイロ素子400は、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成された基部1と、第2振動腕としての振動腕(図8では不図示)と、第1振動腕としての検出腕403a,403bとを有している。第2実施形態に係るジャイロ素子400は、第1実施形態のジャイロ素子300と比し、検出腕403a,403bに設けられている貫通孔458a,458bの構成が異なっている。以下、構成の異なる検出腕403a,403bおよび貫通孔458a,458bを中心に説明する。
一対の検出腕403a,403bには、貫通孔458a,458bが設けられている。具体的に、検出腕403aには、貫通孔458aが設けられ、検出腕403bには、貫通孔458bが設けられている。貫通孔458a,458bは、検出腕403a,403bの表面と裏面とを貫通し、検出腕403a,403bの延在方向(Y軸方向)に沿って配設されている。貫通孔458a,458bは、一対の検出腕403a,403bの平面視中央部において表裏面を貫通している。この貫通孔458a,458bにより、検出腕403a,403bは、貫通孔458a,458bを挟み幅方向(X軸方向)の両側に壁部403d,403e,403f,403gが設けられている。具体的に、検出腕403aは、貫通孔458aを挟む両側に壁部403d,403eを有し、検出腕403bは、貫通孔458bを挟む両側に壁部403f,403gを有している。
また、貫通孔458a,458bは、基部1側に位置する第1端部と、第1端部と反対側(錘部53a,53b側)に位置する第2端部とを備えている。そして、第1端部には、他方の端側面としての端側面458d,458fを有し、第2端部には、一方の端側面としての端側面458c,458eを有している。なお、端側面458c,458d,458e,458fは、貫通孔458a,458bの内側面のうちで、貫通孔458a,458bの延在方向(Y軸方向)に沿って対向する二つの内側面を繋ぐ面であり、Y軸方向に面して第1端部および第2端部の両端に位置する内側面の部分をいう。
2.ジャイロ素子の電極配置
次に、ジャイロ素子400の電極配置の一実施形態について説明する。ジャイロ素子400は、前述の第1実施形態と同様に、駆動電極11a,11b,11c,12a,12b,12c、第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第5検出電極31a、第6検出電極31b、第7検出電極32a、および第8検出電極32bや第1の配線25,35、および第2の配線27,37に相当する種々の電極を有している。そして、当該電極は、前述の第1実施形態と同様な配置がなされている。したがって、詳細な説明を省略する。なお、図10Bに、検出腕403aに設けられた電極を例示している。また、図10Cにおいて、第1の配線25に相当する配線を第1の配線425として付番している。
なお、ジャイロ素子400における第1の配線425(図10C参照)は、Y軸方向に面して配置されている端側面458cに設けられている。図示しないが、同様に、第2の配線は、Y軸方向に面して配置されている端側面458dに設けられている。
このような構成の貫通孔458a,458bを有するジャイロ素子400によれば、前述の第1実施形態と同様に、第1の配線425(図10C参照)、および第2の配線(不図示)が、端側面458c,458dに配置されている。このように、貫通孔458a,458bの端側面458c,458d,458e,458fに第1の配線425および第2の配線(不図示)が配置されていることにより、表裏面の狭い領域に第1の配線425(第2の配線)に相当する配線を設けることが不要となる。これにより、二つの内側面26h,26i(図10A参照)に設けられた電極を繋ぐ配線(第1の配線425もしくは第2の配線)の幅を広くすることができる。また、配線(第1の配線425および第2の配線)を貫通孔458a,458bの内部にある端側面458c,458d,458e,458fに設けるため、表裏面と比べ周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などの照射がされ難くなる。これらにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
なお、本形態では、検出腕403a,403bにそれぞれ一つの貫通孔458a,458bが設けられている構成で説明したが、貫通孔458a,458bは、検出腕403a,403bのそれぞれに、複数が設けられる構成であってもよい。
3.ジャイロ素子の製造方法
次に、上述した振動素子の第2実施形態に係るジャイロ素子400の製造方法の一例を、図9、図10A、図10B、および図10Cを参照して説明する。図9は、第2実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法を示す工程フロー図である。図10Aは、第2実施形態に係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法における露光方向を示し、一方の検出腕における図1のA−A断面図に相当する断面図である。図10Bは、第2実施形態係るジャイロ素子(H型ジャイロ素子)の製造方法における露光方向を示し、一方の検出腕における図8のD−D断面図である。図10Cは、貫通孔の端部における露光状態を示す断面図である。なお、図10A、図10B、および図10Cでは、検出腕403aを例示して説明するが、検出腕403bにおいても適用することができる。また、以下の説明では、ジャイロ素子400の構成部位については、図8を参照し、同符号を用いて説明することがある。また、以下に説明する製造方法は、一例であって、他の製造方法を適用してジャイロ素子400を製造することもできる。
図9に示すように、ジャイロ素子400の製造方法は、以下の工程を含む。ジャイロ素子400の製造方法は、基材を準備する工程(ステップS201)と、基材に金属膜を形成する工程(ステップS202)と、基材にレジストを形成する工程(ステップS203)と、レジストを露光する工程(ステップS204からステップS209)と、レジストの現像・パターニング工程(ステップS210)と、金属膜を分割する工程(ステップS211)とを含んでいる。以下、図9に示す工程フローに沿って、各工程の詳細について順次説明する。なお、前述の第1実施形態と実質的に同じ工程である、基材を準備する工程(ステップS201)と、基材に金属膜を形成する工程(ステップS202)と、基材にレジストを形成する工程(ステップS203)と、レジストの現像・パターニング工程(ステップS210)と、金属膜を分割する工程(ステップS211)との説明は省略する。
先ず、第1実施形態と同様に、基材を準備する工程(ステップS201)において準備したジャイロ素子400の基材の露出面に、金属膜を形成する工程(ステップS202)において金属膜を形成し、レジストを形成する工程(ステップS203)において金属膜を覆うように、電極を形成(分割)するためのマスクを画定するレジストを形成する。
[レジストを露光する工程(ステップS204)〜(ステップS209)]
次に、ジャイロ素子400の基材に形成されたレジストに、例えばガラスマスクなどを介して光を照射し、種々の電極が形成されるべき領域とそうでない領域とを分けるようにレジストを露光する工程に移る。このレジストを露光する工程では、貫通孔458aの内側の露光を十分且つ確実に行うため、光を照射する方向を変えて6回の露光を行う。具体的には、図10Aに示す矢印L11の方向から露光する第1露光工程(ステップS204)と、矢印L12の方向から露光する第2露光工程(ステップS205)と、図10Bに示す矢印L13の方向から露光する第3露光工程(ステップS206)と、矢印L14の方向から露光する第4露光工程(ステップS207)と、矢印L15の方向から露光する第5露光工程(ステップS208)と、矢印L16の方向から露光する第6露光工程(ステップS209)とを含む6回の露光を行う。
図10Aに示す矢印L11の方向(+X軸方向から−X軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第1露光工程(ステップS204)では、検出腕403aの貫通孔458aの内側面26hおよび側面3iの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第1露光工程(ステップS204)では、検出腕403aの表面側から光を照射する。本構成では、貫通孔458aの内側面26hの厚み方向(Z軸方向)の中央部が電極を分割する部分になる。したがって、貫通孔458aの幅が狭くても、光の侵入側に位置する壁部403eに邪魔(遮光)されることなく内側面26hの分割部分(電極分割部26d)に対して十分な露光を行うことができる。
同様に、図10Aに示す矢印L12の方向(−X軸方向から+X軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第2露光工程(ステップS205)では、検出腕403aの貫通孔458aの内側面26iおよび側面3hの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第2露光工程(ステップS205)では、検出腕403aの表面側から光を照射する。本構成では、第1露光工程(ステップS204)と同様に、貫通孔458aの内側面26iの厚み方向(Z軸方向)の中央部が電極を分割する部分になる。したがって、貫通孔458aの幅が狭くても、光の侵入側に位置する壁部403dに邪魔(遮光)されることなく内側面26iの分割部分(電極分割部26f)に対して十分な露光を行うことができる。
同様に、図10Bに示す矢印L13の方向(−Y軸方向から+Y軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第3露光工程(ステップS206)では、検出腕403aの貫通孔458aの端側面458cの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第3露光工程(ステップS206)では、検出腕403aの表面側から光を照射する。このとき、貫通孔458aの幅が狭いため、端側面458cの上部(表面側)には十分な光が届き露光が行われるが、端側面458cの下部(裏面側)には光が届きにくく、十分な露光を行うことができ難い。したがって、矢印L13の方向から露光する第3露光工程(ステップS206)では、図10Cに示すように、端側面458cの上部(表面側)の領域P13(二点鎖線で示す)の露光が行われる。
同様に、図10Bに示す矢印L14の方向(+Y軸方向から−Y軸方向に向けて図中斜め上方から斜め下方に向かう方向)から露光する第4露光工程(ステップS207)では、検出腕403aの貫通孔458aの端側面458dの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第4露光工程(ステップS207)では、検出腕403aの表面側から光を照射する。このとき、貫通孔458aの幅が狭いため、端側面458dの上部(表面側)には十分な光が届き露光が行われるが、端側面458dの下部(裏面側)には光が届きにくく、十分な露光を行うことができ難い。したがって、矢印L14の方向から露光する第4露光工程(ステップS207)では、図10Cに示す端側面458cの上部(表面側)の領域P13と同様な部分に相当する端側面458dの領域(不図示)の露光が行われる。
同様に、図10Bに示す矢印L15の方向(−Y軸方向から+Y軸方向に向けて図中斜め下方から斜め上方に向かう方向)から露光する第5露光工程(ステップS208)では、検出腕403aの貫通孔458aの端側面458cの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第5露光工程(ステップS208)では、検出腕403aの裏面側から光を照射する。このとき、貫通孔458aの幅が狭いため、端側面458cの下部(裏面側)には十分な光が届き露光が行われるが、端側面458cの上部(表面側)には光が届きにくく、十分な露光を行うことができ難い。したがって、矢印L15の方向から露光する第5露光工程(ステップS208)では、図10Cに示すように、端側面458cの下部(裏面側)の領域P14(一点鎖線で示す)の露光が行われる。
同様に、図10Bに示す矢印L16の方向(+Y軸方向から−Y軸方向に向けて図中斜め下方から斜め上方に向かう方向)から露光する第6露光工程(ステップS209)では、検出腕403aの貫通孔458aの端側面458dの厚み方向(Z軸方向)中央部に向けて光を照射する。換言すれば、第6露光工程(ステップS209)では、検出腕403aの裏面側から光を照射する。このとき、貫通孔458aの幅が狭いため、端側面458dの下部(裏面側)には十分な光が届き露光が行われるが、端側面458dの上部(表面側)には光が届きにくく、十分な露光を行うことができ難い。したがって、矢印L16の方向から露光する第6露光工程(ステップS209)では、図10Cに示す端側面458cの下部(裏面側)の領域P14と同様な部分に相当する端側面458dの領域(不図示)の露光が行われる。
[レジストの現像・パターニング工程(ステップS210)]
次に、前述したレジストを露光する工程(ステップS204〜ステップS209)にて露光されたレジストの現像処理を行い、現像したレジストをエッチングマスクとしてパターニングするレジストの現像・パターニング工程(ステップS210)に移行する。このレジストの現像・パターニング工程(ステップS210)は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
[金属膜を分割する工程(ステップS211)]
次に、パターニングされたレジストをエッチングマスクとして、露出している金属膜を例えば、ヨウ化カリウム等のエッチング液を用いて、ウェットエッチングにより除去する金属膜を分割する工程(ステップS211)に移行する。この金属膜を分割する工程(ステップS211)は、第1実施形態と同様であるので詳細な説明を省略するが、この工程(ステップS211)により、種々の電極である第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線425、および第2の配線(不図示)が形成される。
上述したジャイロ素子400の製造方法によれば、貫通孔458aが形成された第1振動腕としての検出腕403aの露出面に金属膜を形成し、その金属膜を貫通孔の端側面458c(端側面458d)と内側面26h,26iとにおいて分割して電極(第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線425、および第2の配線(不図示)など)を形成する。このように、端側面458c(端側面458d)に第1の配線425、および第2の配線(不図示)を設けることができるため、検出腕403aの表裏面の狭い領域に配線を設けずに、例えば貫通孔458aの内で、第1の電極としての第1検出電極21aと、第2の電極としての第2検出電極21bと、それらの電極を繋ぐ第1の配線425とを、容易に形成することができる。さらに、第1の配線425の幅を容易に広くすることができ、幅の狭い配線において生じ易い配線の断線を抑制することが可能となる。なお、検出腕403bにおいても同様な製造方法を適用することができ、同様な効果を得ることができる。
また、六回の露光工程(ステップS204)〜(ステップS209)を実施することにより、狭い領域の貫通孔458a内におけるレジストの露光を十分に行うことができる。このレジストをエッチングマスクとして金属膜を分割し、電極(第1検出電極21a、第2検出電極21b、第3検出電極22a、第4検出電極22b、第1の配線425、および第2の配線(不図示)など)を形成するため、電極形成における分割の不具合の発生を抑制することができる。
また、配線(第1の配線425など)を貫通孔458aの内部にある端側面458c,458d内に設けるため、後の周波数調整などの際に用いる、例えばレーザー光などが照射され難くなる。これらにより、配線が切断されてしまうなどの不具合の発生を抑制することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の振動デバイスの第3実施形態に係るジャイロセンサーについて、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明に係る振動デバイスの第3実施形態に係るジャイロセンサーの概略構成を示す正断面図である。図11に示す振動デバイスの第3実施形態に係るジャイロセンサー600では、前述の第1実施形態で説明した、少なくとも第1振動腕としての検出腕3a,3bを有するジャイロ素子(H型ジャイロ素子)300を備えた構成を例示している。
図11に示すように、ジャイロセンサー600は、パッケージ610の凹部に、ジャイロ素子300を収容し、パッケージ610の開口部を蓋体616により密閉し、内部を気密に保持されている。パッケージ610は、平板状の第1基板611と、第2基板612と、枠状の第3基板613と、実装端子614とが積層・固着されて形成されている。実装端子614は、第1基板611の外部底面に複数形成されている。第2基板612は、第1基板611の上面に積層され、ジャイロ素子300を離間させるための凹陥部619と、ジャイロ素子300を支持する支持部617とを備えている。なお、第2基板612の上面には、実装端子614と接続された配線やジャイロ素子300の電極との接続配線などが設けられているが図示を省略している。第3基板613は、中央部が除去された環状体であり、第1基板611および第2基板612と併せてジャイロ素子300を収容するキャビティー620が形成される。
第1基板611、第2基板612、および第3基板613は、絶縁性を有する材料で構成されている。このような材料としては、特に限定されず、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス等の各種セラミックスを用いることができる。また、パッケージ610に設けられた、例えば前述の配線や接続配線などの各電極、端子(不図示)、あるいはそれらを電気的に接続する配線パターンや層内配線パターン(不図示)などは、一般的に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料を絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。
蓋体616は、パッケージ610の開口を塞ぎ、封止材615により接合されることで、パッケージ610のキャビティー620を気密封止している。蓋体616は、例えばコバール合金などの金属材料で形成することができる。
パッケージ610のキャビティー620内に収納されたジャイロ素子300は、支持部617の上面側に接合部材618を介して接続されている。接合部材618は、例えば、導電性接着剤などの導電性の接合部材を用いることにより、電気的な接続を図るとともに機械的な接続を行うことができる。
上述したジャイロセンサー600によれば、少なくとも第1振動腕としての検出腕3a,3bを有するジャイロ素子(H型ジャイロ素子)300がパッケージ610内に収納されているため、外乱などの影響を受け難くなり、角速度の検出特性などを安定化することが可能となる。
(電子機器)
次に、図12、図13、および図14を参照して、前述の実施形態に係る振動素子を備えた電子機器について説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子300を用いた例について説明する。図12、図13、および図14は、ジャイロ素子300を備える電子機器の一例を示す斜視図である。
図12は、電子機器としてのデジタルビデオカメラ1000にジャイロ素子300を適用した例を示す。図12に示すデジタルビデオカメラ1000は、受像部1100、操作部1200、音声入力部1300、および表示ユニット1400を備えている。このようなデジタルビデオカメラ1000に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載する手ぶれ補正機能を具備させることができる。
図13は、電子機器としての携帯電話機2000にジャイロ素子300を適用した例を示す。図13に示す携帯電話機2000は、複数の操作ボタン2100およびスクロールボタン2200、並びに表示ユニット2300を備える。スクロールボタン2200を操作することによって、表示ユニット2300に表示される画面がスクロールされる。
図14は、電子機器としての情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)3000にジャイロ素子300を適用した例を示す。図14に示すPDA3000は、複数の操作ボタン3100および電源スイッチ3200、並びに表示ユニット3300を備える。電源スイッチ3200を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が表示ユニット3300に表示される。
このような携帯電話機2000やPDA3000に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載することにより、様々な機能を付与することができる。例えば、図13の携帯電話機2000に、図示しないカメラ機能を付与した場合に、上記のデジタルビデオカメラ1000と同様に、手振れ補正を行うことができる。また、図13の携帯電話機2000や、図14のPDA3000に、GPS(Global Positioning System)として広く知られる汎地球測位システムを具備した場合に、上述の実施形態のジャイロ素子300を搭載することにより、GPSによって、携帯電話機2000やPDA3000の位置や姿勢を認識させることができる。
なお、本発明の実施形態に係るジャイロ素子300を一例とする振動素子は、図12のデジタルビデオカメラ1000、図13の携帯電話機、および図14の情報携帯端末の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター、ルーターやスイッチなどのストレージエリアネットワーク機器、ローカルエリアネットワーク機器、移動体端末基地局用機器、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、リアルタイムクロック装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、有線又は無線の通信機能を有し各種のデータを送信可能なガスメーターや水道メーターや電力量計(スマートメーター)等の各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、ヘッドマウントディスプレイ、モーショントレース、モーショントラッキング、モーションコントローラー、PDR(歩行者位置方位計測)等の電子機器に適用することができる
(移動体)
次に、前述の実施形態に係る振動素子を備えた移動体について説明する。なお、以下の説明では、振動素子の一例としてジャイロ素子300を用いた例について説明する。図15は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には、ジャイロ素子300が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、ジャイロ素子300を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット1510が車体に搭載されている。また、ジャイロ素子300は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
以上、実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態および変形例では、振動素子あるいは振動素子としてのジャイロ素子の形成材料として水晶を用いた例を説明したが、水晶以外の圧電体材料を用いることができる。例えば、窒化アルミニウム(AlN)や、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウムや五酸化タンタル(Ta25)などの圧電体材料を積層させて構成された積層圧電基板、あるいは圧電セラミックスなどを用いることができる。
また、ジャイロ素子としては、例示したH型ジャイロ素子に限らず、例えばダブルT型ジャイロ素子、音叉型ジャイロ素子などの他の形態のジャイロ素子に適用することができる。また、圧電体材料以外の材料を用いて振動素子を形成することができる。例えば、シリコン半導体材料などを用いて振動素子を形成することもできる。また、振動素子の振動(駆動)方式は圧電駆動に限らない。圧電基板を用いた圧電駆動型のもの以外に、静電気力を用いた静電駆動型や、磁力を利用したローレンツ駆動型などの振動素子においても、本発明の構成およびその効果を発揮させることができる。
1…基部、2a,2b…第2振動腕としての振動腕、2e,2f,2k,2j…側面、3a,3b…第1振動腕としての検出腕、3d,3e,3f,3g…壁部、3h,3i,3j,3k…側面、11a,11b,11c,12a,12b,12c…駆動電極、21a…第1の電極としての第1検出電極、21b…第2の電極としての第2検出電極、22a…第3の電極としての第3検出電極、22b…第4の電極としての第4検出電極、23a,23b,24a,24b,33a,33b,34a,34b…端側面電極、25,35…第1の配線、27,37…第2の配線、31a…第5検出電極、31b…第6検出電極、32a…第7検出電極、32b…第8検出電極、52a,52b,53a,53b…錘部、58a,58b…貫通孔、58c,58d,58e,58f…端側面、59a,59b…貫通孔、300,400…振動デバイスとしての振動素子の一例のジャイロ素子、600…振動デバイスとしてのジャイロセンサー、1000…電子機器としてのデジタルビデオカメラ、1500…移動体としての自動車、2000…電子機器としての携帯電話機、3000…電子機器としての情報携帯端末(PDA)、W1…端側面の幅、W2…内側面間の幅。

Claims (9)

  1. 表面および裏面と、
    前記表面および前記裏面を貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔を挟んで両側に位置する壁部と、を有する第1振動腕を有し、
    前記壁部は、前記貫通孔の前記壁部側に位置する二つの内側面のそれぞれに配設され、互いに異なる電位が印加され、前記表面および前記裏面に沿って並延されている二つの電極を備え、
    それぞれの前記電極のうち、一方の前記内側面の前記表面側に位置する第1の電極と、他方の前記内側面の前記裏面側に位置する第2の電極とは、二つの前記内側面を繋ぐ一方の端側面に配置されている第1の配線によって前記一方の端側面内において短絡されていることを特徴とする振動デバイス。
  2. 前記電極は、前記他方の前記内側面の前記表面側に位置する第3の電極と、前記一方の前記内側面の前記裏面側に位置する第4の電極とを備え、
    前記第3の電極と前記第4の電極とは、二つの前記内側面を繋ぐ他方の端側面に配置されている第2の配線によって前記他方の端側面内において短絡されていることを特徴とする請求項1に記載の振動デバイス。
  3. 前記端側面の幅は、二つの前記内側面間の幅よりも狭い部分を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動デバイス。
  4. 基部と、前記基部から延出されている第2振動腕と、を有し、
    前記第1振動腕は、前記第2振動腕の延出方向と反対方向に前記基部から延出されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動デバイス。
  5. 少なくとも前記第1振動腕を収納するパッケージを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動デバイス。
  6. 表面および裏面と、
    前記表面および前記裏面を貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔を挟んで両側に位置する壁部と、を有する第1振動腕を有し、
    前記壁部は、前記貫通孔の前記壁部側に位置する二つの内側面のそれぞれに配設され、互いに異なる電位を有し、前記表面および前記裏面に沿って並延されている二つの電極を備え、
    それぞれの前記電極は、一方の前記内側面の前記表面側に位置する第1の電極と、他方の前記内側面の前記裏面側に位置する第2の電極とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極とは、二つの前記内側面を繋ぐ前記貫通孔の一方の端側面に配置されている第1の配線によって前記一方の端側面内において短絡されている振動デバイスの製造方法であって、
    前記貫通孔が形成された前記第1振動腕の露出面に金属膜を形成する工程と、
    前記端側面と前記内側面とにおいて、前記金属膜を分割して前記電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする振動デバイスの製造方法。
  7. 前記金属膜を分割して前記電極を形成する工程は、四回の露光工程を含んでいることを特徴とする請求項6に記載の振動デバイスの製造方法。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の振動デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の振動デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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