JP6672627B2 - 車輪用軸受装置の組立方法 - Google Patents
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Description
前記ハブ用シールを前記第3世代ユニットタイプの車輪用軸受装置の前記軸受内部空間の車両アウター側の開口部に装着する場合、前記シール部材と前記スリンガを同時に車両アウター側から押圧して、装着する事はできない。(特許文献2参照)
用シールにおいては、前記スリンガは、前記シール部材とは別に、予め前記ハブ軸に単独で装着される。しかし、前記スリンガを、前記ハブ軸上の軸方向に正確な位置に固定する事は難しい。このため、前記ハブ用シールでは、前記サイドリップと前記スリンガとの間の軸方向のしめしろに過不足が生じ、車輪用軸受装置の密封装置として十分な密封性能を得ることができないことがある。
このため、前記ハブ軸に前記スリンガを装着する工程において、前記サイドリップの車両アウター側の先端部と、前記スリンガの前記円盤部の車両インナー側の側面との間に、軸方向のしめしろの過不足が発生することを防止できる。
図3において図中上側がアウター側、下側がアウター側を示している。
図4、図7において図中上側がインナー側、下側がアウター側を示している。
この発明の第1の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の車輪用軸受装置の加工方法に係る車輪用軸受装置1の軸方向の断面図である。図2は図1の本発明の第1の実施形態の車輪用軸受装置の主要部の拡大断面図である。
図1、図2において車輪用軸受装置1は、外輪部材10と、ハブ軸20と、内輪30と、2列の複数の転動体としての玉40と、2個の保持器41と、を有する。
以下図2、図3、図4に基づき本発明の第1の実施施形態の車輪用軸受装置1の組立て方法の特徴である、シール部材51の外輪部材10への装着、スリンガ60のハブ軸20への装着、および、シール部材51が装着された外輪内輪組立品3とスリンガ60が装着されたハブ軸20の組立て方法の一例について説明する。ここで、外輪内輪組立品3は、外輪部材10と内輪30と、それぞれ保持器41に保持された2列の複数の玉との組立て品である。
図3に示すように、シール圧入治具100は鋼材からなる環体である。シール圧入治具100は、一方の端部側から、軸方向に、ガイド部101、中間部102および押圧部103の3部位からなる。前記3部位の外周の直径は、ガイド部101、中間部102、押圧部103の順に大きい。ガイド部101の外周にガイド面104が形成され、ガイド面104の直径は、内輪30の内周32より僅かに小さい。
中間部102の押圧部103側の端部と、押圧部103外周の間に、軸線に直角な平面であるシール押圧面106が形成されている。
従来の組立て方法で、図3に示す外輪内輪組立品3を組立てる(第1組付け工程)。外輪内輪組立品3は、外輪部材10と内輪30と、それぞれ保持器41に保持された2列の複数の玉との組立て品である。図3に示すように、外輪内輪組立品3を、内輪30のインナー側の端面35をベース110の上面に接して、シール組立て装置のベース110に据付ける。
次に、部品供給ロボット等の図示しないシール部材保持、移動手段を用いて、シール部材51をシール組立て装置に供給し、シール部材51の軸嵌合面のインナー側の端部が、外輪部材のシール圧入面17のアウター側の端部に接した状態に配置する。
図4に示すように、スリンガ圧入治具120は鋼材からなる。スリンガ圧入治具120は、有底のカップ状の環体である。スリンガ圧入治具120は、一方の端部側から、軸方向に、ガイド部121、中間部122および先端部123の3部位からなる。前記3部位の内周の直径は、ガイド部121、中間部122、先端部123の順に大きい。ガイド部121の内周にガイド面124が形成され、ガイド面124の直径は、ハブ軸20の内輪嵌合面23の直径より僅かに大きい。
スリンガ押圧面126とスリンガ位置決め面125との軸方向の間隔は前記第2間隔L2に等しい。
図4に示すように、ハブフランジ22のアウター側の側面25をベース130の上面に接して、ベース130に据付ける。
次に、部品供給ロボット等の図示しないスリンガ保持、移動手段を用いて、スリンガ60を供給し、スリンガ60の軸嵌合面63のアウター側の端部が、ハブ軸20のスリンガ圧入面24のインナー側の端部に接した状態に配置する。
以下、シール部材51が装着された外輪内輪組立品3とスリンガ60が装着されたハブ軸20の組立て方法を、図1、図2に基づき説明する。ここで、外輪内輪組立品3は、外輪部材10と内輪30と、それぞれ保持器41に保持された2列の複数の玉との組立て品である。
シール部材51が装着された外輪内輪組立品3の内方に、スリンガ60が装着されたハブ軸20を配置し、内輪30の内径面32にハブ軸20の内輪嵌合面23が接した状態で、ハブ軸20を軸方向インナー側に移動する。ハブ軸20の内輪突き当て面26が内輪30のアウター側端面34に達したら移動を停止する。内輪30のインナー側の端面35をハブ軸20のインナー側端部のかしめによって圧着し、ハブ軸20に固定する。
組立て完了後の密封装置50において、サイドリップ58のアウター側の先端部59と、スリンガ60の円盤部62のサイドリップ摺接面65との間のしめしろは、所定の適正なしめしろΔに略等しくなり、前記しめしろの過不足の発生を防止できる。
この発明の第2の実施形態の車輪用軸受装置図面を参照して説明する。
図5は本発明の第2の実施形態の車輪用軸受装置200の断面図である。
第2の実施形態の車輪用軸受装置200では、第1の実施形態の車輪用軸受装置1と共通の形状、構成、組立て方法、作用効果については説明を省略することにし、第1の実施形態の車輪用軸受装置と異なる構成、組立て方法、作用効果についてのみ説明を行う。また、第1の実施形態の車輪用軸受装置と共通の構成部品については、同一符号を付し、説明を省略する。
スリンガ対向面227と内輪突き当て面26との間の第3間隔L3は、所定の適正なしめしろΔとなるように設定されたハブ軸20の内輪突き当て面26とスリンガのサイドリップ摺接面65との間の第2間隔L2と、第4間隔L4との和である。
以下図5、図6、図7に基づき本発明の第2の実施施形態の車輪用軸受装置200の組立て方法の特徴である、スリンガ60のハブ軸20への装着方法の一例について説明する。
シール部材51の外輪部材10への装着方法、および、シール部材51が装着された外輪内輪組立品3とスリンガ60が装着されたハブ軸20の組立て方法については、第1の実施形態の車輪用軸受装置1の組立て方法と同じため説明を省略する。
位置決め治具140内周面143の直径は、ハブ軸20のスリンガ圧入面24の直径より大きい。
先端部153の開放側の端部に軸線に直角な平面であるスリンガ押圧面155が形成されている。先端部153の内周面156の直径は、スリンガ60のラジアル摺接面64の直径より僅かに大きい。
図7に示すように、ハブフランジ22、内輪軌道31、内輪嵌合面23、スリンガ圧入面24等、すべての単体としての加工が完了したハブ軸20は、ハブフランジ22のアウター側の側面25をベース130の上面に接して、をベース130に据付ける。
次に、部品供給ロボット等の図示しないスリンガ保持、移動手段を用いて、スリンガ60を供給し、スリンガ60の軸嵌合面63のアウター側の端部が、ハブ軸20のスリンガ圧入面24のインナー側の端部に接した状態に配置する。
ここで、位置決め治具120の軸方向の幅Bは、サイドリップ58のアウター側の端部59と、スリンガ60の円盤部62のサイドリップ摺接面65との間の適正なしめしろΔを得るために設定された、円盤部62のスリンガ外側面66と前記ハブフランジ22のスリンガ対向面227との第7間隔L7に等しい。
10 ‥ 外輪部材
11、12 ‥ 外輪軌道
2 ‥ 軸受内部空間
20 ‥ ハブ軸
21 ‥ 第1内輪軌道
22 ‥ ハブフランジ
227 ‥ スリンガ対向面
23 ‥ 内輪嵌合部
24 ‥ スリンガ圧入面(肩外周面)
26 ‥ 内輪突き当て面
30 ‥ 内輪
31 ‥ 第2内輪軌道
34 ‥ 端面
40 ‥ ボール(転動体)
50 ‥ 密封装置
51 ‥ シール部材
52 ‥ シール部
58 ‥ サイドリップ
60 ‥ スリンガ
61 ‥ 円筒部
62 ‥ 円盤部
65 ‥ サイドリップ摺接面(側面)
66 ‥ スリンガ外側面(側面)
70 ‥ 芯金
73 ‥ 被押圧面
L1 ‥ 第1間隔
L2 ‥ 第2間隔
L3 ‥ 第3間隔
L4 ‥ 第4間隔
L5 ‥ 第5間隔
L6 ‥ 第6間隔
100 ‥ シール圧入治具
120、150 ‥ スリンガ圧入治具
140 ‥ スリンガ位置決め治具
Δ ‥ しめしろ
L1 ‥ 間隔
Claims (2)
- 内周に一対の外輪軌道が形成された外輪部材と、
外周に第1内輪軌道が形成された内輪と、
外周に第2内輪軌道が形成され、軸方向一方側の端部に半径方向外方に拡径して延在するハブフランジを有するとともに、軸方向他方側の端部に前記内輪を外嵌する内輪嵌合面及び前記内輪の前記ハブフランジ側の端面を突き当てる内輪突き当て面を有するハブ軸と、
一方の前記外輪軌道と前記第1内輪軌道の間及び他方の前記外輪軌道と前記第2内輪軌道の間で転動する2列の複数の転動体と、
前記外輪部材と前記ハブ軸との間の軸受内部空間の前記ハブフランジ側の開口部を密封する密封装置と、を有し、
前記密封装置は、金属製のスリンガと、金属製の芯金と合成ゴム製のシール部を有するシール部材とを有し、前記スリンガは、前記ハブ軸の前記第2内輪軌道と前記ハブフランジの間の肩外周面に外嵌された円筒部と前記円筒部の前記ハブフランジ側の端部から径方向外方に拡径する円盤部とを有し、前記シール部は、前記円盤部に対向し前記円盤部の方向に拡径するサイドリップを有し、
前記サイドリップの前記円盤部側の先端部が、前記円盤部の前記シール部側の側面に摺接する車輪用軸受装置の組立方法であって、
前記一方の前記外輪軌道と前記第1内輪軌道の間に前記転動体を組み込んで、前記内輪と前記外輪部材とを組み合わせた外輪内輪組立品を形成する第1組付け工程と、
前記外輪内輪組立品において、前記内輪の前記端面を基準として前記外輪部材の軸方向の所定の位置に前記シール部材を圧入するシール部材圧入工程と、
前記ハブ軸において、前記内輪突き当て面を基準として軸方向の所定の位置に前記スリンガを圧入するスリンガ圧入工程と、
前記内輪の前記端面と前記ハブ軸の前記内輪突き当て面を当接させて、前記円盤部と前記サイドリップの前記円盤部側の先端部とが軸方向で所定の適正なしめしろで組立てられる第2組付け工程と、を有する車輪用軸受装置の組立方法。 - 内周に一対の外輪軌道が形成された外輪部材と、外周に第1内輪軌道が形成された内輪と、
外周に第2内輪軌道が形成され、軸方向一方側の端部に半径方向外方に拡径して延在するハブフランジを有し、軸方向他方側の端部に前記内輪を外嵌する内輪嵌合面を有するハブ軸と、
一方の前記外輪軌道と前記第1内輪軌道の間および他方の前記外輪軌道と第2内輪軌道の間で転動する2列の複数の転動体と、
前記外輪部材と前記ハブ軸との間の軸受内部空間の前記ハブフランジ側の開口部を密封する密封装置と、を有し、
前記密封装置は、金属製のスリンガと、金属製の芯金と合成ゴム製のシール部を有するシール部材と、を有し、
前記スリンガは、前記ハブ軸の前記第2内輪軌道と前記ハブフランジの間の肩外周面に外嵌された円筒部と、前記円筒部の前記ハブフランジ側の端部から径方向外方に拡径する円盤部とを有し、
前記シール部は、前記円盤部に対向し、前記円盤部の方向に拡径するサイドリップを有し、
前記サイドリップの前記円盤部側の先端部は、前記円盤部の前記シール部側の側面に、所定の適正なしめしろをもって摺接する車輪用軸受装置であって、
前記ハブ軸は、前記内輪の前記ハブフランジ側の端面を突き当てる内輪突き当て面を有し、
前記内輪の前記ハブフランジ側の端面と前記サイドリップの前記円盤部側の先端部との間の第1間隔と、前記内輪突き当て面と前記円盤部の前記シール部側の側面との間の第2間隔との差が、
前記所定の適正なしめしろに等しく設定されている車輪用軸受装置の組立方法であって、
前記シール部材を押圧するシール押圧面と、前記内輪の前記端面に当接するシール位置決め面と、を有し、前記シール押圧面と前記シール位置決め面との間の第5間隔が、前記第1間隔と、前記適正なしめしろを得るために設定された、前記シール部材の被押圧面と前記サイドリップの前記円盤部側の先端部との間の第6間隔と、の和に等しいシール圧入治具を用いて前記シール部材を前記外輪部材に装着し、
前記スリンガの前記円盤部の前記シール部側の側面を押圧するスリンガ押圧面と、前記ハブ軸の前記内輪突き当て面に当接するスリンガ位置決め面と、を有し、前記スリンガ押圧面と前記スリンガ位置決め面との間隔が、前記第2間隔に等しいスリンガ圧入治具を用いて前記スリンガを前記ハブ軸に装着し、
前記内輪の前記端面と前記ハブ軸の前記内輪突き当て面を当接させて、前記サイドリップの前記円盤部側の先端部と前記円盤部とが前記適正なしめしろをもって組付けられることを特徴とする車輪用軸受装置の組立方法。
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