JP6672618B2 - ラインパイプ用継目無鋼管及びその製造方法 - Google Patents

ラインパイプ用継目無鋼管及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラインパイプ用に好適な継目無鋼管及びその製造方法に関する。
近年、深海や寒冷地に代表される、従来よりも過酷な環境での油井及びガス井の開発が進んでいる。このような過酷な環境に敷設されるラインパイプは、従来よりも高い強度及び靭性を要求される。
特開2004−124158号公報には、靱性に優れる継目無鋼管及びその製造方法が開示されている。同文献には、酸化物系介在物の最大径とその個数を制限することによって、靱性に優れた継目無鋼管が得られると記載されている。同文献では具体的には、直径が300μm超えの酸化物系介在物の個数を1cmあたり1個以下、5〜300μmの酸化物系介在物の個数を1cmあたり200個以下と規定している。
特開2004−143593号公報には、降伏応力が483MPa以上で、優れた耐水素誘起割れ性を有する高強度継目無鋼管及びその製造方法が開示されている。
特開平9−31525号公報には、耐水素誘起割れ性に優れた高張力鋼の製造方法が開示されている。同文献には、水素誘起割れの発生原因となるCaO介在物及びCaO−Al系複合介在物を低融点化して、クラスター化しない球状化介在物とすることが記載されている。
特開2004−124158号公報 特開2004−143593号公報 特開平9−31525号公報
特開2004−124158号公報には、同文献の継目無鋼管の破面遷移温度vTrsが−40℃以下であることが示されている。しかしながら、破面遷移温度vTrsが−40℃以下であっても、−30℃や−40℃における靱性が十分ではない場合がある。
本発明の目的は、靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管及びその製造方法を得ることである。
本発明の一実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管は、化学組成が、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.30〜2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Al:0.001〜0.100%、N:0.008%以下、O:0.004%以下、Ca:0.0005〜0.0040%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.02〜0.5%、V:0.02〜0.20%、Ti:0%以上0.007%未満、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜1.5%、残部:Fe及び不純物であり、前記化学組成は、下記式(1)を満たす。
Ca×O<0.325×10−5 (1)
前記式(1)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
本発明の一実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の製造方法は、化学組成が、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.30〜2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Al:0.001〜0.100%、N:0.008%以下、O:0.004%以下、Ca:0.0005〜0.0040%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.02〜0.5%、V:0.02〜0.20%、Ti:0%以上0.007%未満、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜1.5%、残部:Fe及び不純物であるビレットを準備する工程と、前記ビレットを熱間加工して鋼管を製造する工程と、前記鋼管を熱間加工後、(Ar点+50℃)以上1100℃以下の温度から5℃/秒以上の冷却速度で冷却して焼入れする工程と、前記焼入れした鋼管を550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする工程とを備え、前記化学組成は、下記式(1)を満たす。
Ca×O<0.325×10−5 (1)
前記式(1)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
本発明の他の実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の製造方法は、化学組成が、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.30〜2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Al:0.001〜0.100%、N:0.008%以下、O:0.004%以下、Ca:0.0005〜0.0040%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.02〜0.5%、V:0.02〜0.20%、Ti:0%以上0.007%未満、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜1.5%、残部:Fe及び不純物であるビレットを準備する工程と、前記ビレットを熱間加工して鋼管を製造する工程と、前記鋼管をAr点以下の温度まで冷却する工程と、前記冷却した鋼管をAc点以上の温度に加熱する工程と、前記加熱した鋼管を(Ar点+50℃)以上1100℃以下の温度から5℃/秒以上の冷却速度で冷却して焼入れする工程と、前記焼入れした鋼管を550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする工程とを備え、前記化学組成は、下記式(1)を満たす。
Ca×O<0.325×10−5 (1)
前記式(1)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
本発明によれば、靱性に優れたラインパイプ用継目無鋼管が得られる。
図1は、クラスター状の介在物を説明するための図である。
本発明者らは、ラインパイプ用継目無鋼管の靱性を高める方法を検討した。本発明者らは、粗大な介在物のみならず、微細な介在物の数密度を低減することに着目した。
上述した特開2004−124158号公報には、Caを溶鋼中へ適量添加すると、Al系介在物と反応し、低融点のCa−Al−O系介在物が生成すると記載されている。同文献にはさらに、これらが凝集することにより大型介在物となり、溶鋼中から浮上分離などによる低減に効果があると記載されている。そのため、同文献には、Ca/Oの値を0.5〜2.0にすることが好ましいと記載されている。
しかしながら、同文献の継目無鋼管には、300μmを超える直径を有する粗大な酸化物系介在物は少ないものの、300μm以下の直径を有する酸化物系介在物が比較的多く存在する。同文献の表4によれば、酸化物系介在物の最大径は60〜180μmであり、直径が5〜300μmの酸化物系介在物の数密度は60〜179個/cmである。
本発明者らは、300μm以下の直径を有する酸化物系介在物を低減するためには、Ca×Oの値を0.325×10−5未満とすることが効果的であることを見いだした。
好ましくは、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度を2個/cm以下にし、5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度を50個/cm以下にする。これによって、−30℃や−40℃等の低温においても、優れた靱性が得られる。
さらに、本発明者らの調査によれば、低温での靱性を確保するためには、Tiを制限することが重要であることが分かった。
Tiは、TiCを生成し、鋼の靱性を低下させる。低温でも優れた靱性を得るためには、酸化物系介在物の個数を低減することに加え、Ti含有量を厳しく制限する必要がある。具体的には、Ti含有量を0.007%未満にする。
さらに、Ca×O<0.325×10−5の条件下では、Ca/Oの値を0.5未満として酸化物系介在物を高融点化させることで、高温溶鋼中で凝集粗大化しやすくなって、浮上分離が容易になるため、更なる介在物低減に有効と考えられる。そのため、より好ましくは、Ca×Oの値を0.325×10−5未満とすることに加えて、Ca/Oの値を0.5未満とする。
以上の知見に基づいて、本発明は完成された。以下、図面を参照して、本発明の一実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管を詳述する。
[化学組成]
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管は、以下に説明する化学組成を有する。以下の説明において、元素の含有量の「%」は、質量%を意味する。
C:0.02〜0.15%
炭素(C)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を向上させる。C含有量が0.02%未満であれば、焼入れ性が不足し、高強度を確保することが困難になる。一方、C含有量が0.15%を超えると、鋼の靱性が低下する。したがって、C含有量は0.02〜0.15%である。C含有量は、下限の観点では、好ましくは0.02%よりも高く、さらに好ましくは0.04%以上である。C含有量は、上限の観点では、好ましくは0.15%未満であり、さらに好ましくは0.12%以下であり、さらに好ましくは0.08%以下である。
Si:0.05〜1.0%
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Si含有量が0.05%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。一方、Si含有量が1.0%を超えると、鋼の靱性が低下する。したがって、Si含有量は0.05〜1.0%である。Si含有量は、下限の観点では、好ましくは0.05%よりも高く、さらに好ましくは0.08%以上であり、さらに好ましくは0.10%以上である。Si含有量は、上限の観点では、好ましくは1.0%未満であり、さらに好ましくは0.50%以下であり、さらに好ましくは0.25%以下である。
Mn:0.30〜2.5%
マンガン(Mn)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Mnはさらに、鋼の熱間加工性を向上させる。Mn含有量が0.30%未満であれば、上記効果が十分に得られない。一方、Mn含有量が2.5%を超えると、Mnが鋼中で偏析し、靱性が低下する。したがって、Mn含有量は0.30〜2.5%である。Mn含有量は、下限の観点では、好ましくは0.30%よりも高く、さらに好ましくは1.0%以上であり、さらに好ましくは1.3%以上である。Mn含有量は、上限の観点では、好ましくは2.5%未満であり、さらに好ましくは2.0%以下であり、さらに好ましくは1.8%以下である。
P:0.030%以下
燐(P)は不純物である。Pは鋼の靱性を低下させる。したがって、P含有量はなるべく低い方が好ましい。そのため、P含有量は0.030%以下に制限する。P含有量は、好ましくは0.030%未満であり、さらに好ましくは0.015%以下であり、さらに好ましくは0.012%以下である。
S:0.006%以下
硫黄(S)は不純物である。Sは、Mnと結合して粗大なMnSを形成し、鋼の靱性を低下させる。したがって、S含有量はなるべく低い方が好ましい。そのため、S含有量は0.006%以下に制限する。S含有量は、好ましくは0.006%未満であり、さらに好ましくは0.003%以下であり、さらに好ましくは0.002%以下である。
Al:0.001〜0.100%
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Al含有量が0.001%未満では脱酸不足となり、ビレットに表面疵等が発生する場合がある。一方、Al含有量が0.100%を超えると、ビレットに割れが発生する場合がある。したがって、Al含有量は0.001〜0.100%である。Al含有量は、下限の観点では、好ましくは0.001%よりも高く、さらに好ましくは0.020%以上である。Al含有量は、上限の観点では、好ましくは0.100%未満であり、さらに好ましくは0.080%以下であり、さらに好ましくは0.060%以下である。本明細書におけるAl含有量は、酸可溶Al(いわゆるSol.Al)の含有量を意味する。
N:0.008%以下
窒素(N)は不純物である。N含有量が0.008%よりも高くなると、ビレットに割れが発生する場合がある。そのため、N含有量は0.008%以下に制限する。N含有量は、好ましくは0.008%未満であり、さらに好ましくは0.006%以下であり、さらに好ましくは0.005%以下である。
O:0.004%以下
酸素(O)は不純物である。Oは粗大な酸化物、又は酸化物のクラスターを形成して鋼の靱性を低下させる。したがって、O含有量はなるべく低い方が好ましい。したがって、O含有量は0.004%以下に制限する。O含有量は、好ましくは0.003%以下であり、さらに好ましくは0.002%以下である。なお、O含有量は、鋼中の溶存酸素と酸化物系介在物中の酸素の合計含有量を示す。ただし、脱酸が充分に行われた鋼では、O含有量は酸化物系介在物中の酸素含有量とほぼ等しくなる。
Ca:0.0005〜0.0040%
カルシウム(Ca)は、MnSを球状化して靱性を向上させる。Ca含有量が0.0005%未満では、上記効果が十分に得られない。一方、Ca含有量が0.0040%よりも高ければ、鋼の清浄度が低下し、鋼の靱性が低下する。したがって、Ca含有量は0.0005〜0.0040%である。Ca含有量は、下限の観点では、好ましくは0.0005%よりも高く、さらに好ましくは0.0008%以上である。Ca含有量は、上限の観点では、好ましくは0.0040%未満であり、さらに好ましくは0.0020%以下であり、さらに好ましくは0.0013%以下である。
Cr:0.05〜1.0%
クロム(Cr)は鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を向上させる。Crはさらに、鋼の焼戻し軟化抵抗を高める。Cr含有量が0.05%未満では、上記効果が十分に得られない。一方、Cr含有量が1.0%を超えると、鋼の靱性が低下する。したがって、Cr含有量は0.05〜1.0%である。Cr含有量は、下限の観点では、好ましくは0.05%よりも高く、さらに好ましくは0.20%以上である。Cr含有量は、上限の観点では、好ましくは1.0%未満であり、さらに好ましくは0.8%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。
Mo:0.02〜0.5%
モリブデン(Mo)は、変態強化と固溶強化とにより鋼の強度を向上させる。Mo含有量が0.02%未満では、上記効果が十分に得られない。一方、Mo含有量が0.5%を超えると、鋼の靱性が低下する。したがって、Mo含有量は0.02〜0.5%である。Mo含有量は、下限の観点では、好ましくは0.02%よりも高く、さらに好ましくは0.05%以上である。Mo含有量は、上限の観点では、好ましくは0.5%未満であり、さらに好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。
V:0.02〜0.20%
バナジウム(V)は、鋼中のCと結合してV炭化物を形成し、鋼の強度を高める。Vはさらに、Mo炭化物中に固溶して炭化物を形成する。Vを含むことにより、炭化物は粗大化しにくくなる。V含有量が0.02%未満では、上記効果が有効に得られない。一方、V含有量が0.20%よりも高ければ、炭化物が粗大化する。したがって、V含有量は0.02〜0.20%である。V含有量は、下限の観点では、好ましくは0.02%よりも高く、さらに好ましくは0.04%以上である。V含有量は、上限の観点では、好ましくは0.20%未満であり、さらに好ましくは0.10%以下である。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成の残部は、Fe及び不純物である。ここでいう不純物とは、鋼の原料として利用される鉱石やスクラップから混入される元素、あるいは製造過程の環境等から混入される元素をいう。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成は、Feの一部に代えて、Ti、Nb、Cu、及びNiを含有しても良い。Ti、Nb、Cu、及びNiは、すべて選択元素である。すなわち、本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成は、Ti、Nb、Cu、及びNiの一部又は全部を含有していなくても良い。
Ti:0%以上0.007%未満
チタン(Ti)は、ビレットの割れを抑制する。一方、Ti含有量が0.007%以上になると、TiCを生成して鋼の靱性を低下させる。したがって、Ti含有量は0%以上0.007%未満である。Ti含有量は、下限の観点では、好ましくは0.001%以上であり、さらに好ましくは0.002%以上である。Ti含有量は、上限の観点では、好ましくは0.006%以下であり、さらに好ましくは0.005%以下である。
Nb、Cu、及びNiは、いずれも鋼の強度を向上させる元素である。そのため、本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成は、Nb、Cu、及びNiからなる群から選択された1又は2以上の元素を含有しても良い。
Nb:0〜0.05%
ニオブ(Nb)は、鋼中のCと結合して微細なNb炭化物を形成し、鋼の靱性を高める。一方、Nb含有量が0.05%よりも高ければ、炭化物が粗大化する。したがって、Nb含有量は0〜0.05%である。Nb含有量が0.005%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。Nb含有量は、下限の観点では、好ましくは0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.010%以上であり、さらに好ましくは0.015%以上であり、さらに好ましくは0.02%以上である。Nb含有量は、上限の観点では、好ましくは0.04%以下であり、さらに好ましくは0.035%以下である。
Ni:0〜1.5%
ニッケル(Ni)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。一方、Ni含有量が1.5%よりも高ければ、耐SSC性が低下する。したがって、Ni含有量は0〜1.5%である。Ni含有量が0.03%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。Ni含有量は、下限の観点では、好ましくは0.03%よりも高く、さらに好ましくは0.04%以上であり、さらに好ましくは0.08%以上であり、さらに好ましくは0.10%以上である。Ni含有量は、上限の観点では、好ましくは1.5%未満であり、さらに好ましくは0.7%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。
Cu:0〜1.5%
銅(Cu)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。一方、Cu含有量が1.5%よりも高ければ、鋼の溶接性が低下する。Cu含有量が高すぎればさらに、高温における鋼の粒界強度が低下し、鋼の熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0〜1.5%である。Cu含有量が0.02%以上であれば、上記効果が顕著に得られる。Cu含有量は、下限の観点では、好ましくは0.04%よりも高く、さらに好ましくは0.08%以上であり、さらに好ましくは0.10%以上である。Cu含有量は、上限の観点では、好ましくは1.5%未満であり、さらに好ましくは0.7%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成は、下記の式(1)を満たす。
Ca×O<0.325×10−5 (1)
式(1)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
ラインパイプ用継目無鋼管の化学組成が式(1)を満たすことで、300μmを超える直径を有する粗大な酸化物系介在物だけではなく、300μm以下の直径を有する酸化物系介在物の数密度を低減することができる。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の化学組成は、より好ましくは、さらに下記の式(2)を満たす。
Ca/O<0.5 (2)
式(2)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
Ca×O<0.325×10−5の条件下では、Ca/Oの値を0.5未満として酸化物系介在物を高融点化させることで、高温溶鋼中で凝集粗大化しやすくなって浮上分離が容易になるため、更なる介在物低減には有効と考えられる。式(2)を満たすことで、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度をさらに低減することができる。これによって、優れた低温靱性がより安定して得られる。
[酸化物系介在物]
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管は、好ましくは、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cm以下であり、5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cm以下である。
酸化物系介在物とは、CaO、Al、SiO、及びこれらの複合酸化物である。酸化物系介在物の形態としては、Alのように圧延方向に集団をなして不連続に粒状の介在物が並んだ、いわゆるクラスター状介在物と、CaO−Al系のように粘性変形することなく不規則に分散した、いわゆる粒状介在物とに分けられる。
酸化物系介在物の直径と個数は、光学顕微鏡によって定量する。介在物定量用試験片は、研磨面が圧延方向と平行で、鋼管の肉厚中心部を含むように採取する。光学顕微鏡の倍率は例えば200〜1000倍であり、視野の面積は例えば100mmである。
酸化物系介在物の数は、50μmを超える直径を有するものと、5〜50μmの直径を有するものとに分けて計数する。ここで、計数する酸化物系介在物の直径の下限を5μmとしているのは、5μm未満の介在物を計数することが困難なためである。計測した数を視野の面積で割って、数密度を求める。この測定を2視野で行い、2視野で求めた数密度のうちの大きい方を各継目無鋼管の酸化物系介在物の数密度(個/cm)とする。より具体的には、2つの視野で測定した50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度のうちの大きい方を、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度とする。同様に、2つの視野で計測した5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度のうちの大きい方を、5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度とする。
なお、クラスター状介在物の場合、図1に示すように、長さlとlの2つの個別の介在物が直線上であろうとなかろうと、もし、その間隔dが40μm以下かつ介在物の中心間距離sが10μm以下のときは、1つの介在物とみなす。
[製造方法]
以下、本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の製造方法の一例を説明する。ただし、本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管の製造方法は、これに限定されない。
上述の化学組成の鋼を溶製し、精錬する。続いて、連続鋳造法によって溶鋼からビレットを製造する。溶鋼からスラブ又はブルームを製造し、スラブ又はブルームを熱間加工してビレットを製造しても良い。
鋼中の介在物を低減するための方法として、溶製中に炉壁の耐火物からの酸化物混入を防止すること、溶製直後の1500〜1000℃の冷却速度を速くすること、溶鋼をヒーターで加熱又は撹拌して粗大な介在物を浮上させること等が知られており、必要に応じてこれらを採用することが好ましい。
続いて、ビレットを熱間製管して継目無鋼管を製造する。具体的には、ビレットを加熱炉で加熱し、加熱炉から抽出されたビレットに対して熱間加工を実施して継目無鋼管を製造する。具体的には、マンネスマン法に基づく穿孔圧延を実施して素管を製造する。製造された素管に対して、マンドレルミル、レデューサ、サイジングミル等により延伸圧延及び定径圧延を実施して継目無鋼管を製造する。
穿孔圧延を実施することで、中心偏析した介在物が除去される。そのため、継目無鋼管では、電縫管と比較して、介在物をより低減することができる。
製管された継目無鋼管に対して、焼入れ及び焼戻しを実施する。焼入れ及び焼戻しは、以下に説明するインラインQT及びオフラインQTのいずれを採用しても良い。
[インラインQT]
インラインQTとは、継目無鋼管を熱間製管後、直ちに焼入れ及び焼戻しを行う処理、又は継目無鋼管を熱間製管後、補熱炉で補熱してから焼入れ及び焼戻しを行う処理である。インラインQTは、後述するオフラインQTと比較して、熱間製管の熱を利用して焼入れを行うことができるため、エネルギー効率の面で有利である。
熱間製管された継目無鋼管を、(Ar点+50℃)〜1100℃の温度から、5℃/秒以上の冷却速度で冷却する。この際、補熱炉を使用して、冷却前に焼入れ開始温度まで加熱しても良い。焼入れ開始温度が(Ar点+50℃)未満であると、強度にバラツキが生じる。一方、焼入れ開始温度を高めると、靱性が悪化するので、1100℃以下にする必要がある。冷却速度が5℃/秒未満であると、マルテンサイト又はベイナイトを含む組織が確保できなくなる。冷却された継目無鋼管を、550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする。これによって、焼戻しマルテンサイト又は焼戻しベイナイトを含む組織が得られる。
[オフラインQT]
オフラインQTとは、継目無鋼管を熱間製管後に一旦冷却し、冷却後にAc点以上に再加熱してから焼入れ及び焼戻しを行う処理である。オフラインQTは、前述したインラインQTと比較して、鋼の結晶粒をより微細にできる点で有利である。
熱間製管後の継目無鋼管を常温まで冷却する。冷却した継目無鋼管をAc点以上の温度に加熱する。加熱した継目無鋼管を、(Ar点+50℃)〜1100℃の温度から、5℃/秒以上の冷却速度で冷却する。焼入れ開始温度が(Ar点+50℃)未満であると、強度にバラツキが生じる。一方、焼入れ開始温度を高めると、靱性が悪化するので、1100℃以下にする必要がある。冷却速度が5℃/秒未満であると、マルテンサイト又はベイナイトを含む組織が確保できなくなる。冷却された継目無鋼管を、550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする。これによって、焼戻しマルテンサイト又は焼戻しベイナイトを含む組織が得られる。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管は、優れた靱性を有する。
本実施形態によるラインパイプ用継目無鋼管は、これに限定されないが、肉厚が20〜55mmの継目無鋼管として好適に用いることができる。継目無鋼管の肉厚は、合金合理化の観点から、20〜40mmであることがより好ましい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
種々の化学組成を有するラインパイプ用継目無鋼管を製造し、介在物の数密度と機械特性との関係を調査した。
[調査方法]
表1に示す化学組成を有する複数の溶鋼を製造した。溶鋼から連続鋳造法によってビレットを製造した。なお、表1中の「‐」は、当該元素の含有量が不純物レベルであることを示す。
Figure 0006672618
製造された各ビレットを加熱炉で加熱し、加熱したビレットを穿孔機によって穿孔圧延して素管にした。続いて、マンドレルミルによって各素管を延伸圧延した。続いて、サイザによって各素管を定径圧延し、表2に示す外径及び肉厚を有する継目無鋼管を製造した。製造した継目無鋼管を、表2に示す条件で焼入れ及び焼戻しした。
Figure 0006672618
表2の「Q炉」の「温度(℃)」の欄には、焼入れ開始温度が記載されている。「T炉」の「温度(℃)」の欄には焼戻しの保持温度が、「T炉」の「保持(分)」の欄には焼戻しの保持時間が、それぞれ記載されている。なお、インラインQTでは補熱炉を使用し、製管後の継目無鋼管を表記の温度に加熱してから冷却した。焼入れはいずれも、水冷装置によって、5℃/秒以上の冷却速度で常温まで冷却した。
[引張試験]
各継目無鋼管からJIS Z 2241(2011)に規定された12号試験片(幅25mm、標点距離50mm)を、鋼管の長手方向(L方向)に採取した。採取された試験片を用いて、JIS Z 2241に準拠した引張試験を、常温(25℃)の大気中で実施し、降伏応力及び引張強度を求めた。降伏応力は、0.5%全伸び法によって求めた。
[シャルピー衝撃試験]
各継目無鋼管からJIS Z 2242に規定されたVノッチ試験片(幅10mm、高さ10mm、長さ55m、ノッチ深さ2mm)を採取した。採取された試験片を用いて、JIS Z 2242に準拠し、−40℃における延性破面率、−30℃における延性破面率、及び破面遷移温度vTrsを求めた。延性破面率は各温度で3つの試験片で測定し、すべての試験片で延性破面率が75%以上になることを目標とした。
各継目無鋼管から、研磨面が圧延方向と平行で、鋼管の肉厚中心部を含むように介在物定量用試験片を採取した。採取した試験片を倍率200倍で観察した。クラスター状になっているものは、200〜1000倍で測定して、クラスターかどうかを判定した。計数した数を視野の面積で割って数密度を求め、2視野で求めた数密度のうちの大きい方を各継目無鋼管の各介在物の数密度とした。
[調査結果]
結果を表3に示す。なお、表3において、「YS」は降伏応力を示し、「TS」は引張強度を示す。延性破面率及びvTrsの欄における「−」は、当該データを測定していないことを示す。
Figure 0006672618
表3から、−30℃及び−40℃における延性破面率は、破面遷移温度からは単純に類推できないことが分かる。例えば、鋼Eの破面遷移温度は鋼Gの破面遷移温度よりも低い。しかし、鋼Eでは、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在する。一方、鋼Gでは、−40℃のシャルピー衝撃試験においても、すべての試験片で延性破面率が75%以上である。
鋼B、D、G、H、J、K、及びM〜Qから製造された継目無鋼管は、化学組成が適正であり、かつ式(1)を満たしていた。これらの継目無鋼管は、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cm以下であり、5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cm以下であった。これらの継目無鋼管は、−30℃及び−40℃のシャルピー衝撃試験において、すべての試験片で延性破面率が75%以上であった。
上記の継目無鋼管のうち、鋼B、D、G、H、J、及びKから製造された継目無鋼管は、化学組成がさらに式(2)を満たしていた。これらの継目無鋼管は、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が1個/cm以下であった。これらの継目無鋼管は、安定して優れた低温靱性を示した。具体的には、−40℃のシャルピー衝撃試験において、3つの試験片で延性破面率が100%であった。
鋼Aから製造された継目無鋼管は、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cmを超えたため、又は5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cmを超えたためと考えられる。そしてこれは、鋼Aの化学組成が式(1)を満たしていなかったためと考えられる。
鋼Cから製造された継目無鋼管は、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cmを超えたためと考えられる。そしてこれは、鋼Cの化学組成が式(1)を満たしていなかったためと考えられる。
鋼Eから製造された継目無鋼管は、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、鋼EのTi含有量が多すぎたためと考えられる。
鋼Fから製造された継目無鋼管は、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cmを超えたため、又は5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cmを超えたためと考えられる。そしてこれは、鋼Fの化学組成が式(1)を満たしていなかったためと考えられる。
鋼Iから製造された継目無鋼管は、−40℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cmを超えたため、又は5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cmを超えたためと考えられる。そしてこれは、鋼Iの化学組成が式(1)を満たしていなかったためと考えられる。
鋼Lから製造された継目無鋼管は、−30℃のシャルピー衝撃試験において、延性破面率が75%未満の試験片が存在した。これは、鋼LのTi含有量が多すぎたためと考えられる。

Claims (7)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C :0.02〜0.15%、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.30〜2.5%、
    P :0.030%以下、
    S :0.006%以下、
    Al:0.001〜0.100%、
    N :0.008%以下、
    O :0.004%以下、
    Ca:0.0005〜0.0040%、
    Cr:0.05〜1.0%、
    Mo:0.02〜0.5%、
    V :0.02〜0.20%、
    Ti:0%以上0.007%未満、
    Nb:0〜0.05%、
    Cu:0〜1.5%、
    Ni:0〜1.5%、
    残部:Fe及び不純物であり、
    前記化学組成は、下記式(1)及び(2)を満たし、
    焼戻しマルテンサイト又は焼戻しベイナイトを含む組織を備え、
    50μmを超える直径を有する酸化物系介在物の数密度が2個/cm以下であり、
    5〜50μmの直径を有する酸化物系介在物の数密度が50個/cm以下である、ラインパイプ用継目無鋼管。
    Ca×O≦0.324×10−5 (1)
    Ca/O<0.5 (2)
    前記式(1)及び(2)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
    前記酸化物系介在物の数密度の算出において、当該酸化物系介在物がクラスター状介在物の場合、2つの個別の介在物の間隔が40μm以下かつ介在物の中心間距離が10μm以下のときは、1つの介在物とみなす。
  2. 請求項1に記載のラインパイプ用継目無鋼管であって、
    前記化学組成が、質量%で、
    Ti:0.001%以上0.007%未満、
    を含有する、ラインパイプ用継目無鋼管。
  3. 請求項1又は2に記載のラインパイプ用継目無鋼管であって、
    前記化学組成が、質量%で、
    Nb:0.005〜0.05%、
    Cu:0.02〜1.5%、及び
    Ni:0.03〜1.5%、
    からなる群から選択された1又は2以上の元素を含有する、ラインパイプ用継目無鋼管。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のラインパイプ用継目無鋼管であって、
    降伏強度が486〜558MPaであり、
    引張強度が573〜630MPaである、ラインパイプ用継目無鋼管。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のラインパイプ用継目無鋼管であって、
    −30℃及び−40℃におけるシャルピー衝撃試験の延性破面率がいずれも75%以上である、ラインパイプ用継目無鋼管。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のラインパイプ用継目無鋼管の製造方法であって、
    化学組成が、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.30〜2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Al:0.001〜0.100%、N:0.008%以下、O:0.004%以下、Ca:0.0005〜0.0040%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.02〜0.5%、V:0.02〜0.20%、Ti:0%以上0.007%未満、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜1.5%、残部:Fe及び不純物であるビレットを準備する工程と、
    前記ビレットを熱間加工して鋼管を製造する工程と、
    前記鋼管を熱間加工後、(Ar点+50℃)以上1100℃以下の温度から5℃/秒以上の冷却速度で冷却して焼入れする工程と、
    前記焼入れした鋼管を550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする工程とを備え、
    前記化学組成は、下記式(1)及び(2)を満たす、ラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
    Ca×O≦0.324×10−5 (1)
    Ca/O<0.5 (2)
    前記式(1)及び(2)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のラインパイプ用継目無鋼管の製造方法であって、
    化学組成が、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.30〜2.5%、P:0.030%以下、S:0.006%以下、Al:0.001〜0.100%、N:0.008%以下、O:0.004%以下、Ca:0.0005〜0.0040%、Cr:0.05〜1.0%、Mo:0.02〜0.5%、V:0.02〜0.20%、Ti:0%以上0.007%未満、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜1.5%、Ni:0〜1.5%、残部:Fe及び不純物であるビレットを準備する工程と、
    前記ビレットを熱間加工して鋼管を製造する工程と、
    前記鋼管を常温まで冷却する工程と、
    前記冷却した鋼管をAc点以上の温度に加熱する工程と、
    前記加熱した鋼管を(Ar点+50℃)以上1100℃以下の温度から5℃/秒以上の冷却速度で冷却して焼入れする工程と、
    前記焼入れした鋼管を550℃以上Ac点以下の温度で焼戻しする工程とを備え、
    前記化学組成は、下記式(1)及び(2)を満たす、ラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
    Ca×O≦0.324×10−5 (1)
    Ca/O<0.5 (2)
    前記式(1)及び(2)中の元素記号には、質量%で、対応する元素の含有量が代入される。
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