<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータ(図示略)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサ(図示略)が各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの16番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「青7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、計4本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第1ラインL1と、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第2ラインL2と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ第3ラインL3と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ第4ラインL4と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、チェリー入賞,第1スイカ入賞,第2スイカ入賞,ベル入賞,第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞がある。中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、左リール32Lと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、中リール32Mの「チェリー」図柄と、左リール32L及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合には、チェリー入賞が成立するとも言える。ここで、中リール32Mの中段は4本の有効ラインが重なる位置であるため、中リール32Mの中段に「チェリー」図柄が停止した場合には、4本全ての有効ライン上にてチェリー入賞が成立することとなり、結果として4(=1×4)枚のメダル払出が行われる。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1スイカ入賞として5枚のメダル払出が行われる。中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2スイカ入賞として1枚のメダル払出が行われる。すなわち、第2スイカ入賞の場合には、左リール32Lについて有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止した場合には、ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。また、各リール32L,32M,32Rのうち2つのリールの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、残り1つのリールの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。例えば、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1特殊ベル入賞として9枚のメダル払出が行われる。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞と第2BB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、左リール32L及び中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第2再遊技入賞となる。左リール32L及び右リール32Rの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第3再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第4再遊技入賞となる。左リール32Lの「チェリー」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第5再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合、又は、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第6再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「青年」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第7再遊技入賞となる。左リール32L及び中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第8再遊技入賞となる。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第9再遊技入賞となる。左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第10再遊技入賞となる。左リール32Lの「赤ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第11再遊技入賞となる。左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第12再遊技入賞となる。
また、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行し、第4再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第4RT状態に移行し、第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。加えて、入賞とは異なるものの、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「赤ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「赤ベル」図柄が停止した場合と、「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「白ベル」図柄が停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、これら遊技状態が第1RT状態に移行する図柄の組合せを移行出目と言う。
第6再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態は移行しない。但し、第7再遊技入賞〜第9再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、特定役入賞として後述する報知抽選処理を行う。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、第3特殊ベル図柄の組合せとは、第3特殊ベル入賞となる図柄の組合せ、すなわち「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「赤ベル」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、第3特殊ベル図柄とは、左リール32Lにおいては「リプレイ」図柄であり、中リール32Mにおいては「白ベル」図柄であり、右リール32Rにおいては「赤ベル」図柄である。
図1〜図5の説明に戻り、遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップボタン42〜44が設けられている。各ストップボタン42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42、43,44には、ストップ検出センサ216a、217a,218aがそれぞれ内蔵されている。すなわち、左ストップボタン42が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ216aにより検知されて左リール32Lの回転が停止し、中ストップボタン43が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ217aにより検知されて中リール32Mの回転が停止し、右ストップボタン44が操作された場合にはその操作がストップ検出センサ218aにより検知されて右リール32Rの回転が停止する。ストップボタン42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。ストップ検出センサ216a〜218aはストップボタン42〜44の操作を検知するための操作検知手段を構成する。各ストップボタン42〜44には、発光体としてのストップランプ205〜207(図9参照)がそれぞれ内蔵されている。これらストップランプ205〜207は、対応するストップボタン42,43,44の停止操作が有効である場合に点灯表示され、有効な停止操作がなされた場合に消灯表示されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却ボタン55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却ボタン55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入ボタン56が設けられている。また、第1クレジット投入ボタン56の左方には、第2クレジット投入ボタン57と、第3クレジット投入ボタン58とが設けられている。第2クレジット投入ボタン57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入ボタン58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入ボタン56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入ボタン56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算ボタン59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算ボタン59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
返却ボタン55の右方には、BGM切替ボタン67が設けられている。BGM切替ボタン67は、スロットマシン10の前方に向けて突出したオフ状態と、そのオフ状態よりも突出寸法が小さいオン状態とに移行可能になっている。BGM切替ボタン67は、押しボタン式の操作手段になっており、オフ状態にある場合に押し込み動作と押し込み解除動作とが行われることでオフ状態からオン状態に移行し、オン状態にある場合に再び押し込み動作と押し込み解除動作とが行われることでオフ状態に戻るようになっている。なお、オフ状態が通常状態に相当し、オン状態が特別状態に相当する。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための演出制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットボタン72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットボタン72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットボタン72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるMPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ32l,32m,32r、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ216a〜218a、ストップボタン42〜44が初期位置に配置されていることを検知する初期位置検知センサ216b〜218b、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入ボタン56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算ボタン59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットボタン72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a、BGM切替ボタン67の操作を検出するBGM切替検出センサ67a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してMPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、MPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は演出制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
上述したMPU102には、このMPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRWM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RWM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RWM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、MPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
主制御装置101の出力側には、ストップボタン42〜44に内蔵されたストップランプ205〜207、各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ35〜37、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、演出制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
次に、演出制御装置81の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
演出制御装置81には、演算処理手段であるMPU82を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU82には、このMPU82によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、このROM83内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRWM84などが内蔵されている。
演出制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65を駆動制御する。つまり、演出制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部60〜62を演出制御装置81が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、演出制御装置81のROM83には、押順報知用動画データ群85aと、特別報知用動画データ群85bとからなるRT状態用動画データ群85が記憶されている。押順報知用動画データ群85a又は特別報知用動画データ群85bが補助表示部65に対してセットされることにより、当該補助表示部65においてRT状態中に押順報知又は特別報知が行われる。押順報知及び特別報知については後述する。
また、演出制御装置81のROM83には、スピーカ64から演出音や効果音等のBGMを出力するためのBGMデータ群86が記憶されている。BGMデータ群86は、チェリー入賞の可能性がある場合に出力されるチェリー用BGMのためのチェリー用BGMデータ群86aと、第1BB入賞の可能性がある場合に出力される第1BB用BGMのための第1BB用BGMデータ群86bと、チェリー入賞及びBB入賞の可能性があるか否かに関係なく出力されるベースBGMのためのベースBGMデータ群86cとを有している。これらBGMデータ群86a〜86cにより、それぞれ複数種類のチェリー用BGMや第1BB用BGM、ベースBGMをスピーカ64から出力することが可能になっている。
チェリー用BGM及び第1BB用BGMは、一連の流れやストーリー性を有する歌やメロディを有しており、ベースBGMとは異なる特別BGMに相当する。ベースBGMは、遊技中に連続的又は断続的にスピーカ64から出力される演出音や効果音であり、チェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力される場合には、ベースBGMの出力が停止するようになっている。つまり、ベースBGMは、チェリー用BGMや第1BB用BGMとは重複しないように出力される。なお、特別BGM及びベースBGMのいずれも、遊技に伴って演出を行うことからして特別演出及びベース演出を行うためのBGMであるといえる。
演出制御装置81は、スピーカ64に対して音信号を出力するアンプを有しており、スピーカ64は、アンプを介してMPU82に接続されている。アンプは、BGMデータ群86からチェリー用BGMデータ群86aや第1BB用BGMデータ群86b、ベースBGMデータ群86cから所定の音データを取り出して音信号を生成し、この音信号をスピーカ64に対して出力することでスピーカ64から任意のチェリー用BGMや第1BB用BGM、ベースBGMなどを出力させることが可能になっている。つまり、これらBGMを再生することが可能になっている。なお、アンプは、複数の音信号を互いに重複するタイミングでスピーカ64に対して出力することで、複数種類のBGMをまとめて再生することが可能になっている。
アンプは、音信号を増幅させる増幅部を有しており、増幅部の増幅率を増減させることで、スピーカ64からの出力音量を調整することが可能になっている。アンプは、出力音量を複数の音量レベルのいずれかに設定することが可能になっており、設定する音量レベルを選択することで音量調整を行うことになる。例えば、音量レベルは0〜5の6段階に可変設定可能になっている。アンプは、複数のBGMをまとめて再生している場合に、BGMごとに個別に出力音量を設定することが可能になっている。例えば、ベースBGM及びチェリー用BGMの両方を再生している場合に、ベースBGM及びチェリー用BGMの両方を音量レベル4に設定することや、ベースBGMを音量レベル0に設定する一方でチェリー用BGMを音量レベル3に設定することが可能になっている。
続いて、主制御装置101のMPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるMPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図11は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のMPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU102内の全レジスタの値をRWM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRWM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、MPU102のスタックポインタの値をRWM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRWM106のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRWMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RWM106への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、MPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ35〜37を駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ216a〜218a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、各種コマンドを演出制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図12のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、演出制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。演出制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS214に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RWM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技で第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算ボタン59が操作されたか否かを判定し、精算ボタン59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数(本実施形態では3)に達しているか否かを判定し、ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS207にて上述した第1ラインL1〜第4ラインL4の全ての組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行うとともに、ステップS208にてメダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。
ステップS209では、特別BGMの第1終了処理を行う。この処理は、特別BGMがスピーカ64から出力されている場合に、その特別BGMの出力をスタートレバー41が操作されたタイミングに合わせて終了させるものである。特別BGMの第1終了処理の詳細については後述する。
その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理、ステップS213のRT状態処理、ステップS214のBB状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図13のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、MPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRWM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態,BB状態の7種類の遊技状態を有している。そこでステップS302では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図14は、「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=6のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、チェリーと第2スイカに当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」と言う。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」と言う。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応するBB入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグと第2BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、現在のインデックス値IVが3〜20であればインデックス値IVと対応する当選フラグをセットし、現在のインデックス値IVが1又は2であれば対応する当選フラグをセットしない。つまり、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグが持ち越されているゲームでは、第1BB及び第2BB以外の役に当選した場合には対応する当選フラグをセットする一方、第1BB又は第2BBに当選した場合には対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図14に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、IV=1の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=2の際に当選となる確率は約2050分の1、IV=3の際に当選となる確率は約96.4分の1、IV=4の際に当選となる確率は約262分の1、IV=5の際に当選となる確率は約256分の1、IV=6の際に当選となる確率は約16400分の1、IV=7の際に当選となる確率は約65500分の1である。IV=8〜11の際に当選となる確率はそれぞれ約91.9分の1であり、IV=12〜19の際に当選となる確率はそれぞれ約31.2分の1である。IV=20の際に当選となる確率は約7.30分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309にて抽選結果対応処理を実行する。かかる処理は、遊技結果によって演出制御装置81に対して所定の演出を実行させるための処理であり、本抽選結果対応処理については後に詳述する。ステップS310では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(S106の処理)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42〜44のストップランプ205〜207を点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS402では、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS403に進み、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち対応するストップ検出センサからの停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS404にて停止指令対応処理を実行する。かかる処理では、所定条件のもと、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合に対応する処理を実行する。本停止指令対応処理については後に詳述する。続くステップS405では、対応するストップランプを消灯させ、続くステップS406〜412にて、回転中のリールを停止させるべく停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップボタンの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサ32l,32m,32rの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。
ステップS411では、リール停止処理にて停止させたリールについて、停止図柄コマンドを演出制御装置81への送信対象としてセットする。停止図柄コマンドは、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて基点位置に停止した停止図柄を演出制御装置81に通知することが可能な信号である。その後、ステップS412では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS413にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS402に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RWM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=8〜19の際に当選となった場合すなわちベルと2種類の特殊ベルに当選となった場合(図14参照)に、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図16は、IV=8〜19の際にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えばIV=12と対応する当選フラグ「12」がセットされている場合には、左ストップボタン42が最初に操作された場合に第1特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップボタン43が最初に操作された場合にベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップボタン44が最初に操作された場合に第9特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップボタン42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、左リール32Lと右リール32Rにおいては上段と下段に有効ラインが設定され、中リール32Mにおいては中段に有効ラインが設定される。このため、左リール32Lと右リール32Rに関しては、同種図柄同士の間隔が6図柄以下で配置されていればストップボタン42,44の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができ、中リール32Mに関しては、同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されていればストップボタン43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。左リール32Lには、「リプレイ」図柄,「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、上記各図柄が当選図柄となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず有効ライン上に当選図柄を停止させることができる。一方、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄等の他の図柄に関しては、上記間隔以上に離れた区間が形成されるようにして配置されているため、有効ライン上に停止させるためには遊技者が図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作する必要がある。
IV=12の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1特殊ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、第1特殊ベル図柄たる「リプレイ」図柄が、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「リプレイ」図柄が停止する。例えば左リール32Lの12番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップボタン42が操作された場合には、図17(a)に示すように、当該12番の「リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が、2番,5番,10番,20番の位置に配置されている。20番〜10番の区間では、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている一方、10番〜20番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が9図柄となっている。このため、中ストップボタン43の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、16番の「赤7」図柄〜10番の「赤ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合、図17(b)に示すように、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が中段に停止する。この結果、第3ラインL3と第4ラインL4で第1特殊ベル入賞の成立する余地が残る。一方、11番の「スイカ」図柄〜15番の「白ベル」図柄のいずれかが中段に到達しているタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、図17(c)に示すように、15番の「白ベル」図柄が中段に停止する。「赤ベル」図柄を中段に停止させることができない場合に「白ベル」図柄を中段に停止させることにより、当選役が報知されていない状況において、第3特殊ベル入賞又は第4特殊ベル入賞が成立することを遊技者に期待させることが可能となる。
右リール32Rには、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されている。9番〜16番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が6図柄となっている一方、16番〜9番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が13図柄となっている。このため、右ストップボタン44の操作タイミングによって「赤ベル」図柄が有効ライン上に停止したりしなかったりする。具体的には、3番の「青7」図柄〜16番の「赤ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合、第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄が上段又は下段に停止する。この結果、第3ラインL3又は第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。例えば、16番の「赤ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(d)に示すように、第4ラインL4で第1特殊ベル入賞が成立する。一方、17番の「赤7」図柄〜2番の「白ベル」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第1特殊ベル図柄たる「赤ベル」図柄を上段又は下段に停止させることができない。かかるタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「スイカ」図柄が上段又は下段に停止する。例えば、2番の「白ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、図17(e)に示すように、第4ラインL4上に左から「リプレイ」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄が停止する。つまり、第1特殊ベル入賞を成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目(図8参照)が停止する。
IV=12の際に当選となった場合に限られず、IV=12〜19の際に当選となった場合であって左ストップボタン42が最初に操作された場合、すなわち第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合に、それぞれの特殊ベルを成立させることができないタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、有効ライン上に移行出目が停止する。
次に、IV=8の際に当選となり、左ストップボタン42→中ストップボタン43→右ストップボタン44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、ベル入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が13番と20番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が6番の位置に配置されている。かかる場合、6番の「白ベル」図柄と13番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、13番の「赤ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、20番の「赤ベル」図柄と6番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、左リール32Lには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、左ストップボタン42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
中リール32Mには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が20番,2番,5番,10番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が15番の位置に配置されている。かかる場合、20番〜10番の区間では「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となっており、10番の「赤ベル」図柄と15番の「白ベル」図柄の間隔が4図柄となっており、15番の「白ベル」図柄と20番の「赤ベル」図柄の間隔が4図柄となっている。つまり、中リール32Mには、ベル図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、中ストップボタン43が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。
右リール32Rには、ベル図柄たる「赤ベル」図柄が9番と16番の位置に配置されるとともに、ベル図柄たる「白ベル」図柄が2番の位置に配置されている。かかる場合、2番の「白ベル」図柄と9番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、9番の「赤ベル」図柄と16番の「赤ベル」図柄の間隔は6図柄であり、16番の「赤ベル」図柄と2番の「白ベル」図柄の間隔は6図柄である。つまり、右リール32Rには、ベル図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄が配置されている。このため、右ストップボタン44が最後に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段又は下段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」が停止する。この結果、各リール32L,32M,32Rの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が有効ライン上に停止し、ベル入賞が成立する。
ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合には、IV=8〜19のいずれで当選となった場合であっても、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
IV=8〜19の際に当選となった場合には、6通りのストップボタン42〜44の操作順序のうち2通りの操作順序についてベル入賞が成立するよう停止情報を設定し、4通りの操作順序について特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定する。上述したとおり、ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。一方、特殊ベル入賞が成立するよう停止情報を設定した場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングによって特殊ベル入賞が成立したり成立しなかったりする。
IV=8〜19の際に当選となった場合であって第5特殊ベル〜第12特殊ベル入賞が成立するよう停止情報が設定された場合、すなわち中ストップボタン43又は右ストップボタン44が最初に操作された場合には、対応する特殊ベル入賞を成立させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば当該特殊ベル入賞が成立し、対応する特殊ベル入賞を成立させることが不可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されれば特殊ベル入賞が成立しないのみならず移行出目も有効ライン上に停止しない。この場合、メダルの払い出しを行わず、且つ遊技状態も移行させない。
移行出目は、IV=12〜19の際に当選となった場合であって、左ストップボタン42が最初に操作されるとともに設定された停止情報と対応する第1特殊ベル〜第4特殊ベル入賞を成立させることができない場合に、有効ライン上に停止する。この場合、メダルの払い出しを行わない一方で、遊技状態が第1RT状態に移行する。
また、これらストップボタン42〜44の操作順序は、図16に示す通り、最初に操作されるストップボタンによって成立する役が異なるように設定されている。つまり、ストップボタン42〜44のうち、左ストップボタン42が最初に操作されるか、中ストップボタン43が最初に操作されるか、右ストップボタン44が最初に操作されるか、により、成立する役が異なるように設定されており、2番目、3番目に操作されるストップボタンがそれぞれ逆の順序になったとしても、入賞する役は変化しない。
また、遊技者は、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止した場合、中リール32Mと右リール32Rを停止させる場合に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を狙って中ストップボタン43と右ストップボタン44を操作するものと想定される。かかる場合、当選役が報知されていない状況においては、4分の1の確率で特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止することとなる。ちなみに、IV=7の際に当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらずベル入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS412にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS414にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から各有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRWM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットボタン72が操作されるまで維持される。払出判定処理が終了した場合には、ステップS415にて今回のゲームにおける入賞成立役に応じた遊技の進行を実行するべく入賞結果対応処理を実行し、リール制御処理を終了する。入賞結果対応処理については、後に詳述する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理S204では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS213のRT状態処理を図18のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。また、ステップS502にて現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定した場合には、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグ〜第5RT設定フラグのいずれかがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS504にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図19は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルには、26個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜26には、当選役として第1再遊技又は第1再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1、IV=21〜26の際に当選となる確率はそれぞれ約54.6分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.80分の1である。
ここで、図14に示すように、通常遊技状態では、IV=20の際に当選となった場合、第6再遊技に当選となる。IV=20の当選確率は約7.30分の1である。第1RT状態では、IV=20の際に当選となった場合、第1再遊技に当選となり、IV=21の際に当選となった場合、第1再遊技と第2再遊技に当選となり、IV=22の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第10再遊技に当選となり、IV=23の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=24の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技及び第12再遊技に当選となり、IV=25の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第11再遊技に当選となり、IV=26の際に当選となった場合、第1再遊技,第2再遊技,第10再遊技及び第12再遊技に当選となる。IV=20〜26のいずれかで当選となる確率は約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,BBの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第2RT状態に移行する第2再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
また、第1RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS413)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜26の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図20は、第1RT状態下でIV=20〜26の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄と「チェリー」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「リプレイ」図柄と「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されており、右リール32Rには、「リプレイ」図柄と「スイカ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されている。このため、少なくとも第1再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せ又は「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。同様に、第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞又は第1再遊技入賞が成立するように設定されている。左リール32Lには、「BAR」図柄、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されており、第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、所定のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合に限って成立する。当該所定のタイミング以外のタイミングでストップボタン42〜44が操作された場合には、第1再遊技入賞が成立する。より詳細には、第1再遊技入賞又は第10再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「BAR」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「BAR」図柄を停止させ、「BAR」図柄を停止させることができない場合には「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32M及び右リール32Rに「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第11再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤ベル」図柄を停止させ、「赤ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、第1再遊技入賞又は第12再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは、左ストップボタン42の操作タイミングによって、「白ベル」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「白ベル」図柄を停止させ、「白ベル」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させ、さらに中ストップボタン43及び右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず中リール32Mには「青年」図柄を、右リール32Rには「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させる。
当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第2再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第2再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「22」〜当選フラグ「27」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第2再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第2再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS505に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立した場合には、ステップS506にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、本処理を終了する。この結果、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞のいずれも成立していない場合には、ステップS507に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS508にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図21は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第3再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約24.0分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約2.30分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第2RT状態では、第3RT状態に移行する第3再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第2RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS413)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図22は、第2RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lと右リール32Rには、「リプレイ」図柄が同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mには、「青年」図柄が同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第3再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「青年」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第3再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「28」〜当選フラグ「33」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第3再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第3再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第2再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS510にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図23は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第4再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第3RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第3RT状態では、第4RT状態に移行する第4再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第3RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS413)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図24は、第3RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、ストップボタン42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「リプレイ」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第4再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第4再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第4再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「34」〜当選フラグ「39」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第4再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第4再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第3再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS511に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞が成立した場合には、ステップS512にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS512にて第4RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第4RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第4RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第4RT状態であると判別し、第4RT状態用抽選テーブルを選択する。
図25は、「設定3」の第4RT状態で選択される第4RT状態用抽選テーブルである。第4RT状態用抽選テーブルには、25個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜25には、当選役として第1再遊技と第5再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20〜25の際に当選となる確率はそれぞれ約8.80分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約423分の1である。つまり、第4RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第4RT状態では、第5RT状態に移行する第5再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第4RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS413)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=20〜25の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図26は、第4RT状態下でIV=20〜25の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32Lの「チェリー」図柄と右リール32Rの「スイカ」図柄は、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして配置されており、中リール32Mの「青年」図柄は、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第5再遊技入賞成立となる「チェリー」図柄,「青年」図柄,「スイカ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第5再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第5再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第5再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第5再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
RT状態処理の説明に戻り、第4再遊技入賞が成立していない場合には、ステップS513に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS514にてRWM106の状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS514にて第5RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第5RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第5RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第5RT状態であると判別し、第5RT状態用抽選テーブルを選択する。
図27は、「設定3」の第5RT状態で選択される第5RT状態用抽選テーブルである。第5RT状態用抽選テーブルには、29個のインデックス値IVが設定されている。IV=1〜19には、通常遊技状態用抽選テーブル(図14参照)と同一の当選役及びポイント値PVが設定されており、IV=20〜29には、当選役として第6再遊技又は第6再遊技を含む複数の再遊技が設定されるとともにポイント値PVが設定されている。そして、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜19の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=20の際に当選となる確率は約3.40分の1、IV=21の際に当選となる確率は約51.8分の1、IV=22の際に当選となる確率は約655分の1、IV=23の際に当選となる確率は約6550分の1、IV=24〜29の際に当選となる確率はそれぞれ約16.4分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約417分の1である。つまり、第5RT状態に移行した場合には、通常遊技状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。そして、第5RT状態では、遊技状態が移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞と、通常遊技状態に移行する第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞と、が成立する。
第5RT状態下における停止情報第2設定処理(ステップS413)では、上述したIV=8〜19の際に当選となった場合に加えてIV=21〜29の際に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図28は、第5RT状態下でIV=20〜29の際に当選となった場合にセットされる当選フラグと、成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。左リール32L及び右リール32Rには、同種図柄同士の間隔が6図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されており、中リール32Mには、同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして「リプレイ」図柄が配置されている。このため、少なくとも第6再遊技入賞のみを成立させるべく停止情報を設定した場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングに関わらず、第6再遊技入賞成立となる「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せが有効ライン上に停止する。
第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、同一の操作順序であっても第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞又は第6再遊技入賞が成立するように設定されている。各リール32L,32M,32Rには、「赤7」図柄が上記各図柄間隔より離れた区間が形成されるようにして配置されている。このため、第6再遊技入賞成立となる「赤7」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄の組合せや第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞については、各ストップボタン42〜44が所定のタイミングで操作された場合に限って成立する。但し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立可能なタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞ではなく、それぞれ第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立し、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞を成立させることができないタイミングで各ストップボタン42〜44が操作された場合には、第6再遊技入賞が成立する。
より詳細には、第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで中ストップボタン43が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32L及び中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合は右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、そうでない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞、第7再遊技入賞又は第9再遊技入賞が成立するように設定された場合には、まず、左リール32L及び中リール32Mについては第6再遊技入賞又は第7再遊技入賞が成立するように設定された場合と同様である。右リール32Rは、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止している場合であっても「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、「青年」図柄を有効ライン上に停止させ、中リール32Mに「赤7」図柄が停止していない場合は、右ストップボタン44の操作タイミングによらず「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞が成立するように設定された場合には、左リール32Lは左ストップボタン42の操作タイミングによって、「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。右リール32Rは左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であって且つ右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることが可能なタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させる。この場合、右リール32Rの下段には「リプレイ」図柄が停止しており(図6参照)、第6再遊技入賞又は第8再遊技入賞のいずれもが成立可能な余地を残す。一方、左リール32Lに「赤7」図柄が停止している場合であっても、右リール32Rの上段に「BAR」図柄を停止させることができないタイミングで右ストップボタン44が操作された場合には、右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄を停止させる。この場合、有効ライン上に「BAR」図柄は停止しない(図6参照)。また、左リール32Lに「赤7」図柄が停止していない場合には右ストップボタン44の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。中リール32Mは、左リール32Lに「赤7」図柄が停止し右リール32Rの上段に「BAR」図柄が停止している場合であって且つ「赤7」図柄を有効ライン上に停止させることが可能な場合は「赤7」図柄を停止させ、「赤7」図柄を停止させることできない場合には「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。また、左リール32Lに「リプレイ」図柄が停止している場合、又は右リール32Rの上段に「リプレイ」図柄が停止している場合には中ストップボタン43の操作タイミングに関わらず、「リプレイ」図柄を有効ライン上に停止させる。
第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞については、上述したとおりである。当選フラグ「50」〜当選フラグ「55」には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序にのみ第6再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第6再遊技以外の再遊技が対応付けられている。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていないゲームでは、当選フラグ「40」〜当選フラグ「45」のいずれかがセットされている場合、6分の1の確率で第6再遊技入賞が成立し、6分の5の確率で第6再遊技以外の再遊技入賞が成立する。
ここで、通常遊技状態及び各RT状態に関する遊技状態の移行について、図29を用いて説明する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行する。移行出目は、第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞のいずれかを成立させるべく停止情報が設定されるとともに、対応する特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止する。つまり、移行出目は、IV=12〜19の際に当選となり、左ストップボタン42を最初に操作するとともに特殊ベル入賞が成立しなかった場合に有効ライン上に停止する。IV=12〜19のいずれかで当選となる確率は約3.90分の1である。また、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況において遊技者が「赤ベル」図柄と「白ベル」図柄の一方を狙って中ストップボタン43及び右ストップボタン44を操作した場合には、4分の1の確率で第1特殊ベル入賞〜第4特殊ベル入賞が成立し、4分の3の確率で移行出目が有効ライン上に停止する。したがって、遊技状態が通常遊技状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行する。なお、通常遊技状態では第2再遊技、第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、通常遊技状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、通常遊技状態において、再遊技当選となる確率は約7.3分の1である。
遊技状態が第1RT状態である場合、第2再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行し、第1再遊技入賞,第10再遊技入賞,第11再遊技入賞,第12再遊技入賞(以下、これら4つの再遊技入賞を総称して「転落再遊技入賞」と言う。)が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=21〜26の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第2再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=21〜26のいずれかで当選となる確率は約9.10分の1である。また、IV=20の際に当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作順序に関わらず転落再遊技入賞が成立する。IV=20の際に当選となる確率は約36.9分の1である。したがって、遊技状態が第1RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約54.6分の1の確率で第2RT状態に移行し、約8.48分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第1RT状態では、第2RT状態に移行する確率よりも通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第1RT状態では第3再遊技,第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第1RT状態から第2RT状態,第3RT状態,第4RT状態,第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第1RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第2再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約7.3分の1であり、通常遊技状態と同じ確率である。
遊技状態が第2RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第3再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約4.00分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第2RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約24.0分の1の確率で第3RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約4.80分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第2RT状態では、第3RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第2RT状態では第4再遊技及び第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第2RT状態から第4RT状態や第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第2RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第3再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約4.00分の1であり、通常遊技状態及び第1RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第3RT状態である場合、第4再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第4RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第4再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第3RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第4RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第3RT状態では、第4RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。なお、第3RT状態では第5再遊技に関して役の当否判定が行われないため、第3RT状態から第5RT状態に移行する事象は発生しない。また、第3RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第4再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり、第2RT状態よりも高い確率となっている。
遊技状態が第4RT状態である場合、第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第5RT状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=20〜25の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第5再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=20〜25のいずれかで当選となる確率は約1.47分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第4RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約8.82分の1の確率で第5RT状態に移行し、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約1.77分の1の確率で通常遊技状態に移行する。つまり、第4RT状態では、第5RT状態に移行する確率よりも第1RT状態や通常遊技状態に移行する確率の方が高い。また、第4RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第5再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は上述の通り約1.47分の1であり第3RT状態と同じ確率である。
遊技状態が第5RT状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって第1RT状態に移行し、転落再遊技入賞が成立することによって遊技状態が通常遊技状態に移行する。上述したとおり、IV=24〜29の際に当選となった場合には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序において第6再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定され、他の操作順序において転落再遊技入賞を成立させるべく停止情報が設定される。IV=24〜29のいずれかで当選となる確率は約2.73分の1である。また、移行出目が有効ライン上に停止する確率は約5.20分の1である。したがって、遊技状態が第5RT状態であってストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、約5.20分の1の確率で第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で通常遊技状態に移行する。また、第5RT状態において、いずれかの再遊技(第1再遊技、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技、第9再遊技、第10再遊技、第11再遊技、第12再遊技)に当選する確率は約1.47分の1であり、第3RT状態及び第4RT状態と同じ確率である。
このように、遊技状態を通常遊技状態から第5RT状態に移行させるためには、第1RT状態〜第4RT状態の4つのRT状態を経由する必要がある。また、第2RT状態〜第4RT状態において転落再遊技入賞が成立した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく通常遊技状態に移行し、移行出目が有効ライン上に停止した場合には、先のRT状態(すなわち1つ前に滞在していたRT状態)に移行するのではなく第1RT状態に移行する。このため、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない場合には、第5RT状態に移行させることが困難なものとなっている。ちなみに、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されていない状況で通常遊技状態から第5RT状態に移行する確率は、約50000分の1である。
一方で、第5RT状態に移行させる場合(本実施形態においては、ストップボタン42〜44の操作順序が報知される状況)においては、速やかに移行させることが望ましい。例えば、通常遊技状態から第5RT状態に直接移行する構成とすると、第5RT状態への移行契機となる役(本実施形態では第5再遊技)の当選確率は必然的に低く設定することになり当該移行役に当選するまでのゲームが単調となってしまう。また、その単調さを解消すべく当該移行役の当選確率を高めたうえでストップボタン42〜44の操作順序によって当該移行役が成立する構成とすると、操作順序を報知するか否かによって第5RT状態へ移行する確率が変化することになり上記の単調さは解消する一方で、操作順序を報知する状況となっても移行役に当選するまでの間のゲームが間延びしてしまう。そこで、本スロットマシン10のように、通常遊技状態から第5RT状態に移行する際に第5RT状態と異なる複数のRT状態を経由させ、それぞれの移行役(本実施形態においては、第2再遊技〜第4再遊技)の当選確率を上げることで、操作順序を報知する状況となった場合のゲームの間延びを解消している。
次に、ステップS214のBB状態処理を図30のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がBB状態か否かを判定する。BB状態でない場合には、ステップS602〜ステップS605に示すBB判定処理を行う。
BB判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS604にてRWM106の状態情報格納エリア106cにBB設定フラグをセットする。またこのとき、RWM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたBB状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに442をセットし、残払出枚数表示部61に442を表示させる処理を行う。ステップS604及びステップS605の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、BB状態用抽選テーブルを選択する。
遊技状態がBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS606にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、例えば残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にBB設定フラグをクリアして遊技状態を通常遊技状態とする処理を行う。
いずれのBB当選フラグもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、いずれのBB入賞も成立していない場合(ステップS603がNOの場合)と、ステップS605にて残払出数カウンタに442をセットした場合と、ステップS606にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS607に進み、ゲーム数管理処理を実行する。かかる処理については後に詳述するが、各ゲームにおける役の抽選結果とは異なり、各ゲームの進行に関わる処理である。
ステップS607の処理を実行した後、ステップS608〜ステップS614では、ホール管理装置等に大当たりが発生したことを示す大当たり信号を出力する信号出力処理を行う。具体的には、先ずステップS608にて外部集中端子板121からホール管理装置等に大当たり信号を出力しているか否かを判定する。大当たり信号を出力していない場合には、ステップS609に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS610にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態と第5RT状態のいずれでもない場合には、そのまま本処理を終了し、現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、ステップS611にて外部集中端子板121から大当たり信号の出力を開始する出力開始処理を行い、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、遊技状態がBB状態に移行した場合と、第5RT状態に移行した場合と、に大当たり信号を出力する。このため、スロットマシン10と当該スロットマシン10の大当たり回数を表示する大当たりカウンタとを接続して設置する遊技場等においては、BB状態に移行した場合に加えて、第5RT状態に移行した場合にも大当たりカウンタに表示することができる。なお、BB状態に移行した場合の大当たり信号と、第5RT状態に移行した場合の大当たり信号と、を外部集中端子板121の異なる出力部から出力する構成としても良い。かかる構成とした場合には、大当たりカウンタにおいて、BB状態に移行した回数と、第5RT状態に移行した回数と、を別個に表示することが可能となる。
ステップS608にて大当たり信号を出力していると判定した場合には、ステップS612に進み、現在の遊技状態がBB状態であるか否かを判定する。BB状態でない場合には、さらにステップS613にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態がBB状態又は第5RT状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、現在の遊技状態がBB状態とRT状態のいずれでもない場合には、BB状態又は第5RT状態が終了したことを意味するため、ステップS614にて大当たり信号の出力を停止する出力停止処理を行い、本処理を終了する。
本スロットマシン10では、演出制御装置81がストップボタン42〜44の操作順序を報知したりしなかったりすることにより、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しやすい状況となったり、遊技状態が通常遊技状態から第5RT状態に移行しにくい状況となったりする。つまり、本スロットマシン10では、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されるか否かにより、通常遊技状態から第5RT状態に移行する移行確率が変化する。そこで以下では、主制御装置101が演出制御装置81にストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わせるための処理について説明する。
まず、ステップS607のゲーム数管理処理を図31のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS701では、今回のゲームがBB状態の終了したゲームであるか否かを判定する。今回のゲームがBB状態の終了したゲームである場合には、ステップS702に進み、待機ゲーム数抽選処理を行う。待機ゲーム数抽選処理では、ROM105に設けられたゲーム数抽選カウンタから、1〜1280のいずれかの値を取得する。ステップS703では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を、主制御装置101のRWM106に設けられた待機ゲーム数カウンタにセットする。その後、本処理を終了する。
ステップS701にて今回のゲームがBB状態の終了したゲームでないと判定した場合には、ステップS704に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされている場合には、ステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。また、罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS708〜ステップS711に示す待機ゲーム数減算処理を行った後に本処理を終了する。罰則ゲーム数減算処理については後述することとし、待機ゲーム数減算処理について説明する。
待機ゲーム数減算処理では、ステップS708にて待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ステップS709にて待機ゲーム数カウンタの値を1減算する。続くステップS710では、減算後の待機ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。待機ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、待機ゲーム数カウンタの値が0である場合には、ステップS711にてストップボタン42〜44の操作順序を報知するための報知フラグをセットし、本処理を終了する。
このように、BB状態が終了した場合、1〜1280のいずれかの値を待機ゲーム数としてセットする。そして、罰則フラグがセットされていない場合には、1回のゲームが終了する毎に待機ゲーム数を1減算し、待機ゲーム数が0となった場合に報知フラグをセットする。
次に、抽選結果対応処理を、図32のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS801では、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、いずれかの役に当選している場合には、ステップS802にて罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS803に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。
報知フラグがセットされている場合には、ステップS804及びステップS805にてベル(特殊ベルとの同時当選のみ)又は転落再遊技に当選しているか否かを判定する。ベル又は転落再遊技に当選している場合には、ステップS806に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合すなわち第1RT状態〜第5RT状態のいずれかである場合には、ステップS807に進み、報知コマンドを演出制御装置81への送信対象としてセットする。報知コマンドは、自身が報知コマンドであること、及びベル又は転落再遊技のいずれに当選しているかを把握できるように複数ビットで構成されている。報知コマンドを受信した演出制御装置81は、今回のゲームにてストップボタン42〜44の操作順序を報知すべく、ROM83のRT状態用動画データ群85のうち押順報知用動画データ群85aを補助表示部65にセットする。このとき、ベルに当選している場合には、ベルを入賞させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知し、転落再遊技に当選している場合には、転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序に対応する動画データを押順報知用動画データ群85aから選択して補助表示部65にて報知する。一方、ステップS806にて、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、報知コマンドをセットすることなくそのまま本処理を終了する。これは以下の理由による。すなわち、通常遊技状態から第1RT状態に移行させるためには、有効ライン上に移行出目が停止するようストップボタン42〜44が操作される必要がある。移行出目は特殊ベル入賞を成立させることができない場合に有効ライン上に停止するものであるため、ベル入賞を成立させることができるストップボタン42〜44の操作順序を報知した場合には、通常遊技状態から第1RT状態に移行させることができないからである。また、ストップボタン42〜44の操作順序によらずベルが成立する場合(IV=7の際に当選した場合)は、ストップボタン42〜44の操作順序の報知を行わない。
ここで、演出制御装置81によるストップボタン42〜44の操作順序の報知では、ステップS804にてベルに当選していると判定した場合には、最初に操作すべきストップボタンのみの操作順序の報知が行われる一方で、ステップS805にて転落再遊技に当選していると判定した場合には、全てのストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる。これは、既に説明したとおり、ベルに当選している場合には、最初に操作すべきストップボタンがストップボタン42〜44のうちいずれであるかによって、ベルが停止するか特殊ベルが停止するかが設定されており(図16参照)、転落再遊技に当選している場合には、6通りの操作順序のうち1通りのみが転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかを成立させることができる操作順序として設定されている(図20、図22、図24、図26、図28参照)ことによるものである。したがって、報知コマンドを受信した演出制御装置81は、ベルに当選している場合と転落再遊技に当選している場合とで、押順報知用動画データ群85aから異なるデータを選択する。
ここで、補助表示部65におけるストップボタン42〜44の操作順序の報知(押順報知演出)の内容について、図33及び図34を参照して説明する。図33(a)及び図33(b)は押順報知演出の様子を説明するための説明図であり、図33(a)はベルに当選している場合の押順報知演出の様子を示し、図33(b−1)〜図33(b−3)は転落再遊技に当選している場合の押順報知演出の様子を示している。なお、図33(a)においては、中ストップボタン43を最初に操作した場合にベル入賞が成立する場合を一例として示し、図33(b)においては、中ストップボタン43→右ストップボタン44→左ストップボタン42の順で操作した場合に転落再遊技入賞ではなく第2再遊技入賞〜第6再遊技入賞のいずれかが成立する場合を一例として示している。また、図34は、補助表示部65において押順報知演出が実行されるタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、図34(a)はスタートレバー41が操作される様子を示し、図34(b)は各リール32L,32M,32Rの回転速度を示し、図34(c)は押順報知演出が実行される様子を示している。
ベルに当選している場合の押順報知演出では、図33(a)に示すとおり、補助表示部65にて、ストップボタン42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく且つベルに対応させて黄色(図では斜線)に表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにてベルに当選していること、及び最初に操作すべきストップボタンが中ストップボタン43であることを認識することができる。
転落再遊技に当選している場合の押順報知演出では、図33(b−1)に示すとおり、補助表示部65にて、再遊技に対応させて水色(図ではドット)の3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では中ストップボタン43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では右ストップボタン44に対応する右側のボタン表示)に数字の2が付され、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示(図では左ストップボタン42に対応する左側のボタン表示)に数字の3が付され、これら2番目と3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示は最初に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示よりも小さく表示される。遊技者が中ストップボタン43を操作して対応する中リール32Mが最終停止すると、図33(b−2)に示すように、2番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示され、遊技者が右ストップボタン44を操作して対応する右リール32Rが最終停止すると、図33(b−3)に示すように、3番目に操作すべきストップボタンに対応するボタン表示が他のボタン表示よりも大きく表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて転落再遊技に当選していること及び、各ストップボタン42〜44の操作順序を認識することができる。
押順報知演出の実行タイミングについて説明すると、図34(a)に示すように、taのタイミングでスタートレバー41が操作されると、図34(b)に示すように各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。各リール32L,32M,32Rは、加速期間を経てtbのタイミングでその回転速度が定速回転に至る。上述の如く、リール制御処理(図15)では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始してから回転速度が定速回転に至ってから(所定期間が経過してから)、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となる構成としており、これに対して押順報知演出は、図34(c)に示すように、スタートレバー41が操作されたtaのタイミングと同時又は略同時に補助表示部65にて実行される。つまり、ステップS807でセットされた報知コマンドは、タイマ割込み処理(図11)におけるコマンド出力処理(ステップS110)にて演出制御装置81に送信され、演出制御装置81は当該報知コマンドを受信した場合には、各リール32L,32M,32Rの回転速度等に関わらず、直ちに押順報知演出を実行する構成としている。ここで、押順報知演出を実行する構成として、各リール32L,32M,32Rが定速回転に至った後に押順報知演出を実行する構成、つまりストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となってから押順報知演出を実行する構成も考えられるが、このような構成とすると、遊技者は押順報知演出が実行されてから操作順序を認識して、ストップボタン42〜44を操作することとなり、円滑に遊技を進行させるという観点からすると好ましくない。これに対して本実施形態のように、ストップボタン42〜44の操作を行うことが可能となるよりも前のタイミングで押順報知演出を実行する構成とすることで、ストップボタン42〜44の操作順序を認識したうえで、ストップボタン42〜44の操作が有効となればその後迅速に操作をすることが可能となり、テンポ良く遊技を進行することが可能となっている。
抽選結果対応処理(図32)の説明に戻り、ステップS803にて報知フラグがセットされていないと判定した場合、又はステップS805にて転落再遊技に当選していないと判定した場合には、ステップS808に進み、当選フラグを確認して特定役に当選しているか否かを判定する。具体的には、チェリー,第1スイカ,第2スイカ,第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選しているか否かを判定する。特定役に当選していない場合には、そのまま本処理を終了し、特定役に当選している場合には、ステップS809にて報知抽選処理を行う。
また既に説明したとおり、当選フラグ「47」〜当選フラグ「49」の場合であって第7再遊技,第8再遊技,第9再遊技のいずれかに当選している場合であっても、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第7再遊技入賞,第8再遊技入賞,第9再遊技入賞が成立せずに第6再遊技入賞が成立する。この様な場合であっても、ステップS808では、特定役に当選していると判定する。
報知抽選処理では、図35のフローチャートに示すように、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が第5RT状態でない場合には、ステップS902に進み、RWM106から取得する乱数に基づいて報知抽選を行う。ステップS903では報知抽選に当選したか否かを判定し、当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。一方、報知抽選に当選した場合には、ステップS904にて待機ゲーム数カウンタの値を0とするとともに、ステップS905にて報知フラグをセットし、本処理を終了する。ステップS902の報知抽選では、特定役の種類に応じて報知抽選に当選となる確率が異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技の場合に報知抽選に当選となる確率が最も高い100パーセントであり、第1スイカの場合に報知抽選に当選となる確率が最も低い10パーセントであり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で報知抽選に当選となる確率が低くなるように設定されている。
また、ステップS901にて現在の遊技状態が第5RT状態であると判定した場合には、ステップS906にてRWM106に設けられた蓄積カウンタの値に所定の数値を加算し、本処理を終了する。当該所定の数値は、特定役の種類に応じて異なるように設定されている。具体的には、第9再遊技である場合には最も大きい「5」であり、第1スイカの場合には最も小さい「1」であり、第9再遊技、第8再遊技、第7再遊技、第2スイカ、第1スイカの順で蓄積カウンタの値に加算する数値が小さくなるように設定されている。
なお、上記報知抽選に当選する確率や、蓄積カウンタに加算する所定の数値は任意である。
図32の説明に戻り、抽選結果対応処理においてステップS810では、特別BGMをスピーカ64から出力させるための特別BGM処理を実行する。特別BGM処理については、図36のフローチャートを参照しつつ説明する。
図36において、ステップS1001では、罰則フラグがセットされているか否かを判定し、ステップS1002では、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定し、ステップS1003では、BGM切替ボタン67がオン状態にあるか否かを判定する。罰則フラグがセットされておらず、現在の遊技状態が通常遊技状態であり、BGM切替ボタン67がオン状態にある場合に、ステップS1004に進む。罰則フラグがセットされている場合や、現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合、BGM切替ボタン67がオフ状態にある場合は、特別BGMによる演出を行わないとして、そのまま本特別BGM処理を終了する。
ステップS1004では、チェリーに当選したことを示すチェリー当選フラグがセットされているか否かを判定する。チェリー当選フラグがセットされている場合、ステップS1005に進み、特別BGMとしてのチェリー用BGMをスピーカ64から出力するか否かを決定するチェリー用BGM抽選処理を行う。ステップS1006では、チェリー用BGM抽選に当選したか否かを判定する。チェリー用BGMに当選した場合、ステップS1007に進み、チェリー用BGM抽選に当選したことを示すチェリー用BGMフラグをセットする。ステップS1008では、チェリー用BGMをスピーカ64から出力させるためのチェリー用BGMコマンドを、演出制御装置81への送信対象としてセットする。
なお、チェリー用BGM抽選に当選しなかった場合、チェリー用BGMによる演出を行わないとして、そのまま本特別BGM処理を終了する。
チェリー当選フラグがセットされていない場合(ステップS1004がNO判定の場合)、ステップS1009に進み、第1BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選フラグがセットされている場合には、ステップS1010に進み、特別BGMとしての第1BB用BGMをスピーカ64から出力するか否かを決定する第1BB用BGM抽選処理を行う。ステップS1011では、第1BB用BGM抽選に当選したか否かを判定する。第1BB用BGM抽選に当選した場合、ステップS1012に進み、第1BB用BGM抽選に当選したことを示す第1BB用BGMフラグをセットする。ステップS1013では、第1BB用BGMをスピーカ64から出力させるための第1BB用BGMコマンドを、演出制御装置81への送信対象としてセットする。
なお、第1BB用BGM抽選に当選しなかった場合、第1BB用BGMによる演出を行わないとして、そのまま本特別BGM処理を終了する。
また、チェリー当選フラグがセットされていない場合に第1BB当選フラグがセットされているか否かを判定することで、第1BB当選よりもチェリー当選を優先することになる。つまり、第1BB当選フラグが持ち越されている状態で、チェリー当選フラグがセットされた場合には、第1BB用BGMフラグではなくチェリー用BGMフラグをセットすることになる。
次に、入賞結果対応処理を、図37のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1101では、第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS1102にて報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1103にて報知フラグをセットした後にステップS1104に進み、報知フラグがセットされている場合には、そのままステップS1104に進む。ステップS1104では、RWM106から取得する乱数に基づいて、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する報知回数を決定するための報知回数抽選処理を行う。ステップS1105では、報知回数抽選処理にて決定した報知回数を、RWM106に設けられた報知回数カウンタにセットする。ちなみに、本スロットマシン10では、上記報知回数抽選処理を行うことにより、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値がセットされる。
ステップS1101にて第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS1106に進み、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、ステップS1107にて転落再遊技入賞が成立したか否かを判定するとともに、ステップS1108にて移行出目が有効ライン上に停止したか否かを判定する。転落再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態に移行したことを意味する。かかる場合には、ステップS1109にて報知フラグをクリアするとともに、ステップS1110にて上述した待機ゲーム数抽選処理を行う。ステップS1111では、待機ゲーム数抽選処理にて取得した値を待機ゲーム数カウンタにセットする。
一方、報知フラグがセットされている状況で転落再遊技入賞が成立せず、且つ有効ライン上に移行出目が停止しなかった場合には、ステップS1112にて報知中処理を行う。
ステップS1106がNO判定の場合、及びステップS1105,ステップS1111,ステップS1112の処理の後は、ステップS1113に進み、スピーカ64から出力されている特別BGMを、ストップボタン42〜44が操作されるタイミングに合わせて終了させる特別BGMの第2終了処理を行う。特別BGMの第2終了処理の詳細については後述する。
報知中処理では、図38のフローチャートに示すように、ステップS1201にて報知回数カウンタの値が0でないか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0である場合には、そのまま本処理を終了し、0でない場合には、ステップS1202にて小役入賞が成立したか否かを判定する。小役入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了し、小役入賞が成立した場合には、ステップS1203にて9枚のメダル払出が行われる9枚小役入賞、すなわちベル入賞又は第1特殊ベル入賞〜第12特殊ベル入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。9枚小役入賞が成立していない場合にはそのまま本処理を終了し、9枚小役入賞が成立した場合には、ステップS1204にて報知回数カウンタの値を1減算する。その後、ステップS1205では、報知回数カウンタの値が0であるか否かを判定する。報知回数カウンタの値が0でない場合にはそのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS1206にて報知フラグをクリアする。続くステップS1207では、蓄積カウンタの値が0でないか否かを判定し、0である場合にはそのまま本処理を終了する。一方、蓄積カウンタの値が0でない場合には、ステップS1208にて蓄積カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1209にて上述した報知回数抽選処理を行う。その後、ステップS1210にて報知回数抽選処理にて決定した値を報知回数カウンタにセットし、続くステップS1211にて再び報知フラグをセットして、本処理を終了する。
したがって、蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知回数カウンタの値が0となった場合であっても、再び所定のゲームではストップボタン42〜44の操作順序の報知が行われる構成としている。蓄積カウンタは、既に説明したとおり、報知抽選処理(図35)にて、報知抽選に当選となる確率や当選となった場合の蓄積カウンタに加算する数値が特定役の種類によって異なるように設定されている。したがって、遊技者は、特定役の種類によって報知抽選処理が行われるか否か、そして、当選となった場合の蓄積カウンタに加算される数値を予測しながら、すなわち、報知フラグがセットされている状態がいつまで継続するかを予測しながら遊技を行うことができる。
次に、停止指令対応処理を、図39のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS1301では、報知フラグがセットされているか否かを判定する。報知フラグがセットされている場合には、そのまま本処理を終了し、報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1302〜ステップS1306に示す罰則判定処理を行う。
罰則判定処理では、ステップS1302にて今回の停止指令が第1停止指令であるか否か、すなわち全リール32L,32M,32Rが回転している最中に発生した停止指令であるか否かを判定する。第1停止指令でない場合には、そのまま本処理を終了し、第1停止指令である場合には、ステップS1303にて第1停止指令として左ストップボタン42が操作されたか否かを判定する。左ストップボタン42が操作されて第1停止指令が発生した場合には、そのまま本処理を終了する。一方、中ストップボタン43又は右ストップボタン44が操作されて第1停止指令が発生した場合には、ステップS1304に進み、罰則フラグがセットされているか否かを判定する。罰則フラグがセットされていない場合には、ステップS1305にて罰則フラグをセットする。その後、又は既に罰則フラグがセットされている場合には、ステップS1306にてRWM106に設けられた罰則ゲーム数カウンタの値に2を加算し、本処理を終了する。
このように、本スロットマシン10では、報知フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42が最初に操作されなかった場合、罰則フラグがセットされるとともに罰則ゲーム数カウンタの値に2が加算されるようになっている。
罰則フラグがセットされている場合、ゲーム数管理処理(図31参照)では、ステップS704にて肯定判定をし、待機ゲーム数減算処理ではなくステップS705〜ステップS707に示す罰則ゲーム数減算処理を行う。罰則ゲーム数減算処理では、ステップS705にて罰則ゲーム数カウンタの値を1減算するとともに、ステップS706にて罰則ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。罰則ゲーム数カウンタの値が0でない場合には、そのまま本処理を終了し、0である場合には、ステップS707にて罰則フラグをクリアした後に本処理を終了する。そして、抽選結果対応処理(図32参照)では、罰則フラグがセットされている場合、ステップS802にて肯定判定をしてそのまま抽選結果対応処理を終了する。つまり、罰則フラグがセットされている場合には、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われない。
つまり、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、当該ゲームの終了後に待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。また、次回のゲームにおいては、仮に特定役に当選したとしても報知抽選処理が行われないことに加えて、待機ゲーム数カウンタの値が減算されない。したがって、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合には、遊技者にとって不利な状況が発生する。
次に、本スロットマシン10のゲームの流れを説明する。本スロットマシン10では、第1BB当選確率が約16400分の1、第2BB当選確率が約2050分の1と非常に低いため、BB非当選下での遊技が中心となる。そこで、理解を容易なものとするため、BB状態終了後からのゲームの流れを説明することとする。
BB状態が終了した場合、主制御装置101は、遊技状態をBB状態から通常遊技状態に移行させる。このとき主制御装置101は、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。ストップボタン42〜44の操作順序が報知されることとなる報知フラグは、待機ゲーム数が0となった場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数が0でない場合には、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は低く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが非常に困難となっている。
このため、遊技者は、待機ゲーム数が0となるように毎回のゲームを行う必要がある。待機ゲーム数は、罰則フラグがセットされていない状況で左ストップボタン42を最初に操作して遊技を行った場合に1減算される。また、罰則フラグがセットされていない状況で特定役に当選するとともに報知抽選に当選した場合には、待機ゲーム数が0とされる。罰則フラグは、報知フラグがセットされていない状況で中ストップボタン43又は右ストップボタン44を最初に操作した場合にセットされる。つまり、待機ゲーム数を0とするためには、毎回のゲームにおいて左ストップボタン42を最初に操作する必要がある。
待機ゲーム数が0となった場合、報知フラグをセットする。そして、第1RT状態〜第4RT状態においてベル又は転落再遊技に当選となった場合には、演出制御装置81は、ストップボタン42〜44の操作順序を報知する。遊技者は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作することにより、図柄を狙ってストップボタン42〜44を操作せずともベル入賞や第2再遊技入賞〜第5再遊技入賞(以下、「昇格再遊技入賞」とも言う。)を成立させることができる。また、ベル入賞や昇格再遊技入賞を成立させることにより、転落再遊技入賞が成立することや有効ライン上に移行出目が停止することを回避でき、比較的速やかに遊技状態を第5RT状態に移行させることが可能となる。
ストップボタン42〜44の操作順序が報知される場合、1の遊技状態から他の遊技状態への移行確率は高く設定されており、通常遊技状態から第5RT状態まで移行させることが、操作順序が報知されない場合と比較して容易となる。
遊技状態が第5RT状態に移行した場合、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値をセットする。そして、ベル入賞又は特殊ベル入賞が成立した場合に報知回数カウンタの値が1減算され、報知回数カウンタの値が0となった場合に報知フラグがクリアされる。つまり、第5RT状態では、ベル入賞を成立させるためのストップボタン42〜44の操作順序が報知回数分だけ報知された場合に、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。
第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、報知された操作順序でストップボタン42〜44を操作した場合、約4.80枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約1.80枚増加することを期待できる。ちなみに、報知回数として16回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約100枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として33回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約200枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として50回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約300枚のメダルの増加が期待でき、報知回数として75回がセットされた場合には、報知フラグがクリアされるまでに約450枚のメダルの増加が期待できる。
第5RT状態下で報知回数カウンタの値が0となった場合、蓄積カウンタの値が0であるか否かを判定する。蓄積カウンタの値が0でない場合には、報知フラグを再度セットするとともに、報知回数抽選処理を行い、報知回数カウンタに16,33,50,75のいずれかの値を再度セットする。蓄積カウンタの値は、第5RT状態下で特定役に当選した場合の報知抽選に当選すると、特定役の種類によって所定の数値が加算される。かかる観点からも第5RT状態は通常遊技状態と比して遊技者に有利であると言える。
蓄積カウンタの値が0である場合、待機ゲーム数抽選処理を行い、待機ゲーム数カウンタに1〜1280のいずれかの値をセットする。この結果、待機ゲーム数が0となるまでの間、再びストップボタン42〜44の操作順序が報知されなくなる。第5RT状態における1ゲームあたりのメダル払出の期待値は、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない場合、約3.07枚である。1回のゲームを行うために3枚のメダルをベットする必要があるため、第5RT状態では1ゲームあたりにメダルが約0.07枚増加することを期待できる。したがって、ストップボタン42〜44の操作順序が報知されない状況であっても、第5RT状態は通常遊技状態よりも遊技者に有利である。但し、かかる状況では、約5.20分の1の確率で移行出目が有効ライン上に停止して第1RT状態に移行し、約3.28分の1の確率で転落再遊技入賞が成立して通常遊技状態に移行する。このため、待機ゲーム数が0となる前に移行出目が有効ライン上に停止したり転落再遊技入賞が成立したりした場合には、遊技者に有利な状況が終了することとなる。
次に、主制御装置101が行うリール制御処理(図15)における回転開始処理(ステップS401)について、図40のフローチャートに基づき説明する。
まず、ステップS1401にて前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウェイト時間(例えば4.1sec)を経過したか否かを確認し、ウェイト時間を経過するまで待機する。ウェイト時間を経過した場合には、ステップS1402にて、ストップボタン42〜44はいずれも初期位置に配置されているか否かを判定する。上記のとおり、ストップボタン42〜44が初期位置に配置されるか否かは、それぞれ初期位置検知センサ216b〜218bにより把握可能となっている。ステップS1402では、当該初期位置検知センサ216b〜218bからの検知信号を受信していない場合(あるいは非検知状態を示す信号を受信している場合)に、いずれのストップボタン42〜44も初期位置に配置されていると判定する。
続くステップS1403では、次回のゲームのためのウェイト時間を再設定する。その後、ステップS1404では、メダルのベット数をセットする。セットされたベット数は、タイマ割込み処理のカウンタ処理(ステップS109)にて外部集中端子板121へ出力される。
ステップS1405では、ストップボタン42〜44に対する操作を無効とする操作無効処理を行う。この操作無効処理を行うことで、ストップボタン42〜44が操作されてもリール32L,32M,32Rの回転が停止しないようになる。また、この操作無効処理では、ストップランプ205〜207を点灯させずに消灯させた状態で保持する。
ステップS1406では、RWM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータ35〜37の加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。したがって、上記のウェイト時間が設定されることにより、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。
また、この処理では、リール32L,32M,32Rが回転を開始したことを通知するための回転通知コマンドを、演出制御装置81への送信対象としてセットする。これにより、演出制御装置81は、スタートレバー41が操作されたタイミングではなく、リール32L,32M,32Rが実際に回転開始したタイミングに合わせて、チェリー用BGMや第1BB用BGMをスピーカ64から出力開始することが可能になる。
続くステップS1407では、RWM106に設けられた無効カウンタMCに操作無効期間に相当する数値(例えば、約1secに相当する「671」)を入力する処理を実行する。当該無効カウンタMCは、タイマ割込み処理(図11)が1処理回実行されるごとに、タイマ減算処理(ステップS108)にて1減算されるカウンタであり、操作無効期間であることをMPU102が特定するためのカウンタである。
ステップS1408では、上記無効カウンタMCが「0」であるか否かを判定することで、操作無効期間が経過したか否かを判定する。操作無効期間が経過していない場合には、無効カウンタMCが「0」となるまで待機する。そして無効カウンタMCが「0」となり、操作無効期間が経過することでステップS1408で肯定判定し、ステップS1409に進む。
ステップS1409では、ストップボタン42〜44に対する操作を有効にする操作無効解除処理を行う。この操作無効解除処理を行うことで、ストップボタン42が操作された場合にリール32L,32M,32Rが停止可能になる。
ステップS1409の処理を行った後は、ステップS1410にて、ストップランプ205〜207を点灯表示させたうえで、本回転開始処理を終了する。
次に、入賞結果対応処理(図37)のステップS1113の特別BGMの第2終了処理について、図41のフローチャートを参照しつつ説明する。
図41において、ステップS1501では、チェリー用BGMフラグ又は第1BB用BGMフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBGMフラグがセットされている場合、ステップS1502に進み、セットされているBGMフラグに対応する図柄の入賞が成立したか否かを判定する。例えば、チェリー用BGMフラグがセットされている状態では、中リール32Mの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合に、チェリー入賞が成立したと判定する。また、第1BB用BGMフラグがセットされている状態では、各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合に、第1BB入賞が成立したと判定する。
チェリー入賞又は第1BB入賞が成立した場合には、ステップS1503に進み、スピーカ64から出力されているチェリー用BGM又は第1BB用BGMを停止させるためのチェリー用BGM停止コマンド又は第1BB用BGM停止コマンドを、演出制御装置81への送信対象としてセットする。この処理は、スピーカ64からのチェリー用BGM又は第1BB用BGMの出力を停止させる停止処理と称することもできる。ステップS1504では、チェリー用BGM又は第1BB用BGMについて停止処理を行ったことを認識するためのBGM停止フラグをセットする。
次に、通常処理(図12)のステップS209の特別BGMの第1終了処理について、図42のフローチャートを参照しつつ説明する。
図42において、ステップS1601では、チェリー用BGMフラグ又は第1BB用BGMフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのBGMフラグがセットされている場合、ステップS1602に進み、BGM停止フラグがセットされているか否かを判定する。BGM停止フラグがセットされていない場合、チェリー当選フラグ又は第1BB当選フラグがセットされ且つリール32L,32M,32Rの全てが停止した状態で、これら当選フラグに対応する入賞が成立しなかったとして、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、チェリー用BGM又は第1BB用BGMについて、スピーカ64からの出力を停止させる停止処理を行う。ステップS1604では、チェリー用BGM又は第1BB用BGMについて停止処理を行ったことを認識するためのBGM停止フラグをセットする。なお、ステップS1603,1604の処理は、特別BGMの第2終了処理のステップS1503,1504と同じ処理である。ステップS1605では、BGMフラグをクリアする。この場合、チェリー入賞又は第1BB入賞が成立しない状態で、チェリー用BGM又は第1BB用BGMによる演出を終了させたことを認識することになる。
BGM停止フラグがセットされている場合、チェリー当選フラグ又は第1BB当選フラグがセットされている状態で、これら当選フラグに対応する入賞が成立したとして、ステップS1605に進み、BGMフラグをクリアする。この場合、チェリー入賞又は第1BB入賞が成立した状態で、チェリー用BGM又は第1BB用BGMによる演出を終了させたことを認識することになる。
次に、演出制御装置81のMPU82にて実行されるBGM演出処理について、図43、図44を参照しつつ説明する。図43はBGM演出処理を示すフローチャート、図44は中リール32Mの図柄とチェリー用BGMデータ群86aの音データとの対応関係を示す図である。BGM演出処理は、主制御装置101により行われる通常処理に対応して、BGMを出力させるためにスピーカ64の動作制御を行うものである。
図43において、ステップS1701では、主制御装置101からチェリー用BGMコマンドを受信したか否かを判定し、ステップS1702では、主制御装置101から第1BB用BGMコマンドを受信したか否かを判定する。チェリー用BGMコマンド及び第1BB用BGMコマンドのいずれも受信していない場合、チェリー用BGM及び第1BB用BGMのいずれも出力させないとして、ステップS1703に進む。
ステップS1703では、ベースBGM出力処理を行う。このベースBGM出力処理では、ROM83のベースBGMデータ群86cから遊技状態に合わせた音データを読み出し、この音データからベースBGMを再生する。また、ベースBGMを所定の音量レベルに設定する。例えば、遊技状態が通常遊技状態にある場合には、スタートレバー41やストップボタン42〜44が操作されたタイミングで効果音が鳴ったように聞こえる通常演出音をベースBGMとして音量レベル3で出力し、遊技状態がBB状態やRT状態にある場合には、通常遊技状態とは異なるBB演出音やRT演出音をベースBGMとして音量レベル5で出力する。BB演出音やRT演出音を通常演出音よりも大きな音量レベルに設定することで、BB状態やRT状態にある場合の遊技者の満足感を高める効果が期待できる。
演出制御装置81は、遊技状態に合わせて補助表示部65に動画や静止画を表示する表示演出を行っており、ベースBGMデータ群86cから読み出される音データは、この表示演出に合わせたものが選択されるようになっている。つまり、チェリー用BGMや第1BB用BGMを出力しない場合には、ベースBGMとしての通常演出音やBB演出音、RT演出音が、補助表示部65により行われる表示演出に対応したものになっている。例えば、遊技状態が通常遊技状態にある場合、通常演出音は、補助表示部65に表示される通常演出動画に対応したものになっている。また、遊技状態がBB状態やRT状態にある場合、BB演出音やRT演出音は、補助表示部65に表示されるBB演出動画やRT演出動画に対応したものになっている。
ステップS1703のベースBGM処理は、チェリー用BGMコマンド又は第1BB用BGMコマンドを受信するまで(ステップS1701,S1702がNO判定の場合に)繰り返し行われる。この場合、補助表示部65の表示内容に合わせてベースBGMが継続してスピーカ64から出力されることになる。
チェリー用BGMコマンドを受信した場合(ステップS1701がYES判定の場合)、ステップS1704〜S1710にて、スピーカ64からチェリー用BGMを出力させるためのチェリー用BGM出力処理を行う。
チェリー用BGM出力処理において、ステップS1704では、ベースBGMの音量調整処理を行う。この処理では、ベースBGMを音量レベル0に設定することで、ベースBGMの再生は継続して行われている状態のまま、スピーカ64からのベースBGMの出力を停止させる。
ステップS1705では、主制御装置101から受信した停止図柄コマンドに基づいて、中リール32Mの停止態様を取得する。ここでは、中リール32Mについて、基点位置(下段)に停止している停止図柄を回転前図柄として取得する。
ステップS1706では、チェリー用BGMデータ群86aから中リール32Mの停止図柄に対応した音データを読み出す。ここで、チェリー用BGMデータ群86aは、第1音データ〜第7音データという7種類の音データを有しており、本処理では、これら音データのうち1つを再生用データとして選択する。なお、第1音データ〜第7音データを使用することで第1BGM〜第7BGMを再生可能になっており、これら第1BGM〜第7BGMは互いに異なる歌やメロディを有している。
チェリー用BGMデータ群86aの第1音データ〜第7音データは、中リール32Mの図柄に対応付けてROM83に記憶されている。中リール32Mにおける複数の図柄は、7つの図柄グループに分けられており、第1音データ〜第7音データのそれぞれが7つの図柄グループのいずれかに対応している。
図44に示すように、中リール32Mについては、中リール32Mが図柄を21個有していることによって、21通りの停止図柄が存在することになり、第1音データ〜第7音データに対してはそれぞれ3つの図柄が対応している。具体的には、図柄番号0の「青年」図柄、図柄番号1の「リプレイ」図柄及び図柄番号2の「赤ベル」図柄という3個の図柄により第1図柄グループが形成されており、この第1図柄グループには第1音データが対応付けられている。中リール32Mの回転開始前において、第1図柄グループの3つの図柄のいずれかが回転前図柄として基点位置に停止している場合には、第1音データが再生用データとして選択される。この場合、リール32L,32M,32Rの回転開始に合わせて第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力されることになる。
同様に、図柄番号3〜5の図柄により第2図柄グループが形成されており、この第2図柄グループには第2音データが対応付けられ、回転前図柄が第2図柄グループのいずれかである場合には、第2音データが再生用データとして選択される。図柄番号6〜8の図柄により第3図柄グループが形成されており、この第3図柄グループには第3音データが対応付けられ、回転前図柄が第3図柄グループのいずれかである場合には、第3音データが再生用データとして選択される。図柄番号9〜11の図柄により第4図柄グループが形成されており、この第4図柄グループには第4音データが対応付けられ、回転前図柄が第4図柄グループのいずれかである場合には、第4音データが再生用データとして選択される。
図柄番号12〜14の図柄により第5図柄グループが形成されており、この第5図柄グループには第5音データが対応付けられ、回転前図柄が第5図柄グループのいずれかである場合には、第5音データが再生用データとして選択される。図柄番号15〜17の図柄により第6図柄グループが形成されており、この第6図柄グループには第6音データが対応付けられ、回転前図柄が第6図柄グループのいずれかである場合には、第6音データが再生用データとして選択される。図柄番号18〜20の図柄により第7図柄グループが形成されており、この第7図柄グループには第7音データが対応付けられ、回転前図柄が第7図柄グループのいずれかである場合には、第7音データが再生用データとして選択される。
このように、各図柄グループにおいては、所属している図柄の数(3個)が、リール32L,32M,32Rの停止態様のパターン数(5つ)よりも少なくなっている。
図44の説明に戻り、ステップS1707では、主制御装置101から回転通知コマンドを受信したか否かを判定する。この判定処理は、リール32L,32M,32Rが回転を開始したか否かを判定する処理であり、回転通知コマンドを受信していない場合は、再びこの判定処理を行う。つまり、回転通知コマンドを受信するまでステップS1707の処理を繰り返し行う。そして、回転通知コマンドを受信した場合、リール32L,32M,32Rが回転を開始したとして、ステップS1708に進む。
ステップS1708では、選択した再生用データをアンプからスピーカ64に対して出力することでチェリー用BGMを再生する。この処理では、第1音データ〜第7音データのいずれが再生用データとして選択された場合でも、これら第1音データ〜第7音データに対応するチェリー用BGMの途中部分ではなく最初部分から再生を行う。例えば、チェリー用BGMが歌やメロディによる楽曲である場合には、その楽曲の最初部分から再生を行う。
ステップS1709では、そのチェリー用BGMの音量をアンプにより設定する。ここでは、チェリー用BGMを音量レベル4に設定する。この場合、既にベースBGMを音量レベル0に設定してあること(ステップS1704の処理)も併せて、スピーカ64から出力されるBGMをベースBGMからチェリー用BGMに切り替えることになる。
なお、この場合、スピーカ64からのベースBGMの出力はスタートレバー41の操作に合わせて停止され、チェリー用BGMの出力はリール32L,32M,32Rの回転開始に合わせて開始される。このため、スタートレバー41が操作されてからリール32L,32M,32Rが回転を開始するまでのある程度の待ち時間がある場合(ステップS1401の処理にてウェイト時間を確保している場合)には、スピーカ64からのベースBGMの出力が停止されてからチェリー用BGMが出力されるまでにある程度の待ち時間が存在することになる。
チェリー用BGMについて設定した音量レベル4は、ベースBGMの通常演出音の音量レベルよりも大きく、BB演出音やRT演出音の音量レベルよりも小さい。このため、スピーカ64から出力されるBGMが通常演出音(音量レベル3)からチェリー用BGM(音量レベル4)に切り替えられた場合、及びBB演出音又はRT演出音(音量レベル5)からチェリー用BGM(音量レベル4)に切り替えられた場合のいずれにおいても、スピーカ64から出力されるBGMの音量レベルが変更されることになる。したがって、遊技者は、スピーカ64からの出力音がベースBGMからチェリー用BGMに切り替えられたことに気付きやすくなる。
ステップS1710では、主制御装置101からチェリー用BGM停止コマンドを受信したか否かを判定する。この判定処理は、スタートレバー41の操作に伴ってゲームが開始された後に行う処理であり、そのゲームにおいてチェリー用BGM停止コマンドを受信していない場合は、再びこの判定処理を行う。つまり、チェリー用BGM停止コマンドを受信するまでステップS1710の判定処理を繰り返し行う。そして、チェリー用BGM停止コマンドを受信した場合に、ステップS1711に進む。
ここで、チェリー用BGM停止コマンドを受信する場合としては、チェリー入賞が成立した場合と、チェリー入賞が成立しないまま次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作された場合とが挙げられる。チェリー入賞が成立した場合は、遊技者が中ストップボタン43を適切なタイミングで操作して中リール32Mの「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができた場合(いわゆる目押しが成功した場合)である。一方、チェリー入賞が成立しないまま次のゲームが開始された場合は、遊技者が中ストップボタン43を適切でないタイミングで操作して中リール32Mの「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができなかった場合(目押しが失敗した場合)である。
ステップS1711では、チェリー用BGM停止処理を行う。この処理では、アンプからの再生用データの出力を停止させることで、スピーカ64からのチェリー用BGMの出力を停止させる。このため、中ストップボタン43の操作に伴ってチェリー入賞が成立した場合が、その中ストップボタン43が操作されたタイミングに合わせて、スピーカ64からのチェリー用BGMの出力が停止される。一方、チェリー入賞が成立しなかった場合は、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されたタイミングに合わせて、スピーカ64からのチェリー用BGMの出力が停止される。
ステップS1711の処理後、ステップS1701の処理に戻る。ここで、スピーカ64からのチェリー用BGMの出力を停止させた後、チェリー用BGMコマンド及び第1BB用BGMコマンドのいずれも受信していない場合(ステップS1701,S1702がいずれもNO判定の場合)、ステップS1703に進み、ベースBGMの出力処理を行うことで、ベースBGMの音量を音量レベル0から音量レベル3や音量レベル5に戻す。この場合、中ストップボタン43又はスタートレバー41が操作されることで、スピーカ64から出力されるBGMがチェリー用BGMからベースBGMに再び切り替えられることになる。
チェリー用BGMコマンドを受信せずに、第1BB用BGMコマンドを受信した場合(ステップS1702がYES判定の場合)、第1BB用BGMをスピーカ64から出力させるとして、ステップS1712〜S1724にて、スピーカ64から第1BB用BGMを出力させるための第1BB用BGM出力処理を行う。
第1BB用BGM出力処理において、ステップS1712では、ステップS1704と同様に、ベースBGMの音量調整処理を行うことで、ベースBGMの音量を音量レベル0に設定する。ステップS1713では、主制御装置101から受信した停止図柄コマンドに基づいて、リール32L,32M,32Rの全ての停止態様を取得する。ここでは、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、基点位置での回転前図柄を取得する。
ステップS1714では、左リール32Lの回転前図柄に対応した音データ、中リール32Mの回転前図柄に対応した音データ、及び右リール32Rの回転前図柄に対応した音データを、第1BB用BGMデータ群86bから読み出す。ここで、チェリー用BGMデータ群86aが7種類の音データを有していることと同様に、第1BB用BGMデータ群86bは、第1音データ〜第7音データという7種類の音データを有しており、本処理では、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて7種類の音データのうち1つを再生用データとして個別に選択する。なお、第1音データ〜第7音データを使用することで第1BGM〜第7BGMを第1BB用BGMとして再生可能になっており、これら第1BGM〜第7BGMは、互いに異なり且つチェリー用BGMデータ群86aによる第1BGM〜第7BGMとも異なる歌やメロディを有している。
第1BB用BGMデータ群86bの第1音データ〜第7音データは、リール32L,32M,32Rのそれぞれの図柄に対応付けてROM83に記憶されている。第1音データ〜第7音データとリール32L,32M,32Rの図柄との対応付けは、チェリー用BGMデータ群の第1音データ〜第7音データと中リール32Mの図柄との対応付けと同じように、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、21個の図柄を7つの図柄グループに分け、第1音データ〜第7音データが第1図柄グループ〜第7図柄グループのそれぞれに対応している。このため、音データと図柄との対応付けに関する詳細な説明は省略する。ただし、チェリー用BGMデータ群86aの第1音データ〜第7音データに対しては、中リール32Mの3個の図柄が対応付けされている一方で、第1BB用BGMデータ群86bの第1音データ〜第7音データに対しては、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて3個ずつ合計9個の図柄が対応付けされている。
ステップS1715では、ステップS1707と同様に、主制御装置101から回転通知コマンドを受信したか否かを判定する。回転通知コマンドを受信するまでこの判定処理を繰り返し行い、回転通知コマンドを受信した場合、リール32L,32M,32Rが回転を開始したとして、ステップS1716に進む。
ステップS1716では、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対して個別に選択した再生用データをアンプからスピーカ64に対して出力することで、3種類の第1BB用BGMを再生する。この場合、左リール32L用の第1BB用BGM、中リール32M用の第1BB用BGM、右リール32R用の第1BB用BGMという3つの第1BB用BGMを同時に再生することになる。また、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、第1音データ〜第7音データのいずれが選択された場合でも、これら第1音データ〜第7音データに対応する第1BB用BGMの途中部分ではなく最初部分から再生を行う。例えば、第1BB用BGMが歌やメロディによる楽曲である場合には、その楽曲の最初部分から再生を行う。
ステップS1717では、左リール32Lのための第1BB用BGMの音量設定を行う。この処理では、左リール32L用の第1BB用BGMについて、音量を音量レベル4に設定する一方で、中リール32M用の第1BB用BGM及び右リール32R用の第1BB用BGMについて、音量をそれぞれ音量レベル0に設定する。この場合、スタートレバー41が操作されることで、スピーカ64から出力されるBGMをベースBGMから左リール32L用の第1BB用BGMに切り替えることになる。
なお、スピーカ64からのベースBGMの出力はスタートレバー41の操作に合わせて停止され、左リール32L用の第1BB用BGMの出力はリール32L,32M,32Rの回転開始に合わせて開始されるため、スタートレバー41が操作されてからリール32L,32M,32Rが回転を開始するまでのある程度の待ち時間がある場合(ステップS1401の処理にてウェイト時間を確保している場合)には、スピーカ64からのベースBGMの出力が停止されてから左リール32L用の第1BB用BGMが出力されるまでにある程度の待ち時間が存在することになる。
左リール32L用の第1BB用BGMについて設定した音量レベル4は、チェリー用BGMについて音量レベル4を設定した場合と同様に、ベースBGMの通常演出音の音量レベルよりも大きく、BB演出音やRT演出音の音量レベルよりも小さい。このため、スピーカ64から出力されるBGMが通常演出音(音量レベル3)から左リール32L用の第1BB用BGM(音量レベル4)に切り替えられた場合、及びBB演出音又はRT演出音(音量レベル5)から左リール32L用の第1BB用BGM(音量レベル4)に切り替えられた場合のいずれにおいても、スピーカ64から出力されるBGMの音量レベルが変更されることになる。したがって、遊技者は、スピーカ64からの出力音がベースBGMから左リール32L用の第1BB用BGMに切り替えられたことに気付きやすくなる。
ステップS1718では、左リール32Lで有効ライン上に図柄番号3の「青7」図柄(第1BB図柄)が停止したか否かを判定する。この判定処理は、スタートレバー41の操作に伴ってゲームが開始された後に行う処理であり、左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合としては、ゲーム開始後において左ストップボタン42が操作されていない場合(左リール32Lが回転中である場合)と、左ストップボタン42の操作された後において左リール32Lで有効ライン上の停止図柄が「青7」図柄でない場合(目押しが失敗した場合)とが挙げられる。左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合、ステップS1719に進む。
なお、ステップS1718では、左リール32Lの回転が第1停止指令によって停止したか否かの判定も行う。リール32L,32M,32Rのうち左リール32Lが2番目以降に停止した場合には、左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止していたとしても、左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合と同様に、ステップS1719に進む。
ステップS1719では、主制御装置101から第1BB用BGM停止コマンドを受信したか否かを判定する。この判定処理は、1つのゲームにおいてステップS1718の判定処理に続いて行われる処理であり、そのゲームにおいて第1BB用BGM停止コマンドを受信していない場合は、再びステップS1718の判定処理に戻る。第1BB用BGM停止コマンドを受信するよりも前に左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止した場合、つまり、遊技者が左リール32Lの目押しに成功した場合、ステップS1718からステップS1720に進む。なお、遊技者が左リール32Lの目押しに失敗した場合については後述する。
ステップS1720では、中リール32Mのための第1BB用BGMの音量設定を行う。この処理では、中リール32M用の第1BB用BGMについて、音量を音量レベル4に設定する一方で、左リール32L用の第1BB用BGM及び右リール32R用の第1BB用BGMについて、音量をそれぞれ音量レベル0に設定する。この場合、中ストップボタン43が操作されることで、スピーカ64から出力されるBGMを左リール32L用の第1BB用BGMから中リール32M用の第1BB用BGMに切り替えることになる。
ステップS1721では、中リール32Mで有効ライン上に図柄番号6の「青7」図柄(第1BB図柄)が停止したか否かを判定する。この判定処理は、ゲーム開始後に左リール32Lの目押しが成功した場合に行われる処理であり、中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合としては、左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止した状態で、中ストップボタン43が操作されていない場合(中リール32Mが回転中である場合)と、中ストップボタン43の操作が行われた後において中リール32Mで有効ライン上の停止図柄が「青7」図柄でない場合とが挙げられる。中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合、ステップS1722に進む。
なお、ステップS1721では、中リール32Mの回転が第2停止指令によって停止したか否かの判定を行う。リール32L,32M,32Rのうち中リール32Mが3番目に停止した場合には、中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止していたとしても、中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止していない場合と同様に、ステップS1722に進む。
ステップS1722では、主制御装置101から第1BB用BGM停止コマンドを受信したか否かを判定する。この判定処理は、1つのゲームにおいてステップS1721の判定処理に続いて行われる処理であり、そのゲームにおいて第1BB用BGM停止コマンドを受信していない場合は、再びステップS1721の判定処理に戻る。第1BB用BGM停止コマンドを受信するよりも前に中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止した場合、つまり、遊技者が中リール32Mの目押しに成功した場合、ステップS1721からステップS1723に進む。なお、遊技者が左リール32Lの目押しに失敗した場合については後述する。
ステップS1723では、右リール32Rのための第1BB用BGMの音量設定を行う。この処理では、右リール32R用の第1BB用BGMについて、音量を音量レベル4に設定する一方で、左リール32L用の第1BB用BGM及び中リール32M用の第1BB用BGMについて、音量をそれぞれ音量レベル0に設定する。この場合、右ストップボタン44が操作されることで、スピーカ64から出力されるBGMを中リール32M用の第1BB用BGMから右リール32R用の第1BB用BGMに切り替えることになる。
ステップS1724では、主制御装置101から第1BB用BGM停止コマンドを受信したか否かを判定する。この判定処理は、ゲーム開始後に左リール32L及び中リール32Mの各目押しが成功した場合に行われる処理であり、そのゲームにおいて第1BB用BGM停止コマンドを受信していない場合は、再びこの判定処理を行う。つまり、第1BB用BGM停止コマンドを受信するまでステップS1724の判定処理を繰り返し行う。そして、第1BB用BGM停止コマンドを受信した場合に、ステップS1725に進む。
ここで、左リール32L及び中リール32Mの両方で有効ライン上に「青7」図柄が停止している状態では、右ストップボタン44が操作されること、又はスタートレバー41の操作に伴って次のゲームが開始されることで、第1BB用BGM停止コマンドを受信することになる。右ストップボタン44が操作されることで第1BB用BGM停止コマンドを受信する場合は、右リール32Rの図柄番号3の「青7」図柄(第1BB図柄)が有効ライン上に停止して第1BB入賞が成立した場合、つまり、遊技者が右リール32Rの目押しに成功した場合である。一方、次のゲームが開始されることで第1BB用BGM停止コマンドを受信する場合は、第1BB入賞が成立しなかった場合、つまり、遊技者が右リール32Rの目押しに失敗した場合である。
ステップS1724にて第1BB用BGM停止コマンドを受信した場合、ステップS1725に進み、第1BB用BGM停止処理を行う。この処理では、アンプからの再生用データの出力を停止させることで、左リール32L用の第1BB用BGM、中リール32M用の第1BB用BGM及び右リール32R用の第1BB用BGMの再生を全て停止させる。このため、右リール32Rの目押しが成功して第1BB入賞が成立した場合は、右ストップボタン44が操作されたタイミングに合わせて、スピーカ64からの右リール32R用の第1BB用BGMの出力が停止される。一方、右リール32Rの目押しが失敗して第1BB入賞が成立しなかった場合は、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されたタイミングに合わせて、スピーカ64からの右リール32R用の第1BB用BGMの出力が停止される。
また、左リール32L用の第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている状態で、左リール32Lについて「青7」図柄の目押しが失敗し、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されることで第1BB用BGM停止コマンドを受信した場合(ステップS1719がYES判定の場合)も、ステップS1725に進み、第1BB用BGM停止処理を行う。これにより、スピーカ64からの左リール32L用の第1BB用BGMの出力が停止される。この場合、スピーカ64から出力されるBGMを左リール32L用の第1BB用BGMから中リール32M用や右リール32R用の第1BB用BGMに切り替える処理(ステップS1720,S1723の処理)が行われないため、リール32L,32M,32Rの全てが停止して次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されるまで、左リール32L用の第1BB用BGMが継続して出力されることになる。
さらに、左リール32Lについて「青7」図柄の目押しが成功した後、中リール32M用の第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている状態で、中リール32Mについて「青7」図柄の目押しが失敗し、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されることで第1BB用BGM停止コマンドを受信した場合(ステップS1722がYES判定の場合)も、ステップS1725に進み、第1BB用BGM停止処理を行う。これにより、スピーカ64からの中リール32M用の第1BB用BGMの出力が停止される。この場合、スピーカ64から出力されるBGMを中リール32M用の第1BB用BGMから右リール32R用の第1BB用BGMに切り替える処理(ステップS1723の処理)が行われないため、リール32L,32M,32Rの全てが停止して次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されるまで、中リール32M用の第1BB用BGMが継続して出力されることになる。
加えて、リール32L,32M,32Rが、左リール32L→中リール32M→右リール32Rの順番で停止するようにストップボタン42〜44が左から順番に操作されることを「順押し」と称し、この順押しとは異なる順番でストップボタン42〜44が操作されることを「変則押し」と称すれば、「変則押し」が行われた場合には、リール32L,32M,32Rの目押しが成功したか否かに関係なく、左リール32L用の第1BB用BGM又は中リール32M用の第1BB用BGMが、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されるまで継続して出力されることになる。
例えば、「変則押し」として、右リール32R→中リール32M→左リール32Lの順番で停止するように、「順押し」とは逆の順番でストップボタン42〜44が操作された場合、左リール32Lが回転中である場合は、仮に右リール32Rや中リール32Mで有効ライン上に「青7」図柄が停止したとしても、ステップS1718にてNO判定を繰り返し行う。その後、左リール32Lの回転が停止された場合に、その左リール32Lで有効ライン上の停止図柄が「青7」図柄であったとしても、左リール32Lの停止順が右リール32R及び中リール32Mに続いて3番目であるため、ステップS1718からステップS1720ではなくステップS1719に進むことになる。この場合、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されるまで、ステップS1718,S1719の処理が繰り返し行われることで、スピーカ64からは左リール32L用の第1BB用BGMが継続して出力される。
また、「変則押し」として、左リール32L→右リール32R→中リール32Mの順番で停止するように、ストップボタン42〜44が操作された場合は、左リール32Lの停止順が中リール32M及び右リール32Rよりも早い1番目になる。このため、左リール32Lで有効ライン上に「青7」図柄が停止することで、ステップS1718からステップS1720に進み、スピーカ64から出力されるBGMを左リール32L用の第1BB用BGMから中リール32M用の第1BB用BGMに切り替える。そして、中リール32Mが回転中である場合は、仮に右リール32Rで有効ライン上に「青7」図柄が停止したとしても、ステップS1721にてNO判定を繰り返し行う。その後、中リール32Mの回転が停止された場合に、その中リール32Mで有効ライン上の停止図柄が「青7」図柄であったとしても、中リール32Mの停止順が左リール32L及び右リール32Rに続いて3番目であるため、ステップS1721からステップS1723ではなくステップS1722に進むことになる。この場合、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されるまで、ステップS1721,S1722の処理が繰り返し行われることで、スピーカ64からは中リール32M用の第1BB用BGMが継続して出力される。
中リール32Mの回転態様とチェリー用BGMとの関係について、図45〜図47を参照しつつ説明する。図45は中ストップボタン43の操作タイミングと中リール32Mの停止態様との関係を示す図、図46は中リール32Mの回転態様とチェリー用BGMとの関係を示す図、図47はベースBGMとチェリー用BGMとの関係を示す図である。なお、図47には、チェリー用BGMとして選択可能な第1BGM、第3BGM及び第6BGMを図示している。また、図46、図47においては、歌詞やメロディのタイミングをポイントとして丸印で示しており、大丸を目立ちポイントCPとし、小丸をそれ以外のポイントとしている。
まず、中リール32Mの回転態様について説明する。演出制御装置81のBGM演出処理においてチェリー用BGMコマンドを受信した場合(ステップS1701の処理がYES判定の場合)、主制御装置101の抽選処理(特にステップS306の処理)においてチェリー当選フラグがセットされているため、中リール32Mの回転に合わせて中ストップボタン43が適切なタイミングで操作されることで、図柄番号12又は図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止し、チェリー入賞が成立する。
チェリー入賞を成立させるための中ストップボタン43の適切な操作タイミングとしては、図45(a)に示すように、中リール32Mにおいて図柄番号16の「赤7」図柄が基点位置に到達するタイミング(図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に到達するタイミング)が挙げられる。このタイミングで中ストップボタン43が操作されると、中リール32Mは1図柄分も滑ることなくそのまま停止する。この場合、図45(b)に示すように、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止し、チェリー入賞が成立する。つまり、遊技者が目押しを成功させることができる。図柄番号16の「赤7」図柄のように、基点位置に到達したタイミングで中ストップボタン43が操作されることで、中リール32Mが1図柄分も滑ることなく停止する図柄を、ゼロ滑り図柄と称する。また、ゼロ滑り図柄が基点位置に到達したタイミングをゼロ滑りタイミングと称する。
遊技者がゼロ滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作した場合、その操作タイミングが、図柄番号16の「赤7」図柄が基点位置に到達するタイミングより早い側にずれても、そのずれが4図柄分以内であれば、中リール32Mが1〜4図柄分滑った後に停止することで、チェリー入賞が成立する。このように、中リール32Mが1〜4図柄分滑った後に停止することでチェリー入賞が成立する場合に、中ストップボタン43が操作されたタイミングで基点位置にあった図柄を第1滑り図柄〜第4滑り図柄と称する。また、第1滑り図柄〜第4滑り図柄が基点位置に到達するタイミングを第1滑りタイミング〜第4滑りタイミングと称する。
例えば、図45(c)に示すように、中リール32Mにおいて図柄番号12の「チェリー」図柄が基点位置に到達するタイミングで中ストップボタン43が操作された場合でも、中リール32Mが4図柄分滑った後に停止することで、図45(b)に示すチェリー入賞が成立する。この場合、図柄番号12の「チェリー」図柄が第4滑り図柄に相当し、この第4滑り図柄が基点位置に到達するタイミングが第4滑りタイミングであり、中ストップボタン43が第4滑りタイミングで操作されたことになる。
また、図45(d)に示すように、中リール32Mにおいて図柄番号14の「リプレイ」図柄が基点位置(下段)に到達するタイミング(「赤7」図柄が上段に到達するタイミング)で中ストップボタン43が操作された場合、中リール32Mが2図柄分滑った後に停止することで、図45(b)に示すチェリー入賞が成立する。この場合、図柄番号14の「リプレイ」図柄が第2滑り図柄に相当し、この第2滑り図柄が基点位置に到達するタイミングが第2滑りタイミングであり、中ストップボタン43が第2滑りタイミングで操作されたことになる。
なお、詳細な説明は省略するが、中リール32Mにおいては、図柄番号15の「白ベル」図柄が第1滑り図柄に相当し、この第1滑り図柄が基点位置に到達するタイミングが第1滑りタイミングである。また、図柄番号13の「青年」図柄が第3滑り図柄に相当し、この第3滑り図柄が基点位置に到達するタイミングが第3滑りタイミングである。
このように、中リール32Mの図柄番号17の「チェリー」図柄を対象として、チェリー入賞を成立させることができる中ストップボタン43の操作タイミングについては、基点位置を5図柄が通過する分の許容期間が設定されている。
ちなみに、本実施形態の中リール32Mは、「チェリー」図柄を図柄番号17に加えて図柄番号12も有しており、仮に中ストップボタン43の操作タイミングが第4滑りタイミングより早い側にずれても、そのずれが5図柄分までなら、中リール32Mの有効ライン上に図柄番号12の「チェリー」図柄が停止するようになっている。
ここで、「赤7」図柄は、中リール32Mの回転中でも他の図柄に対して人の目で判別しやすい色や形状になっている。このため、遊技者にとっては、「チェリー」図柄が所定位置(有効ライン上や基点位置)に到達するタイミングを狙って中ストップボタン43を操作するよりも、「赤7」図柄が所定位置に到達するタイミングを狙って中ストップボタン43を操作する方が容易になる。
中リール32Mにおいて、ゼロ滑りタイミングは、「赤7」図柄が基点位置(下段)に到達するタイミングであり、第1滑りタイミングは、「赤7」図柄が有効ライン上(中段)に到達するタイミングであり、第2滑りタイミングは、「赤7」図柄が上段に到達するタイミングである。一方、第3滑りタイミング及び第4滑りタイミングは、「赤7」図柄が上段、中段及び下段のいずれにも到達しないタイミングである。したがって、遊技者にとっては、ゼロ滑りタイミング、第1滑りタイミング及び第2滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作することは、第3滑りタイミング及び第4滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作することに比べて難易度が低いと考えられる。
遊技者がゼロ滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作しようとした場合、その操作タイミングが1図柄分でも遅くなると、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上を通過してしまい、チェリー入賞を成立させることができない。これに対して、遊技者が第1滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作しようとした場合、その操作タイミングが遅い側にずれてもそのずれが1図柄分までなら、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に到達するタイミングに間に合うため、チェリー入賞を成立させることができる。
また、遊技者が第2滑りタイミングを狙って中ストップボタン43を操作しようとした場合、その操作タイミングが遅い側にずれてもそのずれが2図柄分までなら、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に到達するタイミングに間に合うため、チェリー入賞を成立させることができる。しかも、第2滑りタイミングを狙った場合には、その操作タイミングが早い側にずれてもそのずれが2図柄分までなら、中リール32Mが最大4図柄分滑って停止するため、チェリー入賞を成立させることができる。このため、目押しを行う遊技者にとっては、第2滑りタイミングを狙って中ストップボタン43の操作を行うことで、目押しの成功確率を高めることができる。
次に、チェリー用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMについて説明する。第1BGM〜第7BGMは、所定長さ(例えば1分)を有する歌やメロディであり、チェリー用BGM停止コマンドが出力されるまで繰り返して再生が行われるようになっている。
第1BGM〜第7BGMは、一連の流れやストーリー性を有する歌やメロディの中で他の部分よりも目立つ目立ちポイントCP1〜CP7を有している。目立ちポイントCP1〜CP7は、チェリー用BGMのサビや特徴的なフレーズに含まれており、掛け声や叫ぶように歌う声、打楽器の強打音などである。遊技者にとっては、チェリー用BGMが有名な曲であることや、遊技に伴ってチェリー用BGMを繰り返し聞いていることなどに起因して、チェリー用BGMの中のどのタイミングで目立ちポイントが出力されるのかを予測しやすくなっている。目立ちポイントCP1〜CP7は、第1BGM〜第7BGMのそれぞれにおいて少なくとも1つ含まれている。第1BGM〜第7BGMを同時に再生開始した場合、これらチェリー用BGMの各目立ちポイントCP1〜CP7は、互いに重複しないタイミングで出力されるようになっている。
例えば、第1BGMは、図46に示すように、目立ちポイントCP1を複数(例えば3つ)有しており、第1BGMが開始タイミングt0にて出力(再生)開始された場合、目立ちポイントCP1は、目立ちタイミングt1〜t3のそれぞれにおいて出力されるようになっている。開始タイミングt0から目立ちタイミングt1までの期間や、目立ちタイミングt1〜t3の間の期間は、ある程度の長さ(例えば数秒〜十数秒)が確保されている。
中リール32Mが回転している場合、第1BGMの目立ちタイミングt1〜t3のたびに同じ図柄が基点位置に到達するようになっている。ここで、第1BGMにおいては、開始タイミングt0から目立ちタイミングt1〜t3までの期間が不変であるため、目立ちタイミングt1〜t3にて基点位置に到達する図柄は、開始タイミングt0(中リール32Mの回転開始前)にて基点位置にある図柄に応じて変化する。
例えば、開始タイミングt0において、図柄番号0の「青年」図柄が基点位置にある場合、第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力され、目立ちタイミングt1〜t3のたびに図柄番号13の「青年」図柄が基点位置に到達する。この場合、図柄番号13の「青年」図柄が第3滑り図柄であるため、目立ちタイミングt1〜t3がいずれも第3滑りタイミングに一致することになる。
また、開始タイミングt0において、図柄番号1の「リプレイ」図柄が基点位置にある場合、図柄番号0の「青年」図柄が基点位置にある場合と同様に、第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力される。その一方で、図柄番号13の「青年」図柄ではなく、図柄番号14の「リプレイ」図柄が、目立ちタイミングt1〜t3のたびに基点位置に到達する。この場合、図柄番号14の「リプレイ」図柄が第2滑り図柄であるため、目立ちタイミングt1〜t3がいずれも第2滑りタイミングに一致することになる。
さらに、開始タイミングt0において、図柄番号2の「赤ベル」図柄が基点位置にある場合、図柄番号0の「青年」図柄及び図柄番号1の「リプレイ」図柄が基点位置にある場合と同様に、第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力される。その一方で、図柄番号13の「青年」図柄や図柄番号14の「リプレイ」図柄ではなく、図柄番号15の「白ベル」図柄が、目立ちタイミングt1〜t3のたびに基点位置に到達する。この場合、図柄番号15の「白ベル」が第1滑り図柄であるため、目立ちタイミングt1〜t3がいずれも第1滑りタイミングに一致することになる。
第1BGMに対応付けられた図柄番号0〜2の各図柄については、目立ちタイミングt1〜t3が第1滑りタイミングに一致する場合(第1BGMの目立ちポイントCP1に合わせて第1滑り図柄が基点位置に到達する場合)に、開始タイミングt0において基点位置での回転前図柄になっている図柄番号2の「赤ベル」図柄を、第1滑り開始図柄と称する。また、目立ちポイントCP1に合わせて第2滑り図柄が基点位置に到達する場合に、開始タイミングt0において回転前図柄になっている図柄番号1の「リプレイ」図柄を第2滑り開始図柄と称し、目立ちポイントCP1に合わせて第3滑り図柄が基点位置に到達する場合に、開始タイミングt0において回転前図柄になっている図柄番号0の「青年」を第1滑り開始図柄と称する。
第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力されている場合、回転前図柄が第1滑り開始図柄〜第3滑り開始図柄のいずれであっても、遊技者は、第1BGMの目立ちポイントCP1に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、図柄番号17の「チェリー」図柄を狙った目押しを第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかにて行うことになる。
上述したように、第2BGM〜第7BGMにも、図柄番号3〜20の各図柄が3つずつ対応付けられている。第2BGM〜第7BGMについても、第1BGMと同様に、これらBGMに対応する図柄グループの3つの図柄のうち、図柄番号が最も大きい図柄が第1滑り開始図柄に該当し、図柄番号が次に大きい図柄が第2滑り開始図柄に該当し、図柄番号が最も小さい図柄が第3滑り開始図柄に該当している。したがって、第2BGM〜第7BGMのいずれかがチェリー用BGMとしてスピーカ64出力されている場合でも、第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力されている場合と同様に、遊技者は、第2BGM〜第7BGMの目立ちポイントCP2〜CP7に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、図柄番号17の「チェリー」図柄を狙った目押しを第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかにて行うことになる。
図47に示すように、開始タイミングt0における回転前図柄が図柄番号1の「リプレイ」図柄である場合、リール32L,32M,32Rの回転開始に合わせて、第1BGMがチェリー用BGMとしてスピーカ64から出力される。開始タイミングt0よりも前においては、ベースBGMがスピーカ64から出力されている。この状態で、ベースBGMの音量調整処理(ステップS1704の処理)が行われることで、開始タイミングt0に合わせて、スピーカ64から出力されるBGMがベースBGMからチェリー用BGMに切り替えられる。
なお、図47においては、ベースBGM及びチェリー用BGMを、スピーカ64から出力されている期間では実線で図示し、再生が行われているものの音量レベル0に設定されていることでスピーカ64から出力されない期間では破線で図示している。
開始タイミングt0において回転前図柄になっていた図柄番号1の「リプレイ」図柄は、第1図柄グループの第2滑り開始図柄である。このため、第1滑り図柄としての図柄番号14の「リプレイ」図柄が、第1BGMの目立ちポイントCP1に合わせて基点位置に到達するようになっている。この場合、遊技者は、第1BGMの目立ちポイントCP1に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、図柄番号17の「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができる。
第1BGMにおいては、複数(例えば3つ)の目立ちポイントCP1がそれぞれ目立ちタイミングt1〜t3にて出力されるようになっている。そして、この目立ちタイミングt1〜t3のいずれかに合わせて中ストップボタン43が操作されて「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合(中リール32Mの目押しが成功した場合)、チェリー用BGM停止処理(ステップS1711の処理)が行われる。これにより、チェリー用BGMの再生が停止されることで、スピーカ64からの第1BGM(チェリー用BGM)の出力が停止される。また、この場合、ベースBGMの出力が再開され、スピーカ64から出力されるBGMがチェリー用BGMからベースBGMに切り替えられる。
例えば、図47のように目立ちタイミングt3に合わせて中ストップボタン43が操作されて「チェリー」が有効ライン上に停止した場合、目立ちタイミングt3に合わせて出力BGMがチェリー用BGMからベースBGMに切り替えられる。
一方、中リール32Mが停止してもチェリー入賞が成立しなかった場合には、次のゲームの開始に合わせて、スピーカ64から出力されるBGMがチェリー用BGMからベースBGMに切り替えられる。
次に、第1BGM〜第7BGMにおいては、目立ちポイントCPが出力されるタイミングが互いに異なっていることを、第3BGM及び第6BGMを用いて説明する。
例えば、第3BGMの目立ちポイントCP3は、目立ちタイミングt1〜t3とは異なる目立ちタイミングt4,t5にて出力される。ここで、開始タイミングt0において回転前図柄が図柄番号6の「青7」図柄である場合、この「青7」図柄が第3図柄グループの第3滑り開始図柄であることに起因して、スピーカ64から第3BGMがチェリー用BGMとして出力されるとともに、目立ちタイミングt4,t5のそれぞれに合わせて図柄番号13の「青年」図柄(第3滑り図柄)が中リール32Mの基点位置に到達することになる。
また、第6BGMの目立ちポイントCP6は、目立ちタイミングt1〜t5とは異なる目立ちタイミングt6,t7にて出力される。ここで、開始タイミングt0において回転前図柄が図柄番号17の「チェリー」図柄である場合、この「チェリー」図柄が第6図柄グループの第1滑り開始図柄であることに起因して、スピーカ64から第6BGMがチェリー用BGMとして出力されるとともに、目立ちタイミングt6,t7のそれぞれに合わせて図柄番号15の「白ベル」図柄(第5滑り図柄)が中リール32Mの基点位置に到達することになる。
次に、リール32L,32M,32Rの回転態様と第1BB用BGMとの関係について、図48を参照しつつ説明する。図48は第1BB用BGMとベースBGMと複数の第1BB用BGMとの関係を示す図である。なお、図48においては、図46、図47と同様に、歌詞やメロディのタイミングをポイントとして丸印で示しており、大丸を目立ちポイントCPとし、小丸をそれ以外のポイントとしている。
まず、リール32L,32M,32Rの回転態様について説明する。演出制御装置81のBGM演出処理において第1BB用BGMコマンドを受信した場合(ステップS1702の処理がYES判定の場合)、主制御装置101の抽選処理(特にステップS306の処理)において第1BB当選フラグがセットされているため、リール32L,32M,32Rの回転に合わせてストップボタン42〜44が適切なタイミングで操作されることで、リール32L,32M,32Rのそれぞれにおいて有効ライン上に「青7」図柄が停止し、第1BB入賞が成立する。
有効ラインのうち、例えば第4ラインL4上に「青7」図柄を停止させる場合のストップボタン42〜44の操作タイミングについては、中リール32Mの有効ライン上に「チェリー」図柄を停止させる場合の中ストップボタン43の操作タイミングと同様に、ゼロ滑りタイミング、第1滑りタイミング〜第4滑りタイミングを含む許容期間が個別に設定されている。このため、ゼロ滑りタイミング、第1滑りタイミング〜第4滑りタイミングのいずれかでストップボタン42〜44が操作されると、リール32L,32M,32Rにおいて第4ライン上に「青7」図柄が停止する。
なお、本実施形態の左リール32L及び右リール32Rにおいては有効ラインが上段及び下段の両方に設定されていることに起因して、左ストップボタン42や右ストップボタン44の操作タイミングがゼロ滑りタイミングより遅い側にずれても、そのずれが2図柄分までなら、左リール32Lや右リール32Rの有効ライン上に「青7」図柄が停止するようになっている。
第1BB用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMは、チェリー用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMと同様に、所定長さ(例えば1分)を有する歌やメロディであり、第1BB用BGM停止コマンドが出力されるまで繰り返して再生が行われるようになっている。また、これら第1BGM〜第7BGMは、チェリー用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMと同様に、目立ちポイントBP1〜BP7を有しており、この目立ちポイントBP1〜BP7は、第1BGM〜第7BGMのそれぞれにおいて少なくとも1つ含まれている。第1BGM〜第7BGMを第1BB用BGMとして同時に再生開始した場合、これら第1BGM〜第7BGMの目立ちポイントBP1〜BP7は、互いに重複しないタイミングで出力されるようになっている。
また、チェリー用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMに対して第1図柄グループ〜第7図柄グループが対応付けされていることと同様に、第1BB用BGMとして選択可能な第1BGM〜第7BGMに対しては、リール32L,32M,32Rのそれぞれにおいて、第1図柄グループ〜第7図柄グループが対応付けされている。各図柄グループの3つの図柄のうち、図柄番号が最も大きい図柄が第1滑り開始図柄に該当し、図柄番号が次に大きい図柄が第2滑り開始図柄に該当し、図柄番号が最も小さい図柄が第3滑り開始図柄に該当する。
このため、第1BGM〜第7BGMのいずれかが第1BB用BGMとしてスピーカ64から出力されている場合、リール32L,32M,32Rの回転前図柄が第1滑り開始図柄〜第3滑り開始図柄のいずれであっても、遊技者は、第1BGM〜第7BGMの目立ちポイントBP1〜BP7に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、「青7」図柄を狙った目押しを第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかにて行うことになる。
例えば、図48に示すように、開始タイミングt0における左リール32L、中リール32M、右リール32Rの回転前図柄が、それぞれ図柄番号18の「スイカ」図柄、図柄番号10の「赤ベル」図柄、図柄番号13の「スイカ」図柄である場合、リール32L,32M,32Rの回転開始に伴って、左リール32L、中リール32M、右リール32R用の各第1BB用BGMとして第7BGM、第4BGM、第5BGMが再生される。この場合、ストップボタン42〜44のいずれも操作されていない状態では、左リール32Lのための第1BB用BGMの音量設定処理(ステップS1717の処理)が行われるため、左リール32Lに対応した第7BGMが第1BB用BGMとしてスピーカ64から出力される一方で、中リール32M、右リール32Rに対応した第4BGM、第5BGMはスピーカ64から出力されない。
開始タイミングt0よりも前においては、ベースBGMがスピーカ64から出力されている。この状態で、ベースBGMの音量調整処理(ステップS1712の処理)が行われることで、開始タイミングt0に合わせて、スピーカ64から出力されるBGMがベースBGMから第1BB用BGMに切り替えられる。
なお、図48においては、ベースBGM及び各第1BB用BGMを、スピーカ64から出力されている期間では実線で図示し、再生が行われているものの音量レベル0に設定されていることでスピーカ64から出力されない期間では破線で図示している。
左リール32Lについて、開始タイミングt0で基点位置に停止していた図柄番号18の「スイカ」図柄は、第7図柄グループの第3滑り開始図柄である。このため、第3滑り図柄としての図柄番号0の「青年」図柄が、第7BGMの目立ちポイントBP7に合わせて基点位置に到達するようになっている。この場合、遊技者は、第7BGMの目立ちポイントBP7に合わせて左ストップボタン42を操作することで、結果として、図柄番号3の「青7」図柄(第1BB図柄)を第1ラインL1上に停止させることができる。
第7BGMにおいては、複数(例えば2つ)の目立ちポイントBP7のうちの1つが目立ちタイミングt11にて出力されるようになっている。そして、この目立ちタイミングt11に合わせて左ストップボタン42が操作されて「青7」図柄が第1ラインL1上に停止した場合(左リール32Lの目押しが成功した場合)、中リール32Mのための第1BB用BGMの音量設定処理(ステップS1720の処理)が行われる。これにより、中リール32Mに対応した第4BGMが第1BB用BGMとしてスピーカ64から出力開始される一方で、左リール32L、右リール32Rに対応した第7BGM、第5BGMはスピーカ64から出力されない状態になる。
中リール32Mについて、開始タイミングt0で基点位置に停止していた図柄番号10の「赤ベル」図柄は、第4図柄グループの第2滑り開始図柄である。このため、第2滑り図柄としての図柄番号3の「青年」図柄が、第4BGMの目立ちポイントBP4に合わせて基点位置に到達するようになっている。この場合、遊技者は、第4BGMの目立ちポイントBP4に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、図柄番号6の「青7」図柄(第1BB図柄)を第1ラインL1上に停止させることができる。
第4BGMにおいては、複数(例えば1つ)の目立ちポイントBP4のうち1つが目立ちタイミングt12にて出力されるようになっている。そして、この目立ちタイミングt12に合わせて中ストップボタン43が操作されて「青7」図柄が第1ラインL1上に停止した場合(中リール32Mの目押しが成功した場合)、右リール32Rのための第1BB用BGMの音量設定処理(ステップS1723の処理)が行われる。これにより、右リール32Rに対応した第5BGMが第1BB用BGMとしてスピーカ64から出力開始される一方で、左リール32L、中リール32Mに対応した第7BGM、第4BGMはスピーカ64から出力されない状態になる。
右リール32Rについて、開始タイミングt0で基点位置に停止していた図柄番号13の「スイカ」図柄は、第5図柄グループの第2滑り開始図柄である。このため、第2滑り図柄としての図柄番号1の「チェリー」図柄が、第5BGMの目立ちポイントBP5に合わせて基点位置に到達するようになっている。この場合、遊技者は、第5BGMの目立ちポイントBP5に合わせて右ストップボタン44を操作することで、結果として、図柄番号3の「青7」図柄(第1BB図柄)を第1ライン上に停止させることができる。
第5BGMにおいては、複数(例えば2つ)の目立ちポイントBP5のうち1つが目立ちタイミングt13にて出力されるようになっている。そして、この目立ちタイミングt13に合わせて右ストップボタン44が操作されて「青7」図柄が第1ラインL1条に停止した場合(右リール32Rの目押しが成功した場合)、第1BB用BGM停止処理(ステップS1725)の処理が行われる。これにより、左リール32L、中リール32M、右リール32Rに対応した第7BGM、第4BGM、第5BGMの再生が全て停止されることで、スピーカ64からの第1BB用BGMの出力が停止される。
ストップボタン42〜44が適切なタイミングで操作されることで第1BB入賞が成立した場合、ベースBGMの出力処理(ステップS1703の処理)が行われることで、目立ちタイミングt12に合わせて、スピーカ64から出力されるBGMが第1BB用BGMからベースBGMに切り替えられる。
一方、リール32L,32M,32Rが停止しても第1BB入賞が成立しなかった場合には、次のゲームでスタートレバー41が操作されるまで、第1BB用BGMがスピーカ64から継続して出力される。例えば、左リール32Lの目押しに失敗した場合には、次のゲームでスタートレバー41が操作されるまで、左リール32Lに対応した第7BGMが第1BB用BGMとしてスピーカ64から継続して出力される。順押しで中リール32Mの目押しに失敗した場合には、次のゲームでスタートレバー41が操作されるまで、中リール32Mに対応した第4BGMが第1BB用BGMとしてスピーカ64から継続して出力される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
チェリー抽選や第1BB抽選に当選した場合、ベースBGMに代えてチェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力されることがあるため、これらチェリー用BGMや第1BB用BGMにより演出効果を高めることができる。しかも、チェリー用BGMや第1BB用BGMは、それぞれ第1BGM〜第7BGMの中から選択されるものであるため、チェリー用BGMや第1BB用BGMが常に同じ種類である構成に比べて、演出の多様化を図ることができる。
チェリー用BGMや第1BB用BGMは、リール32L,32M,32Rの回転開始前における基点位置の回転前図柄に応じて選択されるため、チェリー用BGM及び第1BB用BGMのそれぞれについて、第1BGM〜第7BGMの中から「チェリー」図柄や「青7」図柄のとっての第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに合うものをチェリー用BGMや第1BB用BGMとして選択することができる。このため、遊技の初心者であっても、チェリー用BGMや第1BB用BGMのリズムに乗って目立ちポイントCP,BPに合わせてストップボタン42〜44を操作することで、結果として、チェリー入賞や第1BB入賞を成立させるための目押しを行うことになる。この場合、遊技者は、目押しを成功させたという達成感を持つことができるため、リール32L,32M,32Rの回転に合わせて行われる演出により遊技性を好適に高めることができる。
チェリー用BGMや第1BB用BGMは、リール32L,32M,32Rが回転開始する開始タイミングt0に合わせて出力開始されるため、チェリー用BGMや第1BB用BGMの目立ちポイントCP,BPが第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに対してずれることを抑制できる。また、チェリー用BGMや第1BB用BGMについては、それぞれの最初部分から再生が開始されるため、目立ちポイントCP,BPが第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに対してずれることをより確実に抑制できる。したがって、遊技者が目立ちポイントCP,BPに合わせて正確にストップボタン42〜44を操作したにもかかわらずチェリー入賞や第1BB入賞が成立しないということが生じにくくなっている。
チェリー用BGMや第1BB用BGMにおいては、目立ちポイントCP,BPが第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかに合わせて出力されるため、チェリー入賞や第1BB入賞が成立する確率を高めることができる。例えば、目立ちポイントCP,BPが第1滑りタイミングに合わせて出力される場合、遊技者がストップボタン42〜44を操作するタイミングが早い側にずれたとしても、そのずれが1図柄分までならチェリー入賞や第1入賞が成立可能になる。その一方で、目立ちポイントCP,BPがゼロ滑りタイミングに合わせて出力される構成では、遊技者がストップボタン42〜44を操作するタイミングが早い側にずれると、そのずれが1図柄分であってもチェリー入賞や第1入賞が成立しないことになる。
また、目立ちポイントCP,BPが第3滑りタイミングに合わせて出力される場合、遊技者がストップボタン42〜44を操作するタイミングが遅い側にずれたとしても、そのずれが1図柄分までならチェリー入賞や第1BB入賞が成立可能になる。その一方で、目立ちポイントCP,BPが第4滑りタイミングに合わせて出力される構成では、遊技者がストップボタン42〜44を操作するタイミングが遅い側にずれると、そのずれが1図柄分であってもチェリー入賞が第1入賞が成立しないことになる。
リール32L,32M,32Rについて、各図柄グループには3つの図柄が含まれているため、これら図柄のうちいずれかが回転前図柄になっていれば同一のチェリー用BGMや第1BB用BGMが出力されるようになっている。この場合、回転前図柄が異なる場合には常にチェリー用BGMや第1BB用BGMも異なるという構成に比べて、チェリー用BGMや第1BB用BGMとして選択可能なBGMの数が少なくなるため、ROM83を小容量化できる。これにより、設計負担やコスト負担を低減できる。
各図柄グループにおいては所属している図柄が3個ずつに設定されているため、回転前図柄がいずれの図柄グループに所属している場合でも、チェリー用BGMや第1BB用BGMの目立ちポイントCP,BPは第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかに合わせて出力されることになる。このため、チェリー用BGMや第1BB用BGMのリズムに乗ってストップボタン42〜44を操作したにもかかわらず回転前図柄によってチェリー入賞や第1BB入賞が成立する確率が著しく異なるということを抑制できる。したがって、遊技の初心者であっても、チェリー用BGMや第1BB用BGMのリズムに乗ってストップボタン42〜44を操作すればチェリー入賞や第1BB入賞が成立しやすくなるということを容易に察知できる。
チェリー用BGMがスピーカ64から出力されている状態で、チェリー入賞が成立した場合、中リール32Mが停止したタイミングに合わせてチェリー用BGMの出力が停止される一方で、チェリー入賞が成立しなかった場合には、中リール32Mが停止したタイミングではチェリー用BGMが停止しないため、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止することで特典が付与されることすら知らない初心者であっても、チェリー入賞が成立したか否かを察知することができる。
同様に、第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている状態で、「青7」図柄が有効ライン上に停止した場合、リール32L,32M,32Rが停止するたびにその停止タイミングに合わせてチェリー用BGMの切り替えが行われる一方で、「青7」図柄が有効ライン上に停止しなかった場合には、リール32L,32M,32Rが停止してもチェリー用BGMの切り替えが行われないため、「青7図柄」が有効ライン上に停止することが遊技を進める中で重要なことであることすら知らない初心者であっても、第1BB入賞が成立しつつあることや第1BB入賞が成立したことを察知することができる。
第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている状態では、「青7」図柄が有効ライン上に停止したとしても、ストップボタン42〜44が「順押し」で操作されていないとリール32L,32M,32Rごとの第1BB用BGMが出力されないようになっている。このため、遊技の初心者は、ストップボタン42〜44を左から順に「順押し」するという操作方法を知ることができる。
第1BB用BGM抽選に当選した場合、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応した第1BB用BGMの再生が一斉に開始されるため、これら第1BB用BGMの目立ちポイントCP,BPがリール32L,32M,32Rのそれぞれについて第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングのいずれかに合っているという状態をつくり出すことができる。このため、リール32L,32M,32Rが回転しているタイミングで第1BB用BGMの再生を開始する構成に比べて、目立ちポイントCP,BPが第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに合うように第1BB用BGMを再生開始する場合の処理が複雑になる、ということを回避できる。
リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応した3つの第1BB用BGMが再生されている場合でも、音量調整が行われることでいずれか1つの第1BB用BGMだけがスピーカ64から出力されるため、遊技者は第1BB用BGMを1つずつ判別して目立ちポイントBPを聞き取ることができる。このため、遊技の初心者であっても、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、「青7」図柄が有効ライン上に停止するタイミングでストップボタン42〜44を操作することが可能になる。
リール32L,32M,32Rが回転している状態で第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている場合、その第1BB用BGMはストップボタン42〜44が操作されるまでは停止しないため、例えばストップボタン42〜44が操作されたか否かに関係なく第1BB用BGMが所定期間(例えば3秒)だけ出力される構成とは異なり、第1BB用BGMが停止するまでにストップボタン42〜44を操作しようとする焦りを遊技者に与えることがない。この場合、遊技者は第1BB用BGMの目立ちポイントBPが出力されるタイミングを余裕をもって焦らずに待つことができるため、「青7」図柄を有効ライン上に停止させることの成功率を高めることができる。
チェリー抽選や第1BB抽選に当選した場合でも、チェリー用BGM抽選や第1BB用BGM抽選に当選しなければ、チェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力されないため、チェリー用BGMや第1BB用BGMが出力されない場合であっても、「チェリー」図柄や「青7」図柄が有効ライン上に停止することに対する期待感を遊技者に持たせることができる。このため、チェリー用BGMや第1BB用BGMが出力される構成としても、チェリー抽選や第1BB抽選に当選していない場合に遊技者の遊技意欲が低下するという事態が発生することを抑制できる。
チェリー用BGMや第1BB用BGMが目立ちポイントCP,BPを有しているため、例えば補助表示部65に表示される動画が目立ちポイントを有している構成とは異なり、遊技者はリール32L,32M,32Rから目を逸らすことなく目立ちポイントCP,BPの出力タイミングを知ることができる。このため、遊技の初心者にとっては、「チェリー」図柄や「青7」図柄が有効ライン上に到達するタイミングを把握しやすくなる。これは、目押しの感覚を養うことにもなる。
チェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている場合、スピーカ64からのベースBGMの出力が停止されるため、遊技者は、チェリー用BGMや第1BB用BGMをベースBGMに対して容易に判別することができる。また、チェリー用BGMや第1BB用BGMが出力されている期間においても、ベースBGMについては、再生が停止されるのではなく音量調整が行われているに過ぎないため、チェリー用BGMや第1BB用BGMの出力が停止された場合に、音量調整を行うという容易な処理を行うことで、スピーカ64からのベースBGMの出力を再開できる。この場合、遊技者は、ベースBGMにおいて、チェリー用BGMや第1BB用BGMの出力期間に重複する部分を聞くことができないため、その部分を含めてベースBGMの全体を聞くために目押しの技術を高めようとする意欲が駆り立てられることになる。つまり、遊技への意欲が駆り立てられることになる。
チェリー用BGMや第1BB用BGMは、BGM切替ボタン67がオン状態にある場合にスピーカ64から出力可能になるため、チェリー用BGMや第1BB用BGMが出力されるモードと、これらBGMが出力されないモードとを適宜使い分けることができる。例えば、遊技者が遊技の熟練者であれば、BGM切替ボタン67がオフ状態に切り替えられることで、チェリー用BGMや第1BB用BGMが出力されず、常にベースBGMが出力されることになる。ここで、チェリー用BGMや第1BB用BGMを利用してストップボタン42〜44の操作タイミングを知る必要がない熟練者にとっては、チェリー用BGMや第1BB用BGMを聞くことよりもベースBGMによる演出を楽しむことを優先することで、遊技を楽しむことができると考えられる。このため、BGM切替ボタン67が設けられていることで、チェリー用BGMや第1BB用BGMが必要な初心者と、これらBGMが不要な熟練者とのいずれにとっても遊技性の高い遊技を提供できる。
BGM切替ボタン67がスロットマシン10の前面に配置されているため、遊技者は遊技中であってもBGM切替ボタン67を容易に操作することができる。このため、普段はチェリー用BGMや第1BB用BGMを必要としない遊技者であっても、そのときの気分や目押しの調子などに合わせて、チェリー用BGMや第1BB用BGMを容易に出力させることができる。これにより、遊技の初心者か熟練者かということに関係なく、目押しを含めた遊技を容易に楽しむことができるスロットマシン10を提供できる。
チェリー用BGM及び第1BB用BGMは、ベースBGMとは異なる音量レベルに設定されるため、遊技者は、スピーカ64から出力されているBGMがベースBGMからチェリー用BGMや第1BB用BGMに切り替わったことを察知しやすくなる。また、チェリー用BGMと第1BB用BGMとで音量レベルが異なるため、遊技者は、ベースBGMに代えてスピーカ64から出力されているBGMがチェリー用BGM及び第1BB用BGMのいずれであるのかを察知しやすくなる。このため、遊技者は、常にBGMのリズムに乗ってストップボタン42〜44を操作するのではなく、チェリー抽選や第1BB抽選に当選した場合に限ってBGMのリズムに乗ってストップボタン42〜44を操作すればよくなり、ベースBGMによる演出や、補助表示部65での表示画像による演出などを楽しむことができる。
第1BB抽選に当選した場合には第1BB用BGMが出力可能になる一方で、第2BB抽選に当選した場合には第2BB用BGMといった特別BGMが出力されない。ここで、遊技者の技術が未熟である場合には、第1BB用BGMの目立ちポイントBPに合わせてストップボタン42〜44を操作することで第1BB入賞を成立させることはできても、第2BB入賞を成立させることについては、特別BGMによる手助けがないため目押しの成功率が低くなってしまうと考えられる。このように、第1BB入賞の成立と第2BB入賞の成立とで目押しの難易度に差異を生じさせることにより、第2BB入賞を成立させるという遊技意欲を駆り立てることができる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、チェリー用BGMや第1BB用BGMといった特別BGMをスピーカ64から出力することで特別演出を実行していたが、第2の実施形態では、所定の特別画像を補助表示部65に表示することで特別演出を実行するようになっている。第2の実施形態では、特別画像について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
演出制御装置81のROM83には、補助表示部65に各種画像を表示するための画像データ群が記憶されており、この画像データ群は、チェリー入賞の可能性がある場合に表示されるチェリー用画像のためのチェリー用画像データ群と、第1BB入賞の可能性がある場合に表示されるBB用画像のためのBB用画像データ群と、これらチェリー入賞及びBB入賞の可能性があるか否かに関係なく出力されるベース画像のためのベース画像データ群とを有している。これらチェリー用画像データ群やBB用画像データ群、BGM画像データ群により、それぞれ複数種類のチェリー用画像やBB用画像、ベース画像を補助表示部65に表示可能になっている。
チェリー用画像やBB用画像は、一連の流れやストーリー性を有する動画を構成するものであり、ベース画像とは異なる特別画像に相当する。ベース画像は、遊技中に連続的又は断続的に補助表示部65に表示される動画であり、チェリー用画像やBB用画像が補助表示部65に表示される場合には、ベース画像の表示が停止するようになっている。チェリー用画像データ群及びBB用画像データ群は、第1画像データ〜第7画像データという7種類の画像データをそれぞれ有しており、これら7種類の画像データのうち1つが再生用データとして選択されることで、チェリー用画像として選択可能な第1画像〜第7画像や、BB用画像として選択可能な第1画像〜第7画像が補助表示部65に表示される。
なお、チェリー用画像、BB用画像及びベース画像は、チェリー用BGM、第1BB用BGM及びベースBGMと同様に再生用データの再生処理及び出力処理が行われることで、補助表示部65に表示される。チェリー用画像やBB用画像が再生及び出力されることで補助表示部65にチェリー用画像やBB用画像が表示されている場合、ベース画像については、継続して再生されている状態で補助表示部65への表示が停止されている。
ここで、チェリー用画像として選択可能な第1画像〜第7画像のうち第1画像について、図49を参照しつつ説明する。図49は、中リール32Mの回転態様とチェリー用画像との関係を示す図である。
図49に示すように、開始タイミングt0における中リール32Mの回転前図柄が図柄番号1の「リプレイ」図柄である場合、第1画像がチェリー用画像として補助表示部65に表示される。この第1画像においては、開始タイミングt0にて、画像G1のように、3段に積み重ねられた円柱状の木片と、上段の木片に載置された「チェリー」図柄を模した像と、木槌を持った青年キャラクタとが表示される。そして、画像G2のように、青年キャラクタが下段の木片に狙いをつける様が表示され、画像G3のように、青年キャラクタが下段の木片を木槌で打ち抜く様が表示される。その後、画像G4のように、下段の木片が打ち抜かれて2段になった状態で、再び青年キャラクタが下段の木片を打ち抜く様が表示され、更に、画像G5のように、下段の木片が打ち抜かれて残り1段になった状態で、再び青年キャラクタがその木片を打ち抜く様が表示される。
第1画像においては、複数の木片を下から順番に打ち抜いていくというストーリーの中で、画像G5が目立つ目立ちポイントGPになっている。このように、第1画像は、目立ちポイントGPを1つだけ有しており、第1画像が開始タイミングt0にて表示開始された場合、目立ちポイントGPは、目立ちタイミングt21にて出力されるようになっている。また、目立ちタイミングt21においては、第1滑り図柄としての図柄番号14の「リプレイ」図柄が基点位置に到達するようになっている。この場合、遊技者は、画像G5が表示される目立ちタイミングt21に合わせて中ストップボタン43を操作することで、結果として、図柄番号17の「チェリー」図柄を有効ライン上に停止させることができる。
中ストップボタン43が操作されることで、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には、画像G6のように、残り1段の木片が打ち抜かれることで地面に落下した像が無地に着地する様が表示され、青年キャラクタがガッツポーズをしながらチェリー入賞の成立を教示する。一方、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止しなかった場合には、画像G7のように、残り1段の木片が打ち抜かれることで地面に落下した像が無地に着地できずに倒れてしまう様が表示され、青年キャラクタががっかりしたポーズをしながらチェリー入賞の不成立を教示する。
補助表示部65に画像G6,G7が表示された場合、補助表示部65においては、次のゲーム開始としてスタートレバー41が操作されるまで画像G6,G7を表示した状態が保持される。つまり、チェリー入賞が成立しても、第1の実施形態のように中ストップボタン43の操作タイミングに合わせてチェリー用BGMの出力が停止されるのではなく、次のゲーム開始まで画像G6,G7等がチェリー用画像として継続して表示される。
第2画像〜第7画像も、第1画像と同様に、一連の流れやストーリー性を有する動画を構成するものになっている。第2画像〜第7画像としては、ベルトコンベアの上に載って運ばれてくる「チェリー」図柄を模した食べ物が所定位置に到達するとキャラクタにより掴まれる動画や、キャラクタが所定の距離を走ってゴールする動画などが挙げられる。これらの動画の場合、キャラクタが食べ物を掴んだ時の画像や、キャラクタがゴールした時の画像が目立ちポイントGPに該当する。また、第1画像〜第7画像の各目立ちポイントGPは、互いに異なるタイミングで表示されるようになっている。
次に、BB用画像として選択可能な第1画像〜第7画像について簡単に説明する。リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応させて3つのBB用画像が表示される場合、補助表示部65の画面が3分割され、リール32L,32M,32Rの回転開始に合わせて3つのBB用画像が補助表示部65に同時に表示開始される。
例えば、左リール32L用のBB用画像として第1画像が選択され、中リール32M用のBB用画像として第2画像が選択され、右リール32R用のBB用画像として第3画像が選択された場合、補助表示部65においては、左から第1画像、第2画像、第3画像の順で横並びに表示される。この場合、遊技者は、第1画像の目立ちポイントに合わせて左ストップボタン42を操作し、第2画像の目立ちポイントに合わせて中ストップボタン43を操作し、第3画像の目立ちポイントに合わせて右ストップボタン44を操作することで、有効ライン上に3つの「青7」図柄を停止させることが可能になる。
なお、BB用画像が表示されている場合には、ストップボタン42〜44の押し順が指定されず、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応したBB用画像の目立ちポイントGPの出力タイミングにより、ストップボタン42〜44の押し順が決定されることになる。例えば、第2画像の目立ちポイントが最初に表示され、2番目に第3画像の目立ちポイントが表示され、最後に第1画像の目立ちポイントが表示された場合、遊技者は、最初に第2画像の目立ちポイントに合わせて中ストップボタン43を操作し、2番目に第3画像の目立ちポイントに合わせて右ストップボタン44を操作し、最後に第1画像の目立ちポイントに合わせて左ストップボタン42を操作することになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
チェリー抽選や第1BB抽選に当選した場合に、チェリー用画像や第1BB用画像が補助表示部65に表示されるため、遊技者は、チェリー用画像や第1BB用画像を視認している状態で、これらチェリー用画像や第1BB用画像から目立ちポイントGPが出力されるタイミングを計ることができる。このため、遊技の初心者であっても、ストップボタン42〜44を操作するタイミングを、目立ちポイントGPの出力タイミングに合わせることが比較的容易になる。
リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応した第1BB用画像が表示される場合、3つの第1BB用画像が横並びに配置されるため、遊技者は、3つの第1BB用画像のそれぞれについて目立ちポイントGPが出力されるタイミングを把握することができる。しかも、この場合、ストップボタン42〜44についての押し順が限定されないため、3つの第1BB用画像の中で目立ちポイントGPが最初に出力されるリール32L,32M,32Rについてストップボタン42〜44を操作すればよい。このため、3つの第1BB用画像が1つずつ順番に表示される構成に比べて、リール32L,32M,32Rの各目立ちポイントGPをまとめて把握することができる分だけ、第1BB入賞の成立についての成功率を高めることができる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、リール32L,32M,32Rの回転前図柄に応じて特別BGM(チェリー用BGMや第1BB用BGM)の種類が選択されるようになっていたが、第3の実施形態では、特別BGMの種類が選択されるのではなく、回転前図柄に応じて特別BGMの出力開始タイミングが可変設定されるようになっている。第3の実施形態では、BGM演出処理について、第1の実施形態との相違点を中心に、図50〜図52を参照しつつ説明する。図50はBGM演出処理を示すフローチャート、図51は中リール32Mの図柄と設定時間との対応関係を示す図、図52はベースBGMとチェリー用BGMとの出力期間の関係を示す図である。なお、本実施形態では、特別BGMとしてチェリー用BGMが出力されるようになっている。
本実施形態では、第1の実施形態のように中リール32Mの回転開始に合わせてチェリー用BGMの出力を開始するのではなく、中リール32Mの回転が開始された開始タイミングt0から遅れ期間Twだけ遅れたタイミングで、チェリー用BGMの出力を開始するようになっている。
図50において、ステップS1801〜S1804では、第1の実施形態のステップS1701,S1703〜S1705と同様の処理を行う。つまり、チェリー用BGMコマンドを受信した場合に、ベースBGMを音量レベル0に設定し、中リール32Mの回転前図柄を取得する。
ステップS1805では、遅れ期間Twを複数の設定時間の中から選択する。ここで、遅れ期間Twは、第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7という7種類の時間の中から選択することが可能になっており、これら第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7は、図51に示すように、第1図柄グループ〜第7図柄グループのそれぞれに対応している。第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7は、互いに異なる時間に設定されており、第1図柄グループ〜第7図柄グループに対応付けてROM83に記憶されている。例えば、第1設定時間Tw1は0.2secに設定され、第3設定時間は1secに設定されている。なお、第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7のいずれかは、ゼロに設定されていてもよい。
図50の説明に戻り、ステップS1806では、第1の実施形態のステップS1707と同様に、主制御装置101から回転通知コマンドを受信したか否かを判定する。回転通知コマンドを受信した場合、リール32L,32M,32Rが回転を開始したとして、ステップS1807に進む。
ステップS1807では、ベールBGMの出力が停止されてからチェリー用BGMが出力されるまでの間の繋ぎとして、繋ぎBGMの出力処理を行う。ここで、ROM83には、繋ぎBGMを出力するための繋ぎBGMデータが記憶されており、繋ぎBGMの出力処理では、繋ぎBGMデータをROM83から読み出し、この繋ぎBGMデータを用いて繋ぎBGMの再生及び音量設定を行う。この場合、既にベースBGMを音量レベル0に設定してあること(ステップS1803の処理)によって、スピーカ64から出力されるBGMをベースBGMから繋ぎBGMに切り替えることになる。なお、繋ぎBGMの音量については音量レベル4に設定する。また、繋ぎBGMは、複数種類のBGMの中から選択されるものではなく、1つのBGMを繋ぎBGMとして使用している。
繋ぎBGMは、チェリー用BGMのうち前奏部分や間奏部分など目立ちポイントCPを含まない部分と同じ内容を有しており、スピーカ64から出力されているBGMが繋ぎBGMからチェリー用BGMに切り替えられても、そのことに遊技者が気付きにくいと考えられる。その一方で、繋ぎBGMがベースBGMとは異なることに起因して、スピーカ64からの出力音がベースBGMから繋ぎBGMに切り替えられると、遊技者は、ベースBGMから繋ぎBGMに切り替えられたことに気付きやすいと考えられる。
繋ぎBGMの全体をスピーカ64から出力するための所要時間は、第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7のうち最も大きいものよりも大きくなっている。このため、第1設定時間Tw1から第7設定時間Tw7のいずれが遅れ期間Twとして設定された場合でも、遅れ期間Twの間に亘ってスピーカ64から繋ぎBGMを継続して出力することが可能になっている。
ステップS1808では、リール32L,32M,32Rの回転開始(開始タイミングt0)から待ち期間Twが経過したか否かを判定する。待ち期間Twが経過するまで本判定処理を繰り返し行い、本判定処理を繰り返し行っている間は、スピーカ64から繋ぎBGMが継続して出力されている。そして、待ち期間Twが経過した場合、ステップS1809に進む。
ステップS1809では、繋ぎBGMの停止処理を行う。この処理では、繋ぎBGMの再生を停止することで、スピーカ64からの繋ぎBGMの出力を停止させる。この場合、繋ぎBGMが待ち期間Twだけ出力されたことになる。
ステップS1810では、チェリー用BGMの出力処理を行う。この処理は、第1の実施形態のステップS1708,S1709と同様の処理であり、チェリー用BGMデータを用いて、チェリー用BGMが途中部分からではなく最初部分から出力されるように、チェリー用BGM音データの再生及び音量設定を行う。この場合、既に繋ぎBGMを音量レベル0に設定してあることによって、スピーカ64から出力されるBGMを繋ぎBGMからチェリー用BGMに切り替えることになる。なお、チェリー用BGMの音量については、繋ぎBGMと同じ音量レベル4に設定する。また、本実施形態のチェリー用BGMは、複数種類のBGMの中から選択されるものではなく、1つのBGMをチェリー用BGMとして使用している。
ステップS1811,S1812では、第1の実施形態のステップS1710,S1711と同様の処理を行う。つまり、チェリー用BGM停止コマンドを受信した場合に、チェリー用BGMの再生を停止させる。その後、ステップS1801にてチェリー用BGMコマンドを受信していないと判定して、ステップS1802に進み、ベースBGMの出力処理にてベースBGMをスピーカ64から出力させる。この場合、既にチェリー用BGMを音量レベル0に設定してあることによって、スピーカ64からの出力音をチェリー用BGMからベースBGMに切り替えることになる。
次に、BGM演出処理により繋ぎBGM及びチェリー用BGMが出力される場合について説明する。
図52(a)に示すように、リール32L,32M,32Rの回転が開始タイミングt0にて開始される際に、中リール32Mの回転前図柄が図柄番号1の「リプレイ」図柄になっていた場合、この「リプレイ」図柄が第1図柄グループに所属しているため、遅れ期間Twとして第1設定時間Tw1が選択される。このため、開始タイミングt0にて、スピーカ64からの出力音がベースBGMから繋ぎBGMに切り替えられた後、この繋ぎBGMが第1設定時間Tw1に亘って出力される。そして、開始タイミングt0から第1設定時間Tw1だけ経過したタイミングt31にて、スピーカ64からの出力音が繋ぎBGMからチェリー用BGMに切り替えられる。
そして、回転前図柄になっていた図柄番号1の「リプレイ」図柄が第1図柄グループの第2滑り開始図柄であることによって、チェリー用BGMの目立ちポイントCPが出力されるタイミングt32に合わせて、第1滑り図柄としての図柄番号14の「リプレイ」図柄が中リール32Mの基点位置に到達するようになっている。この場合、チェリー用BGMの目立ちポイントCPが第2滑りタイミングに合わせて出力されることになり、これは、チェリー用BGMが開始タイミングt0に合わせて出力開始されたのではないこと、及び遅れ期間Twが回転前図柄に合わせて第1設定時間Tw1に設定されたことによるものである。このため、遊技者がチェリー用BGMの目立ちポイントCPに合わせて中ストップボタン43を操作することで、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止することになる。
また、図52(b)に示すように、中リール32Mの回転前図柄が図柄番号6の「青7」図柄である場合、この「青7」図柄が第3図柄グループに所属しているため、遅れ期間Twとして第3設定時間Tw3が選択される。このため、開始タイミングt0にて、スピーカ64からの出力音がベースBGMから繋ぎBGMに切り替えられた後、この繋ぎBGMが第3設定時間Tw3に亘って出力される。そして、開始タイミングt0から第3設定時間Tw3だけ経過したタイミングt33にて、スピーカ64からの出力音が繋ぎBGMからチェリー用BGMに切り替えられる。
そして、回転前図柄になっていた図柄番号6の「青7」図柄が第3グループの第3滑り開始図柄であることによって、チェリー用BGMの目立ちポイントCPが出力されるタイミングt34に合わせて、第3滑り図柄としての図柄番号13の「青年」図柄が中リール32Mの基点位置に到達するようになっている。この場合でも、遊技者がチェリー用BGMの目立ちポイントCPに合わせて中ストップボタン43を操作することで、図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止することになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
中リール32Mの回転前図柄に合わせて遅れ期間Twを可変設定することで、チェリー用BGMの目立ちポイントCPが「チェリー」図柄にとっての第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに合わせて出力させることができる。つまり、リール32L,32M,32Rが回転開始する開始タイミングt0に対して、チェリー用BGMが出力開始されるタイミングを積極的にずらすことで、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するタイミングに合わせてチェリー用BGMの目立ちポイントCPを出力させることができる。このため、第1の実施形態のようにチェリー用BGMについて複数の音データを用意しておかなくても、チェリー用BGMの出力開始タイミングを可変設定するという容易な処理を行うことで、チェリー入賞の成立確率を高めることができる。
遅れ期間Twにおいては、ベースBGM及びチェリー用BGMではなく繋ぎBGMがスピーカ64から出力されるため、ベースBGMが終了したことを遊技者に認識させることができる一方で、遅れ期間Twがスピーカ64から音が出力されていない無音期間になることを抑制できる。このため、「チェリー」図柄を対象とした目押しの成功確率を高めつつ、チェリー用BGMがリール32L,32M,32Rの回転開始タイミングに対して遅れることで遊技者に違和感を与えにくい構成と実現できる。
繋ぎBGMがチェリー用BGMの一部と同じ内容になっているため、遊技者は、リール32L,32M,32Rの回転開始に伴ってベースBGMから別のBGMに切り替えられたことに気付きやすくなっている一方で、繋ぎBGMからチェリー用BGMに切り替えられたことには気付きにくくなっている。このため、チェリー用BGMの開始タイミングが中リール32Mの回転前図柄によって異なっているということを遊技者が察知しにくい構成を実現できる。この場合、チェリー用BGMの開始タイミングが異なっていることに遊技者の注意が逸らされて、遊技者がチェリー用BGMを楽しむことができないという状況になりにくくなっている。つまり、チェリー用BGMが出力されることで却って演出効果が低下するということを抑制できる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、図柄グループごとに所属図柄の数が同じにされていたが、所属図柄の数は図柄グループごとに異なっていてもよい。例えば、7つの図柄グループのうち4つのグループで所属図柄の数を2個に設定し、2つのグループで所属図柄の数を5個に設定し、残りの1つのグループで所属図柄の数を1個に設定する。この構成では、回転前図柄が7つの図柄グループのいずれに所属しているのかによって、狙うべき図柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対する許容期間が異なる。つまり、遊技者にとっては目押しの難易度が異なる。このため、チェリー用BGM等の特別BGMにより遊技者の目押しを手助けする一方で、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
(2)上記各実施形態では、図柄グループに所属している図柄の数(3個)がリール32L,32M,32Rの停止態様のパターン数(5つ)よりも少なくされていたが、所属図柄の数は、リール32L,32M,32Rの停止態様のパターン数以上に設定されていてもよい。例えば、図柄グループに所属している図柄の数を7個とする。この場合、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、21個の図柄を7個ずつで3つの図柄グループに分けることができる。例えば、図柄番号0〜6の図柄により第1図柄グループを形成し、図柄番号7〜13の図柄により第2図柄グループを形成し、図柄番号14〜20の図柄により第3図柄グループを形成する。
第1図柄グループについて、図柄番号0の図柄をゼロ滑り開始図柄として設定し、図柄番号1〜4の各図柄を第1滑り開始図柄〜第4滑り開始図柄として設定すると、図柄番号5,6の図柄を滑り開始図柄として設定することができない。このため、図柄番号5,6の図柄のうち一方が基点位置の回転前図柄になっている場合には、チェリー用BGM等の特別BGMの目立ちポイントが出力されるタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、狙うべき図柄番号の「チェリー」図柄や「青7」図柄が有効ライン上に停止しないことになる。
この場合、特別BGMがスピーカ64から出力されている状態で、特別BGMの目立ちポイントの出力タイミングに一致したタイミングでストップボタン42〜44を操作したとしても、必ずしもチェリー入賞等が成立するとは限らないため、特別BGMにより遊技者の目押しを手助けする一方で、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
(3)上記第1の実施形態では、チェリー用BGM及び第1BB用BGMの両方に対して、21個の図柄について同じグループ分けが行われていたが、チェリー用BGMに対する図柄のグループ分けと、第1BB用BGMに対する図柄のグループ分けとが異なっていてもよい。例えば、チェリー用BGMについては所属図柄が3個ずつになるようにグループ分けを行い、第1BB用BGMについては(1)のように所属図柄が7個ずつになるようにグループ分けを行う。この場合、目立ちポイントCP,BPの出力タイミングに合わせてストップボタン42〜44が操作されたとしても、「青7」図柄が有効ライン上に停止する確率が「チェリー」図柄が有効ライン上に停止する確率よりも低くなる。この場合、目立ちポイントCP,BPを利用すると入賞を成立させるための難易度が入賞の種類によって異なるため、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
(4)上記各実施形態では、リール32L,32M,32Rのそれぞれにおいて、連続して順番に表示される3個の図柄が1つの図柄グループに所属していたが、他の図柄を挟んで順番に表示される複数の図柄が1つの図柄グループに所属していてもよい。例えば、中リール32Mについて、図柄番号12の「チェリー」図柄と図柄番号17の「チェリー」図柄とが1つの図柄グループに所属した構成とする。
この構成では、図柄番号12の「チェリー」図柄が回転前図柄になっている場合に、中リール32Mが回転開始してからその図柄番号12の「チェリー」図柄が有効ライン上に到達するまでの期間と、図柄番号17の「チェリー」図柄が回転前図柄になっている場合に、中リール32Mが回転開始してからその図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に到達するまでの期間とが同じになっている。このため、図柄番号12の「チェリー」図柄が回転前図柄になっている場合、及び図柄番号17の「チェリー」図柄が回転前図柄になっている場合の両方について、1つのチェリー用BGMを出力しても、そのチェリー用BGMの目立ちポイントCPに合わせて中ストップボタン43が操作されることで、図柄番号12の「チェリー」図柄又は図柄番号17の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止することになる。
(5)上記第1の実施形態では、チェリー用BGM等の特別BGMについて、第1BGM〜第7BGMと第1図柄グループ〜第7図柄グループとが1対1で対応付けられていたが、この対応付けは1対1でなくてもよい。例えば、第1BGM〜第7BGMに加えて第8BGMが設けられ、第1BGM及び第8BGMの2つが第1図柄グループに対応付けられた構成とする。この構成では、ある図柄が回転前図柄になっている場合に、その図柄に対応する第1BGM及び第8BGMのいずれを出力するのかが抽選により決定される。この場合、1つの回転前図柄に対して第1BGM及び第8BGMのうち一方がチェリー用BGM等の特別BGMとして選択的に出力されるため、第1BGM及び第8BGMにより演出効果を高めることができる。また、第1BGM及び第8BGMにおいては、それぞれの目立ちポイントがゼロ滑りタイミング、第1滑りタイミング〜第4滑りタイミングのいずれかに合わせて出力されるものであれば、目立ちポイントの出力タイミングが第1BGMと第8BGMとで一致していてもよく、一致していなくてもよい。
(6)上記各実施形態では、BGMや画像を出力するためのデータ及び設定時間が図柄グループに対応付けられていたが、これらデータ及び設定時間は、図柄に直接的に対応付けられていてもよい。例えば、データ及び設定時間と図柄とが1対1で対応付けられた構成とする。この場合、第1の実施形態では、チェリー用BGMや第1BB用BGMとして選択可能なBGMの目立ちポイントが、「チェリー」図柄や「青7」図柄のゼロ滑りタイミングに合わせて出力されることになる。この場合、これら「チェリー」図柄や「青7」図柄を有効ライン上に停止させる成功率が低下しやすくなるが、これにより、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
また、第3の実施形態では、待ち期間Twとして選択可能な設定時間が図柄のそれぞれについて個別に設定されることになる。このため、中リール32Mの回転前図柄がどの図柄であったとしてもチェリー用BGMの目立ちポイントCPが第2滑りタイミングにて出力される、という構成を実現することができる。この場合、「チェリー」図柄を対象とした目押しの成功率を高めることができる。
(7)上記各実施形態では、ストップボタン42〜44が操作されたタイミングに対して、リール32L,32M,32Rが最大4図柄分滑った後に停止する構成になっていたが、リール32L,32M,32Rは滑らずに停止する構成としてもよい。この場合、(5)のように、データや設定時間と図柄とが1対1で対応付けされていることが好ましい。また、この場合、ストップボタン42〜44の操作タイミングがチェリー用BGM等の特別BGMの目立ちポイントに対して1図柄分でも早い側や遅い側にずれると、「チェリー」図柄等の狙った図柄が有効ライン上に停止しないため、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
(8)上記第1及び第2の実施形態では、チェリー入賞及び第1BB入賞の場合に特別BGMとしてチェリー用BGM及び第1BB用BGMが出力され、第3の実施形態では、チェリー入賞の場合にチェリー用BGMが出力される構成としたが、ベル入賞や特殊ベル入賞、第2BB入賞など他の役に入賞した場合に特別BGMが出力される構成としてもよい。例えば、リール32L,32M,32Rにおいて有効ライン上に「赤ベル」図柄だけが並んだ場合、又は「白ベル」図柄だけが並んだ場合にベル入賞が成立する構成とする。この構成では、ベル入賞を成立させるために「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄を対象として目押しを行う必要があり、ベル抽選に当選した場合に、特別BGMとしてのベル用BGMがスピーカ64から出力されるようになっている。ベル用BGMは、「赤ベル」図柄や「白ベル」図柄が有効ライン上に停止するタイミングに合わせて出力される目立ちポイントを有している。
(9)上記第1及び第3の実施形態では、チェリー用BGM等の特別BGMがスピーカ64から出力されている状態で、チェリー入賞等が成立した場合に限って、その成立タイミングに合わせて特別BGMの出力が停止される構成としたが、特別BGMは、チェリー入賞等が成立したか否かに関係なく、リール32L,32M,32Rが停止したタイミングに合わせて停止してもよく、リール32L,32M,32Rが停止した時から所定期間(例えば1秒)だけ経過した後に停止してもよく、次のゲーム開始のためにスタートレバー41が操作されたタイミングに合わせて停止してもよい。
(10)上記第1の実施形態では、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応させて3つの第1BB用BGMが再生されている場合に、これら第1BB用BGMの音量レベルがストップボタン42〜44の操作に合わせて切り替えられたが、これを変更して、第1BB用BGMの音量レベルは、ストップボタン42〜44の操作に関係なく切り替えられてもよい。例えば、所定期間(例えば3秒)が経過するごとに3つの第1BB用BGMの音量が切り替えられる構成とする。この構成では、左リール32L用の第1BB用BGMが所定期間だけスピーカ64から出力された後、中リール32M用の第1BB用BGMが所定期間だけ出力され、最後に、右リール32R用の第1BB用BGMが所定期間だけ出力される。この場合、リール32L,32M,32Rのそれぞれについて、「青7」図柄が有効ライン上に停止したか否かに関係なく、各第1BB用BGMの音量レベルが切り替えられることになる。
(11)上記第1の実施形態では、第1BB用BGMがスピーカ64から出力されている状態において、ストップボタン42〜44が「順押し」された場合に限って、「青7」図柄が有効ライン上に停止したタイミングに合わせて第1BB用BGMの切り替えや出力停止が行われる構成としたが、ストップボタン42〜44の押し順に関係なく、「青7」図柄が有効ライン上に停止したタイミングに合わせて第1BB用BGMの切り替えや出力停止が行われてもよい。この構成では、ストップボタン42〜44の押し順に関する自由度が高いため、遊技の初心者が仮にストップボタン42〜44を間違えて押したとしても、第1BB入賞を成立させるための手助けが第1BB用BGMにより引き続き行われることになる。
(12)上記各実施形態において、チェリー用BGM等の特別BGMやチェリー用画像等の特別画像の出力に合わせて、チェリー抽選等に当選した旨の報知がスピーカ64からの出力音や補助表示部65による表示により行われてもよい。
(13)上記第1の実施形態では、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応させて3つの第1BB用BGMが再生されている状態で、1つの第1BB用BGMがスピーカ64から聞える程度の音量レベルに設定され、その他の2つの第1BB用BGMが音量レベル0に設定されていたが、遊技者にとって3つの第1BB用BGMが判別可能な状態であれば、これら3つの第1BB用BGMがいずれもスピーカ64から聞こえる程度の音量レベルに設定されていてもよい。例えば、左リール32L用の第1BB用BGMを音量レベル5に設定し、中リール32M及び右リール32R用の各第1BB用BGMを音量レベル1に設定する。この場合、3つの第1BB用BGMが重複してスピーカ64から出力されている状態でも、中リール32M及び右リール32R用の各第1BB用BGMに対して左リール32L用の第1BB用BGMを判別することができる。
(14)上記第1の実施形態では、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応させた3つの第1BB用BGMが再生されている状態で、スピーカ64から出力される第1BB用BGMが切り替えられる場合に、スピーカ64からの出力が終了した第1BB用BGMについては音量レベル0に設定されていたが、再生自体を停止することでスピーカ64からの出力を終了させてもよい。
(15)上記各実施形態では、スタートレバー41が操作されることでリール32L.32M,32Rが一斉に回転開始するが、これらリール32L,32M,32Rは、互いに異なるタイミングで回転開始してもよい。例えば、第1の実施形態において、演出制御装置81が第1BB用BGMコマンドを受信している場合(ステップS1702がYES判定の場合)には、リール32L,32M,32Rのそれぞれに対応した第1BB用BGMを一斉に再生開始させるのではなく、リール32L,32M,32Rの回転開始のタイミングに合わせて互いに異なるタイミングで再生開始させる。これにより、リール32L,32M,32Rが互いに異なるタイミングで回転開始する構成であっても、これらリール32L,32M,32Rのそれぞれについて第1BB用BGMにより目押しの手助けを行うことができる。
(16)上記第1の実施形態では、スタートレバー41の操作に伴って第1BBの抽選に当選した場合に、そのゲームにおいてスピーカ64から第1BB用BGMが出力される構成としたが、第1BBの抽選に当選してから所定回数(例えば3回)後のゲームにおいて、スピーカ64から第1BB用BGMが出力される構成としてもよい。例えば、演出制御装置81が第1BB用BGMコマンドを受信した場合に、それからゲームが所定回数行われたか否かを判定し、所定回数行われたことを条件として第1BB用BGMの出力処理が行われる。この場合、第1BB用BGMが出力されるまで、BB抽選に当選しているにもかかわらずBB入賞を成立させることができない状態が数ゲーム続くことになるため、遊技者は目押しの熟練度を高めようと思うことで遊技への意欲が駆り立てられることになる。
(17)上記第1の実施形態では、遊技状態が通常遊技状態である場合に、チェリー用BGM等の特別演出が実行される構成としたが、通常遊技状態でない場合にチェリー用BGMが出力される構成としてもよい。この構成では、遊技状態がBB状態やRT状態である場合に、それらBB状態用のBGMやRT状態用のBGMを一時的に中断させてチェリー用BGMが出力されることになる。この場合、初心者にとっては、BB状態やRT状態の場合でもチェリー入賞を成立させやすくなる。一方、熟練者にとっては、チェリー入賞の成立の確率が大幅に変化するわけでもないのにBB状態用のBGMやRT状態用のBGMを聞くことができなくなるが、BGM切替ボタン67を操作することで、チェリー用BGMの出力を停止させることができる。この場合、熟練者はBGM切替ボタン67を効果的に使用することになる。
(18)上記第1の実施形態では、チェリー抽選や第1BB抽選に当選した状態でも、チェリー用BGM抽選や第1BB用BGM抽選に当選しない場合や、罰則フラグがセットされている場合などには、チェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力されない構成としたが、チェリー抽選や第1BB抽選に当選した場合には、常にチェリー用BGMや第1BB用BGMがスピーカ64から出力される構成としてもよい。
(19)上記第1及び第3の実施形態では、チェリー抽選に当選した場合に、チェリー用BGMがスピーカ64から出力される構成としたが、チェリー抽選等の役抽選に当選していない場合でも、チェリー用BGM等の特別BGMがスピーカ64から出力される構成としてもよい。例えば、チェリー抽選に当選していない状態でも、チェリー用BGM抽選を行い、この抽選に当選した場合に、チェリー用BGMがスピーカ64から出力される構成とする。この構成によれば、チェリー用BGMが出力されている場合でも、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するとは限らないが、チェリー用BGMが出力される頻度が高くなることで、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止することに対する期待感を高めることができる。
(20)上記第3の実施形態では、繋ぎBGMがチェリー用BGMの一部と同じ内容にされていたが、繋ぎBGMはベースBGMの一部と同じ内容にされていてもよく、チェリー用BGM及びベースBGMのいずれとも異なる内容にされていてもよい。また、ベースBGMが、開始タイミングt0にて停止されずに、チェリー用BGMが開始されるタイミングt31にて停止されてもよい。この場合、ベースBGMのうち待ち期間Twにてスピーカ64から出力されている部分が繋ぎBGMに相当する。
(21)上記第3の実施形態では、中リール32Mの回転前図柄に基づいてチェリー用BGMの開始タイミングが設定される構成としたが、中リール32Mの回転前図柄に基づいてチェリー用BGMがその途中部分から再生開始される構成としてもよい。例えば、演出制御装置81は、チェリー用BGMをその途中部分から再生開始することが可能になっており、チェリー用BGMを途中部分から再生開始した場合に、チェリー用BGMの最初部分を含む再生しなかった部分を非再生部分と称すれば、この非再生部分の時間的な長さを中リール32Mの回転前図柄に基づいて設定するようになっている。
この構成では、第1図柄グループ〜第7図柄グループに対応付けられた第1設定時間Tw1〜第7設定時間Tw7を用いて非再生部分の長さが設定される。例えば、回転前図柄が第1図柄グループに所属している図柄である場合、非再生部分の長さが第1設定時間Tw1に設定され、チェリー用BGMは、その最初部分から第1設定時間Tw1の長さ分だけ後の途中部分から開始タイミングt0に合わせて再生開始される。この場合、チェリー用BGMにおいては、その最初部分から第1設定時間Tw1だけ経過する部分までが非再生部分になっている。
このように、チェリー用BGMがその途中部分から再生開始されることで、チェリー用BGMの目立ちポイントCPが第1滑りタイミング〜第3滑りタイミングに合わせて出力されることになる。このため、遊技者は、チェリー用BGMの目立ちポイントCPに合わせて中ストップボタン43を操作することで、「チェリー」図柄を対象とした目押しを行うことができる。
かかる構成によれば、第3の実施形態と同様に、チェリー用BGMの開始態様が中リール32Mの回転前図柄に基づいて設定されることになる。このため、第1の実施形態のように複数種類のチェリー用BGMを用意しておかなくても、チェリー用BGMにおける再生開始ポイントを変更するという容易な処理を行うことで、「チェリー」図柄が有効ライン上に停止するタイミングに合わせてチェリー用BGMの目立ちポイントを出力させることができる。
(22)上記第1及び第3の実施形態では、チェリー用BGM等の特別BGMがスピーカ64から出力される構成としたが、特別BGMは、ヘッドホンスピーカや携帯電話等の携帯機のスピーカから出力されてもよい。なお、スピーカ64に加えて、ヘッドホンスピーカや携帯機のスピーカも音出力手段に相当する。
(23)上記第1の実施形態では、BGM切替ボタン67が専用の特別操作手段として設けられていたが、スタートレバー41やストップボタン42〜44、第1クレジットボタン等が兼用の特別操作手段として使用されてもよい。例えば、左ストップボタン42が所定期間(例えば3秒)だけ長押しされることで、チェリー用BGMや第1BB用BGMの出力の有無が切り替えられる構成とする。この構成では、スロットマシン10において、新規の特別操作手段を追加する必要がないため、設計変更の負担やコスト負担を低減できる。
(24)上記第1の実施形態では、BGM切替ボタン67が遊技者が操作可能な状態で前面扉12に設けられていたが、BGM切替ボタン67は、遊技者が操作できない状態で設けられていてもよい。例えば、BGM切替ボタン67が筐体11の内部や前面扉12の背面柄に設けられた構成とする。この構成では、ホール管理者がBGM切替ボタン67の状態を適宜切り替えることになる。
(25)上記第1及び第3の実施形態では、チェリー用BGM等の特別BGMが出力される場合に、ベースBGMの再生を停止するのではなく音量レベル0に設定することでベースBGMの出力を停止していたが、ベースBGMの再生自体を停止してもよい。この場合、特別BGMの出力が終了した後に、ベースBGMを停止した部分から再び出力再開する構成と、ベースBGMの最初部分から出力し直す構成とが挙げられる。
(26)上記第1及び第3の実施形態では、チェリー用BGM等の特別BGMが出力される場合に、ベースBGMの出力が停止される構成としたが、特別BGMが出力される場合でもベースBGMの出力が停止されない構成としてもよい。例えば、特別BGMが出力されている期間においては、特別BGMが出力されていない期間に比べて、ベース用BGMの音量レベルを小さくする。これにより、遊技者は、ベースBGMに対して特別BGMを判別しやすくなる。
(27)上記各実施形態において、補助表示部65にてストップボタン42〜44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、ストップボタン42〜44の操作順序を遊技者が認識可能に示唆する構成であればよい。例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としてもよく、次に操作するストップボタンのランプを他のストップボタンと異なる発光色等で点灯表示することで操作順序を示唆する構成としてもよく、各リール32L,32M,32Rのバックライトの点灯又は消灯により次に停止操作すべきリールを示唆する構成としてもよく、他の表示装置や役物装置を設け当該装置により操作順序を報知する構成としてもよい。
(28)上記各実施形態において入賞成立となる各図柄の組み合わせは一例であり、これら図柄の組み合わせに限定されるものではない。また、入賞成立となる図柄の組み合わせの数も任意である。
(29)上記各実施形態では、BB状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、RB状態やSB状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。また、RT状態を備えたスロットマシンではなく、RT状態を備えないスロットマシンであってもよい。
(30)上記各実施形態では、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。
(31)上記各実施形態では、付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
(32)上記各実施形態では、リール及びそれに対応するストップボタンを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップボタンを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップボタンは少なくとも2つあればよい。
(33)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「スロット等の遊技機として、開始操作手段が操作されることでリール等による複数の絵柄の循環表示を行い、停止操作手段が操作されることで循環表示を終了させる遊技機がある。例えば、音を出力することが可能なスピーカや、発光することが可能なランプ部、画像を表示可能な表示パネルが設けられた遊技機では、スピーカによる音演出や、ランプ部による光演出、表示パネルにより表示演出を、絵柄の循環表示に合わせて行うことが可能になっている(例えば特許文献1:特開2006−95130号公報)。」という背景技術について、「しかしながら、絵柄の循環表示に合わせて行われる演出については、遊技性を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数の絵柄(図柄)の循環表示を行う循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、クレジット投入ボタン56〜58)と、
前記循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記循環表示が開始される前において前記循環表示手段の状態を循環前停止状態として取得する循環前取得手段(ステップS411,S1705,S1713の処理を実行する機能)と、
前記循環前取得手段により取得された前記循環前停止状態に基づいて、複数種類の演出の中から所定の特別演出(チェリー用BGMの出力、第1BB用BGMの出力)を選択する演出選択手段(ステップS1706,S1714の処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段の操作に伴って前記循環表示が開始される場合に、前記選択手段により選択された前記特別演出を実行する演出実行手段(ステップS1708〜S1710,S1716〜S1724の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、複数種類の演出を実行可能な遊技機において、循環表示手段の循環前停止状態に応じて複数種類の演出の中からいずれかの演出が特別演出として実行されるため、複数種類の演出の中から特別演出を選択するために抽選処理等を行わなくても、演出の多様化を図ることができる。これにより、制御処理の負担を低減しつつ、絵柄の循環表示が行われている状態での演出効果を好適に高めることができる。
停止操作手段の操作により絵柄の循環表示が停止される構成では、遊技者は、絵柄の循環表示が行われている状態で適切なタイミングで停止操作手段を操作することにより、狙うべき絵柄(例えば「チェリー」図柄や「青7」図柄)を狙うべき位置(例えば有効ライン上)に停止させることができる。ここで、特別演出が、歌や動画の特徴的な部分など、演出の一連の流れの中で他の部分に比べて目立つ目立ちポイントを有している場合、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるためのタイミングに一致していれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することにより、結果として、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止することになる。
また、複数の絵柄が循環表示されている状態では、その循環表示が開始されたタイミングを基準にした場合、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが循環表示手段の循環前停止状態によって異なることになる。そこで、本特徴では、循環表示手段の循環前停止状態に基づいて特別演出の内容が選択されるため、目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに一致する種類の演出を、特別演出として実行することができる。この場合、遊技の初心者であっても、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで、結果として、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。
以上のように、絵柄の循環表示に合わせて行われる演出により遊技性を好適に高めることができる。
特徴A2.前記演出実行手段は、前記開始操作手段の操作に伴って前記循環表示が開始されたタイミングに合わせて、前記特別演出を開始するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
開始操作手段の操作に伴って絵柄の循環表示が開始される構成では、開始操作手段が操作されてから絵柄の循環表示が開始されるまでの待機期間(タイムラグ)が常に一定に管理されるとは限らない。このため、停止操作手段が操作されたタイミングに合わせて特別演出が開始された場合に、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることが懸念される。
これに対して、特徴A2によれば、絵柄の循環表示と共に特別演出が開始されるため、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることを抑制できる。したがって、遊技者が目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作した場合に、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する確率を高めることができる。
特徴A3.前記演出実行手段は、前記特別演出を行う場合に、当該特別演出の最初部分から出力するものであることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特別演出が最初部分から出力された場合と、特別演出が途中部分から出力された場合とでは、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが異なる。このため、目立ちポイントの出力タイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることが懸念される。
これに対して、特徴A3によれば、特別演出が常に最初部分から出力されるため、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることを抑制できる。したがって、遊技者が目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作した場合に、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する確率を高めることができる。
特徴A4.前記複数の絵柄は、1つのグループに少なくとも1つの絵柄が所属するように複数の絵柄グループ(第1図柄グループ〜第7図柄グループ)に分けられており、
前記循環前取得手段は、前記循環表示が開始される前において所定位置(基点位置)に停止している循環前停止絵柄が前記複数の絵柄のいずれであるのかを特定することで、前記循環前停止状態を取得するものであり、
前記演出選択手段は、前記循環前取得手段により取得された前記循環前停止絵柄が所属している前記絵柄グループに基づいて、前記特別演出を選択するものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A4によれば、複数の絵柄グループのそれぞれに対応させて演出が用意されているため、複数の絵柄のそれぞれに対応させて演出が用意された構成に比べて、特別演出を行うために用意しておく演出の数を低減できる。この場合、演出データ等を記憶させる記憶手段についてコスト負担を低減することや、特別演出の種類が過剰に多くなって遊技が煩雑になることを抑制できる。
特徴A5.前記複数の絵柄グループのそれぞれにおいて、前記少なくとも2つの絵柄は、前記循環表示の循環方向において連続して順番に表示されるように並べられていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
停止操作手段の操作により絵柄の循環表示が停止される構成では、停止操作手段が操作されたタイミングで狙うべき位置に到達する絵柄ではなく、そのタイミングでまだ所定位置に到達していない絵柄が狙うべき位置まで滑ってその狙うべき位置に停止することがある。このように、停止操作手段の操作に伴って狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する場合としては、停止操作手段が操作されたタイミングで狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達する場合に加えて、このタイミングで狙うべき絵柄がまだ狙うべき位置に到達していない場合があり、これらの場合では、循環表示の開始から停止までの期間が同じことに起因して循環前停止図柄が異なる図柄になっている。これは、停止操作手段が操作されるタイミングが同じである場合に、循環前停止図柄が異なる図柄であっても、絵柄の滑りを調整することで狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止することを示している。
これに対して、特徴A5によれば、循環前停止図柄が異なる図柄になっている場合でも、絵柄の滑りを調整することで狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止するのであれば、これら異なる図柄を1つの絵柄グループに所属させることができる。このため、特別演出の種類が過剰に多くなることを抑制した上で、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することが結果として目押しを行うことになる構成を実現できる。
特徴A6.前記停止操作手段の操作に伴って所定の特別絵柄(「チェリー」図柄、「青7」図柄)が所定の特別位置(第1ラインL1〜第4ライン上)に停止した場合に、遊技者に特典を付与する特典付与手段(ステップS212〜S214の処理を実行する機能)と、
前記演出実行手段により前記特別演出が実行されている状態で、前記特典付与手段により前記特典が付与される場合に、前記特別絵柄が前記特別位置に停止したタイミングに合わせて前記特別演出の実行を停止する演出停止手段(ステップS1711,S1725の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで特別絵柄が特別位置に停止した場合に、その旨を特別演出を停止させることで遊技者に察知させることができる。これにより、どの絵柄がどの位置に停止した場合に特典が付与されるのかということすら知らない初心者であっても、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させることができたという満足感を味わうことができる。
特徴A7.前記演出停止手段は、前記演出実行手段により前記特別演出が実行されている状態で、前記停止操作手段の操作に伴う前記特別絵柄の停止位置が前記特別位置でなかった場合、再び前記循環表示を開始させるべく前記開始操作手段が操作されたタイミングに合わせて前記特別演出の実行を停止するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作しても、その操作タイミングが目立ちポイントの出力タイミングに対してずれていたことに起因して特別絵柄が成立しなかった場合に、その旨を特別演出を停止させないことを遊技者に察知させることができる。これにより、初心者であっても、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止しなかったという事実を察知することができる。
特徴A8.所定役(チェリー入賞、BB入賞)についての抽選を行う役抽選手段(ステップS209の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記役抽選手段による抽選に当選した状態で、前記特別絵柄が前記特別位置に停止した場合に、前記特典を付与するものであることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、所定役に当選した場合に特別演出が実行される一方で、所定役に当選しなかった場合には特別演出が実行されないため、特別演出により所定役に当選したことを遊技者に察知させることができる。このため、所定役に当選したか否かに関係なく特別演出が実行される構成に比べて、特別演出により遊技にメリハリを持たせることができる。
特徴A9.前記特別演出を実行するか否かの抽選を行う演出抽選手段(ステップS1005,S1010の処理を実行する機能)を備え、
前記演出実行手段は、前記演出抽選手段による抽選に当選した場合に前記特別演出を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、循環表示が開始されるたびに特別演出が実行されるわけではないため、特別演出を実行することで却って遊技性が低下するということを抑制できる。
なお、特徴A9を特徴A8に適用し、前記演出実行手段は、前記役抽選手段による抽選に当選し且つ前記演出抽選手段による抽選に当選した場合に、前記特別演出を実行するものであることが好ましい。この構成によれば、所定役に当選した場合に必ず特別演出が実行されるとは限らないため、特別演出が実行されない場合であっても、特別絵柄が成立することに対する期待感を遊技者に持たせることができる。
特徴A10.前記循環表示手段は、
周方向に周回し、該周方向に前記複数の絵柄が配置された複数の周回体(リール32L,32M,32R)を有しており、
前記循環前取得手段は、前記複数の周回体のそれぞれについて前記循環前停止状態を取得するものであり、
前記演出選択手段は、前記循環前取得手段の取得結果に基づいて、前記複数の周回体のそれぞれについて前記複数種類の演出の中から前記特別演出を個別に選択するものであることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、複数の周回体のそれぞれに対して特別演出の内容が個別に選択されるため、目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに一致する種類の演出を、各周回体のそれぞれについて特別演出として個別に実行することができる。このため、遊技者は、各特別演出の目立ちポイントに合わせてそれぞれ停止操作手段を操作することで、結果として、各周回体について狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。
特徴A11.前記演出選択手段は、前記複数の周回体のそれぞれに対応させて、所定の記憶手段(ROM83)に記憶された複数の演出データ(チェリー用BGMデータ群86aの第1音データ〜第7音データ、第1BB用BGMデータ群86bの第1音データ〜第7音データ)の中から特別演出データを個別に選択することで前記特別演出を選択するものであり、
前記演出実行手段は、
前記演出選択手段により選択された前記特別演出データを用いて、前記複数の周回体のそれぞれに対応した前記特別演出の再生を個別に行う演出再生手段(ステップS1716の処理を実行する機能)を有しており、
前記演出再生手段は、前記複数の周回体のそれぞれについて、該周回体の周回が開始されたタイミングに合わせて前記特別演出の再生を開始するものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
複数の周回体が周回する構成では、全ての周回体が同時に回転開始するとは限らない。このため、停止操作手段が操作されたタイミングに合わせて、各周回体に対応する特別演出が開始された場合に、少なくとも1つの周回体について、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることが懸念される。
これに対して、特徴A11によれば、複数の周回体のそれぞれについて絵柄の循環表示と共に特別演出が開始されるため、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることを、全ての周回体について抑制できる。したがって、複数の周回体のいずれについても、遊技者が目立ちポイントに合わせて停止操作位置を操作した場合に、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する確率を高めることができる。
特徴A12.前記演出実行手段は、
前記複数の周回体のそれぞれに対応した前記特別演出の再生が前記演出再生手段により行われている場合に、これら特別演出を遊技者が判別可能な状態で出力する演出出力手段(ステップS1717,S1720,S1723の処理を実行する機能)を有していることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
複数の周回体のそれぞれに対応する特別演出が互いに重複するタイミングで実行された場合、遊技者にとってはこれら特別演出を判別することが困難になることが懸念される。これに対して、特徴A12によれば、複数の特別演出が互いに重複するタイミングで実行されたとしても、これら特別演出が判別可能になっているため、遊技者は複数の周回体のそれぞれについて、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することができる。
特徴A13.前記演出再生手段は、前記複数の周回体のそれぞれに対応した前記特別演出を、所定の音出力手段(スピーカ64)から特別演出音(チェリー用BGM、第1BB用BGM)として出力可能な状態で再生するものであり、
前記演出出力手段は、前記演出再生手段により再生されている複数の前記特別演出音の音量調整を個別に行うことで、これら特別演出音を互いに重複しないように前記音出力手段から出力させるものであることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、複数の周回体のそれぞれに対応させて複数の特別演出音が再生されている場合に、これら特別演出音が互いに重複しないように音出力手段から出力されるため、複数の周回体のそれぞれについて、特別演出音の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに対してずれることを抑制しつつ、複数の特別演出音を遊技者にとって容易に判別できる状態で出力できる。
特徴A14.前記演出実行手段は、所定の特別演出音(チェリー用BGM、第1BB用BGM)を所定の音出力手段(スピーカ64)から出力することで、前記特別演出を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、特別演出やその目立ちポイントが音により特別演出音として表現されるため、遊技者は、絵柄の循環表示から目を離さなくても、特別演出音において目立ちポイントが出力されるタイミングに合わせて停止操作手段を操作することができる。このため、絵柄の循環表示について狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達する状態を視認しながら、停止操作手段を操作するタイミングを知ることができる。これにより、遊技の初心者にとっては目押しの感覚を養うことができる。
特徴A15.前記演出実行手段は、所定の特別演出画像を所定の画像表示手段(補助表示部65)に表示することで、前記特別演出を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A15によれば、特別演出やその目立ちポイントが画像により特別演出画像として表現されるため、遊技者は、特別演出画像を視認することで目立ちポイントの出力タイミングを正確に把握することができる。この場合、遊技者が停止操作手段を操作するタイミングが、目立ちポイントが出力されるタイミングからずれにくくなるため、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する確率を高めることができる。
特徴A16.前記複数種類の演出においては、当該演出の一連の流れにおいて目立つ目立ちポイント(目立ちポイントCP1〜CP7,BP1〜BP7)が、それぞれ異なるタイミングで出力されることを特徴とするA1乃至A15のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A16によれば、特別演出の内容が異なることで目立ちポイントが出力されるタイミングが異なるため、循環表示手段の循環前停止状態に応じて異なるタイミングで目立ちポイントが出力される。このため、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが循環前停止状態に応じて異なっていても、そのタイミングに合わせて目立ちポイントを出力させることが可能になる。
<特徴B群>
特徴B1.複数の絵柄(図柄)の循環表示を行う循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、クレジット投入ボタン56〜58)と、
前記循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
遊技の進行に伴って所定のベース演出(ベースBGMの出力)を行うベース演出実行手段(ステップS1703の処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段が操作される前において前記循環表示手段の状態を循環前停止状態として取得する循環前取得手段(ステップS411,S1705,S1713の処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段の操作に伴って前記循環表示が開始される場合に、前記ベース演出実行手段により実行される前記ベース演出に対して判別可能になるように、前記循環前取得手段により取得された前記循環前停止状態に応じた態様で所定の特別演出(チェリー用BGMの出力、第1BB用BGMの出力)を行う特別演出実行手段(ステップS1708〜S17106,S1716〜S1724の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、ベース演出と特別演出とが互いに判別可能な状態で実行されるため、これらベース演出及び特別演出を用いることで演出の多様化を図ることができる。特に、特別演出は、絵柄の循環表示の開始に合わせて実行されるため、絵柄の循環表示が行われている状態での演出効果を好適に高めることができる。
停止操作手段の操作により絵柄の循環表示が停止される構成では、遊技者は、絵柄の循環表示が行われている状態で適切なタイミングで停止操作手段を操作することにより、狙うべき絵柄(例えば「チェリー」図柄や「青7」図柄)を狙うべき位置(例えば有効ライン上)に停止させることができる。ここで、特別演出が、歌や動画の特徴的な部分など、演出の一連の流れの中で他の部分に比べて目立つ目立ちポイントを有している場合、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるためのタイミングに一致していれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することにより、結果として、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止することになる。
また、複数の絵柄が循環表示されている状態では、その循環表示が開始されたタイミングを基準にした場合、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが循環表示手段の循環前停止状態によって異なることになる。そこで、本特徴では、循環表示手段の循環前停止状態に応じた態様で特別演出が実行されるため、その特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに一致しやすくなる。この場合、遊技の初心者であっても、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで、結果として、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。
以上のように、絵柄の循環表示に合わせて行われる演出により遊技性を好適に高めることができる。
特徴B2.所定の特別操作手段(BGM切替ボタン67)の操作状態に基づいて、前記特別演出の実行を許可するか否かを判定する特別許可判定手段(ステップS1003の処理を実行する機能)を備え、
前記特別演出実行手段は、前記特別許可判定手段により前記特別演出の実行が許可された場合に前記特別演出を行い、許可されない場合に前記特別演出を行わないものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特別演出を実行可能なモードと、特別演出が実行されないモードとを適宜使い分けることができる。ここで、初心者にとっては、特別演出が目押しの成功率が高められるものである一方で、目押しの技術を有している熟練者にとっては、特別演出が違和感を覚えるものになっていることが懸念される。このため、特別操作手段により特別演出の有無が切り替えられることは、遊技者の熟練度に応じた演出を行う上で効果的である。これにより、特別演出が必要な初心者と特別演出が不要な熟練者とのいずれにとっても遊技性の高い遊技を提供できる。
特徴B3.前記特別操作手段は、遊技者が操作可能な位置に配置されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遊技者が遊技を行いながら特別操作手段を操作することが可能になっている。このため、遊技者は、そのときの気分や目押しの調子などに合わせて、特別操作手段を操作することで特別演出の有無を容易に選択することができる。これにより、初心者か熟練者かということに関係なく、目押しを含めた遊技を容易に楽しむことができる遊技機を提供できる。
特徴B4.前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されている場合に、前記ベース演出実行手段により実行される前記ベース演出の出力を停止させる出力停止手段(ステップS1704,S1712の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、特別演出が出力されている場合、ベース演出の出力が停止されていることで、ベース演出と特別演出とが互いに重複しないように出力される。このため、遊技者はベース演出と特別演出とを容易に判別することができる。
なお、特別演出の出力に伴ってベース演出の出力が停止される構成では、遊技者は、特別演出が出力されている期間においてベース演出を楽しむことができなくなる。これに対して、本特徴を特徴B2又はB3に適用した場合、特別操作手段の操作により特別演出の実行が禁止されることで、特別演出の出力によりベース演出の出力が途切れるということを回避できる。このように、特別演出を利用して目押しの成功率を高めることよりも、ベース演出を楽しむことを優先することもできる。
特徴B5.前記ベース演出実行手段は、所定のベース演出データを用いて前記ベース演出の再生を行うものであり、前記出力停止手段により前記ベース演出の出力が停止されている場合でも、前記ベース演出の再生を継続して行っていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、特別演出の実行に伴ってベース演出の出力が停止された状態でも、ベース演出の再生は継続して行われているため、ベース演出については出力の有無を切り替える処理を行うだけで済む。つまり、ベース演出の再生を停止させる処理や、ベース演出の再生を再開する処理などを行う必要がない。このため、ベース演出の出力停止に伴って処理負担が増加することを抑制できる。
なお、特別演出が出力されている場合でもベース演出の再生が停止されない構成では、遊技者は、特別演出が出力されている期間におけるベース演出の再生部分を楽しむことができない。これに対して、本特徴及び特徴B4を特徴B2又はB3に適用した場合、特別操作手段の操作により特別演出の実行が禁止されることで、ベース演出において再生されていても出力されないという状態が発生しないことになる。このように、特別演出を利用して目押しの成功率を高めることよりも、ベース演出の全体を楽しむことを優先することもできる。
特徴B6.前記ベース演出実行手段は、前記ベース演出をベース演出音(ベースBGM)として、所定の音出力手段(スピーカ64)から所定の音量レベルで出力するものであり、
前記特別演出実行手段は、前記特別演出を特別演出音(チェリー用BGM、第1BB用BGM)として、前記音出力手段から前記ベース演出音とは異なる音量レベルで出力するものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、ベース演出音と特別演出音とで音量レベルが異なるため、遊技者はベース演出音と特別演出音とを容易に判別することができる。
<特徴C群>
特徴C1.複数の絵柄(図柄)の循環表示を行う複数の循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記複数の循環表示手段のそれぞれについて前記循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、クレジット投入ボタン56〜58)と、
前記複数の循環表示手段のそれぞれについて前記循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記循環表示が開始される前において、前記複数の循環表示手段のそれぞれの状態を循環前停止状態として個別に取得する循環前取得手段(ステップS411,S1705,S1713の処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段の操作に伴って前記循環表示が開始される場合に、前記複数の循環表示手段のそれぞれについて、前記循環前取得手段により取得された前記循環前停止状態に応じた内容の所定の特別演出(チェリー用BGMの出力、第1BB用BGMの出力)を個別に行う演出実行手段(ステップS1708〜S17106,S1716〜S1724の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、複数の循環表示手段のそれぞれに対して個別に設定された特別演出が実行されるため、これら特別演出を用いることで演出の多様化を図ることができる。特に、絵柄の循環表示の開始に合わせて開始されるため、絵柄の循環表示が行われている状態での演出効果を好適に高めることができる。
停止操作手段の操作により絵柄の循環表示が停止される構成では、遊技者は、絵柄の循環表示が行われている状態で適切なタイミングで停止操作手段を操作することにより、狙うべき絵柄(例えば「チェリー」図柄や「青7」図柄)を狙うべき位置(例えば有効ライン上)に停止させることができる。ここで、特別演出が、歌や動画の特徴的な部分など、演出の一連の流れの中で他の部分に比べて目立つ目立ちポイントを有している場合、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるためのタイミングに一致していれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することにより、結果として、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止することになる。
また、複数の絵柄が循環表示されている状態では、その循環表示が開始されたタイミングを基準にした場合、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが循環表示手段の循環前停止状態によって異なることになる。そこで、本特徴では、複数の循環表示手段のそれぞれについて、循環前停止状態に応じた内容の特別演出が行われるため、その特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、各循環表示手段において狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに一致しやすくなる。この場合、遊技の初心者であっても、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで、結果として、各循環表示手段のそれぞれについて狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。
以上のように、絵柄の循環表示に合わせて行われる演出により遊技性を好適に高めることができる。
特徴C2.前記演出実行手段は、前記複数の循環表示手段のそれぞれに対応する前記特別演出を、互いに判別可能な状態に出力するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、循環表示手段が複数あることで複数の特別演出が実行されていても、これら特別演出を判別することが可能になっている。このため、遊技者は、複数の循環表示手段のそれぞれについて、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。したがって、全ての循環表示手段について目押しが成功することで特典を獲得できる場合に、遊技者が特典を獲得できる確率を高めることができる。
特徴C3.前記演出実行手段は、前記複数の循環表示手段のそれぞれに対応する前記特別演出を、互いに重複しないように1つずつ出力するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、複数の特別演出が1つずつ順番に出力されるため、遊技者は、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作するという作業を、複数の循環表示手段について1つずつ順番に行うことができる。このため、複数の特別演出が実行される場合でも、各循環表示手段のそれぞれについての目押しの成功率を高めることができる。
特徴C4.前記演出実行手段は、前記停止操作手段の操作に伴って前記複数の循環表示手段のいずれかで前記循環表示が停止するたびに、該複数の循環表示手段のそれぞれに対応する前記特別演出のうち出力されている特別演出を他の特別演出に切り替えるものであることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、複数の特別演出のうち1つが出力されている場合に、その出力は停止操作手段が操作されるまで継続されるため、遊技者は、その特別演出について目立ちポイントの出力タイミングを把握することができないにもかかわらず焦って停止操作手段を操作するという必要がない。つまり、目立ちポイントの出力タイミングを把握してから焦らずに停止操作手段を操作することができる。このため、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する確率を高めることができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数の絵柄(図柄)の循環表示を行う循環表示手段(リール32L,32M,32R)と、
前記循環表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41、クレジット投入ボタン56〜58)と、
前記循環表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42〜44)と、
前記循環表示が開始される前において前記循環表示手段の状態を循環前停止状態として取得する循環前取得手段(ステップS411,S1705,S1713の処理を実行する機能)と、
前記循環前取得手段により取得された前記循環前停止状態に基づいて、所定の特別演出(チェリー用BGMの出力、第1BB用BGMの出力)の開始態様を設定する設定手段(ステップS1805の処理を実行する機能)と、
前記開始操作手段の操作に伴って前記循環表示が開始される場合に、前記設定手段により設定された前記開始態様にて前記特別演出を実行する特別演出実行手段(ステップS1810,S1811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、循環表示手段の循環前停止状態に応じて特別演出の開始態様が異なるため、特別演出の内容を変更しなくても演出の多様化を図ることができる。特に、特別演出は、絵柄の循環表示の開始に合わせて実行されるため、絵柄の循環表示が行われている状態での演出効果を好適に高めることができる。
停止操作手段の操作により絵柄の循環表示が停止される構成では、遊技者は、絵柄の循環表示が行われている状態で適切なタイミングで停止操作手段を操作することにより、狙うべき絵柄(例えば「チェリー」図柄や「青7」図柄)を狙うべき位置(例えば有効ライン上)に停止させることができる。ここで、特別演出が、歌や動画の特徴的な部分など、演出の一連の流れの中で他の部分に比べて目立つ目立ちポイントを有している場合、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるためのタイミングに一致していれば、遊技者が特別演出の一連の流れに乗って目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することにより、結果として、狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止することになる。
また、複数の絵柄が循環表示されている状態では、その循環表示が開始されたタイミングを基準にした場合、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが循環表示手段の循環前停止状態によって異なることになる。そこで、本特徴では、循環表示手段の循環前停止状態に応じて特別演出の開始態様が設定されるため、目立ちポイントが出力されるタイミングが、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに一致しやすくなる。この場合、遊技の初心者であっても、特別演出の目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで、結果として、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるための目押しを行うことになる。
以上のように、絵柄の循環表示に合わせて行われる演出により遊技性を好適に高めることができる。
特徴D2.前記特別演出実行手段は、前記循環表示の開始から所定の遅れ期間(遅れ期間Tw)だけ遅れて前記特別演出を実行することが可能であり、
前記設定手段は、前記循環前停止状態に基づいて前記遅れ期間を設定するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
循環表示手段においては、循環前停止状態が異なることで、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが異なることになる。これに対して、特徴D2によれば、循環表示の開始タイミングに対して特別演出の開始タイミングを積極的にずらすことで、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングを、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに合わせることが可能になる。このため、複数種類の特別演出を用意しておかなくても、特別演出の開始タイミングを変更するという容易な処理を行うことで、遊技者が目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する構成を実現できる。
特徴D3.前記遅れ期間において所定の繋ぎ演出を実行する繋ぎ演出実行手段(ステップS1807,1808の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
遊技者が開始操作手段を操作した後、循環表示に対して特別演出が遅れて開始される場合、そのタイムラグによって遊技者に違和感を与えることが懸念される。これに対して、特徴D3によれば、循環表示の開始後に特別演出が開始されるまでのタイムラグにおいて繋ぎ演出が実行されるため、そのタイムラグが遊技者に違和感を与えにくい構成を実現できる。このため、特別演出を実行することで却って演出効果が低下するということを抑制できる。
特徴D4.前記遅れ期間の終了に伴って前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行される場合に、前記繋ぎ演出の実行を停止する繋ぎ演出停止手段(ステップS1809の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、循環表示に対して特別演出が遅れて開始されることの違和感を繋ぎ演出により抑えつつ、特別演出が開始されたことを遊技者に察知させることができる。このため、狙うべき絵柄を狙うべき位置に停止させるために、循環表示の開始と特別演出の開始との間にタイムラグを形成しているにもかかわらず、特別演出による演出効果を高めることができる。
特徴D5.前記特別演出実行手段は、前記特別演出を該特別演出の途中部分から開始することが可能であり、
前記設定手段は、前記循環前停止状態に基づいて前記特別演出を該特別演出のどの部分から開始するのかを設定するものであることを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1つに記載の遊技機。
循環表示手段においては、循環前停止状態が異なることで、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングが異なることになる。これに対して、特徴D5によれば、特別演出を途中部分から開始することで、特別演出の目立ちポイントが出力されるタイミングを、狙うべき絵柄が狙うべき位置に到達するタイミングに合わせることが可能になる。このため、複数種類の特別演出を用意しておかなくても、特別演出における再生開始ポイントを変更するという容易な処理を行うことで、遊技者が目立ちポイントに合わせて停止操作手段を操作することで狙うべき絵柄が狙うべき位置に停止する構成を実現できる。