本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、図1(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。図2は、リールの図柄配列を示す図である。
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、前面扉1bにおいて、透視窓3が形成されている。遊技者は、この透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。図2に示すように、各リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
なお、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよい。また、本実施形態では、リール2L,2C,2Rにより図柄を可変表示させる可変表示部を構成しているが、可変表示部は、リール以外であってもよく、たとえば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でもよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成してもよい。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数(本実施形態では、3)の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードや、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応する操作情報(ナビ情報)、後述する有利区間に制御されている旨を示す有利区間表示などが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様には、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番(押し順)と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作するタイミング(操作タイミング)とが含まれる。本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応する操作情報として、押し順に対応する数字が、遊技補助表示器12によって7セグメント表示される。
前面扉1bには、演出用の主な部材として、画像を表示する液晶表示器51と、音を出力可能なスピーカ53,54とが設けられている。さらに、前面扉1bには、演出などで遊技者によって操作される演出用スイッチ56が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットとして加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転して図柄が変動表示され、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転が停止することで、透視窓3の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。入賞ラインLN上に導出表示される図柄(表示結果)として選択可能なものは、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄、およびそこから4コマ先までにある図柄の合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、入賞ラインLNが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットが加算されるか、またはクレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてから全てのリールが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、全てのリールの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するメイン制御部41と、演出を制御するサブ制御部91となどが設けられている。メイン制御部41は、各種処理を実行するメインCPU41aと、各種データを記憶するRAM41cとなどを備える。サブ制御部91は、各種処理を実行するメインCPU91aと、各種データを記憶するRAM91cとなどを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるコマンドに従って演出を制御する。
メイン制御部41は、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、および精算スイッチ10に対する操作を検出する。メイン制御部41は、遊技用表示部13に含まれる遊技補助表示器12の7セグメント表示などを制御する。サブ制御部91は、演出用スイッチ56に対する操作を検出する。サブ制御部91は、液晶表示器51の画像表示、およびスピーカ53,54の音出力を制御する。なお、図1(b)は、あくまで一例であり、スロットマシン1の内部にはその他の構成も設けられている。
[入賞役]
図3は、特別役、小役、および再遊技役を説明するための図である。図3において、名称の欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せの欄には、入賞役の図柄組合せが示されている。また、無効ラインに揃う図柄の組合せの欄には、入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止したときにいずれかの無効ラインに停止する図柄組合せであって遊技者が認識しやすい図柄組合せが示されている。付与の欄には、入賞時に遊技者に付与される価値(メダルの払出枚数、再遊技など)が示されている。
特別役は、入賞したときに、遊技者にとって有利な状態であるボーナスへの移行を伴う役である。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上になったときにボーナスが終了する。本実施の形態においては、特別役として、ボーナスが設けられている。
小役は、入賞したときに、メダルやクレジットといった遊技を行うための賭数を設定する際に必要な遊技用価値を付与する役である。本実施の形態においては、小役として、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8(以下、上段ベル1〜8をまとめて上段ベルともいう)、スイカ、弱チェリー、強チェリー、および中段チェリー(以下、弱チェリー、強チェリー、中段チェリーをまとめてチェリーともいう)が設けられている。中段ベルや右下がりベルは、入賞時に、賭数(本実施の形態ではメダル3枚)よりも多い枚数のメダルが付与される。なお、本実施の形態においては、中段ベルや右下がりベルが、上段ベルよりも多い払出枚数になっているが、上段ベルと同じ払出枚数でもよい。
再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに、再遊技を付与する役である。再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作態様(操作手順ともいう)(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。本実施の形態においては、再遊技役として、通常リプ、下段リプ、転落リプ、および昇格リプ1,2(以下、昇格リプ1,2をまとめて昇格リプともいう)が設けられている。
[内部抽選]
メイン制御部41は、導出を許容する図柄組合せを決定する処理である内部抽選を実行する。具体的には、メイン制御部41は、内部抽選処理において、所定の順番で各抽選対象役が当選したか否かを判定する。たとえば、内部抽選処理において、メイン制御部41は、所定範囲内(0〜65535)の整数から乱数を取得する。各抽選対象役には所定範囲内(0〜65535)の整数のうちから予め遊技状態に応じた判定値数が割り当てられている。メイン制御部41は、取得した乱数に対して、所定の順番で各抽選対象役の判定値数を加算していき、加算結果がオーバーフローした(65535を超えた)ときに、その時点で加算対象となっていた抽選対象役を当選役に決定する。内部抽選によって抽選対象役が当選することで、当該抽選対象役に対応する図柄組合せの導出が許容される。
なお、管理者は、設定変更によって、内部抽選における役の当選確率を変更可能である。具体的には、管理者によって設定された設定値に応じて、内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値を変更するためには、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作し、設定値を変更可能な設定変更状態に移行させればよい。また、設定値を確認するためには、管理者が所定の操作をして、設定値を確認可能な設定確認状態に移行させればよい。
[抽選対象役]
図4は、抽選対象役を説明するための図である。抽選対象役は、メイン制御部41による内部抽選の対象となる役である。本実施の形態においては、遊技状態ごとに抽選対象役が設定されており、各抽選対象役は、複数の入賞役が組み合わされている。
図4において、抽選対象役の欄には、その名称が示され、遊技状態の欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることが示されている。
本実施の形態においては、特別役に関する抽選対象役として、ボーナス1〜5(以下、これらをまとめてボーナスともいう)が設けられている。小役に関する抽選対象役として、ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4(以下、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をまとめて押し順ベルともいう)、スイカ、弱チェリー、強チェリー、および中段チェリーが設けられている。再遊技役に関する抽選対象役として、通常リプ、維持昇リプ1〜6(以下、維持昇リプ1〜6をまとめて維持昇リプともいう)、および維持転リプ1〜3(以下、持転リプ1〜3をまとめて持転リプともいう)が設けられている。
ボーナス中においては、他の遊技状態よりも極めて高い確率で小役(たとえば、ベル)が当選するように定められている。たとえば、ベルは、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作順序や操作タイミングに関わらず入賞が発生する役であるため、ボーナス中においては、操作順序や操作タイミングに関わらず、極めて高い確率でベル入賞が発生する。このため、ボーナスは、他の遊技状態よりも多くの遊技用価値(メダル)が遊技者に付与され易く、他の遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態である。
[移行出目]
図5は、移行出目を説明するための図である。移行出目は、いずれの入賞も発生しない、所謂ハズレの図柄組合せであって、押し順ベルのいずれかが当選したときにのみ導出が許容され、遊技状態の移行が生じる出目である。移行出目は、押し順ベルに当選し、右下がりベルまたは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルの入賞を取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。
[リール制御]
メイン制御部41によって行われるリール制御では、各ストップスイッチ8L,8C,8Rについて操作が行われたときから最大停止遅延時間(たとえば、190ms(ミリ秒))以内に、操作に対応するリール2L,2C,2Rの回転を停止させる制御が行われる。リール2L,2C,2Rが1分間に80回転し、80(回転)×21(1リール当たりの図柄コマ数、たとえば、21コマ)=1680コマ分の図柄が変動するため、予め定められた最大停止遅延時間(190ms)が経過するまでの間では、最大で4コマ分の図柄が入賞ラインLN上に引き込まれる。つまり、リール制御では、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(引込範囲)の図柄から一の図柄を選択して、リール2L,2R,2Rに導出させることが可能である。
これにより、メイン制御部41は、リール制御では、各リール2L,2C,2Rについて対応するストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで回転を停止させる際に、内部抽選で当選している入賞役を構成する図柄が、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときの図柄から4コマ先までの引込範囲内にある場合には、当該図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたリール2L,2C,2Rの回転を停止させる一方で、内部抽選で当選している入賞役を構成する図柄が、当該引込範囲内にない場合には、いずれの入賞役も構成しない図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させるように制御することが可能である。
[押し順役当選時のリール制御]
図6は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(操作手順)に応じて導出される表示結果が異なる役として、押し順役が設けられている。押し順役には、押し順ベルと、押し順リプとが含まれる。
図6に示すように、押し順ベルには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4が含まれる。押し順ベルに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる操作手順(以下、正解手順ともいう)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、遊技者にとって有利となる表示結果が導出される。たとえば、左ベル1に当選したゲームで、正解手順である左第1停止でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、遊技者にとって有利となる右下がりベルの図柄組合せが導出される。一方、不正解手順である左第1停止以外の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、上段ベルの図柄組合せが導出されるか、あるいは、操作タイミングに応じて上段ベルの図柄組合せが導出できないときには移行出目が導出される。この場合、左第1停止は、左ベル1に対応する正解手順である。なお、押し順ベルに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
押し順ベルに当選したゲームにおいて、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出される役(右下がりベル,中段ベル)は、主役と称される。一方、押し順ベルに当選したゲームにおいて、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出され得る役(上段ベル)は、副役と称される。
押し順リプには、維持昇リプ1〜6および維持転リプ1〜3が含まれる。押し順リプに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる操作手順(以下、正解手順ともいう)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、遊技者にとって有利となる表示結果が導出される。たとえば、維持昇リプ1に当選したゲームで、正解手順である左中右の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、遊技者にとって有利となる昇格リプ1の図柄組合せが導出される。一方、不正解手順である左中右以外の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、通常リプの図柄組合せが導出される。この場合、左中右は、維持昇リプ1に対応する正解手順である。なお、押し順リプに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
後述するAT(アシストタイム)中においては、押し順リプや押し順ベルに当選したゲームで正解手順を特定可能なナビ情報が報知される。よって、遊技者は、AT中に報知された情報を手掛かりに正解手順を特定し、当該特定手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することで、有利に遊技を進めることができる。なお、本実施の形態においては、遊技補助表示器12の点灯態様によってナビ情報を報知するナビ報知が、メイン制御部41によって実行される。また、液晶表示器51の画面上にナビ画像を表示することでナビ情報を報知するナビ演出が、メイン制御部41からの指令に基づきサブ制御部91によって実行される。押し順リプや押し順ベルはナビ情報が報知される対象であるため、まとめてナビ対象役ともいう。
[遊技区間]
メイン制御部41は、後述する遊技状態とは異なる概念として複数種類の遊技区間に制御可能である。遊技区間には、通常区間および有利区間が含まれる。
通常区間は、ナビ情報が報知されることのない遊技区間であり、有利区間が終了した後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行抽選において有利区間に移行する旨が決定したことで終了する。
有利区間は、ナビ情報が報知されることのある遊技区間であり、ナビ情報が報知されることで通常区間と比較して有利な遊技区間である。有利区間は、通常区間において有利区間移行抽選において有利区間に移行させる旨が決定された後、次ゲームが開始することで開始し、所定の有利区間終了条件が成立することで終了する。有利区間では、所定のナビ条件が成立すること(本実施の形態では、AT中にナビ対象役が当選すること)で、ナビ情報が報知され、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される。
有利区間の終了条件には、有利区間におけるゲーム数(以下、有利区間ゲーム数という)が上限ゲーム数(本実施の形態では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件1と、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数(本実施の形態では、2388(上限枚数2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(15)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値))を超えることで成立する終了条件2とが含まれ、終了条件1および終了条件2のうち少なくとも一の条件が成立することで有利区間が終了する。
有利区間では、ATに状態が制御されることがある。AT状態においては、内部抽選でナビ対象役が当選したときに、ナビ情報が報知され、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様が報知される。AT状態には、内部抽選の結果に基づき行われるAT抽選で当選することで付与されるATゲーム数分だけ制御される。ATゲーム数は、ナビストックという形で遊技者に付与される。たとえば、ナビストックが1つ付与されると、ATゲーム数が30ゲーム付与されたことになる。
メイン制御部41のRAM41cの所定領域には、付与されているナビストックの残りの数を計数するためのナビストックカウンタ、およびATゲーム数の残りゲーム数を計数するためのATゲーム数カウンタが設定されており、メイン制御部41は、非AT状態が開始されるときに、当該ナビストックカウンタの値およびATゲーム数カウンタの値を0に初期化する。そして、メイン制御部41は、AT抽選に当選したときに、付与されたナビストック数をナビストックカウンタに加算する。当該ナビストックカウンタにより計数されているナビストックの残りの数が1減算されるごとに、ATゲーム数カウンタに所定ゲーム数(たとえば、30ゲーム)が加算されて、AT状態に制御される。
AT状態中の各ゲームでは、メイン制御部41は、ATゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判定する。そして、メイン制御部41は、ATゲーム数カウンタの値が0でない場合には、ゲームの終了時に、ATゲーム数カウンタの値を1減算して、AT状態を維持するように状態を制御する。一方、メイン制御部41は、ATゲーム数カウンタの値が0である場合には、ナビストックカウンタを参照して、ナビストックの残り数が1以上であるか否か判定する。そして、メイン制御部41は、ナビストックの残り数が1以上であると判定した場合、ナビストックカウンタの値を1減算するとともに、ATゲーム数カウンタに所定ゲーム数(たとえば、30ゲーム)を加算し、AT状態に継続して制御する。一方、メイン制御部41は、ナビストックの残り数が1以上でないと判定した場合、AT状態を終了して、非AT状態に移行するように状態を制御する。
有利区間では、内部抽選でスイカやチェリーといったAT抽選対象役が当選することでAT抽選が行われる。また、有利区間では、ボーナスに当選したとき、あるいは、ボーナス中のゲームにおいてベルが当選したときに、AT抽選が行われる。AT抽選で当選すると、ATに制御するための権利であるナビストックが付与され、付与されたナビストック数がナビストックカウンタに加算される。なお、すでにナビストックが付与されている場合において、AT抽選に当選することでナビストックがさらに付与された場合、付与されたナビストック数がナビストックカウンタに加算されATに制御されるゲーム数が上乗せされることとなる。
このように、メイン制御部41は、ATに関する制御状態として、非AT状態と、当該非AT状態よりも遊技者にとって有利なAT状態とを含む複数種類の状態に制御可能であり、ATに制御される権利であるナビストックを消化してAT状態に制御することが可能である。
なお、本実施の形態では、ATに制御される権利として、所定期間にわたりAT状態に制御されるナビストックを適用しているが、ATに制御される権利として、ATに制御されるゲーム数、ナビ情報が報知される回数などを適用し、これらを消化してAT状態に制御する構成でもよい。
[遊技状態の遷移]
図7は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図7に示すように、本実施の形態においては、遊技状態として、RT1、RT2、RT3、内部中、およびボーナスが設けられている。なお、以下では、RT1、RT2、およびRT3をまとめてRT状態ともいう。
設定変更が行われた後、遊技状態はRT1に制御される。RT1は、内部抽選におけるリプレイ当選確率が後述するRT3におけるリプレイ当選確率よりも低い遊技状態である。たとえば、RT1におけるリプレイ当選確率は、1/7に設定されるのに対して、RT3におけるリプレイ当選確率は、1/3に設定されており、RT1においては、遊技者が獲得できるメダルの純増枚数がRT3よりも少ないか、あるいはマイナスになる可能性が高く、RT1はRT3よりも不利な遊技状態である。
RT1では、押し順ベルが当選したゲームにおいて、移行出目が導出したときに、遊技状態がRT2に制御される。RT2は、内部抽選におけるリプレイ当選確率がRT3におけるリプレイ当選確率よりも低い遊技状態である。たとえば、RT2におけるリプレイ当選確率は、1/7に設定されるのに対して、RT3におけるリプレイ当選確率は、1/3に設定されており、RT2においては、遊技者が獲得できるメダルの純増枚数がRT3よりも少ないか、あるいはマイナスになる可能性が高く、RT2はRT3よりも不利な遊技状態である。なお、RT2におけるリプレイ当選確率は、RT1におけるリプレイ当選確率よりも高くてもよいし、RT1におけるリプレイ当選確率と同じであってもよい。
RT2では、維持昇リプが当選したゲームにおいて、通常リプが入賞したときに、遊技状態がRT2を維持する一方で、昇格リプが入賞したときに、遊技状態がRT3に制御される。
RT3では、維持転リプが当選したゲームにおいて、通常リプが入賞したときに、遊技状態がRT3を維持する一方で、転落リプが入賞したときに、遊技状態がRT2に制御される。また、RT3では、押し順ベルが当選したゲームにおいて、移行出目が導出したときにも、遊技状態がRT2に制御される。RT3は、内部抽選におけるリプレイ当選確率がRT1やRT2におけるリプレイ当選確率よりも高い遊技状態である。
さらに、RT3においては、ATに制御するための権利(ATゲーム数やナビストック)が付与されていることを条件にATに制御される。RT3においてATに制御した状態をARTともいう。ARTに制御されると、押し順ベルや維持転リプに当選したゲームで正解手順を特定可能なナビ情報が報知される。これにより、RT3においては、押し順ベルに当選したときに賭数よりも多いメダルが払い出される主役を入賞させるとともに移行出目の導出を回避することで遊技状態をRT3で維持することができ、さらに維持転リプに当選したときに転落リプの入賞を回避することで遊技状態をRT3で維持することができる。これにより、RT3においては、RT1やRT2よりも遊技者が獲得できるメダルの純増枚数を多くすることができる。本実施の形態においては、RT1およびRT2においては、ATに制御されず、かつリプレイ当選確率がRT3よりも低いことで、メダルの払出率が100%を超えないのに対して、RT3においては、ATに制御され、かつリプレイ当選確率がRT1およびRT2よりも高いことで、メダルの払出率が100%を超える。したがって、RT3はRT1やRT2よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
いずれかのRT状態でボーナスに当選し、かつボーナスが当選したゲーム内でボーナスに入賞させることができなかった場合には、遊技状態が内部中に制御される。内部中においては、ボーナスの当選が次ゲーム以降に持ち越される。
いずれかのRT状態でボーナスに当選し、かつボーナスが当選したゲーム内でボーナスを入賞させることができた場合には、遊技状態がボーナスに制御される。また、内部中において当選が持ち越されていたボーナスを入賞させることができた場合にも、遊技状態がボーナスに制御される。ボーナスが終了すると、遊技状態がRT1に制御される。
このように、RT1からRT2を経由してRT3に遊技状態が移行することで、リプレイ確率が高く、かつATに制御可能である遊技者にとって有利な状態に制御されるようになっている。
本実施の形態においては、ボーナスが終了する最終ゲームの時点で、既にATの権利が付与されている場合、当該最終ゲームにおいて、AT抽選においてAT当選したか否かを報知するAT当選報知が行われる場合がある。たとえば、AT当選報知が行われると、液晶表示器51の画面上に「WIN」の文字画像が表示される。なお、AT当選報知は、ボーナスの最終ゲームに限らず、ボーナス当選したときや、ボーナス入賞したとき、あるいはボーナス中のいずれかのタイミングで行われてもよい。
ボーナスが終了した後に遊技状態がRT1に移行した場合において、AT当選報知が行われていないときには、液晶表示器51の画面上に背景画像1が表示されるとともに、スピーカ53,54からBGM1が出力される。背景画像1は、AT当選が確定していない状態に対応する背景画像であって、AT当選していないときにも表示される通常の背景画像である。BGM1は、AT当選が確定していない状態に対応する音楽であって、AT当選していないときにも出力される通常の音楽である。その後、RT1からRT2に移行した後も、液晶表示器51の画面上に背景画像1が表示されるとともに、スピーカ53,54からBGM1が出力され続ける。
一方、ボーナスが終了した後に遊技状態がRT1に移行した場合において、AT当選報知が行われているときには、液晶表示器51の画面上に背景画像2が表示されるとともに、スピーカ53,54からBGM2が出力される。背景画像2は、AT当選が確定している状態に対応する背景画像であって、ATが開始するまでの準備中を示唆する背景画像である。BGM2は、AT当選が確定している状態に対応する音楽であって、ATが開始するまでの準備中を示唆する音楽である。その後、RT1からRT2に移行した後も、液晶表示器51の画面上に背景画像2が表示されるとともに、スピーカ53,54からBGM2が出力され続ける。
RT2からRT3に移行することでATに制御された場合、AT当選報知が行われているか否かに関わらず、液晶表示器51の画面上に背景画像3が表示されるとともに、スピーカ53,54からBGM3が出力される。背景画像3は、AT状態に対応する背景画像である。BGM3は、AT状態に対応する音楽である。
このように、AT当選報知が行われているか否かに応じて、ATが開始するまでに至るRT1およびRT2における背景画像およびBGMが互いに異なる一方で、AT当選報知が行われているか否かに関わらず、ATが開始した後の背景画像およびBGMは互いに同じである。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理が行われる。
メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、ボーナスに当選したときには、ボーナス当選フラグが設定され、ベルに当選したときには、中段ベルの当選フラグと、右下がりベルの当選フラグとが設定される。
ボーナスの当選フラグについては、当選したボーナスに入賞するまで持ち越される一方、ボーナス以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無に関わらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役や再遊技役などの当選フラグ)の消去など)が行われる。
ボーナスに入賞したと判定されたときには、入賞したボーナスの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[エンディング制御]
メイン制御部41は、AT状態に制御しているときに、有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)に到達すること、または有利区間のメダル純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)を超えることで、所定数(本実施の形態では、4個(ATゲーム数で120ゲーム分、メダル純増枚数で約360枚分)のナビストックを特別に付与する特別付与を行うことで、有利区間の終了時までAT状態を継続させて、有利区間の終了とともにAT状態を終了させるエンディング制御を行うことが可能である。
具体的に、エンディング制御では、RAM41cの所定領域において、ナビストックを特別に付与する特別付与を行ったか否かを特定可能な特別付与フラグが設定されるようになっており、メイン制御部41は、AT状態中の各ゲームにおいて、ゲームの開始時にRAM41cの有利区間ゲーム数カウンタを参照し、現在の有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)であるか否かを判定する。そして、メイン制御部41は、有利区間ゲーム数が第1所定値である場合、すなわち当該ゲームにおいて有利区間ゲーム数が第1所定値に到達したことが特定される場合には、特別付与フラグを参照し、特別付与が行われていない旨が特定されることを条件に特別付与を行うように制御する。具体的には、メイン制御部41は、所定数(本実施の形態では、4個)のナビストックを付与してナビストックカウンタに加算することで、有利区間ゲーム数が終了条件1の成立することとなる上限値となるまでAT状態が継続されるようにATゲーム数を上乗せする。また、メイン制御部41は、特別付与を行ったときに、特別付与を行った旨を特定可能となるように特別付与フラグを更新する。
また、メイン制御部41は、AT状態中の各ゲームにおいて、ゲームの終了時にRAM41cの純増枚数カウンタを参照し、現在の有利区間におけるメダル純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)を超えているか否かを判定する。そして、メイン制御部41は、メダル純増枚数が第2所定値を超えている場合には、特別付与フラグを参照し、特別付与が行われていない旨が特定されることを条件に特別付与を行うように制御する。具体的には、メイン制御部41は、所定数(本実施の形態では、4個)のナビストックを付与してナビストックカウンタに加算することで、メダル純増枚数が終了条件2の成立することとなる規定枚数となるまでAT状態が継続されるようにATゲーム数を上乗せする。また、メイン制御部41は、特別付与を行ったときに、特別付与を行った旨を特定可能となるように特別付与フラグを更新する。
サブ制御部91は、メイン制御部41側にてナビストックの特別付与が行われることで、エンディング演出を開始するように制御する。エンディング演出の具体的な内容については、図12で後述する。
このように、エンディング制御では、AT状態において、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達すること、または有利区間のメダル純増枚数が第2所定値を超えることを条件として、ナビストックの特別付与を行うことで、現在の有利区間ゲーム数から上限ゲーム数までの差分のゲーム数以上のATゲーム数を上乗すること、または、現在のメダル純増枚数から規定枚数までの差分の枚数以上の純増枚数が得られるATゲーム数を上乗することとなり、その後、有利区間の終了条件1または終了条件2が成立するとき、すなわち有利区間が終了されるときまで、AT状態が継続する。
[事前報知]
メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じて、メイン制御部41側での制御状況などを特定可能な種々のコマンドをサブ制御部91に対して送信することが可能であり、たとえば、遊技の進行状況を特定可能なコマンド、現在制御している遊技区間を特定可能なコマンド、現在制御しているATに関する制御状態を特定可能なコマンド、ナビ情報を特定可能なコマンド、ナビストックの特別付与を行ったか否かを特定可能なコマンドなどを遊技の進行状況に応じてサブ制御部91に対して送信するようになっている。
これに対して、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて、特定される遊技の進行状況や制御状態に応じて各種演出を行うように制御することが可能であり、たとえば、メイン制御部41においてナビ報知が行われるときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知するナビ演出を行うように制御する。
サブ制御部91は、エンディング演出を開始する場合に、当該エンディング演出を開始する前の所定ゲーム数に亘る期間において、エンディング演出が開始される旨を示唆するエンディング示唆演出を実行する。
具体的には、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて、メイン制御部41側にてAT状態に制御されており、かつ有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)より所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム)前の第3所定値(本実施の形態では、1395ゲーム)に到達したことが特定されるゲームの開始時、または、メイン制御部41側においてAT状態に制御されており、かつ有利区間のメダル純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)より所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム)に相当する純増枚数(本実施の形態では、15枚(所定ゲーム数である5ゲーム×純増枚数の平均値である3枚))分前の第4所定値(本実施の形態では、2073枚)を超えたことが特定されるゲームの終了時に、エンディング示唆演出が未だ行われていないこと、および残りATゲーム数(付与されているナビストックの消費により加算され得るATゲーム数を含む)が所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム前)以上であることを条件に、エンディング示唆演出を開始する。サブ制御部91は、エンディング示唆演出を実行することで、エンディング演出が実行されることを示唆するエンディング示唆画像を液晶表示器51に表示する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41側から受信したコマンドに基づいて、メイン制御部41側にて制御される有利区間について終了条件1,2のうち少なくとも一方の終了条件の成立が近い状況であることが特定されるときに、有利区間の終了条件の成立が近い旨を遊技者に事前に予告する有利区間終了予告演出を開始する。サブ制御部91は、有利区間終了予告演出を実行することで、有利区間が終了することを示唆する有利区間終了予告画像を液晶表示器51に表示する。
このように、サブ制御部91は、エンディング示唆演出を実行することで、エンディング演出が実行されることを、遊技者に事前に報知するようになっている。また、サブ制御部91は、有利区間終了予告演出を実行することで、有利区間が終了することを、遊技者に事前に報知するようになっている。以下では、これらの報知を、事前報知ともいう。
[表示領域]
図8は、液晶表示器51の画面上における一部の表示領域を説明するための図である。図8に示すように、液晶表示器51の画面上には複数の表示領域が含まれる。
具体的には、液晶表示器51の画面を正面から見て左上には、ATの残りゲーム数を特定可能なAT終了条件画像を表示するためのAT残りゲーム数領域が設けられている。
液晶表示器51の画面を正面から見て下方には、AT中における消化ゲーム数を特定可能な画像を表示するための消化ゲーム数領域と、AT中における純増枚数を特定可能な画像を表示するための純増枚数領域とが設けられている。なお、以下では、AT中における消化ゲーム数を特定可能な画像およびAT中における純増枚数を特定可能な画像をまとめてAT遊技履歴画像ともいう。
さらに、液晶表示器51の画面を正面から見て下方において、消化ゲーム数領域および純増枚数領域と重なる領域には、エンディング示唆画像や有利区間終了予告画像を表示するための事前報知領域が設けられている。
[ATに関連する演出の一例]
サブ制御部91が実行するATに関連する演出について、図9〜図12に基づいて説明する。
(ATが開始するまでの演出)
図9に基づきATが開始するまでの演出について説明する。図9は、ATが開始するまでの演出を説明するための図である。図9(a1)〜(f1)は、たとえば、ボーナス当選時に行われたAT抽選によってAT当選することでナビストックが付与されているが、AT当選したことが確定的に遊技者に報知されていない場合におけるATが開始するまでの演出を示すものである。図9(a1)〜(f1)は、たとえば、ボーナス当選時に行われたAT抽選によってAT当選することでナビストックが付与され、かつボーナスの最終ゲームでAT当選したことが確定的に遊技者に報知された場合におけるATが開始するまでの演出を示すものである。つまり、図9(a1)〜(f1)および図9(a2)〜(f2)のそれぞれに示す例は、有利区間においてAT当選している点で共通するが、図9(a1)〜(f1)に示す例はAT当選報知してないのに対して、図9(a2)〜(f2)に示す例はAT当選報知している点で互いに異なる。
まず、図9(a1)〜(f1)に基づいて、AT当選したことが報知されなかった場合の演出について説明する。図9(a1)に示すように、ボーナスの最終ゲームでAT当選が報知されない場合には、AT当選したか否かを煽る演出として「CHANCE?」の文字画像が液晶表示器51に表示される。なお、AT抽選においてAT当選しなかった場合においても、ボーナスの最終ゲームで「CHANCE?」の文字画像が液晶表示器51に表示されるため、この時点では、AT当選しているか否かを遊技者は認識することはできない。
図9(b1)に示すように、スタートスイッチ7によって次のゲームの開始操作が行われると、遊技状態がRT1に移行し、通常の背景画像として、山や太陽とともにキャラクタが現れる背景画像1が液晶表示器51に表示される。さらに、スピーカ53,54から、AT当選が確定していない状態に対応するBGM1が出力される。
その後、図9(c1)に示すように、押し順ベルの当選時に移行出目が導出されると、図9(d1)に示すように、次のゲームで遊技状態がRT2に移行する。遊技状態がRT1からRT2に移行しても、液晶表示器51に背景画像1が表示され続けるとともに、スピーカ53,54からBGM1が出力され続ける。
その後、図9(e1)に示すように、RT2において維持昇リプに当選したときには、未だAT当選が報知されていないため、ナビ情報が報知されない。このため、大抵の場合、遊技者は維持昇リプに当選したときに昇格リプを入賞させることができないが、図9(f1)に示す例のおいては、遊技者の勘による停止操作によって昇格リプが入賞している。このとき、昇格リプの図柄組合せが導出されたタイミングで、スピーカ53,54から出力されていたBGM1が停止して、スピーカ53,54が消音する。具体的には、サブ制御部91は、入賞判定処理においてメイン制御部41から昇格リプが入賞した旨を特定可能な入賞コマンドを受信したときに、スピーカ53,54の出力を停止する。なお、液晶表示器51においては、背景画像1が表示され続ける。RT2において昇格リプが入賞すると、次のゲームで遊技状態がRT3に移行して、図10(g)に示すようにATが開始する。
なお、上述した図9(a1)〜(f1)には、AT当選しているにも関わらずAT当選が報知されなかった場合の演出が示されているが、AT当選していない場合の演出についても同様である。但し、図9(f1)に示すようにRT2において昇格リプが入賞したときに、次のゲームで遊技状態がRT3に移行するが、AT状態には制御されない。
次に、図9(a2)〜(f2)に基づいて、AT当選したことが報知された場合の演出について説明する。図9(a2)に示すように、ボーナスの最終ゲームでAT当選が報知される場合には、AT当選したことを確定的に報知する演出として「WIN」の文字画像が液晶表示器51に表示される。
図9(b2)に示すように、スタートスイッチ7によって次のゲームの開始操作が行われると、遊技状態がRT1に移行し、ATが開始するまでの準備状態の背景画像として、「準備中」および「START」の文字を示す背景画像2が液晶表示器51に表示される。さらに、スピーカ53,54から、AT当選が確定している状態に対応するBGM2が出力される。
その後、図9(c2)に示すように、押し順ベルの当選時に移行出目が導出されると、図9(d2)に示すように、次のゲームで遊技状態がRT2に移行する。遊技状態がRT1からRT2に移行しても、液晶表示器51に背景画像2が表示され続けるとともに、スピーカ53,54からBGM2が出力され続ける。
その後、図9(e2)に示すように、RT2において維持昇リプに当選したときに、AT当選が報知されているため、RT3に状態を移行させるためのナビ情報が報知される。このため、図9(f2)に示すように、遊技者は維持昇リプに当選したときに昇格リプを入賞させることができる。このとき、昇格リプの図柄組合せが導出されたタイミングで、スピーカ53,54から出力されていたBGM2が停止して、スピーカ53,54が消音する。さらに、背景画像2の一部である「START」の文字画像の色が変化する。具体的には、サブ制御部91は、入賞判定処理においてメイン制御部41から昇格リプが入賞した旨を特定可能な入賞コマンドを受信したときに、スピーカ53,54の出力を停止するとともに、液晶表示器51において背景画像2の一部である「START」の文字画像の色を変化させる。なお、液晶表示器51においては、背景画像2が表示され続ける。RT2において昇格リプが入賞すると、次のゲームで遊技状態がRT3に移行して、図10(g)に示すようにATが開始する。
(AT状態における演出)
図10〜図12に基づき、AT状態における演出について説明する。図10は、ATが開始した後の演出を説明するための図である。
図10(g)に示すように、図8(f1),(f2)で昇格リプが入賞したときにおいて、スタートスイッチ7によって次のゲームの開始操作が行われると、当該次のゲームで遊技状態がRT3に移行してATが開始する。ATが開始すると、液晶表示器51に「ATラッシュ」の文字とともにキャラクタが現れる。さらに、開始操作が行われたタイミングでスピーカ53,54から、AT状態に関する音として、AT状態に対応する音楽であるBGM3が出力されるとともに、ATが開始する旨を報知する「AT開始」の音声が出力される。
そして、所定時間が経過すると、図10(h)に示すように、AT状態における演出としてAT演出が開始する。ここで、本実施の形態においては、AT演出として、メイン制御部41においてAT状態に制御されている旨を示唆するAT演出(通常)と、メイン制御部41においてAT状態に制御されている旨を示唆するとともに、メイン制御部41においてエンディング制御が行われ、有利区間の終了条件1または終了条件2が成立することでAT状態がその後に終了する旨を示唆するAT演出(エンディング)とが設けられている。
サブ制御部91は、メイン制御部41においてAT状態に制御されている旨が特定される場合であって、有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)に到達しておらず、かつ、有利区間におけるメダルの純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)を超えていない場合、すなわちエンディング制御が未だ行われておらず、ナビストックの特別付与が行われていない場合に、後述のAT演出(エンディング)の開始条件が成立するまで、AT演出(通常)を行うように制御する。一方、サブ制御部91は、メイン制御部41においてAT状態に制御されている旨が特定される場合であって、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達した場合、または、有利区間のメダル純増枚数が第2所定値を超えている場合、すなわちエンディング制御が行われて、ナビストックの特別付与が行われたことで、AT演出(エンディング)の開始条件が成立した以降では、AT演出(エンディング)を行うように制御する。
また、サブ制御部91は、AT演出(通常)またはAT演出(エンディング)を行っているときに、メイン制御部41においてナビ報知が行われる旨が特定されるときには、ナビ演出の制御を行って、ナビ報知により報知されるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を報知するナビ画像を液晶表示器51に表示させるように制御する。
図10(h)に示すように、AT演出(通常)では、メイン制御部41においてAT状態に制御されているときに表示するAT演出画面を液晶表示器51に表示させることで、AT状態に制御されている旨を示唆する。AT演出画面は、キャラクタ画像などによる主となる演出の主演出画像と、ATの終了条件を示唆するAT終了条件画像(本実施の形態では、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて特定される残りATゲーム数を示す数字画像(たとえば49ゲーム))と、AT中の遊技履歴を示唆するAT遊技履歴画像(本実施の形態では、AT中における消化ゲーム数を特定可能な画像,AT中における純増枚数を特定可能な画像)と、前述のナビ画像とを含む。
図11は、AT状態においてエンディングに至るまでの演出を説明するための図である。サブ制御部91は、AT演出(エンディング)を開始する場合に、当該AT演出(エンディング)を開始する前の所定ゲーム数に亘る期間において、AT演出(エンディング)が開始される旨を遊技者に事前に報知する事前報知として、エンディング示唆演出を行う。
具体的には、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいて、メイン制御部41においてAT状態に制御され、かつ有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)より所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム)前の第3所定値(本実施の形態では、1395ゲーム)に到達したことが特定されるゲームの開始時、または、メイン制御部41においてAT状態に制御され、かつ有利区間のメダル純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)より所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム)に相当する純増枚数(本実施の形態では、15枚(所定ゲーム数である5ゲーム×純増枚数の平均値である3枚))分前の第4所定値(本実施の形態では、2073枚)を超えたことが特定されるゲームの終了時に、エンディング示唆演出が未だ行われていないこと、および残りATゲーム数(付与されているナビストックの消費により加算され得るATゲーム数を含む)が所定ゲーム数(本実施の形態では、5ゲーム前)以上であることを条件に、エンディング示唆演出を開始するように制御する。
図11(a1),(a2)に示すように、エンディング示唆演出では、AT状態に制御されており、かつ有利区間ゲーム数が第3所定値に到達したことが特定されるゲームの開始時、または、AT状態に制御されており、かつメダル純増枚数が第4所定値を超えたことが特定されるゲームの終了時に、液晶表示器51においてエンディング示唆画像の表示を開始する。エンディング示唆画像は、液晶表示器51の表示領域のうち、リール2L,2C,2Rとストップスイッチ8L,8C,8Rとの間の表示領域に表示されるようになっており、遊技中に遊技者が認識し易いようになっている。
また、エンディング示唆画像は、所定間隔ごとに表示状態と非表示状態に交互に切り替えて表示される点滅表示制御されるようになっており、非表示状態であるときには、図11(a1)に示すようにAT遊技履歴画像が表示されることでAT中の消化ゲーム数およびメダル純増枚数を遊技者が認識可能である一方、表示状態であるときには、図11(a2)に示すようにエンディング示唆画像が表示されることでAT演出(エンディング)が開始される旨を遊技者が認識可能である。このように、AT遊技履歴画像が表示されていた表示領域を用いて、エンディング示唆画像が表示される。このようなエンディング示唆画像の表示は、AT演出(エンディング)が開始するときまで継続する。
また、エンディング示唆画像の点滅表示制御では、AT演出(エンディング)が開始するまでの時間が比較的短いときほど、AT演出(エンディング)が開始するまでの時間が比較的長いときよりも表示状態の時間が長く、かつ非表示状態の時間が短くなるように、エンディング示唆画像の表示状態と非表示状態とで表示状態を切り替えるようになっている。これにより、AT演出(エンディング)が開始することが比較的近い状況であるときに、エンディング示唆画像を強調して表示することができる。
エンディング示唆演出では、有利区間ゲーム数が第3所定値に到達したことを契機として、有利区間ゲーム数が第1定値に到達するまでの残りゲーム数を示唆する数字画像と当該残りゲーム数の経過によりAT演出(エンディング)が開始される旨を示唆するメッセージ画像がエンディング示唆画像として表示され、ゲームの開始時ごとに残りゲーム数をカウントダウンするようにエンディング示唆画像が更新される(図11(a2),(b2)参照)。一方、図示は省略するが、メダル純増枚数が第4所定値を超えたことを契機として、エンディング示唆演出を行う場合には、メダル純増枚数が第2所定値を超えるまでの残り純増枚数を示唆する数字画像と当該残り純増枚数分純増枚数が増加することによりAT演出(エンディング)が開始される旨を示唆するメッセージ画像がエンディング示唆画像として表示され、ゲームの終了時ごとに残り純増枚数を示すようにエンディング示唆画像が更新される。
その後、図11(b1),(b2)に示すように、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達したことが特定されるゲームの開始時、または、メダル純増枚数が第2所定値を超えたことが特定されるゲームの終了時、すなわちメイン制御部41においてエンディング制御が行われてナビストックの特別付与が行われるときに、エンディング確定報知が行われ、エンディング確定報知画像が液晶表示器51に表示される。エンディング確定報知画像では、所定のキャラクタ画像とAT演出(エンディング)が行われる旨を示すメッセージ画像(本実施の形態では、「エンディングGET!!」の文字画像)が表示されることで、AT演出(エンディング)が行われることが確定した旨が報知される。
なお、エンディング確定報知が行われた場合においても、図11(b1)に示すようにAT遊技履歴画像が表示されていた表示領域を用いて、図11(b2)に示すようにエンディング示唆画像が表示される。そして、リール2L,2C,2Rの下方においては、所定間隔ごとに、AT遊技履歴画像とエンディング示唆画像とで画像が交互に切り替わって表示される。
その後、図11(c)に示すように、エンディング確定報知画像が表示されている状態で、次ゲームを開始するための賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されることで、次のゲームが開始したときに、エンディング示唆演出が終了する。また、当該ゲームが開始したときに、エンディング開始画像が液晶表示器51に表示するとともに、AT演出をAT演出(通常)からAT演出(エンディング)に切り替えるように制御する。エンディング開始画像では、所定のキャラクタ画像とAT演出(エンディング)が開始される旨を示すメッセージ画像(本実施の形態では、「エンディング開始!!」の文字画像)が表示することで、AT演出(エンディング)が開始する旨を遊技者に示唆する。
そして、サブ制御部91は、エンディング開始画像を所定期間(本実施例では、5秒間)に亘り表示させた後、当該エンディング開始画像の表示を終了させて、その後、有利区間が終了することに伴いAT状態が終了するときまで、AT演出(エンディング)を行うように制御する。
図12は、AT状態におけるエンディング中の演出を説明するための図である。図12に示すように、AT演出画面(エンディング)では、AT演出(通常)と同様に、主演出画像、AT終了条件示唆画像、AT遊技履歴画像、およびナビ画像で構成されるAT演出画面が液晶表示器51に表示されることで、AT状態に制御されている旨が示唆される。主演出画像、AT終了条件示唆画像、およびAT遊技履歴画像について、その表示態様は、前述したAT演出(通常)での表示態様と同様である。
一方、AT演出画面(エンディング)では、背景画像として、AT演出(通常)では表示されることがない背景画像が表示される。このような背景画像が表示されること、AT演出画面(エンディング)が表示されていることを遊技者が認識可能である。AT演出画面(エンディング)が表示されることで、メイン制御部41においてエンディング制御が行われてナビストックの特別付与が行われた旨を示唆するとともに、有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)に到達したことで有利区間の終了条件1の成立が近い旨、および、有利区間のメダル純増枚数が第2所定値(本実施の形態では、2088枚)を超えたことで有利区間の終了条件2の成立が近い旨を示唆することができる。
また、図12に示すように、AT演出画面(エンディング)のAT終了条件画像では、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達したことを契機として、当該AT演出(エンディング)が開始された場合には、終了条件1が成立することとなる有利区間ゲーム数の上限ゲーム数と現在の有利区間ゲーム数の差分を、残りATゲーム数として示唆するように数字画像を表示する。一方、図示は省略するが、メダル純増枚数が第2所定値を超えたことを契機として、当該AT演出(エンディング)が開始された場合には、特定の数値を示さない文字画像(たとえば、「?」などの画像)を、残りATゲーム数を示唆する数字画像に替えて表示することもある。メダル純増枚数が第2所定値を超えたことを契機として、当該AT演出画面(エンディング)が開始した場合には、有利区間の終了条件2が成立するまでのゲーム数が不確定であるため、AT終了条件画像において残りATゲーム数として特定の数値を表示させないことで、AT終了条件画像により示唆される残りATゲーム数と、実際に制御される残りATゲーム数とに不整合が生じて、遊技者を困惑させてしまうことを防止できるようになっている。
なお、AT演出画面(エンディング)のAT終了条件画像では、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達したことを契機として、当該AT演出(エンディング)が開始された場合にも、メダル純増枚数が第2所定値を超えたことを契機として、当該AT演出(エンディング)が開始された場合にも、当該有利区間の終了条件が成立するまでのゲーム数または推定ゲーム数を表示させる構成でもよいし、当該有利区間の終了条件が成立するまでのゲーム数を表示させない構成でもよい。
また、図12(b)に示すように、AT演出画面(エンディング)では、有利区間の終了条件の成立が近い旨を事前に報知する事前報知として、有利区間終了予告画像を液晶表示器51に表示して、有利区間の終了条件が成立することでAT状態が終了される旨を、有利区間が終了するとともにAT状態が終了する前に予告する有利区間終了予告を行う。
有利区間終了予告画像には、現在の有利区間ゲーム数と上限ゲーム数との差分のゲーム数を示すゲーム数画像と、現在の有利区間のメダル純増枚数と規定枚数との差分の枚数を示す枚数画像と、ゲームが当該差分のゲーム数分行われること、またはメダル純増枚数が当該差分の枚数分増加することで、AT状態が終了される旨を示唆する文字画像が含まれる。有利区間終了予告画像は、液晶表示器51の表示領域のうち、リール2L,2C,2Rとストップスイッチ8L,8C,8Rとの間の表示領域に表示されるようになっており、遊技中に遊技者が認識し易いようになっている。
また、有利区間終了予告画像は、所定時間が経過するたびに表示状態と非表示状態に交互に切り替えて表示される点滅表示制御されるようになっており、非表示状態であるときには、図12(a)に示すようにAT遊技履歴画像が表示されることでAT中の消化ゲーム数およびメダル純増枚数を遊技者が認識可能である一方、表示状態であるときには、図12(b)に示すように有利区間終了予告画像が表示されることで有利区間が終了する旨とともに有利区間ゲーム数の差分のゲーム数およびメダル純増枚数の差分の枚数を遊技者が認識可能となっている。
また、有利区間終了予告画像の点滅表示制御では、有利区間の終了条件1または終了条件2の成立が比較的近い状況であるときほど、すなわち有利区間ゲーム数の差分のゲーム数及びメダル純増枚数の差分の枚数が少なくなるほど、有利区間の終了条件1または終了条件2の成立が遠い状況であるとき、すなわち有利区間ゲーム数の差分のゲーム数及びメダル純増枚数の差分の枚数が比較的多いときよりも表示状態の時間が長く、かつ非表示状態の時間が短くなるように、有利区間終了予告画像の表示状態と非表示状態とで表示状態を切り替えるようになっている。これにより、有利区間の終了条件の成立が比較的近い状況であるときに、有利区間終了予告画像を強調して表示することができる。
[主な作用効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(作用効果1)
(1−1) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2からRT3へと状態が移行したときに消音する(図9参照)。
このような構成によれば、RT2においてスピーカ53,54が消音することで、当該RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させることができ、遊技状態の遷移に関して遊技の興趣を向上させることができる。
(1−2) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54と、
遊技者にとって有利な有利区間に制御するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間のメダル純増枚数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数が1500ゲームに到達することで成立する終了条件1、または純増枚数が2388枚に到達することで成立する終了条件2のいずれか一方が成立したときに、当該有利区間を終了するメイン制御部41による処理と、
有利区間ゲーム数が1500ゲームに到達する前の第1所定値である1400ゲームに到達したとき、純増枚数が2388枚に到達する前の第2所定値である2089枚に到達したときのいずれにおいても、終了条件の成立が近い旨を報知する共通の事前報知として有利区間終了予告画像の表示を実行可能なサブ制御部91による処理とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2からRT3へと状態が移行したときに消音し(図9参照)、
ATは、有利区間中における状態であり、
共通の事前報知は、有利区間ゲーム数の上限値までの残りゲーム数および純増枚数の規定枚数までの残り枚数の双方を含む報知である(図12(b)参照)。
このような構成によれば、上記(1−1)で記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。すなわち、有利区間において更新される有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することで成立する終了条件1または有利区間において更新されるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることで成立する終了条件2の一方が成立しない場合でも、他方が成立することで有利区間が終了するので、有利区間に制御されることにより過度に有利となってしまうことを防止できる。また、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達する前の第1所定値に到達したとき、メダルの純増枚数が規定枚数に到達する前の第2所定値に到達したときのいずれにおいても、有利区間の終了条件の成立が近い旨を報知する共通の有利区間終了予告が実行されるので、有利区間が終了される旨を事前に報知することができ、有利区間の終了条件1または終了条件2が成立して、突然、有利区間が終了してしまうことを防止できる。この際、共通の有利区間終了予告には、終了条件1に関する情報及び終了条件2に関する情報の双方が含まれるので、共通の有利区間終了予告であっても、終了条件1または終了条件2のいずれかが成立することで有利区間が終了することを事前に認識させることができる。
なお、本実施の形態において、メイン制御部41は、有利区間に制御したゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(第1規定値)に到達することで、有利区間の終了条件1が成立したと判定して、有利区間を終了させる構成であるが、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数(第1規定値)以上となることで、有利区間の終了条件1が成立したと判定して、有利区間を終了させる構成でもよいし、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数(第1規定値)に到達する直前の値(第1規定値−1)を超えたことで、有利区間の終了条件1が成立したと判定して、有利区間を終了させる構成でもよい。また、メイン制御部41は、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数(第2規定値)を超えることで、有利区間の終了条件2が成立したと判定して、有利区間を終了させる構成であるが、有利区の純増枚数が規定枚数より1枚多い枚数(第2規定値+1)に到達することや、規定枚数より1枚多い枚数以上となることで、有利区間の終了条件2が成立したと判定して、有利区間を終了させる構成でもよい。
また、本実施の形態では、サブ制御部91は、有利区間ゲーム数が第1所定値(本実施例では、1400ゲーム)に到達することで、有利区間終了予告を開始させる構成であり、有利区間ゲーム数が第1所定値以上となったときに有利区間終了予告を実行する構成であるが、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達する直前の値(1399ゲーム)を超えたときに有利区間終了予告を実行する構成でもよい。また、サブ制御部91は、有利区間のメダルの純増枚数が第2所定値(本実施例では、2088枚)を超えることで、有利区間終了予告を実行させる構成であるが、有利区間の純増枚数が第2所定値以上となったときに有利区間終了予告を実行する構成でもよいし、有利区間の純増枚数が第2所定値+1に到達したときに有利区間終了予告を実行する構成でもよい。
(1−3) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2からRT3へと状態が移行したときに消音し(図9参照)、
液晶表示器51によって背景画像3が表示される画面には、AT中の遊技履歴を示すAT遊技履歴画像が表示されるのに対し、液晶表示器51によって背景画像1や背景画像2が表示される画面には、AT遊技履歴画像が表示されない(図9,図10参照)。
このような構成によれば、上記(1−1)で記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。すなわち、RT2からRT3に移行することでAT状態に制御された場合においては、背景画像1や背景画像2から背景画像3へと背景画像が切り替わるとともに、AT遊技履歴画像が新たに表示されるため、遊技者にとって有利なAT状態に制御されたことを遊技者に分かり易く認識させることができる。
(1−4) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54と、
遊技者にとって有利な有利区間に制御するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間のメダル純増枚数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数が1500ゲームに到達することで成立する終了条件1、または純増枚数が2388枚に到達することで成立する終了条件2のいずれか一方が成立したときに、当該有利区間を終了するメイン制御部41による処理と、
有利区間ゲーム数が1500ゲームに到達する前の第1所定値である1400ゲームに到達したとき、純増枚数が2388枚に到達する前の第2所定値である2089枚に到達したときのいずれにおいても、終了条件の成立が近い旨を報知する共通の事前報知として有利区間終了予告画像の表示を実行可能なサブ制御部91による処理とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2からRT3へと状態が移行したときに消音し(図9参照)、
ATは、有利区間中における状態であり、
共通の事前報知は、有利区間ゲーム数の上限値までの残りゲーム数および純増枚数の規定枚数までの残り枚数の双方を含む報知であり(図12(b)参照)、
液晶表示器51によって背景画像3が表示される画面には、AT中の遊技履歴を示すAT遊技履歴画像が表示されるのに対し、液晶表示器51によって背景画像1や背景画像2が表示される画面には、AT遊技履歴画像が表示されず(図9,図10参照)、
共通の事前報知である有利区間終了予告画像は、AT遊技履歴画像が表示される領域を用いて表示される。
このような構成によれば、上記(1−1)〜(1−3)で記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。すなわち、AT遊技履歴画像が表示される領域を用いて有利区間終了予告画像が表示されることで、AT遊技履歴画像を見ながら遊技をしていた遊技者にとって有利区間終了予告画像を確認し易く、有利区間終了する旨の情報を遊技者に分かり易く認識させることができる。
(1−5) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
RT2において昇格リプの図柄組合せが導出されたときにRT2からRT3へと状態が移行し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2において昇格リプの図柄組合せが導出されたときに消音し(図9参照)、
RT3における遊技が開始したときにATに関する音として、「AT開始」の音声を出力するとともに、BGM3を出力する。
このような構成によれば、上記(1−1)で記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。すなわち、RT2においてRT3に移行するための昇格リプの図柄組合せが導出されたときに、スピーカ53,54から「AT開始」の音声が出力されるとともに、BGM3が出力されるため、遊技状態がRT3に移行すること、およびATの開始を遊技者に分かり易く認識させることができる。
(作用効果2)
(2) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
RT2において昇格リプが入賞した遊技において背景画像2の一部である「START」の文字画像の色を変化させ、当該ゲームの次のRT3における最初のゲームが開始したときに背景画像3の表示を開始する。
このような構成によれば、RT2においてRT3に移行するための昇格リプの図柄組合せが導出されて昇格リプが入賞したときに、背景画像2の一部である「START」の文字画像の色が変化してRT3が開始するとともに背景画像3が表示されるため、RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させることができ、遊技状態の遷移に関して遊技の興趣を向上させることができる。
(作用効果3)
(3) 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリール2L,2C,2Rを備え、
リール2L,2C,2Rを変動表示した後、リール2L,2C,2Rの変動表示を停止することで図柄組合せを導出し、該図柄組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン1であって、
スロットマシン1は、
複数種類の遊技状態のいずれかに状態を制御するメイン制御部41による処理と、
画像を表示する液晶表示器51と、
音を出力可能なスピーカ53,54と、
遊技者にとって有利な有利区間に制御するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間のメダル純増枚数を更新するメイン制御部41による処理と、
有利区間において有利区間ゲーム数が1500ゲームに到達することで成立する終了条件1、または純増枚数が2388枚に到達することで成立する終了条件2のいずれか一方が成立したときに、当該有利区間を終了するメイン制御部41による処理と、
有利区間ゲーム数が1400ゲームに到達する前の第3所定値である1395ゲームに到達したとき、純増枚数が2088枚より所定ゲーム数(たとえば、5ゲーム)に相当する純増枚数(たとえば、15枚(所定ゲーム数である5ゲーム×純増枚数の平均値である3枚))分前の第4所定値である2073枚を超えたことのいずれにおいても、エンディング演出が実行されることを示唆する共通の事前報知としてエンディング示唆画像の表示を実行可能なサブ制御部91による処理とを備え、
複数種類の遊技状態には、RT1と、RT2と、RT1およびRT2よりもリプレイ確率が高くかつARTに制御可能なRT3とが含まれ、
RT1からRT2を経由してRT3に状態が移行することでATに制御され、
液晶表示器51は、
RT1とRT2とで共通する背景画像として、AT当選報知なしの場合には背景画像1を、AT当選報知ありの場合には背景画像2を表示し(図9参照)、
RT3において背景画像1や背景画像2と異なる背景画像として背景画像3を表示し、
スピーカ53,54は、RT1からRT2に亘って、AT当選報知なしの場合にはBGM1を、AT当選報知ありの場合にはBGM2を出力しているときにおいて、RT2からRT3へと状態が移行したときに消音し(図9参照)、
ATは、有利区間中における状態であり、
共通の事前報知は、エンディング演出が開始するまでの残りゲーム数を含む報知である(図11(a2),(b2)参照)。
このような構成によれば、RT2においてスピーカ53,54が消音することで、当該RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させることができ、遊技状態の遷移に関して遊技の興趣を向上させることができる。さらに、有利区間において更新される有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達することで成立する終了条件1または有利区間において更新されるメダルの純増枚数が規定枚数を超えることで成立する終了条件2の一方が成立しない場合でも、他方が成立することで有利区間が終了するので、有利区間に制御されることにより過度に有利となってしまうことを防止できる。また、有利区間ゲーム数がエンディング演出が開始するゲーム数よりも前の第3所定値に到達したとき、メダルの純増枚数がエンディング演出が開始する純増枚数に到達する前の第4所定値に到達したときのいずれにおいても、エンディング演出が実行されることを示唆する共通の事前報知としてエンディング示唆画像が表示されるので、エンディング演出が開始する旨を事前に報知することができ、突然、エンディング演出が開始してしまうことを防止できる。この際、共通のエンディング示唆画像には、エンディング演出が開始するまでの残りゲーム数が含まれるので、エンディング演出が開始するまでのカウントダウンを遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(その他の作用効果)
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技者にとって有利な有利区間に制御可能なメイン制御部41を備え、メイン制御部41は、有利区間において有利区間ゲーム数及び有利区間のメダル純増枚数を計数して更新可能であって、有利区間において有利区間ゲーム数が上限ゲーム数(本実施の形態では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件1、または有利区間のメダル純増枚数が規定枚数(本実施の形態では、2388枚)を超えることで成立する終了条件2のいずれか一方が成立したときに、当該有利区間を終了させる構成である。
この構成によれば、有利区間に制御されたゲーム数が上限ゲーム数に到達するか、有利区間中に増加したメダルの純増枚数が規定枚数を超えて規定枚数+1枚以上に到達することで有利区間が終了するため、有利区間に制御されることより過度に有利となってしまうことを抑制することができる。
本実施の形態のサブ制御部91は、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達する前の第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)に到達したとき、有利区間のメダル純増枚数が規定枚数に到達する前の第2所定値(本実施の形態では、2089枚)に到達したときのいずれにおいても、有利区間の終了条件の成立が近い旨を報知する共通の有利区間終了予告を実行可能な構成であり、有利区間終了予告は、終了条件1が成立するまでの有利区間ゲーム数の差分すなわち有利区間ゲーム数の上限値までの残りゲーム数、および終了条件2が成立するまでのメダル純増枚数の差分すなわちメダル純増枚数の規定枚数までの残り枚数を認識可能な態様で実行されるとともに、有利区間ゲーム数及びメダル純増枚数が更新されるごとに終了条件1が成立するまでの有利区間ゲーム数の差分および終了条件2が成立するまでのメダル純増枚数の差分が更新される構成である。
この構成によれば、終了条件1が成立するまでの有利区間ゲーム数の残りおよび終了条件2が成立するまでのメダル純増枚数の残りを、当該残りの値が変化するごとにリアルタイムに認識させることができる。
本実施の形態のサブ制御部91は、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数に到達する前の第1所定値(本実施の形態では、1400ゲーム)に到達したとき、有利区間のメダル純増枚数が規定枚数に到達する前の第2所定値(本実施の形態では、2089枚)に到達したときのいずれにおいても、有利区間の終了条件の成立が近い旨を報知する共通の有利区間終了予告を実行可能な構成であり、有利区間終了予告は、有利区間の終了条件1が成立した場合の有利区間ゲーム数の上限ゲーム数(本実施の形態では、1500ゲーム)、および有利区間の終了条件2が成立する場合のメダル純増枚数の規定枚数を特定可能に報知し、有利区間ゲーム数が第1所定値に到達したとき、または有利区間のメダル純増枚数が第2所定値を超えたときから開始されることで、有利区間の終了条件1の成立が近いことまたは終了条件2の成立が近いことを報知する構成である。
この構成によれば、有利区間の終了条件1に関連する有利区間ゲーム数の上限値および有利区間の終了条件2に関連する有利区間のメダル純増枚数の規定枚数を遊技者に対して認識させることができるとともに、当該終了条件1の成立が近いことまたは終了条件2の成立が近いことを遊技者に対して認識させることができる。
なお、本実施の形態の有利区間終了予告では、有利区間の終了条件1が成立した場合の有利区間ゲーム数の上限ゲーム数および有利区間の終了条件2が成立する場合のメダル純増枚数の規定枚数を特定可能に報知する構成であるが、終了条件1が成立する場合の有利区間ゲーム数の規定ゲーム数(上限ゲーム数より小さいゲーム数)や、終了条件2が成立する場合のメダル純増枚数の上限枚数を特定可能に報知する構成でもよい。このような構成では、有利区間の終了条件1に関連する有利区間ゲーム数の規定ゲーム数および有利区間の終了条件2に関連する有利区間のメダル純増枚数の上限枚数を遊技者に対して認識させることができるとともに、当該終了条件1の成立が近いことまたは終了条件2の成立が近いことを遊技者に対して認識させることができる。
図9に示すように、ボーナス終了ゲームにおいてAT当選報知が行われていないときには、演出状態が準備中に移行することなく、通常の背景画像1が液晶表示器51に表示されるとともに、通常のBGM1がスピーカ53,54から出力される。一方、ボーナス終了ゲームにおいてAT当選報知が行われているときには、演出状態が準備中に移行して、準備中を示唆する背景画像2が液晶表示器51に表示されるとともに、準備中を示唆するBGM2がスピーカ53,54から出力される。このように、AT当選報知が行われていないときと、AT当選報知が行われているときとで、背景画像およびBGMが異なるため、準備中であることを背景画像およびBGMによって遊技者に分かり易く認識させることができる。
図9(f1),(f2)に示すように、AT当選報知が行われていない場合には、昇格リプが入賞しても背景画像の一部の態様が変化しないのに対して、AT当選報知が行われている場合には、昇格リプが入賞したときに背景画像の一部の態様が変化するため、準備中を経由してATが開始するといった一連の流れを遊技者に分かり易く認識させることができる。
図10に示すように、AT当選報知が行われていない場合と、AT当選報知が行われている場合とのいずれにおいても、共通のAT状態に制御され、かつ共通のAT状態における演出が実行されるため、AT状態への制御に関する処理を複雑にすることを回避することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
(遊技状態の有利度について)
本実施の形態においては、AT状態に制御可能なRT3は、RT1およびRT2よりもリプレイ当選確率が高い点で主に有利な状態であったが、これに限らない。
たとえば、RT3は、RT1およびRT2の少なくともいずれか一方とリプレイ当選確率が同じであってもよく、この場合、他の点において、RT3は、RT1およびRT2よりも有利な状態であってもよい。具体的には、RT3はATゲーム数やナビストックの上乗せが行われるのに対して、RT1およびRT2はATゲーム数やナビストックの上乗せが行われない点で、RT3は、RT1およびRT2よりも有利な状態であってもよい。あるいは、RT3は、RT1およびRT2よりもATゲーム数やナビストックの上乗せ確率が高い点で、RT1およびRT2よりも有利な状態であってもよい。
(一部の態様の変化について)
本実施の形態においては、RT2においてRT3に移行するための昇格リプの図柄組合せが導出されて昇格リプが入賞したときに、背景画像2の一部である「START」の文字画像の色が変化することで、RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させるものであったが、これに限らない。
たとえば、背景画像2の一部である「START」の文字画像の形が変化することで、RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させるものであってもよい。あるいは、文字画像に限らず、背景画像2の一部であるキャラクタなどのその他の画像の態様(色や形など)が変化することで、RT2から有利なRT3へと状態が移行することを遊技者に認識させるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、図9(f2)に示すように、AT当選報知が行われた場合において昇格リプが入賞したときに、背景画像2の一部の態様が変化するものであったが、AT当選報知が行われなかった場合において昇格リプが入賞したときにも、背景画像1の一部の態様が変化するものであってもよい。
(ATに関する音について)
本実施の形態においては、RT3における遊技が開始したときにATに関する音として、スピーカ53,54から、「AT開始」の音声を出力するとともに、BGM3を出力するものであったが、これに限らない。
たとえば、ATが開始するときに、当該ATに制御するための初期ゲーム数を決定する状態(ゾーン)を設け、当該状態(ゾーン)の導入演出の音を、ATに関する音として、RT3における遊技が開始したときに、スピーカ53,54から出力してもよい。
なお、上述した本実施の形態および変形例における各種構成、各種処理、各種処理のタイミングなどは、適宜組合せることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。