JP6672510B1 - 接地構造、電源基板、電気装置、及び接地方法 - Google Patents

接地構造、電源基板、電気装置、及び接地方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業負担を抑制することができる接地構造、電源基板、電気装置、及び接地方法を提供することを目的としている。【解決手段】インレットと、板金構造体とを備え、前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、前記板金構造体は、取付部と、被挿入部とを有し、前記取付部には、前記インレット筐体が取り付けられ、前記アース端子は、前記被挿入部に圧入されている、接地構造が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、接地構造、電源基板、電気装置、及び接地方法に関する。
従来、基板に取り付けられ、ACインレットのアース端子を接地する接地構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の接地構造は、シャーシと板金構造体とを備える。シャーシにはアース端子を有するACインレットが取り付けられる。また、シャーシは基板上に取り付けられ、シャーシは基板の接地回路パターンと電気的に接続される。
特許文献1において、板金構造体は、シャーシに取り付けられ、シャーシと電気的に接続される。また、板金構造体はACインレットのアース端子に接触させる嵌合部を有し、この嵌合部はくびれるように形成されている。作業者がアース端子の先端孔に板金構造体の嵌合部を挿入し、更に、作業者が板金構造体をアース端子に対して相対回転させることで、アース端子の先端孔の内壁と板金構造体の嵌合部とが嵌合する。これにより、板金構造体とアース端子とが電気的に接続される。つまり、アース端子は、板金構造体及びシャーシを介して、基板の接地回路パターンに接地される。
特許第5723992号公報
特許文献1の接地構造の構成は、作業者が板金構造体の嵌合部をアース端子の先端孔に挿入し、更に、板金構造体をアース端子に対して相対回転させないと、板金構造体とアース端子との電気的接続が確保されないため、その分、作業者の作業負担が大きくなる、という課題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、作業負担を抑制することができる接地構造、電源基板、電気装置、及び接地方法を提供することを目的としている。
本発明によれば、インレットと、板金構造体とを備え、前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、前記板金構造体は、取付部と、被挿入部とを有し、前記取付部には、前記インレット筐体が取り付けられ、前記アース端子は、前記被挿入部に圧入されている、接地構造が提供される。
本発明では、アース端子が板金構造体の被挿入部に圧入されることで、アース端子と板金構造体との電気的接続が確保される。つまり、本発明では、作業者が板金構造体をアース端子に対して相対回転させる作業は不要である分、板金構造体とアース端子との電気的接続を確保するために必要な作業の負担を抑制することができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記アース端子及び前記被挿入部のうちの少なくとも一方には、変形部が形成され、前記変形部は、前記アース端子と前記被挿入部とが接触する部位に設けられ、且つ、凹むように形成される、接地構造が提供される。
好ましくは、前記被挿入部は、基部と、立設部とを有し、前記基部には、前記立設部が立ち上がるように接続され、前記立設部は、前記基部との接続位置から前記インレット側に向かって突出し、前記アース端子は、前記立設部に圧入されている、接地構造が提供される。
好ましくは、前記立設部は、端面を有し、前記端面は、前記被挿入部側から前記インレット筐体側に向かう方向において、前記立設部の先端部に形成され、且つ、前記端面は、難溶接材質から構成される、又は、難溶接表面処理が施されている、接地構造が提供される。
好ましくは、前記板金構造体は、接続部を有し、前記接続部は、前記インレット筐体の周面に対向するように設けられ、前記接続部は、前記取付部と前記被挿入部とに接続されている、接地構造が提供される。
好ましくは、前記板金構造体は、窓部を有し、前記アース端子は、前記窓部を介して露出している、接地構造が提供される。
好ましくは、前記被挿入部は、孔部である、接地構造が提供される。
好ましくは、前記被挿入部は、溶接可能な材質から構成される、又は、溶接可能な表面処理が施されている、接地構造が提供される。
本発明の別の観点の実施形態によれば、上記の何れか1つの接地構造と、前記接地構造が取り付けられている基板と、を備え、前記基板は、接地回路パターンを有し、前記接地構造は、前記接地回路パターンに接続されている、電源基板が提供される。
本発明の別の観点の実施形態によれば、上記の電源基板を有する、電気装置が提供される。
本発明の別の観点の実施形態によれば、接地構造の接地方法であって、前記接地構造は、インレットと、板金構造体とを備え、前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、前記板金構造体は、被挿入部を有し、挿入ステップを備え、前記挿入ステップでは、前記アース端子を前記被挿入部に圧入しながら、前記インレット筐体を前記板金構造体に取り付ける、方法が提供される。
電源50を有する表示装置100の模式図である。 電源50の斜視図である。 図2に示す電源50の分解斜視図である。 図4Aは接地構造1及び基板55の斜視図である。図4Bは図4Aに示す接地構造1等を図4Aの矢印Ar方向から見た図である。 図4Aに示す接地構造1の斜視図である。 図5に示す接地構造1の分解斜視図である。 図7Aは図5とは異なる方向から見た接地構造1の斜視図である。図7Bは図7Aに示す領域Bの拡大図である。 図7Aに示す接地構造1の分解斜視図である。 図9Aは図4Bに示す領域Aの拡大図である。図9Bは図9Aに示すB−B端面図である。 図10Aはアース端子2cの垂直断面(アース端子2cの挿入方向に直交する断面)における対角線r1を示す模式図である。図10Bは板金構造体3の被挿入部3dの開口径r2を示す模式図である。 図11Aは図9Bに示すA−A端面図である。図11Bは図11Aに示す領域Bの拡大図である。 図12は、被挿入部3dにアース端子2cが挿入された状態を示す斜視図である。図12では、被挿入部3dの一部を切断した状態が示されている。 インレット2を板金構造体3に取り付けている途中を示す斜視図である。 図13に示すインレット2及び板金構造体3を上から見た図である。 インレット2を板金構造体3に取り付けた状態を示す斜視図である。 図16A〜図16Eは実施形態の変形例1〜変形例5を示している。 実施形態の変形例6を示している。 実施形態の変形例7を示している。 図19Aは実施形態の変形例8に係る板金構造体3及びインレット2の斜視図である。図19Bは図19Aに示す板金構造体3及びインレット2を図19Aとは異なる方向から見た斜視図である。 図20Aは実施形態の変形例9に係る板金構造体3の側面図である。図20Bは実施形態の変形例9に係る被挿入部3d及びアース端子2cの断面図である。 図21A及び図21Bは実施形態の変形例10及び変形例11を示している。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1 全体構成について
図1に示すように、表示装置100(電気装置)は、画面表示部101と、画面表示部101の背面に配置されるケース102と、電源50とを備えている。電源50はケース102内に搭載されている。なお、実施形態では、電気装置が表示装置100であるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ等の電源50を設けることが必要な各種機器であってもよい。
図2及び図3に示すように、電源50は、ケース51と、電源基板54とを備える。
ケース51は第1ケース52及び第2ケース53を備え、ケース51は電源基板54を収容している。ケース51は例えば、板金等で構成され、ケース51は電源基板54の電磁シールドとしての機能を有する。第1ケース52及び第2ケース53にはそれぞれフランジ52a、53aが形成されており、図示省略の固定部材(例えばボルト等)がフランジ52a、53aの孔Opに挿入されることで、第1ケース52と第2ケース53とが互いに固定される。
図3に示すように、第1ケース52には孔52bが形成されており、図示省略の固定部材(例えばボルト)が、孔52b及び後述する板金構造体3の取付部3aの孔3a3に挿入されることで、板金構造体3と第2ケース53とが互いに固定される。第2ケース53は台部53bを備えており、後述する板金構造体3の載置部3bが載置される。
図3に示すように、電源基板54は、接地構造1と、基板55と、スイッチ56とを備えている。接地構造1は基板55に取り付けられている。接地構造1は、インレット2と、板金構造体3とを備えており、インレット2には電源ケーブルのコネクタが挿入可能であり、板金構造体3にはインレット2が設けられている。インレット2はアース端子2c(図8参照)を備え、アース端子2cは板金構造体3を介して基板55の接地回路パターン(図示省略)に電気的に接続される。つまり、アース端子2cは板金構造体3により接地回路パターンに接続される。スイッチ56は電源50のオンオフを切り替えるために用いられ、スイッチ56は基板55上に取り付けられる。また、基板55は第1ケース52に固定され、板金構造体3も第1ケース52に固定される。第1ケース52は、アースに接続される。実施形態においてスイッチ56は板金構造体3に設けられているが、これに限定されるものではなく、スイッチ56は板金構造体3以外の構成に設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
2 接地構造1の詳細構成説明
2−1 インレット2
図5、図6及び図8に示すように、インレット2は、インレット筐体2aと、アース端子2cと、通電端子2dとを備える。なお、アース端子2c及び通電端子2dは、それぞれ、金属製部材で構成されており、図5に示すプラグ2bは、アース端子2c及び通電端子2dのうちインレット筐体2aの前側から突き出た部分である。
2−1−1 インレット筐体2a
インレット筐体2aは、樹脂で構成されており、インレット筐体2aには、図5、図6及び図8に示すように、コネクタ挿入部2a1と、背面部2a2と、フランジ部2a3と、3つの端子取付部2a4と、耳部2a5とが形成されている。コネクタ挿入部2a1は、電源ケーブルのコネクタが挿入される部分であり、凹状に形成されている。図5に示すように、コネクタ挿入部2a1には、プラグ2b(アース端子2c及び通電端子2d)が突き出すように設けられている。背面部2a2は、インレット筐体2aのうちコネクタ挿入部2a1が設けられている側とは反対側に形成されている。図8に示すように、背面部2a2には3つの端子取付部2a4が設けられている。中央の端子取付部2a4にはアース端子2cが固定されており、当該中央の端子取付部2a4を挟む両サイドの端子取付部2a4には、通電端子2dが固定されている。フランジ部2a3は環状に形成され、インレット筐体2aが板金構造体3に配置されているときにおいて、板金構造体3に対向している。耳部2a5はインレット筐体2aの左右の側面にそれぞれ形成されている。作業者がインレット筐体2aを開口部3a1に挿入すると(図6参照)、耳部2a5が板金構造体3に接触し(図13参照)、インレット筐体2aの姿勢が保持される。これにより、作業者はインレット筐体2aを板金構造体3に取り付ける作業が容易になる。インレット筐体2aが開口部3a1に完全に押し込まれると、板金構造体3のうち開口部3a1の縁部の構成部分がフランジ部2a3と耳部2a5とによって挟み込まれ、インレット筐体2aが板金構造体3に固定される。
2−1−2 プラグ2b
図5に示すように、インレット2はアース端子2cを備えるので、インレット2の極数は3であり、対応して、プラグ2bはインレット筐体2aのコネクタ挿入部2a1に3本設けられている。
2−1−3 アース端子2c
図7A及び図7Bに示すように、アース端子2cは板金構造体3の被挿入部3dに圧入(挿入)されており、アース端子2cは、作業者が被挿入部3dにアース端子2cを挿入する過程において被挿入部3dの内壁と接触し、変形(例えば、塑性変形)する。アース端子2cが被挿入部3dの内壁と接触することで、アース端子2cと板金構造体3と電気的接続が確保され、そして、アース端子2cは、板金構造体3におけるフック部3gが基板55の挿入穴に差し込まれて半田付けされた段階で、基板55に電気的に接続される。図8に示すように、アース端子2cは、基端部2c1と先端部2c2とを備え、アース端子2cは、基端部2c1側から先端部2c2側にかけて直線状に延びている。基端部2c1はインレット筐体2aの端子取付部2a4に固定され、先端部2c2には先端孔2c3が形成されている(図9B参照)。
なお、実施形態では、アース端子2cが変形(例えば、塑性変形)するものとして説明するが、アース端子2cが被挿入部3dに接触することで被挿入部3dが変形(例えば、塑性変形)してもよい。つまり、被挿入部3dは、後述する変形部2c4に対応する変形部が形成されてもよい。被挿入部3dが変形する場合には、被挿入部3dの孔部の縁部はアース端子2cの角部によって広げられるように変形する。換言すると、被挿入部3dの孔部の縁部は、アース端子2cの角部によって凹むように変形する。ここで、凹むという概念には、金属が潰れた結果凹む場合(塑性変形)と、押圧により凹む場合(弾性変形)が含まれる。アース端子2cが変形するか、被挿入部3dが変形するか、それともアース端子2c及び被挿入部3dの両方とも変形するか、については、例えば、アース端子2c及び被挿入部3dの材質を適宜変更することで決定することができる。
図9A及び図9Bに示すように、アース端子2cは、板金構造体3の被挿入部3dに圧入された状態において、被挿入部3dの内壁と接触する部分が変形している。具体的には、基端部2c1から先端部2c2へ向かう方向に直交する断面において、アース端子2cの形状は四角形であるが、図11A及び図11Bに示すようにアース端子2cの4つ角部が、被挿入部3dの内壁と接触することで変形し、潰れる。なお、図11Bにおいて、アース端子2cの角部のうち、被挿入部3dの内壁と接触することで変形した部分を破線Lで示されている。ここで、アース端子2cの形状は上記に限定されるものではない。基端部2c1から先端部2c2へ向かう方向に直交する断面において、アース端子2cの形状は、円形、多角形、ネジ、又は、星形等の突起を含む形状等でもよい。
図12に示すように、アース端子2cの4つ角部が被挿入部3dの内壁と接触して変形することで、アース端子2cの各角部には、変形部2c4が形成される。変形部2c4は、アース端子2cの各角部が潰れることで、凹むように形成されている。変形部2c4はアース端子2cの挿入方向に延びるように形成され、また、変形部2c4は被挿入部3dの内壁に沿うように形成されている。これにより、アース端子2cと被挿入部3dとの接触面積が増大し、アース端子2cと被挿入部3dとの電気的接続が確保され、アース端子2cと被挿入部3dとの接続の信頼性が向上する。
接地構造1は、次に説明するようにアース端子2cに係る位置決め機能を有する。図9Bに示すように、先端部2c2は先細りに形成されており、先端部2c2は半円状に形成されている。つまり、図9Bに示すように、先端部2c2の先端位置は半円の頂部tpの位置であり、先端部2c2の形状はこの頂部tpを境に対称となっている。また、板金構造体3の被挿入部3dの孔形状は円形である。このため、作業者が先端部2c2を被挿入部3dの入口に挿入することで、アース端子2cの軸が被挿入部3dの中心に自然と向かい、アース端子2cの軸が被挿入部3dの中心に揃う。つまり、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに差し込む際に、アース端子2cが被挿入部3dに対して多少左右にぶれても、アース端子2cにおける半円の頂部tpが被挿入部3dの内壁にかかれば、アース端子2cが自然と被挿入部3dの内壁を伝って確実に円形の穴に圧入される。そして、作業者が先端部2c2を被挿入部3dに押し込むことで、アース端子2cの軸が被挿入部3dの中心に揃った状態のまま、先端部2c2が被挿入部3dに圧入される。このとき、アース端子2cの軸が被挿入部3dの中心に揃っているので、アース端子2cの4つの角部は均等に変形する。つまり、先端部2c2が半円状に形成され、且つ、被挿入部3dの孔形状が円形であるので、アース端子2cの4つの角部は均等に変形し、アース端子2cと被挿入部3dとの接続の信頼性が低下することが回避される。
2−1−4 通電端子2d
図4Bに示すように、通電端子2dは基板55側に突出するように設けられ、基板55に電気的に接続されている。電力は通電端子2dを介して基板55に供給される。通電端子2dは板金構造体3とは接触しておらず、板金構造体3に対して絶縁されている。なお、通電端子2dが基板55に係合しやすいように、通電端子2dの先端部には引掛形状が形成されていることが好ましい。
2−2 板金構造体3
図5〜図8に示すように、板金構造体3は、取付部3aと、載置部3bと、接続部3cと、被挿入部3dと、窓部3eと、側壁部3fと、フック部3gと、を備える。
アース端子2cが板金構造体3の被挿入部3dに圧入(挿入)されることで、アース端子2c及び被挿入部3dのうちの少なくとも一方が、アース端子2cと被挿入部3dとが接触する部位において変形し、アース端子2cと板金構造体3との電気的接続が確保される。つまり、作業者が板金構造体3をアース端子2cに対して挿入する直線的な動作によって、板金構造体3とアース端子2cとの電気的接続が確保されるので、実施形態では、当該電気的接続を確保するにあたって、作業者の作業の負担が抑制されている。なお、実施形態ではアース端子2cが変形する場合を一例として説明している。
板金構造体3は、導電性を有する金属製の板材から構成される。板金構造体3は、1枚の金属製の板材が曲げ加工されることで構成されているが、これに限定されるものではなく、複数枚の金属製の板材が接合されて構成されていてもよい。
また、後述するように、被挿入部3d及びアース端子2cの電気的接続の信頼性を向上させるため、被挿入部3d及びアース端子2cには溶接がなされる。ここで、溶接としては、例えば、電気溶接、スポット溶接、レーザー溶接、ガス溶接、又はロウ付けを採用することができる。実施形態では、ロウ付けの一種である半田付けがなされるものとして説明するが、半田付けの代わりにその他の溶接がなされることで、被挿入部3d及びアース端子2cの電気的接続の信頼性を向上させてもよい。
実施形態では、板金構造体3の表面には、溶接可能(半田付け可能)な表面処理が施されている。この表面処理は、板金構造体3の全体になされていてもよいし、被挿入部3dにだけなされていてもよい。板金構造体3は溶接可能(半田付け可能)な表面処理の代わりに溶接可能(半田付け可能)な材質から構成されていてもよい。なお、被挿入部3d及びアース端子2cには溶接がなされるものとして説明しているが、溶接は必須ではなく、必要に応じて実施すればよい。
2−2−1 取付部3a
図6に示すように、取付部3aは板材であり、取付部3aは4つの縁部を有する。取付部3aの下側(基板55側)の縁部には載置部3bが接続されており、取付部3aの上側の縁部には接続部3cが接続されている。また、取付部3aの左右の縁部には、それぞれ側壁部3fが接続されている。取付部3aはインレット筐体2a及びスイッチ56が配置される。具体的には、取付部3aには、開口部3a1と開口部3a2と孔3a3とが形成されている。開口部3a1にはインレット筐体2aが挿入され、開口部3a2にはスイッチ56(図3参照)が配置される。また、孔3a3には、板金構造体3を第2ケース53に固定する図示省略の固定部材が挿入される。図5に示すように、インレット筐体2aが開口部3a1に挿入された状態において、インレット筐体2aのフランジ部2a3は取付部3aに対向する。
2−2−2 載置部3b
図3に示すように、載置部3bは第2ケース53の台部53b上に載置される。板金構造体3が載置部3bを備えることで、基板55がケース51に接触せずに接地構造1がケース51に安定的に固定される。載置部3b及び後述する接続部3cは、作業者がインレット筐体2aを開口部3a1に挿入するときに、取付部3aを構成する板金が歪むことを防止している。なお、板金構造体3は載置部3bを有していなくてもよい。
2−2−3 接続部3c
接続部3cは基板55に対向配置される板材であり、接続部3cは取付部3a及び被挿入部3dに接続されている。接続部3cは取付部3a側から被挿入部3d側にかけて基板55に平行に延びている。接続部3cは基板55に対向するように設けられ、接続部3cと基板55との間にはインレット筐体2aが配置される。ここで、実施形態では、接続部3cは側壁部3fには接続されておらず、被挿入部3dは接続部3cのみに接続されている。つまり、板金構造体3は、取付部3aと接続部3cと被挿入部3dとがコの字形状(U字形状)をなす撓み構造を有する。板金構造体3が撓み構造を有するため、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入しているときにおいて、被挿入部3dが適度に撓む。その結果、アース端子2c及び板金構造体3に作用する応力(荷重ストレス)が緩和され、アース端子2c及び板金構造体3の破損等が抑制され、接地構造1の信頼性が向上する。なお、実施形態では、板金構造体3のコの字形状(U字形状)は、インレット筐体2aの前面側、インレット筐体2aの上面側及びインレット筐体2aの背面側にかけて形成されているが、これに限定されるものではない。板金構造体3のコの字形状(U字形状)は、インレット筐体2aの前面側、インレット筐体2aの横側面側、及びインレット筐体2aの背面側にかけて形成されていてもよい。
2−2−4 被挿入部3d
図9B及び図13に示すように、被挿入部3dは基部3d1と立設部3d2とを備えている。基部3d1は接続部3cに接続された板材である。アース端子2cが被挿入部3dに圧入(挿入)されることで、被挿入部3dとアース端子2cとが接触し、板金構造体3とアース端子2cとの電気的接続が確保される。
図10A及び図10Bに示すように、被挿入部3dの孔部の開口径r2はアース端子2cの対角線r1よりも小さくなっている。つまり、r2<r1を満たす。このため、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに圧入(挿入)すると、アース端子2cが被挿入部3dに接触し、アース端子2cが変形する。
また、アース端子2c及び被挿入部3dの設計上の公差を考慮すると、好ましくは、対角線r1及び開口径r2は下記の関係を満たす。アース端子2cの対角線r1の公差を考慮した最小値>被挿入部3dの孔部の開口径r2の公差を考慮した最大値。
基部3d1にはバーリング加工が施され、その結果、図9Bに示すように立設部3d2が基部3d1から立ち上がるように形成される。換言すると、基部3d1には立設部3d2が立ち上がるように接続されている。ここで、接続とは、基部3d1と立設部3d2とが一体の場合だけではなく、別体の場合を含む概念である。また、図13に示すように、立設部3d2は、基部3d1との接続位置からインレット2側に向かって突出するように形成されている。換言すると、立設部3d2は、アース端子2cの挿入方向とは逆向きに突出するように形成されている。アース端子2cは立設部3d2に圧入されている。被挿入部3dはバーリング加工によって形成される立設部3d2を備えるので、アース端子2cと被挿入部3dとの接触面積が増大し、アース端子2cと被挿入部3dとの電気抵抗が低減する。
また、被挿入部3dは立設部3d2を備えることで半田付けされる面積が増大し、被挿入部3dとアース端子2cとが接触する部位における強度が向上し、接地構造1の信頼性が向上する。また、半田付けされる面積が増大することで、アース端子2cと被挿入部3dとの電気抵抗を更に低くすることができる。
アース端子2cが挿入される部分(立設部3d2)は、上述のように、バーリング加工によって形成される。そして、図9に示すように、立設部3d2にはバーリング加工で用いる冶具によってテーパー部3d21が形成される。このため、被挿入部3dの孔部は、端面Sr側の入口における径の方が、テーパー部3d21側の入口における径よりも、小さくなっている。ここで、実施形態では、立設部3d2は、基部3d1との接続位置から、アース端子2cの挿入方向に突出するように形成されてはいない。つまり、実施形態では、立設部3d2は、基部3d1との接続位置から、アース端子2cの挿入方向とは逆方向に突出するように形成されている。その結果、アース端子2cは、被挿入部3dの孔部の入口のうち径の小さい方の入口(挿入し難い方の入口)から、挿入されることになる。
仮に、立設部3d2が基部3d1との接続位置からアース端子2cの挿入方向に突出するように形成されている場合には、基部3d1の位置は、実施形態における位置と比較すると、立設部3d2の突出長さの分だけ、インレット筐体2aに寄っていないと、アース端子2cが被挿入部3dの孔部から突き出さなくなってしまい、接続不良を招く。つまり、この場合における基部3d1の位置は、実施形態における位置と比較すると、立設部3d2の突出長さに分だけ、インレット筐体2aに寄っている必要がある。その結果、この場合には、通電端子2dと基部3d1との間の距離(絶縁距離)が短くなってしまう。それに対し、実施形態では、立設部3d2は、基部3d1との接続位置から、アース端子2cの挿入方向とは逆方向に突出するように形成されている。このため、通電端子2dと基部3d1との間の距離(絶縁距離)を広く確保することができる。つまり、被挿入部3dは立設部3d2を備えるので、アース端子2cと被挿入部3dとの接触面積が増大するだけでなく、通電端子2dと基部3d1との間の距離(絶縁距離)を広く確保することができる。これにより、実施形態では、安全規格を更に満足するように接地構造1を構成することができる。
実施形態では、被挿入部3dが円筒状の立設部3d2を備える構成であるが、これに限定されるものではない。立設部3d2は、一対の対向する板状の片部であってもよい。つまり、立設部3d2は円筒状(環状)ではなく、非環状の構成であってもよい。例えば、立設部3d2は、分割バーリング形状(4つ割形状)やその他形状を含む。
被挿入部3dとアース端子2cとが接触する部位において、溶接(半田付け)がなされる。アース端子2cが被挿入部3dに圧入(挿入)されることで板金構造体3とアース端子2cとの電気的接続が確保されるが、溶接が追加でなされることで、板金構造体3とアース端子2cとの電気的接続が更に確保されるとともに、アース端子2cと被挿入部3dとの接続の信頼性が更に向上する。また、被挿入部3dとアース端子2cとが接触する部位において溶接がなされることで、安全規格を更に満足する電気的接続が実現され、且つ、アース端子2cは冗長性を有する接地が実現される。ここで、冗長性とは、2つ以上の構造で構成された構成において、1つの構造(例えば、半田付け)に不具合が発生した場合でも、機能(安全アースとしての安全かつ安定的にアース電流を流す機能)を維持できることを表している。
立設部3d2には端面Srが形成されている。この端面Srは、被挿入部3d側からインレット筐体2a側に向かう方向(圧入方向の逆方向)において、立設部3d2の先端部に形成されている。ここで、端面Srは、難溶接材質から構成される、又は、難溶接表面処理が施されている。具体的には、基部3d1にはバーリング加工が施されるので、その結果、立設部3d2の端面Sr(図9B参照)は冶具によって削られる。このため、端面Srでは、半田付け可能な表面処理が削り取られ、半田付けし難い金属面(鉄材の面)が露出する。つまり、実施形態では、端面Srは難溶接材質から構成される。なお、作業者が端面Srに難溶接表面処理を施してもよい。
半田付けは、立設部3d2の先端側からではなく、立設部3d2の基端側(基部3d1と立設部3d2との接続位置側)からなされる。図9Bに示すように、溶融した半田は、アース端子2cと被挿入部3dとの間の隙間p1から流入し、立設部3d2の内壁とアース端子2cとの間を通過して、端面Sr側に移動してくる。ここで、端面Srでは半田付け可能な表面処理が削り取られているので、溶融した半田の流れは端面Srで止まり、溶融した半田が端面Srよりも先に流出することが抑制される。これにより、半田付け不良の発生が抑制される。
また、溶融した半田は、基部3d1と立設部3d2との接続位置から流入し、端面Sr側に流れる過程において、アース端子2cの先端孔2c3を埋める。これにより、導体の体積が増加し、被挿入部3dとアース端子2cとが接触する部位における電気抵抗が低減する。
なお、実施形態では、被挿入部3dは孔部であるものとして説明しているが、これに限定されるものではなく、切欠であってもよい。つまり、実施形態において、被挿入部3dの孔縁部は環状であったが、これに限定されるものではなく、非環状であってもよい。
2−2−5 窓部3e
図8に示すように、窓部3eは開口部であり、実施形態では、窓部3eは接続部3c及び被挿入部3dに跨って形成されている。図14に示すように、アース端子2c及び立設部3d2は窓部3eを介して露出する。板金構造体3が窓部3eを有することで、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入するときにおいて、作業者はアース端子2c及び被挿入部3dを目視で確認することができる。これにより、作業者がインレット2を板金構造体3に組み合わせる作業が容易になるとともに、作業者が半田付け状態を容易に確認することができる。なお、板金構造体3のコの字形状が、インレット筐体2aの前面側、インレット筐体2aの横側面側、及びインレット筐体2aの背面側にかけて形成されている場合においても同様に窓部3eを形成することができる。
また、板金構造体3が窓部3eを有することで、板金構造体3がより撓みやすくなる。これにより、アース端子2c及び板金構造体3に作用する応力(荷重ストレス)がより緩和され、アース端子2c及び板金構造体3の破損等がより抑制され、接地構造1の信頼性がより向上する。なお、実施形態では、窓部3eは接続部3c及び被挿入部3dに跨って形成されているが、例えば、窓部3eが接続部3cのみに形成されているだけでも板金構造体3は上述の効果を得ることができる。
更に、板金構造体3が窓部3eを有することで、板金構造体3の熱容量が低減して、溶接材(半田)の溶融がすみやかになり、溶接作業が容易になる。
2−2−6 側壁部3f
一対の側壁部3fは板材であり、側壁部3fは取付部3aに接続されている。また、側壁部3fの縁部はフック部3gが接続されている。
2−2−7 フック部3g
図7Aに示すように、フック部3gは側壁部3fから突出するように形成されている。フック部3gは基板55に引っ掛かるようにフック状に形成されている。これにより、基板55及び接地構造1が後述する自動半田付け装置に投入されたときに、接地構造1が基板55から外れてしまうことを防止することができる。
3 接地方法
実施形態において、接地構造1のアース端子2cを接地する方法は次の通りである。当該方法は、挿入ステップと、第1接続ステップと、第2接続ステップとを備える。
図13〜図15に示すように、挿入ステップでは、作業者は、アース端子2cを被挿入部3dに圧入しながら、インレット筐体2aを板金構造体3に取り付ける。作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入しているときに、アース端子2cと被挿入部3dとは互いに接触し、アース端子2cが変形する。図14に示すように、挿入ステップにおいて、作業者は、窓部3eを介して、アース端子2cや被挿入部3dの位置を確認可能である。
第1接続ステップでは、作業者は、被挿入部3dとアース端子2cとが接触する部位に、溶接(半田付け)をする。作業者は、立設部3d2の基端側(基部3d1と立設部3d2との接続位置側)に半田を配置し、半田を立設部3d2とアース端子2cとの間に流し込む。溶融した半田は、毛細管現象により、隙間p1にすみやかに流入し、立設部3d2の内壁とアース端子2cとの間を通過して、端面Sr側に移動してくる。なお、図9Bにおいて、隙間p1に流入した半田の流れは矢印FLで示されている。端面Srでは半田付け可能な表面処理が削り取られているので、溶融した半田の流れは表面張力により端面Srで止まる。
第2接続ステップでは、接地構造1が基板55上に載置された状態で、接地構造1及び基板55が自動半田付け装置に投入される。これにより、板金構造体3が基板55に半田付けされる。従来の接地構造では、アース端子と板金構造体をリード線で接続し、リード線と板金構造体とをねじ止めにより固定していた。このため、従来の接地構造は、ねじ止めによる接触抵抗に起因してノイズの低減が困難であった。それに対し、実施形態では板金構造体3とアース端子2cとがねじ止めされず、圧入により接続する一体構成のため、実施形態はノイズの低減が可能となる。
4 変形例
実施形態において、被挿入部3dの孔形状は円形であったが、これに限定されるものではなく、被挿入部3dの孔形状は各種の形状を採用することができる。
4−1 被挿入部3dの各種孔形状
4−1−1 4箇所が変形(菱形、多角形、非対称形状、花形、扇形)
図16Aに示すように、被挿入部3dの孔形状は菱形であってもよいし、図16Bに示すように、被挿入部3dの孔形状は多角形(例えば正六角形)形状であってもよい。
図16Cに示すように、被挿入部3dの孔形状は楕円であってもよいし、図16Dに示すように、被挿入部3dの孔形状は卵形のような非対称形状であってもよい。
図16Eに示すように、被挿入部3dの孔形状は、縁部が波状になっている花形であってもよい。
図16Fに示すように、被挿入部3dの孔形状は、扇形であってもよい。
被挿入部3dの孔形状がこれらの形状であっても、接地構造1はアース端子2cに係る位置決め機能が保持される。また、アース端子2cは、実施形態と同様に、アース端子2cの4つの角部で被挿入部3dの内壁と接触する。そして、アース端子2cの4つの角部が変形する。
4−1−2 2箇所が変形(くびれ形状、異形状)
図17Aに示すように、被挿入部3dの孔形状は、左右の縁部Edの中央が孔の中央に寄るように形成されている。換言すると、被挿入部3dの孔形状は、左右の縁部Edがくびれた形状である。この被挿入部3dの孔形状では、アース端子2cの4つの角部は変形せず、アース端子2cの両方の横側面が左右の縁部Edと接触して変形する。つまり、本変形例では、アース端子2cの2箇所が変形する。
図17Bに示すように、被挿入部3dの孔形状は、一対の凸部Epを有するような異形状であってもよい。図17Bに示す被挿入部3dの孔形状は、凸部Epを境にして、上下対称に形状が異なる台形が配置されたような形状となっている。なお、上の台形の方が、下の台形の形状よりも大きい。この被挿入部3dの孔形状においても、アース端子2cの4つの角部は変形しない。つまり、アース端子2cの両方の横側面が、被挿入部3dのうち凸部Epに対応する部分に接触して変形する。つまり、本変形例においても、アース端子2cの2箇所が変形する。
4−2 立設部3d2の内壁のネジ山
実施形態においては、アース端子2cが変形し、被挿入部3d(立設部3d2)が変形しないものとして説明したが、これに限定されるものではない。板金構造体3の材質や形状を適宜変更することで、板金構造体3の変形を促進させてもよい。例えば、被挿入部3dの立設部3d2の内壁には、図18に示すように、ネジ穴加工により、ネジ山Thが形成されていてもよい。ネジ山Thは、例えば、切削加工や転造加工によって形成することができる。ネジ山Thが転造加工で形成される場合には、被挿入部3dの孔部(ネジ穴)の表面に、半田付け可能な表面処理を維持可能である。このため、作業者は、被挿入部3dの孔部(ネジ穴)に半田付けをすることができる。
アース端子2cが立設部3d2に挿入されると、立設部3d2のネジ山Thが潰れ、アース端子2cがネジ山に食い込む。つまり、アース端子2cの大きさは、アース端子2cを被挿入部3dに圧入したときに、アース端子2cがネジ山に食い込むが、ネジ谷には食い込まないような大きさである。このように、本変形例では、アース端子2cの変形に加え、立設部3d2の変形が促進され、アース端子2c及び被挿入部3dの電気的接続が確保される。
4−3 ストッパ部3h
図19A及び図19Bに示すように、板金構造体3はストッパ部3hを更に備えていてもよい。具体的には、板金構造体3は、一対のストッパ部3hを備えており、一方のストッパ部3hと他方のストッパ部3hとの間には窓部3eが配置されている。ストッパ部3hは接続部3cに接続されており、ストッパ部3hは接続部3cとの接続位置側からインレット2の端子取付部2a4側へ向かって延びている。ストッパ部3hはインレット筐体2aから被挿入部3dに向かう方向(挿入方向)において、背面部2a2に対向している。板金構造体3がストッパ部3hを備えることで、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入するときにおいて、インレット筐体2aの背面部2a2がストッパ部3hに突き当たり、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに押し込み過ぎてしまうことを防止することができる。
4−4 被挿入部3dが傾斜配置
4−4−1 被挿入部3dの孔形状:円形
実施形態では、被挿入部3dが接続部3cと90度をなすように接続部3cに接続されている形態であったが、この形態に限定されるものではない。本変形例では、図20A及び図20Bに示すように、被挿入部3dは接続部3cとなす角度が90度より大きくなっている。なお、本変形例では、被挿入部3dが立設部3d2を備えていないが、備えていてもよい。また、本変形例において、図示は省略しているが、被挿入部3dの孔形状は実施形態と同様に円形である。
本変形例では実施形態で説明した撓み構造が更に撓みやすくなっており、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入しているときにおいて、被挿入部3dが撓んで変形し、作業者がアース端子2cを被挿入部3dに挿入し終えると、被挿入部3dには元の形状に戻ろうとする応力が作用する。このため、アース端子2cは被挿入部3dから適度な応力を受け、アース端子2cと被挿入部3dとが押し合う力が増加し、アース端子2cは被挿入部3dにより強く接続され、接地構造1の信頼性が向上する。
4−4−2 被挿入部3dの孔形状:扇形
被挿入部3dの孔形状は円形に限定されるものではない。図21Aに示すように、被挿入部3dの孔形状は扇形であってもよい。つまり、被挿入部3dの孔形状は図16Fに示す形状と同様である。被挿入部3dの孔形状が扇形である場合には、弧状の上縁部Euが、弧状の下縁部Elよりも長くなっていることが好ましい。これにより、実施形態で説明したアース端子2cに係る位置決め機能が、適切に機能しやすくなる。
4−4−3 被挿入部3dの孔形状:異形状
図21Bに示すように、被挿入部3dの孔形状は異形状であってもよい。つまり、被挿入部3dの孔形状は図17Bに示す形状と同様である。被挿入部3dの孔形状が異形状である場合においても、直線状の上縁部Euが、直線状の下縁部Elよりも長くなっていることが好ましい。これにより、実施形態で説明したアース端子2cに係る位置決め機能が、適切に機能しやすくなる。
また、本変形例では、アース端子2cが被挿入部3dの孔形状の上縁部Eu及び下縁部Elに接触し、アース端子2cはこの接触箇所において変形する構成である。図17Bに示す形態とは異なり、本変形例では、アース端子2cを被挿入部3dに挿入当初において、アース端子2cの上端面us(図20B参照)が上縁部Euに接触し、次に、アース端子2cの左右の横側面が凸部Epに接触し(図20Bの矢印Ar1参照)、次に、アース端子2cの下端面ls(図20B参照)が下縁部Elに接触する(図20Bの矢印Ar2参照)。つまり、本変形例では、アース端子2cと被挿入部3dの接触箇所が徐々に増える構成であり、アース端子2cの挿入抵抗が急激に増大することが抑制されている。このため、本変形例では、アース端子2cの左右の横側面が被挿入部3dに接触しているだけでなく、アース端子2cの上下面が被挿入部3dに接触しており、アース端子2cが被挿入部3dにより強く接続され、接地構造1の信頼性が向上する。
5 その他の実施形態
被挿入部3dの孔部が円形の場合であって、アース端子2cの垂直断面形状が、円形、楕円、正方形、長方形、多角形等様々な場合の条件の例について説明する。アース端子2cにおける公差最小の場合の垂直断面形状の外接円の直径寸法をrとし、被挿入部3dの孔部における公差最大の場合の円形の直径寸法をRとするときに、式r>Rが成立することが必要である。
被挿入部3dの孔部が円形に限らない形状の場合であって、アース端子2cの垂直断面形状が、円形、楕円、正方形、長方形、多角形等様々な場合の条件の例について説明する。アース端子2cが被挿入部3dに圧入により固定される予定の状態において、アース端子2cの垂直断面形状と被挿入部3dにおける孔部の外周とが接触している複数(N=1〜n:nは2以上の整数)の接触ポイントにおいて、下記の条件が成り立つ。ここで、固定される予定の状態とは、圧入により変形部2c4が凹んでいない状態を表す。
条件:アース端子2cが公差最小の場合の垂直断面形状において、接触ポイント間の寸法をr1,r2,・・・,rnとし、被挿入部3dの孔部が公差最大の場合の外周形状における接触ポイント間の寸法をR1,R2,・・・,Rnとするとき、全ての接触ポイント間の寸法に関して、式r1>R1,r2>R2,・・・,rn>Rnが成立することが必要である。
1 :接地構造
2 :インレット
2a :インレット筐体
2a1 :コネクタ挿入部
2a2 :背面部
2a3 :フランジ部
2a4 :端子取付部
2a5 :耳部
2b :プラグ
2c :アース端子
2c1 :基端部
2c2 :先端部
2c3 :先端孔
2c4 :変形部
2d :通電端子
3 :板金構造体
3a :取付部
3a1 :開口部
3a2 :開口部
3a3 :孔
3b :載置部
3c :接続部
3d :被挿入部
3d1 :基部
3d2 :立設部
3d21:テーパー部
3e :窓部
3f :側壁部
3g :フック部
3h :ストッパ部
50 :電源
51 :ケース
52 :第1ケース
52a :フランジ
52b :孔
53 :第2ケース
53a :フランジ
53b :台部
54 :電源基板
55 :基板
56 :スイッチ
100 :表示装置
101 :画面表示部
102 :ケース
Ed :縁部
El :下縁部
Ep :凸部
Eu :上縁部
Op :孔
Sr :端面
Th :ネジ山
ls :下端面
p1 :隙間
r1 :対角線
r2 :開口径
tp :頂部
us :上端面

Claims (11)

  1. インレットと、板金構造体とを備え、
    前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、
    前記板金構造体は、取付部と、被挿入部とを有し、
    前記取付部には、前記インレット筐体が取り付けられ、
    前記被挿入部は、基部と、立設部とを有し、
    前記基部には、前記立設部が立ち上がるように接続され、
    前記立設部は、前記基部との接続位置から前記インレット側に向かって突出し、
    前記アース端子は、前記立設部に圧入されている、接地構造。
  2. 請求項1に記載の接地構造であって、
    前記アース端子及び前記被挿入部のうちの少なくとも一方には、変形部が形成され、
    前記変形部は、前記アース端子と前記被挿入部とが接触する部位に設けられ、且つ、凹むように形成される、接地構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接地構造であって、
    前記立設部は、端面を有し、
    前記端面は、前記被挿入部側から前記インレット筐体側に向かう方向において、前記立設部の先端部に形成され、且つ、前記端面は、難溶接材質から構成される、又は、難溶接表面処理が施されている、接地構造。
  4. 請求項1〜請求項の何れか1つに記載の接地構造であって、
    前記板金構造体は、接続部を有し、
    前記接続部は、前記インレット筐体の周面に対向するように設けられ、
    前記接続部は、前記取付部と前記被挿入部とに接続されている、接地構造。
  5. インレットと、板金構造体とを備え、
    前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、
    前記板金構造体は、取付部と、被挿入部とを有し、
    前記取付部には、前記インレット筐体が取り付けられ、
    前記アース端子は、前記被挿入部に圧入され、
    前記板金構造体は、窓部を有し、
    前記アース端子は、前記窓部を介して露出している、接地構造。
  6. 請求項1〜請求項の何れか1つに記載の接地構造であって、
    前記被挿入部は、孔部である、接地構造。
  7. 請求項1〜請求項の何れか1つに記載の接地構造であって、
    前記被挿入部は、溶接可能な材質から構成される、又は、溶接可能な表面処理が施されている、接地構造。
  8. 請求項1〜請求項の何れか1つに記載の前記接地構造と、前記接地構造が取り付けられている基板と、を備え、
    前記基板は、接地回路パターンを有し、
    前記接地構造は、前記接地回路パターンに接続されている、電源基板。
  9. 請求項に記載の前記電源基板を有する、電気装置。
  10. 接地構造の接地方法であって、
    前記接地構造は、インレットと、板金構造体とを備え、前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、前記板金構造体は、被挿入部を有し、前記被挿入部は、基部と、立設部とを有し、前記基部には、前記立設部が立ち上がるように接続され、前記立設部は、前記基部との接続位置から前記インレット側に向かって突出し、
    挿入ステップを備え、
    前記挿入ステップでは、前記アース端子を前記被挿入部の前記立設部に圧入しながら、前記インレット筐体を前記板金構造体に取り付ける、方法。
  11. 接地構造の接地方法であって、
    前記接地構造は、インレットと、板金構造体とを備え、前記インレットは、インレット筐体と、アース端子とを有し、前記板金構造体は、被挿入部及び窓部を有し、前記アース端子は、前記窓部を介して露出しており、
    挿入ステップを備え、
    前記挿入ステップでは、前記アース端子を前記被挿入部に圧入しながら、前記インレット筐体を前記板金構造体に取り付け、
    前記挿入ステップでは、前記アース端子を前記被挿入部に圧入しているときに、前記窓部を介して前記アース端子及び前記被挿入部を目視で確認可能である、方法。
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