JP6670776B2 - 波長変換用発光性樹脂組成物、波長変換部材、波長変換ユニット及び発光素子 - Google Patents

波長変換用発光性樹脂組成物、波長変換部材、波長変換ユニット及び発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、波長変換用発光性樹脂組成物、波長変換部材、波長変換ユニット及び発光素子に関する。
各種ディスプレイ等の表示装置には、白色光を出射する発光ダイオード(LED)が広く使用されている。また、近年、エネルギーに関する問題への関心が高まり、蛍光灯等の照明装置としても白色LEDを使用したものが急速に普及している。
白色LEDは、通常、LEDと蛍光体とを組み合わせて構成されている。この蛍光体は、LEDから放射された特定波長の光(入射光)を吸収して、この光とは異なる特定波長の光(出射光)を出射する機能を有する波長変換材料と、樹脂とを含有する波長変換用樹脂組成物から形成されている。波長変換材料の中でも有機系の波長変換材料は、高い波長変換効率を示す点で、無機系の波長変換材料に対して、優位性を有している。
このような有機系の波長変換材料を用いた波長変換用樹脂組成物として、ジピロメテンホウ素錯体化合物と樹脂とを含有するものが提案されている。例えば、特許文献1には、入射光を赤色光に波長変換する波長変換用樹脂組成物として、s−インダセン骨格の1位、7位及び8位の炭素原子がフェニル基で置換され、2位及び6位の炭素原子が無置換であるジピロメテンホウ素錯体化合物A−23と、ポリカーボネートとを含有する波長変換用樹脂組成物(実施例2及び4)が記載されている。また、特許文献2には、入射光を赤色光に波長変換する波長変換用樹脂組成物として、s−インダセン骨格の1位、7位及び8位の炭素原子がフェニル基で置換され、2位及び6位の炭素原子が無置換又はシアノ基等で置換されたジピロメテンホウ素錯体化合物R−1〜R−9等と、シリコーン樹脂とを含有する波長変換用樹脂組成物(実施例38〜45)が記載されている。
特開2011−241160号公報 国際公開第2016/190283A1号
波長変換用樹脂組成物は、入射光を目的とする特定波長(波長変換材料の凝集/会合発光波長)の出射光に変換する機能を保つことが重要である。しかし、有機系の波長変換材料は、その一部が併用される樹脂に溶解、相溶ないしは溶出する。波長変換材料が樹脂に溶解等すると、一般に、波長変換用樹脂組成物にて波長変換された出射光の波長が目的とする波長よりも短波長化する。すなわち、入射光を目的とする特定波長の出射光に変換できなくなる。
波長変換用樹脂組成物を用いた発光素子において、量子収率は、一般に、波長変換材料が凝集し、又は固体状態にあると、凝集起因消光により、低下する。そのため、従来の波長変換用樹脂組成物では、波長変換材料を併用樹脂に溶解させることにより、波長変換材料の凝集を抑制して、量子収率の低下を抑えている。しかし、従来の波長変換用樹脂組成物が示す量子収率は十分なものではない。とりわけ、入射光を赤色光(波長600〜750nmの光)に変換する波長変換用樹脂組成物は量子収率が低い。特許文献1及び2に記載の波長変換用樹脂組成物を用いた場合にも量子収率は十分ではない。
本発明において、量子収率とは、波長変換材料が吸収した光子数に対する蛍光として発光した光子数の割合をいう。
上述のように、高い量子収率を実現する点では、波長変換材料は凝集しないことが重要となる。しかし、一般的に併用される樹脂に対して波長変換材料を高濃度で完溶させることは難しい。すなわち、波長変換材料と樹脂との混合物には波長変換材料の不溶分が共存する。この不溶分が共存すると、入射光を目的とする特定波長の出射光に変換できなくなる。その一方で、入射光を目的とする特定波長の出射光のみに変換するよう制御する点では、上述のように、波長変換材料が樹脂に溶解せずに存在(含有)している波長変換用樹脂組成物が望まれている。
本発明は、高い量子収率で赤色光を発光する波長変換用発光性樹脂組成物及び波長変換部材を提供することを課題とする。また、本発明は、上記波長変換部材を用いた波長変換ユニット及び発光素子を提供することを課題とする。
本発明者は、波長変換材料として後述する特定の式で表される有機発光性化合物を非極性樹脂と組み合わせて用いることにより、有機発光性化合物を非極性樹脂に溶解させずに固体状態で分散した波長変換用発光性樹脂組成物を調製できること、またこの波長変換用発光性樹脂組成物を波長変換部材として用いた際に高い量子収率で赤色光を発光させることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づき、更に検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
<1>下記式(1)で表される少なくとも一種の有機発光性化合物と非極性樹脂とを含有し、非極性樹脂中に有機発光性化合物が固体状態で分散している波長変換用発光性樹脂組成物。
Figure 0006670776
式(1)中、R11及びR16は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はシリル基を示す。
12及びR15は、各々独立に、下記式(Ar−1)で表わされる基を示す。
13及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示す。
17はアリール基を示す。
及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基又はエチニル基を示す。
ただし、R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つは、極性を示す部分構造を有する。
Figure 0006670776
式(Ar−1)中、R121及びR122は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、シリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基若しくはエチニル基、又は、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボン酸無水物結合、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合、エーテル結合、ラクトン環構造及びスルトン環構造から選択される、極性を示す部分構造を示す。nは0〜4の整数である。*は式(1)中のピロール環を形成する炭素原子との結合部を示す。
<2>R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つが有する、極性を示す部分構造が、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボン酸無水物結合、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合、エーテル結合、ラクトン環構造及びスルトン環構造から選択される部分構造である<1>に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
<3>非極性樹脂が、シリコーン樹脂である<1>又は<2>に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
<4>R13及びR14が、いずれも、アルキル基を示す<1>〜<3>のいずれか1つに記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
<5>R11、R13、R14及びR16が、いずれも、アルキル基である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
<6>上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の波長変換用発光性樹脂組成物からなる波長変換部を有する波長変換部材。
<7>波長変換部が波長変換層である<6>に記載の波長変換部材。
<8>光源と、<6>又は<7>に記載の波長変換部材とを有する波長変換ユニット。
<9>光源が、発光ダイオードである<8>に記載の波長変換ユニット。
<10>入射光を波長600〜750nmの射出光に変換する<8>又は<9>に記載の波長変換ユニット。
<11>上記<6>又は<7>に記載の波長変換部材を有する発光素子。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、波長変換部材に用いた際に、入射光を波長変換した赤色光を高い量子収率で発光することができる。また、本発明の波長変換部材、波長変換ユニット及び発光素子は高い量子収率で赤色光を発光することができる。
本明細書において、特段の断りがない限り、二重結合については、分子内にE型及びZ型が存在する場合、そのいずれであっても、またこれらの混合物であってもよい。
特定の符号又は式で表示された置換基、連結基若しくは配位子等(以下、置換基等という)が複数あるとき、又は、複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成していてもよい。また、特段の断りがない限り、環、例えば脂環、芳香族環、ヘテロ環は、更に縮環して縮合環を形成していてもよい。
本明細書において、化合物(錯体及び色素を含む)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。更に、置換又は無置換を明記していない化合物については、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有していてもよい意味である。このことは、置換基、連結基及び配位子についても同様である。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[波長変換用発光性樹脂組成物]
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、下記式(1)で表される少なくとも一種の有機発光性化合物と非極性樹脂とを含有している。この波長変換用発光性樹脂組成物中において、有機発光性化合物は非極性樹脂中に固体状態で分散している。
本発明において、有機発光性化合物が非極性樹脂中に固体状態で分散しているとは、有機発光性化合物が非極性樹脂に溶解、相溶ないしは溶出することなく分散していること(固体分散物又は固体組成物)を意味する。ここで、固体状態とは、有機発光性化合物が完全に固体状態にある態様に加えて、目的とする波長変換機能を損なわない範囲で有機発光性化合物の一部が固体状態ではない態様も包含する。上記目的とする波長変換機能を損なわない範囲は、有機発光性化合物の特性ないしは用途等に応じて一義的に決定できない。例えば、波長変換用発光性樹脂組成物が波長変換した光の波長についていうと、目的とする射出光の波長(有機発光性化合物の凝集/会合発光波長)に対して30nm程度短波長化される範囲が挙げられる。また、有機発光性化合物が有色である場合については、目視で確認したときに波長変換用発光性樹脂組成物(波長変換部材)中の非極性樹脂が自身の呈する色と異なる色に着色されていない範囲が挙げられる。更には、上記短波長化又は着色による方法に代えて、後述する実施例における蛍光スペクトルによる評価方法で規定した範囲とすることもできる。
また、本発明において、組成物とは、成分濃度が一定である(各成分が均一に分散している)混合物に加えて、上述の、目的とする波長変換機能を損なわない範囲で成分濃度が変動している混合物を包含する。
<式(1)で表される有機発光性化合物>
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物が含有する有機発光性化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 0006670776
式(1)において、R11及びR16は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はシリル基を示す。
11及びR16として採りうるハロゲン原子は、後述する置換基群Tのハロゲン原子と同義である。
11及びR16として採りうるアルキル基としては、直鎖アルキル基、分岐アルキル基又は環状アルキル基が挙げられ、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基が好ましい。直鎖アルキル基又は分岐アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜36であり、より好ましくは1〜18であり、更に好ましくは1〜12であり、特に好ましくは1〜6である。環状アルキル基の炭素数は、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜12、更に好ましくは3〜8である。
11及びR16として採りうるシリル基としては、好ましくは炭素数0〜30のシリル基、より好ましくは炭素数1〜20のシリル基である。アルキル基、アリール基、アルコキシ基又はアリールオキシ基がケイ素原子に結合したシリル基が更に好ましい。
11及びR16は、アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖アルキル基が更に好ましく、メチルが特に好ましい。
11及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、また置換基を有していてもよい。R11及びR16が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基、又は、後述する極性を示す部分構造が挙げられる。
12及びR15は、各々独立に、下記式(Ar−1)で表わされる基を示す。
上記式(1)で表される有機発光性化合物において、R11及びR16が上記原子又は置換基であり、かつR12及びR15がベンゼン環の2位に置換基R121を有する下記式(Ar−1)で表される基であると、後述するように、有機発光性化合物の分子間相互作用を抑えて、固体状態で分散していても、高い量子収率を示す。
Figure 0006670776
式(Ar−1)において、*は、上記式(1)中のピロール環を形成する炭素原子との結合部を示す。
121及びR122は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、シリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基若しくはエチニル基を示す。R121及びR122は、各々独立に、上記ハロゲン原子及び上記各基以外にも、後述する極性を示す部分構造を示す。
121及びR122として採りうる、ハロゲン原子、アルキル基及びシリル基は、それぞれ、R11及びR16として採りうる、ハロゲン原子、アルキル基及びシリル基と同義である。
121及びR122として採りうるアミノ基は、後述する置換基群Tにおける対応する基と同義である。
121及びR122として採りうるアルキルチオ基は、特に限定されないが、炭素数1〜30のアルキルチオ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキルチオ基がより好ましく、炭素数1〜12のアルキルチオ基が更に好ましい。アルキルチオ基のアルキル部分が環状である場合、炭素数の下限は3である。
121及びR122として採りうるアリールチオ基は、特に限定されないが、炭素数6〜30のアリールチオ基が好ましく、炭素数6〜26のアリールチオ基がより好ましい。
121及びR122として採りうる、極性を示す部分構造は、後述する、R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つが採りうる、極性を示す部分構造と同義である。
121及びR122は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、シリル基又は極性を示す部分構造が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基又は極性を示す部分構造がより好ましく、アルキル基が更に好ましい。
121及びR122は、同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数である場合、複数のR122同士は同一であっても異なっていてもよい。
121及びR122は、置換基を有していてもよい。R121及びR122が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基、又は、後述する極性を示す部分構造が挙げられる。
式(Ar−1)において、nは、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは1又は2である。
nが1以上の整数である場合、R122の結合位置は特に限定されない。式(Ar−1)において、*が付された炭素原子に対して、3位〜6位(R121が結合する炭素原子を2位とする)のいずれであってもよく、4位及び/又は6位が好ましく、6位、又は、4位及び6位がより好ましい。
12及びR15は、各々独立に、下記式(Ar−2)で表わされる基が好ましい。
式(Ar−2)中、*は上記式(1)中のピロール環を形成する炭素原子との結合部を示す。
上記式(1)で表される有機発光性化合物において、R12及びR15として、ベンゼン環の2位及び6位に置換基R221及びR222を有する下記式(Ar−2)で表される基を有すると、より一層高い量子収率を示す。
Figure 0006670776
式(Ar−2)において、R221〜R223は、各々独立に、式(Ar−1)におけるR121と同義である。R221〜R223は互いに同一でも異なっていてもよい。
mは、0〜3の整数であり、0又は1が好ましい。
mが1以上の整数である場合、R223の結合位置は特に限定されない。式(Ar−2)において、*が付された炭素原子に対して、3位〜5位(R221が結合する炭素原子を2位とする)のいずれであってもよく、4位が好ましい。
式(1)において、R13及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示す。
13及びR14として採りうる、ハロゲン原子、アルキル基及びシリル基は、それぞれ、R11及びR16として採りうる、ハロゲン原子、アルキル基及びシリル基と同義である。
13及びR14として採りうるアリール基は、炭素数6〜48のアリール基が好ましく、炭素数6〜24のアリール基がより好ましく、炭素数6〜14のアリール基が更に好ましく、6〜10のアリール基が特に好ましい。アリール基としてはベンゼン環基が好ましい。
13及びR14として採りうるヘテロ環基は、好ましくは5〜7員のヘテロ環が挙げられる。ヘテロ環は、飽和若しくは不飽和、芳香族若しくは非芳香族、単環若しくは縮環のヘテロ環基のいずれであってもよい。ヘテロ環基は、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子及び硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基である。更に好ましくは、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族のヘテロ環基である。
13及びR14として採りうるアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基は、それぞれ、R121及びR122として採りうるアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基と同義である。
13及びR14として採りうる、アシル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基は、それぞれ、後述する置換基群Tの、アシル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基と同義である。
13及びR14は、水素原子以外の基、すなわち、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、シリル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基がより好ましく、アルキル基が更に好ましい。アルキル基の中でも、直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、メチルが更に好ましい。
13及びR14は、同一であっても異なっていてもよく、また置換基を有していてもよい。R13及びR14が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基、又は、後述する極性を示す部分構造が挙げられる。
13及びR14は、R11又はR12と同一であっても異なっていてもよく、R11、R13、R14及びR16が、いずれも、同一であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
式(1)において、R17はアリール基を示す。R17として採りうるアリール基は、R13及びR14として採りうるアリール基と同義であり、ベンゼン環基が好ましい。
17は、置換基を有していてもよい。R17が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基、又は、後述する極性を示す部分構造が挙げられる。R17が有する置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又は極性を示す部分構造が好ましく、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は極性を示す部分構造がより好ましい。
式(1)において、X及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基又はエチニル基を示す。
及びXとして採りうる、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基及びヘテロ環基は、R13及びR14として採りうる、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基及びヘテロ環基と同義である。
及びXとして採りうる、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基は、R13及びR14として採りうる、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基と同義である。
及びXは、ハロゲン原子、アルコキシ基又はアリール基が好ましく、ハロゲン原子又はアルコキシ基がより好ましく、ハロゲン原子が更に好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
及びXは、同一であっても異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
及びXは、置換基を有していてもよい。X及びXが有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基、又は、後述する極性を示す部分構造が挙げられる。
及びXは互いに連結して環を形成してもよい。
上記式(1)で表される有機発光性化合物において、R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つは極性を示す部分構造(極性部分構造)を有する。本発明において、R11が極性部分構造を有するとは、R11がその構造の一部に極性部分構造を有する態様を意味し、R11全体が極性部分構造に相当する態様を含まないことが好ましい。R12〜R17、X及びXについても同様である。このように、上記式(1)で表される有機発光性化合物は、R11〜R17、X又はXとして採りうる上記各基が置換基として極性部分構造を有していることが好ましい。R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つが極性部分構造を有することにより、後述するように、式(1)で表される有機発光性化合物の非極性樹脂への溶解を抑えつつ高い量子収率を発揮する。
11〜R17、X及びXが有する極性部分構造の総数は、少なくとも1つであれば特に限定されないが、1〜5つが好ましく、1〜3つがより好ましく、1つ又は2つが更に好ましい。
極性部分構造を有する基は、R11〜R17、X及びXのいずれでもよく、R12、R15、R17、X及びXの少なくとも1つが好ましく、R17、X及びXの少なくとも1つがより好ましく、R17が更に好ましい。
11〜R17、X及びXが極性部分構造を有する場合、極性部分構造が結合する位置は特に限定されない。R11〜R17、X及びXがそれぞれとる各基を形成するいずれかの原子(以下、R11等とも記載する)に極性部分構造が結合していればよい。
例えば、R17が極性部分構造を有する場合、この極性部分構造は式(1)中のピロール環を結合するメチン炭素原子との結合部に対して2〜6位に結合することが好ましい。R17がベンゼン環である場合、極性部分構造の結合位置は、上記メチン炭素原子との結合部に対して2位又は4位が好ましく、4位が好ましい。
極性部分構造は、極性を示すものであれば特に限定されず、部分構造を形成する原子であって互いに結合している2つの原子の電気陰性度の差が大きい部分構造を有するものをいう。極性部分構造としては、具体的には、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボン酸無水物結合、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合、エーテル結合、ラクトン環構造及びスルトン環構造から選択される部分構造が挙げられる。中でも、電子求引性を示すものが好ましく、カルボキシ基、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合が好ましく、カルボキシ基又はエステル結合が好ましい。
上記部分構造のうち、基と表記するものは、それ自身で1価の基(極性基)を形成する。一方、上記部分構造のうち、結合と表記するものは、特に限定されない置換基、例えば後述する置換基群Tから選ばれる置換基と結合して、1価の基(極性基)を形成する。また、極性部分構造は、上記結合を1つ又は2つ以上有していてもよい。
カルボン酸無水物結合としては、カルボニル炭素がR11等との結合部となる−CO−O−CO−結合であれば特に限定されない。カルボン酸無水物結合を有する極性部分構造(極性基)としては、特に限定されないが、好ましくは−C(=O)−O−C(=O)−R基が挙げられる。ここで、Rは、特に限定されないが、後述する置換基群Tから選ばれる置換基が挙げられる。Rとして採りうる置換基は、中でも、アルキル基(シクロアルキル基を含む。)、アリール基又はヘテロ環基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
エステル結合としては、カルボニル炭素がR11等との結合部となる−CO−O−結合であれば特に限定されない。エステル結合を有する極性部分構造(極性基)としては、特に限定されないが、好ましくは−C(=O)−OR基が挙げられる。Rは上記の通りである。
カルボニル結合としては、特に限定されない。カルボニル結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、好ましくは−C(=O)−R基が挙げられる。Rは上記の通りである。
−SO−結合としては、硫黄原子がR11等との結合部となる結合であれば特に限定されない。−SO−結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、好ましくは−SOR基が挙げられる。Rは上記の通りである。
カーボネート結合としては、*−O−C(=O)−O−結合であって*を付した酸素原子がR11等との結合部となる結合であれば特に限定されない。カーボネート結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、好ましくは−O−C(=O)−O−R基が挙げられる。Rは上記の通りである。
ウレタン結合としては、*−N(R)−C(=O)−O−結合であって*を付した酸素原子がR11等との結合部となる結合であれば特に限定されない。ウレタン結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、好ましくは−N(R)−C(=O)−O−R基が挙げられる。Rは上記Rと同義である。Rは上記の通りである。
エーテル結合としては、−O−結合(環状エーテル結合を含む。)であれば特に限定されない。−O−結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、好ましくは−O−R基(Rは上記の通りである。)が挙げられる。また、環状エーテル結合を有する極性部分構造としては、特に限定されないが、各種の環状エーテル化合物からなる構造が挙げられ、5〜7員環が好ましい。極性部分構造に含まれる環状エーテル結合は1つでも2以上でもよい。このような極性部分構造として、例えば、モノ若しくはジオキソラン環構造が挙げられる。エーテル結合の位置も特に限定されず、例えば、1,3−ジオキソラン環、1,4−ジオキソラン環等が挙げられる。このジオキソラン環は環構成炭素原子がカルボニル炭素で置き換わっていてもよく、このような環として、1,3−ジオキソラン−2−オン環が挙げられる。
ラクトン環構造としては、環状エステルからなる構造であれば特に限定されず、例えば、α−ラクトン、β−ラクトン、γ−ラクトン又はδ−ラクトンが挙げられる。ラクトン環構造は、その環構成炭素原子(カルボニル炭素を除く)がR11等との結合部となることが好ましい。
スルトン環構造としては、ヒドロキシスルホン酸の環状スルホン酸エステルからなる構造であれば特に限定されない。スルトン環としては、4〜7員の環が好ましく、4員のスルトン環(1,3−プロパンスルトン)又は7員のスルトン環がより好ましい。
式(1)で表される有機発光性化合物は、隣接する基が互いに結合して環を形成してもよい。本発明においては、R11とR12、及び、R15とR16は、それぞれ、環を形成しない態様が好ましい。
本発明において、式(1)で表される有機発光性化合物は、光学異性体、幾何異性体、結合異性体、イオン化異性体等の異性体が存在する場合、これらの異性体のいずれであってもよく、またこれらの異性体の混合物であってもよい。
式(1)で表される有機発光性化合物は、600〜750nmの波長領域にピーク波長を有する。この有機発光性化合物は、後述する入射光を上記波長領域の赤色光に波長変換して発光することができる。
上記式(1)で表される有機発光性化合物は、例えば、特許文献1及び2、公知の方法、実施例における合成例、又は、これらに準じた方法により、合成することができる。
− 置換基群T −
本発明において、好ましい置換基としては、下記置換基群Tから選ばれる置換基が挙げられる。
また、本明細書において、単に置換基としてしか記載されていない場合は、この置換基群Tを参照するものであり、各々の基、例えば、アルキル基、が記載されているのみの場合は、この置換基群Tの対応する基における好ましい範囲が適用される。
更に、本明細書において、アルキル基を環状(シクロ)アルキル基と区別して記載している場合、アルキル基は、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基を包含する意味で用いる。一方、アルキル基を環状アルキル基と区別して記載していない場合(単に、アルキル基と記載されている場合)、及び、特段の断りがない場合、アルキル基は、直鎖アルキル基、分岐アルキル基及びシクロアルキル基を包含する意味で用いる。このことは、環状構造を採りうる基(アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等)を含む基(アルコキシ基、アルキルチオ基、アルケニルオキシ基等)、環状構造を採りうる基を含む化合物についても同様である。基が環状骨格を形成しうる場合、環状骨格を形成する基の原子数の下限は、この構造を採りうる基について下記に具体的に記載した原子数の下限にかかわらず、3以上であり、5以上が好ましい。
下記置換基群Tの説明においては、例えば、アルキル基とシクロアルキル基のように、直鎖又は分岐構造の基と環状構造の基とを明確にするため、これらを分けて記載していることもある。
置換基群Tに含まれる基としては、下記の基を含む。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜6)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)、シクロアルケニル基(好ましくは炭素数5〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜26、より好ましくは6〜10)、ヘテロ環基(環構成原子として少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を有し、好ましくは炭素数2〜20である。5員環又は6員環のヘテロ環基がより好ましい。ヘテロ環基は芳香族ヘテロ環基(ヘテロアリール基)及び脂肪族ヘテロ環基が包含される。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12)、アルケニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、アルキニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜12)、シクロアルキルオキシ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜26、より好ましくは6〜14)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、シクロアルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数4〜20)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20で、(モノ−又はジ−)アルキルアミノ基、(モノ−又はジ−)アルケニルアミノ基、(モノ−又はジ−)アルキニルアミノ基、(モノ−又はジ−)シクロアルキルアミノ基、(モノ−又はジ−)シクロアルケニルアミノ基、(モノ−又はジ−)アリールアミノ基、(モノ−又はジ−)ヘテロ環アミノ基を含む。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのスルファモイル基が好ましい。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜15)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのカルバモイル基が好ましい。)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数0〜20で、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールのスルホンアミド基が好ましい。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12)、シクロアルキルチオ基(好ましくは炭素数3〜20)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜26)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20)、
シリル基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシ及びアリールオキシが置換したシリル基が好ましい。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20で、アルキル、アリール、アルコキシ及びアリールオキシが置換したシリルオキシ基が好ましい。)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)、カルボキシ基(−COOH)、ホスホニル基(−PO(OH))、ホスホリル基(−O−PO(OH))、スルホ基(−SOH)、ホウ酸基、ヒドロキシ基、又は、メルカプト基が挙げられる。
置換基群Tから選ばれる置換基は、より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基である。
置換基群Tから選ばれる置換基は、特段の断りがない限り、上記の基を複数組み合わせてなる基をも含む。例えば、化合物ないし置換基等がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは置換されていても置換されていなくてもよい。また、アリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても置換されていなくてもよい。
式(1)で表される有機発光性化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの有機発光性化合物に限定されない。下記具体例において、Meはメチル、Etはエチル、Prはイソプロピルをそれぞれ示す。
Figure 0006670776
Figure 0006670776
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物に含有される上記有機発光性化合物は、1種でもよく、2種以上でもよい。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物における上記有機発光性化合物の含有量は、特に限定されず、当該化合物のモル吸光係数、求められる量子収率ないしは吸収強度等に応じて、適宜に決定される。例えば、上記含有量は、後述する非極性樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部が更に好ましく、1〜20質量部が特に好ましい。なお、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物が上記有機発光性化合物を2種以上含有する場合、上記含有量は各有機発光性化合物の合計含有量とする。
<非極性樹脂>
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は非極性樹脂を含有する。
本発明において、非極性樹脂は、双極子モーメントがゼロである無極性樹脂に加えて、低極性樹脂を包含する。樹脂の非極性及び低極性は、上記式(1)で表される有機発光性化合物、とりわけ上述の極性を示す部分構造との関係において決定される。例えば、非極性樹脂は、上記式(1)で表される有機発光性化合物を固体状態で分散させるものが挙げられる。このような非極性樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性若しくは光硬化性樹脂、又は、これらの樹脂混合物が挙げられる。
本発明において、「非極性樹脂」は、非極性樹脂が熱硬化性若しくは光硬化性樹脂である場合、非極性樹脂に加えて、非極性樹脂の単量体(モノマー)、及び、非極性樹脂の構成成分を形成する化合物(重合前前駆体)を含む。
非極性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素化樹脂、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、環状オレフィンコポリマー、脂肪族ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)又は芳香族ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
中でも、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー又は脂肪族ポリオレフィン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂又はポリプロピレンがより好ましい。
シリコーン樹脂としては、特に限定されないが、メチルシリコーン樹脂、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂等が挙げられる。また、シリコーン樹脂は、付加反応硬化型(熱硬化性)であってもよい。
非極性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1,000〜100,000であることがよい。
また、非極性樹脂は、透明又は半透明であること(可視光線(波長300〜830nm)の透過率が50%以上)が好ましい。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物に含有される上記非極性樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
<添加剤>
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、波長変換用発光性樹脂組成物に通常用いられる各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、色調補正用の色素、加工、酸化及び熱安定化剤(酸化防止剤、燐系加工安定化剤等)、耐光性安定化剤(紫外線吸収剤等)、シランカップリング剤、更には、有機酸、マット剤、ラジカル捕捉剤、劣化防止剤、充填剤(例えば、シリカ、ガラス繊維、ガラスビーズ)、可塑剤、滑剤、難燃剤(例えば、有機ハロゲン化合物)、難燃助剤、帯電防止剤、帯電性付与剤、耐衝撃性改良剤、変色防止剤、離型剤(例えば、一価又は多価アルコールの高級脂肪酸エステル類など)、流動性改良剤、反応性若しくは非反応性の希釈剤等が挙げられる。
上記各種の添加剤としては、具体的には、特許文献1及び2に記載されたもの等が挙げられ、これらの記載は好ましく本明細書に取り込まれる。また、添加剤の含有量は、特に限定されず、本発明の目的を損なわない範囲において適宜に決定される。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、上記非極性樹脂中に上記式(1)で表される有機発光性化合物が固体状態で、分散している。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、上記有機発光性化合物が所定の分散状態にあれば、その形態は特に限定されない。例えば、非極性樹脂及び上記有機発光性化合物を粒子状で含有する形態が挙げられる。他の形態として、非極性樹脂が連続相を形成し、その中に上記有機発光性化合物が固体状態で分散している形態が挙げられる。本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、いずれの形態においても、後述する波長変換部材の材料として用いることができる。非極性樹脂が連続相を形成する形態の場合、波長変換用発光性樹脂組成物は、形状が特定されないが、後述する波長変換部材ともいう。
非極性樹脂が固体である場合、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、固体の非極性樹脂に固体の有機発光性化合物が分散してなる固体分散物となる。一方、非極性樹脂が液体ないしは液状である場合、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、液状の非極性樹脂に固体の有機発光性化合物が分散した液状組成物(懸濁液)となる。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、有機発光性化合物が固体状態で非極性樹脂に分散している範囲において、上記希釈剤(水又は溶媒等)を含有していてもよい。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物は、入射光を高い量子収率で赤色光に変換して発光することができる。本発明の波長変換用発光性樹脂組成物が示す量子収率は、本発明の波長変換部材が示す量子収率と同じである。
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物が、高い量子収率で赤色光を発光する理由の詳細についてはまだ定かではないが次のように考えられる。
以下に、式(1)で表される有機発光性化合物における各置換基又はその組み合わせの作用機構等について具体的に説明する。しかし、これらは単独でその作用機能を奏するものではなく、式(1)で表されるジピロメテン錯体骨格に導入されて、式(1)で表される特有の化学構造を持つ有機発光性化合物を形成する。これにより、上述の優れた特性を示す。
上述の極性を示す部分構造を有する有機発光性化合物を上記非極性樹脂と組み合わせて本発明の波長変換用発光性樹脂組成物に用いると、有機発光性化合物の、上記非極性樹脂に対する親和性(溶解性)を低下させることができ、非極性樹脂への溶解、相溶ないしは溶出を防止できると考えられる。
また、式(1)で表される有機発光性化合物は、s−インダセン骨格の1位(R11)及び7位(R16)に非芳香族系の置換基ないしはハロゲン原子を有し、かつ8位(R)にアリール基を有する。このような特定の組み合わせで特定の置換基を持つ本発明の有機発光性化合物は、平面構造を取ることができなくなり、分子間の相互作用が弱まると考えられる。
上記極性を示す部分構造と、上記特定の置換基の組み合わせとにより、有機発光性化合物が非極性樹脂中の固体状態で分散可能になり、入射光を波長変換する際に短波長化を抑えて、目的とする波長の出射光(赤色光)を発光できる。しかも、有機発光性化合物は、固体状態であっても、凝集起因消光が抑えられ、高い量子収量を示すと考えられる。
<波長変換用発光性樹脂組成物の調製方法>
本発明の波長変換用発光性樹脂組成物を製造する方法は、特に限定されず、例えば、下記(方法A)及び(方法B)が挙げられる。
(方法A)式(1)で表される少なくとも一種の有機発光性化合物と非極性樹脂とを含有する組成物を溶融混合する工程を含む方法
例えば、非極性樹脂に式(1)で表される有機発光性化合物を分散させた後に、必要に応じて溶融混合する方法が挙げられる。ここで、非極性樹脂に有機発光性化合物を分散させるとは、上述の「有機発光性化合物が非極性樹脂中に固体状態で分散している」ことと同義である(以下、(方法B)についても同じ。)。
非極性樹脂に式(1)で表される有機発光性化合物を分散させる方法としては、溶融ブレンド法、非極性樹脂の粉体との混合法等が挙げられる。
溶融ブレンド法は、常法により、行うことができる。用いる装置としては、通常のゴム又はプラスチックを溶融ブレンドするのに使用される装置などを使用することができる。溶融温度は、非極性樹脂が溶融可能な温度で、かつ非極性樹脂が熱分解し始める温度以下に設定することが好ましく、その温度は、通常150℃〜450℃であり、好ましくは180℃〜400℃である。
(方法B)式(1)で表される少なくとも一種の有機発光性化合物と、非極性樹脂の単量体及び/又は非極性樹脂の重合前駆体とを含有する組成物を硬化させる方法
例えば、熱硬化性若しくは光硬化性樹脂の単量体及び/又は非極性樹脂の重合前駆体に、式(1)で表される有機発光性化合物を分散させた後、上記単量体及び/又は重合前駆体を重合させる方法が挙げられる。また、上記単量体及び/又は重合前駆体の溶液に式(1)で表される有機発光性化合物を懸濁させた後に、単量体及び/又は重合前駆体を重合させる方法も挙げられる。ここで、溶液に有機発光性化合物を懸濁させるとは、上述の「有機発光性化合物が非極性樹脂中に固体状態で分散している」ことと同義である。
非極性樹脂として上記単量体及び/又は重合前駆体を用いる場合、単量体及び/又は重合前駆体に式(1)で表される有機発光性化合物を分散又は懸濁させる方法として以下の方法が挙げられる。単量体及び/又は重合前駆体が液体の場合、例えば、ペイントシェーカー、ミキサー、ホモジナイザーを使用して、単量体及び/又は重合前駆体の液中に式(1)で表される有機発光性化合物を分散又は懸濁させる方法が挙げられる。また、単量体及び/又は重合前駆体が固体の場合、例えば、ボールミル、サンドミル等を使用して、単量体及び/又は重合前駆体の粉体に式(1)で表される有機発光性化合物を分散又は懸濁させる方法が挙げられる。
(方法B)における重合方法は、特に限定されず、熱重合でもよく、また光重合でもよい。
熱重合は、常法により、行うことができる。熱重合法として、例えば、熱硬化性樹脂の単量体及び/又は重合前駆体と式(1)で表される有機発光性化合物との混合物に必要に応じて触媒を加え、加熱する方法が挙げられる。熱重合法及びその条件、更には用いる触媒及びその使用量については、特許文献1に記載された方法等が挙げられ、特許文献1の記載は好ましく本明細書に取り込まれる。
光重合は、常法により、行うことができる。光重合法として、例えば、光硬化性樹脂の単量体及び/又は重合前駆体と式(1)で表される有機発光性化合物との混合物に、必要に応じて光重合開始剤を加え、次いで光を照射する方法が挙げられる。光重合法及びその条件、更には用いる重合開始剤及びその使用量については、特許文献1に記載の方法等が挙げられ、特許文献1の記載は好ましく本明細書に取り込まれる。
非極性樹脂がシリコーン樹脂である場合、付加硬化反応により重合する方法が好ましい。シリコーン樹脂の付加硬化反応も常法で行うことができる。例えば、重合性反応基(例えばアルケニル基)を有するオルガノシロキサンと、ケイ素原子に結合した水素原子を有するハイドロジェンシロキサンとのヒドロシリル化反応により重合するのが好ましい。ヒドロシリル化反応の条件は、特に限定されないが、所望により付加反応触媒(例えば白金)の存在下、室温以上、例えば50〜200℃に加熱する条件が挙げられる。
上記(方法B)に用いる有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、炭化水素溶媒、ケトン溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、エステル溶媒、アルコール溶媒、エーテル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルフォキサイド等の極性溶媒が挙げられる。
有機溶媒は、単独で使用してもよく、複数併用してもよい。
有機溶媒の除去方法としては、混合有機溶媒溶液を有機溶媒の沸点以上で、非極性樹脂及び式(1)で表される有機発光性化合物の分解温度以下の温度に加熱する方法が挙げられる。このとき、減圧下(大気圧未満)で除去させることもできる。
[波長変換部材]
本発明の波長変換部材は、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物からなる波長変換部を有するものであれば、その形状、寸法等は特に限定されず、用途等に応じて適宜に設定される。例えば、本発明の波長変換部材及び波長変換部の形状としては、それぞれ、膜状、板状(例えば、シート状、フィルタ状、ディスク状)、レンズ状、ファイバー状、光導波路状等が挙げられる。
本発明の波長変換部材は、板状であることが好ましい態様の1つである。この場合、本発明の波長変換部材(波長変換フィルタともいう)は、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物からなる波長変換層を波長変換部として有していればよく、基板との積層体であってもよい。波長変換層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10〜3000μmが好ましく、30〜2000μmがより好ましい。
基板としては、ガラス基板又はポリマー基板が挙げられる。ガラス基板としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、バリウム−ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウム−ホウケイ酸ガラス、石英等の各ガラス製の基板が挙げられる。ポリマー基板としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフィド、ポリスルフォン等の各ポリマー製の基板が挙げられる。
本発明の波長変換部材は、基板以外の構成部材を有していてもよい。このような構成部材としては、波長変換部材に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、保護膜(フィルム)等が挙げられる。
本発明の波長変換部材は、入射光を高い量子収率で赤色光に変換して発光することができる。そのため、本発明の波長変換部材は、後述する波長変換ユニット又は発光素子に好適に用いることができる。
本発明の波長変換部材が示す量子収率は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.25以上であり、更に好ましくは0.3以上である。量子収率の上限は特に限定されないが、一般的には、1.0以下である。本発明において、量子収率は、市販の量子収率測定装置を使用して測定することができ、例えば、絶対PL(フォトルミネッセンス)量子収率測定装置:C9920−02(浜松ホトニクス社製)を使用して測定することができる。
本発明の波長変換部材は、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物を所定形状に成形して作製される。
成形方法としては、特に限定されず、射出成形等の熱溶融状態で行う成形法、本発明の波長変換用発光性樹脂組成物を溶融させた(有機発光性化合物は非極性樹脂中に固体状態で分散している。)後に、スピンコート法、ロールコート法、バーコート法、ラングミュア−ブロジェット法、キャスト法、ディップ法、スクリーン印刷法、バブルジェット(登録商標)法、インクジェット法、蒸着法、電界法等の製膜法が挙げられる。
また、非極性樹脂が熱硬化性若しくは光硬化性樹脂である場合、非極性樹脂の単量体及び/又は重合前駆体と式(1)で表される有機発光性化合物とを混合した組成物を型に充填し、又は、上記製膜法により製膜し、光又は熱で重合する上記方法を適用することもできる。
[波長変換ユニット]
本発明の波長変換ユニットは、光源と、上述した、本発明の波長変換部材とを有する。
本発明の波長変換ユニットの構造としては、従来公知の構造を特に限定されることなく適用することができる。光源と波長変換部材との配置についても、特に限定されず、光源と波長変換部材とが接した状態に配置されていてもよく、離間した状態若しくは他の部材を介在した状態に配置されていてもよい。
光源としては、特に限定されず、例えば、白熱電球、メタルハライドランプ、HIDランプ(高輝度放電灯:High Intensity Discharge Lamp)、キセノンランプ、ナトリウムランプ、水銀ランプ、蛍光ランプ、冷陰極管、カソードルミネッセンス、低速電子線管、発光ダイオード〔例えば、GaP(赤色、緑色)、GaPAs(1−x)(赤色、橙色、黄色:0<x<1)、AlGa(1−x)As(赤色:0<x<1)、GaAs(赤色)、SiC(青色)、GaN(青色)、ZnS、ZnSe〕、エレクトロルミネッセンス(例えば、ZnS母体と発光中心を使用する無機EL、有機EL)、レーザー(例えば、He−Neレーザー、COレーザー、Ar,Kr,He−Cdレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー等の気体レーザー、ルビーレーザー、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)レーザー、ガラスレーザー等の固体レーザー、色素レーザー、半導体レーザー)、太陽光等を挙げることができる。
光源は、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス又は半導体レーザーが好ましく、発光ダイオードがより好ましい。
発光ダイオードとしては、式(1)で表される有機発光性化合物を励起可能な発光波長を発光できる発光層を有する半導体発光素子が好ましい。このような半導体発光素子として、上記半導体を有するものが挙げられる。上記半導体以外の半導体としては、式(1)で表される有機発光性化合物を効率よく励起できる短波長を発光可能な窒化物半導体(InAlGa(1−x−y)、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が好ましい。半導体の構造としては、MIS(Metal−Insulator−Silicon)接合、PIN接合、pn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造又はダブルヘテロ構造のものが挙げられる。半導体層の材料又はその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造とすることもできる。
後述する、本発明の発光素子に白色光を発光させる場合、式(1)で表される有機発光性化合物からの発光波長との補色関係、又は、非極性樹脂の劣化を考慮して、光源の発光波長(励起波長)は、200〜550nmが好ましい。光源と式(1)で表される有機発光性化合物との励起、発光効率をそれぞれより向上させるには、発光波長は、300〜500nmがより好ましい。発光ダイオードは、通常、銅箔等のパターニングされた金属を有する基板上に配置される。ここで、基板材料としては絶縁性の有機化合物又は無機化合物(例えばガラス、セラミックス)が挙げられる。有機化合物としては各種高分子材料(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)を使用できる。また、基板の形状は、特に限定されるものではなく、板状、カップ状、多孔板状等の様々な形状を選択することができる。
上記半導体レーザーは、特に限定されないが、以下の機構によるものが好ましい。すなわち、半導体をpn接合し、ここに順方向バイアスを印加し、高いエネルギー準位にある少数キャリアーの注入を行って、p形領域に流れ込んだ電子を正孔と、n形領域に流れ込んだ正孔を電子と再結合させる。これによって、電子を高いエネルギー準位から低いエネルギー準位に遷移させ、そのエネルギー差に相当する光子を放出させる機構が挙げられる。
半導体レーザーの材料としては、ゲルマニウム、シリコン等のIV族元素、GaAs、InPなどの格子振動を伴わない直接遷移型のIII−V族、II−VI族化合物等を挙げることができる。また、これらの材料は、2元系のみならず、3元系、4元系、5元系等の多元系であってもよい。また、その積層構造はクラッド層を設けたダブルヘテロ構造であってもよく、また、下部クラッド、活性層、上部クラッドよりなる構成であってもよい。更には多重量子井戸構造を適用したものであってもよい。
本発明の波長変換ユニットは、所望により、カラーフィルタを備え、色純度を調整してもよい。カラーフィルタとしては、通常用いられるものであれば特に限定されない。カラーフィルタに用いる顔料としては、例えば、ペリレン顔料、レーキ顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、アントラキノン顔料、アントラセン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、フタロシアニン顔料、トリフェニルメタン塩基性染料、インダンスロン顔料、インドフェノール顔料、シアニン顔料、ジオキサジン顔料等の各種顔料、又は、これら顔料2種以上の顔料混合物、更には、上記顔料若しくは顔料混合物とバインダー樹脂との混合物(溶解又は分散させた固体状態のもの)が挙げられる。
本発明の波長変換ユニットは、本発明の波長変換部材を備えており、光源からの入射光、好ましくは上記波長領域の入射光を、高い量子収率で赤色(波長600〜750nm)の射出光に変換して発光することができる。量子収率は上記の通りである。そのため、本発明の波長変換ユニットは、後述する本発明の発光素子に好適に用いることができる。
本発明の波長変換ユニットは、公知の方法で作製できる。
[発光素子]
本発明の発光素子は、本発明の波長変換部材、好ましくは本発明の波長変換ユニットを有する。この発光素子は、上記部材又はユニットを有していればよく、用途等に応じて適宜の形状ないしは寸法に設定される。
本発明の発光素子の構成としては、特に限定されないが、次の各構成が挙げられる。
具体的な構成として、例えば、光源/波長変換部材、光源/透光性基板/波長変換部材、光源/波長変換部材/透光性基板、光源/透光性基板/波長変換部材/透光性基板、光源/波長変換部材/カラーフィルタ、光源/透光性基板/波長変換部材/カラーフィルタ、光源/波長変換部材/透光性基板/カラーフィルタ、光源/透光性基板/波長変換部材/透光性基板/カラーフィルタ、光源/透光性基板/波長変換部材/カラーフィルタ/透光性基板、光源/波長変換部材/カラーフィルタ/透光性基板の各構成が挙げられる。
上記透光性基板とは、可視光を50%以上透過することができる基板をいい、具体的には、上記波長変換部材が有していてもよい基材と同義である。また、カラーフィルタについても上記波長変換部材が有していてもよいカラーフィルタと同義である。透光性基板及びカラーフィルタの形状は、特に限定されるものではなく、板状であってもよく、またレンズ状の形状であってもよい。
本発明の発光素子は、各種の用途に用いることができ、好ましくは、各種ディスプレイ等の表示装置、照明装置等が挙げられる。
表示装置としては、特に限定されず、例えば、各種ディスプレイ、交通信号、交通表示装置、液晶バックライト、液晶フロントライト、フィールドシーケンシャル液晶表示等が挙げられる。照明装置としては、特に限定されず、例えば、一般照明装置(器具)、局所照明装置、インテリア照明装置等が挙げられる。
本発明の発光素子は、上述の構成に用いる各構成要素を順次積層して作製することができ、各構成要素を貼り合わせて作製することもできる。構成要素の積層順は、特に限定されない。
以下に実施例に基づき、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定さない。
実施例及び比較例で用いた有機発光性化合物及び比較化合物(1)〜(9)を以下に示す。下記化合物において、Meはメチル、Etはエチル、Buはtert−ブチルをそれぞれ表す。
Figure 0006670776
Figure 0006670776
比較化合物(1)〜(4)は、それぞれ、特許文献1に記載のピロメテンホウ素錯体化合物A−8、A−25、A−26及びA−1である。比較化合物(5)は特許文献2に記載の化合物G−202であり、比較化合物(8)は特許文献2の段落[0146]に記載の化合物であり、比較化合物(9)は特許文献2に記載の化合物R−1(段落[0211])である。
以下に、各実施例で用いる有機発光性化合物の合成方法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体及び合成ルートはこれらに限定されるものではない。
本発明において、室温とは25℃を意味する。
合成例1:有機発光性化合物F−1の合成
<化合物(1−A)の合成>
下記のスキームに基づき、化合物(1−A)を合成した。
下記スキーム中、Etはエチル、Prはイソプロピルを示す。
Figure 0006670776
100mL三ツ口フラスコに、窒素雰囲気下、テレフタルアルデヒド酸エチル1.07g及びジクロロメタン50mLを導入し、室温で撹拌した。そこへ、水冷しながら、2,4−ジメチルピロール1.14gを滴下し、続いて、トリフルオロ酢酸を5滴加えた後、室温で更に1時間撹拌した。そこへ、水冷しながら、クロラニル2.94gを加え、室温で更に1時間撹拌した後、イソプロピルエチルアミン(NPrEt)5.43gを滴下し、室温で引き続き30分間撹拌した。続いて、得られた液に、水冷しながら、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体8.29mLを滴下し、室温で1時間撹拌した。
得られた反応液に蒸留水100mLを加えて、抽出、分液した有機層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥した後、減圧濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製した後、メタノールで再結晶することにより、化合物(1−A)を1.02g得た。
化合物(1−A)をESI−MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により同定した。その結果を以下に示す。
ESI−MS:[M−H]=395
<有機発光性化合物F−1の合成>
下記のスキームに基づき、有機発光性化合物F−1を合成した。
下記スキーム中、Etはエチルを示す。
Figure 0006670776
300mL三ツ口フラスコに、化合物(1−A)を2.63g、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール60mLを導入し、室温で撹拌した。そこへ、N−ヨードスクシンイミド(NIS)3.60gを加えて、室温で1時間半撹拌した。反応液を減圧濃縮した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液50mL(チオ硫酸ナトリウム10g溶解)、及び塩化メチレン100mLを加えて、抽出、分液して有機層を得た。この有機層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥した後、減圧濃縮した。この粗生成物をエタノールで再結晶することにより、化合物(1−B)を3.27g得た。
次いで、100mL三ツ口フラスコに、化合物(1−B)を503mg、2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸1000mg、フッ化セシウム1152.2mg、及びメトキシシクロペンタン26mLを導入し、室温で撹拌しながら、減圧脱気後、窒素雰囲気にした。ここに、SPhos Pd G3((2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホネート、Aldrich製)322mgを加え、1時間加熱還流した。得られた反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液100mL及び酢酸エチル100mLを加え、抽出、分液して得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで予備乾燥した後、減圧濃縮した。この粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(TLC)(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製した後、塩化メチレンとメタノールで再結晶することにより、有機発光性化合物F−1を325mg得た。
有機発光性化合物F−1をESI−MSにより同定した。その結果を以下に示す。
ESI−MS:[M−H]=631
合成例2:有機発光性化合物F−3の合成
有機発光性化合物F−1の合成において、テレフタルアルデヒド酸エチルに代えてテレフタルアルデヒド酸を用いたこと以外は、有機発光性化合物F−1の合成と同様にして、有機発光性化合物F−3を合成した。得られた化合物をESI−MSにより同定した。
ESI−MS:[M−H]=603
合成例3:有機発光性化合物F−2の合成
有機発光性化合物F−1の合成において、テレフタルアルデヒド酸エチルに代えて4−ホルミルベンゾニトリルを用い、更に2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸に代えて2−メチルフェニルボロン酸を用いたこと以外は、有機発光性化合物F−1の合成と同様にして、有機発光性化合物F−2を合成した。得られた化合物をESI−MSにより同定した。
ESI−MS:[M−H]=528
合成例4:有機発光性化合物F−9の合成
有機発光性化合物F−1の合成において、テレフタルアルデヒド酸エチルに代えて4−メトキシベンズアルデヒドを用い、更に2,4,6−トリメチルフェニルボロン酸に代えて2,6−ジメチルフェニルボロン酸を用いたこと以外は、有機発光性化合物F−1の合成と同様にして、有機発光性化合物F−9を合成した。得られた化合物をESI−MSにより同定した。
ESI−MS:[M−H]=561
合成例5:有機発光性化合物F−7の合成
下記のスキームに基づき、有機発光性化合物F−7を合成した。
Figure 0006670776
化合物(1−A)の合成において、テレフタルアルデヒド酸エチルに代えて2,3,5,6−テトラフルオロベンズアルデヒドを用いたこと以外は、化合物(1―A)の合成と同様にして、上記化合物(5−A)を合成した。
次いで、50mLフラスコに、化合物(5−A)を100mg測りとり、塩化メチレン3mLに溶解し、そこへ三塩化アルミニウム64mgを加えて、30分間加熱還流した。その後、室温へ戻した反応液に2−メトキシエタノール1mLを加え、更に30分間反応させた。反応終了後、減圧濃縮した後、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製した後、メタノール/塩化メチレンで再結晶することにより、有機発光性化合物F−7を40mg得た。得られた化合物をESI−MSにより同定した。
ESI−MS:[M−H]=743
[波長変換用発光性樹脂組成物及び波長変換部材の調製]
実施例1
<波長変換発光性樹脂組成物及びフィルム状の波長変換部材の作製>
シリコーン樹脂(KER−2500、2液混合付加硬化型、信越化学工業社製)のA液1gとB液1gとを混合し、次いで有機発光性化合物F−1を20mg(非極性樹脂100質量部に対して1質量部)加えて、自転・公転ミキサー(シンキー社製、あわとり錬太郎)にて、2000rpm(rotation per minute)で混合し、2200rpmで脱泡した。得られた混合液(有機発光性化合物F−1は非極性樹脂中に固体状態で分散していた。)を、ガラス板上に3000rpmでスピンコートし、150℃で2時間加熱して、硬化させた。このようにして、波長変換発光性樹脂組成物(フィルム状の波長変換部材)を作製した。得られた波長変換層の厚さは105μmであった。
実施例2〜4、6及び比較例1〜9
実施例1において、有機発光性化合物F−1に代えて下記表1に示した有機発光性化合物又は比較化合物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、波長変換発光性樹脂組成物(フィルム状の波長変換部材)をそれぞれ作製した。
実施例5
熱可塑性ポリプロピレン樹脂10gと、100mgの有機発光性化合物F−1(非極性樹脂100質量部に対して1質量部)とをラボプラストミルに投入し、200℃で10分間溶融混練した(有機発光性化合物F−1は非極性樹脂中に固体状態で分散していた。)。得られた波長変換用発光性樹脂組成物を、190℃に保温した2枚の鉄板で挟んで5分間加熱し、その後、鉄板を冷却しながら5〜10mPaの圧力でプレスした。このようにして、フィルム状の波長変換部材を作製した。得られた波長変換層の厚さは32μmであった。
[波長変換発光性樹脂組成物及びフィルム状の波長変換部材の評価]
作製した波長変換発光性樹脂組成物及びフィルム状の波長変換部材について、下記特性を評価し、その結果を表1に示した。
<分散状態の評価>
作製した波長変換部材について、有機発光性化合物又は比較化合物の分散状態(非極性樹脂への溶解性)を確認した。
評価は、作製した波長変換部材の連続相(フィルム)を15mm×15mmにカットした試験片について、絶対PL量子収率測定装置:C9920−02(浜松ホトニクス社製)を使用して、蛍光スペクトルを測定した。得られたスペクトルにおいて、有機発光性化合物又は比較化合物の分散状態での最大発光波長(凝集/会合発光波長)のピーク強度と、溶解状態での最大発光波長(上記凝集/会合発光波長よりも短波長化されたピークの波長)のピーク強度とを求めて、それぞれ、分散状態の最大発光波長強度及び溶解状態の最大発光波長強度とした。分散状態の最大発光波長強度に対する溶解状態の最大発光波長強度の強度比[溶解状態の最大発光波長強度/分散状態の最大発光波長強度]を算出した。
算出した強度比が以下の評価ランクのいずれに含まれるかを判定した。
本試験において、評価が「A」及び「B」であると、有機発光性化合物が固体状態で非極性樹脂(シリコーン樹脂又はポリプロピレン樹脂)に良好に分散していることを示す。
A:0.5未満
B:0.5以上、1.0未満
C:1.0以上
<量子収率の測定>
合成した有機発光性化合物の粉体について、絶対PL量子収率測定装置:C9920−02(浜松ホトニクス社製)を使用して、量子収率を測定した。励起波長は、各波長変換部材に含有されている有機発光性化合物又は比較化合物の最大吸収波長より50nm短い波長(いずれの実施例及び比較例においても300〜500nmの範囲であった。)とした。
測定した量子収率が以下の評価ランクのいずれに含まれるかを判定した。
本試験において、量子収率は、評価ランクC以上が実用上求められる。
A:0.30以上
B:0.25以上、0.30未満
C:0.20以上、0.25未満
D:0.15以上、0.20未満
E:0.15未満
<波長変換性能(出射光)の評価>
作製した各波長変換部材に405nmの光を入射して、放射される光の最大発光波長を観測した。最大発光波長が600〜750nmにある放射光を「赤色光」とし、495〜570nmにある放射光を「緑色光」とした。
Figure 0006670776
表1の結果から、以下のことが分かる。
本発明で規定する上記式(1)中のR11、R12、R15、R16及びR17の少なくとも1つを満たさない比較化合物(1)〜(9)を用いた比較例1〜9は、いずれも量子収率が低く、比較化合物がシリコーン樹脂に溶解するものも確認された。また、比較例4〜8の波長変換用発光性樹脂組成物(波長変換部材)は、出射光が赤色光以外を主発光とする。また、比較例1〜3及び9は出射光が赤色光であるものの量子収率が低い。これらのことから、比較例1〜9の波長変換用発光性樹脂組成物(波長変換部材)は、高い量子効率で出射光を赤色光に波長変換できるものではないことが分かる。
比較化合物(2)、(3)及び(9)は、極性を示す部分構造を有しているものの、式(1)中のR11、R12、R15及びR16を満たさないため、固体状態で分散していたが、十分な量子収率を示していない(比較例2、3及び9)。極性を示す部分構造を有さず、しかもR11、R12、R15〜R17を満たさない比較化合物は、いずれも、非極性樹脂に溶解しているにもかかわらず、量子収率が低い(比較例1、4〜8)。
これに対して、式(1)で表される有機発光性化合物と非極性樹脂とを含有し、極性樹脂中に有機発光性化合物が固体状態で分散している波長変換用発光性樹脂組成物(波長変換部材)は、入射光を赤色光に波長変換した出射光を高い量子収率で発光できる(実施例1〜6)。このように、式(1)で表される有機発光性化合物を、非極性樹脂に溶解することなく固体状態で分散させることができ、上記優れた特性を示す波長変換用発光性樹脂組成物(波長変換部材)を作製することができる。
[波長変換ユニット及び発光素子の調製及び評価]
実施例7〜12
実施例1〜6で作製した各波長変換部材と、紫色LED(型番:PS2N−UFLE、Prolight Opto社製)とを用いて、実施例7〜12の、波長変換ユニット及び発光素子をそれぞれ製造した。製造した発光素子について、上記<量子収率の測定>と同様にして、量子収率を測定したところ、いずれも、実施例1〜6と同様の優れた結果が得られた。
実施例1〜6及び7〜12により、上記式(1)で表される有機発光性化合物が固体状態で分散していても高い量子収率で赤色光を発光する波長変換用発光性樹脂組成物及び波長変換部材を調製できる。また、この波長変換用発光性樹脂組成物又は波長変換部材を用いると、入射光を波長変換した赤色光を高い量子収率で発光できる波長変換ユニット及び発光素子を製造することができる。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表される少なくとも一種の有機発光性化合物と非極性樹脂とを含有し、前記非極性樹脂中に前記有機発光性化合物が固体状態で分散している波長変換用発光性樹脂組成物。
    Figure 0006670776
    式(1)中、R11及びR16は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はシリル基を示す。
    12及びR15は、各々独立に、下記式(Ar−1)で表わされる基を示す。
    13及びR14は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、エテニル基、エチニル基、アミノ基、シリル基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を示す。
    17はアリール基を示す。
    及びXは、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基又はエチニル基を示す。
    ただし、R11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つは、極性を示す部分構造を有する。
    Figure 0006670776
    式(Ar−1)中、R121及びR122は、各々独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、シリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、エテニル基若しくはエチニル基、又は、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボン酸無水物結合、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合、エーテル結合、ラクトン環構造及びスルトン環構造から選択される、極性を示す部分構造を示す。nは0〜4の整数である。*は前記式(1)中のピロール環を形成する炭素原子との結合部を示す。
  2. 11〜R17、X及びXのうち少なくとも1つが有する前記極性を示す部分構造が、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボン酸無水物結合、エステル結合、カルボニル結合、−SO−結合、カーボネート結合、ウレタン結合、エーテル結合、ラクトン環構造及びスルトン環構造から選択される部分構造である請求項1に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
  3. 前記非極性樹脂が、シリコーン樹脂である請求項1又は2に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
  4. 前記R13及びR14が、いずれも、アルキル基を示す請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
  5. 前記R11、R13、R14及びR16が、いずれも、アルキル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長変換用発光性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の波長変換用発光性樹脂組成物からなる波長変換部を有する波長変換部材。
  7. 波長変換部が波長変換層である請求項6に記載の波長変換部材。
  8. 光源と、請求項6又は7に記載の波長変換部材とを有する波長変換ユニット。
  9. 前記光源が、発光ダイオードである請求項8に記載の波長変換ユニット。
  10. 入射光を波長600〜750nmの射出光に変換する請求項8又は9に記載の波長変換ユニット。
  11. 請求項6又は7に記載の波長変換部材を有する発光素子。
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