以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、複数の建物ユニットが互いに組み合わされて構成されるユニット式建物において、その床部に敷設されるフローリング材を施工現場へ搬送する際におけるフローリング材の配置方法について具体化されている。ユニット式建物では、当該建物を構成する各建物ユニットがユニット製造工場にて予め製造され、その後、製造された各建物ユニットが施工現場へトラック等により搬送される。そして、それら搬送された各建物ユニットが施工現場において所定位置に設置されるとともに互いに連結されることでユニット式建物が構築される。そこでまず、ユニット式建物を構成する建物ユニット20について図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなり、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなる。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。
天井小梁25の下面側には天井面材27が取り付けられている。天井面材27は石膏ボードにより形成された天井下地材である。天井面材27の下面には天井クロス等の天井仕上げ材が施工現場において張り付けられる。
床小梁26の上面側には床面材28が取り付けられている。床面材28はパーティクルボードにより形成された床下地材である。床面材28の上面には床仕上げ材としてのフローリング材11が施工現場において敷設される。
続いて、フローリング材11の構成について図1を用いながら説明する。図1において、(a)はフローリング材11を示す平面図であり、(b)はフローリング材11を示す断面図であり、(c)はフローリング材11が敷設された状態を示す縦断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、フローリング材11は、木質系材料により矩形板状に形成され、詳しくは幅狭の長方形状に形成されている。フローリング材11は、床暖房用のフローリング材となっており、含水率が4%〜14%に設定されている。フローリング材11において隣り合う2つの端面14a,14bにはそれぞれ、外側に突出する実部12(雄実ともいう)が設けられている。実部12はフローリング材11において厚み方向の中間部に配置され、端面14a,14bの延在する方向に延びている。なお、各端面14a,14bのうち、端面14aが長辺側の端面となっており、端面14bが短辺側の端面となっている。
フローリング材11において、実部12が設けられていない側の隣り合う2つの端面14c、14dにはそれぞれ、内側に凹んだ溝部13(雌実ともいう)が設けられている。溝部13はフローリング材11において厚み方向の中間部に配置され、端面14c、14dの延在する方向に延びている。なお、各端面14c,14dのうち、端面14cが長辺側の端面となっており、端面14dが短辺側の端面となっている。
フローリング材11は、図1(c)に示すように、床面材28上に載置され、床面材28の上面に沿って複数並べられている。各フローリング材11は床面材28にビス等により固定されている。隣り合うフローリング材11において、一方のフローリング材11の実部12は他方のフローリング材11の溝部13に挿入されており、その挿入状態で実部12と溝部13とが互いに嵌合している。そして、その嵌合により隣り合うフローリング材11同士が互いに連結(接合)されている。要するに、隣り合うフローリング材11同士は、本実矧ぎにより互いに矧ぎ合わされている。
フローリング材11は施工現場において各建物ユニット20が設置された後、建物ユニット20の床部、詳しくは床面材28の上面に敷設されるようになっている。このため、フローリング材11は建物ユニット20と同様、施工現場にトラックにより搬送されるものとなっている。
フローリング材11は資材メーカにて製造された後、同メーカからユニット製造工場にまず搬送(納品)され、その後同工場から施工現場へ搬送されるようになっている。そこで以下では、フローリング材11が製造されてから現場に搬送されるまでの流れについて説明する。
フローリング材11は資材メーカにて製造された後、同メーカにて所定枚数(具体的には6枚)積み重ねられた状態でシュリンクフィルム15(熱収縮性フィルム)により梱包される(例えば図3や図4参照)。すなわち、フローリング材11は所定枚数を1セットとしてシュリンク梱包される。そして、その梱包状態で、フローリング材11は資材メーカからユニット製造工場へ搬送(納品)される。
ユニット製造工場では、資材メーカから納品されたフローリング材11が倉庫にて一時的に保管される。詳しくは、本実施形態では、ユニット製造工場(建物メーカ)が資材メーカから複数のフローリング材11をまとめ購入し、それらまとめ購入したフローリング材11を倉庫にて保管(ストック)するものとなっている。
フローリング材11はユニット製造工場から施工現場へトラックにより搬送される。施工現場への搬送の際は、倉庫に保管(ストック)されているフローリング材11から現場で必要な枚数のフローリング材11を抜き取り、その抜き取った枚数のフローリング材11を施工現場へ搬送する。この搬送に際しては、ユニット製造工場で製造された建物ユニット20の内部にフローリング材11を収容し、その収容状態でフローリング材11を建物ユニット20とともに現場へ搬送する。
フローリング材11を施工現場へ搬送する際には、シュリンク梱包の状態、すなわちセット単位(所定枚数単位)で搬送する。但し、施工現場で必要なフローリング材11の枚数によっては、フローリング材11の枚数に端数が生じることが想定され、その場合には、その端数分をセット状態のフローリング材11から抜き取って搬送することになる。つまり、セット状態のフローリング材11の梱包を開いて端数分を抜き取り、その抜き取った端数分をバラの状態で搬送することになる。
しかしながら、端数分をバラ(未梱包)の状態で搬送すると、搬送中にフローリング材11が周囲の空気に接触し吸放湿することが想定される。その場合、フローリング材11の含水率に変化が生じて、フローリング材11に反りが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、上記の点に鑑み、フローリング材11の搬送時に、バラの状態のフローリング材11が吸放湿するのを抑制すべく、搬送の際のフローリング材11の配置の仕方(配置方法)に特徴を有している。以下においては、その搬送時におけるフローリング材11の配置方法について図2〜図4に基づいて説明する。図2は、建物ユニット20内における各フローリング材11の配置状態を示す平面図である。図3は、各フローリング材11の配置状態を示す縦断面図であり、図2のA−A線断面図に相当する。図4は、各フローリング材11の配置状態を示す斜視図である。なお、図4では便宜上、一部のフローリング材11について図示を省略している。また、図4では、フローリング材11の実部12及び溝部13の図示についても省略している。
図2〜図4に示すように、フローリング材11は建物ユニット20の内部に収容された状態で施工現場に搬送される。フローリング材11は建物ユニット20の床面材28の上面に上下に積み重ねられた状態で載置され、その載置状態で建物ユニット20内に収容されている。これら複数のフローリング材11はいずれも同じ形状でかつ同じ大きさを有するものであり、つまりは同じ構成を有するものである。なお、床面材28の上面が所定の載置面に相当する。
床面材28上には、フローリング材11が所定枚数(具体的には6枚)積み重ねられた状態でシュリンクフィルム15(熱収縮性フィルム)により梱包されてなるフローリング梱包体16と、シュリンクフィルム15により梱包されていない状態(バラの状態)で所定枚数よりも少ない枚数(具体的には4枚)のフローリング材11が積み重ねられてなるフローリング積層体17とがそれぞれ載置されている。この場合、フローリング梱包体16は所定枚数のフローリング材11が1セットとして梱包されたセット状態のフローリング材11であり、それに対して、フローリング積層体17は、端数分のフローリング材11が未梱包の状態(バラの状態)で上下に積み重ねられたものである。
フローリング梱包体16及びフローリング積層体17はいずれも直方体状をなしており、その平面視の大きさ及び形状がいずれも同じとされている。また、フローリング梱包体16は床面材28上に複数(具体的には4つ)載置されているのに対し、フローリング積層体17は1つだけ載置されている。なお、図4では便宜上、一部のフローリング梱包体16(詳しくは後述するフローリング梱包体16A,16B)についてその図示を省略している。
フローリング梱包体16では、各フローリング材11がいずれも平面視で同じ向きとなるように積み重ねられ(積層され)、その上下向き(表裏の向き)がいずれも実際の設置状態と同じ上下向きで配置されている。そして、その積層状態で各フローリング材11がまとめてシュリンクフィルム15により被覆された状態で梱包されている。詳しくは、この梱包状態では、積層状態にある各フローリング材11(フローリング積層部)の4つの側面と最上面及び最下面とがそれぞれシュリンクフィルム15により覆われている。これにより、フローリング梱包体16では、各フローリング材11がそれぞれ周囲空気と接触することが防止されている。なお、この場合、シュリンクフィルム15が梱包材に相当する。
フローリング積層体17では、各フローリング材11がいずれも平面視で同じ向きとなるように積み重ねられている(積層されている)。これらのフローリング材11はいずれも、その上下向き(表裏の向き)が実際の設置状態と同じ上下向きとされている。かかるフローリング材11の積層状態では、各フローリング材11の端面14aが同一平面上に位置し、各フローリング材11の端面14bが同一平面上に位置し、各フローリング材11の端面14cが同一平面上に位置し、各フローリング材11の端面14dが同一平面上に位置している。この場合、各フローリング材11の端面14aによりフローリング積層体17の側面17aが形成され、各フローリング材11の端面14bによりフローリング積層体17の側面17bが形成され、各フローリング材11の端面14cによりフローリング積層体17の側面17cが形成され、各フローリング材11の端面14dによりフローリング積層体17の側面17dが形成されている。
フローリング積層体17の隣接する2つの側面17a,17bには各フローリング材11の実部12が配置されている。この場合、これらの側面17a,17bがそれぞれ実側側面に相当する。また、フローリング積層体17の隣接する2つの側面17c,17dには各フローリング材11の溝部13が配置されている。この場合、これらの側面17c,17dがそれぞれ溝側側面に相当する。
続いて、床面材28上におけるフローリング梱包体16及びフローリング積層体17の配置構成について説明する。
各フローリング梱包体16とフローリング積層体17とはいずれも平面視にて互いの長手方向が同方向となるように配置されている。各フローリング梱包体16は、フローリング積層体17を囲むように配置されている。この場合、各フローリング梱包体16は、フローリング積層体17の各側面17a〜17dにそれぞれ隣接させて配置されている。以下においては、フローリング積層体17の側面17aに隣接するフローリング梱包体16の符号にAを付し、側面17bに隣接するフローリング梱包体16の符号にBを付し、側面17cに隣接するフローリング梱包体16の符号にCを付し、側面17dに隣接するフローリング梱包体16の符号にDを付す。
フローリング梱包体16Aは、その長辺側の側面をフローリング積層体17の(長辺側の)側面17aに対向させて配置されている。フローリング梱包体16Aは、フローリング積層体17と長手方向において同位置に配置されている。この場合、フローリング梱包体16Aによりフローリング積層体17の側面17a全域が覆われた状態となっている。また、フローリング梱包体16Aは、その側面をフローリング積層体17の側面17aから突出する各フローリング材11の実部12の先端に当接させた状態で配置されている。そのため、フローリング梱包体16Aの側面とフローリング積層体17の側面17aとの間には実部12の突出長さ分の隙間が生じている。
フローリング梱包体16Bは、その短辺側の側面をフローリング積層体17の(短辺側の)側面17Bに対向させて配置されている。フローリング梱包体16Bは、フローリング積層体17と短手方向において同位置に配置されている。この場合、フローリング梱包体16Bによりフローリング積層体17の側面17b全域が覆われた状態となっている。また、フローリング梱包体16Bは、その側面をフローリング積層体17の側面17bから突出する各フローリング材11の実部12の先端に当接させた状態で配置されている。そのため、フローリング梱包体16Bの側面とフローリング積層体17の側面17bとの間には実部12の突出長さ分の隙間が生じている。
フローリング梱包体16Cは、その長辺側の側面をフローリング積層体17の(長辺側の)側面17cに対向させて配置されている。フローリング梱包体16Cは、フローリング積層体17と長手方向において同位置に配置されている。この場合、フローリング梱包体16Cによりフローリング積層体17の側面17c全域が覆われた状態となっている。また、フローリング梱包体16Cは、その側面をフローリング積層体17の側面17cに当接させた状態で配置されている。そのため、フローリング梱包体16Cの側面とフローリング積層体17の側面17cとの間には隙間が生じていない。
フローリング梱包体16Dは、その短辺側の側面をフローリング積層体17の(短辺側の)側面17dに対向させて配置されている。フローリング梱包体16Dは、フローリング積層体17と短手方向において同位置に配置されている。この場合、フローリング梱包体16Dによりフローリング積層体17の側面17d全域が覆われた状態となっている。また、フローリング梱包体16Dは、その側面をフローリング積層体17の側面17dに当接させた状態で配置されている。そのため、フローリング梱包体16Dの側面とフローリング積層体17の側面17dとの間には隙間が生じていない。
フローリング積層体17は、上述したように、各フローリング梱包体16A〜16Dよりもフローリング材11の枚数が少なくなっている。そのため、フローリング積層体17は、その分だけフローリング梱包体16A〜16Dよりも高さ寸法(上下寸法)が小さくなっている。したがって、フローリング積層体17の周囲に各フローリング梱包体16A〜16Dが配置された上述の構成では、フローリング積層体17の上面側に、各フローリング梱包体16A〜16Dにより囲まれた凹状部31が形成されている。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
施工現場へ搬送するフローリング材11の枚数に端数が生じた場合には、その端数分のフローリング材11を未梱包の状態(バラの状態)で所定枚数よりも少ない枚数上下に積み重ねフローリング積層体17を構成した。そして、フローリング材11の搬送に際しては、そのフローリング積層体17の側面17aを覆うようにしてフローリング梱包体16を配置した。この場合、バラの状態にある各フローリング材1114a〜14dの端面がフローリング梱包体16により覆われることになるため、それらフローリング材11の端面14a〜14dが周囲空気に接触するのを抑制することができる。これにより、これらのフローリング材11の端面14a〜14dを通じてフローリング材11への吸放湿が生じるのを抑制することができるため、フローリング材11をバラで施工現場に搬送する際、フローリング材11に反りが発生するのを抑制することができる。
具体的には、フローリング積層体17の4つの側面17a〜17dをそれぞれフローリング梱包体16により覆うようにした。この場合、バラの状態にある各フローリング材11の4辺の端面14a〜14dがすべてフローリング梱包体16により覆われるため、それらフローリング材11のすべての端面14a〜14dについて周囲空気への接触を抑制することができる。そのため、フローリング材11の端面14a〜14dを通じたフローリング材11への吸放湿を大いに抑制することができ、その結果フローリング材11に反りが発生するのを大いに抑制することができる。
フローリング積層体17を構成するフローリング材11の枚数をフローリング梱包体16を構成するフローリング材11の枚数(所定枚数)よりも少なくしたことで、フローリング積層体17の上面を各フローリング梱包体16の上面よりも低い位置に設定した。この場合、フローリング積層体17の上面側に各フローリング梱包体16(の上部)により囲まれた凹状部31が形成されるため、その凹状部31によりフローリング積層体17の上面側における空気の流れを抑制することが可能となる。そのため、かかる空気の流れに起因してフローリング積層体17とフローリング梱包体16との間の隙間に上方から空気が入り込むのを抑制することができ、さらにはかかる空気の入り込みに伴い周囲空気がフローリング材11の端面14a〜14dに接触するのを抑制することができる。よって、この場合、フローリング材11の端面14a〜14dを通じたフローリング材11への吸放湿をより一層抑制することができ、その結果フローリング材11に反りが発生するのをより一層抑制することができる。
床暖房用のフローリング材11は、床暖房の使用時と非使用時とでフローリング材11の含水率が変動するため反りが発生し易い。そのため、床暖房用のフローリング材11では、搬送時における含水率の管理がより厳しく求められる。その点上記の実施形態では、かかる床暖房用のフローリング材11に上述した搬送時におけるフローリング材11の配置方法(配置の仕方)を適用しているため、床暖房用のフローリング材11をバラで搬送する際にもフローリング材11に反りが発生するのを好適に抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、各フローリング梱包体16A〜16Dをいずれも平面視にてその長手方向がフローリング積層体17の長手方向と同じ向きとなるように配置したが、これを変更してもよい。例えば、各フローリング梱包体16A〜16Dのうち、フローリング積層体17の短辺側の側面17b,17dに配置される各フローリング梱包体16B、16Dを平面視にてその長手方向がフローリング積層体17の短手方向と同じ向きとなるように配置してもよい。つまり、各フローリング梱包体16B、16Dについては、その長辺側の側面をフローリング積層体17の(短辺側の)側面17b,17dに対向させて配置してもよい。その場合にも、フローリング積層体17の各側面17b,17dをそれぞれフローリング梱包体16B,16Dにより覆うことができる。
(2)上記実施形態では、フローリング積層体17の各側面17c、17d(溝側側面)を覆うフローリング梱包体16C,16Dをそれぞれ側面17c,17dに当接させた状態で配設したが、これを変更して、各フローリング梱包体16C,16Dを側面17c,17dに近接させた状態で配設してもよい。すなわち、各フローリング梱包体16C,16Dを側面17c、17dとの間に若干の隙間を設けた状態で配設してもよい。その場合にも、各フローリング材11の端面14c,14dに周囲空気が接触するのを好適に抑制することができるため、端面14c,14dを通じたフローリング材11への吸放湿を好適に抑制することができる。
ちなみに、フローリング梱包体16C,16Dを側面17c,17dに近接させて配置するとは、それら両者間の隙間の大きさが、フローリング梱包体16A,16Bと側面17a,17b(実側側面)との間の隙間よりも小さくなるまで近づけて配置することを意味する。
(3)上記実施形態では、フローリング積層体17の各側面17a〜17dをそれぞれ覆うようにフローリング梱包体16を4つ配置したが、フローリング梱包体16及びフローリング積層体17の配置の仕方は必ずしもこれに限らない。例えば、施工現場へ搬送するフローリング梱包体16が1〜3つしかない場合には、その1〜3つのフローリング梱包体16をフローリング積層体17の側面17a〜17dを覆うようにして配置すればよい。この場合にも、フローリング梱包体16により覆われる1〜3つの側面17a〜17dについては、各フローリング材11の端面14a〜14dの周囲空気との接触が抑制されるため、当該端面14a〜14dを介したフローリング材11への吸放湿を抑制することができる。このため、フローリング材11に反りが発生するのを抑制することができる。
また、上記の構成において、フローリング梱包体16により覆われない側面17a〜17dを建物ユニット20内に組み付けられた内壁や、キッチン設備等の設備機器に当接又は近接させて配置し、当該側面17a〜17dを内壁や設備機器により覆うようにしてもよい。そうすれば、フローリング梱包体16が1〜3つしかない場合にも、フローリング積層体17の4つの側面17a〜17dをそれぞれ覆うことが可能となるため、各側面17a〜17dを介したフローリング材11への吸放湿を抑制することができる。そのため、フローリング材11に反りが発生するのを大いに抑制することができる。
(4)施工現場へ搬送するフローリング梱包体16が2つしかない場合には、例えば図6(a)に示すように、フローリング積層体17の長辺側の各側面17a,17cをそれぞれ覆うように2つのフローリング梱包体16を配置することが考えられる。この場合、バラの状態にある各フローリング材11の長辺側の各端面14a,14cがそれぞれフローリング梱包体16により覆われるため、それら長辺側の端面14a,14cが周囲空気に接触するのを抑制することができる。長辺側の端面14a,14cは短辺側の端面14b,14dと比べて面積が大きいため、長辺側端面14a,14bの周囲空気への接触を抑制することで、フローリング材11への吸放湿を好適に抑制することができ、その結果フローリング材11に反りが発生するのを好適に抑制することができる。
また、図6(b)に示すように、フローリング積層体17の隣り合う2つの側面17c,17d(溝側側面に相当)を覆うように2つのフローリング梱包体16をそれぞれ配置するようにしてもよい。フローリング積層体17の隣り合う2つの側面17a,17b(実側側面に相当)では各フローリング材11の実部12が突出しているため、これらの側面17a,17bを覆うようにフローリング梱包体16を配置する場合、実部12が邪魔となってフローリング梱包体16を側面17a,17bに近接又は当接させて配置することが困難となる。これに対し、フローリング積層体17の隣り合う2つの側面17c,17dには実部12が存在しないため、これらの側面17c,17dを覆うようにフローリング梱包体16を配置する場合には、フローリング梱包体16を側面17c,17dに当接又は近接させて配置することができる。このため、かかる配置とすれば、各フローリング材11の端面14c,14dに周囲空気が接触するのを好適に抑制することができ、その結果端面14c,14dを通じたフローリング材11への吸放湿を好適に抑制することができる。このため、フローリング材11に反りが発生するのを好適に抑制することが可能となる。
(5)上記実施形態では、フローリング積層体17を4枚のフローリング材11により構成したが、1〜3枚又は5枚のうちいずれかの枚数のフローリング材11により構成してもよい。つまり、フローリング積層体17を構成するフローリング材11の枚数は、フローリング梱包体16を構成するフローリング材11の枚数(所定枚数)、つまり6枚よりも少なければいずれの枚数であってもよい。
また、フローリング積層体17を6枚のフローリング材11により構成してもよい。つまり、フローリング積層体17を構成するフローリング材11の枚数をフローリング梱包体16を構成するフローリング材11の枚数(所定枚数)と同じ枚数としてもよい。その場合にも、フローリング積層体17を構成する各フローリング材11の端面14a〜14dをフローリング梱包体16により覆うことができるため、それらの端面14a〜14dに周囲空気が接触するのを抑制でき、吸放湿に伴うフローリング材11の反りの発生を抑制できる。
(6)上記実施形態では、フローリング梱包体16の梱包材としてシュリンクフィルム15を用いたが、梱包材としては段ボール等、シュリンクフィルム以外のものを用いてもよい。
(7)フローリング梱包体16に、フローリング材11の角当て防止用の保護シートを設けてもよい。保護シートは、例えば四角筒状の段ボールにより形成され、シュリンク梱包された各フローリング材11の外周側に配設される。この場合、シュリンク梱包された各フローリング材11はその外周側が保護シートにより囲まれた状態となる。つまり、フローリング梱包体16は、その側面が保護シートにより形成されることになる。そのため、その保護シートの側面によりフローリング積層体17の側面17a〜17dが覆われることになる。
(8)上記実施形態では、床暖房用のフローリング材11を搬送する際に本発明の配置方法を適用したが、床暖房用以外のフローリング材を搬送する際にも本発明を適用することができる。
(9)上記実施形態では、フローリング材11を建物ユニット20内に収容した状態で施工現場に搬送する場合に本発明のフローリング材の配置方法を適用したが、フローリング材11をトラックの荷台に収容した状態で施工現場に搬送する場合に本発明を適用してもよい。
また、フローリング材11を施工現場に搬送する場合に限らず、例えばフローリング材11を資材メーカからユニット製造工場に搬送する場合に本発明の配置方法を適用してもよい。
さらに、フローリング材11を搬送する場合に限らず、フローリング材11を倉庫等に保管する際に本発明の配置方法を適用してもよい。フローリング材11を倉庫等に保管する際にも、フローリング材11の一部がバラの状態で保管されることが想定され、その場合に本発明の配置方法を適用すれば、バラの状態であってもフローリング材11に反りが発生するのを抑制することができる。