JP2015182774A - 合成樹脂製パレットの裏面形状 - Google Patents

合成樹脂製パレットの裏面形状 Download PDF

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Takanobu Matsui
隆伸 松井
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金信 丸山
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Shinichi Yanai
真一 箭内
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Abstract

【課題】積み重ねられた合成樹脂製パレットが崩れ落ちることを抑えることの可能な合成樹脂製パレットを提供する。【解決手段】積載デッキ11と、前記積載デッキ11に対向する接地デッキ12と、前記積載デッキ11と前記接地デッキ12とを連結する複数の桁部13A,13B,13Cと、を備え、前記接地デッキ12が、前記複数の桁部13A,13B,13Cの各々の底部を塞ぐ底板部である端板部12A,12B、中間板部12Cと、相互に隣り合う前記底板部を連結する複数の桟12Dと、前記底板部の裏面にて凸状をなす裏面リブを構成する外縁リブ21及び面内リブ22と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示の技術は、複数の桁部によって積載デッキと接地デッキとが桁部によって連結されてなる合成樹脂製パレットの裏面形状に関する。
合成樹脂製パレットでは、例えば、矩形板状をなす積載デッキと格子板状をなす接地デッキとが3つの桁部によって相互に連結されている(例えば、特許文献1参照)。3つの桁部の各々は、1つの方向である差込方向に沿って延び、且つ、相互に平行に配列されている。3つの桁部のうち一対の端桁部は、一対のデッキの各々の両端辺に連結され、一対の端桁部に挟まれる中間桁部は、一対のデッキ間に形成される隙間を2つの差込孔に仕切っている。積載デッキは、積み荷の積載される平坦な積載面を上面として有し、接地デッキは、差込孔に連通する開口部を端桁部と中間桁部との間に有している。
こうした合成樹脂製パレットが積み荷と共に搬送される際には、2つの差込孔の各々に、フォークリフトやパレットトラックのフォークが差込まれ、その後に、接地デッキの開口部には、パレットトラックの車輪等が案内される。フォークが差し込まれた状態の合成樹脂製パレットは、合成樹脂製パレットに積み重ねられた積み荷と共にパレットトラックによって搬送される。
特開2011−079530号公報
ところで、搬送を待機している合成樹脂製パレットは、他の合成樹脂製パレットの上に積み重ねられたり、他の合成樹脂製パレットの上に積み重ねられた積み荷の上にさらに積み重ねられたりする場合がある。このような場合では、他の合成樹脂製パレットの上や積み荷の上に積み重ねられた合成樹脂製パレットが崩れ落ちることを抑えることが望まれている。
本開示の技術は、積み重ねられた合成樹脂製パレットが崩れ落ちることを抑えることの可能な合成樹脂製パレットの裏面形状を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための合成樹脂製パレットの裏面形状は、積載デッキと、前記積載デッキに対向する接地デッキと、前記積載デッキと前記接地デッキとを連結する複数の桁部と、を備えた合成樹脂製パレットが、前記接地デッキにおいて、前記複数の桁部の各々の底部を塞ぐ底板部と、相互に隣り合う前記底板部を連結する複数の桟と、前記底板部の裏面に設けられた裏面リブと、を備え、前記裏面リブが、前記底板部の裏面にて凸状をなす。
上記構成によれば、合成樹脂製パレットが他の合成樹脂製パレットの上や積み荷の上に積み重ねられる場合に、裏面リブが底板部に形成されていない場合に比べて、合成樹脂製パレットの位置がずれ難くなる。結果として、積み重ねられた合成樹脂製パレットが崩れ落ちることが抑えられる。
上記合成樹脂製パレットでは、前記底板部が、前記裏面とは反対側の側面である内表面を有し、前記内表面は、前記内表面と、筒形状を有する前記桁部の内側面とを連結する凸状をなす補強リブを含み、前記裏面リブと前記補強リブとが相互に対向することが好ましい。
上記構成によれば、底板部の内表面にて凸状をなす補強リブによって、底板部の剛性と桁部の剛性とが高められる。そして、裏面リブと補強リブとが相互に対向するため、裏面リブの剛性は補強リブによって高められる。
上記合成樹脂製パレットでは、前記補強リブの内部に中空部が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、補強リブに形成される中空部によって合成樹脂製パレットの軽量化が図られる。一方で、補強リブのうち中空部の周囲では、その周囲以外の他の部位に比べて肉厚が薄くなる。ここで、底板部の裏面とは、通常、他の合成樹脂製パレットの積載面や床面等と接する部分でもあるから、積載面や床面と底板部とが擦れて、板部の肉厚が薄くなる場合がある。こうした擦れが中空部の周囲で生じると、中空部と外部とが連通して中空部の内部に水分等が溜まる場合がある。この点で、上記構成であれば、補強リブと裏面リブとが相互に対向するため、中空部の周囲の肉厚は、裏面リブの肉厚によって予め厚くなる。結果として、中空部の周囲で肉厚が薄くなるとしても、裏面リブが形成されていない構成に比べて、中空部の内部に水分等が溜まることが抑えられる。
上記合成樹脂製パレットでは、前記裏面リブが、前記底板部の縁に沿う外縁リブと、前記外縁リブによって囲まれる前記裏面内に形成された複数の面内リブと、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、合成樹脂製パレット同士が積み重ねられる場合に、上側の合成樹脂製パレットの外縁リブが、下側の合成樹脂製パレットの積載面に線接触する。結果として、底板部の裏面が積載面に面接触する場合に比べて、底板部の裏面と積載面との間の隙間で水分が蒸発しやすくなる。結果として、下段の合成樹脂製パレットにおける積載デッキと、上段の合成樹脂製パレットにおける接地デッキとの間に水分が溜まることが抑えられる。
なお、多数の合成樹脂製パレットが積み重ねられる場合には、上側の合成樹脂製パレットが、他の合成樹脂製パレットの荷重を受ける結果、底板部の裏面が下側の積載デッキに向けて撓む場合がある。この際に、上記構成であれば、複数の面内リブが積載デッキに線接触するため、裏面の撓みが面内リブごとに分断される。それゆえに、底板部の裏面全体における大きな撓みが抑えられ、また、底板部の裏面と積載面との間の隙間が保たれるから、上述した蒸発の確実性が高められる。
結果として、上記構成であれば、合成樹脂製パレットの保管時などに積載デッキに付着した水分が、次回の使用時まで残り続けることが抑えられ、ひいては、次回の使用時における積み荷への汚染が抑えられる。
上記合成樹脂製パレットの他の態様では、前記複数の桁部が、前記積載デッキの一辺に沿う差込方向に沿って延びて相互に間隔をあけて平行に配列された2つの端桁部と、前記差込方向に沿って延びて前記2つの前記端桁部の間に配置された1つの中間桁部と、から構成される。この際に、前記裏面リブが、前記底板部の縁に沿う外縁リブと、前記外縁リブによって囲まれる前記裏面内に形成された複数の面内リブと、を備え、前記複数の面内リブの各々が、前記差込方向に沿って延びることが好ましい。
合成樹脂製パレットが搬送される際には、相互に隣り合う桁部の間の隙間にフォーク等が差込まれて合成樹脂製パレット自体が差込方向に沿って搬送される。この際に、接地デッキの裏面の一部がそれの載置される載置面に擦れて、接地デッキの一部が裏面にて削り取られる場合がある。削り取られた部分は積み荷を汚染する場合があるため、こうして削り取られる量は少ないことが好ましい。
ここで、上述のように合成樹脂製パレットが差込方向に沿って動く以上、接地デッキの裏面にて削り取られ得る部分は、差込方向と交差する端面にて多くなる。この点で、上記構成であれば、複数の面内リブの各々が、差込方向に沿って延びるため、接地デッキの裏面にて削り取られる部分は、複数の面内リブの各々における差込方向での先端面のみになる。そして、複数の面内リブの各々が差込方向と交差する方向にて隙間を空けて並ぶ以上、差込方向と交差する方向では、こうして削り取られる先端面の幅は、裏面の幅よりも小さくなる。それゆえに、面内リブの機能が低下することを抑えること、さらには、差込方向と交差する方向に沿ってリブが延びる場合に比べて、上記の削り屑の量を抑えること、これらが可能にもなる。
上記合成樹脂製パレットの一態様では、前記複数の桁部が、前記積載デッキの一辺に沿う差込方向に延びて相互に間隔をあけて平行に配列された2つの端桁部と、前記差込方向に延びて前記2つの前記端桁部の間に配置された1つの中間桁部と、から構成される。この際に、前記裏面リブが、前記底板部の縁に沿う外縁リブと、前記外縁リブによって囲まれる前記裏面内に形成された複数の面内リブと、を備え、前記複数の面内リブの各々が、前記差込方向と交差する方向に沿って延びることが好ましい。
上記構成であれば、複数の面内リブの各々が差込方向と交差する方向に沿って延びて合成樹脂製パレットとそれが載置される載置面との間における乾燥が促されるため、合成樹脂製パレットと載置面との間に含まれる水分等によって合成樹脂製パレットの位置がずれることが抑えられる。
上記合成樹脂製パレットでは、前記複数の面内リブの各々が、前記積載デッキの一辺に沿う差込方向と直交する方向に沿って延び、前記差込方向における端部が、前記面内リブにおける前記差込方向の内側に向けて、前記差込方向に沿って徐々に厚くなる傾斜部を含むことが好ましい。
合成樹脂製パレットが搬送される際には、上述のように、合成樹脂製パレット自体が差込方向に沿って搬送される。この際に、接地デッキの置かれる接地面が平坦面であるとは限らず、接地面が段差を含む場合がある。上記構成であれば、面内リブにおける差込方向の端部は、差込方向に沿って徐々に厚くなる傾斜部を含む。こうした構造であれば、面内リブにて接地面の段差と当る部分は、合成樹脂製パレットの搬送に従って徐々に大きくなる。それゆえに、合成樹脂製パレットの搬送に要する負荷が急激に大きくなることが抑えられるから、合成樹脂製パレットを用いる搬送が容易にもなる。
上記合成樹脂製パレットにて、前記接地デッキの裏面には、前記積載デッキの一辺に沿う差込方向と交差する方向に沿って延びる滑り止めテープが貼り付けられ、前記滑り止めテープは、前記接地デッキの裏面にて前記裏面リブの各々よりも突出していることが好ましい。
上記構成によれば、接地デッキの裏面にて裏面リブよりも滑り止めテープが突出しているため、滑り止めテープとしての機能が保たれつつも、保管時に付着した水分が次回の使用時まで残り続けることを抑えることが可能となる。
本開示における合成樹脂製パレットによれば、積み重ねられた合成樹脂製パレットが崩れ落ちることが抑えられる。
本開示の合成樹脂製パレットにおける一実施形態での全体的な構造を接地側から見た斜視構造として示す斜視図である。 一実施形態の合成樹脂製パレットにおける面内リブの平面構造を桁部内に形成された補強リブを隠れ線で示す平面図である。 一実施形態の合成樹脂製パレットにおける面内リブの断面構造を補強リブの断面構造と共に示す断面図であり、図2の3−3線断面図である。 一実施形態の合成樹脂製パレットを用いた圧痕試験における合成樹脂製パレットの積み重ね状態を概略的に示す概略図である。 一実施形態の合成樹脂製パレットを用いた乾燥試験における合成樹脂製パレットの積み重ね状態を概略的に示す概略図である。 変形例の合成樹脂製パレットにおける面内リブの平面構造を桁部内に形成された補強リブと共に示す平面図である。 変形例の合成樹脂製パレットにおける面内リブの平面構造を桁部内に形成された補強リブと共に示す平面図である。 変形例の合成樹脂製パレットにおける面内リブの平面構造を桁部内に形成された補強リブと共に示す平面図である。 変形例の合成樹脂製パレットにおける面内リブの平面構造を桁部内に形成された補強リブと共に示す平面図である。
図1から図5を参照して一実施形態の合成樹脂製パレットについて説明する。
図1に示されるように、合成樹脂製パレット10では、紙面の奥側にて矩形板状をなす積載デッキ11と、紙面の手前側にて格子板状をなす接地デッキ12とが対向している。積載デッキ11は、積み荷の積載される平坦な積載面11Sを上面として有している。
接地デッキ12にて、左右一対の端板部である端板部12A,12Bは、1つの方向である差込方向Diに沿って延びる板状を有している。これら左右一対の端板部12A,12Bの間には、同じく差込方向Diに沿って延びる中間板部12Cが挟まれている。端板部12A、中間板部12C、及び、端板部12Bは、差込方向Diと直交する方向である幅方向Dwに沿い、相互に等しい間隔をあけて平行に配列されている。2つの端板部12A、及び、中間板部12Cによって、底板部が構成されている。
これら3つの板部12A,12B,12Cの各々の裏面には、裏面の縁に沿う外縁リブ21が突設され、外縁リブ21で囲まれる裏面内には、外縁リブ21から裏面内に向けて延びる複数の面内リブ22が突設されている。これら外縁リブ21と面内リブ22とによって、裏面リブが構成されている。そして、合成樹脂製パレット10が他の合成樹脂製パレット10の積載面11Sや積み荷の上に積み重ねられる場合には、凸状をなす裏面リブが裏面に形成されているため、裏面リブが底板部に形成されていない場合に比べて、合成樹脂製パレット10が積載面11Sや積み荷などに対してずれ難くなる。結果として、積み重ねられた合成樹脂製パレット10が崩れ落ちることが抑えられる。
3つの各板部12A,12B,12Cの各々の裏面にて、差込方向Diにおける両端部には、幅方向Dwに沿って延びる3つの面内リブ22が突設されている。また、3つの板部12A,12B,12Cの各々の裏面にて、差込方向Diにおける中央部には、これもまた幅方向Dwに沿って延びる2つの面内リブ22が突設されている。このように、3つの各板部12A,12B,12Cの各々の裏面には、8つの面内リブ22が突設され、8つの面内リブ22の各々は、それが突設された板部における幅方向Dwの全幅にわたり形成され、差込方向Diにおける両端部と差込方向Diにおける中央部とに偏って配置されている。
ここで、積み荷の搬送に使用されていない合成樹脂製パレット10は、通常、合成樹脂製パレット10同士が積み重ねられた状態で保管される。この際に、積載デッキ11の積載面11Sと接地デッキ12の裏面とが接触する。一方で、合成樹脂製パレット10の保管される環境によっては、合成樹脂製パレット10の各部に、結露した水や雨水等の水分が付着する場合がある。この点で、接地デッキ12を構成する各板部12A,12B,12Cの裏面は、外縁リブ21によって縁取られる。こうした構造を含む合成樹脂製パレット10が積み重ねられる場合には、上側の合成樹脂製パレット10の外縁リブ21は、下側の合成樹脂製パレット10の積載面11Sに線接触する。結果として、各板部12A,12B,12Cの裏面が積載面11Sに面接触する場合に比べて、各板部12A,12B,12Cの裏面と積載面11Sとの間の隙間で水分が蒸発しやすくなる。
なお、多数の合成樹脂製パレット10が積み重ねられる場合には、上側の合成樹脂製パレット10が、他の合成樹脂製パレット10の荷重を受ける結果、各板部12A,12B,12Cの裏面が、他の合成樹脂製パレット10の積載面11Sに向けて撓む場合がある。この際に、複数の面内リブ22の各々も他の合成樹脂製パレット10の積載面11Sに線接触するため、裏面の撓みは面内リブ22ごとに分断され、結果として、各板部12A,12B,12Cの裏面全体における大きな撓みが抑えられる。それゆえに、各板部12A,12B,12Cの裏面と積載面11Sとの間の隙間が保たれるから、上述した蒸発の確実性が高められる。
3つの板部12A,12B,12Cの各々の裏面にて、8つの面内リブ22の各々は、それが突設された板部の差込方向Diにおける両端部と差込方向Diにおける中央部とに偏って配置されている。複数の面内リブ22の各々が差込方向Diに沿って等配される場合には、各板部12A,12B,12Cの裏面と積載面11Sとの間の隙間が面内リブ22によって確保されるとしても、面内リブ22によって区画された隙間の大きさは、面内リブ22の区切りによって均一に小さくなる。これに対して、複数の面内リブ22の各々は、それが突設された板部の差込方向Diにおける両端部と差込方向Diにおける中央部とに偏って配置されるから、各板部12A,12B,12Cの裏面と積載面11Sとの間の隙間が確保され、且つ、面内リブ22によって区画される1つの隙間の大きさが裏面の全体で一様に小さくなることを抑えることが可能になる。
端板部12Aと中間板部12Cとの間、及び、端板部12Bと中間板部12Cとの間には、それぞれ幅方向Dwに沿って延びる格子状をなす3つの桟12Dが連結されている。3つの桟12Dの各々は、上述の面内リブ22と同じく、各板部12A,12B,12Cにて、差込方向Diの両端部と差込方向Diの中央部とに偏って配置されている。接地デッキ12には、これら相互に隣り合う桟12Dと相互に隣り合う上記板部とによって囲まれる4箇所に、それぞれ矩形孔形状の開口部Hが形成されている。
3つの板部12A,12B,12Cの各々には、幅方向Dwに沿って延びる共通する2つの滑り止めテープ15が、接地デッキ12の幅方向Dwの全幅にわたり、桟12D上を介して貼り付けられている。2つの滑り止めテープ15の各々は、3つの各板部12A,12B,12Cの各々にて、差込方向Diの両端部に偏って配置されている。
接地デッキ12と積載デッキ11とは、差込方向Diに沿って延びる相互に平行な左右一対の端桁部である第1端桁部13Aと第2端桁部13Bとで連結されている。また、左右一対の第1端桁部13Aと第2端桁部13Bとの間では、これもまた差込方向Diに沿って延びる中間桁部13Cが、積載デッキ11と接地デッキ12とを連結している。なお、第1端桁部13A、第2端桁部13B、及び、中間桁部13Cの各々は、溶着部であって、接地デッキ12に一体成形された筒部と、これもまた溶着部であって、積載デッキ11に一体成形された筒部とが、突き合わされた状態で相互に溶着されることによって形成されている。
第1端桁部13Aは、上記端板部12Aによって裏面を塞がれた中空の桁部であり、第2端桁部13Bは、上記端板部12Bによって裏面を塞がれた中空の桁部であり、中間桁部13Cは、上記中間板部12Cによって裏面を塞がれた中空の桁部である。左右一対の端桁部13A,13Bは、積載デッキ11における幅方向Dwの両端辺と、接地デッキ12における幅方向Dwの両端辺とを連結している。一対の端桁部13A,13Bに挟まれる中間桁部13Cは、積載デッキ11と接地デッキ12との間の隙間を2つの差込孔10Hに区切っている。そして、合成樹脂製パレット10が積み荷と共に搬送される際には、2つの差込孔10Hの各々に、フォークリフトやパレットトラックのフォークが差込まれ、接地デッキ12に形成される上記開口部Hに、パレットトラックの車輪等が案内される。
ここで、合成樹脂製パレット10が搬送される際には、2つの差込孔10Hの各々にフォーク等が差込まれて合成樹脂製パレット10自体が差込方向Diに沿って搬送される。一方で、フォークの位置と差込孔10Hの位置とにずれが生じるとき、桁部の一部にフォークが当り、合成樹脂製パレット10が差込方向Diに沿って誤って押される場合もある。
この際に、例えば、合成樹脂製パレット10の載置される載置面が、合成樹脂製パレット10等の荷重を受けて窪む梱包袋等の敷かれた床である場合には、合成樹脂製パレット10等の荷重を面内リブ22が受ける一方で、面内リブ22の間の部位は荷重を受けにくい。そして、荷重を受けにくい面内リブ22の間の隙間には、梱包袋の一部が入り込む。結果として、合成樹脂製パレット10が差込方向Diに押されるとしても、上述の複数の面内リブ22の各々が、差込方向Diと交差する幅方向Dwに沿って延びるため、こうした押圧力に対する抵抗として面内リブ22が機能することになる。それゆえに、合成樹脂製パレット10の搬送時に合成樹脂製パレット10の位置が誤ってずれることが抑えられる。
図2及び図3を参照して面内リブ22の構造について詳細に説明する。なお、複数の面内リブ22の各々の構造と、面内リブ22に対向する桁部内の構造との関係は、複数の面内リブ22の各々で概ね共通している。そこで、以下では、上記端板部12Aが備える面内リブ22の一部について詳細に説明し、その他の面内リブ22の構成についてはその説明を省略する。
図2に示されるように、筒形状を有する第1端桁部13Aの内側面13Sには、差込方向Di及び幅方向Dwに延びる複数の補強リブ12Rが架設されている。複数の補強リブ12Rの各々は、第1端桁部13Aの内側面と、端板部12Aの裏面とは反対側の側面である内表面STとを連結し、軽量化の図られた中空の第1端桁部13Aに対してその剛性を高めている。
第1端桁部13Aの内部のうち、第1端桁部13Aの隅部には、相対的に短い補強リブ12Rが、他の部分に比べて多く配設されている。一方で、第1端桁部13Aの内部のうち、隅部以外の部分には、第1端桁部13Aにおける幅方向Dwの全幅にわたる直線状をなす補強リブ12Rが、差込方向Diに所定の間隔をあけて配列されている。
第1端桁部13Aの内部のうち、上記隅部以外の部分では、複数の補強リブ12Rの一部が、上記面内リブ22に対向している。複数の補強リブ12Rの一部は、面内リブ22における幅方向Dwの全幅にわたり、面内リブ22と対向し、差込方向Diにて面内リブ22の線幅W1よりも薄く形成されている。相互に隣り合う補強リブ12Rの間の間隔は、相互に隣り合う面内リブ22の間の間隔W2よりも狭い。なお、こうした線幅W1としては、例えば、10mmが設定される。
複数の補強リブ12Rの各々は、端板部12Aの厚さ方向にも延びるリブであるから、第1端桁部13Aの剛性の他、端板部12Aの剛性も高めている。上述したように、合成樹脂製パレット10が積み重ねられる場合には、上側の合成樹脂製パレット10が、他の合成樹脂製パレット10の荷重を受ける結果、各板部12A,12B,12Cの裏面は、下側の合成樹脂製パレット10における積載面11Sに向けて撓む場合がある。あるいは、合成樹脂製パレット10の加工精度によっては、各板部12A,12B,12Cの裏面が、桁部の内側に向けて反る場合もある。こうした各板部12A,12B,12Cの撓みや反りは、各板部12A,12B,12Cのうち、補強リブ12Rの形成される部位にて他の部位よりも抑えられる。
この点で、複数の面内リブ22の各々は、複数の補強リブ12Rに対向しているから、複数の面内リブ22の各々の形成される部位は、上述の撓みや反りが抑えられている部位でもある。しかも、複数の面内リブ22の各々は、その幅方向Dwの全幅にわたり補強リブ12Rと対向している。それゆえに、複数の面内リブ22の各々の形状は、各板部12A,12B,12Cの撓みや反りの影響を受け難いため、各板部12A,12B,12Cの裏面と積載面11Sとの間の隙間の確保と、面内リブ22によって区画される1つの隙間の大きさが均一に小さくなることの抑制とが、より確実に実現されることになる。
なお、面内リブ22の高さは、例えば、1mm以上3mm以下であって、補強リブ12Rの高さに比べて十分に小さい。それゆえに、面内リブ22の線幅W1が補強リブ12Rの厚さに比べて大きいとは言えども、合成樹脂製パレット10の軽量化にあたっては、こうした線幅W1が大きな影響を及ぼすことはない。そして、面内リブ22の線幅W1が補強リブ12Rの厚さに比べて大きいから、補強リブ12Rの薄型化による合成樹脂製パレット10の軽量化と、面内リブ22と補強リブ12Rとの位置の整合性の確保とが容易にもなる。
図3に示されるように、合成樹脂製パレット10は、ガスアシスト法によって形成される樹脂成形体であり、補強リブ12Rと端板部12Aとの連結する部分には、合成樹脂製パレット10の軽量化を図る中空部12Pが形成されている。中空部12Pは、合成樹脂製パレット10のうちで成形時の樹脂温度が高い部分に優先的に形成されるから、合成樹脂製パレット10のうちで単位表面積当たりの樹脂が多い部分、すなわち、断面積が大きい部分に形成されている。
上記補強リブ12Rの肉厚は、端板部12Aの肉厚に比べて厚く、上記中空部12Pの殆どは、補強リブ12Rの内部に形成されている。一方で、端板部12Aの裏面は、合成樹脂製パレット10の裏面を構成する部分でもあり、フォークリフトのフォークによる衝突等、外部からの衝撃力に対する耐性が特に必要とされる部分でもある。また、端板部12Aの裏面とは、通常、他の合成樹脂製パレット10の積載面11Sや床面等と接する部分でもあるから、積載面11Sや床面と端板部12Aとが擦れて、端板部12Aの肉厚が薄くなることも少なくない。こうした擦れが上記中空部12Pの周囲で生じると、中空部12Pと外部とが連通し、中空部12Pの内部に水分等が溜まる場合がある。この点で、端板部12Aのうち、補強リブ12Rに対向する部位の一部には、上記面内リブ22が含まれるから、中空部12Pの周囲の肉厚は、面内リブ22の肉厚によって予め厚くなっている。それゆえに、上記中空部12Pの周囲で肉厚が薄くなるとしても、面内リブ22が形成されていない構成に比べて、中空部12Pの内部に水分等が溜まることが抑えられる。
複数の面内リブ22の各々は、差込方向Diにおける両端部に、面内リブ22における差込方向Diの内側に向けて、差込方向Diに沿って徐々に肉厚が厚くなる傾斜部22eを有している。こうした接地デッキ12の置かれる接地面は平坦面であるとは限らず、接地面が段差を含む場合も少なくない。この際に、面内リブ22における差込方向Diの両端部が傾斜部22eであれば、面内リブ22にて接地面の段差と当る部分は、合成樹脂製パレット10の差込方向Diへの搬送に従って徐々に大きくなる。それゆえに、合成樹脂製パレット10の搬送に要する負荷が急激に大きくなることが抑えられるから、合成樹脂製パレット10を用いる搬送が容易にもなる。なお、こうした傾斜部22eの傾斜面と端板部12Aの裏面とのなす角度θは、例えば、45°である。
端板部12Aの裏面SBから面内リブ22の底面22Bまでの距離がリブ高さH1として設定され、端板部12Aの裏面SBから滑り止めテープ15の底面15Bまでの距離がテープ高さH2として設定される場合に、テープ高さH2はリブ高さH1より大きい。すなわち、接地デッキ12の裏面にて、滑り止めテープ15は、複数の面内リブ22の各々よりも突出している。それゆえに、滑り止めテープ15としての滑り止めの機能が保たれつつも、保管時に付着した水分が次回の使用時まで残り続けることを抑えることが可能となる。なお、上述したように、こうしたリブ高さH1は、例えば、1mm以上3mm以下であり、テープ高さH2は、例えば、2mm以上5mm以下である。
[試験例]
次に、上記合成樹脂製パレット10を用いた圧痕試験の結果について説明する。上記各板部12A,12B,12Cの裏面には、外縁リブ21と面内リブ22とが形成されるため、例えば、合成樹脂製パレット10が積み荷である段ボールの上に積み重ねられる際には、外縁リブ21や面内リブ22の圧痕が段ボールに形成される。積み荷の搬送過程において積み荷の外観を保つことが求められる前提では、このような圧痕は少ないことが好ましい。以下では、上述の外縁リブ21及び面内リブ22のうちで圧痕の軽減される形状について試験例に基づいて説明する。
図4を参照して圧痕試験の試験方法について説明する。
[試験例1]
図4に示されるように、最下段の合成樹脂製パレット10の積載デッキ11上に、飲料缶Cの入った飲料缶カートン30が積載され、飲料缶カートン30上に、試験片である段ボール板31が敷設された。次いで、段ボール板31と接地デッキ12とが向かい合う状態で、段ボール板31上に、合成樹脂製パレット10が2段に積み重ねられ、2段に積み重ねられた合成樹脂製パレット10上に、所定の荷重32が加えられた状態で、これらの積層体が所定の静置期間だけ静置された。そして、静置期間が経過した後の段ボール板31の表面の観察結果に基づいて、試験例1の圧痕の程度が確認された。上記の圧痕試験における面内リブ22の形状と静置条件とを以下に示す。
・面内リブ22の線幅W1:1mm
・板部あたりの面内リブ22の本数:10本
・角度θ:90°
・荷重:2t
・温度:23±2℃
・湿度:25%以上35%以下
・静置期間:1週間
・段ボール板の外寸:1200mm×1200mm
・段ボール板の紙質:C5
・段ボール板のフロート:Bフロート
・段ボール板の厚さ:3mm
・段ボール板の質量:750g
[試験例2]
面内リブ22の形状が以下の内容に変更され、それ以外の条件が試験例1と同様になる条件にて、試験例2の圧痕の程度が確認された。
・面内リブ22の線幅W1:3mm
[試験例3]
面内リブ22の形状が以下の内容に変更され、それ以外の条件が試験例1と同様になる条件にて、試験例3の圧痕の程度が確認された。なお、試験例3における線幅W1は、面内リブ22にて各板部12A,12B,12Cの裏面と平行な端面の幅である。
・面内リブ22の線幅W1:3mm
・角度θ:45°
[試験例4]
面内リブ22の形状が以下の内容に変更され、それ以外の条件が試験例1と同様になる条件にて、試験例2の圧痕の程度が確認された。
・面内リブ22の線幅W1:3mm
・板部あたりの面内リブ22の本数:20本
試験例2の圧痕の程度と試験例4の圧痕の程度とに大きな差は認められなかった。結果として、面内リブ22と段ボール板31との接触面積が面内リブ22の線幅W1で増えるとしても、段ボール板31の圧痕を軽減させる程度ではないことが分った。
試験例3の圧痕の程度は、試験例2の圧痕の程度よりも軽減されたものであった。結果として、面内リブ22と段ボール板31との接触面積が調整されることよりも、上述の傾斜部22eが面内リブ22に形成されることが圧痕の軽減に効果的であることが分った。
試験例2の圧痕の程度と試験例4の圧痕の程度とに大きな差は認められなかった。結果として、面内リブ22と段ボール板31との接触面積が面内リブ22の本数で増えるとしても、段ボール板の圧痕を軽減させる程度ではないことが分った。
図5を参照して合成樹脂製パレット10における乾燥試験の結果について説明する。まず、乾燥試験の試験方法について説明する。
[試験例5]
図5に示されるように、最下段の合成樹脂製パレット10の積載デッキ11に霧吹きで水が散布され、その積載デッキ11の上に、接地デッキ12が下になる状態で他の合成樹脂製パレット10が積み上げられた。次いで、2段目の合成樹脂製パレット10の積載デッキ11に、11段の合成樹脂製パレット10が積み上げられ、合計13段の合成樹脂製パレット10が以下の環境で所定の静置期間だけ静置された。そして、静置期間が経過した後の最下段の積載デッキ11の観察結果に基づいて、試験例5の乾燥の程度が確認された。上記の乾燥試験における面内リブ22の形状と静置条件とを以下に示す。
・面内リブ22の線幅W1:1mm
・板部あたりの面内リブ22の本数:10本
・角度θ:90°
・温度:23±2℃
・湿度:25%以上35%以下
[試験例6]
面内リブ22の形状が以下の内容に変更され、それ以外の条件が試験例5と同様になる条件にて、試験例6の乾燥の程度が確認された。
・面内リブ22の線幅W1:3mm
[試験例7]
外縁リブ21及び面内リブ22を有しない合成樹脂製パレットを用い、試験例5と同様の方法で、試験例7の乾燥の程度が確認された。
試験例5では試験例7よりも乾燥が進んでいることが認められた。結果として、面内リブ22と外縁リブ21とが形成されることによって、下段の積載デッキ11と上段の接地デッキ12との間で乾燥が促進されることが分った。
試験例6では試験例5よりも乾燥が進んでいることが認められた。結果として、面内リブ22の線幅W1が3mm程度になることによって、下段の積載デッキ11と上段の接地デッキ12との間に隙間が確保されやすいことが分った。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)合成樹脂製パレット10が他の合成樹脂製パレット10の上や積み荷の上に積み重ねられる場合に、外縁リブ21や面内リブ22が底板部に形成されていない場合に比べて、合成樹脂製パレット10が積み荷に対してずれ難くなる。
(2)下側の合成樹脂製パレット10の積載面11Sに外縁リブ21が線接触するため、接地デッキ12の裏面が積載デッキ11に面接触する場合に比べて、板部の裏面と積載面11Sとの間の隙間で水分が蒸発しやすくなる。
(3)下側の合成樹脂製パレット10の積載面11Sに面内リブ22も線接触するため、板部の裏面の撓み自体が抑えられる。結果として、板部の裏面と積載面11Sとの間の隙間が保たれるから、上述した蒸発の確実性が高められる。
(4)面内リブ22の形成される位置は、板部における差込方向Diの両端部と差込方向Diの中央部とに偏っているから、板部の裏面と積載面11Sとの間の隙間が確保され、且つ、単一の隙間の大きさが裏面において一様に小さくなることが抑えられる。
(5)合成樹脂製パレット10の載置される載置面が、例えば、合成樹脂製パレット10等の荷重を受けて窪む梱包袋等の敷かれた床である場合には、面内リブ22が幅方向Dwに沿って延びるため、合成樹脂製パレット10の位置が誤ってずれることが抑えられる。
(6)面内リブ22は、補強リブ12Rに対向して、板部にて撓みや反りが抑えられている部位に形成されている。それゆえに、面内リブ22の形状は、板部の撓みや反りの影響を受け難く、結果として、板部の裏面と積載面11Sとの間の隙間の確保と、単一の隙間の大きさが小さくなることの抑制とが、より確実に実現される。
(7)面内リブ22は、面内リブ22の幅方向Dwの全幅にわたり補強リブ12Rと対向している。それゆえに、板部の裏面と積載面11Sとの間の隙間の確保と、面内リブ22によって区画される1つの隙間の大きさが裏面において一様に小さくなることの抑制とが、より確実に実現されることになる。
(8)面内リブ22の線幅W1が補強リブ12Rの厚さに比べて大きいから、補強リブ12Rの薄型化による合成樹脂製パレット10の軽量化と、面内リブ22と補強リブ12Rとの位置の整合性の確保とが容易にもなる。
(9)面内リブ22は補強リブ12Rに対向するから、中空部12Pの周囲の肉厚は、面内リブ22の肉厚によって予め厚くなる。それゆえに、中空部12Pの周囲で肉厚が薄くなるとしても、面内リブ22が形成されていない構成に比べて、中空部12Pの内部に水分等が溜まることが抑えられる。
(10)面内リブ22における差込方向Diの両端部が傾斜部22eであるから、面内リブ22にて接地面の段差と当る部分は、合成樹脂製パレット10の差込方向Diへの搬送に従って徐々に大きくなる。それゆえに、合成樹脂製パレット10の搬送に要する負荷が急激に大きくなることが抑えられるから、合成樹脂製パレット10を用いる搬送が容易にもなる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・図6に示されるように、面内リブには、幅方向Dwに沿って延びる直交面内リブ22Vと、差込方向Diに沿って延びる平行面内リブ22Hとが含まれてもよい。この際に、1つの板部の裏面に対し、2以上の直交面内リブ22Vが含まれてもよいし、2以上の平行面内リブ22Hが含まれてもよい。この構造であっても、平行面内リブ22Hの一部分は、補強リブ12Rに対向する。こうした構成であれば、上記(1)〜(4)(6)〜(10)に準じた効果を得ることが可能である。
・なお、こうした構成であれば、合成樹脂製パレット10が差込方向Diに沿って搬送される際には、直交面内リブ22Vのみが設けられる構成に比べて、合成樹脂製パレット10の搬送に要する負荷が抑えられる。
・図7に示されるように、面内リブには、平行面内リブ22Hのみから構成されてもよい。この構造であっても、平行面内リブ22Hの一部分は、補強リブ12Rに対向する。こうした構成であれば、上記(1)〜(3)(6)(9)に準じた効果を得ることが可能である。
また、合成樹脂製パレット10が搬送される際には、2つの差込孔10Hの各々にフォーク等が差込まれて合成樹脂製パレット10自体が差込方向Diに沿って搬送される。この際に、接地デッキ12の裏面の一部が接地面に擦れて、接地デッキ12の一部が裏面にて削り取られる場合がある。削り取られた部分は積み荷を汚染する場合があるため、こうして削り取られる量は少ないことが好ましい。
ここで、合成樹脂製パレット10が差込方向Diに沿って動く以上、接地デッキ12の裏面にて削り取られる部分は、差込方向Diと交差する端面にて多くなる。この点で、複数の平行面内リブ22Hの各々が差込方向Diに沿って延びるため、接地デッキ12の裏面にて削り取られる部分は、複数の平行面内リブ22Hの各々における差込方向Diでの先端面のみになる。そして、複数の平行面内リブ22Hの各々が幅方向Dwにて隙間を空けて並ぶ以上、差込方向Diと交差する幅方向Dwでは、こうして削り取られる先端面の幅が、接地デッキ12における裏面の幅よりも小さくなる。それゆえに、幅方向Dwに沿って延びる直交面内リブ22Vが、裏面における幅方向Dwの全体にわたる場合に比べて、上記の削り屑の量を抑えることが可能にもなる。
・図8に示されるように、面内リブ22は、差込方向Diに沿って等間隔に配置されてもよい。また、面内リブ22は、幅方向Dwにて断続する形状を有してもよい。この際に、複数の面内リブ22の一部のみが断続する形状であってもよいし、複数の面内リブ22の全てが断続する形状であってもよい。なお、上記直交面内リブ22Vが差込方向Diにて断続する形状であってもよい。これらの構造であれば、外縁リブ21で囲まれる面内が、面内リブによって区切られないため、上記(2)に準じた効果が顕著になる。
・図9に示されるように、面内リブには、例えば、平面視方向にて正方形をなす島状面内リブ22Iが含まれてもよいし、複数の島状面内リブ22Iが含まれてもよい。この際に、複数の島状面内リブ22Iの一部のみが補強リブ12Rに対向する構造であってもよい。こうした構造であっても、上記(1)〜(3)(6)〜(10)に準じた効果を得ることが可能である。
・面内リブ22は、差込方向Diに沿って延びる形状や幅方向Dwに沿って延びる形状に限らず、差込方向Diと交差する方向に沿って延びる形状や幅方向Dwと交差する方向に沿って延びる形状であってもよい。
・面内リブ22における角度θが90°であって、上述の傾斜部22eが面内リブ22に含まれなくてもよい。
・外縁リブ21は、それが形成される板部の縁において複数に分断された形状を有してもよい。また、外縁リブ21は割愛されてもよい。
・面内リブ22以外の部分にて滑り止めテープ15の機能が発現されるのであれば、面内リブ22の有するリブ高さH1は、滑り止めテープ15の有するテープ高さH2以上であってもよい。また、滑り止めテープ15が割愛されてもよい。
・合成樹脂製パレットは、相互に平行な3つの桁部を有するいわゆる二方差しの合成樹脂製パレットに限られない。すなわち、合成樹脂製パレットは、合成樹脂製パレットの4隅に形成される隅桁部と、相互に隣り合う2つの隅桁部の間に形成される中間桁部と、合成樹脂製パレットの中央に形成される中央桁部とを有するいわゆる四方差しの合成樹脂製パレットであってもよい。
θ…角度、H…開口部、Di…差込方向、Dw…幅方向、H1…リブ高さ、H2…テープ高さ、W1…線幅、W2…間隔、10…合成樹脂製パレット、10H…差込孔、11…積載デッキ、11S…積載面、12…接地デッキ、12A…端板部、12B…端板部、12C…中間板部、12D…桟、12P…中空部、12R…補強リブ、13A…第1端桁部、13B…第2端桁部、13C…中間桁部、15…滑り止めテープ、21…外縁リブ、22…面内リブ、22e…傾斜部、30…飲料缶カートン、31…段ボール板、32…荷重。

Claims (8)

  1. 積載デッキと、
    前記積載デッキに対向する接地デッキと、
    前記積載デッキと前記接地デッキとを連結する複数の桁部と、
    を備える合成樹脂製パレットの裏面形状であって、
    前記接地デッキが、
    前記複数の桁部の各々の底部を塞ぐ底板部と、
    相互に隣り合う前記底板部を連結する複数の桟と、
    前記底板部の裏面にて凸状をなす裏面リブと、を備える
    ことを特徴とする合成樹脂製パレットの裏面形状。
  2. 前記底板部は、前記裏面とは反対側の側面である内表面を有し、
    前記内表面は、前記内表面と、筒形状を有する前記桁部の内側面とを連結する凸状をなす補強リブを含み、
    前記裏面リブと前記補強リブとが相互に対向する
    請求項1に記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  3. 前記補強リブの内部には中空部が形成されている
    請求項2に記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  4. 前記裏面リブが、
    前記底板部の縁に沿う外縁リブと、
    前記外縁リブによって囲まれる前記裏面内に形成された複数の面内リブと、を備える、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  5. 前記複数の桁部が、
    前記積載デッキの一辺に沿う差込方向に沿って延びて相互に間隔をあけて平行に配列された2つの端桁部と、
    前記差込方向に延びて前記2つの前記端桁部の間に配置された1つの中間桁部と、
    から構成され、
    前記複数の面内リブの各々が、
    前記差込方向に沿って延びる
    請求項4に記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  6. 前記複数の桁部が、
    前記積載デッキの一辺に沿う差込方向に沿って延びて相互に間隔をあけて平行に配列された2つの端桁部と、
    前記差込方向に延びて前記2つの前記端桁部の間に配置された1つの中間桁部と、
    から構成され、
    前記複数の面内リブの各々が、
    前記差込方向と交差する方向に沿って延びる
    請求項4に記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  7. 前記複数の面内リブの各々は、
    前記積載デッキの一辺に沿う差込方向と直交する方向に沿って延び、
    前記差込方向における端部が、前記面内リブにおける前記差込方向の内側に向けて、前記差込方向に沿って徐々に厚くなる傾斜部を含む
    請求項6に記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
  8. 前記接地デッキの裏面には、
    前記積載デッキの一辺に沿う差込方向と交差する方向に沿って延びる滑り止めテープが貼り付けられ、
    前記滑り止めテープは、
    前記接地デッキの裏面にて前記裏面リブの各々よりも突出している
    請求項1から7のいずれか1つに記載の合成樹脂製パレットの裏面形状。
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