JP6668461B2 - 炎症性疾患の処置法 - Google Patents

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Description

発明の技術分野
本発明は一般的に、抗IL−23A抗体を利用して、炎症性疾患、例えばクローン病(CD)を処置する方法に関する。
発明の背景
クローン病(CD)は、腹痛、発熱、及び血性下痢又は粘液含有下痢によって特徴付けられる、再発寛解型の消化管の慢性炎症性疾患である。前記疾患は消化管に非連続的に口から肛門まで、しかし最も頻繁には回腸と結腸(40%)に、次いで小腸のみに(30%)、及び結腸のみに(25%)発症する。それは比較的若い集団に起こり、性別による顕著な差異はない。
CDの発症率は増加しつつあるようであり、北米及び欧州におけるより近年の推定値は、100,000あたり7.9から20.2症例へ、罹患率は100,000あたり161から319症例へと変化している。粘膜病変は、穿孔及び瘻孔の形成を合併する場合があり、これは医学的又は外科的管理のために入院が必要とされる場合がある。例えば、処置の有効性、安全性及び/又は耐容性に関して、患者にとって好ましい転帰をもたらす、炎症性疾患、特にクローン病のための処置選択肢が必要とされる。
発明の要約
本発明は上記のニーズに対処し、炎症性疾患を処置するための方法、特に抗IL−23A抗体を特定の量及び/又は特定の間隔で患者に投与する工程を含む方法を提供する。1つの態様では、本発明の方法は、クローン病の処置用である。1つの態様では、本発明の方法は、潰瘍性大腸炎の処置用である。
本発明の方法は、より少ない回数の抗IL−23A抗体の投与を受けつつ、患者が臨床的改善を経験することを可能とするという利点を提供する。
1つの実施態様では、本発明は、(a)0週目、4週目、及び8週目に1回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、抗IL−23A抗体の用量は、200mg又は600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(b)例えば14週目、18週目及び22週目に3回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含み、抗IL−23A抗体の用量は、600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(c)8週間間隔で1回以上の用量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって、例えば8週間間隔で例えば26週目、34週目、42週目、及び50週目に4回量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含み、1回以上の用量の抗IL−23A抗体は180mgの抗体を含む。
1つの実施態様では、12週目に、患者を、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される完全寛解について評価する。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。
1つの実施態様では、本発明は、(a)0週目、4週目、及び8週目に1回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、抗IL−23A抗体の用量は、200mg又は600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(b)8週間間隔で1回以上の用量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって、例えば8週間間隔で例えば26週目、34週目、42週目、及び50週目に4回量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含み、1回以上の用量の抗IL−23A抗体は180mgの抗体を含む。
1つの実施態様では、12週目に、患者を、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される完全寛解について評価する。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。
1つの実施態様では、本発明は、8週間間隔で180mgの抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明は、抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、該方法は、少なくとも1回の誘導量の抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含み、該誘導量は、200〜1,200mgの抗IL−23A抗体、例えば450〜1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、該誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg又は1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、1回、2回又は3回の誘導量が患者に投与される。1つの態様では、2回又は3回の誘導量が例えば4週間間隔で投与される。1つの態様では、該誘導量(群)は静脈内注入によって投与される。
1つの実施態様では、前記誘導量は200mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は450mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は600mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は900mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は1,200mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、少なくとも1回の追加の誘導量の抗IL−23A抗体が、上記の最後の誘導量の後に患者に投与される。1つの態様では、追加の誘導量は、200〜1,200mgの抗IL−23A抗体、例えば450〜1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、追加の誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg又は1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、1回、2回又は3回の追加の誘導量が患者に投与される。1つの態様では、2回又は3回の追加の誘導量が例えば4週間間隔で投与される。1つの態様では、追加の誘導量(群)は静脈内注入によって投与される。
1つの実施態様では、患者は、初回の誘導量の投与前に220〜450のCDAIスコアを有する。
1つの実施態様では、患者は、1回以上の誘導量の投与後に臨床的寛解を達成する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の誘導量の投与後に150未満のCDAIスコアを達成する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の誘導量の投与後に75又はそれ以下のPRO−2スコアを達成する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の誘導量の投与後に150未満のCDAIスコア、及び75又はそれ以下のPRO−2スコアを達成する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者におけるクローン病の臨床的寛解を誘導するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者におけるクローン病に対する臨床応答を誘導するための方法を提供する。
1つの実施態様では、前記方法はさらに、最後の誘導量が投与された後に初回維持量の抗IL−23A抗体を患者に投与する工程、及び前記の初回維持量が投与された4〜12週間後に少なくとも1回の追加の維持量を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、初回維持量は、最後の誘導量が投与された2〜8週間後、例えば4〜6週間後、例えば2週間後、4週間後、6週間後、又は8週間後に投与される。1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、初回維持量が投与された4週間後、8週間後、又は12週間後に患者に投与される。
1つの実施態様では、初回維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量は150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの該抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、維持量は皮下注射によって投与される。
1つの実施態様では、維持量は150mgの抗IL−23A抗体を含み、4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は150mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は225mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は225mgの抗IL−23A抗体を含み、12週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は300mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は300mgの抗IL−23A抗体を含み、12週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、患者は、1回以上の維持量の投与後に臨床的寛解を維持する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の維持量の投与後に150未満のCDAIスコアを維持する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の維持量の投与後に75又はそれ以下のPRO−2スコアを維持する。1つの実施態様では、患者は、1回以上の維持量の投与後に150未満のCDAIスコア及び75又はそれ以下のPRO−2スコアを維持する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者におけるクローン病の臨床的寛解を維持するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者におけるクローン病に対する臨床応答を維持するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者における臨床的寛解を誘導及び維持することによってクローン病を処置するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明はさらに、上記に又は本明細書において記載されているような抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む、患者におけるクローン病の内視鏡的寛解を維持するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明は、抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む、クローン病の臨床的寛解を誘導するための方法を提供し、該方法は、少なくとも1回の誘導量の該抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含み、該誘導量は、200〜1,200mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、該誘導量は、450〜1,200mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、該誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg、又は1,200mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、1回、2回又は3回の誘導量が患者に投与される。1つの実施態様では、2回又は3回の誘導量が4週間間隔で投与される。1つの実施態様では、誘導量(群)は静脈内注入によって投与される。1つの実施態様では、患者は、該投与前に220〜450のCDAIスコアを有する。1つの実施態様では、患者は150未満のCDAIスコアを達成する。1つの実施態様では、患者は75又はそれ以下のPRO−2スコアを達成する。
1つの実施態様では、前記方法はさらに、クローン病の臨床的寛解を維持する工程を含み、該方法はさらに、最後の誘導量が投与された後に初回維持量の該抗IL−23A抗体を患者に投与する工程、及び、前記の初回維持量が投与された4〜12週間後に少なくとも1回の追加の維持量を患者に投与する工程を含む。1つの実施態様では、初回維持量は、最後の誘導量が投与された2〜8週間後、例えば4〜6週間後、例えば2週間後、4週間後、6週間後、又は8週間後に投与される。1つの実施態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、前記の初回維持量が投与された4週間後、8週間後、又は12週間後に患者に投与される。1つの実施態様では、初回維持量は、150〜300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では。初回維持量は150mg、225mg、又は300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、初回維持量は、180mg又は270mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの実施態様では、維持量は皮下注射によって投与される。1つの実施態様では、患者は150未満のCDAIスコアを維持する。1つの実施態様では、患者は75又はそれ以下のPRO−2スコアを維持する。
1つの実施態様では、本発明は、150〜1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供する。1つの態様では、該方法は、200mg〜1,200mgの抗IL−23A抗体、例えば450〜1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、200mg、450mg、600mg、900mg又は1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法において、抗IL−23A抗体は抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dである。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法において、該方法は、クローン病、例えば中等症から重症の活動性クローン病の処置用である。1つの態様では、本発明の方法の脈絡において、患者は未処置であるか又は抗TNF療法を用いて以前に処置された。1つの態様では、本発明の方法の脈絡において、患者は、1個、2個、3個又はそれ以上のTNFアンタゴニスト(群)を用いて以前に処置された。1つの実施態様では、患者は、副腎皮質ステロイドに対して不適切な応答を示したか、不耐容性であったか、又は依存性を示した患者である。1つの実施態様では、患者は、免疫調節剤、TNFα阻害剤(又はTNFアンタゴニスト)又はインテグリン阻害剤に対して不適切な応答を示したか、応答がなかったか、又は不耐容性であった患者である。1つの実施態様では、処置は、臨床的寛解、副腎皮質ステロイドを伴わない寛解、内視鏡的寛解、及び粘膜治癒を誘導及び維持することによる。
1つの実施態様では、本発明の方法によって処置される患者は、220〜450のCDAIスコアを有する。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法において、患者は成人患者である。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法において、該方法は潰瘍性大腸炎の処置用である。
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載のような特定の量及び/又は特定の間隔での投与による、疾患、例えば炎症性疾患、例えばクローン病の処置に使用するための抗IL−23A抗体を提供する。1つの態様では、炎症性疾患は潰瘍性大腸炎である。
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載のような特定の量及び/又は特定の間隔での投与による、疾患、例えば炎症性疾患、例えばクローン病の処置用の医薬品の調製のための抗IL−23A抗体の使用を提供する。1つの態様では、炎症性疾患は潰瘍性大腸炎である。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法又は使用において、抗IL−23A抗体は以下に開示されている。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号1のアミノ酸配列(CDR1−L);配列番号2のアミノ酸配列(CDR2−L);及び配列番号3のアミノ酸配列(CDR3−L)を含む軽鎖可変領域;並びに、配列番号4、7、8又は9のアミノ酸配列(CDR1−H);配列番号5のアミノ酸配列(CDR2−H);及び配列番号6のアミノ酸配列(CDR3−H)を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号1のアミノ酸配列(CDR1−L);配列番号2のアミノ酸配列(CDR2−L);及び配列番号3のアミノ酸配列(CDR3−L)を含む軽鎖可変領域;並びに、配列番号4のアミノ酸配列(CDR1−H);配列番号5のアミノ酸配列(CDR2−H);及び配列番号6のアミノ酸配列(CDR3−H)を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号1のアミノ酸配列(CDR1−L);配列番号2のアミノ酸配列(CDR2−L);及び配列番号3のアミノ酸配列(CDR3−L)を含む軽鎖可変領域;並びに、配列番号7のアミノ酸配列(CDR1−H);配列番号5のアミノ酸配列(CDR2−H);及び配列番号6のアミノ酸配列(CDR3−H)を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号1のアミノ酸配列(CDR1−L);配列番号2のアミノ酸配列(CDR2−L);及び配列番号3のアミノ酸配列(CDR3−L)を含む軽鎖可変領域;並びに、配列番号8のアミノ酸配列(CDR1−H);配列番号5のアミノ酸配列(CDR2−H);及び配列番号6のアミノ酸配列(CDR3−H)を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号1のアミノ酸配列(CDR1−L);配列番号2のアミノ酸配列(CDR2−L);及び配列番号3のアミノ酸配列(CDR3−L)を含む軽鎖可変領域;並びに、配列番号9のアミノ酸配列(CDR1−H);配列番号5のアミノ酸配列(CDR2−H);及び配列番号6のアミノ酸配列(CDR3−H)を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10、11、12、又は13のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、配列番号14、15、16、又は17のいずれか1つのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;及び、配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、ヒトIgG4、IgM、IgA、又はIgE重鎖定常領域に連結された配列番号14又は15のアミノ酸配列を含む。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、ヒトIgG1重鎖定常領域に連結された配列番号14又は15のアミノ酸配列を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、ヒトκ又はλ軽鎖定常領域に連結された配列番号10又は11のアミノ酸配列を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、ヒトIgG1重鎖定常領域に連結された配列番号14又は15のアミノ酸配列;及び、ヒトκ軽鎖定常領域に連結された配列番号10又は11のアミノ酸配列を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10、11、12、及び13のいずれか1つからなる群より選択されたアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号14、15、16、及び17のいずれか1つからなる群より選択されたアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号14のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号15のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含むヒト化モノクローナル抗体である。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18又は21のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号19又は20のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖と、配列番号20のアミノ酸配列を含む重鎖とを含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dである。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、国際公開公報第2007/005955号、国際公開公報第2007/024846号、国際公開公報第2007/027714号、国際公開公報第2007/076524号、国際公開公報第2008/103432号又は国際公開公報第2012/061448号に開示されているようなものである。
1つの実施態様では、本発明は、a)患者から生物学的試料を得る工程;b)該試料中の1つ以上の遺伝子の発現レベルを測定する工程;c)b)のレベルを対照の1つ以上の遺伝子の発現レベルと比較する工程;及びd)試料と対照との間のレベルの差異が患者における生物学的応答に影響を及ぼすか否かを決定する工程を含む、IL−23Aアンタゴニストの投与後の患者における有益な応答の有無を検出するための方法を提供し、ここでの1つ以上の遺伝子は、本明細書に記載の1つ以上の遺伝子である。1つの態様では、患者はクローン病を患う。1つの態様では、生物学的試料は結腸組織又は回腸組織である。1つの態様では、生物学的試料は、上部消化管(GI)、例えば胃又は食道から採取される。1つの態様では、IL−23Aアンタゴニストは、抗IL−23A抗体又はその抗原結合断片、例えば抗体A、抗体B、抗体C又は抗体Dである。
試験デザイン。臨床的寛解(CDAIスコア<150)及びCDEIS寛解(CDEISスコアは4以下、又は初期の孤発性回腸炎患者では2以下)に到達すると定義された完全寛解。 図2A及び2B:4週目、8週目、及び12週目の臨床的寛解(A)又は臨床応答(B)を示す患者の比率。臨床的寛解は、CDAIスコア<150として定義される。臨床応答は、CDAIスコア<150、又はCDAIのベースラインからの100ポイント以上の減少のいずれかである。12週目より前にクローン病の処置に併用禁忌の薬物が使用された患者は、処置の失敗と判断された。これらの分析のために最大の解析対象集団が使用された。プラセボに対してp<0.05。**プラセボに対してp<0.005。***プラセボに対してp<0.001。 図3A〜D:経時的なCDAIスコアの中央値(A)、経時的なCRP中央値(B)、FCPのベースラインからの変化率の中央値(C)、IL−22のベースラインからの変化率の中央値(D)。p<0.001、プラセボに対する600mgの抗体Aのボンフェローニ補正されたp値。p<0.05、プラセボに対する600mgの抗体Aのボンフェローニ補正されたp値。CDAI(クローン病活動指数);CRP(C反応性タンパク質);FCP(便中カルプロテクチン)。
詳細な説明
IL−23のp19サブユニット(本明細書においては「IL−23A」、「IL−23p19」及び「p19サブユニット」とも称される)は、21アミノ酸リーダー配列を含有している189アミノ酸ポリペプチドである(Oppmann et al. Immunity 13:715 (2000)、配列番号22)。該分子の生物学的活性は、IL−12p40サブユニットと対を形成してIL−23を形成する場合にのみ検出される。IL−23は主に、活性化された樹状細胞(DC)及び貪食細胞によって発現されている。IL−23の受容体は、IL−23Rと呼ばれる独特なサブユニットと対を形成したIL−12受容体のIL−12Rβ1サブユニットから構成されることが判明した(Parham et al. J. Immunol. 168:5699 (2002))。該受容体の発現は主に、記憶T細胞及びNK細胞上に検出される。したがって、このサイトカイン:受容体の対の発現は、免疫細胞の特定の集団に限定されているようである。IL−12とIL−23は多くの機能を共有するであろうと最初は考えられていたが、データは、その状況が異なることを示した。IL−12は、Th1細胞の生成に主な役割を有しているが、IL−23は、Th17と呼ばれる近年認められたTh細胞サブセットの生成及び維持に決定的に関与していることが判明した(Kikly et al. Curr. Opin. Immunol. 18:670 (2006), Kastelein et al. Ann. Rev. Immunol. 25:221 (2007))。これらの細胞は、IL−17A、IL−17F、IL−22、及び他の炎症誘発性サイトカイン、例えばIL−6及びTNF−αを産生する。以下に記載されているように、これらのTh17細胞の役割に関する動物モデル研究は、慢性炎症及び自己免疫における駆動力としてのその重要性を示す。
Figure 0006668461
1つの態様では、本発明は、IL−23A関連疾患の処置法を提供する。1つの態様では、本発明は、疾患、例えば炎症性疾患を処置するための方法、特に、特定の量及び/又は特定の間隔で抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む方法を提供する。1つの態様では、本発明の方法は、クローン病の処置用である。
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載のような特定の量及び/又は特定の間隔での投与による、疾患、例えば炎症性疾患、例えばクローン病の処置に使用するための抗IL−23A抗体を提供する。
1つの態様では、本発明は、本明細書に記載のような特定の量及び/又は特定の間隔での投与による、疾患、例えば炎症性疾患、例えばクローン病の処置用の医薬品の調製のための抗IL−23A抗体の使用を提供する。
1つの実施態様では、本発明の脈絡において、患者の処置は誘導期及び維持期を含む。誘導期では、例えば本明細書に誘導量として言及された1回以上の用量の抗IL−23抗体が、例えば静脈内注入によって患者に投与される。維持期では、例えば本明細書に維持量として言及された初回量の抗IL−23抗体が患者に投与され、その後、例えば本明細書に維持量として言及された少なくとも1回量の追加の抗IL−23抗体が投与される。維持量は、例えば皮下注射によって投与される。誘導期及び維持期の例が、本明細書に記載されている。
1つの態様では、誘導期の最中又は終了時に患者によって特定の治療結果が、例えば臨床的寛解が達成される。1つの態様では、患者は、誘導期の最中又は終了時に150未満のCDAIスコアを達成する。1つの態様では、患者は、誘導期の最中又は終了時に75又はそれ以下のPRO−2スコアを達成する。1つの態様では、患者は、誘導期の最中又は終了時に150未満のCDAIスコア及び75又はそれ以下のPRO−2スコアを達成する。
したがって、1つの実施態様では、本発明の方法において、患者は、誘導期の最中又は終了時に臨床的寛解について評価される。
1つの態様では、患者が誘導期において応答性ではない場合、維持期(本明細書では再誘導期とも称される)を開始する前に誘導期を繰り返す。1つの態様では、本発明の方法において、患者は、再誘導期の最中又は終了時に、例えば誘導期の最中又は後に臨床的寛解について再評価される。
1つの態様では、維持期の最中に患者によって特定の治療結果が、例えば臨床的寛解が維持される。1つの態様では、患者は、維持期の最中に150未満のCDAIスコアを維持する。1つの態様では、患者は、維持期の最中に75又はそれ以下のPRO−2スコアを維持する。1つの態様では、患者は、維持期の最中に150未満のCDAIスコア及び75又はそれ以下のPRO−2スコアを維持する。
したがって、1つの実施態様では、本発明の方法において、患者は、維持期の最中に臨床的寛解について評価される。
1つの実施態様では、本発明は、(a)0週目、4週目、及び8週目に1回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、抗IL−23A抗体の用量は、200mg又は600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(b)例えば14週目、18週目及び22週目に3回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含み、抗IL−23A抗体の用量は、600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(c)8週間間隔で1回以上の用量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって、例えば8週間間隔で例えば26週目、34週目、42週目、及び50週目に4回量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含み、1回以上の用量の抗IL−23A抗体は180mgの抗体を含む。
1つの実施態様では、12週目に、患者を、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される完全寛解について評価する。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。
1つの実施態様では、本発明は、(a)0週目、4週目、及び8週目に1回量の抗IL−23A抗体を静脈内注入によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、抗IL−23A抗体の用量は、200mg又は600mgの抗体を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、(b)8週間間隔で1回以上の用量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって、例えば8週間間隔で例えば26週目、34週目、42週目、及び50週目に4回量の抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含み、1回以上の用量の抗IL−23A抗体は180mgの抗体を含む。
1つの実施態様では、12週目に、患者を、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される完全寛解について評価する。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。
1つの実施態様では、本発明は、8週間間隔で180mgの抗IL−23A抗体を皮下注射によって患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供する。
1つの実施態様では、本発明の抗IL−23A抗体の投与は、本明細書の以下の実施例又は図1にさらに記載されている。
1つの実施態様では、本発明は、抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供し、該方法は、少なくとも1回の誘導量の該抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含み、該誘導量は、200〜1,200mgの該抗IL−23A抗体、例えば450〜1,200mgのIL−23A抗体を含む。1つの態様では、該誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg又は1,200mgの前記抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、1回、2回又は3回の誘導量が患者に投与される。1つの態様では、2回又は3回の誘導量が例えば4週間間隔で投与される。1つの態様では、該誘導量(群)は静脈内注入によって投与される。
1つの実施態様では、前記誘導量は200mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は450mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が患者に4週間間隔で投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は600mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が患者に4週間間隔で投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は900mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が患者に4週間間隔で投与される。
1つの実施態様では、該誘導量は1,200mgの抗IL−23A抗体を含み、3回の誘導量が患者に4週間間隔で投与される。
1つの態様では、患者が誘導期において応答性ではない場合、維持期が開始される前に誘導期が繰り返される。例えば、初回の誘導期が3回の誘導量を含む場合、3回の追加の誘導量が患者に投与され(再誘導期)、これにより全部で6回の誘導量がもたらされる。追加の誘導量(群)は、例えば、本明細書に記載の量の抗IL−23抗体を含む。追加の誘導量は、例えば、本明細書に記載の間隔で投与される。
1つの実施態様では、前記方法はさらに、最後の誘導量が投与された後に初回維持量の抗IL−23A抗体を患者に投与する工程;及び、前記の初回維持量が投与された4〜12週間後に少なくとも1回の追加の維持量を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、初回維持量は、最後の誘導量が投与された2〜8週間後、例えば4〜6週間後、例えば2週間後、4週間後、6週間後、又は8週間後に投与される。1つの態様では、初回維持量が投与された4、8、又は12週間後に少なくとも1回の追加の維持量が患者に投与される。
1つの実施態様では、初回維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、150mg、225mg、又は300mgの該抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、初回維持量及び少なくとも1回の追加の維持量は、180mg又は270mgの該抗IL−23A抗体を含む。
1つの態様では、維持量は皮下注射によって投与される。
1つの実施態様では、維持量は、150mgの抗IL−23A抗体を含み、4週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は、150mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は、225mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は、225mgの抗IL−23A抗体を含み、12週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は、300mgの抗IL−23A抗体を含み、8週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、維持量は、300mgの抗IL−23A抗体を含み、12週間間隔で患者に投与される。
1つの実施態様では、本発明は、150〜1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む、炎症性疾患を処置するための、1つの態様ではクローン病を処置するための方法を提供する。1つの態様では、該方法は、200〜1,200mgの抗IL−23A抗体、例えば450〜1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、200mg、450mg、600mg、900mg、又は1,200mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、150〜300mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。1つの態様では、該方法は、180mg又は270mgの抗IL−23A抗体を患者に投与する工程を含む。
1つの実施態様では、本発明はさらに、患者におけるクローン病の臨床的寛解を誘導するための方法を提供し、該方法は、上記に又は本明細書において記載されているような少なくとも1回の誘導量の抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、クローン病の臨床的寛解を維持する工程を含み、該方法はさらに、最後の誘導量が投与された後に初回維持量の該抗IL−23A抗体を患者に投与する工程、及び上記に又は本明細書において記載されているような少なくとも1回の追加の維持量を患者に投与する工程を含む。
1つの実施態様では、本発明はさらに、患者におけるクローン病に対する臨床応答を誘導するための方法を提供し、該方法は、上記に又は本明細書において記載されているような少なくとも1回の誘導量の抗IL−23抗体を患者に投与する工程を含む。1つの実施態様では、該方法はさらに、クローン病に対する臨床応答を維持する工程を含み、該方法はさらに、最後の誘導量が投与された後に初回維持量の該抗IL−23A抗体を患者に投与する工程、及び、上記に又は本明細書において記載されているような少なくとも1回の追加の維持量を患者に投与する工程を含む。
本発明の用量及び処方計画の代表例を表Aに開示する。
Figure 0006668461

Figure 0006668461
1つの態様では、1回、2回、又は3回の誘導量(群)が、表Aに記載された処方計画で患者に投与される。
本発明の用量及び処方計画の追加の代表例を以下に記載する。これらの例では、初回維持量は、最後の誘導量から4週間後に患者に投与される。また、本発明において、最後の誘導量から2週間後、6週間後、又は8週間後に初回維持量を投与することも考えられる。
例えば、本発明の脈絡において、誘導量が、0週目、4週目、及び8週目に患者に投与され、その後、12週目に初回維持量が、16週目に2回目の維持量が、20週目に3回目の維持量が投与され、などのように維持量の投与間隔を4週間として投与される。1つの態様では、誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg、又は1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、維持量は150mgの抗IL−23A抗体を含む。
例えば、本発明の脈絡において、誘導量が、0週目、4週目、及び8週目に患者に投与され、その後、12週目に初回維持量が、20週目に2回目の維持量が、28週目に3回目の維持量が投与され、などのように維持量の投与間隔を8週間として投与される。1つの態様では、誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg、又は1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、誘導量は、150mg、225mg、又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。
例えば、本発明の脈絡において、誘導量が、0週目、4週目、及び8週目に患者に投与され、その後、12週目に初回維持量が、24週目に2回目の維持量が、36週目に3回目の維持量が投与され、などのように維持量の投与間隔を12週間として投与される。1つの態様では、誘導量は、200mg、450mg、600mg、900mg、又は1,200mgの抗IL−23A抗体を含む。1つの態様では、維持量は、225mg又は300mgの抗IL−23A抗体を含む。
1つの実施態様では、本発明の方法において、患者を、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される完全寛解について評価する。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。1つの態様では、患者のPRO応答は、例えば、8未満のPRO−2スコア又はベースラインからの少なくとも8ポイントの減少のいずれかによって評価される(PRO−2:患者報告アウトカム−2)。
1つの実施態様では、本発明の方法において、患者を、例えば本明細書に定義されているような、臨床的寛解、臨床応答、内視鏡的寛解、内視鏡的応答又は粘膜治癒について評価する。
1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法における抗IL−23A抗体は本明細書に開示されている。1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法における抗IL−23A抗体は抗体Aである。1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法における抗IL−23A抗体は抗体Bである。1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法における抗IL−23A抗体は抗体Cである。1つの実施態様では、上記のいずれか1つの方法における抗IL−23A抗体は抗体Dである。
1つの態様では、上記のいずれか1つの方法において、抗IL−23A抗体を含む医薬組成物が患者に投与される。1つの態様では、抗IL−23A抗体、例えば抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dを含む実施例2に開示された製剤2が患者に投与される。1つの態様では、抗IL−23A抗体、例えば抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dを含む実施例2に開示された製剤3が患者に投与される。1つの態様では、抗IL−23A抗体、例えば抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dを含む実施例2に開示された製剤1が患者に投与される。
1つの態様では、抗IL−23A抗体はヒト化抗体である。1つの態様では、抗IL−23A抗体はモノクローナル抗体である。1つの態様では、抗IL−23A抗体は完全長抗体である。1つの態様では、抗IL−23A抗体はヒト化モノクローナル抗体、例えば完全長ヒト化モノクローナル抗体である。
本明細書に記載の抗体は、特異的な「IL−23A抗原エピトープ」又は「IL−23Aエピトープ」を認識する。本明細書において使用するこれらの用語は、抗IL−23A抗体と免疫反応性を起こすことができる分子(例えばペプチド)又は分子のフラグメントを指し、これには例えば、配列番号11/14、11/15、10/14、又は10/15の軽鎖配列/重鎖配列の組合せを有する抗体のいずれかによって認識されるIL−23A抗原性決定基が含まれる。
抗体又は免疫グロブリンの一般構造は、当業者には周知である。これらの分子は、2本の同一な軽鎖(L)と2本の同一な重鎖(H)から構成される典型的には約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、これは典型的には完全長抗体と呼ばれる。各々の軽鎖は、1つのジスルフィド結合によって重鎖に共有結合で連結されてヘテロ二量体を形成し、ヘテロ二量体の2本の同一な重鎖の間でのジスルフィド共有結合を通してヘテロ四量体分子が形成される。軽鎖と重鎖は互いに1つのジスルフィド結合によって連結されているが、2本の重鎖間のジスルフィド結合の数は、免疫グロブリンのアイソタイプによって異なる。各々の重鎖及び軽鎖はまた、規則的に配置された鎖内ジスルフィド橋を有する。各々の重鎖は、アミノ末端に可変ドメイン(V)、続いて3つ又は4つの定常ドメイン(CH1、CH2、CH3及びCH4)、並びに、CHとCH間のヒンジ領域を有する。各々の軽鎖は、アミノ末端可変ドメイン(V)及びカルボキシ末端定常ドメイン(C)という2つのドメインを有する。Vドメインは、非共有結合的にVドメインと会合し、一方、Cドメインは一般的にCH1ドメインにジスルフィド結合を介して共有結合で連結されている。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間の界面を形成すると考えられている(Chothia et al., 1985, J. Mol. Biol. 186:651-663)。可変ドメインはまた、本明細書において可変領域とも称される。
可変ドメイン内の特定のドメインが、様々な抗体間で大幅に異なり、すなわち「超可変的」である。これらの超可変ドメインは、その特異的な抗原性決定基に対する各々の特定の抗体の結合及び特異性に直接関与している残基を含有している。軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの両方における超可変性は、相補性決定領域(CDR)又は超可変ループ(HVL)として知られる3つのセグメントに集中している。CDRは、Kabat et al., 1991, In: Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.の配列比較によって規定され、一方、HVL(本明細書においてCDRとも称される)は、Chothia and Lesk, 1987, J. Mol. Biol. 196: 901-917に記載のような可変ドメインの3次元構造に従って構造的に規定される。これらの2つの方法では、CDRの同定は僅かに異なる。Kabatによって定義されているように、CDR−L1は、軽鎖可変ドメイン内のおよそ24〜34残基に位置し、CDR−L2はおよそ50〜56残基に位置し、CDR−L3はおよそ89〜97残基に位置し;CDR−H1は、重鎖可変ドメイン内のおよそ31〜35残基に位置し、CDR−H2はおよそ50〜65残基に位置し、CDR−H3はおよそ95〜102残基に位置する。特定のCDRを包含する正確な残基の番号は、CDRの配列及びサイズに依存して変化するだろう。当業者は、抗体の可変領域のアミノ酸配列が与えられれば、どの残基が特定のCDRを含むか慣用的に決定することができる。それ故、重鎖及び軽鎖のCDR1、CDR2、CDR3は、所与の抗体に特異的な独特かつ機能的な特性を規定する。
重鎖及び軽鎖の各々の中にある3つのCDRは、フレームワーク領域(FR)によって隔てられ、このフレームワーク領域はより可変性が低い傾向がある配列を含有している。重鎖及び軽鎖の可変ドメインのアミノ末端からカルボキシ末端にかけて、FR及びCDRは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順に整列している。FRの主にβ−シートの立体配置により、各々の鎖内のCDRが互いに及び他の鎖のCDRと近接する。結果として生じたコンフォメーションは抗原結合部位に寄与するが(Kabat et al., 1991, NIH Publ. No. 91-3242, Vol. I, pages 647-669を参照)、全てのCDR残基が必ずしも抗原との結合に直接関与しているわけではない。
FR残基及びIg定常ドメインは、抗原との結合に直接関与していないが、抗原との結合に寄与する、及び/又は、抗体エフェクター機能を媒介する。いくつかのFR残基は少なくとも3つの方法で抗原との結合に対して有意な効果を及ぼすと考えられている:エピトープに非共有結合的に直接結合することによって、1つ以上のCDR残基と相互作用することによって、及び重鎖と軽鎖との間の界面に影響を及ぼすことによって。定常ドメインは、抗原との結合に直接関与していないが、例えば抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)、補体依存性細胞傷害作用(CDC)及び抗体依存性細胞貪食(ADCP)における抗体の関与のような、様々なIgエフェクター機能を媒介する。
脊椎動物の免疫グロブリンの軽鎖は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)という2つの明確に異なるクラスの中の1つに割り当てられる。これに対して、哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖は、定常ドメインの配列に従って、5つの主要なクラスの中の1つに割り当てられる:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM。IgG及びIgAはさらにサブクラス(アイソタイプ)に分類される、例えばIgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgA。様々なクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、α、δ、ε、γ、及びμとそれぞれ呼ばれる。天然免疫グロブリンのクラスのサブユニット構造及び3次元立体配置は周知である。
「抗体」、「抗IL−23A抗体」、「抗IL−23p19抗体」、「ヒト化抗IL−23A抗体」、「ヒト化抗IL−23p19抗体」、「ヒト化抗IL−23Aエピトープ抗体」、「ヒト化抗IL−2319エピトープ抗体」、「変異ヒト化抗IL−23Aエピトープ抗体」及び「変異ヒト化抗IL−23p19エピトープ抗体」という用語は具体的に、所望の生物学的活性、例えばIL−23Aとの結合を示すモノクローナル抗体(完全長のモノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、及び抗体フラグメント、例えば可変ドメイン、及び抗体の他の部分を包含する。「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、非常に特異的であり、単一の抗原性決定基、すなわち「エピトープ」に対して指向される、抗体を指す。それ故、「モノクローナル」という修飾語は、同一のエピトープに対して指向される抗体を示し、任意の特定の方法による抗体の産生が必要とされると捉えられるものではない。モノクローナル抗体は、例えばハイブリドーマ法(Kohler et al., 1975, Nature 256:495)又は当技術分野において公知である組換えDNA法(例えば米国特許第4,816,567号を参照)、又はClackson et al., 1991, Nature 352: 624-628、及びMarks et al., 1991, J. Mol. Biol. 222: 581-597に記載の技術を使用してファージ抗体ライブラリーを使用して組換え産生されたモノクローナル抗体の単離法をはじめとする、当技術分野において公知である任意の技術又は方法によって作製され得ることが理解されるべきである。
「単量体」という用語は、均一な形態の抗体を指す。例えば、完全長の抗体では、単量体は、2本の同一な重鎖と2本の同一な軽鎖とを有する単量体の抗体を意味する。
キメラ抗体は、ある種(例えば非ヒト哺乳動物、例えばマウス)に由来する抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域と、別の種(例えばヒト)に由来する抗体の重鎖及び軽鎖の定常領域とからなり、そしてこれは、第一の種(例えばマウス)に由来する抗体の可変領域をコードしているDNA配列を、第二の種(例えばヒト)に由来する抗体の定常領域のDNA配列に連結させ、連結させた配列を含有している発現ベクターを用いて宿主を形質転換して、それがキメラ抗体を産生することを可能とすることによって得ることができる。あるいは、キメラ抗体はまた、重鎖及び/又は軽鎖の1つ以上の領域若しくはドメインが、別の免疫グロブリンクラス若しくはアイソタイプ由来の、又は共通配列若しくは生殖系列配列由来のモノクローナル抗体内の対応する配列と同一であるか、相同であるか、又はその変異体であるものであり得る。キメラ抗体は、このような抗体のフラグメントを含んでいてもよい。ただし、該抗体フラグメントは、その親抗体の所望の生物学的活性、例えば同じエピトープへの結合を示す(例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 6851-6855を参照)。
「抗体フラグメント」、「抗IL−23A抗体フラグメント」、「抗IL−23Aエピトープ抗体フラグメント」、「ヒト化抗IL−23A抗体フラグメント」、「ヒト化抗IL−23Aエピトープ抗体フラグメント」、「変異ヒト化抗IL−23Aエピトープ抗体フラグメント」という用語は、完全長の抗IL−23A抗体の一部を指し、可変領域又は機能的能力、例えば特異的なIL−23Aのエピトープへの結合は保持されている。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、scFv、及びscFv−Fcフラグメントが挙げられるがこれらに限定されない。
完全長の抗体を、パパイン又はペプシンなどの酵素で処理することにより、有用な抗体フラグメントを作製することができる。パパインによる消化を使用することにより、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一な抗原結合性の抗体フラグメント(各々は1つの抗原結合部位を有する)と残りの「Fc」フラグメントを生成する。Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常ドメイン及び重鎖のCH1ドメインも含有している。ペプシンによる処理により、2つの抗原結合部位を有するF(ab’)フラグメントが生じ、これは依然として抗原と架橋することができる。
Fab’フラグメントは、CH1ドメインのC末端における抗体ヒンジ領域由来の1つ以上のシステインを含む、追加の残基の存在によってFabフラグメントとは異なる。F(ab’)抗体フラグメントは、ヒンジ領域内のシステイン残基によって連結されたFab’フラグメントの対である。抗体フラグメントの他の化学的結合も公知である。
「Fv」フラグメントは、緊密に非共有結合的に会合した1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとの二量体からなる、完全な抗原認識結合部位を含有している。この立体配置では、各々の可変ドメインの3つのCDRは相互作用して、V−V二量体の表面上の抗原結合部位を規定する。要するに、6つのCDRが、抗体に対して抗原結合特異性を付与する。
「一本鎖Fv」すなわち「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVドメインとVドメインとを含む一本鎖Fv変異体であり、ここでのドメインは、1本のポリペプチド鎖内に存在している。一本鎖Fvは、抗原を認識し結合することができる。scFvポリペプチドはまた場合により、VドメインとVドメインの間に位置するポリペプチドリンカーを含有していてもよく、これによりscFvと抗原との結合のために望ましい3次元構造の形成が促進される(例えば、Pluckthun, 1994, In The Pharmacology of monoclonal Antibodies, Vol. 113, Rosenburg and Moore eds., Springer-Verlag, New York, pp. 269-315を参照)。
「ヒト化抗体」又は「ヒト化抗体フラグメント」は、予め決定された抗原に結合することができ、そしてヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1つ以上のFRと、非ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有する1つ以上のCDRとを含む、免疫グロブリンアミノ酸配列変異体又はそのフラグメントを含む、特殊な種類のキメラ抗体である。「インポート」配列としばしば称されるこの非ヒトアミノ酸配列は、典型的には、「インポート」抗体ドメイン、特に可変ドメインから採用される。一般的には、ヒト化抗体は、ヒト重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインのFR間に挿入された、非ヒト抗体の少なくともCDR又はHVLを含む。本発明は、マウスモノクローナル抗体に由来するCDR、又は、ヒト生殖系列配列の重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインのFR間に挿入された表1及び2に示されるヒト化CDRを含有している、特定のヒト化抗IL−23A抗体を記載する。特定のマウスFR残基が、ヒト化抗体の機能にとって重要である場合があり、それ故、特定のヒト生殖系列配列の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン残基が、対応するマウス配列の残基と同じになるように改変されることが理解されるだろう。
別の態様では、ヒト化抗IL−23A抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメイン(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fabc、及びFvフラグメントに含有されているような)の実質的に全部を含み、ここではCDRの全部又は実質的に全部が、非ヒト免疫グロブリンのCDRに相当し、具体的に本明細書において、CDRの全部が、本明細書の以下の表1及び2に詳述されているようなマウス配列又はヒト化配列であり、FRの全部又は実質的に全部が、ヒト免疫グロブリン共通配列又は生殖系列配列のFRである。別の態様では、ヒト化抗IL−23A抗体はまた、免疫グロブリンFc領域の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれを含む。通常、抗体は、両方の軽鎖、並びに重鎖の少なくとも可変ドメインを含有するだろう。抗体はまた、適宜、重鎖のCH1領域、ヒンジ領域、CH2領域、CH3領域、及び/又はCH4領域の1つ以上を含み得る。
ヒト化抗IL−23A抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含むあらゆるクラスの免疫グロブリン、並びに、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgAを含むあらゆるアイソタイプから選択され得る。例えば、定常ドメインは、補体に結合する定常ドメインであってもよく、この場合ヒト化抗体は、細胞傷害活性を示すことが望まれ、アイソタイプは典型的にはIgGである。このような細胞傷害活性が望ましくない場合には、定常ドメインは別のアイソタイプ、例えばIgGであってもよい。代替的なヒト化抗IL−23A抗体は、1つを超える免疫グロブリンのクラス又はアイソタイプに由来する配列を含み得、所望のエフェクター機能を最適化するために特定の定常ドメインを選択することは、当技術分野の技能範囲内である。具体的な実施態様では、本発明は、IgG1抗体、より特定するとエフェクター機能がノックアウトされているIgG1抗体である抗体を提供する。
ヒト化抗IL−23A抗体のFR及びCDR又はHVLは、親配列に対して正確に対応している必要はない。例えば、インポートCDR若しくはHVL、又は共通配列若しくは生殖系列配列のFR配列における1つ以上の残基を、置換、挿入、又は欠失によって改変(例えば突然変異誘発)させてもよく、これにより生じたアミノ酸残基は、いずれかの親配列の対応する位置の元来の残基とはもはや同一ではないが、該抗体はそれにも関わらずIL−23Aに結合する機能を保持している。このような改変は典型的には大規模ではなく、保存的改変であろう。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも75%、より頻繁には少なくとも90%、最も頻繁には95%超、又は98%超、又は99%超が、親共通配列又は生殖系列配列のFR配列及びインポートCDR配列の残基に相当するだろう。
重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の界面(「V−V界面」)に影響を及ぼす免疫グロブリン残基は、2つの鎖の互いの近接性又は配向に影響を及ぼす残基である。鎖間相互作用に関与する可能性のある特定の残基としては、V残基34、36、38、44、46、87、89、91、96及び98、並びにV残基35、37、39、45、47、91、93、95、100、及び103が挙げられる(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1987)に示される番号付けシステムを利用)。米国特許第6,407,213号はまた、V残基43及び85、並びにV残基43及び60などの残基も、この相互作用に関与している可能性があると考察している。これらの残基は、ヒトIgGについてのみ示されているが、それらは種間で適用可能である。鎖間相互作用に関与することが合理的に考えて予想される重要な抗体残基が、共通配列の置換のために選択される。
「共通配列」及び「共通抗体」という用語は、任意の特定のクラス、アイソタイプ、又はサブユニット構造の全ての免疫グロブリン、例えばヒト免疫グロブリン可変ドメインにおける各々の位置において最も高い頻度で存在するアミノ酸残基を含む、アミノ酸配列を指す。共通配列は、特定の種の又は多くの種の免疫グロブリンに基づき得る。「共通」配列、構造、又は抗体は、特定の実施態様に記載されているような共通ヒト配列を包含すると理解され、任意の特定のクラス、アイソタイプ、又はサブユニット構造の全てのヒト免疫グロブリンにおける各々の位置において最も高い頻度で存在するアミノ酸残基を含む、アミノ酸配列を指す。したがって、共通配列は、1つ以上の公知の免疫グロブリンに存在するアミノ酸を各々の位置において有するアミノ酸配列を含有するが、任意の単一の免疫グロブリンの完全アミノ酸配列を正確に複製していなくてもよい。可変領域の共通配列は、どの天然に生成された抗体又は免疫グロブリン(Kabat et al., 1991, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md.)及びその変異体からも得られない。重鎖及び軽鎖の共通配列のFR、及びその変異体は、ヒト化抗IL−23p19抗体の調製のための有用な配列を提供する。例えば、米国特許第6,037,454号及び第6,054,297号を参照されたい。
ヒト生殖系列配列は、ヒト集団に天然に見られる。そうした生殖系列遺伝子の組合せは、抗体の多様性を生じる。抗体の軽鎖についての生殖系列抗体配列は、保存されたヒト生殖系列κ又はλv−遺伝子及びj−遺伝子に由来する。同様に、重鎖配列は、生殖系列v−、d−及びj−遺伝子に由来する(LeFranc, M-P, and LeFranc, G, “The Immunoglobulin Facts Book” Academic Press, 2001)。
本明細書において使用する「変異体」、「抗IL−23A変異体」、「ヒト化抗IL−23A変異体」、又は「変異ヒト化抗IL−23A」は各々、少なくとも表1に示されているような配列のいずれかに由来する軽鎖可変マウスCDR、又は、表2に示されているようなマウスモノクローナル抗体に由来する重鎖マウスCDR配列を有する、ヒト化抗IL−23A抗体を指す。変異体としては、一方又は両方の軽鎖又は重鎖の可変ドメインに1つ以上のアミノ酸変化を有する変異体が挙げられ、ただし、アミノ酸変化は、IL−23Aへの抗体の結合を実質的に損なわない。本明細書において生成された例示的な抗体としては、抗体A、抗体B、抗体C、及び抗体Dとして称されるものが挙げられ、その様々な軽鎖及び重鎖が配列番号18及び21、並びに配列番号19及び20にそれぞれ示されている。
「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定及び分離及び/又は回収されたものである。抗体の天然環境の混入成分は、抗体の診断用途又は治療用途に干渉する可能性のある材料であり、これは酵素、ホルモン、又は他のタンパク質性若しくは非タンパク質性溶質であり得る。1つの態様では、該抗体は、抗体の重量に対して少なくとも95%超まで単離されて精製されるだろう。
単離された抗体としては、それが産生された組換え細胞内のインサイチュでの抗体が挙げられる。なぜなら、抗体の天然環境の少なくとも1つの成分さえ存在しないであろうからである。しかしながら、通常、単離された抗体は、組換え細胞性材料が除去されるような少なくとも1回の精製工程によって調製されるだろう。
「抗体の性能」という用語は、抗体による抗原の認識又は抗体のインビボでの効力に寄与する因子を指す。抗体のアミノ酸配列の変化は、折り畳みなどの抗体の特性に影響を及ぼし得、抗原に抗体が結合する初期速度(k)、抗原からの抗体の解離定数(k)、抗原に対する抗体の親和性定数(Kd)、抗体のコンフォメーション、タンパク質の安定性、及び抗体の半減期などの、物理的因子に影響を及ぼし得る。
本明細書において使用する「エピトープでタグ化された」という用語は、「エピトープタグ」に融合させた抗IL−23A抗体を指す。「エピトープタグ」は、抗体産生のためのエピトープを提供するに十分な数のアミノ酸を有するポリペプチドであるが、それが、抗IL−23A抗体の所望の活性に干渉しないように設計されている。エピトープタグは通常、十分に独特であるので、エピトープタグに対して生じた抗体は、実質的に他のエピトープと交差反応しない。適切なタグポリペプチドは一般的に、少なくとも6個のアミノ酸残基を含有し、通常、約8〜50個のアミノ酸残基、又は約9〜30個の残基を含有している。エピトープタグ及び該エピトープに結合する抗体の例としては、flu HAタグポリペプチド及びその抗体である12CA5(Field et al., 1988 Mol. Cell. Biol. 8: 2159-2165);c−mycタグ及びその8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体(Evan et al., 1985, Mol. Cell. Biol. 5(12):3610-3616);及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体(Paborsky et al. 1990, Protein Engineering 3(6): 547-553)が挙げられる。特定の実施態様では、エピトープタグは、「サルベージ受容体に結合するエピトープ」である。本明細書において使用する「サルベージ受容体に結合するエピトープ」という用語は、IgG分子のインビボでの血清中半減期を延長させることに関与する、IgG分子(例えば、IgG、IgG、IgG、又はIgG)のFc領域のエピトープを指す。
診断上並びに治療上のモニタリングのために、本発明の抗体をまた、標識に、すなわち標識のみに又は標識と追加の第二の薬剤(プロドラッグ、化学療法剤など)のいずれかにコンジュゲートさせてもよい。他の第二の薬剤から区別されるような標識は、検出可能な化合物又は組成物である物質を指し、それを、本発明の抗体に直接又は間接的にコンジュゲートさせ得る。標識はそれ自体検出可能であっても(例えば放射性同位体標識又は蛍光標識)、又は、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的変化を触媒してもよい。標識された抗IL−23A抗体を調製し、インビトロ及びインビボでの診断を含む様々な適用に使用することができる。
本発明の様々な態様において、抗体の1つ以上のドメインは組換え発現されるだろう。このような組換え発現は、1つ以上の制御配列、すなわち、特定の宿主生物における作動可能に連結されたコード配列の発現に必要とされるポリヌクレオチド配列を使用し得る。原核細胞において使用するのに適した制御配列としては、例えば、プロモーター、オペレーター、及びリボソーム結合部位の配列が挙げられる。真核細胞の制御配列としては、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーが挙げられるがこれらに限定されない。これらの制御配列は、原核宿主細胞及び真核宿主細胞における抗IL−23A抗体の発現及び産生のために使用され得る。
核酸配列は、それが別の核酸配列と機能的関係に配置されている場合に「作動可能に連結」されている。例えば、核酸プレ配列又は分泌リーダーは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現されるならば、ポリペプチドをコードしている核酸に作動可能に連結されており;プロモーター又はエンハンサーは、それが配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作動可能に連結されており;又は、リボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように位置しているならば、コード配列に作動可能に連結されている。一般的に、「作動可能に連結される」は、連結されているDNA配列が連続的であり、分泌リーダーの場合には、連続的かつリーディングフレーム内にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、場合により近接している。連結は、好都合な制限酵素部位におけるライゲーションによって達成され得る。このような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーを使用していてもよい。
本明細書において使用する「細胞」、「細胞株」及び「細胞培養液」という表現は同義語として使用され、全てのこのような名称はその子孫を含む。したがって、「形質転換体」及び「形質転換細胞」は、初代の対象細胞、及び継代数に関係なくそれから得られた培養液を含む。
処置の目的のための「哺乳動物」という用語は、ヒト、飼い慣らされた動物及び家畜、並びに動物園用、スポーツ用、又はペット用の動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどをはじめとする哺乳動物として分類される任意の動物を指す。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
本明細書において使用する「障害」は、本明細書に記載された抗IL−23A抗体を用いての処置から恩恵を受けるであろう任意の容態である。これは、慢性及び急性の障害又は疾患、例えば、問題となっている障害に哺乳動物を罹りやすくさせる病状を含む。
本明細書において使用する「IL−23に関連した障害」又は「IL−23に関連した疾患」という用語は、IL−23の活性が疾患の原因となり、典型的にはIL−23が異常に発現されている、容態を指す。IL−23に関連した障害は、免疫系の疾患及び障害、例えば、自己免疫障害及び炎症障害を含む。このような容態としては、乾癬、炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎又はクローン病、及び脊椎関節炎、例えば強直性脊椎炎、X線所見が認められない軸性脊椎関節炎、末梢性脊椎関節炎、又は乾癬性関節炎が挙げられる。
「静脈内注入」という用語は、約15分間を超える時間をかけての、一般的には約30〜90分間かけての、動物又はヒト患者の静脈への薬剤の導入を指す。
「静脈内ボーラス」又は「静脈内プッシュ」という用語は、生体が約15分間以内、一般的には5分間以内に薬物を受けるような、動物又はヒトの静脈への薬物の投与を指す。
「皮下投与」という用語は、動物又はヒト患者の皮膚下への、好ましくは皮膚と根底にある組織との間のポケット内への、薬物貯蔵器からの比較的緩徐で持続的な送達による、薬剤の導入を指す。皮膚をつまむか、又は皮膚を引き上げて根底にある組織から引き離すことにより、ポケットが作られ得る。
「皮下注入」という用語は、30分以内、又は90分以内を含むがそれに限定されない時間をかけての、動物又はヒト患者の皮膚下への、好ましくは皮膚と根底にある組織との間のポケット内への、薬物貯蔵器からの比較的緩徐で持続的な送達による、薬物の導入を指す。場合により、注入は、動物又はヒト患者の皮膚下に埋め込まれた薬物送達ポンプの皮下埋め込みによって行なわれ得、ここでポンプは、予め決定された時間をかけて、例えば30分間、90分間、又は処置計画の長さにおよぶ時間をかけて、予め決定された量の薬物を送達する。
「皮下ボーラス」という用語は、動物又はヒト患者の皮膚下への薬物の投与を指し、ここでボーラス薬物送達は、約15分以内であり;別の態様では、5分以内であり、さらに別の態様では、60秒以内である。またさらなる別の態様では、投与は、皮膚と根底にある組織との間のポケット内であり、ここでポケットは、皮膚をつまむか又は皮膚を引き上げて根底の組織から引き離すことによって作られ得る。
「治療有効量」という用語は、処置される障害の1つ以上の症状を緩和又は寛解する活性物質の量を指すために使用される。別の態様では、治療有効量は、疾患の進行を緩徐化させる上で効果的であることが示された標的の血清中濃度を指す。効力は、処置しようとする容態に依存して、慣用的な方法で測定され得る。
本明細書において使用する「処置」及び「療法」などという用語は、1つ以上の症状の軽減又は緩和、疾患若しくは障害の後退、緩徐化、又は休止を含むがこれらに限定されない、あらゆる臨床的に望ましいか又は有益な効果をもたらす、疾患又は障害についての治療的措置並びに予防的又は抑制的措置を含むことを意味する。したがって、例えば、処置という用語は、疾患又は障害の症状の発症前又は発症後の薬剤の投与を含み、これにより、疾患又は障害の1つ以上の兆候が予防又は除去される。別の例として、この用語は、疾患の臨床徴候後に薬剤を投与することにより、疾患の症状と戦うことを含む。さらに、発症後及び臨床症状が発生した後の薬剤の投与は(ここで、投与は、処置により疾患の寛解がもたらされるか否かに関係なく、疾患又は障害の臨床パラメーター、例えば組織損傷度、又は転移の量若しくは程度に影響を及ぼす)、本明細書において使用する「処置」又は「療法」を含む。さらに、単独での又は別の治療剤と組み合わせた本発明の組成物が、抗IL−23A抗体組成物を使用しない場合の症状と比較して、処置される障害の少なくとも1つの症状を軽減又は寛解する限り、結果は、障害の全ての症状が軽減されるか否かに関係なく、根底にある障害の効果的な処置であると判断されるべきである。
「添付文書」という用語は、適応症、使用法、投与法、禁忌、及び/又はこのような治療用製品の使用に関する警告に関する情報を含有している、治療用製品の商業包装に慣例上含まれる説明書を指すために使用される。
抗体
本発明の状況において使用される選択された抗体のCDRを表1及び2に示す。本発明の状況において使用される選択された抗体の可変領域を表3及び4に示す。
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マウス抗体6B8から得られたヒト化軽鎖可変領域及び重鎖可変領域の選択された組合せにより、抗体A、B、C及びDが得られた:
抗体A:IgΚ−66を有する6B8−IgG1KO−2(重鎖可変領域6B8CVH−02及び軽鎖可変領域6B8CVK−66);
抗体B;IgΚ−66を有する6B8−IgG1KO−5(重鎖可変領域6B8CVH−05及び軽鎖可変領域6B8CVK−66);
抗体C:IgΚ−65を有する6B8−IgG1KO−2(重鎖可変領域6B8CVH−02及び軽鎖可変領域6B8CVK−65);
抗体D:IgΚ−65を有する6B8−IgG1KO−5(重鎖可変領域6B8CVH−05及び軽鎖可変領域6B8CVK−65)。
抗体A、B、C及びDは、表5に示される重鎖及び軽鎖の配列を有する。
Figure 0006668461

Figure 0006668461
上記の表5における抗体A、B、C及びDの軽鎖及び重鎖の可変領域に下線が付されている。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18の軽鎖配列及び配列番号19の重鎖配列を含む。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は配列番号18の軽鎖配列及び配列番号20の重鎖配列を含む。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は配列番号21の軽鎖配列及び配列番号19の重鎖配列を含む。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は配列番号21の軽鎖配列及び配列番号20の重鎖配列を含む。
1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18の軽鎖配列及び配列番号19の重鎖配列からなる。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号18の軽鎖配列及び配列番号20の重鎖配列からなる。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号21の軽鎖配列及び配列番号19の重鎖配列からなる。1つの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号21の軽鎖配列及び配列番号20の重鎖配列からなる。
さらなる実施態様では、抗IL−23A抗体は、ヒトIL−23Aの、配列番号22のアミノ酸残基108〜126及びアミノ酸残基137〜151からなるエピトープに結合する。
さらなる実施態様では、抗IL−23A抗体は、本発明の抗体、例えば本明細書に記載された抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dと競合的に、ヒトIL−23Aに結合する。IL−23Aに対する抗体の競合的結合能は、当技術分野において公知である競合的結合アッセイを使用して測定することができる。
いくつかの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号10、11、12又は13に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含む。いくつかの実施態様では、抗IL−23A抗体は、配列番号14、15、16又は17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列を含む(上記の表3及び4参照)。これらの抗体のCDR配列を表1及び2に示す。例えば、抗IL−23A抗体は、配列番号11/14、11/15、10/14又は10/15の軽鎖可変領域と重鎖可変領域の組合せを有するモノクローナル抗体である。このような可変領域を、ヒト定常領域と組み合わせてもよい。
ポリヌクレオチド、ベクター、宿主細胞、及び組換え法
他の実施態様は、抗IL−23A抗体をコードしている配列を含む単離されたポリヌクレオチド、ベクター、及び該ポリヌクレオチドを含む宿主細胞、並びに、ヒト化抗体の産生のための組換え技術を包含する。単離されたポリヌクレオチドは、例えば、完全長のモノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFvフラグメントをはじめとする、任意の所望の形態の抗IL−23A抗体をコードすることができる。
抗IL−23A抗体をコードしている配列を含むポリヌクレオチド(群)を、当技術分野において公知であるような1つ以上の調節配列又は制御配列に融合させることができ、またこれを当技術分野において公知であるような適切な発現ベクター又は宿主細胞に含有させることができる。重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインをコードしている各ポリヌクレオチド分子を、独立して、ヒト定常ドメインなどの定常ドメインをコードしているポリヌクレオチド配列に融合させることができ、これによりインタクトな抗体の生成が可能となる。あるいは、ポリヌクレオチド又はその一部を互いに融合させることができ、これにより、一本鎖抗体の生成のための鋳型がもたらされる。
組換え産生のために、抗体をコードしているポリヌクレオチドを、クローニング用(DNAの増幅)又は発現用の複製可能なベクターに挿入する。組換え抗体を発現させるための多くの適切なベクターが入手可能である。ベクター成分は一般的に、以下の1つ以上を含むがこれらに限定されない:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサー配列、プロモーター、及び転写終結配列。
抗IL−23A抗体はまた融合ポリペプチドとして生成されてもよく、ここでは該抗体は、シグナル配列などの異種ポリペプチド、又は成熟タンパク質若しくはポリペプチドのアミノ末端に特異的な切断部位を有する他のポリペプチドと融合している。選択された異種シグナル配列は典型的には、宿主細胞によって認識されプロセシング(すなわちシグナルペプチダーゼによって切断)されるものである。抗IL−23A抗体シグナル配列を認識しプロセシングしない原核宿主細胞では、シグナル配列を、原核生物のシグナル配列によって置換してもよい。シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、リポタンパク質、熱安定性エンテロトキシンIIリーダーなどであり得る。酵母での分泌のために、天然シグナル配列を、例えば、酵母インベルターゼα因子(サッカロマイセス(Saccharomyces)及びクルイベロマイセス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含む)、酸性ホスファターゼ、C.アルビカンス(C. albicans)・グルコアミラーゼ、又は国際公開公報第90/13646号に記載のシグナルから得られたリーダー配列で置換してもよい。哺乳動物細胞では、哺乳動物シグナル配列、並びにウイルス分泌リーダー、例えば単純ヘルペスgDシグナルを使用してもよい。このような前駆領域についてのDNAを、抗IL−23A抗体をコードしているDNAにリーディングフレーム内でライゲートする。
発現ベクター及びクローニングベクターは、1つ以上の選択された宿主細胞においてベクターが複製することを可能とする核酸配列を含有している。一般的には、クローニングベクター内におけるこの配列は、ベクターが宿主染色体DNAとは独立して複製することを可能とするものであり、これは複製起点又は自律複製配列を含む。様々な細菌、酵母、及びウイルスについてのこのような配列は周知である。プラスミドpBR322由来の複製起点は大半のグラム陰性細菌にとって適切であり、2−ユプシロン プラスミド起点は酵母に適切であり、様々なウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、及びBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターにとって有用である。一般的に、複製起点の成分は、哺乳動物発現ベクターには必要とされない(SV40起点が典型的には使用され得る。なぜなら、それは初期プロモーターを含有しているからである)。
発現ベクター及びクローニングベクターは、発現の同定を容易にする選択マーカーをコードする遺伝子を含有していてもよい。典型的な選択マーカー遺伝子は、抗生物質又は他の毒素に対する耐性を付与するタンパク質、例えばアンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、又はテトラサイクリンをコードするか、又は代替的には補完的な栄養要求性欠乏症であるか、又は他の代替選択肢では、複合培地に存在しない特定の栄養分を供給する、例えば桿菌のためのD−アラニンラセミ化酵素をコードしている遺伝子である。
選択スキームの一例は、宿主細胞の増殖を停止する薬物を利用する。異種遺伝子を用いて成功裡に形質転換された細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を産生し、よって選択計画を生き延びる。このような優性選択の例は、薬物のネオマイシン、ミコフェノール酸、及びハイグロマイシンを使用する。哺乳動物細胞のための一般的な選択マーカーは、抗IL−23A抗体をコードしている核酸を取り入れる能力のある細胞の同定を可能とするもの、例えばDHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン−I及び−II(例えば霊長類のメタロチオネイン遺伝子)、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどである。DHFR選択遺伝子を用いて形質転換された細胞をまず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキサート(Mtx)を含有する培養培地中で全ての形質転換体を培養することによって同定する。野生型DHFRを使用する場合の適切な宿主細胞は、DHFR活性の欠損したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(例えばDG44)である。
あるいは、抗IL−23A抗体、野生型DHFRタンパク質、及び別の選択マーカー、例えばアミノグリコシド3’−ホスホトランスフェラーゼ(APH)をコードしているDNA配列を用いて形質転換された又は同時形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含有する野生型宿主)を、選択マーカーのための選択物質、例えばアミノグリコシド抗生物質、例えばカナマイシン、ネオマイシン、又はG418を含有している培地中での細胞増殖によって選択することができる。例えば、米国特許第4,965,199号を参照されたい。
組換え産生を、宿主細胞としての酵母細胞において行なう場合、酵母プラスミドYRp7に存在するTRP1遺伝子(Stinchcomb et al., 1979, Nature 282: 39)を、選択マーカーとして使用することができる。TRP1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能力を欠失している酵母の突然変異株、例えばATCC番号44076又はPEP4−1のための選択マーカーを提供する(Jones, 1977, Genetics 85:12)。よって、酵母宿主細胞ゲノム内のtrp1欠失の存在は、トリプトファンの非存在下での増殖によって、形質転換を検出するために有効な環境を提供する。同様に、Leu2p欠損酵母株、例えばATCC20,622及び38,626は、LEU2遺伝子を有する公知のプラスミドによって補完される。
さらに、1.6μmの環状プラスミドpKD1に由来するベクターを、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)酵母の形質転換のために使用することができる。あるいは、組換え仔ウシキモシンの大規模産生のための発現系がK.ラクティス(K. lactis)において報告された(Van den Berg, 1990, Bio/Technology 8:135)。クリベロマイセスの工業生産株による成熟組換えヒト血清アルブミンの分泌のための安定な多コピー発現ベクターも開示されている(Fleer et al., 1991, Bio/Technology 9:968-975)。
発現ベクター及びクローニングベクターは通常、宿主生物によって認識されかつ抗IL−23p19抗体又はそのポリペプチド鎖をコードしている核酸分子に作動可能に連結されている、プロモーターを含有している。原核生物宿主と共に使用するのに適したプロモーターとしては、phoAプロモーター、β−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーターが挙げられる。他の公知の細菌プロモーターも適している。細菌系に使用するためのプロモーターはまた、抗IL−23A抗体をコードしているDNAに作動可能に連結されたシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列も含有しているだろう。
多くの真核生物プロモーター配列が公知である。実質的に全ての真核生物遺伝子が、転写が開始される部位から約25〜30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写開始から70〜80塩基上流に見られる別の配列はCNCAAT領域であり、そこではNはどのようなヌクレオチドでもよい。大半の真核生物遺伝子の3’末端には、コード配列の3’末端へのポリAテイルの付加のためのシグナルである可能性があるAATAAA配列がある。これらの全ての配列は、真核生物発現ベクターに適切に挿入される。
酵母宿主と共に使用するのに適したプロモーター配列の例としては、3−ホスホグリセリン酸キナーゼ又は他の解糖酵素、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼのプロモーターが挙げられる。
誘導性プロモーターは、増殖条件によって制御される転写というさらなる利点を有する。これらは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロムC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝に関連した派生酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用に関与する酵素についての酵母プロモーター領域を含む。酵母における発現に使用するのに適したベクター及びプロモーターはさらに、欧州特許第73,657号に記載されている。酵母エンハンサーはまた、有利には酵母プロモーターと共に使用される。
哺乳動物宿主細胞内のベクターからの抗IL−23A抗体の転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えばアデノウイルス2型)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びシミアンウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから得られたプロモーターによって、異種哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーターによって、又は熱ショックプロモーターによって制御される。ただし、このようなプロモーターは宿主細胞系と適合性である。
SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは簡便には、SV40ウイルス複製起点も含有するSV40制限酵素フラグメントとして得られる。ヒトサイトメガロウイルスの最初期プロモーターは簡便には、HindIII E制限酵素フラグメントとして得られる。ベクターとしてウシパピローマウイルスを使用して哺乳動物宿主においてDNAを発現させるための系は、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の改変が、米国特許第4,601,978号に記載されている。また、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下にあるマウス細胞内のヒトp−インターフェロンcDNAの発現を開示している、Reyes et al., 1982, Nature 297:598-601も参照されたい。あるいは、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復配列をプロモーターとして使用してもよい。
組換え発現ベクターに使用され得る別の有用な配列は、高等な真核生物により抗IL−23A抗体をコードしているDNAの転写を増加させるために使用される、エンハンサー配列である。哺乳動物遺伝子(例えばグロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテイン、及びインスリン)に由来する多くのエンハンサー配列が現在公知である。しかしながら、典型的には、真核細胞ウイルスに由来するエンハンサーが使用される。例としては、複製起点の後期側上のSV40エンハンサー(bp100〜270)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。また、真核生物プロモーターの活性化のためのエンハンサー配列の記載についてYaniv, 1982, Nature 297:17-18を参照されたい。エンハンサーは、抗IL−23A抗体をコードする配列の5’位又は3’位でベクターにスプライスされ得るが、好ましくはプロモーターに対して5’の部位に位置する。
真核宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に使用される発現ベクターはまた、転写終結のために必要とされる及びmRNAの安定化のために必要とされる配列も含有していてもよい。このような配列は、一般的に、真核生物又はウイルスのDNA又はcDNAの5’及び場合により3’非翻訳領域から入手できる。これらの領域は、抗IL−23A抗体をコードしているmRNAの非翻訳部分内にポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドセグメントを含有している。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開公報第94/11026号及びそこに開示されている発現ベクターを参照されたい。いくつかの実施態様では、ヒト化抗IL−23p19抗体は、CHEF系を使用して発現させ得る(例えば、米国特許第5,888,809号を参照されたい;その開示は参照により本明細書に組み入れられる)。
本明細書においてベクター内のDNAをクローニング又は発現させるのに適した宿主細胞は、上記の原核細胞、酵母細胞、又はより高等な真核細胞である。この目的のために適した原核細胞としては、真正細菌、例えばグラム陰性菌又はグラム陽性菌、例えば腸内細菌科、例えば大腸菌類、例えば大腸菌(E.coli)、エンテロバクター菌、エルウィニア菌、クレブシエラ菌、プロテウス菌、サルモネラ菌、例えばサルモネラ・チフィリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア菌、例えばセラチア・マルセセンス(Serratia marcescans)、及び赤痢菌、並びに、桿菌、例えば枯草菌及びバチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)(例えば1989年4月12日に公開されたDD266,710号に開示されたB.リケニフォルミス41P)、シュードモナス菌、例えば緑膿菌、及びストレプトマイセス菌が挙げられる。1つの好ましいE.coliクローニング宿主はE.coli294(ATCC 31,446)であるが、E.coli B、E.coli X1776(ATCC 31,537)及びE.coli W3110(ATCC 27,325)などの他の株も適している。これらの例は、制限するものではなくむしろ例である。
原核生物の他に、糸状菌又は酵母などの真核微生物も、抗IL−23A抗体をコードしているベクターに適したクローニング用宿主又は発現用宿主である。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)又は一般的なパン酵母が、より下等な真核宿主微生物の中で最も一般的に使用されている。しかしながら、多くの他の属、種、及び株が一般的に入手可能であり、かつ本明細書において有用であり、例えば分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe);クリベロマイセス(Kluyveromyces)宿主、例えばK.ラクティス(K. lactis)、K.フラジリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、K.ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、K.ウィッカーラミ(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、K.ワルティイ(K. waltii)(ATCC 56,500)、K.ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906)、K.サーモトレランス(K. thermotolerans)、及びK.マルキシアヌス(K. marxianus);ヤロウィア属(yarrowia)(欧州特許第402,226号);ピキア・パストリス(Pichia pastors)(欧州特許第183,070号);カンジダ;トリコデルマ・レーシア(Trichoderma reesia)(欧州特許第244,234号);アカパンカビ(Neurospora crassa);シュワンニオマイセス(Schwanniomyces)、例えばシュワンニオマイセス・オシデンタリス(Schwanniomyces occidentalis);及び糸状菌、例えばニュースポラ(Neurospora)、アオカビ類(Penicillium)、トリポクラディウム(Tolypocladium)、及びアスペルギルス(Aspergillus)宿主、例えばA.ニデュランス(A. nidulans)及びクロコウジカビ(A. niger)である。
グリコシル化抗IL−23A抗体の発現に適した宿主細胞は、多細胞生物から得られる。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞及び昆虫細胞、例えば数多くのバキュロウイルス株及び変異株、並びにヨトウガ(Spodoptera frugiperda)(イモムシ)、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)(蚊)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)(蚊)、キイロショウジョウバエ(ショウジョウバエ)、及びボムビークス・モリー(Bombyx mori)(カイコ)などの宿主からの対応する許容される昆虫宿主細胞が挙げられる。例えばアウトグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)NPVのL−1変異体及びボムビークス・モリー(Bombyx mori)NPVのBm−5株などの、トランスフェクション用の様々なウイルス株が公共的に入手可能であり、このようなウイルスを、特にヨトウガ細胞のトランスフェクションのために使用し得る。
綿、コーン、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコの植物細胞培養液もまた宿主として使用することができる。
別の態様では、抗IL−23A抗体の発現は、脊椎動物細胞内で行なわれる。培養液(組織培養液)中の脊椎動物細胞の増殖は慣用的な手順となっており、技術は広く利用可能である。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養液中での増殖のためにサブクローニングされた293細胞(Graham et al., 1977, J. Gen Virol. 36: 59))、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR1(CHO、Urlaub et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 4216;例えばDG44)、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, 1980, Biol. Reprod. 23:243-251)、サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC CRL−1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(HepG2、HB8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL 51)、TR1細胞(Mather et al., 1982, Annals N.Y. Acad. Sci. 383: 44-68)、MRC5細胞、FS4細胞、及びヒト肝細胞腫株(HepG2)である。
宿主細胞を、抗IL−23A抗体産生のための上記の発現ベクター又はクローニングベクターを用いて形質転換し、そして、プロモーターを誘導するために、形質転換体を選択するために、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅させるために適宜改変された慣用的な栄養培地中で培養する。
本明細書に記載の抗IL−23A抗体を産生するために使用された宿主細胞は、様々な培地中で培養され得る。市販の培地、例えばHamのF10(Sigma-Aldrich Co.、セントルイス、ミズーリ州)、最小必須培地((MEM)、(Sigma-Aldrich Co.)、RPMI−1640(Sigma-Aldrich Co.)、及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma-Aldrich Co.)が、宿主細胞を培養するのに適している。さらに、Ham et al., 1979, Meth. Enz. 58: 44, Barnes et al., 1980, Anal. Biochem. 102: 255、米国特許第4,767,704号、米国特許第4,657,866号、米国特許第4,927,762号、米国特許第4,560,655号、米国特許第5,122,469号、国際公開公報第90/103430号、及び国際公開公報第87/00195号の1つ以上に記載された培地のいずれかを、宿主細胞のための培養培地として使用し得る。これらの培地のいずれかに、必要であれば、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子)、塩(例えば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩)、緩衝液(例えばHEPES)、ヌクレオチド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えばゲンタマイシン)、微量元素(マイクロモルの範囲の最終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、及びブドウ糖又は等価なエネルギー源を補充し得る。他の補助物質も、当業者には公知であろう適切な濃度で含まれていてもよい。培養条件、例えば温度、pHなどは、発現のために選択された宿主細胞と共に以前に使用されたものであり、当業者には明らかであろう。
組換え技術を使用する場合、抗体は、細胞内の細胞膜周辺腔で産生されても、又は培地中に直接分泌されてもよい。抗体が細胞内で産生される場合、第一工程として細胞を破壊してタンパク質を放出させ得る。宿主細胞又は溶解したフラグメントのいずれかの粒子状破片物を、例えば、遠心分離又は限外ろ過によって除去することができる。Carter et al., 1992, Bio/Technology 10:163-167は、E.coliの細胞膜周辺腔に分泌された抗体を単離するための手順を記載している。
簡潔に言えば、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、及びフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)の存在下で約30分間かけて解凍する。細胞破片物を、遠心分離によって除去することができる。抗体が培地に分泌される場合、このような発現系からの上清を、一般的にまず、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばアミコン又はミリポアペリコン限外ろ過装置を使用して濃縮する。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤を、前記の工程のいずれかに含めることにより、タンパク質の分解を抑制することができ、そして抗生物質を含めることにより外来性の混入物の増殖を防ぐことができる。様々な方法を使用して、宿主細胞から抗体を単離することができる。
細胞から調製された抗体組成物を、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製することができ、アフィニティクロマトグラフィーが典型的な精製技術である。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの適切性は、抗体に存在するあらゆる免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAを使用して、ヒトγ1、γ2、又はγ4重鎖に基づいた抗体を精製することができる(例えば、Lindmark et al., 1983 J. Immunol. Meth. 62:1-13参照)。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトγ3に推奨される(例えば、Guss et al., 1986 EMBO J. 5:1567-1575参照)。アフィニティリガンドが付着するマトリックスは、アガロースであることが最も多いが、他のマトリックスも利用可能である。力学的に安定なマトリックス、例えば制御された細孔ガラス又はポリ(スチレンジビニル)ベンゼンは、アガロースを用いて達成され得るより迅速な流速及びより短い処理時間を可能とする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J. T. Baker、フィリップスバーグ、ニュージャージー州)が精製のために有用である。タンパク質精製のための他の技術、例えばイオン交換カラム上での分画、エタノールによる沈降、逆相HPLC、シリカクロマトグラフィー、ヘパリンセファロース(商標)クロマトグラフィー上での、陰イオン又は陽イオン交換樹脂上での(例えばポリアスパラギン酸カラム)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS−PAGE、及び硫酸アンモニウム沈降法もまた、回収しようとする抗体に依存して利用可能である。
任意の予備精製工程(群)の後に、関心対象の抗体と混入物とを含む混合物を、典型的には低塩濃度(例えば約0〜0.25Mの塩)で行なわれる、pH約2.5〜4.5の溶出緩衝液を使用した、低いpHでの疎水性相互作用クロマトグラフィーにかけ得る。
治療用途
別の実施態様では、本明細書において開示された抗IL−23A抗体は、本明細書に記載されているようなIL−23p19の発現に関連した様々な障害の処置に有用である。1つの態様では、IL−23に関連した障害を処置するための方法は、治療有効量の抗IL−23A抗体をそれを必要とする被験者に投与する工程を含む。
抗IL−23A抗体は、非経口、皮下、腹腔内、肺内、及び鼻腔内、並びに局所的な免疫抑制処置を所望の場合には病巣内投与(灌流するか、又はさもなくば移植前に移植片を抗体と接触させることを含む)をはじめとする任意の適切な手段によって投与される。抗IL−23A抗体又は薬剤は、例えば、注入として又はボーラスとして投与され得る。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与を含む。さらに、抗IL−23A抗体は適切には、特に漸減している投与量の抗体を用いてのパルス注入によって投与される。1つの態様では、投薬は、一部には投与が短時間であるか又は慢性であるかに依存して、注射によって、最も好ましくは静脈内又は皮下注射によって行なわれる。1つの態様では、抗IL−23抗体の投薬は皮下注射によって投与される。
疾患の予防又は治療のために、抗体の適切な投与量は、上記に定義されているような処置しようとする疾患の種類、疾患の重度及び経緯、該抗体が予防目的で投与されるか又は治療目的で投与されるか、以前の療法、患者の臨床履歴、並びに該抗体に対する応答、並びに担当医師の慎重さなどの様々な要因に依存するだろう。該抗体は、一度に又は一連の処置にわたり患者に適切に投与される。
「抑制」という用語は、「寛解」及び「軽減」と同じ内容で本明細書において使用され、疾患の1つ以上の特徴の減少を意味する。
前記抗体は、良い医療行為にかなっている様式で製剤化され、秤量され、投与される。この文脈において考えられる因子としては、処置される具体的な障害、処置される具体的な哺乳動物、個々の患者の臨床容態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与法、投与計画、及び医療従事者には公知である他の因子が挙げられる。投与しようとする抗体の「治療有効量」はこのような配慮によって左右されるだろう。
前記抗体は、問題の障害を予防又は治療するために現在使用されている1つ以上の薬剤と共に場合により製剤化されてもよい。このような他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗IL−23A抗体の量、障害又は処置の種類、及び上記に考察された他の因子に依存する。
IL−23に関連した障害
抗IL−23p19抗体又は薬剤は、IL−23の異常な発現によって、例えば免疫細胞(例えばリンパ球又は樹状細胞)の不適切な活性化によって特徴付けられる免疫学的障害を治療又は予防するのに有用である。このような異常なIL−23の発現は、例えば、上昇したIL−23タンパク質レベルに起因する可能性がある。
免疫細胞の不適切な活性化によって特徴付けられ、そして本明細書に記載の方法によって治療又は予防することのできる免疫学的疾患は、例えば、該障害の根底にある過敏症反応(群)の種類(群)によって分類され得る。これらの反応は、典型的には、4つの種類に分類される:アナフィラキシー反応、細胞傷害性(細胞溶解性)反応、免疫複合体反応、又は細胞性免疫(CMI)反応(遅延型過敏症(DTH)反応とも呼ばれる)。(例えば、Fundamental Immunology (William E. Paul ed., Raven Press, N.Y., 3rd ed. 1993)参照)。免疫学的疾患としては、炎症疾患及び自己免疫疾患が挙げられる。
免疫学的疾患の例としては、以下が挙げられる:乾癬、炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎又はクローン病、及び脊椎関節炎、例えば強直性関節炎、X線所見が認められない軸性脊椎関節炎、末梢性脊椎関節炎、又は乾癬性関節炎。
1つの態様では、本発明の脈絡において、免疫学的疾患はクローン病、例えば中等症から重症の活動性クローン病である。1つの態様では、本発明の脈絡において、患者は未処置であるか又は抗TNF療法を用いて以前に処置されている。1つの態様では、本発明の方法の脈絡において、患者は、1個、2個、3個又はそれ以上のTNFアンタゴニスト(群)を用いて以前に処置されている。1つの実施態様では、患者は、TNFアンタゴニストに対して不適切な応答を示したか、応答がなかったか、又は不耐容性であった患者である。1つの態様では、本発明の方法によって処置される患者は、220〜450のCDAIスコアを有する。
クローン病の疾患の重症度は、例えば、クローン病活動指数(CDAI)を使用して測定される。CDAIは、クローン病患者の症状を定量するために使用される総合スコアである。1つの態様では、指数は、予め規定された重み係数(以下の表Bを参照)について調整した後、8つの係数を足したものからなる。CDAIスコアの範囲は0〜600である。150及びそれ以下の指数値は無活動の疾患に関連し;150を上回る数値は活動性疾患に関連し、450を上回る数値は、極めて重症な疾患に見られる。
Figure 0006668461
粘膜レベルでは、疾患の程度は、例えば、大腸内視鏡後にクローン病の内視鏡検査的な重症度の指数(CDEIS)により等級付けられる。1つの態様では、CDEISは検証済の採点システムであり、これによると6つの内視鏡的変数(深部潰瘍の存在、表層性潰瘍の存在、潰瘍を形成していない狭窄の存在、潰瘍を形成した狭窄の存在、潰瘍表面の比率、及び疾患に冒された表面の比率)が、5つの部位(直腸、シグモイド左結腸、横行結腸、右結腸、及び回腸)の各々において評価される。これらの部位について、潰瘍を形成した結腸表面の比率、及びあらゆるクローン病病変に冒された表面の比率が、10cmの視覚的アナログスケールで示される。CDEISスコアの範囲は0から44であり、より高いスコアはより重症度の高い疾患を示す。
疾患の他の評価は、例えば、本明細書の以下の実施例に記載されている。1つの態様では、CDAI若しくはCDEIS、又はその両方、又は本明細書の以下の実施例に記載の評価のいずれか1つを使用して、クローン病、例えば中等症から重症の活動性クローン病の処置における、抗IL−23A抗体、例えば抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dの有効性を評価する。
例えば、患者は、CDAIスコアが150未満として定義される、臨床的寛解について評価される。
例えば、患者は、例えば、CDAIスコアが150未満又はCDAIのベースラインからの少なくとも100ポイントの減少のいずれかによって定義される、臨床応答について評価される。
例えば、患者は、例えばCDEISが4以下として定義される、内視鏡的寛解について評価される。初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解は、例えば、CDEISが2以下として定義される。
例えば、患者は、例えば、CDEISのベースラインからの50%超の減少として定義される、内視鏡的応答について評価される、
例えば、患者は、例えば、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び/又は内視鏡的寛解(CDEIS≦4)に到達したとして定義される、完全寛解について評価される。1つの態様では、初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解は、CDEISが2以下として定義される。例えば、完全寛解は、臨床的寛解及び内視鏡的寛解への到達として定義される。
1つの態様では、患者の患者報告アウトカム(PRO)は、例えば、PRO−2スコアを使用して評価される。1つの態様では、例えばPRO−2スコアが75以下として定義されるような、PRO−2寛解が評価される。1つの態様では、例えばベースラインからの50ポイント以上の減少として定義されるような、PRO−2応答が評価される。
1つの態様では、PRO−2は、たった2つのCDAI項目である便の頻度及び腹痛を含む。1つの態様では、PRO−2は、来院日より前の7日間における液状便又は軟便の頻度と腹痛について重み付けされた患者により報告されたCDAIのサブスコアの合計に基づいて計算される。PRO−2は、合計した便頻度スコアに2を乗じた数値と、合計した腹痛スコアに5を乗じた数値を加算することによって計算される。
1つの態様では、健康関連の生活の質(HRQoL)は、腸に関連した症状、全身の愁訴、社会的機能、及び情緒的な状態、のHRQoLへの影響を測るためのツールである、炎症性腸疾患の質問票(IBDQ)の32の質問を完成させるように患者に頼むことによって評価され、より高いスコアはより良好なHRQoLを示す。16ポイントの平均値の変化は、この手段が臨床的に意味があると判断される。
1つの態様では、本発明の脈絡において、免疫学的疾患は潰瘍性大腸炎である。1つの態様では、抗IL−23A抗体、例えば抗体A、抗体B、抗体C、若しくは抗体Dは、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎病患者、例えば、従来の療法若しくは腫瘍壊死因子α(TNFα)アンタゴニストに対して不適切な応答を示したか、応答がなかったか、又は不耐容性であった患者の処置に使用される。例えば、処置は、臨床的寛解を誘導及び維持することによるか、臨床応答を誘導及び維持することによるか、内視鏡検査による粘膜の外見を改善することによるか、又は副腎皮質ステロイドを伴わない寛解を達成することによる。
医薬組成物及びその投与
抗IL−23A抗体を含む組成物を、免疫学的障害を有する又は有するリスクがある被験者に投与することができる。本明細書において使用する「被験者」という用語は、抗IL−23A抗体を投与することのできる任意の哺乳動物患者、例えば、ヒト及び非ヒト哺乳動物、例えば霊長類、げっ歯類、並びにイヌを意味する。本明細書に記載の方法を使用した処置に特に意図される被験者としては、ヒトが挙げられる。抗体を、単独で又は他の組成物と組み合わせてのいずれかで、免疫学的障害の予防又は治療において投与することができる。
このような医薬組成物に使用するための抗IL−23A抗体は本明細書に記載され、例えば、抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dである。
様々な送達システムが知られており、これを使用して抗IL−23A抗体を投与することができる。導入法としては、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、及び経口経路が挙げられるがこれらに限定されない。抗IL−23A抗体は、例えば、注入、ボーラス、又は注射によって投与されてもよく、そして、他の生物学的に活性な薬剤、例えば化学療法剤と一緒に投与されてもよい。投与は全身性であっても局所性であってもよい。1つの実施態様では、投与は、皮下注射による。このような注射用の製剤は、隔週毎に1回投与され得る例えばプレフィルドシリンジに調製され得る。
具体的な実施態様では、抗IL−23A抗体は、注射によって、カテーテルを用いて、坐剤を用いて、又は埋込剤を用いて投与され、該埋込剤は、多孔性材料、非多孔性材料、又はゲル性材料(サイラスティック膜などの膜を含む)、又は繊維である。典型的には、該組成物を投与する場合に、抗IL−23A抗体又は薬剤が吸収しない材料が使用される。
他の実施態様では、抗IL−23A抗体は、徐放性システムで送達される。1つの実施態様では、ポンプが使用され得る(例えばLanger, 1990, Science 249:1527-1533; Sefton, 1989, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201; Buchwald et al., 1980, Surgery 88:507; Saudek et al., 1989, N. Engl. J. Med. 321:574参照)。別の実施態様では、ポリマー材料が使用され得る。(例えば、Medical Applications of Controlled Release (Langer and Wise eds., CRC Press, Boca Raton, Fla., 1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance (Smolen and Ball eds., Wiley, New York, 1984); Ranger and Peppas, 1983, Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61参照。Levy et al., 1985, Science 228:190; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105も参照)。他の徐放性システムも、例えば上記のLangerにおいて考察されている。
抗IL−23p19抗体は典型的には、治療有効量の抗体と1つ以上の薬学的に適合性の成分とを含む医薬組成物として投与される。
典型的な実施態様では、医薬組成物は、ヒトへの静脈内投与又は皮下投与に適合した医薬組成物として、慣用的な手順に従って製剤化される。典型的には、注射による投与用の組成物は、無菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要であれば、該医薬はまた、可溶化剤及び局所麻酔剤、例えばリグノカインを含むことにより、注射部位における疼痛を和らげることができる。一般的には、成分は、別々に又は単位投与剤形内に一緒に混合されてのいずれかで、例えば凍結乾燥粉末又は水分非含有の濃縮物として、活性物質の量を示したアンプル又はサシェ(sachette)などの密閉容器で供給される。該医薬を注入によって投与しようとする場合、それを、無菌の医薬等級の水又は食塩水を含有している注入瓶を用いて施薬することができる。該医薬を注射によって投与する場合、成分を投与前に混合することができるように、注射用滅菌水又は食塩水のアンプルを提供し得る。
さらに、医薬組成物は、(a)凍結乾燥形の抗IL−23A抗体を含有している容器と、(b)注射用の薬学的に許容される希釈剤(例えば滅菌水)を含有している第二の容器とを含む、医薬キットとして提供され得る。薬学的に許容される希釈剤は、凍結乾燥させた抗IL−23A抗体の復元又は希釈のために使用され得る。このような容器(群)に場合により付随されるのは、医薬品又は生物学的製剤の製造、使用又は販売を規制する政府当局によって定められた形式の通知であり得、この通知は、ヒトへの投与のための製造、使用又は販売の当局による承認を反映する。
本発明の状況において使用される医薬組成物の例は、本明細書における以下の実施例2に開示されている。
本発明は、以下の実施例にさらに記載されており、この実施例は本発明の範囲を制限するものではない。
実施例
実施例1:臨床試験
本試験は、中等症から重症の活動性クローン病患者における抗体Aの概念実証(proof of concept)、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較第II相用量範囲試験である。
試験は、最大4週間までのスクリーニング期間、12週間のブラインド化静脈内療法期間(期間1)、14週間のオープンラベル静脈内療法/休薬期間(期間2)、26週間の皮下療法期間(期間3)、及び15週間の経過観察期間からなる。
約240人の患者をスクリーニングし、大腸内視鏡検査で検出された中等症から重症のクローン病及び粘膜潰瘍を有する約120人の患者を、1:1:1の比で以下の期間1の3つの中の1つの処置群に無作為化する:
・第1群:プラセボ(静脈内)(n=40)
・第2群:200mgの抗体A(静脈内)(n=40)
・第3群:600mg抗体A(静脈内)(n=40)
無作為化は、抗TNF療法を用いた以前の経験に従って層別化する(未処置対経験)。安全性及び有効性の評価を、試験の終了まで実施する。試験の終了は、最後の患者が最後の経過観察のための来診を終えた日として定義される。
各処置群は、0週目、4週目、及び8週目において静脈内注入によって対応する用量の抗体A又はプラセボの投与を受ける。12週目において、患者は、中央独立再評価者(群)によって確認される、臨床的寛解(CDAIスコア<150)及び内視鏡的寛解(CDEIS≦4)への到達として定義される、完全寛解について評価される。初期の孤立性回腸炎患者では、内視鏡的寛解はCDEIS≦2によって定義される。
期間2の処置は、12週目の転帰によって決定される。
・12週目に完全寛解にある患者は薬物療法を中止し、26週目まで休薬期間に入る。
12週目に比較してCDAIスコアの70ポイント以上の増加及びCDAIスコアが220以上として定義される、この期間(E1の来診を含む)中の疾患再燃の場合、治験担当者は、2週間以内に大腸内視鏡検査を実施する;
・CDEISスコアが4以下である(初期回腸炎患者では2以下である)場合、患者は26週目まで休薬を続ける。
・CDEISスコアが4を超える(初期回腸炎患者では2を超える)場合、患者は、図1に記載のように、600mgの抗体Aを用いてのオープンラベル静脈内誘導療法(4週間の間隔を置いて3回の用量)の投与を受ける。
・12週目に完全寛解を達成しない患者は、図1に記載のように、600mgの抗体Aを用いてのオープンラベル静脈内誘導療法(4週間の間隔を置いて3回の用量)の投与を受ける。
E1の来診時に臨床的寛解にある患者は、患者らの12週目の転帰及び期間2の処置に関わらず、期間3(オープンラベル皮下期間)に入り、8週間の間隔を置いた4回の抗体A(180mgを皮下に)の注射の投与を受ける。
大腸内視鏡検査を、スクリーニング時、12週目及び52週目に全ての患者に対して行ない、これにより内視鏡的応答/寛解を評価し、処置前後の分子薬物動態評価のための粘膜生検標本を準備する。12週目に完全寛解を達成した後に再燃を経験した患者も、大腸内視鏡検査を受けることが必要とされ、中央独立再評価者(群)によって確認される、患者らのCDEISが4を超える(初期の回腸炎患者の場合、2を超える)場合にのみ、オープンラベル再誘導療法を受ける。全ての大腸内視鏡検査は標準的なプロトコールを使用してビデオテープに撮影され、試験群の割り当て及び手順のタイミングを知らされていない独立再評価者(群)によって解釈される。試験に参加している患者は、最大4回の大腸内視鏡検査を受けることに同意している。
有効性についての基準は以下の通りである:
一次有効性評価項目は、例えば12週目におけるCDAIスコアが150未満であると定義された臨床的寛解である。
二次有効性評価項目は、以下である:
・例えば12週目におけるCDAIスコアが150未満又はCDAIがベースラインから少なくとも100ポイント減少のいずれかによって定義される、臨床応答。
・例えば12週目におけるPRO−2スコアが8未満又はベースラインから少なくとも8ポイントの減少のいずれかによって定義される、PRO応答(PRO−2:患者報告アウトカム−2)。
・例えば12週目における4以下のスコア(初期の孤立性回腸炎患者では2以下のスコア)として定義されるCDEIS寛解。
・例えば12週目における7以下のスコア(初期の孤立性回腸炎患者ではベースラインから50%を超える減少)として定義されるCDEIS応答。
・例えば12週目におけるSES−CDスコアの変化。
・例えば12週目における粘膜潰瘍が存在しないとして定義される、粘膜治癒。
・例えば12週目における臨床的寛解及び内視鏡検査的寛解(CDEIS)によって定義される完全寛解。来診によるCDAIスコアのベースラインからの変化。
他の有効性評価項目は以下である:
・来診によるCDAIスコアのベースラインからの変化。
・来診によるPRO−2スコアのベースラインからの変化。
・例えば12週目におけるCDEISスコアのベースラインからの75%の減少。
・例えば12週目におけるSES−CDスコアのベースラインからの75%の減少。
・例えば12週目に完全寛解を達成し薬物療法を中止した患者についての再熱までの時間。
・例えば26週目に臨床的寛解を達成した患者についての再熱までの時間。
・患者の日記に基づいた来診による便頻度のベースラインからの変化。
・患者の日記に基づいた来診による便の粘性。
・患者の日記に基づき、0(疼痛無し)から10(あり得る中で最悪な疼痛)までの数字による評定尺度に基づいて採点された、来診による腹痛スコアのベースラインからの変化。
・来診によるIBDQスコアのベースラインからの変化。
・来診によるCRP(C反応性タンパク質)、カルプロテクチン及びラクトフェリンのプロファイルのベースラインからの変化。
・副腎皮質ステロイドの退薬後の(12週目からの)持続的な臨床的寛解。
・ベースラインにおいて排液性瘻孔を有する患者における、排液性瘻孔の数の減少。
・75未満のPRO−2スコアによって定義される、例えば204/206/216週目における、RPO−2寛解。
・ベースラインからの50ポイント以上の減少として定義される、例えば204/206/216週目における、RPO−2応答。
・来診によるCDEISの変化。
・来診によるSES−CDの変化。
・来診によるベースラインからのCDEIS率の変化。
・来診によるベースラインからのSES−CD率の変化。
方法
試験は3つの処置期間を含んでいた:12週間の二重盲検静脈内(iv)誘導期間、14週間のオープンラベル静脈内再誘導/休薬期間(すなわち、14〜26週目における再誘導、又は再誘導を受けない患者については12〜26週目における休薬期間)、及び26週間の皮下維持期間。誘導期間では、TNFアンタゴニスト又は従来のクローン病療法のいずれかに失敗した、内視鏡検査によって確認された(クローン病の内視鏡検査的な重症度の指数[CDEIS]のスコアが7以上;孤立性回腸炎患者では4以上)、臨床的に活動的な疾患(クローン病活動性指数[CDAI]スコア≧220)を有する患者(N=121)を、抗体A(200mg又は600mg)又はプラセボのいずれかの投与を0週目、4週目及び8週目に受けるように無作為化された。一次評価項目は、12週目における臨床的寛解(CDAI<150)であった。12週目における二次評価項目には、臨床応答、内視鏡的寛解/応答及び完全寛解が含まれた。
適格な患者の年齢は18〜75歳であった。少なくとも3カ月間クローン病であるとの診断を受け、スクリーニング時には、回腸及び/又は結腸における粘膜潰瘍と共に、CD活動性指数(CDAI)が220〜450として定義される中等症から重症のクローン病、及びブラインド化中央解読者によって採点された大腸内視鏡検査で7以上のクローン病の内視鏡検査的な重症度の指数(CDEIS)(孤立性回腸炎患者では、4以上)を有していた。未処置であるか又は1つ以上の腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニストを経験した患者が含まれた(表C)。幾人かの患者は、TNFアンタゴニストに対して不適切な応答を示したか、応答がなかったか、又は不耐容性であった(表C)。ウステキヌマブを用いて以前に処置された患者は除外され、無作為化の前に、すなわち試験薬の初回投与前の8週間以内に又は生物学的製剤の半減期の5倍の期間以内に、あらゆる生物学的製剤の投与を受けた患者も除外された。
抗体Aとプラセボとの間の差異を、二項データの一対比較のための適切な試験を使用して分析した。誘導期間の結果を報告する。
Figure 0006668461
結果
ベースラインの人口統計及び疾患の特徴は試験群間で類似していた。合計して、男性47名、女性74名であり、平均年齢は38.1歳であり、CDAI及びCDEISの平均スコアは306.8及び13.4であり;患者の94.2%は以前に1個以上のTNFアンタゴニストに曝された。12週目に、臨床的寛解が、200mg及び600mgの抗体Aを用いて患者のそれぞれ24.4%及び36.6%によって達成され、これに対して、プラセボを用いると患者の15.4%によって達成された(p=0.308及びp=0.025)(表6);臨床応答率は、200mg及び600mgの抗体A群において36.6%及び41.5%であり、これに対して、プラセボ群では20.5%であった(p=0.103及びp=0.037)。内視鏡的寛解は、200mg及び600mgの抗体Aを用いて患者の14.6%及び19.5%によって達成され、これに対してプラセボを用いると患者の2.6%によって達成され(p=0.056及びp=0.017);内視鏡的応答は、200mg及び600mgの抗体Aを用いて患者の26.8%及び36.6%によって達成され、これに対してプラセボを用いると患者の12.8%によって達成された(p=0.117及びp=0.014)。完全寛解は、200mg及び600mgの抗体Aを用いて患者の2.4%及び12.2%によって達成され、これに対してプラセボでは0.0%であった(p=1.0及びp=0.062)。粘膜治癒は、プラセボ、200mg及び600mgの抗体Aを用いて患者の3.0%、2.9%、及び7.5%に検出された。有害事象(AE)は抗体Aとプラセボの間で類似し、有害事象の用量に関連した増加は全くなかった。600mgの抗体A群において僅かな重症かつ重篤な有害事象が報告された。結果を表6及び7に示す。表6及び7は、抗体Aについて合わせた数値を含む。
12週間にわたる抗体Aの臨床的寛解及び臨床応答はまた、図2にも示される。図2では、左から右に、4週目、8週目、及び12週目のプラセボ、200mgの抗体A、600mgの抗体A、及び合わせた抗体Aが示される。
図2A、経時的な臨床的寛解:
4週目:プラセボ(臨床的寛解を示した3人の患者/7.7%)、200mgの抗体A(臨床的寛解を示した4人の患者/9.8%)、600mgの抗体A(臨床的寛解を示した8人の患者/19.5%)、合わせた抗体A(臨床的寛解を示した12人の患者/14.6%)。
8週目:プラセボ(臨床的寛解を示した1人の患者/2.6%)、200mgの抗体A(臨床的寛解を示した7人の患者/17.1%)、600mgの抗体A(臨床的寛解を示した10人の患者/24.4%)、合わせた抗体A(臨床的寛解を示した17人の患者/20.7%)。
12週目:プラセボ(臨床的寛解を示した6人の患者/15.4%)、200mgの抗体A(臨床的寛解を示した10人の患者/24.4%)、600mgの抗体A(臨床的寛解を示した15人の患者/36.6%)、合わせた抗体A(臨床的寛解を示した25人の患者/30.5%)。
図2B、経時的な臨床応答:
4週目:プラセボ(臨床応答を示した6人の患者/15.4%)、200mgの抗体A(臨床応答を示した10人の患者/24.4%)、600mgの抗体A(臨床応答を示した13人の患者/31.7%)、合わせた抗体A(臨床応答を示した23人の患者/28.0%)。
8週目:プラセボ(臨床応答を示した5人の患者/12.8%)、200mgの抗体A(臨床応答を示した13人の患者/31.7%)、600mgの抗体A(臨床応答を示した13人の患者/31.7%)、合わせた抗体A(臨床応答を示した26人の患者/31.7%)。
12週目:プラセボ(臨床応答を示した8人の患者/20.5%)、200mgの抗体A(臨床応答を示した15人の患者/36.6%)、600mgの抗体A(臨床応答を示した17人の患者/41.5%)、合わせた抗体A(臨床応答を示した32人の患者/39.0%)。
経時的なCDAI中央値を図3A及び表8Aに示す。12週目におけるPRO−2応答を表8Bに示し、12週目のPRO−2寛解を表8Cに示す。
安全性
抗体Aを用いて報告された有害事象のいずれも用量に関連した増加は認められなかった(表11)。最も頻度の高い有害事象は、消化管に関連したものであった。重度の有害事象の発症率は、抗体A群よりもプラセボ群の方が高かった(それぞれ、23%、15%、及び7%)。中止に至る有害事象は、プラセボ群、200mgの抗体A群、及び600mgの抗体A群において15%、12%及び2%の患者に報告された(表11)。重度の有害事象は、プラセボ群、200mgの抗体A群、及び600mgの抗体A群においてそれぞれ患者の31%、22%、及び7%に起こった。最も一般的な重度の有害事象は、基礎疾患の悪化であった。死亡は起こらなかったが、重篤な感染症が、プラセボ群、200mgの抗体A群、及び600mgの抗体A群において3人(腹部、肛門及び直腸の膿瘍、及び肺炎)、1人(肺炎)、及び2人の患者(骨髄炎及び肛門膿瘍)に報告された。注入に関連した反応は軽度から中程度であり、プラセボ群、200mgの抗体A群、及び600mgの抗体A群の患者の5%、2%、及び2%に報告された。
処置により出現する抗薬物抗体(ADA)は、抗体Aの投与を受けている患者の4%((76人中3人の患者)に検出された。ADA力価の数値は低く(8以下)、中和抗体は全く検出されなかった。既存のADAが、抗体A投与群の5人の患者、及びプラセボ群の3人の患者に観察された。
結論
活動性クローン病患者では、抗体Aを用いてのIL−23の選択的遮断は、12週目に臨床的及び内視鏡的寛解を誘導するのにプラセボよりも効果的であり、かつ良好な耐容性を示した。
Figure 0006668461
表7.12週目における有効性の評価項目
表7は、改良された統計分析を用いての12週目における有効性の評価項目を示す(表6も参照)。粘膜治癒も表7に示す。
Figure 0006668461
臨床的寛解は、CDAIスコアが150未満として定義される。臨床応答は、CDAIスコアが150未満、又はCDAIのベースラインからの100以上の減少のいずれかである。内視鏡的寛解は、12週目におけるCDEISスコアが4以下である(初期の孤発性回腸炎患者では2以下)。内視鏡的応答は、ベースラインから12週目までにCDEISスコアの50%超の減少である。粘膜治癒は、粘膜潰瘍が存在しないと定義される。完全寛解は、臨床的寛解及び内視鏡的寛解である。この分析のために最大の解析対象集団が使用され、欠損値のために非回答の補定及び層別化されたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定を使用した。CDAI、クローン病活動指数;CDEIS、クローン病の内視鏡検査的な重症度の指数;SD、標準偏差。
バイオマーカー
CRP濃度の中央値は、プラセボと比較して両方の抗体A群において経時的に減少し、12週目においてプラセボと比較して有意に減少した(P<0.001;図3B)。600mgの抗体Aを用いての処置は、プラセボと比較してFCPレベルを有意に減少させた(ベースラインから12週目まで)(P<0.001;図3C)。さらに、血漿中のIL−22レベルの有意により大きな減少(ベースラインから12週目まで)が、プラセボに対して600mgの抗体Aを用いて観察された(P=0.018;図3D)。患者の血漿中のIL−22レベルを、Erenna(登録商標)SMC(商標)IL−22イムノアッセイ−準定量蛍光サンドイッチイムノアッセイ技術を使用して測定した。便中のFCPは、ブルマンラボラトリーズAG社による酵素イムノアッセイを使用して測定され、コーヴァンスセントラルラボラトリーズ社によって試験された。
表8Aはまた、経時的なCRPの中央値(mg/L)、経時的なFCPの中央値(μg/g)、及び経時的なIL−22の変化率の中央値%を示す(BL:ベースライン、IQR:四分位範囲)。
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分子プロファイル
結腸組織を、患者の部分集合からベースライン及び12週目において回収した(200mgの抗体Aが63%、600mgの抗体Aが66%、及びプラセボが67%)。IL−23免疫関連経路に関連した選択された遺伝子の発現の有意な減少が、プラセボに対して抗体Aで処置された患者において観察された(表9)。
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結腸及び/又は回腸組織における分子プロファイルを、200mgの抗体A(n=26)、600mgの抗体A(n=27)又はプラセボ(n=26)のいずれかの投与を受けた、抗TNF剤を経験したクローン病患者の部分集合において調べた。各患者の6〜9個の生検試料は、ベースライン及び処置から12週間後における結腸又は回腸における炎症病変から得られた。回腸及び結腸の生検試料は、トランスクリプトーム全体のRNA配列プロファイリングによって別々に分析された。単変量関連性を、直線回帰を使用して評価した。有意な遺伝子について、効果的なサイズ、p値、及びFDRを計算した。CDEIS応答(ベースラインから50%超の減少)及びCDEIS寛解(4以下;孤立性回腸炎患者では2以下)が、12週目に独立したブラインド化された再評価者によって評価された。
抗体Aによる処置は、プラセボに対してクローン病患者の結腸組織においてベースラインから12週目までに1146個の遺伝子の発現を有意に減少させた(p<0.05)。特に、IL−23経路(IL−23A、IL−26、IL−21R、IL−17A、STAT3)、自然免疫(IL6、IL7、IL7R、IL8、ICAM1、IL1、IL11、IL13RA2、IL15RA、IL18R1、TNF)、組織代謝回転(S−100A8、A9、A12、MMP1、MMP3、MMP9、MMP12、ADAM8、ADAM12、ADAM33)、及び溶質輸送体ファミリー(SLC11A1、SLC1A3、SLC2A3、SLC2A6、SLC6A14、SLC7A11、SLC7A5)に関連した遺伝子の発現の有意な減少が、抗体Aによる処置を用いて観察された。抗体Aにより処置された集団におけるこれらの遺伝子発現の全体的な変化は、12週目にCDEIS応答及び寛解を達成した患者に観察された分子的変化を反映していた。12週目の抗体Aによって有意に調節された結腸における遺伝子発現変化の公表された患者集団における14週目の抗TNF剤による処置との比較は、抗体Aによる処置後の上皮の生物学的機能(細胞間接着、形態発生、細胞内シグナル伝達、セカンドメッセンジャーのシグナル伝達)に関連した経路の抑制のより大きな減少を強調した。これに対して、ベースラインから12週目までに、プラセボと比較して、抗体Aで処置された患者の回腸の分子プロファイルには有意な変化は観察されなかった。
薬物動態/薬力学の分析
12週目における抗体Aの濃度とCDAI又はCDEISカテゴリー応答との関係は、CDAI及びCDEIS応答率の中央値(95%信頼区間)が、12週目の200mgから600mgの濃度中央値に対して、それぞれ36%(23%、51%)から47%(33%、62%)及び33%(21%、49%)から36%(23%、53%)に増加することを示す(表10A)。
血漿中の抗体Aの濃度を、投薬前及び2、4、8、12、23、及び26週目、その後は50週目まで8週間毎に、並びに52週目及び65週目(最後の来診)にサンプリングした。濃度は、検証済の酵素結合イムノソルベントアッセイによって決定された。薬物動態は、NONMEMバージョン7.3を使用して非線形混合効果集団アプローチを使用して評価された。統計的計算のためのRソフトウェア(パッケージglm)をロジスティック回帰分析のために使用して、従属カテゴリー変数としてのCDEIS及びCDEI応答と、独立変数としての12週目における抗体Aの濃度との関係を調べた。
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12週目においてCDAIが150未満又はCDAIのベースラインからの100以上の減少のいずれかとして定義される臨床応答。12週目においてCDAIが150未満として定義される臨床的寛解。CDEISのベースラインからの50%超の減少として定義される内視鏡的応答。内視鏡的寛解は、12週目におけるCDEISが4以下として定義される(初期の孤立性回腸炎患者では2以下)。濃度の分位数は、最小値〜25%(Q1)、25〜50%(Q2)、50〜75%(Q3)及び75%〜最大値(Q4)の分位数の範囲に対応する。
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12週目における炎症性腸疾患の質問票(IBDQ)による評価
IBDQによる評価は、ベースラインにおける無作為化された試験集団の低下したHRQoLを示した。試験薬を用いての処置は、ベースラインから12週目までに、プラセボ、200mg、及び600mgの用量群において、それぞれ、7.3、21.7、及び34.7ポイントの用量依存的な増加をもたらした。
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再誘導処置
12週目に患者は期間2に入り;ここで、完全寛解にある患者は休薬を受け、全ての他の患者はオープンラベル静脈内再誘導療法を受けた(14、18及び22週目における600mgの抗体A)。
結果:
ベースラインの人口統計及び疾患の特徴は試験群間で類似していた。平均年齢は38.1歳であり、CDAI及びCDEISスコアの中央値は298及び12であり;患者の94%は、以前に1個以上のTNFアンタゴニストの投与を受けたことがあった。12週目に、臨床的寛解が200及び600mgの抗体Aを用いて24.4%及び36.6%の患者によって達成され、これに対してプラセボでは15.4%であり(p=0.31及びp=0.025)、完全寛解が200及び600mgの抗体Aを用いて2.4%及び12.2%の患者によって達成され、これに対してプラセボでは0%であった(p=0.31及びp=0.016)。臨床的寛解を伴わずに期間2に入った患者では、プラセボ患者におけるオープンラベル再誘導はブラインド化期間1の600mg群に類似した臨床的寛解率を誘導し、200から600mgへの用量漸増は高い臨床的寛解率を誘導し、600mg群における再誘導処置は、26週目においてこの群の臨床的寛解率をさらに増加させた(表13)。完全寛解を伴うどの患者も、26週目までに抗体Aの休薬期間中に再発しなかった。有害事象は抗体Aとプラセボ間で類似し、期間1では有害事象の用量に関連した増加は認められなかった。抗体Aは、期間2において良好な耐容性を示した。
結論:
600mgの抗体Aを用いての再誘導療法は、26週目においてより高い臨床的寛解率を獲得する上で有効であった。総じて、抗体Aは良好な耐容性を示した。
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実施例2:医薬組成物
本発明の抗体に適した製剤の例を以下に示す。以下の製剤に使用される抗体は例えば、抗体A、抗体B、抗体C、又は抗体Dである。
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製剤1のpHは典型的にはpH6.0〜7.0の範囲内であり、例えばpH6.5である。この製剤は、静脈内投与に特に適している。
使用される賦形剤の分子量(g/molでの分子量):コハク酸二ナトリウム六水和物=270.14g/mol;コハク酸=118.09g/mol;塩化ナトリウム=58.44g/mol。
製剤の浸透圧は、Osmomat 030(Gonotec GmbH、ベルリン、ドイツ)を使用して決定したところ300+/−30mOsmol/kgである。製剤の20℃における密度は、DMA 4500(Anton Paar GmbH、オストフィルダーン・シャルンハウゼン、ドイツ)の測定装置を使用して決定したところ約1.0089g/cmである。
Figure 0006668461
製剤2のpHは、典型的にはpH5.5〜6.5の範囲内であり、例えばpH5.5〜6.1であり、例えばpHは5.8である。この製剤は、皮下投与に特に適している。
使用される賦形剤の分子量(g/molでの分子量):
分子量:コハク酸(C)=118.09g/mol
分子量:コハク酸二ナトリウム六水和物(CNa×6HO)=270.14g/mol
分子量:ソルビトール=182.17g/mol
分子量:ポリソルベート20=1227.72g/mol。
製剤の浸透圧は、Osmomat 030(Gonotec GmbH、ベルリン、ドイツ)を使用して決定したところ300+/−30mOsmol/kgである。製剤の20℃における密度は、DMA 4500(Anton Paar GmbH、オストフィルダーン・シャルンハウゼン、ドイツ)の測定装置を使用して決定したところ約1.040g/cmである。
Figure 0006668461
製剤3のpHは、典型的にはpH5.5〜6.5の範囲内であり、例えば5.5〜6.1であり、例えばpHは5.8である。この製剤は、皮下投与に特に適している。
使用される賦形剤の分子量(g/molでの分子量):
分子量:ソルビトール=182.17g/mol
分子量:ポリソルベート20=1227.72g/mol。
製剤の浸透圧は、Osmomat 030(Gonotec GmbH、ベルリン、ドイツ)を使用して決定したところ300+/−30mOsmol/kgである。

Claims (30)

  1. 患者に対して、クローン病の寛解を誘導するために用いられる抗IL−23A抗体を含む医薬組成物であって
    前記抗IL−23A抗体が、配列番号18の軽鎖及び配列番号19の重鎖を含む抗体であり、
    誘導量の前記抗IL−23A抗体を含む医薬組成物の投与回数が少なくとも1回であり、
    前記誘導量は、200mg〜600mgの前記抗IL−23A抗体を含む、医薬組成物
  2. 前記誘導量が、200mg又は600mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項1記載の医薬組成物
  3. 前記誘導量が、1回、2回、又は3回患者に投与される、請求項1又は2記載の医薬組成物
  4. 前記誘導量が、2回又は3回4週間間隔で投与される、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  5. 前記誘導量が静脈内注入によって投与される、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  6. 前記患者の、投与前のCDAIスコアが220〜450である、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  7. 前記患者が150未満のCDAIスコアを達成する、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  8. 前記患者が、75以下のPRO−2スコアを達成する、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  9. クローン病の寛解を維持するために、
    最期の誘導量が投与された後に、さらに初回維持量の前記抗IL−23A抗体含む医薬組成物が患者に投与され;及び
    前記の初回維持量が投与された4〜12週間後に、少なくとも1回の追加の維持量患者に投与される、請求項1〜のいずれか一項記載の医薬組成物
  10. 前記の初回維持量が、最後の誘導量が投与された2〜8週間後に投与される、請求項記載の医薬組成物
  11. 前記の少なくとも1回の追加の維持量が、前記の初回維持量が投与された4、8、又は12週間後に患者に投与される、請求項又は10記載の医薬組成物
  12. 前記の初回維持量が、150〜300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項11のいずれか一項記載の医薬組成物
  13. 前記の初回維持量が、150mg、225mg、又は300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項12のいずれか一項記載の医薬組成物
  14. 前記の初回維持量が、180mg又は270mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項13のいずれか一項記載の医薬組成物
  15. 前記の少なくとも1回の追加の維持量が、150〜300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項14のいずれか一項記載の医薬組成物
  16. 前記の少なくとも1回の追加の維持量が、150mg、225mg、又は300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項15のいずれか一項記載の医薬組成物
  17. 前記の少なくとも1回の追加の維持量が、180mg又は270mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項16のいずれか一項記載の医薬組成物
  18. 前記の初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量が、150〜300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項17のいずれか一項記載の医薬組成物
  19. 前記の初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量が、150mg、225mg、又は300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項18のいずれか一項記載の医薬組成物
  20. 前記の初回維持量及び前記の少なくとも1回の追加の維持量が、180mg又は270mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項19のいずれか一項記載の医薬組成物
  21. 前記の維持量が、皮下注射によって投与される、請求項20のいずれか一項記載の医薬組成物
  22. 前記患者が、150未満のCDAIスコアを維持する、請求項21のいずれか一項記載の医薬組成物
  23. 前記患者が、75以下のPRO−2スコアを維持する、請求項22のいずれか一項記載の医薬組成物
  24. 200mg600mgの抗IL−23A抗体を含み
    前記抗IL−23A抗体が、配列番号18の軽鎖及び配列番号19の重鎖を含む
    クローン病を処置するための医薬組成物
  25. 00mg又は600mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項24記載の医薬組成物
  26. 導量の前記抗IL−23A抗体を含む医薬組成物の投与回数が少なくとも1回である、請求項24又は25記載の医薬組成物
  27. 期の誘導量が投与された後に、さらに初回維持量の前記抗IL−23A抗体患者に投与されかつ
    前記の初回維持量が投与された4〜12週間後に、少なくとも1回の追加の維持量患者に投与される、請求項26記載の医薬組成物
  28. 前記の初回維持量が、150〜300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項27記載の医薬組成物
  29. 前記の少なくとも1回の追加の維持量が、150〜300mgの前記抗IL−23A抗体を含む、請求項27又は28記載の医薬組成物
  30. 前記クローン病が、中等症から重症の活動性クローン病である、請求項1〜29のいずれか一項記載の医薬組成物
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