JP6668184B2 - スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー - Google Patents

スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー Download PDF

Info

Publication number
JP6668184B2
JP6668184B2 JP2016133031A JP2016133031A JP6668184B2 JP 6668184 B2 JP6668184 B2 JP 6668184B2 JP 2016133031 A JP2016133031 A JP 2016133031A JP 2016133031 A JP2016133031 A JP 2016133031A JP 6668184 B2 JP6668184 B2 JP 6668184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide door
roller
cover
bracket
cap cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016133031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018002012A (ja
Inventor
雄祐 萩原
雄祐 萩原
一彦 ▲高▼橋
一彦 ▲高▼橋
眞平 西谷
眞平 西谷
山田 実
実 山田
信也 本郷
信也 本郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2016133031A priority Critical patent/JP6668184B2/ja
Publication of JP2018002012A publication Critical patent/JP2018002012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6668184B2 publication Critical patent/JP6668184B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automobile Manufacture Line, Endless Track Vehicle, Trailer (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有する、スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバーに関する。
スライドドアを有する車両の塗装ラインでは、車体とスライドドアの塗装色を合わせる為、スライドドアを車体に支持した状態で塗装することがある。
スライドドアを車体に支持する手段に、専用治具、或いは既存装置からなる簡易治具を用いた場合(例えば、特許文献1参照)、塗装前に治具を取付け、塗装後に治具を取り外して元の置き場所に運搬する必要があり、作業が煩雑になる。更に、重量のあるドアを保持するため、治具の強度が必要で治具が大型(高重量)となる。
この種のスライドドア構造は、スライドドアの移動を案内するスライドドアレールと、スライドドアレールを走行するローラーとを有しており、ローラーによりスライドドアを容易に移動可能にしている。塗装時に、このローラーの代替となる仮ローラーを用いる技術、及び、このローラーを支持するスライドドア用部品(ブラケット部材)を用いる技術が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2000−16086号公報 特開2002−316092号公報 特開2010−58727号公報
しかし、特許文献2の技術は、仮ローラーを正規のローラーに交換する作業が必要であり、また、部品の種類が増えてしまう。また、特許文献3の技術は、正規のローラーを用い、このローラーに、電着塗装を回避する絶縁性を有する樹脂キャップを被せている。この樹脂キャップは、ローラーを支持するローラー支持軸の開放側に取り外し可能な形状であり、スライドドアの取付時や移動時に作用する荷重で樹脂キャップのずれや脱落が生じるおそれがある。この結果、ローラーの転動面に塗料が付着し、ローラーの走行時に異音が生じる原因となる。
そこで、本発明は、メインローラーの転動面の露出を抑えつつスライドドアを車体に支持するのに好適なスライドドアのブラケット、このブラケットを用いた車体の塗装方法、及び、このブラケットに好適なキャップカバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、スライドドアに取付け可能であり、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有する、スライドドアのブラケットであって、前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備えるキャップカバーを有し、前記転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状であり、前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置し、前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状に形成されていることを特徴とする。
上記構成において、前記カバー本体における前記エッジ部と反対側の端部は、前記メインローラーの転動面に沿って延びて前記メインローラーの端よりも突出してもよい。また、上記構成において、前記ローラー支持軸のブラケット固定側に位置し、前記ローラー支持軸を片持ち支持する板部を有し、前記板部の一部に対し、前記メインローラーの径方向外側にスペースを空けて前記エッジ部が位置するようにしてもよい。また、上記構成において、前記キャップカバーは、耐熱性を有する材質でもよい。
また、本発明は、スライドドアのブラケットを含む車両用スライドドア構造を利用して、前記スライドドアを保持した状態で車体を塗装する方法であって、前記ブラケットは、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有すると共に、前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置し、前記メインローラーに取付け可能なキャップカバーが、前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備え、前記転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状であり、前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状に形成されており、前記メインローラーに、前記キャップカバーを取付ける工程と、前記車体に電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施す工程と、該塗装工程後に前記キャップカバーを取り外す工程と、を有する、ことを特徴とする。
また、本発明は、スライドドアのブラケットを含む車両用スライドドア構造を利用して、前記スライドドアを保持した状態で車体の電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を行う際に、前記ブラケットのメインローラーに取付けられるキャップカバーであって、前記ブラケットは、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有すると共に、前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置する構成とされ、前記メインローラーの転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状を有する構成とされており、当該キャップカバーは、前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備え、前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状であり、かつ、当該キャップカバーの中心軸線を基準にして所定の角度間隔で設けられて各エッジ部の間には隙間が設けられていることを特徴とする。
本発明は、スライドドアの取付時や移動時に、スライドドアレールとの間で作用する荷重でキャップカバーがずれたり、変形したり、脱落したりすることを効果的に抑えることができる。
本発明の実施形態に係るブラケットを上方から見た図である。 ブラケットを右側から見た図である。 図1のIII方向から見た図である。 塗装ラインの一例を示した図である。 キャップカバーの側面図である。 図5のVI方向から見た図である。 図6のVII−VII断面図である。 図1のVIII−VIII断面図である。 垂直ローラーにキャップカバーを装着しスライドレールとともに示した図である。 垂直ローラーの転動面を示した図である。 変形例に係るキャップカバーを示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスライドドアブラケット10(以下、「ブラケット10」と表記)を上方から見た図である。このブラケット10は、車両の車体にスライドドア11を取付ける車両用スライドドア構造の一部品を構成する。なお、車両は、スライドドア11で開閉されるドア開口部を有する車両であり、自動車等の四輪車である。なお、四輪車に限らず、スライドドア11を採用する車両を広く適用可能である。
車両用スライドドア構造は、スライドドア11に設けられるブラケット10と、車体に設けられるスライドドアレール12等を備え、ブラケット10がスライドドアレール12を走行するローラー(後述する垂直ローラー31、水平ローラー32)を有している。
図2はブラケット10を右側から見た図であり、図3は図1のIII方向から見た図である。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向は、特に記載がなければ車体に搭載されたときの各方向を示す。また、各図に示すブラケット10は、右側のスライドドア11に取付けられるアッパー側、ミドル側、及びロア側のブラケットのうちのロア側のブラケットである。なお、左側のスライドドア11に取付けられるロア側のブラケットは、右側のブラケット10と左右対称構造である。各図の符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号RHは車体右方を示している。
スライドドアレール12は、車体のドア開口部を開閉自在にスライドドア11を案内するレールであり、車体前後方向に延びる。より具体的には、スライドドアレール12は、前後方向に直線状に延びる直線レール部13と、直線レール部13の前端に連なる傾斜形状、又は湾曲形状に形成された傾斜レール部14とを備える。傾斜レール部14は、前方に行くに従って車幅方向内側(車内側)に近づく形状に形成され、スライドドア11を閉じる際にスライドドア11を車内側(ドア開口部側に相当)に案内する。なお、スライドドアレール12の形状は、車両に応じて適宜に設定される。
図1及び図2に示すように、ブラケット10は、スライドドア11の車内側の面に取付けられるブラケット本体21と、ブラケット本体21に、上下方向に延びる軸部材22を介して回動自在に連結されるローラー支持体23とを備える。
ブラケット本体21は、スライドドア11の車内側の面に取付けられる基端部21Aと、基端部21Aから前方かつ車内側(左側)に延びる延出部21Bとを一体に有する。さらに、ブラケット本体21は、延出部21Bの前端を構成し、ローラー支持体23を回動自在に支持する先端部21Cを一体に有する。このブラケット本体21は、金属製の板材等の剛性を有する板材で形成されている。
ローラー支持体23は、スライドドア11の自重に相当する垂直方向の加重が作用するメインローラーとして機能する垂直ローラー31と、水平方向の荷重に作用するサブローラーとして機能する水平ローラー32とを回転自在に支持する部材である。図3に示すように、ローラー支持体23は、ブラケット本体21の先端部21Cから車幅方向内側に延びる第一板部23Aと、第一板部23Aの車幅方向内側端から下方に屈曲して延びる第二板部23Bとを一体に備える。これによって、ローラー支持体23は、前面視でL字形状に屈曲した板形状に形成されている。第一板部23Aは、先端部21Cに軸部材22を介して回動自在に連結された部材であり、水平方向に延出する。この第一板部23Aには、前後方向に間隔を空けて複数(本構成では2個)の水平ローラー32がローラー支持軸32J(以下、支持軸32Jと表記)を介して回転自在に支持される。
各支持軸32Jは、第一板部23Aから上方に延び、各水平ローラー32を第一板部23Aの上方に支持することで、上下方向に延びる軸線LVを基準に各水平ローラー32を回転自在にする。各水平ローラー32の転動面32Mは、スライドドアレール12の車幅方向外側の垂直壁12W(図1参照)に当接し、各水平ローラー32が垂直壁12Wを走行する。これによって、スライドドアレール12に沿ってスライドドア11の車幅方向の位置が案内される。
第二板部23Bは、鉛直方向に延出し、この第二板部23Bには、垂直ローラー31がローラー支持軸31J(以下、支持軸31Jと表記)を介して回転自在に支持される。支持軸31Jは、第二板部23Bから車幅方向外側(右側)に延び、垂直ローラー31を第二板部23Bの車幅方向外側(右側)に支持し、前面視で車幅方向に延びる軸線LHを基準に垂直ローラー31を回転させる。
垂直ローラー31はスライドドアレール12の底板部12Pに載置される。これによって、垂直ローラー31の転動面31Mが底板部12Pに当接し、垂直ローラー31が底板部12Pを走行する。従って、スライドドア11等の自重をスライドドアレール12で支えるとともに、スライドドアレール12に沿ってスライドドア11の移動が案内される。
このように、ブラケット10は、垂直ローラー31及び水平ローラー32からなる回転部材(ガイドローラーとも称する)を用いてスライドドア11の移動を案内する。従って、スライドドア11の低摩擦での移動が可能となり、スライドドア11の開閉操作が容易になる。また、ブラケット10は、垂直ローラー31及び水平ローラー32を介してスライドドアレール12に連結され、スライドドア11とスライドドアレール12とを連結する連結部材としても機能する。すなわち、ブラケット10は、スライドドア11を車体に移動自在に支持する部品である。
なお、垂直ローラー31は、相対的に大荷重が作用するため、金蔵製ローラーであり、また、塵埃等の侵入を防止可能な構造を有している。一方、水平ローラー32は、相対的に小さい荷重が作用するローラーであるため、樹脂製ローラーが採用される。なお、水平ローラー32に金属製ローラーを採用してもよい。
このブラケット10には、垂直ローラー31の転動面32Mを覆うキャップカバー41が取付けられ、塗装ラインへの投入前に、このブラケット10を用いてスライドドア11が車体に支持される。これにより、スライドドア11を車体に支持する専用治具等を使用する必要がなく、また、塗装ラインにて、転動面32Mへの塗料の付着を抑えながら車体とスライドドア11とを塗装することが可能になる。
図4は塗装ラインの一例を示している。
塗装ラインには、溶接処理(図4に符号SYで示す)を終えた車体が投入され、電着塗装を施す電着工程S1、中塗り塗装を施す中塗り工程S2、焼付け工程S3、上塗り塗装を施す上塗り工程S4、及び焼付け工程S5がこの順で実施される。本実施形態では、少なくとも電着工程S1への投入前のタイミング(例えば、図4の符号SAで示す工程)で、ブラケット10を用いてスライドドア11が車体に支持され、キャップカバー41により垂直ローラー31の転動面31Mが覆われる。
電着工程S1では、防塵力が高いカチオン電着塗料(例えばエポキシ樹脂を主成分とする塗料)が電着塗装される。電着工程S1の段階より、ブラケット10を用いてスライドドア11を車体に支持しているので、スライドドア11と車体とを同時に電着塗装できる。
中塗り工程S2では、電着塗装が施された面に所定の中塗り塗料が塗装される。この中塗り工程S2では、作業員又は作業ロボットによりスライドドア11が開閉され、開状態と閉状態とのそれぞれで塗装される。これにより、スライドドア11と車体の各部に中塗り塗装を十分に施すことができる。焼付け工程S3では、乾燥炉を用いて所定温度で所定時間の熱処理が行わることにより、中塗り塗料が乾燥及び硬化される。
上塗り工程S4では、中塗り塗料が施された面に、上塗り塗料のうちのベース塗料が塗装され、さらに、上塗り塗料のうちのクリア塗料が塗装される。この上塗り工程S4においても、中塗り工程S2と同様に、作業員又は作業ロボットによりスライドドア11が開閉され、開状態と閉状態とのそれぞれで塗装される。これにより、スライドドア11と車体の各部に上塗り塗装を十分に施すことができる。焼付け工程S5では、乾燥炉を用いて所定温度で所定時間の熱処理が行われることにより、上塗り塗料が乾燥及び硬化される。
以上の塗装工程により、車体とスライドドア11の塗装が同時に実施され、車体とスライドドア11の塗装色を合わせることができる。塗装後は、車体に部品を組み付け、所定の検査等を行う組立処理(図4中、符号SKで示す)が実施される。また、少なくとも塗装が終了した後、例えば、焼付け工程S5の後、組立工程SKの間のタイミング(図4の符号SBで示す工程)で、キャップカバー41が取り外される。
次いで、キャップカバー41について説明する。
図5は、キャップカバー41の側面図であり、図6は、図5のVI方向から見た図であり、図7は、図6のVII−VII断面図である。図8は、図1のVIII−VIII断面図である。
キャップカバー41は、耐熱性を有する材質で形成され、垂直ローラー31の転動面31Mを全周に渡って覆う筒状のカバー本体42と、カバー本体42の一端から内周側に折れ曲がる環状のエッジ部43とを一体に備えている。キャップカバー41の材質は、塗装時の熱処理に耐える耐熱性、及びスライドドア11の取付時や移動時にスライドドアレール12との間で作用する荷重に耐える強度を有するものが適用される。例えば、キャップカバー41の材質は、繊維強化プラスチックである。なお、繊維強化プラスチックに限らず、他の材料を適用してもよい。
図5等に示す符号LCは、キャップカバー41の中心軸線を示しており、この中心軸線LCは、垂直ローラー31の回転軸線とも一致する。また、中心軸線LCに沿う符号Xで示す方向は、このカバー41を装着した垂直ローラー31の支持軸31Jがブラケット10に固定される側(第二板部23B側)を示している。
図7に示すように、エッジ部43は、カバー本体42における符号X側、つまり、ブラケット10に固定される側に設けられる。エッジ部43は、図6に示すように、カバー本体42から全周に渡って内周側に延びる。また、エッジ部43は、中心軸線LCを通る断面視(図7参照)で一定の厚さに形成される。なお、エッジ部43には、内周側に突出する箇所(図6に符号Rで示す)が部分的に存在しているが、これらはキャップカバー41の樹脂成形時に樹脂が流れ込むランナーの部分であり、除去してもよい。
図8に示すように、カバー本体42は、垂直ローラー31の幅WRよりも長い幅WCを有し、垂直ローラー31の転動面31Mを覆う部分42A(以下、覆い部42Aと表記)と、覆い部42Aよりもエッジ部43と反対側に突出する端部42Bとを有する。
ここで、図9は垂直ローラー31にキャップカバー41を装着した状態を、スライドドアレール12とともに示した図である。なお、図9は、垂直ローラー31については外輪部分を示している。
図9及び図7に示すように、覆い部42Aは、エッジ部43と略同一の厚さで垂直ローラー31の転動面31Mに沿って延び、カバー本体42の中で相対的に肉厚の部位、つまり、強度が高い部位を構成する。本実施形態では、垂直ローラー31の転動面31Mが、垂直ローラー31の回転軸線LCを通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状に形成され、覆い部42Aも、この凸の曲面形状に沿う曲面形状に形成されている。従って、垂直ローラー31にキャップカバー41を装着した場合、垂直ローラー31の転動面31Mとキャップカバー41の覆い部42Aとが上記曲面形状で係合し、キャップカバー41が垂直ローラー31から外れ難くなる。
また、カバー本体42の端部42Bは、垂直ローラー31の転動面31Mに沿って延びて垂直ローラー31の端(図9中、垂直ローラー31の左側面に相当)よりも外側に環状に張り出し、また、相対的に薄肉に形成されている。この端部42Bは、エッジ部43の反対側において垂直ローラー31を覆う環状の庇として機能し、エッジ部43の反対側から転動面31Mへの塗料の付着を抑えることができる。この端部42Bの突出量LT(図9)は、転動面31Mのうち少なくともスライドドアレール12との接触面への塗料の付着を抑える範囲で適宜に設定すればよい。
図9中、符号F1は、スライドドア11の取付時に、キャップカバー41とスライドドアレール12(底板部12P)との間に作用する荷重を示している。この荷重F1は、キャップカバー41を車幅方向外側(右側)に移動させる力として作用し、スライドドア取付後にスライドドア11を前後移動する際に作用する荷重よりも高くなり易い。
図9に示すように、本構成では、エッジ部43が、キャップカバー41の符号X側、つまり、垂直ローラー31の支持軸31Jがブラケット10に固定される側に設けられる。従って、車幅方向外側の荷重F1が作用した際に、エッジ部43により効果的にキャップカバー41を外れ難くすることができる。
また、図9に示すように、垂直ローラー31は、鉛直方向に対して角度θ1だけ斜めに傾斜している。傾斜する理由は、スライドドア11は、モーター等の重量物を組み付けた状態で垂直になるように構成されており、重量物を組み付ける前の状態ではスライドドア11が外れ方向に逃げるからである。
この角度θ1は、垂直ローラー31の下部を上部と比べて車幅方向外側(右側)にする角度である。このように垂直ローラー31が傾斜すると、キャップカバー41とスライドドアレール12との接触箇所が、垂直ローラー31が垂直のときの位置P1から位置P2へと車幅方向内側(左側)に移動する。これにより、接触箇所がエッジ部43に近づき、位置P2に作用する荷重F1でキャップカバー41が移動する事態を、この位置P2に近いエッジ部43で効率良く規制することができる。
従って、塗装ラインにて、荷重F1及び荷重F1と同方向に作用する荷重によるキャップカバー41のずれ、変形及び脱落を効果的に抑え、電着液等の塗料が垂直ローラー31の転動面31Mへ付着することを抑えることができる。
ところで、塗装ラインには熱処理があるため、キャップカバー41の熱膨張の影響により、キャップカバー41の覆い部42Aの保持力が低下する。本構成では、特に高荷重F1が作用する方向へのキャップカバー41への移動を抑えるように、キャップカバー41に垂直ローラー31に係合するエッジ部43を設けている。これにより、高温環境下でキャップカバー41の保持力が低下してもキャップカバー41の脱落等を回避できる。
また、スライドドア11を開く際等には、荷重F1と反対方向(車幅方向内側向き)の荷重F2(図9)がキャップカバー41に作用する。この場合、キャップカバー41と垂直ローラー31との間の摩擦力に加え、キャップカバー41の覆い部42Aが、垂直ローラー31の転動面31Mに曲面形状で係合しているので、キャップカバー41のずれ、変形及び脱落を抑えることができる。
従って、塗装ラインにて、荷重F1と反対方向等への荷重が作用してもキャップカバー41の脱落等を抑えることができ、垂直ローラー31の転動面31Mへの塗料の付着を抑えることができる。
なお、塗装後にキャップカバー41を取り外す方法としては、キャップカバー41のエッジ部43を切断等の方法で分割する方法が採用される。エッジ部43を分割することで、キャップカバー41を、エッジ部43と反対側に抜きやすくなる。
ここで、エッジ部43の内周側への突出量は、キャップカバー41の脱落等を防止可能な範囲であって、キャップカバー41を取り外す際に外部からエッジ部43にアクセス可能なスペースを確保する値にすることが好ましい。例えば、図8に示すように、垂直ローラー31の支持軸32Jを片持支持する第二板部23Bと、キャップカバー41との間に、エッジ部43を切断する工具が入るスペースLLを確保することにより、エッジ部43へのアクセスが容易になる。
以上説明したように、本実施の形態では、スライドドア11に取付け可能なブラケット10が、メインローラーとして機能する垂直ローラー31の転動面31Mを覆うキャップカバー41を有している。このキャップカバー41は、垂直ローラー31の支持軸31Jがブラケット10に固定される側に、支持軸31J側に屈曲してキャップカバー41の抜けを抑制するエッジ部43を有している。この構成により、垂直ローラー31の転動面31Mの露出を抑えつつスライドドア11を車体に支持するのに好適なブラケット10が得られる。また、スライドドア11の取付時や移動時に、スライドドアレール12との間で作用する荷重でキャップカバー41が、支持軸31Jがブラケットに固定される側と反対側にずれたり、変形したり、脱落したりすることを効果的に抑えることができる。
従って、ブラケット10の垂直ローラー31に、支持軸31Jのブラケット10固定側で、支持軸31J側に屈曲するエッジ部43が形成されているキャップカバー41を取付ける工程と、車体に電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施す工程と、該塗装工程後にキャップカバー41を取り外す工程とを有する塗装方法にすることで、垂直ローラー31の転動面31Mへの塗料の付着を抑制しながらスライドドア11と車体とを塗装できる。この塗装方法によれば、スライドドア11と車体の塗装色を合わせ、且つ、塗料の付着を原因とする、垂直ローラー31の走行時の異音を抑制可能になる。
なお、キャップカバー41は、垂直ローラー31をブラケット10に取付ける前に、垂直ローラー31に取付けてもよいし、垂直ローラー31をブラケット10に取付けた後に、垂直ローラー31に取付けてもよい。
また、本構成では、キャップカバー41におけるエッジ部43と反対側の端部42Bは、垂直ローラー31の転動面31Mに沿って延びて垂直ローラー31の端よりも突出する。これにより、端部42Bがエッジ部43と反対側にて垂直ローラー31を覆う庇として機能し、エッジ部43と反対側から塗料等が入り難くなる。従って、転動面31Mへの塗料等の付着を抑えることができる。
上述したように、端部42Bの突出量LT(図9)は、転動面31Mのうち少なくともスライドドアレール12との接触面への塗料の付着を抑える範囲で適宜に設定すればよい。例えば、図10に示すように、垂直ローラー31の転動面31Mのセンターを中心とする所定幅の範囲AR1に電着塗装の塗料が付着せず、その範囲AR1を外れた範囲AR2には、電着塗装の塗料(電着液)の付着を許容するように、突出量LTを設定してもよい。
また、キャップカバー41は、耐熱性を有する材質であるので、塗装ラインの乾燥炉での変形を抑えることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一実施の態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、メインローラーとして機能する垂直ローラー31にキャップカバー41を取付ける場合を説明したが、サブローラーとして機能する水平ローラー32にもキャップカバー41を取付けてもよい。
また、キャップカバー1のエッジ部43は、キャップカバー41の脱落等を防止できる範囲で形状を変更してもよい。例えば、上述した実施形態では、エッジ部43が、キャップカバー41のカバー本体42から全周に渡って内周側に延びる場合を説明したが、全周に設けなくてもよい。
図11は、変形例に係るキャップカバー41を示した図である。このキャップカバー41のエッジ部43は、キャップカバー41の中心軸線LCを基準にして所定の角度間隔(60度間隔)で設けられ、互いのエッジ部43の間には隙間が設けられている。この場合、各エッジ部43が変形し易くなるので、キャップカバー41を、垂直ローラー31における支持軸31Jの固定側と反対側から垂直ローラー31に装着し易くなる。
また、上述した実施形態では、電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施す塗装の場合を説明したが、この塗装に限定されない。少なくとも電着塗装時にキャップカバー41を使用することで、電着液の転動面31Mへの付着を抑制できる。
10 ブラケット
11 スライドドア
12 スライドドアレール
31 垂直ローラー(メインローラー)
31J、32J ローラー支持軸(支持軸)
31M、32M 転動面
32 水平ローラー(サブローラー)
41 キャップカバー
42 カバー本体
42A 覆い部
42B 端部
43 エッジ部

Claims (6)

  1. スライドドアに取付け可能であり、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有する、スライドドアのブラケットであって、
    前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備えるキャップカバーを有し、
    前記転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状であり、前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、
    前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置し、前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状に形成されていることを特徴とするスライドドアのブラケット。
  2. 前記カバー本体における前記エッジ部と反対側の端部は、前記メインローラーの転動面に沿って延びて前記メインローラーの端よりも突出することを特徴とする請求項1に記載のスライドドアのブラケット。
  3. 前記ローラー支持軸のブラケット固定側に位置し、前記ローラー支持軸を片持ち支持する板部を有し、
    前記板部の一部に対し、前記メインローラーの径方向外側にスペースを空けて前記エッジ部が位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドドアのブラケット。
  4. 前記キャップカバーは、耐熱性を有する材質であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスライドドアのブラケット。
  5. スライドドアのブラケットを含む車両用スライドドア構造を利用して、前記スライドドアを保持した状態で車体を塗装する方法であって、
    前記ブラケットは、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有すると共に、前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置し、
    前記メインローラーに取付け可能なキャップカバーが、前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備え、
    前記転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状であり、前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、
    前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状に形成されており、
    前記メインローラーに、前記キャップカバーを取付ける工程と、
    前記車体に電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を施す工程と、
    該塗装工程後に前記キャップカバーを取り外す工程と、を有する、
    ことを特徴とする車体の塗装方法。
  6. スライドドアのブラケットを含む車両用スライドドア構造を利用して、前記スライドドアを保持した状態で車体の電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装を行う際に、前記ブラケットのメインローラーに取付けられるキャップカバーであって、
    前記ブラケットは、車体側のスライドドアレールを走行するメインローラーを有すると共に、前記メインローラーを支持するローラー支持軸のブラケット固定側が車幅方向内側に位置し、かつ、前記メインローラーの転動面は、前記メインローラーの回転軸線を通る断面視で径方向外側に凸の曲面形状を有する構成とされており、
    当該キャップカバーは、前記メインローラーの転動面を全周に渡って覆う筒状のカバー本体と、前記カバー本体から内周側に延びるエッジ部とを備え、
    前記カバー本体は、前記キャップカバーの少なくとも車幅方向内側へのずれを規制可能に前記曲面形状に係合し、
    前記エッジ部は、前記メインローラーの車幅方向内側で、前記ローラー支持軸側に屈曲して当該キャップカバーの車幅方向外側へのずれを規制する形状であり、かつ、当該キャップカバーの中心軸線を基準にして所定の角度間隔で設けられて各エッジ部の間には隙間が設けられていることを特徴とするキャップカバー。
JP2016133031A 2016-07-05 2016-07-05 スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー Active JP6668184B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133031A JP6668184B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016133031A JP6668184B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018002012A JP2018002012A (ja) 2018-01-11
JP6668184B2 true JP6668184B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=60947309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016133031A Active JP6668184B2 (ja) 2016-07-05 2016-07-05 スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6668184B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018002012A (ja) 2018-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5627242B2 (ja) ケーブル調節装置レール及びスナップ式取付けの滑車を備えた搬送装置
US8344583B2 (en) Slip ring cover for automotive alternator
JP5950623B2 (ja) スラスト滑り軸受、およびスラスト滑り軸受とピストンロッドとの組合せ機構
JP5620231B2 (ja) 車両用ミラー装置
JP2011521132A5 (ja)
JP2015203499A (ja) ベルト又はチェーンのためのプーリー装置、当該装置のための中空シャフトを製造するための方法及び当該装置を組み立てるための方法
US20150291013A1 (en) Slide structure for power slide door and cable assembly method for slide door center
US20160297340A1 (en) Assist handle for car
JP6668184B2 (ja) スライドドアのブラケット、車体の塗装方法、及びキャップカバー
EP3012413B1 (en) Seal support structure for a circumferential seal of a gas turbine engine
KR20220093201A (ko) 스플릿 베어링, 조립체 및 이의 제조 및 사용 방법
CN106356769A (zh) 新型汽车线缆分支夹线组件
US20160362231A1 (en) Universal enclosure attachment
JP2017200814A (ja) 車両サンバイザー用の回転システム
JP2022055872A (ja) ドア構造及び車両用ドアの組付方法
KR101794839B1 (ko) 열변형에 대응하는 플라스틱 펜더
JP2023120301A (ja) クリップ、クリップアセンブリ、ならびにその作製および使用方法
JP6056582B2 (ja) 車両用ステップ装置
CN100999966A (zh) 防粉尘型铰链
JP7170370B2 (ja) ボデープロテクタ、該ボデープロテクタを備えた車両下部構造
KR101423141B1 (ko) 커튼 또는 접이식 문에 사용되는 구부러진 레일을 제조하기 위한 장치 및 그에 의해 제조된 레일
JP6131716B2 (ja) 円すいころ軸受
CA2835149C (en) Height adjustment device for transit shaft and arm assembly
JP2010078080A (ja) ダストカバー組付構造
CN205767498U (zh) 条形盖板零件热熔治具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6668184

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150