JP6668135B2 - 紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法 - Google Patents

紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法に関する。より詳しくは、紙幣や商品券、小切手、カード状媒体等の紙葉類の状態判定に好適な紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法に関するものである。
従来、紙葉類に超音波を送信し、紙葉類を透過又は反射した超音波を受信することによって取得したデータを用いて、紙葉類の状態、例えば破れ等を検出する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、シート状媒体の疲労(皺、よれ、破れ等)を検出するための技術として、超音波をバースト波として送信する超音波送信素子と、超音波受信素子と、受信感度検知部とを備えた媒体疲労検出装置が開示されている。また、特許文献1は、シート状媒体の主面の法線方向に対して5°以上の角度で超音波を入射させることを開示している。
また、特許文献2には、超音波変換器と、この超音波変換器が配置される超音波チャンネルが形成されたホルダとを備える紙葉類検査用超音波センサが開示されている。この紙葉類検査用超音波センサでは、ホルダは、超音波チャンネルに隣接する非繊維質表面層を有し、非繊維質表面層のインピーダンスが隣接するホルダの表面層のインピーダンスよりも小さくなっている。
国際公開第2008/105291号 米国特許第8230742号明細書
しかしながら、超音波は、紙葉類を透過する際に略1/100に減衰し、また、紙葉類の端部から回り込む性質をもっている。そのため、紙葉類を透過した超音波成分と、透過せずに端部を回り込んだ超音波成分とが干渉した場合、非常に大きなノイズとなってしまう。
また、紙葉類全面を不感帯なく検出するために超音波送信素子及び超音波受信素子の組を複数配列して用いる場合、超音波干渉が発生しやすく、その影響が大きい。特許文献1に記載のように各組の各素子を傾けて配置すると、超音波干渉の影響が特に大きくなる。また、紙葉類に対して斜めに超音波を入射させると、紙葉類の搬送時のばたつきやうねりといった紙葉類の動特性の変動に起因するノイズの影響が多大なものとなる。
このようなノイズが発生すると、紙葉類の状態を検出できないか、又は、その検出精度が低下する要因となる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、紙葉類の状態を高精度に検出することが可能な紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、検出対象である紙葉類を搬送させながら前記紙葉類の状態を検出する紙葉類状態検出装置であって、超音波送信素子と、超音波受信素子と、前記超音波送信素子の送信のタイミングを制御する送信制御部と、前記超音波受信素子で受信した超音波信号に基づいて、前記紙葉類の状態を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類状態検出装置は、前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子を少なくとも2組備え、前記送信制御部は、少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを互いに独立して制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子の各組において、前記超音波送信素子は、前記超音波受信素子に対向して配置されており、前記紙葉類状態検出装置は、少なくとも1組の超音波送信素子及び超音波受信素子の間を、前記紙葉類を搬送させる搬送部を更に備え、前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっていない超音波送信素子の送信のタイミングを制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっている第一超音波送信素子と、前記紙葉類に重なっていない第二超音波送信素子とを、この順に送信させる制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第一超音波送信素子及び前記第二超音波送信素子は、隣り合って配置されており、前記第一超音波送信素子は、前記紙葉類の端部に重なっていることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっていない前記超音波送信素子を、前記紙葉類に重なるまで送信させない制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類状態検出装置は、前記紙葉類の光学画像情報を取得する光学ラインセンサを更に備え、前記送信制御部は、前記光学ラインセンサによって取得された前記紙葉類の前記光学画像情報に基づいて、前記少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子は、前記紙葉類の搬送面に正対するように配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子の間に位置する前記紙葉類と前記超音波送信素子とで多重反射された超音波成分を前記超音波信号として用いない制御を行う受信制御部を更に備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類状態検出装置は、前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子を少なくとも2組備え、かつ、隣り合う超音波送信素子の間に設けられた遮蔽壁と、隣り合う超音波受信素子の間に設けられた遮蔽壁との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記紙葉類は、紙幣であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記検出部は、前記紙葉類の疲労を検出することを特徴とする。
また、本発明は、検出対象である紙葉類を搬送させながら前記紙葉類の状態を検出する紙葉類状態検出方法であって、超音波送信素子の送信のタイミングを制御する送信制御ステップと、超音波受信素子で受信した超音波信号に基づいて、前記紙葉類の状態を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送信制御ステップにおいて、少なくとも2組の超音波送信素子及び超音波受信素子を構成する少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを互いに独立して制御することを特徴とする。
本発明の紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法によれば、紙葉類の状態を高精度に検出することができる。
実施形態1に係る超音波センサの模式図であり、(a)は、断面図を示し、(b)は、平面図を示す。 実施形態1に係る超音波センサの斜視模式図である。 実施形態1に係る超音波センサの断面模式図である。 実施形態1に係る超音波センサの超音波送信素子、超音波受信素子及びセンサ実装基板の斜視模式図である。 実施形態1に係る超音波センサの筺体の斜視模式図である。 第1の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第1の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 (a)及び(b)は、実施形態1に係る超音波センサの超音波送信素子の平面模式図である。 第2の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第2の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 第3の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第3の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 第4の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第4の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 実施形態2に係る超音波センサの一部の断面模式図である。 実施形態1に係る超音波センサの一部の断面模式図である。 第5の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 第6の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を10回行った結果を重ねて示したものである。 超音波センサによって得られた超音波信号の出力の変動に及ぼす、紙幣に対する超音波の入射角度の影響を評価した試験を説明するための図であり、(a)は、この試験における素子対及び紙幣の側面模式図であり、(b)は、紙幣に対する超音波の入射角度と出力の変動との関係を示したグラフである。 実施形態1に係る超音波センサの平面模式図であり、超音波送信素子、超音波受信素子及び遮蔽壁の互いの位置関係を説明するための図である。 (a)は、実施形態1に係る紙葉類状態検出装置の外観を示す斜視模式図であり、(b)は、実施形態1に係る紙葉類状態検出装置内部の構造概要を示す断面模式図である。 実施形態1に係る紙葉類状態検出装置のセンサユニット部を示す模式図であり、(a)は、断面図を示し、(b)は、平面図を示す。 実施形態1に係る紙葉類状態検出装置の機能ブロック図である。 実施形態1に係る紙葉類状態検出装置によって行われる紙葉類の判定処理を示すフローチャートである。 紙幣の疲労度(たれ度)の測定方法を説明するための模式図である。 実施形態2に係る超音波センサの斜視模式図である。 実施形態2に係る超音波センサの断面模式図である。 第7の評価試験における超音波センサの断面模式図である。 第7の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第8の評価試験における超音波センサの平面模式図である。 第7の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を複数回行った結果を重ねて示したものである。 第8の評価試験で得られた超音波信号を示したグラフであり、同様の測定を複数回行った結果を重ねて示したものである。
(実施形態1)
以下、図面を参照して、本発明に係る紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法の好適な実施形態を詳細に説明する。まず、本実施形態に係る紙葉類状態検出装置が備える超音波センサについて説明する。該超音波センサは、搬送されている紙葉類に超音波を送信し、該紙葉類を透過した超音波を受信して超音波信号を出力する機能を有し、本実施形態に係る紙葉類状態検出装置内で、該超音波信号から特徴を抽出して紙葉類の状態、具体的には疲労を検出するために利用される。
本実施形態に係る紙葉類状態検出装置は、図1〜図3に示した超音波センサ(超音波センサユニット)10を備えている。超音波センサ10は、搬送されている紙葉類100に超音波を送信し、紙葉類100を透過した超音波を受信して超音波信号を出力するものである。紙葉類100の搬送方向をX軸負方向とし、搬送面に垂直な軸をZ軸とし、Y軸はX軸及びZ軸に直交するものとする。また、紙葉類100は搬送面と略平行に搬送されるものとし、Z軸正側を上方、Z軸負側を下方という。
紙葉類100の種類は特に限定されず、例えば、紙幣や商品券、小切手、有価証券、カード状媒体等が挙げられる。また、紙幣に用いられる紙は、植物繊維を素材にした紙が主流だが、耐久性や耐水性、セキュリティ性等の向上を目的として、合成繊維を素材とした紙や、合成樹脂のシートであるポリマーシートが用いられてもよい。ポリマーシートから作られた紙幣は、ポリマー紙幣と呼ばれる。なかでも、紙葉類100としては、植物繊維を素材にした紙から形成されたものが好適である。
超音波センサ10は、搬送面を間に挟んで対向する送信部11及び受信部12と、送信部11及び受信部12にそれぞれ設けられ、紙葉類100を搬送する搬送部55としての複数のローラ55aとを有し、紙葉類100は、ローラ55aによって送信部11及び受信部12の間を搬送される。送信部11は、筺体13と、複数の超音波送信素子(以下、単に送信素子とも言う。)21と、送信素子21が実装されたセンサ実装基板31とを備えており、送信素子21及びセンサ実装基板31は、筺体13に収容されている。受信部12は、筺体14と、送信素子21と同数の超音波受信素子(以下、単に受信素子とも言う。)22と、受信素子22が実装されたセンサ実装基板32と、センサ実装基板32に接続されたアンプ基板33とを備えており、受信素子22、センサ実装基板32及びアンプ基板33は、筺体14に収容されている。このように、超音波センサ10は、一対の送信素子21及び受信素子22を複数組備えている。以下、各組の送信素子21及び受信素子22を素子対25とも言う。
なお、送信部11及び受信部12の配置場所は、互いに入れ替え可能であり、送信部11を上方に、受信部12を下方に、それぞれ配置してもよい。また、図2では、図を見やすくするため、送信部11及び受信部12間の距離を広げて図示している。
送信素子21は、入力信号に基づいて超音波を送信するものであり、受信素子22は、超音波を受信するものであるが、いずれも振動子として圧電素子、例えば圧電セラミック素子を備えている。送信素子21及び受信素子22は、搬送面に向かって配置されており、各受信素子22は、対応する送信素子(対の送信素子)21から送信された超音波を正面から受信できるように、その向き及び位置が設定されている。より詳細には、各受信素子22の受信面(検知面)24が対応する送信素子21の送信面(検知面)23と対向しており、各受信素子22の圧電素子の超音波放射面が、対応する送信素子21の圧電素子の超音波放射面と対向している。好ましくは、各受信素子22の中心軸と、対応する送信素子21の中心軸とが略同じ直線上に配置されている。
紙葉類100と各送信素子21との間における超音波の多重反射の影響を低減するため、各送信素子21は、対応する受信素子(対の受信素子)22からある程度離れて配置されている。これらの間の距離が近すぎると、受信素子22による超音波の受信後も多重反射された超音波が残ってノイズ源となる可能性があるためである。また、紙葉類100は、各素子対25の間の略中央を搬送される。
紙葉類100全面を不感帯なく検出するために、図1(b)、図2及び図4に示すように、素子対25は、千鳥状に複数列(以下、列を段とも言う。)、配置されており、素子対25は、X軸方向に複数列、例えば2列、配置されている。また、素子対25は、Y軸方向における紙葉類100の幅よりも広い範囲にわたって配置されている。素子対25は、各段においてY軸方向に等間隔で配置されている。異なる段の間では素子対25はY軸方向において異なる位置に配置されているが、全ての段の素子対25のY軸方向におけるピッチは一定である。このように、Y軸方向において紙葉類100全体をカバーするように素子対25が配置され、かつ、隣の段の素子対25の隙間を埋めるように各段の素子対25が配置されているため、紙葉類100全面で、その情報を不感帯なく検出することができ、例えば、紙葉類100のわずかな裂けでも検知することができる。
図1〜図3及び図5に示すように、筺体13の搬送面に対向する対向部には、送信素子21に対応する位置に、千鳥状に複数列、開口15が設けられている。同様に、筺体14の搬送面に対向する対向部には、受信素子22に対応する位置に、千鳥状に複数列、開口16が設けられている。そして、各送信素子21は、対応する開口15及び16を通して、対応する受信素子22に向かって超音波を送信する。また、図5に示すように、筺体13及び14には、それぞれ、ローラ55aを露出するための開口17及び18が設けられている。
ローラ55aは、モータ等の図示しない駆動装置で駆動され、超音波センサ10内で紙葉類100を搬送する。紙葉類100は、超音波センサ10内に設けられた複数のローラ55aによって搬送され、送信部11及び受信部12の間を通過して、超音波センサ10外へ排出される。各ローラ55aは、時計回り及び反時計回りのいずれにも回転可能に設置されており、これらのローラ55aの回転が後述の搬送制御部によって制御されることによって、紙葉類100は、X軸負方向へ搬送される。
なお、紙葉類100の搬送方向(X軸方向)が、紙葉類100の長手方向又は短手方向のいずれと平行な方向となるかは特に限定されない。搬送方向や搬送速度等を含む紙葉類100の搬送方法は、本実施形態に係る紙葉類状態検出装置の用途に応じて適宜決定可能である。
センサ実装基板31には、送信素子21以外に、送信素子21の入力信号(駆動信号)を発生する送信回路が実装されており、センサ実装基板32には、受信素子22以外に、受信素子22で受信した超音波信号を増幅処理する増幅回路が実装されている。また、アンプ基板33には、超音波信号を信号処理する回路が実装されている。
送信素子21は、図1(b)に示すように、3以上の素子群に振り分けられている。図1(b)では、4つの素子群に振り分けた一例を示しており、異なる素子群の送信素子21には異なるパターンを付している。素子群は、後述する送信制御部によって動的(交番)送信制御される。すなわち、送信制御部は、3以上の素子群をローテーションしながら送信制御し、同じ素子群に属する複数の送信素子21を同時に送信制御する。これにより、送信素子21は、素子群毎に順番に超音波を送信することができる。この送信サイクルを紙葉類100の搬送中に繰り返すことによって、紙葉類100全面の情報を検出する。また、隣り合う送信素子21から送信された超音波同士の干渉(クロストーク)を軽減するために、隣り合う送信素子21が順番に送信することがないよう、各送信素子21の配置(素子群への振り分け)、及び、動的送信の順序(素子群の送信順序)が決められている。
しかしながら、本発明者らは、各送信素子21の配置及び動的送信の順番の組み合わせによっては、他の送信素子21からの干渉の影響が大きい送信素子21が存在することを見出した。具体的には、(1)紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21と紙葉類100に重なっている送信素子21とをこの順に送信した場合、(2)紙葉類100に重なっていない送信素子21を送信した場合、(3)各素子対25を搬送面に対して傾斜させて配置した場合、並びに、(4)隣り合う送信素子21間、及び/又は、隣り合う受信素子22間に遮蔽物が存在しない場合、受信した超音波信号にノイズが特に発生しやすいことを見出した。そこで、本実施形態では、これらの場合におけるノイズを低減するために以下の手段を採用している。
(1)送信順序に起因するノイズ対策
隣り合った送信素子21の一方のみが紙葉類100に重なっている状態において、紙葉類100に重なっていない送信素子21と紙葉類100に重なっている送信素子21とをこの順に送信した場合、重なっていない送信素子21から重なっている送信素子21への干渉が確認された。これは、不感帯がないよう各段の送信素子21は隣の段の送信素子21と近接して配置されているためと考えられる。特に、紙葉類100の端部において、紙葉類100に重なっていない送信素子21と紙葉類100に重なっている送信素子21とをこの順に送信すると干渉が非常に大きくなることが確認された。
ここで、実際に干渉の有無を評価した第1の評価試験の結果について説明する。第1の評価試験では、千鳥状に2列に配置した33対の送信素子21及び受信素子22を図6に示すチャンネルに割り当て、かつ、図6に示すような状態で紙葉類100が超音波センサ10に重なっている時に、各チャネルの送信素子21を素子群毎に下記表1に示すように動的送信した。したがって、紙葉類100の左端部では、外側から内側の送信素子21を順に超音波を送信した(図6中の矢印参照)。
Figure 0006668135
その結果、図7に示すように、紙葉類100の左端部に位置する3チャンネル及び4チャンネルでは、受信した超音波信号に非常に大きなノイズが発生した。これは、紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21から送信された超音波が紙葉類100の端部を回り込んで、紙葉類100に重なっている送信素子21に対応する受信素子22に受信されたため(干渉したため)と考えられる。他方、紙葉類100に重なっている3チャンネルの次に送信した5チャンネルでは、ノイズは発生しなかった。
そこで、本実施形態では、特に紙葉類100の端部において、紙葉類100に重なっている送信素子(第一超音波送信素子)21と紙葉類100に重なっていない送信素子(第二超音波送信素子)21とをこの順に送信するように、各送信素子21の配置及び動的送信の順番が決定されている。これにより、上述したような紙葉類100を回り込む超音波の悪影響を抑えることができ、紙葉類100に重なっていない送信素子21からの干渉が軽減される。そのため、紙葉類100の端部に位置するチャンネルのノイズを低減することができる。
本明細書において、紙葉類100に重なっている送信素子21とは、その送信面23を平面視した状態において、図8(a)に示すように、紙葉類100に完全に重なっており、かつ、図8(b)に示すように、紙葉類100の長手方向のエッジ(長辺)100aとの距離D1、及び、紙葉類100の短手方向のエッジ(短辺)100bとの距離D2が、いずれも、超音波の回り込みによる影響の出ない距離である送信素子21aを意味する。他方、紙葉類100に重なっていない送信素子21とは、図8(a)に示すように、その送信面23を平面視した状態において、紙葉類100に全く重なっていない送信素子21bを意味する。また、送信面23を平面視した状態において、紙葉類100に部分的に重なっている送信素子21(図8(a)中の送信素子21c)、並びに、送信面23を平面視した状態において、紙葉類100に完全に重なっており、かつ、距離D1及び距離D2の少なくとも一方が超音波の回り込みによる影響の出る距離である送信素子21(図8(a)中の送信素子21d)については、本実施形態及び実施形態2における各制御において、紙葉類100に重なっていない送信素子21bとして扱い、送信素子21bと同様に制御することが好ましい。したがって、本実施形態では、紙葉類100の端部において、紙葉類100に重なっている送信素子21aと、送信素子21c又は送信素子21dとは、この順に送信されることが好ましい。また、紙葉類100の端部において、紙葉類100に重なっている送信素子21aと、送信素子21c又は送信素子21dと、紙葉類100に重なっていない送信素子21とが、この順に送信されてもよい。本明細書において、送信素子21b、21c及び21dをまとめて、紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21とも言う。
ここで、実際にノイズ抑制効果を評価した第2の評価試験の結果について説明する。第2の評価試験では、千鳥状に2列に配置した33対の送信素子21及び受信素子22を図9に示すチャンネルに割り当て、かつ、図9に示すような状態で紙葉類100が超音波センサ10に重なっている時に、図9の矢印で示されるような順番で各チャネルの送信素子21を動的送信した。したがって、紙葉類100の左端部において、内側から外側の送信素子21の順に超音波を送信した(図9中の矢印参照)。
その結果、図10に示すように、紙葉類100に重なっている7チャンネルの次に送信した5チャンネルと同様に、紙葉類100の左端部に位置する4チャンネル及び3チャンネルにおいてノイズが大きく低減した。
(2)紙葉類に重なっていない送信素子に起因するノイズ対策
紙葉類100に重なっていない送信素子21を送信させると、重なっていない送信素子21から重なっている送信素子21に対応する受信素子22への干渉が確認された。例えば、搬送されている紙葉類100に対して前段又は後段の一方の送信素子21のみが重なっている状態において、紙葉類100に重なっていない段の送信素子21と紙葉類100に重なっている段の送信素子21とをこの順に送信すると、重なっていない段の送信素子21から重なっている段の受信素子22への干渉が確認された。これは、寸法的な都合により、隣り合う送信素子21が近接し、前段と後段の送信素子21が近接しているためと考えられる。
そこで、本実施形態では、紙葉類100に重なっていない送信素子21を、紙葉類100に重なるまで送信させない制御を行う。これにより、紙葉類100に重なっていない送信素子21からの超音波の回り込み(干渉発生源)を解消することができる。同様の観点からは、上述の送信素子21c及び送信素子21dを紙葉類100に重なるまで送信させない制御を行うことが好ましい。また、紙葉類100が超音波センサ10を通過する間、紙葉類100に重なることがない送信素子21(例えば、紙葉類100が通過する領域から外れた位置にある送信素子21)については、その間、送信させない制御を行うことが好ましい。このような制御を実現するためには、例えば、後述するように、超音波センサ10の前段(上流)に、紙葉類100の端(位置)を検出可能な光学ラインセンサ等のセンサを配置し、紙葉類100の外形情報及び通過位置情報を取得することが好ましい。これにより、各チャンネルの送信素子21上を紙葉類100が通過するか否かを判断することができる。また、上記外形情報及び通過位置情報を用いれば、各段の送信素子21上を通過するタイミングが分かるため、紙葉類100に重なっていない段の全ての送信素子21の送信を止めることも可能である。
ここで、実際に一部が裂けた紙幣(裂け券)を用いて干渉抑制効果を評価した第3及び第4の評価試験の結果について説明する。第3の評価試験では、図11に示すように、紙葉類100に重なっているか、重なっていないかに関わらず、各送信素子21を素子群ごとに動的送信させた。この場合、紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21(チャンネル)からの超音波の干渉を受けるため、図12に示すように、本来の検出対象である信号の変化(図12中、楕円で囲まれたピーク)がノイズで埋もれてしまった。
そこで、第4の評価試験では、図13に示すように、紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21を、紙葉類100に重なるまで送信させない制御を行った。より詳細には、紙葉類100の搬送中、紙葉類100の長手方向において紙葉類100に完全には重ならない送信素子21を送信させなかった。また、後段の送信素子21を、搬送されてきた紙葉類100に重なるまで送信させなかった。更に、前段の送信素子21を、搬送されていった紙葉類100に完全には重ならなくなった後、送信させなかった。このような制御を行うことによって、干渉の発生源がオフとなるので、干渉が起こらず、図14に示すように、ノイズを効果的に低減でき、ノイズの影響を受けずに本来の検出対象である信号の変化(図14中、楕円で囲まれたピーク)を測定することができた。なお、図12及び図14はいずれも、図11及び図13に示した6チャンネルの結果である。
(3)素子対の傾斜に起因するノイズ対策
後で詳述するが実施形態2では、図15に示すように、各素子対25を搬送面に対して傾斜させて配置している。その場合、各素子対25が傾斜している分、超音波干渉の影響が大きくなる。また、紙葉類100に対して斜めに超音波を入射させると、紙葉類100の搬送時のばたつきやうねりといった紙葉類100の動特性、すなわち紙葉類100の搬送状態の変動、に起因するノイズ(以下、動特性ノイズとも言う。)の影響が多大なものとなる。
そこで、本実施形態では、図1(a)、図3及び図16に示すように、素子対25を搬送面に対して正対するように配設し、紙葉類100に対して垂直に超音波を入射させることが好ましい。これにより、他の送信素子21からの干渉が軽減されるため、超音波信号を安定して取り出すことができる。また、紙葉類100の動特性の変動の影響を受けにくくなるため、動特性ノイズを抑制することができる。更に、各素子対25を垂直配置とすることで、製造における精度向上及び工程削減に寄与することができる。
ここで、実際に干渉及び動特性ノイズの抑制効果を評価した第5及び第6の評価試験の結果について説明する。第5の評価試験では、図15に示したように、素子対25を搬送面の垂線から30°傾斜させた。その結果、図17に示すような出力信号が得られた。それに対して、第6の評価試験では、図16に示したように、素子対25を搬送面の垂線から傾斜させなかった(垂直配置)。その結果、図18に示すような出力信号が得られ、30°傾斜させた場合に比べて、出力の変動を2/3以下に低減することができた。
また、図19(a)に示すように、入射角度0°〜45°の範囲で紙幣101に超音波を送信したところ、図19(b)に示すように、紙幣101に対する超音波の入射角度が大きくなるほど、出力の変動が大きくなった。例えば、入射角度が0°から10°に変化すると、出力の変動は略5%増加したが、入射角度が30°から40°に変化すると、出力の変動は略25%増加した。紙幣101に対する入射角度の変化は同じ10°にも関わらず、出力の変動の増加量は略5倍であった。したがって、各素子対25の傾斜を30°とするより、各素子対25の傾斜を0°(垂直)とする方が、紙葉類100に対する超音波の入射角度の変動、すなわち紙葉類100の動特性の変動、に起因する出力の変動を小さくでき、出力信号をより安定して取り出すことができる。
なお、上述のように各素子対25を垂直配置とした場合、紙葉類100と各送信素子21との間における超音波の多重反射が懸念されるが、これについては、各受信素子22の受信を制限することで対処することが可能である。具体的には、紙葉類100と送信素子21との間で発生し、正規の透過信号よりも遅れて受信素子22に受信される超音波の多重反射成分を、紙葉類100の疲労を検出するための超音波信号として用いないようにすればよい。
また、多重反射を回避する観点からは、後述する実施形態2の傾斜配置の方が好ましいが、上述のように、動特性ノイズの低減、出力信号の安定化、及び、製造上の利点の観点からは、本実施形態の垂直配置の方が好ましい。垂直配置の場合、搬送面の垂線に対する各素子21、22の中心軸の傾斜角度(又は搬送面に対する各素子21、22の送信面23若しくは受信面24の傾斜角度)は、実質的に0°であることが好ましい。
(4)隣接素子間のノイズ対策
不感帯なく紙葉類100の情報を検出するため、隣り合う素子対25間の隙間は小さく設定されている。そのため、他の組の送信素子21(特に紙葉類100に完全には重なっていないもの)から送信された超音波が、紙葉類100に重なっている送信素子21に対応する受信素子22側へ回り込んだり、該超音波に起因する干渉が発生したりすることがある。その場合、これらがノイズとして受信され、紙葉類100の情報を検知できないか、又は、その検知精度の低下を招く要因となる。
そこで、本実施形態では、図2、図3及び図20に示すように、隣り合う送信素子21の間に遮蔽壁41を設けるとともに、隣り合う受信素子22の間に遮蔽壁42を設けている。これにより、他の組の送信素子21(特に紙葉類100に完全には重なっていないもの)が送信した超音波の回り込み、及び、該超音波に起因する干渉を抑制できる。その結果、ノイズが低減された本来の信号を測定することができる。
遮蔽壁41は、隣り合う送信素子21間の隙間を埋めるように形成されている。また、遮蔽壁41は、図3に示すように、送信素子21側では、送信素子21の送信面23から数mm程度、送信素子21に重なるように形成され、搬送路側では、筺体13の搬送面に対向する対向部まで形成されている。同様に、遮蔽壁42は、隣り合う受信素子22間の隙間を埋めるように形成されている。また、遮蔽壁42は、図3に示すように、受信素子22側では、受信素子22の受信面24から数mm程度、受信素子22に重なるように形成され、搬送路側では、筺体14の搬送面に対向する対向部まで形成されている。これにより、不要な干渉や回り込みの発生を可能な限り低減している。また、遮蔽壁41及び42は、それぞれ、筺体13及び14と一体的に形成されている。
なお、送信部11の遮蔽壁41及び受信部12の遮蔽壁42は、一方のみが設けられていてもよいが、ノイズを効果的に低減する観点からは、少なくとも受信部12の遮蔽壁42を設けることが好ましい。また、図2、図3及び図20では、隣り合う全ての送信素子21間に遮蔽壁41を設けるとともに、隣り合う全ての受信素子22間に遮蔽壁42を設けているが、一部の隣接送信素子21間のみに遮蔽壁41を設けてもよく、また、一部の隣接受信素子22間のみに遮蔽壁42を設けてもよい。例えば、遮蔽壁41は、異なる段の送信素子21間のみに設けられたY軸方向に延在するものであってもよいし、遮蔽壁42は、異なる段の受信素子22間のみに設けられたY軸方向に延在するものであってもよい。
次に、本実施形態に係る紙葉類状態検出装置及び紙葉類状態検出方法を詳細に説明する。本実施形態に係る紙葉類状態検出装置は、搬送されている紙葉類100に超音波を送信し、紙葉類100を透過した超音波の出力信号に基づいて、紙葉類100の状態、具体的には疲労を検出する。紙葉類の種類に拘わらず適用可能な技術である。
本実施形態は、紙葉類100の疲労、例えば破れ、裂け、皺、よれ等によって紙葉類100を透過する超音波信号が変化することを利用し、得られた超音波信号に基づいて紙葉類100の疲労を検出し、紙葉類100の正損を判定するものである。
本実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、図21に示すように、複数の紙葉類100を載置可能なホッパ51と、ホッパ51に載置された紙葉類100を搬送する搬送路52と、紙葉類100の情報検出を行う超音波センサ10と、超音波センサ10で検出された情報に基づき判別された紙葉類100を集積する集積部53、判別不能な紙葉類100や所定条件をみたす紙葉類100を他の紙葉類100と分けて集積するリジェクト部54とを備える。超音波センサ10をこのような紙葉類状態検出装置50に内蔵して利用することにより、ホッパ51に載置された複数の紙葉類100を、1枚ずつ、連続して処理することができる。そして、例えば、損券と判断された紙葉類100がリジェクト部54に返却される。
紙葉類状態検出装置50は、図21(b)及び図22に示すように、処理対象となる紙葉類100の識別処理に応じて、超音波センサ10以外の種々のセンサを含むセンサユニット60を備える。センサユニット60は、超音波センサ10の前段(上流)に配設されており、センサユニット60は、例えば、タイミングセンサ61a及び61bと、赤外光、可視光等の複数種類の光を照射して紙葉類100の光学特性を計測し、紙葉類100の光学画像情報を取得するための光学ラインセンサ62と、紙葉類100の厚みを計測するための厚み検知センサ63と、紙葉類100の磁気特性を計測する磁気センサ64と、紫外光を照射して紙葉類100の蛍光インク部を計測する蛍光センサ65とを備えている。また、センサユニット60には、搬送路52内を紙葉類100が移動できるように、搬送部55として複数のローラ55bが設けられおり、ローラ55bは、モータ等の図示しない駆動装置で駆動される。
タイミングセンサ61aは、センサユニット60に順次搬入されてくる紙葉類100を検出し、センサユニット60における紙葉類100の測定開始のタイミングを決定するための紙幣検出信号を生成する。一方、タイミングセンサ61bは、センサユニット60から順次搬出される紙葉類100を検出し、センサユニット60における紙葉類100の測定終了のタイミングを決定するための紙葉類検出信号を生成する。タイミングセンサ61a及び61bとしては、通常、光反射型又は光透過型の光センサが用いられるが、機械的に紙葉類100の通過を検出するセンサを設けてもよい。
紙葉類状態検出装置50では、センサユニット60で取得された情報に基づいて、紙葉類100の金種識別や真贋判別、紙葉類100の向きや表裏の判定、紙葉類100の外形情報及び通過位置情報の取得等が行われる。このように、本実施形態の紙葉類状態検出装置50は、紙葉類識別装置としての機能も有するものである。また、紙葉類状態検出装置50では、センサユニット60で取得した情報に基づいて、超音波センサ10を用いた処理、具体的には紙葉類100の正損の判定が行われる。なお、センサユニット60については、紙幣処理装置の分野で従来から利用されている技術であるため詳細な説明は省略する。
紙葉類状態検出装置50は、図21及び図22に示した構成の他に、図23に示すように、通信インターフェイス56(以下「通信I/F」と記載する)、制御部70及び記憶部80を有している。制御部70は、超音波センサ10で受信された超音波信号に基づいて紙葉類100の状態を検出する検出部71と、超音波センサ10で受信された超音波信号や他のセンサで取得した信号に基づいて、紙葉類100の種類等の識別や真偽、正損等の判定を行う判定部72と、各送信素子21を制御する送信制御部73と、各受信素子22を制御する受信制御部74と、センサユニット60の各センサの制御を行うセンサ制御部75と、センサユニット60の各センサの情報を取得するセンサ情報取得部76と、紙葉類100を搬送するローラ55a、55b等の搬送部55を制御する搬送制御部77とを有する。記憶部80は、センサユニット60で取得した情報の判定処理等を行うために利用される各種のテンプレート(例えば基準画像データ等)81と、紙葉類100の種類等の識別や真偽、正損等の判定の基準となる各種の閾値82とを記憶している。
判定部72は、センサ情報取得部76で得られた情報と、その情報に対応するテンプレート81とを比較することにより、紙葉類100の種類等を特定する機能を有する。
具体的には、例えば、処理対象が米国紙幣である場合には、記憶部80には予め1ドル、2ドル、5ドル、10ドル、20ドル、50ドル及び100ドルの各紙幣の基準画像データがテンプレート81として記憶されている。そして、光学ラインセンサ62によって撮像された紙葉類100の画像の特徴部分のデータが、各基準画像データと比較される。その結果、紙葉類100の画像の特徴部分のデータが、100ドル紙幣の基準画像データと一致するとともに他の金種の基準画像データと異なる場合に、この紙葉類100を100ドル紙幣であると判定する。処理対象とする紙葉類100が紙幣である場合には、判定部72は、このように金種識別を行う他、センサユニット60で取得された情報に基づいて、紙幣が本物であるか否かを判定する真偽判別や、紙幣が所定基準を満たし再利用可能な紙幣であるか否かを判定する正損判別等の処理を行う。センサユニット60で取得された情報に基づく、このような紙葉類100の識別処理は、紙葉類識別装置の分野において従来から利用されている技術であるため、詳細な説明は省略する。
また、判定部72は、超音波センサ10で取得された超音波信号に基づいて正損判定を行う機能を有している。紙葉類100の状態によって紙葉類100を透過する超音波信号が変化することを利用して、紙葉類100の正損を判定するものであるが、これについての詳細は後述する。
送信制御部73及び受信制御部74は、それぞれ、各送信素子21及び各受信素子22の送信及び受信を制御する機能を有する。各素子対25により個別の超音波信号を取得するために、送信制御部73は、各素子群を順に送信させる送信制御を行い、受信制御部74は、各送信素子21の送信のタイミングに合わせて、その送信素子21に対応する受信素子22の受信のタイミングを制御する。また、送信制御部73及び受信制御部74は、受信信号のノイズを低減するために、上述の(1)〜(3)で説明した制御を行う。
記憶部80は、揮発性又は不揮発性のメモリやハードディスク等の記憶装置で構成され、紙葉類状態検出装置50で行われる処理に必要な各種のデータを記憶するために利用される。
通信I/F56は、紙葉類状態検出装置50の外部からの信号を受信したり、紙葉類状態検出装置50から外部へ信号を送信する機能を有する。通信I/F56によって、例えば、外部からの信号を受信して、制御部70の動作設定を変更したり、記憶部80に記憶されているソフトウェアプログラムやデータの更新、追加及び削除の処理を行ったり、紙葉類状態検出装置50による紙葉類100の判定結果を外部へ出力することができる。
なお、制御部70は、例えば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、当該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、当該CPUによって制御される各種ハードウェア等によって構成されている。各部の動作に必要なソフトウェアプログラムやデータの保存には、記憶部80や、別途専用に設けられたRAMやROM等のメモリやハードディスク等が利用される。
次に、紙葉類状態検出装置50によって紙葉類100の正損を判定するための処理について説明する。
まず、タイミングセンサ61aにより紙葉類状態検出装置50に紙葉類100が到来したことが検知されると、センサユニット60の各センサのセンシングが開始されるとともに、センサ情報取得部76による各センサの情報の取得が開始される。センサ情報取得部76によって取得される情報には、光学ラインセンサ62による紙葉類100の外形情報及び通過位置情報が含まれる。なお、紙葉類状態検出装置50は、紙葉類100を検知しない間は、紙葉類100の到来を監視する状態にある。
そして、判定部72は、センサ情報取得部76で得られた情報と、その情報に対応するテンプレート81とを比較することにより、紙葉類100の種類(紙幣の場合は金種)の識別、紙葉類100の真偽判別、紙葉類100の正損判別、並び、紙葉類100の向き及び表裏の判定を行う。
次に、図24のフローチャートを参照して、超音波センサ10を用いて紙葉類100の正損を判定するための処理について説明する。
まず、送信制御部73は、センサ情報取得部76から紙葉類100の搬送情報(外形情報及び通過位置情報)を受け取る(ステップS10)。
次に、送信制御部73は、受け取った紙葉類100の搬送情報に基づき、上述の(1)〜(3)で説明した制御を行うための送信素子21の送信パターンを演算する(ステップS11)。
次に、送信制御部73及び受信制御部74は、それぞれ、上記送信パターンに基づいて、送信素子21及び受信素子22を駆動する(ステップS12)。これにより、上記送信パターンに基づいて、各送信素子21から超音波が送信されるとともに、各受信素子22から送信されて紙葉類100を通過した超音波は、対応する送信素子21によって受信される。ただし、受信制御部74は、上述のように、紙葉類100と送信素子21との間で多重反射された超音波成分(多重反射成分)を、紙葉類100の疲労を検出するための超音波信号として用いない制御(以下、多重反射カット制御とも言う。)を行う。上記多重反射成分は、正規の透過信号(最初に紙葉類100を透過して受信素子22で受信される超音波の透過成分)よりも遅れて受信される。
次に、センサ実装基板32及びアンプ基板33において各受信素子22で受信された超音波信号が処理、具体的には増幅処理等の処理が行われ、紙葉類100全面における超音波透過量が算出される(ステップS13)。
次に、検出部71は、紙葉類100全面で測定された超音波透過量に基づいて紙葉類100の疲労を検出する(ステップS14)。具体的には、まず、検出部71は、紙葉類100の全体又は特定の範囲で、超音波透過量の平均値、偏差、又は、偏差/平均(偏差を平均で除したもの)を算出する。
ここで、実際に非接触・空中伝搬超音波検査システムNAUT21(ジャパンプローブ社製)を用いて、植物繊維を素材とした紙幣である2005年発行の中国の100元紙幣の疲労度(たれ度)を超音波で評価した実験結果について説明する。なお、たれ度とは、紙葉類のよれの程度を示す指標であり、ここでは、図25に示すように、長手方向の一方の端部が支持部材111で支持された100元紙幣102の長手方向の他端と支持部材111との間の距離Lに基づいて決定した。Lが91mm以上の場合を「新札レベル」と評価し、Lが71mm以上、91mm未満の場合を「疲労少」と評価し、Lが51mm以上、71mm未満の場合を「疲労あり」と評価し、Lが31mm以上、51mm未満の場合を「疲労感強」と評価し、Lが31mm未満の場合を「損券相当」と評価した。
この実験の結果、紙幣の疲労度(たれ度)は、局所的なデータの特異点となって現れることが分かった。そして、疲労が進むと、全体的に透過量が変化するのではなく、この特異点の数が増えていった。他方、疲労が進んでも、透過量が大きくなる箇所と少なくなる箇所が併存するため、平均値はほとんど変化しなかった。これは、紙幣の繊維が薄く削られた部位では透過量が多くなり、繊維が毛羽立って厚くなった部位では透過量が減少するためであると考えられる。また、測定された超音波透過量は、紙幣の全体で均一ではなく、スレッド、透かし等が設けられた部位では、疲労による特異点と同様に局所的に変動していた。したがって、スレッド等が設けられた部位では、紙幣が本来持っている変動と、疲労による変動とを超音波による特定値のみから区別することは困難である。以上より、紙葉類100、特に植物繊維を素材としたものの疲労度を超音波で測定する観点からは、判定部72は、紙葉類100の物性、なかでも物理的特性が均一で安定している範囲において、平均値ではなく、偏差、又は、偏差/平均を算出することが好ましい。紙葉類100の物性が均一で安定している範囲としては、例えば、紙葉類100の基材のみが設けられた部位や紙葉類100の基材上に印刷のみが施された部位(印刷部位)が好適である。
また、一般的に、超音波測定では得られる出力が小さく、本来の信号とノイズとの区別が困難である。下記表2に上記実験における測定環境のノイズ量と測定データのサンプルとを示す。
Figure 0006668135
表2に示すように、たれ度が新札レベルの官封券の偏差は、オフセット(ノイズ相当)の偏差の1.6倍程度しかなく、官封券の偏差及び測定値の略62%は、ノイズが占めていると考えられる。ノイズの大きさは、測定環境に大きく依存するが、超音波の特定上、超音波測定は微小測定となり、SN特性が問題となりやすい。そのため、ノイズの増減は、誤判定に直結し得る課題となりやすい。したがって、上述の本実施形態におけるノイズ低減手段は、紙葉類100の正損判定の精度向上のために非常に重要であると言える。
以下、紙葉類100の正損判定の処理について説明を続ける。
検出部71による紙葉類100の疲労検出の後、判定部72は、検出部71で算出された値と、記憶部80に記録されている閾値82とを比較して、この算出値が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS15)。そして、算出値が閾値より小さい場合には(ステップS15;異常なし)、紙葉類100を損券ではない(正券)、すなわち異常なしと判定し、通常処理を行って(ステップS16)、処理を終了する。一方、算出値が閾値以上である場合には(ステップS15;異常あり)、判定部72は、紙葉類100を異常ありと判定し、他のセンサで取得された情報に基づく正損の判定結果とのマッチング判定を行う(ステップS17)。マッチング判定では、他のセンサによる正損判定の結果(異常あり又は異常なし)を確認する。そして、マッチング判定の結果、異常がなければ、判定部72は、紙葉類100を損券ではない(正券)と判定し(ステップS18;異常なし)、通常処理を行って(ステップS16)、処理を終了する。一方、マッチング判定の結果、異常があれば、判定部72は、紙葉類100を損券と判定し(ステップS18;異常あり)、リジェクト処理を行って紙葉類100をリジェクト部54に返却し(ステップS19)、処理を終了する。
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。また、本実施形態と実施形態1とにおいて、同一又は同様の機能を有する部材には同一の符号を付し、本実施形態において、その部材の説明は省略する。本実施形態は、以下で説明する点を除いて、実施形態1と実質的に同じである。
本実施形態では、図26及び図27に示すように、超音波送信素子21は、段毎にセンサ実装基板31に実装されており、各センサ実装基板31は、センサ実装基板31間に配置された基板ホルダ34に接続され、支持されている。同様に、超音波受信素子32は、段毎にセンサ実装基板32に実装されており、各センサ実装基板32は、センサ実装基板32間に配置された基板ホルダ35に接続され、支持されている。
そして、本実施形態では、各素子対25は、搬送面に対して傾斜した状態で配設されている。これにより、実施形態1の垂直配置の場合に比べて、紙葉類100と各送信素子21との間で発生する超音波の多重反射を効果的に回避することができる。搬送面の垂線に対する各素子21、22の中心軸の傾斜角度(又は搬送面に対する各素子21、22の送信面23若しくは受信面24の傾斜角度)は、特に限定されず、適宜設定可能であり、例えば、30°である。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、不感帯なく紙葉類100の情報を検出するため、隣り合う素子対25間の隙間は小さく設定されている。また、寸法的な都合等の理由により、各段の素子対25は隣り合う段の素子対25と近接している。更に、超音波は、紙葉類100を透過する際に例えば略1/100に減衰する場合、紙葉類100に重なっている段と重なっていない段との間では略100倍の信号差(出力差)となる。そのため、いずれかの段の送信素子21のみが紙葉類100に重なっており、かつ、紙葉類100に重なっていない段の送信素子21から送信された超音波が、紙葉類100に重なっている段の送信素子21に対応する受信素子22側へ少しでも回り込んだり、該超音波に起因する干渉が少しでも発生した場合、これらがノイズとして受信され、紙葉類100の情報を検知できないか、又は、その検知精度の低下を招く要因となる。上流側の一以上の段の送信素子21が紙葉類100に重なって、下流側の一以上の段の送信素子21が紙葉類100に完全には重なっていない場合、又は、その逆の場合において、この現象が発生し得る。
そこで、本実施形態では、隣り合う段の受信素子22の間に遮蔽壁43が設けられている。これにより、紙葉類100に完全には重なっていない段の送信素子21が送信した超音波の回り込み、及び、該超音波に起因する干渉を抑制できる。すなわち、紙葉類100に重なっている段の送信素子21に対応する受信素子22が、紙葉類100に完全には重なっていない段の送信素子21の影響を受け難くすることができる。その結果、紙葉類100に重なっている段の素子対25によって、ノイズが低減された本来の信号を測定することができる。
遮蔽壁43は、板状に形成されており、搬送路側では、筺体14の搬送面に対向する対向部まで形成されている。遮蔽壁43は、基板ホルダ35と一体的に形成されていてもよいし、筺体14と一体的に形成されていてもよい。
ここで、実際に干渉の有無を測定した第7及び第8の評価試験の結果について説明する。第7及び第8の評価試験では、千鳥状に2列に配置した31対の送信素子21及び受信素子22を図29及び図30に示すチャンネルに割り当てた。第7の評価試験では、図28及び図29に示すように、前後段の受信素子22間に遮蔽壁を設けなかった。その結果、図31に示すように、前段及び後段のチャンネルにおいてノイズが発生した。前段のチャンネルでは、当該チャンネルの送信素子21の送信の直前に送信された後段のチャンネルの送信素子21(紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21)からの超音波が干渉(残響)したと考えられる。また、後段のチャンネルでは、当該チャンネルの送信素子21の送信の後に送信された前段のチャンネルの送信素子21(紙葉類100に完全には重なっていない送信素子21)からの超音波が回り込んでいたと考えられる。
それに対して、第8の評価試験では、図30に示すように、前後段の受信素子22間に遮蔽壁43を設けた。その結果、図32に示すように、前段のチャンネル(図31の前段のチャンネルと同じチャンネル)及び後段のチャンネル(図31の後段のチャンネルと同じチャンネル)においてノイズがほとんど発生しなかった。これは、遮蔽壁43を設けることによって、前後段間における干渉が防止されたためと考えられる。
なお、本実施形態では、隣り合う段の送信素子21の間にも同様の遮蔽壁を設けてもよく、これにより、各素子21、22の配置によってはノイズ低減効果をより得られる可能性がある。この送信部11の遮蔽壁を遮蔽壁43の代わりに設けてもよいが、ノイズを効果的に低減する観点からは、少なくとも受信部12の遮蔽壁43を設けることが好ましい。また、実施形態1で示したように、各段において、隣接する素子21又は22間にも遮蔽壁を設けてもよい。
また、本実施形態においても、実施形態1と同様の処理により、超音波センサ10を用いて紙葉類100の正損を判定することが可能である。ただし、本実施形態では、受信制御部74は、実施形態1で説明した多重反射カット制御を行わなくてもよい。
上述のように、上記実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、超音波送信素子21と、超音波受信素子22と、超音波送信素子21の送信のタイミングを制御する送信制御部73と、超音波受信素子22で受信した超音波信号に基づいて、紙葉類100の状態を検出する検出部71とを備えることから、受信した超音波信号におけるノイズを低減でき、その結果、紙葉類100の状態を高精度に検出することが可能である。
また、上記実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、超音波送信素子21及び超音波受信素子22を少なくとも2組備え、送信制御部73は、少なくとも2つの超音波送信素子21の送信のタイミングを互いに独立して制御することから、紙葉類100の状態をより高精度に検出することが可能である。
また、超音波送信素子21及び超音波受信素子22の各組において、超音波送信素子21は、超音波受信素子22に対向して配置されており、上記実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、少なくとも1組の超音波送信素子21及び超音波受信素子22の間を、紙葉類100を搬送させる搬送部55を更に備え、送信制御部73は、紙葉類100に重なっていない超音波送信素子21の送信のタイミングを制御することから、受信した超音波信号におけるノイズを効果的に低減でき、紙葉類100の状態を更に高精度に検出することが可能である。
また、上記実施形態において、送信制御部73は、紙葉類100に重なっている第一超音波送信素子21と、紙葉類100に重なっていない第二超音波送信素子21とを、この順に送信させる制御を行うことから、受信した超音波信号におけるノイズを特に効果的に低減でき、紙葉類100の状態を特に高精度に検出することが可能である。
また、上記実施形態において、第一超音波送信素子21及び第二超音波送信素子21は、隣り合って配置されており、第一超音波送信素子21は、紙葉類100の端部に重なっていることから、紙葉類100の端部に位置するチャンネルのノイズを特に効果的に低減できる。
また、上記実施形態において、送信制御部73は、紙葉類100に重なっていない超音波送信素子21を、紙葉類100に重なるまで送信させない制御を行うことから、受信した超音波信号におけるノイズを特に効果的に低減でき、紙葉類100の状態を特に高精度に検出することが可能である。
また、上記実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、紙葉類100の光学画像情報を取得する光学ラインセンサ62を更に備え、送信制御部73は、光学ラインセンサ62によって取得された紙葉類100の光学画像情報に基づいて、少なくとも2つの超音波送信素子21の送信のタイミングを制御することから、少なくとも2つの超音波送信素子21の送信のタイミングを高精度に制御でき、その結果、受信した超音波信号におけるノイズを更に低減できる。
また、上記実施形態において、超音波送信素子21及び超音波受信素子22は、紙葉類100の搬送面に正対するように配置されていることから、超音波信号を安定して取り出すことができ、また、動特性ノイズを抑制することができる。
また、上記実施形態に係る紙葉類状態検出装置50は、超音波送信素子21及び超音波受信素子22の間に位置する紙葉類100と超音波送信素子21とで多重反射された超音波成分を上記超音波信号として用いない制御を行う受信制御部74を更に備えることから、超音波の多重反射に起因するノイズの発生を効果的に抑制することができる。
なお、上記実施形態では、超音波センサ10で取得された情報と他のセンサで取得された情報とに基づいて紙葉類100の正損判定を行ったが、超音波センサ10で取得された情報のみから紙葉類100の正損判定を行ってもよい。
また、上記実施形態では、紙葉類100の状態として疲労を検出する場合を説明したが、検出される紙葉類100の状態は、特に限定されず、例えば、紙葉類100の重送、紙葉類100の有無等であってもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
以上のように、本発明は、紙葉類の正損を精度よく判別するために有用な技術である。
10:超音波センサ(超音波センサユニット)
11:送信部
12:受信部
13、14:筺体
15〜18:開口
21、21a〜21d:超音波送信素子
22:超音波受信素子
23:送信面
24:受信面
25:素子対
31、32:センサ実装基板
33:アンプ基板
34、35:基板ホルダ
41〜43:遮蔽壁
50:紙葉類状態検出装置
51:ホッパ
52:搬送路
53:集積部
54:リジェクト部
55:搬送部
55a、55b:ローラ
56:通信インターフェイス
60:センサユニット
61a、61b:タイミングセンサ
62:光学ラインセンサ
63:厚み検知センサ
64:磁気センサ
65:蛍光センサ
70:制御部
71:検出部
72:判定部
73:送信制御部
74:受信制御部
75:センサ制御部
76:センサ情報取得部
77:搬送制御部
80:記憶部
81:テンプレート
82:閾値
100:紙葉類
100a:紙葉類の長手方向のエッジ(長辺)
100b:紙葉類の短手方向のエッジ(短辺)
101:紙幣
102:100元紙幣
111:支持部材

Claims (12)

  1. 検出対象である紙葉類を搬送させながら前記紙葉類の状態を検出する紙葉類状態検出装置であって、
    超音波送信素子と、
    超音波受信素子と、
    前記超音波送信素子の送信のタイミングを制御する送信制御部と、
    前記超音波受信素子で受信した超音波信号に基づいて、前記紙葉類の状態を検出する検出部と、を備え、
    前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子は、少なくとも2組設けられ、
    前記送信制御部は、少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを互いに独立して制御する
    紙葉類状態検出装置。
  2. 前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子の各組において、前記超音波送信素子は、前記超音波受信素子に対向して配置されており、
    前記紙葉類状態検出装置は、少なくとも1組の超音波送信素子及び超音波受信素子の間を、前記紙葉類を搬送させる搬送部を更に備え、
    前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっていない超音波送信素子の送信のタイミングを制御する請求項1記載の紙葉類状態検出装置。
  3. 前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっている第一超音波送信素子と、前記紙葉類に重なっていない第二超音波送信素子とを、この順に送信させる制御を行う請求項2記載の紙葉類状態検出装置。
  4. 前記第一超音波送信素子及び前記第二超音波送信素子は、隣り合って配置されており、
    前記第一超音波送信素子は、前記紙葉類の端部に重なっている請求項3記載の紙葉類状態検出装置。
  5. 前記送信制御部は、前記紙葉類に重なっていない前記超音波送信素子を、前記紙葉類に重なるまで送信させない制御を行う請求項2〜4のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  6. 前記紙葉類状態検出装置は、前記紙葉類の光学画像情報を取得する光学ラインセンサを更に備え、
    前記送信制御部は、前記光学ラインセンサによって取得された前記紙葉類の前記光学画像情報に基づいて、前記少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを制御する請求項1〜5のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  7. 前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子は、前記紙葉類の搬送面に正対するように配置されている請求項1〜6のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  8. 前記超音波送信素子及び前記超音波受信素子の間に位置する前記紙葉類と前記超音波送信素子とで多重反射された超音波成分を前記超音波信号として用いない制御を行う受信制御部を更に備える請求項7記載の紙葉類状態検出装置。
  9. 前記紙葉類状態検出装置は、隣り合う超音波送信素子の間に設けられた遮蔽壁と、隣り合う超音波受信素子の間に設けられた遮蔽壁との少なくとも一方を更に備える請求項1〜8のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  10. 前記紙葉類は、紙幣である請求項1〜9のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  11. 前記検出部は、前記紙葉類の疲労を検出する請求項1〜10のいずれかに記載の紙葉類状態検出装置。
  12. 検出対象である紙葉類を搬送させながら前記紙葉類の状態を検出する紙葉類状態検出方法であって、
    超音波送信素子の送信のタイミングを制御する送信制御ステップと、
    超音波受信素子で受信した超音波信号に基づいて、前記紙葉類の状態を検出する検出ステップと、を含み、
    前記送信制御ステップにおいて、少なくとも2組の超音波送信素子及び超音波受信素子を構成する少なくとも2つの超音波送信素子の送信のタイミングを互いに独立して制御する
    紙葉類状態検出方法。
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