JP6667937B2 - 表示装置、蛍光表示管 - Google Patents
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Description
周知のようにVFDは、電子を放出するフィラメント(直熱形カソード)と、電子の移動を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されたアノードとが密封容器内に配置される。フィラメントに電圧を印加し加熱させることで熱電子を放出させ、熱電子をアノード上の蛍光体に衝突させることでアノードが点灯される。アノードは、所定のパターンで配列されており、点灯対象とするアノードに対して選択的に駆動電圧(直流電圧)を印加することで、該アノードの蛍光体のみがフィラメントより放出された熱電子によって励起発光され、所要の情報表示が実現される。
なお、VFDにおいては、フィラメントから放出された熱電子を加速させるグリッドがフィラメントとアノードとの間に配置される場合がある。
該特許文献1には、VFDを表示駆動するために必要な電源の構成例が開示されている。
また、フィラメントを個別に駆動可能とされることで、駆動部は、各フィラメントにそれぞれ異なるタイミングで駆動電圧を印加することが可能とされる。
また、フィラメントを個別に駆動可能とされることで、駆動部は、各フィラメントにそれぞれ異なるタイミングで駆動電圧を印加することが可能とされる。
なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第一実施形態>
[1-1.表示装置及び蛍光表示管の構成]
[1-2.実施形態の効果について]
<2.第二実施形態>
<3.第三実施形態>
<4.実施の形態のまとめ>
<5.変形例>
[1-1.表示装置及び蛍光表示管の構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態としての表示装置100の回路構成を示した図である。なお、以下の説明では蛍光表示管を「VFD」(Vacuum Fluorescent Display)と表記することもある。
コントローラ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、蛍光表示管1による表示動作を制御する。
蛍光表示管1は、表示管基板1aと表示管基板1aの表面を覆うカバー部材1bとで構成された密封容器1cを備え、密封容器1c内においてフィラメント(直熱形カソード)FiとアノードAnとグリッドGrとを有する表示部4が形成されている。ここで、密閉容器1c内は真空状態とされている。
アノードAnは、フィラメントFiから放出された電子を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されて成る。アノードAnは、表示管基板1a上に例えばパターン印刷により形成され、表示すべき情報に応じた所定のパターンにより配列されている。このように複数のアノードAnが所定パターンで配列された部分のことを以下、「アノードパターン部4a」と表記する。
なお、表示ブロックについて、図2Aに示すような7セグメント分のアノードAnの配列パターンはあくまで一例であり、表示ブロックを構成するアノードAnの配列パターンは該パターンに限定されるものではない。
蛍光表示管1において情報が表示される側の面(つまり上記透明部分におけるアノードAnとの対向面とは逆側の面)を「表面S1」と表記する。また、蛍光表示管1における表面S1とは逆側の面を「裏面S2」と表記する。
第一IC2は、図2に示した表示部4のアノードAnとグリッドGrの駆動を行う駆動回路が内蔵されている。
また、第二IC3は、フィラメントFiの駆動を行う駆動回路が内蔵されている。
フィラメント端子f1a〜f4aは、それぞれ第二IC3と接続され、フィラメント端子f1b〜f4bはアノードが接地されたツェナーダイオードZDのカソードに対して接続されている。
第一IC2は、これらの指示信号に従ってアノードAn及びグリッドGrの駆動を行う。なお、アノードAnの発光輝度の調整は、例えばアノードAnに対する駆動信号のONデューティを変化させることで行われる。
本例において、第二IC3は、フィラメント端子f1a〜f4aが個別に接続されて、フィラメントFiを個別に駆動可能とされている。そして、第二IC3は、コントローラ101からの上記信号により指示されるフィラメントFiを駆動する。
全域表示モード時には、コントローラ101からは全てのフィラメントFiを駆動する指示が、また一部表示モード時には一部のフィラメントFiのみを駆動する指示が第二IC3に行われる。
一部表示モード時には、一部表示領域におけるアノードAnの点灯に必要な一部のフィラメントFiのみが駆動される。すなわち、該アノードAnの点灯に不要とされるフィラメントFiが無駄に駆動されることがなくなり、これにより消費電力の削減が図られる。
これにより、複数本のフィラメントFiに駆動電圧を一斉に印加する場合に比べて、第二IC3内に流れる電流を小さくすることができる。例えば、1本のフィラメントFiに30mAの電流を流す必要があるとすれば、本例ではフィラメントFiを1本ずつ駆動し、同時に2本以上駆動することがないので、瞬間電流としてはフィラメントFiの1本分である30mAの電流で済む。一方、一斉駆動の場合は30mA×フィラメントFiの本数分の電流が流れることとなるため、フィラメントFiが例えば4本あれば120mAの電流が流れることになる。
一般にICに電流をより多く流すためにはIC内部の配線幅をより太くする必要があり、IC外形が大きくなり、ICのコストアップに繋がる。本例によれば、IC内部に流れる電流量を少なくできるため、第二IC3内部の配線幅を縮小化でき、コスト削減を図ることができる。
また、第二IC3に流れる電流を小さくできることで、放射ノイズの低減を図ることができる。
ここで、電源102は5V電源とされ、略5Vの直流電圧を出力する。
ステップアップ回路104は、インダクタLs、スイッチSW、ダイオードDs、及びコンデンサCsを備え、チョッパ型の昇圧スイッチングレギュレータとして構成されている。本例では、スイッチSWにはnチャンネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)が用いられている。
図示のようにインダクタLsは一端が電源102の出力端子と、他端がスイッチSWのドレイン−ソース間を介して接地されている。インダクタLsの他端とスイッチ部SWのドレインとの接続点は、ダイオードDsのアノードと接続され、ダイオードDsのカソードはコンデンサCsを介して接地されている。
昇圧制御部3aは、ステップアップ回路104の出力電圧の電圧値を所定の値で一定とするためのフィードバック制御を行う。
本例において、昇圧制御部3aは、電源102からの略5Vの入力に対し、ステップアップ回路104の出力電圧値が略12VとなるようにスイッチSWの制御を行う。
コンデンサCcは、ステップアップ回路104におけるスイッチSWとインダクタLsとの接続点と、ダイオードD1とダイオードD2との接続点との間に挿入されている。
上記で説明した実施形態としての表示装置100においては、蛍光表示管1におけるアノードAn、グリッドGr、及びフィラメントFiの駆動のために必要な電源電圧(高電圧VH及び低電圧VIN)は、電源102及び昇圧部103による単一の電源系で賄われる。
そして、このように単一の電源系で高電圧VH及び低電圧VINを賄う構成とされた上で、表示装置100においては、昇圧制御部3aによるフィードバック制御の目標電圧値の設定によって、これら低電圧VIN及び高電圧VHの電圧値を変更することが可能とされる。これは、電源仕様の異なる蛍光表示管1(つまり高電圧VH、低電圧VINの要求電圧値が異なる蛍光表示管1)が表示装置100に実装され得ることを想定した場合において、それぞれの電源仕様を満足するにあたり、電源系の構成を共通化可能であることを意味する。
以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
フィラメント駆動回路111は、電源102’とは別の電源(不図示)からの入力電圧に基づいてフィラメント電圧Efを生成する。
また、図4に示した表示装置100’’としても、実装する蛍光表示管1’の電源仕様が異なる場合には、フィラメント駆動回路111等の回路構成の変更を要し、電源開発コストの増加を招来する。
従って、実装する蛍光表示管1の電源仕様に応じて表示装置100における電源系の構成をカスタムする必要性をなくすことが可能となり、表示装置100の製造にあたっての電源開発コストの削減、及び部品在庫の管理コスト削減が図られ、表示装置100の製造コスト削減を図ることができる。
図5は、第二実施形態としての表示装置100Aの回路構成を示した図である。
表示装置100Aは、第一実施形態の表示装置100と比較して、電源102に代えて電源102Aが設けられ、昇圧部103に代えて昇圧部103Aが設けられた点が異なる。
電源102Aは、電源102と出力電圧値が異なる電源とされ、本例では12V電源とされている。
昇圧部103Aは、チャージポンプ回路105が省略された点が昇圧部103と異なる。
これは、低電圧VINの要求電圧値が電源102Aの出力電圧値(昇圧部103Aへの入力電圧値)と一致し、且つ高電圧VHの電圧値が低電圧VINよりも高いとの条件を満たす電源仕様の範囲内であれば、実装される蛍光表示管1の電源仕様が異なる場合であっても電源系の構成を共通とすることが可能であることを意味する。
従って、上記電源仕様の範囲内であれば、実装する蛍光表示管1の電源仕様に応じて表示装置100Aにおける電源系の構成をカスタムする必要性がなくなり、表示装置100Aの製造にあたっての電源開発コストの削減、及び部品在庫の管理コスト削減を図ることができる。
図6は、第三実施形態としての表示装置100Bの回路構成を示した図である。
表示装置100Bは、第一実施形態の表示装置100と比較して、電源102に代えて電源102A(例えば12V電源)が設けられ、蛍光表示管1に代えて蛍光表示管1Bが設けられた点が異なる。
蛍光表示管1Bは、グリッドGrの電源電圧の要求電圧値がアノードAnの電源電圧の要求電圧値よりも低い電源仕様とされ、グリッドGrの駆動電圧についての電源電圧であるグリッド用電圧VHGと、アノードAnの駆動電圧についての電源電圧であるアノード用電圧VHAとを個別に入力する。
蛍光表示管1Bにおいては、第一IC2に代えて第一IC2Bが設けられており、第一IC2Bは、アノード用電圧VHAによってアノードAnの駆動を行う駆動回路と、グリッド用電圧VHGによってグリッドGrの駆動を行う駆動回路とを有している。
これは、低電圧VINの要求電圧値が電源102Aの出力電圧値(昇圧部103Aへの入力電圧値)と一致し、且つアノード用電圧VHA及びグリッド用電圧VHGの電圧値が低電圧VINの電圧値よりも高くさらにグリッド用電圧VHGの電圧値がアノード用電圧VHAの電圧値よりも低いとの条件を満たす電源仕様の範囲内であれば、実装される蛍光表示管1の電源仕様が異なる場合であっても電源系の構成を共通とすることが可能であることを意味する。
従って、上記電源仕様の範囲内であれば、実装する蛍光表示管1Bの電源仕様に応じて表示装置100Bにおける電源系の構成をカスタムする必要性がなくなり、表示装置100Bの製造にあたっての電源開発コストの削減、及び部品在庫の管理コスト削減を図ることができる。
上記のように実施形態としての表示装置(100、100A、又は100B)は、電子を放出するフィラメント(Fi)と、電子の移動を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されたアノード(An)とを少なくとも有する蛍光表示管(1又は1B)と、蛍光表示管の外部に設けられ、出力電圧を変圧可能な昇圧部(103又は103A)を有し、単一電源(102又は102A)からの入力電圧に基づきフィラメントの電源電圧とアノードの電源電圧とを得る単一の電源系と、蛍光表示管に設けられ、昇圧部の昇圧動作を制御して該昇圧部に少なくともアノードの電源電圧を生成させる昇圧制御部(3a)と、蛍光表示管に設けられ、電源系で得られるフィラメントの電源電圧、及びアノードの電源電圧を入力し、フィラメント、及びアノードを駆動する駆動部(第一IC2及び第二IC3、又は第一IC2B及び第二IC3)と、を備えるものである。
従って、実装する蛍光表示管の電源仕様に応じて表示装置における電源系の構成をカスタムする必要性をなくすことが可能となり、蛍光表示管の電源開発コストの削減、及び電源構成部品の在庫管理コスト削減が図られ、表示装置の製造コスト削減を図ることができる。
従って、共通の電源系において生成可能な電圧値の設定自由度向上を図ることができる。つまり、共通の電源系でより多くの電源仕様の蛍光表示管に対応可能とすることができる。
従って、蛍光表示管の電源開発コストの削減、及び電源構成部品の在庫管理コスト削減が図られ、表示装置の製造コスト削減を図ることができる。
従って、蛍光表示管の電源開発コストの削減、及び電源構成部品の在庫管理コスト削減が図られ、表示装置の製造コスト削減を図ることができる。
従って、蛍光表示管の電源開発コストの削減、及び電源構成部品の在庫管理コスト削減が図られ、表示装置の製造コスト削減を図ることができる。
従って、消費電力の削減を図ることができる。
また、フィラメントを個別に駆動可能とされることで、駆動部は、各フィラメントにそれぞれ異なるタイミングで駆動電圧を印加することが可能とされる。これにより、フィラメント駆動時に駆動部に流れる電流を小さくすることができると共に、放射ノイズの低減を図ることができる。
アノードの駆動回路はフィラメントの駆動回路に対して回路規模が大きく、仮に昇圧制御部を第一集積回路側に設けた場合には第一集積回路のサイズが過大となる虞がある。第一集積回路のサイズが過大となると、蛍光表示管の基板上に対する第一集積回路及び第二集積回路の配置自由度が低下する虞がある。
そこで、第二集積回路側に昇圧制御部を設けたことで、第一集積回路のサイズが過大となることの防止を図ると共に、第一、第二集積回路のサイズバランス均衡化を図る。これにより、第一、第二集積回路の配置自由度向上を図ることができ、蛍光表示管の設計に係る負担軽減を図ることができる。
従って、消費電力の削減を図ることができる。
また、フィラメントを個別に駆動可能とされることで、駆動部は、各フィラメントにそれぞれ異なるタイミングで駆動電圧を印加することが可能とされる。これにより、フィラメント駆動時に駆動部に流れる電流を小さくすることができると共に、放射ノイズの低減を図ることができる。
従って、第一、第二集積回路の配置自由度向上を図ることができ、蛍光表示管の設計に係る負担軽減を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、上記では、フィラメントFiから放出される電子を加速させるためのグリッドGrを有する蛍光表示管に対して本発明が適用される場合を例示したが、本発明は、グリッドGrが省略されたいわゆる2極管構造が採られた蛍光表示管にも好適に適用することができる。
Claims (8)
- 電子を放出するフィラメントと、前記電子の移動を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されたアノードとを少なくとも有する蛍光表示管と、
前記蛍光表示管の外部に設けられ、出力電圧を変圧可能な昇圧部を有し、単一電源からの入力電圧に基づき前記フィラメントの電源電圧と前記アノードの電源電圧とを得る単一の電源系と、
前記蛍光表示管に設けられ、前記昇圧部の昇圧動作を制御して該昇圧部に少なくとも前記アノードの電源電圧を生成させる昇圧制御部と、
前記蛍光表示管に設けられ、前記電源系で得られる前記フィラメントの電源電圧、及び前記アノードの電源電圧を入力し、前記フィラメント、及び前記アノードを駆動する駆動部と、を備え、
前記駆動部は、
前記アノードを駆動するドライバ回路を含む第一集積回路と、前記フィラメントを駆動するドライバ回路を含む第二集積回路とを有し、
前記昇圧制御部が前記第二集積回路に設けられた
表示装置。 - 前記昇圧部は、
前記昇圧制御部により昇圧動作が制御されるステップアップ回路と、
前記ステップアップ回路の出力電圧に基づき、該出力電圧よりも電圧値の高い電圧を生成するチャージポンプ回路とを有する
請求項1に記載の表示装置。 - 前記駆動部は、
前記ステップアップ回路の出力電圧を前記フィラメントの電源電圧として入力し、前記チャージポンプ回路の出力電圧を前記アノードの電源電圧として入力する
請求項2に記載の表示装置。 - 前記蛍光表示管は、
前記フィラメントから放出された熱電子を加速させるグリッドを有し、
前記駆動部は、
前記フィラメント、前記アノード、及び前記グリッドの駆動を行うと共に、
前記単一電源からの入力電圧を前記フィラメントの電源電圧として入力し、前記ステップアップ回路の出力電圧を前記グリッドの電源電圧として入力し、前記チャージポンプ回路の出力電圧を前記アノードの電源電圧として入力する
請求項2に記載の表示装置。 - 前記昇圧部は、
前記昇圧制御部により昇圧動作が制御されるステップアップ回路を有し、
前記駆動部は、
前記単一電源からの入力電圧を前記フィラメントの電源電圧として入力し、前記ステップアップ回路の出力電圧を前記アノードの電源電圧として入力する
請求項1に記載の表示装置。 - 前記蛍光表示管は、前記フィラメントを複数本有し、
前記駆動部は、個々の前記フィラメントを個別に駆動可能とされた
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の表示装置。 - 電子を放出するフィラメントと、前記電子の移動を制御するアノード電極上に蛍光体が形成されたアノードとを少なくとも有し、表示装置に搭載される蛍光表示管であって、
出力電圧を変圧可能な昇圧部を有すると共に単一電源からの入力電圧に基づき前記フィラメントの電源電圧と前記アノードの電源電圧とを得る、前記蛍光表示管の外部に設けられた単一の電源系について、前記昇圧部の昇圧動作を制御して該昇圧部に少なくとも前記アノードの電源電圧を生成させる昇圧制御部と、
前記電源系で得られる前記フィラメントの電源電圧、及び前記アノードの電源電圧を入力し、前記フィラメント、及び前記アノードを駆動する駆動部と、を備え、
前記駆動部は、
前記アノードを駆動するドライバ回路を含む第一集積回路と、前記フィラメントを駆動するドライバ回路を含む第二集積回路とを有し、
前記昇圧制御部が前記第二集積回路に設けられた
蛍光表示管。 - 前記フィラメントを複数本有し、
前記駆動部は、個々の前記フィラメントを個別に駆動可能とされた
請求項7に記載の蛍光表示管。
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