JP2006308616A - 有機elディスプレイ装置の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 周囲環境等に応じて輝度を調整する機能を有する有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、高いリニアリティで輝度調整できるようにする。
【解決手段】 コントローラ13は、D−A変換回路15および信号電極ドライバ12に対して、輝度を表すデータであるladj(電流設定値)を出力する。D−A変換回路15は、ladjをアナログ信号に変換しアナログ信号をプリチャージ電圧生成回路16に出力する。プリチャージ電圧生成回路16は、電源電圧VCCを、アナログ信号の振幅(ladjの値に相当)に応じた値に変換し、変換した値の電圧をプリチャージ電圧VPとして信号電極ドライバ12に供給する。よって、プリチャージ電圧VPは、輝度を表すデータであるladjに応じた値に制御される。
【選択図】 図1
【解決手段】 コントローラ13は、D−A変換回路15および信号電極ドライバ12に対して、輝度を表すデータであるladj(電流設定値)を出力する。D−A変換回路15は、ladjをアナログ信号に変換しアナログ信号をプリチャージ電圧生成回路16に出力する。プリチャージ電圧生成回路16は、電源電圧VCCを、アナログ信号の振幅(ladjの値に相当)に応じた値に変換し、変換した値の電圧をプリチャージ電圧VPとして信号電極ドライバ12に供給する。よって、プリチャージ電圧VPは、輝度を表すデータであるladjに応じた値に制御される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機ELディスプレイ装置の駆動装置に関し、特に、プリチャージ駆動を行う駆動装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス発光素子(以下、有機EL素子という。)は、陽極と陰極との間に有機薄膜を有する構造を持つ。陰極が陽極よりも高電位となるように両電極間に電圧を印加しても、有機薄膜にはほとんど電流が流れず、有機薄膜は発光しない。逆に、陽極が陰極よりも高電位となるように両極間に所定電圧(発光開始電圧)以上の電圧を印加すると、有機薄膜に電流が流れ、有機薄膜は発光する。このような有機EL素子をマトリクス状に配列した有機ELディスプレイ装置が、実用に供されつつある。
有機EL素子の有機薄膜に定電圧を印加して発光させる場合、その発光輝度は温度変化や経時変化等により大きく変動する。しかし、定電流を流して発光させる場合には、発光輝度の変動は小さい。そこで、一般に、有機EL素子によって表示を行う有機ELディスプレイ装置では、駆動装置に定電流回路が設けられ、各有機EL素子に定電流が供給される。
有機EL素子は容量性の素子であり、その等価回路は、発光部としてのダイオードと容量成分(寄生容量)とが並列接続されたものとして表現される。すると、発光部がマトリクス状に配列されたマトリクスディスプレイを駆動する方法として一般に用いられている単純マトリクス駆動法を使用すると、選択期間における初期の期間では有機EL素子に供給される電流が寄生容量を充電するために使用される。その結果、選択期間における初期の期間では発光部としてのダイオードに流れる電流は少なく、発光が不十分になるという問題がある。
そのような問題を解消するために、選択期間における初期の期間において、または選択期間が開始される前に所定の期間を設け、その期間(プリチャージ期間)において陽極ドライバ(陽極駆動回路)から全ての陽極に定電圧を印加する駆動法が用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。以下、このような駆動法をプリチャージ駆動と呼ぶ。また、プリチャージ期間において有機EL素子に印加される電圧をプリチャージ電圧と呼ぶことにする。
なお、選択期間における初期の期間においてプリチャージ期間を設けて定電圧を印加することと、選択期間が開始される前の所定の期間をプリチャージ期間として定電圧を印加することとは、選択期間の定義の仕方が異なるだけで、実質的に同じである。すなわち、定電圧を印加する期間を、選択期間内と捉えるのか、選択期間外と捉えるのかの違いである。以下、特に断らない限り、プリチャージ期間は選択期間における初期の期間であるとして説明を進める。
また、有機ELディスプレイ装置には、有機ELディスプレイ装置が置かれる環境における明るさに応じて、自動的に輝度を変更するように構成されるものがある(例えば、特許文献2参照)。例えば、車載装置に搭載された有機ELディスプレイ装置では、昼間など明るい環境では表示が視認されやすくなるように輝度を上げ、夜間など暗い環境では視認者にまぶしく感じさせないように輝度を下げる。輝度を変化させるには、有機EL素子を流れる電流、すなわち陽極ドライバから陽極に流れ込む電流を変化させればよい。電流を変化させる場合、電流値を変化させるPHM(Pulse Height Modulation )を用いてもよいし、一定値の電流を流す期間を変えるPWM(Pulse Width Modulation)によってもよい。なお、2段階に限らず他段階に輝度を変化させるように構成されることもある。
プリチャージ期間において陽極に印加される定電圧すなわちプリチャージ電圧は、選択期間(プリチャージ期間を除く。)における駆動電圧(陽極ドライバの出力電圧)と等しい値に設定されていることが好ましい。しかし、有機EL素子に流れる電流が変わると有機EL素子に対する駆動電圧も変化する。従って、輝度を自動的に変化させる機能を有する有機ELディスプレイ装置では、選択期間における駆動電圧が変化することがある。よって、プリチャージ電圧を常に一定にしておくと、プリチャージ電圧と選択期間(プリチャージ期間を除く。)における駆動電圧とが等しくならない場合がある。その場合、例えば、選択期間(プリチャージ期間を除く。)における駆動電圧に対してプリチャージ電圧が高い場合には、プリチャージ電圧が過大になることから、輝度が所望の輝度よりも高くなる可能性がある。また、選択期間(プリチャージ期間を除く。)における駆動電圧に対してプリチャージ電圧が低い場合には、プリチャージ電圧が不足することから、輝度が所望の輝度よりも低くなる可能性がある。
従って、例えば、夜間などの暗い環境において、昼間などの明るい環境である場合に対して所定の割合になるように輝度を下げるように電流を制御したときに、実際の輝度が、目標とする所定の割合からずれる可能性がある。換言すれば、輝度調整のリニアリティが低下する。すなわち、ある目標の輝度にするために有機EL素子に流れる電流の値を所定値に変更しても、実際に得られる輝度が、所定値の電流の値に応じた輝度からずれてしまう。
そこで、本発明は、プリチャージ駆動によって寄生容量を充電する機能を有し、かつ、周囲環境等に応じて輝度を調整する機能を有する有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、高いリニアリティで輝度調整できるようにすることを目的とする。
本発明による有機ELディスプレイ装置の駆動装置は、複数の陽極と複数の陰極とが交差するように配置され、その交差部分のそれぞれが有機EL素子を有する画素とされた有機ELディスプレイ装置を単純マトリクス駆動法によって駆動し、選択期間における初期の所定期間または選択期間に先立つ所定期間に少なくとも点灯画素に接続された陽極にプリチャージ電圧を印加し、有機EL素子に流れる電流を制御することによって有機ELディスプレイ装置の輝度を調整する駆動装置であって、目標とする輝度に応じて有機EL素子に流す電流に応じてプリチャージ電圧を設定するプリチャージ電圧設定手段(例えば、D−A変換回路15およびプリチャージ電圧生成回路16で実現される。)を備えたことを特徴とする。
プリチャージ電圧設定手段は、プリチャージ電圧を、輝度に応じて有機EL素子に流す電流に応じた駆動電圧に等しくするように制御する。
プリチャージ電圧設定手段は、有機EL素子に流す電流に応じて駆動電圧がリニアに変化するように、有機EL素子に流す電流に応じてプリチャージ電圧を設定するように構成されていてもよい。そのような構成によれば、駆動装置に回路構成を簡略化できる。
本発明によれば、有機EL素子に流す電流に応じてプリチャージ電圧を設定するので、プリチャージ駆動によって寄生容量を充電する機能を有し、かつ、周囲環境等に応じて輝度を調整する機能を有する有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、高いリニアリティで輝度調整ができるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による有機ELディスプレイ装置の駆動装置の一例を有機ELパネル10および駆動装置の外に存在するMPU(Micro Processing Unit)40とともに示すブロック図である。
図1は、本発明による有機ELディスプレイ装置の駆動装置の一例を有機ELパネル10および駆動装置の外に存在するMPU(Micro Processing Unit)40とともに示すブロック図である。
有機ELディスプレイ装置の駆動装置は、コントローラ13、走査電極ドライバ11、信号電極ドライバ12、電源回路14、D−A変換回路15およびプリチャージ電圧生成回路16を含む。
MPU40は、駆動装置に対して表示データを出力する。表示データは、コントローラ13に内蔵されているメモリ13aに格納される。有機ELパネル10は、複数の走査電極と複数の信号電極とで有機薄膜が挟持された構造を有する。各走査電極と各信号電極とは、有機薄膜を挟んで交差するように(具体的には、直交するように)配置される。各走査電極と各信号電極との交差部分が有機EL素子を有する画素となる。各画素において、信号電極側から走査電極側に電流が流れることにより、その画素の有機薄膜が発光する。
なお、この実施の形態では、走査電極が陰極であって、信号電極が陽極であるとする。また、有機ELパネル10内で延伸する配線を走査電極配線および信号電極配線とし、走査電極配線が有機ELパネル10の端部において走査電極に接続され、信号電極配線が有機ELパネル10の端部において信号電極に接続されると定義されることもあるが、ここでは、有機ELパネル10内で延伸する配線を走査電極および信号電極と定義する。
コントローラ13は、所定のタイミングで、メモリ内の表示データに応じたデータ(Data)を信号電極ドライバ12に出力する。また、コントローラ13は、信号電極ドライバ12に対して、クロックパルス(CP)とラッチパルス(LP)をタイミング信号として出力する。信号電極ドライバ12は、LPを用いて、入力された1行分のDataをラッチする。
また、コントローラ13は、走査電極ドライバ11に対して、1フレームの開始を示すFLM(ファーストラインマーカ)および駆動する走査電極(選択行)の切替を示すLPをタイミング信号として出力する。
また、信号電極ドライバ12は、それぞれの信号電極に対応した定電流回路を有し、LPの入力に応じて、既にラッチされているDataに応じて、定電流回路からの定電流を信号電極に供給したり、信号電極に接地電位Vssを与えたりする。すなわち、点灯を示すDataに対応する信号電極に定電流を流し、消灯を示すDataに対応する信号電極に接地電位Vssを与える。
電源回路14は、電源電圧VCCを、接地電位VSSとともに信号電極ドライバ12およびプリチャージ電圧生成回路16に供給する。また、非選択電圧VCOMHを、接地電位VSSとともに走査電極ドライバ11に供給する。
さらに、コントローラ13は、D−A変換回路15および信号電極ドライバ12に対して、輝度を表すデータであるladj(電流設定値)を出力する。D−A変換回路15は、ladjをアナログ信号に変換し、アナログ信号をプリチャージ電圧生成回路16に出力する。この実施の形態では、プリチャージ電圧生成回路16は、電源電圧VCCを元にプリチャージ電圧VPを生成する。すなわち、電源電圧VCCを、アナログ信号の振幅(ladjの値に相当)に応じた値に変換し、変換した値の電圧をプリチャージ電圧VPとして信号電極ドライバ12に供給する。
図2は、信号電極ドライバ12の構成例を有機ELパネル10の一部とともに示す回路図である。図2には、有機ELパネル10において1本の走査電極81のみが示されている。また、各画素がダイオードとキャパシタの並列体で示されている。SEGi(i=1〜n)はi番目の信号電極を示し、COMxはx番目の走査電極を示す。各走査電極には、切替回路19の制御によって、選択電圧としての接地電位VSSまたは非選択電圧としてのVCOMHが印加される。例えば、切替回路19は、FLMが入力されると、入力されるLPの数のカウントを開始し、カウント値が示す行の走査電極に選択電圧を印加し、他の走査電極に非選択電圧を印加する。
各信号電極SEGi(i=1〜n)に対応して設けられている定電流回路12i(i=1〜n)は、コントローラ13から入力されたladjが示す輝度に応じた電流を出力する。定電流回路12iと信号電極SEGiとの間には、スイッチ18i(i=1〜n)が設けられている。各スイッチ18iの接続状態は、切替回路17によって制御される。
また、切替回路17には、CP、LPおよびDataが入力される。切替回路17は、LPがオン状態になってから所定数のCPが入力されるまでの間、点灯画素(選択期間においてオンする画素)に接続された信号電極SEGiにプリチャージ電圧VPが印加されるようにスイッチ18iを制御する。所定数のCPが入力されるまでの間がプリチャージ期間に相当する。所定数は、有機ELパネル10の特性などに応じて決定される。なお、切替回路17は、点灯画素をDataによって知ることができる。また、この実施の形態では、点灯画素に接続された信号電極SEGiにのみプリチャージ電圧VPを印加するが、特許文献1に記載されているように全ての信号電極SEGiにプリチャージ電圧VPを印加するようにしてもよい。
切替回路17は、プリチャージ期間が終了すると、Dataに応じてスイッチ18iを制御する。すなわち、Dataが点灯を示している画素に対応した信号電極SEGiに定電流回路12iの出力が接続され、Dataが消灯を示している画素に対応した信号電極SEGiに接地電位VSSが印加されるように、スイッチ18iを設定する。
図3は、輝度調整とプリチャージ電圧との関係を示す説明図である。なお、電流設定値ladjは信号電極ドライバ12から信号電極SEGiに流される電流値に比例した値であるとする。すなわち、例えば、電流設定値ladjの値がある値の2倍になると、ladjの値がある値であるときに流れていた電流の2倍の電流を流せるように定電流回路12iが構成されている。有機EL素子の輝度は、定電流回路から流れ込む電流に比例する。電流設定値ladjは定電流回路が流す電流値に比例するので、図3(A)に示すように、有機EL素子の輝度は、電流設定値ladjに比例する。
有機ELディスプレイ装置における有機EL素子に求められる輝度に応じて、有機EL素子(具体的には画素)に流れる電流値、すなわち信号電極SEGiに流れる電流値が制御されるのであるが、電流値が変わると有機EL素子の駆動電圧(信号電極ドライバ12すなわち陽極ドライバの出力電圧)も変わることは既に述べた。
有機EL素子に流れる電流値が低下していくと、ある電流値までは電流値の減少にほぼ比例して駆動電圧Vdも低下するのであるが、有機EL素子はダイオード特性を有するので、有機EL素子に流れる電流値が、ある電流値よりも小さくなると、駆動電圧Vdの低下の度合いが高くなる(図3(B)における破線参照)。図3(B)において、破線は駆動電圧Vdを示し、実線はプリチャージ電圧VPを示す。図3(B)において破線と実線とは離れているが、それは単に図面を見やすくするためであって、P点よりも上の領域では、プリチャージ電圧VPが、駆動電圧Vdと等しくなるように制御される。
なお、この実施の形態では、電流設定値ladjは有機EL素子に流れる電流値に比例するように設定されるので、図3(B)では、横軸は電流設定値ladjで表されているが、横軸は有機EL素子に流れる電流値に相当する値を表しているともいえる。
プリチャージ電圧VPは駆動電圧Vdと等しいことが好ましいので、選択期間(プリチャージを除く。)における駆動電圧Vdを実際に測定し、測定結果に応じてプリチャージVPを制御するように駆動装置を構成することが好ましいが、そのように構成したのでは、駆動装置の回路規模が大きくなってしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、有機EL素子の駆動電圧Vdは、常に、流れる電流値に比例すると仮定して制御を行う。つまり、図3(B)におけるP点の電流値以下でも、駆動電圧Vdは流れる電流値に比例すると仮定する。
そして、そのように仮定に従ってプリチャージ電圧VPを制御する。その場合、図3(B)においてP点よりも電圧が高い部分は、プリチャージ電圧VPを駆動電圧Vdと等しくすることができる。しかし、P点よりも電圧が低い部分では、有機EL素子のダイオード特性によって、上記の仮定にもとづくプリチャージ電圧VPが駆動電圧Vdからずれる。しかしながら、そのような領域は、そもそも電流値が不足することから有機EL素子が発光せず、実用的には、電流値に対して駆動電圧Vdがリニアに変化する領域で有機EL素子が用いられる。すなわち、有機EL素子の駆動電圧Vdは、常に、流れる電流値に比例すると仮定しても、実用上問題はない。
なお、図3(B)におけるP点に相当する電圧よりも高い領域では駆動電圧Vdが流れる電流値に常に比例するという仮定からずれるような有機EL素子を用いた有機ELディスプレイ装置を駆動する場合には、選択期間(プリチャージを除く。)における駆動電圧Vdを実際に測定し測定結果に応じてプリチャージVPをダイナミックに設定するように駆動装置を構成したり、流れる電流値−駆動電圧の特性をあらかじめ測定し測定結果にもとづいてプリチャージVPを設定するように駆動装置を構成したりすることが考えられる。
次に、図4のタイミング図を参照して駆動装置の動作を説明する。図4には、全点灯、すなわち有機ELディスプレイ装置の全画面が点灯される場合が例示されている。
コントローラ13は、図4に示すように、1フレームの開始時に、FLMを、走査電極ドライバ11に対して出力する。走査電極ドライバ11は、FLMが入力されると、第1行(ここではCOM1に対応)から順に、各行すなわち各走査電極に、選択期間において選択電圧を印加する。選択期間は、1つのLPが出力されてから、次のLPが出力するまでの期間に相当する。
コントローラ13は、信号電極ドライバ12に対してCP、LPおよびDataを出力する。コントローラ13は、Dataで、各画素のデータを1画素分ずつ信号電極ドライバ12に出力する。信号電極ドライバ12は、CPによってDataを取り込むとともに、内部で、Dataをシフトする。そして、LPが入力されると、シフトされたDataをラッチし、ラッチしたDataに応じて各定電流回路を駆動する。なお、走査電極ドライバ11がLPに応じて第i行目(iは1〜最終行数のいずれか)に対して選択電圧を印加するときには、信号電極ドライバ12は、その直前の選択期間において取り込んだDataにもとづいて各定電流回路を駆動する。また、図2に例示した構成では、シフト機能およびラッチ機能は、切替回路17に設けられている。
また、コントローラ13は、目標とする輝度に応じた値のladjを信号電極ドライバ12およびD−A変換回路15に出力する。図4では、Qのタイミング以前の前半のフレーム(走査電極ドライバ11が全ての走査電極について1回ずつ選択する場合の最初の走査電極の選択開始から最後の走査電極の選択終了までの期間)ではaという値の電流設定値ladjが出力され、そのフレームの次のフレーム開始(図4におけるQ点に相当)からbという値の電流設定値ladjが出力されることが例示されている。
プリチャージ電圧生成回路16は、D−A変換回路15がアナログ変換したladjの値に応じた値の電圧をプリチャージ電圧VPとして信号電極ドライバ12に供給する。信号電極ドライバ12は、既に説明したように、各選択期間における初期の所定期間において、有機ELパネル10における少なくとも点灯画素に接続された信号電極SEGiにプリチャージ電圧VPを印加する。なお、図4には、各選択期間における最後の所定期間において、寄生容量の放電を目的として各信号電極SEGiが接地電位VSSに接続される制御例が示されているが、そのような所定期間を設けなくてもよい。
図4に示す例では、コントローラ13は、Q点のタイミングで、有機ELパネル10の輝度を変えるために、電流設定値ladjをaからbに変更する。よって、プリチャージ電圧生成回路16は、電流設定値ladjがaである場合のプリチャージ電圧VPの値を、電流設定値ladjがbである場合のプリチャージ電圧VPの値に変更する。図3に例示したように、電流設定値ladjがbである場合のプリチャージ電圧VPの値は、電流設定値ladjがaである場合のプリチャージ電圧VPの値よりも低い。また、いずれのプリチャージ電圧VPの値も、電流設定値ladjに応じた値の電流が有機EL素子に流れる場合の駆動電圧Vdに等しい。従って、図4において、Q点以降の場合も、プリチャージ電圧VPを駆動電圧Vdに一致させることができる。
以上に説明したように、プリチャージ電圧生成回路16は、輝度に応じた電流設定値ladjに応じてプリチャージ電圧VPを設定するので、プリチャージ電圧VPを駆動電圧Vdと等しくすることが可能になる。よって、有機ELパネル10の輝度が所望の輝度よりも高くなったり、有機ELパネル10の輝度が所望の輝度よりも低くなることを防止できる。すなわち、輝度調整のリニアリティを維持することができる。
本発明による駆動装置を、例えば、周囲の明るさに応じての輝度を自動的に変える車載用の有機ELディスプレイ装置などを駆動するものとして好適に適用することができる。
10 有機ELパネル
11 走査電極ドライバ
12 信号電極ドライバ
13 コントローラ
14 電源回路
15 D−A変換回路
16 プリチャージ電圧生成回路
11 走査電極ドライバ
12 信号電極ドライバ
13 コントローラ
14 電源回路
15 D−A変換回路
16 プリチャージ電圧生成回路
Claims (3)
- 複数の陽極と複数の陰極とが交差するように配置され、その交差部分のそれぞれが有機EL素子を有する画素とされた有機ELディスプレイ装置を単純マトリクス駆動法によって駆動し、選択期間における初期の所定期間または選択期間に先立つ所定期間に少なくとも点灯画素に接続された陽極にプリチャージ電圧を印加し、有機EL素子に流れる電流を制御することによって有機ELディスプレイ装置の輝度を調整する有機ELディスプレイ装置の駆動装置において、
目標とする輝度に応じて有機EL素子に流す電流に応じてプリチャージ電圧を設定するプリチャージ電圧設定手段を備えた
ことを特徴とする有機ELディスプレイ装置の駆動装置。 - プリチャージ電圧設定手段は、プリチャージ電圧を、輝度に応じて有機EL素子に流す電流に応じた駆動電圧に等しくするように制御する
請求項1記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。 - プリチャージ電圧設定手段は、有機EL素子に流す電流に応じて駆動電圧がリニアに変化するように、有機EL素子に流す電流に応じてプリチャージ電圧を設定する
請求項1または請求項2記載の有機ELディスプレイ装置の駆動装置。
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