JP2007065074A - 表示装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示部を駆動する半導体装置 - Google Patents

表示装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示部を駆動する半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 取り扱いを容易とする表示装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示管を駆動する半導体装置を提供する。
【解決手段】 電子を放出するカソードと電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと電子が衝突することによって発光する蛍光体とを有する蛍光表示部22と、蛍光表示部22のグリッドおよびアノードに接続され蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部50と、蛍光表示部駆動部50に所定電圧を供給するスイッチングレギュレータと、蛍光表示部駆動部50とスイッチングレギュレータの電源制御部30を制御する共通制御部40とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、表示装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示部を駆動する半導体装置に関する。
表示装置が、種々の産業分野で用いられている。表示装置に用いる表示部としては、LCD(液晶表示器)、FED(電界放出表示器)、CRT(陰極線管)に加え、蛍光表示管を用いるものがある。そして、蛍光表示管は、後述する種々の長所を有するために多用されている。図10(A)、図10(B)に、最も原理的な蛍光表示管の内部構造を示す。図10(A)は蛍光表示管の透視図であり、図10(B)は、A−A断面によって切断した断面図である。図10(A)、図10(B)に示すように、蛍光表示管は、密封容器内に電極が配置される構造を有している。すなわち、蛍光表示管の内部は、少なくとも一方向が透明とされ(フロントガラス側)、その内部は真空に保たれて、容器内に、カソード(フィラメント)、グリッド(メッシュ)およびアノードを基本的な電極として備えている。
蛍光表示管のフィラメント(カソード)から放出される熱電子は、グリッドおよびアノードによって、移動が制御されるようになされている。そのために、蛍光表示管の外部の回路(図示せず)と接続して、グリッドおよびアノードに電圧を供給するためのリード(端子)が設けられている。図10(A)、図10(B)に示すキャラクタ表示用の蛍光表示管では、熱電子は、グリッドによってその動きを制御され、アノードに印加される電圧で加速され引き寄せられ、アノード上の表示すべきパターンの形状に塗布された蛍光体に衝突させられ所望のパターンを表示する。
蛍光表示管は、鮮明で見やすいこと、マルチカラー表示が可能であること、表示される画像のパターン設計の自由度が大きいこと、動作電圧が比較的低いこと(12V〜120V程度)、信頼性が優れていること等の長所を有している。そして、今日では、図10(A)、図10(B)に示した、桁ごとにグリッドおよびアノーが、区切られて構成された、キャラクタ表示用の蛍光表示管から、1画面に連続した絵柄を表示し、その表示の輝度も階調がついた、図形表示、漢字、平仮名等の広範囲なグラフィック表示ができる蛍光表示管へと進化を遂げている。そして、民生機器(例えば、オーディオ、ビデオ機器)、家電機器(冷蔵庫等)、産業機器(工作機器、事務機器、計測機器、通信機器等の様々な機器)の表示部、自動車の計器盤等に用いられ、表示装置として広く利用されている(例えば、非特許文献1を参照)。
また、蛍光表示管と、この蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動回路の主要部と、を一体に構成した蛍光表示管装置が広く用いられている。このような、蛍光表示管装置においては、その蛍光表示管に特化された蛍光表示管駆動回路が、半導体装置(IC)として形成されている。そして、半導体装置と蛍光表示管とは一体化されて蛍光表示管装置を構成している。
そして、蛍光表示管装置の一例としては、上述したカソード、グリッド、アノードおよび蛍光体から構成される蛍光表示部とともに、半導体装置を密封容器の内部に配した、所謂、CIG(Chip In Glass)VFDと称される構成のものがある。また、他の例としては、カソード、グリッド、アノードおよび蛍光体のみを密封容器に封止し、これらのカソード、グリッドおよびアノードの各々の電極と密封容器の外に配置された半導体装置とをパターンで接続して一体構成とした、所謂、COG(Chip Out Glass)VFDと称される構成のものがある。そして、このように一体化された蛍光表示管装置は、小型化が図られ、蛍光表示管を表示装置として採用するユーザの利便が図られている。
例えば、ユーザの利便性も考慮に入れ、蛍光表示管のアノードおよびグリッドからの数10本の端子を、蛍光表示管駆動回路と接続する必要がないようになされている。すなわち、蛍光表示管装置の内部または外部にIC化されたデコーダとドライバとを設けることによって、このICの電源の端子と、このICを制御するための信号線の端子と、フィラメントの端子と、をユーザは接続すれば良いようにされている。(例えば、特許文献1、非特許文献2を参照)。
特開2003−187725号公報 岸野隆雄 編集 「蛍光表示管」 産業図書株式会社、平成2年10月31日、P7〜14、P154〜158 双葉電子工業株式会社ホームページ、[平成17年6月9日検索]インターネット<URL:http://www.futaba.co.jp/display/variat.html#cigvfd>
近年、表示装置が使用される分野の拡大につれ、その要求される電圧仕様も種々のものとなってきている。上述したように、蛍光表示管のアノード電圧自体は、12V(ボルト)〜120V程度の広範囲な対応が可能であるものの、このような種々の分野に蛍光表示管を導入しようとすると、電圧仕様ごとに、蛍光表示管、その蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動回路、その蛍光表示管と蛍光表示管を駆動する蛍光表示管駆動回路の主要部とを一体とした蛍光表示管装置、その蛍光表示管を駆動する半導体装置を設計、製造する必要にせまられる。
そして、その都度、新規な設計、製造が必要となって設計、製造における効率化が図られない。また、ユーザの要望に合わせた様々な電圧仕様の蛍光表示管を少量、多品種、製造する場合には、量産効果によって生じるコストダウンを期待することが困難である。その結果、逆に蛍光表示管の有する数多くの長所に魅力を感じる多くのユーザが、コストを考慮して、その採用に躊躇をせざるを得ない場合もあった。
このような事態を解決するために、蛍光表示管の動作電圧の仕様と、これを装置の一部に用いる機器の採用する電源の電圧の仕様とが異なる場合には、図1に示すように、機器の採用する電源電圧である入力電圧Vinを、入力電圧Vinとは異なる電圧値の所定の仕様電圧である蛍光表示部駆動電圧Vhvに変換する電圧変換装置を、蛍光表示管装置の前に直列に接続して、表示装置としての機能を確保することが考えられる。そして、この場合に、電圧変換装置として、パルスの時比率を入力電圧Vinに応じて変化させるパルス幅変調を用いたスイッチングレギュレータ方式によるものを用いれば、電力の損失も少なく好適である。
しかしながら、このような直列接続の構成を採用する場合には、蛍光表示管装置とは別に電圧変換装置を設けなければならない。そのために、蛍光表示管を用いる表示装置の提供者(蛍光表示管のユーザ)においては、新たに、電圧変換装置の設計、製造の必要が生じ、技術的負担は大きいものとなっている。また、このような電圧変換装置を設計、製造するユーザにおいては、かならずしも蛍光表示管装置に関して習熟しているとは限らず、技術的な問題が生じた場合に、電圧変換装置の側に問題があるのか、蛍光表示管装置の側に問題があるのか、あるいは、両者の整合性に問題があるのかの判断が困難な場合も発生する。
また、蛍光表示管装置と、外部に設ける電圧変換装置とを組み合わせることによって、両者の整合性に関する新たな技術的な課題が生じた(一例として、蛍光表示管装置のクロック周波数と電圧変換装置のクロック周波数とが異なることによる外部機器に対するビート周波数妨害の発生、また、他の例として、蛍光表示管装置または電圧変換装置のいずれかの一方に動作の異常が発生した場合に、その影響が、他方にまでおよび、装置全体の連鎖的破壊に至る場合もある)。
さらに、蛍光表示管装置と電圧変換装置との両方に対して費用が発生してしまい、装置全体としてのコストが高いものとなるのは避けられない。このような結果、コストを理由として、蛍光表示管を用いる表示装置の円滑な市場への導入に支障が生じる場合もあり得る。
特に、近年、表示装置を採用する機器の種類が多岐に渡っているが、その中で、画質の良さ、信頼性が高い等々の点から表示装置に蛍光表示管を採り入れることに、表示装置を用いた機器の提供者、これらの機器を使用する末端の顧客から、ますます大きな期待が集まっている。そして、表示装置に対する電源仕様の範囲拡大、数量の増大にともない、上述した、蛍光表示管の有する特有な事情は、解決すべき大きな技術課題となってきている。
一例として、蛍光表示管の一用途としての自動車産業だけを見ても、バッテリの電圧が10Vから48Vまでに及んでいる。このような事情を鑑みると、広範囲に渡る電源電圧に蛍光表示管を対応させることを可能とし、その対応策を実施のためのコストが安く、その対応策を実施するに当たって技術的な問題の発生する余地が少ない解決策を技術面から提供することが急務となっている。そして、この解決策は、一言で要約すると、蛍光表示管を採用する表示装置の提供者(蛍光表示管のユーザ)、表示装置を用いた機器の提供者(表示装置のユーザ、例えば、自動車製造者)にとって技術的、コスト的に負担のないものでなければならない。そうしないと、蛍光表示管を市場において、さらに拡大普及させることはできない。
そこで、本発明は、上述の課題を解決する表示装置、蛍光表示管装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示管を駆動する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の表示装置は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部と、グリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部と、蛍光表示部駆動部と接続され、蛍光表示部駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部と、蛍光表示部駆動部および電圧変換部を制御する共通制御部と、を備える。すなわち、蛍光表示部のグリッドおよびアノードに接続された、蛍光表示部駆動部が蛍光体の発光を制御する。また、電圧変換部は、蛍光表示管駆動部に所定電圧を供給する。そして、共通制御部が蛍光表示部駆動部および電圧変換部を制御する。
本発明の蛍光表示管駆動回路は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、少なくとも一方向から視認可能とされる、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、が、真空の密封容器の内部に形成されてなる蛍光表示管のグリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する蛍光表示管駆動部と、蛍光表示管駆動部と接続され、蛍光表示管駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部と、蛍光表示管駆動部および電圧変換部を制御する共通制御部と、を備える。すなわち、蛍光表示管駆動部が、蛍光表示管のグリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する。また、電圧変換部が、蛍光表示管駆動部と接続され、蛍光表示管駆動部に所定電圧を供給する。そして、共通制御部が、蛍光表示管駆動部および電圧変換部を制御する。
本発明の蛍光表示部を駆動する半導体装置は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部のグリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部と、蛍光表示部駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部の制御部である電源制御部と、蛍光表示部駆動部および電源制御部を制御する共通制御部と、を備える。すなわち、蛍光表示部駆動部が、蛍光表示管のアノードとグリッドに接続され、蛍光体の発光を制御する。また、電源制御部が、蛍光表示部駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部を制御する。そして、共通制御部が、蛍光表示管駆動部および電源制御部を制御する。
本発明の表示装置、蛍光表示管駆動回路および蛍光表示部を駆動する半導体装置によれば、これらを用いるユーザの技術的困難を取り除き、広い電圧範囲の電源に対して適用可能とし、コストの低減を図ることができる。
以下に説明をする種々の実施形態において、蛍光表示管は、フィラメント(カソード)、グリッド、アノードおよび蛍光体が真空容器の内部に形成されるものである。また、表示管を駆動する半導体装置は、蛍光表示部駆動部と、共通制御部と、少なくとも電圧変換部の一部である電源制御部とが、半導体装置(例えば、IC:Integrated Circuit)として構成されているものである。また、蛍光表示管装置は、蛍光表示部と半導体装置とを含むものである。また、蛍光表示管駆動回路は、半導体装置と外付部品とを含むものである。また、表示装置は、蛍光表示管装置と外付部品とを含むものである。これらの構成および作用を、図面に沿って順に説明する。
(第1実施形態)
図2に沿って第1実施形態の表示装置10の説明を行う。
(表示装置の説明)
図2に示す表示装置10は、蛍光表示管装置20(一点鎖線で囲む範囲内)と外付部品とを有する。蛍光表示管装置20は、所謂、CIGVFDと、所謂、COGVFDと称される代表的な2種類の構成態様がある。CIGVFDでは、1チップIC(半導体装置)21および蛍光表示部22が真空容器の内部に封止されており、COGVFDでは、真空容器の内部に封止されるのは、蛍光表示部22のみであり、1チップIC(半導体装置)21は、真空容器の外部に配され蛍光表示部22と一体形成されている。外付部品は、表示装置10を構成する蛍光表示管装置20以外の構成部品からなっている。そして、表示装置10は、装置外部とのインターフェイスのために、端子Vhh、端子Vdd、端子Dat、端子Clk、端子Lat、端子C/D、端子Fm1、端子Fm1および端子Gndを備えている。
端子Vhhと端子Gndとの間には、後述するステップアップ型スイッチングレギュレータに電力を供給するための入力電圧Vinが供給される。また、端子Fm1と端子Fm2との間には、蛍光表示部22のフィラメントに電流を流すためのフィラメント電圧Vfmが供給される。また、端子Vddと端子Gndとの間には、蛍光表示管装置20に配された1チップIC21を動作させるための半導体装置電圧Vlvが供給される。
本実施形態では、入力電圧Vinの値は、例えば、8V(ボルト)から12V未満の範囲で可変なDC(直流)電圧である。表示装置10はこの範囲の入力電圧Vinに対して適切に動作するようになされている。また、半導体装置電圧Vlvとしては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ICの標準的な電圧である3.3Vを採用している。また、フィラメント電圧Vfmの値としては、3VのAC(交流)電圧またはDC(直流)電圧を採用している。本実施形態で入力電圧Vinの下限を8Vとしているのは、10V用のバッテリの低減電圧にも対応可能とするためである。
また制御のための信号として、端子Datと端子Gndとの間には、発光表示および1チップIC21の制御のためのシリアル信号であるデータ信号Sdtが供給される。また、端子Clkと端子Gndとの間には、データ信号Sdtと同期した外部クロック信号Sckが供給される。また、端子Latと端子Gndとの間には、データ信号Sdtの区切りを示すラッチ信号Sltが供給される。また、端子C/Dと端子Gndとの間には、データ信号Sdtが1チップIC21を制御するための制御命令データか蛍光表示部22に表示されるべき表示データかを示す命令・データ切替信号Scdが供給される。
本実施形態では、データ信号Sdtは、8ビットを1ワードとする信号である。また、外部クロック信号Sckは、このデータ信号Sdtの1ビットの長さに対応した周期で繰り返す信号である。また、ラッチ信号Sltはデータ信号Sdtの送信終了ごとに出力される信号である。また、命令・データ切替信号Scdは、1ワード長のデータ信号Sdtに応じてH(ハイレベル)とL(ローレベル)とのいずれかが付与され、これによって、データ信号Sdtが制御命令データであるか、表示データであるかを区別する信号である。
端子Dat、端子Clk、端子Latおよび端子C/Dの各々は、表示装置10の外部に設けられた、電圧仕様が3.3VのMPU(マイクロプロセッサ、図示せず)と接続され、データ信号Sdt、外部クロック信号Sck、ラッチ信号Sltおよび命令・データ切替信号Scdは、MPUから供給される。そして、MPUが、データ信号Sdtに応じて所望のデスプレイ表示または表示装置10の制御を行う。
以下に、図2に沿って表示装置10の各部の詳細について順に説明をする。
(蛍光表示管装置)
蛍光表示管装置20は、上述したようにCIGVFDにおいては、蛍光表示部22と1チップIC21とが真空容器の中に配される形態で一体形成されており、COGVFDにおいては、蛍光表示部22を封止する真空容器の外側に延長したアノード基板および蛍光体を形成した絶縁性基板の上面に1チップIC21が配される形態で一体形成されている。
すなわち、CIGVFDにおいては、符号20を付した一点鎖線の内部が真空に保たれた密封容器の内部に配されており、COGVFDにおいては、符号22を付した破線の内部が真空に保たれた密封容器の内部に配されている。以下、特に明記しない場合には、蛍光表示管装置20には、CIGVFDおよびCOGVFDの両者が含まれるものとして説明をする。なお、「真空」の意味は、密封容器中に、まったく、気体分子が含まれない状態に限定されるものではなく、蛍光表示の機能を発揮するのに影響がない程度の空気の混入状態、その他の不活性ガス等の種々のガスのごく僅かな混入状態も含むものである。
(外付部品)
また、上述した外付部品は、本実施形態では、所謂、ステップアップ型スイッチングレギュレータを構成する部品の一部である。以下に外付部品の説明をする。
外付部品としては、スイッチ素子61、ダイオード62、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65および抵抗66が含まれる。これらの部品が外付部品とされている理由を以下に説明する。
スイッチ素子61およびダイオード62は、電力の取扱量が大きいので、IC化する場合にチップサイズが大きくなってICのコストが高くなることと、外部から供給される入力電圧Vinの値が広範囲に及んだ場合でも、スイッチ素子61およびダイオード62の電圧仕様および電流仕様を、入力電圧Vinの値に応じたものとすることによって、広範囲な入力電圧Vinに対応することを目的として、蛍光表示管装置20に含まれない外付部品とされている。
また、インダクタ63およびコンデンサ64は、電力の取扱量が大きいために比較的に形状が大型であることと、高温下での使用が部品の性質上望ましくなく、蛍光表示管装置20から発せられる熱を避けることとを理由として、蛍光表示管装置20に含まれない外付部品とされている。
さらに、抵抗65および抵抗66は、蛍光表示部22のアノードまたはグリッドの電圧仕様が少し変わったとしても、ある程度の範囲において、抵抗65および抵抗66を調整して、異なる電圧仕様の蛍光表示部22の駆動を1種類の1チップIC21で対応可能とするために外付部品とされている。また、コンデンサ67は、後述するダイナミック駆動において蛍光表示部22を駆動する場合のスキャン周波数、デコーダクロック周波数およびステップアップ型スイッチングレギュレータのクロック周波数を調整可能とするために蛍光表示管装置20に含まれない外付部品とされている。
(蛍光表示部)
図2における蛍光表示部22(破線の範囲で示す)は、図10(A)、図10(B)に、背景技術として示したと同様に、透明なるガラス容器内にフィラメント、グリッドおよびアノードを有する3極管構造を有している。例えば、桁ごとにグリッドが配置され、各々の桁は7セグメントで構成され(図3(C)を参照)、各々の桁の同一のセグメント(図3(C)に示すセグメントaに属するセグメントであるa1ないしセグメントa4を初めとし、その他、セグメントbに属するセグメントないしセグメントgに属するセグメント)は相互に接続されている。そして、各々の桁のグリッドには、グリッド信号1Gないしグリッド信号4Gが時系列で順次印加(グリッドスキャン)されている(図3(A)を参照)。
また、グリッド信号1Gないしグリッド信号4Gの各々は、フィラメントよりも正電位の場合に、該当する桁を点灯させる。ここで、図3(A)の周期Tsはスキャン周期、時間tpは点灯時間を示し、時間tpを周期Tsで割った数値はスキャン時比率を表す。図3(A)では記載が省略されているが、グリッド信号2Gないしグリッド信号4Gについても、本実施形態においてはグリッド信号1Gと同じ長さに時間tpは制御されている。一方、図3(B)に示すアノード信号aはセグメントa1ないしセグメントa4に印加される信号であり、その他のアノード信号の各々は該当するセグメントに印加される電圧である。そして、フィラメントよりも正電位の場合に、該当するセグメントを順次点灯させる(アノードスキャン)。このようなグリッドスキャンおよびアノードスキャンを行うための時系列信号の発生は、1チップIC21に配されたデコーダ51によって行われる。
(1チップIC)
図2においては、1チップIC21(2点鎖線の範囲で示す)は、CMOSプロセスを用いて製造され、PチャンネルMOSFETとNチャンネルMOSFETとを組み合わせて、アナログ回路とデジタル回路とが混在して形成されており、3Vないし5.5Vの電圧範囲で動作するようになされている。これによって3.3Vまたは5Vの仕様電圧のMPUに対応可能とされている。本実施形態では3.3Vで動作させている。しかしながら、蛍光表示部22のグリッドおよびアノードをドライブするドライバ53については12Vないし20Vの電圧で動作するようにされている。本実施形態では蛍光表示部22の仕様に合わせて端子Vhdに蛍光表示部駆動電圧Vhvの値として12Vを印加して、ドライバ53をこの電圧で動作させている。
1チップIC21は、機能的には、図2においては、各々、破線で囲み示す、電源制御部30と共通制御部40と蛍光表示部駆動部50とを具備している。
電源制御部30は、電圧変換部の主要部であり、この電源制御部30に含まれる個別の回路は、端子Csdと端子Fbkとを介して外付部品であるスイッチ素子61と分圧抵抗である抵抗65および抵抗66とに接続されている。共通制御部40は、電源制御部30および蛍光表示部駆動部50を制御するものであり、共通制御部40は、端子Oscを介してコンデンサ67と接続されている。蛍光表示部駆動部50は、蛍光表示部22と蛍光表示管装置20の内部に配された数10本の内部配線パターンを介して接続されている。
具体的には、蛍光表示管装置20に実装された1チップIC21は、リードフレームを介して、または介さず直接に蛍光表示管装置20の配線パターンに接続され、この内部パターンが端子Csd、端子Fbk、端子Vhd、端子Osc、端子Vdd、端子Dat、端子Clk、端子Lat、端子C/Dおよび端子Gndと接続されるとともに、蛍光表示部22の各々のアノードとグリッドとに接続されている。また、蛍光表示部22に配されたフィラメントからの配線も配線パターンを介して端子Fm1および端子Fm2に接続されている。1チップIC21が蛍光表示部22の内部に配されるCIGVFDの場合には、配線パターンは、真空容器の内部に配されている。また、COGVFDの場合には、真空容器の中の蛍光表示部22から外部に伸びる配線パターンによって蛍光表示部22と1チップIC21とは接続されている。
以下、電源制御部30、共通制御部40および蛍光表示部駆動部50の各々についてより詳細に順に説明する。
(電源制御部と外付け部品からなる電圧変換部の説明)
まず、電源制御部30の説明を行うが、併せて、外付部品と電源制御部30とで構成されるステップアップ型スイッチングレギュレータについても説明をする。本実施形態においては、ステップアップ型スイッチングレギュレータは電圧変換部の一例として機能する。
電源制御部30は、三角波発生器31、誤差増幅器32、パルス幅変調器33およびスイッチ素子ドライバ34を具備している。
三角波発生器31は、後述する発振器43からの基準発振信号Ssoを分周した電源クロック信号に基づき三角波電圧Vt(電圧の値が時間の経過に比例して増加し、所定の値に達すると、電圧の値が時間の経過に比例して減少し、電圧の値が零になると再び、電圧の値の上昇、下降を繰り返す周期的な波形の電圧、図4(B)を参照)を発生するようになされている。ここで、三角波発生器31は、CMOSで構成されるオペアンプ(演算増幅器)と1チップIC21の内部の静電容量を用いた積分器によって構成され、この積分器の出力として三角波電圧Vtは得られるようになされている。また、基準発振信号Ssoと電源クロック信号との分周比については、デコーダ51が、発する三角波発生器制御信号Ssfによって、三角波発生器31に配されたプログラマブルな分周器(図示せず)を制御して、分周比を変化させることができるようになされている。
電源クロック信号の周波数は、スイッチ素子61、ダイオード62のスイッチング速度特性、インダクタ63、コンデンサ64の周波数特性等に応じて適宜決め得るものであるが、本実施形態では、発振器43で発振する基準発振信号Ssoは400kHz(キロヘルツ)とし、分周比は1/4として、電源クロック信号の周波数は100kHzとした。
また、誤差増幅器32は、基準電圧Vrefの値とフィードバック電圧Vfbの値との差を増幅して増幅誤差電圧Veを出力するようになされており、誤差増幅器32としては、CMOSのオペアンプが用いられる。また、基準電圧Vrefの値は1.24Vに選ばれている。
パルス幅変調器33は、上述した三角波電圧Vtと増幅誤差電圧Veとを比較し、三角波電圧Vtの値と増幅誤差電圧Veの値とを比較し、両者の相対的な大小によってハイレベル信号(3.3V)またはローレベル信号(0V)を発生するCMOSで構成されるコンパレータ(大小比較器)によって構成されている。
また、スイッチ素子ドライバ34は、ハイレベル信号またはローレベル信号に応じて、スイッチ素子61をON(導通)、OFF(切断)するための信号を出力する電力インターフェイスであり、スイッチ素子61を制御するに十分な電力を供給できるようになされている。また、スイッチ素子ドライバ34は、アンド(AND)回路を構成し、このアンド回路の1の入力端に、パルス幅変調器33の出力端が接続され、このアンド回路の他の入力端には、後述する保護制御器42からの供給電力制御信号Sppが印加されるようになされ、これによってアンド回路を構成するスイッチ素子ドライバ34の出力の電圧を強制的にローレベルとすることができるようになされている。
ここで、スイッチ素子ドライバ34は、電源部保護器の一例として機能し、供給電力制御信号Sppがローレベルの場合に保護機能が働く。そして、電圧変換部が何らかの原因で、過負荷になって発熱して損傷をする等の不具合が生じるのを防止する。また、蛍光表示部駆動部50または蛍光表示部22に異常が生じた場合にも、蛍光表示部駆動部50への電力の供給を絶ち、蛍光表示部駆動部50または蛍光表示部22の発熱、破壊に至る等の不具合が生じるのを防止する。
次に、上述した電源制御部30および外付部品である、スイッチ素子61、ダイオード62、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65および抵抗66で構成されたステップアップ型スイッチングレギュレータの動作を簡単に説明する。
このステップアップ型スイッチングレギュレータは、外部から供給される入力電圧Vinの値が8Vから12Vである場合に、入力電圧Vinの値を変換して、蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を、例えば、12Vとするものである。これによって、1チップIC21の端子Vhdに入力される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値は、入力電圧Vinの電圧の変動および蛍光表示部22に流れる電流の変動にかかわらず、略12Vの一定値に保たれる。
図4(A)ないし図4(C)に沿って、電源制御部30の各部の動作の説明をする。図4(A)にフィードバック電圧Vfbと基準電圧Vrefとを示す。基準電圧Vrefの値からフィードバック電圧Vfbの値を引いた電圧が、誤差電圧Δ1と誤差電圧Δ2である。図4(A)では、左側に示す誤差電圧Δ1は、入力電圧Vinの値が8Vである場合における誤差電圧を示し、右側に示す誤差電圧Δ2は、入力電圧Vinの値が10Vである場合における誤差電圧を示すものである。ここで、ステップアップ型スイッチングレギュレータは、フィードバック制御系を構成するものであり、適切に動作して、開ループゲインが十分に得られている場合には、誤差電圧Δ1および誤差電圧Δ2の値(定常偏差)は、蛍光表示部22の輝度にほとんど影響を与えない程度の微小なものである。
図4(B)に三角波電圧Vtと増幅誤差電圧Veとを示す。三角波電圧Vtは、コンデンサ67の値および三角波発生器31に配された分周器の分周比によって定められる所定の周期T1で繰り返している。ここで周期T1は、上述したように、電源クロック信号の周波数は100kHzとしているので、10μSec(マイクロ秒)である。一方、増幅誤差電圧Veは、誤差電圧Δ1または誤差電圧Δ2を誤差増幅器32で増幅したものである。
図4(C)に、パルス幅変調器33の出力の波形を示す。三角波電圧Vtの値よりも増幅誤差電圧Veの値が大きい範囲でパルス幅変調器33の出力は、ハイレベル(図4(C)の上方)となり、三角波電圧Vtの値よりも増幅誤差電圧Veの値が小さい範囲でパルス幅変調器33の出力は、ローレベル(図4(C)の下方)となる。パルス幅変調器33の出力の波形は、電源クロック信号に基づいた周期のパルスであり、所定の周期T1で繰り返しながら期間T21または期間T22の間、ハイレベルとなるものである。ここで、期間T21の長さは、期間T22の長さよりも、長くなっている。期間T21または期間T22を周期T1で割ったものは、一般的に、時比率と称されている。
パルス幅変調器33からの出力は、スイッチ素子ドライバ34を介することによって、電力増幅がなされ、スイッチ素子61のONとOFFとの制御が可能となる。本実施形態では、スイッチ素子61はNPNトランジスタで構成されており、パルス幅変調器33の出力がハイレベルの場合にスイッチ素子61は、ON(コレクタとエミッタ間がON)とされ、パルス幅変調器33の出力がローレベルの場合にスイッチ素子61は、OFF(コレクタとエミッタ間がOFF)とされる。
スイッチ素子61がONとされる期間である、期間T21または期間T22においては、端子Vhh→インダクタ63→スイッチ素子61→接地(Gnd)の経路で電流が流れ、インダクタ63に磁気エネルギ−が蓄えられる。そして、スイッチ素子61がOFFとされる期間においては、端子Vhh→インダクタ63→ダイオード62→コンデンサ64の経路で電流が流れ、コンデンサ64に対して、蓄えられた磁気エネルギ−に応じた電荷が供給され、コンデンサ64の両端の電圧、すなわち、端子Vhdに供給される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を上昇させ、一定の値(12V)とするように作用する。
ここで、出力負荷が一定の場合、期間T21で表す期間(入力電圧Vinの値が8Vの場合の期間)の長さは、期間T22で表す期間(入力電圧Vinの値が10Vの場合の期間)の長さより長い。つまり、入力電圧Vinがより低い場合には、より大きな量の電荷をコンデンサ64に供給して端子Vhdに供給される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を、入力電圧Vinの如何にかかわらず、一定の値(12V)に保っている。ここで、抵抗65と抵抗66とは蛍光表示部駆動電圧Vhvを分圧するためのものであり、蛍光表示部駆動電圧Vhvが12Vのときに、分圧されたフィードバック電圧Vfbが1.24V(基準電圧Vrefの値)となるように抵抗65と抵抗66との抵抗値が各々定められている。
(共通制御部の説明)
共通制御部40は、発振器43、保護制御器42および異常検出器41を具備している。
発振器43は、その内部に配された電流源(図示せず)によって発生される所定の値の電流が、端子Oscに接続されるコンデンサ67を充電して、所定の電圧となると、コンデンサ67の電圧をリセットする繰り返し動作を行うことによって、コンデンサ67の値で定まる所定の周波数の基準発振信号Ssoを出力するようになされている。コンデンサ67の容量値を適宜選択して、基準発振信号Ssoの周波数は、上述したように、400kHzに設定されている。この基準発振信号Ssoは1チップIC21で行われるすべての処理の基準となる信号である。
異常検出器41は、電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)の異常と蛍光表示部駆動部50の異常とを検出するものである。ここで、異常検出器41が検出する異常は、フィードバック電圧Vfbの異常、パルス幅変調器33の出力であるパルス幅信号Spwの異常、デコーダ51の動作等の異常である。なお、異常の用語は、一般的な動作状況ではないことを含み、必ずしも機能不全のみを意味するものではない。
そして、異常検出器41は、デコーダ51が、発する異常検出器制御信号Sadによって、異常検出のレベル範囲を設定できるようになされている。具体的には、電圧変換部の異常については、フィードバック電圧Vfbを検出し、フィードバック電圧Vfbがどの範囲から外れた場合に異常として検出するか、パルス幅変調器33のパルス幅信号Spwを検出し、パルス幅(時比率)がどの範囲を越えた場合に異常として検出するかの範囲の設定を行うことができるようになされている。
また、蛍光表示部駆動部50の異常については、デコーダ51からのデコーダ警告信号Sdkを検出して、どのくらいの間、グリッドスキャンが停止した場合に異常と判定するかの時間、または、表示が頻繁に変化することが期待されている用途において、どのくらいの間、表示が固定したままで変化しない場合に異常と判断するかの時間の設定ができるようになされている。なお、表示が固定したままの場合は、必ずしも装置の異常ではなく、外部に付加されたMPUの異常である場合もあり得るが、通常の動作ではないので異常として取り扱うこととしている。
保護制御器42は、異常検出器41からの異常を知らせる異常通知信号を受けて、1チップIC21の電源制御部30および蛍光表示部駆動部50に対して保護のための信号を出す。具体的には、スイッチ素子ドライバ34に対しては、供給電力制御信号Sppを出力する。また、後述するドライバ保護器52にドライバ電力制御信号Spdを送出する。さらに、保護制御器42からデコーダ51に対して、デコーダ制御信号Shdを送出することができるようになされている。
デコーダ制御信号Shdおよびドライバ電力制御信号Spdは、本実施形態では駆動部電力制御信号の一例として機能する。また、保護制御器42は、供給電力制御信号Spp、ドライバ電力制御信号Spdおよびデコーダ制御信号Shdをどのように組み合わせて出力するかを、保護制御器制御信号Shcに応じて選ぶことができる。このために、デコーダ51は、MPUからの指令によって、保護制御器42に対して、保護制御器制御信号Shcを出力できるようになされている。
なお、保護制御器42がどのように動作するかについては、蛍光表示部駆動部50について説明をした後により詳しく説明をする。
(蛍光表示管駆動部について)
蛍光表示部駆動部50は、図2においては、細い一点鎖線で各々囲われた、デコーダ51、ドライバ保護器52、ドライバ53を具備する。
デコーダ51は、シフトレジスタ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、シフトレジスタ、カウンタ、アンド(AND)回路、オア(OR)回路を組み合わせたランダムロジック回路から構成されている(いずれも図示せず)。デコーダ51の内部の回路は、デコーダクロック信号(図示せず)を基準に同期して動作する。このデコーダクロック信号は、基準発振信号Ssoをデコーダ51の内部のカウンタで分周して作られるものであり、分周比は、後述するデータ信号Sdtに含まれる制御命令データの一つによって制御できるようになされている。本実施形態では、この分周比は1として、デコーダクロック信号の周波数は400kHzとしている。
ここで、デコーダクロック信号の周波数と、電源クロック信号の周波数との関係について説明する、デコーダクロック信号および電源クロック信号のいずれも基準発振信号Ssoを分周器で分周(1も含む整数で割ること)されているので、デコーダクロック信号の周波数と電源クロック信号の周波数とはその周波数が整数の比で表されるものとなる。上述したように、本実施形態では4(400kHz):1(100kHz)である。
デコーダクロック信号に基づき動作する蛍光表示部駆動部50と電源クロック信号に基づき動作する電源制御部30と外付部品とからなる電圧変換部とは、いずれも大きな電力を扱う。そのため、不要輻射妨害を周辺機器に与えることが多いが、このような場合でも、デコーダクロック信号の周波数と、電源クロック信号の周波数とが整数比で表される関係にあるので、不要輻射妨害の周波数は大きく変化することはない。一方、デコーダクロック信号と電源クロック信号とが無関係に設定された場合には、周波数と振幅が広範囲に変化する有害なビート妨害が発生する。そして、例えば、車載のラジオ、音響機器等に妨害を与える。この点において、基準発振信号Ssoに基づき蛍光表示部駆動部50と電圧変換部とを同期的に動作させることは非常に有益なものである。
デコーダ51に対して、表示装置10の外部に配されたMPU(図示せず)からの制御信号として、データ信号Sdt、外部クロック信号Sck、は命令・データ切替信号Scd、ラッチ信号Sltが供給されるようになされている。図5に、各々の制御信号の内容を示す。図5においては、(A)はデータ信号Sdt、(B)は外部クロック信号Sck、(C)は命令・データ切替信号Scd、(D)はラッチ信号Sltを示す。上述した各々の信号を表すグラフの横軸は時間軸を示すものである。
データ信号Sdtは、8ビットで1ワードを構成し、MSB(Most Significant Bit)が最初に出力され、LSB(Least Significant Bit)が最後に出力されるシリアルデータである。(A)では、MSBをビットB7で表し、LSBをビットB0で表している。外部クロック信号Sckの立ち上がり毎にデータ信号Sdtの内容がデコーダ51のシフトレジスタに読み込まれる。そして、ラッチ信号Sltの立ち上がり毎にその直前の8ビットのデータを、ビットB7ないしビットB0までの1ワードとして確定する。このときに、命令・データ切替信号ScdがLである場合には、デコーダ51の内部で、この1ワードのデータは制御命令データとして取扱われ、命令・データ切替信号ScdがHである場合には、この1ワードのデータは表示データとして取扱われる。
制御命令データとしては、上述した、三角波発生器制御信号Ssf、保護制御器制御信号Shcおよび異常検出器制御信号Sad、デコーダクロック信号の分周比、の各々に対応する命令が含まれる。また、表示データは、蛍光表示部22に表示する発光表示の内容に対応するデータであり、デコーダ51は、データ信号Sdtが指定する、表示データを格納するメモリ(またはレジスタ)のアドレスの内容に対応するグリッドとアノードとをドライブするための制御信号を、ドライバ保護器52を介して、ドライバ53に出力して、図3(A)に示すグリッド信号1Gないしグリッド信号4Gおよび図3(B)に示すアノード信号aないしアノード信号gによって蛍光表示部22のグリッドおよびアノードを制御して、所望の発光表示を行う。
ここで、ドライバ保護器52による保護動作が行われない場合には、上述したグリッドスキャンおよびアノードスキャンが行われ、グリッド信号1Gないしグリッド信号4Gおよびアノード信号aないしアノード信号gは、時系列で刻々変化するスキャン信号として得られる(図3(A)、図3(B)を参照)。すなわち、デコーダ51は、400kHzのデコーダクロック信号に基づいて、上述したように、データ信号Sdtが指定する、ROMのアドレスの内容に対応して、アノード信号(図3(B)を参照)を順次、出力する。また、デコーダ51は、デコーダ制御信号Shdによって、グリッドを駆動する制御信号であるグリッド信号1Gないしグリッド信号4G(図3(A)に示すグリッド信号)の各々の時間tpを変化させ、スキャン時比率を制御する。そして、スキャン時比率が小さい場合には、蛍光表示部22の発光時間を短くして、その結果、蛍光表示部22に供給される電力の低減を図ることができるようになされている。
ドライバ保護器52は、図2において、ナンド(NAND)回路54aとアンド回路55aとで示される保護回路が複数個、配されている。この保護回路の数は、グリッドの数とアノードの数との和に対応している。各々の、保護回路は、同一の構成を有しており、図2においては、符号54b、符号54n、符号55b、符号55n等の符号を付して、他のアンド回路とナンド回路との記載が省略されている。ナンド回路54aは、ドライバ回路のPチャンネルMOSFET56aのゲートに接続され、アンド回路55aは、ドライバ回路のNチャンネルMOSFET56aのゲートに接続されている。PチャンネルMOSFET56aとNチャンネルMOSFET56aからなるドライバ回路は、ドライバ53の1構成要素であり、ドライバ53は、同一構成を有する複数のドライバ回路から構成されており、図2においては、符号56b、符号56n、符号57b、符号57n等の符号を付して、ドライバ回路の記載が省略されている。
ナンド回路54aの一方の入力端およびアンド回路55aの一方の入力端には、保護制御器42からのドライバ電力制御信号Spdが供給されるようになされている。ナンド回路54aの他方の入力端およびアンド回路55aの他方の入力端の各々にはデコーダ51からの制御信号が供給されるようになされている。ナンド回路54aとアンド回路55aとは、同一のドライバ回路を駆動するものであるので、デコーダ51からのナンド回路54aへの出力信号とデコーダ51からのアンド回路55aへの出力信号とは、相補的な信号(一方がL(H)であれば必ず他方がH(L)となる信号)とされている。デコーダ51からの制御信号は、アノードを駆動するためのアノード信号または、グリッドを駆動するためのグリッド信号を発生し、ドライバ53の各々のドライバ回路が、蛍光表示部22のアノードまたはグリッドのいずれを駆動するものであるかによって、予め、アノード信号または、グリッド信号のいずれが印加されるかが決められている。本実施形態ではこの相補的な制御信号は、アノードを駆動するための制御信号であるとして以下説明を進める。
ドライバ53の1構成要素であるドライバ回路は、PチャンネルMOSFET56aとNチャンネルMOSFET57aとから構成され、PチャンネルMOSFET56aのドレインとNチャンネルMOSFET57aのドレインとは相互に接続され、その接続点は、蛍光表示管のアノードに接続されている。同様に、同一の構成を有する他のドライバ回路は、各々、他のアノードまたはグリッドと接続されている。また、各々のPチャンネルMOSFETのソースは1チップIC21の端子Vhdに接続され、各々のNチャンネルMOSFETのソースは接地されている。
ドライバ保護器52、ドライバ53を代表して、ナンド回路54aおよびアンド回路55aの出力のH(L)と、ドライバ回路のPチャンネルMOSFET56aおよびNチャンネルMOSFET57aのON/OFFとの関係を以下に説明する。まず、ナンド回路54aの出力がローレベル(L)の場合には、ドライバ回路のPチャンネルMOSFET56aはON(ソースとドレイン間がON)となり、ナンド回路54aの出力がハイレベル(H)の場合には、PチャンネルMOSFET56aはOFF(ソースとドレイン間がOFF)となる。アンド回路55aの出力がLの場合には、ドライバ回路のNチャンネルMOSFET57aはOFF(ソースとドレイン間がOFF)となり、アンド回路55aの出力がHの場合には、NチャンネルMOSFET57aはON(ソースとドレイン間がON)となる。以上の動作を前提として、ナンド回路54aおよびアンド回路55aの入力端子に印加されるドライバ電力制御信号Spdがどのように作用するかについて、以下に説明をする。
保護制御器42から供給されているドライバ電力制御信号SpdがHである場合、すなわち、保護動作を行わない場合には、ナンド回路54aおよびアンド回路55aは以下のように動作する。
まず、デコーダ51からナンド回路54aに出力される制御信号がH、デコーダ51からアンド回路55aに出力される制御信号がLである場合には、ナンド回路54aの出力はL、アンド回路55aの出力はLとなる。よって、PチャンネルMOSFET56aはONとなりNチャンネルMOSFET57aはOFFとなって、該当するアノード部分(セグメントaないしセグメントgのいずれか一つのセグメント)に略12Vの電圧が印加され、蛍光表示部22のグリッドスキャンのタイミングと合った部分(図3(A)を参照)が発光する。
一方、デコーダ51からナンド回路54aに出力される制御信号がL、デコーダ51からアンド回路55aに出力される制御信号がHである場合には、ナンド回路54aの出力はH、アンド回路55aの出力はHとなる。よって、PチャンネルMOSFET56aはOFFとなりNチャンネルMOSFET57aはONとなって、アノードに略0Vの電圧が印加され、蛍光表示部22の該当するアノード部分を光らせることはない。
このようにして、ドライバ電力制御信号SpdがHである場合には、デコーダ51からナンド回路54aおよびアンド回路55aに出力される制御信号にしたがって、蛍光表示部22の蛍光体の発光表示は制御される。
すなわち、ドライバ電力制御信号SpdがHである場合には、デコーダ51からナンド回路54aおよびアンド回路55aに出力される制御信号によってアノード信号が発生され、グリッド信号1Gないしグリッド信号4Gのスキャン時比率(デコーダ制御信号Shdによって制御される)によって蛍光表示部22に表示される発光表示の輝度の調整および蛍光表示部で消費される電力の調整が行われる。
ドライバ電力制御信号SpdがLである場合、すなわち、保護動作を行う場合には、ナンド回路54aおよびアンド回路55aは以下のように動作する。
デコーダ51からナンド回路54aに出力される制御信号がHまたはLにかかわらず、また、デコーダ51からアンド回路55aに出力される制御信号がLまたはHにかかわらず、ナンド回路54aの出力はH、アンド回路55aの出力はLとなる。よって、PチャンネルMOSFET56aはOFFとなり、また、NチャンネルMOSFET57aはOFFとなって、アノードはドライバ回路と接続されていないのと等価となる。ドライバ電力制御信号Spdは、ドライバ保護器52のすべてのナンド回路とすべてのアンド回路とに供給されているので、ドライバ電力制御信号SpdがLの場合には、このようにして、蛍光表示部22のすべてのグリッドと、すべてのアノードとを蛍光表示部駆動部50から等価的に切り離し、蛍光表示部22に電力が印加されることを防止する。
(保護制御器の動作について)
上述したドライバ電力制御信号Spdによって、蛍光表示部22に供給される電力の制御ができることを説明したが、如何なる場合にドライバ電力制御信号SpdがLとなるかを、如何なる場合に供給電力制御信号SppがLとなるかを含めて以下に説明し、併せて、駆動部保護器(ドライバ保護器52、デコーダ51)および電源部保護器(スイッチ素子ドライバ34)の動作についても説明をする。
本実施形態においては、保護制御器42が駆動部保護器および電源部保護器に対して働くのは、以下の場合に該当するように設定している。(1)フィードバック電圧Vfbが所定の範囲から外れた場合。(2)パルス幅変調器33からのパルス幅信号Spwの時比率が規定の範囲を越えた場合(ハイレベルが規定以上続く場合)。(3)デコーダ51からのデコーダ警告信号Sdkを検出した場合。
上述した(1)の場合の説明をする。まず、フィードバック電圧Vfbが所定の値から下回る場合について説明する。この場合の想定される原因は、蛍光表示管装置20に異常が生じ過負荷電力が供給されているか、入力電圧Vinの値が大きく低下してステップアップ型スイッチングレギュレータの正常動作範囲を外れているか、ステップアップ型スイッチングレギュレータの動作異常が生じたか、の3つの場合である。
仮に、事態発生の原因が、過負荷電力、すなわち、蛍光表示部駆動部50に過大な電力を供給している場合には、このまま放置しておくと、蛍光表示部駆動部50が破壊に至るおそれがあり、さらに、蛍光表示部駆動部50の破壊を原因として電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)も破壊に至る蓋然性も高くなる。そこで、ドライバ電力制御信号Spdをローレベル(L)にして、蛍光表示管装置20で消費する電力を減少させるとともに、さらに、安全のために、供給電力制御信号Sppも同時にローレベル(L)にして、ステップアップ型スイッチングレギュレータの昇圧の動作を停止させている。これによって、表示装置10の動作を一旦停止させ表示装置10の全体が破壊に至るのを防止し、その後、再び、表示装置10の動作を開始して様子をみることができる。
次に、フィードバック電圧Vfbが所定の値から上回る場合の説明をする。この場合に想定される原因は、入力電圧Vinの値が12V以上となっているか、ステップアップ型スイッチングレギュレータの動作異常が生じたか、の2つの場合である。この場合には、発光の輝度が高くなりすぎて、蛍光表示部22を損傷するおそれがあるので、ドライバ電力制御信号Spdをローレベル(L)にするとともに、さらに、安全のために、供給電力制御信号Sppもローレベル(L)にしている。
上述した(2)の場合の説明をする。パルス幅変調器33からのパルス幅信号Spwの時比率が規定の範囲を越えて大きく広がった場合には、入力電圧Vinの値が予定の範囲を越えて、大きく低下している場合と、電圧変換部が過負荷になった場合とが予想される。いずれの場合にも放置すると、ステップアップ型スイッチングレギュレータのインダクタ63およびスイッチ素子61に過大な電流を流すこととなるので、これを防止し、インダクタ63およびスイッチ素子61を保護するために、デコーダ制御信号Shdをデコーダ51に送出して、デコーダ51から出力されるアノードおよびグリッドを駆動するための制御信号の時比率を変化させて、蛍光表示部22の輝度を下げて、蛍光表示部駆動部50で消費される電力を低減し、表示装置10の全体を無理なく動作させるようにしている。
上述した(3)の場合の説明をする。デコーダ51からのデコーダ警告信号Sdkを検出した場合で、その警告の内容が、万一、グリッドスキャン停止である場合には、蛍光表示部22を破壊に至らしめる可能性があるので、ドライバ電力制御信号Spdをローレベル(L)にするとともに、供給電力制御信号Sppもローレベル(L)にして、完全に表示装置10の動作を停止してしまう。そして、電源を再投入することによって、この現象の発生が解除されていれば、表示装置10は、再び使用可能となる。
また、デコーダ51からのデコーダ警告信号Sdkを検出した場合で、その警告の内容が、発光表示の内容が長時間固定したものであることを示す場合には、特定の一箇所のみに強い電子が照射され続け、これにより蛍光表示部22に劣化が生じることを、防止するために、デコーダ制御信号Shdをデコーダ51に送出して、デコーダ51から出力されるアノードおよびグリッドを駆動するための制御信号の時比率を小さくして、蛍光表示部22の発光輝度を下げ、一箇所のみに強い電子が照射され続けることを防止するようにしている。
上述した表示装置10は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部22と、蛍光表示部22のグリッドおよびアノードに接続されており、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部50と、蛍光表示部駆動部50と接続され、蛍光表示部駆動部50を動作させる電圧を発生させる電圧変換部と、蛍光表示部駆動部50および電圧変換部を制御する共通制御部40と、を備えている。
そして、共通制御部が、蛍光表示部駆動部50および電圧変換部を制御するので、蛍光表示管駆動部と電圧変換部とを別個に動作させる場合のように動作に不整合を来すことなく、表示装置10全体を矛盾なく安定動作させることができる。
また、上述した表示装置10では、蛍光表示部22と、この蛍光表示部22に特化した蛍光表示部駆動部50と、この蛍光表示部駆動部50に電力を供給するのに特化した電圧変換部と、で構成されているので、この表示装置10を適用する機器と接続するだけで、直ちに適正なる使用が可能となり、これを用いるユーザは、技術的な負担を負うことがない。
さらに、共通制御部40は、種々な構成態様とすることができ、それによって種々の利益が得られる。
その一例としては、上述したように、共通制御部40は、基準発振信号Ssoを発生する発振器43を具備する。そして、この場合には、蛍光表示部駆動部50は、基準発振信号Ssoと整数関係を有する周波数のデコーダクロック信号に基づいてグリッドとアノードとを駆動する制御信号を発生するデコーダ51を動作させ、電源制御部30は、基準発振信号Ssoと整数関係を有する周波数の電源クロック信号に基づいた周期のパルスの時比率をパルス幅変調器33によって変化させる。このように、共通の基準発振信号Ssoからデコーダクロック信号と電源クロック信号とが生成されるので、表示装置10のなかでの処理はすべて基準発振信号Ssoに基づいたものとなる。
本実施形態では、基準発振信号Ssoに基づいたデコーダクロック信号の周波数は、400kHz、基準発振信号Ssoに基づいた電源クロック信号の周波数は100kHzと、両者の周波数は整数関係であるので、この周波数を基準にして動作する蛍光表示部駆動部50、電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)の2つの電力部から輻射される電磁波が、ビート妨害を他の機器に与えることがない。このように、共通制御部40を設ける利益は大きなものである。さらに、蛍光表示部駆動部50と電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)の2つの電力部とが、相互に干渉し、ノイズを与えあって処理の不安定さを相互に与えることもないものである。
また、表示装置10の内部の動作に関しても、基準発振信号Ssoに基づいて、すべての回路が動作することは、非常に大きな利益が有る。例えば、デコーダ51は、デコーダクロック信号に基づいて動作する、同期式の論理回路で構成されている。そして、この論理回路におけるデジタルデータの処理は、デコーダクロック信号の立ち上がり信号に同期して行われる。従って、外部からのノイズが、デコーダクロック信号と同期している限り、データ処理に誤りが生じる場合は少ない。すなわち、電圧変換部の電源クロック信号は、デコーダクロック信号と同期しているので、電圧変換部がデコーダ51に処理の誤りを引き起こすことは少ない。このような事情は、デコーダ51に限られず、他の回路部についても同様のことが言える。このように、基準発振信号Ssoに基づいて、すべての回路を動作させることは、利益が大きいものである。
また他の例としては、上述したように、共通制御部40は、蛍光表示部駆動部50または電圧変換部の動作の異常を検出する異常検出器41と、異常検出器41からの信号に基づき、蛍光表示部駆動部50に対して駆動部電力制御信号(ドライバ電力制御信号Spd、デコーダ制御信号Shd)を送出し、電圧変換部に対して供給電力制御信号Sppを送出する保護制御器42と、を具備する。
そして、保護制御器42に対応して、蛍光表示部駆動部50と電源制御部30とは、以下の各部を備える。すなわち、蛍光表示部駆動部50は、保護制御器42からの駆動部電力制御信号の一つであるドライバ電力制御信号Spdを受けてグリッドおよびアノードを駆動するグリッド信号およびアノード信号の供給を停止させるドライバ保護器52を備えるとともに、駆動部電力制御信号の他の一つであるデコーダ制御信号Shdを受けてグリッド信号1Gないしグリッド信号4Gのスキャン時比率変化させるデコーダ51を備える。一方、電圧変換部の電源制御部30は、保護制御器42からの供給電力制御信号Sppを受けて蛍光表示部駆動部50に供給する電力の量を低減する電源部保護器(スイッチ素子ドライバ34)を具備する。
このように、蛍光表示部駆動部50と電圧変換部とは、共通制御部40を介することによって、連携をとった動作がなされるように構成されているので、表示装置10における異常発生の場合の保護機能は非常に高いものとなる。
例えば、蛍光表示部駆動部50に何かの原因で異常が発生した場合に、蛍光表示部駆動部50の動作を停止、または発光表示の輝度を低減するのみならず、電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)の動作も停止する。同様に、電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)に何かの原因で異常が発生した場合に、電圧変換部の動作を停止するのみならず、蛍光表示部駆動部50の動作を停止、または発光表示の輝度を低減する。このようにして、従来は、一方の部分における異常の発生が、他の部分に及び、さらに、連鎖的に異常が拡大し、致命的な表示装置10の故障に至る場合も多かったが、本実施形態においては、上述した連携動作によって、このような事態の発生を防止できる。このように、共通制御部40を設けて蛍光表示部駆動部50と電圧変換部とを共に制御する利益は大きなものである。
また、別の例としては、共通制御部40は、通常は頻繁に変化する発光表示の内容が、全く変化しないことを検出した場合においては、デコーダ制御信号Shdによってデコーダ51を制御し、蛍光表示部22を駆動するグリッド信号のスキャン時比率を小さくし、輝度を低下させる。しかしながら、電圧変換部から蛍光表示部駆動部50に供給される電圧は低減されることがないようにして、蛍光表示部駆動部50の動作の安定を図ることができる。このように、共通制御部40を設けて蛍光表示部駆動部50と電圧変換部とを共に制御する利益は大きなものである。
また、本実施形態では、表示装置10は、ステップアップ型スイッチングレギュレータで構成される電圧変換部を備えるので、表示装置10に印加される入力電圧Vinの値が、蛍光表示部22を点灯させる電圧に満たない場合であっても、安定した、十分な輝度で蛍光表示部22を点灯させることができる。
上述した、本実施形態の蛍光表示管装置20は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部22と、蛍光表示部22のグリッドおよびアノードに接続されており、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部50と、蛍光表示部駆動部50と接続され、蛍光表示部駆動部50に12Vの電圧を供給する電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)の制御部である電源制御部30と、蛍光表示部駆動部50および電圧変換部を制御する共通制御部40と、を備える。
このように、本実施形態の蛍光表示管装置20は、蛍光表示部22と、蛍光表示部駆動部50と、電源制御部30と、共通制御部40と、を備えるものであり、これらが一体に構成されている。蛍光表示部駆動部50と、電源制御部30と、共通制御部40との各々は、主として半導体部品からなる小型部品であるので、これらを蛍光表示管装置20の内部に組み込むことができる。蛍光表示部22とともに、真空容器の内部に組み込むに際しては、1チップICとして組み込むことも、複数のブロックに分けた複数のICチップを組み込むことも、個別の部品として組み込むこともできる。蛍光表示部22の真空容器の内部に組み込んだ場合には、酸素等の有害なガスを含む空気に晒されることがなく、これらを構成する部材、内部配線パターンが腐食することなく、装置の信頼性が向上する。
また、蛍光表示部駆動部50と、電源制御部30と、共通制御部40とを真空容器の外部に組み込むCOGVFDの場合においては、万一、蛍光表示部駆動部50と、電源制御部30と、共通制御部40の一部または蛍光表示管に、故障が発生したときには、蛍光表示管装置20のすべてを廃棄するのではなく、修理して再生することが可能となる。すなわち、本実施形態の蛍光表示管装置20においては、共通制御部40が、蛍光表示部駆動部50と電圧変換部(ステップアップ型スイッチングレギュレータ)を、ともに制御するので、故障が連鎖的に広がることはなく、損傷の拡大が妨げられ、損傷が部分的なものとなるので、故障箇所のみを取り替える修理が可能となる。
上述した、本実施形態の蛍光表示管駆動回路は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部22(または蛍光表示管)のグリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部50と、蛍光表示部駆動部50と接続され、蛍光表示部駆動部50に所定電圧である12Vを供給する電圧変換部と、蛍光表示部駆動部50および電圧変換部を制御する共通制御部40と、を備える。
この蛍光表示管駆動回路は、ステップアップ型スイッチングレギュレータを有するので、蛍光表示部22(または蛍光表示管)を接続するだけで、入力される電源の入力電圧Vinの範囲が蛍光表示部22の動作電圧範囲よりも低い場合においても、容易に表示装置として機能させることができる。
上述した、本実施形態の蛍光表示部22を駆動する半導体装置は、電子を放出するカソードと、電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部22(または蛍光表示管)のグリッドおよびアノードに接続され、蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部50と、蛍光表示部駆動部50と接続され、蛍光表示部駆動部50に所定電圧の12Vを供給する電圧変換部を制御する電源制御部30と、蛍光表示部駆動部50および電圧変換部を制御する共通制御部40と、を備える。そして、半導体装置としてこれらの機能が集積されているので、この半導体装置を用いることによって、装置の小型化、電力削減、ローコスト化を図ることができる。
上述の本実施形態の蛍光表示管装置20、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示部22を駆動する半導体装置の各々は、共通制御部40を有し、共通制御部40は、表示装置10の説明の部分において説明をしたのと同様に、基準発振信号Ssoを発生する発振器43を具備する場合には、蛍光表示部駆動部50と電源制御部30とを、この基準発振信号Ssoに基づき動作させ、ビート妨害を他の機器に与えることがない。さらに、蛍光表示部駆動部50と電源制御部30とが同一の基準発振信号Ssoに基づき動作するので、お互いにノイズを与えあって、干渉することなく、蛍光表示部駆動部50と電源制御部30のいずれにおいても誤動作がノイズによって引き起こされることが避けられる。
また、共通制御部40は、表示装置10の説明の部分において説明をしたのと同様に、蛍光表示部駆動部50または電圧変換部の動作の異常を検出する異常検出器41と、保護制御器42と、を具備する場合には、共通制御部40は、表示装置10の一部に生じた異常を検出し、その異常によって他の部分が破壊されることを防止することができる。
(第2実施形態)
図6に沿って第2実施形態の表示装置11の説明を行う。図2に示す第1施形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分については、図2におけると同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態においては、外付部品によって構成される電圧変換部が第1実施形態とは異なる。第1実施形態においては、外付部品によってステップアップ型スイッチングレギュレータが構成されていたが、第2実施形態においては、外付部品によってステップダウン型スイッチングレギュレータが構成されている。本実施形態においては、ステップダウン型スイッチングレギュレータは電圧変換部の一例として機能する。
このようなステップダウン型スイッチングレギュレータを備えるために、入力電圧Vinの値が、端子Vhdに印加される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値よりも大きい場合においても、表示装置11は、適正に機能して所望の発光表示を行うことができる。
まず、このステップダウン型スイッチングレギュレータの説明を以下に行う。ステップダウン型スイッチングレギュレータは、電源制御部30および外付部品である、スイッチ素子77、スイッチ素子制御素子71、ダイオード72、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65、抵抗66、抵抗74、抵抗73およびコンデンサ64によって構成されている。
このステップダウン型スイッチングレギュレータは、外部から供給される入力電圧Vinの値が、例えば、12Vから50Vの範囲で動作する。すなわち、この12Vから50Vの範囲の電圧を12Vに変換して、入力電圧Vinの電圧の変動および蛍光表示部22に流れる電流の変動にかかわらず、蛍光表示部駆動電圧Vhvの値が、略12Vとなるように安定化制御を行う。
電源制御部30の各部における動作波形は、図4の(A)ないし(C)に示すものと同様である。
すなわち、端子Fbkにフィードバックされるフィードバック電圧Vfbが低下すると、パルス幅変調器33の出力の波形は、所定の周期T1で繰り返しながらハイレベルの期間が拡大する(時比率が大きくなる)。
そして、スイッチ素子ドライバ34の出力がハイレベルのときに、スイッチ素子制御素子71はON(コレクタとエミッタの間がON)となって、スイッチ素子77をON(コレクタとエミッタの間がON)とする。この結果、端子Vhh→スイッチ素子77→インダクタ63→コンデンサ64の経路で電流が流れ、インダクタ63に磁気エネルギ−が蓄えられる、
そして、スイッチ素子ドライバ34の出力がローレベルのときに、スイッチ素子制御素子71はOFF(コレクタとエミッタの間がOFF)となって、スイッチ素子77がOFF(コレクタとエミッタの間がOFF)とされる。この結果、ダイオード72→インダクタ63→コンデンサ64の経路で電流が流れ、コンデンサ64に磁気エネルギ−に応じた電荷が供給され、コンデンサ64の両端の電圧が上昇する。このようにして、フィードバック電圧Vfb、すなわち、端子Vhdに供給される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を一定の値(12V)に保つように、スイッチ素子77のONとOFFとが制御される。ここで、抵抗73はスイッチ素子77のスイッチ速度改善のためのものであり、抵抗74はスイッチ素子制御素子71のコレクタ電流を適切にするためのものである。
第2実施形態に示す、ステップダウン型スイッチングレギュレータを構成の要素として含む表示装置11および蛍光表示管駆動回路は、第1実施形態においては、入力電圧Vinの値が12V未満であったのに対して、入力電圧Vinの値が12V以上である点が相違する。また、共通制御部40からの供給電力制御信号Sppがローレベルとなった場合には、端子Vhdに供給する蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を0Vとすることができる点が相違する。しかしながら、その他については、第1の実施形態と同様の動作をするものであり、第2実施形態における、表示装置11、蛍光表示管装置の奏する効果も第1の実施形態におけると同様である。
(第3実施形態)
図7に沿って第2実施形態の表示装置12の説明を行う。図2に示す第1実施形態および図6に示す第2実施形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分については、図2および図6におけると同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態においては、外付部品によって構成される電圧変換部の構成および電源制御部130の構成が第1実施形態および第2実施形態とは異なる。第1実施形態においては、外付部品によってステップアップ型スイッチングレギュレータが構成され、第2実施形態においては、外付部品によってステップダウン型スイッチングレギュレータが構成されていたが、第3実施形態においては、外付部品によってステップアップ型スイッチングレギュレータおよびステップダウン型スイッチングレギュレータが構成されており、その両者のいずれかを、入力電圧Vinの値に応じて選択して動作させることができるものである。
図7において、外付部品のうち、スイッチ素子61、ダイオード62、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65および抵抗66がステップアップ型スイッチングレギュレータを構成するものである。また、外付部品のうち、スイッチ素子77、スイッチ素子制御素子71、ダイオード72、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65、抵抗66、抵抗74および抵抗73がステップダウン型スイッチングレギュレータを構成するものである。すなわち、インダクタ63、コンデンサ64、抵抗65および抵抗66が両者に共用されている。
また、外付部品として、抵抗75および抵抗76を含むが、この抵抗は入力電圧Vinの値を分圧するもので、この分圧された入力分圧電圧Vdiは1チップIC121の端子Vcgに入力されている。
1チップIC121は、電源制御部130と、共通制御部40と、蛍光表示部駆動部50とから構成されており、共通制御部40および蛍光表示部駆動部50は、第1実施形態と同様の構成を有するので、図7では記載が省略され図示されていない。また、蛍光表示部22も第1実施形態と同様の構成を有し、第1実施形態と同様に蛍光表示部駆動部50と接続されているので、図7では記載が省略されている。
本実施形態においては、電源制御部130と外付部品で構成されるステップアップ型スイッチングレギュレータおよびステップダウン型スイッチングレギュレータは電圧変換部の一例として機能する。
電源制御部130が、電源制御部30と異なる点は、スイッチ素子ドライバ34に代えてステップアップ型スイッチングレギュレータ用のスイッチ素子ドライバ37、電圧切替器39およびステップダウン型スイッチングレギュレータ用のスイッチ素子ドライバ38を具備する点である。スイッチ素子ドライバ37は、3入力のアンド回路として構成され、スイッチ素子ドライバ38は、アンド回路とオア(OR)回路との組み合わせで構成される3入力の論理回路である。スイッチ素子ドライバ38を構成するオア(OR)回路の1の入力端子は電圧切替器39の出力と接続されている。また、スイッチ素子ドライバ37の1の入力端子も同様に、電圧切替器39の出力と接続されている。
電圧切替器39はCMOSのコンパレータで構成されており、電圧切替器39の負極性の入力端子は端子Vcgに接続され、入力分圧電圧Vdiが入力され、正極性の端子は基準電圧Vrefが入力されている。
入力分圧電圧Vdiの値が1.24V(基準電圧Vrefの値)を越えると、電圧切替器39の出力はローレベルとなって、スイッチ素子ドライバ38の出力はパルス幅変調器の出力レベルに応じたものとされ、スイッチ素子ドライバ37の出力は常にローレベルとされる。一方、入力分圧電圧Vdiの値が1.24V(基準電圧Vrefの値)未満の場合には、電圧切替器39の出力はハイレベルとなって、スイッチ素子ドライバ38の出力は常にハイレベルとされ、スイッチ素子ドライバ37の出力はパルス幅変調器の出力レベルに応じたものとされる。なお、電圧切替器39は、所謂、ヒシテリシスコンパレータとされており、入力電圧Vinが12V付近で細かく上下する場合に、電圧切替器39の出力が、ローレベルとハイレベルとを頻繁に交互に出力することがないようになされている。
ここで、入力電圧Vinの値が12V以上であれば、入力分圧電圧Vdiの値が1.24V以上となり、入力電圧Vinの値が12V未満であれば、入力分圧電圧Vdiの値が1.24V未満となるように、予め、抵抗75と抵抗76との分圧比が定められている。
上述したように、入力分圧電圧Vdiの値が1.24V(基準電圧Vrefの値)を越える場合には、スイッチ素子ドライバ37の出力は常にローレベルとされるので、スイッチ素子61はOFFとなってステップアップ型のスイッチングレギュレータは動作しない。一方、スイッチ素子ドライバ38の出力はパルス幅変調器の出力レベルに応じたものとされるので、ステップダウン型のスイッチングレギュレータは動作する。
すなわち、スイッチ素子ドライバ38の出力がハイレベルのときに、スイッチ素子77をONにして、端子Vhh→スイッチ素子77→インダクタ63→ダイオード62→コンデンサ64の経路で電流が流れ、インダクタ63に磁気エネルギ−が蓄えられる、そして、スイッチ素子ドライバ38の出力がローレベルのときに、スイッチ素子77をOFFにして、ダイオード72→インダクタ63→ダイオード62→コンデンサ64の経路で電流が流れ、コンデンサ64に磁気エネルギ−に応じた電荷が供給され、コンデンサ64の両端の電圧が上昇する。このようにして、フィードバック電圧Vfb、すなわち、端子Vhdに供給される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を略一定の値(12V)に保つように、動作する。
また、上述したように、入力分圧電圧Vdiの値が1.24V未満の場合には、スイッチ素子ドライバ38の出力は常にハイレベルとされ、スイッチ素子77は常時ONとなるので、ステップダウン型のスイッチングレギュレータは動作しない。一方、スイッチ素子ドライバ37の出力はパルス幅変調器の出力レベルに応じたものとされるので、ステップアップ型のスイッチングレギュレータは動作する。
すなわち、スイッチ素子ドライバ37の出力がハイレベルのときに、スイッチ素子61をONにして、端子Vhh→スイッチ素子77→インダクタ63→スイッチ素子61→接地の経路で電流が流れ、インダクタ63に磁気エネルギ−が蓄えられる、そして、スイッチ素子ドライバ37の出力がローレベルとされる期間においては、スイッチ素子61をOFFにして、端子Vhh→スイッチ素子77→インダクタ63→ダイオード62→コンデンサ64の経路で電流が流れ、コンデンサ64に磁気エネルギ−に応じた電荷が供給され、コンデンサ64の両端の電圧、すなわち、端子Vhdに供給される蛍光表示部駆動電圧Vhvの値を略一定の値(12V)に保つ。
第3実施形態に示す、表示装置12および蛍光表示管駆動回路は、例えば、8Vから50Vまでの広範囲な入力電圧Vinに適用が可能となり、第1実施形態におけるすべての効果と第2実施形態におけるすべての効果とを併せ持つ優れた特性を有するものである。
また、第3実施形態に示す、蛍光表示管装置120は、蛍光表示部22(または、蛍光表示管)と蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部130と、を有し、外部に外付部品を付加することによって、容易に8Vから50Vまでの広範囲な入力電圧Vinに適用が可能な表示装置を構成できるものである。なお、真空容器の内部に、上述の蛍光表示部22と蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部130とが配されている場合には、蛍光表示管装置120はCIGVFDであり、真空容器の内部に、上述の蛍光表示部22のみが配されて蛍光表示管として構成され、蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部130とが、真空容器の外部に配されている場合には、蛍光表示管装置120はCOGVFDである。
また、第3実施形態に示す、蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部130と、を有する半導体装置(1チップIC121)は、外部に外付部品および蛍光表示部22(または、蛍光表示管)を付加することによって、容易に8Vから50Vまでの広範囲な入力電圧Vinに適用が可能な表示装置を構成できるものである。
また、スイッチ素子ドライバ38は、入力電圧Vinの値が12V未満の場合には、常にスイッチ素子77をONとする論理回路としたが、入力電圧Vinの値が12V未満の場合、12V以上の場合にかかわらず、供給電力制御信号Sppがローレベル(L)となる場合には、スイッチ素子ドライバ38からの出力をローレベル(L)として、電圧変換部から、蛍光表示部駆動部50へ供給する電力を絶つようにしても良い。
(第4実施形態)
図8に沿って第4実施形態の表示装置13の説明を行う。第1実施形態ないし第3実施形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分については、図2、図6および図7におけると同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態の表示装置13は、蛍光表示部駆動部50を動作させるに必要とされる端子Vhdに印加される12Vの蛍光表示部駆動電圧Vhvのみならず、蛍光表示部22を動作させるに必要とされる端子Fm1と端子Fm2の間に印加される交流(AC)3Vのフィラメント電圧Vfmおよび端子Vddに印加される3.3Vの半導体装置電圧Vlvのすべてを入力電圧Vinから変圧して供給し、より、容易に表示装置が構成できるようにしたものである。
本実施形態においては、電源制御部230と外付部品で構成されるステップアップ型スイッチングレギュレータと2つのステップダウン型スイッチングレギュレータは電圧変換部の一例として機能する。
フィラメント電圧Vfmとして、交流電圧を発生させている。フィラメントを直流で駆動する場合には、蛍光表示管の両端では、フィラメント電圧分だけグリッドおよびアノードに対して、カソードの電圧に差が生じてしまう。このような現象を電極構造で補正することも考えられるが、大型の蛍光表示管においては困難である。そこで、第4実施形態では、ブリッジスイッチ回路をさらに設け、フィラメント電圧Vfmとして交流を得ている。
また、半導体装置電圧Vlvは3.3Vと低い電圧であるが、電力を消費するので、ステップダウン型スイッチングレギュレータによって降圧し、3.3Vを得ている。
図8に沿って表示装置13の説明をする。端子Vhhに加えられる入力電圧Vinの範囲は8Vから12Vである。第1実施形態と第4実施形態との異なる点は、端子Vddに印加される3.3Vの半導体装置電圧Vlvを供給するために、第1のステップダウン型スイッチングレギュレータを具備し、さらに、端子Fm1と端子Fm2の間に印加される交流3Vのフィラメント電圧Vfmを供給するための第2のステップダウン型スイッチングレギュレータおよびブリッジスイッチ回路を具備する点である。
また、図8において、太い2点鎖線で囲った1チップIC221は、第1のステップダウン型スイッチングレギュレータ、第2のステップダウン型スイッチングレギュレータおよびブリッジスイッチ回路の各々を駆動するために、電源制御部を1個有する第1実施形態の電源制御部30に代えて電源制御部を3個有するとともにブリッジスイッチ回路を有する電源制御部230を具備する点で、第1実施形態とは相違する。
また、外付部品も、第1のステップダウン型スイッチングレギュレータ、第2のステップダウン型スイッチングレギュレータおよびブリッジスイッチ回路の各々に対応して増加している点で相違する。
しかしながら、1チップIC221は、第1実施形態におけると同一構成の共通制御部40、蛍光表示部駆動部50(図8には、いずれも図示せず)を有し、第1実施形態におけると同一構成の蛍光表示部22(図8には、図示せず)を駆動する。また、端子Vhdに印加される12Vの蛍光表示部駆動電圧Vhvを供給するためのステップアップ型スイッチングレギュレータについては、第1実施形態におけると同様の構成を採用している。以下の説明において、第1実施形態と同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分については、第1の実施形態におけると同一の符号を付して説明を省略する。
まず、図8において、太い破線で囲った電源制御部230の説明をする。電源制御部230は第1実施形態における電源制御部30と同一構成を有する、3組の、誤差増幅器およびパルス幅変調器を有する。誤差増幅器232および誤差増幅器332は誤差増幅器32と、パルス幅変調器233およびパルス幅変調器233はパルス幅変調器33と、各々同一の構成を有しているが、各々を区別するために、異なる符号を付している。また、ステップアップ型スイッチングレギュレータを制御する部分については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。また、スイッチ素子ドライバ234およびスイッチ素子ドライバ234は、スイッチ素子制御素子271およびスイッチ素子制御素子371をON(導通)、OFF(切断)するための信号を出力する電力インターフェイスである。
また、第1のステップダウン型スイッチングレギュレータは、電源制御部230に配された、誤差増幅器232、パルス幅変調器233、スイッチ素子ドライバ234および外付部品である、スイッチ素子277、スイッチ素子制御素子271、ダイオード272、インダクタ263、コンデンサ264、抵抗265、抵抗266、抵抗274、抵抗273およびコンデンサ264によって構成されている。そして、端子Fbk2に入力されるフィードバック電圧Vfb2と1.24V(基準電圧Vref)との差である誤差電圧を増幅して、増幅誤差電圧Ve2を得、増幅誤差電圧Ve2と三角波電圧Vtとに基づいてパルス幅変調器233において、パルス幅変調を行い、フィードバック電圧Vfb2を略1.24Vに保ち、それにより、端子Vddに略3.3Vに一定化された半導体装置電圧Vlvを得ている。
電源制御部230は、さらに、ブリッジスイッチ回路310を駆動するための、フィラメントAC駆動器300を具備している。フィラメントAC駆動器300はブリッジスイッチ回路310を制御して、交流の電流をフィラメントに流す。ここで、交流の周波数は、フィラメントAC駆動器300に内蔵されている分周器によって、基準発振信号Ssoを分周することによって定められる。本実施形態では、400kHzの基準発振信号Ssoを1/8000に分周して50Hzのフィラメント交流周波数を得ている。
交流3Vのフィラメント電圧Vfmを供給するために、第2のステップダウン型スイッチングレギュレータが設けられている。そして、4個のPチャンネルMOSFETからなるブリッジスイッチ回路310の2個のPチャンネルMOSFETをフィラメントに流れる電流が通過するために、規定のフィラメント電圧よりも、2個のPチャンネルMOSFETの電圧低下分、さらに、後述するカットオフ電圧用のダイオードセットDcの順方向電圧分、ブリッジスイッチ回路310に印加される電圧は予め高いものに設定されている。
この第2のステップダウン型スイッチングレギュレータは、外付部品として、スイッチ素子377、スイッチ素子制御素子371、ダイオード372、インダクタ363、コンデンサ364、抵抗365、抵抗366、抵抗374、抵抗373およびコンデンサ364で構成されている。その動作は、増幅誤差電圧Ve3を得、増幅誤差電圧Ve3と三角波電圧Vtとに基づいてパルス幅変調器333において、パルス幅変調を行い、スイッチ素子ドライバ334の出力によって、スイッチ素子377のONとOFFが繰り返され、抵抗365と抵抗366とで分圧されるフィードバック電圧Vfb3の値が、1.24Vであるときに、上述した2個のPチャンネルMOSFETでの電圧降下分と、ダイオードセットDcの順方向電圧と、3Vとを加算した電圧が得られるようになされている。
フィラメントAC駆動器300からは、ブリッジスイッチ制御信号Sf1ないしブリッジスイッチ制御信号Sf4が、端子Fd1ないし端子Fd4を介してブリッジスイッチ回路310の各々のPチャンネルMOSFETに供給される。50Hzの繰り返しの半周期において、ブリッジスイッチ制御信号Sf1とブリッジスイッチ制御信号Sf3とが同時にハイレベルとなり、このときには、ブリッジスイッチ制御信号Sf2とブリッジスイッチ制御信号Sf4とが同時にローレベルとなる。そして、次の半周期において、ブリッジスイッチ制御信号Sf2とブリッジスイッチ制御信号Sf4とが同時にハイレベルとなり、このときには、ブリッジスイッチ制御信号Sf1とブリッジスイッチ制御信号Sf3とが同時にローレベルとなる。このように交互に反転することによって、端子Fm1と端子Fm2との間には交流の電圧が印加され、フィラメントは規定の3V付近の交流電圧によって点灯する。
ブリッジスイッチ回路310と接地の間に3個のダイオードからなるダイオードセットDcが付加されている。これは、フィラメント電圧Vfmを接地点電位(0V)より正方向に浮かせ、グリッドまたはアノード電圧を0Vとしたときに、蛍光表示部22が完全に消灯するように、カットオフ電位を与えるためのものである。
また、ブリッジスイッチ回路310を4つのPチャンネルMOSFETで構成せずに、2つのPチャンネルMOSFETを異なる極性(方向)の電流が流れる各々の電流路の2つのPチャンネルMOSFETに代えて2つのダイオードを用いるものとし、ブリッジスイッチ制御信号Sf1ないしブリッジスイッチ制御信号Sf4に代えて、ハイレベルとローレベルとが相補的に出力される2つのブリッジスイッチ制御信号Sf1とブリッジスイッチ制御信号Sf2とを、端子Fd1と端子Fd2とを介してブリッジスイッチ回路310の2つのPチャンネルMOSFETに供給されるものとすることによって1チップIC221の端子の数を削減することができる。
また、PチャンネルMOSFETのONのときの抵抗値およびダイオードセットDcの順方向の電圧は、温度依存性を有する。このために、端子Fm1と端子Fm2との間の印加されるフィラメント電圧が環境温度に依存して変化する。これを防止するために、第2のステップダウン型スイッチングレギュレータは、電圧を一定とするのではなく、フィラメントに流れる電流を一定とする定電流電源として、さらに、温度変化による輝度変化を少なくすることができる。
また、カットオフ電圧を印加する別の方法としては、ダイオードセットDcの順方向電圧を用いるのではなく、第3のステップダウン型スイッチングレギュレータ(図示せず)を設け、その出力電圧の印加点を現在ダイオードセットDcが接続されている点とし、ダイオードセットDcを取り外すことができる。このような構成を採用すれば、第2のステップダウン型スイッチングレギュレータと第3のステップダウン型スイッチングレギュレータの各々からの安定化した電圧の差がフィラメント電圧Vfmとして用いられるので電圧の安定度は、ダイオードセットDcを用いる場合にくらべてより高いものとなる。
第4実施形態に示す、表示装置13および蛍光表示管駆動回路は、第1実施形態におけるすべての効果を有するとともに、さらに、外部から端子Vddに印加される3.3Vの半導体装置電圧Vlvと、交流3Vのフィラメント電圧Vfmとを供給することなく、入力電圧Vinのみを与えることによって表示装置13および蛍光表示管駆動回路を動作させることができるものである。
また、第4実施形態に示す、蛍光表示部22(または蛍光表示管)と蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部230と、を有する蛍光表示管装置220は、外部に外付部品を付加することによって、例えば、8Vから12Vまでの入力電圧Vinのみを電源として備えれば、表示装置13を容易に構成できるものである。
また、第4実施形態に示す、蛍光表示部駆動部50と共通制御部40と、電源制御部230と、を有する半導体装置(1チップIC221)は、外部に外付部品および蛍光表示部22(または蛍光表示管)を付加することによって、例えば、8Vから12Vまでの入力電圧Vinのみを電源として備えれば、容易に表示装置13を構成できるものである。
(第5実施形態)
図9に沿って第5実施形態の表示装置14の説明を行う。第1実施形態におけると同一の構成を有し、同一の作用を奏する部分については、図2におけると同一の符号を付して説明を省略する。
表示装置14は第1実施形態と同一の蛍光表示管装置20を用いるので、この部分については説明を省略する。外付部品として、一次巻線N1と二次巻線N2ないし二次巻線N4を同一コアに巻回したトランスを備えて、二次巻線N2ないし二次巻線N4の巻数に応じた電圧を各々発生させ、12Vの蛍光表示部駆動電圧Vhvのみならず、直流3Vのフィラメント電圧Vfmおよび3.3Vの半導体装置電圧Vlvのすべてを入力電圧Vinから変圧して供給するものである。
本実施形態においては、電源制御部30と外付部品で構成されるトランスを用いたDC/DCコンバータは電圧変換部の一例として機能する。
各々の巻線に付けた●(黒丸)は、巻線の巻始めを示すもので、図9に示す回路構成は、所謂、ON/ON型のDC/DCコンバータと称されるものである。このタイプのDC/DCコンバータでは、一次巻線N1に電流が流れるときに、二次巻線N2ないし二次巻線N4から一次側に供給された電力を取り出すように構成されている。
スイッチ素子161は、スイッチ素子ドライバ34によってONとOFFが制御され、スイッチ素子161がONのときに、一次巻線N1に電流を流し、スイッチ素子161がOFFのときに、一次巻線N1の電流は零とされる。そして、この繰り返しの周期とONの時間との比(時比率)を制御することによって、所定の電圧の電力を二次巻線N2ないし二次巻線N4の各々から二次側の回路に供給するようになされている。端子Vhdに加わる蛍光表示部駆動電圧Vhvが抵抗154と抵抗155とによって分圧されて、フィードバック電圧Vfbとして端子Fbkに印加されるようになされている。
蛍光表示部駆動電圧Vhv、半導体装置電圧Vlv、フィラメント電圧Vfmの各々を供給するいずれの回路も、同一の構成と作用をするものであって、二次巻線N2ないし二次巻線N4の相互の巻数の比率が異なり、これによって、異なる電圧を得ているものであるので、蛍光表示部駆動電圧Vhvを得る、二次巻線N2を備える二次側回路について動作の説明を行って、他の部分の動作の説明を代表する。
スイッチ素子161がONとなるときに、一次巻線N1に入力電圧Vinが印加され、それによって、二次巻線N2にも電圧が発生する。このときに二次巻線N2に発生する電圧は、一次巻線N1と二次巻線N2の比率に応じたのものとなる。そして、二次巻線N2→ダイオード151→インダクタ152→コンデンサ153の経路で電流が流れ、コンデンサに充電電流を流す。一方、スイッチ素子161がOFFとなるときに、一次巻線N1に入力電圧Vinは印加されず、二次巻線N2には電圧が発生しない。そして、ダイオード156→インダクタ152→コンデンサ153の経路で電流が流れ、コンデンサに充電電流を流す。ここで、スイッチ素子161の時比率が大きいほど、コンデンサ153の電圧は高くなる。そしてコンデンサ153の電圧、すなわち、半導体装置電圧Vlvは、上述したように、フィードバック電圧Vfbの値が1.24Vとなるように制御され、半導体装置電圧Vlvの電圧値は12Vに安定化される。
同様にして、予め定められた、二次巻線N2ないし二次巻線N4の相互の巻数の比率に応じた電圧が、半導体装置電圧Vlv、フィラメント電圧Vfmとして、二次巻線N3、二次巻線N4に接続された回路から得られる。
二次巻線N2ないし二次巻線N4の各々の巻線比によって、得られる電圧の相互の比は固定されたものになるので、12Vの蛍光表示部駆動電圧Vhvのみを安定化させれば、他のフィラメント電圧Vfmおよび半導体装置電圧Vlvについても略、所定の範囲とすることができる。また、一次巻線N1と二次巻線N2との巻線比を調整することによって、入力電圧Vinの値は第1実施形態ないし第4実施形態のいずれよりも広範囲なものとすることができる。また、抵抗500とツェナーダイオード501は、カットオフ電圧を得るためのものであり、これによって蛍光表示部22の表示を完全に消すことができる
(他の実施形態)
上述した第1実施形態ないし第5実施形態に示された部分を適宜組み合わせ、新たな実施形態の表示装置、蛍光表示管装置、蛍光表示管駆動回路、蛍光表示管を駆動する半導体装置を構成することが勿論可能である。その他に、例えば、以下のような実施形態を適宜用いることができる。
蛍光表示管は、上述の実施形態に示したキャラクタ表示用にかぎられず、グラフィック表示用のものであっても良い。また、蛍光表示管の駆動方法としては、ダイナミック駆動をする場合に限られず、スタティツク駆動をするものであっても良い。また、表示装置、蛍光表示管装置、蛍光表示管駆動回路に用いられる半導体装置は1チップICとして構成するのみならず適宜、複数のチップを組み合わせるものでも良い。
また、上述した実施形態では、半導体装置の外部に付加したスイッチ素子61、スイッチ素子77等を半導体装置に積載するものであっても良い。また、半導体の製造プロセスとしては、バイポーラプロセスによるものであっても良く、さらに、アナログ回路とデジタル回路とで構成するのではなく、A/D変換器を積載してデジタル回路のみで構成するものとしても良い。また、外付部品のスイッチ素子はトランジスタに限らず、FET(Fied Efect Transistor)でも良い。
また、基準発振信号と整数関係を有する周波数のデコーダクロック信号、基準発振信号と整数関係を有する周波数の電源クロック信号を得るに際して、分周するのではなく、逓倍(周波数を上げる)するものであっても良い。
また、上述した実施形態に示す入力電圧Vinの範囲は、一例として、8Vから50Vとしたが、この範囲に限られるものではなく、スイッチングレグレータにおいては、インダクタ、スイッチ素子およびダイオードの仕様を適切に選択することによって、さらに広範囲な電圧範囲に対応することができる。また、トランスを用いるDC/DCコンバータにおいては、巻線仕様、スイッチ素子を選択することによって、さらに広い範囲の入力電圧Vin(例えば、3Vから50V)に対応することも可能である。また、第5実施形態におけるトランスの一次側巻線仕様を変更することによって、より高圧な入力電圧Vinに対応可能とし、ワールドワイドに、家庭用のAC100VからAC230Vの商用電源を整流した直流電圧を表示装置の入力電圧Vinとして用いることができる。
また、トランスを用いて電圧変換を行う場合には、第5実施形態に示したON/ONコンバータを用いるものに限らず、ON/OFFコンバータ、ハーフブリッジコンバータ、フルブリッジコンバータの如何なるものであっても良い。
駆動部保護器の動作に関しては、上述した実施形態では、一例として、ドライバ電力制御信号Spdがローレベル(L)である場合には、PチャンネルMOSFETとNチャンネルMOSFETの両方をOFFとするものとしたが、PチャンネルMOSFETをOFFとして、NチャンネルMOSFETをONとして、グリッドとアノードとに0Vを印加するものとしても良い。また、グリッドとアノードとの両方をドライバ電力制御信号Spdで制御するのみならず、グリッとのみ、あるいは、アノードのみを制御するようにしても良く、このようにしても同様の効果を得ることができる。さらに、デコーダ制御信号Shdによってスキャン時比率を変化させる場合においても、グリッド信号の時間tpを変化させるのみならず、アノード信号の時比率(図3(B)において、各々のセグメントを選択可能な時間と実際に各々のアノード信号がハイレベルとなっている時間との比)を変化させるようにしても同様の効果を得ることができる。
また、電源部保護器の動作に関しては、上述した実形態では、供給電力制御信号Sppがローレベル(L)である場合に、ステップアップ型のスイッチングレギュレータでは、入力電圧Vinをそのまま、蛍光表示管駆動回路に加え、ステップダウン型のスイッチングレギュレータ、トランスを用いる場合には、電圧変換部からの電圧を0Vとするようにしたが、これに限らず、0Vと蛍光表示管の仕様電圧(12V)との間の適宜任意の電圧としても良く、この場合においては、表示装置としての動作を維持しつつ、表示の装置の保護ができるという利益を得られる。
電圧変換装置と蛍光表示管装置との組み合わせを説明する図である。 実施形態の表示装置を示す図である。 実施形態におけるグリッド信号およびアノード信号ならびにセグメント構成を説明する図である。 実施形態の電源制御部の動作を示す図である。 実施形態のデコーダの入力信号を示す図である。 実施形態の表示装置を示す図である。 実施形態の表示装置を示す図である。 実施形態の表示装置を示す図である。 実施形態の表示装置を示す図である。 蛍光表示管の構造の一例を示す図である。
符号の説明
10、11、12、13、14 表示装置、20、120、220 蛍光表示管装置、21、121、221 半導体装置(IC)、22 蛍光表示部、
30、130、230 電源制御部、31 三角波発生器、
32 誤差増幅器、33 パルス幅変調器、
34、37、38、234、334 スイッチ素子ドライバ、
40 共通制御部、41 異常検出器、42 保護制御器、43 発振器
50 蛍光表示部駆動部、51 デコーダ、52 ドライバ保護器、
53 ドライバ、61、77、277、377 スイッチ素子、62 ダイオード、63 インダクタ、64 コンデンサ

Claims (11)

  1. 電子を放出するカソードと、前記電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、前記電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部と、
    前記グリッドおよび前記アノードに接続され、前記蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部と、
    前記蛍光表示部駆動部と接続され、前記蛍光表示部駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部と、
    前記蛍光表示部駆動部および前記電圧変換部を制御する共通制御部と、
    を備える表示装置。
  2. 前記蛍光表示部と、前記蛍光表示部駆動部と、前記電圧変換部の制御部である電源制御部と、前記共通制御部と、が、
    少なくとも一方向から前記発光する蛍光体を視認可能とされ、真空に保たれた密封容器の内部に配されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記蛍光表示部が、
    少なくとも一方向から前記発光する蛍光体を視認可能とされ、真空に保たれた密封容器の内部に配され、
    前記蛍光表示部駆動部と、前記電圧変換部と、前記共通制御部と、が、前記密封容器の外部に配されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記共通制御部は、
    所定周波数の基準発振信号を発生する発振器を具備し、
    前記蛍光表示部駆動部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数のデコーダクロック信号に基づいて前記グリッドと前記アノードとに供給される電圧を制御する制御信号を発生するデコーダを具備し、
    前記電圧変換部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数の電源クロック信号に基づいた周期のパルスの時比率を制御するパルス幅変調器を具備する請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記共通制御部は、
    前記蛍光表示部駆動部または前記電圧変換部の動作の異常を検出する異常検出器と、
    前記異常検出器からの信号に基づき、前記蛍光表示部駆動部に対して駆動部電力制御信号を送出するとともに、前記電圧変換部に対して供給電力制御信号を送出する保護制御器と、を具備し、
    前記蛍光表示部駆動部は、
    前記駆動部電力制御信号を受けて前記グリッドまたは/および前記アノードを駆動する制御信号を変化させる駆動部保護器を具備し、
    前記電圧変換部は、
    前記供給電力制御信号を受けて前記蛍光表示部駆動部に供給する電力の量を低減する電源部保護器を具備する請求項1に記載の表示装置。
  6. 電子を放出するカソードと、前記電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、少なくとも一方向から視認可能とされる、前記電子が衝突することによって発光する蛍光体と、が、真空の密封容器の内部に形成されてなる蛍光表示管の前記グリッドおよび前記アノードに接続され、前記蛍光体の発光を制御する蛍光表示管駆動部と、
    前記蛍光表示管駆動部と接続され、前記蛍光表示管駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部と、
    前記蛍光表示管駆動部および前記電圧変換部を制御する共通制御部と、
    を備える蛍光表示管駆動回路。
  7. 前記共通制御部は、
    所定周波数の基準発振信号を発生する発振器を具備し、
    前記蛍光表示管駆動部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数のデコーダクロック信号に基づいて前記グリッドと前記アノードとに供給される電圧を制御する制御信号を発生するデコーダを具備し、
    前記電圧変換部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数の電源クロック信号に基づいた周期のパルスの時比率を制御するパルス幅変調器を具備する請求項6に記載の蛍光表示管駆動回路。
  8. 前記共通制御部は、
    前記蛍光表示管駆動部または前記電圧変換部の動作の異常を検出する異常検出器と、前記異常検出器からの信号に基づき、前記蛍光表示管駆動部に対して駆動部電力制御信号を送出するとともに、前記電圧変換部に対して供給電力制御信号を送出する保護制御器と、を具備し、
    前記蛍光表示管駆動部は、
    前記駆動部電力制御信号を受けて前記グリッドまたは/および前記アノードを駆動する制御信号を変化させる駆動部保護器を具備し、
    前記電圧変換部は、
    前記供給電力制御信号を受けて前記蛍光表示管駆動部に供給する電力の量を低減する電源部保護器を具備する請求項6に記載の蛍光表示管駆動回路。
  9. 電子を放出するカソードと、前記電子の移動を制御するグリッドおよびアノードと、前記電子が衝突することによって発光する蛍光体と、を有する蛍光表示部の前記グリッドおよび前記アノードに接続され、前記蛍光体の発光を制御する蛍光表示部駆動部と、
    前記蛍光表示部駆動部に所定電圧を供給する電圧変換部の制御部である電源制御部と、
    前記蛍光表示部駆動部および前記電源制御部を制御する共通制御部と、
    を備える、蛍光表示部を駆動する半導体装置。
  10. 前記共通制御部は、
    所定周波数の基準発振信号を発生する発振器を具備し、
    前記蛍光表示部駆動部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数のデコーダクロック信号に基づいて前記グリッドと前記アノードとに供給される電圧を制御する制御信号を発生するデコーダを具備し、
    前記電源制御部は、
    前記基準発振信号と整数関係を有する周波数の電源クロック信号に基づいた周期のパルスの時比率を制御するパルス幅変調器を具備する請求項9に記載の蛍光表示部を駆動する半導体装置。
  11. 前記共通制御部は、
    前記蛍光表示部駆動部または前記電圧変換部の動作の異常を検出する異常検出器と、前記異常検出器からの信号に基づき、前記蛍光表示部駆動部に対して、駆動部電力制御信号を送出するとともに、前記電圧変換部に対して、供給電力制御信号を送出する保護制御器と、を具備し、
    前記蛍光表示部駆動部は、
    前記駆動部電力制御信号を受けて前記グリッドまたは/および前記アノードを駆動する制御信号を変化させる駆動部保護器を具備し、
    前記電源制御部は、
    前記供給電力制御信号を受けて前記蛍光表示部駆動部に供給する電力の量を低減する電源部保護器を具備する請求項9に記載の蛍光表示部を駆動する半導体装置。

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