JP6667914B2 - 断熱材及び多層断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱材及び多層断熱材に関する。
様々な空間や機器においては、内部空間や機器周辺の温度変化を抑制することが求められる場合がある。
例えば、宇宙探査機や人工衛星などの宇宙空間で動作する宇宙機器は、正常な機能を果たすためには、宇宙機器内部の温度上昇や温度低下を所定の範囲内に抑制することが求められる。一例として、太陽と宇宙機の距離が近いなどにより太陽光強度が強い領域の場合には、太陽光の入射による宇宙機器内部の温度上昇を低減する必要がある。一方、例えば太陽と宇宙機の距離が遠いなどにより太陽光強度が低い領域の場合には、宇宙機器内部からの放熱による温度低下を抑制する必要がある。
特許文献1には、太陽光の影響による宇宙機器の内部の温度上昇を抑制するための熱制御部材が開示されている。この熱制御部材は、赤外線の放射率の高い材料で形成された赤外線放射層と、可視光や赤外線といった電磁波の反射率の高い材料で形成された反射層と、を有する。
特開2015−63118号公報
特許文献1に記載の熱制御部材では、反射層が金属(銀、アルミニウム、金など)で形成されている。この熱制御部材では、金属で形成された反射層が電波を反射するため、熱制御部材の内側で電波の送受を行うことができないという問題があった。
以上の問題を解決するために、本発明の目的は、電波が透過可能な断熱材及び多層断熱材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
電波を透過させるように構成された第1誘電体多層膜と、
赤外線放射率が0.5未満であり、電波を透過させるように構成された第2誘電体多層膜と、
第1誘電体多層膜が形成された第1主面と、第2誘電体多層膜が形成された第2主面と、を含む第1基材と、を具備する、断熱材を提供する。
この断熱材では、太陽光が入射する領域においては、断熱材の表面において赤外線を高放射することから、当該断熱材を備える断熱対象物(例えば宇宙機器)では、太陽光の影響による温度上昇を抑制することができ、赤外線放射をカットすることができるため、正常な機能を確保することができる。
また、太陽光が入射しない領域においては、より温度が高い断熱対象物(例えば宇宙機器)から赤外線が放射されるが、当該断熱材によって赤外線放射をカットすることができる。これにより、当該断熱材10を備える断熱対象物は、内部の温度低下を抑制することができるため、正常な機能を確保することができる。
さらに、この断熱材では、第1誘電体多層膜及び第2誘電体多層膜を組み合わせることにより、金属を用いないため、電波を透過させることができる。
第1誘電体多層膜は太陽光を反射するように構成されていることが好ましい。例えば、太陽光が入射する領域の場合には、太陽光を反射させることによって、太陽光の入射による断熱対象物(例えば宇宙機器)の内部の温度上昇を低減することができる。
本発明の断熱材は、第2誘電体多層膜が形成された第2主面側に配置されたスペーサを具備することが好ましい。これにより、第1基材と断熱対象物(例えば宇宙機器)との間に空間を設けることができ、熱伝導が抑制されて、断熱効果を高めることができる。
スペーサは、ポリイミドフォームで形成することによって、軽量で断熱材とすることが好ましい。
上記本発明の断熱材は、多層断熱材として用いられることによって、より高い断熱効果を発揮することが可能となる。
また、本発明は、
積層された複数の基材と、
電波を透過させるように構成され、複数の基材それぞれの少なくとも一方の主面に形成された誘電体多層膜と、
複数の基材の間に配置されたスペーサと、を具備し、
複数の誘電体多層膜の少なくとも一つの赤外線放射率が0.5未満である、多層断熱材(MLI:Multilayer Insulator)を提供することもできる。
本発明によれば、電波が透過可能な断熱材及び多層断熱材を提供することができる。
太陽光が入射する領域においては、断熱材の表面において赤外線を高放射することから、当該断熱材を備える断熱対象物(例えば宇宙機器)では、太陽光の影響による温度上昇を抑制することができ、赤外線放射をカットすることができるため、正常な機能を確保することができる。
また、太陽光が入射しない領域においては、より温度が高い断熱対象物(例えば宇宙機器)から赤外線が放射されるが、当該断熱材によって赤外線放射をカットすることができる。これにより、当該断熱材10を備える断熱対象物は、内部の温度低下を抑制することができるため、正常な機能を確保することができる。
さらに、例えば宇宙探査機のように電波の送受を行う必要のある宇宙機器では、アンテナを断熱材の外側に配置する必要がある。したがって、例えば太陽光が入射する領域における宇宙機器では、アンテナが宇宙空間に直接晒されるため、断熱材に覆われていないアンテナに太陽光が直接入射するため、アンテナが温度上昇しやすい。温度上昇したアンテナの熱は宇宙機器の本体に伝導するため、宇宙機器の内部が温度上昇しやすくなる。しかし、本発明の断熱材は電波を透過させることができることから、アンテナを断熱材の内側へ収容可能となり、より断熱性を向上させることが可能となる。また、太陽光が入射しない領域における宇宙機器においても、アンテナを断熱材の内側に収容することによって、宇宙機器の内部温度の低下を抑制でき、より断熱性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る断熱材の、太陽光が入射する領域で利用可能な構成を例示する部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る断熱材の、太陽光が入射しない領域で利用可能な構成を例示する部分断面図である。 上記断熱材の図1Aの領域A1を拡大して示す部分断面図である。 上記断熱材の図2の領域A2を更に拡大して示す部分断面図である。 上記断熱材の図3の領域A3を更に拡大して示す部分断面図である。 上記断熱材の第1誘電体多層膜の反射率(太陽光)を例示するグラフである。 上記断熱材の第1誘電体多層膜の反射率(赤外線)を例示するグラフである。 上記断熱材の第2誘電体多層膜の反射率(赤外線)を例示するグラフである。 上記断熱材の図2の領域A4を更に拡大して示す部分断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形態によって限定的に解釈されるものではない。また、以下の実施形態では宇宙機器に用いられる多層断熱材として記載されているが、本発明の断熱材は、宇宙空間での使用に限定されるものではない。
1.多層断熱材10の概略構成
図1A,1Bは、本発明の一実施形態に係る多層断熱材10が宇宙機器の外面に貼り付けられた状態を示す部分断面図である。図1A,1Bは、多層断熱材10が宇宙機器の本体を構成する構造材20の外面に貼り付けられた状態を示している。図1A,1Bにおいて、多層断熱材10の上方が宇宙空間であり、構造材20の下方が宇宙機器の内部である。図1Aは太陽光が入射する場合を示し、図1Bは太陽光が入射しない場合を示す。
多層断熱材10の表面は、図1Aのように太陽光が入射する領域においては、太陽光を反射することが好ましい。また、多層断熱材10の表面は、赤外線を高放射することが好ましい。これにより、多層断熱材10が貼り付けられた宇宙機器では、太陽光の影響による温度上昇を抑制することができ、赤外線放射をカットすることができるため、正常な機能を確保することができる。
また、図1Bに示すように太陽光が入射しない領域においては、より温度が高い宇宙機器内部から赤外線が放射されるが、多層断熱材10によって赤外線放射をカットすることができる。これにより、多層断熱材10が貼り付けられた宇宙機器では、内部の温度低下を抑制することができるため、正常な機能を確保することができる。
また、いずれの場合であっても、多層断熱材10は、電波が透過するように構成されている。これにより、多層断熱材10の内部にアンテナを配置することが可能となる。つまり、多層断熱材10の内部に配置されたアンテナによって電波の送受を行うことが可能となる。したがって、多層断熱材10が貼り付けられた宇宙機器では、アンテナを宇宙空間に晒さずに済む。
したがって、図1Aに示すような太陽光が入射する領域で利用される宇宙機器では、多層断熱材10によって赤外線放射をカットすることができ、内側に配置されたアンテナの温度上昇を抑制することができる。
また、図1Bに示すような太陽光が入射しない領域で利用される宇宙機器では、アンテナが多層断熱材10の外側に配置されていない場合には、アンテナを介したヒートリークの発生を防止することができ、宇宙機器の温度低下を更に抑制することができる。
このような多層断熱材10は、電波の送受を行う必要がある宇宙機器に特に適している。宇宙機器としては、例えば、内惑星探査機、外惑星探査機、深宇宙探査機、月面探査機などが挙げられる。なお、多層断熱材10は、宇宙機器に限らず、様々な機器や部材などに対しても幅広く適用可能である。例えば太陽の影で動作する月面探査機において、越夜に耐える断熱性能を実現することができる。
2.多層断熱材10の詳細構成
2.1 全体構成
図2は、図1Aの一点鎖線で囲んだ領域A1を拡大して示す部分断面図である。構造材20の外面には相互に間隔をあけて配置された複数の接続部30が設けられ、複数の接続部30によって多層断熱材10と構造材20との間に空間が形成されている。これにより、多層断熱材10と構造材20との間での熱伝導を防止することができ、断熱性能をより発揮することができる。
多層断熱材10は、単一の第1光学部材11と、複数の第2光学部材12と、を具備する。第1光学部材11及び複数の第2光学部材12は、いずれも構造材20の外面に沿って平行に延びる平板状であり、構造材20の外面上に相互に間隔をあけて積層されている。図2に示す例では、4枚の第2光学部材12が配置されている。
図2に例示する多層断熱材10では、第1光学部材11が最も外側に配置され、複数の第2光学部材12がいずれも第1光学部材11より内側に配置されている。多層断熱材10は、光学部材11,12のそれぞれの間に配置されたスペーサ13を更に具備する。スペーサ13は、光学部材11,12の間での空間を設け、熱伝導を抑制する機能を有する。
つまり、スペーサ13は、光学部材11,12を相互に離間させることにより、光学部材11,12の間での直接の熱伝導を抑制する。また、スペーサ13は、熱伝導性の低い材料で形成され、これにより光学部材11,12の間でのスペーサ13を介した熱伝導も生じにくい構成となっている。また、図2では、光学部材11と光学部材12との間がスペーサ13で充填されているように記載されているが、光学部材11と光学部材12との間の一部の領域のみがスペーサ13で充填されていることも好ましい。これにより、スペーサ13が充填されていない空間では、光学部材11,12の間での熱伝導が防止できる。
スペーサ13は、熱伝導性が低く、軽量で、かつ耐熱性や耐環境性に優れたポリイミドフォームで形成されていることが好ましい。しかし、スペーサ13は、これに限定されず、他の低熱伝導性の材料で形成されていてもよい。また、スペーサ13は、複数の部材が組み合わされた構造体として構成されていてもよい。
なお、図2に示すように、最も内側の第2光学部材12と接続部30との間にもスペーサ13が配置されていることが好ましい。これにより、多層断熱材10と構造材20との間での熱伝導を更に効果的に防止することができる。しかし、この構成は必須ではなく、最も内側の第2光学部材12と接続部30との間にはスペーサ13が配置されていなくてもよい。また、複数のスペーサ13がいずれも同様の構成であっても、各スペーサ13ごとに異なる構成であってもよい。
以上では、図1Aに示す多層断熱材10について説明したが、図1Bに示す多層断熱材10も同様の構成を有する。図1Bに示す多層断熱材10は、図1Aに示す多層断熱材と、第1光学部材11の構成が異なり、その他の構成が共通する。このため、以下では、図1Bに示す多層断熱材10について、第1光学部材11以外の構成の説明を省略する。
2.2 第1光学部材11
図3は、図2の一点鎖線で囲んだ領域A2を更に拡大して示す部分断面図である。図1Aに示す多層断熱材10の第1光学部材11は、第1基材B1と、第1誘電体多層膜F1と、第2誘電体多層膜F2と、を有する。第1誘電体多層膜F1は、第1基材B1の外側の主面に形成されている。第2誘電体多層膜F2は、第1基材B1の内側の主面に形成されている。
第1基材B1は、誘電体多層膜F1,F2の形状を保持するための部材である。第1基材B1は、柔軟性を有し、かつ耐熱性や耐環境性に優れたポリイミドで形成されていることが好ましい。しかし、第1基材B1は、これに限定されず、他の材料で形成されていてもよい。また、第1基材B1の厚さは、適宜決定可能である。
第1基材の厚みは、一例として、10〜1000μmであってもよく、15〜500μmであってもよく、20〜200μmであってもよい。
図4は、図3の一点鎖線で囲んだ領域A3を更に拡大して示す部分断面図である。図4は太陽に近い宇宙空間の場合であり、太陽光、赤外線、及び電波の進行経路が、矢印によって模式的に示されている。
誘電体多層膜F1,F2はいずれも、高屈折率の誘電体膜と、低屈折率の誘電体膜と、が交互に積層された構造を有する。誘電体多層膜F1,F2では、高屈折率の誘電体膜及び低屈折率の誘電体膜の種類や厚さを調整することにより、特定の波長帯の電磁波を反射(又は吸収)するように構成されている。高屈折率の誘電体膜としては、例えば金属酸化物などが挙げられる。また、低屈折率の誘電体膜としては、例えば二酸化ケイ素などが挙げられる。
具体的に、第1誘電体多層膜F1は、太陽光が入射する領域の宇宙空間の場合において、太陽光を反射し、赤外線を吸収・高放射するように構成されている。第1誘電体多層膜F1における高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜の組み合わせとしては、例えば、TaとSiO、TiOとSiO、SiとSiOなどが挙げられる。第1誘電体多層膜F1では、これらの組み合わせのうち、いずれか1つを用いても、複数を併用してもよい。
第1誘電体多層膜F1では、各誘電体膜の厚さを適切に設定することにより、太陽光領域の波長を反射することが可能となる。各誘電体膜の厚さは、任意の設計手法に基づいて設計可能である。また、第1誘電体多層膜F1における誘電体膜の層数は適宜決定可能である。
図5,6は、SiとSiOの組み合わせを用いた第1誘電体多層膜F1の反射率を例示するグラフである。図5は、第1誘電体多層膜F1の太陽光領域の波長帯(0.25〜2.5μm)における反射率を示している。図6は、第1誘電体多層膜F1の赤外領域の波長帯(特に10μm付近)における反射率を示している。
第1誘電体多層膜F1の具体的な構成は、以下の表1に示す通りである。第1誘電体多層膜F1では、第1基材B1(層1)上に、層2〜9がこの順番で配置されている。表1には、各層1〜9について、構成する材料及び厚さが示されている。
Figure 0006667914
図5に示すように、第1誘電体多層膜F1では、太陽光領域の波長帯(0.25〜2.5μm)において、高い反射率が得られていることがわかる。また、図6に示すように、第1誘電体多層膜F1では、特に10μm付近において、低い反射率、つまり高い吸収率及び放射率が得られていることがわかる。
また、第2誘電体多層膜F2は、第1誘電体多層膜F1とは反対に、赤外線を反射するように構成されており、赤外線放射率が0.5未満である。赤外線放射率は0.3以下であってもよく、0.2以下であってもよく、0.15以下であってもよい。
第2誘電体多層膜F2における高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜の組み合わせとしては、例えば、Geと硫化物、Geとフッ化物、などの組み合わせが挙げられる。Geと組み合わせることができる低屈折率の硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)などが挙げられる。また、Geと組み合わせることができる低屈折率のフッ化物としては、例えば、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化バリウム(BaF)などが挙げられる。
各誘電体膜の厚さは、任意の設計手法に基づいて設計可能である。
第2誘電体多層膜F2では、各誘電体膜の厚さを適切に設定することにより、赤外領域の波長帯全域を反射することが可能となる。各誘電体膜の厚さは、任意の設計手法に基づいて設計可能である。また、第2誘電体多層膜F2における誘電体膜の層数は適宜決定可能である。
図7は、GeとZnSの組み合わせを用いた第2誘電体多層膜F2の赤外領域の波長帯(10μm付近)における反射率を例示するグラフである。図7に示すように、第2誘電体多層膜F2では、10μm付近の、近赤外線から遠赤外線の波長帯において、高い反射率が得られていることがわかる。
第2誘電体多層膜F2の具体的な構成は、以下の表2に示す通りである。第2誘電体多層膜F2では、第1基材B1(層1)上に、層2〜13がこの順番で配置されている。表2には、各層1〜13について、構成する材料及び厚さが示されている。
Figure 0006667914
以上のような構成により、太陽光が入射する領域においては、宇宙空間から第1光学部材11に入射する太陽光、赤外線、及び電波は、図4に示す進行経路をとる。つまり、第1光学部材11に入射する太陽光によって、第1光学部材11の温度が上昇し内側へも赤外線が放射されるが、第2誘電体多層膜の赤外線放射率が0.5未満であるため、第1光学部材11からの赤外線放射は低放射となる。
第1光学部材11の誘電体多層膜F1,F2が電波を透過させるため、宇宙空間から第1光学部材11に入射した電波は、第1光学部材11の内側に到達することができる。
2.3 第2光学部材12
図8は、図2の一点鎖線で囲んだ領域A4を更に拡大して示す部分断面図である。第2光学部材12は、第2基材B2と、第3誘電体多層膜F3と、を有する。第3誘電体多層膜F3は、第2基材B2の両主面にそれぞれ形成されている。以下の説明では、主に最も外側の第2光学部材12について説明するが、他の第2光学部材12も同様の構成を有する。
第2基材B2は、第3誘電体多層膜F3の形状を保持するための部材である。第2基材B2は、柔軟性を有し、かつ耐熱性や耐環境性に優れたポリイミドで形成されていることが好ましい。しかし、第2基材B2は、これに限定されず、他の材料で形成されていてもよい。また、第2基材B2の厚さは、適宜決定可能である。
第2基材B2としては、第1光学部材11の第1基材B1と同様のものを利用することができる。しかし、第2基材B2としては、第1光学部材11の第1基材B1とは異なるものを利用してもよい。また、各第2光学部材12ごとに異なる第2基材B2を利用してもよい。なお、第2基材の厚みは、一例として、10〜1000μmであってもよく、15〜500μmであってもよく、20〜200μmであってもよい。
第3誘電体多層膜F3はいずれも、第1光学部材11の第2誘電体多層膜F2と同様に、赤外線を反射(赤外線放射率が0.5未満)するように構成されている。第3誘電体多層膜F3の構成は、上述の第2誘電体多層膜F2の構成と同様であってもよく、第2誘電体多層膜F2の構成とは異なっていてもよい。
また、第2基材B2の内側の主面に形成された第3誘電体多層膜F3と、第2基材B2の外側の主面に形成された第3誘電体多層膜F3と、は同様の構成であっても異なる構成であってもよい。更に、第3誘電体多層膜F3の構成は、各第2光学部材12ごとに異なっていてもよい。
第3誘電体多層膜F3では、各誘電体膜の厚さを適切に設定することにより、赤外領域の波長帯全域を反射することが可能となる。各誘電体膜の厚さは、任意の設計手法に基づいて設計可能である。また、第3誘電体多層膜F3における誘電体膜の層数は適宜決定可能である。
ここで、第1光学部材11の第2誘電体多層膜F2は、赤外線の反射率が高く、つまり赤外線の吸収率及び放射率が低い。仮に第2誘電体多層膜F2の吸収率及び放射率が0%であれば、第1光学部材11の第2誘電体多層膜は、赤外線を全く吸収せず、また赤外線を全く放射しない。
しかし、実際には、第2誘電体多層膜F2の放射率を0%とすることは不可能である。第1光学部材11の第2誘電体多層膜F2が内側に低放射する赤外線は、第2光学部材12の外側の第3誘電体多層膜F3に低吸収される。それにより、第2光学部材の温度が上昇し、赤外線が低放射される。
このように、赤外線の低放射と低吸収の繰り返しにより、内側の光学部材に赤外線が伝わりにくくなり、赤外線がカットされる。したがって、第2光学部材12を第1光学部材11に対向して配置することにより、多層断熱材10の断熱性能を更に向上させることができる。また、他の第2光学部材12も、最も外側の第2光学部材12と同様の機能を発揮する。このように、複数の第2光学部材12の作用により、多層断熱材10の断熱性能が更に向上する。
また、第2光学部材12では、第3誘電体多層膜F3を用いることにより、金属を用いることなく赤外線反射部が実現されている。各第2光学部材12では第3誘電体多層膜F3が電波を透過させるため、第1光学部材11を透過した電波は各第2光学部材12を順次透過することにより、宇宙機器の構造材20に到達することができる。
なお、第3誘電体多層膜F3は、第2光学部材12の両主面に設けられていることが好ましい。しかし、第3誘電体多層膜F3は、第2光学部材12のいずれか一方の主面のみに設けられていてもよい。この場合、第3誘電体多層膜F3は、第2光学部材12の内側又は外側のいずれの主面に設けられてもよい。例えば、最も内側の第2光学部材12では、接続部30との間にスペーサ13が配置されない場合、第3誘電体多層膜F3が内側の主面に設けられていなくてもよい。
3.その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、第1基材の一方の主面に第2誘電体多層膜を設けることが記載されているが、多層断熱材の変形例として、第1基材の一方の主面に第2誘電体多層膜が設けられていなくてもよい。すなわち、変形例の多層断熱材としては、電波を透過させるように構成された誘電体多層膜を主面の少なくとも一方に備え、積層された複数の基材と、複数の基材の間に配置されたスペーサと、を具備し、誘電体多層膜の少なくとも一つが赤外線放射率が0.5未満となるように構成された、多層断熱材であってもよい。赤外線放射率は0.3以下であってもよく、0.2以下であってもよく、0.15以下であってもよい。
このような多層断熱材であっても、断熱効果を発揮できる。
また、上記実施形態では多層断熱材10の赤外線反射部に第3誘電体多層膜F3を利用しているが、赤外線反射部の構成はこれに限定されない。一例として、赤外線反射部は、電波を充分に透過可能な周波数選択板(FSS:Frequency Selective. Surface)を利用した構成を有していてもよい。
10…多層断熱材(MLI)
11…第1光学部材
12…第2光学部材
13…スペーサ
20…構造材
30…接続部
F1,F2,F3…誘電体多層膜
B1,B2…基材

Claims (5)

  1. 電波を透過させるとともに、太陽光の波長帯の全領域にわたって反射し、太陽光よりも大きい波長帯の赤外線を放射するように構成された第1誘電体多層膜と、
    赤外線放射率が0.5未満であり、電波を透過させるように構成された第2誘電体多層膜と、
    前記第1誘電体多層膜が形成された第1主面と、前記第2誘電体多層膜が形成された第2主面と、を含む基材と、
    を具備する、断熱材。
  2. 前記基材の前記第2主面側に配置されたスペーサを更に具備する、
    請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記スペーサがポリイミドフォームで形成された、
    請求項に記載の断熱材。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の断熱材を具備する、
    多層断熱材。
  5. 積層された複数の基材と、
    電波を透過させるように構成され、前記複数の基材それぞれの少なくとも一方の主面に形成された複数の誘電体多層膜と、
    前記複数の基材の間に配置されたスペーサと、を具備し、
    前記複数の誘電体多層膜の少なくとも一つが、太陽光の波長帯の全領域にわたって反射し、太陽光よりも大きい波長帯の赤外線を放射するように構成された第1誘電体多層膜であり、
    前記複数の誘電体多層膜の少なくとも一つが、赤外線放射率が0.5未満の第2誘電体多層膜である、
    多層断熱材。
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