JP6841492B2 - シート部材 - Google Patents

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本発明は、板ガラスに貼付されるシート部材に関する。
一般に、室内と室外とを区画する板ガラスは、種々の機能を有するように構成されることがある。このような板ガラスとして、日射遮蔽機能を有する中間膜が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来の板ガラスでは、日射遮蔽機能を有する中間膜によって太陽エネルギーを遮断し、室内における冷房負荷の低減を図っている。
また、板ガラス自体が日射遮蔽機能を有していなくてもよく、通常の板ガラスに対し、日射遮蔽機能を有するシート部材を貼付した場合でも、特許文献1に記載されたような板ガラスと同様の作用効果が奏される。
特開2005−087680号公報
このように板ガラスが日射遮蔽機能を有することで、夏季における冷房負荷が低減される。また、板ガラスが日射遮蔽機能を有するためには、板ガラス自体又はシート部材に、日射を反射しやすい層を設け、JISA5759:2008に定義される日射反射率を向上させることが好ましい。また、室内の明るさを保つためには日射透過率を向上させることが好ましく、これらを両立させるために、日射吸収率を低くすることが求められていた。シート部材を用いる場合には、シート部材との温度差による板ガラスの熱割れを防ぐという観点からも、日射吸収率を低くすることが一般的であった。
しかしながら、冬季においては、暖房負荷を低減するためには太陽エネルギーを室内側に取り込んだ方がよいため、上記のように板ガラスやシート部材の日射反射率を高くすることで日射透過率を低くしてしまうと、暖房負荷が増大してしまう。また、寒冷地においては、年間を通じて太陽エネルギーを室内側に取り込んだ方がよい場合もある。従って、気象条件によっては従来の板ガラスやシート部材を用いることで却って年間の消費エネルギーが増大してしまう可能性があった。
本発明の目的は、冬季または寒冷地における消費エネルギーを低減することができるシート部材を提供することにある。
本発明のシート部材は、板ガラスに貼付されるシート部材であって、透光性を有する基材層と、前記基材層に積層される光吸収層と、を備え、JISA5759:2008に定義される日射透過率および日射反射率に基づく日射吸収率が40%以上かつ60%以下であることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、光吸収層を備えたシート部材の日射吸収率が40%以上であることで、このようなシート部材を板ガラスの室内側に貼付することにより、室内側に太陽エネルギーを取り込みやすくなる。即ち、光吸収層が太陽光を吸収し、これを熱エネルギーとして放熱する。このとき、シート部材がガラス板の室内側に配置されることで、室内側に放熱されやすい。また、光吸収層が蓄熱することにより、室内温度とシート部材自体の温度との温度差が小さくなり、温度勾配が緩やかになることから、室内側から室外側への熱貫流(熱伝導および熱伝達)が抑制され、暖房による熱を室外に逃がしにくくすることができる。このように室内側に太陽エネルギーを取り込むとともに室外への放熱を抑制することにより、冬季または寒冷地における消費エネルギーを低減することができる。一方、日射吸収率が低すぎると、室内側から室外側に熱貫流しやすくなり、冬季または寒冷地における消費エネルギーを低減しにくくなってしまう。
また、日射吸収率が60%以下であることで、シート部材の過剰な温度上昇を抑制し、板ガラスとの温度差による熱割れを抑制することができる。一方、日射吸収率が高すぎると、シート部材が温度上昇しすぎてしまい、シート部材との温度差による板ガラスの熱割れが生じる可能性がある。特に、板ガラスが一般的なガラス(耐熱ガラスでない)で構成される場合、熱割れが生じやすい。
この際、本発明のシート部材では、前記光吸収層よりも貼付面と反対側に、前記光吸収層よりも日射を反射しやすい光反射層が設けられていることが好ましい。このような構成によれば、室内側の光(特に赤外線)を光反射層によって反射することで光エネルギーを室外側に逃がしにくくすることができる。また、光反射層は太陽光も反射してしまうものの、室外側の光吸収層を透過した後の光を反射するとともに、反射された光が光吸収層によって吸収されやすい。従って、冬季または寒冷地における消費エネルギーをさらに低減することができる。
尚、光吸収層と光反射層とが設けられたシート部材では、貼付面側から光を入射した場合と露出面側から入射した場合とで日射吸収率が異なる場合がある。この場合、貼付面側から光を入射した際の日射吸収率が40%以上かつ60%以下となればよい。
さらに、本発明のシート部材では、貼付面と反対側の露出面に保護層が設けられていることが好ましい。このような構成によれば、保護層によって他の層(特に光吸収層)を保護することができ、シート部材の機能の低下を抑制することができる。
以上のような本発明のシート部材によれば、光吸収層を備えて日射吸収率が40%以上であることで、冬季または寒冷地における消費エネルギーを低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るシート部材を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るシート部材を示す断面図である。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例1のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例2のシート部材、比較例1のシート部材および素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の消費電力を示すグラフである。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。尚、第2実施形態においては、第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材及び同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態と同じ符号を付すとともに説明を省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態のシート部材1は、板ガラスの室内側に貼付されるものであって、図1に示すように、板ガラス側の貼付面から反対側の露出面にかけて、接着層2と、基材層3と、光吸収層4と、基材層5と、保護層6と、を備える。
接着層2は、充分な透光性を有するとともに、後述するような材質の基材層3と板ガラスとを接着可能な接着剤により構成されていればよく、このような接着剤としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の接着剤が例示される。接着層2は充分な接着力を得られるような厚さを有していればよく、この厚さは例えば5〜10μm程度であればよい。
基材層3、5は、充分な透光性を有していればよく、例えばポリエチレンテレフタレート等の透光性樹脂によって構成される。基材層3、5は、例えば13〜350μm程度の膜厚を有していればよく、貼付面側の基材層3の方が露出面側の基材層5よりも厚くてもよいし薄くてもよいし同程度の厚さであってもよい。
光吸収層4は、シート部材1が後述するような日射吸収率を有するように構成され、光吸収粒子が接着剤等の基材中に分散することで構成されている。光吸収粒子は、例えば銀や銅、アルミニウム等の金属、アンチモン添加酸化錫(ATO)や錫添加酸化インジウム(ITO)等の金属酸化物、又は、これらの組み合わせによって構成される。光吸収粒子は、その材質に応じた適宜な粒径を有していればよく、その平均粒径は、例えば10〜300nm程度であればよい。光吸収粒子がATOにより構成される場合、光吸収層4における密度が1〜3.5g/m2程度であることが好ましい。
また、光吸収層4は、基材層3又は基材層5に対してウェット塗工法やスパッタリング等によって積層されればよく、ウェット塗工法により形成される場合には例えば10μm以下の膜厚を有し、スパッタリングにより形成される場合には例えば800nm以下の膜厚を有する。また、スパッタリングにより光吸収層4が形成される場合には、基材層3、5と接着するための接着層がさらに設けられれば良い。
保護層6は、基材層5よりも硬質であり且つ充分な透光性を有する樹脂材料により構成され、基材層3、5および光吸収層4を充分に保護できるような適宜な厚さ(例えば1〜5μm)を有していればよい。
ここで、シート部材1の各種特性について説明する。シート部材1は、JISA5759:2008に定義される日射透過率が35%以上かつ55%以下であり、JISA5759:2008に定義される日射反射率が5%以上かつ25%以下である。また、これらの日射透過率および日射反射率に基づいて求められる日射吸収率が40%以上かつ60%以下である。尚、日射吸収率Aの算出方法は、A=1−(日射透過率+日射反射率)である(JISR3106:1998参照)。
シート部材1全体の厚さは、例えば400μm以下である。このようなシート厚とすることで、シート部材1を曲げやすくし、取り扱いが容易となる。さらに、シート部材1全体の厚さは、200μm以下であることが好ましい。このようなシート厚とすることで、板ガラスへの貼付後にシート部材1をカッターナイフ等によって容易に切断することができる。
以上のようなシート部材1が、建物開口部に設けられて室内外を区画する板ガラスの室内側に貼付され、太陽光(日射)が室内に向かって照射されるとともに、室温が外気温よりも高い場合における伝熱について説明する。
まず、室内に向かって照射される太陽光は、日射反射率に応じて一部が反射されるとともに日射吸収率に応じて他の一部が吸収される。このとき、主に光吸収層4によって光の反射および吸収が起こる。また、日射透過率に応じて残りの光が透過して室内に採りこまれる。本実施形態のシート部材1では、光吸収層4が設けられ、従来のように光の反射を目的としたシート部材と比較して日射吸収率が高いことから、光吸収層4が蓄熱しやすい。
蓄熱した光吸収層4は、その両面から放熱する。このとき、シート部材1が板ガラスの室内側に設けられていることから、室内側に放熱されやすい。
また、室温の方が外気温よりも高いことから、熱貫流(熱伝導および熱伝達)によって室外側に熱が逃げようとする。このとき、上記のように光吸収層4が蓄熱して温度が高くなっていることから、光吸収層4の温度が室温以上である場合には熱貫流が遮られ、完全断熱を達成可能な場合がある。また、光吸収層4の温度が室温よりも低い場合であっても、熱貫流が抑制される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、光吸収層4を備えたシート部材1の日射吸収率が40%以上であることで、光吸収層4が太陽光を吸収して蓄熱しやすく、室内側に太陽エネルギーを取り込むとともに室外への放熱を抑制することができ、冬季または寒冷地における消費エネルギーを低減することができる。特に、昼間等の日射がある状況において、室温が外気温よりも所定の温度だけ高くなるように暖房を使用した場合、日射吸収率が低いシート部材と比較して、消費エネルギーを効果的に低減することができる。
また、日射吸収率が60%以下であることで、シート部材1の過剰な温度上昇を抑制し、板ガラスとの温度差による熱割れを抑制することができる。尚、板ガラスが耐熱ガラスで構成される場合、日射吸収率が60%より高くても熱割れが生じないことがある。
また、貼付面と反対側の露出面に保護層6が設けられていることで、保護層6によって光吸収層4等の他の層を保護することができ、シート部材1の機能の低下を抑制することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態のシート部材1Bは、板ガラスの室内側に貼付されるものであって、図2に示すように、板ガラス側の貼付面から反対側の露出面にかけて、接着層2と、基材層3と、光吸収層4と、基材層5と、光反射層7と、基材層8と、保護層6と、を備える。
光反射層7は、光吸収層4よりも日射を反射しやすい。即ち、光反射層7と基材層とのみによって構成されたシート部材の日射反射率(JISA5759:2008)は、光吸収層4と基材層とのみによって構成されたシート部材の日射反射率よりも高く、例えば20%以上かつ50%以下である。
光反射層7は、光反射粒子が接着剤等の基材中に分散することで構成されている。光反射粒子は、例えばアルミニウムやチタン、ニッケル、銀等の金属またはこれらの組み合わせによって構成される。光反射粒子は、その材質に応じた適宜な粒径を有していればよく、その平均粒径は、例えば10〜300nm程度であればよい。
また、光反射層7は、基材層5又は基材層8に対してウェット塗工法やスパッタリング等によって積層されればよく、ウェット塗工法により形成される場合には例えば3μm以下の膜厚を有する。また、スパッタリングにより光反射層7が形成される場合には、基材層5、8と接着するための接着層がさらに設けられれば良い。
基材層8は、基材層3、5と同様の材質により、適宜な厚さを有するように構成されればよい。
ここで、シート部材1Bの各種特性について説明する。尚、以下の特性は、シート部材1Bに対して貼付面側から(即ち、板ガラスの室内側にシート部材1Bを貼付した場合に室外側から)光を入射した場合のものである。シート部材1Bは、JISA5759:2008に定義される日射透過率が10%以上かつ60%以下であり、JISA5759:2008に定義される日射反射率が20%以上かつ50%以下である。
以上のようなシート部材1Bが、前記第1実施形態と同様に板ガラスに貼付された場合の伝熱について説明する。
まず、室内に向かって照射される太陽光は、前記第1実施形態と同様に光吸収層4によって一部が吸収され、残りの光が透過する。この透過した光が光反射層7によって一部が反射されるとともに残りの光が透過して室内に採りこまれる。光反射層7によって反射された光は、光吸収層4によって一部が吸収され、光吸収層4が蓄熱する。
蓄熱した光吸収層4は、前記第1実施形態と同様に、室内側に放熱しやすいとともに、室内側から室外側への熱貫流を抑制する。また、光反射層7は、室内側から室外側に向かう光(特に赤外線)を反射しやすく、光エネルギーを室外に逃がしにくい。
このような本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果が奏される。さらに、光吸収層4よりも露出面側に光反射層7が設けられていることで、光吸収層4によって太陽光エネルギーを室内に採りこむという作用と、光反射層7によって光エネルギーを室外に逃がしにくいという作用と、を両立させることができる。
なお、本発明は、前記第1実施形態および前記第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記第1実施形態では、光吸収層4が基材層3、5によって挟まれているものとしたが、基材層3、5の一方が省略され、光吸収層4に接着層2又は保護層6が直接重ねられていてもよい。また、前記第2実施形態では、光吸収層4と光反射層7との間に基材層8が設けられるものとしたが、基材層8が省略されて光吸収層4と光反射層7とが直接重ねられていてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。前記第1実施形態のシート部材において光吸収粒子としてATOを用い、シート全体の日射吸収率が40.7%(日射透過率が53.1%、日射反射率が6.2%)であるものを実施例1のシート部材とする。前記第2実施形態のシート部材において、実施例1と同様の光吸収層を有するとともに、光反射粒子としてチタン及びアルミニウムを用いたものを実施例2のシート部材とする。また、実施例2の光反射層と基材層とのみによって構成されたシート部材の日射反射率は29.1%となる。実施例2のシート部材全体の日射吸収率は44%(日射透過率が29%、日射反射率が27%)となる。比較例1のシート部材は、チタン及び銀により構成された光反射層を有し、シート全体の日射吸収率が21%(日射透過率が54%、日射反射率が25%)である。
上記のような実施例1、2および比較例1のシート部材のそれぞれについて、板ガラスに貼付するとともに以下のような実験を実施した。また、シート部材を貼り付けない板ガラス単体(素ガラス)についても同様の実験を実施した。
[共通条件]
ガラスケース内に熱源としての内部電球を設置するとともに、ガラスケース外に日射を模擬するための外部電球を設置し、ガラスケース内温度が目標温度となるように内部電球を点灯させた場合の温度の時間変化および消費電力(積算電力)を測定した。
ガラスケースは、一辺300mm厚さ5mmの正方形状の6枚の板ガラスによって構成された立方体状のケースである。これらの板ガラスのうち外部電球側に各シート部材を貼付した。内部電球は、100W電球であり、輻射熱の影響を低減するために黒色の布を被せた。また、内部電球には、その消費電力を測定するための電力計(協立電機計器社製デジタルパワーメータKEW6305)を接続した。ケース内温度は、温度計(アルス制測社製高精度デジタル温度ロガーDLT4)により測定した。ケース内の温度計は、内部電球から充分に離れるとともに、且つ、内部電球および外部電球から直接の輻射熱の影響を受けにくい位置に配置した。ケース外温度(雰囲気温度)は、温度計(SATO社製SKL200TII)により測定した。外部電球として100W電球を用いた。
[実験条件1]
外部電球を消灯させるとともに、測定したケース外温度に5Kを加えた温度を目標温度とし、内部電球を点灯させてケース内温度が目標温度に達したら内部電球を消灯させ、ケース内温度が目標温度から1K下がったら内部電球を点灯させ、これを繰り返した。即ち、夜間等の日射がない状況において室温が外気温よりも5K高くなるように暖房を使用した状態を模擬した。
[実験条件2]
外部電球を点灯させるとともに、測定したケース外温度に5Kを加えた温度を目標温度とし、内部電球を点灯させてケース内温度が目標温度に達したら内部電球を消灯させ、ケース内温度が目標温度から1K下がったら内部電球を点灯させ、これを繰り返した。即ち、昼間等の日射がある状況において室温が外気温よりも5K高くなるように暖房を使用した状態を模擬した。
[実験条件3]
外部電球を点灯させるとともに、測定したケース外温度に10Kを加えた温度を目標温度とし、内部電球を点灯させてケース内温度が目標温度に達したら内部電球を消灯させ、ケース内温度が目標温度から1K下がったら内部電球を点灯させ、これを繰り返した。即ち、昼間等の日射がある状況において室温が外気温よりも10K高くなるように暖房を使用した状態を模擬した。
[実験結果]
実施例1および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の温度の時間変化を図3に示し、消費電力を図4に示す。実施例1および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。比較例1のシート部材の方が実施例1のシート部材よりも、実験開始後の温度上昇速度が速く、消費電力が若干小さかった。
実施例1および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の温度の時間変化を図5に示し、消費電力を図6に示す。実施例1および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。実施例1のシート部材の方が比較例1のシート部材よりも、実験開始後の温度上昇速度が遅く、消費電力が小さかった。
実施例1および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の温度の時間変化を図7に示し、消費電力を図8に示す。実施例1および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。実施例1のシート部材の方が比較例1のシート部材よりも、実験開始後の温度上昇速度が遅く、消費電力が小さかった。
実施例2および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件1の実験を実施した際の温度の時間変化を図9に示し、消費電力を図10に示す。実施例2および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。実施例2のシート部材と比較例1のシート部材とでは実験開始後の温度上昇速度が同程度となり、実施例2のシート部材の方が比較例1のシート部材よりも消費電力が小さかった。
実施例2および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件2の実験を実施した際の温度の時間変化を図11に示し、消費電力を図12に示す。実施例2および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。実施例2のシート部材と比較例1のシート部材とでは実験開始後の温度上昇速度が同程度となり、実施例2のシート部材の方が比較例1のシート部材よりも消費電力が小さかった。
実施例2および比較例1のシート部材、並びに、素ガラスについて実験条件3の実験を実施した際の温度の時間変化を図13に示し、消費電力を図14に示す。実施例2および比較例1のシート部材のいずれについても、実験開始後に素ガラスよりも温度が急速に上昇し、消費電力についても素ガラスより小さくなった。実施例2のシート部材と比較例1のシート部材とでは実験開始後の温度上昇速度が同程度となり、実施例2のシート部材の方が比較例1のシート部材よりも消費電力が小さかった。
以上のように、実施例1、2のシート部材のいずれについても、昼間等の日射がある状況を模擬した実験条件2、3において、比較例1のシート部材および素ガラスよりも消費電力が小さくなった。
1、1B シート部材
3、5、8 基材層
4 光吸収層
6 保護層
7 光反射層

Claims (4)

  1. 板ガラスの室内側の面に貼付されるシート部材であって、
    順に、
    透光性を有し、前記板ガラスへ当該シート部材を貼り付ける貼付面を備える接着層と、
    前記接着層の前記貼付面とは反対側の面に積層され、透光性を有する第1基材層と、
    前記第1基材層における前記接着層とは反対側の面に積層される光吸収層と、
    前記光吸収層における前記第1基材層とは反対側の面に積層され、透光性を有する第2基材層と、
    前記第2基材層における前記光吸収層とは反対側の面に積層される光反射層と、
    前記光反射層における前記第2基材層とは反対側の面に積層され、透光性を有する第3基材層と、
    前記第3基材層の前記光反射層とは反対側の面に積層される保護層と、を備え、
    前記光反射層は、前記光吸収層よりも日射を反射しやすい層であり、
    JISA5759:2008に定義される日射透過率および日射反射率に基づく日射吸収率が40%以上かつ60%以下であることを特徴とするシート部材。
  2. 前記光反射層が、金属により構成される光反射粒子が基材中に分散することにより構成されている、請求項1に記載のシート部材。
  3. 前記日射透過率が10%以上かつ60%以下であり、前記日射反射率が20%以上かつ50%以下である、請求項1または2に記載のシート部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート部材が貼り付けられた板ガラスであって、
    前記板ガラスの室内側の面に前記シート部材の前記接着層の前記貼付面が貼り付けられている、板ガラス。
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