JP7320982B2 - 農業用ハウス - Google Patents
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Description
かかる農業用ハウスの内部温度は、春季、夏季、秋季において過度に上昇することがあり、そのため、ヒートポンプ式の空調装置によって農業ハウス内を冷房するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
ちなみに、特許文献2においては、複数のアルミニウムフィルムを適当な間隔を隔てて並ぶ状態に設けて、隣接するアルミニウムフィルムの間を通して、太陽光等の光を透過させるように構成されている。
尚、農業用ハウスの内部温度を適正な温度に維持するためには、例えば、農業用ハウスの内部を冷房するヒートポンプ式の空調装置を設けることになるが、この場合において、ヒートポンプ式の空調装置を駆動するためのランニングコストの低下を十分に図ることができないものとなる。
放射面から赤外光を放射しかつ前記放射面から入射する太陽光を透過する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置させる光反射層とが設けられたフィルム状の放射冷却体が、前記屋根部に設けられている点にある。
ちなみに、放射冷却とは、物質が周囲に赤外線などの電磁波を放射することでその温度が下がる現象のことを言う。この現象を利用すれば、たとえば、電気などのエネルギーを消費せずに物を冷やすことができる。
つまり、光反射層は、赤外放射層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)を反射して放射面から放射させることにより、赤外放射層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)が農業用ハウス内に投射されて、農業用ハウスの内部が加温されることを回避することになる。
つまり、農業ハウスの内部から放射冷却体に熱が伝えられると、赤外放射層が放射面から赤外光を放射する放射冷却が行われることになり、結果的に、農業ハウスの内部が冷却されることになる。
つまり、作物の生育には、光合成を行わせる等のために、光の照射が必要であるが、赤外放射層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)のうちの一部の光を、光反射層を通過させて、農業用ハウス内の作物に照射することができる。
つまり、例えば、帯状に形成された放射冷却体を、横幅方向に間隔を隔てて並べて設けるようにする等、放射冷却体を屋根部に対して部分的に設けるようにすることにより、光反射層を屋根部に対して部分的に位置させる形態にする。
したがって、樹脂材料層と光反射層とを備える放射冷却体に柔軟性を持たせて、屋根部に設置する放射冷却体が割れる等の機械的損傷を生じることを抑制することができる。
光反射層が、波長0.4μmから0.5μmにかけて90%以上の反射率を示し、波長0.5μmより長波の反射率が96%以上である反射特性を備えると、光反射層が太陽光エネルギーを5%程度以下しか吸収しなくなる。
尚、本明細書では、太陽光について、断りのない場合、スペクトルはAM1.5Gの規格とする。
波長0.4μmから0.5μmの光吸収率の波長平均が13%以下であり、波長0.5μmから波長0.8μmの光吸収率の波長平均が4%以下であり、波長0.8μmから波長1.5μmまでの光吸収率の波長平均が1%以内であり、1.5μmから2.5μmまでの光吸収率の波長平均が40%以下となる光吸収特性を備え、且つ、
8μmから14μmの輻射率の波長平均が40%以上となる熱輻射特性を備える状態の厚みに調整されている点にある。
このような光吸収率が分布する場合、太陽光の光吸収率は10%以下となり、エネルギーで言うと100W以下となる。
上述の如く、光反射層での太陽光吸収は50W/m2以下であることが好ましい。
したがって、樹脂材料層と光反射層における太陽光吸収の和が150W/m2以下であり、大気の状態がよければ冷却が進む。樹脂材料層は、以上のように太陽光スペクトルのピーク値付近の吸収率が小さなものを用いるのが良い。
すなわち、光反射層で吸収される50W/m2程度の太陽光の熱輻射を樹脂材料層から宇宙に放出させるには、それ以上の熱輻射を樹脂材料層が出す必要がある。
例えば、外気温が30℃のとき、波長8μmから14μmの大気の窓の熱輻射の最大は200W/m2である(輻射率1として計算)。この値が得られるのは、高山など、空気の薄いよく乾燥した環境の快晴時である。低地などでは大気の厚みが高山よりも厚くなるので、大気の窓の波長帯域は狭くなり、透過率は低下する。ちなみに、このことを「大気の窓が狭くなる」と呼ぶ。
また、日本ではよくあることであるが、空に靄があるときや、スモッグが存在する場合、大気の窓はさらに狭くなり、宇宙への放射は125W/m2程度となる。
したがって、樹脂材料層の厚みを、上述した光学的規定の範囲になるように調整することにより、太陽光の光吸収による入熱よりも大気の窓における出熱の方が大きくなり、昼間の日射環境下でも屋外で放射冷却できるようになる。
A=exp(-αt)・・・(式1) 尚、tは膜厚である。
つまり、樹脂材料層の厚みを厚くすると、吸収係数の大きな波長帯域で大きな熱輻射が得られる。屋外で放射冷却する場合、大気の窓の波長帯域である波長8μmから14μmにおいて吸収係数の大きな材料を用いるとよい。また、太陽光の吸収を抑制するためには、波長0.3μmから4μm、特に0.4μmから2.5μmの範囲で吸収係数を持たない、或いは小さな材料を用いるとよい。上記式1の吸収係数と光吸収率の関係式からわかるように、光吸収率(輻射率)は樹脂材料層の膜厚によって変化する。
炭素―フッ素結合(C-F)に関しては、CHFおよびCF2に起因する吸収係数が大気の窓である波長8μmから14μmにかけた広帯域に大きく広がっており、特に8.6μmで吸収係数が大きい。併せて、太陽光の波長帯域に関しては、エネルギーが大きな波長0.3-2.5μmで目立った吸収係数がない。
完全フッ素化樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
部分フッ素化樹脂であるポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリフッ化ビニル(PVF)、
フッ素化樹脂共重合体であるペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、
四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、
エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、
エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。
太陽光スペクトルは波長0.300μmより長波しか存在しないため、フッ素樹脂を用いた場合、太陽光の紫外線、可視光線、近赤外線をほとんど吸収しない。
尚、紫外線は波長0.400μmよりも短波長側の範囲とし、可視光線は波長0.400μmから0.800μmの範囲とし、近赤外線は波長0.800μmから3μmの範囲とし、中赤外線は波長3μmから8μmの範囲とし、遠赤外線は波長8μmよりも長波長側の範囲とする。
紫外領域に関しては、主鎖のSi-O-Siの結合エネルギーが4.60eVであり、波長0.269μmに対応し、この波長より短波長側の光を吸収する。太陽光スペクトルは波長0.300μmより長波しか存在しないため、シロキサン結合を用いた場合、太陽光の紫外線、可視光線、近赤外線をほとんど吸収しない。
また、炭素―塩素結合(C-Cl)を持つ樹脂材料としてはポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられるが、ポリ塩化ビニルの場合、塩素の電子吸引の影響で、主鎖に含まれるアルケンのC―Hの変角振動に由来する吸収係数が波長10μmあたりに現れる。つまり、大気の窓の波長帯域で大きな熱輻射を出すことが可能である。なお、アルケンの炭素と塩素の結合エネルギーは3.28eVであり、その波長は0.378μmに対応し、この波長より短波長側の光を吸収する。つまり、太陽光の紫外線を吸収するが、可視域については吸収をほとんど持たない。
ベンゼン環を炭化水素樹脂の側鎖に導入すると、ベンゼン環自身の振動や、ベンゼン環の影響による周りの元素の振動によって、波長8.1μmから18μmにかけて広く吸収が現れるようになる。
これらの結合をもつ樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂、エチレンテレフタラート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートがある。例えばメタクリル酸メチルのC-C結合の結合エネルギーは3.93eVであり、波長0.315μmに対応し、この波長より短波長の太陽光を吸収するが、可視域については吸収をほとんど持たない。
前記樹脂材料層の厚みが、1μm以上である点にある。
シロキサン結合(Si-O-Si)が主たる構成要素の樹脂材料の場合、1μm以上の膜厚があると、大気の窓における輻射強度が大きくなって、太陽光の入力よりも放射冷却による出力の方が大きな状態を作り出すことができる。
つまり、樹脂材料の厚みが厚くなっても放射冷却に寄与する厚みは変わらず、残りの厚みは放射冷却後の冷熱を断熱する作用を与える。理想的に太陽光を全く吸収しない樹脂材料層ができたとすると、太陽光は放射冷却体の光反射層でのみ吸収される。
フッ素樹脂およびシリコーンゴムの熱伝導率は0.2W/m・Kであり、この点に鑑みると、これら樹脂は厚さ20mmまで厚くしても放射冷却機能を発揮する。
そして、銀または銀合金のみで前述の反射率特性を持たせた状態で太陽光を反射する場合、厚さが50nm以上必要である。
つまり、高価な銀または銀合金を薄くして、光反射層の低廉化を図るようにしながらも、光反射層を、銀または銀合金とアルミまたはアルミ合金との積層構造にすることにより、適切な反射率特性を持たせながらも、光反射層の低廉化を図ることができる。
〔農業用ハウスの基本構成〕
図1及び図3に示すように、農業用ハウスUが、切妻形式の屋根部Uyと側壁部Usとを備える形態に構成され、且つ、屋根部Uyの大棟を南北方向に沿わせる形態で建てられている。
ちなみに、屋根部Uy及び側壁部Usが、太陽光を透過する透光材にて構成されることになる。尚、透光材としては、例えば、ポリオフィレン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の樹脂材料にて形成されたフィルムや、ガラス材等にて形成された板材が使用される。
これに対して、図3に示す農業用ハウスUは、大棟の長さが短く形成されているため、側壁部Usにおける南側を向く部分を通して入射する太陽光Pの到達点が、農業用ハウスUの内部の地面における北側の端部にまで到達するようになっている。
放射冷却体CPを屋根部Uyに設ける形態としては、図5に示すように、フィルム状の放射冷却体CPを、屋根部Uyを形成する透光材の一部と置換する形態、換言すれば、屋根部Uyの一部をフィルム状の放射冷却体CPにて形成する形態を採用できる。
また、図3に示す農業用ハウスUにおいては、屋根部Uyの全体に、フィルム状の放射冷却体CPが設けられている。
図9に示すように、放射冷却体CPは、放射面Hから赤外光IRを放射する赤外放射層Aと、当該赤外放射層Aにおける放射面Hの存在側とは反対側に位置させる光反射層Bとを積層状態に備え、且つ、フィルム状に形成されている。
つまり、放射冷却体CPが、放射冷却フィルムとして構成されている。
太陽光スペクトルは、図27に示す如く、波長300nmから4000nmにかけて存在し、波長400nmから大きくなるにつれ強度が大きくなり、特に波長500nmから波長1800nmにかけての強度が大きい。
図1及び図2に示す農業用ハウスUにおいては、放射冷却体CPが、屋根部Uyに対して部分的に設けられることにより、光反射層Bが、屋根部Uyに対して部分的に位置される形態に構成されている。
尚、図3及び図4に示す農業用ハウスUにおいても、放射冷却体CPを屋根部Uyに対して部分的に設けて、採光できるように構成してもよい。
ちなみに、放射冷却体CPを屋根部Uyに対して部分的に設ける場合においても、光反射層Bを赤外放射層A(樹脂材料層J)に対して部分的に位置させる形態に形成して、採光量を調節するようにしてもよい。
以上の通り、農業用ハウスUの屋根部Uyには、フィルム状の放射冷却体CPが設けられているから、放射冷却体CPが農業用ハウス内部を放射冷却する作用を発揮することにより、農業用ハウスUの内部温度の上昇を十分に抑制することができる。
つまり、光反射層Bは、赤外放射層A(樹脂材料層J)を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)を反射して放射面Hから放射させて、赤外放射層A(樹脂材料層J)を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)が農業用ハウス内に投射されて、農業用ハウスUの内部が加温されることを回避することになる。
つまり、農業用ハウスUの内部から放射冷却体CPに熱が伝えられると、赤外放射層A(樹脂材料層J)が放射面Hから赤外光IRを放射する放射冷却が行われることになり、結果的に、農業用ハウスUの内部が冷却されることになる。
図14及び図15は、片流れ屋根形式の実験用のビニルハウスZを示すものであって、この実験用のビニルハウスZを用いた実験結果を例示する。
実験用のビニルハウスZは、側壁部を、一般的な樹脂製フィルム、例えば、エフクリーン(登録商標、以下同じ)を用いて形成し、片流れ屋根部Uyを南方向に向け、且つ、縦長形状にすることによって、太陽光Pの到達点が、実験用のビニルハウスZの内部の地面における北側の端部にまで到達するようになっている。
尚、実験日は、2018年5月21日であり、実験地は、大阪(此花区)である。
ちなみに、本実験においては、実験用のビニルハウスZの内部の空気を自然対流させながら温度測定を実施したが、実験用のビニルハウスZの内部の空気を強制対流(強制的に循環)させて、放射冷却体CPに対して、ビニルハウスZの内部の暖気を当てるようにすれば、ビニルハウスZの内部の温度をさらに低下させることができる。
樹脂材料層Jを形成する樹脂材料は、厚みによって光吸収率や輻射率(光放射率)が変化する。そのため、太陽光をできるだけ吸収せず、いわゆる大気の窓の波長帯域(波長8μmから波長14μmの帯域)において大きな熱輻射を発するように樹脂材料層Jの厚みを調整する必要がある。
このような吸収率分布の場合、太陽光の光吸収率は10%以下となり、エネルギーで言うと100W以下となる。
光反射層Bで吸収される50W/m2程度の太陽光の熱エネルギーを、樹脂材料層Jの熱輻射より樹脂材料層Jから宇宙に放出させるには、それ以上の熱輻射を樹脂材料層Jが出す必要がある。
例えば、外気温が30℃のとき、8μmから14μmの大気の窓の熱輻射の最大は200W/m2である(輻射率1として計算)。この値が得られるのは、高山など、空気の薄いよく乾燥した環境の快晴時である。低地などでは大気の厚みが高山よりも厚くなるので、大気の窓の波長帯域は狭くなり、透過率は低下する。ちなみに、このことを「大気の窓が狭くなる」と呼ぶ。
かかる事情を鑑みて、波長8μmから14μmの輻射率の波長平均は40%以上(大気の窓帯での熱輻射強度が50W/m2)ないと中緯度帯の低地で用いることができない。
樹脂材料には、炭素―フッ素結合(C-F)、シロキサン結合(Si-O-Si)、炭素―塩素結合(C-Cl)、エステル結合(R-COO-R)、エーテル結合(C-O-C結合)、ベンゼン環を含む無色の樹脂材料を用いることができる。
それぞれの樹脂材料について、大気の窓の波長帯域における吸収係数を持つ波長域を図18に示す。
つまり、樹脂材料層Jの膜厚を調整すると、吸収係数の大きな波長帯域で大きな熱輻射が得られる。屋外で放射冷却する場合、大気の窓の波長帯域である波長8μmから14μmにおいて吸収係数の大きな材料を用いるとよい。
また、太陽光の吸収を抑制するために波長0.3μmから4μm、特に0.4μmから2.5μmの範囲で吸収係数を持たない、或いは小さな材料を用いるとよい。吸収係数と吸収率の関係式からわかるように、光吸収率(輻射率)は樹脂材料の膜厚によって変化する。
完全フッ素化樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
部分フッ素化樹脂であるポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリフッ化ビニル(PVF)、
フッ素化樹脂共重合体であるペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、
四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、
エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、
エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。
当該樹脂は、C-Siの結合の伸縮に起因する大きな吸収係数が波長13.3μを中心にブロードに表れ、CSiH2の対象面外変角(縦揺れ)に起因する吸収係数が波長10μmを中心にブロードに表れ、CSiH2の対象面内変角(はさみ)に起因する吸収係数が波長8μm付近に小さく表れる。
また、樹脂材料としてはポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられるが、塩化ビニル樹脂の場合、塩素の電子吸引の影響で、主鎖に含まれるアルケンのC―Hの変角振動に由来する吸収係数が波長10μmあたりに現れる。
ベンゼン環を炭化水素樹脂の側鎖に導入すると、ベンゼン環自身の振動や、ベンゼン環の影響による周りの元素の振動によって、波長8.1μmから18μmにかけて広く吸収が現れるようになる。
上記した結合および官能基を持つ樹脂材料の紫外―可視領域における光吸収、つまり、太陽光吸収について考察する。紫外線から可視光の吸収の起源は結合に寄与する電子の遷移である。この波長域の吸収は、結合エネルギーを計算するとわかる。
先ずは、炭素―フッ素結合(C-F)をもった樹脂材料の紫外から可視域に吸収係数が生じる波長について考える。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を代表としての基本構造部のC-C結合、C-H結合、C-F結合の結合エネルギーを求めると、4.50eV、4.46eV、5.05eVとなる。それぞれ、波長0.275μm、波長0.278μm、波長0.246μmに対応し、これら波長の光を吸収する。
厚さ100μmの塩化ビニル樹脂の紫外から可視域の吸収率スペクトルを図19に示すが、波長0.38μmよりも短波長側で光吸収が大きくなる。
5mmと厚板であるために、吸収係数の小さな波長も大きくなり、波長0.315よりも長波の0.38μmよりも短波側で光吸収が大きくなる。
図示のように、波長0.315μmに近づくほどに吸収率が大きくなり、波長0.315μmで急激に吸収率が大きくなる。なお、エチレンテレフタラート樹脂も、厚みを増していくと、波長0.315μmより少し長波側において、C-C結合由来の吸収端による吸収率が大きくなり、メタクリル酸メチル樹脂同様に紫外線における吸収率が増大する。
なお、ブレンドには、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体といった共重合体や側鎖を置換した変性品も含まれる。
図20に、シロキサン結合をもつシリコーンゴムの大気の窓における輻射率スペクトルを示す。
シリコーンゴムからは、C-Siの結合の伸縮に起因する大きな吸収係数が波長13.3μを中心にブロードに表れ、CSiH2の対象面外変角(縦揺れ)に起因する吸収係数が波長10μmを中心にブロードに表れ、CSiH2の対象面内変角(はさみ)に起因する吸収係数が波長8μm付近に小さく表れる。
この影響で、厚さ1μmの輻射率の波長平均は、波長8μmから14μmにおいて80%であり、波長平均40%以上という規定の中に入る。図示の通り、膜厚が厚くなると大気の窓領域における輻射率は増大する。
この熱輻射を波長8μmから14μmの波長域で波長平均をすると、波長8μmから14μmの輻射率は32%となり、放射冷却性能を示すことが難しい。
図21に、炭素―フッ素結合を持つ樹脂の代表例として、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)の大気の窓における輻射率を示す。CHFおよびCF2に起因する吸収係数が大気の窓である波長8μmから14μmにかけた広帯域に大きく広がっており、特に8.6μmで吸収係数が大きい。
この影響で、厚さ10μmの輻射率の波長平均は、波長8μmから14μmにおいて45%であり、波長平均40%以上という規定の中に入る。図示の通り、膜厚が厚くなると大気の窓領域における輻射率は増大する。
図22に、炭素―塩素結合をもつ樹脂の代表例として、塩化ビニル樹脂(PVC)の大気の窓における輻射率を示す。
炭素―塩素結合に関しては、C-Cl伸縮振動による吸収係数が波長12μmを中心に半値幅1μm以上の広帯域に現れる。
また、塩化ビニル樹脂の場合、塩素の電子吸引の影響で、主鎖に含まれるアルケンのC―Hの変角振動に由来する吸収係数が波長10μmあたりに現れる。
これらの影響で、厚さ10μmの輻射率の波長平均は、波長8μmから14μmにおいて43%であり、波長平均40%以上という規定の中に入る。図示の通り、膜厚が厚くなると大気の窓領域における輻射率は増大する。
図23に、エステル結合やベンゼン環をもつ樹脂の代表例として、エチレンテレフタラート樹脂の大気の窓における輻射率を示す。
エステル結合に関しては、波長7.8μmから9.9μmにかけて吸収係数を持つ。また、エステル結合に含まれる炭素―酸素結合に関しては、波長8μmから10μmの波長帯域にかけて強い吸収係数が現れる。ベンゼン環を炭化水素樹脂の側鎖に導入すると、ベンゼン環自身の振動や、ベンゼン環の影響による周りの元素の振動によって、波長8.1μmから18μmにかけて広く吸収が現れる。
これらの影響で、厚さ10μmの輻射率の波長平均は、波長8μmから14μmにおいて71%であり、波長平均40%以上という規定の中に入る。図示の通り、膜厚が厚くなると大気の窓領域における輻射率は増大する。
図24には、炭素―フッ素結合(C-F)、炭素―塩素結合(C-Cl)、エステル結合(R-COO-R)、エーテル結合(C-O-C結合)、ベンゼン環を含まない、主成分がオレフィンである、オレフィン変性材料の輻射率スペクトルを示す。サンプルは、蒸着した銀上にオレフィン樹脂をバーコーターで塗布し乾燥させることによって作製した。
図示の通り、大気の窓領域での輻射率は小さく、この影響で、厚さ10μmの輻射率の波長平均は、波長8μmから14μmにおいて27%であり、波長平均40%以上という規定の中に入らない。
このように、炭素―フッ素結合(C-F)、炭素―塩素結合(C-Cl)、エステル結合(R-COO-R)、エーテル結合(C-O-C結合)、ベンゼン環を含まないと放射冷却できない。
樹脂材料層Jの大気の窓の熱輻射は樹脂材料の表面近傍で発生する。
図20より、シリコーンゴムの場合は10μmより厚いと大気の窓領域における熱輻射は増大しない。つまり、シリコーンゴムの場合、大気の窓における熱輻射の大部分は表面から深さ約10μm以内の部分で生じており、より深い部分の輻射は外に出てこない。
図22より、塩化ビニル樹脂の場合は100μmより厚くなっても大気の窓領域における熱輻射の増大は殆どなくなる。つまり、塩化ビニル樹脂場合、大気の窓における熱輻射は表面から深さ約100μm以内の部分で生じており、より深い部分の輻射は外に出てこない。
理想的に太陽光を全く吸収しない樹脂材料層Jを光反射層Bの上に作製することを考える。この場合、太陽光は放射冷却体CPの光反射層Bでのみ吸収される。
樹脂材料の熱伝導率はおしなべて0.2W/m/K程度であり、この熱伝導性を考慮して計算すると、樹脂材料層Jの厚みが20mmを超えると、冷却面(光反射層Bにおける樹脂材料層Jの存在側とは反対側の面)の温度が上昇する。
図26に、側鎖がCH3であるシリコーンゴムの厚さが100μmのときの太陽光スペクトルに対する光吸収率、及び、厚さ100μmのペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の太陽光スペクトルに対する光吸収率スペクトルを示す。先に述べた通り、両樹脂ともに紫外域においては光吸収率を殆ど持たないことがわかる。
以上より、シリコーンゴム及びペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の最大の膜厚は、熱伝導性の観点から20mmとなる。
樹脂材料層Jを形成する樹脂材料が、炭素―塩素結合、エステル結合、エーテル結合、ベンゼン環を1つ以上有する炭化水素を主鎖とする樹脂であった場合、或いは、シリコーン樹脂であり側鎖の炭化水素の炭素数が2個以上の場合、先述の共有結合電子による紫外線吸収以外に、近赤外域に結合の変角や伸縮などの振動に基づく吸収が観測される。
これらに起因する光吸収率は、上述の光吸収率関係式より、樹脂材料の膜厚が薄いと小さくなり目立たなくなるが、膜厚が厚いと大きくなる。
図示の如く、膜厚が25μm、125μm、500μmと大きくなるごとに、それぞれの振動に起因する波長1.5μmよりも長波域の光吸収が増加する。
また、長波長側だけでなく、紫外線領域から可視領域にかけての光吸収も増加する。これは、化学結合に起因する光の吸収端に広がりがあることに起因している。
厚さが25μmのときの太陽光スペクトルの吸収は15W/m2、厚さが125μmのとき太陽光スペクトルの吸収は41W/m2、厚さが500μmの時の太陽光スペクトルの吸収は88W/m2である。
以上より、エチレンテレフタラート樹脂の膜厚が500μm以上では、放射冷却性能を発揮しなくなる。
つまり、炭化水素樹脂であれば波長0.3μmから4μmまでエチレンテレフタラート樹脂と同様の挙動をとる。以上から、炭化水素系の樹脂の膜厚は500μmよりも薄い必要がある。
樹脂材料が、炭素―フッ素結合或いはシロキサン結合を主鎖とする樹脂と、炭化水素を主鎖とする樹脂とをブレンドした樹脂材料である場合には、ブレンドされた炭化水素を主鎖とする樹脂の割合に応じてCH、CH2、CH3などに起因する近赤外域の光吸収が現れる。
炭素―フッ素結合或いはシロキサン結合が主成分の場合、炭化水素に起因する近赤外域の光吸収は小さくなるので、熱伝導性の観点での上限の20mmまで厚くすることができる。しかし、ブレンドされる炭化水素樹脂が主成分となる場合は厚さを500μm以下にする必要がある。
フッ素樹脂或いはシリコーンゴムの側鎖や共重合されるモノマーとして高分子の炭化水素を導入する場合、樹脂の厚みを500μm以下にする必要がある。
放射冷却体CPの実用の観点では、樹脂材料層Jの厚みは薄い方がよい。樹脂材料の熱伝導率は、金属やガラスなどよりも一般に低い。冷却対象物Eを効果的に冷却するには、樹脂材料層Jの膜厚は必要最低限であるのがよい。樹脂材料層Jの膜厚を厚くするほどに大気の窓の熱輻射は大きくなり、ある膜厚を超えると大気の窓における熱輻射エネルギーは飽和する。
炭素―塩素結合、炭素―酸素結合、エステル結合、エーテル結合、ベンゼン環を含む樹脂の場合、厚みが100μmであっても飽和しており、厚さ50μmでも大気の窓領域において十分な熱輻射が得られる。樹脂材料の厚さが薄い方が、熱貫流率が高まり被冷却物の温度をより効果的に下げられるので、炭素―塩素結合、炭素―酸素結合、エステル結合、エーテル結合、ベンゼン環を含む樹脂の場合、50μm以下の厚さにすると断熱性が小さくなり冷却対象物Eを効果的に冷却することができる。
以上の観点から、炭素―塩素結合、炭素―酸素結合、エステル結合、エーテル結合、ベンゼン環を含む樹脂の場合、50μm以下の厚さにするとより効果的に日照下において放射冷却効果を出すことができる。
以上の観点から、炭素―ケイ素結合を含む樹脂の場合、10μm以下の厚さにするとより効果的に日照下において放射冷却効果を出すことができる。
光反射層Bに上述の反射率特性を持たせるためには、放射面Hの存在側(樹脂材料層Jの存在側)の反射材料は銀または銀合金である必要がある。
図28に示す通り、銀をベースとして光反射層Bを構成すれば、光反射層Bに求められる反射率が得られる。
但し、光反射層Bに柔軟性を備えさせるためには、厚さを100μm以下にする必要がある。これ以上厚いと曲げにくくなる。
ちなみに、「銀合金」としては、銀に、銅、パラジウム、金、亜鉛、スズ、マグネシウム、ニッケル、チタンのいずれかを、例えば、0.4~4.5質量%程度添加した合金を用いることができる。具体例としては、銀に銅とパラジウムを添加して作成した銀合金である「APC-TR(フルヤ金属製)」を用いることができる。
銀(銀合金)とアルミ(アルミ合金)の2層で構成する場合、銀の厚みは10nm以上必要であり、アルミの厚みは30nm以上必要である。
但し、光反射層Bに柔軟性を備えさせるためには、銀の厚さとアルミの厚さとの合計を100μm以下にする必要がある。これ以上厚いと曲げにくくなる。
銀の保護層Dは、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、酸化膜(SiO2、Al2O3)などを用いることができる。厚みは無機材料の場合、0.02μm以上、有機材料の場合、0.5μm以上が望ましい。無機材料の方が酸素の透過率が低いために、薄膜でも銀の保護として機能する。
ガラス基板上に銀を300nmの厚さで形成し、その上に、シロキサン結合を有するシリコーンゴム、炭素―フッ素結合を有するフルオロエチレンビニルエーテル、オレフィン変性体(オレフィン変成材料)をバーコーターで膜厚制御しつつ塗布し、放射冷却性能を測定した。
放射冷却性能の評価は外気温35℃の6月下旬の屋外の南中後3時間で実施し、基板を断熱性高く保持したうえで、基板裏面の温度を測定した。冶具に設置後5分後の温度が外気温より低いか、或いは高いかで放射冷却効果があるか否かを評価した。
放射冷却試験の結果を、図30の表1に示す。
炭素―フッ素結合を有するフルオロエチレンビニルエーテルは、理論で予測される10μmよりも薄い5μmの膜厚で放射冷却能力を発揮することがわかった。この原因は、炭素―フッ素結合による大気の窓の光吸収のみならず、ビニルエーテルのエーテル結合による光吸収が加わり、それぞれ単独のときよりも大気の窓の光吸収率が増えたためである。
オレフィン変性体(オレフィン変成材料)は、大気の窓領域の熱輻射が殆どでないため放射冷却能力を持たない。
本発明の放射冷却体CPは、図31~図34に示すように、フィルム構造にすることができる。樹脂材料層Jを形成する樹脂材料はもとより柔軟であるために、光反射層Bを薄膜にすると、光反射層Bにも柔軟性を備えさせることができ、その結果、放射冷却体CPを柔軟性を備えるフィルム(放射冷却フィルム)とすることができる。
尚、光反射層Bを樹脂材料層Jに対して部分的に位置させる形態に形成するには、マスク処理等を行うことになるが、以下においては、光反射層Bを樹脂材料層Jに対して部分的に位置させる形態に形成することの説明を省略する。
尚、別の作成方法として、樹脂材料層Jをフィルム状に形成して、当該フィルム状の樹脂材料層Jの上に、保護層D、銀層B2を順次塗布し、アルミ層B1を銀層B2に貼り付ける方法を採用することができる。
のり層Nにて使用する接着剤は、例えば、アクリル系粘着剤、フッ素系粘着剤、シリコーン系粘着剤があり、太陽光に対して高い透明性を持つものが望ましい。なお接着剤としてよく用いられるウレタン系接着剤は紫外線劣化しやすいので適さない。
のり層Nにて使用する接着剤は、例えば、アクリル系粘着剤、フッ素系粘着剤、シリコーン系粘着剤があり、太陽光に対して高い透明性を持つものが望ましい。なお接着剤としてよく用いられるウレタン系接着剤は紫外線劣化しやすいので適さない。
上記実施形態では、赤外放射層Aが樹脂材料層Jにて構成される場合について説明したが、赤外放射層Aを、無アルカリガラス、クラウンガラス、ホウケイ酸ガラスのうちのいずれかのガラス(白板ガラス)にて構成してもよい。
ちなみに、無アルカリガラスとしては、例えば、OA10G(日本電気硝子製)を用いることができ、クラウンガラスとしては、例えば、B270(登録商標、以下同じ)を用いることができ、ホウケイ酸ガラスとしては、例えば、テンパックス(登録商標、以下同じ)を用いることができる。
ちなみに、図35は「テンパックス」を代表として例示するが、白板ガラスの「OA10G」、「B270」なども同様である。
つまり、赤外放射層Aを、波長8μm以上14μm以下の赤外域で大きな熱輻射を示し、当該熱輻射が、赤外放射層A及び光反射層Bの夫々にて吸収されるAM1.5Gの太陽光及び大気の熱輻射よりも大きくなるようにすることにより、昼夜を問わず周囲の大気よりも温度が低下する放射冷却作用を発揮する放射冷却体CPを構成することができる。
そして、そのようにするにあたり、赤外放射層Aをテンパックスにて構成する場合には、厚さを10μm以上で10cm以下にする必要があり、好ましくは、20μm以上で10cm以下、より好ましくは、100μm以上で1cm以下が良い。
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、樹脂材料層Jと光反射層Bとを全面的に密着させる場合を例示したが、樹脂材料層Jと光反射層Bとを部分的に接合させて、樹脂材料層Jと光反射層Bとの間に、伝熱可能な隙間を部分的に存在させてもよい。
ちなみに、赤外放射層Aをガラス(白板ガラス)にて構成する場合も同様である。
B 光反射層
H 放射面
J 樹脂材料層
Uy 屋根部
Us 側壁部
Claims (15)
- 屋根部及び側壁部を備える農業用ハウスであって、
放射面から赤外光を放射しかつ前記放射面から入射する太陽光を透過する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置させる光反射層とが設けられたフィルム状の放射冷却体が、前記屋根部に設けられている農業用ハウス。 - 前記放射冷却体が、前記光反射層を前記屋根部に対して部分的に位置させる形態で設けられている請求項1に記載の農業用ハウス。
- 前記放射冷却体を前記屋根部に対して部分的に設けることにより、前記光反射層を前記屋根部に対して部分的に位置させる形態にする請求項2に記載の農業用ハウス。
- 前記放射冷却体が、前記光反射層を前記赤外放射層に対して部分的に位置させる形態に形成されることにより、前記光反射層を前記屋根部に対して部分的に位置させる形態にする請求項2に記載の農業用ハウス。
- 前記赤外放射層が、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長14μmの帯域で放つ厚みに調整された樹脂材料層である請求項1~4のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
- 前記光反射層は、波長0.4μmから0.5μmの反射率が90%以上、波長500nmより長波の反射率が96%以上である請求項5に記載の農業用ハウス。
- 前記樹脂材料層の膜厚が、
波長0.4μmから0.5μmの光吸収率の波長平均が13%以下であり、波長0.5μmから波長0.8μmの光吸収率の波長平均が4%以下であり、波長0.8μmから波長1.5μmまでの光吸収率の波長平均が1%以内であり、1.5μmから2.5μmまでの光吸収率の波長平均が40%以下となる光吸収特性を備え、且つ、
8μmから14μmの輻射率の波長平均が40%以上となる熱輻射特性を備える厚みに調整されている請求項5又は6に記載の農業用ハウス。 - 前記樹脂材料層を形成する樹脂材料は、炭素―フッ素結合、シロキサン結合、炭素―塩素結合、炭素―酸素結合、エステル結合、ベンゼン環のいずれかを1つ以上有する樹脂材料から選択される請求項5~7のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
- 前記樹脂材料層を形成する樹脂材料の主成分がシロキサンであり、
前記樹脂材料層の厚みが、1μm以上である請求項5~7のいずれか1項に記載の農業用ハウス。 - 前記樹脂材料層の厚みが、10μm以上である請求項8に記載の農業用ハウス。
- 前記樹脂材料層の厚みが、20mm以下である請求項5~10のいずれか1項に農業用ハウス。
- 前記樹脂材料が、フッ素樹脂もしくはシリコーンゴムである請求項11に記載の農業用ハウス。
- 前記赤外放射層が、無アルカリガラス、クラウンガラス、ホウケイ酸ガラスのうちのいずれかのガラスである請求項1~4のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
- 前記光反射層が、銀または銀合金で構成され、その厚みが50nm以上である請求項1~13のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
- 前記光反射層が、銀または銀合金とアルミまたはアルミ合金の積層構造である請求項1~13のいずれか1項に記載の農業用ハウス。
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