JP5303108B2 - 太陽光発電装置、及びそれを具備する建物 - Google Patents

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Description

本発明は太陽光発電装置に関し、特に、その熱設計に関する。
近年、省エネルギーや環境問題への関心の高まりに伴い、自然エネルギーを利用する技術が注目されている。その中でもとりわけ、太陽光エネルギーを利用した発電システム、すなわち太陽光発電装置への関心が高い。太陽光発電装置は太陽電池モジュールを含み、それにより、太陽光エネルギーを電力に変換する。太陽光発電自体にはコストがほとんどかからないので、「太陽光発電は電力費の削減につながる」と期待されている。更に、太陽光発電の普及は化石燃料の節約や発電所の増設要求の緩和に有効であるので、「エネルギーの安定供給の確保や、二酸化炭素排出量の削減等の環境保全に役立つ」とも期待されている。これらの期待から、太陽光発電装置の開発/普及が急速に進んでいる。
太陽電池モジュールには複数の太陽電池素子(太陽電池セルともいう)が二次元的に配列されている。太陽電池素子は例えばp型基板の表面にn型拡散層が形成された半導体素子である。太陽電池素子内に太陽光が照射されるとき、電子と正孔との対が生成される。生成された電子はn形拡散層に移動し、生成された正孔はp型基板に移動する。従って、太陽電池素子の表裏に設けられた電極間に負荷を接続することで、太陽電池素子から電力が取り出される。
また建築物に設置された太陽電池からは発電電力を得る以外に、建築物内部への熱的影響を低減する機能がある。たとえば太陽電池の設置面が屋上面であれば、太陽電池を設置することで、その下部に日影ができ、直達光と大半の天空光を遮蔽することができる。また、太陽電池下部にある程度の空間を確保すれば、太陽電池裏面からの放熱が風や煙突効果によって除去される。このとき日影部分の屋根表面温度は日向に比べ低く抑えられ、したがって屋根面から貫流によって建築物内部に入る熱流も小さくなる。太陽電池の日影部分において屋根表面温度を上げる要因となるものとして通気する空気からの対流熱伝達や太陽電池裏面からの放射熱が挙げられる。
また太陽電池モジュールは太陽熱を受けるので、動作温度が高い。従って、太陽光発電装置が電子機器に組み込まれる場合は一般に、太陽電池モジュールからの熱が電子機器の他の部分に悪影響を与えないための工夫が必要である。例えば、次のような電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。その太陽電池付電子機器では、太陽電池モジュールと電子機器本体との間に大きな厚みの空気層が設けられている。その空気層が十分に厚いので、空気層による断熱効果がある。更に、その空気層で生じる対流により太陽電池モジュールからの熱が空気に移動し外部に放散される。こうして、太陽電池モジュールから本体へ伝搬する熱量が抑えられるので、電子機器本体の過熱が防止される。
なお、熱移動現象は、熱伝導、対流熱伝達及び放射の3つに分類される。「熱伝導」とは、固体あるいは静止した気体、液体中の熱移動であり、分子の運動の拡散によりおこる。また、「対流熱伝達」とは加熱されて高温となった物質がより低温の他の場所へ移動することによりエネルギーを運ぶ熱移動である。また「放射」とは電磁波(建築で扱われる領域では赤外線)による2つの物体間の熱の移動現象であり、例え2つの物体間が真空や気体であっても発生する。ここで実在の物体からの放射は同温度の理想の物体(黒体)からの放射より常に小さく、それらのエネルギー割合をその物体の放射率という。すなわち、物体からの放射のエネルギーQは下式で表され、放射率が低いほどQは低くなる。
Q=εσT4
Q:放射のエネルギー
ε:放射率(例えば理想の物体(黒体)では1)
σ:ステファン・ボルツマン定数
T:絶対温度(K)
結晶系の太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールでは、温度が高いほど太陽電池素子の発電効率は低いので、太陽電池モジュールの動作温度が高いことは太陽電池モジュール自体にとっても好ましくない。太陽電池素子の発電効率の更なる向上には、太陽電池素子の温度上昇を抑える工夫が必要である。建物の外装材(例えば、住宅の屋根、屋上、外壁等)に設置される従来の住宅用太陽光発電装置では次のような工夫が知られている(例えば、特許文献2参照)。太陽電池モジュール本体の裏面側の空間とその外部の空間とが連通部を介して連通することにより、太陽電池モジュール設置時には、外部の空気がその連通部を通って太陽電池モジュール本体裏面側の空間に流入して再び外部に流出する。つまり、当該設置面と太陽電池モジュール本体との間を風が通り、対流が自然に多く起こるようになるから、このような空気の移動によって太陽電池モジュール本体が効率良く冷却され、太陽電池モジュール本体の温度が効率良く下げられる。これにより、モジュールの電気出力が高まり、システム全体の効率が上昇するとしている。
住宅用太陽光発電装置では更に、太陽電池モジュールからの熱が屋内の暖房に利用されても良い(例えば、特許文献3参照)。例えば、太陽電池モジュールの裏面に空間を設け、冬季には太陽電池モジュールのもつ熱量をその空間の空気に移動し、空気を強制的に屋内に導入することで屋内の空気の温度を上昇させる。また夏季には夜間の放射冷却により太陽電池モジュールの温度が低くなり、それと接して温度が低くなった空気を屋内に導入することで、屋内の空気の温度を下げるようにしている。
特開平7−199311号公報 特開平6−181333号公報 特開平10−140686号公報
太陽光発電装置が電子機器に組み込まれる場合、太陽電池モジュールから他の部分への熱の伝搬が抑制されるべきである。しかし、上記のように、太陽電池モジュールの裏側に大きな厚みの空気層を設けて断熱する場合、その空気層の厚みが大きく確保されねばならない。また、対流熱伝達により空気の流れを発生させて外周囲の空気を吸い込み、暖められた空気を排出し、電子機器本体への対流熱伝達を抑制する場合も、太陽電池と電子機器本体の距離を大きくして換気量を大きくとる必要がある。従って、電子機器の更なる小型化が困難である。
太陽光発電装置が建物の外装材の上に設置される場合、太陽電池モジュールから外装材へ、更に外装材から屋内へ、熱が伝搬する。一方、夏場等で屋内の冷房が必要なときは、外装材から屋内へ流れ込む熱量が低いほど、冷房負荷が軽減する。従って、冷房負荷の軽減には、太陽電池モジュールから外装材への熱移動の抑制が有効である。
従来の住宅用太陽光発電装置は上記のように、太陽電池モジュールの裏側の空間に風を通すことで、太陽電池モジュールからの熱を外気中に放散させる。それにより、太陽電池モジュールの裏側から空気の対流で建物の外装材へ伝搬する熱量が抑えられる。しかし、自然の風や自発的に生じる対流に頼るだけでは、冷却能力に上限があり、放射による熱移動を低減できない。
また前述のように夏場等で屋内の冷房が必要なときは、外装材から屋内へ流れ込む熱量が小さいほど冷房負荷が低減する。ここで、太陽電池の日影部分において、外装材表面温度を上げ、室への貫流熱を増す要因となっているものとして、通気する空気からの対流熱伝達や太陽電池裏面からの放射熱が挙げられる。しかし、対流熱伝達による熱流を小さく抑えるには空気層を大きくとり、通風量を増やすことによって太陽電池裏面からの放熱による通気層の温度上昇を抑制することが考えられるが、低背化や軽量化が困難となる。一方、放射熱による熱移動を抑制するには、屋根面から見た太陽電池の形態係数を小さくすることも考えられるが、同様に低背化や軽量化が困難となる。
前述のように低背化や軽量化が行えないことから屋根上に太陽電池が突出すると共に、建築物の高い位置に重量物が設置されることから、耐風安定性や耐震性の更なる向上が困難である。その他に、建物の外装材の表面に対して太陽電池モジュールの裏面を大きく傾けることで両面間の形態係数を低下させることは、太陽光の方向に対する太陽電池モジュールの受光面側の形態係数をも低下させやすい。それ故、太陽電池モジュールの発電効率を高く維持することが困難である。
本発明は、太陽電池モジュールからの放射熱を抑制できる太陽光発電装置、の提供を目的とする。特に建物の外装材の上に設置される場合、更なる低背化や軽量化、を妨げることなく発電効率を高く維持しつつ、太陽電池モジュールからの放射熱を遮断することで、屋内の冷房負荷を更に軽減できる太陽光発電装置、の提供を本発明は目的とする。ここで、太陽電池モジュールは、少なくとも太陽電池素子を含むものであり、その他に絶縁材や保護材などを含んで構成されるものである。詳細については後述する。
本発明の一つの観点による太陽光発電装置は、
受光面に照射される太陽光を電力に変換する複数の太陽電池素子と、
前記複数の太陽電池素子の裏面を覆う絶縁材と、
前記絶縁材の裏面全体を覆う保護材と、
前記保護材の裏面と所定距離を隔てて対向する遮熱材と、
を有し、
前記遮熱材は、該遮熱材の裏面の少なくとも一部に前記保護材より放射率が低い低放射層と、前記保護材の裏面と対向する面側に位置するとともに前記低放射層より放射率が高い高放射層とを含んでおり、前記低放射層と前記高放射層とが積層されている。
ここで、低放射層は、それ自体が保護材より低い放射率を有する部分、或いは、低放射処理がなされることで保護材より放射率が低くなった部分の両方を含む。
物体の放射率は、上述のεで表される。また、低放射処理は好ましくは、遮熱材の鏡面加工、遮熱材への金属膜の形成、又は、遮熱材への塗布材料の塗布、である。尚、金属膜は好ましくは、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、又は電気メッキ法で形成される。更に、塗料は色、またはその他の含有物により放射率を下げる効果を持つものであれば良い。
放射層はそれ自体が放射熱を出しにくく、従って、遮熱材の裏面の空間へ放射される熱量が抑制される。それ故、放射熱による他の部材の過熱が防止される。ここで遮熱材の裏面は、遮熱材の非受光面方向の面を示す。
本発明によるこの太陽光発電装置は好ましくは、太陽光に照らされる建物の外装材の上に固定される。特に遮熱材の裏面が建物の外装材の表面と所定距離離れている。遮熱材を通して建物の外装材に向けて放射される熱量が既に小さいので、遮熱材の裏面と建物の外装材の表面との間隔がある程度狭くても、外装材への伝熱は抑制される。こうして、本発明による上記の太陽光発電装置は、更なる低背化や軽量化を妨げることなく、建物の外装材への放射熱を遮断できる。その結果、外装材に流れ込む熱量が低減するので、屋内の冷房負荷が更に軽減する。
一方、保護材の裏面から放射により発生する赤外線は遮熱材に吸収され、次にその空気層と保護材の裏面および遮熱材との間の接触に伴う対流熱伝達により、熱が保護材および遮熱材からその空気層に移動する。このようにその空気層に蓄積された熱は、例えば従来の太陽光発電装置と同様に、温められた空気と共に外に放出される。その結果、太陽電池素子が冷却されるので、太陽電池素子の発電効率が高く維持される。
更に好ましくは、第二の低放射層は、前記遮熱材の鏡面加工、前記遮熱材への金属膜の形成、または前記遮熱材への塗布材料の塗布のいずれかによって形成されたものである。尚、金属膜は好ましくは、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、又は電気メッキ法で形成される。更に、塗料は色、またはその他の含有物により放射率を下げる効果を持つものであれば良い。保護材は好ましくは樹脂フィルムである。保護材はその他に、金属製の基板であっても良い。保護材は更に好ましくは、低放射処理されて成る部分(以下、第一の低放射層という)の他に、例えば水分防止層を含む多層構造である。その他に、保護材が、第一の低放射層のみを含む単層構造であっても良い。第一の低放射層はそれ自体が放射熱を出しにくく、保護材の裏側の空間へ放射される熱量が抑制され、その結果、放射熱による他の部材への熱量の移動が抑制される。
更に好ましくは、遮熱材は、前記保護材と対向する面に前記第二の低放射層より放射率が高い高放射層を有する。高放射層は放射熱の吸収率が高いので、保護材からの放射熱を吸収する。それにより、太陽電池素子、絶縁材、及び保護材に再吸収される放射熱の量が低減するので、太陽電池素子の冷却能力が更に向上する。
本発明による太陽光発電装置では上記の通り、低放射層が裏側の空間へ放射される熱を抑制する。従って、放射熱による他の部材への熱量の移動が抑制される。特に、本発明による太陽光発電装置が建物の外装材に設置される場合、外装材に向けて放射される熱量が小さい。こうして、本発明による太陽光発電装置は、更なる低背化や軽量化を妨げることなく、建物の外装材への放射熱を抑制できる。それ故、外装材に流れ込む熱量が抑制されるので、屋内の冷房負荷が更に低減する。
以下に、太陽電池モジュールの下部に生じる日陰において、建物の外部から内部への貫流熱負荷の低減の効果をさらに大きくし建物内における冷却熱負荷の低減をする、太陽光発電システムの構造について述べる。
まず、太陽電池モジュール下部での熱収支計算式により、本発明の効果に関する技術背景を簡単に説明する。熱収支を説明するモデル図を図8に示す。まず、日射によって太陽電池モジュール19が吸収する熱量Q1は下式となる。
Q1=f1(J)
ここでJは日射量とする。
また、外界から太陽電池モジュール19に対流熱伝達される熱量Q5は、以下の関数式によって求められる。
Q5=f5(T0、T1、V0)
=α0・Apv(T0−T1)
α0=5.3+3.6V0
ここで、外界の気温T0、太陽電池モジュール19の温度T1、外界の風速V0とする。また、α0は対流熱伝達(W/m2℃)であり、Apvは太陽電池モジュール19の受光面積である。α0は風速の関数式によって定まり、風速が大きいほど対流熱伝達が大きくなり、例えば、上記のように、対流熱伝達と風速との関係を示すユルゲスの実験式によって表される。
そして、太陽電池モジュール19から外界に長波放射される熱量Q2は、以下の関数式によって求められる。
Q2=f2(T1)
また、太陽電池モジュール19から太陽電池モジュール19により日影となる建築物の外装材20の部分である表面20Aに長波放射される熱量Q8は、以下の関数式によって求められる。
Q8=f8(T1、T3)
=ε1・ε3・σ(T1 4−T3 4)φ13
ここでT3を外装材20の表面温度とし、ε1を太陽電池モジュール19の非受光面側の低放射材を設けた放射率とし、ε3を外装材20の放射率とする。また、σはステファン・ボルツマン定数であり、φ13は太陽電池モジュール19から見た外装材表面20Aの形態係数とする(ここでは、外装材表面20Aから見た太陽電池モジュール19の形態係数とほぼ同一とする)。
また、移流によって移動する熱量Q4は、以下の関数式によって求められる。
Q4=f4(T0、T2、V1)
=cγ0・V1(T0−T2)
V1=f3(V0、設置形態)
ここで、T2を空気層21の温度とし、cγ0を空気の容積比熱(J/m3℃)とする。また、V1は単位時間当たりに太陽電池モジュール19の下部に流入する空気(m3/s)であり、上記の式のように、外界の風速V0と太陽電池モジュール19下部の風速V1との関係式によって表され、太陽電池モジュール19の架台の高さ、受光面の傾斜角などの設置形態によって変化する式として実験を元に表現される。
また、太陽電池モジュール19から空気層21への対流熱伝達する熱量Q6は、以下の関数式から求められる。
Q6=f6(T1、T2、V1)
=α1・Apv(T1−T2)
α1=5.3+3.6V1
ここでα1を対流熱伝達率(W/m2℃)とする。
また空気層21と外装材20の表面との間で、対流熱伝達する熱量Q7は、以下の関数式から求められる。
Q7=f7(T2、T3、V1)
=α1・Apv(T3−T2)
α1=5.3+3.6V1
そして、外装材20の深さ方向xにおける温度勾配及び外装材20を構成している部材の熱伝達率λ(x)によって貫流熱Q9(W/m2)が算出される。
Q9=λ(x)・dT4/dx
さらに、外装材20(又は天井)の室内側表面温度T5と室温T6及び室内熱伝導率α2により、太陽電池モジュール19の影となる部分における外装材20(又は天井)の室内側表面から室への流入熱量Q10Aが以下のように求められる。
Q10A=α2(T5−T6)
次に比較のために、太陽電池モジュール19の非受光面側に低放射材が設けられていない場合の熱収支計算を示す。簡単のために各熱量Qおよび各部分の温度Tにダッシュを付加して区別するものとする。また、低放射材が設けられていない太陽電池モジュール裏面の放射率をε1’とする。
Q1=f1(J)
Q2’=f2(T1’)
Q4’=f4(T0、T2’、V1)
Q5’=f5(T0、T1’、V0)
Q6’=f6(T1’、T2’、V1)
Q7’=f7(T2’、T3’、V1)
Q8’=f8(T1’、T3’)=ε1’ε3・σ((T1’)4−(T3’)4)φ13
Q9’=λ(x)・dT4’/dx
Q10A’=α2(T5’−T6’)
前述までの熱収支計算より低放射材が設けられた場合と設けられていない場合の、室への流入熱量の差分が本発明の冷房負荷低減の効果である。従って、その熱量Qは下式により表される。
Q=Q10A’−Q10A
以下、本発明の最良の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
《実施形態1》
本発明の実施形態1による太陽光発電装置1は好ましくは住宅用であり、例えば住宅やビル2の屋根、屋上、又は外壁等、いわゆる建物の外装材3に設置される(図1参照)。
太陽光発電装置1は太陽電池モジュール4と架台5A、5Bとを有する(図2参照)。太陽電池モジュール4は好ましくは平板形状のパネルであり、内部に太陽電池素子を複数含む。太陽電池モジュール4の受光面側に照射された太陽光は太陽電池素子で電力に変換される。一般に、複数の太陽電池モジュール4が二次元的に配置され、太陽電池アレイを構成する。架台は好ましくは、レール部5Aと脚部5Bとを含む。レール5Aと脚部5Bとはいずれも金属製(好ましくはアルミニウム製)である。レール5Aは建物の外装材3に固定されている。脚部5Bは、レール5Aに太陽電池モジュール4のフレーム11を接続する。それにより、架台5A、5Bは太陽電池モジュール4を下から支える。更に、太陽電池モジュール4の裏面と外装材3の表面との間には所定の厚みの空間Sが形成されている。太陽光発電装置1は一般に高所に設置されているので、その空間Sには適度な風が自然に吹き抜ける。
なお、上述の例では、太陽電池モジュール4を二次元的に配置しているが、曲面状に配置しても良い。また、レール5Aと脚部5Bは、溶融亜鉛鋼材やステンレスを用いて構成しても良く、さらにその表面を塗装しても良い。
太陽電池モジュール4は、カバーガラス6、太陽電池素子7、絶縁材9、保護材10、及びフレーム11を含む(図3参照)。
カバーガラス6は好ましくは、透明な平板状の強化ガラスであり、風雨そのものや、強風で飛来する物体から太陽電池素子7を保護する。太陽電池素子7は好ましくは、単結晶シリコン製、又は多結晶シリコン製の薄い半導体基板であり、カバーガラス6に面した表面付近にpn接合を含む。一般に、複数の太陽電池素子7がカバーガラス6の表面と平行な平面上で、二次元格子状に配置されている。隣接する二つの太陽電池素子7の間では、一方の表面に設置された電極が配線8を通し、他方の裏面に設置された電極に接続される。それにより、太陽電池素子7による二次元格子の各列が直列に接続され、所定の出力電圧を得る。
絶縁材9は透明樹脂(好ましくは、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体))から成り、太陽電池素子7の周囲(特に裏面)全体を覆い、太陽電池素子7を固定する。保護材10は好ましくは樹脂(更に好ましくは、PET(ポリエチレンテレフタレート))製のフィルムであり、絶縁材9の裏面全体を覆う。保護材10はその他に金属製の基板であっても良い。保護材10の裏面は空間Sを隔てて建物の外装材3に対向している(図2、3参照)。保護材10は防水性が高く、絶縁材9内への水の浸入を防ぐ。保護材10は更に絶縁材9の機械的強度を補う。
太陽電池モジュール4の製造では、カバーガラス6の裏面上に、絶縁材9の表側半分、太陽電池素子7、絶縁材9の裏側半分、及び保護材10が順に積層される。更に、その積層構造の全体が所定時間、加熱され、かつ加圧される。それにより、絶縁材9が溶融し、積層構造の各構成要素に接着した上で固化する。こうして、積層構造の全体が一体化した状態で固定される。フレーム11はその積層構造の周囲に嵌められ、その積層構造を支えている。
保護材10は好ましくは、PETシート12と、その裏面に積層された複数の層とを含み、特に第一の低放射層を含む(図4参照)。ここで、第一の低放射層は、低放射処理がなされた部分である。本発明の実施形態1では、低放射処理が好ましくは、次の処理のいずれかである:保護材の鏡面加工、保護材への金属膜の形成、または保護材への塗布材料の塗布。
保護材10の具体的な層構造としては、以下に述べる、第一から第三までの、三種類の多層構造が好ましい。これらの多層構造はいずれも、従来の製造工程を大幅に変更することなく、容易に製造できる。
第一の多層構造は四層構造であり、PETシート12の裏面に、水分防止層13、耐水性PETシート14、及び第一の低放射層15が順に積層されている(図4(a)参照)。PETシート12は好ましくは、厚さ10μm〜20μmのPET製のシートである。水分防止層13は好ましくは、アルミナ又はシリカ等の無機酸化物を含み、厚さは0.1μm〜0.2μmである。水分防止層13は例えば、PETシート12の裏面に真空蒸着で形成される。水分防止層13には水分が浸入できないので、PETシート12や保護材10の表側が水分から保護される。耐水性PETシート14は好ましくは、厚さ30μm〜100μmのPET製のシートである。そのPETは耐加水分解性であり、加水分解による物性の低下は生じにくい。水分防止層13と耐水性PETシート14との間は好ましくは、ウレタン樹脂で接着される(図示せず)。
第一の多層構造では上記の他に、水分防止層13と耐水性PETシート14との間に第二のPETシート12Aが挿入されても良い(図4(b)参照)。その場合、第一の多層構造は五層構造である。好ましくは、PETシート12の厚さが30μm〜70μmに設定され、第二のPETシート12Aの厚さが10μm〜20μmに設定され、耐水性PETシート14の厚さが30μm〜70μmに設定される。それらの層の間は好ましくは、ウレタン樹脂で接着される(図示せず)。
第一の低放射層15は、好ましくは、受けた低放射処理の種類に応じて次の三つの態様のいずれかで形成される。特に、第一の低放射層15は他の層12、12A、13、14のいずれよりも、放射率が低い。
第一の態様では、第一の低放射層15が放射率の低い塗膜である。好ましくは、その塗膜の色が、アルミ色、金色、真鍮色、又は銀色等の金属光沢色である。その他に、光沢のない金属色であっても良い。塗料がその色の他に、他の含有物により、第一の低放射層15の放射率を下げる効果を発揮しても良い。第一の低放射層15は、好ましくは、耐水性PET膜14の裏面にラッカーを吹き付けて形成される。その他に、アクリル系塗料、エポキシ系塗料、ポリウレタン系塗料、若しくはシリコーン系塗料を刷毛やローラーで塗布しても良い。
Figure 0005303108
第二の態様では、第一の低放射層15が金属の蒸着層である。その他に、メッキ層であっても良い。好ましくは、耐水性PETシート14の裏面に厚さ0.1μm〜3μmのアルミニウムが蒸着される。蒸着される金属はアルミニウムの他に、鉄、スズ、クロム、銅、ニッケル、チタン、又は金であっても良い。蒸着の方法は、抵抗加熱蒸着法、誘電加熱蒸着法、又はEB蒸着法、のいずれであっても良い。その他に、CVD法やスパッタリング法が用いられても良い。蒸着層は金属から成るので、放射率が低い(表1参照)。蒸着層には更に好ましくは、陽極酸化処理(アルマイト処理)が施される。それにより、蒸着層が酸化アルミニウムの層で覆われるので、耐食性が高い。一方、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。酸化アルミニウムの層には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。尚、クリア塗料は透明なので、放射率は一般に低い。その上、表面粗さが小さくなることから、塗装面での反射率が大きくなるに伴って放射率が小さくなる。
第三の態様では、第一の低放射層15が金属箔(好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズ)である。特に、金属箔の外面が鏡面加工で研磨される。それにより、外面が光沢を持つので放射熱の乱反射が低減する。その結果、外面の放射率が更に抑えられる(表1参照)。金属がアルミニウムである場合、金属箔が酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により金属箔の耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。金属箔には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。なお、金属の種類は上記に限られるものではなく、例えば金や銅などの金属であってもよい。
第二の多層構造は二層構造であり、PETシート12の裏面に直接、第一の低放射層16が積層されている(図4(c)参照)。第一の低放射層16は好ましくは、金属の薄膜である。好ましくは、PETシート12の裏面に、厚さ0.5μm〜5μmのアルミニウムが蒸着される。蒸着される金属は、アルミニウムの他に、鉄、スズ、クロム、銅、ニッケル、チタン、又は金であっても良い。更に、蒸着の方法は、抵抗加熱蒸着法、誘電加熱蒸着法、又はEB蒸着法、のいずれであっても良い。その他に、CVD法やスパッタリング法が用いられても良い。第一の低放射層16は比較的厚いので、第一の多層構造での水分防止層13と第一の低放射層15との両方の機能を果たす。すなわち、防水性が高く、かつ放射率が低い。このように第一の低放射層16に二つの機能を発揮させることで、第二の多層構造は第一の多層構造より簡単化されるので、保護材10の製造が容易である。
第一の低放射層16には更に好ましくは、陽極酸化処理(アルマイト処理)が施される。それにより、第一の低放射層16の裏面が酸化アルミニウムの層で覆われるので、耐食性が高い。一方、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。酸化アルミニウムの層には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。尚、クリア塗料は透明なので、放射率は一般に低い。その上、塗装面での放射熱の乱反射が低減するので、放射率が更に抑えられる。
第一の低放射層16が、蒸着層とは別に、金属箔(好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズ)であっても良い。特に、金属箔の外面が鏡面加工で研磨される。それにより、外面が光沢を持つので放射熱の乱反射が低減する。その結果、外面の放射率が更に抑えられる。金属がアルミニウムである場合は、金属箔が酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により金属箔の耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。金属箔には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
第三の多層構造は三層構造であり、PETシート12の裏面に水分防止層13と第二の耐水性PETシート14Aとが順に積層されている(図4(d)参照)。水分防止層13と第二の耐水性PETシート14Aとの間は好ましくは、ウレタン樹脂で接着される(図示せず)。尚、図4(b)と同様に、水分防止層13と第二の耐水性PETシート14Aとの間に第二のPETシートが挿入されても良い。その場合、第三の多層構造は四層構造である。それらの層の間は好ましくは、ウレタン樹脂で接着される(図示せず)。
第二の耐水性PETシート14Aは好ましくは厚さ30μm〜70μmのPET製のシートである。そのPETは耐加水分解性であり、加水分解による物性の低下は生じにくい。第二のPETシート14Aは更に、低放射処理により金属色に着色されている。ここで、その低放射処理は、放射率の低い顔料の混練、即ち顔料をPET材料に混ぜ込んで構成された原材料をシート状に押し出すことで、低放射処理が施された保護材10を形成する。第二のPETシート14Aの色は好ましくは、アルミ色、金色、真鍮色、又は銀色等の金属光沢色である。その他に、光沢のない金属色であっても良い。更に、顔料が色の他に、他の含有物により、第二の耐水性PETシート14Aの放射率を下げる効果を発揮しても良い。こうして、第二の耐水性PETシート14A全体が第一の低放射層として機能する。すなわち、他の層12、12A、13のいずれよりも第二の耐水性PETシート(第一の低放射層)14Aは放射率が低い。
第一〜第三のいずれの多層構造でも、第一の低放射層15、16、14Aはそれ自体が放射熱を出しにくく、保護材10から建物の外装材3に向けて放射される熱量が小さい。また、図2、3に示されているように、保護材10の裏面と建物の外装材3の表面との間が空間Sで隔離されている。その空間Sの空気層には、保護材10の裏面との接触に伴う対流熱伝達により太陽電池モジュール4から熱が移動する。空間S内の空気層に蓄積された熱は風や対流により、温められた空気と共に外に放出される。その結果、空気層から建物の外装材3への熱移動が抑えられる。
第一の低放射層15、16、14Aにより保護材10の裏面の放射率が抑えられることにより、太陽電池モジュール4から建物の外装材3への熱移動が抑制されることは、シミュレーションによっても確認されている。表2に、そのシミュレーションの結果を示す。ここで、そのシミュレーションで設定された環境条件は次の通りである:外気温が30℃、水平面日射量が800W/m2、太陽電池モジュール4の外部の風速が2m/s、太陽電池モジュール4の裏側の空間Sでの風速が0.2m/sである。太陽電池モジュール4は水平に設置されているとし、太陽電池モジュール4の裏面と建物の外装材3の表面との間の形態係数が0.9に設定されている。(形態係数は、放射面から放射された光量のうち、受光面に到達する光量の割合を、放射面と受光面との間の幾何学的な条件から評価した値である。)
Figure 0005303108
従来の太陽電池モジュールのように、保護材10が第一の低放射層を含まない場合、太陽電池モジュール4の裏面の放射率は0.9程度の高い値である(表2参照)。そのとき、建物の外装材3に流れ込む熱量は、例えば上記の環境条件下では13.5W/m2であった。一方、本発明の実施形態1による太陽電池モジュール4では、保護材10が第一の低放射層15、16、14Aのいずれかを含むことで、裏面の放射率が0.2以下に抑えられる。そのとき、建物の外装材3に流れ込む熱量は、同じ環境条件下で7.5W/m2であり、6W/m2低減した。このように、保護材10の裏面の放射率が抑えられることで、特に形態係数が同じでも、外装材3に流れ込む熱量が低減することが確認された。
以上の通り、本発明の実施形態1による太陽光発電装置は、更なる低背化や軽量化を妨げることなく、太陽電池モジュール4から建物の外装材3への、対流と放射による熱移動の総和を減少できる。従って、屋内の冷房負荷が更に低減する。
《実施形態2》
本発明の実施形態2による太陽光発電装置は、保護材10Aを除き、実施形態1による太陽光発電装置の構成要素と全く同様な構成要素を有する(図5参照)。図5では、図1〜4に示されている構成要素と同様な構成要素に対し、図1〜4に示されている符号と同じ符号が付されている。それら同様な構成要素の詳細は、実施形態1についての説明と図1〜4とを援用する。
実施形態1で示されているように、保護材10が裏面に第一の低放射層15、16、14Aを含む場合、太陽電池モジュール4から建物の外装材3へ放射される熱量は低減する(図2〜4参照)。その場合、太陽電池モジュール4からの放熱量が減少するため、太陽電池モジュール4の温度が上昇する。例えば表2に示されているように、保護材10が第一の低放射層15、16、14Aを含むことで、太陽電池モジュール4の温度が約2℃上昇した。2℃の温度上昇は1%の出力変動となるが、冷房負荷の低減による消費電力の低減に比べれば十分に小さく、電力の収支から判断すればメリットがあるのは明らかである。しかし、太陽電池素子7の発電効率を更に向上させるには、太陽電池モジュールの温度上昇を抑えることが好ましい。
本発明の実施形態2による太陽光発電装置では、保護材10Aが好ましくは、金属膜である(図5参照)。その金属の種類は好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズである。保護材10Aは金属製であるので、防水性が高く、放射率が低い(表1参照)。従って、実施形態1での水分防止層13、16と第一の低放射層15、16、14Aとの両方の機能を兼ね備える(図4参照)。更に好ましくは、保護材10Aの裏面が鏡面加工で研磨される。それにより、裏面の放射率が更に抑えられる。保護材10Aがアルミニウム製である場合は、その裏面が陽極酸化処理(アルマイト処理)により酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により保護材10Aの耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。保護材10Aの裏面には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
本発明の実施形態2による保護材10Aは特に実施形態1による保護材10とは異なり、裏面に放熱用の凸部(又は凹部であっても良い)、すなわち放熱フィン17を含む(図5参照)。ここで、保護材10Aは金属製であるので、放熱フィン17は例えばプレス加工により容易に成形される。放熱フィン17により、保護材10Aの裏面は表面積が大きいので、裏面とそれに面する空間S内の空気層との間の接触面積が大きく、保護材10Aから空気層へ移動する熱量が大きい。空気層に蓄積された熱は風や対流により、温められた空気と共に外気中に放出されるので、建物の外装材3への伝熱は抑制される。(図2参照)。こうして、保護材10Aを通して太陽電池素子7が十分に冷却されるので、太陽電池素子7の発電効率が高く維持される。
本発明の実施形態2では保護材10Aが裏面に放熱フィン17を含む金属膜である。その他に、絶縁材9の裏面、又は保護材10の基層(例えば、PETシート12、12A、14、14A)の裏面が放熱用の凹部又は凸部を含んでも良い(図4、5参照)。その場合、その凹部又は凸部を、保護材10の全体、又は保護材10の第一の低放射層15、16、14Aが覆うことで、保護材の裏面が放熱用の凹部又は凸部の形状に成形される。なお、金属の種類は、特に限られるものではなく、例えばステンレスや銅であってもよい。
《実施形態3》
本発明の実施形態3による太陽光発電装置は、保護材10Bと遮熱材18、18Aとを除き、実施形態1による太陽光発電装置の構成要素と全く同様な構成要素を有する(図6、7参照)。図6、7では、図1〜4に示されている構成要素と同様な構成要素に対し、図1〜4に示されている符号と同じ符号が付されている。それら同様な構成要素の詳細は、実施形態1についての説明と図1〜4とを援用する。また以下で遮熱材18、18Aの受光面方向の面を上表面、非受光面側の面を裏面と呼ぶものとする。
まず、図6の実施形態について説明を行う。
本発明の実施形態3による保護材10Bは好ましくは、実施形態1による保護材10とは異なり、第一の多層構造から第一の低放射層15を除いた三層又は四層から成る(図4(a)、(b)参照)。この層構造は従来の保護材の層構造に相当する。従って、保護材10Bの放射率が高いので、保護材10Bを通して放射される熱量は大きく維持される。
本発明の実施形態3による太陽電池モジュール4は遮熱材18を含む(図6、7参照)。遮熱材18は好ましくは、樹脂(好ましくは、PET)製のフィルムであり、特に実施形態1による保護材10の第二の多層構造と同様に、PETシート12の裏面に第二の低放射層16を含む(図4(c)参照)。遮熱材18では、PETシート12が厚さ100〜200μmに設定することが好ましい。PETシート12の上表面は好ましくは平面である。その他に、その上表面に放熱用の凹部又は凸部が設けられても良い。
第二の低放射層16は金属薄膜である。好ましくは、低放射処理としてPETシート12の裏面に厚さ0.5μm〜5μmのアルミニウムが蒸着されることで、第二の低放射層16が形成されている(図4(c)参照)。蒸着される金属は、アルミニウムの他に、鉄、スズ、クロム、銅、ニッケル、チタン、又は金であっても良い。更に蒸着の方法は、抵抗加熱蒸着法、誘電加熱蒸着法、又はEB蒸着法、のいずれであっても良い。その他に、CVD法やスパッタリング法が用いられても良い。第二の低放射層16は金属製であるので、保護材10Bや、PETシート12、すなわち遮熱材18の上表面側の層より放射率が低い(表1参照)。第二の低放射層16には更に好ましくは、陽極酸化処理(アルマイト処理)が施される。それにより、第二の低放射層16の裏面が酸化アルミニウムの層で覆われるので、耐食性が高い。一方、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。酸化アルミニウムの層には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。尚、クリア塗料は透明なので、放射率は一般に低い。その上、塗装面で平滑さが保たれ表面粗さが減少するため、放射率が更に抑えられる。
第二の低放射層16が、上記とは別の低放射処理により付加された金属箔(好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズ)であっても良い。更に、金属箔の外面が鏡面加工で研磨されても良い。それにより、外面の放射率が更に抑えられる(表1参照)。金属がアルミニウムである場合は、金属箔が酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により金属箔の耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。金属箔には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
遮熱材18の上表面は保護材10Bの裏面と所定距離を隔てて対向している(図6参照)。遮熱材18により、保護材10Bの裏面と建物の外装材3との間は二つの空間S1、S2に分けられる。ここで、第一の遮熱材18は、フレーム11の底部に固定される。さらに第一の遮熱材の18の一部に穴が設けられるか、もしくは保護材10Bの裏面と第一の遮熱材18の上表面との間の空間S1に面したフレーム11の側面に穴が設け、外気と連通する形態とする。(図6参照)。ここで太陽電池モジュールは日射方向に合わせて傾斜して設置される場合が大半である。その場合、更に好ましくは、傾斜した太陽電池モジュールのフレームもしくは第一の遮熱材の上方と下方の2点、もしくは上方と下方の範囲を含むような長穴を設けてもよい。上下方向に連通する換気流路として機能するとともに、前記下方の穴が吸気部として、前記上方の穴が排気部として機能し空間S1と空間S2の温度差に伴う煙突効果により、効率的に太陽電池モジュールの熱量を大気中に移動することが出来る。それらの穴を通して空間S1は外気と連通している。
なお、第一の遮熱材もしくはフレームに設けられる穴は1点に限られるものではなく、2点以上の複数点、フレームと遮熱材のそれぞれに設けられる複数部位であってもよく、さらに穴部の形状としてパンチング状やメッシュ状の開口であってもよい。また、遮熱材18は太陽電池モジュールのフレームと前記穴部を除き閉鎖した空間である必要はなく、一定距離を介して太陽電池モジュールと遮熱材18を対向して支持部材等で固定し、太陽電池モジュールと遮熱材の側方が開放されていてもよく、その際、空間S1は外気と連通しているため遮熱材18に穴部が設けられなくてもよい。
空間S1内では、空気層と保護材10Bの裏面との間の対流熱伝達により、太陽電池モジュール4からの熱がその空気層に移動する。その空気層に蓄積された熱は、風や対流により、温められた空気と共に空間S1から外気へ放出される。こうして、太陽電池素子7が冷却されるので、太陽電池素子7の発電効率が高く維持される。
特に、遮熱材18、18Aの表面にはPETシート12、すなわち、第二の低放射層16より放射率が高い高放射層が含まれている(図4(c)参照)。PETシート12は第二の低放射層16より吸収率が高いので、保護材10Bからの放射熱と第二の低放射層16で反射された放射熱との両方を吸収する。それにより、太陽電池素子7等に再吸収される熱量が低減する。従って、太陽電池素子7の温度の上昇が抑制され、太陽電池素子7の発電効率が高く維持される。
以上の通り、本発明の実施形態3による太陽光発電装置は、遮熱材18の利用により、更なる低背化や軽量化を妨げることなく、太陽電池モジュール4から建物の外装材3への対流と放射とのいずれによる熱移動をも制限できる。従って、屋内の冷房負荷が更に低減する。一方、保護材10Bを通してその裏側の空間S1へ逃げる熱量が大きく維持されているので、太陽電池素子7の温度上昇が十分に抑えられ、その発電効率が十分に高く維持される。
次に図7の実施形態について説明を行う。
遮熱材18に代え遮熱材18Aが架台5A、5Bに固定され、太陽電池アレイ1の裏面全体より広い範囲で、建物の外装材3を覆っても良い(図7参照)。その場合、好ましくは、第二の遮熱材18Aがレール5Aと脚部5Bとの間に挟まれて固定されている。遮熱材18Aの積層構造や表面処理は前述の遮熱材18と同様のものが好適に利用可能である。
太陽電池素子7の温度上昇による発電効率の低下が無視できる場合、第一の遮熱材18に加え、第二の遮熱材18Aが配置されてもよい。その場合、太陽電池4からの放射熱が第一の遮熱材18と第二の遮熱材18Aで二重に遮蔽されているので、放射により建物の外装材3へ流れ込む熱量が低減する。また、保護材10Bが実施形態1による保護材10と同様に、裏面に第一の低放射層を含んでも良い(図4参照)。その場合、太陽電池モジュール4からの放射熱が、保護材10Bの第一の低放射層と遮熱材18、18Aとで三重に遮蔽されるので、放射により建物の外装材3へ流れ込む熱量が更に低減する。
遮熱材18、18Aは上記とは別に、金属板、又は金属製のシートであっても良い。その金属の種類は好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズである。遮熱材18、18Aは金属製であるので、放射率が低い(表1参照)。その場合、更に好ましくは、遮熱材18、18Aの裏面が、低放射処理としての鏡面加工で研磨される。それにより、裏面が光沢を持つので放射熱の乱反射が低減する。その結果、裏面の放射率が更に抑えられる。遮熱材18、18Aがアルミニウム製である場合は、その裏面が陽極酸化処理(アルマイト処理)により酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により遮熱材18、18Aの耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。遮熱材18、18Aの裏面には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
なお、遮熱材18、18Aの母材は金属に限られず、例えば木材や樹脂材の表面に第二の低放射層16や高放射層が配置されたものでもよい。また、太陽電池モジュールの下部は建物の外装材に限られるものではなく、接続箱やインバーター、直交流開閉器、電力量計、配電盤、配線器具等の太陽光発電システムの電気機器や、太陽電池からの送電により駆動する電子機器、空調の室外機や屋上の貯水タンク等であってもよい。例えば使用可能な温度範囲が決まっており、その温度を超えると動作が不安定になったり破損したりする機器においては、前記低放射層の導入により太陽電池モジュールの発電効率が下がっても、機器の動作の安定化や故障防止という効果を得ることが出来る。
《実施形態4》
本発明の実施形態4による太陽光発電装置は、保護材10Bと遮熱材18、18Aを備え、それ以外は実施形態3による太陽光発電装置の構成要素とまったく同様な構成要素を有する。(図6、図7参照)図6、7では、図1〜4に示されている構成要素と同様な構成要素に対し、図1〜4に示されている符号と同じ符号が付されている。それら同様な構成要素の詳細は、実施形態1についての説明と図1〜4とを援用する。また以下で遮熱材18、18Aの受光面方向の面を上表面、非受光面側の面を裏面と呼ぶものとする。
実施例4の太陽光発電装置では、遮熱材18、18Aが備えられ、太陽電池モジュールと建物の外装材の間の空間が3つに分割される。以下ではそれぞれの空間を太陽電池モジュールに近い方からS1、S2、S3と呼ぶものとする。
本発明の実施形態4による保護材10Bは好ましくは、実施形態1による保護材10とは異なり、第一の多層構造から第一の低放射層15を除いた三層又は四層から成る(図4(a)、(b)参照)。この層構造は従来の保護材の層構造に相当する。従って、保護材10Bの放射率が高いので、保護材10Bを通して放射される熱量は大きく維持される。
本発明の実施形態4による太陽電池モジュール4は遮熱材18を含む(図6、7参照)。遮熱材18は好ましくは、樹脂(好ましくは、PET)製のフィルムであるが、実施形態1による保護材10の第二の多層構造とは異なり、PETシート12の裏面に第二の低放射層16を含まない。(図4(c)参照)。従って遮熱材18は放射率が高いので、遮熱材18の上表面で吸収される熱量と、裏面で放射される熱量は大きく維持される。遮熱材18では、PETシート12が厚さ100μm〜200μmに設定することが好ましい。PETシート12の上表面は好ましくは平面である。その他に、その裏面に放熱用の凹部又は凸部が設けられても良い。
上表面の放射率が高い為に太陽電池モジュール4からの放射熱の吸収を大きく維持する。また、裏面では凹凸が設けられかつ放射率が高いために、表面に比較して、裏面方向に対流熱伝達と放射で、より大きな熱量を伝熱するため、効率的に太陽電池を冷却し、S2で暖まった空気は太陽電池モジュールに接しない。
第一の遮熱材18に加え、第二の遮熱材18Aが架台5A、5Bに固定され、太陽電池アレイ1の裏面全体より広い範囲で、建物の外装材3を覆う。(図7参照)。その場合、好ましくは、第二の遮熱材18Aがレール5Aと脚部5Bとの間に挟まれて固定されている。遮熱材18Aは好ましくは、樹脂(好ましくは、PET)製のフィルムであり、特に実施形態1による保護材10の第二の多層構造と同様に、PETシート12の裏面に第二の低放射層16を含む(図4(c)参照)。遮熱材18Aでは、PETシート12が厚さ100μm〜200μmに設定されることが好ましい。PETシート12の上表面は好ましくは平面である。その他に、その上表面に放熱用の凹部又は凸部が設けられても良い。
第二の低放射層16は金属薄膜である。好ましくは、低放射処理としてPETシート12の裏面に厚さ0.5μm〜5μmのアルミニウムが蒸着されることで、第二の低放射層16が形成されている(図4(c)参照)。蒸着される金属は、アルミニウムの他に、鉄、スズ、クロム、銅、ニッケル、チタン、又は金であっても良い。更に蒸着の方法は、抵抗加熱蒸着法、誘電加熱蒸着法、又はEB蒸着法、のいずれであっても良い。その他に、CVD法やスパッタリング法が用いられても良い。第二の低放射層16は金属製であるので、保護材10Bや、PETシート12、すなわち遮熱材18の上表面側の層より放射率が低い(表1参照)。第二の低放射層16には更に好ましくは、陽極酸化処理(アルマイト処理)が施される。それにより、第二の低放射層16の裏面が酸化アルミニウムの層で覆われるので、耐食性が高い。一方、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。酸化アルミニウムの層には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。尚、クリア塗料は透明なので、放射率は一般に低い。その上、塗装面で平滑さが保たれ表面粗さが減少するため、放射率が更に抑えられる。
第二の低放射層16が、上記とは別の低放射処理により付加された金属箔(好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズ)であっても良い。更に、金属箔の外面が鏡面加工で研磨されても良い。それにより、外面の放射率が更に抑えられる(表1参照)。金属がアルミニウムである場合は、金属箔が酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により金属箔の耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。金属箔には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
遮熱材18の上表面は保護材10Bの裏面と所定距離を隔てて対向している(図6参照)。遮熱材18により、保護材10Bの裏面と建物の外装材3との間は二つの空間S1、S2に分けられる。ここで、第一の遮熱材18は、フレーム11の底部に固定される。さらに第一の遮熱材18の一部に穴が設けられるか、もしくは保護材10Bの裏面と第一の遮熱材18の上表面との間の空間S1に面したフレーム11の側面に穴が設けられ、外気と連通する形態とする。(図6参照)。ここで太陽電池モジュールは日射方向に合わせて傾斜して設置される場合が大半である。その場合、更に好ましくは、傾斜した太陽電池モジュールのフレームもしくは第一の遮熱材の上方と下方の2点、もしくは上方と下方の範囲を含むような長穴を設けてもよい。上下方向に連通する換気流路として機能するとともに、前記下方の穴が吸気部として、前記上方の穴が排気部として機能し空間S1と空間S2の温度差に伴う煙突効果により、効率的に太陽電池モジュールの熱量を大気中に移動することが出来る。それらの穴を通して空間S1は外気と連通している。
なお、第一の遮熱材もしくはフレームに設けられる穴は1点に限られるものではなく、2点以上の複数点、フレームと遮熱材のそれぞれに設けられる複数部位であってもよく、さらに穴部の形状としてパンチング状やメッシュ状の開口であってもよい。また、遮熱材18は太陽電池モジュールのフレームと前記穴部を除き閉鎖した空間である必要はなく、一定距離を介して太陽電池モジュールと遮熱材18を対向して支持部材等で固定し、太陽電池モジュールと遮熱材の側方が開放されていてもよく、その際、空間S1は外気と連通しているため遮熱材18に穴部が設けられなくてもよい。
空間S1内では、空気層と保護材10Bの裏面との間の対流熱伝達により、太陽電池モジュール4からの熱がその空気層に移動する。その空気層に蓄積された熱は、風や対流により、温められた空気と共に空間S1から外気へ放出される。こうして、太陽電池素子7が冷却されるので、太陽電池素子7の発電効率が高く維持される。
特に、遮熱材18にはPETシート12、すなわち、第二の低放射層16より放射率が高い高放射層が含まれている(図4(c)参照)。遮熱材18の放射率が高いため、太陽電池モジュール4からの放射を吸収しやすい。従って、太陽電池素子7の温度の上昇が抑制され、太陽電池素子7の発電効率が高く維持される。
空間S2内では、遮熱材18、18Aの間で放射による熱の移動が行われると共に、遮熱材18、18Aから空間S2内の空気層に対流熱伝達による熱の移動が行われる。遮熱材18、18Aでは、太陽電池モジュール4に近い遮熱材18の方が温度が高いため、遮熱材18から遮熱材18Aへの熱移動が行われる。ここで遮熱材18、18Aの相対する面は高放射層であるため、放射を出しやすいとともに反射が少なく遮熱材18Aへの熱移動が効率良く行われる。また、対流熱伝達により空間S2内の空気層に移動した熱は、自然の風や自然対流により外気へ放出される。遮熱材18、18Aにより空間が分割されているため、空間S1、S3へ暖まった空気の移動を制限しているため、太陽電池モジュール側と建物の外装材ともに温度を下げやすくなる。
空間S3内では、遮熱材18Aから建物の外装材への放射および対流熱伝達による熱移動が行われる。建物の外装材と相対する遮熱材18Aの裏面は低放射層であるため、放射が少なくなっており、放射による熱移動は少ない。また空間S1、S2で既にある程度の熱は外気へ放散されているため、空間S3中の空気層の温度は高くなりにくくなっており、対流熱伝達による建物の外装材への熱移動も少ない。
以上の通り、本発明の実施形態4による太陽光発電装置は、遮熱材18、18Aの利用により、太陽電池モジュール4から建物の外装材3への対流と放射とのいずれによる熱移動をも制限できる。従って、屋内の冷房負荷が更に低減する。一方、保護材10Bを通してその裏側の空間S1、S2へ逃げる熱量が大きく維持されているので、太陽電池素子7の温度上昇が十分に抑えられ、その発電効率が十分に高く維持される。
遮熱材18Aは上記とは別に、金属板、又は金属製のシートであっても良い。その金属の種類は好ましくは、鉄、アルミニウム、又はスズである。遮熱材18Aは金属製であるので、放射率が低い(表1参照)。その場合、更に好ましくは、遮熱材18Aの裏面が、低放射処理としての鏡面加工で研磨される。それにより、裏面が光沢を持つので放射熱の乱反射が低減する。その結果、裏面の放射率が更に抑えられる。遮熱材18Aがアルミニウム製である場合は、その裏面が陽極酸化処理(アルマイト処理)により酸化アルミニウムの層で覆われても良い。酸化アルミニウムの被膜により遮熱材18Aの耐食性が向上する。更に、酸化アルミニウムは光沢のない銀白色であるので、放射率が低く維持される。遮熱材18Aの裏面には更にクリア塗装が施されても良い。それにより、耐食性が更に向上する。
なお、遮熱材18Aの母材は金属に限られず、例えば木材や樹脂材の表面に第二の低放射層16や高放射層が配置されたものでもよい。また、遮熱材18の材質も上記のPETに限られるものでなく、遮熱材18Aから低放射層を除いたものも利用可能である。
本発明の実施形態1による太陽光発電装置を具備する建物を示す斜視図 本発明の実施形態1による太陽光発電装置を示す斜視図 図2に示されている直線A−Aに沿った、太陽電池モジュールの断面図 本発明の実施形態1による保護材の断面図 本発明の実施形態2による太陽電池モジュールの断面図 本発明の実施形態3による太陽光発電装置の一例を示す断面図 本発明の実施形態3による太陽光発電装置の別の例を示す斜視図 本発明の熱収支を示すモデル図
符号の説明
1 本発明の実施形態1による太陽光発電装置
2 建物
3 外装材
4 本発明の実施形態1による太陽電池モジュール
5A 架台のレール
5B 架台の脚部
6 カバーガラス
7 太陽電池素子
8 配線
9 絶縁材
10 本発明の実施形態1による保護材
10A 本発明の実施形態2による保護材
10B 本発明の実施形態3による保護材
11 フレーム
12 PETシート
12A 第二のPETシート
13 水分防止層
14 耐水性PETシート
14A 第二の耐水性PETシート(第一の低放射層)
15 第一の低放射層
16 第一の低放射層
17 放熱フィン
18 第一の遮熱材
18A 第二の遮熱材
19 太陽電池モジュール
20 外装材
21 空気層

Claims (4)

  1. 受光面に照射される太陽光を電力に変換する複数の太陽電池素子と、
    前記複数の太陽電池素子の裏面を覆う絶縁材と、
    前記絶縁材の裏面全体を覆う保護材と、
    前記保護材の裏面と所定距離を隔てて対向する遮熱材と、
    を有し、
    前記遮熱材は、該遮熱材の裏面の少なくとも一部に前記保護材より放射率が低い低放射層と、前記保護材の裏面と対向する面側に位置するとともに前記低放射層より放射率が高い高放射層とを含んでおり、前記低放射層と前記高放射層とが積層されている、太陽光発電装置。
  2. 前記低放射層は、前記遮熱材の鏡面加工、前記遮熱材への金属膜の形成、または前記遮熱材への塗布材料の塗布のいずれかによって形成されたものである、請求項1に記載の太陽光発電装置。
  3. 前記遮熱材は、該遮熱材を貫通する穴を有する、請求項1または2に記載の太陽光発電装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽光発電装置が、外装材から所定距離を隔てて固定された建物。
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