JP6667041B1 - 鹿沼土含有塗壁材、製造方法及び施工方法 - Google Patents

鹿沼土含有塗壁材、製造方法及び施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鹿沼土の有する調湿機能を生かすとともに、付着力、施工性、耐摩耗性を確保しながらカビやダニの抑制、空気清浄、消臭効果等を発揮する自然素材のみからなる塗壁材及びその製造方法並びにその施工方法技術の提供を課題とするものである。【解決手段】本発明に係る鹿沼土含有塗壁材、製造方法、及び施工方法は、壁面に貼着された下地紙に塗布する自然素材から構成される塗壁材であって、漆喰混合材と、鹿沼土混合材と、水から成り、それぞれの重量比が10.8重量部:7.1重量部:10.0重量部であり、前記漆喰混合材を構成する自然素材の配合割合が、消石灰70%、寒水石28%、カラギーナン1.5%、麻スサ又は紙スサ0.5%で構成し、前記鹿沼土混合材を構成する自然素材の配合割合が、寒水石86%、鹿沼土13%、メチルセルロース1.0%で構成した塗壁材を基本とし、その製造方法、及び施工方法とするものである。【選択図】図5

Description

本発明は、建築物等に用いられる壁材に関し、詳しくは、合成樹脂を添加せずに自然の素材のみで構成され、調湿性能や風合いのある仕上がりの塗壁材の技術に関するものである。
我が国の気候は、雨が多いのが特徴であり、わずかでも雨が降った日数は、1年間に100日以上に及び、3日に1日近くは雨が降っている計算になる。雨が多いのと関連して、湿度が高いのも我が国の特徴であり、平均湿度はおよそ60%〜70%である。特に夏場では、湿度が75%を超えて蒸し暑い不快日が30日近くにも達している。また、日本の高い湿度は、結露の他、カビやダニを発生させる原因でもあり、住まいの大敵と言われている。特に梅雨の時期から夏にかけての湿度は大きな問題であるといえ、現在はエアコンなどに頼ることも多い。しかしながらエアコンは苦手という方もおり、できれば自然素材を使った工夫等、古来からの先人の知恵を利用した建築が望まれているともいえる。
また、シックハウス症候群なる健康被害が騒がれ始めたころから、建築業界においては、健康住宅としての自然素材思考へと動き出し、当時、珪に藻土を添加した調湿塗壁材が次々登場した。係る調湿塗壁材はビニールクロスに変わる内装材として認知され始めたが、ほとんどの製品は付着力、施工性、耐摩耗性等を確保するため、合成樹脂の配合を当然とするようになり、主たる目的であったはずの調湿性能は二の次扱いされてしまったといえる。そこで、合成樹脂を添加せず自然素材のみで調湿性能を発揮でき、また、風合いのある仕上がりにより住み心地の良い調湿塗壁材の見直しを図る必要があるといえる。
そこで、従来より、種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「鹿沼土、赤玉土を原料とした天然素材壁塗装材と、これを下地材地材の表面に塗布してなる壁装材、建材」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、「鹿沼土、赤玉土を主原料とし、天然素材、土壌同化性素材の添加によって構成される、健康で快適な住空間の作出に適した壁塗装材及びこれを規格寸法の板材等の下地材に塗布してなる壁装材、建材を提供する。」ことを課題とし、解決手段を「鹿沼土及び/又は赤玉土を母材とし、これにひば、檜、杉等の抗菌性、精神安定性、防虫防黴、脱臭性、香性を発揮する天然木粉竹粉、ハーブ等の薬草粉乃至それらの成分抽出液を適量添加して成る主材60%に、植物繊維等の天然繋ぎ補強材を5%及び必要に応じて5%以内の天然顔料を混加し、さらに消石灰、ふのり、セメント系の土壌同化性固化材30%を混入して構成される、天然素材壁塗装材であり、又これを板材等の下地材の表面に塗布して成る壁装材、建材である。」とするものである。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、多種の混合物から構成されている為、構成要素も異なり、これらの配合比率も限定されたものであることから、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材等とは構成要素が異なっている。
また、発明の名称を「調湿壁紙」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「防火効果に優れ、快適な居住空間を提供することが可能な調湿壁紙を提供する。」ことを課題とし、解決手段を「無機繊維及び鹿沼土が抄造されている。鹿沼土は50質量%を超えており、パルプは5〜10質量%抄造されている。また、バインダ、pH調整剤、凝集剤及び消泡剤を含んでいる。」とするものである。従って、本発明と課題の一部が共通しているといえる。しかしながら、特許文献2に記載の発明は、水性樹脂バインダを含む壁紙の発明であって、樹脂による被膜等が形成されてしまうため、鹿沼土及び消石灰の特性を阻害する物質を含むものといえる。これに対して本発明では、合成樹脂を使うことなく、自然素材のみで構成されている点で大きく異なっている。
また、発明の名称を「吸湿性塗壁材とその施工方法、および、建築物の壁面構造」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、「吸湿性の高い塗壁材の技術を改良し、塗壁を施工したときに、吸湿性を損なうことなく、汚れの付着、浸入を効果的に阻止して、長期間にわたって美麗な外観を維持することのできる吸湿性塗壁材を提供する。」を課題とし、解決手段を「吸湿性の無機多孔質材を含有してなり、壁面に塗工し乾燥させて得られる塗壁層が吸湿性を示す塗壁材である。塗壁層が、吸湿量30g/m2以上を示すとともに、塗壁層の表面が、水の接触角80度以上となる撥水性を示す。吸湿性の無機多孔質材を10〜90重量%と、水性樹脂バインダー(固形分)を1〜25重量%と、水ガラス(固形分)を0.1〜15重量%と、非吸水性の無機充填材を8〜88重量%とを含むものが有用である。」とするものである。しかしながら、特許文献3に記載の発明は、その構成として水性樹脂バインダ、水ガラスおよび非吸水性の無機充填材をも含むものとなっていることから、特許文献2と同様に本発明とは構成要素を異にするものである。
特開2002−285039 特開2003−239199 特開2007−162355
本発明に係る鹿沼土含有塗壁材及びその施工方法は、鹿沼土が有する調湿機能を生かすとともに、付着力、施工性、耐摩耗性を確保しながらカビやダニの抑制、空気清浄、消臭効果を発揮する自然素材のみからなり、合成樹脂を添加しない塗壁材、製造方法及びその施工方法技術の提供を課題とするものである。
前記目的を達成するため、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材は、壁面に貼着された下地紙Kに塗布する自然素材から構成される塗壁材であって、漆喰混合材と、鹿沼土混合材と、水から成り、前記漆喰混合材と前記鹿沼土混合材と前記水のそれぞれの重量比が10.8重量部:7.1重量部:10.0重量部であり、前記漆喰混合材を構成する自然素材の配合割合が、消石灰70%、寒水石28%、カラギーナン1.5%、麻スサ又は紙スサ0.5%で構成され、前記鹿沼土混合材を構成する自然素材の配合割合が、寒水石86%、鹿沼土13%、メチルセルロース1.0%で構成される手段を採用した。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材は、前記鹿沼土を目開き0.77mmの篩いで篩って粒径を調整したものを用いる手段を採用することもできる。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の製造方法は、壁面に貼着された下地紙に塗布する自然素材から構成される塗壁材の製造方法であって、漆喰混合材を配合する漆喰混合材配合工程と、鹿沼土混合材を配合する鹿沼土混合材配合工程と、前記漆喰混合材と前記鹿沼土混合材と水を混合する混合工程と、前記混合工程後に16時間から28時間熟成させる熟成工程と、前記熟成工程で得られた塗壁材の粘性を再調整する粘性再調整工程と、を含み、前記漆喰混合材を構成する自然素材の配合割合を、消石灰70%、寒水石28%、カラギーナン1.5%、麻スサ又は紙スサ0.5%とし、前記鹿沼土混合材を構成する自然素材の配合割合を、寒水石86%、鹿沼土12%、黄土0.9%、メチルセルロース1.0%とし、前記漆喰混合材と前記鹿沼土混合材と前記水のそれぞれの重量比を10.8重量部:7.1重量部:10.0重量で混合した後に前記熟成させることを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の製造方法とすることもできる。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の製造方法は、前記鹿沼土混合材配合工程に、前記鹿沼土の粒径を目開き0.77mmの篩いで篩って調整する粒径調整工程を含むことを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の製造方法とすることもできる。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の施工方法は、自然素材から構成される塗壁材の施工方法であって、漆喰混合材を配合する漆喰混合材配合工程と、鹿沼土混合材を配合する鹿沼土混合材配合工程と、前記漆喰混合材と前記鹿沼土混合材と水を混合する混合工程と、前記混合工程後に16時間から28時間経過させる熟成工程と、壁面に下地紙を貼着させる下地紙貼着工程と、前記混合工程で得られた塗壁材の粘性を再調整する粘性再調整工程と、前記粘性再調整工程で得られた塗壁材を下地紙に塗布する塗布工程から構成され、前記漆喰混合材と前記鹿沼土混合材と前記水のそれぞれの重量比が10.8重量部:7.1重量部:10.0重量部であり、前記漆喰混合材を構成する自然素材の配合割合を、消石灰70%、寒水石28%、カラギーナン1.5%、麻スサ又は紙スサ0.5%とし、前記鹿沼土混合材を構成する自然素材の配合割合を、寒水石86%、鹿沼土13%、メチルセルロース1.0%とし、前記下地紙Kが、自然繊維を複雑に絡めた繊維構造を持つ不織布(フリース素材)(ドイツのKOBAU社製RS−Papiervlies 130)を利用することを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の施工方法とすることもできる。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の施工方法は、前記鹿沼土混合材配合工程に、前記鹿沼土の粒径を目開き0.77mmの篩いで篩って調整する粒径調整工程を含むことを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の施工方法とすることもできる。
本発明に係る鹿沼土含有塗壁材によれば、調湿機能に優れた機能性塗壁材を提供できるという優れた効果を奏する。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材によれば、合成樹脂を添加せず自然素材のみを使うので、人体に優しい塗壁材を提供できるという優れた効果を奏する。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材及びその施工方法によれば、シックハウス症候群のような被害のない健康住宅を提供できるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材及びその施工方法によれば、調湿性能のみならず、消臭性能、空気清浄、耐火性能、マイナスイオン生成、遮音、吸音、保温機能等を発揮する優れた機能性塗壁及び健康住宅の提供が可能となる。
また、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材及びその施工方法によれば、鹿沼土の製造過程において排出・廃棄される微粒な粉状体を利用できるので有限資源の有効活用ができるといった優れた効果を発揮するものである。
本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の漆喰混合材の配合を示す配合説明図である。 本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の鹿沼土混合材の配合を示す配合説明図である。 本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の漆喰混合材と鹿沼土混合剤と水の混合割合を示す混合割合説明図である。 本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の製造方法における各工程を説明する製造工程説明図である。 本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の施工方法における各工程を説明する施工工程説明図である。
鹿沼土含有塗壁材1は、壁面Hに貼着された下地紙Kに塗布する自然素材の漆喰混合材10と、鹿沼土混合材20と、水30から構成される塗壁材であり、それぞれの重量比が漆喰混合材10の10.8重量部に対して、鹿沼土混合材20が7.1重量部、水30が、10.0重量部で構成される。
漆喰混合材10は自然素材で配合され、その配合割合は、消石灰11が70%、寒水石12が28%、カラギーナン13が1.5%、麻スサ又は紙スサ14が0.5%で構成される。
鹿沼土混合材20は、自然素材の配合割合が、寒水石21が86%、鹿沼土22が13%、メチルセルロース24が1.0%で構成される。
なお、漆喰混合材10及び鹿沼土混合材20の粒径は其々前記鹿沼土混合材配合工程に、前記鹿沼土の粒径を目開き0.77mmの篩いで篩って調整する粒径調整工程を含むことにより粒径の大きな砂鉄を除去することが望ましい。
水30は、漆喰混合材10と鹿沼土混合材20とを混合させるための水分である。
消石灰11は、2億5千万年前の珊瑚やカルシウムの殻を持つ海棲生物の化石である石灰石を焼成して生石灰石となったものに水30を加えて消化・熟成させたもので、水酸化カルシウムとも呼ばれ、強いアルカリ性を示す。強塩基であるが、劇物指定を受けていないため、酸性化した河川や土壌の中和剤、凝集剤として幅広く使われている。ほかに、試薬、食品や化粧品のpH調整剤、カルシウム補充剤、化学合成原料、体質顔料、殺菌剤、歯科治療における感染根管処置時の貼薬剤などや、コンニャクの凝固剤としても使用され、また、火力発電所の排ガス中の硫黄酸化物の除去にも用いられるものである。石灰石の産地は全国に広く存在するが、漆喰の材料として用いる場合は、焼成されて雪のように純白になる石が産出される場所は数少ない。そこで、例えば、栃木県佐野市の葛生地区で産出される石灰石を原料とすることで、漆喰混合剤10の材料に適した純白な消石灰11を得ることが可能となる。
寒水石12は、漆喰混合材10に配合される結晶質石灰岩(大理石)の石材名であり、主に阿武隈高地南端の古生層の中から掘り出され、白色や濃緑色、灰色の縞模様がある建築、又は彫刻用に用いられる。粉状物であって、一粒の大きさは略一厘である。即ち、1厘は一寸(3.03cm)の1/100であるから、約0.3mm程度の粒径である。
カラギーナン13は、ツノマタなどの紅藻類から抽出される酸性の多糖類であり、水30に良く溶け、粘性を有し安定剤や乳化剤として利用され、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材1のゲル化に寄与するものである。
麻スサ又は紙スサ14は、壁の補強を亀裂防止、曲げ高度の向上、作業性の向上のために用い、塗壁材の弾力性を持たせて鏝伸び鏝離れを良くし、保水効果も備えている。
寒水石21は、鹿沼土混合材20に配合される結晶質石灰岩(大理石)の石材名であり、漆喰混合材10に配合される寒水石12と同内容である。
鹿沼土22は、珪酸・アルミニウム・鉄・マグネシウム・カルシウム・マンガンなどを成分とする白黄色の火山性軽石の一種で、栃木県鹿沼市付近一帯で採掘される自然石材である。多孔質で吸水性と保水性に優れ、酸性土であるため雑菌を含まず、主にサツキなどのツツジ科の植物や東洋ランなどの栽培等、従来から園芸の分野に用いられてきたものである。また、鹿沼土に含まれるゼオライト成分(多孔質構造)は、多量のマイナスイオンと強い遠赤外線を放出し、癒し効果や熟成効果を発揮するとともに、その多孔質構造により、消音効果、脱臭効果及びガスや水30を吸着する特性もあり、シックハウス症候群の防止や消臭に資する土(軽石)ともいえる。係る湿度の調整ができるといった優れた鹿沼土の特性を生かし、室内の湿気を抑えたり、乾燥時にはその保水性により適度な湿度を保持したりという機能性塗壁材の原料となる。構造的にも、風化してスポンジのような特性を持っているので水30と空気を保ちやすいという長所の他、鹿沼土の主成分がシリカとアルミナなので、消石灰11に混合すると、ポゾラン反応を起こして耐久性と水密性を向上させる働きもする。但し、当初から消石灰11と配合しておくと固まってしまうという問題を含んでいるため、従来、壁塗材の原料に用いるには扱い難いとされてきたものである。
メチルセルロース24は、セルロースのメチルエーテル誘導体で、水30に溶け、乳化剤や安定剤、保水剤として広く一般の食品への添加物に使われるものであるが、本発明では増粘、ゲル化、気泡安定化等の目的で用いるものである。
漆喰混合材配合工程Aは、漆喰混合剤10を配合するための配合工程であり、前記漆喰混合材10を構成する自然素材の配合割合を、消石灰11が70%、寒水石12が28%、カラギーナン13が1.5%、麻スサ又は紙スサ14が0.5%とするものである。
鹿沼土混合材配合工程Bは、前記鹿沼土混合材20を構成する自然素材の配合割合を、寒水石21が86%、鹿沼土22が13%、メチルセルロース24が1.0%とするものである。
粒径調整工程B1は、鹿沼土混合材配合工程Bにおいて配合される鹿沼土22の粒径を調整する工程であり、具体的には目開き0.77mmの篩いを用いて、これによって篩われた大きさの鹿沼土を用いることが望ましい。なお、係る工程により大きな粒径の砂鉄を取り除くことが可能となり、施工後における酸化による変色を防止することが可能となる。
なお、係る鹿沼土混合材配合工程Bに際し、鹿沼土22を篩等によりから砂鉄を取り除く工程を含むことが望ましい。鹿沼土に含まれる砂鉄の存在は施工後の酸化により変色し、美観を損なう恐れがあるため、予め除去しておくことが好適だからである。
混合工程Cは、漆喰混合材10と鹿沼土混合材20と水30を混合する工程であり、具体的には重量比で、前記漆喰混合材10を10.8重量部とした場合に、前記鹿沼土混合材20が7.1重量部、水30が15重量部として混合する。ここで、漆喰混合材10と鹿沼土混合材20とを予め混合しておくと、鹿沼土22に含まれる保水成分アロフェンが水分に反応して短時間で固まってしまうため、混合工程C前に漆喰混合材10と鹿沼土混合材20とは混合させておかないことに注意が必要である。
熟成工程Dは、前記混合工程Cから所定の時間経過させて粘性の調整を図る工程であり、鹿沼土の吸水性により鹿沼土が水30を吸い込んでしまうため、粘性の調整については所定の時間をおく必要がある。概ね20時間から28時間程度であり、より詳しくは24時間近傍であることが望ましい。
紙貼着工程Eは、壁面Hに下地紙Kを貼着させる工程であり、壁面Hへの塗壁材の付着性の向上、伸縮による割れの防止、耐久性の向上を図るために用いるものである。貼着には矢沢化学工業株式会社から提供されている壁紙施工用でんぷん系接着剤ウォールボンド100を用いることが望ましい。
下地紙Kは、ドイツ製の「塗装下地用壁紙」を用い、具体的には、ドイツのKOBAU社製RS−Papiervlies 130を用いることが望ましく、また、日本工業規格JIS A 6921;2003「壁紙と仕上げ用壁面塗飾」の検査方法(第6.3.6.段落(デシケータ法))により特定されるホルムアルデヒドの放散上限値が0.2mg/L以下であるF☆☆☆☆品質として定められているものであることが望ましい。そして、係るドイツ製の「塗装下地用壁紙」を下地紙Kとして利用すると、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の施工方法3では、強い繊維構造を持つ壁紙に、本発明に係る塗壁材を十分に染み込ませることで、強靭な表面強度を持つ壁面Hに仕上げることができる。これにより、一般的な塗装業者が、直接、石膏ボード等に塗って仕上げる、ドライ・ウォール工法の弱点である塗装壁面の「クラック(ヒビ割れ)」を大幅に防止できると同時に、長期的なフリーメンテナンス性に優れた画期的な仕上がりを期待できるようになる。なお、係るドイツのKOBAU社製RS−Papiervlies 130が本発明に係る鹿沼土含有塗り壁材1に適していることは、多くの試験的施工により見出したものである。
粘性再調整工程Fは、前記混合工程Cで得られた塗壁材の粘性を再調整する工程であり、その時々の湿度や気温によって固化までの時間が異なるため、鏝塗りに適した粘性となるように、混合から約24時間、より詳しくは、20時間乃至28時間の経過後に粘性の再調整を行うものである。具体的には固すぎる場合には水30を更に加え、他方、柔らかすぎる場合は更なる時間経過、若しくは混練により粘性の調整を行う。
塗布工程Gは、粘性再調整工程F後に得られた塗壁材を壁Hへ塗布する工程であり、一般的な漆喰と同様に鏝塗りによって壁面Hを仕上げることができる。
壁面Hは、本発明に係る鹿沼土含有塗壁材1が塗布される壁の表面である。
下地紙Kは、ドイツのKOBAU社製RS−Papiervlies 130を用いることが望ましく、また、日本工業規格JIS A 6921;2003「壁紙と仕上げ用壁面塗飾」の検査方法(第6.3.6.段落(デシケータ法))により特定されるホルムアルデヒドの放散上限値が0.2mg/L以下であるF☆☆☆☆品質として定められているものであることが望ましい。そして、ドイツやイギリス製の「塗装下地用壁紙」を下地紙Kとして利用する本発明に係る鹿沼土含有塗壁材の施工方法3では、「フリース素材」という、強い繊維構造を持つ壁紙に十分に本発明に係る塗壁材を染み込ませて、強靭な表面強度を持つ壁面Hに仕上げることが可能となる。即ち、一般的な塗装業者が、直接、石膏ボード等に塗って仕上げる、ドライ・ウォール工法の弱点である、塗装壁面の「クラック(ヒビ割れ)」を大幅に防止できると同時に、長期的なメンテナンス性に優れた画期的な仕上がりが期待できるようになる。
本発明に係る鹿沼土含有塗壁材、製造方法、及び施工方法は、従来、塗壁材としては利用し難かった鹿沼土を利用でき、鹿沼土の調湿機能を発揮させるとともに、付着力、施工性、耐摩耗性を確保しながらカビやダニの抑制、空気清浄、消臭効果を発揮する自然素材のみからなり、合成樹脂を添加しない塗壁材及びその施工方法技術の提供が可能となることから産業上の利用可能性は高いものである。
1 鹿沼土含有塗壁材
2 鹿沼土含有塗壁材の製造方法
3 鹿沼土含有塗壁材の施工方法
10 漆喰混合材
11 消石灰
12 寒水石
13 カラギーナン
14 麻スサ又は紙スサ
20 鹿沼土混合材
21 寒水石
22 鹿沼土
23 黄土
24 メチルセルロース
30 水
A 漆喰混合材配合工程
B 鹿沼土混合材配合工程
B1 粒径調整工程
C 混合工程
D 熟成工程
E 紙貼着工程
F 粘性再調整工程
G 塗布工程
H 壁面
K 下地紙

Claims (6)

  1. 面に貼着された下地紙に塗布する自然素材から構成される塗壁材であって、
    漆喰混合材(10)と、
    鹿沼土混合材(20)と、
    水(30)から成り、
    前記漆喰混合材(10)と前記鹿沼土混合材(20)と前記水(30)のそれぞれの重量比が10.8重量部:7.1重量部:10.0重量部であり、
    前記漆喰混合材(10)を構成する自然素材の配合割合が、消石灰(11)70%、寒水石(12)28%、カラギーナン(13)1.5%、麻スサ又は紙スサ(14)0.5%で構成され、
    前記鹿沼土混合材(20)を構成する自然素材の配合割合が、寒水石(21)86%、鹿沼土(22)13%、メチルセルロース(24)1.0%で構成されることを特徴とする鹿沼土含有塗壁材。
  2. 前記鹿沼土(22)が目開き0.77mmの篩いで篩って得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の鹿沼土含有塗壁材。
  3. 面に貼着された下地紙に塗布する自然素材から構成される塗壁材の製造方法であって、
    漆喰混合材(10)を配合する漆喰混合材配合工程(A)と、
    鹿沼土混合材(20)を配合する鹿沼土混合材配合工程(B)と、
    前記漆喰混合材(10)と前記鹿沼土混合材(20)と水(30)を混合する混合工程(C)と、
    前記混合工程(C)後に16時間から28時間熟成させる熟成工程(D)と、
    前記熟成工程(D)で得られた塗壁材の粘性を再調整する粘性再調整工程(F)と、を含み、
    前記漆喰混合材(10)を構成する自然素材の配合割合を、消石灰(11)70%、寒水石(12)28%、カラギーナン(13)1.5%、麻スサ又は紙スサ(14)0.5%とし、
    前記鹿沼土混合材(20)を構成する自然素材の配合割合を、寒水石(21)86%、鹿沼土(22)13%、メチルセルロース(24)1.0%とし、
    前記漆喰混合材(10)と前記鹿沼土混合材(20)と前記水(30)のそれぞれの重量比を10.8重量部:7.1重量部:10.0重量で混合した後に前記熟成させることを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の製造方法。
  4. 前記鹿沼土混合材配合工程(B)に、前記鹿沼土(22)の粒径を目開き0.77mmの篩いで篩って調整する粒径調整工程を含むことを特徴とする請求項に記載の鹿沼土含有塗壁材の製造方法。
  5. 自然素材から構成される塗壁材の施工方法であって、
    漆喰混合材(10)を配合する漆喰混合材配合工程(A)と、
    鹿沼土混合材(20)を配合する鹿沼土混合材配合工程(B)と、
    前記漆喰混合材(10)と前記鹿沼土混合材(20)と水(30)を混合する混合工程(C)と、
    前記混合工程(C)後に16時間から28時間経過させる熟成工程(D)と、
    壁面(H)に下地紙(K)を貼着させる下地紙貼着工程(E)と、
    前記混合工程(C)で得られた塗壁材の粘性を再調整する粘性再調整工程(F)と、
    前記粘性再調整工程(F)で得られた塗壁材を下地紙(K)に塗布する塗布工程(G)から構成され、
    前記漆喰混合材(10)と前記鹿沼土混合材(20)と前記水(30)のそれぞれの重量比が10.8重量部:7.1重量部:10.0重量部であり、
    前記漆喰混合材(10)を構成する自然素材の配合割合を、消石灰(11)70%、寒水石(12)28%、カラギーナン(13)1.5%、麻スサ又は紙スサ(14)0.5%とし、
    前記鹿沼土混合材(20)を構成する自然素材の配合割合を、寒水石(21)1厘86%、鹿沼土(22)13%、メチルセルロース(24)1.0%とし、
    前記下地紙Kが、自然繊維を複雑に絡めた繊維構造を持つ不織布を利用することを特徴とする鹿沼土含有塗壁材の施工方法。
  6. 前記鹿沼土混合材配合工程(B)に、前記鹿沼土(22)の粒径を目開き0.77mmの篩いで篩って調整する粒径調整工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の鹿沼土含有塗壁材の施工方法。
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