実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材における例えば上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120およびスティックコントローラ122は、選択可能な演出の種類を遊技者が選択するときなどに使用される。
スティックコントローラ122の内部には、トリガボタン121に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ(図1において図示せず)が内蔵されている。プッシュボタン120の設置位置における上皿3の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ(図1において図示せず)が設けられている。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態の遊技機は、2つの特別図柄表示器8a,8bを備えているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
また、遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9は、飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。飾り図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の飾り図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような飾り図柄の組み合わせが停止表示される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として飾り図柄の変動表示が行われるが、演出表示装置9では、例えば、キャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいて報知画像を表示するような演出も実行される。
また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の飾り図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、飾り図柄が揃って停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する入賞球装置が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14は可変入賞球装置による入賞口ではない。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
なお、この実施の形態では、第2始動入賞口14に入った入賞球数すなわち保留記憶数を表示する保留記憶表示器は存在しない。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第1大入賞口)が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞してカウントスイッチ23で検出されると、例えば、15個の賞球が払い出される。また、特別可変入賞球装置20の1回の開放中に許容される入賞数は、例えば、最大10個とされる。
また、演出表示装置9の左部には、モータ24によって駆動される羽根状の可動部材76が設けられている。可動部材76が左に倒れるような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入可能な状態(開放状態)になる。可動部材76が第2大入賞口を塞ぐような位置に制御されると、遊技球が第2大入賞口に進入不可能な状態(閉鎖状態)になる。第2大入賞口に進入した遊技球は、第2入賞スイッチ71で検出される。
なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技中、および確変大当りにもとづく大当り遊技中に、第1大入賞口が開放状態に制御される。また、小当り遊技状態中に、第2大入賞口が開放状態に制御される。
通常大当りは、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に通常状態(非確変状態:通常遊技状態)に移行させる大当りである)。確変大当りは、15ラウンド(各ラウンドの開放可能時間は例えば29秒)の大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)に移行させる大当りである。
小当りは、大当りと比較して大入賞口(第2大入賞口)の開放回数および開放時間が少ない回数(この実施の形態では0.2秒または1.8秒間の開放を3回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、大当りまたは小当り遊技中でないこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、大当りまたは小当り遊技中でないこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始される。しかし、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2始動入賞口14への入賞は無効になる。ただし、賞球払出は行われる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時には変動しない。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品毎に異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および第2入賞口スイッチ71からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および第2大入賞口を形成するための可動部材76を開放状態に制御するモータ24を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器)18aの表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および飾り図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、トリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示用乱数更新処理:ステップS25)。
また、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値(特別図柄変動中処理に対応する値であること)に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種類(大当りの種別)を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、大当り種別決定用乱数が判定用乱数であり、それ以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)である。なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄に関する判定値の割り当てと第2特別図柄に関する判定値の割り当てとは同じであるが、それらを異ならせてもよい。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
図7(B),(C)に示すように、第1特別図柄の変動表示が行われたときに小当りが発生したときには、小当り遊技中に、第2大入賞口は、0.2秒開放する。第2特別図柄の変動表示が行われたときに小当りが発生したときには、小当り遊技中に、第2大入賞口は、1.8秒開放する。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には20分の19の割合で小当りと決定される。従って、この実施の形態では、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が極めて高い。
なお、第2特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第1特別図柄の変動表示を行う場合には小当りに決定しないようにしてもよい。その場合、図7(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。
図8は、ROM54に記憶されている大当り種別決定テーブルを示す説明図である。図8に示す大当り種別決定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を、「通常大当り」、「確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、一例として、通常大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「3」であり、確変大当りになるときには特別図柄の停止図柄は「7」である。すなわち、大当りの種別と特別図柄の停止図柄の種別とは対応している。
図9は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図9において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この実施の形態では、特別図柄の各変動パターンは、リーチとするか否か、およびリーチとする場合のリーチ態様など、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、リーチ演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100が表示制御する演出表示装置9において実行される。
「通常変動A」および「通常変動B」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、単純なリーチ態様を伴う変動パターンである。「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を伴う変動パターンである。
「短縮通常変動(短縮変動)」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであるが、特別遊技状態(確変状態)において使用される変動パターンである。
図10は、変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定テーブルを示す説明図である。変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定用乱数と比較される判定値(変動パターンに対応する)が設定されている。
図10(A)は、大当りとすることに決定されている場合に使用される変動パターン決定テーブル(大当り時変動パターンテーブル)である。
図10(B)は、第1特別図柄の変動(可変表示)が行われるときに、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターン決定テーブル(はずれ時変動パターンテーブル(第1特別図柄用))である。図10(B)に示すように、はずれ時変動パターンテーブル(第1特別図柄用)は、保留記憶数および遊技状態に応じた3種類のテーブルを含む。
具体的には、通常状態で保留記憶数(保留数)が0〜2のときに使用されるテーブルと、通常状態で保留記憶数が3以上のときに使用されるテーブルと、特別遊技状態(確変状態)のときに使用されるテーブルとがある。確変状態では、保留記憶数に関わらず、1種類のテーブルが使用される。
図10(B)に示すように、確変状態では、短縮変動の変動パターンが高い割合で選択されるので、変動時間は、通常状態(非確変状態)であるときに比べて短いといえる。また、保留記憶数が0〜2のときには、通常変動Bの変動パターン(通常変動Aの変動パターンよりも変動時間が長い)が選択されやすく、変動時間は、保留記憶数が3以上のときに比べて、長いといえる。
図10(C)は、第2特別図柄の変動(可変表示)が行われるときに、はずれとすることに決定されている場合に使用される変動パターン決定テーブル(はずれ時変動パターンテーブル(第2特別図柄用))である。
図10(C)に示すように、はずれ時変動パターンテーブル(第2特別図柄用)は、遊技状態に応じた2種類のテーブルを含む。図10(C)に示すように、特別遊技状態(確変状態)では、短縮変動の変動パターンが高い割合で選択されるので、変動時間は、通常状態(非確変状態)であるときに比べて短いといえる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りとしないことに決定された場合(はずれまたは小当りの場合)には、図10(B),(C)に示す変動パターンテーブルを使用するが、第1特別図柄用と第2特別図柄用の各々について、小当りの場合に使用される変動パターンテーブルと、はずれの場合に使用される変動パターンテーブルとを分けてもよい。
小当りの場合に使用される変動パターンテーブルと、はずれの場合に使用される変動パターンテーブルとを分けた場合でも、各々の変動パターンテーブルには、特別遊技状態(確変状態)の変動時間が、通常状態(非確変状態)であるときの変動時間よりも短くなるように、変動パターンに対する判定値が設定される。
また、一例として、第1特別図柄用の変動パターンテーブルを、小当りの場合とはずれの場合とで共通にし、第2特別図柄用の変動パターンテーブルについては、小当りの場合に使用される変動パターンテーブルと、はずれの場合に使用される変動パターンテーブルとを分けるようにしてもよい。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図9に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りまたは小当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A201,A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドもしくは小当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。大当り遊技または小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドと小当り開始指定コマンドとがある。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを示す演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率状態(確変状態)であることを示す演出制御コマンド(高確率状態指定コマンド)である。
なお、通常状態指定コマンドおよび高確率状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶数について、保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドが送信されるが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
また、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図12は、特別図柄の変動(可変表示)および始動口への遊技球の入賞の一例を示す説明図である。
この実施の形態では、通常状態(通常遊技状態)では、第1特別図柄の変動時間は相対的に長く(図10参照)、また、第1始動入賞口13への遊技球の入賞に関する保留記憶はあるが第2始動入賞口14への遊技球の入賞に関して保留記憶はなく、かつ、第1特別図柄と第2特別図柄は同時には変動しない。
よって、図12に示すように、遊技状態が通常状態であるときには、第1特別図柄の変動が連続的に実行される可能性が高い。そして、第1特別図柄の変動が実行されているときには、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が無効になる。すなわち、第2始動入賞口14への遊技球の入賞は、第2特別図柄の変動の実行条件を成立させない。すなわち、第2特別図柄の変動が開始されない可能性が高い。
図7(B)に示すように、通常状態(通常遊技状態)では、第1特別図柄の変動が行われるときに極めて低い割合でしか小当りが発生しないので、通常状態では小当り遊技状態に移行する可能性を低くすることができ、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。
遊技状態が確変状態であるときには、特別図柄の変動時間が相対的に短いので、保留記憶数が増加しないうちに(例えば、0から1にならないうちに)、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が生ずる可能性がある。そして、その入賞が第2特別図柄の変動の実行条件を成立させる有効始動入賞になる可能性が、通常状態である場合に比べて高い。
図7(C)に示すように、確変状態では、第2特別図柄の変動が行われるときに、極めて高い割合で小当りが発生する。なお、図12には示されていないが、第2特別図柄の変動と次回の第2特別図柄の変動との間に、小当り遊技が実行されている。
つまり、確変状態では、小当りが連続的に発生する可能性が高く、遊技者は、連続する小当り遊技によって多数の賞球を獲得することができる。
図13は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS321)。また、特別図柄プロセスフラグの値に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄の表示結果が導出表示された後、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口(第1大入賞口)を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口(第2大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、モータ24を駆動して、大入賞口(第2大入賞口)を形成する可動部材76を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、ステップS321の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214)。ステップS214の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)、およびソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)や変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
保留記憶バッファには、保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。RAMに形成されているとは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、CPU56は、保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS215)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
図15および図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS50)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS51)。第2始動口スイッチ14aがオンした場合には、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS52)。そして、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)、およびソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)や変動パターン決定用乱数(ランダム2)を抽出した後(ステップS53)、ステップS61に移行する。
第2始動口スイッチ14aがオンしていない場合には、CPU56は、確変状態でなければ(ステップS59)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS60)、処理を終了する。
なお、CPU56は、ステップS60の処理で、保留記憶数が0になってから所定時間(例えば、1分)が経過したことを条件に、客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。そのような制御を実現するために、例えば、CPU56は、保留記憶数の値が0になったときに所定のタイマをスタートし、保留記憶数の値が1に変化した場合にはタイマを停止するが、タイマが停止せずタイマの値が所定値になったときに客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う。
また、ステップS60の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動(可変表示)が連続的に実行される状況では、客待ちデモ指定コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されない。
また、CPU56は、保留記憶数が0であるときに、第2始動口スイッチ14aがオンしていないことを検出した時点から、ある程度の時間が経過してから客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行う制御を行うようにしてもよい。
ステップS59,S60の処理によって、第1始動口13および第2始動口への遊技媒体の入賞が所定時間ないときに客待ちデモンストレーション演出が実行されることになるが、確変状態であるときには、客待ちデモンストレーション演出は実行されない。ただし、確変状態でも、低い割合で、客待ちデモンストレーション演出を実行するようにしてもよい。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS51,S53,S54の処理が実行されることによって、第2特別図柄の変動表示に対して、第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。つまり、第1特別図柄の変動表示を開始させるための条件が第2特別図柄の変動表示を開始させるための開始条件に優先して成立するように制御される。
通常状態では、なるべく小当りを発生させないようにする(すなわち、第2特別図柄の変動を開始させないようにする)ために、そのような制御を行うことが好ましいが、確変状態では、なるべく第1特別図柄の変動を開始させないようにするために、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示を優先して実行することが好ましい。
確変状態において第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにするには、確変状態では、ステップS50の処理の前に、ステップS51の処理を実行ればよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。
そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。
すなわち、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄保留記憶表示器18aの点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS58)。
次に、CPU56は、ランダムR(大当り判定用乱数)の値にもとづいて、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図6参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。なお、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」が設定されている場合には、始動口スイッチ通過処理のステップS214の処理で抽出し保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。特別図柄ポインタに「第2」が設定されている場合には、ステップS53の処理で読み出した大当り判定用乱数を用いて大当り判定を行う。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS65に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当り判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。ランダムRの値が小当り判定値に一致しない場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS73に移行する。なお、ステップS62の処理では、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。
そして、大当り判定用乱数の値がいずれかの小当り判定値に一致する場合には(ステップS62)、すなわち、小当りとすることに決定した場合には、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS73に移行する。
ステップS65では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、大当り種別決定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別決定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS66)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS67)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS73)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄である「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS74)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、大当り時変動パターン決定テーブル(図10(A)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS101に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、はずれ時変動パターン決定テーブル(図10(B),(C)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS101に移行する。
なお、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、遊技状態(通常状態、確変状態)および保留記憶数に応じて、図10(B)に示すテーブルのうちのいずれかを選択する。特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、遊技状態(通常状態、確変状態)に応じて、図10(C)に示すテーブルのうちのいずれかを選択する。
ステップS101では、CPU56は、ランダム2(変動パターン決定用乱数)の値と、ステップS92,S93の処理で選択した変動パターンテーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS102)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS104)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS105)。
図18は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果4指定のいずれかの表示結果指定コマンド(図11参照)を送信する制御を行う。
CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じた表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンドのいずれか)を送信する制御を行う(ステップSS112)。そして、ステップS116に移行する。
ステップS113では、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。小当りフラグもセットされていないときは、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。そして、ステップS116に移行する。
ステップS116では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の停止時柄を導出表示し(ステップS127)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)によって判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15)をセットする(ステップS135)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。また、大入賞口制御タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、開放回数カウンタに開放回数(具体的には、3回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
ステップS146では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS67の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS167)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(通常状態指定コマンドまたは高確率状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS171)。ステップS171では、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、高確率状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、通常状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS172)。
図22は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS186)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU101は、演出制御で使用する乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S706の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図11参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
図24〜図26は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に、デモンストレーション画面を表示する(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド)であれば(ステップS630)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS631)。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS632)、演出制御用CPU101は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS633)。
また、演出制御用CPU101は、累積回数カウンタの値を+1する(ステップS634)。累積回数カウンタは、背景画像の種類を切り替えるために使用される。また、累積回数カウンタは、例えば、第1特別図柄の変動が終了した後、所定時間が経過したときに0に初期化される。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放中指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口開放後指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(大当り終了1指定コマンドまたは大当り終了2指定コマンド)であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)をセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが遊技状態指定コマンド(通常状態指定コマンドまたは高確率状態指定コマンド:図11参照)であれば(ステップS670)、演出制御用CPU101は、確変フラグをセットまたはリセットする(ステップS671)。ステップS671では、演出制御用CPU101は、通常状態指定コマンドを受信した場合には確変フラグをリセットし、高確率状態指定コマンドを受信した場合には確変フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS672)。そして、ステップS611に移行する。
図27は、図23に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、所定演出制御処理(ステップS810)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、ステップS800〜S807の各々の処理の結果を直ちに反映できるようにするために、所定演出制御処理(ステップS810)をステップS800〜S807の各々の処理において(ステップS800〜S807の各々の処理を実行した直後に)実行するようにしてもよい。
また、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信する時点で、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り/小当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生(または、小当りの発生)を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り/小当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態(または、小当り遊技状態)が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28は、所定演出制御処理(ステップS810)を示すフローチャートである。所定演出制御処理は、特別図柄の変動の回数が所定回(この実施の形態では、30回)になる毎に、演出内容を切り替える処理である。所定演出は、複数回の第1特別図柄の変動(可変表示)に亘って実行される一連の演出である。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動(可変表示)が連続的に実行される状況では、客待ちデモ指定コマンドを送信しないので、一連の演出は、客待ちデモンストレーション演出に代えて実行される演出である。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、一連の演出が実行される期間では、客待ちデモ指定コマンドを送信しないようにする。
所定演出制御処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドを受信したか否か、すなわち、新たな変動が開始されたか否か確認する(ステップS731)。変動パターンコマンドを受信した場合には、第1特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS732)。第1特別図柄の変動中である場合には、累積回数カウンタ(変動回数の累積値)が30の倍数になっているか否か確認する(ステップS733)。30の倍数になっている場合には、演出表示装置9の表示画面における背景を切り替える(ステップS734)。
なお、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1図柄変動指定コマンド(図11参照)を受信したことを示すフラグがセットされているか否かによって確認できる。
また、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態であることを条件に、ステップS731〜S734の処理を実行するようにしてもよい。
図29は、所定演出(一連の演出)としての背景(背景画像)の一例(背景画像1)を示す説明図である。図30は、背景画像の他の例(背景画像2)を示す説明図である。
背景画像は、特別図柄の背面に表示される地の画像であり、飾り図柄(特別図柄に対応して表示される図柄)およびキャラクタとは異なる画像である。この実施の形態では、一定期間(例えば、60秒)で再生される動画像が、複数回の可変表示に亘って、繰り返し、背景画像として演出表示装置9に表示される。図29に示す例では、(A)〜(E)の画像が繰り返し演出表示装置9に表示される。すなわち、風景が横方向にスクロールしていく様子が表示される。また、図30に示す例では、(A)〜(E)の画像が繰り返し演出表示装置9に表示される。なわち、風景が横方向にスクロールしていく様子が表示される。
なお、図29および図30には、2種類の背景画像が例示されているが、使用される背景画像は、3種類以上であってもよい。
図31は、図27に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図32は、図27に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した変動パターンコマンド)を読み出す(ステップS820)。また、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)を読み出す(ステップS821)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドと表示結果指定コマンドとにもとづいて、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。そして、決定された飾り図柄の表示結果を、RAMに形成されている飾り図柄表示結果格納領域に格納する(ステップS824)。
なお、ステップS823では、演出制御用CPU101は、例えば、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、停止図柄として偶数の3図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)には、停止図柄として、奇数図柄が揃った飾り図柄の組合せを決定する。
受信した表示結果指定コマンドが小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としてチャンス目である「135」の組合せを決定する。
はずれの場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブル(図33参照)を選択する(ステップS831)。次いで、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS833)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS834)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS835)。
なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の飾り図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって飾り図柄の変動が実現される。
また、演出制御用CPU101は、画像データをVRAMの所定領域に書き込む場合に、実際には、例えば、Vブランク割込にもとづくVブランク割込処理で画像データをVRAMに書き込む制御を行う。従って、演出制御用CPU101は、RAMの所定領域にVRAMに書き込むデータを一時保存し、Vブランク割込処理でRAMの所定領域のデータをVRAMに書き込む制御を行う。Vブランク割込は、演出表示装置9に供給される垂直同期信号の周期と同周期でVDP109が発生する割込である。例えば、演出表示装置9の画面変更周波数(フレーム周波数)が30Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は33.3msであり、フレーム周波数が60Hzである場合にはVブランク割込の発生周期は16.7msである。この例では、Vブランク割込処理でVRAMにデータを書き込むが、他の処理において、VRAMにデータを書き込むようにしてもよい。他の処理は、例えば、演出制御用が内蔵するタイマにもとづくタイマ割込や、飾り図柄変動中処理である。なお、他の処理においてVRAMにデータを書き込む処理を実行する場合には、例えば定期的に、実行周期とVブランク割込の周期との同期を取るための処理を実行することが好ましい。
その後、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS836)。
図33は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図33に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。また、大当りの報知に関する演出や大当り遊技中の演出を実行するためのプロセステーブルも用意されている。
なお、この実施の形態では、飾り図柄の変動に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されていない。飾り図柄の変動自体は、演出制御用CPU101によって、プロセステーブルを使用せずに直接制御される。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
図34は、図27に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU101は、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の飾り図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、飾り図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値(例えば、30msに相当する値)を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、演出制御用CPU101は、ステップS863の処理を実行する。
図35は、図27に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされていたら確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS8300)。また、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って演出表示装置9において停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS8301)。
次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS8302)。大当りまたは小当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りにすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8311に移行する。
大当りにすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りの開始を報知する演出(ファンファーレ演出)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8304)。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8305)。また、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8306)。
その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り/小当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8307)。
ステップS8311では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する。
演出制御用CPU101は、ステップS8304の処理で、カットイン演出に応じたプロセステーブルを選択するようにしてもよい。カットイン演出は、一連のシーンの中に別のシーンを挿入する演出である。
この実施の形態では、第1特別図柄の変動中である場合には所定演出(一連の演出)としての背景画像(図29および図30参照)が演出表示装置9に表示されている。そのような状態において、演出制御用CPU101は、カットイン演出に応じたプロセステーブルを選択する。カットイン演出によって、遊技者に小当りの発生を報知することができるので、一連の演出が実行されているときの遊技の興趣をさらに高めることができる。
図36は、演出制御プロセス処理における大当り/小当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り/小当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、ステップS866に移行する。
大入賞口開放中指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS862)、プロセスタイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS863)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、演出制御用CPU101は、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS864)。また、その次に設定されている内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS865)。
ステップS866では、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中指定コマンド受信フラグをリセットし、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS867)。
図37は、演出制御プロセス処理における大当り/小当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り/小当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り/小当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS891に移行する。大当り/小当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)または小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。セットされている場合には、当該フラグをリセットする(ステップS882)。
また、演出制御用CPU101は、第1特別図柄の変動が終了した場合であって、背景画像が所定演出(一連の演出)の画像でないときには、演出表示装置9の表示画面の表示される背景画像を、所定演出に応じた背景画像にする(ステップS883)。
なお、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態であることを条件に、ステップS883の処理を実行するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、一例として、保留記憶数が0になってから所定時間(例えば、1分)が経過したことを条件に、一連の演出を終了する。
そして、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマに大当り/小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS884)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)または小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS885)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面または小当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS891では、大当り/小当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り/小当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り/小当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS892)。経過していなければ処理を終了する。
大当り/小当り終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS893)。
以上に説明したように、この実施の形態では、特別遊技状態(確変状態)では、第1特別図柄の変動時間を通常状態よりも短い短縮変動時間に決定することにより小当りが発生しやすい状態に制御する。そのように、遊技状態に応じて小当りが発生しやすい状態とそうでない状態とに制御できるので、小当りを用いた遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、確変状態では、小当りが連続的に発生する可能性が高く、遊技者は、連続する小当り遊技によって多数の賞球を獲得することができる。また、通常状態(通常遊技状態)では、第1特別図柄の変動が行われるときに極めて低い割合でしか小当りが発生しないか、もしくは全く発生しないので、通常状態では小当り遊技状態に移行する可能性を低くすることができ、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。また、第1特別図柄の変動が行われるときに小当りが発生しても第2大入賞口の開放時間は極めて短いので(図7(B)参照)、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。
例えば、特別図柄を可変表示する2つの可変表示部を備え、第1始動入賞口と第2始動入賞口とが設けられた遊技機において、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて開始される第2特別図柄の表示結果が所定表示結果になる確率が極めて高くするとともに、特別遊技状態(例えば、確変状態)では第2特別図柄の変動時間が短くなるように構成することが考えられる。そのように構成すれば、特別遊技状態では、所定の期間内で小当りが連続して発生する可能性が高く、連続する小当り遊技状態によって遊技者は多数の賞球を獲得できる。
しかし、上記のように構成された遊技機で遊技を行う遊技者は、第2始動入賞口への遊技球の入賞を狙う遊技を行うことによって多数の賞球を得ようとする。よって、遊技店が不利益を被る可能性が高くなる。そこで、上記のように構成された遊技機において、通常遊技状態(例えば、非確変状態)では第2特別図柄の変動時間を長く設定することが考えられる。しかし、そのように構成してしまうと、今度は逆に、通常遊技状態では、第2始動入賞口に遊技球が入賞しても第2特別図柄の変動が開始されてから終了するまでの時間が長くなるので、所定の期間内で小当りの発生頻度が低くなる。よって、第2始動入賞口への遊技球の入賞を狙う遊技を行う意欲が低下する。
また、上記のように第2特別図柄の変動時間を短く設定すれば、ある程度は遊技店の不利益防止対策を期待できるものの、状況によっては遊技店の不利益防止にさほど寄与しない場合がある。すなわち、上記のように構成された遊技機では、そのままの構成では、第1特別図柄の変動が行われているときでも、第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞を保留記憶として記憶する。すると、第1特別図柄の変動が終了すると、保留記憶にもとづいて第2特別図柄の変動を開始可能になる。遊技状態が通常状態であれば第2特別図柄の変動時間は長いが、小当りとする確率は極めて高いので、やはり、小当りが発生する。よって、遊技店が被る不利益はさほど低減しない可能性がある。
これに対して、この実施の形態では、通常状態(通常遊技状態)では、第1特別図柄の変動が行われるときに極めて低い割合でしか小当りが発生しないか、もしくは全く発生しないので、通常状態では小当り遊技状態に移行する可能性を低くすることができ、また、第1特別図柄の変動が行われるときに小当りが発生しても第2大入賞口の開放時間は極めて短いので、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、連続する小当り遊技によって遊技者が多数の賞球を獲得することができるとともに、遊技店が不利益を被らないようにすることができるが、小当り遊技を連続して発生させることを目的として、遊技者が、第2始動口14を狙って遊技球を発射することがある。図1に示すように第1始動口13と第2始動口14とは近接して設けられているので、第2始動口14を狙っても第1始動口13に遊技球が入賞してしまうことがあるが、それでも、やはり、遊技者は、第2始動口14への入賞を狙った遊技を行いがちである。
そこで、第2の実施形態では、開閉可能な可変入賞球装置で第2始動口14を形成することによって、小当りの発生を目的とする第2始動口14への入賞を狙った遊技を防止する。
図38は、第2の実施の形態のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。第2の実施の形態では、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方に、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、確変状態でも、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められることはない。また、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められることもない。
図39は、第2の実施の形態における主基板(遊技制御基板)31の回路構成の一例を示すブロック図である。第2の実施の形態では、ゲートスイッチ32aの検出信号も遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび特別図柄保留記憶表示器18aに加えて、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
図40は、第2の実施の形態におけるタイマ割込処理(遊技制御処理を含む。)を示すフローチャートである。第2の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、遊技制御処理において、ステップS24の初期値用乱数更新処理、ステップS27の普通図柄プロセス処理およびステップS33の普通図柄表示制御処理も実行する。
初期値用乱数更新処理は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数は、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。なお、第2の実施の形態では、CPU56は、メイン処理でも、初期値用乱数更新処理を実行する。
普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
普通図柄表示制御処理は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理である。
図41は、第2の実施の形態で用いられる各乱数を示す説明図である。第2の実施の形態では、ランダム1およびランダム2に加えて、以下のような乱数が使用される。
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム4の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図42は、第2の実施の形態における特別図柄の変動(可変表示)および始動口への遊技球の入賞の一例を示す説明図である。
図42に示すように、遊技状態が通常状態であるときには、第1特別図柄の変動が連続的に実行される可能性が高い。なぜなら、第1特別図柄の変動が実行されているときに、遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて普通図柄の変動(可変表示)が実行され、普通図柄の表示結果が当り図柄であって第2始動口14を形成する可変入賞球装置15が開放状態に制御されたとしても、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が無効になる可能性が高いからである。すなわち、通常状態では第1特別図柄の変動時間(可変表示時間)は長く、また、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は短く、かつ、可変入賞球装置15の開放時間は短いからである(図42における[通常状態]の記載参照)。なお、この実施の形態では、図38に示すように、ゲート32は、第1始動口13の直上に設けられているので、ゲート32を通過した遊技球は、ほぼ確実に第1始動口13に入賞する。すなわち、保留記憶数が0でない状態が継続しやすいので、第1特別図柄の変動が連続的に実行される可能性がより高い。また、普通図柄に関するゲート通過の保留記憶がない場合には、より効果的である。
よって、遊技者が第2始動口14への入賞を狙った遊技を行っても、第2特別図柄の変動を開始させることができず、小当りを発生させることは困難である。つまり、遊技点の利益が不当に(「遊技者の技量に起因して」という意味)損なわれることはない。
遊技状態が確変状態であるときには、特別図柄の変動時間が普通図柄の変動時間に対して短いので(図42における[確変状態]の記載参照)、保留記憶数が増加しないうちに(例えば、0から1にならないうちに)、普通図柄の変動(可変表示)が実行され、普通図柄の表示結果が当り図柄であって第2始動口14を形成する可変入賞球装置15が開放状態に制御された後、第2始動入賞口14への遊技球の入賞が生ずる可能性がある。そして、その入賞が第2特別図柄の変動の実行条件を成立させる有効始動入賞になる可能性が、通常状態である場合に比べて高い。
なお、図42における[確変状態]の記載では、第1特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とはさほどの差がないが、実際には、大きな差があることが好ましい。つまり、第1始動口13に遊技球が連続的に入賞して保留記憶数が増加したことによって第1特別図柄の変動が連続したとしても、普通図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間に対して数倍程度長い場合には、普通図柄の変動が終了するまでに保留記憶数が0になり、第1特別図柄の変動が開始されない状態になる。
つまり、第1の実施の形態の場合と同様に、確変状態では、小当りが連続的に発生する可能性が高く、遊技者は、連続する小当り遊技によって多数の賞球を獲得することができる。
図43は、普通図柄プロセス処理(ステップS27)を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート32がオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS411)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS412)を実行する。その後、ステップS400〜S404のいずれかの処理を実行する。
ステップS400〜S404の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS400):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS401):普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS402)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS402):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止時処理(ステップS403)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止時処理(ステップS403):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、可変入賞球装置(普通電動役物)15を開放状態にする。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS404)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS404):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖状態にして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS400)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図44は、普通図柄の当りに関する判定値が設定された普通図柄当り決定テーブルの一例を示す説明図である。図44には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数がとりうる範囲は1〜250であるが、普通図柄当り決定テーブルには、普通図柄当り判定用乱数値と比較される判定値が設定されている。
図44に示すように、この実施の形態では、25/250の確率で当りと判定される。当りと判定された場合には、可変入賞球装置15が1回開放(開放時間は1.8秒)する。開放時間は、1.8秒と短い。なお、普通図柄の変動時間(可変表示時間)は、1.5秒と短い。
以上のように、第2の実施の形態では、確変状態では、小当りが連続的に発生する可能性が高く、遊技者は、連続する小当り遊技によって多数の賞球を獲得することができる。また、通常状態(通常遊技状態)では、第1特別図柄の変動が行われるときに極めて低い割合でしか小当りが発生しないか、もしくは全く発生しないので、通常状態では小当り遊技状態に移行する可能性を低くすることができ、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。さらに、遊技者が小当りを発生させることを目的として遊技球を第2始動口14に入賞させても、通常状態では第2特別図柄の変動が実行されにくいので(図42参照)、遊技店が不利益を被らないようにすることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時変動されないように構成し、通常状態では第1特別図柄の変動表示が途切れないようにするとともに、特別遊技状態(確変状態)では短縮変動することにより第1特別図柄の変動表示を途切れさせるようにして、第2特別図柄の変動表示が実行される頻度を高め小当りの頻度を高める場合を示したが、特別遊技状態(確変状態)で小当りの頻度を高める方法は、第1の実施の形態で示した制御方法にかぎられない。例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動可能に構成し、通常状態では第2特別図柄の変動表示の変動時間を極端に長くする(例えば、30分)ことにより小当りの頻度を抑え、特別遊技状態(確変状態)では短い変動時間に戻すことにより第2特別図柄の表示結果が導出表示される頻度を高めて小当りの頻度を高めるようにしてもよい。以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動可能に構成し、通常状態では第2特別図柄の変動表示の変動時間を極端に長くする第3の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図45は、第3の実施の形態のパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図45に示すように、この実施の形態では、第2始動入賞口14が第1始動入賞口13の下方ではなく、演出表示装置9の右方に設けられている点で、第1の実施の形態と異なっている。また、図45に示すように、この実施の形態では、遊技領域7の右下方に小当り用の特別可変入賞球装置90が設けられている点で、第1の実施の形態と異なっている。また、図45に示すように、この実施の形態では、可動部材76やモータ24、第2入賞スイッチ71が設けられていない点で、第1の実施の形態と異なっている。なお、この実施の形態では、第2大入賞口は、小当り用の特別可変入賞球装置90によって形成される。なお、小当り用の特別可変入賞球装置を備えずに、特別可変入賞球装置を1つのみ備えるように構成してもよい。
小当り用の特別可変入賞球装置90は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態においてソレノイド91によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口(第2大入賞口)が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ93で検出される。
なお、特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞した場合と小当り用の特別可変入賞球装置90に遊技球が入賞した場合とで賞球数を異ならせてもよい。例えば、小当り用の特別可変入賞球装置90に遊技球が入賞した場合には、特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞した場合よりも多くの賞球を払い出すように構成してもよい。また、特別可変入賞球装置20と小当り用の特別可変入賞球装置90とで1回の開放中に許容される入賞数を異ならせてもよい。例えば、小当り用の特別可変入賞球装置90の1回の開放中に許容される入賞数を、特別可変入賞球装置20の1回の開放中に許容される入賞数よりも多くしてもよい。そのように構成すれば、小当り遊技が行われる場合のゲーム性をさらに高めることができる。
また、図45に示すように、小当り用の特別可変入賞球装置90の左方には、仕切用の部材94が設けられており、遊技領域7の右方に発射された遊技球が第1始動入賞口13や特別可変入賞球装置20に入賞しないように遮蔽している。
この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率状態)である場合には、第2特別図柄の変動表示の変動時間が極端に長く(本例では、1800秒(30分))、殆ど第2特別図柄の変動表示結果が導出表示されない。そのため、遊技者は、通常状態である場合には、遊技領域7の左方を狙って遊技球を発射操作することにより第1始動入賞口13への入賞を狙って遊技を行う。従って、通常状態であるときには、遊技領域7の右方に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞することは稀であり、第2特別図柄の変動表示が実行されることは殆どなく、第1特別図柄の変動表示が実行されるのが通常である。
なお、通常状態であるときに、遊技者が敢えて遊技領域7の右方に遊技球を発射操作し第2始動入賞口14に遊技球を入賞させても、第2特別図柄表示器8bでは殆ど長期変動の第2特別図柄の変動表示が実行されるのであるから、単位時間あたりの変動回数が少なくなり、小当りの発生頻度も少なく、遊技領域7の右方を狙って発射する利益は少ない。
次いで、第1特別図柄の変動表示結果が大当りとなり、大当り遊技状態に制御されても、遊技者は、遊技領域7の左方を狙って遊技球を発射操作することにより特別可変入賞球装置20への入賞を狙って遊技を行う。
次いで、大当り遊技状態を終了すると、その終了した大当り遊技が確変大当りにもとづくものであった場合には、大当り遊技終了後に確変状態に制御される。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に制御されると、通常状態の場合と比較して、第2特別図柄の変動時間が短くなり(本例では、20秒〜30秒)、第2特別図柄の変動表示結果が導出されて小当りが発生する頻度が高まる。そのため、遊技者は、確変状態に制御されると、遊技領域7の右方を狙って遊技球を発射操作することにより、第2始動入賞口14に入賞させて小当りを発生させることを狙って遊技を行う。また、小当り遊技が発生した場合にも、遊技者は、遊技領域7の右方を狙って遊技球を発射操作することにより、遊技領域7の右方に設けられた小当り用の特別可変入賞球装置90への入賞を狙って遊技を行う。
なお、遊技領域7の右方を狙って遊技球を発射操作している間は、第2始動入賞口14および小当り用の特別可変入賞球装置90には遊技球が入賞可能であるが、仕切り用の部材94により、第1始動入賞口13や特別可変入賞球装置20には入賞不能である。
なお、仕切り用の部材94を設けずに、左方に発射した遊技球が右方の小当り用の特別可変入賞球装置90に入賞可能とするとともに、右方に発射した遊技球が左方の特別可変入賞球装置20に入賞可能としてもよい。また、仕切り用の部材94を設けないことによって、左方に発射した遊技球が右方の小当り用の特別可変入賞球装置90に入賞可能とするか、右方に発射した遊技球が左方の特別可変入賞球装置20に入賞可能とするかいずれか一方のみ可能となるようにしてもよい。
図46は、第3の実施の形態における4msタイマ割込処理を示すフローチャートである。第1の実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを共通の特別図柄プロセス処理(ステップS26参照)で制御していたが、図46に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)と第2特別プロセス処理(ステップS26B)とを別々の処理として実行し、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能である。
第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
図47は、第3の実施の形態における変動パターンの一例を示す説明図である。図47に示すように、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した短縮通常変動(短期変動)の変動パターン5に代えて、所定の変動時間(通常用いられる変動パターン1〜4のような15秒〜30秒の変動時間)よりも長い1800秒(30分)の変動時間の長期通常変動(長期変動)の変動パターン5Aが用いられる。
図48は、第3の実施の形態における変動パターンテーブルを示す説明図である。図48(B)に示すように、この実施の形態では、はずれ時変動パターンテーブル(第1特別図柄用)は、遊技状態が通常状態であるか確変状態であるかにかかわらず、保留記憶数に応じた2種類のテーブルを含む。なお、図48(B)に示すはずれ時変動パターンテーブル(第1特別図柄用)は、第1特別図柄の変動表示結果がはずれとなるときに加えて小当りとなる場合にも用いられる変動パターンテーブルである。
また、図48(C)に示すように、はずれ時変動パターンテーブル(第2特別図柄用)は、遊技状態に応じた2種類のテーブルを含む。なお、図48(C)に示すはずれ時変動パターンテーブル(第2特別図柄用)は、第2特別図柄の変動表示結果がはずれとなるときに加えて小当りとなる場合にも用いられる変動パターンテーブルである。図48(C)に示すように、通常状態では、長期変動の変動パターン5Aが高い割合で選択される。そのため、この実施の形態では、通常状態では、第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2特別図柄の変動表示が実行されても長期間(本例では、30分)にわたって変動時間が行われる割合が高いので、第2特別図柄の変動表示結果が導出表示される頻度が低く、小当りの発生頻度が低くなっている。一方で、特別遊技状態(確変状態)では、通常変動B、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動パターンが選択されるので、第2特別図柄の変動表示の変動時間は20秒〜30秒であり、第2特別図柄の変動表示結果が導出表示される頻度が高まり、小当りの発生頻度も高まる。
なお、図48(C)に示す例では、通常状態であるときに選択される長期変動の変動パターンが1種類である場合を示しているが、長期変動の変動パターンとして複数の変動パターンを選択可能とすることが望ましい。そのように、長期変動の変動パターンが複数設けられるようにすれば、小当り変動の停止タイミングを遊技者に分かりにくくすることができ、小当りでの大入賞口開放を狙って遊技球を入賞させることを難しくすることができる。
また、この実施の形態では、通常状態であっても、第2特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなる場合には、長期変動の変動パターンを決定することなく、図48(A)に示す大当り用の変動パターンテーブルを用いて25秒〜30秒の変動パターンが決定される。例えば、大当りとなる場合にも通常状態であれば第2特別図柄の変動パターンを長期変動として決定するように構成した場合には、第2特別図柄の変動表示が終了するまでは連続大当りや同時大当りとなることを防止するために、第1特別図柄の変動表示を強制的にはずれとするように構成することが考えられる。しかし、そのように構成すると、強制はずれとなる無駄な変動表示が行われることにより遊技者にとって不利益となるとともに、遊技機の稼働率も低下し遊技店にとっても不利益となってしまう。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が大当りとなる場合には長期変動の変動パターンを決定しないようにして、そのような不利益が生じないようにしている。
図49は、第3の実施の形態における第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。なお、第1特別図柄プロセス処理において、始動口スイッチ通過処理(ステップS321)は、第1の実施の形態と同様である。
ステップS321の始動口スイッチ通過処理を実行すると、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314)、すなわち第2特別図柄の変動表示結果にもとづく大当り遊技または小当り遊技中であれば、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300A〜S310Aのうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜10)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。
また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信した後であるか否かを確認する。第1中断指定コマンドを送信した後である場合には(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)、第1再開指定コマンドを送信して(ステップS318)、ステップS300A〜S310Aのうちのいずれかの処理を行う。
ステップS314〜S318の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示にもとづく大当り遊技中や小当り遊技中となった場合には、その実行中の第1特別図柄の変動表示を中断する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1特別図柄の変動表示に応じた飾り図柄の変動表示を中断する。なお、第1特別図柄の変動表示を中断するのではなく、そのまま強制的に第1特別図柄をはずれ図柄で停止表示するようにしてもよい。そして、その場合、大当り遊技や小当り遊技が終了するまで新たな第1特別図柄の変動表示を開始しないように構成ししてもよい。そのように構成すれば、ステップS317,S318の処理は不要となる。
図50は、第3の実施の形態における第1特別図柄通常処理(ステップS300A)を示すフローチャートである。図50に示すように、第1特別図柄通常処理では、図15で示した特別図柄通常処理のステップS51〜S53の処理を含まない点で、第1の実施の形態と異なる。なお、ステップS50A,S55A〜S74Aの処理は、第1の実施の形態で示した特別図柄通常処理における「大当りフラグ」や「小当りフラグ」、「特別図柄」などをそれぞれ「第1大当りフラグ」や「第1小当りフラグ」、「第1特別図柄」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示したステップS50,S55〜S74の処理と同様である。
なお、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS301A)〜第1小当り終了処理(ステップS310A)の処理は、第1の実施の形態で示した「大当りフラグ」や「小当りフラグ」、「特別図柄」、「変動時間タイマ」などをそれぞれ「第1大当りフラグ」や「第1小当りフラグ」、「第1特別図柄」、「第1変動時間タイマ」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示した変動パターン設定処理(ステップS301)〜小当り終了処理(ステップS310)の処理と同様である。
図51は、第3の実施の形態における第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300B〜S310Bのうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第2保留記憶を記憶しないように構成しているので、図51に示すように、第2特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄プロセス処理のような始動口スイッチ通過処理(ステップS321参照)は含まれない。
図52は、第3の実施の形態における第2特別図柄通常処理(ステップS300B)を示すフローチャートである。図52に示すように、第2特別図柄通常処理では、CPU56は、まず、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS50B)。第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値であれば(すなわち、第1特別図柄の変動表示結果にもとづく大当り遊技または小当り遊技中であれば)、そのまま第2特別図柄通常処理を終了し、第2特別図柄の変動表示を開始しないように制御する。第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値でなければ(すなわち、第1特別図柄の変動表示結果にもとづく大当り遊技中でも小当り遊技中でもなければ)、ステップS51Bに移行する。
その他、図52に示すように、第2特別図柄通常処理では、図15で示した特別図柄通常処理のステップS54〜S58の処理を含まない点で、第1の実施の形態と異なる。なお、ステップS51B〜S53B,S61B〜S74Bの処理は、第1の実施の形態で示した特別図柄通常処理における「大当りフラグ」や「小当りフラグ」、「特別図柄」などをそれぞれ「第2大当りフラグ」や「第2小当りフラグ」、「第2特別図柄」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示したステップS51〜S53,S61〜S74の処理と同様である。
なお、図52に示すように、この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第2始動入賞口14への始動入賞に対して保留記憶を記憶しないように構成している。例えば、第2始動入賞口14への始動入賞に対して直ちに第2特別図柄の変動表示を開始できない場合に第2保留記憶として記憶するように構成してしまうと、確変状態から通常状態に移行した場合に第2保留記憶がある場合には、その第2保留記憶の中に大当りや小当りとなるものが存在することが期待されるものの、長期変動が行われるために全ての第2保留記憶が消化されるまでに相当な長い時間がかかることになる。特に、確変状態から通常状態に移行した場合に4つ目の第2保留記憶が大当りとなるものであった場合には、大当りが発生するまでに長期変動の第2特別図柄の変動表示が3変動も実行されることになり、大当りが発生するまでの期間が相当に冗長なものになってしまう。そのため、遊技者が遊技を途中で止めたくても変動表示結果を全て見るまで遊技機から離れられないという不都合が生じるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2始動入賞口14への始動入賞に対しては保留記憶を記憶しないように構成しているので、大当り終了時に発射操作を止めれば第2特別図柄の変動が行われることは殆どなく、そのような不都合が生じるおそれはない。また、仮に大当り終了時に偶然に第2始動入賞口14に入賞して第2特別図柄の変動が始まってしまっても、保留記憶がなければ1変動しか実行されないので、変動時間の長さを見れば大当りか否かは認識することができ、遊技者は容易にその遊技に見切りをつけるか否かを判断することができる。
また、この実施の形態では、第2保留記憶を記憶しないように構成することによって、遊技者が大当りの発生で確変状態が終了したことに気づかず、そのまま遊技領域7の右方を狙って発射操作を続けてしまった場合であっても、必要以上に第2特別図柄の変動表示が実行されることを防止することができる。また、この実施の形態では、大当り遊技中は遊技領域7の左方を狙って発射操作させるように構成されているので、大当り遊技中に不必要に第2特別図柄の変動表示が実行されることを防止することができる。さらに、確変状態が終了したことにより遊技を終了したい場合にも、必要以上に第2特別図柄の変動表示が行われることがないので、遊技者は遊技を終了しやすい。
なお、この実施の形態では、大当り遊技中に遊技領域7の左方を狙って発射操作させるように構成する場合を示しているが、必ずしもそのように構成する必要はなく、大当り遊技中も遊技領域7の右方を狙って発射操作させるように構成するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2保留記憶を記憶しないように構成する場合を示したが、第2保留記憶を記憶するように構成してもよい。そのように構成しても、この実施の形態では、後述するように第1特別図柄の変動表示結果が小当りとなれば第2特別図柄の変動表示が強制的に停止されるので、第2保留記憶がある状態で確変状態から通常状態に移行した場合であっても第2保留記憶をある程度早く消化することができる。
なお、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理(ステップS301B)の処理は、第1の実施の形態で示した「大当りフラグ」や「変動時間タイマ」などをそれぞれ「第2大当りフラグ」や「第2変動時間タイマ」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示した変動パターン設定処理(ステップS301)の処理と同様である。ただし、この実施の形態では、ステップS93と同様の処理が実行される場合に、遊技状態が通常状態であれば、図48(C)の上段に示す通常状態用の変動パターンテーブルが選択されるので、高い割合で変動時間が30分の長期変動の変動パターン5Aが決定されることになる。一方、遊技状態が確変状態であれば、図48(C)の下段に示す特別遊技状態(確変状態)用の変動パターンテーブルが選択されるので、変動時間が20秒〜30秒の変動パターンが決定されることになる。
図53は、第3の実施の形態における第2特別図柄変動中処理(ステップS303B)を示すフローチャートである。図53に示すように、第2特別図柄変動中処理では、CPU56は、まず、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS121)。第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大入賞口開放前処理〜第1小当り終了処理のいずれかに応じた値であれば(すなわち、第1特別図柄の変動表示結果にもとづく大当り遊技または小当り遊技中であれば)、CPU56は、第2特別図柄の停止図柄として強制的にはずれ図柄を導出表示する(ステップS122)とともに、第2変動時間タイマをリセットする(S123)。また、CPU56は、セットされていれば、第2大当りフラグや第2小当りフラグをリセットする(ステップS124)。そして、ステップS128Bに移行する。
ステップS121〜S124の処理が実行されることによって、第2特別図柄の変動表示中に(特に、変動時間30秒の長期変動中に)、第1特別図柄の変動表示結果にもとづいて大当りや小当りとなった場合には、第2特別図柄の変動表示を強制的に終了してはずれ図柄を導出表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、ステップS124の処理を実行することによって、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄側で大当りや小当りとなったときに、既に決められていた大当りや小当りを強制的にリセットする場合を示しているが、大当りや小当りとなる第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が開始される場合には、その開始される第2特別図柄の変動表示を強制的にはずれと決定するようにしてもよい。
なお、ステップS125B〜S129Bの処理は、第1の実施の形態で示した特別図柄変動中処理における「変動時間タイマ」や「特別図柄」、「図柄確定指定コマンド」などをそれぞれ「第2変動時間タイマ」や「第2特別図柄」、「第2図柄確定指定コマンド」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示したステップS125〜S129の処理と同様である。
また、第2特別図柄プロセス処理における第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302B)、第2特別図柄停止処理(ステップS304B)〜第1小当り終了処理(ステップS310B)の処理は、第1の実施の形態で示した「大当りフラグ」や「小当りフラグ」、「特別図柄」、「変動時間タイマ」などをそれぞれ「第2大当りフラグ」や「第2小当りフラグ」、「第2特別図柄」、「第2変動時間タイマ」などと読み替えれば、第1の実施の形態で示した表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)、特別図柄停止処理(ステップS304)〜小当り終了処理(ステップS310)の処理と同様である。
以上のように、第3の実施の形態では、通常状態では、所定の変動時間(通常用いられる変動パターン1〜4のような15秒〜30秒の変動時間)よりも長い長期通常変動の変動パターン5Aを含む変動パターンテーブルを用いて第2特別図柄の変動パターンを決定することにより小当りが発生しにくくし、所定事象が発生すると(本例では、確変大当りが発生して確変状態に制御されると)、長期通常変動より短い変動時間(本例では、20秒〜30秒の変動パターンを含む変動パターンテーブルを用いて第2特別図柄の変動のパターンを決定することにより小当りが発生しやすい状態に制御する。そのように、大当り発生などの条件成立や遊技状態に応じて小当りが発生しやすい状態とそうでない状態とに制御できるので、小当りを用いた遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第3の実施の形態では、所定事象が確変大当りが発生して確変状態に制御されることである場合を示したが、第3の実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、確変大当り以外でも小当りの発生や、所定回数の変動表示の消化などにより所定事象が発生したものとして、長期通常変動より短い変動時間の変動パターンに切り替えるようにしてもよい。
また、第3の実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能であり、大当りが発生して確変状態に制御されたときに第2特別図柄の変動表示の実行中であった場合には、変動時間が経過する前であってもその第2特別図柄の変動表示を停止する。そのため、遊技機の稼働率が低下することを防止することができる。
すなわち、第3の実施の形態のように、通常状態では第2特別図柄の変動表示が極めて長い時間実行されるように構成すると、せっかく大当りが発生し確変状態に制御されて小当りが発生しやすい状態となったにもかかわらず、長期変動の第2特別図柄の変動表示が終わらないために実質的に小当りを発生させることができず、遊技者がその長期変動の第2特別図柄の変動表示が終了するまで遊技を止めてしまい却って稼働率が低下してしまうおそれがある。そのため、第3の実施の形態では、大当りが発生し確変状態に制御されれば、変動時間が経過する前であっても第2特別図柄の変動表示を終了して直ちに小当りが発生可能な状態とすることにより、遊技機の稼働率が低下することを防止している。
また、第3の実施の形態のように、通常状態では第2特別図柄の変動表示が極めて長い時間実行されるように構成すると、大当りが全く発生せずにいらいらした状態で遊技を終了する遊技者が、わざと第2特別図柄の変動表示を実行させた状態で遊技を終了するような行為を行うようなことも考えられる。そうすると、その第2特別図柄の変動表示が小当りやはずれとなるものである場合には、30分の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が継続されることになり、次の遊技者に煩わしい思いをさせるおそれが考えられる。そのため、第1特別図柄の小当り確率も高くする(例えば、100%や90%以上)ようにしてもよい。そのようにすれば、第1特別図柄の変動表示結果が小当りとなったことにもとづいて第2特別図柄の変動表示が強制停止されるので、第2特別図柄の変動表示が長期間継続して次の遊技者を煩わせることを防止することができる。なお、その第1特別図柄の変動表示にもとづく小当りにより小当り用の特別可変入賞球装置90が開放しても、極めて短い0.2秒間(図7(B)参照)しか開放しないので遊技球が入賞することは殆どない。
なお、第3の実施の形態では、第1特別図柄側にも表示結果として小当りが含まれる場合を示しているが、必ずしも第1特別図柄側にも小当りを設ける必要はなく、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当りが発生するようにしてもよい。また、第2特別図柄に関してははずれを設けないようし、第2特別図柄の変動表示結果が大当りとならない場合には全て小当りとなるように構成してもよい。
また、第3の実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能に構成する場合を示したが、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのいずれか一方のみを実行可能に構成(入賞順に変動表示するものでも、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方を優先実行するものでもよい)した遊技機に適用してもよい。
上記の各実施の形態の遊技機で遊技を行う場合、遊技者は、特別遊技状態(上記の各実施の形態では、一例として、確変状態)では、小当りの連続的な発生を期待し、大当りの発生を望まない。大当りが発生すると、遊技状態が通常状態に戻ってしまい、小当りの発生を期待できない(景品の獲得を期待できない。)からである。すなわち、特別遊技状態における大当りの発生は遊技者にとって好ましいことではない。なお、大当りが発生すると必ず通常状態に移行されるように構成してもよいし、大当りが発生しても通常状態に移行されない場合があるように構成してもよい(例えば、確変大当りを発生させれば、大当り終了後も確変状態が継続するようにしてもよい)。
そこで、特別遊技状態において、飾り図柄の変動中にリーチ演出が実行される場合には、遊技者に危機感を与えるような所定の演出(例えば、演出表示装置9の表示画面に「WARNING!」の文字画像を表示)を行うようにしてもよい。
そのような制御を行う場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態が特別遊技状態であってリーチの変動パターンコマンドを受信したときには、所定の演出を実行するか否かを例えば乱数を用いた抽選によって決定し、所定の演出を実行することに決定した場合には、飾り図柄の変動中のリーチ演出を実行している期間おいて、所定の演出を実行する。なお、特別遊技状態において飾り図柄の変動中にリーチ演出が実行される場合に、常に所定の演出を実行するようにしてもよい。
そのような制御を行うことによって、例えば、所定の演出が実行されたにもかかわらず大当りにならなかったときに、遊技者に安堵感を与えることができる。
また、特別遊技状態における大当りの発生は遊技者にとって好ましいことではないことから、大当りにすることに決定されていない場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の表示結果が導出表示される前に、一旦大当り図柄を仮停止表示した後、表示されている飾り図柄を戻したり(逆方向に変動させる。)滑らせるように変動させて、はずれ図柄を導出表示するようにしてもよい。
そのような制御を行うことによって、一旦、大当り図柄を表示することによって遊技者を落胆させた後、遊技者に安堵感を与えることができる。
また、実際には小当り遊技が開始されるときに、大当りが発生したかのような報知演出を行ってもよい。
そのような制御を行うことによって、実際には小当り遊技が実行されているが、遊技者に、大入賞口の開放時間が短い大当り遊技が実行されているかのように感じさせて遊技者を一旦落胆させた後、例えば、実際に実行されている小当り遊技の終了時に小当り遊技の終了演出を行うことによって、遊技者に安堵感を与えることができる。
また、上記の各実施の形態において、特別遊技状態では、小当りの累積発生回数を遊技者に報知するようにしてもよい。そのように構成する場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、遊技状態が特別遊技状態であるときには、累積回数カウンタの値を演出表示装置9の表示画面に表示する。また、小当り遊技中の入賞数や連続する小当り遊技における累積入賞数を遊技者に報知するようにしてもよい。そのように構成する場合には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別遊技状態では、第2大入賞口に進入した遊技球を検出する第2入賞スイッチ71がオンしたときに、その旨を示す演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、その演出制御コマンドの受信回数を計数し、小当り遊技における計数値を演出表示装置9の表示画面に表示したり、連続する小当り遊技における計数値を演出表示装置9の表示画面に表示したりする。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図2に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが 本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
なお、上記に示した各実施の形態では、以下の(1)〜(9)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技媒体(例えば、遊技球)が第1始動領域(例えば、第1始動入賞口13)を通過したことにもとづいて第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、遊技媒体が第2始動領域(例えば、第2始動入賞口14)を通過したことにもとづいて第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)とを備え、第1可変表示手段に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり、第2可変表示手段に所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたときに、可変入賞装置(例えば、可動部材76)を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御可能な遊技機であって、第1識別情報の可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、RAM55における保留記憶バッファ)と、有利状態に制御するか否かと可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御するか否かとを決定する決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61,S62の処理を実行する部分)と、決定手段の決定結果にもとづいて可変入賞装置を制御する可変入賞装置制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS308の処理を実行する部分)と、第1識別情報の可変表示時間と第2識別情報の可変表示時間とを決定する可変表示時間決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS91〜S93の処理を実行する部分)と、第1可変表示手段での第1識別情報の可変表示と第2可変表示手段での第2識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS50,S51およびステップS32の処理を実行する部分)とを備え、可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示の実行中に遊技媒体が第1始動領域を通過したときに該通過にもとづく保留記憶を記憶し、実行中の第1識別情報の可変表示が終了した後に保留記憶にもとづく第1識別情報の可変表示を実行し(図15におけるステップS50参照)、第1識別情報の可変表示の実行中に遊技媒体が第2始動領域を通過したときに該通過にもとづく第2識別情報の可変表示を実行せず(図15参照)、可変表示時間決定手段は、特別状態では、第1識別情報の可変表示時間を、通常状態における可変表示時間よりも短い短縮可変表示時間に決定する(図9および図10(B)参照)ことを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御する遊技に対する興趣を向上させることができる。
(2)上記の(1)の遊技機において、可変表示時間決定手段は、通常状態では、第2識別情報の可変表示時間を、特別状態における可変表示時間よりも長い時間に決定する(図9および図10(C)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、通常状態では第1識別情報の可変表示が実行されやすい状態になるので、より確実に遊技店が不利益を被らないようにすることができる。
(3)上記の(1)または(2)の遊技機において、可変表示時間決定手段は、通常状態では、保留記憶の数に応じて第1識別情報の可変表示時間を決定し、特別状態では、保留記憶の数に関わらず、第1識別情報の可変表示時間を短縮可変表示時間とする(図10(B)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、容易に、通常状態における第1識別情報の変動態様に変化を付けることができる。
(4)上記の(1)〜(3)の遊技機において、第1可変表示手段に所定表示結果が導出表示されたときにも、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御し(図7(B)参照)、可変入賞装置制御手段は、第1可変表示手段に所定表示結果が導出表示された場合には、第2可変表示手段に所定表示結果が導出表示された場合に比べて短い時間、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御する(図7(B),(C)参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特別状態における遊技者の利益を顕著にすることができる。
(5)上記の(1)〜(4)の遊技機において、可変入賞装置制御手段は、有利状態において、可変入賞装置(例えば、可動部材76)と別個に設けられた第2可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置20)を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御するように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技者は、何にもとづいて景品を獲得できるのかを容易に判別することができる。
(6)上記の(1)〜(5)の遊技機において、遊技球が第1始動領域を所定時間通過しないときにデモンストレーション演出を実行する演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS615,S616,S883の処理を実行する部分)を備え、演出実行手段は、特別状態では、第1識別情報の可変表示が終了してもデモンストレーション演出を実行しないか、または低い割合で実行し、デモンストレーション演出に代えて、複数回の第1識別情報の可変表示に亘って一連の演出を実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄の可変表示が終了しても客待ちデモコマンドを送信しないこと、演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS883の処理を実行することによる)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、特別状態における演出の興趣が向上する。
(7)上記の(6)の遊技機において、演出実行手段は、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御した累積回数が所定数になったときに一連の演出の態様を変更する(ステップ28におけるステップS733,S734参照)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、演出の興趣がより向上する。
(8)遊技媒体(例えば、遊技球)が第1始動領域(例えば、第1始動入賞口13)を通過したことにもとづいて第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、遊技媒体が第2始動領域(例えば、第2始動入賞口14)を通過したことにもとづいて第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を開始し表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)とを備え、第1可変表示手段に特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能であり、第2可変表示手段に所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたときに、可変入賞装置(例えば、第3の実施の形態における小当り用の特別可変入賞球装置90)を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御可能な遊技機であって、有利状態に制御するか否かと可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御するか否かとを決定する決定手段(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS61A,S62A,S61B,S62Bの処理を実行する部分)と、決定手段の決定結果にもとづいて可変入賞装置を制御する可変入賞装置制御手段(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS308A,S308Bの処理を実行する部分)と、第2識別情報の可変表示パターン(例えば、変動パターン)を決定する可変表示パターン決定手段(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS301Bの第2変動パターン設定処理でステップS91〜S93,S101の処理と同様の処理を実行する部分)と、第1可変表示手段での第1識別情報の可変表示と第2可変表示手段での第2識別情報の可変表示を実行する可変表示実行手段(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS32の処理と同様の処理を実行する部分)とを備え、決定手段は、第2識別情報の可変表示を実行する場合には、高い割合により可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御すると決定し(例えば、第3の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62A,S62Bを実行するときに、図7(B)に示すように第1特別図柄の変動表示を実行する場合には1/3000の確率で小当りと決定するのに対して、図7(C)に示すように第2特別図柄の変動表示を実行する場合には19/20の確率で小当りと決定する)、可変表示パターン決定手段は、通常状態では、所定の可変表示時間(図47に示す通常用いられる変動パターン1〜4のような15秒〜30秒の変動時間)よりも長い長期可変表示時間(例えば、1800秒(30分))の可変表示パターンを含むデータを用いて第2識別情報の可変表示パターンを決定し(例えば、第3の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図48(C)の上段に示すように長期変動の変動パターン5Aを含む変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する)、所定事象が発生したこと(例えば、確変大当りが発生して確変状態に移行されたこと)を条件に、長期可変表示時間より短い可変表示時間の可変表示パターンを含むデータを用いて第2識別情報の可変表示パターンを決定する(例えば、第3の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図48(C)の下段に示すように変動時間が20秒〜30秒の通常変動B、ノーマルリーチおよびスーパーリーチの変動パターンを含む変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する)ことを特徴とする遊技機。
そのような構成によれば、可変入賞装置を遊技媒体が入賞しやすい状態に制御する遊技に対する興趣を向上させることができる。
(9)上記の(8)の遊技機において、可変表示実行手段は、第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とを同時に実行可能であり(例えば、第3の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)と第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)とを別々の処理として実行することにより、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能である)、所定事象が発生したときに第2識別情報の可変表示の実行中であった場合には、可変表示時間が経過する前であっても当該第2識別情報の可変表示を停止する(例えば、第3の実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS121でYのときステップS122〜S124を実行する)ように構成されていてもよい。
そのような構成によれば、遊技機の稼働率が低下することを防止することができる。