1.実施形態
1−1.防災支援システムの構成
本発明の実施形態における支援装置を含む、防災支援システム100の全体構成について、図1に基づいて説明する。
防災支援システム100は、支援装置としての支援サーバ1と、防火対象物または防災管理対象の建物a〜cを有する施設の管理関係者が所持する端末2とが、通信回線3を介して互いに通信する構成を備える。通信回線3は、インターネット、IMT−2000に準拠した無線通信網、iEEE802.11に準拠する無線LAN、等の通信網である。そして、通信回線3は、端末2とは無線通信で、支援サーバ1とは有線通信または無線通信で、それぞれ接続される。上記建物を有する施設の管理者や、当該施設を担当する防災事業者の担当者は、上記施設の管理関係者の一例である。管理端末4については後述する。なお、図1中の通知サーバ5は本実施形態では用いない。通知サーバ5については後述する変形例で説明する。
端末2は、通信回線3を介して支援サーバ1と通信し、改正情報の通知を受けるために建物a〜cを有する施設の管理関係者が所持する端末であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、等である。ここに管理関係者とは、主に消防設備が設置された建物や消防用品を利用する建物を有する施設の管理者または所有者であり、あるいは、点検業者等の関係者である。
支援サーバ1は、防火管理または防災管理に関する法的情報が掲載されたWebサイトA〜Cに通信回線3を介して接続され、これらのWebサイトを定期的に巡回して防火管理または防災管理に関する法的情報を取得する。支援サーバ1は、防火対象物または防災管理対象に関して消防設備または消防用品の設置基準または点検基準を定める法的情報の改正を検出し、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2に対して、関係する改正内容を通知する支援装置の一例である。例えば、支援サーバ1は、建物の防火管理または防災管理に関してWebサイトに掲載された法的情報の変化に基づいて、前記法的情報の改正を検出し、前記改正の対象となる建物を有する施設を通知先とする前記改正に関する通知情報を生成する。
なお、本発明における法的情報とは、防火対象物または防災管理対象の消防設備や消防用品の設置基準や点検基準を定める消防法、消防法関係法令、各種規制、各種指導、条例等を示す。
1−2.支援サーバ1の構成
次に、支援装置としての支援サーバ1の構成について、図2を参照して説明する。支援サーバ1は、通信手段としての通信部11と、制御手段としての制御部12と、記憶手段としての記憶部13とを有する。
<通信部>
通信部11は通信回線3を介して、端末2と制御情報等を通信する通信手段としてのインターフェースである。後述する管理端末4を防災支援システム100に用いる例では、さらに管理端末4と通信する。通信部11は、無線通信または有線通信で通信回線3と接続される。
<記憶部>
記憶部13は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性の記憶手段である。そして、記憶部13は、支援サーバ1を動作させ、防火対象物または防災管理対象に関して消防設備または消防用品の設置基準または点検基準を定める法的情報が掲載された所定のWebサイトを定期的に巡回して前記法的情報を取得し、法的情報の改正を検出し、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2に対して、関係する改正内容を通知する処理を実行するための制御プログラムを記憶する。
また、記憶部13は、建物毎に固有の建物情報を記憶する施設情報データベース131の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。図3は、本実施形態における施設情報データベース131に記憶される情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
施設情報データベース131は、少なくとも防火対象物としての建物の用途(図3中の建物用途)および規模(図3中の延床面積)と施設としての建物の管理関係者が所持する端末2を識別するための端末識別子としての端末ID(図3中の通知先)とを施設毎(図3中、施設CODEで示される)に記憶する。なお、複数の建物で施設が構成される場合は、これらを同一グループの施設の建物として扱ってもよく、複数の建物を一体的に管理する場合は1つの施設として登録するようにしてもよい。このように施設が複数の建物で構成される場合に、同一施設として扱うか、別施設として扱うかは、消防計画に基づいて適宜決定される。
なお、施設情報データベース131に記憶させる建物の種別(建物の種類と用途)と建物の面積(規模)は、消防法施行令別表第一に定められている特定用途防火対象物を規定する条件である。したがって、用途の変更や、改築による規模の変化、法令等の改正、等によって、設置が義務づけられる消防用設備が変わる可能性があるものであり、施設情報データベース131に記憶しておくべき情報である。例えば、建物の種別が「劇場」で「面積」が250平方メートルのとき、面積が300平方メートル未満である上記劇場が特定用途防火対象物に該当しない場合であっても、同じ建物が改築によって300平方メートルの面積となった場合は特定防火対象物に該当することとなり、所定の消防設備の設置等が義務づけられることになる。また、面積が変化しなくとも、建物の用途を変更することによって、用途毎に定める特定防火対象物に該当する面積の基準が異なる場合は、特定防火対象物に該当したり、該当しなかったりすることになる。また、法令の改正により、それまで規制の対象外だった用途の建物が新たな規制対象となることもある。特定の小規模福祉施設にスプリンクラ設置が義務づけられた消防法施行令や消防法施行規則の改正はその一例である。
また、防火対象物または防災管理対象に関して消防設備または消防用品の設置基準または点検基準を定める法的情報が、自治体毎に条例等で制定または通知される場合があることから、建物の所在地の自治体を登録しておくとよい。また、端末2への通知方法が複数である場合は、その通知方法を通知先とともに記憶させておくとよい。通知方法と通知先は、例えば電子メールによる通知(図3中の通知方法E)とその端末IDとしての電子メールアドレスである(図3中の通知先)。また、通知方法と通知先は、プッシュ式の通知とそのプッシュ通知手段が端末2を識別するための上記端末IDとは異なる端末識別子であってよい。このプッシュ式の通知については、変形例で後述する。
また、記憶部13は、建物毎に設置された消防設備または消防用品の情報を記憶する設置物データベース132の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。図4は、本実施形態における設置物データベース132に記憶される情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
説明の便宜上、設置物データベース132には、施設(図4中、施設CODEで示される)としての建物毎に、設置物の種別、型式番号、型式、型式承認日、製造時期、数量が記憶されるものとする。設置物の種別とは、例えば「消火器」等の設置された消防用品や、「スプリンクラ消火設備」等の設置された消防設備や、「火災受信機」等の設置された消防設備機器の種類を示す。また、型式番号とは、国家検定による型式承認を特定する番号である。また、型式とは、型式承認された物の仕様等を示す情報であり、例えば、消火器に関する「強化液3.5L・蓄圧式・鉄製」といった情報である。また、型式承認日は、国家検定により型式承認を受けた時期を示し、規格改正の時期との関係によっては型式失効して所定の猶予期間の後に使用が禁止される場合がある。また、製造時期は、設置されている物が製造された時期を示し、改正によって製造時期によっては使用期限や点検方法が変更される場合がある。数量は、建物毎に設置されている数量を示し、法的情報の改正によって何らかの対応を要する場合には、作業量を把握する情報となる。
また、記憶部13は、防火管理または防災管理に関する法的情報を基準情報として記憶する基準法令データベース133の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。図5は、本実施形態における基準法令データベース133に記憶される情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
基準法令データベース133には、それぞれの法的情報が対象とする、消防用品・消防設備・消防設備機器の種別(図5中の対象種別)と、その条件(図5中の条件)と、当該法的情報が定める設置基準や点検基準等の要求事項(図5中の実行内容)と、根拠となる法的情報(図5中の法的根拠)とが関連付けられて記憶され、後述する改正検出手段が法的情報の改正を判断するための基準情報となる。
基準法令データベース133には、さらに、法的根拠とその要求事項とを識別できるような符号(図5中の実行CODE)を適宜に定め、関連付けて記憶するようにしてもよい。例えば、図5に示した基準法令データベース133の010010番で示されるレコード(図5中のRecord No.)には、昭和50年10月16日付の消防庁告示第14号に基づく、製造から3年を経過する消火器について、内部・機能の点検を行わねばならないことが定められている情報が記憶されている。その実行CODEの一例として、昭和50年10月16日付(実行CODE中の19751016)の消防庁(実行CODE中のFDMA)告示(実行CODE中のK)第14号(実行CODE中の014)に基づく、製造から3年を経過する消火器について定めた、内部・機能の点検(実行CODE中のFT1)を意味する符号が記憶されている。このような図5中の実行CODEとしての符号を関連付けて記憶させておくと、これによって法的根拠とその要求事項とを容易に把握することを可能とする。
また、記憶部13は、防火管理または防災管理に関して改正された法的情報を改正情報として記憶する改正法令データベース134の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。図6は、本実施形態における改正法令データベース134に記憶される情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。そのデータ構造は、図示したように基準法令データベース133と同様なので、説明を省略する。
改正法令データベース134には、基準法令データベース133と同様に、さらに、法的根拠とその要求事項とを識別できるような符号(図6中の実行CODE)を関連付けて記憶するようにしてもよい。
例えば、図6に示した改正法令データベース134の012010番で示されるレコードには、平成22年2月22日付の消防庁告示第14号に基づく、製造から10年を経過する消火器について、3年毎に水圧点検を行わねばならない、新たな情報が記憶されている。その実行CODEの一例として、平成22年2月22日付(実行CODE中の20100222)の消防庁(実行CODE中のFDMA)告示(実行CODE中のK)第14号(実行CODE中の014)に基づく、製造から10年を経過する消火器について定めた、3年毎の水圧点検(実行CODE中のPT1)を意味する符号が記憶されている。
また、例えば、図6に示した改正法令データベース134の012011番で示されるレコードには、平成22年2月22日付の総務省令第111号に基づく、2012年1月1日の規格改正前の基準に基づいて型式承認を受けた消火器は、型式失効する(つまり、使用が禁止される)という、新たな情報が記憶されている。その実行CODEの例として、平成22年2月22日付(実行CODE中の20100222)の総務省(実行CODE中のMIC_)の省令(実行CODE中のR)第111号(実行CODE中の111)に基づく、消火器の型式失効(実行CODE中のOOR)を意味する符号が記憶されている。
また、例えば、図6に示した改正法令データベース134の012012番で示されるレコードには、平成22年2月22日付の総務省令第112号に基づく、2012年1月1日の規格改正前の基準に基づいて型式承認を受けて型式失効する消火器は、設置済のものについては2021年12月31日迄に限っては継続して設置しておいてもよい(つまり、使用禁止されるまでの猶予期間)という、新たな情報が記憶されている。その実行CODEの例として、平成22年2月22日付(実行CODE中の20100222)の総務省(実行CODE中のMIC_)の省令(実行CODE中のR)第112号(実行CODE中の112)に基づく、型式失効する消火器を継続設置する猶予(実行CODE中のLOR)を意味する符号が記憶されている。
また、記憶部13は、後述する情報取得手段が法的情報を取得するために巡回する巡回先としてのWebサイトを記憶する巡回先データベース135の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。巡回先データベース135に記憶される情報テーブルのデータ構造は、特に図示しないが、巡回するWebサイトを特定できるデータ、例えば、URL等のデータ群であればよい。後述する情報取得手段は、巡回先データベース135に記憶されているデータに基づいて巡回するWebサイトを特定して、掲載されている法的情報を取得する。
また、記憶部13は、改正の対象となる施設毎に通知するための通知情報を記憶する通知情報データベース136の記憶領域を有する(図2中、データベースをDBと表記する)。通知情報データベース136には、後述する生成手段が、改正法令データベース134に記憶された改正情報を基準法令データベース133に記憶された基準情報と比較して抽出した差分情報に基づいて、設置物データベース132を参照して生成する通知情報が記憶される。
図7は、本実施形態における通知情報データベース136に記憶される情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に例示した改正法令データベース134のレコード番号012010〜012012として新たに登録された改正情報は、該当する基準情報が図5に示した基準法令データベース133に記憶されていないので、そのまま差分情報である。そして、図4に例示した設置物データベース132を参照して、当該改正情報に該当する設置物を抽出して、通知情報が生成される。
例えば、施設CODE10001で示される施設については、2004年9月1日に製造され、型式番号が消第16〜4号の消火器100台が、3年毎の水圧点検の対象となり、また、規格改正に伴う型式失効の対象であり、既に設置済であることから2021年12月31日迄は設置しておいてもよい対象であることを示す通知情報が生成される。また、例えば、施設CODE10002で示される施設については、2005年6月1日に製造され、型式番号が消第17〜7号の消火器10台が、3年毎の水圧点検の対象となり、また、規格改正に伴う型式失効の対象であり、既に設置済であることから2021年12月31日迄は設置しておいてもよい対象であること、さらに、2011年9月1日に製造され、型式番号が消第23〜342号の消火器30台が、2021年9月1日より3年毎の水圧点検の対象となることを示す通知情報が生成される。これらの通知情報は、施設CODEに基づいて、改正情報の対象となった施設の端末2に通知される。
なお、生成手段が生成した通知情報を直ちに該当する施設の端末2へ通知するようにして、通知情報データベース136を備えないように構成することもできる。しかし、通信トラフィックによって通知処理が滞る場合に確実に通知できるように備えたり、通知情報を再送信したり、後に通知情報を検証したりできるように、通知情報データベース136を備えることが望ましい。
<制御部>
制御部12は、記憶部13に記憶されたプログラムに基づいて、支援サーバ1の各部の動作を制御する制御手段である。そして、制御部12は、図示せぬCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、情報取得手段としての情報取得部121、改正検出手段としての改正検出部122、登録手段としての登録部123、生成手段としての生成部124、および通知手段としての通知部125を備える。
情報取得部121は、防火管理または防災管理に関する法的情報が掲載されたWebサイトを定期的に巡回して前記法的情報を取得する情報取得手段である。定期的に巡回するWebサイトは、巡回先データベース135を参照して、特定する。
改正検出部122は、情報取得部121が新たに取得した法的情報を基準法令データベース133に記憶されている基準情報と比較して差異を検出することによって法的情報の改正を検出する改正検出手段である。
登録部123は、改正検出部122が改正を検出したときに、情報取得部121が取得した改正情報を、改正法令データベース134に記憶させる登録手段である。本実施形態では、後述する管理端末4と連携して、改正情報を登録する。
また、登録部123は、オペレータの更新操作に基づいて、基準法令データベース133に記憶された基準情報を、基準情報に対応して改正法令データベース134に記憶された改正情報に更新する登録手段でもある。つまり、改正前の法的情報である基準情報を改正後の法的情報に更新する。このとき、改正情報が基準情報に対応していない場合、登録部123は、新たな基準情報として基準法令データベース133に当該改正情報を登録する。つまり、法的情報の改正によって、改正前には存在していなかった法的情報が発生した場合は、新たな法的情報として基準情報とする。換言すれば、登録部123は、支援サーバ1のオペレータの更新操作に基づいて、基準法令データベース133の基準情報を改正情報に更新する、または、基準法令データベース133の新たな基準情報として改正情報を登録する登録手段である。本実施形態では、後述する管理端末4と連携して、基準法令データベース133の基準情報を更新する。
生成部124は、改正情報を基準情報と比較して抽出した差分情報に基づいて、改正の対象となる施設へ通知する通知情報を生成する生成手段である。生成部124は、登録部123が改正法令データベース134に記憶させた改正情報を、基準法令データベース133に記憶された基準情報と比較して抽出した差分情報に基づいて、設置物データベース132を参照して改正の対象となる施設へ通知する通知情報を生成し、通知情報データベース136に記憶させる。
通知部125は、改正の対象となる施設に該当する端末2を通知先として、通信部11から通知情報を送出させる通知手段である。改正が検出され、通知情報が生成されたとき、通知部125は、施設情報データベース131を参照して改正の対象となる施設に該当する端末2の端末IDを特定し、当該端末IDを有する端末2を通知先として、通知情報データベース136に記憶された通知情報を、通信部11から送出させる。
1−3.管理端末の構成
次に、管理端末4の構成について、図8を参照して説明する。管理端末4は、支援サーバ1のオペレータが支援サーバ1を運用するために操作する端末装置であり、例えば、遠隔地より通信回線3を介して支援サーバ1と通信するパーソナルコンピュータである。管理端末4は、通信手段としての通信部41と、記憶手段としての記憶部42と、制御手段としての制御部43と、操作手段としての操作部44と、表示手段としての表示部45とを有する。
<通信部>
通信部41は通信回線3を介して、支援サーバ1と制御情報等を通信する通信手段としてのインターフェースである。
<記憶部>
記憶部42は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性の記憶手段である。そして、記憶部42は、管理端末4を動作させる制御プログラムを記憶する。この制御プログラムは、支援サーバ1が法的情報の改正を検出したときに、その旨を受け付けて後述する表示部45に表示させる。また上記制御プログラムは、さらに支援サーバ1から改正に関する法的情報を受け付けて表示部45に表示させる。また、上記制御プログラムは、上記改正に関する法的情報に基づいてオペレータが作成した改正情報を、支援サーバ1の登録部123と連携して改正法令データベース134に登録する処理を実行する。なお、改正に関する法的情報とは、巡回したWebサイトに掲載された改正に関する法的情報であり、例えば、改正に関して記載された生情報である。
<操作部>
操作部44は、オペレータが上記改正情報を作成するための操作手段としてのインターフェースであり、例えばキーボードやマウス等である。
<表示部>
表示部45は、オペレータに対して上記改正検出や上記改正に関する法的情報を通知するための表示手段としてのインターフェースであり、例えばLCD表示装置等である。
<制御部>
制御部43は、記憶部42に記憶されたプログラムに基づいて、管理端末4の各部の動作を制御する制御手段である。そして、制御部43は、図示せぬCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、受付手段としての受付部431、通知手段としての通知部432、および設定手段としての設定部433を備える。
受付部431は、通信回線3と通信部41とを介して、支援サーバ1からの改正検出や改正に関する法的情報を受け付ける受付手段である。すなわち、支援サーバ1の改正検出部122が法的情報の改正を検出すると支援サーバ1は通信部11を介して改正検出という事象を示す情報を管理端末4に向けて送出し、管理端末4の受付部431はこれを受け付ける。また、法的情報の改正が検出されたときに、支援サーバ1の情報取得部121が取得した改正に関する法的情報が支援サーバ1から管理端末4に向けて送出されると、管理端末4の受付部431はこれを受け付ける。
通知部432は、受付部431が支援サーバ1から受け付けた改正検出に基づいて、法的改正があった旨の表示を表示部45に表示させ、オペレータに改正の検出を通知する。さらに、図示しないブザー等の音響装置を鳴動させたり、図示しないスピーカから音声を出力したりして、オペレータが離れた位置にいても改正検出を通知できるようにしてもよい。また、通知部432は、受付部431が支援サーバ1から受け付けた改正に関する法的情報を表示部45に表示させ、当該情報をオペレータに通知する。
設定部433は、オペレータが作成した改正情報を、支援サーバ1の登録部123と連携して改正法令データベース134に登録させる設定手段である。オペレータは、通知部432が表示部45に表示させた改正に関する法的情報に基づいて、防火対象物や防災対象の消防設備や消防用品の設置基準や点検基準に関係する法的情報の改正であるか否かを判断し、関係する場合は、操作部44を操作して改正情報を作成する。改正情報は、支援サーバ1の基準法令データベース133に記憶された基準情報と比較可能なデータ構造とする。例えば、先に述べた、対象種別、条件、実行内容、法的根拠、実行CODE等である。そして、設定部433は、上記改正情報を通信部41と通信回線3とを介して支援サーバ1へ送出する。通信部11を介して上記改正情報を受け付けた支援サーバ1の登録部123は、受け付けた改正情報を改正法令データベース134に登録することとなる。
また、設定部433は、オペレータによる操作部44での更新操作に基づいて、支援サーバ1の登録部123と連携して、基準法令データベース133に記憶された基準情報を、基準情報に対応して改正法令データベース134に記憶された改正情報に更新させる設定手段でもある。改正情報が基準情報に対応していない新たな法的情報であった場合は、上述したように新たな基準情報として当該改正情報が基準法令データベース133に登録される。
1−4.防災支援システムの動作
次に、防災支援システム100の動作について、図9に基づいて説明する。まず、支援サーバ1の情報取得部121は、巡回先データベース135に記憶されたWebサイトを定期的に巡回し、防火管理または防災管理に関する法令等の法的情報を取得、収集する(ステップS001)。
そして、改正検出部122は、情報取得部121が新たに取得した法的情報を基準法令データベース133に記憶された基準情報と比較する(ステップS002)。このとき、新たに取得した上記法的情報が該当する基準情報から変化していれば、改正検出部122は、法令等の法的情報が改正されたものと判定する。つまり、改正検出部122は、新たに取得した上記法的情報を該当する基準情報と比較して差異を検出することによって、法的情報の改正を検出する(ステップS003)。改正検出部122は、このように法的情報の改正を検出すると、通信部11を介して改正検出の情報を管理端末4へ向けて送出する。つまり、支援サーバ1は管理端末4へ改正検出を通知する(S004)。このとき、支援サーバ1は、管理端末4へ改正に関する法的情報を併せて通知するようにしてもよいし、管理端末4からの要求に応じて、当該改正に関する法的情報を通知するようにしてもよい。
なお、改正に関する法的情報とは、巡回して改正が検出されたWebページに掲載されている生の法的情報である。例えば、総務省消防庁のWebサイトにおける消防関係法令のWebページには、所管法令(法律・政令・省令・規則)、告示、通知・通達が掲載されている。そして、平成22年12月22日付消防庁告示第24号には、消火器の点検に関して「消火器のうち、製造年から10年を経過したもの又は消火器の外形の点検において本体容器に腐食等が認められたものについて実施すること。ただし、この点検を実施してから3年を経過していないものを除く。」という記載がある。この記載は、改正に関する法的情報の一例である。
管理端末4の受付部431が、通信回線3と通信部41とを介して、改正検出の情報を受け付けたとき、通知部432は、法的改正があった旨の表示を表示部45に表示させ、オペレータに改正の検出を通知する。このとき、通知部432は、ブザー音や音声出力によって改正検出をオペレータに通知するようにしてもよい。そして、受付部431が支援サーバ1から受け付けた、改正に関する法的情報を通知受付情報として、表示部45に表示させる(ステップS005)。この改正に関する法的情報は、改正検出の通知を併せて受け付けるようにしてもよいし、改正検出の通知を受けたオペレータが操作部44を操作することによって支援サーバ1から送出させ、これを受け付けるようにしてもよい。
オペレータは、通知部432が表示部45に表示させた改正に関する法的情報に基づいて、防火対象物や防災対象の消防設備や消防用品の設置基準や点検基準に関係する法的情報の改正であるか否かを判断し、関係する場合は、操作部44を操作して改正情報を作成する(ステップS006)。
この改正情報は、上述したように、支援サーバ1の基準法令データベース133に記憶された基準情報と比較可能なデータ構造であり、設定部433は、作成した改正情報を通信部41と通信回線3とを介して支援サーバ1へ送出する(ステップS007)。通信部11を介して上記改正情報を受け付けた支援サーバ1の登録部123は、受け付けた改正情報を改正法令データベース134に登録する(ステップS008)。
支援サーバ1の生成部124は、受け付けた改正情報に該当する基準情報を基準法令データベース133から抽出して比較し、差分情報を抽出して通知情報を生成し、通知情報データベース136に記憶させる(ステップS009)。受け付けた改正情報に該当する基準情報が存在しない場合、すなわち改正によって新たに制定された法的情報であった場合は、当該改正情報がそのまま差分情報であり、これが通知情報データベース136に記憶される。
支援サーバ1の通知部125は、施設情報データベース131を参照して改正情報が対象とする施設に該当する端末2の端末ID、例えば当該施設の通知先としてのメールアドレスを特定する。そして、通知情報データベース136に記憶した通知情報を、当該端末IDを有する端末2を通知先として通信部11から送出させる(S010)。
そして、上記端末IDを有する端末2は上記通知情報を受け付け(ステップS011)、端末2は自らの表示手段にこの通知情報を表示させる(S012)。なお、端末2は、建物の防火管理または防災管理に関してWebサイトに掲載された法的情報の変化に基づいて、前記法的情報の改正を検出し、前記改正の対象となる建物を有する施設を通知先とする前記改正に関する通知情報を生成する支援サーバ1と通信回線3を介して通信し、前記法的情報の改正に関する通知情報を取得するために前記建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2であって、支援サーバ1と通信する通信手段と、支援サーバ1から識別されるための端末識別子が登録された記憶手段と、自己を通知先として支援サーバ1から通知された前記通知情報を、当該建物を対象とした防火管理または防災管理に関する法的情報の改正に関する情報として取得し、取得した前記情報を表示手段に表示させる制御手段とを備えるものである。
上述したように、本発明の支援サーバ1は、所定の防火対象物または防災管理対象である建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2と通信回線3を介して通信する通信部11と、記憶部13と、制御部12と、を具備し、前記管理関係者の防火管理または防災管理を支援する支援装置であって、記憶部13は、前記建物毎に少なくとも防火対象物としての用途および規模と前記端末2を識別するための端末識別子としての端末IDとを記憶する施設情報データベース131の記憶領域と、前記建物毎に設置された消防設備または消防用品を記憶する設置物データベース132の記憶領域と、防火管理または防災管理に関する法的情報を基準情報として記憶する基準法令データベース133の記憶領域と、防火管理または防災管理に関して改正された法的情報を改正情報として記憶する改正法令データベース134の記憶領域と、定期的に巡回するために防火管理または防災管理に関する法的情報が掲載されたWebサイトを記憶する巡回先データベース136の記憶領域と、を備え、制御部12は、巡回先データベース136に記憶されたWebサイトを定期的に巡回して前記法的情報を取得する情報取得部121と、情報取得部121が新たに取得した前記法的情報を前記基準情報と比較して差異を検出することによって前記法的情報の改正を検出する改正検出部122と、改正検出部122が改正を検出したときに前記改正情報を前記改正法令データベース134に記憶させる登録部123と、前記改正情報を前記基準情報と比較して抽出した差分情報を通知情報として記憶部13がさらに有する通知情報データベース136に記憶させる生成部124と、施設情報データベース131を参照して前記改正情報が対象とする建物を有する施設に該当する端末2の端末IDを特定し、当該端末IDを有する端末2を通知先として前記通知情報を通信部11から送出させる通知部125と、を備えるものである。そして、防災支援システム100は、上記した支援サーバ1と端末2とを備え、通信回線3を介して互いに通信する。本実施の形態では、防災支援システム100は、さらに通信回線3を介して支援サーバ1と通信する管理端末4を備え、支援サーバ1の登録部123と連携して、改正法令データベース134に改正情報を記憶させ、また、オペレータの更新操作によって基準法令データベース133の基準データを改正情報に更新させるものである。
本発明の防災支援システム100は、防火対象物または防災管理対象に関して消防設備または消防用品の設置基準または点検基準を定める法的情報が掲載された所定のWebサイトを、支援サーバ1が定期的に巡回して前記法的情報を取得する。そして、支援サーバ1が改正を検出したとき、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2に対して、改正情報を改正前の法的情報を示す基準情報と比較して抽出した差分情報を通知情報として通知する。したがって、消防関係法令等の改正の対象となった建物を有する施設の管理関係者に対し、関係する改正内容を速やかに通知し、対応を促すことができる。ひいては、施設や建物の管理者の防火管理または防災管理を支援することができる。また、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者すべてに対する通知情報の通知を完了したり、当該通知情報への対応が決定したり、あるいは、その対応が完了したとき、オペレータの更新操作によって改正後の法的情報を基準情報とすることができるので、新たな改正情報に備えることができる。
2.変形例
上記の実施形態は下記のように変形してもよい。また、下記の変形例は他の1以上の変形例と組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上記実施形態において、支援サーバ1の通知部125が、通信部11、通信回線3を介してから送出させる通知情報の通知先である端末2を、モバイル通信網からのプッシュ通知に基づいて能動的に電子メールを受信する端末2とし、通知情報はこの端末2へ向けて発信する電子メールとして送出するようにしてもよい。ここで、プッシュ通知とは、端末2からのリクエストによらずに能動的に端末2に対してメッセージを通知する仕組みである。端末2は、スリープ状態であったとしても自らに対するプッシュ通知を受信することによって電子メール受信アプリケーション(以下、メール受信アプリと称す)を起動し、起動したメール受信アプリが支援サーバ1からの電子メールとしての通知情報を能動的に取得し、着信を出力する。
携帯電話通信事業者が提供する無線通信網は、このモバイル通信網の一例であり、支援サーバ1から通信回線3を介し、さらにこのモバイル通信網を介して端末2へ、電子メールとしての通知情報が送出される。また、モバイル通信網から発信される電子メールを能動的に受信する携帯電話やスマートフォン等は、プッシュ通知に基づいて能動的に電子メールを受信する端末2の一例である。モバイル通信網からのプッシュ通知に基づいて能動的に電子メールを受信する上記携帯電話の電子メールアドレスは、モバイル通信網からのプッシュ通知に基づいて能動的に受信する端末2に固有の端末識別子としての端末IDの一例であり、また、施設毎に固有の端末IDの一例である。
すなわち、支援装置としての支援サーバ1が記憶手段としての記憶部13に記憶する、施設毎に端末2を識別するための端末識別子としての端末IDは、端末2がモバイル通信網からのプッシュ通知に基づいて能動的に受信する端末2に固有の前記端末識別子または施設毎に固有の前記端末識別子である。
上記構成によれば、支援サーバ1が改正を検出したとき、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者が所持する上記端末2に対して、通知情報を電子メールによってプッシュ通知し、当該端末2に当該電子メールを能動的に取得させ、着信を表示したり音響を鳴動させたりバイブレータを振動させたりして着信を出力する。そして、通報を受け付けた端末2のユーザーが、その電子メールを開封すると取得した通知情報を表示する。すなわち、支援サーバ1は、端末2に通知情報を能動的に取得させて着信を知らせ、開封された電子メールによって通知情報を表示することができる。したがって、改正の対象となった建物を有する施設の管理関係者に対し、関係する改正内容を速やかに通知し、対応を促すことができる。
なお、支援サーバ1は、詳細な通知情報を出力するポートを用意し、そのポートへのアクセス情報を含む電子メールを生成し、そのアクセス情報を含む電子メールを端末2へ発信するようにしてもよい。このことにより、通報を受け付けた端末2のユーザーは、その電子メールを開封して通知情報を迅速に知るとともに電子メールに含まれるアクセス情報に基づいて支援サーバ1の通知情報出力ポートにアクセスし、詳細な通知情報を取得することができる。
2−2.変形例2
上記実施形態において、支援サーバ1からのプッシュ通知に基づいて、起動し、通知情報を取得し、取得した通知情報を出力する防災支援アプリケーション(以下、防災アプリと称す)を端末2が備えるようにしてもよい。本変形例の防災支援システム100は、防災支援アプリを用いたプッシュ通知を実行するための通知サーバ5をさらに備える。ここで、プッシュ通知とは、支援サーバ1が、通知サーバ5を介して、端末2からのリクエストによらずに能動的に端末2に対して通知情報を取得させ、これを端末2が能動的に出力する仕組みである。
<端末>
本変形例における防災支援システム100で用いられる端末2は、無線通信によって通信回線3に接続され、通信回線3を介して、支援サーバ1、通知サーバ5のそれぞれと互いに通信する、スマートフォン、タブレット端末、ウェラブル端末等である。そして、端末2には、支援サーバ1からのプッシュ通知に基づいて、起動し、通知情報を取得し、取得した通知情報を出力する防災支援アプリがインストールされる。端末2は、スリープ状態であったとしても自らに対するプッシュ通知を通知サーバ5から受信することによって防災支援アプリを起動し、起動した防災支援アプリが支援サーバ1から通知情報を取得して表示させる等して能動的に出力する。
次に、図10に基づいて端末2の構成について説明する。端末2は、通信手段としての通信部21と、記憶手段としての記憶部22と、制御手段としての制御部23と、操作手段としての操作部24と、表示手段としての表示部25を有する。
通信部21は通信回線3を介して、支援サーバ1または通知サーバ5と制御情報等を通信する通信手段としてのインターフェースである。通信部21は、無線通信によって通信回線3と接続される。
記憶部22は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(ソリッドステートドライブ)等の不揮発性の記憶手段であり、制御部23のCPUに読み込まれる制御プログラムを記憶する。また、記憶部22は、通知サーバ5からのプッシュ通知によって起動し、支援サーバ1から通知情報を能動的に取得し、取得した通知情報を能動的に出力するための防災アプリを記憶する。
また、記憶部22は、端末2に固有の識別子として、支援サーバ1から識別されるための識別子としての端末ID、通知サーバ5から識別される第2の識別子としてのデバイストークンを予め記憶する。このデバイストークンは、端末2がモバイル通信網からのプッシュ通知に基づいて能動的に受信する端末2に固有の端末識別子、または、施設毎に固有の端末識別子の一例である。端末ID、デバイストークンは、それぞれ、支援サーバ1、通知サーバ5から付与されるようにしてもよい。例えば、端末2を支援サーバ1に登録するときに、支援サーバ1から端末IDを付与されて、これを記憶部22に登録する。また、例えば、端末2を通知サーバ5に登録するときに、通知サーバ5からデバイストークンを付与されて、これを記憶部22に登録する。
制御部23は、図示せぬ演算処理装置としてのCPU等を有し、CPUが記憶部22に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより、端末2の各部を制御する制御手段である。そして、制御部52は、図示せぬCPU等の演算処理装置を備える。
また、制御部23は、支援サーバ1からの通知要求で指定されたデバイストークンに対応する端末2に対して少なくとも情報IDをプッシュ通知する通知サーバ5からのプッシュ通知を、通信部21を介して受信して取得し、取得した情報IDに対応する通知情報要求を、通信部21を介して支援サーバ1に発信し、これに対応して支援サーバ1から出力された通知情報を取得して表示部25の画面251等に出力させる制御手段である。情報IDとともに通知されるデバイストークンが自らに付与されたデバイストークンである場合に情報IDを取得するようにしてもよい。
なお、制御部23が出力する通知情報は、表示部25に表示させるものに限らず、端末2が有する図示しないスピーカから放音する警報音や音声メッセージ、端末2が有する図示しないバイブレータから発する振動であってもよい。また、端末2とBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信でリンクするウェラブル端末を介して出力するようにしてもよい。このようにすることにより、端末2がポケットや鞄の中に在って利用者が表示を視認できない状況であっても、プッシュ通知による通知情報の着信を利用者に対して能動的に知らせることができる。
操作部24は、操作者が入力操作する操作手段としてのインターフェースであり、例えば、タッチパネル241を有する。タッチパネル241は、例えば、操作者の指などの指示体によって操作され、表示部25の画面251に重なる領域における位置を指示する操作を検出する。このタッチパネル241は、例えば、画面251に重ねられた透明な静電容量方式のタッチパネルや感圧式のタッチパネルである。タッチパネル241は、表示部25の画面251を構成する複数の画素を形成する表示素子毎に操作検出手段を設けて、表示部25と一体化されるようにしてもよい。
表示部25は、LCD、有機EL等の表示デバイスであり、制御部23からの指示に応じて画像やメッセージを表示する画面251を有する表示手段としてのインターフェースである。
すなわち、本変形例の端末2は、建物の防火管理または防災管理に関してWebサイトに掲載された法的情報の変化に基づいて、前記法的情報の改正を検出し、前記改正の対象となる建物を有する施設を通知先とする前記改正に関する通知情報を生成する支援サーバ1と通信回線3を介して通信し、前記法的情報の改正に関する通知情報を取得するために前記建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2であって、支援サーバ1と通信するとともに、支援サーバ1が前記改正に関する通知情報とともに生成する前記通知情報を識別する情報識別子に基づいて前記情報識別子をその通知先へプッシュ通知する通知サーバ5と通信回線3を介して通信する通信手段としての通信部21と、支援サーバ1から識別されるための端末識別子としての端末IDと、通知サーバ5が前記情報識別子をプッシュ通知する通知先として特定するための第2の端末識別子としてのデバイストークンが登録された記憶手段としての記憶部22と、前記デバイストークンによって自己を特定した通知サーバ5からのプッシュ通知に基づいて起動し、前記情報識別子を取得し、取得した前記情報識別子に基づいて通信回線3を介して支援サーバ1と相互通信を行うことで、前記情報識別子で識別される前記通知情報を、当該建物を対象とした防火管理または防災管理に関する法的情報の改正に関する情報として取得し、取得した前記情報を表示部25に表示させる、防災支援アプリによって制御される制御部23とを備える。
<通知サーバ>
本変形例における防災支援システム100で用いられる通知サーバ5は、接続された通信回線3を介して支援サーバ1および複数の端末2と通信可能であり、端末2に対してプッシュ通知を実行する通知装置の一例である(図1を参照)。通知サーバ5は、プッシュ通知により、必要な情報を能動的に端末2に表示させるために用いられる。したがって、プッシュ通知のサービスを提供している既存の通知サーバ5を流用することができる。
次に、図11に基づいて通知サーバ5の構成について説明する。通知サーバ5は、支援サーバ1からの通知要求を受けて、指定された端末IDの端末2に対して情報IDをプッシュ通知するための通知装置であり、通信手段としての通信部51と、制御手段としての制御部52と、記憶手段としての記憶部53とを有する。
通信部51は通信回線3を介して、支援サーバ1、端末2のそれぞれと制御情報等を通信する通信手段としてのインターフェースである。通信部51は、無線通信または有線通信で通信回線3と接続される。
記憶部53は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性の記憶手段である。そして、記憶部53は、通知サーバ5を動作させ、支援サーバ1からの通知要求に応じて指定された通知IDの端末2に、情報IDをプッシュ通知する通知処理を実行するための制御プログラムを記憶する。
また、記憶部53は、端末2について、通信識別子としての通信IDと第2の端末識別子としてのデバイストークンとを関連付けて記憶する。例えば、通信IDとデバイストークンとを関連付けて記憶する通知先データベースの記憶領域を有する。通信IDは、通知サーバ5が端末2を特定して通信するための端末2に固有の通信識別子であり、例えば、電話番号である。この通信識別子は、デバイストークンまたは端末IDと共用するようにしてもよい。
制御部52は、記憶部53に記憶された制御プログラムに基づいて、通知サーバ5の各部の動作を制御する制御手段である。そして、制御部52は、図示せぬCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、受付部、登録部、および出力部を備える。
制御部52の受付部は、通信部51を介して支援サーバ1からの通知要求を受信し、受け付ける受付手段である。支援サーバ1から受け付ける通知要求には、通知先としての端末2を特定するデバイストークンと、通知情報を識別するための情報識別子としての情報IDとが含まれる。また、受付部は、通信部51を介して、端末2を通知先として登録することを要求する端末2からの通知登録要求を受信して受け付ける。
制御部52の登録部は、受付部が受け付けた端末2からの通知登録要求に基づいて、端末2の通信IDとデバイストークンとを関連付けて記憶部53に、例えば通知先データベースに記憶させる登録手段である。また、登録部は、受付部が受け付けた端末2からの通知登録要求に基づいて、第2の端末識別子としてのデバイストークンを生成し、出力部を介して該端末2に付与する。
制御部52の出力部は、受付部が受け付けた支援サーバ1からの通知要求に応じて、デバイストークンで指定された端末2に対応する通信IDを、記憶部53、例えば通知先データベースを参照して抽出し、当該通信IDの端末2に対して指定されたデバイストークンと情報IDとを、通信部51を介してプッシュ通知する出力手段である。出力部は、当該通信IDの端末2に対して少なくとも指定された情報IDを、通信部51を介してプッシュ通知するようにしてもよい。また、出力部は、登録部が生成したデバイストークンを、通信部51を介して当該端末2に付与する。
<支援サーバ>
本変形例における防災支援システム100で用いられる支援サーバ1は、通信回線3を介して、支援サーバ1、通知サーバ5のそれぞれと互いに通信する。
本変形例では、記憶部13の施設情報データベース131は、通知先情報として記憶する端末2毎の端末識別子としての端末IDと関連付けて、さらに当該端末2のデバイストークンを記憶する。
また、制御部12の生成部124が通知情報を生成するとき、当該通知情報を識別するための情報識別子としての情報IDをも生成し、生成した通知情報と当該情報IDとを対応付けて通知情報データベース136に記憶する。
また、制御部12の通知部125は、改正が検出されて通知情報および情報IDが生成されたとき、施設情報データベース131を参照して改正の対象となる施設に該当する端末2の端末IDに代えて当該端末2のデバイストークンを特定する。そして、当該デバイストークンを有する端末2へ通知する通知情報に対応する情報IDを通知するよう、通知サーバ5への通知要求を、通信部11から送出させる。また、制御部12の通知部125は、通信部11を介して当該端末2から情報IDを特定した情報送信要求を受信すると、受信した情報送信要求によって当該端末2の端末IDを特定し、当該情報IDに対応する通知情報を通知情報データベース136から取得する。そして、特定した端末IDを通知先として、当該情報IDに対応する通知情報を通信部11から送出させる。
次に、以上のように構成した本変形例における防災支援システム100の動作について、図12を参照して説明する。
改正情報が支援サーバ1の改正法令データベース134に登録されると(ステップS008)、支援サーバ1の生成部124は、受け付けた改正情報に該当する基準情報を基準法令データベース133から抽出して比較し、差分情報を抽出して通知情報を生成し、通知情報データベース136に記憶させる。なお、受け付けた改正情報に該当する基準情報が存在しない場合、すなわち改正によって新たに制定された法的情報であった場合は、当該改正情報がそのまま差分情報であり、これが通知情報データベース136に記憶される。ここまでは上記実施形態と同様であるが、本変形例では、支援サーバ1の生成部124が通知情報を生成するときに当該通知情報に対応する情報IDをも生成し、生成した通知情報と情報IDとを対応付けて通知情報データベース136に記憶させる(ステップS009)。
次に、支援サーバ1の通知部125は、施設情報データベース131を参照して改正情報が対象とする施設に該当する端末2の第2の端末識別子としてデバイストークンを特定する。そして、通知情報データベース136を参照して前記対象施設に通知する通知情報に対応する情報IDを取得し、特定したデバイストークンを有する端末2を通知先として取得した情報IDをプッシュ通知するよう、通知サーバ5への通知要求を通信部11から送出させる(S101)。
通知サーバ5の制御部52の受付部は、支援サーバ1からの上記通知要求を受け付ける(ステップS102)。この通知要求には、通知先である端末2のデバイストークンと通知情報の情報IDとが含まれる。
そして、通知サーバ5の制御部52の出力部は、受け付けた支援サーバ1からの通知要求に応じて、デバイストークンで指定された端末2に対応する通信IDを、記憶部53、例えば記憶部53の通知先データベース、を参照して抽出する(ステップS103)。
そして、通知サーバ5の制御部の出力部は、当該通信IDの端末2に対して、通知要求で指定されたデバイストークンと情報IDとを、通信部51から当該端末2に対するプッシュ通知として出力させる(ステップS104)。このとき、出力部は当該通信IDの端末2に対して少なくとも指定された情報IDを、通信部51を介してプッシュ通知するようにしてもよい。
上記プッシュ通知は、デバイストークンで指定された端末2は、自らに対するプッシュ通知であれば、これを受け付ける(ステップS105)。自らに対するプッシュ通知であるか否かは、通信ID、デバイストークンのいずれか、または両方で判断するようにしてもよい。
端末2は、自らに対するプッシュ通知を通知サーバ5から受信することによって防災支援アプリを起動する(ステップS106)。この防災支援アプリは、端末2がスリープ状態であったとしても起動する。
起動した端末2防災支援アプリは、プッシュ通知によって受信した情報IDに対応する情報送信を支援サーバ1に要求する(ステップS107)。このとき、支援サーバ1に対する情報送信要求には、対応する通知情報を特定するための情報IDに加えて、要求元を識別するための端末IDを付加して送信するとよい。
支援サーバ1の通知部125は、通信部11を介して上記端末2からの情報送信要求を受け付ける(ステップS108)。そして、情報送信要求に含まれる情報IDによって通知情報データベース136を参照して対応する通知情報を特定し、この通知情報を、情報送信要求に含まれる端末IDの端末2に対して送信する(ステップS109)。
そして、上記端末IDで指定された端末2は上記通知情報を受け付け(ステップS110)、端末2は自らの表示部25の画面251にこの通知情報を表示させる(S111)。このとき端末2は、通知情報を表示出力するとともに、通知情報を音声出力するようにしてもよく、また、通知情報が表示出力された旨を、音響装置からの発声や鳴動、バイブレータの振動、短距離無線通信で接続されたウェラブル端末によって出力するようにしてもよい。また、端末2は、通知情報を表示部25に表示することに代えて、端末2が有するスピーカから音声メッセージで出力するようにして、視覚障害者に対しても通知できるようにしてもよい。
なお、支援サーバ1の施設情報データベース131に記憶する、支援サーバ1が端末2を識別するための端末識別子としての端末IDと通知サーバ5が端末2を識別するためのデバイストークンは、支援サーバ1が通知情報提供を運用する前に予め登録して記憶させておく。
例えば、支援サーバ1のオペレータが管理端末4を操作して支援サーバ1の施設情報データベース131に端末IDとデバイストークンとを登録するようにしてもよい。また、例えば、端末2から支援サーバ1への登録要求に応じて、支援サーバ1が施設情報データベース131に端末IDを、さらにデバイストークンを、登録するようにしてもよい。なお、端末2の記憶部22が記憶する端末IDは、支援サーバ1への登録要求によって、支援サーバ1から付与されて、これを端末2の記憶部22に記憶するようにしてもよい。このとき、支援サーバ1が記憶する端末IDを端末2へ付与してもよいし、支援サーバ1が生成して端末IDを端末2へ付与してもよい。支援サーバ1が施設情報データベース131に端末IDを登録する仕組みは、上記実施形態に適用することができる。
また、端末2のデバイストークンは、端末2からの登録要求に応じて、通知サーバ5が生成して付与するようにしてもよく、この場合に端末2は、登録要求に応じて付与されたデバイストークンを記憶部22に記憶する。そして、支援サーバ1が施設情報データベース131に記憶する端末2のデバイストークンは、デバイストークンを生成して端末2に付与した通知サーバ5から支援サーバ1が取得して施設情報データベース131に登録するようにしてもよい。また、支援サーバ1が施設情報データベース131に記憶する端末2のデバイストークンは、支援サーバ1が端末2からの登録要求に応じて端末IDを登録するときに、端末2の記憶部22に記憶されたデバイストークンを支援サーバ1が取得して施設情報データベース131に登録するようにしてもよい。
なお、通知サーバ5は、GCMサービスを提供するGCMサーバや、APNサービスを提供するAPNSサーバ等、プッシュ通知サービス提供者が設けたプッシュ通知用通知装置であってもよい。
また、通知サーバ5が支援サーバ1と一体化されて、支援サーバ1が端末2に対してプッシュ通知を直接行うようにしてもよい。このとき、端末2の識別子としての端末IDと、第2の端末識別子としてのデバイストークンとを共用するようにしてもよい。
すなわち、本変形例の支援サーバ1は、通信部11が、通信回線3を介して端末2と通信する通知サーバ5と、通信回線3を介して更に通信するものである。また、記憶部13は、通知サーバ5が端末2を識別するための第2の端末識別子としてのデバイストークンを更に記憶するものである。また、通知部125は、通知情報を識別するための情報識別子としての情報IDと通知先として特定したデバイストークンとを通信部11から通知サーバ5へ送信させることによって、通知サーバ5から前記デバイストークンを有する端末2に対して前記情報IDをプッシュ通知させるものである。また、前記プッシュ通知で起動する当該端末2の防災支援アプリに基づいて送信される、当該端末2からの情報IDを特定した情報送信要求を受信するものである。そして、当該端末2に対して当該情報IDに対応する通知情報を通信部11から送出して当該端末2に表示させるものである。
上記変形例で示した防災支援システム100の支援サーバ1は、改正を検出したとき、改正の対象となる建物を有する施設の管理関係者が所持する端末2に対して情報識別子としての情報IDをプッシュ通知することにより、起動させた防災支援アプリに情報IDに対応する通知情報を能動的に取得させて表示等によって出力させるので、消防関係法令等の改正の対象となった建物を有する施設の管理関係者に対し、関係する改正内容を速やかに通知し、対応を促すことができる。
2−3.変形例3
上記実施形態では、支援サーバ1の情報取得部121は、記憶部13に登録されたWebサイトを定期的に巡回して法的情報を取得していたが、これに限るものではなく、法的情報が掲載されているWebサイトを特定するための所定のキーワードに基づいて法的情報を取得するようにしてもよい。
例えば、Web上に設けられた検索サイトにおいて上記キーワードを用いた検索結果に基づいて、法的情報を取得するWebサイトを特定するようにしてもよい。そして、上記検索結果に基づいて特定したWebサイトを巡回するWebサイトとして、巡回先データベース135に登録するようにしてもよい。
上記検索サイトを用いた検索は、支援サーバ1のオペレータが手動操作によって実行し、その検索結果に基づいて特定したWebサイトを、管理端末4を操作して支援サーバ1の巡回先データベース135に登録するようにしてもよい。また、上記検索サイトを用いた検索は、支援サーバ1の制御部12、例えば情報取得部121が実行し、その検索結果に基づいて特定したWebサイトを巡回先データベース135に登録するようにしてもよい。すなわち、支援サーバ1の制御部12、例えば情報取得部121は、予め定めたキーワードを用いた検索サイトの検索結果に基づいて法的情報が掲載されたWebサイトを特定して、記憶部13、例えば巡回先データベース135の記憶領域、に登録し、登録された前記Webサイトから前記法的情報を取得するものである。
このように構成することにより、定期的に巡回するWebサイトを容易に決定することができ、特に、上記検索サイトを用いた検索を支援サーバ1の制御部12が実行する場合は、Webサイトを巡回して法的情報を取得する動作を完全自動化することができる。また、予め定めた所定のWebサイトを巡回するものではないので、法的情報を掲載したWebサイトのURLが変更されたり、そのWebサイト自体が廃止されたりしても、影響を受けることがない。
また、上記検索サイトを用いた検索は、支援サーバ1の制御部12、例えば情報取得部121が実行し、巡回先データベース135に記憶されたWebサイトに加えて、検索結果に基づいて特定したWebサイトをさらに巡回して法的情報を取得するようにしてもよい。このように構成することにより、予め定められた所定のWebサイトに加え、さらに法的情報が掲載されたWebサイトをも定期的に巡回して法的情報を取得するので、情報ソースを拡大し、法的情報の取得漏れを防止することができ、また、所定のWebサイトについて、そのURLが変更されたり、Webサイト自体が廃止されたりしても、法的情報の取得漏れを防止することができる。
また、上記検索サイトを用いた検索は、支援サーバ1の制御部12、例えば情報取得部121が実行し、巡回先データベース135に記憶されたWebサイトによらず、検索結果に基づいて特定したWebサイトだけを定期的に巡回して法的情報を取得するようにしてもよい。このように構成することにより、巡回先データベース135を設けないようにして支援サーバ1の記憶部13の構成を簡素なものとすることができる上、Webサイトを巡回して法的情報を取得する動作を完全自動化することができる。また、予め定めた所定のWebサイトを巡回するものではないので、法的情報を掲載したWebサイトのURLが変更されたり、そのWebサイト自体が廃止されたりしても、影響を受けることがない。
なお、上述したキーワード検索の対象は、Webサイトにおいて、HTMLやXHTMLで記述されたWebページに埋め込まれたテキストデータに限るものではなく、Webページに貼り付けられた、あらゆる形式のファイル(例えば、テキスト形式のファイルや、テキストデータが埋め込まれたPDFファイル等)に埋め込まれたテキストデータを対象としてもよい。また、テキストデータに限らず、文字認識(例えば、OCR)によって、画像データ(例えば、テキストデータが埋め込まれていないPDFファイルやJPG形式等の画像データ)から認識したテキストデータを対象としてもよい。
2−4.変形例4
上記実施形態では、支援サーバ1が法的情報の改正を検出したら、支援サーバ1のオペレータが改正情報を作成し、これを支援サーバ1の改正法令データベース134に登録していたが、これに限るものではない。
例えば、支援サーバ1において、改正検出部122が法的情報の改正を検出したとき、情報取得部121が取得した法的情報を登録部123が基準法令データベース133と比較し、その差異を分析して改正情報を自動的に作成し、改正情報として改正法令データベース134に登録するようにしてもよい。
このように構成することにより人手を介する工程を省くことができるので、改正の対象となる施設の端末2への通知を大幅に早めることができ、さらに大幅に工数を削減することができ、加えて人為的ミスを防止することができる。
2−5.変形例5
上記実施形態では、支援サーバ1が改正の対象となる施設の端末2に対して通知する通知情報は、改正を検出したときの法的情報(改正情報)を、基準法令データベース133に記憶された改正前の法的情報と比較して抽出した差分情報であったが、これに限るものではない。
例えば、改正検出部122が法的情報の改正を検出したとき、改正法令データベース134へ新たに登録された法的情報、すなわち改正情報を、通知情報として通知情報データベース136に記憶させ、これを改正の対象となる施設の端末2に対して通知するようにしてもよい。
このように構成することにより、通知された通知情報から、改正によって対応が必要となった事項の全体を把握することができる。
また、例えば、改正の対象となった施設の端末2に対して差分情報としての通知情報を通知した後、利用者の操作に基づいて端末2から改正情報送信要求があった場合に、通知部125が、改正法令データベース134を参照して当該改正情報を特定し、改正情報送信要求を行った端末2を端末IDによって特定して通信部11から改正情報を送出させ、当該端末2へ改正情報を通知するようにしてもよい。
このように構成することによっても、差分情報としての通知情報を通知された者は、端末2を操作して改正情報自体を送信要求し、この要求に応じて通知された改正情報から、改正によって対応が必要となった事項の全体を把握することができる。
2−6.変形例6
上記実施形態において、改正の対象となった施設の端末2に対する通知は、通知部125が所定期間毎に定期的に繰り返し再通知するようにし、対応を促すようにしてもよい。また、法的情報の改正に基づく対応を開始している施設に対しては、この再通知を停止するようにしてもよい。例えば、消防設備や消防用品の施工・改修・交換・点検等を実施する事業者が、防災支援システム100を運営している場合、顧客である施設の管理者とともに当該事業者が対応を開始または準備しているような場合、この再通知は無駄であるばかりでなく、迷惑な通知である。
そこで、再通知を停止する施設について、例えば、通知情報データベース136のデータ構造に「再通知停止」を意味するデータ領域をさらに設け(図7を参照)、法的情報の改正に応じて実施せねばならない事項(図7においては実行CODE)が登録されている通知情報毎に(図7においては、1行で示されているレコード毎に)、再通知停止を設定できるようにしておく。このとき、施設を特定して、再通知をすべて停止するようにしてはならない。対応ができていない事項の通知情報までもを再通知停止に設定すると、対応に漏れを生ずる虞があるからである。
なお、その時点で、すべての通知情報について既に対応が進んでいるのであれば、この時点で既に通知された通知情報のみについて当該施設に対する再通知停止を設定できるようにしてもよい。このようにすることにより、再通知停止を設定した施設が、さらに新たな改正の対象となった場合に再通知されなくなる事態を防止することができる。
この設定は、例えば、支援サーバ1のオペレータが操作する管理端末4から支援サーバ1に設定するようにし、支援サーバ1の登録部123が、通知情報データベース136の指定された施設の指定された通知情報に、再通知停止を登録するようにするとよい。
このように構成することにより、所定期間毎に定期的に繰り返し通知情報を再通知するので、改正の対象となった施設の管理者に対して対応を促すことができる。また、既に通知された通知情報に基づいて対応を開始または準備しているような場合に、再通知を停止することができるので、無駄かつ迷惑な再通知を停止することができる。
2−7.変形例7
上記実施形態において、支援サーバ1は、クラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されるようにしてもよい。ここで述べるクラウドコンピューティングシステムとは、通信回線3によるネットワーク上に設けられた複数のネットワーク機器に、ソフトウェアや情報を格納しておき、端末2が通信回線3にアクセスすることによって、ネットワーク上に設けられた前記複数のネットワーク機器を支援サーバ1として利用可能とする技術である。
例えば、ネットワーク上に設けられた複数のクラウドサーバが互いに連携して、支援サーバ1として機能するものである。すなわち、支援サーバ1は、クラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されるものである。このように構成することにより、ネットワーク上のクラウドサーバを増設することにより、防災支援システム100の規模を容易に拡大することができる。また、端末2からの支援サーバ1へのアクセスを複数のクラウドサーバに分散させることを可能とするので、1つの支援サーバ1にアクセスが集中して機能不全に陥ることを防止することができる。
なお、さらに通知サーバ5をネットワーク上に設けられた複数のクラウドサーバが互いに連携して、通知サーバ5として機能させてもよい。すなわち、通知サーバ5は、クラウドコンピューティングシステムの機能によって構成されるものである。また、さらに、ネットワーク上に設けられた複数のクラウドサーバが互いに連携して、支援サーバ1と通知サーバ5として機能させるようにしてもよい。
2−8.変形例8
上記実施形態において、防災支援システム100を用いて、さらに自衛消防隊の活動を支援するようにしてもよい。
例えば、施設毎の自衛消防隊員を定めて端末2を所持させ、これを施設毎の隊員データベースとして、施設の管理者とは区別して登録し、支援サーバ1の記憶部13に記憶させておく。また、支援サーバ1は、施設毎に設置されている自動火災報知設備から火災信号を受信できるようにしておく。そして火災発生時、支援サーバ1は、自動火災報知設備からの火災信号を受信することによって当該施設の火災発生を検出する。そして、火災を確認できる特定の自衛消防隊員を火災発生場所に応じて適切に選択して、火災に関する通報情報を当該自衛消防隊員の所持する端末2に自動的に表示させ、火災の確認を要請し、迅速に火災の確認をさせる。そして、火災が確認されたとき、当該自衛消防隊員は自らが所持する端末2を操作して、火災を確認した旨を支援サーバ1に報告する。支援サーバ1は、この報告に基づいて、当該施設の他の自衛消防隊員が所持する端末2に、火災発生が確認されたことを通知し、自衛消防隊の活動を開始させるようにする。上述した本変形例の支援サーバ1の構成の一例を以下に示す。なお、簡便のため、以下に記載する端末2は、自衛消防隊員が所持する端末2として説明する。また、プッシュ通知を利用する例として、上述した通知サーバ5を利用した例で説明するが、これに限るものではない。
支援サーバ1は、通信回線3を介して受け付けた監視対象の施設からの火災情報に基づいて通報情報を生成し、生成した火災情報を、通信回線3を介して自衛消防隊員が所持する複数の端末2に発信する。また、端末2は、通信回線3を介して通知サーバ5からプッシュ通知された前記火災情報を識別する情報識別子としての情報IDを取得する。そして、取得した情報IDに基づいて通信回線3を介して支援サーバ1と相互通信を行うことで支援サーバ1から情報IDに対応する火災情報の提供を受けて出力表示する。
支援サーバ1の記憶部13は、複数の端末2の端末識別子としての端末IDと、通知サーバ5が前記複数の端末2のそれぞれを特定するための第2の端末識別子としてのデバイストークンと、自衛消防隊員の属性情報とを関連付けた隊員データベースの記憶領域を記憶する。
支援サーバ1の制御部12は、さらに隊員データベースに記憶された情報に基づいて、前記火災情報の発信を、第1の通報情報と第2の通報情報による2段階通報により実行する。制御部12は、前記火災情報として火災が発生した場所を特定できる火災位置情報を含む火災感知情報を前記監視対象から受信する。そして、前記火災位置情報と前記隊員データベースに記憶された前記属性情報との比較結果から、前記火災が発生した現場で火災確認を行うことを要請する前記第1の通報情報の通報先の端末2の端末IDを選択する。
さらに、支援サーバ1の制御部12は、選択した端末IDに対応するデバイストークンを特定するとともに、受信した前記火災情報に対応する第1の情報IDを生成する。そして、特定したデバイストークンを有する端末2に対して通知サーバ5から前記第1の情報IDを第1のプッシュ通知により通報させるために、通知サーバ5に対して、前記デバイストークンと前記第1の情報IDを含む第1の通知要求を送信する。
また、さらに、支援サーバ1の制御部12は、前記第1のプッシュ通知を受信した端末2から、前記第1の通知要求に含まれる前記第1の情報IDに対応した前記第1の通報情報の送信を要求する第1の送信要求を受信する。そして、前記第1の送信要求の送信元である端末2に対して前記第1の情報IDに対応した前記第1の通報情報を発信するする。この第1の通報情報の応答として、前記第1の通報情報を受信した自衛消防隊員による端末2からの操作入力に基づいて、当該自衛消防隊員が、前記火災が発生した現場における火災発生を確認したことを示す火災確認情報を当該端末2が返信する
支援サーバ1の制御部12は、この火災確認情報を受信した場合、前記火災確認情報に基づいて前記第2の通報情報としての火災断定情報の通報先を特定する。その通報先としては、前記火災感知情報を発した監視対象の端末2すべての端末IDを第2の端末IDとして選択し、選択した前記第2の端末IDに対応するデバイストークンを前記第2の通報情報の通報先として特定する。
さらに、支援サーバ1の制御部12は、前記第2の通報情報に対応する第2の情報IDを生成し、前記第2の通報情報の通報先として特定したデバイストークンを有する端末2に対して通知サーバ5から前記第2の情報IDを第2のプッシュ通知により通報させる。このために、通知サーバ5に対して、前記デバイストークンと前記第2の情報IDを含む第2の通知要求を送信する。そして、前記第2のプッシュ通知を受信した端末2から前記第2の通知要求に含まれる前記第2の情報IDに対応した前記第2の通報情報の送信を要求する第2の送信要求を受信することで、前記第2の送信要求の送信元である端末2に対して前記第2の情報IDに対応した前記第2の通報情報を発信する。
このように構成することにより、火災発生時に、火災確認が可能な自衛消防隊員に対して迅速に火災発生を通報し、当該火災を迅速に確認するとともに、確認された火災情報を信頼できる情報として他の自衛消防隊員に対して迅速に通報し、自衛消防活動を開始させることができる。したがって、法的情報の改正の対象となった施設に、その情報を提供して火災や災害に備えるのみでなく、火災発生時にも自衛消防隊の活動を支援することができる。
さらに、火災確認されたとき、支援サーバ1は第2の通報情報に代えて、自衛消防隊の活動への参加要請を発信し、この参加要請を受信した端末2からの参加可否を示す応答に応じて、予め定めたルールで各自衛消防隊員の役割を決定して自衛消防隊を自動的に編成し、決定した役割を第3の通報情報として、対応する端末2へ発信するようにしてもよい。応答の無い端末2は、不在と判断して編成の対象外とする。前記ルールの一例について説明すると、支援サーバ1の記憶部13に、自衛消防隊の役割毎に予め順位を設けて定めた自衛消防隊員候補者を登録しておく役割データベースの領域を設け、参加可能な隊員から当該役割が決定されるようにしてもよい。また、支援サーバ1の記憶部13に、自衛消防隊員候補者の役割に対する適性を示す属性情報を記憶する領域を設け、参加可能な隊員から役割毎に適性の高い者から当該役割が決定されるようにしてもよい。また、上記役割データベースに基づいて参加可能な隊員から当該役割を決定し、欠員が発生する場合に上記属性情報に基づいて参加可能な隊員から役割を決定するようにして欠員を補充するようにしてもよい。
このように構成することにより、不在であったり、怪我などの理由で自衛消防活動に参加不能であったりして、自衛消防活動に参加することが無理な隊員候補者を除いて、有効に機能する自衛消防隊を迅速に自動編成することができる。