JP6664967B2 - 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド - Google Patents

地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド Download PDF

Info

Publication number
JP6664967B2
JP6664967B2 JP2016007888A JP2016007888A JP6664967B2 JP 6664967 B2 JP6664967 B2 JP 6664967B2 JP 2016007888 A JP2016007888 A JP 2016007888A JP 2016007888 A JP2016007888 A JP 2016007888A JP 6664967 B2 JP6664967 B2 JP 6664967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drilling
drilling rod
water
water pressure
pressure gauge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016007888A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017128881A (ja
Inventor
啓丞 栗原
啓丞 栗原
圭太 岩野
圭太 岩野
淳一 川端
淳一 川端
一彦 升元
一彦 升元
昭治 瀬尾
昭治 瀬尾
侑子 岡田
侑子 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2016007888A priority Critical patent/JP6664967B2/ja
Publication of JP2017128881A publication Critical patent/JP2017128881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6664967B2 publication Critical patent/JP6664967B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッドに関し、詳しくは、地盤削孔の過程で地下水圧を計測する技術に関する。
特許文献1には、湧水圧を測定する湧水圧測定部と、この湧水圧測定部と連結されるとともに湧水量を測定する湧水量測定部とからなり、パッカーによって本体パイプの外周面と孔の孔壁との隙間を塞いでから、本体パイプの流路に湧水を導き、開閉バルブによって流路を閉塞してから、この流路内の水圧を測定し、その後、鉛直に配置された鉛直パイプ内を通過する湧水の流量を測定する、湧水圧及び湧水流量の測定装置が開示されている。
特許文献2には、トンネル切羽の前方地盤の所定深さまで水平ボーリング孔を削孔し、水平ボーリング孔内に、管延長の所定位置に管内外を閉塞可能な管内パッカーと外周パッカーとからなるパッカーとパッカーの近傍に間隙水圧計とを有する水圧測定スクリーン管を挿入し、口元キャップで水平ボーリング孔の口元を閉塞するとともに、パッカーを膨張させてスクリーン管内及びスクリーン管外周とボーリング孔の孔壁との間を閉塞して、ボーリング孔内のパッカーで区画された区間内を横切る透水層から流入する地下水で満たし、各間隙水圧計位置での水圧測定を行うようにした、多点水圧測定方法が開示されている。
特開2010−024787号公報 特開2002−276277号公報
例えばトンネル掘削中の地下水探査において、ボーリング削孔後に削孔ツールスを全て撤去した後に、ボーリング孔に地下水圧の測定に用いる装置を挿入して水圧を測定する場合、以下のような問題があった。
上記のような水圧測定方法では、地下水圧の測定のために、ボーリング削孔、削孔ツールス撤去、水圧測定装置の挿入、水圧測定、水圧測定装置の回収などの多くの作業工程を必要とするため、削孔長が長くなるほど作業手間、作業時間が増え、また、挿入・回収時に水圧測定装置などが破損する可能性があった。
また、地下水探査においてはケーシング無しの裸孔である必要があるため、孔荒れや孔崩れがあると、水圧測定装置をボーリング削孔内に挿入できずに水圧測定が不能になったり、或いは、孔内に挿入した水圧測定装置を回収できなくなるなどのトラブルが発生する可能性があった。
また、地下水が大量である場合、水圧測定装置をボーリング削孔内に挿入できずに水圧測定が不能になる場合がある。
更に、複数の深度で水圧測定を行う場合、削孔深度が所期の深度に到達する毎に水圧測定を行えば初期状態での地下水圧を測定できるが、所期の深度に到達する毎に、削孔ツールス撤去、水圧測定装置の挿入、水圧測定、水圧測定装置の回収などの作業工程を繰り返す必要が生じる。
一方、全長削孔後に水圧測定装置をボーリング削孔内に挿入し、圧力計測を行う所期深度まで水圧測定装置を移動させて水圧測定を行えば、水圧測定装置の挿入・回収などの一連の作業工程を繰り返す手間を省けるが、削孔後に時間が経過してから水圧を測定することになるため、初期状態(削孔深度が地下水帯に到達した時点)での地下水圧を測定できない。
そこで、本願発明は、削孔ツールス撤去、測定装置の挿入、測定、測定装置の回収などの作業工程を省略しつつ、初期状態での地下水圧を測定することが可能である、地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッドを提供することを目的とする。
そのため、本発明に係る地盤削孔における地下水圧計測方法は、その一態様として、削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドの内部に、区画された収納室を設け、
前記収納室と前記削孔ロッドの外周とを連通孔によって連通させ、前記収納室に水圧計を配置し、地盤の削孔過程で前記削孔ロッドの外周が地下水領域と連通するときに、前記水圧計により計測を行い、地下水圧の計測データを取得するようにした。
前記地盤削孔における地下水圧計測方法の好ましい態様において、前記削孔過程において削孔を停止して前記水圧計により計測を行い、地下水圧の計測データを取得するようにした。
さらに別の好ましい態様では、前記削孔ビットは、前記削孔ロッドの内部を通じて流れて外部に流れ出る高圧水を駆動源として削孔動作するものであって、前記削孔ロッドの内部に前記削孔ビット側から口元側への水の流れを阻止する逆止弁が配置されている。
一方、本発明に係る削孔ロッドは、その一態様として、削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドであって、前記削孔ビットは、前記削孔ロッドの内部を通って供給される高圧水を駆動源として削孔動作し、前記削孔ロッドは、内部に区画された収納室を有し、前記収納室は、前記削孔ロッドの外周と連通孔によって連通され、前記収納室に自記式水圧計を備えるようにした。
また、本発明に係る削孔ロッドは、その一態様として、削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドであって、前記削孔ロッドは、内部に区画された収納室を有し、前記収納室は、前記削孔ロッドの外周と連通孔によって連通され、前記収納室に水圧計を備えるようにした。
前記削孔ロッドの好ましい態様において、前記自記式水圧計又は前記水圧計は、前記収納室に複数のステーにより固定されている。
さらに別の好ましい態様では、前記自記式水圧計又は前記水圧計は、弾性支持部材によって両端が支持されて前記収納室に収納されている。
さらに別の好ましい態様では、前記削孔ロッドの内部に前記削孔ビット側から口元側への水の流れを阻止する逆止弁を備えるようにした。
本発明によると、削孔ロッドに設けた水圧計が地盤の削孔過程で地下水圧の計測を行うため、削孔途中で削孔ロッドを撤去し計測器を挿入するなどの作業工程を不要にでき、また、孔荒れや孔崩れなどによって測定不能になったり計測器が回収不能になったりすることを抑制でき、また、初期状態での地下水圧を計測することが可能になる。
更に、削孔ロッドの内部に区画された収納室を設け、前記収納室と前記削孔ロッドの外周とを連通孔によって連通させ、前記収納室に水圧計を配置するから、削孔ロッドの内部が何らかの異常によって高圧になっても、係る高圧によって水圧計が壊れることを抑制できる。
例えば、削孔ビットが、削孔ロッド内を通って供給される高圧水によって削孔動作する構成において、高圧水の排出経路のつまりなどによって削孔ロッド内の水圧が異常に高くなっても、水圧計の受圧部が係る高圧に晒されることが抑止され、水圧計を保護することができる。
本発明の実施形態における水圧式ロータリ削孔システムを構成する削孔ロッドの構造及び削孔中の水の流れを示す断面図である。 本発明の実施形態における自記式水圧計の収納室及び収納室における自記式水圧計の支持構造を示す断面図(図1のII−II断面図)である。 本発明の実施形態における水圧式ロータリ削孔システムを示す図である。 本発明の実施形態におけるトンネル掘削中の地下水探査の概要を説明するための図である。 本発明の実施形態における地下水探査のための削孔工程を説明するための図である。 本発明の実施形態における水圧式ロータリ削孔システムを構成する削孔ロッドの構造及び削孔停止中の水の流れを示す断面図である。 本発明の実施形態における自記式水圧計の計測データ及び地下水圧の抽出処理を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施形態において自記式水圧計の収納室の別の形態を例示する断面図である。 本発明の実施形態において図8の収納ケースの支持構造を例示する断面図である。 本発明の実施形態における口元側で地下水流量を計測する構成を示す断面図である。
以下では、図面を参照して、本発明に係る地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッドの実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る削孔ロッド(ドリルロッド、ボーリングロッド、ケーシングロッド)の一態様を示す断面図であり、図2は、図1のII−II断面図である。
図1、図2に示した削孔ロッド100は、高圧水を駆動源として削孔ビットを回転駆動して削孔する水圧式ロータリ削孔システム(ダウンホールモータによる削孔システム)を構成するツールである。
なお、高圧水を駆動源とする削孔システムは、水圧式ロータリパーカッション削孔システム(ダウンザホールハンマによる削孔システム)であってもよく、削孔ロッド100は、高圧水を駆動源として削孔ビットを回転及び/又は打撃動作させる削孔システムに適用されるツールである。
削孔ロッド100は、中空筒状の本体部110と、本体部110の先端に本体部110の軸回りに回転可能に支持される削孔ビット120と、本体部110内に配置され削孔ビット120を回転駆動するダウンホールモータ130と、本体部110内に配置され水圧を計測する自記式水圧計140と、本体部110内における水の逆流(削孔用高圧水の流れ方向と逆方向の流れ)を阻止する逆止弁150とを有して構成される。
削孔システムが、水圧式ロータリパーカッション削孔システム(ダウンザホールハンマによる削孔システム)の場合、上記のダウンホールモータ130は、ダウンザホールハンマに置き換えられ、ダウンザホールハンマは、削孔ビット120を回転及び打撃動作させる駆動力を付与する。
本体部110の内部には、先端側(削孔ビット120側)から順に、ダウンホールモータ130、自記式水圧計140、逆止弁150が配置される。
逆止弁150は、前後差圧に応じて動作し、口元側からダウンホールモータ130(削孔ビット120)に向かう水の流れを許容しダウンホールモータ130(削孔ビット120)から口元に向かう水の流れ(逆流)を阻止する。
自記式水圧計140は、電源(バッテリー)142及びフラッシュROMなどのメモリ143を棒状本体に内蔵し、メモリ143に水圧の計測結果を時系列に記録する機能を有する計測器であり、任意に変更可能な時間ピッチ毎にそのときの計測データをメモリ143に自動的に記録する。
自記式水圧計140は、メモリ143に記録されている計測データを読み出すためのケーブル端子(図示省略)を備え、パーソナルコンピュータなどとケーブルで接続することで、計測データの読み出しが行える。
本体部110内部のダウンホールモータ130と逆止弁150との間には、収納室145が区画形成され、この収納室145に自記式水圧計140が設置される。
収納室145は、箱状の壁部材144を、本体部110の内周壁に開口縁が密着するように固定することで、箱状の壁部材144と本体部110の内周壁とで囲まれる空間として形成される。削孔ビット120の駆動源としての高圧水は、収納室145の外側を通ってダウンホールモータ130に向けて送水される。
収納室145を囲む本体部110の周壁には、複数の連通孔146を貫通形成してあり、収納室145内の空間(自記式水圧計140の収納空間)と本体部110の外周(削孔ロッド100の外周面と削孔された孔290との間隙空間)とは、連通孔146によって連通する。
一方、収納室145を囲む壁部材144は、収納室145内と本体部110内とを隔て、収納室145内と本体部110内との間では水が移動せず、本体部110内の圧力変化が収納室145内に直接的に伝わることがないように構成されている。
係る構成により、自記式水圧計140は、削孔ロッド100の外周の水圧を受圧し、削孔ロッド100の外周、換言すれば、削孔ロッド100の外周と削孔された孔290との間隙における水圧を計測する。
自記式水圧計140は、収納室145内の中央付近に、自記式水圧計140の軸が本体部110の軸と略平行になるように複数のステー141によって固定される。
図2に示した支持構造の一態様では、一端が壁部材144又は収納室145を囲む本体部110の内周壁に固定され他端が自記式水圧計140に固定されるステー141を、自記式水圧計140の軸方向の前後二カ所において自記式水圧計140から放射状に3方に延設して、自記式水圧計140を収納室145内の中央付近に固定している。
ダウンホールモータ130は、螺旋状のステーター及びローターで構成されるタービン部、ローターの偏心運動を同心回転運動に変換して削孔ビット120に伝達する動力伝達装置などで構成される。
本体部110の内部を通じて口元側から削孔ビット120に向けて供給される高圧水は、ダウンホールモータ130のローターを回転させて削孔ビット120に回転力を付与し、その後、本体部110先端から外部に流出し、削孔ロッド100の外周と削孔された孔290との間隙に流れ出て口元側に戻る。
図3は、上記の削孔ロッド100を含む水圧式ロータリ削孔システム(ダウンホールモータによる削孔システム)の全体構成の一態様を示す。
削孔ロッド100の基端側(削孔ビット120の反対側)には、図示省略したカップリングを介して中空筒状の延長用削孔ロッド220が継ぎ足され、削孔深度が深くなるにしたがって継ぎ足す延長用削孔ロッド220の数が増やされる。
複数連結される延長用削孔ロッド220のうちの最基端の延長用削孔ロッド220にはスイベル230が連結される。
スイベル230は、送水パイプ270を介してポンプ240の吐出口に接続されていて、ポンプ240は水槽260に貯留された水を吸い込んでスイベル230に向けて高圧水を供給する。
送水パイプ270の途中にはフィルターボックス250を設けてあり、ポンプ240から吐出された高圧水は、フィルターボックス250でろ過された後にスイベル230に供給される。
スイベル230に供給された高圧水は、延長用削孔ロッド220の内部を通って削孔ロッド100に供給され、高圧水がダウンホールモータ130に流れ込むことで、ダウンホールモータ130のローターが高圧水の流れによって回転駆動され、ローターの回転が削孔ビット120に伝達されて削孔ビット120が回転し、削孔ビット120の回転により地盤を削孔する。
また、穿孔された孔290の口元付近には、孔崩れを防止するための筒状の口元保護管(ケーシング)310が嵌入され、この口元保護管310の内側に削孔ロッド100、220が挿通され、口元保護管310が設けられる口元部分で2重管を形成する。
また、口元保護管310の内周面と延長用削孔ロッド220の外周面との間の環状隙間を開閉するバルブである口元プリベンターバルブ(Preventer Valve)320を設けてある。
上記構成の水圧式ロータリ削孔システムは、例えば、トンネル掘削中の地下水探査のための削孔に用いられる。
図4は、トンネル掘削中の地下水探査のための削孔の概念図である。
トンネル掘削中の地下水探査のための削孔としては、例えば、地盤(地山)における高圧水帯の存在・位置を把握するための超長尺削孔、トンネル掘削,水抜孔増設に伴う水圧観測モニタリングのための長尺削孔、切羽近傍の水圧観測のための短尺削孔などがある。
上記の削孔ロッド100を含む水圧式ロータリ削孔システムは、地盤(地山)における高圧水帯の存在・位置を把握するための超長尺削孔に好適に用いることができる。
次に、削孔ロッド100を含む水圧式ロータリ削孔システムによる、トンネル掘削中の地下水探査のための削孔の工程を、図5にしたがって説明する。
削孔を開始する前に、自記式水圧計140をオン状態にセットし、また、水圧の計測データをメモリ143に記憶させる時間間隔である時間ピッチの設定を行う(第1工程)。
次いで、自記式水圧計140を備えた削孔ロッド100を含んで構成される削孔システムを削孔状態にセットし、削孔(高圧水の供給)を開始する(第2工程)。
図1に示すように、口元側から削孔ロッド100に向けて送水される高圧水(ポンプ送水)は、延長用削孔ロッド220の内部を通過して削孔ロッド100の内部に至り、逆止弁150を通過して削孔ロッド100のダウンホールモータ130に流れて削孔ビット120を削孔動作させ、その後、削孔ビット120側から外部に流出し、削孔ロッド100,220の外周面と孔290の壁面とで形成される横断面が環状の空間を通って口元側に戻される。
削孔を開始した後は削孔深度を監視し(第3工程)、削孔が所定深度まで進んだとき、例えば、延長用削孔ロッド220の継ぎ足しが必要な深度に達した時点で削孔(高圧水の供給、ポンプ送水)を一時的に停止し(第4工程)、継ぎ足しが必要な深度になって削孔を停止した場合には、延長用削孔ロッド220の継ぎ足し作業を行う(第5工程)。
削孔過程で高圧水の供給を停止したときに、削孔ビット120(切羽)が地下水帯300に位置している場合、図6に示すように、削孔ロッド100内に地下水が浸入して逆止弁150が閉じる一方、削孔ロッド100の外周と孔290との間の隙間に地下水が流れ込んで口元に向けて流れる。
ここで、削孔ロッド100の外周には、収納室145に連通する連通孔146が開口しているから、削孔ロッド100の外周と孔290との間の隙間を流れる地下水の圧力と収納室145内の圧力とが同じになり、自記式水圧計140は地下水圧を計測してメモリ143に記憶することになる。
一方、削孔ビット120の駆動源である高圧水(削孔用作動流体)がポンプで送水される削孔中は、この高圧水が削孔ビット120側から削孔ロッド100の外部に流出し、その後、削孔ロッド100の外周と孔290との間の隙間を流れる。
このため、削孔中で、削孔ビット120(切羽)が地下水帯300に位置していない場合、自記式水圧計140は、駆動源として供給された高圧水が口元に向けて戻るときの圧力を計測する。また、削孔中で、削孔ビット120(切羽)が地下水帯300に位置している場合、自記式水圧計140は、駆動源として供給された高圧水と地下水とで形成される圧力を計測することになる。したがって、削孔中における自記式水圧計140の計測圧力値は、地下水圧を示す値にはならない。
係る削孔状態から高圧水の供給を遮断して削孔を停止すると、逆止弁150の上流側の圧力が下がって逆止弁150が閉じる。
そして、削孔を停止したときに削孔ビット120(切羽)が地下水帯300に位置していると、図6に示すように、地下水は削孔ロッド100の外周と孔290との間の隙間に流れ込み、削孔ロッド100の外周と孔290との間の圧力は地下水で形成されることになり、削孔ロッド100の外周と連通孔146で連通する収納室145に収納される自記式水圧計140の計測値は地下水圧を示すことになる。
換言すれば、削孔過程で駆動源である高圧水の供給を停止することは、自記式水圧計140によって地下水圧を計測できる状態に設定することになり、高圧水の供給を停止する毎(延長用削孔ロッド220の継ぎ足しを行う毎)、つまり、異なる複数の深度毎に、自記式水圧計140は地下水圧を計測してメモリ143に記憶することになる。
このように、削孔用高圧水の供給を停止して延長用削孔ロッド220を継ぎ足す第4工程、第5工程では、並行して自記式水圧計140による地下水圧の計測が行われることになるが、自記式水圧計140は削孔用高圧水が供給されているか否かとは無関係に一定の時間ピッチでそのときの計測データをメモリ143に自動的に記憶するから、作業者は、地下水圧を測定するための作業を削孔過程で行う必要はない。
自記式水圧計140がメモリ143に記憶する計測データは時系列データであり、削孔ビット120による削孔(削孔用高圧水の供給)を停止した時刻及び削孔の再開時刻から、削孔中の計測データと削孔停止中の計測データとに区別できる。
そこで、後述する削孔完了後の計測データ解析のために、削孔過程において、削孔ビット120による削孔(削孔用高圧水の供給)を停止した時刻(削孔停止期間)及び削孔の再開時刻(削孔中期間)を記録しておく。削孔停止時刻、削孔再開時刻の記録は自動的に行われるよう構成でき、また、作業者が記録作業を行う構成とすることができる。
以上のようにして地盤削孔を行い、目標深度に達したか否かを監視し(第6工程)、目標深度に達するまでは、削孔用高圧水の供給停止、延長用削孔ロッド220の継ぎ足し、削孔用高圧水の供給再開を周期的に繰り返す。
そして、削孔が目標深度に達すると、削孔用高圧水の供給停止し(第7工程)、削孔ロッド100及び延長用削孔ロッド220を含む削孔ツールスを、穿孔された孔290から回収する(第8工程)。
穿孔された孔290から削孔ロッド100を回収すると、削孔ロッド100の内部に配置された自記式水圧計140のメモリ143から、削孔過程で一定時間毎に計測され記憶されている水圧計測データを読み出す(第9工程)。
水圧データのメモリ143から読み出しは、例えば、自記式水圧計140とパーソナルコンピュータ410とをケーブル420で接続し、パーソナルコンピュータ410に計測データを転送させることで行われる。
自記式水圧計140とパーソナルコンピュータ410とをケーブル420で接続するための構造の一態様として、自記式水圧計140が内蔵される部分を本体部110から分離できるように、本体部110を、逆止弁150を備える第1ユニットと、自記式水圧計140を備える第2ユニットと、ダウンホールモータ130を備える第3ユニットとの少なくとも3ユニットが着脱可能に連結される構造とし、更に、自記式水圧計140を収納室145から取り出すために、壁部材144に開閉可能な取り出し蓋を設けるなどの構成とすることができる。
そして、削孔時には上記の各ユニットを連結して用い、削孔後に自記式水圧計140のメモリ143から計測データを取り出すときには各ユニットの間の連結を外して、自記式水圧計140を備える第2ユニットを分離し、壁部材144などに設けた取り出し蓋を開けて自記式水圧計140を収納室145から取り出し、取り出した自記式水圧計140にケーブル420を接続する。
また、本体部110(又は第2ユニット)に取り付けられた状態のまま自記式水圧計140にケーブル420を接続できるよう構成することができる。
例えば、収納室145を構成する削孔ロッド100の周壁に開閉可能な開口部を設け、削孔時には開口部を閉塞し、自記式水圧計140のメモリ143から計測データを読み出すときに開口部を開け、収納室145内の自記式水圧計140にケーブル420を接続することができるよう構成することができる。
また、保護蓋付の外部コネクタを本体部110の周壁に外部からケーブル接続できるように固定し、外部コネクタと内部の自記式水圧計140のコネクタとを内部ケーブルで接続し、削孔中は保護蓋で外部コネクタを保護し、削孔後に削孔ロッド100を回収すると、保護蓋を開けて外部コネクタにアクセスできるようにし、一端がパーソナルコンピュータ410に接続されるケーブルを本体部110の周壁に固定された外部コネクタに接続する構成とすることができる。
また、自記式水圧計140のメモリ143をメモリカードなどの着脱可能な記憶媒体とし、削孔後に削孔ロッド100を回収したときに自記式水圧計140からメモリ143を取り外して、パーソナルコンピュータ410などのデータ読み取り装置にセットし、水圧計測データの読み出しを行わせることができる。
上記のようにして、削孔ロッド100(自記式水圧計140)を孔290から回収した後に、メモリ143から削孔過程での時系列の計測データを読み出すと、次いで、読み出した計測データを解析して地下水圧の計測データを抽出する(第10工程)。
自記式水圧計140から読み出される計測データは、削孔開始から削孔完了までの期間(削孔開始から削孔ロッド100が回収されるまでの期間)で一定時間ピッチ毎に計測された水圧データである。
一方、延長用削孔ロッド220の継ぎ足しのために削孔用高圧水の供給と供給停止とを繰り返して削孔が行われるから、自記式水圧計140から読み出される計測データは、削孔用高圧水が供給されている状態(削孔中)での計測データ(送水圧データ)と、削孔用高圧水の供給が停止されている状態(削孔停止中)での計測データとが含まれる。
ここで、削孔過程において削孔用高圧水の供給を停止したタイミング(削孔停止タイミング)及び削孔用高圧水の供給を再開したタイミング(削孔再開タイミング)、つまり、削孔実施期間及び削孔一時停止期間は既知である。
したがって、自記式水圧計140から読み出した複数の圧力計測データの中から、削孔過程において削孔用高圧水の供給を一時的に停止していた削孔一時停止期間における圧力計測データ群を抽出することができ、更に、抽出した削孔一時停止期間での圧力計測データ群を解析することで地下水圧を求めることができる。
削孔過程において削孔用高圧水の供給を一時的に停止している期間が長くなると、そのときに切羽が位置している地下水帯以外の影響を圧力計測データが受け易くなり、係る外乱の影響を受けた圧力計測データを地下水圧の計測データに含めると、地下水圧の計測精度が低下する。
そこで、例えば、図7に示すように、削孔用高圧水の供給を一時的に停止した後の圧力計測データが安定したときの計測データを地下水圧の計測データとして抽出し、その後の圧力計測データの変化を外乱による変化と見做して地下水圧の計測データから除外することができる。
また、削孔用高圧水の供給を一時的に停止したタイミングから一定時間内の圧力計測データを地下水圧の計測データとして抽出することができる。
上記のように自記式水圧計140から読み出した計測データを解析して地下水圧のデータを求める工程は、自記式水圧計140から読み出された計測データをパーソナルコンピュータの画面に表示させる工程と、この画面表示に基づき作業者が解析を行って地下水圧のデータなどを求める工程とで構成することができる。
また、パーソナルコンピュータに送水履歴のデータ(削孔用高圧水の供給を停止したタイミング及び供給を再開したタイミングのデータ)を格納させておくことで、自記式水圧計140から読み出した計測データを解析して地下水圧のデータを求める処理をパーソナルコンピュータがプログラム処理し、最終的な解析結果である地下水圧データを画面に表示して作業者に提供する構成とすることができる。
上述の削孔ロッド100を用いて地下水圧を計測する方法によると、削孔過程において地下水圧を測定しない場合と同じ作業を行うことで、同時並行で地下水圧の計測データの収集が自動的に行われるから、削孔作業と地下水圧の測定作業とを個別に行う場合に比べて作業手間を削減できるとともに作業時間を短縮することができ、しかも、削孔長が長くなっても地下水圧を測定するための手間及び時間が増えない。
更に、削孔ロッド100の内部に自記式水圧計140を配置した構成では、自記式水圧計140が直接孔壁などに触れることがないため破損の可能性が低く、また、孔荒れ、孔崩れがあったり地下水が大量の場合でも、地下水圧を計測しかつ計測後に自記式水圧計140を回収することができる。
更に、削孔深度が地下水帯に到達した時点で地下水圧を計測するから、初期状態での地下水圧(湧水圧)を計測することができる。
また、削孔用高圧水の供給を一時的に停止したタイミングで(延長用削孔ロッド220が継ぎ足される毎に)地下水圧が測定されるので、削孔過程で複数の深度毎に初期状態での地下水圧を検出できる。
なお、延長用削孔ロッド220の継ぎ足しタイミング間の任意のタイミングで、地下水測定のために削孔用高圧水の供給(削孔)を一時的に停止し、自記式水圧計140が地下水圧を計測する状態にすることができる。この場合、延長用削孔ロッド220の継ぎ足しタイミング毎(継ぎ足しが行われる一定深度毎)に地下水圧が計測され、更に、任意の深度で地下水圧の計測を行わせることができる。
また、削孔用高圧水の供給を一時的に停止し、自記式水圧計140が地下水圧を計測する状態にするときに、口元プリベンターバルブ(遮水パッカー)320を閉じ口元保護管310の内周面と延長用削孔ロッド220の外周面との間の環状隙間を介して地下水が口元から漏れ出すことを抑制することができる。
削孔用高圧水の供給を一時的に停止するときに口元プリベンターバルブ320を閉じれば、削孔ロッド100の外周面と孔壁との隙間を介して口元に向けて流れた地下水が口元から漏れ出すことが抑制され、一方で、逆止弁150により削孔ロッド100内部が閉塞されるから、穿孔された孔290を介した地下水圧の漏れ出しが防がれ、地下水圧の計測精度を向上させることができる場合がある。
但し、孔290が複数の地下水帯を相互に連通させるように穿孔された場合、削孔用高圧水の供給(削孔)を一時的に停止したときに口元プリベンターバルブ320を開けておけば、口元に近い側の地下水帯の圧力を口元側から逃がして自記式水圧計140に作用することを抑制し、切羽に近い地下水帯の水圧を自記式水圧計140によって計測させることができる場合がある。
また、自記式水圧計140は、削孔ロッド100内で削孔用高圧水の供給経路から隔てられている収納室145内に設置されるから、削孔ロッド100からの削孔用高圧水の排出経路が削孔クズなどによって詰まって削孔ロッド100内の圧力が高くなっても、係る高圧が自記式水圧計140(の受圧部)に加わることが抑止され、自記式水圧計140が高圧によって壊れることを回避できる。
なお、自記式水圧計140を収納する収納室145と削孔ロッド100の外周とを連通させる連通孔146が削孔クズなどによって詰まると、地下水圧の計測精度が低下するので、連通孔146の詰まりを抑制するために、スポンジなどのろ過材料で連通孔146を塞ぐ構成とすることができる。
係る構成とすれば、連通孔146が削孔クズなどによって詰まることを抑止でき、以って、地下水圧を安定して高精度に計測できる。
図1に示した自記式水圧計140の収納室145は、箱状の壁部材144と本体部110の内周壁とで囲まれる空間であって、本体部110の中空部の中心軸から径方向外側に偏った位置に設けられるが、図8及び図9に示すような支持構造によって、本体部110の中空部の中心軸付近に収納室145を配置することができる。
図8及び図9において、金属製の筒状の収納ケース161が本体部110の中空部に設置され、この収納ケース161内の区画された収納室145に自記式水圧計140が収納される。
自記式水圧計140は、収納ケース161内の収納室145に、自記式水圧計140の中心軸が収納ケース161の軸心に略一致するように、スポンジ、ゴム、バネなどの弾性支持部材165によって両端が弾性的に支持されて収納される。
収納ケース161は、有底筒状の本体161aと、本体161aの一方端の開放部を閉塞する脱着可能な蓋部材161bとから構成される。自記式水圧計140は、本体161aの底部に設けた弾性支持部材165と、蓋部材161bの裏側に設けた弾性支持部材165とで挟み込まれるようにして、収納ケース161内に弾性的に支持される。そして、蓋部材161bを本体161aから取り外すことで、本体161aの開放部から自記式水圧計140を外部に取り出せるよう構成されている。
収納ケース161は、前側(削孔ビット120側)と後側(口元側)との2か所で、削孔ロッド100の内周壁と本体161aの外周壁とを連結する複数のステー162によって削孔ロッド100内部に支持される。
ステー162は、収納ケース161の本体161aの外周壁から放射状に3方に向けて延設されて削孔ロッド100の内周壁と本体161aの外周壁との間に架設され、収納ケース161の軸心が本体部110の中空部の中心軸に略一致するように、収納ケース161を本体161aの中空部内に支持する。
ステー162には、延設方向に沿って連通孔162aが貫通形成され、ステー162が連結される削孔ロッド100の周壁には、連通孔162aに連通するように連通孔110aを貫通してあり、更に、ステー162が連結される収納ケース161の周壁には、連通孔162aに連通するように連通孔161cを貫通形成してある。
そして、連通孔161c、162a、110aによって、収納ケース161内の収納室145と削孔ロッド100の外周とが連通されて、削孔ロッド100の外周の水圧を自記式水圧計140が受圧するよう構成されている。
係る構成において、削孔用の高圧水が送水される削孔中は、削孔ロッド100の内周壁と収納ケース161の外周壁とで挟まれる環状空間を通過して、削孔用の高圧水がダウンホールモータ130に供給され、削孔ビット120側から外部に排出された高圧水は、削孔ロッド100の内周壁と削孔された孔290との間隙に流れ出て口元側に戻る。
一方、削孔用の高圧水が送水される削孔停止中であって、削孔ビット120(切羽)が地下水帯300に位置している場合、地下水は削孔ロッド100の内周壁と削孔された孔290との間隙に流れ込んで削孔ロッド100の外周は地下水圧になり、係る地下水圧が連通孔161c、162a、110aを介して収納ケース161内の自記式水圧計140に受圧され、自記式水圧計140は地下水圧を計測することになる。
図8及び図9に示した自記式水圧計140の設置構造では、削孔ロッド100の軸心付近に収納室145が区画形成され、この収納室145内と削孔ロッド100の外周とが放射状に複数個所で連通されるため、削孔ロッド100の外周の広範囲の圧力を自記式水圧計140が受圧でき、また、削孔用高圧水の流れが削孔ロッド100内で偏ることを抑制できる。
また、本体部110を、逆止弁150を備える第1ユニットと、収納ケース161が設けられる第2ユニットと、ダウンホールモータ130を備える第3ユニットとの少なくとも3ユニットが着脱可能に連結される構造とすれば、削孔完了後にこれらのユニットを分離した後に、収納ケース161の着脱可能な蓋部材161bを取り外すことで、自記式水圧計140を容易に取り出すことができ、自記式水圧計140からの計測データの読み出しを簡便に行える。
以上、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば種々の変形態様を採り得ることは自明である。
図1に示した削孔ロッド100は、高圧水の供給によって削孔ビット120を回転駆動する水圧式ロータリードリルであるが、高圧水によって削孔ビットを打撃動作させる水圧式パーカッションドリルにおいても、自記式水圧計140及び逆止弁150を図1と同様に配置することで、地下水圧の計測を行わせることができる。
つまり、図1のダウンホールモータ130を打撃発生機構に置き換えることで、水圧式パーカッションドリルとしての削孔ロッドを構成でき、係る水圧式パーカッションドリルにおいても、水圧式ロータリードリルである削孔ロッド100と同様に地下水圧の計測を行え、同様の効果を得ることができる。
また、図1に示す削孔ロッド100は、高圧水の送水によって削孔ビットを削孔動作させる構成であるが、油圧によるトップハンマ式の削孔ロッドにおいても、削孔ロッドの外周の水圧を受圧するように自記式水圧計を削孔ロッド内に配置して、削孔過程で逐次水圧の計測を行わせ、削孔完了後に計測データを読み出す構成とすることができる。
また、図1に示した高圧水の送水によって削孔ビットを削孔動作させる削孔ロッド100において、逆止弁150を省くことができる。更に、油圧によるトップハンマ式の削孔ロッドであって、削孔ロッド外周の水圧を受圧する自記式水圧計を内部に配置した削孔ロッドにおいて、削孔ビット側から口元側への水の流れを阻止する逆止弁を削孔ロッド内に備えた構成とすることができ、また、前記逆止弁を省いた構成とすることができる。
また、削孔ロッド外周の水圧を受圧する自記式水圧計及び逆止弁を内部に備える削孔ロッドにおいて、自記式水圧計は、削孔ビットと逆止弁との間に配置される構成に限定されず、例えば、自記式水圧計と逆止弁とを並列に配置したり、削孔ビットと自記式水圧計との間に逆止弁を配置したりすることができる。
また、自記式水圧計140に内蔵されるマイクロコンピュータが、計測の時間間隔(サンプリング間隔)を自動調整する機能を有することができ、例えば、計測結果の変動が少ないときに計測間隔を延ばし、計測結果の変動が大きくなると計測の時間間隔を短縮することができる。
また、計測開始、計測停止を制御するタイマー機能を自記式水圧計が備えるようにし、削孔作業を中断させる夜間などにおいて水圧計測を自動的に停止させることができる。
また、削孔長さが無線通信可能な距離の場合、自記式水圧計140に代えて、計測データを無線で送信できる機能を有した水圧計を収納室145に収納させ、水圧計測データを定期的に地上のパソコンなどに無線伝送させる構成とすることができる。この場合、水圧計は、圧力センサ、無線発信器、無線伝送装置、バッテリーなどを含んで構成される。
つまり、水圧計140は自記式に限定されず、無線伝送式の水圧計を用いることができる。
また、図10に示すように、口元プリベンターバルブ320よりも上流側で、口元保護管310の内周面と延長用削孔ロッド220の外周面との間の環状空間と流量計810の入口とを連通させる分岐路820を設ける構成とすることができる。
係る構成によると、削孔中は、ポンプ送水流量と流量計810の計測流量の差から地下水の流量を計測し、また、削孔停止中(ポンプ送水停止により逆止弁150が閉じ、かつ、口元プリベンターバルブ320を閉じている場合)は、流量計810の計測結果を地下水流量として検出することができる。
そして、図10に示す流量計測システムと、自記式水圧計140を備えた削孔ロッド100とを組み合わせることで、地下水圧と地下水流量との双方を計測できることになる。
なお、図10の構成において、分岐路820にはバルブ850を設けてあり、このバルブ850を開くと水が流量計810に流れ込むように構成されている。
また、図10に示すように、口元保護管310の内周面と延長用削孔ロッド220の外周面との間の環状空間と水圧計830の入口とを連通させる分岐路840を設ければ、削孔停止中(ポンプ送水停止により逆止弁150が閉じ、かつ、口元プリベンターバルブ320を閉じている場合)に、水圧計830は地下水圧を計測することになる。
但し、水圧計830は口元での水圧を計測するため、削孔深度が100mを超えるような場合は、切羽付近での地下水圧に対して口元で計測される水圧は圧力損失が大きくなり、計測精度が低下する。
これに対し、前述の実施形態のように、削孔ロッド100に自記式水圧計140を設ける場合には、圧力損失が十分に小さくなり地下水圧を高精度に計測できる。
100…削孔ロッド、110…本体部、120…削孔ビット、130…ダウンホールモータ、140…自記式水圧計、141…ステー、142…電源(バッテリー)、143…メモリ、144…壁部材、145…収納室、146…連通孔、150…逆止弁、320…口元プリベンターバルブ、161…収納ケース、162…ステー、162a…連通孔

Claims (8)

  1. 削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドの内部に、区画された収納室を設け、
    前記収納室と前記削孔ロッドの外周とを連通孔によって連通させ、
    前記収納室に水圧計を配置し、
    地盤の削孔過程で前記削孔ロッドの外周が地下水領域と連通するときに、前記水圧計により計測を行い、
    地下水圧の計測データを取得する、
    地盤削孔における地下水圧計測方法。
  2. 前記削孔過程において削孔を停止して前記水圧計により計測を行い、
    地下水圧の計測データを取得する、
    請求項1に記載の地盤削孔における地下水圧計測方法。
  3. 前記削孔ビットは、前記削孔ロッドの内部を通じて流れて外部に流れ出る高圧水を駆動源として削孔動作するものであって、
    前記削孔ロッドの内部に前記削孔ビット側から口元側への水の流れを阻止する逆止弁が配置されている、
    請求項1又は請求項2に記載の地盤削孔における地下水圧計測方法。
  4. 削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドであって、
    前記削孔ビットは、前記削孔ロッドの内部を通って供給される高圧水を駆動源として削孔動作し、
    前記削孔ロッドは、内部に区画された収納室を有し、
    前記収納室は、前記削孔ロッドの外周と連通孔によって連通され、
    前記収納室に自記式水圧計を備えた、
    削孔ロッド。
  5. 削孔ビットを先端に備えた中空筒状の削孔ロッドであって、
    前記削孔ロッドは、内部に区画された収納室を有し、
    前記収納室は、前記削孔ロッドの外周と連通孔によって連通され、
    前記収納室に水圧計を備えた、
    削孔ロッド。
  6. 前記自記式水圧計又は前記水圧計は、前記収納室に複数のステーにより固定されている、
    請求項4又は請求項5に記載の削孔ロッド。
  7. 前記自記式水圧計又は前記水圧計は、弾性支持部材によって両端が支持されて前記収納室に収納されている、
    請求項4又は請求項5に記載の削孔ロッド
  8. 前記削孔ロッドの内部に前記削孔ビット側から口元側への水の流れを阻止する逆止弁を備えた、
    請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の削孔ロッド。
JP2016007888A 2016-01-19 2016-01-19 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド Active JP6664967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016007888A JP6664967B2 (ja) 2016-01-19 2016-01-19 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016007888A JP6664967B2 (ja) 2016-01-19 2016-01-19 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017128881A JP2017128881A (ja) 2017-07-27
JP6664967B2 true JP6664967B2 (ja) 2020-03-13

Family

ID=59395554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016007888A Active JP6664967B2 (ja) 2016-01-19 2016-01-19 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6664967B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6948897B2 (ja) * 2017-09-26 2021-10-13 大成建設株式会社 先進ボーリング口元構造
JP7237663B2 (ja) * 2019-03-08 2023-03-13 株式会社大林組 振動センサ機構
JP7237664B2 (ja) * 2019-03-08 2023-03-13 株式会社大林組 掘削ロッド
JP7200013B2 (ja) * 2019-03-08 2023-01-06 株式会社大林組 トンネル切羽前方探査システムおよびトンネル切羽前方地山の探査方法
CN109898993B (zh) * 2019-03-29 2024-04-12 长江勘测规划设计研究有限责任公司 垂直钻孔中地下水流速流向的测定装置
CN111219183B (zh) * 2020-01-21 2023-07-04 中国铁建重工集团股份有限公司 一种水量水压探测装置
JP7404147B2 (ja) 2020-04-28 2023-12-25 株式会社大林組 スイベルジョイントおよびトンネル切羽前方探査システム
CN114215492B (zh) * 2021-12-16 2023-11-17 山东省煤田地质局第三勘探队 一种用于水文地质钻孔分层抽水的止水装置
CN114964603B (zh) * 2022-07-29 2022-12-20 山东省地质矿产勘查开发局八〇一水文地质工程地质大队(山东省地矿工程勘察院) 一种地下水数据监控系统及应用该系统的监控方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5820357B2 (ja) * 1977-07-09 1983-04-22 持田 豊 掘さくにおける湧水浸出防止装置
JPH06212872A (ja) * 1993-01-13 1994-08-02 Toyo Kikaku Kk 掘削ビット
JPH07158368A (ja) * 1993-12-10 1995-06-20 Yoshida Tekkosho:Kk 掘削ドリル
JP3388144B2 (ja) * 1997-07-29 2003-03-17 ライト工業株式会社 透水試験用削孔部材およびこれを用いる透水試験方法
JP2002276277A (ja) * 2001-03-13 2002-09-25 Shimizu Corp トンネル水平ボーリングにおける多点水圧測定方法
JP2007155506A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Central Res Inst Of Electric Power Ind 液中張力測定装置および液中張力測定方法
JP2009097155A (ja) * 2007-10-12 2009-05-07 Raito Kogyo Co Ltd 口元止水装置、口元止水装置用弾性体及び口元止水装置用弾性体の製造方法
JP5350136B2 (ja) * 2009-08-24 2013-11-27 一般財団法人電力中央研究所 パッカー一体型水理試験装置
AU2012370518B2 (en) * 2012-02-20 2015-12-10 Halliburton Energy Services, Inc. Downhole formation testing with automation and optimization
KR101424690B1 (ko) * 2013-02-06 2014-08-01 주식회사 에이플러스인스트루먼트 진동 철선식 간극수압계 제조방법 및 그 제조방법에 따른 진동 철선식 간극수압계
JP6542087B2 (ja) * 2015-09-29 2019-07-10 鹿島建設株式会社 地盤削孔における地下水計測方法及び削孔ロッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017128881A (ja) 2017-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6664967B2 (ja) 地盤削孔における地下水圧計測方法及び削孔ロッド
JP6542087B2 (ja) 地盤削孔における地下水計測方法及び削孔ロッド
AU2019257536C1 (en) Core barrel head assembly with an integrated sample orientation tool and system for using same
NO20120833A1 (no) Maleanordninger med minneetiketter samt fremgangsmater for disse.
NO20111664A1 (no) Fremgangsmater og anordninger for maling av en borkrones tilstand
BRPI0915074B1 (pt) equipamento de controle de alargamento e método de operação e controle de perfuração em tempo real
NO338525B1 (no) Borekrone og fremgangsmåte for innsamling av borekrone-ytelsesdata.
NO334205B1 (no) Datainnsamlingsanordning og fremgangsmåte for å fjerne forurensninger fra en brønns borehullsvegg før in situ innsamling av formasjonsdata fra borehullsveggen
MX2011008618A (es) Sistema de orientación de perforacion de cilindro.
US20140224511A1 (en) Pump Drain Arrangements For Packer Systems And Methods For Sampling Underground Formations Using Same
JP6663324B2 (ja) 地下水の取水方法及び取水システム
JPH10220160A (ja) 水圧破砕式応力測定方法および装置
CA2839920C (en) Expandable filtering system for single packer systems
RU2323335C2 (ru) Устройство измерения термобарических параметров жидкости в трубном и кольцевом пространствах скважины
Ursic Case Studies at Several Environmental Sites Using a Multi-Parameter Borehole Water Quality Investigation Tool

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20160128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6664967

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250